木曾「もしもテレビ?」提督「らしい…」【艦これ】 (476)

木曾「なんだそれは」

提督「そのまんまの意味だってさ。もしも~が~だったら、な出来事を想像して映像に映し出すらしい」

木曾「なぜそんなものがこの鎮守府にあるんだ?」

提督「明石が作ったんだと」

木曾「何をしているんだあいつは…」

提督「ま、幸いなことに知ってるのが俺とお前と明石だけだ。誰かに言ったりしなければこんなのすぐに忘れて…」

青葉「」ジィ

提督「忘れ…て…」

青葉「青葉、見ちゃいました」ダッ

提督「捕まえろ!」

木曾「待ちやがれェ!」ダッ

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430576011

提督「えー…というわけで…もしもテレビ上映会を行います…」

ワーワーワー!

提督「どうしてこんなことに…」

木曾「青葉のヤロウ…逃げ足だけは早い…」

金剛「ヘーイ提督!質問デース!」

提督「なんだ金剛」

金剛「もしもの内容は選べるんデスか!?」

提督「いや、それは…」

明石「それはランダムに抽選で行われます!項目は全部で三種類!一つ目は人物、二つ目は内容、三つ目は話の明るさです!」

明石「ちなみに、話の内容によっては見るか見ないかも選択できます」

加賀「一つ、質問いいかしら?」

明石「はい、どうぞ!」

加賀「三つ目の話の明るさの所、もう少し詳しく教えてもらえないかしら?」

明石「簡単に言ってしまうとハッピーエンドかバッドエンドかって事です。内容がいかに楽しそうなことでも話の明るさが暗いになってしまうとバッドエンドの映像として残ります」

赤城「そしてそれを見るか見ないかは私たち次第、というわけですね」

明石「その通りです!」

瑞鶴「へぇ!なんか面白そう!やろうよ!」

翔鶴「もう瑞鶴…」

木曾「どうする…?」

提督「広まった以上、一度はやらねばなるまい…」

島風「おっそーい!早く見ようよ!」

明石「落ち着いてください。まずは抽選からです!」

島風「じゃあその抽選をはーやーくー!」

天津風「島風!物事には順序ってものがあるんだから!」

島風「う、わかったよ…」

鈴谷「そういや抽選っていってもどんな方法?」

明石「それはこのテレビ本体に搭載されているコンピューターによって判断されます。場合によっては過激な話も盛り込まれます」

大和「過激な表現…いいのでしょうか…艦娘とはいえ、駆逐艦の子達はまだ幼いですし…」

明石「なにも過激な話って戦闘だけじゃありませんよ?」ニヤリ

全艦娘「「「「ッッッッ!!!?」」」」

明石「どうです?気になりますか?」

全艦娘「……///」

明石「決まりですね」

提督「はぁ…マジでやるのか…」

木曾「俺も今から憂鬱なんだが…」

明石「それでは最初の話からスイッチオン!!」

ルール説明

1、話の中心となる人物、内容、明るさは全て安価で決定します

2、基本的に話の内容は何でも可。ただし、>>1が無理と判断したら再安価、もしくは上下どちらかを選択します。例:もしも曙が素直だったら etc

3、人物は複数可。例:金剛4姉妹、第6駆逐隊

4、明るさ暗さは安価ですが、コンマでの判定にします。偏らないようにするためです。

5、話を見るか見ないかは多数決で決めます。基本的に5~7の票で決めます。

6、1日1つ

7、連取は基本的には無し。明るさコンマでの連取は無し。艦娘の安価を取った後、次の安価で話の内容安価を取るのは有り。

8、みんな仲良く楽しく

9、雑談はご自由に。ただし良識の範囲内で

以上です

それでは最初の話から

人物・艦娘↓3

内容安価↓6

明るさ・暗さ↓7コンマ
奇数明るい
偶数暗い

結果発表

もしも金剛4姉妹が大喧嘩をしたら
明るさ:明るい


金剛「私たちが」

比叡「大喧嘩…」

榛名「ですか…」

霧島「あまり想像できませんね」

提督「まあお前らは基本仲良しだからな」

金剛「しかし喧嘩に明るいも暗いもあるんデス?」

明石「まあ安価の結果ですし」

明石「それじゃ最後の選択です。この話、見ますか?見ませんか?」

↓5まで多数決

見る・見ないを多数決にしちゃうと安価の半分が意味なくなるんでない?
あと見ないになった場合安価やり直すのが面倒な気が…

見ない場合は再安価の予定でしたが>>18の意見みると確かに面倒ですね…
ちょっと考えてみます

見る3票入ったので今から書いてきます。

少々お時間いただきます。

投下する際にまた連絡します

出来上がりました、投下します

金剛「…」ムスッ

比叡「…」キッ

榛名「…」ツーン

霧島「…」イライラ

提督「お、おいお前ら…一体どうしたんだ…」

金剛「いえ…」

比叡「別に…」

榛名「何もしてません」

霧島「気にする必要はありません」

提督「そ、そうはいっても…」

霧島「ちっ…すみません司令、少し出てきます」ガチャ

提督「あ、ああ…」

榛名「榛名もここにいては気分が悪いです。失礼します」

金剛「悪いケド、私も少し別行動を取らせていただきマス。失礼」

提督「お、おい…」

バタン

提督「…」

比叡「…」

提督「…なあ、比叡、一体これはどういう…」

比叡「…ヒクッ」ウルッ

提督「比叡…?」

比叡「ひえぇぇぇ…ひえぇぇぇ…」ポロポロ

提督「比叡!?」

比叡「ごめんなさいぃ、私の…私の所為なんですぅ…!」ボロボロ

提督「比叡の…?一体何があったんだ…?」

比叡「グスッ…実は…」

少し前

金剛「フンフンフーン♪まだカナまだカナー?♪」

比叡「お姉さま?司令室で何してるんです?」

金剛「OH!比叡!それはデスねー、提督の部屋の掃除デース!」

比叡「掃除…」

榛名「はい。そろそろ提督が戻られる頃だと思うので、私たちで掃除をしているんです」

霧島「司令は私たちを統率する最高指揮官ですから緊張も多いはず。なら、せめてここでは安らいで貰おうと思ったんです」

比叡「なるほど、なら私も気合入れて!手伝います!」

金剛「お願いしマース!」





比叡「それにしても、お姉さまは一体司令のどこがいいんです?」

金剛「そんなの提督が提督であるからデース!それ以外の理由なんてありません!」

比叡「そんなもんですかねぇ…」

榛名「榛名はなんとなく分かるような気がします」

比叡「ふぅん…霧島は?」

霧島「私は…一応何度か秘書官を務めていて、優秀ということは知ってますので」

金剛「あー、霧島照れてマスねー?」

霧島「て、照れてなんかいません!///」

比叡「ふぅん…みんな物好きですねー」

金剛「それは…どういう意味デス?」

比叡「だって、司令ですよ?なんだか見るからに頼りないしすぐにヘラヘラしてるし…正直私にはそんなすごい人には見えません」

金剛「…フーン」

霧島「比叡姉様、あなた一応何度か秘書官は務めたことはあるでしょう?その時はどうだったんですか?」

比叡「いつもと変わらないと思ったかなぁ。艦隊の指揮も大体学んだ通りのことやってるだけだし。私にはちょっとなぁ」

金剛「比叡、いくら妹とはいえそれ以上提督を侮辱するのは私は許しません」

比叡「許さないって…私はただお姉さまにはもっとふさわしい人が…」

金剛「それは…私は提督に相応しくないと?」

比叡「逆ですよ。司令がお姉さまに相応しくないです。大体あんな中年だれが好き好ん…」

バシィッ!!!

比叡「で…」ジンジン

榛名「お、お姉さま!?」

金剛「言ったはずデス。提督を、侮辱するのは許さない、と」ガシャン

霧島「46センチ三連装砲!?」

比叡「お姉…さま…?」

現実

提督「うわぁ…」

長門「なんというか…」

陸奥「女の嫉妬って怖いわぁ…」

提督「ていうかどこが明るい話?」

シィン

木曾「静まり返ってしまったな…」

伊勢「しかも当事者たちは…」

金剛「」

比叡「」

榛名「」

霧島「」

あきつ「し、死んでるであります…」

北上「もしもの映像だけど…結構リアルだから怖いわぁ」

大井「そ、そうね…」

霧島「お、落ち着いてください!お姉さま!司令室に艦装の持ち込みは禁止なのをお忘れですか!?」

金剛「離すデス!私は!この愚妹に一言言ってやらないと納得がいきません!

比叡「なっ…!」

榛名「だ、大丈夫ですか比叡お姉さま…」

比叡「愚妹…ですって…?」

金剛「そうデス!提督の魅力が分からない妹など!愚妹以外に何があるんデスか!?」

比叡「ッッ!!」

バチィンッ!!!

榛名「ッ…!」

金剛「っ…!」

比叡「ええ、わかりませんよ金剛姉様の気持ちなんて…!」

金剛「やりましたね…比叡…」

比叡「何か問題でも?」

榛名「な、何をやってるんですか!」

比叡「えー!そーですよ!私に司令の魅力なんて分からない愚妹ですよ!金剛姉様みたく積極性もない!榛名みたいな柔らかさもない!霧島みたいな頭脳も持ってない!私には何もないですよ!」

榛名「比、叡…」

比叡「ズルいですよね榛名たちは!そうやっていい子してれば司令に気に入られるんですから!!そうしてれば勝手に認められて私を置いていくんだ!!!!」

霧島「なっ…!」

榛名「っ!!!」

比叡「はぁっ…はぁっ…!!」

金剛「比叡…それ、本気で言ってるんデスか?」

比叡「何が…!」

金剛「そう…」

金剛「なら、私が言うことは何もありません。出て行くなり好きにすればいいです」

榛名「…」

霧島「…」

比叡「…と、いうわけなんです」

提督「なるほど…」

比叡「きっと…もうみんな私なんて妹や姉なんて思ってない。ただの一つの戦艦・比叡として接触するでしょう」

提督「そうだろうか?」

比叡「いえ、きっとそうします。だって、あれだけひどいことを言ってしまったんですから」

提督「お前はそれでいいのか?

比叡「え?」

提督「お前は…大好きな姉や妹たちに他人のように接せられて、お前はそれでいいのか?」

比叡「それは…それは…」

提督「比叡、お前の本心を教えてくれ」

比叡「……みんなと、仲直りしたいです…。またみんなで楽しく、一緒におしゃべりしたいです…!嫌だ…嫌だよぉ…嫌だぁ…!お姉さまたちと離れるなんて嫌だぁ…」ボロボロ

比叡「ごめんなさい…ごめんなさい…」ボロボロ

提督「それは、言う相手が違うだろ」

比叡「え…」

提督「きっといつものところで待ってるさ。あとは、お前次第だ」

比叡「いつもの、ところ…」

比叡「グシュッ…っはい!!」

比叡「あの…」

金剛「…」

榛名「…」

霧島「…」

比叡「み、みんな…!」

金剛「…」チラ

比叡「っ…!」

比叡「(やっぱり…もう…)」

提督『お前の本心を教えてくれ』

比叡「(本心…)」ハッ

比叡「(そうだ、もう逃げないって決めたんだ!)」

比叡「お姉さま、榛名、霧島…」

比叡「…ごめんなさい!!」

比叡「私はひどいことを言いました!でも、それは本心からじゃありません!本当は…本当は!私は!」

金剛「比叡」

比叡「お姉さま…」

金剛「私の方こそごめんなさい。思いっきり叩いちゃったデス」

比叡「いえ、それは…」

金剛「確かに提督のことを悪く言われたことは正直頭にきました」

比叡「う…」

金剛「でも…私はそれ以上に悲しかったんデス」

比叡「悲しかった?」

金剛「私が、一度も比叡を置いていったことがありましたか?」

比叡「あ…」

比叡『私を置いていくんだ!!!』

金剛「私が、私たちが大切な妹を置いてくわけないじゃない。私たち4姉妹はいつも一緒。それは、いつも言ってることなんデスから」

比叡「う、あ…うぅぅうううぅぅうう…!」ポロポロ

比叡「お姉さまああああああああああ!!!」

金剛「おかえり、比叡」

比叡「比叡…ただいま、戻りました!!」

榛名「これで、一件落着でしょうか?」

霧島「私の計算によれば、間違いないです」

後日


比叡「ひえぇぇぇぇ!」

金剛「またデスか!比叡!」

提督「今度はなんだ…」

榛名「あ、提督。実は…」

霧島「金剛お姉さまが作っていたカレーに勝手にアレンジを加えてしまいまして…」

カレーのようなもの「」

提督「これが、カレー…なのか?」

榛名「は、はぁ…」

比叡「だ、だって!司令にもっと美味しいカレーを食べてもらいたかったんですもん!」

金剛「そういうのはちゃんと料理を作れるようになってからするものデス!っていうか比叡!あなたもしかして提督のこと…!」

比叡「えっ!?あ、う…///」

金剛「その反応…やっぱり!」

比叡「あ、うぅ…あ、し、司令!///」

提督「うぇ!?な、なんだ!?」

比叡「あの、これからも…!」






比叡「これからも艦隊指揮!よろしくお願いします!!」

金剛「まだ私の話は終わってまセーン!!」



fin

パチパチパチパチパチパチパチパチパチ

龍驤「うぅっ…ええ話やないの…」グスッ

響「金剛さんたちの姉妹愛を強く感じる話だったね」

雷「響、誤魔化してるように見えるけど今にも涙が溢れそうよ」だばー

蒼龍「そういう雷ちゃんは号泣ね…私も少し涙腺にきちゃったわ」

提督「最初はどうなるかと思ったが良かったよ。しっかりと仲直り出来て」

比叡「お姉さまあああああああああ!!」

金剛「あーもうしょうがないデスねー!」

榛名「少し、ホッとしました」

霧島「ええ、最後まで目が離せませんでした」

木曾「こうなると気になるのはこれが暗い場合だな…」

金剛「そ、その場合は見ることは出来ないんデス?」

明石「出来ないです」

金剛「ほっ…」

明石「暗い場合なら基本的な話は一緒でおそらくラストが変わっていく感じでしょうか」

提督「そこはご想像にお任せってところか」

提督「さて、そろそろいい時間だし、今日はここまでだ!解散!」

というわけでもしもテレビ
『もしも金剛姉妹が大喧嘩したら』

でした。

比叡嫁の人はごめんなさい。



そしてルールで見る、見ないの件ですが、これは無しにします。
意見を見る限り変に荒れたりするのは>>1的にもあんまり起きて欲しくないので、もし見たくない話になった場合はブラウザバックすることをお勧めします。

ルール説明

1、話の中心となる人物、内容、明るさは全て安価で決定します

2、基本的に話の内容は何でも可。ただし、>>1が無理と判断したら再安価、もしくは上下どちらかを選択します。例:もしも曙が素直だったら etc

3、人物は複数可。例:金剛4姉妹、第6駆逐隊

4、明るさ暗さは安価ですが、コンマでの判定にします。偏らないようにするためです。

(5、話を見るか見ないかは多数決で決めます。基本的に5~7の票で決めます。) ←このルールを無効にします

6、1日1つ

7、連取は基本的には無し。明るさコンマでの連取は無し。艦娘の安価を取った後、次の安価で話の内容安価を取るのは有り。

8、みんな仲良く楽しく

9、雑談はご自由に。ただし良識の範囲内で



安価で決まった話は必ず見ることにします

最後に明日のもしもテレビの話の安価を取って終わりたいと思います。

艦娘・人物安価(複数可)↓2

内容安価↓5

↓6コンマ
奇数:暗い
偶数:明るい

先ほど人物安価を取った人は内容安価を取ることが可能
逆に内容安価を取った人は人物安価を取ることが可能です

それ以外の連取、連投等は再安価、もしくはずらします

次回
『もしも妙高4姉妹が戦闘において誰が一番強いか争ったら』
コンマ判定:暗い

に決定しました。

明日の夜までに書き上げ投下したいと思います。
今日はお疲れさまでした。

もしもテレビ
『もしも妙高4姉妹が戦闘において誰が一番強いか争ったら』

投下します

提督「今日もか…」

明石「もちろんですよ!」

明石「ただ一つ問題が」

木曾「問題?」

明石「はい、何故か見るか見ないか選択の部分が反応しなくなってしまったんですよ」

提督「直せないのか?」

明石「はい、なので決まった話は必ず見ないと次に進めません」

明石「それだけ理解をお願いします」

提督「はぁ…わかったよ」

明石「それでは!次の組み合わせの発表です!スイッチオン!」


『もしも妙高4姉妹が戦闘において誰が一番強いか争ったら』
判定:暗い


妙高「私たちのお話ですか」

那智「しかも暗い話か…」

羽黒「ど、どうなるんでしょう」

明石「さあ?そこは見てみないとわかりません」

足柄「なんでもいいから早く見ましょう?」

明石「わかりました。では再生します」

提督「君たちが妙高型重巡洋艦の4人か」

妙高「妙高です、よろしくお願いします」

那智「那智だ、よろしく」

足柄「足柄よ。巷では飢えた狼とも言われたわ」

羽黒「は、羽黒です!よろしくお願いします!」

提督「君たちがこの鎮守府で最初の重巡洋艦だ。期待してるぞ」

妙高「この妙高、その期待に必ずこたえます!」

那智「ふん、せいぜい足を引っ張らないようにな」

足柄「勝利のために!頑張ります!」

羽黒「し、司令官さんの期待にこたえられるか不安ですが、せ、精一杯頑張ります!」

それが提督と4人の重巡洋艦の出会いだった。

最初はとても大変だった。少ない資源、整備されてない入渠ドック、寝ずに回される遠征など、毎日毎日忙しなく動いていた。

けれどそれも提督が昇進するのと比例するように支給される資源なども増え、最初は一人ずつしか入れなかったドックも今では4人同時に入渠出来るようになった。

その頃には艦娘の数も大幅に増え、何度か施設を増設するなどの改装も行った。

今では100人以上の艦娘が所属している。

妙高たちも近代化改修などを重ね、改を経て改二までの練度を持ち、鎮守府のトップ戦力になっていた。

そんな中、本土から一つの通知が届く。

妙高「ケッコンカッコカリ、ですか」

提督「ああ、なんでも特定の艦娘とケッコンカッコカリを行えば練度の限界突破、性能の上昇、燃料などの軽減も出来るらしい。他の鎮守府だと、燃料節約のためにする人も出るくらいだ」

妙高「提督は、どうお考えなのですか?」

提督「カッコカリ、とはいえ結婚と最初につくぐらいだ。そう簡単には決められない」

提督「とりあえずこの件は保留だな。あ、今日はもう上がっていいぞ」

妙高「わかりました。失礼します」

妙高は一礼し、執務室を出る。

妙高「ケッコンカッコカリ…ね…」

そのケッコンカッコカリについての詳細が艦娘の間で広まるのは当然のことだと言えるだろう。

艦娘とはいえ、背格好は普通の人間と変わりない。思考も出来るし食事もできる。

普段から提督に好意を隠さない金剛や雷などはケッコンカッコカリが発表されてから妙に落ち着きがなくなっていた。

当然それは妙高たちも例外ではない。那智は提督をよく飲みに誘うことが多くなり、足柄は過激なスキンシップが増えた。 羽黒は一見何もないように見えるが、提督と二人きりになると途端に甘えることが多くなっていた。

それ以外はあまり変わらず、今までと同じように平和な日々が続いていた。

けれど、終わりは突然やってくる。

提督「これで妙高たち4人は全員練度最大か。これまでよく頑張ってくれた」

那智「なに、それも全て貴様の働きのおかげだ」

足柄「そうよ!私が勝利をつかめるのも提督のおかげなんだから!」

提督「ありがとう、そう言ってもらえると嬉しいよ」

妙高「ふふ」

羽黒「私、頑張りました!」

足柄「そういえば提督、私たちになにかいうことあるんじゃない?」

提督「いうこと?」

足柄「ほら、私たち練度最大ってことは…」

提督「ことは…」

足柄「んもうっ!察しが悪いわねぇ!ケッコンカッコカリよ!ケッコンカッコカリ!」

妙高那智羽黒「「「!!!!」」」

提督「またその話か…」

足柄「また?またってどういうことよ」

提督「最近練度最大に近づいた奴らが毎日毎日うるさいんだよ。ケッコンカッコカリするのは誰にするのかってな」

足柄「その相手は決まってるの?」

提督「いや、まだ決まってない。決まってない、が」

妙高「が?」

提督「俺は、お前たちの誰かが一番いいと思ってる」

4人「「「「!!!!」」」」

提督「む、すまない。失言だった、忘れてくれ」

4人「「「「…………」」」」

それから数日も経たないうちに大規模戦闘に私たちは繰り出されることになった。

第一艦隊の旗艦に足柄、随伴艦に那智を入れた6隻に加え、第二艦隊旗艦妙高、その随伴艦に羽黒を加えた6隻の計12隻の連合艦隊での出撃が命じられた。

足柄「一つ提案があるのだけど」

那智「なんだ、言ってみろ」

足柄「今回の作戦で一番戦果を上げた人が提督にケッコンカッコカリを申し込むってのはどう?」

羽黒「そ、それって」

足柄「そう。提督の隣を決めるのはMVPを取った私たちのうちの誰かってことにしない?シンプルでいいと思うわよ?私たち4姉妹で一番強い人が一番最初に提督に告白する権利を得るの」

妙高「私は反対です」

足柄「どうしてよ!」

妙高「今回、連合艦隊という不慣れな環境にそのような私事を持ち込むような余裕はないと思います」

足柄「なら妙高は提督とのケッコンカッコカリは諦めたってことでいいのね?」

妙高「そ、それとこれとは話が別でしょう!?」

那智「私は賛成だ」

妙高「那智…羽黒は?」

羽黒「わ、私も…賛成、です…」

妙高「な、羽黒まで…」

足柄「やらないならやらないでいいわよ?その場合、妙高姉さんはケッコンカッコカリを諦めたってことで勝手に解釈するけどいい?」

妙高「…わかりました。私も参加しましょう」

足柄「そうこなくっちゃ!」

今回の作戦でMVPを取った人は提督にケッコンカッコカリを申し込める。それは己を奮い立たせるには十分の褒美だった。

しかし、戦いは熾烈を極めた。

途切れることなく出てくる敵深海悽艦、新たに確認された敵艦載機。

戦闘は長引き、艦娘たちの体力はだんだんと削られていく。

それでも妙高たちは必死に敵を倒していく。

そして少しずつ海域を攻略し、敵旗艦である空母悽姫を撃沈させ、作戦は成功した。

すでに艦隊は満身創痍であり、羽黒が大破、那智と妙高が中破、足柄が小破と、決して軽くない被害を受けていた。

足柄「やっと終わった…」

那智「ああ…少々疲れたな…」

足柄「疲れたなんてもんじゃないわよ…。久しぶりよこんなに疲れた戦闘は…」

羽黒「でも…みんな生きてます、ね…」

足柄「…そうね」

大破したものは被害が軽い艦娘に肩を借りながらゆっくりと鎮守府に帰還する。

北太平洋から帰還するのは少々骨が折れるが、皆そろって明るい顔をしていた。

束の間、後方で轟音が起きる。それと同時に、比較的軽症だった金剛が大破させられた。

金剛「あ、ぐっ……!」

夕立「こ、金剛さん大破したっぽい!」

妙高「敵襲…そんな、まさか…!」

赤城「嘘…だって索敵機には反応が何も…!」

戦艦悽姫『ナンドデモ……シズメテ…アゲル…!』

加賀「深海悽艦…ですって…!そんな、バカな…!」

空母ヲ級『…』

バシュッ!!

足柄「敵艦載機の発艦を確認!」

那智「くっ…対空防御!ってぇー!!」

ドドドドド!!

蒼龍「うぅ…!」

飛龍「蒼龍!無理しないで!ここは私が!」

足柄「大破したものはほかの人の手を借りて!あまり一つに固まらないでなるべくバラバラに!そしてとにかくこの海域から全速力で離脱!」

「「「「「了解っ!!!!」」」」」

時雨「夕立、逃げるよ…!」

夕立「わかったっぽい!」

川内「ちっ…夜戦は好きだけど…こういうのは好きじゃないな…」

夕立「川内さん!今は喋らないで!」

足柄「今の状態じゃあの敵には敵わない!とにかく逃げてこの海域を抜けることだけを考えて!!」

ズガァンッ!!

加賀「飛行甲板に直撃…そんな、バカな…!」

赤城「加賀さんっ!!」

足柄「絶対に!逃げ切るのよっ!!」

羽黒「攻撃が…止まった…」

那智「逃げ切った…か…」

妙高「完全にみなさんと逸れてしまいましたね…」

足柄「…」

羽黒「足柄姉さん?」

足柄「みんな…安心するのはまだ早いわよ…」

羽黒「え…?」

那智「ちっ…」

妙高「そんなっ…!!」

空母悽姫『カッタト……オモッテイルノカ? カワイイナア…』

羽黒「あ…あ…!」

妙高「あれは…倒したはずじゃ…!」

那智「ああ…だが、目の前のやつが現実だ…」

戦艦悽姫『シズミナサイ…』

足柄「後方には戦艦悽姫…絶体絶命…ね」

妙高「くっ…!」

足柄「…ねえみんな、作戦前の競争の話、覚えてない?」

羽黒「え?」

妙高「こんな時に何を…」

足柄「作戦中はそんなこと考える暇なかったけどさ、ここで決めちゃおうよ」

那智「ふっ…奴らに挑み、誰が一番か競うわけか。悪くない」

妙高「待って!私や那智はともかく羽黒はっ!」

羽黒「やり…ます…!」

妙高「羽黒…」

羽黒「逃げるわけには…いきませんから…っ!」

妙高「…わかりました。そういうことなら、私も全力で抗います!」

足柄「覚悟は決まったようね。後は己の力のみを信じて!生きて帰るっ!!」

妙高「この妙高、妹達のためにも、最後まで戦いぬく覚悟です!」

那智「那智戦隊!出撃するぞ!」

足柄「足柄、出撃します!戦果と勝利の報告を期待してて大丈夫よ!」

羽黒「貴方たちの背中は、私が守ります!」

戦艦悽姫『フフフ…』

空母悽姫『ヒノ…カタマリトナッテ…シズンデシマエ……!』

妙高「はぁっ…!はぁっ…!はぁっ…!」

羽黒「…」

那智「…」

足柄「…っ…!ぐ、あ…!」

妙高「足柄…!」

戦艦悽姫『シズミナサイ!!』ドォンッ!!

妙高「あ、ぎ…っ!!」

足柄「はっ…もう、ここまでみたいね…私も焼きが回ったかしら…?」

妙高「足柄…!足柄!」

足柄「もう、体が動かないわ…ここで終わりね…」

足柄「那智姉さんも羽黒ももう沈んだ…残ってるのは死にかけの二人だけ…」

妙高「那智、羽黒…!」

足柄「無様ね…勝利だけが、私の誇りだったのに…っ!」

妙高「そんなこと…!」

足柄「おめでとう、妙高姉さん。この勝負、姉さんの勝ちね…」

妙高「ここにきて何を…!」

足柄「ごめん…ね、耳が潰れたのか…何言ってるか聞こえないわ…」

妙高「足柄っ…!足柄!」

足柄「姉さん、なんか私、ね…今、すごく眠いのよ…もう、寝てもいいかしら…」

妙高「寝たらダメよ!起きて!生きて帰るのよ!」

足柄「おやすみなさい…姉さん、みんな…」

妙高「足柄…?足柄…!」

足柄「……」

妙高「足柄…、ねえ…嘘でしょ…?ねぇ…」

足柄「」パシャッ

妙高「あ、あ…」

妙高「う、あ…ああああああああああああああッッッッッ!!!!!!!」

戦艦悽姫『ナニッ…!?』

妙高「こんのおおおおおおおおおおおおおッッッッッ!!!!!」

空母悽姫『チッ…!』

ズドドドドドド!!

妙高「あっ…が…っ!!」

妙高「ぐ、ぁ……」

妙高「は…那智…足柄…羽黒…」

戦艦悽姫『メンドウダ…』ジャキン

妙高「…………提督…」













妙高「また……来世で………………さようなら…」












ドォンッッ!!!

赤城「報告します…!」

提督「うむ…」

赤城「私たち連合艦隊は北太平洋MI諸島沖の敵深海悽艦と接触し戦闘を開始。被害を出しながらも敵旗艦空母悽姫を撃破…」

提督「…」

赤城「そして同作戦から帰還中、敵新勢力の奇襲を受け艦隊が崩壊。そのうち重巡妙高、那智、足柄、羽黒との連絡が途絶えました…」

提督「それで…」

赤城「っ…それ、で…!」

提督「構わない…続けてくれ…」

赤城「それ、で…時間をおき、同海域に戻り4名の捜索を開始…。生存反応は…ありませんでした…」

赤城「つまり…妙高、那智、足柄、羽黒の4名は…4、名…は…」

赤城「轟沈…です…」

提督「……………………そうか」

赤城「申し訳、ありません…」

提督「何故君が謝る…?完全に奇襲だったのだろう?なら、君を責めるのはお門違いだ」

赤城「っ…しかし!」

提督「くどいぞ」

赤城「っ…申し訳、ありません…」

提督「報告は以上か?」

赤城「……………はい」

提督「なら、今日は下がっていい。ゆっくり休んでくれ」

赤城「はい…、失礼します…」

ガチャ、バタン

赤城「う、うぅぅぅぅぅぅ…」ボロボロ

赤城「また、私は…守れなかった…」ボロボロ

赤城「ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」ボロボロ

提督「…」ギシッ

提督「……妙高」

シン…

提督「……那智、足柄、羽黒」

シィン…

提督「…………返事は、どうした?」

妙高『もう、しっかりしてください、提督』

那智『どうだ、今日も一杯、やらないか?』

足柄『私に任せておけば万事OKよ!勝利が私を呼んでるわ!』

羽黒『し、司令官さん?大丈夫!まだやれます!』

提督「………」

提督「……」ガラ

コト、コト、コト、コト

提督「無駄に…なってしまったな…」

提督「全く……仕方のない連中だ…」

ポタ…ポタ…

提督「本当に……」














提督「…ちくしょう……………」

通達





20XX/08/24 17:45:12

重巡洋艦・妙高
重巡洋艦・那智
重巡洋艦・足柄
重巡洋艦・羽黒

以上4名、北太平洋MI諸島沖にて轟沈
周辺海域を捜索したが、彼女らの装備等は確認出来ず

今日をもって、捜索を終了する






海軍本部

グスっ…ひぐっ…

提督「っ…」グス

木曾「これは…きついな…」

明石「ごめんなさい…私も涙が…」

赤城「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

加賀「赤城さん!しっかりして!」

瑞鶴「今の映像で赤城さんのトラウマスイッチがオンに!」

神通「駆逐艦のみんなが、大泣きしちゃってます…」オロオロ

提督「あーもう…」

妙高「…」

那智「…」

足柄「…」

羽黒「…」

提督「こんなところにいたのか」

妙高「提督…」

提督「みんなそろってどうした?」

妙高「…いえ」

提督「…怖くなったか」

那智「っ…!」

提督「大丈夫だ」

羽黒「司令官さん…?」

提督「お前らは絶対に沈ませない。お前らだけじゃない。ここにいる鎮守府のみんな誰一人、沈ませやしない」

提督「あの映像で舞台のMIも俺たちは突破したんだ。だから、大丈夫だ」

足柄「提督…ありがとう」

提督「うん」

羽黒「ありがとう、ございます…」ウルウル

那智「今日は…付き合え…」

提督「ああ…もちろんだ」

妙高「これからも…」

提督「ん?」






妙高・那智・足柄・羽黒「「「「よろしくお願いします!」」」」





以上
『もしも妙高4姉妹が戦闘において誰が一番強いか争ったら』
でした


ご期待に添えられるような話でしたでしょうか?
なにか意見などあれば遠慮なくお願いします。






次の話の安価は23時あたりにとり始めます

それでは次の話の安価を始めます

艦娘・人物安価(複数可)↓3

内容安価↓6

↓7コンマ
奇数:暗い
偶数:明るい

先ほど人物安価を取った人は内容安価を取ることが可能
逆に内容安価を取った人は人物安価を取ることが可能です

それ以外の連取、連投等は再安価、もしくはずらします

人物:秋月
内容:ご飯
コンマ判定:暗い

内容『ご飯』がテーマで再安価↓3

いろいろと考えてみた結果
『もしも秋月が人生最後の晩餐を作ってくれるとしたら』

で作っていきたいと思います。

安価少し遠くしたほうがいいでしょうか?

では安価はしばらくこのままでいきます
今日はお疲れさまでした

ごめんなさい、意外に時間かかってしまってるので明日に投下します

遅くなりました

『もしも秋月が人生最後の晩餐を作ってくれるとしたら』

投下します

提督「なんかもう恒例になってきてるな」

明石「いいじゃないですか。退屈しなくていいと思いますよ?」

提督「もう何も言わん」

明石「さて、じゃあ今回の話はどんなお話かスイッチオーン!」


『もしも秋月が人生最後の晩餐を作ってくれるとしたら』
判定:暗い


秋月「えっ!?わ、私ですか!?」

朝潮「ついに駆逐艦のお話が来ましたね」

陽炎「でも暗いのかぁ…お題もなんか不穏だし…」

浜風「映像ですしなるようにしかならないかと」

明石「それもそうですね、それじゃ始めます!」

提督「秋月!秋月!」

秋月「司令?どうされました?」

提督「どうされました?じゃないよ、どこ行ってたんだよ」

秋月「すみません、少々私用で外れてました」

提督「全く、あんま心配させんな」

秋月「申し訳ありません、司令」ニコ

鳳翔「ふふ、今日もお二人は仲がいいですね」

秋月「あ、鳳翔さん!」

提督「鳳翔じゃないか、どうした?」

鳳翔「いえ、秋月さんに忘れ物をお届けに来ただけですよ」

秋月「忘れ物?ですか?」

鳳翔「ふふ、はいこれ」

提督「なんだこれ?」

秋月「!!し、司令は見ちゃダメです!!///」メカクシ

提督「うわっ!な、何をする秋月!」

秋月「ダメですダメですダメです!///」

提督「わかった!見ない、見ないから!」

秋月「…本当に見ちゃダメですよ?」

提督「だからわかったって」

秋月「…すみません、ありがとうございます」

鳳翔「秋月さん、これどちらにお持ちすればいいですか?」

秋月「あ、大丈夫です。渡してくだされば」

鳳翔「わかりました。提督、あとはよろしくお願いしますね」

提督「わかった」

秋月「では司令、お昼にしましょう」

提督「そうだな」

秋月「できました司令!」

提督「おぉ、今日も美味そうだ」

秋月「腕によりをかけて作りましたので!」

提督「ほら、秋月も座れよ」

秋月「失礼します」

提督「今日は秋刀魚なんだな」

秋月「はい!商店街で活きのいいのが見つかりましたから!」

提督「いやぁ、本当助かってるよ」

秋月「いえ、私が好きでやってることですので」

提督「ここの生活には慣れたか」

秋月「司令、私がここに何年いると思ってるんですか?」

提督「それもそうだな」

秋月「まさか、ケッコンカッコカリしたのも忘れたわけじゃないですよね?」ジト

提督「そんなわけないだろ」ギュ

秋月「きゃっ」

提督「あれから2年、俺があの日を忘れたことは一度もないよ」

秋月「司令…///」

提督『お、俺と…結婚してくれ!』

秋月『あ、こ、こちらこそ…!よ、よろしくお願いします!!///』

秋月「///」

提督「なあ、秋月…」サワ

秋月「あ、司令…まだ、昼間ですよ…///」

提督「どうせ誰もいないんだ。いいだろ?」

秋月「もう…仕方ないですね…///」

提督「ん…」チュ

秋月「あ…ん…」チュ

秋月「さあ!始めましょう!撃ち方、始め!!」

空母ヲ級改『っ…!』

加賀「少々押されてますが…制空権は抑えました!」

山城「よくやってくれたわ!主砲!撃てー!!」

木曾「弱すぎるッ!!」

バシュッッ!!ズガゥンッッッ!!!!

戦艦タ級『っ…!』撃沈

駆逐イ級『』撃沈

扶桑「伊勢、日向には!負けたくないの!!」

ガァンッ!!

空母ヲ級『』大破

秋月「戦況はこちらが押してます!この勢いのまま押し切ります!」

空母ヲ級改『ッァ…!!』

最上「っ!秋月さん!敵機直上!!」

秋月「はっ…!しまっ…!」

ズガガガガガガガッッ!!!

提督「秋月が大破だって!?」

最上『結構ヤバい状態だよ!装備の損傷も酷いけど…なにより…っ!』

提督「最上!?どうしたっ!」

最上『いや…一度帰還するよ…』

提督「最上!?いいから報告を…、いや、わかった…大至急撤退してくれ』

最上『了解!!』

提督「嘘…だろ…」

明石「残念ながら…」

提督「なんとか、治せないのか!?」

明石「装備には問題はありません。ただ、駆逐艦秋月としての復帰は、もう不可能でしょう」

提督「…」

明石「たとえ復帰したとしても、今までのように海の上は走ることはできないでしょう」

提督「そうか…」

明石「…これも、いい機会かもしれませんね」

提督「え?」

明石「提督は、艦娘が解体された場合どうなるかご存知ですか?」

提督「いや…」

明石「聞いたところによると、解体された艦娘は装備が外され艦娘としての能力を失います。それと同時に肉体も普通の人間の物になります」

提督「じゃあ秋月は…」

明石「はい、普通の女の子として、提督の隣に居させることが可能になると思います」

提督「なら、よかった…のか?」

明石「そうですね、少なくとも悪い結果にはならないと思いますよ」

提督「そっか」

明石「とりあえず本部に一応報告はしといた方がいいかもしれませんね」

提督「そうだな、少し行ってくるよ」

明石「はい」

提督「…申し訳ありません。私の耳がおかしかったのでしょうか…?もう一度、おっしゃってもらっても?」

元帥「聞いていなかったのか?駆逐艦秋月は、雷撃処分とする」

提督「雷撃…処分…?」

元帥「海の上を走れない船をいつまでも残しておく理由がないだろう。ましてや駆逐艦秋月は艦娘だ。いたずらに世にだしても民衆を混乱させるだけだ」

提督「し、しかし!解体した艦娘は普通の生活に戻ると…!」

元帥「そんな戯言を信じてる奴がまだいるとはな…」

提督「なん……」

元帥「解体処分はイコール存在自体の処分だ。それに艦娘の維持には色々と費用もかかるからな」

提督「維持って…艦娘は人間ですよ!?それを…!」

元帥「艦娘は人間じゃない。ただの兵器だ。ただの兵器に思い入れも何もない。使えなくなったら新しくする。それが決まりだ」

提督「なっ…!」

元帥「分かったらさっさとこの場から消えろ。これ以上貴様の戯言を聞く気はない」

提督「元帥!」

元帥「くどい。しつこいと除籍処分にするぞ」

提督「…っ!…失礼、します…」

提督「秋月…」

秋月「………ん、あ、あれ…」

提督「秋月?秋月!目覚めたのか!?」

秋月「し、れい…?ここは…?」

提督「鎮守府だよ。秋月」

秋月「そっか、私、敵艦載機の攻撃を受けて…」

提督「傷はもう治ってるから安心していい」

秋月「はい!」

提督「明石を呼んでくる。秋月が目を覚ましたことを報告しないと。少し外すよ」

秋月「わかりました」

提督「…じゃあ」

秋月「?」

キィ…バタン

秋月「司令…?」

秋月「そういえば、今日はいつなんだろう」

秋月「えっと、カレンダーは…あ、あれ…」フラッ

秋月「痛っ…!」

秋月「どうしたんだろ…私の体…まっすぐ、歩けない…」フラフラ

秋月「あっ!あうっ!」フラッ ドサッ

秋月「つぅっ…!」

ガチャ

提督「秋月?秋月!」

明石「!」

秋月「そうですか…もう、船としては動けないんですね」

明石「できることの限りはつくしたけど…ごめんなさい」

秋月「あ、明石さんが謝ることではないですよ!私の注意不足が原因なんですから!」

提督「…っ」

秋月「司令も!そんな顔しないでください!」

提督「あ、ああ…すまない…」

秋月「もう、しょうがないですね…」

明石「…」






明石「いいんですか?」

提督「なにがだ」

明石「1週間後に雷撃処分…もう決定したんでしょう?」

提督「…」

明石「話しておかないと、お互い辛いだけですよ」

提督「わかってる…わかってるさ…!でも…!」

明石「……ごめんなさい、私が余計なことを言ったせいで…」ギリ

提督「いや、明石はできる限りのことをやってくれた…感謝してる」

明石「そんなこと…いえ、ありがとうございます…」

提督「すまない、しばらくひとりにしてくれ…」

明石「…わかりました、失礼します」

提督「……………………」

秋月「司令、ちょっと歩きづらいですねこの松葉杖というものは」

提督「仕方ないさ、少しの我慢だ。すぐに歩けるようになる」

秋月「はい!」

提督「…」

提督「あと、1週間…」

提督「結局、言えずにもう1週間…経ってしまったか…」

提督「明日には秋月は処分される…もう、何もできないのか」

コンコン

提督「誰だ?」

秋月『司令!秋月です!』

提督「秋月か、入っていいぞ」

秋月「ありがとうございます、失礼します」ガチャ

秋月「ととっ…」フラ

提督「どうした?」

秋月「いえ、少し司令の顔が見たくなったので、来ちゃいました…///」エヘヘ

提督「そ、そうか…」

秋月「はい…」

提督「…」

秋月「夜ご飯、まだですか?」

提督「ああ、まだ食べてないな」

秋月「なら、私が作りますね」

提督「いや、秋月は休んででくれ。その脚だと難しいだろ」

秋月「私に作らせてください」

提督「秋月…?」

秋月「お願いします」

提督「…わかった。頼んだ秋月」

秋月「お任せください!司令!」

秋月「すみません、司令。簡単なものになってしまったんですけど」

提督「卵焼きと、焼き魚か。いや、不自由な足でよくやってくれてるよ」

秋月「そう言っていただけると嬉しいです!」

提督「それじゃ…いただきます」

秋月「いただきます」

提督「うん、相変わらず秋月の料理は美味いな」

秋月「ありがとうございます!」

提督「ああ、いつまでも俺のために作って欲しいね」

秋月「そ、そんなこと…いってもダメですよ…///」

提督「はは…」

秋月「…」

提督「…」

秋月「明日、雷撃処分…なんですよね」

提督「!!!」

秋月「すみません、司令。黙っていて」

提督「誰から聞いた?」

秋月「明石さんです。悲しそうな顔、してました」

提督「…」

秋月「もう、私は走れないんですね」

提督「……」

秋月「もう、私は戦うことはできないんですね」

提督「………」

秋月「もう、私は…司令の隣にいることは…できないんですねっ…」ポロポロ

提督「っ!秋月!」ギュゥッ

秋月「ごめんなさい、私の不注意で…こんなことに…」ポロポロ

提督「なんで、秋月が謝るんだよ…謝るのは、俺の方だろ…」ギュウ

秋月「司令…!司令…!」ポロポロ

提督「秋月…!」

秋月「んぅ…!ん…!」





それから俺たちは時間を忘れて互いを求め続けた。まるで、お互いに何かを残そうとするように…

求めあうシーンも流れてるんですかね…

翌日

元帥「処分の前に、いうことはあるか?」

提督「…っ」

秋月「司令」

提督「秋月…」

秋月「私は、ずっと幸せでした」

秋月「人々のため、みんなのため、この鎮守府のため、司令のため」

秋月「その人たちのために艦娘としての生を受け、そしてその人たちのために艦娘として終える。これほど幸せなことはありません」

秋月「きっとこれから司令はまた多くの人々を救うために、深海悽艦と戦い、戦果をあげるでしょう。そして多くの人から評価され、きっと大きな栄光を掴むでしょう」

秋月「できることなら、ずっと司令の作る未来への道を一緒に歩いて行きたかった。でも、それも今日で終わりです」

秋月「今まで、ありがとうございました。私は、あなたに愛してもらえて本当に幸せでした」

秋月「どうかこれからも提督として、がんばってください」

秋月「私は、空からずっと見守ってます」

秋月「愛してます。『ーーーー』さん」チュ

提督「あき、づき…俺も、愛してるぞ」

秋月「ありがとう、ございます」

元帥「…終わりか?」

秋月「はい。もう、迷いはありません」

元帥「そうか」

秋月「司令、お元気で」

提督「あきづき…秋月!秋月ぃ!!!」

元帥「…始めろ」

提督「あきづきぃっ!!!」

カシュッ!!ズザザザザザザ!!!













秋月「司令……さようなら……」












提督「……秋月」

鳳翔「失礼します…」

提督「鳳翔か…」

鳳翔「提督に、これをお渡ししておきます」

提督「これは?」

鳳翔「開けてみてください」

提督「……これは」

提督「マフラー?」

鳳翔「それとこれを」

提督「カード…」

提督「あ…」

『ーーーーさんへ


ーーさん!お誕生日、おめでとうございます!

一生懸命作りました!どうか使ってください!

 
                秋月より』



提督「そうか…だからあの時…」

秋月『司令は見ちゃダメです!』

提督「これを…俺のために…」

提督「う、ううあ…」

提督「秋月…ありがとう…」

提督「ありがとう…」

雷「あ”ぎづぎぢゃ”~ん”!どごに”も”い”がな”い”で~!!!」

秋月「い、雷ちゃん!?すごい涙だよ!?」

睦月「うぇぇん!もう誰か居なくなるのは嫌だよぉ!」

如月「そうね…秋月さん、あなたは私が守るわ」

秋月「え、えぇ~…」





提督「駆逐艦の子たち、みんな秋月に寄っちゃってるな」

明石「まあ、仕方ありませんね。駆逐艦の子たちはみんな仲がいいですから」

提督「そうだな…」

暁「何か困ったことあったらなんでも頼ってね!」

五月雨「わ、私も何か出来れば!」

秋月「みんな…」

秋月「ありがとう!でも大丈夫!」







秋月「私はみんながいる限り、絶対沈みません!」






以上
『もしも秋月が人生最後の晩餐を作ってくれるとしたら』
でした

>>120
描写してない限り映像には流れない設定でやってます。
お題次第ではそういったシーンが流れる可能性もあります。


次の話安価は時間指定でやってみます

艦娘・人物
00:55から早い者勝ち

内容
01:00から早い者勝ち

コンマ判定
内容安価とった人の次のレス
奇数明るい
偶数暗い

です

結婚

お題
『もしも朝潮と結婚初夜を迎えたら』
コンマ判定:>>142 30 暗い

になりました。


それではE-6のラストダンスに戻ります。
ゲージ削り中にローマと酒匂出ました。

今日はお疲れさまでした。

遅くなりましたが投下します。

今回結構難しかった…。

もしもテレビ
『もしも朝潮と結婚初夜を迎えたら』
判定:暗い

「「「「「「うわぁ…」」」」」」

提督「ドギツイのきたわぁ…」

朝潮「私の話…ちょっと怖いわね…」

瑞鳳「本来結婚初夜って幸せ絶頂な時間だと思うんだけど…」

19「その感じが全然しないのね」

明石「…ちょっと覚悟が必要かもしれないですね…」

提督「それじゃ…始めるぞ…」

明石「はい…」

それは突然の出来事だった。

朝潮「秘書官を…外れろ…ですか…?」

提督「ああ」

私は焦る心を抑えきれなかった。

何故 どうして

いくら問い合わせても答えは出ない。

提督「今日から秘書官は満潮に任せる」

その言葉でさらに私は混乱する。満潮には悪いが秘書官としての能力の高さなら私の方が上だ。

朝潮「な、何故です!?朝潮ではご不満ですか!?」

提督「いや、朝潮に不満はない。むしろよくやってくれていると思う」

朝潮「なら…!」

満潮「その辺にしときなさい朝潮姉」

さらに問い詰めようとすると、いつの間にか扉の前に満潮が姿を現していた。

朝潮「満潮…」

朝潮型駆逐艦3番艦、満潮。正直な話、私は満潮の事はよく思っていない。

私は覚えている。満潮が着任された時に放った言葉を。

『満潮よ。私、なんでこの部隊に配属されたのかしら?』

『アンタがここの司令官?あそ、興味ないわ。適当なことして、私たちを沈めることだけはしないでね。』

着任早々そんな言葉を放った彼女に私はとても怒りを覚えた。

いくら第八駆逐隊の仲間とはいえ司令官の事を悪く言うのは許せなかった。

それでも司令官は、何も言わず満潮を第一艦隊に配備することを決めていた。

私は基本的には司令官の意見に従うつもりだ。でも、その時だけは反対したくなった。

満潮「朝潮姉がなんと言おうと、司令官が決めたことなら私たちはそれに従うだけ。それは朝潮がいつも言ってきたことでしょ?」

朝潮「それはっ…」

提督「話は以上だ。ただ朝潮には秘書官を外れてもらうが、第一艦隊にはそのまま所属してもらう。これからも主力としてその腕を振るってくれ」

朝潮「わかり、ました…」

拳を握りしめ、悔しさを抑える。

朝潮「失礼します…」

踵を返し、執務室から出る。多分鏡を見ると、私は今相当醜い顔をしているのだろうと思う。

満潮は、ああいう性格ゆえか、あまり艦隊に馴染めずにいた。

今はそうでもない。逆に、もう自然に馴染んでいる。

当初は誰に対しても壁を作り、親しい人といえば西村艦隊の人たちくらいしかいなかった。

そのせいなのか満潮が配備された当初は、毎回連携が取れず、上手く海域の攻略が進まなかった。

そしてそんなことが続いたある日、ついに事は起きた。

その日もまた同じように海域攻略に失敗し、帰投してから数分後のことだった。

摩耶『満潮さんよぉ…いい加減にしてくれねえか?』

満潮『何が?』

摩耶『何が?じゃねぇ。いい加減一人で突っ走るのはやめろっつってんだ』

満潮『いいでしょ別にそんなの。私の勝手よ、口出ししないでちょうだい』

摩耶『っざっけんなよテメェ!!!』

満潮『っ…!』

同じ第一艦隊に所属していた重巡洋艦摩耶。彼女の憤りがついに限界に達したようだった。

大破した満潮の服を掴み上げ、壁に押しぶつける。

摩耶『テメェのせいでなぁ!あたしたちが迷惑してんのがわかんねぇのか!?あぁ!?』

満潮『知ったこっちゃないわ』

摩耶『テンメェ…!!』

摩耶が拳を振り上げる。誰もが満潮が殴られる、そう思った瞬間割って入ったのは意外にも高雄だった。

高雄『いい加減にしなさい二人とも!!』

摩耶『姉貴…』

高雄『摩耶!すぐに手が出るのはあなたの悪い癖です!反省しなさい!』

摩耶『ちっ…!』

そういい満潮の服から手を離す。手を離された満潮はすぐさま帰ろうとするが、朝潮がそれを許さなかった。

朝潮『待ちなさい満潮。あなたも同じです。これまでの勝手な行動は見過ごせるものではありません。どうしてこうなったかあなたにもわかってるはずです』

満潮『うるさいわねぇ…』

朝潮『満潮!』

提督『うるさいぞ、一体何の騒ぎだ』

騒ぎを聞きつけたのか司令官が執務室から降りてきていた。

提督『何の騒ぎか、と聞いている』

摩耶『こいつだよ』

そういい、摩耶が満潮を指差す。満潮は相変わらず表情は変えず仏頂面を崩さない。

提督『なるほどわかった。とりあえず今日は上がりなさい。負傷したものから入渠すること。満潮は入渠が終わり次第、執務室に来なさい。高速修復材の使用を許可する』

その言葉でみんな思い思いに解散する。

満潮だけは一人でドックへ向かわず別行動を取ろうとしていた。

提督『満潮』

満潮『何よ』

提督『待ってるからな』

満潮『…』

そういい、提督は執務室に戻っていった。

その翌日

またいつものように出撃をしていた。その日の空気は、いつもとちょっと違う空気を感じていた。

霧島『敵影発見!駆逐2!軽巡4!』

摩耶『はっ!雑魚ばっかじゃねえか!楽勝だぜ!』

私たちも戦果をあげなきゃ!

朝潮『よし!突撃する!満潮!フォローお願い!』

きっと答えは返ってこないんだろうな、と思っていたが予想外の答えで私は驚愕する。

満潮『わかったわ!』

朝潮『えっ!?』

満潮『何!?フォロー欲しいんでしょ!?ならさっさと突撃する!』

朝潮『あ、ああ、はい!!』

満潮『朝潮姉!左舷気をつけて!敵が肉薄してる!』

朝潮『了解!』

その日の戦績は、完全勝利を収めた。

摩耶『いやぁー!今日は気持ちよかったなー!』

高雄『あまり調子に乗ってはダメですよ。勝って兜の緒を締めよ。勝った日こそ、次の戦いに向けて…』

摩耶『わぁーってるよ!』

満潮『…』

摩耶『あ、おい満潮!』

満潮『…何よ』

摩耶『今日は助かったぜ!なんだよお前やればできんじゃねーか!』

満潮『たまたま、私の視線上にあなたがいただけよ。別にあなたを助けようと思ってやったことじゃないわ』

摩耶『そうなのか?ならそれでいーや!今日の勝利はお前のおかげでもあるんだからよ!』

満潮『私の…おかげ…?』

摩耶『おう!だから』

摩耶『次も頼むな!』

満潮『つ…ぎ…?』

摩耶『あん?どうした?』

満潮『べ、別に!なんでもないわ!私入渠してくる!』

摩耶『あ、おい!なんだぁあいつ』

朝潮『満潮…』

心配になった私は入渠ドックを覗いたが満潮の姿が見えない。

朝潮『満潮…ドックにいないし…どこへ…』

探してるうちに何かが聴こえてくる。

朝潮『だれか…泣いてる?』

入渠ドックの裏を覗いてみると、泣いている満潮と提督の姿を発見した。

満潮『わたっ…私!今度はっ!ちゃんと!守れたっ!』

提督『ああ』

満潮『次、も…次も頼むって…!私、次も出撃できるのねっ!?』

提督『ああ』

提督『摩耶も言っていただろう。今日の勝利はお前のおかげでもあるんだ。だから、自信を持て満潮。お前には、俺がついている』

満潮『うん…!ありがとう…司令官…!』

提督『お前は役立たずなんかじゃない。この鎮守府にとって、俺たちにとって必要な存在だ。だから、これからも頑張れよ』

そうか。満潮は、肝心な時にいつも何も出来ず、ただ仲間が沈んでいく様を見ているだけしか出来なかった過去がある。親しい仲間が目の前で沈んでいく様を見るのは、誰でも辛い。

だから満潮は、親しくしないことを決めた。誰に対しても壁を作り、たとえ誰かが沈んでも悲しまないように。

ここは、司令官に任せましょう。きっと満潮にとって、大きな転機となるかもしれない。

でも、満潮がちょっと…羨ましいと感じちゃうのは…いけないことだろうか…。

それからというもの、満潮は誰に対しても壁を作るのをやめ、執務室によく来るようになった。

理由を聞いたら、『べ、別にいいじゃない!私がここにいていけない理由なんてあるの!?』なんて顔を赤くしながら怒鳴られた。

満潮がみんなと仲良くなってくれるのはうれしいけど、司令官との二人の時間を邪魔するのはやめて欲しいと思ってしまう。

わかっている。これはただの嫉妬だってことを。私の方が、司令官のことをわかってる。司令官が着任間もない頃からずっと秘書官を続けてきたことは私の自慢の一つでもある。

だからこそ、今回の秘書官交代は納得できなかった。

満潮がみんなと仲良くなれるのは、すごく嬉しいことのはずなのに…。

なぜか、司令官を取られたように感じてしまうのは、私のエゴなのだろうか。



秘書官を外れてからは、私は時間を持て余すことが多くなった。

今までずっと司令官の世話をしていたから、急に自由が増えても使い方がよく分からない。

だから同室の荒潮から言われた散歩でもすればいいんじゃないかしら、という言葉に従って最近は鎮守府内を歩くことにしている。

でも鎮守府は狭いからすぐに行ってないところは無くなってしまった。

それでも、じっとしているよりはマシなのであれから暇な時は鎮守府内を歩くことにしている。

秘書官を外れてしばらく経った頃、秘書官じゃない時間にも慣れ始めた頃、執務室がいやに静かなのですこし気になって覗いてみた。

でも、それが間違いだった。

提督「満潮、目を閉じろ…」

満潮「わ、わかった…///」

提督「じゃあ、いくぞ…」

え、なにを…しているの…?

満潮、目を閉じて口をすこし突き出しているなんて…まさに、キスを…待っているみたいじゃない…。

それに、司令官の顔が少しずつ近づいて…。

え、本当に…?嘘、だよね…?お願い、やめ…!

満潮「ん…///」

提督「っん…」

司令官の口が近づいていって、ついにその距離が0になった。

そのまま司令官の手が彼女の体を弄っていく。満潮は顔を真っ赤にしながらそれを受け入れていく。

直視したくない現実が、目の前に広がっていく。

けれど、目をそらすことが出来なかった。そこから立ち去ることもできなかった。

満潮の服が司令官の手によって少しずつ脱がされていく。スカートも脱がされ、満潮の格好は下着だけになり、ソファに寝かされる。

満潮の顔は見たことのないような蕩けた顔をしていた。見たくないのに、見てしまう。司令官と満潮が交わっている様を見て、私はみっともなく興奮してしまっていた。

結局、私は満潮と司令官の交わりを一部始終見てしまった。

提督「大丈夫か満潮」

満潮「ええ、司令官が優しくしてくれたおかげでね…」

提督「そうか…」

満潮「…ごめんね…」

提督「謝るなよ…」

満潮「ごめん…」

司令官たちが何か話している。けれど、先ほどの情景が頭の中から消えないせいでなにを話しているか理解ができない。

満潮「ねぇ、司令官…」

提督「ん?なんだ…?」

満潮「朝潮は…どうなの…?」

朝潮「っ!」

私の名前がでてつい身構える。司令官の言葉を聞きたくないと思ったのはこれが初めてだった。

提督「……そろそろ、限界かな」

朝潮「!!!!」

え…嘘…。限…界…?

満潮「そっか…、じゃあちょうどいいかもね…」

ちょうど、いい…って、どういう…こと…?

う、そだ…嘘だ…嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。

私は、その場から逃げ出した…。

どうして、あそこにいるのは私ではないんですか司令官。

どうして、私じゃなくて満潮を選ぶんですか…。

どうして、私を選んでくれないんですか…。

どうして…

その後すぐ、私たち第一艦隊に出撃命令が下った。

旗艦は私。随伴艦には、満潮もいた。

提督「君たちにはこの海域の攻略をしてもらいたい。未知の海域ではあるが、油断はするな」

「「「「「「了解!!」」」」」」

満潮「朝潮姉」

執務室を出る直前、満潮から声をかけられた。

満潮「今日の夜、時間ある?」

朝潮「え、ええ…」

おそらく、この間の話だろうか。

満潮「じゃあ、今日の夜、執務室に来て」

朝潮「どうして…?」

満潮「どうしてって…話があるからよ」

朝潮「聴く理由がないわ」

満潮「理由って…」

朝潮「もういい?私、出撃の準備しないと」

満潮「あ、だから待ってって朝潮姉!」

朝潮「うるさい!!」

満潮「朝…潮、姉…」

朝潮「私のことは!放っておいて!!」

満潮「…夜、執務室で待ってるわね…それじゃあ…」

朝潮「…」

自分が嫌になる。自己嫌悪はそれだけで自らの動きは鈍らせる。

出撃自体はほとんど順調に進み、最深部まで進むことができた。

けど、敵を倒しても、いくら海域を突破しても、私の心が晴れることはなかった。

朝潮「っ…」

おかげで必要のないダメージを受け、私は中破まで追い込まれてしまっていた。

艦隊の中でダメージを受けているのは私だけ…。

だけど旗艦として、ここで退くわけにはいかない。

朝潮「敵影発見!数6!駆逐2!戦艦1!輸送艦2!あとは…軽巡1!」

見たことのないフォルムの敵だった。おそらく新種だろう。

神通「神通!いきます!」

敵に対し、神通さんが先制で攻撃を仕掛ける。

一撃で、輸送艦1隻を大破に追い込んだ。

敵戦艦の攻撃が来るが、そこは百戦錬磨の神通さん。軽症で攻撃を受け流す。

満潮「ウザイのよ!!」

満潮の攻撃が敵駆逐艦に命中。撃沈を記録した。

私も負けじと駆逐艦に攻撃する。しかし受けたダメージが大きいせいかなかなかダメージを与えられない。

朝潮「このままじゃ、いけない…!」

このまま戦果をあげられないと、私は本当にお払い箱になってしまう。

それだけは避けなければと、力を入れるも逆に空回りしてしまい、敵軽巡の攻撃を受けついに大破してしまう。

満潮「朝潮姉!!」

うるさい…!私は…!戦果をあげなきゃ…!

満潮「朝潮姉!なにしてんの!早く避けなさい!!」

戦艦タ級『…』

朝潮「はっ!」

余計なことを考えていたせいで、敵戦艦の接近に気付かなかった。

戦艦の砲塔がこちらを照準に捉える。

まずい…!今この状況で避けられるほどの体力が…!

大きい轟音とともに弾が一直線に私の方へ向かってくるのがスローモーションのように見える。

敵の砲塔から発射された弾頭がこちらをしっかりととらえ、ゆっくりとこちらにくるのが確認できる。

思わず私は目を閉じた。衝撃がいつまでたっても来ない。おかしい。何かがおかしい。

ゆっくり目を開けたら、まず目に飛び込んできたのは、ボロボロになった満潮の姿だった。

満潮「ぐ、ぁ…」

朝潮「満、潮…?」

敵戦艦の攻撃で一気に満潮が大破へと追い込まれた。

それと同時に海の中を滑る魚雷の特徴的な音が耳に飛び込んできた。

敵軽巡の雷撃がまっすぐに満潮に向かっていく。

このままでは満潮に直撃する。なんとか、避けないと。朝潮は懸命に満潮に手を伸ばす。

刹那、朝潮の頭をよぎるのはあの日の情景。一瞬、朝潮の動きが止まった。

その一瞬が、命取りだった。

まっすぐ進んだ魚雷は轟音を立てながら満潮に直撃。それと同時に大きな爆発を起こした。

満潮の足元が爆発し、朝潮は爆発の爆風を受け吹き飛ばされる。

朝潮「ぐっ…!」

爆風と同時に艤装の一部が飛ばされたようだ。必死に周辺をかき分け探す。

そして何かを掴み持ち上げた。だが、それは艤装などではなかった。

満潮「ぅ…ぁ…」

朝潮「ぇ…」

それは、爆発の直撃を受け、下半身が無残に吹き飛んだ満潮であった。

満潮「あさ、しお…ねえ…」

朝潮「みち…しお…?」

満潮「             」

朝潮「う、ぁ、ぁあ、あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

気絶したほうがどれだけ楽か。それほどまでに衝撃的な光景だった。その後のことはあまり覚えていない。

ただ、作戦は失敗した。

私のせいで、何もかもが失敗した。

海域を攻略することもできず、何も得ることができず、あまつさえ満潮まで失った。

旗艦である私はそのことを司令官に報告した。

満潮が轟沈したことに関しては、『そうか…』と一言だけだった。

司令官との間に気まずい空気が流れる。

私はいたたまれなくなって、執務室から逃げるように去っていった。

司令官はただ一言。

提督「今日の夜、待ってるから」

それだけだった。

今日の夜、それは満潮も指定した時間。

一体、何の話があるのだろうか。

分からない。考えても考えても答えが出ない。

寝よう。夜まで、寝て少しでも気分を変えよう。

そう思い、部屋に戻るとすぐに布団の中へ飛び込んだ。

疲れていたのか、布団に入った瞬間に眠気が襲い、すぐに眠りの世界へと落ちていった。

満潮『…』

満潮…?満潮!!

生きていたのね!よかった!本当に!

満潮『…の、せいだ…』

満潮…?

満潮『お…の、せぃだ…』

満潮?一体何を言っているの?

満潮『お前のせいで!私は死んだ!』

え…?

その瞬間、目の前にいた満潮が急に吹き飛び、血まみれの状態で朝潮の足元に転がる。

あ、ああ…!この、光景は…!

満潮『お、まえ…のせ、いだ…!』

満潮『お前が…!私を殺したんだ…!』

満潮『オマエガコロシタンダ』

ワタシガ…コロシタ…?





朝潮「っああああああああ!!」

朝潮「はぁっ…!はぁっ…!はぁっ…!!」

朝潮「夢…」

目の前には見知った天井。見知った布団。よく使う机などが置いてあった。

朝潮「夢…か…」

朝潮「……シャワーを浴びよう」

悪夢から飛び起きた朝潮の体は汗と涙でびっしょり濡れていた。

夜、こんな状態で司令官の前に出るわけにはいかない。

執務室前

朝潮「…」

入るのが怖い。一体何を言われるのか。

今回の作戦のせいで私を解体処分するのか、どこかの鎮守府に左遷されるのか…。

悪い予想が止まらない。けれど、入らないと終わらない。

意を決してノックする。

提督『入れ』

朝潮「失礼します」

執務室に入ると、司令官はソファに座って本を読んでいた。

朝潮が来たことを確認すると、本を閉じ机に戻す。

提督「待っていたよ、朝潮」

朝潮「いえ、司令官に呼ばれたので私はその命に従っただけです」

提督「真面目だな、朝潮は…」

朝潮「いえ…」

提督「話があったと言ったね」

朝潮「はい」

提督「本当は、満潮にも一緒に話したかったんだけど…」

朝潮「っ…」

提督「ああ、すまない。軽率な発言だったな」

朝潮「いえ…」

提督「実は、朝潮にはこれを受け取って欲しいんだ」

そういい、司令官は私に小さな箱を渡す。

朝潮「これは…」

提督「開けてごらん」

言われるがままに私はその小箱を開ける。その中から出てきたのはキラリと光る一つの指輪だった。

朝潮「これ、は…」

提督「ケッコンカッコカリのための指輪だよ。朝潮、このまえ練度が99になっただろう。まあ、今日みたいな日に渡すことは普通はしないんだが、事情があってな」

朝潮「それは…!でもなぜ私に!?」

提督「それは、私がお前を一番愛してるからだ」

朝潮「えっ…」

提督「実はね、一つ、朝潮に謝らなければならないんだ」

朝潮「謝る…?」

提督「実は今回の作戦前に、私は満潮を抱いた」

朝潮「っ!!」

提督「一回だけでいい。今だけでいいから、私を見て欲しい。そう、満潮に言われてね」

朝潮「一回だけ…?」

提督「ああ。満潮はこう言ってたよ」

満潮『司令官には、朝潮姉がいるのは分かってる。だけど私はもうあなた以外には考えられないの!お願い…一度だけ…一度だけでいいから、私を抱いて…。今日だけでいいから、私を見て欲しい…。』

朝潮「満潮…じゃあ、私は…」

頭の中に、嫌な予感を感じ取っていた。

提督「しかし抱いてしまった以上、私は責任を取らなければならない。だから今日の夜、朝潮と満潮と私で、今後について話し合うつもりだったんだ」

じゃあ、あの時の限界ってもしかして…私の練度の限界が来たってこと…?

提督「男としては最低だが、実は満潮のためにも指輪を用意はしていたんだ」

朝潮「!!」

じゃあ、最初から、司令官は…私と満潮二人のために…?そんな…そんなことって…!

朝潮「私は…わたしは…わ、わたし…は…」

ぐるぐると頭のなかで様々な考えが混ざり合う。

私が秘書官から外れた時のこと、あの日覗いた時の司令官と満潮の会話。

そして満潮から話があると言われた今朝…。

じゃあ、最初から…私の、勘違い…?わ、わたしは…

朝潮「はぁーっ、はぁーっ、はぁーっ…!」

提督「朝潮?朝潮!どうした!?しっかりしろ!」

呼吸が苦しくなる。耳鳴りもひどい。視界も悪くなってきた。

ふと、頭の中に先ほどの夢が走馬灯のように流れていく。

満潮『オマエガワタシヲコロシタンダ…!!』

朝潮「うぶっ…!うぉえっ!!!」

朝潮は胃の中身が逆流しその場で嘔吐してしまう。

提督「朝潮!?おい!大丈夫か!!」

だんだんと意識が遠くなる。意識を失う直前、満潮のあの最後の言葉を思い出していた。


満潮『 た す け て 』


ああ、これはきっと私への罰なんだろうと、今理解した気がする。


自分勝手な思い込みで、仲間を窮地に追いやり、あまつさえ仲間を一人、見殺しにしてしまった。


それはきっと、一生拭い去れない罪。そしてその罪悪感を、これから私は一生感じ続けるのだろう。


そう、一生…。


いつか、許される日が、来るのだろうか…。


それは、誰にもわからない…。


「「「「「「…………」」」」」」

提督「…なんつーか」

明石「…言葉が出ないとは、こういうことでしょうか…」

瑞鳳「…」

朝潮「…すいません、気分が悪いので…席を外します…」

満潮「…あ…」

提督「朝潮には悪いことをしたなぁ…」

明石「ですね…」

満潮「朝潮姉…」

朝潮「満潮…」

朝潮「ごめんなさい、長女がいつまでも凹んでたらダメね。私がしっかりしないと…」

満潮「私は!」

朝潮「!」

満潮「私は…朝潮姉を置いて先に死にはしないわ!私を誰だと思ってるの!」

朝潮「満潮…」

荒潮「あら、私たちも忘れないでね~」

大潮「はい!」

霞「そうね、少なくとも、姉を悲しませる妹がいたら私がぶっとばすわ」

霰「んちゃ」

朝雲「そういうこと!ね、山雲」

山雲「そうですねぇ。あ、今度一緒にデートしましょ~」

朝潮「みんな…」ウル

満潮「わかった?みんな朝潮姉が大好きなの。絶対に一人になんかさせないんだからね!」






朝潮「ありがとう、私も!みんなが大好きです!」






はい、というわけで
『もしも朝潮と結婚初夜を迎えたら』

でした。

正直なこと言うと今回結構文がめちゃくちゃな気がします。
結婚初夜で暗い話でなると大体シチュが限られてくるので結構難しかったです。
NTRは嫌(ボソ



次回の安価は

艦娘・人物
01:43
から早い者勝ち

内容
01:47から早い者勝ち

コンマ判定
内容安価とった人から下二つ目のレスコンマ
奇数明るい
偶数暗い

初めてのおつかい

次回
『もしも大和が一人で無人島に遭難したら』
コンマ判定>>209 21 明るい

に決定しました。
今日はこれで終わります
みなさんお疲れ様でした

かめはめ波の練習とかB'z歌ったりしてそう

それと今気付いたが提督は無理なのか
提督は提督で見たいネタあったがしゃあないか

>>213
大和「あの雲・・・絶対中ラピュタがあります!!」

>>213
最終的に自分の聖水で書いたでっかいSOSを、迫り来る波から守るのか……

>>213 >>218 >>219
それなんて銀(ry

>>217
提督も選択できますけど今回は大和の方が書きやすいということで大和採用しました
基本的に人物安価は誰でもおkです。

無人島といったらやっぱりそれを思い出しますよね

本編は出来てないですけど、小ネタを少し投下します
わかる人はわかるネタ

提督「はい。恒例になったこの時間ですよー」

明石「早速次の内容を見てみましょう。ポチッとな」

『もしも大和が一人で無人島に遭難したら』
判定:明るい

大和「私が遭難ですか」

武蔵「大和ならなんだかんだ言って生き残りそうだな」

提督「いや、無理だろ」

大和「むっ、どうしてですか?」ジト

提督「お前、大食いじゃん」

大和「あう…そ、それを言われると…」

明石「ま、議論するより見るのが早いってことで!早速スタート!」

那珂「ポジティブだ!こんな時こそポジティブになるのよ那珂ちゃん!」

那珂「きっと他の人たちも生きてる!必ず助けに来てくれるはずだよ!」

那珂「それまで、一人で頑張らないと!」

那珂「ポジティブになるのよ那珂ちゃん!世界とは!己の姿を写す鏡なんだから!」

那珂「心の持ち方一つで!世界はその色を何色にでも変えるんだから!」

那珂「むしろ、この状況を楽しむのよ那珂ちゃん!」

那珂「ここは無人島!ここまで完璧な孤独はそう味わえるものじゃない!」

バサァッ!!

タタタタタタッ!ファサァッ!

那珂「心が一気に軽くなるのを感じる…そして私は気付いたの。私が脱ぎ捨てたのは、着物じゃない。心の鎧だったんだと」

那珂「心をすり減らす日常の中で、私たちはいつの間にか、心の中に重い鎧を着せてしまっていたんだ」

那珂「傷つかないように。上手く生きるために」

那珂「私たちは一体何を恐れていたんだろう。鎧という壁を取り払った今、全てをさらけ出した今、裸の心を、何もかもが優しく包んでいく」

那珂「心が風に溶けていく。体が自然に溶けていく」

那珂「木が、水が、太陽が。全てが私の中にあった」

那珂「そうだ。私はこの星の一部であり、星は私の一部だったんだ」

那珂「いつのまにか、孤独感はどこかに吹き飛んでいた」

那珂「恐れるものなんて何もなかった」

那珂「アハハ」

那珂「私は…」

霧島「アハハ」

那珂「一人じゃない!」

霧島「…」チラ

那珂「…」チラ

ズザァッ

ガサゴソ

那珂「本当に一人じゃなかった…」

霧島「い、いたのね…」

那珂「霧島さんも、流れ着いていたんですね…」

那珂「…」

霧島「…」

霧島「さっきのは、お互い見なかったことにしましょう…」

那珂「そうだね…」

霧島「完全に一人だと思ってたから、地球上に私しかいないように感じて…フルスロットルで全てをさらけ出してしまってたから…」

那珂「いや…こんな機会確かにないもんね…『波ぁーーーーー!!』」

那珂「およ?」

霧島「ん?」

愛宕「かぁ~めぇ~はぁ~めぇ~…!」

愛宕「はぁーーーーーーーー!!!!!」

愛宕「…」

愛宕「何か違うのよねぇ…、もうちょいこう…」

愛宕「…かぁ~~めぇ~~はぁ~~めぇ~~…!」

愛宕「」チラ

愛宕「///」マッカ

那珂「…」

霧島「…」

霧島「私たち、何も見てませんから」

愛宕「ごめんなさい…完全に一人だと思ってたから…///」

愛宕「全力で練習できると思って…///」

ぱん!ぱん!ぱん!

金剛「Hey!あの娘は太陽のKomachi!Angel!」♪

金剛「やや乱れてYo!Say!」

金剛「はっ…!」

那珂「…」

霧島「…」

愛宕「…」

金剛「…///」マッカ

霧島「…あの、B’zは皆さん好きですし…恥ずかしがることないですよ」

那珂「ず、ずっとトップ走ってるもんね!」

愛宕「あら?あれ天龍じゃない?」

天龍「…」

砂浜にソフトクリームを描く

天龍「…」

ザザーン

ソフトクリーム→うんこ

天龍「っ!!」

天龍「あ…っ、…あっ…!」

バシャァッ!!

天龍「ふっ!」

那珂「…」 霧島「…」 愛宕「…」 金剛「…」

天龍「…」

天龍「…///」マッカ

愛宕「わかるわかる。人に見せたかったわよね、あれ。奇跡的だったわよね、あれ」

島風「…」

愛宕「ん?」

島風「…」

島風「あの雲…絶対中にラピュタあるでしょ!」

島風「…///」

金剛「みんなそう思うネ。あんなでかい雲見たら。恥ずかしくないわ」

チョロロロロ

愛宕「また?」

ヲ級「ヲッヲヲッヲヲーヲヲッヲヲヲヲ(あの娘は太陽のkomachi!)」

ヲ級「ヲヲ?(おや?)」

ヲ級「ヲヲヲ…ヲヲヲヲをーッヲヲヲヲーヲッヲ!(あの雲、絶対中に滝川クリスタルの結晶があると見た!)」

ヲ級「ヲヲ!?ヲヲヲヲーッヲヲヲヲ!(しまった!SOSの途中で止まっちゃった!)」

ザパーン!!

ヲ級「ヲッ!?」

ヲ級「ヲッ!」ガード

那珂「なんでぇぇぇえええ!!!?」

愛宕「ひとつたりとも理解できないんだけど行動が!?共感できないよ!なにこれ!?なんでこれを守ろうとしてんの!?」

ヲ級「ヲヲヲヲヲ。ヲヲヲヲヲッヲヲヲッッヲ!(奇跡でしょこれ!滝川クリスタルそっくりじゃない!?)」

愛宕「だからなんなのよ!滝川クリスタルって!奇跡的なのはあなたのその頭の悪さでしょう!?」

ヲ級「ヲヲヲヲヲーッヲヲヲヲヲッヲヲヲヲ。ヲヲヲヲヲヲ(おしっこが途中で止まっちゃってさ、誰かもよおしてない?)」

愛宕「どうしてそれ限定なの!?ていうかあなたどんだけ出してるのよ!?よくこんだけ大きいの書けたわね!?」

ヲ級「ヲヲヲヲヲーッヲヲヲヲヲヲヲ(井上雄彦先生のCMに影響されたの)」

愛宕「井上先生はこんなことしないわよぉー!!!」

那珂「ていうか深海棲艦もテレビ見るんだ…」

那珂「ちょおっと待ってええええええええええええ!!!?!?!??」

那珂「なにこれ!?全然大和さんの話じゃないじゃん!大和さん一回も出てきてないじゃん!?」

愛宕「恥ずかしいぃ…///」

摩耶「ぶはっ…愛宕姉、の…意外な一面を見た」プクク

高雄「もう、摩耶ったら…笑ったら、し、失礼、けふっ、ですよ…」

愛宕「もう高雄も笑いこらえてるじゃないのぉ!!///」

霧島「私の計算によれば…この高さから落ちれば確実に落とせる…」

榛名「霧島!?早まらないで!?」

金剛「私は何をやってるデス…」

島風「ラピュタってなに?」

電「バルス!なのです!」深雪「うぎゃぁぁあああ!目がぁ!目がぁ!!」

天龍「なんだったんだあの俺は…///」

龍田「あら、ああいう天龍ちゃんも可愛いわよ?」

那珂「まだみんなはいいよ?でも那珂ちゃんは全員にオールヌード解禁だよ!?提督も見てるのになんでこんなことになってるの!?」

明石「おっかしーな」

もしもテレビ『間違えちった、テヘペロ』

那珂「」ブチィ

那珂「間違えちゃったじゃねーよこのポンコツがぁ!!!」

川内「お、落ち着いて那珂!」

神通「抑えてください!」

那珂「離して!あのテレビぶっ壊してやる!!」

明石「あ、あはは…今日は仕切り直しってことで…ではっ!」

今回の元ネタ
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm21723806

では、おつかれさまでした

お久しぶりです。
ようやく書き終わりました。
なかなかアイデアが思い浮かばず遅くなりました。

では
『もしも大和が一人で無人島に遭難したら』
投下します

提督「では仕切り直してー」

明石「はい!改めて『もしも大和が一人で無人島に遭難したら』の上映会を始めます!」

那珂「那珂ちゃんは素直に見れないよ今回は…」

霧島「割り切りましょう…那珂さん…」

大和「…緊張します」

明石「それでは本編スタートゥ!」

大和「そろそろですね」

ナレーション(以下ナレ)「ここは、とある無人島。そこに今、一人の艦娘が降り立った」

大和「自然が多くて、食材には困らなそうですね。あとは魚のとりつつ過ごす形でしょうか」

ナレ「彼女は艦娘屈指の大食いである超弩級戦艦大和。そんな彼女が今、無人島生活に挑む!」

ナレ「いきなり黄◯伝説!大食いの彼女は二泊三日の無人島生活を過ごせるのか!?」

ナレ「まず初日、彼女はまず最初に何をするのか」

大和「やはり生活する以上、寝泊りする場所は必須ですね。外で野宿も味があるのでしょうけれどやはり雨が防げないとキツイです」

大和「なので最初は島の探索ついでに洞窟、もしくは何かしら適当な建造物を探すことにしようかと思います」

ナレ「そういい、彼女は島の探索と同時に住む場所を探すことにしたようだ」

ナレ「歩き始めて10分」

大和「あ!これは!」

ナレ「早速彼女が何かを見つけたようだ」

大和「見てください!この葉を!」

ナレ「そう言って指したのは一つの葉っぱ」

大和「これは『ヨモギ』ですね。この葉は天ぷらやお味噌汁の具にも出来て食べられるんですよ」

大和「これは貴重な食料です。なるべく多めに持っておきたいですね」

ナレ「そういい彼女はヨモギを摘みだす」

大和「ふぅ、これくらいでしょうか」

ナレ「そこにはかご一杯に詰まったヨモギの姿があった」

スタッフ『なぜそんなにヨモギを?』

大和「なぜって…今回食料は自給自足ですし、採れる時に採っておきたいので」

スタッフ『それにしては採りすぎな気が…』

大和「お恥ずかしながら…その、私、食べる量が多いので…///」

スタッフ『ああ…』

ナレ「それからしばらく歩いた後、ついに…!」

大和「あっ!見てください!あれ!」

大和「あれ!建物っぽくないですか!?」

ナレ「彼女が指をさした場所には、明らかな人工物の姿が見える」

大和「行ってみましょう!できれば建物であって欲しいです!」

大和「やたっ!建物ですっ!これで寝る場所は確保できましたっ!」

ナレ「拠点を見つけられてハイテンションになる大和」

大和「よし!とりあえず拠点は決まりましたし、次は食材を採りに行きましょう」

大和「ヨモギの他に色々と葉は採れましたし、今度は海に出てみましょうか」

大和「素潜りは…潜水艦ではないのでどうなのでしょう…。今まで海の上を走るだけでしたから…、少し不安です」

ナレ「不安を残しながらも、彼女はダイバースーツに着替える」

大和「ん…ちょっとキツイですね…」

スタッフ『サイズ合いませんか?』

大和「いえ、その…ちょっと胸が苦しくて…///」

ナレ「ダイバースーツに着替えた彼女の格好をみたスタッフの何人かが前かがみになる」

大和「よし、モリつきは初めてですがこれもご飯のため。やってやるですっ!」

大和「とは言ったものの…やはり海の中に入るのは怖いですね」

大和「いえ…ここで恐れていては何も変わりません。勇気を出していざ!」ザザーン

大和「ひゃあっ!?冷たっ!」ビクゥッ

大和「ふぉお…。海ってこんなに冷たいんですね…。潜水艦の娘たちすごいなぁ…」

大和「あうあう…冷たいですぅ…」ブルブル

大和「これに潜るんですか…気が進まないなぁ…」

大和「いや、でもやるしかないです!」

大和「(ん…まだ、冷たいですけど…水の中ならなんとか)」

大和「うわぁ…綺麗…。海の中ってこんなに透き通ってるんですね」

ナレ「ほぼ初めて見る海の中に興奮気味の大和。そんな大和の前に一匹の魚が」

大和「あ、あれなら獲れそうですっ!えっと…もりをこうやって…」

ナレ「もりをぐっと構え…狙いを定めて、発射…。ああっと!残念、逃げられてしまった」

大和「うーん…刺さったと思ったんだけどなぁ…」

大和「次の獲物を探しましょう」

ナレ「それから3時間…彼女は魚を求め海に潜り続ける」

ナレ「しかし…」

大和「け、結局一匹も獲れませんでした…」

クゥゥゥ

大和「お腹が空きました…///」

大和「仕方がありません。今日は採れた山菜で夕ご飯にしましょう」

大和「うぅ…お腹が空きました…」

ナレ「時刻はすでに夜の10時。夕食は昼間に採った山菜で作ったが大食いの彼女にとってはやはり雀の涙だったようだ」

大和「当たり前の食事ができないのはとても辛いですね…。提督は毎日私が満足する量を準備してくれてますが…」

大和「いつの間にか…わたしは食材に対する感謝を忘れてしまったようです」

大和「調理に使う山菜はもちろん、今回獲れなかった魚も、私たちが普段住んでいる鎮守府も、たくさんの人の手がかかって私たちに渡るんですね。こんなにも食料や拠点を確保することが大変だとは思いませんでした」

大和「…」

ナレ「そんなこんなで初日が終了。いろいろと思うことがあった大和。明日はどのように過ごすのだろうか」

大和「やってやるです!」

ザッパーン!!

ナレ「翌日、大和は海岸まで出てきていた」

大和「嘆いていても仕方がありません。食料を取らない限り空腹は紛れませんしね」

大和「今日こそは魚をゲットです!」

大和「海に…飛ぶっ!」

大和「くぅぅ…冷たい…。でも、ここで怯めません!』

ナレ「意気揚々に狩猟に出かける大和。しかし…」

大和「ああっ!また逃げられたっ!」

大和「今日はあまりいないです…」

ナレ「なかなか獲物に有り付けない。見つけても小さかったり、逃げられたりでいいところがない」

大和「うぅ…体が重いです…。まさか海上で戦う私たちが海中で苦戦するとは…」

大和「でも、ここで諦めるわけにはいきません!」

大和「今度こそ!」

ナレ「それからも、彼女の挑戦は続いた」

大和「あれは…もしかしてウツボ!?すごく…大きいです…」

ナレ「ときにはくじけそうになったことも」

大和「うぅ…提督…提督の料理が懐かしいです…」

ナレ「それでも彼女は諦めなかった」

大和「えいっ!!…やった。やった!やりました!!」

大和「ウツボ!獲ったどー!!!」

ナレ「そして…」


スタッフ『大和さん』

大和「はい」

スタッフ『…』

大和「…」

スタッフ『…お疲れさまでした!無人島生活!これにて終了です!』

大和「終わった…。終わったんですね…」

大和「思えば…意外と長い三日間でした」

スタッフ『この三日間、振り返ってどうでしたか?』

大和「そうですね…。私たちがいつも当たり前だと思っていることが、その当たり前の裏ではとても大変な思いをしてる人がいる。そういうことを知って、大和はまた一つ成長できたと思います」

大和「今回は本当にありがとうございました。最初はとても不安でしたが、やってよかったと、私は心から思います。本当にありがとうございました」

ナレ「激動の三日間を過ごした彼女の顔は、とても晴れ晴れとしていた。きっとこれから彼女は大物になるだろう。そんな予感を、我々は感じていた」

ぱちぱちぱちぱち

提督「なんか、見入っちゃったな」

明石「ですね」

鳳翔「当たり前な日常だと思っている毎日が、いろいろな人が関わっているおかげで手にしている」

雷「私が司令官をお世話できるくらい幸せなのも、私たちと同じように他の鎮守府の私たちが戦ってくれているおかげでもあるってことね」

提督「そういう意味では、今回の映像はなかなか勉強になったかもな」

大和「そうですね、大和もそう思います」




夕食時、食堂

提督「みんな揃ったかな。じゃあ大和、頼む」

大和「はい」

大和「みなさんお手を合わせて、この世の食材全てに感謝を込めて」





大和「いただきます」

全員「「「「いただきます!」」」」





以上
『もしも大和が一人で無人島に遭難したら』
でした

なんか、時間かけた割に期待に応えられずすいません。

次の話の安価は

人物
22:30から早い者勝ち

内容
22:35から早い者勝ち

コンマ判定
内容安価とった人の一つ上のレスコンマ
奇数 明るい
偶数 暗い

次回
『もしも五月雨と戦後を迎えたら』
判定:暗い

に決定しました。

今日はこれで終了です
お疲れさまでした

出来上がりました。
『もしも五月雨と戦後を迎えたら』
判定:暗い

今から投下します。

提督「さぁーて、今週のもしもテレビはぁ?」

明石「なんだろなぁ~?」

木曾「なんかもうヤケクソだな」

提督「じゃ、明石ルーレット」

明石「ほいさ!」

『もしも五月雨と戦後を迎えたら』
判定:暗い

五月雨「わ、私、ですか…?」

白露「戦後で暗い話ってちょっと不安になるね」

夕立「っぽい」

明石「ま、それじゃスタート!」

「五月雨!着任しました!これからよろしくお願いします!」

某日、私、駆逐艦五月雨は鎮守府に着任しました。

「君が駆逐艦五月雨か、私がここの提督だ」

私の前にいる司令官は淡々とそれだけを伝え、あとは命令があるまで待機だと言い渡されました。

「待機かぁ、訓練とかしとかないとダメだよねやっぱり」

司令官の第一印象はなんだか真面目そうな印象が見受けられる。秘書官とも一定の距離感が置かれているように見えた。

今私は駆逐艦専用の寮に案内されているところだった。案内しているのは秘書官だった加賀さん。加賀さんも必要なこと以外はあまり話すことがありませんでした。だけど、一つだけ気になることがありました。

私を見るときの目。それが、なんだか生気を感じられないような、そんな感じがしました。

しばらく歩いていると、前に二人の姿が見えました。後ろ姿だったけど私はその二人が一瞬で誰だかわかりました。白露ちゃんと夕立ちゃんです。私は声をかけようとして、加賀さんの方をチラと伺いました。加賀さんは一言だけ『好きにしたらいいわ』と。その言葉に従い、私は二人の元に駆け寄りました。

「白露ちゃん!夕立ちゃん!私…!」

声をかけ、振り向いた二人の顔を見た瞬間、私は言葉が出なくなりました。二人とも、目の光が失われていて、全てに絶望したような表情で私を見つめていました。

「君、五月雨だね…」

白露ちゃんが口を開いた。でもその声色はとても元気な白露ちゃんとは思えないような暗いもので、何も感情のこもってない、ただ事実を確認しただけの声でした。夕立ちゃんは夕立ちゃんで、私のことを興味なさげにじっと見つめていました。

「あ、あの…」

「君は…一体何人目なんだろうね…」

「えっ…」

夕立ちゃんが一言だけ言うと、白露ちゃんと一緒にそのまま私のそばを通り過ぎ奥に消えて行きました。
『何人目』
この言葉が何の意味を示すのか、気づくのはまだ先の話。それよりも私は、白露ちゃんと夕立ちゃんの様子のおかしさに、その場に佇むことしかできませんでした。寮について他の人たちも相変わらずで、同室の時雨ちゃんや村雨ちゃん、涼風ちゃんも、みんないつもの様子とは程遠く、みんなの目の光は失われていました。

この鎮守府に着任して一週間が経った頃、様子がおかしい艦娘は他にもいました。例えば同じ駆逐艦の島風ちゃん。速さが自慢でいつも元気を振りまいている子だった。
でも今の島風ちゃんはその面影もなく、暗い顔で部屋の隅にずっとうずくまっていました。
他にも第6駆逐隊の電ちゃん。彼女は争いを好まず、敵味方構わず助けたいと、言ってました。
でも、電ちゃんとは一緒に出撃した時に、私は見たのです。戦艦の人たちの攻撃を受け、瀕死の敵戦艦に、無表情で魚雷を発射する姿を。そしてまるでゴミを見るような目で、沈んでいく敵を眺めていました。

それでも、私が折れずにこの鎮守府で暮らせているのは、同時期に着任した陽炎ちゃんのおかげでした。陽炎ちゃんは私と1日遅れで着任して、この鎮守府の様子に戸惑っているところに私と会いました。

私と陽炎ちゃんは必然的に昼食などの行動を一緒にすることが多くなりました。陽炎ちゃんところの姉妹も同じようで、特に雪風ちゃんの様子が一番おかしいそうです。
誰とも口をきかず、淡々と言われたことだけをやり続ける。そんな機械みたいになってしまっていて、陽炎ちゃんはとても気にかけていました。

そんな日が続き、ある日私は昼食をとろうと食堂に行き、陽炎ちゃんの姿を探しました。けれど、いくら探しても陽炎ちゃんの姿が見当たりませんでした。同室である陽炎ちゃんの妹たちに聞いても知らないの一点張り。だから私は思い切って、第1艦隊に所属している夕立ちゃんに聞いたのです。そうしたら夕立ちゃんは興味なさそうに。

「陽炎?ああ、轟沈したよ」

淡々とその事実を告げました。何を言ってるのか、わからりませんでした。

「どう……して…………?」

そう、言葉にするのがやっとでした。

「どうしてって言われても、轟沈したから轟沈した。それだけ」

夕立ちゃんはそれだけを口にし、そのまま去って行きました。私は、夕立ちゃんが悲しさを一切にじませずそんな興味なさげに轟沈を告げたことよりも、陽炎ちゃんがもういない事実に涙を流しました。

その後、私は陽炎ちゃんがいた寮に行き、同室の妹さんたちにこのことを告げました。お姉ちゃんが轟沈した。きっと悲しんでくれる。そんな淡い期待を抱きながら。でも、その期待はすぐに裏切られました。

「そう」

発された言葉はその一言だけ。悲しむことも、怒ることも、悔やむこともなく、ただ、事実を確認するように一言だけ、発されました。そのことに私はとてつもなく怒りが湧き上がりました。

「どうしてそんな簡単に言えるんですか!あなたたちのお姉ちゃんが轟沈したんですよ!?どうしてそんな他人事みたいに言えるんですか!?」

そんな私の叫びに答えたのは、目の光を失った雪風ちゃんでした。

「私たちは兵器ですから、それ以外に理由はありません」

雪風ちゃんはゾッとするような低い声で、淡々と答えました。同じ艦娘とは思えないような冷たい視線。それが部屋にいる人たち全員から向けられ、私は耐え切れずその場から逃げ出しました。逃げ出して、必死に走って、たどり着いた先は執務室でした。きっと司令官なら、この現状をなんとかしてくれる。そう希望を持って。

でも私はこの日、二度目の裏切りに会うことになりました。

「し、司令官…」

肩で息をしている私を見るのは司令官と、秘書官である加賀さんの二人。

「何の用だ。呼ばれたとき以外は待機を命じたはずだが」

司令官の言葉を遮り私は叫ぶ。

「あの!陽炎ちゃんが轟沈したって…本当なんですか!?」

「それをお前が知る必要はない」

関係のないものに話す必要はないとばかりにきっぱりと司令官はいう。けれど私はそれだけでは納得ができなかった。

「司令官!!私たちには知る権利があります!教えてください!」

「知る権利だと?それは人のみが持つ権利だ」

人、のみが…持つ権利…!?

「そ、それは…どういう…!」

「 いいか?貴様らは兵器だ。断じて人ではない。兵器ごときが私に口出しは許さん。貴様らは私の指示に従っていればいいだけだ」

「そ、そんな…」

私たちは兵器。人ならざるもの。そんな司令官の言葉がショックで私はその場に崩れ落ちる。

「加賀」

「はい」

崩れて動けなくなった私を加賀さんは乱暴に持ち上げ執務室の外へと放り出した。扉が閉まる直前、私が見たのは、どこまでも冷たい視線をした加賀さんと司令官の姿だった。

その日からだんだんとわかってきたことがある。私たち駆逐艦は戦艦の人たちや空母の人たちの囮として出撃することが多いこと。それと同時に替えが効く私たちは大破した状態でも進撃させられることもある。駆逐艦のみんなはこれがもうすでに日常となってしまったため、途中から考えるのをやめたということ。

そして、私にとって決定的な心を折る瞬間が訪れた。

それはなんでもないような少し天気が悪い、でもいたって普通の日だった。連合艦隊の第2艦隊の随伴艦として私と白露ちゃん、夕立ちゃんが選ばれた。第2艦隊の旗艦は夕立ちゃん。そして連合艦隊で出撃し、道中で中間棲姫と遭遇した。その場で私たちは交戦。白露ちゃんが大破した以外は特に被害もなく敵を撃退した。このまま進撃すると白露ちゃんが危険、それがわかっていた私は夕立ちゃんに撤退の相談をしようとしたら、司令官から一つの連絡が入る。

「かまわん、そのまま進撃しろ」

その指示に夕立ちゃんは一言、『了解』、とだけ答え、進撃を開始した。慌てて私は夕立ちゃんを止めようとするも、すでに進撃を進めている夕立ちゃんには追いつけなかった。思わず周りを見渡したが、その指令に不満を出すものはいなくて、大破した白露ちゃん自身もすでに走り始めていた。

そのまま敵最深部の敵と遭遇。航空戦から開始され、制空権を奪取した。白露ちゃんはかろうじて敵の攻撃を避け、その場に踏みとどまっていた。このままなら誰も沈まず帰ることができる。そう思ったこともあった。でも、現実はそんなに甘くなかった。敵の攻撃が旗艦である夕立ちゃんに迫る。それを白露ちゃんが庇い、攻撃を代わりに受けた。すでに大破していた白露ちゃんがその攻撃に耐えられるはずもなく。

そのまま白露ちゃんは轟沈した。

これはこの鎮守府でのもしもなの?
それとも別の?

夕立ちゃんはそれに対して何も言わず敵深海棲艦に迫り撃沈させる。私はというと、白露ちゃんが轟沈したという事実を目の前にし、何も出来なかった。体が震え、足が動かない。涙が溢れ、視界もぼやける。海上で私は立ち尽くしてしまっていた。

気づいたら、戦闘は終了していた。白露ちゃんが轟沈という、見えない傷を残して。

そして私は全てを理解した。生きているような死んでいるような駆逐艦のみんな。突然いなくなった陽炎ちゃん。
そして轟沈した白露ちゃん。ああ、そうか。陽炎ちゃんも、こうやって沈んでいったのか。私は心の中で、何かが切れる音を聞いた気がした。
きっと駆逐艦のみんなにとって、突然誰かがいなくなるのは日常茶飯事で、替えが効く私たちは沈んだその先から新しい駆逐艦を補充されて。
そうやって今までやってきたから、駆逐艦たちはあんなにも暗かったんだ。

そしてそれは私も例外ではなく、とある海域を攻略中、私は敵艦の攻撃を受け大破した。でも司令官からは撤退命令は出ず、進撃の指示を受けた。私はその命令に『ああ、やっぱり』と、一つだけ思った。そして当然のごとく、私は轟沈した。大破した状態でまともに動くことなんて出来ず、敵艦の攻撃をもろに受けた。海の水が傷ついた体にしみる。沈みながら私が感じたのは、ただ、司令官への憎悪だけだった。

「ニクイカ…?」


声が、聞こえる。


「ヤツガ、ニクイカ…?」


憎い。


「コロシタイカ…?」


司令官を、殺す。


「チカラガ、ホシイカ…?」


チカラガ、ホシイッ!!


「ナラ、キサマニチカラヲクレテヤル」


憎い…憎い…憎い…憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎イ憎い憎イニくいニクい憎いニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイニクイ







スベテガ、ニクイ






ナラ






コロシテヤル






「アアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!」

咆哮をあげながら私は海上に浮上する。そこにいるのは先ほどまで戦闘を行っていた私たちの艦隊の人たち。急に浮上してきた私の姿にみんなは驚きを隠せない。ずっと無表情だった夕立も、今は驚愕に目を見開いている。

「グガァァアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!」

私は急スピードでまずは空母に接近した。接近戦が出来ない空母をまずは沈める。
とっさのことで反応できなかった相手は私の右腕をモロにもらい、海上に横たわる。そしてそのまま私は馬乗りになり、砲塔を脳天に当てる。そのままためらいなく引き金を引いた。

ッパァンッッ!!

頭に砲撃を食らった空母は頭を失い、首から下だけが残る。もはやその体は生命としての活動を維持できず、そのまま沈んでいく。
そしてその光景を見ていた艦隊から一番最初に立て直したのは加賀さんだった。流石というべきか、今までずっと第1艦隊の旗艦を務めていただけのことはある。
けれど、所詮は空母。接近してしまえばどうということはない。

私の腕が加賀さんの目の前に来たところで横からの衝撃で飛ばされる。目を向ければ夕立が加賀さんの目の前に立ち、かばうようにしてこちらを睨んでいる。
そのうちにすぐさま加賀さんはみんなに撤退命令を出しており、加賀さんと夕立を残して私から離れ出した。関係無い。なら、ここの二人をまずは殺す。そうすればあとは雑魚だけだ。

「ガ、ア……アアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッ!!!!!!!!」

「連絡が遅いな。一体何をしている」

連合艦隊の旗艦を務めている加賀から連絡がまだ来ない。おそらくすでに海域を攻略し、帰還を始めているはずだ。こちらから通信を試みても反応がない。そんな中一つの連絡がきた。発信者は赤城。連合艦隊として第1艦隊の随伴艦を務めていた空母の一人だ。

『て、提督!!緊急事態です!!!』

赤城の声が恐怖に震えている。奥では砲撃音がしていた。

「どうした、落ち着いて話せ!」

『し、新種の敵深海棲艦が出現!!私たちも必死に応戦してますが!まるで歯が立ちません!!』

「なんだと!!?」

『至急応援を…っああああああっっっっ!!!』

「赤城!?」

『い、いや…やだっ!私はまだっ…!あぎゃあぁあああああああああああああああああ!!!!!!』

耳をつんざくような断末魔が無線機の奥から聞こえた。

「赤城!?おい!!応答しろ!!赤城!!!!」

赤城からの応答はない。赤城の声に変わって答えたのは、聞いたことのないような声だった。

『赤城さんならもういませんよ~、司令官~』

どこか楽しんでいるような口調で、相手は答えた。

「貴様っ!何者だ!!答えろ!!」

『えぇ~…ひどいですね司令官~、私の声を忘れるなんて』

「貴様のような声の持ち主は知らん!!いいから答えろ!!」

『せっかちですねぇ司令官は。いいですよ答えましょう』

次の言葉を慎重に待つ。それと同時に執務室の扉が開く。

『私の正体は…』

無線機と、開いた扉から二重に聞こえる声。提督は機械のようにゆっくりと振り向いた。そこにいたのは




「『シレイカン、サミダレ、チャクニンシマシタ』」




返り血で真っ赤に染まり、その右手には二つの頭が握られ、変わり果てた姿となった五月雨の姿だった。

その日、五月雨によって一つの鎮守府が崩壊した。

そして長い年月が経ち、深海棲艦と人類の戦いは終結に向かっていき、お互いの領域を侵さないのを条件に和解され、条約を結んだ。長い間続いていた人類と深海棲艦の戦いはここに幕を閉じたのである。



そんな中、五月雨はというと…

「ごっが、ああああああああああああああああああああっっっっっっ!!!!」

狭い室内に野太い断末魔が響き渡る。そして断末魔をあげている男の隣で笑って見ているかつて五月雨と呼ばれた少女の姿。断末魔が途切れ男は意識を失う。けれど少女はすぐにとあるスイッチを押す。

バチィッ!!!!!

「がふぁっ…!!」

「げほっ…ごほっ…」

強い電流を流し、強制的に意識を回復させる。

「何勝手に気絶してるんですか?楽になろうって言ったってそうはいきません」

「も…ゆ、る…して…」

「なんですか?もっとはっきり言ってください」

「たすけて…もう、ゆるしてくれ…」

「助けて欲しいですか?もう楽になりたいですか?」

その問いにその男は首を縦に振る。

「ふぅん…」

その姿を見た私は思いっきり腹を蹴り上げた。

「ごほぁっ…!!」

「ざぁんねん…絶対に許しません。司令官は死ぬまで…私が可愛がってあげますよ」

「なら、さっさと殺してくれ…」

「ダメですよぉ。簡単に殺しちゃったらつまらないじゃないですか」

「そんな…」

「簡単には殺しませんよ。私の気がすむまで、たぁっぷり…ね?♡」

その言葉に、男は絶望的な表情を見せる。その表情がとても滑稽で、惨めで、私は自然と笑みがこぼれていた。

「ふ、ふふ…ふふふ……あはっ♪あははははははははははははははははははははははは!!」

「さぁて、次は何がいいですか?電気ショック?それとも水攻め?なんでもいいですよ?だって」







「結局は全部やるんですから♪」




























「あはっ♪」

雪風「うわぁぁぁぁぁああん!」ビエーン

陽炎「雪風!落ち着いて!」

暁「」

響「暁があまりの怖さで失神してる!?」

五月雨「あ……」ガタガタ

提督「五月雨、落ち着け」

五月雨「し、司令官…私…私…」

提督「大丈夫だ!あれは仮想の話!この鎮守府であんな非道なことはしないから!」

夕立「そうだよ!私たちだってこんな元気っぽい!」

白露「そうだよ!それに私たちの提督はこんなひどいことしないって!」

五月雨「み、みんな…」

提督「ああ、俺は絶対に誰も沈ませない。もう、誰もな…」

木曾「…」

五月雨「司令官…」

木曾「大丈夫だ。俺を、俺たちを、俺たちの提督を信じろ」

五月雨「木曾さん…」




五月雨「みなさん、ありがとうございます!これからも五月雨の活躍、見ててくださいね!」

以上
『もしも五月雨と戦後を迎えたら』
判定:暗い

でした。

五月雨の提督呼びはこちらの確認不足でした。申し訳ありません。

>>291
そうですね、もしかしたらこういうことも有りえたって設定です


次の話安価です

人物安価
23:40

内容安価
23:50

コンマ判定
内容安価とったレスから下三つ目
奇数;明るい
偶数;暗い

以上
『もしも五月雨と戦後を迎えたら』
判定:暗い

でした。

五月雨の提督呼びはこちらの確認不足でした。申し訳ありません。

>>291
そうですね、もしかしたらこういうことも有りえたって設定です


次の話安価です

人物安価
23:40

内容安価
23:50

コンマ判定
内容安価とったレスから下三つ目
奇数;明るい
偶数;暗い

海亀のスープを飲んでいたら

次回
『もしも春雨が妊娠したら』
コンマ判定>>316 暗い

に決定しました。

今日はここまでです。みなさんお疲れ様でした。

お久しぶりです。
『もしも春雨が妊娠したら』
遅くなりましたができました。

今回はちょっと人によっては胸糞かもしれません。
投下します

『もしも春雨が妊娠したら』
判定:暗い

春雨「えっ…」

「「「うっわぁ…」」」

提督「ちょっと待って。これダメなやつ」

明石「で、でもこれ見ないと次に進めませんが…」

時雨「春雨、僕がそばにいるよ」

春雨「止めてくれないんですね…。まあ私もきになるんですけど…」

提督「…見るか?」

「「「「…」」」」コクリ

明石「…じゃあ、スタートします」

20XX年X月XX日、深海棲艦との大規模戦争が終結した。

深海棲艦が潜む海域のほとんどが制圧され、世界は平和の道へと着実に進みつつあった。

そんな中、艦娘の処遇も様々だった。

ある者は普通の人間として世に送り出され、学生として道を歩むもの。ある者は提督の伴侶として、一生側に居続けることを選んだもの。ある者はそれぞれの得意分野を生かし、専門分野に進むもの。

それぞれが、皆、別々の道へと歩みを進めていた。

ただ、それは明るい道だけではなかった。

戦争中、致命的なダメージを受け処分された艦娘も少なくない。脳に弾丸を受け、長い事植物状態で未だに眠り続けているもの。五体不満足で戦争を終えた艦娘も存在した。


そして…ある者は…

「そろそろだな」

と、男が葉巻をくわえながら車を操作する。夜、街灯が少ない道を走る車は、とてもおどろおどろしく見える。

助手席にはその男の秘書なのか一人の女性が座っており、ただ無言で外の風景を眺めている。

それだけでは何も問題はないのだろう。だが、後ろの席にいるもの。それに問題があった。

後ろにいる人物は三人の女性。いずれも目隠しと猿轡をされ、手足は縄で縛られている状態で詰められていた。察しのいい人はもう気がついているだろうと思う。詰められていた三人は、戦争中に艦娘としての機能を奪われ、既に解体処分が下されていた三人だった。

一人は軽空母「千歳」、一人は重巡「古鷹」、そして駆逐艦「春雨」

三人とも眠らされているのか、意識はない。けれど、後部座席に無造作に座らされている三人は、それだけで異様な光景だった。

車を走らせ数分。とある建物の裏に車は止まった。すでにそこには数人の黒服の男たちが待機しており、車が停止すると同時に後部座席から元艦娘たちを運び出す。

黒服のうちの一人が運ぶ前に一言注意を促す。

「おい、傷だけはつけるなよ。こいつらは大切な商品だからな」

速やかに、されど丁寧に。傷をつけないよう、慎重に彼女らを運び出す。

部屋に運び込まれ、目隠しと猿轡、高速を解かれ、服を脱がしていく。
彼女らが目を覚ます様子はない。されるがままに、彼女らの裸体が空気に晒されていく。

そして一人一人カゴに入れられ、とある会場へと運ばれる。そこで待つのは多くの成金たち。すでに会場のボルテージは最高潮になっていた。
彼女ら三人は会場へと運ばれ、待ち受ける大衆の前に出される。

ここは成金たちのための奴隷売買所。政府からは認知されない違法人身売買がここでは毎日行われている。

「さぁ!始まりました!今回入りました商品は元艦娘の三人!『千歳』、『古鷹』、『春雨』の三人です!」

登場と同時に司会が話し出し、出された商品のことを紹介する。紹介されるたびに会場から歓声が上がる。

「では早速始めましょう!まずはこちらの『千歳』から!開始金額は一万円!オークション開始!」

二万円!五万円!と、様々なところから金額の声が飛ぶ。

「三十五万円!!」

一人が放った金額に他の成金たちは静かになる。

「三十五万円!これ以上出す人はいませんか!?3、2、1…終了!!おめでとうございます!エントリー番号18番の方!『千歳』を落札!三十五万円でした!」

買取が決まった『千歳』は、腕に奴隷の証明である焼印を入れられ、落札した人に引き取られていく。そして何人かの人によって『千歳』が会場から運び出され、落札者の車に乗せられ、会場から去って行った。

同じように『古鷹』も落札され、運び出されていく。そして残ったのは『春雨』だけとなった。

「さぁさぁ!最後の艦娘駆逐艦『春雨』!!駆逐艦なので最初は八千円からの開始です!」

駆逐艦は一部を除いて、あまり人気がない。見た目が幼い子供に見えるせいか、少しその価値は下がっている。

一万円!一万二千円!

など、落札の価格もいきなり高騰することもあまりない。だが、今日は別だった。

「百五十万円!!」

シィン…。

その落札価格に誰もが言葉を失った。それもそのはず。今までこの会場で落札された艦娘で一番落札価格が高かったのは戦艦『陸奥』と正規空母『加賀』の百二十万円。
そして駆逐艦で一番落札価格が高かったのは『浜風』で八十万円。これだけですでに駆逐艦の最高落札価格を更新し、さらに戦艦、正規空母を抑えて会場最高価格を打ち出したのだ。

「…はっ!ひゃ、百五十万円!最高価格百五十万円です!他に落札する方はいませんか?」

司会も驚きを隠せないようで、その声が少し震えていた。
そして『春雨』の百五十万円に当然他の人がお金を入れるわけもなく、『春雨』は落札された。

「んっ…?あれ…私は…」

落札された日の夜。駆逐艦「春雨」は冷たい床の上で目を覚ました。今回落札される艦娘はその日の夜に目を覚ますように、薬を調整されているためだ。

「ここ…どこ…?」

体がまだ動かず、目線だけで部屋内を見渡す。壁際には小さなトイレがまず目に飛び込んできた。他には簡易な病人用ベッドと小さな机が一つ。そして四方が壁に囲まれ、うち一つは鉄格子で出来ていた。

「目が覚めたかい?春雨ちゃん…?」

鉄格子の外から声がする。音を頼りに目線をそちらに向ける。声の主の姿が少しずつはっきりと見えてきた。

「ひっ…!」

思わず悲鳴が溢れてしまった。春雨の視線の先に見えた人物は、人間の一般的に言われている肥満体型よりもさらに一回り大きく、腕や脚の太さも常軌を逸している。そしてなにより所々から滲み出る悪臭が春雨の鼻をおかしくする。

「良かったあ…目が覚めたんだねぇ…」

なによりそのネットリとした低い声が春雨の背筋を震えあげる。そして発される口からは常に唾液が垂れ落ちており、シャツの首回りはびしょびしょになっていた。

「あ…あ…」

恐怖で言葉が出ないとはこのことか。春雨は今まで深海棲艦と戦ってきてこれほどまでに気分を悪くするものを見たことがなかった。それはたとえレ級でもここまで恐怖することは無かった。けれど今、この男に春雨は本能的な恐怖を感じている。

男はゆっくりと鉄格子を開き、春雨のいる部屋に侵入すると春雨の足元に立つ。

それと同時に、春雨が今自分がどんな状況にいるのかようやく気がついた。身を包む服などはなく、裸体がその男に全て晒されている。咄嗟に手足で隠そうとするも、その手足は拘束されちょうどXの形になるようにされており、小ぶりな乳房や性器などが晒されていた。

「な、なにをするんですか…?」

絞り出した声はとても弱々しく、恐怖で震えている。その言葉を聞いた男はただ一言こう言った。

「今日から春雨ちゃんは僕の性奴隷だよぉ」

言い終わると同時に男は己の欲望を春雨に突き立てた。いつの間にか脱いでいたのかすでに下半身は露出されていた。

「あ、…あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッッッッッッッッ!!!!!!!」

春雨の絶叫が部屋じゅうに響き渡る。

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いいたいいいいいいいいいいいいいいいいいいいッッッッッッッ!!!!!!!」

春雨のそこからは処女の証でもある血が流れている。もっとも今回ばかりはそれだけが原因ではないだろう。
男はそんな春雨の絶叫などいざ知らず、単純に己の欲望を吐き出そうとその春雨の体を蹂躙していく。時には接吻をし、時には胸を愛撫し、だがそれらの行為にいずれも愛は感じない。これはまさにオナニーと一緒なのだ。春雨を人間としてみておらず、一つの性欲解消のための道具としてみているのだ。

「痛いっ!!痛い痛い痛い痛い!!もうやめて…やめて、くださいッッッ!!」

「道具の分際で口答えするなよぉ」

春雨の必死の抵抗に対して、男は思いっきり腹を殴りつける。

「がっ…はっ…!!ゲホッ…ゴホォッ…!!」

その拍子に肺の空気が一気に吐き出される。さらに腹を殴りつけられたせいで胃が圧迫され、中身が急激に喉に上がってくる。

「ゲ…ボ…ッ!ウボェェエッッ!!!」

春雨は胃液を口から噴き出していく。肺と胃から同時に吐き出され、脳内に酸素が回らず春雨はそのまま意識を手放していった。

動かなくなった春雨に、結局男は五回春雨の中で果てた。

そこから春雨の地獄のような毎日が始まった。朝起きたらまずは男の性処理から始まる。起きてすぐに男は春雨の前に立ち、反り返ったその肉棒を春雨の口に突き入れる。

「おゴッ…!ん、カハッ…!」

喉の奥までくる肉棒に春雨は涙を流しながらも必死に咥えていく。途中我慢できずに吐き出したりしてしまうときつい折檻が待っているからだ。

「おぉっ…出るよ春雨ちゃん…しっかりと飲んでね…」

その言葉と同時に春雨の喉の奥に男の精液が吐き出される。

「んぐっ…!?んぐぐぐ…!」

そして春雨の頭を男は抑え、肉棒の根元までその口に咥えさせていた。春雨は喉を鳴らしながら、精液を少しずつ飲んでいく。

「ぐっ…!ぷはぁッッ!!!!」

「ゲホッ!…ゲホォッ!!」

解放されると同時に咳き込む春雨と、興味をなくしたのかさっさとズボンを履き始め、その場から立ち去る男。部屋から出る前に一言。

「じゃあまた昼もよろしく~」

その絶望的な一言だけ残し、部屋には春雨一人だけが残っていた。もう既に春雨の目からは流れる涙も枯れ果て、全てなすがままにされていた。

朝は口を蹂躙され、昼と夜は膣内に出される。そんな毎日が続き、 さらに時には男の連れ数人に輪姦されることもあった。
その間、春雨は何度絶頂したのかも記憶がおぼろげになり、解放されたいのか快楽を感じたいのかもわからなくなってきていた。

そしてそんな生活が続いて
二年が経った…。

「あっ、また、イきますっ!イくっ!あああああああああっっっ!!」

春雨の体が二度、三度と痙攣を起こす。その度に春雨の秘所口から透明な潮が噴き出していた。絶頂を迎える春雨のお腹はとても大きくなっていた。
春雨は解体処分をされたと同時に人間の体を取り戻した。それはつまり人間本来の機能を取り戻したということ。危険日などお構いなく犯し続けた結果、春雨は新たな命を身ごもっていた。誰の子かなどわからない。なぜならこの二年の間、多くの人間に犯されすぎたためだ。

しかしそれを知ったところで止まる男ではなく、妊娠など関係ないとばかりに犯し続ける。

「産んだ子はもし女の子だったら今の春雨ちゃんみたいにしてあげるからねぇ。楽しみだなぁ」

「はぃ…、春雨、とても、たのしみれす…」

おそらくこの生活は死ぬまで続くのだろう。だが春雨にはもう考える力は残っていなかった。ただ、今の快楽を求め、今日も男を求め続ける。

「ごしゅじんしゃまぁ…もっと、もっとこのはるさめに…その濃い精子を…そそいでくだしゃい…」

「ふひっ。仕方ないなぁ」

「ああぁっ!!きもちいいれすっ!!もっと!もっとぉ!!」

今日も男と春雨しかいない部屋に彼女の嬌声が響き渡る。

いつまで続くのかは神のみぞ知る。

ドラマみたいにこの春雨に救いなどはない。

ハッピーエンドなどもない。

いや、すでにもうハッピーエンドなのかもしれない。

もうすでに春雨は何が幸せなのかわからなくなってしまっていた。

目の前にある快楽を求め続けるだけで、春雨はもう幸せを感じてしまっているのだから…。

春雨「…」

時雨「あの…ご、ごめん…」

白露「(意味もなく謝った!)」

村雨「(耐えられなかったんだ!自分が進めたばっかりにこんな映像出てきて罪悪感が大きいのね!?)」

春雨「どうして時雨姉さんが謝るんですか?」

時雨「…」

春雨「ごめんなさい…一人にしてください…」

提督「…」

明石「提督…?」

提督「…チッ」

明石「あっ提督!?」

木曾「待て…」

明石「木曾さん…?」

木曾「今はあいつに任せとけ」

明石「…」

春雨「…」

提督「春雨」

春雨「司令官…」

提督「…」

春雨「時雨姉さんたちもいずれ、あんな風になっちゃうんでしょうか…」

提督「…」

春雨「怖いんです…今は、戦いがあるからいいですけど…本当に戦いがなくなったらって思うと…」

提督「大丈夫だ!俺がさせない!」

春雨「司令官…」

提督「ここにいる艦娘は絶対に不幸にさせない。絶対に幸せにしてやる」

提督「だから…俺を信じろ」

春雨「…はいっ!」






春雨「あの、上手く言えないんですけど……いつも感謝しています。ほんとです!!」

以上
『もしも春雨が妊娠したら』
でした

ちょっと短くなりました

次安価
人物安価
23:40:00
から一番早い人

内容安価
23:45:00
から一番早い人

コンマ判定
内容安価の一つ下のレスコンマ

ごめんなさい、コンマ判定の詳細出していませんでした
もう一度取り直します
奇数:暗い
偶数:明るい

下三つ目のコンマでお願いします

というわけで
『もし陽炎が轟沈したら』
判定:明るい

に決まりました。
今日はここまでです。お疲れさまでした

もう少しかかります
ので、もう少し待ってください

お久しぶりです。
日付変わった頃に投下します

では、『もし陽炎が轟沈したら』
投下します

陽炎「司令ーー!司令ーーーー!」

陽炎「もうどこに行ったのよぉーー!!」

陽炎「仕事が溜まってるって言うのに遊び呆けてばかりいるんだから」

??「…」コソコソ

??「…」コソコソ

??「…」ボソボソ

??「…」コクリ

陽炎「はぁ…これじゃいつまでたっても終わらな『かっげろっう』」

時津風「ちゃーん!」バサァッ

陽炎「なっ…!」

時津風「さてさて、今日の陽炎ちゃんのパンツは…って、あぁ〜〜!!」

女提督「どうした時津風!?」

時津風「陽炎ちゃんまたスパッツだ!?」

女提督「えぇ〜!?またなのぉ!?」

時津風「ブーブー!つまんなぁい!」

女提督「そうだそうだー!」

陽炎「あ、…あ・ん・た・た・ち・ね・ぇ・〜!!!!///」

女提督「きゃー!陽炎が怒ったー!」

時津風「逃げろ〜!」

陽炎「待ちなさーい!!!///」

黒潮「いや〜、今日も司令はんたちは元気やねぇ」

浦風「そうじゃのぉ、鎮守府が賑やかで退屈せんわ」

陽炎「こらぁ!待てーー!!」

女提督「待てと言われて待つバカはいないってねー!」

時津風「あははは!」

磯風「ん?司令に時津風か?一体何をしている」

女提督「げっ!!!磯風!!」

時津風「ど、どうしてこんなところに!?」

陽炎「ちょうどよかった!磯風!そいつら捕まえて!」

磯風「状況がよくわからんが、承知した!」

女提督「くっ…!時津風こっち!」

時津風「あわわわ!」

不知火「司令…?」

女提督「不知火!?どうしてここに!?」

時津風「どいてどいてどいてー!!」

不知火「え?きゃっ!!」

ドンガラガッシャーン!!

女提督「いつつ…し、不知火だいじょう…げ…」

時津風「あいたー…って、あ…」

不知火「…」ポタポタ

舞風「ああっ!!突如廊下の角から出てきた不知火に司令がぶつかった拍子に掃除中のためか持っていたバケツをひっくり返してしまいそのまま中の水を不知火が被った!」

天津風「どうしてそんなに説明口調なの!?!?」

女提督「し…しら、ぬい…?」

不知火「…」スクッ

時津風「あ、あの…ご、ごめん…ね?」

不知火「不知火を…怒らせたわね…?」

女提督「やっば…!に、逃げるよ時津風!!」

時津風「が、ガッテン!!」

陽炎「逃げられると…」

磯風「思っているのか?」

時津風「お、追いつかれた…」

不知火「さぁ…覚悟はいいかしら…?」ゴキリ

女提督「許してくれたりは…」

磯風「すると思うか?」

女提督「デスヨネー」

時津風「あ、あめあげるから…」

陽炎不知火「「問答…」」

陽炎不知火「「無用ーーーーーーーー!!!!」」

女提督時津風「「ギャーーーーーーーー!!!!!!!!!」」

女提督時津風「「本当に申し訳ありませんでした」」ドゲザー

陽炎「ガミガミガミガミガミガミガミガミ!!!!!」

秋雲「うひゃぁ…またあの二人説教受けてるよ」

谷風「陽炎の説教は長いからねぇ」

秋雲「確かに」

浜風「受けたことがあるんですか…」

黒潮「まぁまぁ陽炎、その辺にしときやー」

陽炎「あ”ぁ”ん”!?」

黒潮「おぉう…今日は一段とキレとるなぁ…」

黒潮「とりあえず見てみ」

陽炎「ん?」

時津風「ひくっ…えぐ…ぐすっ…」ポロポロ

陽炎「あ…」

女提督「」ズーン

初風「よしよし、落ち着いて…」

時津風「ごべんなざい…ごべんなざい…」グスグス

陽炎「あ、あのっ…私、そういうつもりじゃぁ…!」オロオロ

黒潮「時津風、もう泣かんときや。今回は君が悪いで。ほら、ちゃんと謝る」

時津風「ご、ごめんなさい…」

黒潮「よし、じゃ陽炎も」

陽炎「…言いすぎたわ、悪かったわよ」

黒潮「よっしゃ、これでこの話は終わりや」

黒潮「司令はんもわかったな?」

女提督「はーい…」

初風「ま、今回はちゃんと反省してるみたいだし、これくらいでいいんじゃない?」

陽炎「はぁ…そうね…」

陽炎「雪風ー!」

雪風「なんでしょー!」

陽炎「時津風のケアお願い」

雪風「承知しましたー!行こ!時津風!」

時津風「うん…」

女提督「いやー本当すいませんでした!」

女提督「私も謝ったのでこれで…」

陽炎「逃すと思う?」

女提督「あ、あれー?やりすぎたのでは?」

陽炎「司令…今日の仕事どれだけ終わってる?」

女提督「え?今日の仕事は……………あれ?」

陽炎「終わってないよねぇ?」ニヤリ

女提督「そ、そうみたいだねー」アハハ

陽炎「今日の仕事終わらせるまで司令は晩御飯抜き!!!」

女提督「終わらせてきます!」ダッ

陽炎「まったく…食い意地だけは張ってるんだから」

野分「まあ、それが司令らしさでもあるので」

陽炎「あら野分。いつの間に?」

野分「最初からいたわ、被害を被らないよう逃げてたのよ」

陽炎「なるほど、さすが野分ね」

野分「それほどでもないわ」

陽炎「さってと!そろそろ夕ご飯の支度もしないとね!」

野分「手伝うわ。司令の分を一人で作ろうとすると大変だろうし」

陽炎「ありがと!戦艦の人たち以上に食べるから困るのよねー」

野分「…」

野分「どう?話の方は」ペラ

舞風「やっぱり…ダメだった…。司令は…」

野分「そう…。陽炎には…」ペラ

舞風「話せないよ…こんなこと…」

野分「そう…」

パサッ

『◯◯鎮守府女提督・艦娘化計画企画書』

野分「どうすることも、できないのかしらね…」

横須賀海軍総本部司令室

女提督「で?私をこんなところに呼び出した理由は…なんでしょーか元帥様?」

大将1「ふん。白々しい」

大将2「こんな小娘が鎮守府の提督をやっておるとは…海軍も地に堕ちたものだ」

大将3「提督は男の仕事だ。女は出しゃばるものじゃないだろうに」

女提督「……ちっ、だから嫌いなんだよここは」

元帥「少し黙っておれ」

大将たち「「「…」」」

女提督「出たなジジイ」

大将1「貴様!大元帥様だぞ!なんだその口の利き方は!!」

元帥「黙ってろというのが聞けないのか?」

大将1「っ…」

元帥「さて、ここに呼んだのは他でもない。あの話、一度は目に通しているのだろう?」

女提督「あ?…ああ、あのクソみたいな計画書ね」

元帥「悪くはない話だとは思うが?貴殿の潜在能力はどの艦娘よりも基準値を上回っている」

女提督「何が言いたい?」

元帥「提督の今の座を捨て、新たに艦娘をして生きる道を選べといっているのだ」

元帥「貴殿の艦娘適正は戦艦。それも」





元帥「戦艦・武蔵。貴殿はそれだけの能力を有している」





女提督「…」




陽炎「なに…これ…」

『◯◯鎮守府女提督・艦娘化計画企画書』

陽炎「こんなもの…どうして…」コンコン

野分「陽炎?入るわよ…?ってそれ…!!」

陽炎「野分…あなたこれ知ってたの…?」

野分「…」

陽炎「なんで…なんで教えてくれなかったの!?」

野分「…」

陽炎「答えて!!」

野分「…あなたには…関係ないじゃない…」

陽炎「!!!」

バシィッ!!

野分「…!」

陽炎「…バカ!!」

野分「ぁっ…」

野分「陽炎!!」

バタンッ!!

野分「…ごめんね」

女提督「たでーまー。腹減った」

天津風「おかえりなさい、あなた」

女提督「あれ?天津風?陽炎は?」

天津風「あー…」チラ

女提督「?」

陽炎「…」

野分「…」

不知火「」オロオロ

女提督「……喧嘩?」

天津風「そんな感じ…。ずっとあの調子で困ってるのよね…」

黒潮「これは、長くなりそうやなぁ…」

女提督「…」

大将1「くそっ!あの小娘め!」

元帥「…」

大将2「女のくせに…っ!」

元帥「致し方あるまい」

大将3「元帥?」

元帥「この計画は白紙とする。武蔵としての艦娘は別の適任者を探すこととする」

大将2「そんな!」

元帥「これは決定事項だ。これ以上追求は許さぬ」

大将1「了解…しました…」

元帥「では、私はこれで失礼するよ」

大将1「ちっ…」

大将1「あいつらを使うか…」

野分「ふざけないで!」

野分「今更連絡寄越して、いきなりそんな命令!?できるわけないでしょう!?」

野分「やれって…いくらなんでも!って聞いてるの!?ちょっと!!」

舞風「野分…?」

野分「…くそっ!!」ガンッ‼

舞風「」ビクッ

野分「…舞風、ごめん、ちょっと一人にして…」

舞風「あ、うん…わかったよ…」

野分「…………」

野分「できるわけ…ないじゃない…」

野分「今更、司令を殺せなんて…できるわけ…ない…よ…」

野分「(この時、私は誰かに相談するべきだったのかもしれない。それこそ司令でも、他の駆逐艦の娘たちでも、陽炎にでも)」

野分「(次の日、私が目を覚ました時は、目の前で司令が吹き飛び海の中へ落ちていく姿と、その司令に向けて砲を向けている自分の姿だった)」

野分「え…………なん、で………」

陽炎「野分!!!!!!!」

野分「っ…陽、炎…が、はっ………………!!!!」

舞風「野分…!」

陽炎「何してくれてんのあんた…」

野分「ちが……わ、わた、し…じゃ……」

陽炎「へぇ…じゃあ他に誰がいるっていうのかしら?」

野分「それは…っ!!」

陽炎「いないわよねぇ?あなたしか」

野分「私は…私は…!わた、し…は…」

陽炎「気絶…?野分、起きなさい!のわ…!」

黒潮「落ち着きや」ガン

陽炎「ガフッ」

黒潮「まったく」

不知火「黒潮…」

黒潮「とりあえず、司令はんは潜水艦の娘たちに任せて、陽炎型全員、司令室に集合しよか」

黒潮「いろいろ聞きたいこともあるし…な?」チラ

舞風「…」

陽炎「…」

野分「」

黒潮「さて、いろいろ話したいことはあるねんけど、まず、野分ちゃんの様子について心当たりはある?」

舞風「…あるよ」

不知火「それは、一体どのような?」

舞風「野分がここに着任したのは前の海域攻略の報酬としてこの鎮守府に来たよね?」

谷風「ああ、確か半年くらい前だったかな?」

舞風「報酬の艦娘は本部から送られてくる艦娘ってことも知ってるよね?」

浜風「まあ、それくらいは」

黒潮「なるほど、本部の中の誰かが、野分を報酬としてうちらの鎮守府に潜入させたと言うことやな」

舞風「…そうだね、そういうことになるかも」

磯風「だが、野分が司令を吹き飛ばしたことについては?」

舞風「多分だけど、野分の中に何かしら細工をされたんだと思う」

磯風「催眠術みたいなものか?」

舞風「そうだね、それに近いかも」

黒潮「なるほどなぁ。で、これを聞いてどう思う陽炎」

舞風「えっ」

陽炎「まったく…面倒ごとが好きなんだからこの妹たちは」

舞風「え、ええっ…なんで…?」

陽炎「ずっと聞いてたわよ。確かに黒潮の一撃は効いたけど、あれくらいで簡単に意識失うほど私は弱かないわよ」

陽炎「さて…野分、起きなさい」パシン

野分「っ…あ、ここは…!?かげろ…むぐ…」

陽炎「ひとつ聞きたいことがあるわ。正直に答えてね」

野分「」コク

陽炎「ね、野分。あなたにとってこの鎮守府は何?賑やかな場所?楽しい場所?それとも……もういたくないって思う場所?」

野分「そんなことない!ここは…この鎮守府は…わたしにとって…帰る場所だった…!でも、その帰る場所を!私は自分の手で壊してしまった!もう!私は…ここにはいられない…!」

陽炎「帰る場所…か。その言葉、嘘じゃないみたいね」

野分「ごめんなさい…ごめんなさい…」

陽炎「だってさ、司令!」

野分「え…?」

舞風「え…?」

女提督「あー痛かった痛かった。よ、皆の衆」

野分「え、嘘…なんで…?」

女提督「私があれくらいでやられると思ってんの?毎日毎日陽炎の砲撃食らってる私だぜ?」

不知火「威張れることではないと思いますが」

野分「で、でも!私は確かに…!」

女提督「なんだなんだ?野分ちゃんはそんなに私を殺したいのか?」

野分「そんなわけありません!!で、でも…」

黒潮「言ったやろ、司令を吹き飛ばした時に」

野分「え?」

黒潮「司令のことは、潜水艦の娘たちに任せてって」

野分「あ…」

黒潮「うちは司令がどうなったかなんて言ってないで。ただ、吹っ飛んだ司令はんを連れてくる役を潜水艦たちに任せただけや」

野分「よ、よかった…」

女提督「時に野分ちゃん」

野分「は、はいっ!」

女提督「君はこれからどうしたい?」

野分「これから…」

女提督「これからも私たちと一緒にいるか。それとも本部のクソ野郎の犬として生きるか」

野分「そんなの…決まってるじゃないですか…」

女提督「…」

野分「私は…!これからも司令のそばで!艦娘として!いたいです!」

女提督「よっしゃあ!聞いたか陽炎!」

陽炎「もちろんよ!これから忙しくなるわ!」

野分「司令…?陽炎…?これから一体…」

女提督「ん?本部のクソ野郎をぶちのめしに行く」

野分「えっ…」

陽炎「妹が苦しんでる。姉が動く理由なんて、それだけで十分よ!」

野分「陽炎…」

陽炎「聞いたわねみんな!これから楽しいパーティの始まりよ!!」

陽炎型「「おおーーー!!」」

舞風「よかった…よかったよ野分…!」

野分「ありがとう…陽炎姉さん」

大将1「そろそろ奴のところに投じた駒が動き始めている頃か」

??「提督、ご報告に参りました」

大将1「入れ」

??「失礼します」

大将1「報告を」

??「はい。現在女提督の所属する野分、舞風の働きにより、鎮守府内での暗殺を決行しました」

大将1「ほう!ついにやりおったか!して結果は!?」

??「はい。結果のほどですが失敗しました」

大将1「ナニィ!?って貴様!!」

女提督「艦娘だと思った?残念!女提督でした!!」

大将1「なぜ貴様がここにいる!?」

女提督「いやぁ、うちの整備士は優秀でねぇ」スッ

大将1「な、なんだそれは…!」

女提督「大将1さんよ、ここの電波、ジャックさせていただいたぜ」

大将1「なん…………だと……………!?」

女提督「野分に埋め込まれたマイクロチップ、あれをこっちで解析させてもらった。それを元に新たな装置を発明してテメェの所の娘を操らせてもらったぜ」

女提督「しかし、まさか全員操られるとは思いもしなかったがなぁ…!」ギリ

大将1「くそッ!!誰か!誰かいないのか!?」

女提督「いねえよ。言ったろ?全員私らの装置で操らせてもらってるってよ」

大将1「この私にこのようなことをしてタダで済むと思うなよ!!」

女提督「あ?知るかよそんなの。こちとら家族を弄ばれてはらわた煮えくり返ってんだ。いますぐぶち殺したくなるほどになぁ!!」

大将1「ひぃっ!?」

女提督「だが私がやると確実に殺しちまう。だから、この幕切れにふさわしい役者を連れてきたぜ」

大将1「役者…?」

陽炎「やっほー!」

野分「お久しぶりですね…元司令どの」

舞風「…」

大将1「貴様ら!!裏切ったのか!!?」

野分「操られてなどいません。私が今ここにいるのは、れっきとした私の意志だ!!」ガシャ‼

舞風「今までの恨み、はらさせてもらうよ!」

大将1「よ、よせ!艦娘の攻撃を受けたら私は死んでしまう!!」

女提督「ああ、安心しなよ。うちらの艦娘は、力をセーブできるように訓練してるからよ。ただ少しの間死んだほうがマシなくらいの痛みを感じるだけさ」

野分「覚悟!」

舞風「!!」

大将1「待て!やめろ!早まるんじゃない!ま、待て待て!!やめろぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!」

数週間後

コンコン

女提督「どうぞー」

元帥「失礼するぞ」

野分「横須賀元帥!?

舞風「横須賀の…」

陽炎「あら、お久しぶりですね」

女提督「これはこれは元帥殿。わざわざこんな辺境な地までどのような御用件で?」

元帥「いや、数週間前とある鎮守府が壊滅した事件があったのだが、貴殿は何か詳しい話を知らないか?」

女提督「そういや、ありましたねぇ。聞いたところによると何者かの襲撃で大将1さんは重症。その後鎮守府内での不正行為やら越権行為の証拠の数々が見つかり、大将1さんは軍事裁判にかけられたとか」

元帥「やけに詳しいな」

女提督「気になって調べたんですよ」

元帥「そこでだ、その鎮守府にあった監視カメラ映像にはぼんやりとそこにいる陽炎、野分にさらには舞風の姿が確認されたのだが、何か知らないか?」

陽炎「なんのことでしょうか?」

元帥「……どこまでも白々しい奴らだ」

野分「あ、あの…あの…」オロオロ

元帥「本日をもって、駆逐艦陽炎、野分、舞風は轟沈扱いとし、今後この鎮守府で新たな陽炎としてさらなる練度の高みを目指すことを貴殿に命じる」

女提督「はっ!!」

元帥「まったく、事後処理を任される身にもなってもらいたいものだな」

女提督「本当感謝してますってば」

陽炎「うんうん」

元帥「では私はこれで失礼する。次はうまくやれ、以上だ」

女提督陽炎「「ありがとうございます!!」」

野分舞風「「あ、ありがとうございます!」

元帥「…ふん」

野分「あの、陽炎姉さん…」

陽炎「ん?」

野分「どうしてあの時、バカって私は言われたの?」

陽炎「そんなの、決まってるじゃない」





陽炎「どうしてそんな大事なこと、姉である私に黙って一人で抱えてたのって思ったからよ」





野分「姉さん…」

陽炎「あなたも私たちの家族なんだから、悩みがあるならちゃんと相談すること。わかった?」

野分「はい!!」

野分「陽炎…私、あなたの妹でよかった」

舞風「わ、私もだよ陽炎ーー!!!」

陽炎「あ、当たり前じゃない!!私についてくれば安心なんだから!」

提督「イイハナシダッタナー」

明石「こういう姉妹愛、いいですよね!」

提督「そうだな」





陽炎「もっと私に頼っていいのよ!」





雷「それ私のセリフー!!!」

以上
『もし陽炎が轟沈したら』
でした。

ちょっとPCの調子悪くてローマ字入力が出来なくなってて遅くなりました。
次回の安価は

01:20から早い者勝ち
キャラ安価

01:24から早い者勝ち
内容安価

内容安価から下2つ目
奇数 暗い
偶数 明るい

です

では次回は
『もしも瑞鳳が提督を食べりゅとしたら』
判定:明るい

に決定しました。

次回はこのシリーズ初の明るいR-18になるかも…
では今日はここまでです。
お疲れ様でした

もう少し待ってください。
あんまり纏まった時間とれなくて…

>>451

上条「安価でハーレム」吹寄「その5!」【時々R-18】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1412606920/)

キャーリサ「安価でとーまと結婚出来た」上条「これからもよろしくな」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1415365646/)

別にこっちのスレ頑張って進めてくれて良いんだけど、忙しいならこの2つのスレさっさと依頼出してくれないかな?
ss書く時間が無いほど忙しいんだろうけど、依頼スレに出すだけならこれをコピペして貼るだけだから出来るでしょ?

もう全く期待してないけど、最後くらい責任持って自分でケツ拭いて終わらせてくれ
ここまで一縷の希望持って待たされてるのも辛いからさ

明日の夜あたりにできれば投下したいと思ってます。

なかなか来れずすいません。

>>453
その件に関しては、本当に申し訳ないです。
時間が出来ればまた再開したいと思ってますので、また再開した時は宜しくお願いします。

もしかして数年前に禁書のオリミサカーズスレ数件立てて放置した人?

お久さしぶりです

投下の件ですがまだまだ忙しい時間が続きそうで、だいぶ遅くなりそうです
待っていてくださる方には申し訳ありませんが、お待ちいただけると幸いです

>>456
その件については私ではないです。

生きてます
言いづらいけど生きてます

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月07日 (木) 14:16:13   ID: q99HIT9L

金剛型のはなしいくら司令官絡みでもあのキャラからしたら怒りすぎだろ(笑)

2 :  SS好きの774さん   2015年05月14日 (木) 19:27:14   ID: VsaTCprl

(笑)

3 :  SS好きの774さん   2015年05月21日 (木) 23:18:52   ID: 0Hz_QUsL

良作じゃん
別に糞文章力でもないし

4 :  SS好きの774さん   2015年08月01日 (土) 01:36:44   ID: Jz4Qc1M8

しかし…明るい轟沈話ってどないすんねん?想像つかんわ。

5 :  SS好きの774さん   2015年10月31日 (土) 00:27:58   ID: rKYhccNy

明るい轟沈話ヨカッタナー

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