※注意※
・アイドルがギャンブルを行います。コアなネタ知識も少しあります。
・今回はアニメ設定を一部流用、改竄します
・今回はアニメ設定を一部流用、改竄します(2回目)
・なので、苦手な方は推奨できません。ご了承ください
・今回はポーカー、「テキサスホールデム」です。ルールは簡略化します
・キャラ崩壊
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1430197998
新田美波(19)
アナスタシア(15)
******
(■日前 346プロダクション)
モバP「例のプロジェクトの件、二人も既に聞いてると思うんだが…」(以下P表記)
P「そのことについて、何か思うことがあるか?」
アーニャ「ダー、私個人としては、やってみたいと、思います」
アーニャ「新人ですし、テルヴェジェンテ…、正直に言うと、かなり、不安ですが…」
美波「……」
P「そうか、美波は?」
美波「…私は、その、まだ、よくわからないです…」
美波「……」
P「わかった。けど、あえて俺から言わせてもらうと、俺は今回の企画参加には反対だ」
美波「…!」
アーニャ「プロ、デューサー…?」
P「お前達はまだ未熟すぎる。まだ機会はあるんだ、焦って失敗することは無い」
P「とりあえずこの業界に馴染み、知識と技術をある程度身につけてからでも早すぎるということは決してない」
P「今のお前達を考慮してこその、俺の考えだ」
アーニャ「……」
美波「……」
P「まだ時間はある。来週までに改めて、お前達それぞれでまとめた考えを聞かせてほしい。それまではいつも通り通常レッスンに励んでくれ」
アーニャ「…はい」
美波「……」
******
‐‐‐
(346プロダクション 事務室)
レナ「お疲れ様、プロデューサーさん」
P「ああ…レナさん、お疲れ様です」
レナ「…プロデューサーさん、失礼かもしれないけど、すっごい疲れてる顔してるわよ?」
P「ハァ…最近は散々な目に逢ってる気がします…」
P「先日のレナさんとのブラックジャックを皮切りに……」
******
比奈『プロデューサー、朝一穢れを追っちゃたんスね…?』
ベテトレ『とりあえず日経新聞を購読しよう、あとパソコンも2台は持つこと』
菜々『うあああー!そこ、そこだって! なんでインに……あ、あ”ーーも”う”っ!!』
******
P「脱衣麻雀からの、比奈とのパチスロ、ベテトレに教わったデイトレード、菜々さんとの競馬…」
P「全てが絶不調。財布のみならず魂までもが円環の理に導かれそうになりましたよ。最近は何をやっても正反対だ。そろそろギャンブルも卒業かな…」
レナ「(負の連鎖ね)」
レナ「じゃあプロデューサーさん、来週、ちょっと付き合わない?」
P「?」
レナ「今度、都内のバーで『テキサスホールデム』のイベントがあるんだけど、一緒にどうかな?」
P「……テキサスホールデムなら、結構自信はあります」
レナ「あら、じゃあ」
P「でも、すみません、実は週末までに済ませないといけない案件がありまして、ちょっと厳しいんです」
兵藤レナ(27)
レナ「それって、今西部長がおっしゃってた『シンデレラ・プロジェクト』かしら?」
P「はい。あの武内君を代表マネージャーとして複数名の新人アイドルを育成・デビューさせる大型企画なんですが…」
P「まだ枠が結構余っていてですね、色々と調整しているんですよ」
レナ「難しいわよね、そんな複数ユニットだと管理も大変だろうし、何より相性も大事だし」
P「なにより新人の集まりは色々と問題を起こしやすい。ま、俺はその運営に直接関わらないから、イベント設営と挨拶回りの補助くらいなんですけどね」
P「それで、俺の担当の新田美波とアナスタシア…知ってます?」
レナ「顔くらいなら知ってるわ」
P「まあまだ一ヶ月の候補生のペーペーですがね。武内君が是非彼女らを、と」
レナ「それ、どうなの?」
P「難しいですね。武内君は仕事は出来るし、先見の明もあるほうだ。信頼してはいいとは思うんですが、俺には正直早すぎると思うんです」
レナ「…ふーん?」
P「厳しいですが、彼女達には先送りを勧めましたよ。焦らずとも、そのプロジェクト以外にもまだまだチャンスはある。今はまだ、彼女達には実力が圧倒的に足りない」
レナ「『実力』、ねえ。本人達の反応は?」
P「五分五分ですね。慎重になり過ぎるのもダメだとは思うんですけど、あれほどの芽を潰してしまうのは本当に惜しい」
レナ「で、プロデューサーさんは安牌を取るわけね」
P「何を取っても賭けごとに例えますね」
レナ「私の自論だけど、人生はギャンブルよ♪」
レナ「ねえ、プロデューサーさん…?」
P「…なんでしょう」
レナ「やってから後悔するのと、やらないで後悔するの、あなたはどっちがいい?」
P「それは、彼女達のことですか?」
レナ「違う、あなた本人なら?」
P「俺なら……どちらでもないです」
P「やるからには後悔しない、ですかね」
P「自分の選択には自信を持ってほしい。選択を後悔するのは、自分を否定することになる」
レナ「そう…」
レナ「差し出がましいかもしれないけど、彼女達に対してもう少し優しい切り口があったんじゃないの?」
P「俺、頭が固いし、不器用かもしれないです。それでも」
P「アイドルをプロデュースする身としては、そう簡単に言えない言葉もあるんです」
P「俺だって、彼女達の意思を尊重させてあげたくないわけではないんです…」
レナ「……損な役回りね」
P「そういう側面もこの業界にはあるってだけですよ。俺は実際この仕事、すごい楽しいですから」
一応前作↓
モバP「ギャンブルですか?」兵藤レナ「ええ」
モバP「ギャンブルですか?」兵藤レナ「ええ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429428765/)
モバP「ギャンブルしましょう!」楓&早苗&レナ「ふふふ…!」
モバP「ギャンブルしましょう!」楓&早苗&レナ「ふふふ…!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429759408/)
‐‐‐
(4日後)
ガチャ
P「お疲れ様です」
裕子「お疲れ様です! プロデューサー!」
P「ん、何やってんの? ポーカー?」
レナ「そうよ、例のイベントは明後日なの。ちょっとユッコちゃんにポーカー付き合って貰ってたの。プロデューサーさんもどう?」パラパラ
P「ドローポーカーか。もう少し人数がいれば面白いテキサスホールデムでも出来るんですけどね」
レナ「あら、3人でも十分じゃないかしら? もちろん、ノーリミットでね」
裕子「ふっふっふ…! 私のサイキックパワーがあれば、なんであれ全戦全勝ですよ!」
P「うわー、いいなー。超能力さえあれば一生稼げるな、イカサマじゃないんだし。羨ましいなー。ユッコ、今度マジックの番組出てみるか?」
裕子「ぜ、是非出たいです! そしてプロデューサーもポーカーやりましょう、ね?」ズイ
堀裕子(16)
ガチャ
美波「お疲れ様です」
アーニャ「お疲れ様です、プリヴェート、こんにちは、ユウコ、レナ」
裕子「お疲れ様です!」
P「お疲れ。レッスンの調子はどうだ?」
美波「はい、最初に比べて皆さんについていけるようになりました。午後からは発生練習です」
P「いいじゃないか、ベテトレも褒めていたぞ。二人の成長は目を見張るものがあるってね」
アーニャ「ヤー、スタラーユシ。午後からも、もっともっと、頑張ります!」
レナ「じゃあ二人とも、それまで暇かしら? 今からトランプをやるんだけど、よろしければどう?」
P「テキサスホールデムっていうポーカーなんだが、知ってるか?」
アーニャ「ポーカー! 是非私も、やりたい、です!」
P「おお、乗り気だな。アナスタシアは自信アリか?」
アーニャ「はい、昔、パパとよくやっていました。ロシアでは、エスポーテ、大々的に、スポーツと同じように、国民に親しまれていマス」
美波「そうなの? ポーカーが…スポーツ?」
レナ「本当よ。少し前、ロシアではカジノ規制でギャンブルやカジノ施設は大幅に縮小されたんだけど、ポーカーは洗練されたスキルや体系化された理論などを要するとして、ギャンブルと切り離して公的にスポーツとして認められたのよ」
P「初めて聞きました。流石は米国と対をなす大国ですね。やることが突飛だ」
レナ「まあ、欧州の経済事情は相変わらず火の車だけど、それでも彼らの前向きな精神は日本人も見習うところがあるんじゃないかしらね。日本もカジノ合法化とか最近話題になったけど、難しいかしらね」
裕子「ふむふむ、つまりロシアではポーカープレイヤーが沢山いるってことですね!」
アーニャ「美波は、どうですか?」
美波「私はポーカーなら出来ますけど、うーん…テキサスホールデムはやったことがないです」
レナ「うん? ドローポーカーが出来るならテキサスホールデムも余裕で大丈夫よ。ほとんど一緒だから」
美波「そうなんですか?」
P「息抜きになるか分からんが、どうだ? 次のレッスンまで時間あるんだろ?」
美波「はい、ではよろしくお願いします」
‐‐‐
アーニャ「ハラショー! レナ、素晴らしいです!」
美波「わあ! レナさんって以前何かされていたんですか?」
レナ「以前はラスベガスでディーラーをやっていたの。これくらい少し練習すれば出来るわよ♪」サラッ
レナ「~♪」サラッ
裕子「魔法のようです! まさに職人技ですね!」
P「……」
P「レナさん、それ、実は俺も出来るんスよ」チャラッ
レナ「あら、じゃあ貸すわ」
P「俺だって大学生の時、サークルで新歓の時とかに、余興で色々やったり…!」バララララッ
P「したんですよっ! ホラ、どうですか!?」バラララッ
レナ「…確かにスゴいけど、カードが痛みそうだわ…」
P「あっハイ…」
美波「私の先輩も前にやってました。部室でマジックとかも見せてくれたり」
P「ア、ソウナノ?」
レナ「いるわよね、大学生で、手品とかルービックキューブとか、あと大道芸的な特技で女子の話題を引こうとしたりする男子」
裕子「ほうほう、じゃあ私も、一流のエスパーとしての美技をですね…!」
アーニャ「プロデューサー、お見事です!」
P「あ、ありがとうね…」
P「(消えたい)」
レナ「じゃあテキサスホールデムについて、簡単に説明するわね」
美波「はい、よろしくお願いします」
レナ「日本ではポーカーといえばドローポーカーを思い浮かべる人が多いけど、アメリカとかではテキサスホールデムを思い浮かべる人が多いとも聞くわ」
美波「やっぱり、アメリカでは人気なんですね」
P「定期的に大会も開かれているんだが、優勝者には何十億もの賞金が手に入るものもあるんだ」
裕子「へええ…まさにアメリカンドリームってやつですね」
レナ「やり方は簡単よ。ドローポーカーと違ってカード交換は出来ないし、プレイヤーの手札は2枚しかないの」
レナ「けれど、それとは別にコミュニティカードと呼ばれる場札が5枚あるの。その合計7枚から5枚を使って役を作るのがテキサスホールデムよ」
レナ「あと、4回のベッティングラウンドがあるわ。ラウンドの名称を覚える必要はないけど、まず第1ラウンドはプリフロップと呼ばれていて手札の2枚を配って各自見る、次の第2ラウンドのフロップでは場札を3枚オープン、あとの第3第4ラウンドのターンとリバーでは残りの2枚を1枚ずつ開けていくのよ」
レナ「最後はショーダウンね。手札をオープンして、役を競い合うの。ここで一番強い手役を作った人が勝利となって、皆から賭けられたチップを全部独り占め出来るわ」
レナ「ここまでは大丈夫かしら?」
美波「はい、手札と共通の場札の7枚のうち5枚を使って勝負するんですね。ラウンドは全部で4つあって、ラウンドが進むにつれて、どんどんコミュニティカードがオープンしていく。最後は手札をオープンして勝負…」
レナ「うん。また、プレイヤーはラウンドごとに周囲のプレイヤーの状況を見極めて、1人ずつ順番に行動ができるわ。勝負をフォールド(降りる)したり、更に賭け金を上乗せして強気に勝負したり、とりあえず同額を賭けつつ様子見してたりね」
P「そのプレイヤーのベッドアクションは色々あってな、チップを賭ける『ベット』、ベットの2倍以上賭ける『レイズ』、前のプレイヤーと同額賭ける『コール』、その勝負を降りる『フォールド』、チップを賭けないで様子を見る『チェック』がある」
P「チェックは誰かが既に賭けていたら、同一チップを既に賭けている時以外はチェックが出来ないから注意な。アクションは大きな声でちゃんと言うこと、いいな」
裕子「はいっ! わかりましたっ!!」
※アクションまとめ
・ベット…一番最初に賭けを行う人が取るアクション。チップを賭ける。以降賭ける場合はレイズかコールのみとなる
・レイズ…強気で賭けるアクション。前の人の2倍以上を上乗せする。
・コール…前の人の同額を賭けるアクション。とりあえず勝負に乗る時によく行う。
・チェック…チップを掛けずに様子を伺う。誰かがベットした場合は行えない。あるいは既に前者のベット額と既に同じ額をベットしていた場合はチェックが可能。
・フォールド…勝負を降りる。どのラウンドでも降りる事が出来る。
レナ「これは今は無理して覚えなくてもいいけど、ディーラー(D)から基点に時計回りでスモールブラインド(SB)とビッグブラインド(BB)というポジションがあるわ。この2人は強制ベットよ。この役割を皆で試合毎にローテーションするわ」
レナ「それで、実際ゲームが始まってアクションを最初に行うのは、BBの左隣からになるわ。これはアンダーザガンとも呼ばれるわね。ラウンドが移って、Dを基点として時計回りにアクションを行うわ」
美波「なるほど…D、SB、BBは順番周りの基準みたいなものですね。最初のラウンドはBBの隣から時計回りにアクションを起こして、次のラウンドは、Dの左隣から時計回りにアクション…ですか?」
レナ「そう。SBとBBは必ずチップを賭けないといけないんだけどね。で、BBは最低基準レートとなるわ。だいたい説明は以上よ。美波ちゃんの理解が早くて助かるわ」
美波「あの、ラウンドはどのタイミングで移るんでしょう?」
レナ「全員が同じ額をベットしたらよ」
P「まあ少し複雑かもしれないが、やってみたらすぐ慣れる。じゃあ早速…」
裕子「一応全員、チップを賭けるんでしたよね? それは現金ですか?」
P&レナ「(あー…)」
P「よし、ちょっと待ってろ…」ガサガサ
レナ「…?」
P「チップ代わりにこれを使おう。レアメダルだ」ドン
アーニャ「レア…メダル…?」
裕子「わわ、スゴイ量ですねえ!」
P「営業成績に応じて毎月上から支給されるインセンティブ、臨時報酬だな。このプロダクション内で販売しているドリンク製品や割引券など、様々なものに交換できる。カフェやエステ割もあるぞ」ジャラジャラ
P「この量だと…そうだな、ドリンクが100本近くは買えるかな?」
P「今回1位には、特別にこのチップを全部あげよう!」
レナ「あら、気前いいのね♪」
P「ふっふっふ…、レナさん、言いましたよね? 俺このゲームには自信あるんです」
P「勝算なしに無い袖を振るうようなことはしませんよ!」ドヤッ
レナ「(セコい…)」
美波「でもそれじゃあ、プロデューサーさんだけが損をするかもしれない…。私達も何か賭けないと、少し申し訳ない気が…」
P「ほほう、新田先生、ぶん盗る気満々ですな?」
美波「そ、そんなつもりは…」
P「ごめんごめん、冗談だよ。美波は優しいな。そうだなあ、それなら…んー…」
P「……!」
P「……」
P「それなら、お前達2人の未来を賭けてみないか?」
美波「…!」
アーニャ「それって…!」
P「俺がこの勝負に勝てば、お前達の今後のアイドル生活は今まで通り、俺がプロデュースする。けど、もしお前達が勝てば……」
P「346プロダクションきっての大型企画『シンデレラ・プロジェクト』の参入を認めてやろう」
レナ「……」
裕子「スゴイ! あの企画に二人とも参加するんですか!!」
P「期限は明日って言ったよな。なら早い所、今日中に決めちゃおうか。もし参加の意思があるなら、全力で勝負して来い」
P「言っとくけど、俺は強いからな? やめるなら今のうちだぞ?」
美波「……ッ…」
アーニャ「私は…っ!」
アーニャ「私は、勝負します!」
アーニャ「プロデューサー、あなたにスカウトされて、嬉しかった、です。不満があるわけでもないです。今、とても、楽しいです!」
アーニャ「けど、大きな、可能性があるなら…私は、それに、賭けてみたい……です」
P「よし、いいよ。勝負だ」
美波「………」
裕子「ふむ、なにやらお互い譲れないものがあるようですね! 私も燃えてきましたよ!」
レナ「じゃあ最初のDは私、SBが裕子ちゃん、BBがプロデューサーさん、次が美波ちゃん、アナスタシアちゃんね。カードを配るわ、始めましょうか」
レナ「チップは各自8000点スタート、まずはSB100/BB200のノーリミットでいきましょう」
美波「…」
美波「(私は……)」
知っている人も多いと思いますが一応。特に覚えなくても大丈夫です
※簡単に役紹介(↓に行くほど強い役)
・ハイカード、ブタ、ノーペア…役無し
・ワンペア…同じ数字のペアが1組
・ツーペア…同じ数字のペアが2組
・スリーカード…同じ数字のカードが3枚
・ストレート…5枚の数字が連続する
・フラッシュ…5枚のカードのスートが同一
・フルハウス…ワンペアとスリーカードが複合する
・フォーカード…同じ数字のカードが4枚
・ストレートフラッシュ…ストレートとフラッシュが複合する
・ロイヤルフラッシュ…「10、J、Q、K、A」の5枚でスートが同一
同じ役の場合は、カードの強さで勝敗が決まります。
強い順は、A、K、Q……3、2になります
※今回はスートをd(ダイヤ)、h(ハート)、s(スペード)、c(クラブ)と表記します
※コミュニティカードはCC、誰かの手札は【 】で表記します
(1回戦:第1ラウンド)
(D 兵藤レナ/SB100 堀裕子/BB200 P)
P【7s、Jh】
P「(…うーむ)」
P「(…これは無理だな)」
P「(テキサスホールデムというのは、ブタならフラッシュかストレートに役が絞れそうな場合以外はほぼフォールドが安全策だ。ワンペアでもローペアなら状況次第だな)」
P「(ブタから高い役を狙うのは、あまり賢いとはいえない。高い数字を持っているならワンペアやツーペアを狙って勝負するのも悪くはないし、最後に運に頼るのもこのゲームの醍醐味だけど…)」
P「(そもそも、このテキサスホールデムは特に、『役を作ること』に大きな比重を置きすぎては落とし穴に嵌るゲームだ)」
P「(ハイカード合戦になっても、少し微妙だけど……うーん…)」
美波「ふ、フォールドで」
アーニャ「コール、で」コトッ
レナ「コールよ」コトッ
裕子「ふむふむ、ここは降りましょう。フォールドで!」
P「よし、チェックで」
(1回戦:第2ラウンド)
CC【Kh、9c、3c】 P【7s、Jh】
P「(状況は好転せず…)」
P「ベット、200」チャリッ
アーニャ「コールで」コトッ
レナ「レイズ、400」チャリッ
P「(うわ…来たよレナさん…)」
P「(けど、そんなにレートを上げなかったな。なら今のレイズは『降りろ』という意味かな…)」
P「(初っ端からハイカード合戦も面白い…!)」
P「コール」コトッ
アーニャ「……」
アーニャ「コールで」コトッ
‐‐‐
(1回戦:ショーダウン)
CC【Kh、9c、3c、2h、6d】 P 【7s、Jh】
レナ「Ac、7h。エース、キングハイね」
P「やっぱりブタですか…」
P「7s、Jh。キング、ジャックハイです」
レナ「あなたもじゃない。しかも私の方が上ね」
アーニャ「3h、10s。3のワンペア、です」
レナ「」
P「」
P「(3のローペアであそこまで突っ張るか…やるなあ)」
レナ「(ひょっとして、この子、結構勝負師かも…)」
アナスタシア WIN!
美波「お、お二人とも、ノーペアのブタであそこまで突っ張ったんですか!?」
P「このゲームじゃ割とよくあるよ? 手札もまあまあな数字だったし」
レナ「そうね。でも本場のカジノでこれをやりすぎると、危ないかもね」
P「え…、どうなるんですか…?」
レナ「役ができそうな手配だったり、あきらかなブタでも、まあ…数回ならいいかもしれないけど、そればかりやってると、間違いなく嫌な目で見られるわ」
レナ「熱が上がってる人だと、暴言を吐かれたり、最悪の場合は乱闘騒ぎになるかも」
P「そんな無茶苦茶な…」
レナ「アナスタシアちゃんがさっき言ってたでしょう? 国によってはポーカーは神聖な競技として見ている所もあるのよ。中には…まあ、色々な意味で人生を賭けている人も稀にいるから、頭の隅に留めておくといいわ」
裕子「ふむ、つまりポーカーは奥が深いってことですね?」
(2回戦:第1ラウンド)
(D 堀裕子/SB100 P/BB200 新田美波)
美波【4h、4c】 P【Jh、5h】
アーニャ「コールです」コトッ
レナ「フォールドよ」
裕子「コールです!」
P「レイズ、400」ジャラッ
美波「うーん…、フォールドで」パタッ
アーニャ「では…コールで」
裕子「私もです!」
‐‐‐
(2回戦:ショーダウン)
CC【9h、10c、4c、6d、Js】 P【Jh、5h】
P「ショーダウンだ。Jh、5h。Jのワンペアだ。最後のラウンドで救われたよ…」
アーニャ「8のワンペア、です。ううん、悔しい…です」
裕子「2h、8sのノーペアです! あと一歩でストレートでしたのに!」
P WIN!
美波「(私が勝負していれば…スリーカードで…)」
美波「……」
(4回戦:第2ラウンド)
(D 新田美波/SB100 アナスタシア/BB200 兵藤レナ)
CC【7s、5s、kh】 P【7d、5h】 裕子【Js、2s】
レナ「チェックよ」
裕子「レイズ! 800です!」ガチャ
P「ほう、ユッコ、強気だな。フラッシュドローかな?」
裕子「!!」
P「レナさんはローペアって所だろう! なら俺もレ」
裕子「す、スゴいです! プロデューサー!」
P「……え?」
裕子「もしかしてプロデューサーも透視…いや、テレパシーでも使えるんですか!? よく私がフラッシュ狙いって分かりましたね!!」
レナ「」
P「フォールドで」パタッ
レナ「…フォールド」パタッ
裕子「あーっ! なんでですか!? なんで勝負してくれないんですか?!」
堀裕子 WIN!
レナ「プロデューサーさん、ああいう口頭ブラフのような行為は絶対にダメよ?」ビシッ
P「はい…本当にすみません。気をつけます。まさかあんなことになるとは…」
美波のスリーカード
4h4c4c?
>>27
完全にミスです。すみません…訂正します
■■■■■■
ミスの指摘ありがとうございます
●訂正>>25
CC【9h、10c、4c、6d、Js】→CC【9h、10c、4d、6d、Js】
■■■■■■
(10回戦:第1ラウンド)
(D アナスタシア/SB100 兵藤レナ/BB200 堀裕子)
P「フォールド」パタッ
アーニャ「(プロデューサーは自分の番が最初の方だと、不利だから高確率で降りてきますね…)」
アーニャ「(テキサスホールデムは…順番が後ろの方だと、状況を見極めやすいから有利だと、パパから聞いたことがあります)」
アーニャ「(けど、勝負をすると思ったら、役無しのハイカードばっかりです)」
アーニャ「(何が狙いでしょう…?)」
‐‐‐
(16回戦:第1ラウンド)
(D 兵藤レナ/SB100 堀裕子/BB P)
アーニャ【10s Ks】
美波「フォールドで」パタッ
アーニャ「コール、します」チャリッ
レナ「フォールドよ」
裕子「フォールドです!」
P「レイズ、400」ジャラッ
アーニャ「!」
アーニャ「(プロデューサーが、勝負を…。またブラフでしょうか、でも…)」
アーニャ「(この手札なら、いけそうな気がします)」
アーニャ「…コールで」ジャラッ
(16回戦:第2ラウンド)
CC【10d、8h、4c】 アーニャ【10s Ks】
アーニャ「(…!)」
P「ベット、400」
アーニャ「レイズ、800、です」ジャラッ
P「(おおぉ、強気にくるなあ…)」
P「レイズ、1600!」ジャララッ!
アーニャ「…!」
アーニャ「(…もしかして、プロデューサーもいい手が……)」
『言っとくけど、俺は強いからな? やめるなら今のうちだぞ?』
アーニャ「…」
アーニャ「…コール、です!」ジャラッ
(16回戦:第3ラウンド)
CC【10d、8h、4c、Kc】 アーニャ【10s Ks】
アーニャ「(やった…これで、ツーペアが…!)」
P「チェックで」ポンポン
アーニャ「チェックです」
(16回戦:第4ラウンド)
CC【10d、8h、4c、Kc、As】 アーニャ【10s Ks】
P「チェック」ポンポン
アーニャ「チェック、です」ポン
アーニャ「(これなら…、いけます)」
(16回戦:ショーダウン)
CC【10d、8h、4c、Kc、As】 アーニャ【10s Ks】
アーニャ「10s、Ks。ツーペアです」
P「Ad、Ac。スリーカードだ」
アーニャ「あ……」
P「ふう、ギリギリ俺の勝ちだな」
アーニャ「うう…ジャーリ、残念、です」
P WIN!
レナ「(…)」
レナ「(最初の勝負から感じていたけど、アナスタシアちゃんは結構グイグイいくタイプね。直情的…というか、表情にはおくびにも出さないけれど、状況に流され感情的にプレイしてしまう時が多い)」
レナ「(そういう人は多くの場合このゲームでは……言い方は悪いんだけど、いい『カモ』にされるわ)」
レナ「(プロデューサーさんは、一見ふらふらしてるように見えるけど、不利な勝負はちゃんと降りて、勝てる見込みの勝負は乗ってくる。典型的なタイトアグレッシブなプレイスタイルかと思えば、高いチップを上乗せしてブラフを掛けて揺さぶってくる時が多々ある)」
レナ「(見極めが難しいルーズな所もある、やりにくい相手ね。アナスタシアちゃんはそれにすっかり捕まってしまっているわ)」
レナ「(テキサスホールデムは確かにポーカーの一種だけど、ドローポーカーのように手役だけに拘っていては勝てないゲーム。『役を作ること』に囚われていては、簡単にチップを失ってしまう)」
レナ「(このゲームのコツは3つ。1つは、冷静になる事。相手のプレイスタイルを観察して、状況を見極める事)」
レナ「(BBの時に強気に被せてくる勝負師、手役が強い時だけ確実に勝負してくる堅実派、チェックを多用し終盤にレイズして相手を降ろしチップを稼ぐ計算家、ブラフを掛けつつ相手を乗らせて漁夫の利を狙う傍観者…。プレイヤーの相性を見極め立ち回る事が出来れば、このゲームでは非常に優位に立てる)」
レナ「(2つめは、しっかりとゲームを降りること。簡単なことだけど、場の雰囲気に流されて、自制することが難しい時がある)」
レナ「(とにかく降りて、勝負をしなければ負けることはない。引き際が上手い人は、このゲームではチップをあまり減らさず、確実に長く生き残る事が出来る。降りるのは逃げではなく立派な戦法。アナスタシアちゃんにはこの認識が少し欠けている)」
レナ「(…といっても)」
レナ「(賭けの内容がシンデレラ・プロジェクトへの参加だなんて、それだったらアナスタシアちゃんも勝負に行きたくなるわよね…)」
レナ「(何を考えてるのかしら、プロデューサーさん…?)」
‐‐‐
美波「(あれからゲームは白熱して…)」
美波「(持ち点は一気にプロデューサーに傾いて、アーニャちゃんは果敢にプロデューサーさんと勝負するんだけど、飄々と避けつつ点を稼ぐ立ち回りに翻弄されて上手く展開を握る事が出来ず…)」
P:16500
兵藤レナ:8600
新田美波:6100
堀裕子:4800
アナスタシア:4000
アーニャ「うぅ……厳しい、ですね…」
裕子「むむむ…私の超能力がプロデューサーに通じません…!」
レナ「(私は控えめにプレイしているけど、それでもプロデューサーさんのワンサイドゲームね…)」
レナ「…」
レナ「プロデューサーさん、ちょっと2人に部屋の外でアドバイスしてきて良いかしら?」
P「ええ、構いませんよ?」
レナ「じゃあアナスタシアちゃん、美波ちゃん、いいかしら?」
美波「は、はい!」バッ
裕子「レナさん、私にも何か乾坤一擲なアドバイスを!!」
レナ「そうね、やっぱり普段から馴染みがあって気合が入るような物を身近におけば、運気も上がるんじゃないかしら?」
裕子「なるほど! あ、それってつまりアレですね! 今持ってきます!」ダッ
‐‐‐
(346プロダクション 事務室前廊下)
アーニャ「なるほど…冷静さと、降りること…です、か」
レナ「ええ、もしここから本気で逆転を狙うなら、ここぞという場で熱くならず、彼の手をよく読んだ方がいいわね。私もフォローするから」
美波「あ、あの」
レナ「?」
美波「今回の賭けの内容は、私とアーニャちゃんの問題です。どうしてレナさんがそこまで…」
レナ「…美波ちゃんは全然勝負に行かないけど、それはつまり『シンデレラ・プロジェクト』の参加には消極的…ということかしら?」
美波「そ、それは…」
美波「……っ…」
レナ「…本当の気持ちは、アナスタシアちゃんと一緒なのよね?」
美波「……!」
アーニャ「美波…そうなのですか…?」
美波「……」
レナ「…」
レナ「テキサスホールデムのコツ、3つめはね…?」
アーニャ「はい…」
レナ「簡単よ。ブラフを掛けること。低い手ほど、強気に掛けて手役を大きく見せる。高い手ほど、弱気に見せて相手を引きつけチップを奪う。状況が切迫して、場に現実味が帯びてくるほど、ブラフはより効果的に働くわ。ただ、これを実行するには、『勇気』を持つこと」
美波「で、でも…、もしブラフが効かなくて、相手に読まれてしまったら…」
レナ「負けるわね」
美波「え…?」
レナ「諦めるしかないわ。ブラフが効くか否か、勝つか負けるか、何が起こるか分からない。それに身を委ねるのが『ギャンブル』なのだから。負けた事実は受け止めるしかないわ」
美波「そ、そんな…」
レナ「ねえ、美波ちゃん。これは自論だけど、ギャンブルと人生って似てると思わない?」
レナ「ギャンブルには『もし』『たら』『れば』は存在しないわ。あるのは自分の行動と結果のみ。先が分からない未来に辟易して勝負を諦めたり、委縮して躊躇する時点で、私達ディーラーの世界では一流とは呼べなかったわ。それはこの世界も同じよ」
『(私が勝負していれば…スリーカードで…)』
美波「…」
レナ「ギャンブルも人生も、選択の連続よ。いつ自分にチャンスが巡ってくるか分からないのに、足踏みしていては始まらない。不貞腐れていても、誰かが納得のいく答えに導
いてくれるとは限らない。自分でチャンスを見つけて、自分で勝負をしないと、人生面白くないでしょう?」
美波「…私は、新人だし…」
レナ「勝負したいんでしょ?」
美波「でも、実力もない…不安で…!」
レナ「そうやって無理矢理自分を押さえつけて、後悔しない?」
美波「…!」
レナ「…プロデューサーさんが言ってたの。『やるからには後悔しない』って」
レナ「強い意志を持って、精一杯勝負をしたなら、どんな結果でも納得できるわ。勝負も努力もしないで立ち止まって後悔しているのが、どれだけ辛いか…」
レナ「…それに『実力』っていうのはね、実力があるから出来るのではなく、出来る事が実力なのよ。結果が全てではなく、結果は全てなの」
レナ「美波ちゃんの実力は、ここで立ち止まってしまうものなの? あなたもプロデューサーさんにスカウトされたんでしょう?」
美波「はい…」
レナ「それなら大丈夫。勇気を持って。自分に自信を持って、人生に可能性を求めなさい。そうすればあなた達はもっと輝くことができるはずよ」
美波「レナさん…」
レナ「なーんてね…」
美波「?」
レナ「人生観をギャンブルでしか測れない大人になっちゃダメよ? そんな博打をせずとも、コツコツと努力を積み重ねていけば、実を結ぶ結果は必ずあるのだから」
レナ「あなた達には私と違って『時間』があるのだから、選択肢も沢山あるの。これから頑張ってね」
レナ「もう一度言うけど、大事なのは、自分の選んだ一つのことを絶対に後悔しないことよ」
美波「はい…!」
レナ「……先、戻るわね。以前私が目を離した隙にイカサマをされた苦い思い出があるの♪」
美波「あ、あはは…」
アーニャ「…」
アーニャ「美波…、私も、同じです。新しい世界に触れるのは…とても、不安です。とても、怖いです」
美波「アーニャちゃん…」
アーニャ「でも、もっと、もっと…色々な景色を見てみたい、輝いてみたいと…」
アーニャ「そう…思っています」
美波「…うん!」
‐‐‐
裕子「プロデューサーさん、かの有名なアントニオ猪木はこう言いました…!」ムムムッ
P「うん?」
裕子「『力があるからチョーノー力』と! つまりそれは…フンっ!」メコォ!
P「…」
裕子「『超能力』は人間の力によってもたらされる何らかの変化…と捉える事が出来るのでは!? ほら、このスプーンみたいにっ!!」ドヤッ
P「あー、うん。突き詰めればそうかもね」
レナ「お待たせ。カードに細工とかしてないでしょうね?」
P「まさかー。相手のいない隙に小細工するなんて、ド三流のすることですよ!」
レナ「どの口がい・う・の・か・し・ら?」ギュウギュウ
レナ「(ちょっと勝ってるからって調子に乗って! 前までギャンブル卒業とか言ってたのにー!)」
P「ごごごごめんなはい! いはいいはい!!」
美波「お、お待たせしました!」
アーニャ「プロデューサー、もうひと勝負、お願いしますね」
P「待ってたぞ、さあ、勝負だ!」
P「シンデレラ・プロジェクトを賭けてな!」
美波「…!」
美波「はい! 美波、頑張りますっ!」
‐‐‐
アーニャ「(プロデューサーが勝負を仕掛ける時は、ハイカードで多額を被せるブラフか、初めから強い手を持っているかのどちらか…)」
美波「(あるいは、大勢がベットしている時は、最初は高確率で様子見で勝負に乗ってくる…!)」
アーニャ「(ただ、勝負人数とコミュニティカード次第で簡単に降りてしまう…)」
美波「(勝負を仕掛けるなら…、プロデューサーも本気で勝負に来る時…それは…!)」
‐‐‐
(36回戦:第1ラウンド)
(D 兵藤レナ/SB100 堀裕子/BB200 P)
P【Qd、Qh】
美波「コールです」コトッ
アーニャ「コールします!」コトッ
レナ「レイズ、400よ」ジャラッ
裕子「うーん…ここはフォールドで!」
P「(3人コールか……それに、美波が動いた。よし…!)」
P「レイズ、800だ!」ジャララッ
アーニャ「…!」
美波「(乗って、きた…!)」
美波「コールです!」
アーニャ「私も、です!」
レナ「…降りるわ、フォールドよ」パサッ
レナ「(頑張って、二人とも!)」
(36回戦:第2ラウンド)
CC【4c、5s、7s】 P【Qd、Qh】
P「ベット、800」ジャラッ
美波「レイズ、1600!」ドサッ
P「……!」
アーニャ「…降ります、フォールド」
アーニャ「(ジェラーユ、ユダーチ…美波…)」
P「(美波、俺とやり合う気か…!)」
P「いいだろう、コールだ!」
(36回戦:第3ラウンド)
CC【4c、5s、7s、8s】 P【Qd、Qh】
P「…チェック」
P「(こ、これは……)」
美波「私もチェックです」ポン
美波「(お願い…!)」
(36回戦:第4ラウンド)
CC【4c、5s、7s、8s、Qs】 P【Qd、Qh】
P「!!!」
P「(な、なんて場だ…!)」
P「(美波の手がもし、フラッシュかストレートなら…!)」
P「(いや…迷うな!)」
P「ベット、1600!」ドサッ
美波「……!」
美波「……っ」
『お前達はまだ未熟すぎる。まだ機会はあるんだ、焦って失敗することは無い』
『そんな博打をせずとも、コツコツと努力を積み重ねていけば、実を結ぶ結果は必ずあるのだから』
美波「…」
『強い意志を持って、精一杯勝負をしたなら、どんな結果でも納得できるわ。勝負も努力もしないで立ち止まって後悔しているのが、どれだけ辛いか…』
『私も、同じです。新しい世界に触れるのは…とても、不安です。とても、怖いです』
美波「……」
『自分に自信を持って、人生に可能性を求めなさい。そうすればあなた達はもっと輝くことができるはずよ』
『でも、もっと、もっと…色々な景色を見てみたい、輝いてみたいと…』
『そう…思っています』
美波「(私も決めたよ…アーニャちゃん…!)」
美波「(大事なのは、自分の選んだ一つのことを絶対に後悔しないこと…!)」
ドン!
美波「レイズです、3200!!」
P「なっ……!」
P「(うううっ……!!)」
P「っっ~~~!!!」
P「……っ」
P「…降りる。フォールドだ」パタッ
美波「!」
新田美波 WIN!
美波「や、やった!」
アーニャ「パズドゥラリーヤ! 美波、おめでとう!」
美波「…ありがとう! やったよ…!」
P「(や、やられた…!)」
P:11200
兵藤レナ:8800
新田美波:11700
堀裕子:5000
アナスタシア:3300
裕子「さて、次の勝負を…」
P「…あ」
レナ「…?」
裕子「んん…?」
アーニャ「…っ!?」
美波「ああっ!!」
ベテトレ「……」
美波「あ…ああ…」
P「(やべぇ…)」
ベテトレ「昼の休憩が終わっても一向に来る気配がないと、妹から連絡があったから心配になって探していたが…」
ベテトレ「午後からは私の、相当ハードなレッスンをお望みかな、新田、アナスタシア?」
美波「す、すみません!! 今行きます!!」
アーニャ「皆さん、途中ですが、し、シツレイしますっ!!」
ベテラントレーナー(26)
ドタドタドタ!
バタン!
ベテトレ「……!」
ベテトレ「プロデューサー、君もだ! 抱えるアイドルが多いのは分かるが、スケジュールくらい把握してくれ!」
P「す、スマン、以後気を付ける…うん…」
ベテトレ「全く…この前の恩を仇で返すとは…君も業が深いな」
P「は…、ハァ!? お前、それ株のことか!?」
ベテトレ「そ、そうだが…?」
P「お前が『株の上がり下がりを見極めるなんて、猿にダーツを投げさせて結果をみるようなものだ』とかデタラメを教えるから、あんなことに…!!」
ベテトレ「う、うるさい! その後ちゃんと丁寧に教えてやっただろう!?」
P「るせー! パソコン買うついでに対価以上の物を色々と要求しやがって!」
ベテトレ「な、なんだとぉ!! あ、あくまでそれは君の善意だろうがっ!!」
ベテトレ「というか、それ以前にだ! デイトレードにギャンブル感覚で手をつける君にも問題はあるのだぞ!!」
P「ぐ、ぐぬぬ…!!」
レナ「…何を要求されたのかしら」ヒソヒソ
裕子「ふむふむ、つまり安請け合いも、軽はずみな気持ちで新しい事にチャレンジするのも、悪い場合がある…ということですね!」ヒソヒソヒソ
レナ「そうね。未来は何が起こるのかわからない。悪いこともあれば、良いこともあるわ。それが『人生』だもの」
‐‐‐
(数ヵ月後 346プロダクション)
P「……♪」
レナ「お疲れ様ー。あら、それって?」
P「お疲れ様です。ラブライカのデビューシングルですよ。あれから彼女達はシンデレラ・プロジェクトの一員として本当に楽しそうにやってます」
レナ「そう。良かったわね。でも、ちょっと寂しい?」
P「……まあ多少は。けど、彼女らが成功して本当に良かった。発掘した俺も鼻が高い」
レナ「ねえ、プロデューサーさん?」
P「はい?」
レナ「あの時の賭け、もしあなたが勝っていたら、どうする気だったの?」
P「ああ、あの時のテキサスホールデムですか。アーニャは最初、美波は終盤でしたが、二人が真剣に勝負を仕掛けてきた時点で、俺は彼女らをプロジェクトに参加させる決意をしましたよ。勝敗は特に関係ありません」
P「あの時のアーニャと美波は、瞳に強い意志を宿していました。その意思を俺が曲げてしまうなんてこと、絶対にしませんよ」
P「この先も困難はあると思いますが、彼女達なら乗り越えられると、俺は信じています。賭けてもいい」
P「あの道を選んで、本当に良かった…」
レナ「ふーん…」
P「……でも、時々不安になるんです。レナさんは…」
レナ「こら、馬鹿なこと言わないの。私に気を遣わせたいの?」
P「す、すみません」
レナ「…なーんて。私、今とっても幸せよ? 後悔なんてしたことないわ」
レナ「やるからには後悔しない、でしょ?」
P「…そうですね。ありがとうございます」
P「まあ…しかし…」
レナ「?」
P「途中とはいえ、まさか負けるとは思っていなかったなあ…。あの時は本当にギャンブルはもうダメだ、と限界に感じましたね」
レナ「あらあら…でもそれはちょっと違うわ」
レナ「あの子たちのように、若い力っていうのは、なんでも出来ちゃうのよ。時には私達の想像を遥かに超えるようなこともね。…ちょっぴり、彼女らが羨ましいかな」
P「若い『力』?……つまり元気ですか…? じゃあ『超能力』とかも可能ですかね?」
レナ「それは……まあ、元気があれば何でも出来る……のかしらね…?」
おわり。ありがとうございました。
前回がふざけ過ぎたので、今回は比較的真面目に。
オチは途中に挟んでいたユッコの猪木ネタです。
余裕があったら次回も書きたいです。
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません