めぐり「久しぶりだねー」 八幡「どもっす」 (109)

キャラ崩壊注意

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月曜日放課後 マリンピア

めぐり「比企谷くんとこんな所で会うなんて思わなかったなぁ……」

八幡「結構、よく来ますけどね。主に本屋目当てですけど」

めぐり「今日も本屋にいくの?」

八幡「小説買いにいきますけど……?」

めぐり「私も一緒に行ったらダメかな? 私も欲しい本があってさ」

八幡「まぁ、いいですけど」

めぐり「良かった! 比企谷くん、ありがと!」ニコッ

八幡(か、かわいい……)ドキッ

めぐり「顔赤いよ? どうしたの?」ズイッ

八幡「……だ、大丈夫です」プイッ

八幡「先輩はどうしてここに?」

めぐり「えーとね、最初は洋服を見てたんだ」

八幡「そろそろ春になりますしね」

めぐり「そうなんだよね。だから、春服で可愛い服ないかなーって見てたんだけど……」

八幡「あんまり気に入るのがなかったんですか?」

めぐり「そんなことないよ! 可愛い服がたくさんあって見てるだけでも楽しかったよ!」

めぐり「でも、春服って薄着になるから体型が出ちゃうんだよね、だから悩んじゃって……」

八幡「……そういうもんですか?」

めぐり「女の子にとっては深刻な悩みなんだよ?」

八幡「でも、先輩は細いじゃないですか?」

めぐり「そ、そんなことないよ! 私、脱いだらすごいんだよ!」

八幡(ぬ、脱いだらすごい……)ゴクリ

めぐり「比企谷くん?」

八幡「い、いえ、なんでもないです……」

めぐり「あとは4月から一人暮らしするから、その準備とかかなー」

八幡「家出るんですか?」

めぐり「大学には実家からでも通えないことはないんだけどね。でも、通学のこと考えたら近い方がいいかなって」

八幡「いくら通学のためとはいえ凄いっすね。俺には考えられないですよ」

めぐり「どうして? 男の人は早く家から出たいって人多いよね?」

八幡「家事しなきゃいけないし、お金とかも掛かりますからね。まだまだ、親に養ってもらうつもりです」

めぐり「比企谷くんらしいなぁ……」

八幡「一人暮らしとか不安じゃないんですか?」

めぐり「不安より楽しみって感じかな。新しい環境ってワクワクしない?」

八幡「……なんとなくわかりますね。でも、新しい環境に浮かれてるときは危険ですよ」

めぐり「どういうこと?」

八幡「俺、高校の入学式の日に、新しい環境に胸を躍らせて1時間も早く家を出たら交通事故に遭いまして。それで左足を骨折して入院したんですよ」

めぐり「な、なんかごめんね……」

八幡「あ、いえ、そういう意味じゃなくて……」

八幡「なんつーか、先輩も気を付けてくださいって意味で……」

めぐり「……心配してくれたんだ?」

八幡「……まぁ、そうですね」

めぐり「……」フフッ

八幡「なんすか?」

めぐり「ううん、なんでもないよ。心配してくれてありがと!」ニコッ

本屋

めぐり「比企谷くんはどんなの読むの?」

八幡「基本はなんでも読みますよ」

めぐり「恋愛小説とかも?」

八幡「まぁ、妹が持ってるのをたまに読みますかね」

めぐり「比企谷くんがそういうの読むなんて意外ー! でも恋愛小説っていいよね!」

八幡「先輩も読むんですか?」

めぐり「うん、読むよー。感情移入して泣いちゃったりするかな」

八幡「先輩らしいですね」

めぐり「比企谷くんは?」

八幡「……笑いますかね」

めぐり「恋愛小説でもギャグとかあっておもしろいよね!」

八幡(めぐり先輩が純粋すぎて、心が痛い……)

八幡「すみません。お待たせしました」

めぐり「じゃあ、そろそろ行こうか?」

八幡「俺は目当ての物買えたんで大丈夫ですけど、先輩は買わないんですか?」

めぐり「えっ?」

八幡「本買いに来たんですよね?」

めぐり「あっ……」

八幡「もしかして、欲しい本がなかったとか?」

めぐり「そ、そうなんだよー、売り切れててさ! 残念だなー!」

八幡「なら、取り寄せしてもらえばどうですか? なんなら俺がやってきましょうか?」

めぐり「か、帰り道にある本屋で見てみるから大丈夫だよ!」

八幡「そうですか……? でも、売り切れなんてツイてないですね」

めぐり「そうかな? 私は今日は運がいいなって思ったけど……」

八幡「……?」

めぐり「つ、次いってみよー!」

八幡「次って……。どこいくんですか?」

めぐり「……そうだ! コーヒーでも飲まない?」

八幡「いいですけど」

めぐり「よし、じゃあレッツゴー!」

八幡「えっと……」

めぐり「レッツゴー!」

八幡「お、おー……」

カフェ

めぐり「私、これ好きなんだー!」

八幡(さっき、体型がとか言ってたのにパフェ食うのか……)

めぐり「比企谷くんも食べる?」

八幡「あ、いえ、俺は……」

めぐり「そうだよね……。男の子ってこういう甘いもの嫌いだよね……」シュン

八幡「……やっぱり、一口もらってもいいですか?」

めぐり「うん、いいよー!」

八幡「じゃあ、スプーンもらって……」

めぐり「はいっ」スッ

八幡(これ、あれだよね、リア充共がよくやってる「はい、あーん」とか言われて、食べさせてもらうやつだよね?)

めぐり「やっぱりいらない……?」

八幡「そういうわけじゃないんですけど……」

八幡(くそ、周りの視線が痛い……)

八幡「い、いただきます」パクッ

めぐり「……どう?」

八幡「美味しいですね」

八幡(全然、味がわからん……)





めぐり「美味しかったねー!」

八幡「ええ、まぁ……」

八幡(結局、何回も食わされた……)

めぐり「次はどこいく?」

八幡「えーと……。遅い時間ですし、そろそろ帰りませんか?」

めぐり「もうこんな時間なんだ……」シュン

八幡「あんまり遅いと家族の人も心配するでしょうし」

めぐり「そうだね。そろそろ帰ろうか」

めぐり「……楽しい時間てすぐ終わっちゃうね」

めぐり「……」トボトボ

八幡(めぐり先輩、元気ないな……)

めぐり「……そういえば、学校はどう? 楽しい?」

八幡「いつも通りですけどね。あえて言うなら一色に仕事押しつけられて困ってますね」

めぐり「そんなに……?」

八幡「毎日、下校時間まで手伝いさせられてますから」

めぐり「それは大変だね……。でも、一色さんを助けてくれてありがとね!」

八幡「まぁ、仕事ですから……」

めぐり「そんなこと言って、本当は可愛い後輩を助けてあげたいだけなんじゃないのー?」

八幡「ち、違いますよ。部活の活動として手伝ってるんですよ」

めぐり「部活? なんだっけ……。あっ、ご奉仕部だ!」

八幡「奉仕部ですよ」

八幡(ご奉仕とか、エロく聞こえるのは俺だけでしょうか……)

めぐり「前から聞いてみたかったんだけど、どんな活動するの?」

八幡「困ってる人の手助けをするって感じですかね」

めぐり「……悩みを解決してくれるってこと?」

八幡「いえ、あくまで助けるだけで、解決するかは本人次第です」

めぐり「それってさ、総武高関係者の依頼だったら助けてくれるの?」

八幡「依頼の内容によりますけどね」

八幡「なんか悩みがあるんですか?」

めぐり「悩みっていうか……。卒業までに確認したいことがあるんだ」

八幡「卒業までって、今週の土曜日に卒業式ですよ?」

めぐり「時間はないのはわかってるよ。でも、このまま卒業するときっと後悔すると思うんだ」

八幡「でも、卒業式前に3年生が登校するのは金曜日だけですよね?」

めぐり「それは大丈夫。比企谷くんの協力があれば、学校に行かなくても確認できるから」

八幡「俺の?」

めぐり「ダメかな?」

八幡(その上目遣いは反則だろう……) 

八幡「……まぁ、俺ができることなら協力しますよ」

めぐり「ありがと! それで依頼の内容なんだけど」

めぐり「卒業式までの間……」

めぐり「放課後、私と遊んでくれないかな?」

八幡「……えっ?」

火曜日放課後 千葉駅前

八幡「すみません。遅れました」

めぐり「私も今来たとこだし、大丈夫だよー」

八幡(最初は依頼の意図が分からず断ったが、高校生活に悔いを残したくないからと食い下がられ、依頼を受けることにした)

八幡「今日はなにするんですか?」

めぐり「見たい映画があるんだ。これなんだけど」

八幡(まぁ、恋愛映画とかだろうな)

八幡「……えっ」

めぐり「こういうの苦手?」

八幡(ホラーだと……?)

映画館

めぐり「楽しみだなー」ワクワク

八幡「ホラー映画が好きなんですか?」

めぐり「大好きだよ! 『リング』とか何回も見たもん!」

八幡「なんかイメージと違いますね」

めぐり「恋愛映画とか好きそうなイメージ?」

八幡「それです」

めぐり「……男の人ってさ、そういうのが好きな女の子がいいの?」

八幡「そんなことないと思いますけど?」

めぐり「前にね、海浜総合高の生徒会長やってる人に映画誘われて、二人で見に来たことがあるんだけど……」

八幡(玉縄か?)

めぐり「私がホラー見たいって言ったら『城廻会長はロマンスフィルムが好きっていうイメージをブレイクするのはよくないんじゃないかな』って言われたんだ」

八幡(玉縄だな)

八幡「俺はギャップがあっていいと思いますけどね」

めぐり「そういってもらえると嬉しいな……」

八幡(頬を赤く染めて俯くとか、勘違いしちゃうからやめてくれませんかね……)

上映中

ウオー!

八幡「!」ビクッ

めぐり「……」ニコニコ





キャー

八幡「!!」ビクッ

めぐり「ほー」フムフム

上映終了

めぐり「面白かったねー!」ニコニコ

八幡「そ、そうっすね……」ゲッソリ

八幡(あんなヘビーなもの見て、なんで笑ってられるの?)

めぐり「なんか、お腹空いたなー。なんか、食べてかない?」

八幡「いいですよ? 何にします?」

めぐり「比企谷くんの好きなのでいいよ?」

八幡(女の好きなのでいいよってのは、『私が食べたいなって思っているものの中でならいいよ』ってことである)

八幡(そのため世の男共は、自分が食べたいものよりも相手の好みを優先して解答するわけだが……)

八幡(あえて俺は自分を貫く)

八幡「サイゼとかどうですか?」

めぐり「いいよー!」ニコッ

八幡(あれ即答? もしかして正解だった?)

八幡「本当にいいんですか?」

めぐり「どうしてそんなこと聞くの?」

八幡「ほら、女の人ってサイゼみたいなファミレスとか嫌がるって聞きますし……」

めぐり「そうなの? 私、サイゼリア好きだよ?」

八幡「な、ならいいんですけど……」

めぐり「正直、比企谷くんとならどこでもいいんだけどね」

八幡「なんでですか?」

めぐり「……秘密」

今日はここまでっす

次は土日のどちらかには……
陽乃さんを書くの難しいわ

移動中
陽乃「比企谷くん、なにしてるのー?」

八幡「……」ウワァ

陽乃「そういう、あからさまに嫌そうな顔されるとお姉さん悲しいなー」

八幡(……嘘つけ、ニコニコしてんじゃねえか)

めぐり「あ、はるさんだ! お久しぶりです!」

陽乃「……めぐり?」

陽乃「なんか珍しい組み合わせだね?」

めぐり「映画見に行ったんですよー! 楽しかったです!」

陽乃「ほー。比企谷くんもやるねえ……」

八幡「なにをですか? ただ、映画鑑賞しただけですよ」

陽乃「だって、比企谷くんから誘ったんでしょ? 雪乃ちゃんとガハマちゃんを置き去りにして」

めぐり「はるさん、違うんですよ。私から誘ったんです」

陽乃「嘘でしょ……? めぐりから……?」

八幡(こんな驚いてる雪ノ下さん初めて見たぞ……)

サイゼリア
めぐり「はるさん、なに飲みますか?」

陽乃「うんとね、コーヒーでいいや」

めぐり「比企谷くんは?」

八幡「俺は自分で行きますから、大丈夫ですよ?」

めぐり「いいよ。今回は私が行くからさ。次は比企谷くんにお願いしていいかな?」

八幡「……じゃあ、俺もコーヒーでお願いします」

めぐり「任せといて!」スタスタ

陽乃「……それで比企谷くん、めぐりになにしたの?」

八幡「俺がなにかしたっていう前提がおかしくないですか?」

陽乃「だって、めぐりが男を誘うなんて信じられないんだもん」

陽乃「本当になにもしてないの?」

八幡「してませんって……」

陽乃「そっかぁ……」

八幡「……城廻先輩のこと、気になるんですか?」

陽乃「そりゃあ可愛い後輩だからね」

八幡「へぇ……」

陽乃「なに驚いてるのよ?」

八幡「いえ、雪ノ下さんは他人に興味がない人だと思ってたので」

陽乃「そんなことないよ? だって私、比企谷くんに興味津々だもん♪」

八幡「そうですか。ありがとうございますー」

陽乃「もう少し、感情こめてくれると嬉しいかな」

陽乃「ほら、めぐりってさ、純粋でしょ?」

八幡「まぁ、雪ノ下さんよりはそうかもしれませんね」

陽乃「真剣に話してるんだから、茶化さないでくれるかな」

八幡「……すみません」

八幡(さっき茶化して、俺に興味津々とか言ってたじゃねえか……)

陽乃「よろしい。……めぐりはね、誰かを欺いたり、裏切ったりしない。損得勘定なんてせずに誰かのために動いてあげられる優しい子なのよ」

陽乃「そんなめぐりを見ていると自分がどんなに醜いか思い知らされるんだ。それと同時に羨ましく思う。純粋な心をもってることを」

陽乃「……私にとってめぐりは、可愛い後輩でもあり、憧れなんだよ」

八幡「憧れですか……?」

陽乃「そうだよ? だからもし、めぐりを悲しませるようなことしたら許さないからね」

八幡「……それは怖いですね」

食後
陽乃「さてと、私は帰ろうかな。二人はどうする?」

めぐり「もう一杯くらい飲んでから帰ろうかと。比企谷くん、付き合ってくれる?」

八幡「まぁ、いいっすけど」

陽乃「……なるほどね。そういうことか」

八幡「は?」

陽乃「なんでもないよ。それじゃ、またね」

めぐり「やっぱり、はるさんは素敵だなぁ……」

八幡「前から思ってたんですけど、先輩って雪ノ下さんのこと好きですよね」

めぐり「大好きだよ。私、はるさんに憧れて生徒会長になっちゃうくらいだもん」

八幡「あれ、雪ノ下さんは生徒会長やってないんじゃ?」

めぐり「生徒会長はね。でも、はるさんが3年生の時に文化祭でバンドやって、凄い盛り上がったの。そのステージを見て、私もこんな風に周りを巻き込んで楽し
いことしたいなって思ったんだ」

八幡「その想いは達成できたました?」

めぐり「どうだろう……。私は素敵な思い出をたくさん作れたけど、みんなを楽しませることができたのかなって考えちゃうんだ……」

八幡「体育祭なんて盛り上がったと思いますけど?」

めぐり「でも、それはみんなが助けてくれたからだよ。私は励ますことしか出来なかった……」

八幡「それでいいんじゃないですかね」

めぐり「えっ?」

八幡「なんていうか、先輩ってこの人のためなら頑張ろうって思わせてくれるんですよ」

八幡「体育祭の時、準備とかキツくて嫌になりましたけど、先輩が一生懸命仕事してるのを見て、やるしかないなって思ったんです」

八幡「だから、先輩は先輩らしくしていてくれればいいんですよ。それだけで助けになりますから」

八幡「……って、俺がこんなこと言っても気持ち悪いだけですよね。すみません」

めぐり「ううん、そんなことないよ。すごい嬉しい……」

めぐり「比企谷くん、ありがとう……」

帰り道
めぐり「明日なんだけど、行きたいところある?」

八幡「先輩にお任せします」

めぐり「んー。でも、今日は私に付き合ってもらったから、明日は比企谷くんが行きたいところでいいよ」

八幡「急に言われると難しいですね……」

めぐり「じゃあ、いつも行くとこでもいいよ?」

八幡「家ですかね」

八幡(まぁ、こう言っておけば、先輩の方で決めてくれるだろ)

めぐり「じゃあ、明日はビデオ借りて比企谷くんの家で見よっか?」

八幡「えっ」

八幡「いや、それはさすがに……」

めぐり「あ、そっか。二日続けて映画鑑賞とか飽きちゃうよね?」

八幡「そういうわけじゃなくて、男の家に行くことに抵抗とかないんですか?」

めぐり「どうして? 男の人の家に行くの初めてだから楽しみだよ?」ニコッ

八幡(その笑顔はずるいだろ……)

八幡「……俺んちなにもないから、退屈だと思いますけどそれでいいなら」

めぐり「退屈なんてことはないと思う」

めぐり「だって、昨日も今日も楽しかったもん。……比企谷くんはつまんなかった?」

八幡「……俺も楽しかったです」

めぐり「 なら、大丈夫だよ! きっと明日も楽しいよ!」ニコッ

八幡(……マジで卑怯だよ。その笑顔は)

今日はここまでです

他の人が書いたSSとほぼ題名が一緒なんだけど……
オワタ

比企谷家
小町「お兄ちゃん、おかえりー。今日は遅かったね?」

八幡「映画見に行っててな」

小町「一人で?」

八幡「違うけど?」

小町「ほほー。雪ノ下さん? それとも、結衣さん?」

八幡「なんで、その二人が出てくんだよ……。高校の先輩だよ」

小町「お、女の人……?」

八幡「そうだけど?」

小町「……結衣さん達も大変だね」

八幡「なにが?」

小町「お兄ちゃんには一生わからないよ」

小町「小町的にはお義姉ちゃん候補が増えるから、嬉しいんだけどね!」

八幡「あー、はいはい。それで明日、その先輩が家に来るんだけど」

小町「お、お兄ちゃんが女の人を連れてくる!?」

小町「きゃー! お赤飯炊かなきゃ! それとも、お父さん達に早く帰ってきてもらってみんなで焼き肉とかの方がいいかなー?」

八幡「落ち着け。飯とかいいから」

小町「えー。でも、ちゃんとおもてなししたいもん」

八幡「たかが、家に遊びに来るくらいで大袈裟なんだよ」

>>67
小町「小町的にはお義姉ちゃん候補が増えるから、嬉しいんだけどね!」

八幡「あー、はいはい。それで明日、その先輩が家に来るんだけど」

小町「お、お兄ちゃんが女の人を連れてくる!?」

小町「きゃー! お赤飯炊かなきゃ! それとも、お父さん達に早く帰ってきてもらってみんなで焼き肉とかの方がいいかなー?」

八幡「落ち着け。飯とかいいから」

小町「えー。でも、ちゃんとおもてなししたいもん」

八幡「たかが、家に遊びに来るくらいで大袈裟なんだよ」

小町「とか言って、内心ドキドキの癖に……」ボソッ

八幡「あ?」

小町「なんでもなーい」

小町「ところで明日はなにするの? ……まさか、あんなことやこんなことしちゃうの? あんまり大きい声出しちゃダメだよ? 近所迷惑だからね」

八幡「はぁ? まだ、駅前で待ち合わせすることぐらいしか決まってねえよ。……そうだ、小町観たい映画があるって言ってただろ? それ借りてきてやるから、一緒にどうだ?」

小町「……」

八幡「小町?」

小町「お兄ちゃんがここまでヘタレだったなんて……。小町は悲しいです」

小町「あのさ、学校終わったらすぐ来るの?」

八幡「いや、部活は出るし、終わってからも買い物したりするけど?」

小町「そかそか! じゃあ、小町は明日の準備があるから、部屋に行くね!」

八幡「お、おう……」

小町「おやすみ、お兄ちゃん!」

八幡(……なんか嫌な予感がする)

翌日 放課後  奉仕部
平塚「邪魔するぞ」

八幡「……なんの用ですか」

平塚「そう怯えた顔をするな。別に説教するわけじゃない」

平塚「仕事の依頼があってな」

八幡「先生の結婚式のスピーチの仕事なら喜んでお受けしますけど」

平塚「……それは新郎としてスピーチをするという意味か?」

八幡「ち、違いますよ! 誰がこんな年増なんかと……」

平塚「比企谷!」ギロッ

八幡「ひゃい!」ビクッ

平塚「あまり期待させることを言うな。……父にやっと孫の顔を見せられると思ったじゃないか」ウルウル

八幡(頼むから誰かもらってやってくれよ……)

雪乃「それで依頼というのはなんでしょうか?」

平塚「生徒会が……」

八幡「お断りします」

平塚「待て、最後まで聞け。卒業する前生徒会役員の送別会を金曜日に生徒会室でやるそうでな。その手伝いをしてほしいとの事だ」

雪乃「そんな内輪の会に私達のような部外者が居ても邪魔になってしまうのでは?」

平塚「いや、城廻が奉仕部の参加を望んでるらしいから、その心配は無用だろう」

八幡「……」

雪乃「城廻先輩が……」

平塚「どうする? 断るなら私から連絡しておくが」

結衣「参加しようよ! めぐり先輩には体育祭の時にお世話になったしさ!」

雪乃「でも……」

八幡「……まぁ、いいんじゃねえか。断る理由もないし」

結衣「えっ」

雪乃「えっ」

八幡「なんだよ……?」

結衣「なんか、その……驚いたから、さ」

八幡「は?」

雪乃「あなたが屁理屈も言わずに参加するって言うのだもの……」

結衣「もしかして、めぐり先輩の頼みだから……?」

八幡「……別に関係ねえよ」

以上です。

あんまり進まなくて申し訳ない。

駅前
八幡(めぐり先輩はまだ来てないみたいだな)

いろは「あれ? 先輩、なにしてるんですか?」

八幡「……なんでもない」スタスタ

いろは「ちょ、ちょっと待って下さいよ!」

八幡「なんだよ? 俺、用事があるんだけど」

いろは「いや、なんでもないんですよね……?」

いろは「逃げようとするなんて、後ろめたいことでもあるんですか?」

八幡「……別にないけど」

いろは「怪しい……。ちょっと、あそこのマックに行きませんか?」

八幡「拒否する。俺を事情聴取したいなら逮捕状持ってこい」

いろは「ほんと先輩は面倒くさいですね……」

めぐり「比企谷くーん!」

いろは「城廻先輩……?」

めぐり「 あ、一色さんも一緒なんだ! 久しぶり!」

いろは「お、お久しぶりです」

めぐり「ごめん。遅れちゃって。飲み物とか買おうとしたら、レジが混んでててさ」

八幡「大丈夫ですよ。今来たとこですから」

いろは「えっ」

八幡「なんだよ?」

いろは「いえ……」

いろは(先輩が、遅れてきたことに文句を言わないなんて……)

いろは「あの、どこかに行くんですか……?」

めぐり「うん。今日は比企谷くんの家に遊びに行くんだよー」

いろは「そ、そうなんですか?」

いろは(家に行く……? もしかして、付き合ってるの……?)

めぐり「そうだ、一色さんも一緒に行かない?」

いろは「えっーと……」

いろは(わたしを誘うってことは違うのかな? ダメだ、よくわかんない……)

めぐり「この後、用事あるの?」

いろは「特にはないんですけど。……わたしが居たら邪魔じゃないですか?」

めぐり「どうして?」

いろは「それはその……」

八幡「まぁ、金曜日の送別会の打ち合わせも出来るしいいんじゃねえの?」

めぐり「そっか。その話もしないとだね!」

いろは「そ、そういうことなら……」

移動中
めぐり「ごめんね。荷物持ってもらっちゃって」

八幡「大丈夫ですよ。そんなに重くないですし」

めぐり「ありがと! やっぱり、比企谷くんは優しいね!」ニコッ

八幡「……別に普通ですよ」プイッ

めぐり「そうかな? 一色さんはどう思う?」コソッ

いろは「……先輩は目が腐ってると思いますね」

めぐり「目が……? 比企谷くん、こっち向いてくれない?」

八幡「なんすか?」

めぐり「……」ジー

八幡(なんで俺、見つめられてるの? それに距離近すぎない? ……先輩って、いい匂いするんだな)

いろは「先輩、顔赤いですよ。気持ち悪いです。あと、目が急激に腐敗し始めてます」

いろは「どうです? ヤバくないですか?」

めぐり「……」

いろは「城廻先輩……?」

めぐり「ううん。なんでもない。なんでもないよ……」

いろは「……先輩、謝罪を」

八幡「はぁ? なんで?」

いろは「先輩の目を見たら、城廻先輩が落ちこんじゃったんですよ!」

めぐり「ち、違うの!」

めぐり「そうじゃなくて、その……」

めぐり「比企谷くんの目を見てるとドキドキしちゃって、うまく喋れなかっただけなの……」

八幡「……」

いろは「それって……」

めぐり「そ、そこのコンビニで一色さんの飲み物買ってくるね! ここで待ってて!」ダッ

いろは「……やっぱり城廻先輩には敵わないなぁ」

八幡「そりゃ年上だしな」

いろは「えっ? 年上が好きなんですか!?」

八幡「そんなこと一言も言ってねえよ。向こうの方が長く生きてるんだから、そうそう敵うもんじゃねえだろ。経験だってあるだろうしよ」

いろは「駆け引きとかはわたしの方が上だとは思いますし。それに経験だって城廻先輩よりはあるはずですけど」

いろは「……人工的に作られたものが天然物に勝てるはずないんですよね」

八幡「よくわかんねえな」

いろは「城廻先輩に対して、そうやってはぐらかすのはやめて下さいね」

八幡「……なんの話だよ」

いろは「わかってますよね?」

八幡「……」

いろは「城廻先輩を泣かせたら許しませんから」

今日はここまでっす。

乙です。

いろはすいい子

>>91
いろはすは、恋敵が尊敬する相手なら一歩引くイメージ。

エタってないで

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月29日 (金) 02:49:42   ID: 3CApNU_d

なかなか数少ないめぐりん、きたいしてます。

2 :  SS好きの774さん   2015年05月29日 (金) 11:40:36   ID: QTEKzx7k

めぐりん、可愛すぎる。

3 :  SS好きの774さん   2015年05月30日 (土) 06:30:22   ID: qSB8UoAU

かわいい。

4 :  SS好きの774さん   2015年06月22日 (月) 01:42:18   ID: uH6reoDJ

期待。

5 :  SS好きの774さん   2015年07月07日 (火) 13:16:24   ID: s_tceGr7

続きはよ、頼みます

6 :  SS好きの774さん   2016年01月03日 (日) 23:49:41   ID: Dgc8gOxi

このリベンジは必ず果たす。

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