希「お礼に占ってあげるわ」

海未「そんな！悪いですよ！」

希「まあまあ、減るもんじゃないし！」

海未「……それでは、一度だけお願いします」

希「よっしゃ！じゃあ簡単な奴するで！シャッフルして〜、並べて〜、はい！1枚選んで！」

海未「それではこれを」

希「これやね！それじゃあさっそくオープン！」

海未「このカードは……恋人ですか？」

希「うん、そうやね、でも逆位置やから恋愛に難ありや、海未ちゃん好きな人とうまくいかんかもなぁ」

海未「す、好きな人なんていませんっ！」

希「そうかな〜？カードは嘘つかへんで〜！恋人のカードを選ぶってことは恋愛に関してなんかあるってことや！」

海未「そ、そんなことはありませんよ……」

希「ふふっ、それならそういうことにしといてあげる、でも海未ちゃん、ウチはちゃんと応援してるからな」

海未「希……」

希「それじゃあウチ巫女さんの仕事あるから先帰るね！」

海未「あ、はい！お疲れ様です、お仕事頑張ってくださいね」

希「ふふっ、ありがとう！じゃあね！」ﾊﾞﾀﾝ

海未「…………はぁ」

海未(恋愛に難あり、かぁ……言えるわけないですよね……)

ｶﾞﾁｬ
ことり「あ、海未ちゃん！まだ残ってたの？」

海未「ことり……ええ、少し希と話をしていたので」

ことり「そうなんだぁ、海未ちゃんはもう帰るの？」

海未「そのつもりですが、何かあるのですか？」

ことり「あのね、この前すごく美味しそうなクレープ屋さん見つけたの！中でゆっくり食べれるスペースもあるみたいだから行ってみない？」

海未「クレープですか、いいですね、それでは穂乃果も誘って行きましょうか」

ことり「うーん、そのつもりだったんだけど、穂乃果ちゃん今日用事あるみたいで帰っちゃったの」

海未「そうだったんですか、でもいいんですか？私と二人で」

ことり「もちろんだよ！私は海未ちゃんと一緒で嬉しいな！」

海未「ありがとうございます」ﾆｺｯ

クレープ屋
海未「ものふごく……ﾓｸﾞﾓｸﾞ……おいひいでふ！」

ことり「ふふっ！海未ちゃんせっかちだなぁ、ほらほっぺにクリームついてるよ 」ﾋｮｲ、ﾍﾟﾛｯ

海未「ｺﾞｸﾝ！き、汚いですよ！」

ことり「全然そんなことないよ、ン〜、おいしい！」

海未「ことりはずるいです……」

ことり「えへへ、だって海未ちゃんかわいいんだもん、ついイジめたくなっちゃうの」

海未「……ことりは、穂乃果と付き合っているのですよね」

そう、ことりと穂乃果は付き合っている。

その事実が判明したのはつい二週間ほど前。

二人ともみんなに内緒で付き合っていたらしいのですが、二週間前私は見てしまったのです。



二人のキスシーンを。

穂むら
海未「こんばんは、おばさま」

穂乃果母「あら海未ちゃん、遅かったのね、ことりちゃんもう来てるわよ？」

海未「え？ことりが？私は穂乃果の忘れ物を……」

穂乃果母「あれ？そうだったの？でもせっかく来たんだし上がっていきなさいな」

海未「い、いえ！迷惑になりますので！」

穂乃果母「全然そんなことないわよ！ほら、忘れ物持ってきてくれたお礼にほむまんも付けるから！」

海未「わわっ、そ、それではお言葉に甘えて……」

穂乃果母「ついでにあの子にたまには勉強しなさいって言っといて！」

海未「は、はい！」

海未(おばさまは素敵なお母様です、おまんじゅうまで頂いてしまってなんだか悪いです)

海未「二人で何をしているのでしょうか」

海未(部屋の前まで来ましたけど、えらく静かですね……二人のことだから寝ているのでしょうか？)

ｶﾞﾁｬ…

ことり「ンッ…チュ……」

穂乃果「ん……れぅ、チュッ」

海未「ほの……か？ことり？」

穂乃果「う、海未ちゃん！？どうしてここに！？」

ことり「あのね！これには訳が……」

海未「と、とりあえずおまんじゅう置きますね……」

穂乃果・ことり「う、うん」

ことり「私たちね……付き合ってるの……」

穂乃果「隠してたつもりはないの！いつか伝えようって……でも決心がつかなくて……」

海未「…………少し驚きましたがもう大丈夫ですよ、伝えようとしてくれた気持ちだけで私は十分です、なんでも許し合える、それが親友でしょう？」

穂乃果・ことり「海未ちゃん……！」

海未「仕方のない人たちですね、私ごときに見つかるとは危機感が足りませんよ！」

穂乃果「うう〜！海未ちゃ〜ん！」ｶﾞﾊﾞｯ

海未「キャッ！ほ、穂乃果！？」

穂乃果「海未ちゃんが親友でヨガッダ〜！！」

海未「ほ、穂乃果！鼻水が……もう、本当に仕方のない人ですね……」ﾖｼﾖｼ

ことり「あ！ずる〜い穂乃果ちゃん！私も！」ｶﾞﾊﾞｯ

海未「わっ！こ、ことりまで！重いですぅ〜！」

ことり「私海未ちゃんとも付き合う！」

海未「えぇ！？だ、ダメです！私はノーマルです！それにそういうことは彼女の前で言うものではありません！」

穂乃果「海未ちゃんなら可！」

海未「ほ、穂乃果まで……ふふっ！二人ともとてもお似合いですよ、二人ならきっと大丈夫です」

穂乃果・ことり「………海未ちゃ〜ん！」ﾁｭｯﾁｭｯ

海未「ふ、二人ともやめてください！く、くすぐったいです！」

穂乃果「やめてあげないもーん！それチュッチュ〜！」

ことり「チュッチュ〜！」

海未「いやぁ〜！！」

ということがあったのです。

ことり「うん、穂乃果ちゃん公認だから海未ちゃんとイチャイチャデートできてことりは嬉しいな」

海未「そ、そういうことを普通に言わないでください！」

ことり「ゴメンゴメン、それで海未ちゃん、それがどうかしたの？」

海未「いえ……その、女性同士で付き合うというのはどういうものなのか、と気になりまして……」

ことり「すっごく幸せだよ！」ﾆｺｯ

海未「幸せ……」

ことり「うん！今までと世界が変わって見えるの！ちっちゃなことでも幸せを感じちゃうくらい！」

海未「それほどまで……」

ことり「もしかして海未ちゃんも女の子が好きになっちゃった？」

海未「……正直わからないんです、この気持ちがことりと穂乃果の感じている好意なのか、それともただ友達として好意なのか……でも、その人とことりたちのような関係になれたらと想像すると顔が熱くなって胸が張り裂けそうになるんです」

ことり「そんなの悩んだ人の負けだよ、今その人にどう伝えたいのか一番わかってるのは海未ちゃん自身だと私は思うな、だったらその気持ちの通りに伝えるべきだと私は思うよ」

海未「どう伝えたいか……」

ことり「思いっていうのはね、どんどん風化していっちゃうの、だからすぐに伝えておいで」

海未「……はい！ありがとうございます、ことり！今すぐ伝えてきます！」

ことり「うん！頑張って、海未ちゃん！私はいつでも海未ちゃんの味方だからね！」

海未「はい！ここのお金は私が出しておきますね！」ﾀｯﾀｯﾀｯ

ことり「あ！いいよ！私が……行っちゃった……海未ちゃん、上手くいくといいなぁ、でもちょっとクサいこと言っちゃったかな……恥ずかしくなってきちゃった」

海未「ハァッ……ハァッ……」ﾀｯﾀｯﾀｯ

海未(ダメでもいい！この気持ちを伝えないときっと後悔してしまいます！まだ、いるでしょうか……？)

海未「ハァ……ハァ……やっと、着きました……ハァ…ハァ」

希「海未ちゃん！？どうしたん？そんな息切らして！」

海未「希！」ｶﾞﾊﾞｯ

希「う、海未ちゃん！？」

海未「そのまま、聞いてください……今、希の顔を見て話せる自信がありません……」

希「う、うん」

海未「希、私は貴女のことが好きです、貴女のその声、笑顔、仕草、全部全部大好きです！女性同士でなんて変かもしれません……でも、無理でもこの気持ちは貴女に伝えておきたかった……」ｽﾙﾘ…

希「ウソ……そんなん、ウチ全然気づかんかった……」

海未「ごめんなさい、この話は忘れてください……」

希「忘れへん！絶対忘れへん！」

海未「希……泣いて……」

希「ウチも海未ちゃんのこと好きや！大好きや！海未ちゃんがこんなに思ってくれてんのに、ウチはなんも気づかれへんかった！大好きな海未ちゃんに辛い思いさせてたんや、それが情けなくて……ヒグッ、グスッ！」

海未「そんな……希も私のことを……？」

希「海未ちゃん、改めて言わせてもらうよ、私と付き合ってください！」

海未「はい！こちらこそよろしくお願いします！」

希「う、うわぁ〜ん！！」

海未「の、希！？号泣しなくても……」

希「すっごく嬉しくて涙がとまらないんよぉ〜！」

海未「ふふっ、三年生なのにだらしのない人ですね」ﾖｼﾖｼ

希「ありがとうぅ〜！海未ちゃ〜ん！」
海未「ん……」

希「急に目閉じて……目にゴミ入った？大丈夫！？」

海未「もう！希はなんでもわかっているようで私のことは全然わかってくれないんですから！」ｸﾞｲｯ

希「わわっ……！んぅっ！」ﾁｭｯ

海未「んちゅっ、ちゅっちゅっ！」

希「んんっ！ちゅっ、ちぅ」

海未「プハッ、はぁ〜、希の唇奪ってしまいました……」

希「海未ちゃんとキス……えへへ……」

海未「さあ、今後のデートの予定をしに行きますよ！」

希「ま、待ってや海未ちゃん！ウチまだ巫女の仕事が〜！」