モバP「アイドルのお父さんと面談する」ちひろ「またですか」 (35)

前作
モバP「アイドルのお父さんと面談する」

アイドルのお父さんというオリキャラが登場するので注意
前作を読まなくても大丈夫です。

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モバP(以下、P)「さて、またアイドルのお父さんと面談するぞ」

ちひろ「前回、あれだけ酷い目に遭ったのに懲りないですね」

P「こういうのはキッチリしておきたいんですよ」

P「――ということで、来い!アイドルのお父さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」指パチーン!


??父「来ましたが?」ガチャ

P「テキトーに言っただけなのに本当に来ちゃったよ」

??父「どうも。姫川友紀の父です」

P「あ、これはどうも。担当プロデューサーのPです。どうぞ。こちらにおかけください」

姫川父「御心遣い感謝いたします」

P(凄く礼儀正しい人だな。声も凄く渋いし。また遺伝子が仕事しなかったパターンか?)

P「突然ですが、友紀さんのお仕事についてですが、どう思われていますか?」

姫川父「私としてはアイドルにも球ドルにも反対はしていませんし、同じくキャッツを応援する人間として、今の友紀にはたいへん満足しております。ただ、アイドルというのは短命なお仕事ですから、将来への不安というものは残りますね」

P「その点につきましては、当方でも最大限のサポートを行っていくつもりです。この通り、大きな事務所ですから、様々な業界へのコネクションもあります。とりあえずはご安心ください」

姫川父「そうですか。それは安心です。あと少し聞きたいことがあるのですが、グラビアとかはどうしているんでしょうか?本人の意思と事務所の方針で衝突した場合は……」

P「その点につきましては、本人の意思を尊重しているため――――」

1時間後

P「――以上が、姫川さんの今後のアイドル活動のプランになりますね」

姫川父「随分と先のことまで考えているのですね」

ドダドダドダドダドダ!

姫川父「ん?」

P(誰だ?事務所の廊下を走っているのは)

友紀「ヤバい!遅れる!遅れる!」

姫川父・P「「友紀!」」

友紀「プロデューサーに、お父さん!?今日来てたの!?」

姫川父「今日はお前のプロデューサーと面談する日だとメールで教えていただろう」

友紀「あ、そうだった。ごめん。すっかり忘れてた」

姫川父「それにこの慌て様は何だ?年頃の若い娘がはしたない。仕事に遅れそうなのか?お前は昔から時間にルーズで、毎日遅刻ギリギリまで寝ていたからな。もう大人なんだから、そういう所は改めなさい」

友紀「違うよ!仕事じゃないよ!もうすぐキャッツのナイトゲームが始まっちゃうよ!今ここを出ないと間に合わないよ!」

姫川父「何だと!?それを早く言え!面談をやっている場合じゃねえ!今日はそれが楽しみで東京に来たんだからな!」



P「」

友紀「あ、プロデューサーも一緒に行く?丁度、チケット1枚余ってるんだけど」

姫川父「おお。そうだな。面談は球場でも出来るし、酒も入れば色々ぶっちゃけた話も出来そうだ」

P「ま、まぁ、この面談が終わったら上がりでしたから。良いですよ」



某スタジアム

キャッツ 2-5 ジャガース
6回表 キャッツの攻撃



友紀・姫川父「「そこだーっ!かっとばせー!ここで打てば大逆転!!」」片手にビール装備

P(友紀が二人に増えた……)

<ストライク!バッターアウト!チェンジ!

友紀・姫川父「「あー!!駄目だったかああああ!!」」グテッ

P「まだ6回ですし、挽回出来ますよ」

姫川父「そうそう。野球は7回からが本番ですからな!」

友紀「」モゾモゾ

友紀「ちょっと行ってくる」スクッ

P「ん?どこにだ?」

友紀「~~///」

姫川父「ついでに上の売店でビール買って来てくれ。いつもの頼む」

友紀「わ、分かった。じゃあ、行ってくるから」

友紀「プロデューサーに変なこと話さないでよね」

姫川父「大丈夫だ」

スタスタスタスタ(友紀が階段を登る音)

P「……。それにしてもよく上の売店に行くって分かりましたね」

姫川父「売店?プロデューサーさん。あいつが行こうとしたのはトイレですよ」

P「え?」

姫川父「実家で観戦する時は何の躊躇いも無く「おしっこ」って言ってトイレに行くような奴だったのに、すっかり乙女になりましたなぁ」

P「昔はどんな感じだったんですか?」

姫川父「まぁ、今とそんなに変わりませんよ。野球が大好きで、女の子より男の子と遊ぶことが多くて、毎日泥だらけになって帰って来ましたね。凄く楽しそうな顔をしていたので、私も妻も服をボロボロにすることを怒るに怒れなかったですね」

P「容易に想像がつきます」

姫川父「すぐに服が駄目になるんで、丈夫な男の子用の服をよく着せていましたね。髪も短めにしていたので、私も妻もたまに『友紀って男の子だっけ?女の子だっけ?』って思ったりしてました」ハハハ

姫川父「それがまぁ……、しばらく見ない間に色気づいちゃって――」

姫川父「誰かさんのお陰なんでしょうねぇ」チラッ

P「彼女もアイドルとして自覚を持つようになったってことですね」

姫川父「…………」

姫川父「プロデューサーさん。よく『女心を理解しろ』とか『鈍感』とか言われませんか?」

P「え?今、何て「お待たせー!」

友紀「はい。ビール持って来たよ」

姫川父「おお。随分と早かったじゃないか。もう少しPさんと男と男の話をしたかったぞ」

友紀「変なこと話してないよね?」

姫川父「ああ。あと1分遅かったら、真夜中のねこっぴー事件を「わ―――――――!!」

P(真夜中のねこっぴー事件?なにそれ気になる)



その後、試合は2-9でキャッツが大敗。
そのショックで姫川親子は魂の抜け殻となったが、たまたま球場近くを通りがかった小梅とあの子が天に昇りかけた2人の魂を引きもどしたことで無事に生きて家に帰ることが出来た。

姫川友紀のお父さん編 おわり

P「さて、今日もアイドルのお父さんと面談だ」

ゴリッ!バキンッ!

P「ドアが壊れた!?」

ちひろ「(経費的な意味で)人でなし!」

??父「ああっ。すみません。またドアを壊してしまったようです」

P(服の上からも分かるアームストロング級のムキムキマッチョマン)

ちひろ(しかも凄いイケメン)

??父「初めまして、十時愛梨の父です」

P「愛梨さんの担当プロデューサーのPです」

十時父「ああ。貴方が。娘からよく話を聞いています」

P「遠い所からよく来てくれました。どうぞ。こちらに座ってください」

十時父「ありがとうございます」

十時父「ふぅ~。それにしても、この部屋、少し熱いですね」

P「冷房つけましょうか?」

十時父「いえ、結構です」脱ぎっ

ちひろ「もう脱いでる!?」

P「なんて脱ぎの早さだ。一瞬でブーメランパンツ一丁とネクタイに!」

P(服の上からだいたい分かっていたが、素晴らしい筋肉だ。まるで男性ホルモンの塊)

ちひろ(パンツ一丁なのにセクハラどころか、古代ギリシャの彫刻のような美しさを感じてしまう)

十時父「何事もエコにやっていきましょう」

P「そ、そうですね」

ちひろ「つ、冷たいお茶、ご用意しますね」

P「では早速ですが、娘さん、愛梨さんのアイドル活動についてはどのようなお考えで?」

十時父「愛梨の決めたことですし、彼女ももう成人です。親としては何も言うつもりはありませんが、やはりあの性格ですので、悪い人間に引っかからないか心配で心配で……」

P(良かった。心は普通のお父さんだった)

十時父「地元にいた頃は愛梨に近づく良からぬ者は私が握り潰して、ペースト状にして畑の肥料にしていましたが、東京に行かれたらさすがにそこまで行って、守ってやることは出来ません」

P(今のは聞かなかったことにしよう)

十時父「芸能界には多少なりとも恐いイメージがつきますから、どうしてもその辺りが――バシーン!(Pをビンタする音)

P「へぶちっ!!」

十時父「なんてことをする!落ち着け!私の筋肉たちよ!」ドッドッドッドッドッドッドッド

P「ぜ、全身の筋肉が躍動している……」ガクガク

十時父「先程は失礼しました。どうも貴方の事を気に入ったようで。私の筋肉たちが喜びのあまり激しいスキンシップを取ってしまいました」ドッドッドッドッドッドッドッド

P「は、はあ……」

十時父「しかし、心筋だけでなく、全身の筋肉が躍動するほどの人に会えるとは、妻に一目惚れした時、愛梨が生まれた時以来ですね」ドッドッドッドッドッドッドッド

P(胸のドキドキの延長かよ!これ!)

愛梨「あー!お父さんまた脱いでる!お母さんに言いつけるよ!」

十時父「愛梨か。久し振りだな。元気にしているようで何よりだ」ドッドッドッドッドッドッドッド

愛梨「そんなことより、服を着て~!人前で脱がないでー!」

十時父「すまない。どうしても私の筋肉たちがPと直接触れ合いたいと言うのでな」ドッドッドッドッドッドッドッド

愛梨「言い訳したって駄目だからね」

P(愛梨。お前も人のこと言える立場じゃないぞ。この歩く放送事故)

十時父「私はプロデューサー殿と裸のお付き合いをすることで互いの本心を曝け出し、より深い(信頼)関係になろうと考えているだけだ」

某スタジオ

由里子「じぇじぇじぇ!」

比奈「どうしたんスか?」

由里子「びぃえる時空の波動を感じたじぇ!」

比奈「時空なのか波動なのかハッキリするッス」

愛梨「それでも脱ぐ時と場所を考えて欲しいの!」

P(それはいつも俺がお前に言っているセリフだぞ!)

愛梨「興奮して熱くなっちゃいました。ちょっと脱ぎますね」ヌギヌギ

P「だから脱ぐなぁ!このストリッパー親子!」

十時父「相変わらず、良い脱ぎっぷりだ。いっそのことプロデューサー殿も脱ぎましょう」ドッドッドッドッドッドッドッド

愛梨「そうですね。『法律も、みんなで脱げば怖くない』って言いますし」

P「聞いたこと無いぞ!?やめろっ!服を掴むなぁ!そもそもちひろはどうしたぁ!?お茶汲みに時間かけ過ぎだろ!」


バリバリバリバリ   アーッ!

P「うぅ……ひっく……もうお婿に行けない」

愛梨「大丈夫ですよ~。そうなったら、私が貰いますから」

十時父「随分と軽々しくプロポーズするのだな。愛梨よ」ドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッド

P「え?ごめん。何て言った?十時父さんの筋肉の躍動音で聞こえなかったんだけど」

十時父(そ、そういえば、筋肉の躍動がいつもより激しい!止められない!)ドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッド

十時父(こんなこと、妻に告白する時と愛梨が生まれた時ぐらいしか無かった!――はっ!そういうことか!)ドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッド

十時父(私の筋肉たちは言っている。『この男を家族にせよ』と。この躍動は、妻や愛梨の時と同じように家族となる者に対して反応する)ドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッド

十時父(この男が!愛梨の夫となり、私の義理の息子となる男だったのか!)ドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッド

十時父「プロデューサー殿」ドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッド

P「え?何ですか?」

十時父「今はまだアイドルとプロデューサーという立場のため控えるが、もしその関係が崩れた時、私は全身全霊全筋肉を駆使して君を愛梨の伴侶にしよう」ドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッド

十時父「私はこれで退散する。これからも公私共に愛梨のことをよろしく頼む」ドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッドドッドッドッドッドッドッドッド


バタン


愛梨「む~///お父さんったら~///」プシュ~

P「ごめん。筋肉の躍動がうるさ過ぎて何も聞こえなかった」

愛梨「え?」ハイライトオフ


十時愛梨のお父さん編 おわり

P「ん?ああ。もう朝か。そろそろ起きないと」ジャラ・・・

P「え?鎖?ってか、ここどこ!?どこかの研究所!?何で俺、縛られてるの!?」

白衣の男「気が付いたようだな。ヒトの極致よ」

P「ひ、ヒトの極致?俺が?」

白衣の男「そう。君は200人近いアイドルのプロデュースを一手に引き受けていると聞く。徹底された作業の効率化、数年間不眠不休で働いても疲労を感じない肉体と精神、スタドリ・エナドリのような違法劇薬を多量摂取してもそれを逆に糧とする物質変換能力、君は現在において、もっとも進化したホモサピエンスだと考えられる」

P(え?あれそんなにヤバい飲み物なの!?)

P「俺を拘束してどうするつもりだ!?」

白衣の男「無論、君を解析させてもらう。そして、得られたデータから私は人の肉体を強化し、より不老不死に近づける!永遠の命を実現させるために!」

加蓮「お父さん。まだ朝の6時だよ。静かにして」ガチャ

白衣の男「す、すまない。加蓮。また外に響いていたか?」

加蓮「うん。思いっ切り聞こえてた。凄くテンションが高かったけど、何の実験を――――って、プロデューサー!?何でここにいるの!?って、私まだ寝間着!」

白衣の男「加蓮のプロデューサー!?彼が!?」

加蓮「プロデューサーに何してるの!?早く解放してあげなよ!」

白衣の男「し、しかし、彼を解析すればヒトの肉体はより不老不死に近くなることが出来る!お前はアイドルとして更に高見へ行くことが出来るんだ!」

加蓮「そういうのはもういいから!早く鎖を解いてよ!」

P「すいません。漏れそうなので早く解放してください」

加蓮「早くして――――――――――――――――――――――――!!」

リビング

(白衣の男改め)北条父「その……ズボンのサイズはどうですか?」

P「ええっと……はい。大丈夫です」

加蓮「プロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らしプロデューサーがお漏らし」

P「加蓮!俺の傷を抉らないでくれ!」

北条父「すみません。本当にすみません」

P「そもそも、どうして俺を縛って解析なんてしようとしたんですか!?」

北条父「全ては……全ては加蓮のためなのです。本人から聞いているとは思いますが、加蓮は病弱で入院しがちな子でした。なので、他の子たちが普通に出来ることを満足にさせることが出来ず、努力や成果といったものを嫌悪する人間になってしまいました。私はそんな加蓮に何もしてやれなかったのです」

北条父「ですが、加蓮は変わりました。プロデューサーさんと出会い、アイドルになったことで加蓮は前向きに生きるようになったのです。私はそれが嬉しかった。しかし、同時に結局最後まで何もしてやれなかった自分に抑えられない気持ちがこみ上げてきだのです」

P「ああ、だから……」

北条父「はい。だから、アイドルとしてサポートしてあげるのが父の役目だと悟ったのです!病弱な体を治すためにやった研究は無駄になりましたが、そのノウハウを生かして、アイドル活動に適した身体を作り上げるサプリメントを開発しようと決心したのです!過酷なトレーニングやステージパフォーマンスに耐えられる強さ!アイドルとして輝き続ける不変の美しさ!それらを加蓮に与えようと思ったのです」

加蓮「前々から言っているけど、そういうのいらないから」

P「そのサプリメントはどれくらい作れるようになったんですか?」

北条父「一応、複数のテスト品は開発出来たのですが、いずれも人体に有害だったり、水中の酸素を破壊したり、一定の格率でクリーチャー化したり、核分裂と核融合を繰り返したりと、とても人に飲ませられるようなものではありませんでした」

P・加蓮(今、とんでもない発明品のことを聞いちゃったけど、スルーしとこう)

北条父「しかし、ある日、研究仲間からある情報を聞いたのです。『進化した人類、ヒトの極致が346プロにいる』と。進化した人類なら人体を強化する成分を抽出できるかもしれない。私は研究仲間からその男の写真を受け取り、飲み屋で酔いつぶれている彼を誘拐することに成功し、今に至ります」

北条父「ゆくゆくはプロデューサーさんから抽出した人体強化因子をカプセルに入れて、それを加蓮に飲ませようと考えていました」

加蓮「Pさんのが私の中に……///」

P「そこ、顔を赤くするところじゃないからな」

北条父「ですが、もう研究はやめにします。加蓮にはっきりと『いらない』と言われてしまったのですから、作る意味などありません」

P「まぁ、誘拐されたり解剖される心配がなくなるなら、それで良いです。アイドルの前で漏らしてしまったことだけは許せませんが」

北条父「本当にすみません。お詫びにうちの加蓮を嫁にあげますので」

P「いえ、いらないです(アイドルとプロデューサーの関係なので)」

加蓮「え……」ハイライトオフ

それから、しばらくは加蓮の目からハイライトが消えた。そして、風邪薬と称して「北条加蓮に絶対服従したくなるカプセル」をPにやたらと飲ませようとする日々が続いたのは言うまでも無かった。

短いですが、今回はこれで終わりです。

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