提督「鎮守府にスパイがいる?」 (197)

大淀「はい、間違いありません」

大淀「作戦内容が深海棲艦側に漏れているようです」

大淀「そして、それを流しているのが……」

長門「スパイ、というわけか」

陸奥「そんな、まさか……一体、誰が!?」

港湾「テイトク、ワタシ、コワイ……!」ブルブル

提督「大丈夫だ。心配するな」ギュッ

提督「スパイなど、すぐに見つけ出してやるからな……!」

※安価SS

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提督「身内を疑うのは心苦しいが……」

提督「日頃から、素行が怪しい者がいたのは確かだ」

提督「そういった艦娘に内々に接触し、スパイを炙り出す」

長門「分かりました。では、早速、私が――」

提督「いや、そのような役目を貴様にさせるわけにはいかない」

提督「嫌われ役は私がやろう。貴様らはフォローを頼む」

陸奥「提督……」

提督(とは言ったものの、まるで思いつかないな)

提督(この二年間、皆、同じ釜の飯を食ってきた面々だ)

提督(スパイがいるとは考えたくないが――)

提督(いざという時は、私も腹をくくろう)

提督「――さて」

提督「怪しい艦娘は、誰だ……?」

>>5

金剛

スパイ…大淀かな?

提督(……)

提督(考えてみれば……)

提督(金剛は、怪しくないか?)

提督(初対面から私に明らかな好意を示し、)

提督(それを公言して憚らない)

提督(あれは……私に近づくための演技だったのでは?)

提督(人の恋愛感情を疑いたくはないが――)

提督(念のために、話を聞いておくか)

~艦娘寮 廊下にて~

提督「ああ、金剛。ここにいたのか」

金剛「Wow、提督ぅー! 私に会いに来てくれたの?」

金剛「んー、チュッチュッ! 嬉しいデース!」

提督「うわっぷ。ま、待て。時と場所を弁えろ」

提督「まずは私の用件を聞いてくれ」

金剛「What?」

提督「単刀直入に聞こう」

提督「金剛。貴様、何か私に隠していないか?」

提督「私の目を見て、包み隠さず話してくれ」

金剛「提督……」

金剛「……どうやら、本気のようネ」

金剛「誤魔化しや言い逃れは……できそうにありませーん」

金剛「Yes……隠し事、ありマス」

金剛「それは……」

>>18

実は深海側のスパイ

提督の赤ちゃんを妊娠している

まさかの、解決(笑)

金剛「実は深海側のスパイ……だったのデース……」

提督「っ!!!!」

提督「ば、馬鹿な……!?」

提督「そんな、どうして……!?」

提督「嘘だろう? 嘘だと言ってくれ!」ガシッ

金剛「……」

金剛「残念ながら、事実デース……」

金剛「おかしいとは思いませんデシタか?」

金剛「ヴィッカース社で作られたのは私一人」

金剛「それ以降、英国から艦娘が送られてキマシタか?」

金剛「深海棲艦は人類共通のenemy」

金剛「それなのに、どうして、英国は音沙汰がないのか――」

金剛「不思議には思いませんデシタか……?」

提督「……っ!」



もしかして執務室に落書きの人だったりする?

金剛「答えはeasy」

金剛「ヴィッカース社は深海棲艦が作った架空会社で――」

金剛「初期型の艦娘である私は、この戦争のパワーバランスを保つため、」

金剛「人類に贈られた兵器」

金剛「そして……スパイなのデス」

提督「馬鹿……な……!」

>>29
違うぞい。スパイ大作戦の人だぞい。

金剛「フフッ、面白かったデス」

金剛「私が細工しているとも知らずに――」

金剛「羅針盤の結果に、右往左往する提督の姿は」

提督「あ、あれは貴様が……!」

提督「何ということだ……」

提督「信を置いていた貴様が、まさか、獅子身中の虫だったとは……」

金剛「……デスが」

提督「……?」

金剛「初めのうちは、演技デシタけど……」

金剛「私は……次第に……」

金剛「提督のことを、心から、愛するようになってしまったのデース……」ポロポロ

提督「……金剛」

金剛「温かな風……優しい人々……静かな海……」

金剛「そして、いつも諦めず、前を向く提督……」

金剛「私はいつしか、貴方を裏切るのに、罪悪感を覚えるようになりマシタ」ポロポロ

金剛「でも、私の罪は消えない……スパイをした事実は、変わらないのデース」

金剛「だから、きっと、罰が当たったのデス」

金剛「幸せの中にいる、今、この瞬間に――」

金剛「罪の告白をしなければならなくなった」

金剛「これは、『トウゼンノムクイ』デスよね……?」

金剛「分かりマス……今の私には、全部、全部、分かりマース……」ポロポロ

提督「金剛……」

提督(今の話を聞く限り、金剛はスパイ……『だった』ということになる)

提督(今はそのことを悔いており……)

提督(どうやら、情報を流しているスパイとは違うようだが……)

提督(私は彼女を赦すべきなのだろうか……)

>>40

赦す or 赦さない

許さない

提督「……話は全て分かった」

提督「私は立場ある人間として、貴様を赦すことはできない」

提督「相応の厳罰は――覚悟してもらおう」

金剛「……」グスグス

金剛「……ハイ」

金剛「どんな罰でも……ちゃんと受けマス」

金剛「だって、それは――愛する人たちを騙した、罪だから」ポロッ

提督「――言ったな?」

提督「来いっ! 貴様に罪を与えてやる!」グイッ

金剛「アッ、提督、な、何をっ!?」

金剛「何をするんデスか!?」

提督「黙れっ! さあ、ここに入るんだ!」

金剛「ここは――提督の、寝室」カァァ

提督「今夜は寝かさんぞ、金剛」

提督「貴様の身体に、罪の重さを――」

提督「刻みつけてやるっ!」ガオー!

金剛「アッ、提督ぅ! アッ、アッ、アアッ!?」



<ア~~~~…………

~翌朝~

チュンチュン チュンチュンチュン

金剛「提督ぅ……愛してマース……」ムニャムニャ

提督「……」

提督「ふう」

提督「金剛に対する厳罰は、このようなものでいいだろう」

提督「しかし、参ったな。スパイが見つかったと思ったら、別口だったとは……」

提督(おそらく、金剛が任務を放棄したことで、新たなスパイが送られてきたのだろうが……)ガチャ

提督(それは誰なんだ?)スタスタ

提督(素行や言動の怪しい艦娘はまだいる)スタスタ

提督(あのうちの、誰が……)スタスタ……

北方「テートク、オハヨー」

提督「おお、ほっぽちゃん。今日も早いのだな」

提督「姉さんはまだ寝ているのか?」

北方「ウン。オネエチャン、ネボスケ」

提督「ハハハ……」

だれがスパイなんだ…(白目)

提督「そうだ、ほっぽちゃん。最近、怪しい動きをしている人を見なかったか」

提督「そういった人を調査してるのだが……」

北方「アヤシイヒト?」

北方「ウーン……」

北方「アッ!」

提督「見たのか」

北方「ウン」

それは誰?

>>65

港湾

北方「オネエチャン、サイキン、ヘン!」

北方「ナニカ、カクシゴトシテル!」

提督「そうか……」

提督(港湾棲姫、か)

提督(内気で、人見知りで、臆病で)

提督(そんなあの子にスパイが務まるとは思えないが――)

提督(……探りを入れてみるか)

~鎮守府 執務室~

港湾「テイトク。コレガ、キョウノショルイデス」

港湾「メヲトオシテオイテクダサイネ?」

提督「ああ」

提督「いつも助かる」

提督「すまないな」

港湾「イ、イエ……」

港湾「シゴト、デスカラ……」ポッ

提督(やはり可憐だ)

提督(大きな身体に反して、愛くるしい)

提督(そんな彼女にも――隠し事があるという)

提督(それは何だ……?)

提督「なあ、港湾棲姫」

港湾「? ハイ?」

提督「私に隠れて……何か、コソコソとしているそうではないか」

港湾「っ!!」ビクッ

提督「その反応、図星か」

提督「さて、教えてもらおうか」

提督「貴様は一体、何を隠してるというのだ?」

港湾「ソ、ソレハ……」

港湾「エト……」

>>78

実は深海棲艦なんだ

港湾「……ジツハ」

港湾「ワタシ、深海棲艦、ナノ」

提督「なにっ――!?」

提督「馬鹿な! 貴様が深海棲艦だと!?」

提督「信じられん……!」

港湾「深海棲艦デス」

港湾「メモヒカリマス」ピカッ!

提督「本当だ!!」

提督「まさか、鎮守府内に二人も深海棲艦がいたとは……!」

港湾「フタリ? ホッポノコトデスカ?」

提督「ひいっ!? あのほっぽちゃんも深海棲艦だと!?」

提督「なんということだ……!」

提督「この鎮守府の審査はどうなっているのだ……!?」

港湾「ワリト『ザル』デシタ」

提督「くっ……!」ドンッ!

港湾「デモ、ゴカイシナイデクダサイ」

港湾「ワタシト、ホッポハ、深海棲艦デスケド」

港湾「イイ深海棲艦ナノデス」

提督「いい深海棲艦?」

港湾「ハイ。クライウミノソコヲデテ、アタタカナチジョウデクラス」

港湾「ジンルイニミカタスル深海棲艦デス」

提督「なるほど……」

提督(金剛もそうだったな……)

港湾「バレテシマッタノハ、ショウガナイデスケド……」

港湾「ワタシタチヲシンジ、コレカラモ、チンジュフニオイテクレマスカ?」

港湾「ワタシト、ホッポノ、フタリヲ」

提督「むう」

提督(……どうする?)

提督(港湾棲姫のことを、信じるか?)

>>96

信じるor信じない

じる

提督「……分かった」

提督「貴様のことを、信じよう」

提督「二人は今まで通りに暮らしてくれて構わない」

提督「貴様らの立場は、私が責任を持って保証しよう」

港湾「テイトク!」パァァ

港湾「シンジテマシタ、テイトク!」

港湾「アナタハ、シンライデキルヒトダッテ!」ムギュッ

提督「ぐ、むうう!? 胸がっ!」

港湾「オモイキッテ、ウチアケタカイガアリマシタ!」ムニュ、ムニュ

提督「く、む、むむ!」

提督(爆乳に顔を包まれて……)

提督(息が、息ができない……!)

提督(振りほどこうにも……)

提督(流石の膂力だ……!)

港湾「テイトク、テイトク!」ムニュウウウ

提督「む~~~~!!」



北方「……」ジー

北方「マタオネエチャン、ヘンナコトシテル……」

~10分後~

港湾「ワ、ワタシッタラ……」カァァ

提督「はぁ、はぁ、はぁ……!」

提督「し、死ぬかと思った……!」

港湾「スミマセン、テイトク」

港湾「ワタシ、ウレシクッテ」

提督「い、いや、構わない」

提督「気に病む必要はない」

港湾「提督……」キュン

提督「しかし、参ったな。また捜査が振り出しに戻った」

提督「深海棲艦側のスパイは、いつになったら見つかるのか……」

港湾「……」

港湾「ソノコトナンデスケド……」

港湾「ジツハワタシ、ココロアタリガアルンデス」

提督「何だと!?」

港湾「アノヒトガ、サイキン、キョドウフシンナンデス」

あの人とは?

>>110

利根

港湾「アノ、ワガハイ、ワガハイッテイッテルヒト」

提督「利根か」

提督(奴は艦娘のまとめ役をよく務めてくれている)

提督(立場的には、多くの機密を知ることができるが……)

提督「よし、話を聞いてくるか」

港湾「オ、オキヲツケテ」

~ドック内~

提督「利根はここにいるそうだが……」

提督「ああ、いたな。お~い、利根! 少しいいか!」

利根「ギクーッ!!」

利根「な、なんじゃ、提督か。驚かせるな」

利根「そこで待っておれ! すぐに降りる!」

提督「……」

提督(……怪しい)

利根「それで、吾輩に何用じゃ?」

利根「こう見えて、なかなか忙しい身でな」

利根「手短に済ませてくれると、助かるのじゃが……」キョロキョロ

提督「ならば、単刀直入に聞くが」

提督「利根。貴様――私に何か隠しているな?」

利根「ギクギクッ!」ビクーン!

利根「ななな何のことだか、さっぱりじゃ!」

利根「何か証拠でもあるのか? 言いがかりは許さぬぞ!」

提督「ほう、食い下がるな」

提督「だが、利根よ。目撃証言があるのだ」

提督「それらを一つ一つ、並べ立てるべきなのか?」

利根「んなーっ!?」ガーン

提督(ブラフだがな)

利根「く、くぅー……」ワナワナ

利根「……分かった。吾輩も誇りある艦娘じゃ」

利根「今さらジタバタするまい」

提督「……では?」

利根「ああ、お主がつかんでいる通りじゃ」

利根「吾輩は――」

何をしていた?

>>126

深海に情報を送信していた

利根「実はな……」

利根「深海に――情報を送信していたのじゃ」ニヤリ

提督「……」

提督(……なっ!?)

利根「ククク、流石は提督じゃ。吾輩が見込んだ男なだけはある」

利根「まさか、こうも早くスパイ行為がバレるとはな」

提督「利根、貴様……!」

提督「仲間を裏切って、申し訳ないとは思わなかったのか!」

利根「多少はな。兵器とはいえ、心を持つ吾輩たちじゃ」

利根「後ろめたい気持ちは、もちろん、あったぞ」ニヤッ

提督「利根ぇぇぇ……!」ワナワナ

利根「しかし、お主もタイミングが悪い」

利根「もう必要なデータは送ってしまったぞ」

利根「取り戻すことなど――できるわけがないな?」フフフ

提督「おのれ……!」

提督「言えっ! 何のデータを送った!」

提督「艦隊の編成か! 出撃予定日か! それとも資材の量か!」

利根「お主も妙なことを言う」

利根「どうして吾輩がそのような瑣末なことを送らねばならぬのだ?」

利根「もっと、もっと、必要にされておることじゃよ」

利根「それこそ、深海側がのどから手が出るほど欲しがっている情報じゃ」

提督「何だ、それは!」

利根「ふふん、それはな――」

それは?

>>146

今晩の献立

利根「今晩の献立、じゃよ」

提督「なにぃ?」

利根「ククク、今晩の献立を送ったと言った」

利根「この意味が分かるか?」

利根「門外不出の鎮守府の味が、深海側にも伝わるということじゃ」

提督「貴様ぁ……!」

利根「いいものをいつまでも独占していてはいかん」

利根「そうは思わんか……なぁ、提督?」ニヤリ

提督「自分が何をしたのか分かっているのか!」

利根「ああ、分かっておるよ」

利根「海軍カレーや間宮パフェのレシピを送った」

利根「これで深海棲艦の恵まれない子どもたちも、美味しい食事にありつけるなぁ?」

利根「ふはは! 吾輩は感謝されて然るべきであろう!」

利根「そうは思わんか、提督!」

提督「黙れ!」

提督「もうこれ以上……口を開くな!」

提督「海軍のカレーは先人たちの血と汗と涙の結晶」

提督「そして、今なお愛される、かけがえのないレシピだ!」

提督「それを無料公開した貴様を、私は赦すことができない!」

利根「――ほう?」

利根「ならば、どうするというのだ?」

提督「――決まっている!」

提督「我が怒りの制裁を……」

提督「受け入れろ、利根ぇぇぇぇぇぇ!!!!」ババッ!

利根「ふはは、愚かな!」

利根「返り討ちにしてやるぞ、提督ぅぅぅぅ!!!!」ババッ!

<キエー!

<ホワー!

<アータタタタタ!

<アタッ!

<ゴッ

<イタッ、ヤメッ、ヤメルノジャ!

<ソウムキニナルナ! ナ、ナッ? ハナシアオウ……

<ンアア!? ナンデヌグノジャ!? ヒイイ!

<アッ、アッ、アアアアッ……!?

<チ、チクマ~~~!!



筑摩「……」

筑摩「今日も平和ですね」ニッコリ

~後日~

提督「ふう……」

長門「お疲れですね」

提督「ああ、疲れもするさ」

提督「結局、深海棲艦側に作戦情報を送っていたスパイが見つからなくてな」

提督「空振りばかりで、疲れだけが溜まったよ」

港湾「ア、アノ。カタ、モミマショウカ?」

陸奥「あら、あらあら♪」

陸奥「いつの間にか、随分と積極的になったじゃない?」ニヤッ

港湾「チ、チガッ」カァァ

提督「あまりからかってやるな」

陸奥「はぁ~い♪」

長門「しかし、スパイはどこに潜んでいるのでしょうね」

提督「もしかしたら、もう逃げ出したのかもしれんな」

提督「でなければ、よほどしたたかなやつか……」

長門「一度、鎮守府に所属する人員の情報を洗ってみます」

提督「ああ、頼む」

提督(……)

提督(……しかし、本当に誰なのだろうか?)

提督(機密にアクセスできて、極秘裏にそれを送り、痕跡を消し去った)

提督(そのようなことができるのは……)

提督(いかん。考えすぎだな。ゆっくり休んで、気持ちを切り替えよう)

提督「それでは、後のことは任せたぞ」

長門「はっ! お休みなさいませ」

提督「さて、風呂に入って寝るか」

提督「っと、もうこんな時間か」

提督「金剛と利根が待っている。急がねばな」タタッ

タッタッタッタッタッタッタッ……







大淀「……」

大淀「…………」

大淀「ふふっ」

~完~

おしまい

アニメ艦これのスパイも、大淀だと睨んでいる(真剣)

奴は間違いなく悪女やでぇ……みんなも気をつけや。

や、やったぜ

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