俺(憲法の拡大解釈が行われてから3年……) (68)

俺(未だ大きな戦争が起きることなく、日常は何らと変わっていない)
 (強いて言うなら、ニュースで自衛隊が取り上げられることが増えたことくらいだろうか)
 (この前もまた支援だの、負傷者の治療などで大いに活躍したと言っていた)
 (シンゾー総理も政権を降りるつもりもないらしい)

ピンポーン

俺(まぁ、悪いものでもないか……)ピッ

TV「続いてのニュースです、国際テロそしk……」プツッ

俺「今行く」トットッ

ガチャッ



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1431851725

幼馴染「やっほー、今日はちゃんと起きれたんだね」フリフリ

俺「まぁ、な。お前の晴れ舞台だしな」

幼馴染「あたしの優勝を見届けられることを感謝するが良いー、なんてね」

俺「お前らの奴は?」

幼馴染「こっちまで来るのは二度手間だから直接会場に行くって」

俺「そうか。んじゃ、バスの時間もないし、行くか」

幼馴染「うんっ」

運転手「右良し左良し、えぇぃ発車しまーす」

プシーィ ガコォ

俺「座れて良かったな」

幼馴染「天気のいい休日なわりには、空いてる感じだね」

俺「そうだな」

「「………………」」

運転手「エー次はー○○ー○○ーその次は××に停まります」

幼馴染「……あのさ」

俺「ん、なんだ?」

幼馴染「あたしね、正直今日の大会出られるなんて思ってなかったんだ…」

俺「……今、言うことか?」

幼馴染「ごめんね。ちょっとだけ、吐き出したいのかも……」

俺「……それで」

幼馴染「うん。……あたしね、タイムも伸び悩んでて、正直今日の選手権に出れるだけの実力なんてなかったの。」
   「それでさ、もう出れなくてもいいかなー、なんて思ってたんだ。」

俺「……」

幼馴染「でもさ、俺とお前らに励まされて、ちょっとだけ出たいって気持ちがわいてきたんだ。」
   「練習量も増えたし、それに付き合わせちゃった」


幼馴染「多分、あたしが今日出られるようになったのも、俺たちのおかげ……」

俺「別に俺たちは何も……」

幼馴染「ふふっ、そういうと思ってた。だけどね、あたしはそう思ってる。」
   「だから言ってから走りたかったんだ」
   「……ありがと」

俺「……」



運転手「間もなく△△ー△△ー、□□競技場へお越しの方は、こちらでお降りください」

幼馴染「はぁー、ちょっとだけスッキリしたかも」

俺「そうか…」

幼馴染「ん、何か文句があるのかな?なんてね」

俺「アホ。…しいて言うなら、感謝は賞状か何かで示してほしいな」

幼馴染「なにおーうっ」

お前ら「おぅふっ、やっといらしたでござるなwwwwww」

幼馴染「ごめんねー、待たせちゃったね」

お前ら「そんなことは無きにしもありませんなwwwwww拙者暑くて暑くてチャーシューになりそうでしたぞwwwwww」

俺「中の自販機で何かおごるから、早く入ろうぜ」

お前ら「感謝でござるwwwwww」

幼馴染「あたしは出場登録してから行くから―」タッタッタッ

俺「悪かったな、お茶とポカリ、どっちが良い?」

お前ら「ポカリ希望wwwwww」カタカタカタ

俺「お前ら、まさか競技場までパソコンを持ってくるとはな」

お前ら「外付けのメモリがそろそろ届くはずwwwwwwおっほ、もう発送してるでござるwwwwwwポヒー」

俺「競技が始まったらさすがに消せよ。」

お前ら「ちょっと待つでござるwwwwwwオンゲのギルドのメンバーに挨拶だけするのでwwwwww」

俺「早く済ませろよ」

お前ら「御意wwwwww」

幼馴染「やっほー、凄いね、新しいメモリ、何個目?」

お前ら「数えてないでござるwwwwww」

俺「登録終わったのか?」

幼馴染「うん、まぁ競技自体はまだ始まらないから」

お前ら「幼馴染の出る長距離はお昼過ぎからでしたかなwwwwww」カタカタ

幼馴染「そうだよー。これ、パンフレットね」ホイ

俺「ん、サンキュ」

お前ら「お昼は早めになりそうですなwwwwww」カタカタ

幼馴染「そうだねー」

オッヒョーレアモンスターシュツゲンチュウデゴザルwwwイクニキマッテルJKwww

カチ…カチ…

お前ら「暑い……」

カチッ……カチッ…

俺「昼回ってから急に気温上がったな、大丈夫だと良いんだが」

カチッ…ピッ…ピッ…

お前ら「PCを冷やさないためのアイスがどんどん減っていくでござる……」

カチ…

俺「12時半か、そろそろ出てくるかな」

カチ

ドッゴォォォォォォォォオォッ

キャァァァァッワァァァッ

俺「……は?」

お前ら「なんでござるかっ、ば、ばばばっ、ばくはっ……」

ピンポンパンポーン

放送席「こちら放送席、皆さん、パニックにならないでくださいっ係員の指示に従って……」

ワァーーーーーッ、イヤァァァッ

俺「はっ、なんて?」

お前ら「演出ってわけじゃなさそうでござるな…」

俺「……っ!幼馴染ッ……!!」ダッ

お前ら「あ、ちょっとどこへ」

係員「君っ、ぼっとしてないで、こっちへ!」グイッ

俺「はっ…はっ…幼馴染ッ!」
 (瓦礫はひどいけど、焼けたような跡が全然ない……)

おっさん「うぅ…くっ…」

俺「大丈夫ですか!?」

おっさん「私は大丈夫だ…奥に、選手の待機場所が…」

俺「わかりました…係員の方が来ると思います、水、置いていきます。」コト

ダッ

俺「大丈夫ですか!?水とタオルがありますので、傷がある人はとりあえず洗ってください!」

選手「いたた…」

俺「あの……」

選手「ん、あぁ、ありがとう。大丈夫、少し挫いただけだと思うから」

俺「すいません、この中に幼馴染と言う奴がいると思うんですけど。」

選手「その子ならさっき、迷子の子を連れて先へ行ったと思うけど…」

俺「ありがとうございます」タッタッタッ

俺「幼馴染、幼馴染ーっ!!」タッタッタッ
 (糞っ…どこにいるんだ…)

…イ…ン

…チャンッ…

俺「声?こっちか!」ダッ

オネイチャン

幼女「おねーちゃんっ!!」

俺「君っ、大丈夫か?」ザザッ

幼女「私は大丈夫…うぐっ、だけど…おねーちゃんが…」

俺「お姉ちゃん?」チラッ
 (そこにいたのは、瓦礫に下半身を挟まれた幼馴染だった)

幼女「私がおトイレ行きたいなんて言ったから…おねーちゃんが…っしんじゃっ…」

俺「……っ、大丈夫、君のせいじゃない。」スッ
 (まだ息がある…頭を打って気絶してるみたいだな…)
 「……幼馴染ッ…!」

TV「このたびの□□競技場爆破事件は、現在活動を活性化させている国際テロ組織による犯行であるという声明が出されました」
 「犯行に使用されたと思われる爆弾はいまだ発見されていません」
 「幸い死者は出ませんでしたが、重軽傷者が多数出た模様です」

俺(俺たちはそのニュースを県立病院の病室で聞いていた)

幼馴染「いやぁ…よかったよかった、誰も死んじゃったりしてなかったんだね。」

俺(重軽傷と言う言葉も、動かなくなった幼馴染の脚を前には、意味をなしていなかった)

お前ら「…………」

幼馴染「ちょっとちょっと、病人がこうして元気にやってるのに、見舞いに来た方が暗いんじゃ迷惑!」
   「ほら、お前らも、パソコンやったっていいんだよ?」

看護師「院内ではなるべく使用は控えてください」

幼馴染「……だって、あはは…」

「「…………」」

幼馴染「いやぁ、ちょっと空気悪すぎない?せっかく果物持ってきてくれたんだし、食べよっか、剥いたげる」

お前ら「感謝でござる…」

幼馴染「なんかあたしが慰めてるみたい」シャリシャリ

シャリシャリシャリ

幼馴染「じゃじゃ~ん、ほらできたっ、ちゃんと一本で皮切れるんだから」

俺「器用なもんだな」

幼馴染「それほどでも~、あ、ウサギちゃんの方が良かった?」

俺「別に」

俺(学校に通い、その足で見舞いへと向かう、そんな毎日が過ぎて行った)
 (ある日、風のうわさで、陰謀論ではないのかと言う話が持ち上がっているのを耳にした)
 (根も葉もない一報であったが、俺の燻る気持ちを煽るには十分すぎる物だった)
 (復讐心が俺の躰を駆り立て、動かすのにはそうかからなかった)
 (そして俺は今)

シンゾー「ははは、いやぁ、無事に到着してよかったよかった」

俺(米国のあるホテル、その一室にいる)

シンゾー「えぇ、その件はどうも。はい、はい…」
    「はは、うちの国民はバカなものですよ、テロだと言われればテロだと信じる」
    「民と言う文字には無知の意味が込められているとはよく言ったものだ…」

俺(SPがいるというのに、そんなに話していていいのか?)
 (いや、それ以前に…)
 (誰に電話をしている…っ?)

シンゾー「陰謀論の件ですか?日本にはことわざがあるんですよ、人のうわさも七十五んち、すぐになくなりましょう」
    「まったく…しかしあんなに小さな競技場など…爆破して意味あるように思えませんな」
    「死者は出ませんでしたが、これでは武力の強化に手が出るかどうか…」

シンゾー「それに当人達は思いますまい」
    「自分が利用されたことも、ましてや……」
    「私の目が鼠一匹見分けられない節穴ではないということ」

バッ バッ バッ

俺「!?」
 (しまった、囲まれていたか…ッ!)

シンゾー「失礼、また掛けなおしますね」ピッ
    「いやぁ、はっはっ、どうでしたかな米国旅行は?」スク

俺「くっ……」

シンゾー「随分と満喫していただけたようだ。」
    「あなたに逃げ場はありませんよ、先ほどこのフロアと上下フロアの人払いは済ませたところですので」
    「例え死者が出ようと捨てるくらいならいくらでもできる」スッ

SPたち「……」ジャジャキッ

シンゾー「撃ちなさい」

パパパパパパパパパッ

シュビビビッ

シンゾー&SPたち「!?」

シュウゥゥゥゥゥゥゥ

俺「ふん……その程度でこの俺を、傷つけられるとでも思ったのか…」スッ

パラパラ…

シンゾー「そんな馬鹿なッ…弾丸を、受け止めたとでも!?」

俺「信じられないならもう一度してもいいが…」シャッ

一人の背後に回り込む俺

ズムンッ

SP「」ドサッ

俺「あんたたちは俺の間合い内にいる。撃つ前に二人は寝てもらうことになる…」

シンゾー「か、構え……」

俺「遅いッッッ」

SPの腕が上がりきる前に、シンゾーへの距離を詰め切り、彼の腹部へと拳を埋める俺

俺「発ッッ頸!」ドンッ

まるで浮くかのように宙へと投げ出され、壁へとぶつかれば床に落ちるシンゾー
それに向かってゆっくりと歩を進める俺
そしてそんな俺に、銃を向けることも悪れ去ったSP

俺「あんた自身は随分ともろいようだな」

シンゾー「かはっ…ふ、まさか私が、SP以外に何もつけてないとでも思っているのかね」

俺「何っ!?」

途端盛り上がる壁

ゴッシャァァァァァッァァッ!!

弾き飛ばされるも何とか体勢を立て直し、構える俺
そして砕いた壁の煙から悠々と立ち上がる何か

俺「お前は…!」

まるで何事もなかったかのように不敵な笑みを浮かべるそいつの名を叫ぶ俺

俺「アソーッッ!!」

アソー「いやぁ…まさかこんな小童相手に手こずっているなんて…」
   「思いもよりませんでしたな」

俺(どうしてあいつが…あいつにそれほどの力があるとは…)
 「ぜぁぁっ!!」

両の腕を構え直し、一気に間合いを詰め、突き出す俺
そしてそれを事もなげに受け止めるアソー

アソー「はっはっはっ、確かに、ただの若者ではないらしい…」メキメキ

俺「くっ…この力…人であることを捨てたか、アソーッッ!」ミシ、ミシッ…

アソー「捨てたというわけではない…私は進化したのだよっ」
   「四肢を引き替えに、改造人間(アンドロイド)へとっ!!」

俺「ぐっ…あ、あぁぁぁぁぁぁっ!」バッ

アソー「むっ!?」
   (脚をッ……!)

俺「くぉっ!」

腰を丸めて足を振り上げ、突き出すように蹴り込む俺
押される様な蹴りに後ろへの衝撃を与えられるアソー
離れる両者
 

俺「はぁっ…はぁっ、胴体はどうやら、人間のままらしいな…」

アソー「ふっ、無論…どうなるかわからぬ実験に、生を手放すことはできんからな…」ゼェッゼェッ

シンゾー「やってしまいなさい、アソーっ!あなたの力をもってすれば、いとも簡単でしょう!?」

アソー「ふん、簡単に言ってくれる……」

俺(アソーのスタミナは保たないらしい…、逃げるのも簡単だが…)スッ…

アソー「へっ、相手をしてくれるのかい…」

俺「一撃で済ませてやる…」ハッハッ…

アソー「どうやって…そいつは知ってるぜ…拳法の型で、象形拳だろぅ?」
   「肉の感触で人と戦っている気にでもなったかい…」

俺「…………」フゥー

アソー「……いいぜぇ、見せてみな」

んばっっっ!!

アソー(象形拳…蟷螂拳を代表とする、動物の戦いに模した型…)

ズバババババッ

アソー(人相手ならば通じよう…だが)

ずごぉっ、ジャアラバァッ!

アソー(オレを相手立つ今、一体なんに倣おうって……)ゾクッ

ギンッ、めきぃっ、ガッッッッシ

アソー(こいつは……)

ズンッ!ゴドォッ!!

アソー(トリケラトプスの型ッッッ!?)

俺「…………」

アソー「…………」

モブども「~~~~~~~~ッ」

アソー「………なるほど…こいつぁ…」
   「とんでもねぇ」

俺「…………」

アソー「ちいせぇころ、よくこいつらといたもんだ…」
   「図鑑や博物館でしかみれねぇ、想像でしかあえねぇ…」
   「そんなしろもんだ…」

アソー「なるほど、こいつは、ふさわしい…」スゥ
   「幼い心をそのままに」

   「いざぁっ!!」

ドンッッッッ!!

同時に動き出す両雄
真正面から、己の両角のみを信じ、飛び込んだ二頭
速度をそのままに、一瞬に生まれる拮抗

アソー「ぐっ、おっ、お、おぉぉぉぉぉぉっ」

コォォォォォォォォッ
拮抗を瞬から秒へと遷しだそうと機械音
直後、大きくゆがんだ獣の像
歪みは回転…すべての力を俺の右角

アソー「こぉいっっっ!」

受け止めようと出される両腕
そこへ

ぞぉんっっっっ!!

弐本の機械腕を吹き飛ばす獣の角
いまだ収まらぬ回転
その勢いに吹き飛ばされるはアソーの身体
渦が収まるころに壁に叩きつけられるアソー
渦の目からアソーの傍へと歩み、片膝をつく俺

俺「アソー……」

アソー「へっ、駄目なもんだ…政治家たる立場だというのに…」
   「童心に、還っちまったよ…」

頬を伝う滴
指で掬い、払う俺

俺「両腕もない、脚もいかれた、今のアンタは、寝てるのがお似合いだ」

アソー「……わるいね」

俺「さぁ…もう終わりだ」スクッ

シンゾー「なっ、なにをいって…SPっ、う、撃てっ、うてぇっ!!」

ゆっくりと歩いていく俺

俺「哀れなもんだな、これがトップか…」

一歩、また一歩と刻まれていく歩m…

シンゾー「かかりましたね」ニヤァッ

俺「っ!?」ギシィッ
 (なんだっ…体が……っ!)

シンゾー「私の力の範囲は実に狭くて困ります…」

俺「きさまっ…何をしたっ!」

シンゾー「あなたの周りに漂っているのは”情報”ですよ」

俺「情報…?」ギシギシッ

シンゾー「正確には私の周りですけどね」
    「情報には質量があるんです、私の周りには日ノ本の情報が揃っているといっても過言ではありません」
    「それを理解している私だけが空間内で動ける、実に簡単な話じゃないですか」

俺「……理解していればいいんだな…?」

シンゾー「?ええ、もちろん。しかしあなたには理解しようがない」
    「情報を手に入れるすべもないのだから…」

俺「ふっ…」

シンゾー「何がおかしいのです」

俺「情報ならあるじゃないか」ピシッ
  
 「今っ!」パキッ

 「ここにっ!!」キィィィッィッ

ギュバァァァァんっ!

シンゾー「なっ…そんな馬鹿なッ!あれだけの情報を理解するなんてこと…」

俺「不可能だ?」

シンゾー「不可能だッッッ!………ハッ!」
    「ま、まさか……」ワナワナ

俺「そう、そのまさかだっ!」
 「今の俺はあんただっ!」
 「俺をSPにしたのが間違いだったなっ!俺はあんたを”観察”できたのさっ!」

シンゾー「きっ、きさまぁぁぁぁぁぁっ!」

俺「歯を、喰いしばれぇぇぇぇぇっ!」

ギッシィィィィィッ

俺「!?」
 「何だっ!?俺はシンゾーの”情報網”を攻略したはず……ハッ!」

シンゾー「ひぃっ…」ギシィィッ

俺(シンゾーの体が遅く…奴の力でもないというのか!)
 (ならこの力は誰の……ッッ!)

バババババババババババババ

俺(窓の方から音が…これは、ヘリ!?)

バババババババババババババ

俺「そんなっ…バカなッ!」

?「シンゾーからの連絡が来ないので、来たかいがあったようで…」

シンゾー「おぉっ…!」

俺「米国……パラク・オパマ!?」

オパマ「無事ですか?シンゾー……」

俺「ぐっ…うぅっ…」ギシッギシィ…
 (さっきとはまるで違う…身体が全く動かない…)
 (おまけにシンゾーと違って観察できない…!!)

シンゾー「オパマさん!助かりました!!」

オパマ「HAHAHA…まさかアソーまでもやられているとは」チラッ
   「私たちの技術、その第一歩の実験体…」
   「それなりに費用も掛かっていました…」

やや早足で俺の前に立ち、握り拳を見せるオパマ

オパマ「私は今…」
   「激おこDEATH!!」バキィッ!

俺「ぐぅっ…!」
 (重い…こいつ、”情報”を自らの力へと変換する余裕があるのか…!!)

オパマ「はっっっはぁっ!」

ドカッ バキィッ メキッドスッ

シンゾー「あのぅ…オパマさん」

オパマ「ふぅ…なんです、シンゾー?」

シンゾー「いやぁ、私の周りの情報を取っていただけないのかと…」

オパマ「OH…これは失礼しました、いまどけます」シュッ

シンゾー「おっとっと…いやぁ、ありがとうございます。」スタッ

俺(糞っ…振り出しどころか…ここで終わりだっていうのか…!)

オパマ「OH…なかなかタフなようですね…」

俺「けほっ…くっ…」ボロ

シンゾー「そのまま続けてしまってはオパマさんの手の方が荒れてしまいます…ん?」コツ

シンゾーが目を向けた場所には、無造作に放置されていた銃
それを拾い上げるシンゾー

シンゾー「SPの忘れ物でしょうか…オパマさん」

オパマ「どうしました?」

シンゾー「一度射撃と言うものをしたかったんですよ、良いでしょうか」

オパマ「OH,NICE IDEA!ベリーベリーグッドです、次は私にやらせてください」

シンゾー「はっはっはっ、もちろんですよ」

銃を向けられる俺
俺を置見据え、ゆっくりと息を止め、引き金を引くシンゾー

パン

乾いた銃声

俺(ここまでかっ!)

「…………」

俺(……なんだ?俺は…生きているのか?死んでいるのか?)パチッ

目を開いた先には、シュルシュルと回転しながらも、侵攻することを放棄している弾丸
回転が遅くなるにつれて聞こえる音

ギッシィィィィィィッ

シンゾー「これは、一体…!!」ギッシッギッシッ

オパマ「どういうことですか……っ!」ギシィッ

???「さすがにオパマ氏の動きを完全に止めることは不可能のようでござるwwwwww」

俺「………お前らっ!!」

お前ら「華麗に参上、でござるwwwwwwwwwwww」カタカタッ ターーンッ

オパマ「私の”情報”が返されるなどと…!!」
   「しかぁっしっ、肉体にめぐらせていた情報を戻せば…」

ギュバァッ

オパマ「この通り、形勢は逆転……」
お前ら「ではないでござるよ」カタカタカタカタ
オパマ「!?」

お前ら「なんで拙者がこんなに遅れたか…その所以っ!」

お前らの体を覆っていた布、それを吹き飛ばす風!
下に眠っていたのは、数えきれぬメモリ!!

お前ら「最後のメモリが届いたことで、今の拙者のPCは、無敵の情報屋となったでござるwwwwww」カタカタカタ
   「そんな拙者からすれば、膨大な量の”情報”を超える”情報”を作り出すことは可能ッッッ!」カタカタ

オパマ「きさまぁぁぁぁっ!」ダッ

ガキィッ

俺「行かせないさ…っ!」

お前ら「ナイスでござるよ俺氏wwwwwwポチッとな」ッターーーーーン!

シィィィィィィィン

シンゾー(なんですかこれは…まるで、氷の中…!)

オパマ「くっ、私の力が、私の力がぁぁぁぁぁぁッ!」

お前ら「お主の力…?」スーッ
俺「いーーんや、違うねっ」スーッ

ビシィッ!!

「「俺たちが時を止めた」」

俺「これで終わりダッ、オパマ、シンゾー!」
 「いくぞお前ら!」

お前ら「あ、拙者肉体労働はパスでござる」

俺「そうかしょうがない、おぉぉぉぉぉぉぉっ!!」ダッ

オパマ「」メシィッ シンゾー「」メシィッ

ラリアートッ!!

ドッシャァァァァァァァッ

俺「………助かったよ、お前ら」

お前ら「拙者は拙者の魂の声を聴いただけでござるwwwwww」

俺「そうか……」

部屋に埃を小さく舞わせるつむじ風
乱れる髪を手で押さえ、一言を紡ぐ口

俺「終わったな」
オパマ「本当にそう思うのかね?」

俺&お前ら「!?」

オパマの手に握られたリモコン
紅きボタンを沈ませる指

リモコンから鳴り響く警戒音

俺「オパマ…それはもしや…っ」

オパマ「HAHAHA…そぉ~だぁ…遥か空、宇宙を泳ぐ衛星…」
   「そんな便利なものに、何もあるわけはあるまい…」

お前ら「まさか…wwwwww」

オパマ「”核”だよ!」
   「日ノ本とここ、米国に、核の筒が落ちる!」

俺「なぜそんなことを…!?」

オパマ「さぁ…それを知る必要はないのだよ。どうせすべて吹き飛んでしまうのだから」ニチャァ・・・

俺「糞っ……!」

お前ら「俺氏俺氏wwwwww」

俺「!お前ら…どうかしたのか」

お前ら「拙者が日ノ本のミサイルを止めるでござる…だから俺氏、こちらは任させていただきたい」

俺「だが、飛行機を手配するには」

お前ら「これほどの距離…走った方が速いでござる」
   「それではっ!」

シュバッシュビビビッ

俺「お前ら……」
 (そうだな…お前らが諦めてねぇのに…俺が諦めるのは変だな…)

オパマ「まさか…止める気なのか!?不可能ダッ、大陸が吹き飛ぶ威力のものだぞ!?」

俺「そんなことは関係ない…止めなきゃいけない理由もあるんだ。」
 (俺の躰よ、もってくれ…)

 「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゥ

オパマ「なんだこのパワーは…何が起きようとしている…!?」

ッッッッッッカ!

太平洋沿岸

バッ…シュゴォォォォォォォォッ

お前ら「くっ、この自家用エンジンでも、間に合わないかもしれぬ…wwwwww」
   「米国よりも先に落ちるというのであろうか…もう弾頭が見え…」
   (俺氏…申し訳ない…間に合わなかったでござる…!!)

ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッ

お前ら「こ、この音はッ!?」

ゴウゥッ!

突如横切った光線
まっすぐ弾頭へと向かい、空に浮かぶは輝く光球

お前ら「これはいったい…?」

???「オパマの情報戦を破ったものが聞いてあきれる」

お前ら「お前は…ブーチン!?なぜっ…」

ブーチン「勘違えるな…米国が消え去る今、日ノ本ほど操りやすい国は無いだけのことだ」



ッッッッッッッッカ!
   

お前ら「この光は……俺氏!?」
   「使ってしまったでござるか!」
   「星女神の加護(プレアデス)を!!」

米国某所

その日、米国から光の柱が聳え立った
元いた場所へと変えるかのように空へと登る
その姿はまるで

ガキ「Star(流星)…」
  「だっど、だっどっ!流れ星が見えるよ!」

ガキ父「はっはっは、ボーイ、流れ星は空から降るものなんだ」
   「地面から空へは飛ばないよ」

ガキ「ならあれは何?」

ガキ父「私にもわからない」
   「だけど」
   「本当にきれいだ」

その日、庭で親子は肩を組んだ

成層圏

シュオォォォォォォォォォォッ
俺(そろそろミサイルと接触する…)
 (タイミングを逃してはならない、一撃で消し去らなければ…)

右の握り拳を再確認する俺

俺(来たっ!)

対峙した後の数瞬は、まるで永遠

俺(悪いな…オパマ、あんたにも何かあるんだろうが…)
 (この惨劇は人目にさらされることになる)
 (だが、人ってのはそんなに弱いもんじゃない…)
 (必ず乗り越える、乗り越えようとする…)
 「そんな人の邪魔をさせるわけには、いかねぇんだよぉぉぉぉぉっ!!」


カッ!!

しばらくが経って

お前ら(結局あの日以降、俺氏との連絡は取れぬまま…)
   (死亡と扱われてからそう日はたってはおらぬwwwwww)
   (幼馴染殿に毎日墓参りに連れて行かれるのはこりごりでござるwwwwww)

幼馴染「お~い、遅いよ!」

お前ら「幼馴染殿、足の具合はもういいのですかな?」

幼馴染「うん、まだリハビリ入るみたいだけど歩けるし…改造人間ってのも凄いね。」ピョンピョン

お前ら「それなら良かったでござる。それでは、いざゆかんwwwwww」

お前ら「そういえば幼馴染殿、本日はどんな供え物を?」

幼馴染「ん?ヨーグルトだけど。」

お前ら「ぶほぉwwwwww昨日はプリンでござったが、ヨーグルトはさすがにいかがなものかとwwwwww」

幼馴染「まぁ、果物も買ってきたし、ね?どうせ明日回収するんだし」

お前ら「それもそうでござるなwwwwww野良猫に食べられたりしないよう気を着けねばwwwwww」

ガササッ

お前ら「ん?どうしたでござるか?袋を落とすのはwwwwww中のヨーグルトぐちゃぐちゃでござるよwwwwww」

幼馴染「…………」

お前ら「どうしたでござるか?な、泣かないでほしいでござる…wwwwww」

コーンコーン

お前ら(ん、何の音でござるか…?wwwwww)

お前らが振り返れば、俺氏の墓石に腰を掛ける影

お前ら「なんと失礼な…その墓は…」

?「いやぁ…世界を救った英雄の墓石がこれは、さすがに酷くないか?」

その影は男
スプーンを握って墓石を軽くたたく男

お前ら「そんな…どうして…」

?「ん、あぁ……よう。」

俺「ただいま」


このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom