友「ん、んー……もうすぐ文化祭かぁ」
(男くんと一緒にまわれたらいいな)
(いろんな出し物をみて)
(演劇部のステージを鑑賞して)
(帰り道ではおしゃべりして)
(そして……)
(「ウチ、寄ってかないか?」ってなって)
(「その……俺、お前のことが好きなんだ」ってなって!)
(私、勝利!)ニヘラァ
女「友、なにニヤニヤしてんの?」
友「い、いやっ……何でもないよ?」
女「ほら、手が止まってる。仕事しないとちっぱい揉みまくりの刑に処すよ?」
友「わかった、わかったからっ!」ワタワタ
女「ほらほら、文化祭まであと二日しかないんだから、きびきびはたらく!」
友(あと二日で……えへへぇ)ニヨニヨ
女「あー、そういえば友」
友「なに? 女」
女「あんた当日は誰とまわるの?」
友「ほえっ!? い、いやまだ決まってないけどぉ」
(そっか、そういえば男くん誘わなきゃいけなかった)
女「んー、じゃぁあたしとまわ……」
友「いやいいよっ! 気にしなくて全然だいっじょーぶだからっ!!」バンッ
女「おぉう……そ、そうですか」
友(女には悪いけど、ここは邪魔してもらったら困るんだ!)
(私の輝かしい未来のためにはっ!)グッ
女「おやぁ…………もしかして友、気になる男子を」
友「え、ええ、そっそんなんじゃないよぉ、ぉぉ?!」
女「教えろ教えろ! いったい誰なんだそいつはぁ」モミモミ
友「ひゃう! ちょ、まって女! そこはっ、んっ」
友「はぁ、はぁ、はぁ」フラフラ
女「しぶといヤツめぇ」ゼェゼェ
友「だっ、だいたい相手が誰かなんて当日分かるんだからいいじゃん」
女「へー、つまり気になる男子はいると」
友「あっ!」
女「あははっ、墓穴掘っちゃったな」
友「っーーーー!」カァァ
男「おいおい、二人とも遊んでないで……君らの造ってるとこが終わらないと完成しないんだから」
友「おお、男くんっ!?」アワアワ
女(ほほぅ……)ニヤリ
女「男、丁度いいとこに! あたし部活の方の準備があってさぁ」
女「ちょっと代わりにやっといてくんない?」
男「えぇー、まぁいいけどさ」
女「マジ? ありがとありがと! じゃぁ友と『二人っきり』でがんばってねぇ」ニヤニヤ
友「ふたっ……二人、りりりりりりりっ!?」カァァ
男「ったく、あいつは……じゃぁ友さっさとやっちゃうか」
友「ふた、ふたっ、ふたり、ふふっ……」
友「ふ、ふたりっきり……だぁ」
男「ん?」
友(どうしようどうしよう、めっちゃチャンスだよねこれ)
友(誘うなら今だよね、今しかないよね)
男「さて、まずはこれを……」
友「お、男きゅんっ!」
男「きゅん?」
友「う、ううん! 何でもないよっ」
友(かんじゃったよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー)
友(かんじゃったよーーーー)
友(大切なとこでかんじゃったよっ! きゅんってなんだよ、きゅんて)
友(次こそは、次こそはぁ)
女「あちゃぁ……」
女「もしやって思って席をはずしてあげたってのに」
女「いくらなんでも緊張しすぎっしょ」
二人「「……はぁ」」
友(落ち着け、落ち着け私)
友(男くんとの脳内シミュレーションと同じようにやればいいんだから)
友(平気平気、もう噛んだりなんてしない)
友「すー、はー、すー、はー……男くん!」
男「なんだ?」
友「あのね、もしよかったらなんだけど……文化祭を一緒に」
先「おとこくーん、ちょっといいですか?」
男「あ、はい何ですか先生?」
友「」
友「」
友「」
友「 はっ」
友(先っ生! なぜこのタイミング!! ピンポイント!)
友(いじめ? いじめなの? 「あなたになんか男君は渡さないわ」っていうことなの?)
友(次……次こそ!)ギリッ
男「ごめんごめん……って友、カッターを握りしめるなよ、怖いから」
友「う、うん」
友(どのタイミングで言えば……)
友(もう失敗しない、次こそ誘う!)
男「そういえば、友は部活の方の準備はいいのか?」
友「ふ、ふぇ?! うん、私の部活は何もやらないから……」
友「そういう男くんは平気なの?」
男「んー、俺は仕入れ担当だから今は仕事はないかな」
友「へ、へぇー! お、男くんの部活は何を売るの?」
男「マフィン! ぜひ買ってくれよな!」
友「かうっ! 絶対買う!」ガタッ
男「ほらほら、落ち着いて」
男「まぁ、俺仕入れだから当日は暇なんだよなぁ」
友(?! ……今だっ!)
友「男くんっ!」
友「暇なら私と一緒に、まわら」
後「センパーイ、ちょっといいですか?」
男「ん? どうした後輩、部活の方で何かあったのか?」
友「…………」
友(…………冗談きついよ)
友(いったいなんの恨みがあって皆邪魔するの?)
友(つ、ぎ……次、こそ)シクシク
女「あーらら、ダメだこりゃ」
女「泣いちゃってるよあの子」
女「ものの見事に邪魔が入るなぁ」
本日終了 閲覧感謝
男「さってと、いろいろ邪魔が入っちゃったな……さっさとこれ仕上げちゃうか」
友「そっ、そうだねっ」
男「よし……」
友「あの、男くんっ」
男「…………」モクモク
友「……あぅ」
友(邪魔しちゃ悪いかなぁ)
友(…………はぁ)
男「…………」
友「…………」ズーン
男「……よっし、できた!」
友「う、うんっ!」パァァ
男「んー、つかれたなぁ」ノビー
男「そうだ、友。気分転換に購買にでも行こうぜ」
友「い、いくいく! 今すぐいっちゃう!」
友(わ、わぁぁ! 男くんと、男くんと購買デートだぁ)
男「んー、なにがあるかなぁっと……お! 人気no.1のから揚げ発見」
友「でーと、男くんとふ、ふたりっきりで……」ブツブツ
男「友は何か買わないのか?」
友「あ、あぅ……えっと、えーっと、あ! ゴマ団子にしよ」
マイドアリー
男「いっただっきまーす」パク
男「んんー、ジューシーでうまー」
友「…………」ジー
男「ん? 友、お前もたべるか?」
友「ふぇ!? いや、そのッ……」
男「ほら、口あけて」ヒョイ
友「え、えぇぇ?!」
友(これは、これはもしやあの伝説のあーんと言うやつじゃ……)
友(よっしゃ! 男くんからあーん! あーんだよ、すごいよ!)
友「はうぅ、あ、あーん」パク
友「……」ジワァ
男「? 友?」
友(おいしい、おいしいよ)
友(いや、正確にいえば緊張で味なんか分かんないんだけど)
友(もう男くんからのあーんってだけでおいしい、その事実がおいしい)
友(幸せぇ)ジーン
男「……大丈夫か?」
本日終了 閲覧 心の底から感謝
友「……はっ」
友「だだ、大丈夫だよっ! もんだいないさぁ!」
男「そっか、んじゃぁ教室戻るか」
友「うんっ」
男「なぁ、友」テクテク
友「な、何かなっ?」トテトテ
男「当日さ、俺とお前のシフト同じ時間だろ」
友「そーだね」
友(いやまぁ、偶然そうなったわけじゃなく私が同じになるようにしたんだけどね)
男「んだからさ、仕事終わったら一緒にまわらない?」
友「」
友「」
友(えっ、えっ)
友(えっ、どういうこと?)
友(男くんがさそった? 私を?)
友(え、何? これって告白ってこと? え、プロポーズ?)
友(え? 私戦わずして勝利? え、新婚生活?)
男「……おーい、友」
友(え、えっ? 夢のらぶらぶな毎日?)
男「友、大丈夫か!」
友「はっ!」
男「大丈夫か? さっきから少し変じゃないか?」
友「男くん」
男「なんだ」
友「子供は何人がいい?」
男「……は?」
友「…………って、はぅ!」
友(やっちゃった、やっちゃったよ)
友(勢いあまって空まわって突撃しちゃったよ)
友(あー、男くん渋い顔しちゃってるよ)
男「あー、そのえっと」
友「はうぅぅっ……」
男「……二人かな…………」ボソッ
友「え?」
男「いや、なんでもない……それで、どうなんだ当日どうする?」
友「あ、うんっ! まわる、ぜひ一緒にまわる!」
男「そっか、んじゃそうしよ」
友(おっけい、なんとかここまで来れた!)
友(これで私のキラキラの未来まであと少し)
友(ふっふっふ、勝利はこの手に!)
本日終了 いつも支援ありがとー
男「ただいまー」
女「おかえりー」
友「えへっ、えへへへっ」デレー
女「ん? なんだなんだ友、そんなだらしなく笑って」
友「なんっでっもなっいよ~♪」ルンルン
女「ん~……」
女(もしかして男ちゃんと誘えたの?)コソコソ
友(そーなんだよぉ! しかもなんと男くんから……って)
友「なんで男くんのことが、その……アレだって知ってるの!?」
女「んにゃー、バレバレっしょ。あんなに露骨に動揺してたら」
女「で、で? 男の方からきたって? よかったねぇ」
友「えへへ……えへへへへっ」デレデレ
友(これ、脈ありだよね! いけちゃうよね!)
友(この雰囲気で当日ふたりで過ごせば……えへへっ)
友(絶対男くんのはーとは盗めちゃうんですね!)
友(あ、そーだ……当日のデートで何をみるか決めなきゃ)
友「にゃへへへ、へへへっ」ニヤニヤ
女「いや、さすがにキモいって」
友(えっと、二年生のどっかのクラスがクレープをやるんだっけな)
友(それで、それで、食べさせあいっことかしちゃって)
友(「ほらほら、口元にクリーム付いてるぞ」って言われて)
友(男くんが指でとって食べちゃったり、えへへっ)ニヘッ
女「おーい友ー」
友(三年生の劇も観に行きたいな)
友(劇見てたらいいムードになって)
友(手とか握っちゃったりして)
友(えへへへっ、どきどきだぁ)
女「もどってこーい、おーい友」
友(それから、後はっ)
女「もどってこい、このちっぱいがぁ!」モニモニ
友「ひゃわっ! ちょ、ちょっと、女! ひゃめてぇ」
女「あんたはそのすぐに妄想世界に飛ぶくせを直せ、ばかやろー」モニモニ
友「にゃぅ、だみぇ……いじりすぎっ! くすぐったいひょぁ」
女「うるさい! このすべすべの肌触りをもっと揉ませろ~」モニモニ
女「……ったく」
友「うー、ひどいよ女……ほっぺたいじりすぎだよぉ」
女「ん? 胸のほうがよかった?」
友「ひぃ、平気! ほっぺでいい!」ブンブン
女「んじゃぁもう一度」ワキワキ
友「ひぃぃ! いい! なんもしなくていい!」ガタガタ
本日一時停止 構想浮かばん
男「……ということで」
女「ついに本日……」
友「文化祭、だぁぁーーーーっ!」
皆「「「「「「ひゃっふーーーーー」」」」」」
ワイワイ ガヤガヤ
女「いやー、間に合うか心配になった時もあったけど、何とかなるもんだねぇ」
友「いぇー、ひゃっふー」
女「うおぉ、テンション高ぇ」
友「えへへ、今日は待ちに待った日だからね」
女「はいはい……んじゃ、開店するための用意しなきゃね」
友「よーし! がんばろー」
皆「「「「「「「「「「「「おぉぉぉおおおーーーーーーーーっ」」」」」」」」」」」」
女「さてと……よし、そろそろ開店だ」
友「うぉぉ……」ドキドキ
カランコロン
友「っ!!」
女「いらっしゃいませっ!」
友「アイス屋『絶対零度』(アブソリュートゼロ)へようこそ!」
友「ようこそっ!」
客「おぉ、すげぇ」
ミスった
>>63
友「ようこそっ!」→女「ようこそっ!」
ガヤガヤ ザワザワ
女「いやーにぎわってるねぇ」
友「いらっしゃいませ! 『絶対零度』へようこそ!」
友「うぅ……この店名、言うのはずかしいよぉ」
女「確かに……これ、誰が考えたんだっけ」
友「えっと確か、あそこの厨二病ちゃんだっけかな」
厨「よく来た、愚民共……さぁ、神から与えられし凍てつく果実を選ぶがよい」
男「バカ……普通に接客しろ、お客さん思いっきり引いてんじゃねぇか」
男「いらっしゃいませ、アイスの味をお選びください……だって」
友「いらっしゃいませっ」
ガヤガヤ
女「ただいま伺います」
ワイワイ
男「合計300円になります」
ワッショイ
厨「しばし待て、たった今シヴァを召喚……」
男「バカ野郎」ベシッ
厨「いってぇ」
ワッショイ ワッショイ
女「ふいーっ……担当の時間帯終わったぁ」ノビー
友「……………………」ドキドキドキドキ
女「ほほーぅ」ニヤニヤ
男「おーい、友! そろそろまわりに行こうぜ!」
友「ひゃい!」ビクン
友「イ、イマ……イキマス」
女「あっちゃー、ガッチガチに緊張しちゃってるよ」
女「ふぁいとー、友」オー
本日終了 ワッショイワッショイ ヤーレンソーラン
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