俺「巨人なんかに俺達は負けたりしない!」(27)

アルミン「き、奇行種にトーマスが!!」

トーマス「あ……ぁ……!」

奇行種「…………」

エレン(すぐに助けないと……いや、しかしもう……!)

トーマス「誰か……!」

スパァ!

アルミン「!!!」


俺「すまない、遅れた……大丈夫か、トーマス」

トーマス「お、俺さん!」

トーマス「ありがとう俺さん……もう、ダメかと……!」

俺「済まなかった。俺があの奇行種にもっと早く気がついていれば……」

アルミン「俺さんが気を病むことじゃないよ!奇行種が相手なら仕方がなかった!」

ミーナ「そうよ!俺さんが来てくれなかったらトーマスは……!」

トーマス「改めて礼を言わせてくれ!ありがとう、俺さん!」

俺「ははは、礼を言うなら全部終わってからだ……さあ、残りの巨人を片づけに行こう!」

エレン「トーマス、動けるか?」

トーマス「問題ないぜエレン!いつでも行ける!」

エレン「よし……いくぞみんな!すべての巨人を駆逐してやるんだ!」

俺「ふふ……頼もしいな、エレンは」

数十分後

アルミン「僕達の持ち場の巨人はだいたい片付いたね」

ミーナ「ふっふーん!巨人を3体も倒してやったわ!」

トーマス「くっそー……俺は2体だ……」

エレン「…………俺は」

俺「エレン、討伐数だけでは測れない力もあるものだよ。お前が撹乱してくれているおかげで俺たちは安全に巨人を狩れている」

アルミン「そうだよエレン。君の勇気に僕たちは随分励まされてる」

トーマス「討伐補佐なら6はいったんじゃねえか?気にすんなよエレン!」

エレン「みんな……!」

エレン「そうだな……こんなことで気を落としてたら巨人を駆逐し尽くすことなんてできやしない!」

俺「その意気だ、エレン!先ほど一時撤退の鐘が鳴った……今のところはひとまず撤退を」

ジャン「……それができたらな」

アルミン「ジャン?」

ジャン「補給班の連中が戦意喪失……今は任務ほっぽって本部に篭ってやがるとよ」

アルミン「補給班が……!?そ、それじゃあ!」

俺「ガスの補給ができない……それでみんな立ち往生してるってわけか」

エレン「なんだって!?」

ジャン「クソっ!俺たちゃみんなここで巨人の餌だ!あの腰抜けどものせいでな!」

俺「……それはどうかな」

ジャン「あん!?」

俺「補給班が来れないなら、俺達が取りに行けばいい……そうだろ?」

ジャン「取りに行くったってよォ!あの巨人の山を見たかよ!!」

俺「すべて切り捨ててしまえばいい」

ジャン「あのなあ……!」

ミカサ「俺さんの言うとおり」ザッ...

ジャン「ミっ……!!?」

アルミン「ミカサ!?後方の任務に就いていたはずじゃあ……いつからここに?」

ミカサ「俺さんが抜けだして来たのに付いてきた。それからはずっとエレンのすぐ後ろに」

エレン「えっ」

俺「なんだ……誰にも気付かれてないと思ったんだがな」

ミカサ「私もエレンのところに来る機会を探していた。ありがとう、俺さん」

俺「やれやれ、ミカサには敵わないな」

コニー「俺さんとミカサが居るんなら心強いぜ!一か八か、あの巨人共をやっちまおう!」

ジャン「いや、しかしな……」

サシャ「だったらジャンはそこで膝抱えてめそめそ泣いてればいいじゃないですか!バーカバーカ!」

ジャン「死に急ぐよりマシだ」

エレン「そうかよ、俺はここで何もしないで居るほうが早死にすると思うぜ」

ジャン「なんだと……?」

エレン「今までに俺さんが間違ったことを言ったことがあるか?あの巨人共を駆逐するのも、俺さんなら不可能じゃないはずだ」

エレン「きっとお前がなんと言おうと俺さんは補給班を助けに行くぜ。そうしたらここで一人残るお前はどうなる?」

ジャン「ッッ……」

ジャン「チッ……分かったよ!行けばいいんだろ行けば!」

エレン「ああ!……みんなも、俺さんの案に賛成でいいな!?」

みんな「ああ!」「もちろん賛成だ!」「俺さんが言うなら間違いねえ!」

俺「ジャン」

ジャン「なんだよ俺さん……俺もアンタに乗る。それで文句無ぇだろ」

俺「エレンはああ言ったが……俺は決してお前を見捨てて置いて行ったりはしない」

俺「エレンは少し真っ直ぐ過ぎるからな……さっきの言葉も、本当はお前を元気づけようとしただけなんだ」

ジャン「……ンなの、言われなくても分かってんだよ!」

ジャン「それより、言い出しっぺなら死ぬ気でかかれよ!いいな俺さん!」

俺「ああ。頼りにしてるからな、ジャン」

本部


ジャン「テメェらのせいで!余計に人が死んだんだぞ!」

補給班「うう…だって……」

ジャン「だっても何も……」

マルコ「やめるんだジャ」 俺「やめろジャン!!」

ジャン「!!」ビクゥ!

俺「今、彼らを糾弾したところで何も解決しない……その時間で、更に人が死ぬぞ」

ジャン「……チッ!」

俺「向こうでアルミンが巨人を一斉に片付ける策を立ててる。行こう」

アルミン「……というわけで、この鉄砲で目潰ししてから精鋭部隊が天井からドーンしよう」

アルミン「精鋭部隊の指揮は俺さんにまかせてもいいかな?」

俺「分かった、尽力しよう」

アルミン「僕が選んだ人たちに全員の命を背負わせてしまって……ごめん」

ライナー「いや、問題無い(結婚しよ)」

アニ「誰がやったって同じさ。失敗すれば、みんな死ぬ」

コニー「心配いらねえってアルミン!」

サシャ「そうですよ!なんせ俺さんが居てくれますし!失敗なんてありえませんよ!」

アルミン「……そうだね!」

マルコ「もっと……もっと引きつけて……!」

アルミン「……今だ!!」

ズババババーン!!!

アルミン「巨人が怯んだ……!実働隊!!」


エレン「うおおおおおおおおお!!」スカッ

ミカサ「ふっ…!!」スカッ

ライナー「はあっ!」スカッ

ベルトルト「せい!」スカッ

アニ「……!」スカッ

コニー「うりゃあああ!!」スカッ

サシャ「てやっ」スカッ

ジャン「うらあっ!」スカッ

俺「でりゃあっ!」ズッバァァァァン!!

俺「捉えた……他のみんなは!?」

アルミン「俺さん!エレンとミカサとライナーとベルトルトとアニとコニーとサシャとジャンが!!」

俺「任せろっ……!」ヒュッ....!


エレン「クソッ……また俺は!!」

ミカサ(ついエレンを目で追ってしまって集中できなかった)

俺「ていっ!でやっ!!」ズバッ!ズバァッ!


ライナー「しまった……ズボンのチャックが開いていて集中が……」

ベルトルト「ライナーにチャックの件を言う機会をうかがってたら……」

アニ(ついエレンを目で追ってしまった……)

俺「はっ!でえい!うりゃああ!!」ズバッ!ズバババ!!


コニー「そういえばブレード持つの忘れてたわ」

サシャ「ブレードかと思ってたの蒸かした芋でした」

ジャン「アホ二人が気になって……」

俺「ううりゃあ!どりゃあ!!ふんぬぁ!!」ズッバァァァァァ!!!

俺「全員仕留めた!ガスの補給に移るぞ!」

アルミン「やったあ!」

マルコ「流石俺さん!」

俺「俺だけの活躍じゃない……みんなの協力あっての成功だ!」

コニー「ん?でも、巨人を倒したのは俺さんだけだろ?だったら俺さんの手柄なんじゃあ……」

ジャン「ほんっとにバカだなお前は。俺さんが言いたいのはそういうことじゃねえんだよ!」

サシャ「そうですよコニー!つまり俺さんはご褒美の食べ物を私たちにも分けてくれるって」

ジャン「そういうことでもねえよ!!」

俺「ははは……」

俺「さあみんな、ガスの補給が済み次第すぐに撤退を……」


ミカサ「いやあああああああああ!!!」

俺「!!?」

ライナー「外からだ!」

アルミン「ミ、ミカサの声!?いったい何が!!」

俺「すぐに行く!ガスの補給がまだの者は作業を続けていてくれ!」

ミカサ「あ、ああ……そんな……嘘……!!」

俺「ミカサ!どうし……!!」

ライナー「巨人がすぐ近くまで集まってきてる……いつの間に!」

アルミン「……でも、このくらいでミカサが悲鳴を……?」

ミカサ「エ、エレンが……」

アルミン「エレン?」

ミカサ「エレンが、『俺さんばかりに頼っていられない』って……一人で戦おうとして……」

ミカサ「の、飲まれた……」

アルミン「」

俺「なんだと……ッ!!」

ヒゲの巨人「……」モグモグ

ミカサ「わ、私が止める間も無く……!エレン……エレン……!!」

アルミン(ミカサの立体機動にボンベが付いてない……補給の途中で飛び出してきたんだ)

俺「エレン……!なんて、バカな真似を……!!」

ライナー「とにかく、巨人共をなんとかしねえとな……」

俺「アルミン!中のみんなに補給を急がせるよう伝えてきてくれ!ライナーはミカサを安全なところに!」

アルミン「分かった!……でも、俺さんは?」

俺「俺は……」

俺「こいつらを、食い止める……!!!」ドドドドド......

5m巨人「アアアアアアア!!」

俺「っつあ!」ズバッ!!

3m巨人「ブエエエエエ!」

俺「ふっ!てりゃっ!!」ドシャッ!ズシャッ!!

15m巨人「オオオオオオ!!」

俺「ぅぅぅぅるあ!!」ズッバァ!!

俺「オラどうした!どんどん来いよ、化け物ども!巨人なんかに俺たちは負けやしねえぜ!!」

アルミン「みんな!俺さんが危ないんだ!早く援護を!」

コニー「分かったぜアルミン!……でも、このボンベ全然ガスが入らないんだ!」

サシャ「バカですねえコニー。それはボンベじゃなくて大根ですよ」

ジャン「お前の持ってるのも蒸かした芋だけどな!!」

ライナー「ぐっ……くそっ……このチャック壊れてんじゃねえか!仕方ない、いっそこのまま!」

ベルトルト「だめだよライナー!パンツ丸出しのライナーが宙を舞うなんて耐えられない!」

アニ「ベルトルト、アンタがずっと抑えててやればいいだろ」

アルミン「みんな!今はふざけている場合じゃ……」

マルコ「アルミン、ここんとこ枝毛になってるよ」

アルミン「ええ!?どうしよう、これじゃあ俺さんの援護には……!!」

俺「…………ふっ!」ズッバァァァァァ

俺「……ゼェ…ハァ……討伐、数、27……!」

巨人「」ワラワラ 巨人「」ゾロゾロ 巨人「」ガヤガヤ

俺「くっ……いい加減、打ち止めだろ……!」

俺「俺のスタミナもそろそろ限界だ……このままでは……!」

ヒゲの巨人「……」ヌモッ....

俺「う、っく……弱音を言う暇もくれないのかよ……!」

俺(みんな……!!)

ピカッ!!

俺「な、なんだ!!?」

エレンの巨人「ウオオオオオオオオオ!!!!」

俺「巨人の中から巨人……!?いや、あれは……」

俺「エレン、か……!?」

エレンの巨人「ウン!」

15m巨人「オオオオエエエ!!」

エレンの巨人「グオオオオ!!」バッキィ!!

俺「は、はは……随分たくましくなったな……ミカサも喜ぶよ」

結果として、トロスト区に侵入した巨人のほぼ全てをエレンと俺さんで駆逐した。

奇跡的に104期生の死者は数名に留まり、無事に撤退を済ませた。

その後、エレンたちは巨人化をめぐっていろんなおっさんに虐められることになるのだが……

きっと俺さんが居てくれればなんとかなるだろう!頑張れ俺さん!いけいけ俺さん!

人類が勝利するその日まで!

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