留美「八幡結婚しよ!」八幡「……は?」 (67)
八幡(小学生にからかわれる俺って……)
留美「ねえ八幡! ……ダメ?」
八幡(あらかわいい)
八幡「俺をからかうのも……」
留美「私本気だよ」
八幡「……お前は小学生で俺は高校生。無理だろ常識的に考えて」
留美「もちろん結婚は大人になってから。もう家の両親にも八幡のご両親にも話は済ませてるから」
八幡「ファッ!?」
留美「あとは八幡次第!」
八幡(……なんだこれ)
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八幡「……えっと、……マジでなんだこれ」
留美「ね~え~は~ち~ま~ん~」グイグイ
八幡(あらかわいい)
八幡「ダメだ。俺は将来専業主夫として家庭に入らなければならん」
留美「うん」
八幡「俺を養えるだけの器量を持った子じゃないと俺と結婚は出来ない」
留美「……うん」
八幡(もうひと押しだな)
八幡「俺が今後高校なり大学なり卒業したあと、すぐに俺を養えるのは同級生、または年上というわけだ」
留美「はあ」
八幡「つまりお前が金を稼げるまで俺は一体どうやって生きていけばいいんだってことだ」
八幡(これはドン引きですわ。わかるよはちまん! 俺でも引くもん!!)
留美「私がお金稼げるようになるまでうちで八幡の面倒みるし大丈夫」
八幡「え」
留美「うちお金持ちだし」
八幡(こ、これは……)
八幡(罠だこれは罠だ。ありえない。たかが俺ごときにここまでお熱など絶対にありえない)
留美「……だめ?」ウルウル
八幡(あらかわいい)
留美「あ、お父さんだ」
八幡「!?」
留美父「やあ八幡くん娘がお世話になっているようで」ニコッ
八幡「……いえ、こちらの方こそお世話になってます」
八幡(うわっめっちゃ爽やか眼力はんぱねえ金持ち感ぱねえ)
留美「ねえお父さん八幡を説得して」
留美父「あははそれじゃ八幡くんちょっと男同士で話しようか」
八幡(これは二人きりになった後に体よくお引取り願ってくるパターン! やったぞ逃げられる!!)
留美父「留美との結婚における君の将来の安泰っぷりをガッツリ説明しよう!!」
八幡「」
留美「それじゃ先に帰ってるね八幡おやすみ」ニコッ
八幡「……ああ」
留美父「それじゃ話そうか。……飲み物はマッ缶でいいよね。はいどうぞ」
八幡(さも当然のようにマッ缶渡された……なにこれもしかして調べつくされちゃってんの俺?)
留美父「えっもしかしてマッ缶ダメだった? えっ君千葉県民だよね?」
八幡「……いえ、大好物です」
八幡(これは……)
留美父「良かった千葉のソウルドリンクが飲めないのかと思ったよ」
八幡(よく見るとこの人の目、キリッとしてんのにその奥底がめちゃくちゃ腐ってんじゃん)
八幡「なに言ってんですか。俺の血の半分はMAXコーヒーで出来ていると言っても過言じゃないですよ。なんて言ったって俺千葉生まれの千葉育ちですもん」
留美父「だよね君の目を見た瞬間わかったようん」ニコニコ
八幡(この人めちゃくちゃいい人やん。初めてだよ俺。心の底から信頼出来る人見つけたの)
八幡(って何懐柔されそうになってんだ学習しろよはちまんくんっ! 人を信用したら痛い目にあうって小中高でいっぱい学んだでしょ!)
留美父「で? 君は体育で二人組作る時自発的に先生と組む派? それともあぶれた奴見つかるまで待つ派?」
八幡「……いえ、俺は自発的に一人でやる派です」
留美父「だよねー最終的にそこに行き着くよねわかるわかる」ニコニコ
八幡(やっぱりめっちゃいい人じゃねえか!! なにこの人俺の生き写し!?)
留美父「いやー留美も見る目あるなぁ。最初は凄い心配だったけど君なら安心だよ」ニコニコ
八幡「……あの俺専業主夫志望なんですけど」
留美父「当然でしょ。僕も専業主夫だしまともな神経してたら働くとかありえないよね」
八幡「留美さんを僕にください!!」
留美父「留美をよろしくね」ニコニコ
八幡(俺の時代が来たァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
同級生「私の家もお金持ちなのだけれど」
同級生の姉「比企谷君。お姉さんは専業主夫大歓迎だよ」
先生「私といれば社畜に目覚めるはずだ」
よくあさ!
小町「お兄ちゃん朝だ……よ……?」
八幡「おはよう小町」キリッ
小町「え、誰この人……」
八幡「何言ってんだ。小町のお兄ちゃんですよ」キリッ
小町「え、あ……うん。おはよう……」
小町(本当にお兄ちゃん? 目がすっごいキリッとしてるんだけど。眼力ハンパないんだけど)
八幡「さあ、朝食にしようか」キリッ
小町「ちょっとどうしたのお兄ちゃん。いつもの腐った目どこにやったの……」
八幡「好きな人ができると変わるよな。世界が明るくなるというか」キリッ
小町(すっごい落ち着かないんだけど。ってか何いってんのこの人……)
小町(結衣さんか雪乃さんがついに告白したのかな?)
八幡「これ旨いな。こんど作り方教えてくれ」キリッ
小町「……うん」
小町(喜んだほうがいいのかな? なんかお兄ちゃんじゃないみたいで落ち着かないけど……)
八幡「いつも家事やってくれてありがとうな。つか生まれてきてくれてありがとうな」キリッ
小町「いや、やっぱ喜べないよこれ! おかしいよこれ!! この人おかしいよこれ!!!」
八幡「小町もついに反抗期かな?」キリッ
小町(えっどっち!? 結衣さん? 雪乃さん? どっちに連絡すればいい--)
留美「八幡おはよっ!! 学校途中までいこっ!!!!!」バンッ
小町(え……)
八幡「おはよう俺のかわいいかわいい留美。すぐに支度するから待っててくれ」キリッ
留美「うん!」
小町「……」
小町(頭痛くなってきた)
小町「お、お兄ちゃん……?」
八幡「なんだい小町」キリッ
小町「えっと、これどういうことだか教えてほしいな。あとその目つきと話し方やめてほしいなって」
八幡「目つき? いつもより全然マシだと思うんだが」キリッ
小町「マシだからこそ逆にキツイというか……。眼力はんぱなくて落ち着いて目を合わせて話すことすらできないというか……」
八幡「ああ、目はあまり合わせないほうがいいかもな。間違って幻術にハメたら大変だし」キリッ
小町(あっ、この伝わりづらいネタで相手を困らすの! いつものお兄ちゃんだ!)
小町「さっきの……留美ちゃんだよね? 一緒に学校にいく約束でもしたの?」
八幡「嫁だからな。出来る限り一緒にいるのは当たり前だ」キリッ
小町「……もしかしてドッキリ? こういうの小町的にポイント低いよ?」
八幡「よく意味がわからないが俺は留美にドッキドキ」キリッ
ハーチーマーンーマーダー
八幡「愛しの留美が呼んでるし行ってくる」キリッ
小町「」
ルミルミー マタセテゴメンヨー
小町「」
がっこう!
八幡(いつもと変わらない朝。いつもと変わらないクラスの喧騒。いつもと変わらないリア充共の雑音)キリッ
あーし「ヒキオじゃん。相変わらずキモーーーえ、誰コイツかっこいい」
八幡(だというのに何故だろうか? 周りの人間が怖くない。とても心がぴょんぴょんしてる)キリッ
由比ヶ浜「あっ!! ヒッキーやっはろー!!!」
八幡「ああ由比ヶ浜。やっはろー」キリッ
由比ヶ浜「……え」
八幡(そうか……。これが愛の力か……)キリッ
戸塚「おはよう八幡!」
八幡「おはよう彩加」キリッ
戸部「おっ! ヒキタニくんじゃん! おいっすチーッス!!!」
八幡「おっす戸部。今日も存在がうるさ……元気だな」キリッ
由比ヶ浜「」
チョッ ヒキタニクンヒデーヨ
\ ワハハハハハハハハハハハハ /
由比ヶ浜「もしもし小町ちゃん!? おかしい!! ヒッキーがなんかおかしいよ!! 全体的に!!!!!!」
ほうかご!
八幡「うっす」キリッ
雪ノ下「こんにちは。引きこも……比企谷くん。相変わらず汚れた……」
雪ノ下(目をしてない1? こ、ここここれは一体!?)
八幡「大丈夫か雪ノ下? 具合が悪いようなら言ってくれ。なんなら送っていくぞ」キリッ
雪ノ下(くっ! なんなの彼は……。いつもなら『俺はぼっちであって引きこもりじゃねえ』的な返しを汚れた目でボソボソとーーー)
八幡「熱でもあるのか?」キリッ ピタッ
雪ノ下「ひゃっ!?」
八幡「熱はなさそうだな。安心した」キリッ
雪ノ下「ななななななななななな」
雪ノ下(なんなのこれは一体!? 彼らしくない真っ直ぐな気遣い! それにーーー)
八幡「最近あたたかくなってきたし、季節の変わり目は体調を崩しやすい。気をつけろよ」キリッ
雪ノ下(なんて凛々しい目つきなの……。もはや笑えないレベルの眼力で……はっ!? まさか私口説かれているの!?)
八幡(どうせ暇だしラブリーマイエンジェル瑠璃たんにメールでもするか)キリッ
雪ノ下(うふふふふふふ//////)ニヨニヨ
八幡(ふひひひひひひ)キリッ
由比ヶ浜「やっはろー……」ガラガラ
雪ノ下「由比ヶ浜さんこんにちは。珍しいわね。元気が無いようだけれど」
由比ヶ浜「え……ゆきのん気がつかないの?」
雪ノ下「一体何を……はっ!?」
由比ヶ浜「ゆきのん今気がついたんだ……」
雪ノ下(まさか由比ヶ浜さん! 比企谷くんが私のことを好いていると気がついて!?)
八幡(はやく帰ってるみるみとにゃんにゃんしたい……)キリッ
雪ノ下「ええ……。それはもちろん彼が今日部活に顔を出した瞬間にわかっていたわ」
由比ヶ浜「そうなんだ……。どうしよっかゆきのん……」
雪ノ下「まあ比企谷くんから何らかのアクションがあるまで現状維持でいいのではないのかしら/////」
八幡(おっ! お義父さんとお義母さんが俺を夕飯にご招待……!! スマン幸せすぎてスマン!!)キリッ
由比ヶ浜「……ほ、ホントにいいのゆきのん……」チラッ
雪ノ下「由比ヶ浜さんごめんなさい」シュン
由比ヶ浜「?」
雪ノ下(私が選ばれてしまって//////)
雪ノ下(うふふふふふふ//////)ニヨニヨ
八幡(ふひひひひひひ)キリッ
一色「遊び……間違えました依頼に来ましたーっ」ガラガラ
雪ノ下「一色さんこんにちは」ニコニコ
由比ヶ浜「いろはちゃんやっはろー……」
一色(雪ノ下先輩がいつになく上機嫌で結衣先輩がいつになく落ち込んでる……どうかしたのかな?)
八幡「うっす一色今日もキマってるな」キリッ
一色「あ、どうかしてます! 現在進行形でとんでもないことになってすよこれ!?」ビクッ
雪ノ下「あら……気がついてしまったようね」ドヤァ
由比ヶ浜「ごめんねいろはちゃん。……この通り依頼どころじゃないよ……」
一色「先輩……ど、どうしたんですか!? あの薄汚れた眼とマイナスに振り切ったコミュ症っぷりが消えてるじゃないですか!!!」
八幡「すまん……愛の力だすまん……」キリッ
由比ヶ浜「」
雪ノ下「////////」
一色「は! もしかして口説いてるんですか? その目も嫌いじゃないですけど眼力強すぎて笑えないですもう少し汚してからチャレンジしてくださいごめんなさい」ビクゥ
八幡(今夜はスーツで行くべきかラフな格好で行くべきか……。迷うな……)キリッ
一色(こんなの先輩じゃない……)
一色「あの……これって一体」
由比ヶ浜「朝からこんな感じなの……」
一色「平塚先生は……」
由比ヶ浜「朝の点呼で幻覚が見えるとか言って早退しちゃったよ……」
一色「」
雪ノ下(愛の力……愛……愛……うふふふふ///////)
八幡(早く帰ってるみるみと将来を語り合いたい……)キリッ
由比ヶ浜「小町ちゃんもわけがわからないって泣きそうになってたよ」
一色「……はぁ」
八幡「どうした一色、ため息なんかついて。俺で良かったら相談に乗るぞ」キリッ
一色「いや全部先輩のせいなんですけど」
八幡「すまん幸せすぎてすまん」キリッ
雪ノ下「////////」
一色「」
由比ヶ浜「」
八幡「時間だな。俺は帰る。お前らも気をつけて帰れよ」キリッ
一色「」
由比ヶ浜「」
雪ノ下「ええ……あなたも気をつけて/////」
つぎのひ!
小町(結局お兄ちゃん帰ってこなかった……。お父さんたちもコブが消えたとか言って狂喜乱舞しながら旅行に行っちゃったし……)
ガラガラ
八幡「小町すまん朝帰りですまん」キリッ
八幡(楽しかったな。絶対留美を幸せにしよ)キリッ
小町「! お兄ちゃん朝まで誰にリンチ監禁されてたの!! 小町凄い心配してたんだよ!! あ今の小町的にポイント高い!!」テヘペロ
八幡「留美のうちに泊まってた」キリッ
小町「ちょっと少しはノリに付き合ってよ!! そもそもなんで留美ちゃんちに泊まってるの!?」
八幡(そりゃ婚約者の家だし泊まるだろ……。ああ、嫉妬してるのか小町かわいい)キリッ
八幡「小町が心配するようなことは無いぞ。ただご両親と真剣10代しゃべり場ってただけだ」キリッ
小町「なにそれすっごい気になるんだけど!! ってか昨日と変わらず眼力はんぱないんだけどお兄ちゃんやめて!!!」
八幡「この愛は朽ちないからなそりゃ目つきも変わらん」キリッ
小町「」
八幡「朝食の支度はまだみたいだな。俺も手伝うから料理教えてくれ。将来のために」キリッ
小町「」
八幡(兄の成長に感無量になってる小町かわいい)キリッ
小町「」
小町「えっとお兄ちゃん?」オドオド
八幡「どうした小町」キリッ
小町「えっと……、全然意味がわからないんだけど」
八幡「何がわからないんだ?」キリッ
小町「その……留美ちゃんのこととか愛がどうたらのこととか」
八幡(さすがの親父たちも息子の今後のことだし小町にも話してるだろ……。ってことはあれだな。最愛のお兄ちゃんの婚約を受け入れられないでいるのか)キリッ
八幡(かわいいさすが小町かわいい)キリッ
小町「ねえ答えてよお兄ちゃん!!」ダンッ
八幡(こりゃしばらく間を空けないとダメだな)キリッ
八幡「小町こっちに来てくれ」キリッ
小町「え……、うん……」ビクビク
トン
小町「!?」
八幡「許せ小町……。また今度だ」キリッ
小町「」
八幡(今日は休みだし昼まで寝るか)キリッ
小町「」
小町「」
このSSまとめへのコメント
続きが楽しみだ キリッ
期待してる キリッ
この勢い、嫌いじゃない キリッ
※欄、イケメンだらけ キリッ
意外性があっておもしろい キリッ
この留美父は新しいな キリッ
どう落ち着くんだろ、これ。
早く続きが読みたい
何故だろう
ひねくれている八幡の方がカッコイイのに
今、なんか残念キャラになった
続きが読みたいな キリっ