八幡「材木座が変なんだ」 (38)
雪「そう、分かったわ」
八「待て、あの材木座がだぞ?」
雪「気になる話でもないし、興味ない話だからその口を閉じてちょうだい。汚染物質を撒き散らさないで」
八「それがよー、あいついつも暑苦しいコート着てんじゃん?」
雪「無視なのね・・・・・・それでなに?」
八「それを脱いでんだよ」
雪「あら良いことじゃない、ようやく四季を楽しむようになったのね」
八「しかもあいつ痩せてたんだよ。葉山に負けじ劣らずの好青年になってな」
雪「・・・・・・え?」
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材「やぁ八幡くん」
八「………誰だお前(話し掛けてくるんじゃねぇよ)」
材「やだなぁ、僕だよ。材木座だよ」ニコッ
八「」
材「しかし今日も暑いね。登校途中に持ってきた水が無くなってしまったよ。それより八幡くん。熱中症対策はしているかい?」
八「し、してねぇけどお前ざいm」
材「ふぅむ、それはけしからんことだ。日本男児たるもの常に健康の事を考え、行動していなければこの世の中は変えられないぞ?」
八「(良かった、この言い回し材木座だ)」
八「健康考えるだけで世間が変わるか」
八「けどどうしたんだよ? いつものコートは」
材「あぁ、捨てたよ」
仕事サボって書いたはいいが、オチが見つからん。。。
誰か助けてくれ
雪「それは死活問題ね」
八「いや誰も死なねぇよ」
雪「彼にとってあのコートは、死ぬまで離さない宝具だとか言っていたわ。どのサーヴァントかしら」ワクワク
八「中二病なの毒されてんじゃねぇよ。あと、アイツにそれ言うなよ。調子乗るから」
雪「えぇ、あなたに言われなくて承知しているわ。馬鹿でしょ。まぁ、馬鹿に馬鹿と言ったところで治るものも治らないし、馬鹿が治ったとしても残るのは腐った眼と腐敗臭のする根性だけでしょうけど」
八「やめて、はちまん、なく」
雪「で、彼は?」
八「お、おうそれでな」
八「捨てたって何で?」
材「いやぁ僕にとってあれは過去の産物さ。過去の永劫持たざるもの未来に続かんってね」ニコッ
八「(キモい、キモいぞ)」
材「それにしてもすごい汗だね。まぁ仕方ない事か。ハンカチ持ってるかい?」
八「持ってき忘れたよ」
材「だったらこれを君に授けよう。重宝するといいさ」スッ
八「おぅ、あり…………!?」
材「どうしたんだい? 八幡くん?」
八「おおおおおま!? こんな高そうなもんどうしたんだよ!」
材「あぁ、これかい。これは」
由「やっはろー、義輝とヒッキー」
八「!?(今材木座を名前で)」
材「おや、これは可憐な花の香りがすると思ったら、結衣じゃないか」
八「」
由「あれー、ヒッキーなんで義輝に上げたハンカチ持ってるの?」
材「いや何分大量の汗をかいていたのでね。手持ちのハンカチを彼に貸したのだ」
由「えー、義輝やさしー! そこに痺れちゃうし憧れちゃう」ギュッ
材「お、おい結衣やめろって///」
由「義輝大好き!」
>>8
ありがとう、がんばるまん
雪「」
八「わかる、気持ちは分かる。だからそのマグカップで俺に殴りかかろうとしないでくれ」
雪「ゆ、由比ヶ浜さんもどうしたのかしら。様子が変ね」
八「それはこっちのセリフだ。だがこれは奉仕部にとっての大問題じゃないか」
雪「あら、辞めてくれるの? あなたの責任じゃないのに」
八「おい、俺のせいにするな。続けるぞ」
八「お、お前ら仲良かったっけ?」
材「なぁにを言っているんだい、八幡くん。もしかして焼きもちというやつかな?」
由「かなかな!?」
八「うぜぇ………」
葉「おはよう、今日も暑いね」キラリン
由「あ、隼人くん。やっはろー」
八「………」ジトッ
葉「ヒカタニくん、そんな顔で見れないでくれないか」
八「うるせぇ、元々そういう顔なんだよ」
葉「あ、材木座。ちょうどいいところに」
八「(シカトかよ)」
材「ん、何用か」
葉「この前借りたCD良かったよ。お礼に俺のおすすめ貸すよ」スッ
材「おぉ、これはすまない。いや何、同志は多くてこちらとしてもありがいことだ」
八「何貸したんだよ………(どうせアニソンとかだろ)」
材「クラシックと今話題の洋楽、そしてJ-POPだが
雪「比企谷君、暑くて頭が腐敗しているのね。可愛そうに」
八「してるわけねぇだろうが」
雪「あ、元々だったわね。失礼なこと言ってしまって本当にごめんなさい」
八「心から謝ってねぇだろうがそれ」
雪「なに不満?」ギロッ
八「いや、なんでもないっす………」
雪「それでもう戯言はおしまいかしら。私、あなたと違って忙しいのだけれど。もうこれ以上友人の自慢妄想話に付き合っていられないから」
八「おい、あいつと俺は友達でもなんでもねぇ」
雪「あら、同じ匂いがすると思ったのに」
八「やめてくれ、一緒にするな」
八「あーと、そういや材木座がこっちに来るらしいぞ。なんか依頼したいことがあるって」
雪「」
八「そんな嫌そうな顔しないでくれよ。俺も嫌なんだから」
コンコン
雪「どうぞ」
ガラガラ
材「やぁ、八幡くん。そして雪ノ下さん」キラキラッ
八・雪「「」」
雪「で、何か用かしら」
材「あぁ、そうだったね」キョロキョロ
材「ここには由比はいないよね」
雪「(あなたの言う通りね)」
八「(だから言っただろ? 少しは信用しろよ)」
雪「(まぁ……さっきの言っていたことは信じるわ。あと近いから離れて)」
八「(……お前なぁ)」
材「ん? 今日も君たち二人は元気だな。結構結構、人という字は支え合って生きる、と聞いたことがある。これには幾ら僕でも賞賛の言葉しか出ない。素晴
らしき言葉だ」
雪「そ、そう」
雪「で、相談というのは何かしら?」
材「いや実はな」
材「由比と三浦さんにラブレターが送られてきたんだ」
八・雪「「」」パリーン
八「で、お前は俺たちにどうしてもらいたいんだ?」
材「この二人の告白を彼女たちが傷つかないように断る案を見繕ってほしいんだ」
八「カイサーン」
材「む、何故そのようなことを言うのか。僕は疑問でならない」
雪「証拠はあるの? あるんだったら見せて頂戴」
材「ほれ、これだ」スッ
八・雪「「ほ、本物だ」」
材「しかし、一人の女性から告白されるのは多々あったが、二人いっぺんと言うのは僕の人生の中でなかったことである。だがね、僕は今付き合いたい女性も
いなければ、付き合う対象の女性もいないのだ」
八「もったいねぇな、どっちでもいいじゃねぇかよ付き合うってんならよ」
雪「比企谷君、こんなことで嫉妬してるなんてあなたどれだけ腐ってるの。そろそろ腕でも溶けるんじゃないかしら。むしろその経過を見たいものだわ」フッ
八「おい、人をゾンビ扱いしてんじゃねぇぞ」
材「それで僕はどうすればいい? 出来る限り、彼女たちを傷つけずに今の関係性を保ちたいんだ。いや、虫のよすぎることをいっているのは分かる。自分の事なのに他人に擦り付け、意見に耳を傾けているというのが、全くもって腹立たしい。実に腹立たしい」チラチラ
八「(最も腹立たしいのは、その面でチラチラこっち見てくることだけどな)」
雪「分かったわ、ただ即座に答えを出せると言うわけではないの。こちらも力の限り、バックアップしていくつもりでいくわ」
材「うむ、よろしく頼む」
雪「さて、どうしたものかしらね」
八「しかし、三浦はともかく由比ヶ浜がねぇ………。この世界が狂っちまったのかねぇ」
雪「あら、現実から目を離してばかりでろくに友達も作れない。そして挙句の果てにはこの世界のせいにするのね、もう‘腐’以外出る言葉がないわ」
八「やめろ、これ以上は。俺は繊細なんだ」
雪「壊れる姿が見てみたいわ」ゾクゾク
八「(まずい、話を逸らそう)」
八「しっかし、材木座の奴。どうしてあんなに葉山チックになっちまったんだろうな」
雪「そうね、しかも彼以外にも三浦さんや由比ヶ浜さんまで、彼になびくなんて」
八「うーん、これ以上考えてもラチが明かねぇ。今日はこれでお開きにして、明日話し合おうぜ」
比企谷家 夜
小「お兄ちゃん、ご飯だよ」
八「んー」
八「そういや、今日材木座がモテてよー。有り得なくないか、アイツがモテてるの」モグモグ
小「え、お兄ちゃん何言ってるの?」
八「え、何が?」
小「材木座さんがモテてるのなんて、誰もが知ってる話でしょ?」
八「ど、どういうことだ?」
小「私の学校の友達も多いんだよー? 今日材木座先輩見ちゃったーとか義輝様今日もお元気かしらーとか」
八「」
小「小町的にはお兄ちゃんが一番だけどねー」
八「………小町」ジーン
小「あ、今の小町ポイント的に高かったりする?」
八「俺の感動を返せ」
自室
八「(どういうことだ、小町まで浸食されているだと? これはテロか何かか?)」
八「(俺と雪ノ下はなんともない。だが、葉山や三浦、それでもって由比ヶ浜まで材木座にへばりついてやがる)」
ポロッ
八「(ん、小説が落ちた………)」スクッ
八「(タイムトラベル………、そういや中学の時にハマってたなぁ)」パラパラ
八「(うわ、汚い字で確率変動だとか書いてやがる。うぅ、昔の俺はどこまで黒歴史を作っていたつもりだ………、ん? 待てよ)」
八「(確率変動………、たしか材木座はいつも着ているコートを今日は着てこなかった。捨てた、とか言ってたよな。でもなんで今日に限って着て来なくて、
あんなにアイツがモテてたのか)
八「(もしかすると、いやありえねぇ。だがやってみる価値はありそうだな)」ポチポチ
八「もしもし、材木座。明日なんだがよ」
翌日 放課後 屋上
雪「こんなところに呼び出して、自殺でもする気なの?」
八「しねぇよ、どんな奴だよ。ここに呼び出したのは今回の依頼の件だよ」
雪「あら、名案でも閃いたの?」
八「あぁ、イチかバチか、ってところだがな」
雪「それでどのようにしてやるのかしら」
八「憶測だが、材木座たちが変わっちまったのはあの暑苦しいコートを着なくなったからだ」
雪「は?」
八「まぁ、突拍子もないことを言っているのは分かる。けどな、よく考えてみろ。材木座がコートを着てこなかった昨日、あれだけ嫌っていた由比ヶ浜たちがなぜ材木座にピッタリだったのか」
雪「その原因がコートだと言うの? 馬鹿馬鹿しいわね」
八「俺もそう思ったさ。けどな? 確率変動と世界線って言葉聞いたことないか?」
雪「……私帰るわね」
八「待て待て! そう焦るなって。材木座がコートを脱いだ、そんでもって周りが変わった。他のことをアイツはしていない。仮にだ、材木座のコートをまたアイツが着たらどうなる?」
雪「皆が戻るというの? 有り得ないわ、そんなこと」
八「やる価値は十分にあるとは思うが」
雪「………、まぁ由比ヶ浜さんたちが来たら戻るわ」
ガチャンッ
八「来た!」
ノッシノッシ
材「ふぅむ、同志め。我に話というのは何用か。ぐぼぼぼぼ、しかしようやく我に忠誠をするようになったのは懸命だと褒めるべきだな、ぐぼぼぼぼ」
八「体型が!」
雪「元に戻っている!?」
由「中二これ以上近づかないで。キモイ。でも、なんの用だろうね優美子?」
優「知らないよ、あーしは由比が来てくれって言ったから来ただけだし」
雪「どういう、ことなの? 何が起こっているの?」
八「い、いや俺にもさっぱりだ。だがもしかすると、違う世界線と確率変動から過去の人物が材木座に憑依した……?」
材「むっ!? その声は八幡!? 何故この場所に呼び出したのか聞こうではなかろうか、ぐぼぼぼぼぼ!!!」
由「きっも、でヒッキーなんの用なの?」
八「まぁ、細かい話は後だな」
雪「そうね」
完
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