王子「いいじゃないか、せっかくエリザベスネイチャーロールに家を建てたんだから」hahaha
侍女「だからって自分の国の旗を小屋に立てないで下さい!」
王子「何故さぁっ、エリザベスネイチャーロールは新たな国民じゃないか!」フンスッ
王子「そしてこの超豪華な四階建て犬小屋は僕が一晩で作った」
侍女「そもそもウサギを飼うのに犬小屋は違います!!」
大臣「……今日も侍女長殿は大変ですなぁ」
王「毎日思うが、あれワシの甥っ子なのよな……」
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王子「侍女~、僕おなかすいたよぉ」バインッバインッ
侍女「お城の床をドルフィンキックで走らないで下さい、ビチビチと跳ね回って……」
王子「おなかすいたよぉ、おなかすいたよぉ」バインッバインッ
侍女「まだ食事には早いですよ」
王子「ちょっと城下町の牛乳屋行ってくるね!」バッ
侍女「待って王子やめてやめてココお城の最上階だから飛び降りないで」
王子「AHAHAHAHA☆ミ アディオォス!!」バッ……ドサァッ
侍女「王子ぃいいいいいいいい」
侍女「先日はお城から飛び降りて大騒ぎでしたけど、まさかあのまま牛乳を大量に買ってくるとは……」
王子「hahaha☆、まぁさすが僕だよね」グビグビグビ
侍女「一部はチーズにしろと仰せられたので、城の料理長が苦い顔をしてましたよ」
王子「まぁ良いじゃない、僕はたまにはチーズとか食べたいのさぁ」hahaha
侍女「……はぁ、まぁいいですけど」
王子「あ、侍女~」
侍女「なんですか」
王子「ちょっとお買い物に……ぁぁぁぁあああああああ」ガッ! ゴロゴロゴロゴロゴロッッ!!!!
侍女「王子ぃいいいいいいいい!!? ていうか、ちょっと躓いてそのまま門を目指して転がらないで下さい!!」
他侍女(大丈夫かなぁ、この国……)
~中庭~
大臣「ふむぅ……そろそろ私も歳を取りましたな」
< ファスッ
大臣「む?」
大臣「…………今なにか……」キョロキョロ…
大臣「気のせいか」
<近くの草むら>
王子「さすが僕だよね」
侍女「……釣り上げた大臣のカツラを返してあげて下さい」
~城内闘技場~
兵長「王子……もう少し真面目に出来ませんかね」
王子「さぁ来い兵長スァァンッ」ブンブンッ
兵長「何故に木剣ではなく一本の薔薇なのですかな」
王子「それがこの僕に相応しいからさ……☆ミ」キラッ
兵長「貴方の叔父である王に叱られるのは俺なんですがねぇ」
王子「僕は一向に構わんッッ!!!」
兵長「くたばれ王子ぃぃっ!!」バッ
侍女「また兵長を怒らせて……」
一般兵「侍女さん、今日はどっちが勝ちますかね」
侍女「今日も兵長でしょう……もう、また私が回復魔法をかけなくては……」
一般兵「あ、王子が薔薇を伸ばして……鞭ですかねあれは」
侍女(茨の鞭を買いやがったなアイツ)
一般兵「イライラした兵長に茨のトゲが襲いかかる!」
一般兵B「そしてキレた兵長に王子が殴られたぁー!」
侍女「何やってるんですか!?」
~深夜~
侍女(はぁ……一日を終えて、漸く書類も片付いた)
侍女(もう夜も遅いけど、少し夜風にでも当たろうか)
侍女(たまには、そういう時間も必要だよね)
< チャキッ……
侍女(剣を最近は握ってない)
侍女(ここ数日で都市郊外の魔物の被害が多くなってる)
侍女(去年は都市に入り込んだ大型のドラゴンが、たまたま居合わせたらしい冒険者に討伐された)
侍女(あの時……王子も都市にいた)
侍女(私は、何をしているんだろう)
侍女(このまま彼の傍で、こうして侍女の格好をしてて良いのだろうか)チャキッ
~中庭~
侍女「……」ザッザッ…
侍女(久し振りのブーツ……少し歩き辛いかも、たまに履いて慣らさないと)
< ザッ……
侍女「……」
< 「ブーツに履き替えたのかい? 歩き方まで変わってたから少し驚いたよ」
侍女「驚かさないで下さい、こんな時間に何故起きているのですか」
王子「夜のお城を薔薇を片手に散歩さ」
侍女「王子、それ薔薇じゃなくてタンポポです」
王子「正直ちょっと眠くて」
侍女「次の年ですか」
王子「AHAHA……☆ え? なにが?」
侍女「貴方が正式に王位継承の儀を行うのが、です」
王子「あー! そうだっけ? あっはは、忘れてたよぉ」
侍女「その日は警護の関係で私、貴方の傍には居られないんですよね」
王子「えー」
侍女「王子は私がいた方が良いですか」
王子「まぁねー、僕だって気心の知れた君の方が心中穏やかだし」
侍女「では明日にでも貴方から王に私を兵長として推薦して下さいな」
王子「え」
侍女「14年以上、貴方は王になるのを待たされたのですし……私を兵長にする位は我が儘として通るでしょう」
王子「今以上に我が儘したら、僕は処刑されるんじゃないかな」
侍女(我が儘放題なことに自覚あったんですね)
王子「まぁ……それは明日適当にやっとくね」
侍女「適当に…?」
王子「思い切って勝手にやっちゃおーかなーってね、AHAHAHAHA☆ミ」クルンッ
王子「あ」ツルンッ
< ザッパーンッ!!
侍女「……」
侍女「足を滑らせて池に落ちるなんて、貴方らしいと言えば貴方らしい」
< チャプッ
王子「侍女ぉぉ……目が覚めたのと寒いから助けてぇ……」
侍女「ええ、仕方ない人です」
王「そこに正座しなさい、正座」
王子「foooHAHAHAHA!! どうしたとです叔父上ー?」
王「身内的な問題とワシの心情的な問題があってだな、とりあえず罰したりはせん」
王子「ほうほう」
王「貴様、侍女長を兵長に推薦して正式な王位継承者にだけ許される印を使ったな」
王子「……え、もしかして怒ってる?」
王「怒るだろう、だってワシに対する侮辱じゃん、王としての面目丸潰れよ?」
王子「だ、だよね」
王「お前も年を越せばいよいよ22の若さでこの国の王となる、それはワシの兄が王だった時のお前では継げなかったからだ」
王「お前の父と母が死んでから14年余りか、その間ワシがお前に代わって王となっていた」
王「王子、貴様はその責任を負う上で法と王としての自覚を持たねばならぬ」
王子「叔父上」
王「む」
王子「トイレに行きたいな、僕」もじもじ
王「はよ行ってこい」
王子「HAHAHA☆ミ すごいよ、三メートルは出たんじゃないかなさすが僕だよねぇ☆」
王「一発殴って良いかのう」
王子「だめ」
王「……どこまで話していたかな」
王子「自覚を持たねば、って言ってた」
王「うむ、そうだ」
王「勝手に兵長を補佐に下げたのは、まぁ良いとする」
王「だがな、侍女長を兵長にしては国を守る上で……そして何より他国への面子がだな」
王子「今朝、異議を申し立てに来た元兵長を侍女が無傷で返り討ちにしてたよ」
王「つぇぇ……」
王子「ね、頼もしいだろう?」
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