エイラ「私の誕生日」 (14)
2/10 スオムス 502基地
ゲストルーム
エイラ(そういやもう少しで私の誕生日だな…まぁ昔と同じで小さなケーキとココアで迎えるんダナ……)フム
サーニャ「どうかしたのエイラ?」
エイラ(ン?今年はサーニャがいるじゃないか!サーニャとケーキを買って温かいココアで一夜を過ごす!)ムム!
サーニャ「エイラ?」
エイラ(内容は変わらないけどサーニャがいるだけでこんなにも変わるゾ!楽しみなんダナ!!)ガタッ
サーニャ「!?」ビクッ
エイラ(私の誕生日は2月21日…あと1週間とチョット。スオムス近辺で良いケーキ屋さんを見つけるんダナ!)スッ
サーニャ「??」
エイラ(この際私の誕生日をふたりきりでサーニャが祝ってくれたらもう…カハー!)グッb
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バタン
ニッカ「イッル~♪」
エイラ「なんだニパか…いきなりドア開けるなよ。外雪降ってるからサーニャが寒がるダロ!」
サーニャ「ニパさん。私は大丈夫よ」
ニッカ「だってさ!そうだ今年のイッルの誕生日なんだけどさ!美味しいケーキ屋があるんだ…一緒にいかない?」
サーニャ「!?」
エイラ「ニッカ曹長。10分後屋上ニコイ」ニコォ
ニッカ「エ゛!?イッルいつも私のことニパって…てか押さない……」
エイラ「いいから出てけーー!!」グイグイ
ニッカ「あぁぁぁぁ!!」
バタン!!カチャ ドンドン! イッルアケテ!
エイラ「ハァー…ハァー……」
エイラ(油断シテタ。ユニットクラッシャーめ…私の計画さえクラッシュしにキヤガッタ)ハーハー
サーニャ「エイラの誕生日……」ボソッ
エイラ「イッ!(裏声」ビクッ
エイラ(変な声出た)
サーニャ「私も参加していいかな?」
エイラ「ア!あたりまえなんダナ!(大声」
エイラ(あぁ…ぁぁあ)
サーニャ「ニパさんに聞いてくるね」タッタッタッ
キィ…パタン
エイラ(私のバースデープランが…。死にたい…ニパを殺して私も死のう)
翌日
エイラ「サーニャ!」
サーニャ「ごめんエイラ。またあとで」タッタッタッ
エイラ「ニパ!」
ニッカ「ごめんイッル。またあとで!」
数日後
サーニャ「!」タタタッ
エイラ「あぁ……」
ニッカ「!」
エイラ「」
エイラ「わかってるサ。ふたりは私の誕生日を準備しているんダッテ」
エイラ「でも私の誕生日までの心のケアは誰がしてくれるんダロウナ」ツッー
エイラ「涙が出てきやがっタ。いつもこんな時はサーニャが横にいて……」
エイラ「アレ?サーニャはドコ?ドコイッタンだ?」キョロキョロ
エイラ「アッ!」カサッ
エイラ「昔サーニャと一緒に撮った写真……」スッ
エイラ「雪が…。ここに写ってる私も笑顔で泣いてらぁ……」ツッー
エイラ「…ック!ヒグッ…」ポロポロ
エイラ「ゴホッ……クハッ……ケホッッケホッ」
エイラ「サーニャァ…寂しいよ……」トボトボ
ハンガー
エイラ「ウッ…」
アウロラ「どうしたんだイッル。ハンガーの隅で抱え込みながら泣いているなんてらしくないぞ」トコトコ
エイラ「ネーチャン……」フキフキ
アウロラ「はぁ…大体検討はつくが泣きすぎだ。目が腫れている。水を飲め」ヒョイ
エイラ「アリガト」ゴクゴク
エイラ「ッッッ!コレ酒ジャネーカ!」ブッ
アウロラ「なにをいうか妹よ。こんなの水みたいな…いやむしろ水そのものだ!」
アウロラ「よってこれは〝ただの水!!〟」ウヒィ
エイラ「ナンダコレ…ヴィーナジャネエカ!」
アウロラ「アルコール35%の水らしい」ニコニコ
エイラ「ネーチャン出来上がってル……」ポロポロ
アウロラ「酒飲ませた程度で泣くなよイッル…聞いてやるからさ」
エイラ「サーニャガー!ニパガー!」ウェェェェン
アウロラ「はいはいゆっくりな」ゴクゴク…クゥー
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アウロラ「なるほどねー避けられてんだ」ケラケラ
エイラ「避けられてナイ!」
アウロラ「もう当日を待つしかないな」グビッ
エイラ「あと1週間もあるゾ!」
アウロラ「たかが1週間だ。せっかくの故郷帰りだからいろいろ見て来い」
エイラ「サーニャァァァアアアア!」
アウロラ「昔は素直で可愛かったのにどうしてこうなったんかねぇ」
エイラ「あうぁ……」パタッ…zzZ
アウロラ「ねちまった…か。准尉でここを離れたのに帰ってきたら少尉…いや中尉か」
アウロラ「一緒に来た彼女…リトヴャク中尉だったかな。あとで挨拶くらいしてやるか」グビッ
アウロラ「スオムス空軍回収班としてではなく、エイラの姉としてな」キリッ…zzZ
どこかの部屋
アウロラ「そんなかんなで誕生日おめでとうイッル」
エイラ「ありがとネーチャン」
アウロラ「ケーキは私が用意する必要はないと思ってな。プレゼントだ」
エイラ「なんだこれ?写真?」
アウロラ「イッルが航空ウィッチを目指したキッカケ。おぼえているか?」
エイラ「いきなりなんだよ……」
アウロラ「いいから」
エイラ「…オーロラ…だろ?」
アウロラ「あの頃はまだ幼かったな。遥か遠く。成層圏より遥か彼方にあるオーロラに触れてみたいだなんてな」
エイラ「うん。でも無理だった」
アウロラ「あぁ。だが私がなれなかった航空ウィッチにイッルはなれたんだ」
エイラ「………」
アウロラ「私は嫉妬したさ。だが嫉妬よりも初めて航空型…リベリオン製のストライカーを履いたイッルを見て誇りに思えた」
アウロラ「私が目線を下げて話していたイッルが、いつの間にか私の遥か上空を飛んで…インカムを通してでしか話ができないほど離れていった」
アウロラ「熊殺しとかで私も名をもらったが…ダイヤのエースと世界的に名を馳せたイッルは突然とここから消えた」
アウロラ「ほんと…自慢の妹だ」
エイラ「ネーチャン……」
アウロラ「…私からはこれで終わりだ。今日ここから離れるんだろう?」
エイラ「うん。オラーシャへ行くんだ」
アウロラ「サーニャの故郷か……。元気でな。私はこれから酒を飲まないといけない。しっかりやれよ」
エイラ「ネーチャンも飲みすぎには注意しろよな」
ヴィィーー!! ヴィィーー!! ヴィィーー!!
アウロラ「ネウロイ…どうする?いくか?」
エイラ「モチロン!」
ガチャ
ニッカ「イッル!」
サーニャ「エイラ!」
エイラ「ニパ!サーニャ!私のストライカーは?」
ニッカ「準備できてるよ!格納庫に急いで!」
エイラ「ネーチャン!!」
アウロラ「あぁ。行ってこい!墜ちたら拾いに行ってやる」
エイラ「言われてるぞニパ。んじゃ行ってくる」タタタッ
アウロラ「行った…か……」
イッルが501に行く前に私は思った
イッルは未知の環境に適応できるのか―知らない仲間と仲良くできるのか
だが帰ってきたイッルを見て、知った
私が考えている以上に妹は子供ではなかった。そこには立派に育った、どこへ出しても恥のない魔女となった妹がいた
イッル。過去に聞いてきたよな
――なんのために戦うのか。なんのために空を飛ぶのか――
お前も答えが、守りたいものが見つかったようだな
それと同時に、私の緊張も少しほどけた
空を飛べない私に代わって、夢を、志を持って高く高く飛んでくれ
そして幼い頃に夢見た。あのオーロラを掴むまで――――
オワリ(・×・)
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