バルクホルン「というわけで妹の見舞いに行ってくる」
エーリカ「私は付き添い~」
ミーナ「気をつけて行ってくるのよ」
バルクホルン「もし何かあったらすぐに連絡をくれ」
ミーナ「大丈夫よ、心配しないで」
バルクホルン「そうか……何だかいやな予感がしてな……」
エーリカ「トゥルーデは心配性だな~」
バルクホルン「そ、そういうわけではない!!」
エーリカ「じゃあいってきまーす」ブーン
バルクホルン「ってこら待て、ハルトマン!!私を乗せんか!!」
エーリカ「カールスラント軍人たるもの、車に追いつけなくてどうする?ってね~」
バルクホルン「その言葉、覚えておけ!!」スタタタタ
ミーナ「ふふ、朝から元気ね」
坂本「おっ、ミーナ。こんな朝早くからどうした?」
ミーナ「あら美緒。私はトゥルーデたちの見送りよ」
坂本「そういえば非番だったな」
ミーナ「あなたこそ普段なら訓練している時間じゃないの?」
坂本「なーに、ちょっと昼の訓練のために機材の用意をな」
ミーナ(宮藤さんたちも大変ねぇ……)
坂本「ま、それはいいとしてだ」
坂本「確か今日はペリーヌもいなかったんじゃないか?」
ミーナ「ええ、ペリーヌさんはガリアに用事があるらしいわ」
ミーナ「あとサーニャさんもナイトウィッチの集まりがあるらしくて……」
坂本「戦力に不安があるな……大丈夫なのか?」
ミーナ「大丈夫よ、私達がいるもの」
坂本「それもそうだな、わっはっはっはっ」
ミーナ「うふふ」
一時間後
ジリリリン
ミーナ「もしもし?」
偉い人「~~~」
ミーナ「緊急の召集ですか?ですが今は戦力に不安が……はい……」
ミーナ「そうですか……了解しました、すぐに向かいます」
ガチャ
ミーナ「参ったわね……でもかなり上の方からの命令みたいだし……仕方ないわ」
ミーナ「とりあえずみんなを集めないと……」
ミーナ『基地内のウィッチーズは全員ミーティングルームに集合して』
ーミーティングルームー
宮藤「いったいどうしたんですか?」
リーネ「せっかく芳佳ちゃんと……」
ミーナ「急に呼び出してごめんなさいね。でも緊急の用事なのよ」
ミーナ「隊員の半数近くが今日非番なのは知っているわね?」
エイラ「ネウロイの出現予定も無いし最近出撃続きだったから休暇を増やしたんダロ?」
ミーナ「ええそうよ。そういうわけで今この基地には4人いないわけだけれど」
ミーナ「そんな中で申し訳ないんだけど、私と坂本少佐は基地を留守にすることになったの」
宮藤「え!?それって……5人しかいなくなるじゃないですか」
ミーナ「それでその間、この基地の指揮権はシャーリーさんに預けることになるわ」
シャーリー「ちょ、ちょっと待った!あたしも休暇の届けは出したはずだぞ?これから出かける予定なんだがなぁ」
ミーナ「えっ!?……おかしいわね……そんな申請は……どういうことかしら」
ルッキーニ「ミーナ中佐もう年なん……ひぃ!?」
ミーナ「それにしても困ったわねぇ……そうなると」
シャーリー「バルクホルンの奴もいないからなぁ……必然的に……」チラッ
エイラ「……んっ?」
ミーナ「エイラさん、お願いできるかしら?」
エイラ「わ、わたしがカ?」
坂本「お前なら大丈夫だ!問題ない!」
シャーリー「中尉になっといて良かったな」
エイラ「でも私なんにもわからないゾ……それにサーニャもいないし……」
ミーナ「大丈夫よ。今日はネウロイの出現予定もないし」
坂本「なにかあったときは我々を無線で呼べばいい」
宮藤「私達もついてますから!」
リーネ「一緒に頑張りましょう」ニコッ
エイラ「んー……仕方ないなぁ……今回だけダカンナ」
ミーナ「お願いするわね。さて、それじゃあ私達は出かけるとしましょうか」
坂本「急がないとまた上がうるさいからな」
シャーリー「おっと、あたしもそろっと出ないとまずいかな」
シャーリー「ルッキーニ、おとなしくしてるんだぞ」
ルッキーニ「うじゅー、あたしもついていくー」
シャーリー「おいおい、無理言うなよ。お土産買ってきてやるから……」
ルッキーニ「約束だよ……?」
シャーリー「ああ、分かってる」
宮藤「坂本さん、基地は私達に任せてください!」
リーネ「芳佳ちゃん張り切ってるね」
坂本「頼もしいな、宮藤。頼んだぞ」
一般兵「準備ができました」
ミーナ「分かったわ」
…………
宮藤「行っちゃいましたね」
エイラ「それにしても暇ダナ」
エイラ「私もサーニャについていけばよかったナ……」
宮藤「エイラさんがついて行ってもサーニャちゃんが困るだけですよ」
エイラ「な、ナンダトーー!!」ポカポカ
宮藤「い、痛いですよ~エイラさん~」
エイラ「お前が変なこと言うからいけないんダカンナ」
宮藤「すいませんでした……エイラ司令」
エイラ「……何ダッテ?」
宮藤「ですからエイラ司令、すいませんでした」
エイラ「ふふ、し、仕方ないナ。許してやるんダナ」
リーネ「もうっ、芳佳ちゃんったら。キツいジョークだね」ニコニコ
エイラ「おいリーネ!……今何か余計なこと言わなかったカ?」
リーネ「そ、そんな……ただエイラさんは中尉なのに司令なんてすごいなぁ!って言っただけです」
ルッキーニ「ねーねーそんなことよりさー」
ルッキーニ「ひーまーだーよー」
エイラ「そ、そうはいってもダナ、別にやることなんテ……」
ルッキーニ「よーし」ニヤリ
リーネ「はい?」
モニュ
リーネ「な、何するんですか!?」
宮藤「……」ジュルリ
ルッキーニ「やっぱおっきーい、でもシャーリーよりおっきくない……」
リーネ「そんなの知りません!!」
リーネ「こういうことは止めてください!」
宮藤「そ、そんなぁ……」
リーネ「よ、芳佳ちゃんは別にいいのに……」ボソッ
宮藤「えっ?何?聞こえなかった」
リーネ「な、何でもないの!気にしないで!」
エイラ「……お前ら何やってんダヨ……」
ルッキーニ「だって暇だしつまんないんだもーん」
エイラ「それなら、どうせだから何か面白いことでもやらナイカ?」
宮藤「何をヤるんですか?」
エイラ「うーん……」
ルッキーニ「いたずらは?」
エイラ「おっ、それはなかなか面白そうダナ……」
リーネ「だ、駄目ですよ、芳佳ちゃんもそう思うよね?」
宮藤「わたし、いたずら大好きなんです」
ルッキーニ「やったーー多数決でいたずらにきまりー」
リーネ「そんな……芳佳ちゃん……」
エイラ「じゃあどんないたずらにするンダ?」
宮藤「エイラ司令、作戦を提案します!」
エイラ「よし、宮藤、言ってミロ」
宮藤「ずばり、みんなを心配させてみよう作戦です」
エイラ「どういう作戦ダヨ?」
宮藤「出かけたみんなに『大変、助けてーー』って連絡するだけです」
宮藤「後、鍋の材料を持ってこさせるのを忘れちゃ駄目です」
宮藤「みんなにいたずらできる上に鍋まで食べられるんですよ!」
リーネ「どうして鍋なの?」
宮藤「扶桑の伝統だよ」
ルッキーニ「やったーSUKIYAKIーー」
エイラ「なるほど。これならサーニャも帰ってくるかもしれないんダナ……」
リーネ「でもやっぱり駄目だよ芳佳ちゃん、そんなことしちゃ」
エイラ「じゃあ後は、どんな内容にするかを決めるんダナ?」
宮藤「ずばりこうです」
リーネ「無視されちゃった」シュン
『大変です、501が整備兵さんに占拠されちゃいました~』
エイラ「これだけだと寂しいナ……」
ルッキーニ「人質だしたらどうかな?」
宮藤「さすがルッキーニちゃん、いいアイデア」
エイラ「じゃあ人質役はリーネダナ」
リーネ「えっ!?いやですそんなの、助けてーー」
ガシッ
リーネ「よ、芳佳ちゃん……助けてくれるの?」
宮藤「おとなしく捕まっててよ、大丈夫だから」
リーネ「えぇ……そんな……」
ルッキーニ「よしかーロープだよーー」
宮藤「ありがとう。ルッキーニちゃん」
宮藤「よーし、宮藤家に伝わる秘技を見せる時が……」
グルグル
リーネ「きゃあ!!」
グイグイ
エイラ「こ、コレハ……」
ギュッ ギュッ
リーネ「……む、胸が……///」
グニュ ムニュムニュ
宮藤「可愛いよ、リーネちゃん」グヘヘ
リーネ「お願い……助けて、縄をほどいて……」
ルッキーニ「そのセリフいただき!」
エイラ「よしよし、録音完了ダナ」
宮藤「これに私と犯人の声を加えれば……」
ルッキーニ「あそこに整備兵さんいるよ?」
宮藤「手伝ってもらおっか。よーし」
宮藤「あのーすいませーん」
整備兵「はい、なんでしょうか、宮藤軍曹」
宮藤「あのここに書いてある台詞、喋ってもらえません?」
整備兵「なになに……」
整備兵「これは……責任は取れませんが、いいのですか?」
宮藤「かまいません」
整備兵「では、こほん」
録音中
宮藤「ありがとうございました」
整備兵「いえいえ、宮藤軍曹の頼みを断ってしまったら他の整備班の連中に何をされるか……」
宮藤「またまた……」
整備兵「では、これで」
…………
宮藤「よーし後は編集して」
リーネ「駄目だよ芳佳ちゃん!そんなことしたら大変だよ!怒られちゃうよ!」
宮藤「エイラさん、リーネちゃん地下室にお願いします。集中できないんで」
エイラ「分かったんダナ、ほらリーネ、こっちだ」グイッ
リーネ「んっ……あっ……ひ、引っ張らないでください……」
リーネ「よ、芳佳ちゃん……うぅ」
宮藤「ここの台詞を……ここをこうして……」
リーネ「……ぐすっ」
一時間後
宮藤「完成ーー」
エイラ「なかなかいい出来ダナ」
ルッキーニ「はやく流そー流そー」
宮藤「今流してます……」
・・・・
輸送機 機内
ミーナ「あともうすこしで着くわね」
坂本「しかし、どういう要件なんだか検討もつかんな」
ミーナ「どうせ予算の削減だとか補給の遅延だとかそんな話よ」
坂本「戦う前からそれでは話にならんな、まったく」
ミーナ「その通りねって……あらっ?」
坂本「どうしたミーナ?」
ミーナ「……待って。通信が入ってる……」ザーザー
ミーナ「……そんな……」
坂本「どうした?}
坂本「まさか基地に何かあったのか?」
ミーナ「そんな……基地が……占拠されたわ」
坂本「なんだと!?ネウロイか?」
ミーナ「それが……基地内部の人間らしいのよ」
坂本「なんだと……?」
ミーナ「ネウロイばかり警戒していたのが裏目にでたわね」
坂本「宮藤たちは無事なのか?」
ミーナ「まだ分からないわ、コレを聞いてみて……」
ザーザー
整備兵『我々は日頃のひどい扱いに耐えかね、決起することにした』
整備兵『見せしめとして、今ここで一人ウィッチを殺す』
坂本「なんだと!?」
ミーナ「そんな……」
坂本「くっ……基地に引き返せ!今すぐだ!」
操縦者「は、はい!」
整備兵『宮藤軍曹、前に出ろ』
宮藤『ぐすっ……たす、助けてください……坂本さーん!!』
整備兵『黙っていろ』ドスッ ドスッ ←スリッパのはたく音
宮藤『ぐっ……』
坂本「み、宮藤……」
坂本「まだ基地につかないのか!」
ミーナ「ここから501の基地までは片道1時間」
ミーナ「しかも全速で飛ばしたらどう考えても燃料が保たないわ……どこかの基地で給油しないと」
宮藤『……』
整備兵『最後に言い残すことはあるか?』
宮藤『す、すいません……坂本さん。基地、守れませんでした……』
坂本「み、宮藤……」
坂本「基地なんかよりお前の命のほうが大事にきまっているだろう!!」
ズドン ←天井に発砲
宮藤『さ、かも、と、さん』
宮藤『』バタッ
坂本「宮藤ぃーーーーー!!!!!」
整備兵『我々の要求はただひとつ、SUKIYAKIの食材だ』
坂本「そんなもののために宮藤が……」
整備兵『食材が用意されない場合、他のウィッチも一人ずつ殺す』
整備兵『それではいい返事を待っている』
リーネ『お願い……助けて、縄をほどいて……』
ツーツーツー
ミーナ「リーネさんまで……」
坂本「ゆ、許さん……。貴様ら全員地獄に送ってやる」
ミーナ「美緒……」
ーー基地ーー
宮藤「私の演技完璧でしたよねぇ?」クスクス
ルッキーニ「とっーても上手だったよ、もう笑っちゃった」
エイラ(しっかしこれ下手すりゃ軍法会議ものじゃナイカ?)
エイラ(ま、まあ中佐なら説教程度で許してくれるダロ、大丈夫大丈夫)
宮藤「エイラさん?もしかしてビビってるんですか?」
エイラ「そ、そんなわけナイダロ!」
ルッキーニ「だよねぇーまだまだ始まったばかりだもんね」
宮藤「次はバルクホルンさん達だ、よーし」
宮藤「とびっきりの悲鳴を……」
エイラ「お、おい!」
宮藤「……まだ何か?」
エイラ「そ、それは……そうだ、流石に同じネタじゃつまらないんじゃナイカ?」
エイラ(流石に基地占拠はやばいダロ……やっぱり怖くなってきたんダナ)
ルッキーニ「確かに同じいたずらってのもつまんないよー変えちゃえ!」
宮藤「うーん……それもそうだね。じゃあ何か別のに」
エイラ「それなら私にいい考えがあるゾ」ニヤリ
バルクホルン「もうすこしで着くな」
エーリカ「まさか本当に追いつくとはね~」
ザーザー
バルクホルン「ん?通信か。……まさか基地に何かあったのか!!」
エーリカ「トゥルーデは大袈裟すぎだよ」
バルクホルン「そうだといいのだが」
ザーザー
バルクホルン「どうした、宮藤」
宮藤『く、苦しいです……げほげほぉ……うぅ……』
バルクホルン「宮藤?宮藤!宮藤どうした宮藤!おい宮藤!」
バルクホルン「宮藤!平気か!宮藤!返事をしろ!宮藤!」
エーリカ「トゥルーデ、落ち着いてったら」
バルクホルン「何を言っているハルトマン!宮藤のピンチだぞ!?」
バルクホルン「宮藤!大丈夫か!返事をしろ!宮藤!」
エーリカ「トゥルーデ!しっかりして!」
エーリカ「これじゃ向こうが何言ってるのか聞こえないよ」
バルクホルン「うーむ……それもそうだな」
エイラ『おーい、おーいってば』
エイラ『バルクホルン大尉!聞こえてるカ?」
バルクホルン「あ、ああ聞こえているぞ、状況を説明してくれ」
エイラ『実は宮藤が緊急出撃の途中でネウロイに撃墜されて……』
バルクホルン「宮藤!?宮藤と言ったか?宮藤だと!何かの間違いじゃないのか!」
バルクホルン「私が宮藤を一人にしたばっかりに……あぁ……すまん宮藤」
エーリカ「だからトゥルーデは落ち着いてってば」
エイラ『……続きイイカ?』
バルクホルン「ああ……問題ない」
エイラ『それで宮藤は今治療室で……重体ナンダ』
エイラ『それで最後に大尉の声が聞きたいって』
エイラ『今宮藤にかわるんダナ……』
宮藤『ば、バルク……ホルンさん……ですか……』
バルクホルン「あぁ、そうだ私だ!しっかりしろ宮藤!」
宮藤『えへへ……ごめんなさい……心配かけちゃって……』
バルクホルン「そんなことはどうでもいい!それより体は?」
宮藤『それが……もうだめみたいです』
宮藤『腰から下がザックリいってしまっていて』
エーリカ「……むごい」
宮藤『おまけに左腕がもう……』
エーリカ「……」
宮藤『ついでに頭も……』
エーリカ「……ん?」
バルクホルン「そ、そんな……どうしてそんなことに」
宮藤『それに……なんだか眠いんです』
バルクホルン「何!?まさかそれは……駄目だ宮藤!気をしっかり持つんだ!」
宮藤『でも眠る前に……バルクホルンさんの顔がみたい……なぁ』
宮藤『あとSUKIYAKIが……食べたいです……』
バルクホルン「宮藤!!そんな、宮藤……宮藤ぃ」
エイラ『そういうわけダ……』
エーリカ(なんか変だなぁ……)
バルクホルン「……こうしていられない」
バルクホルン「早く戻らねば!急げハルトマン!」」
エーリカ「うーん……」
バルクホルン「何をしている!急げと言っているだろう!」
エーリカ「はーいはい、分かったって」
エーリカ(どうせまた何か企んでるんだろうけど……しーらないっと)
バルクホルン「死ぬなよ、宮藤、今すぐ行くからな」
ツーツー
宮藤「……あはははは、大分焦ってましたね」
エイラ「私の脚本は完璧なんダナ!」エッヘン
宮藤(なんだか少し罪悪感が……)
ルッキーニ「もう最高だよー!笑い死ぬー」
エイラ「録音じゃないというのが緊張感があってよかったんダナ」
宮藤「つ、次はどうします?」
エイラ「そうダナーうーん」
ルッキーニ「次はあたしにまっかせなさーい」
エイラ「だ、大丈夫ナノカ?」
ルッキーニ「だいじょうぶだって」
ルッキーニ「そんじゃ、あたしのばんいくよ~」
宮藤「うん、がんばってね!!」
悪い、眠い、耐えられん
運良く落ちてなかったら続き書く
おやすみ
ザーザー
シャーリー(通信?基地からだ)
シャーリー『こちらイェーガー』
ルッキーニ「あ、あたしだよ、シャーリー」
シャーリー『ルッキーニか!?いったいどうしたんだよ、基地の無線で』
ルッキーニ『それが506が……』カクカクシカジカ
シャーリー『……506のウィッチが襲ってきた!?』
シャーリー(どーにも信じがたいが……でも基地の無線だしなぁ)
シャーリー(エイラはともかくリーネあたりが止めるはずだよなぁ、冗談なら)
シャーリー『……とにかく、それでみんなは?無事なんだよな?』
ルッキーニ「あたしだけ何とか逃げてきたんだよ……」
シャーリー『……残りは?』
ルッキーニ「えーとね、エイラはーー、良くわかんない、たぶんやられたと思う」
シャーリー(あのエイラがやられるなんて……本当に506なのか……)
ルッキーニ「芳佳はえーと……確か撃たれたはず……」
シャーリー(宮藤、ごめんよ)
シャーリー『リーネは?』
ルッキーニ「あっ!!地下室に閉じ込めっぱなしだった……、ってやばっ」
宮藤「ル、ルッキーニちゃん、聞こえてるよ!!」
シャーリー(閉じ込めっぱなし?どういうことだ)
シャーリー(それに宮藤の声がしたような?)
シャーリー『おい!何だか宮藤の声が聞こえた気がするぞ?本当に撃たれたのか?』
ルッキーニ(やばい、どうしよ、なんとかしなきゃ……)
ルッキーニ「本当だよ!!」
シャーリー『宮藤が撃たれるのを見たのか?』
ルッキーニ「み、見てないけど……」
シャーリー『じゃあ何で撃たれたのが分かったんだ?』
ルッキーニ「お、音がしたんだよ。ズドンって」
シャーリー『そうか……流石に頭を撃たれたらな……』
ルッキーニ「そう、頭を撃たれちゃったから……芳佳は……」
シャーリー『おい待てルッキーニ。お前見てないのに何で頭を撃たれたって分かるんだよ?』
ルッキーニ(げっ!?)
ルッキーニ「そ、それは~えーとね、えーとね」
シャーリー『本当は撃たれてないんじゃないのか?』
ルッキーニ「ち、違うよ、ほんとに撃たれたんだって。あたし見たもん」
シャーリー『さっき見てないっていったじゃないか』
ルッキーニ「だ、だから~それは……」
宮藤(そろそろ助けてあげようかな)ゴホン
ハインリーケ(宮藤)「残りの奴らを仕留めるのじゃー」ズダダダ
ルッキーニ(芳佳モノマネうまーい!!さっすがー芳佳!)
ルッキーニ「ごめんシャーリー、あたしもう……」
シャーリー『おい、ルッキーニ、どうした、無事なのか?』
ルッキーニ「ごめんね、シャーリー。あたしもう駄目みたい」ズダダダ
シャーリー『待ってろ、今行く、死ぬんじゃないぞ!!』
ルッキーニ「あっ、言い忘れたけどSUKIYAKIの材料を渡せば許してくれるらしいよ!」
シャーリー「なんだって?それはどういう」
ルッキーニ「それじゃ!」ブツッ
ルッキーニ「ばれた?」
宮藤「……ひどすぎだよ、ルッキーニちゃん」
エイラ「そもそもなんで506なんダヨ?」
ルッキーニ「だってだって……506の隊長さん優しいらしいんだもん」
ルッキーニ「506が悪いことすれば501に来てくれるかなーって」
エイラ「そんなわけないダロ……どういう理論ダ……」
宮藤「わたしがたまたまモノマネできたから良かったものの……」
エイラ「って、なんで宮藤はそんなのできるんダ?」
宮藤「……扶桑の友達がウィッチのモノマネばかりやるんで覚えちゃったんですよ」
宮藤「ちなみにエイラさんもできますよ」
エイラ「何ダッテ?でもちゃんと似てるノカー?」
エイラ(宮藤)「サーニャー結婚してクレー」
エイラ「げほげほ……な、なんてこと言うんダヨ!」
宮藤「そっくりだったでしょう」
ルッキーニ「声まで似てた!」
エイラ「ミーヤーフージー!」
ルッキーニ「って、あれ?……うわぁ、やば!ねぇねぇ二人とも!」
エイラ・宮藤「んっ?」
ルッキーニ「なんかね、中佐達が近くまで来てるみたい」
ルッキーニ「レーダーに反応があるよ!」
エイラ「おいおい、幾らなんでも早すぎやしないカ?」
宮藤「他のみんなと到着のタイミングがずれると困りますね」
エイラ「嘘がばれるからナ」
宮藤「どうしましょうか」
エイラ「うーん、そうダナ……」
宮藤「何かいい案でもあるんですか?」
エイラ「そこは……あれなんダナ……えーと」
エイラ「撃ち……落とす?」
宮藤「いやいや、いくらなんでも撃っちゃ駄目ですよ!!」
ルッキーニ「そういえばさ、少佐が今朝確か小屋で……」
エイラ「小屋?あの基地の端っこにある小屋か?」
ルッキーニ「あたし見ちゃったんだけど、中には……」
エイラ・宮藤「中には?」
ルッキーニ「たっくさん、機銃が置いてあった」
エイラ・宮藤「機銃?」
ルッキーニ「そうしたらね、少佐に見つかっちゃって……」
~~~
坂本「何をしているんだ、ルッキーニ?」
ルッキーニ「あのね、少佐、これ何?」
坂本「これか?よくぞ聞いてくれたルッキーニ」
坂本「これは私が早朝から魔力を込めて作った訓練機材だ」
ルッキーニ「機銃で?訓練?」
坂本「ああそうだ。ちなみにこれは、わが扶桑海軍で採用されている25mm機銃だ」
坂本「実はいろいろあって廃棄予定だったんだが、どうせ捨てるならと持ってきたんだ」
ルッキーニ「それでそれで?」
坂本「それを模擬弾を撃てるように改造した」
坂本「訓練にちょうどいいと思ってな」
坂本「もちろん当たればウィッチといえど、海には落ちるぞ。シールドも役に立たないだろう」
ルッキーニ「げっ……それ、使うの?」
坂本「さあ、どうだろうな。わっはっはっ」
~~~
ルッキーニ「って言ってたような……」
エイラ・宮藤「それだ!!」
ルッキーニ「じゃあたし撃ちたいー」
宮藤「でも怒るかも知れませんよ」
ルッキーニ「これぐらいきっと許してくれるよ、中佐はともかく少佐は優しいもん」
エイラ「よし、ではルッキーニ少尉には中佐たち撃墜任務を命じるんダナ」エッヘン
ルッキーニ「了解!!」
…………
エイラ「ところで宮藤、リーネはどうしたんダヨ?」
宮藤「あっ、そういえば地下室にまだ……すっかり忘れてました」
エイラ「ちょっとは様子を見てきてやったらどうナンダ?」
宮藤「それもそうですね、じゃあちょっと行って来ます」タッタッタッ
エイラ「さてとサーニャに通信を……」
エイラ「って、この無線機の電源入れっぱなしじゃナイカ」
エイラ「まあこの周波数なら誰も聞いてないだろうから大丈夫ダナ」
ザーザー
エイラ「ってこの通信は……」
ー地下室ー
リーネ「暗いし、じめじめしてるし、それに……」
リーネ「お腹……空いたよぅ」
リーネ「それにこの縛り方……胸が……」
宮藤「リーネちゃーん~」
リーネ「!、芳佳ちゃん!!来てくれたんだね」
宮藤「うん、もう出してもいいかなって」
リーネ「これもほどいてくれるの?」
宮藤「うん、でも……その前にさ」
宮藤「やっぱり、リーネちゃんって可愛いよね」
リーネ「えっ?」
宮藤「なんかこう……グッと来るんだよ」
宮藤「だからね、いいよね?」
リーネ「き、きゃーーーーーーーー」
そのころ、基地上空
ルッキーニ「全然当たらないよー」ズダダダ
坂本「給油した基地の予備ストライカーでここまで来たものの……」カワス、カワス
ミーナ「なんで相手は模擬弾しか撃ってこないのかしら?」ヨケル、ヨケル
坂本「あれは私の訓練用の機材だ。多分模擬弾だと知らずに使用しているんだろう」
ミーナ(それにしては威力がちょっと……)
坂本「しかし小屋の影に隠れてて誰が撃ってるのかも分からないな」
ブーン
シャーリー「ストライカー調達に手間取った……待ってろみんな……って」
シャーリー「あれ?あそこにいるのは中佐達じゃないか」
シャーリー「おーい、ミーナ中佐ー」
坂本「シャーリー、一体どうして」
ミーナ「シャーリーさんもみんなの危機に駆けつけたのね?」
シャーリー「もちろんだ、仲間のピンチをほうっておけるもんか」
シャーリー「しかしどういうつもりなんだ506の奴……隊の仲間を撃つなんて」
坂本「506だと?どういうことだ?」
シャーリー「理由はわからないけど506が襲ってきたらしいんだ、ルッキーニ達も……」
ミーナ「まさか反乱を主導したのは506?でもグリュンネ少佐はさっき……」
シャーリー「ちょっと待ってくれ!反乱?どういうことだ?あたしは単騎と聞いたが」
シャーリー「506の戦闘隊長が一人で乗り込んできたと」
ミーナ「情報が錯綜しているわね、もう何がどうなっているのか」
坂本「ともかくだ、現実に撃ってくる敵がいるのは事実だ」
ミーナ「そうね……何とかしないと……」
シャーリー「おい見てくれ!あそこにいるのはバルクホルンたちじゃないか?」
地上
バルクホルン「やっとついたぞ!宮藤!今すぐ行くからな!」
エーリカ「あれ?空にいるのミーナじゃん。みんなもいるし」
バルクホルン「ミーナ達も宮藤のために駆けつけたんだな」
エーリカ「ってことはやっぱり本当に……?」
エーリカ「って、ちょっと待って、誰かに撃たれてる!」
バルクホルン「こんなときに戦闘だと!?」
バルクホルン「どうして、どうして……宮藤は今も苦しんでいるというのに……」
バルクホルン「……すまん宮藤、後もう少しだけ待っていてくれ」
バルクホルン「ハルトマン!ハンガーだ、急げ!1分で方を付けるぞ!」
エーリカ「えぇー、ネウロイじゃないみたいだし面倒だよー」
バルクホルン「そんなことを言ってる場合か!」
バルクホルン「ネウロイ無しに戦闘などそれこそ一大事だろうが!」
エーリカ「……無駄だと思うけどなぁ」ボソッ
バルクホルン「おーい、ミーナ!」
バルクホルン「援護に来たぞ!敵はどこだ!」
ミーナ「あれよ」
バルクホルン「小屋?反乱か?それなら何故模擬弾なんだ?」
バルクホルン「えーい、もうどうでもいい!そんなことより大事なことがある!」
ミーナ「そうね、考えている暇はないわ。疑問点は多々あるでしょうけど今は」
バルクホルン「宮藤が最優先だ!」
ミーナ「基地の奪還が最優先です」
バルクホルン「何だと?基地なんかより宮藤だ!」
ミーナ「心配なのもわかるけど……もう失ったものは戻らないわ」
ミーナ「それよりも他のみんなの安否を確認しないと」
バルクホルン「宮藤の方が緊急だろう、ミーナらしくない判断だな!」
ミーナ「トゥルーデこそ現実を見て!!」
バルクホルン「ミーナ、お前というやつは」
坂本「もういい、止めろ……所詮屍しか拾えぬ上官など……」
バルクホルン「少佐まで……」
ミーナ「でもあの状況ではもう生きてる見込みは……」
バルクホルン「何を言ってる!まだ生きてる!私達を呼んでいるじゃないか!」
坂本「慰めもいい加減にしろ!軍人として仲間の死は受け止めなければならない事実だ!」
バルクホルン「だから何故そう決めつけるんだ!!?」
シャーリー「……ちょ、ちょっと待ってくれ、おかしくないか?」
全員「?」
シャーリー「バルクホルンは何故宮藤が生きてると思うんだ?」
バルクホルン「私は宮藤と話した!宮藤が私を呼んでいたんだ!」
ミーナ「いいえ、撃たれた音がしたわ、銃声がね」
バルクホルン「そんな馬鹿な!!なぜそんな状況になる!」
バルクホルン「宮藤はネウロイの攻撃で負傷したはずだろう!」
ミーナ「えっ?」
坂本「ネウロイだと?今日はネウロイの出現予定はないはずだが」
バルクホルン「緊急出撃じゃないのか?」
ミーナ「そんな連絡は一言も聞いてないわ」
バルクホルン「しかしネウロイに撃墜されて宮藤が重体だと……」
シャーリー「……今回の一件、いろいろ変じゃないか」
シャーリー「あたしにも通信があったのは知ってるだろ?」
シャーリー「そのとき宮藤の声がしたような気がするんだ……」
坂本「声だと?」
シャーリー「ルッキーニが宮藤は撃たれた、と言っていたにもかかわらずな」
坂本「死者が喋ったことになるな……」
ミーナ「真相を確かめるには、基地を奪還するしかないわね」
ミーナ「全員、攻撃開始!!」
エーリカ(みんながみんなして肉やら野菜やら持ってることが一番の不思議だと思うけどなー)
エーリカ(まあいいや、それよりいざという時のためにシールドの準備をしとかないとねー)
ー小屋内ー
ルッキーニ「あわわわ、どうしよ」
ルッキーニ「中佐達だけじゃなくてシャーリーまで集まっちゃった……」
ルッキーニ「でも今更出ていけない空気だよぉ……すごい怖い顔してるもん……」
ルッキーニ「芳佳やエイラも助けに来ないしさ」
ルッキーニ「全然当たらないー後ろに目でもついてるのかなぁ……うじゅー」
ズダダダ
ルッキーニ「うぎゃあ!!」
ルッキーニ「う、撃ってきた、しかも実弾……」
ルッキーニ「死にたくないよーーうえーん」
バルクホルン「早く出てこい、私は宮藤に会うので忙しいんだ」ズダダダダ
エーリカ「はいはいそこまでだよー」シールド
バチュン
バルクホルン「!?何故邪魔をするハルトマン!」
エーリカ「だーかーら、もういい加減に」
シャーリー「待ってくれ、敵の様子がおかしい」
ミーナ「誰か飛び出してくるわ」
坂本「あれは……」
シャーリー「ル、ルッキーニ!?」
ミーナ「こ、攻撃中止!」
シャーリー「ルッキーニ!大丈夫か!」
ルッキーニ「許じてーーごべんなざいーー」
ミーナ「どうして泣いてるのかしら?」
シャーリー「泣くな、ルッキーニ。もう大丈夫だから。いったいどうしたんだよ?」
ルッキーニ「あのね、それがね……カクカクシカジカ」
「…………」
坂本「なんだと」
バルクホルン「つまり」
ミーナ「お芝居ってこと?」
ルッキーニ「うん……」
エーリカ「やっぱりねぇ……」
ミーナ「……」
ミーナ「これはいたずらじゃ済まされないわ」
ルッキーニ「えっ?」
ミーナ「当然でしょう。虚偽の情報を流したのよ?」
ミーナ「今回はたまたま大事には至らなかったものの……」
坂本「重要な作戦中だったら大変なことになっていただろうからな」
ミーナ「普段は忘れがちかもしれないけれど……ここは軍隊なのよ」
ミーナ「拘束して」
ミーナ「処分は追って連絡します。それまで地下室に」
ルッキーニ「そんな……」
シャーリー「来るんだ、ルッキーニ」
ルッキーニ「びえーん、やだよー」
シャーリー「今回ばかりはあたしもかばいきれないよ」
エーリカ「いつも言ってたじゃん、いたずらもほどほどにしとけってさ」
バルクホルン「ということは宮藤は……無事なのか!!」
ルッキーニ「うん……」
バルクホルン「よ、良かった……良かった……うぅ」
エーリカ「あーあ、ルッキーニがトゥルーデを泣かしたー」
ミーナ「私は一応基地の見回りをするわ」
ミーナ「美緒とトゥルーデは他の三人を探して」
ミーナ「フラウは食材を冷蔵庫に」
エーリカ「りょーかい。鍋か~楽しみだなー」
地下室
宮藤「ふぅ……」
リーネ「ヨシカチャン……ヨシカチャン……」
宮藤「そろそろ上に戻らないとだね、行こっリーネちゃん!」
リーネ「ヨシカチャン……ヨシカチャン……」
宮藤「でもみんなどこにいったんだろう……」
宮藤「あっ、あそこに隠れているのはいるのは……エイラさんだ!」
宮藤「おーい、ってあれは!大変!」
宮藤「隠れて!リーネちゃん!」
リーネ「ヨシカチャン……ヨシカチャン……」
物陰に潜むエイラ
エイラ「まさかルッキーニの奴が捕まるだナンテ……」
エイラ「どうしよう、このままじゃサーニャが……サーニャの鍋が……」
エイラ「……一人でも、やるしかないんダナ」
坂本「おーい、出て来い、もうすべてバレているぞ」
バルクホルン「宮藤ーー、みーやーふーじー」
サッ
坂本「……エイラか」
エイラ「…………」
バルクホルン「観念したようだな……」
ジャキ
バルクホルン「!?」
坂本「……なんのつもりだ?」
エイラ「鍋がなきゃ、鍋がなきゃ、サーニャは……」
坂本「……まず落ち着け、銃を置くんだ」
バルクホルン「そうだ、早まるな」
エイラ「私だってこんなことしたく無いンダヨ」
坂本「なら何故?」
エイラ「サーニャに言われたんダ……私はサーニャの期待に応えなきゃならないんダ……」
~~~
宮藤が地下室にいった直後
ザーザー
エイラ「サーニャ?サーニャじゃないカ!いいタイミングダゾ!」
サーニャ『エイラ……』ドキドキ
エイラ「実はこれから連絡するところだったんダ!」
エイラ「今みんなで鍋を」
サーニャ『……ずっと聞こえていたわ』
エイラ「えっ!?」
エイラ「ど、どういうことダヨ?」
サーニャ『私の固有魔法……』
エイラ「あっ、電源入れっぱなしだったから聞こえてたノカ」
エイラ「じゃあ話は早いナ!私と一緒に鍋を食べよう!サーニャ!」
エイラ「別にサーニャは食材を買ってこなくても大丈夫だゾ!」
サーニャ『私も……エイラとお鍋食べたい……』
エイラ「サーニャは何が好物なんダ?サーニャの分多めにとっておくから教えて欲しいんダナ!」
サーニャ『……別に鍋が好きなんじゃなくて……エイラが……』
エイラ「えっ?よく聞こえないんダナ」
サーニャ『なんでもない……』
サーニャ『……とにかく私、もう引き返してるから……』
エイラ「ほ、本当か!?」
エイラ「でもナイトウィッチの集まりがあるんダロ?どうして……」
サーニャ(どうしてって……もう……結婚してくれって言ったのはエイラでしょ……)
サーニャ『頑張ってお鍋、作ってね』
エイラ「わ、分かったんダナ。待ってるカラナ」
サーニャ『それじゃあ、また後で……』
ツーツー
エイラ「やったんダナ、サーニャが帰ってくるゾ!」
~~~
エイラ「ということナンダ」
坂本「鍋ならいくらでも食わせてやるから、だから銃を下ろせ」
エイラ「本当に?」
坂本「ああ、嘘はつかん」
バルクホルン「それにサーニャもお前がそんなことをするのは望んでいないだろう」
エイラ「うーん、分かったよ、下ろすヨ……」
ガチャ
坂本「よし今だ!やれバルクホルン!」
ガシ
バルクホルン「よし、捕まえたぞ」
エイラ「な、なにするんダヨー、騙しタナー!」
坂本「サーニャにはたくさん食べさせてやるさ。だがその前に、お前は軍規違反で拘束だ」
エイラ「そ、そんなって無いダロ……」
バルクホルン「お前はやり過ぎだ!サーニャのためといっても限度があるだろう」
エイラ「私は……私はただサーニャに帰ってきて欲しかっただけなんダヨ……」
宮藤「あわわわ……どうしよう、全部ばれてる……」
宮藤「リーネちゃん!お願い助けて!」
リーネ「ヨシカチャン……ヨシカチャン……」
宮藤「って、しっかりしてよ、ねぇったら」ユサユサ
リーネ「ヨシカチャン……ヨシカチャン……」
宮藤「こうなったら……」
宮藤「坂本さ~ん」
坂本「ついに観念して出てきたな、宮藤」
バルクホルン「元気そうで良かった……良かった」
坂本「バルクホルンも少しは怒るべきだと思うが……まあいい」
坂本「宮藤よ、覚悟は出来ているな?」
宮藤「ち、違うんです!私はリーネちゃんに脅されていただけなんです!」
坂本「どういうことだ?」
宮藤「実はリーネちゃんには小型のネウロイが取り付いていて、操られていたんです」
宮藤「なんとかネウロイは倒したのですが……リーネちゃんは正気を保てなくなって……」
坂本「まさか……そんな……リーネは?」
宮藤「ここにいます」
リーネ「ヨシカチャン……ヨシカチャン……」
坂本「確かに正気を失っているようだ……」
宮藤「これで私が無実だって証明出来ましたよね!」
坂本「確かに……これでは仕方ないな」
宮藤「じゃあ坂本さんからミーナ中佐に説明してくださいね」
坂本「とりあえずリーネ……だったものを医務室へ」
リーネ「ヨシカチャン……ヨシカチャン……」グスッ
地下室
ミーナ「エイラさん、ルッキーニさん」
ミーナ「あなた達の処分が決まりました」
エイラ「なんダヨ……説教でも減給でも何でもしてクレ……」
ルッキーニ「お尻叩くのは痛いからやだよ!」
ミーナ「……銃殺刑です」
エイラ「えっ?」
ルッキーニ「な、何かの聞き間違いだよね?」
ミーナ「ですから……銃殺刑です」
エイラ「」
ルッキーニ「」
エイラ「……は、はは……ちゅ、中佐にしては冗談きついゾ……」
ルッキーニ「嘘だよね?そんなことしないよね?」
ミーナ「……今回はいつものような処分というわけにはいかないのよ」
ミーナ「虚偽の情報を流し、軍の活動を妨害。おまけに上官に発砲」
ミーナ「その他諸々の余罪が多すぎて私ではかばいきれなかったの」
ミーナ「大体の相手なら誤魔化せるんだけど……今回はかなり上のほうにまで知られているから……」
ミーナ「すでにスオムス、ロマーニャ両国からも許可が降りているし」
ミーナ「こうなったのも私の力不足です、ごめんなさい」
エイラ「嘘だろ……サーニャ……サーニャ、サーニャァァァァァァァァァァ!」
ルッキーニ「びええええーーーーん」
ルッキーニ「やだよーーーーーー」
ミーナ「刑はすぐに執行します、滑走路へ連行しなさい」
滑走路
エイラ「サーニャ……うぅ」
ルッキーニ「ぐすっ、ぐすっ」
坂本「何か言い残すことはあるか?」
ルッキーニ「まーまに会いたい……」
エイラ「……そうだ!宮藤とリーネは!あの二人も同罪なはずダ!」
坂本「その二人は理由に正当性があったため罪は免除された」
エイラ「そんな馬鹿な!あいつらだって乗り気だったんダゾ!」
坂本「今更お前が何をいっても無駄だ、あいつらは無罪ということになっている」
エイラ「そんな、そんなことッテ……」
ミーナ「美緒、時間よ」
坂本「よし……構え!」
バルクホルン「すまんな」ジャキ
エーリカ「悪く思わないでよねー」ジャキ
坂本「短い付き合いだったが、楽しかったぞ」
坂本「気休めにしかならんと思うが、我々は必ずネウロイを倒す」
坂本「だから安心してくれ……」
坂本「…………」
坂本「撃てぇ!」
エイラ「うわぁぁぁぁぁぁ」
ルッキーニ「やだよーーーー」
ズダダダダダダ
シーン
エイラ「って…………あれ?」
ルッキーニ「えっ?ここ……天国?」
ミーナ「うふふふふ」
バルクホルン「心配するな、死んではいない。これは空砲だ」
エーリカ「もう疲れたよぉ。お芝居はおしまいーっと!」
エイラ「えっ?えっ?」
坂本「わっはっはっは」
ミーナ「びっくりした?びっくりしたでしょ?ふふ、これは私達を脅かしたお返しよ」
エイラ「で、でも上層部の命令ダッテ……逆らったら中佐達が危ないんじゃ」
ミーナ「そうね、危ないわね。ヘタすれば全員銃殺刑かもしれないわね」
エイラ「じゃあやっぱり撃たないと……いいんダ!一思いにやってクレ!」
エイラ「サーニャに何かあったら……私は生きていけないんダ!頼む中佐!撃ってクレ!」
坂本「おいおいミーナ、そのへんにしておいてやれ」
ミーナ「ふふ、ついつい苛めたくなっちゃって……」
ミーナ「本当のところ、そこらへんは心配無用よ」
ミーナ「燃料を補給した基地の責任者がうまいこと誤魔化してくれたわ」
エイラ「補給した基地って……」
坂本「506だ、そこのグリュンネ少佐が輸送機の不調だと上に報告してくれたんだ」
ミーナ「つまり公にはこの事件は存在しなかったってことになるのね」
ルッキーニ「それはつまり……」
ミーナ「あなたたちはいつもどおり私のキツーいお説教です」ニコッ
エイラ「うぅ……中佐ぁ……」
ルッキーニ「いつも怖いだなんていってごめんなさい……」
ミーナ「あらあら、泣いちゃうなんてもう。しょうがないわね」
バルクホルン「だがもし上に報告が届いていたら……」
エーリカ「まぁーほぼ間違いなくこうなっていただろうね」
坂本「グリュンネ少佐にも礼を言うんだな」
エイラ「にしてもじょ、冗談キツすぎやしないカ?」
エイラ「あ、あまりに怖くて固有魔法すら使えなかったゾ……」
ミーナ「だっておしおきだもの。未来予知を使われたら面白く無いでしょう?」
坂本「未来予知など私の気迫の前には意味をなさん、覚えておくんだな。わっはっはっは」
エーリカ「ま、肝心なときに本人が使えないんじゃ意味ないよね~」
バルクホルン「エイラは精神面で少し鍛錬が必要だな」
エイラ「……あれ?でもそれなら宮藤は……?」
シャーリー「おーい、少佐ー」
坂本「どうしたシャーリー、医務室にいたんじゃないのか?」
シャーリー「それがリーネが意識を取り戻したんだ!」
リーネ「……」
ミーナ「リーネさん、何があったか話してくれる?」
リーネ「……芳佳ちゃんです」
ミーナ「えっ?」
リーネ「芳佳ちゃんが全部悪いんです!私は芳佳ちゃんにハメられたんです!」
坂本「ネウロイにとりつかれたんじゃ」
リーネ「そんなの口からでまかせの嘘です!私を都合よく利用しただけです!」
リーネ「今日という今日はもう怒りました!私が何度止めても聞いてくれなくて」
リーネ「そのくせ自分は私を利用して……好きだからってだけじゃ許せません!」
リーネ「芳佳ちゃんは食堂です!SUKIYAKIを持って逃げる気です!」
坂本「なんだと……みんな!食堂だ!宮藤を取り押さえろ!」
食堂
宮藤「ぐへへへ、美味しそうなお肉だなぁ」
宮藤「後はコレを持って504あたりにでも……」
坂本「待て!宮藤!」
宮藤「ちっ……ど、どうしたんですか坂本さん」
坂本「お前、何を持ってる」
宮藤「あはは……やだなぁ、今晩の夕飯の材料ですよ」
ミーナ「ネタは上がってるのよ」
宮藤(どういうこと?私の秘密がバレた?どうしてって……あっ)
リーネ「」ジトー
宮藤(裏切ったんだねリーネちゃん、こうなったら)
宮藤「失礼します!」ダッシュ!
エーリカ「行かせないよー。私だってSUKIYAKI楽しみにしてるんだからね~」
宮藤(道を塞がれた!?)
宮藤「それならこっちに」ターン
シャーリー「おいおい、どこに行くつもりだ?」
宮藤「ならば後ろに!」ターン
バルクホルン「あー、そのなんだ。もう降参したらどうだ、宮藤」
宮藤「まだです!」ジャンプ
エイラ「私には宮藤の着地位置がわかるんダナ」サキマワリ
宮藤「だから何なの!?」ニダン ジャンプ
ルッキーニ「つっかまえたー」ガシッ
宮藤「なっ!?」
ミーナ「空中ではルッキーニさんにはかなわないわね」
坂本「さぁー覚悟しろよ宮藤。仲間まで売ったその罪はかなり重いぞ」
宮藤「す、すいませんでした!」
坂本「今更謝っても遅い!」ベシッ
宮藤「ゲフッ」
食堂
坂本「しかし、サーニャがもうすぐ帰ってくるぞ」
ミーナ「もう時間がないわね」
バルクホルン「困ったな」
エーリカ「さーにゃん、完成してないときっと怒るよ~」
シャーリー「まだ材料すら全然切り終わってないじゃないか」
ミーナ「このままじゃ間に合わないわ」
宮藤「やはり私の力が必要ですよね!」ガシャンガシャン
坂本「お前は鉄格子の中で反省していろ!」ベシッ
宮藤「はいぃ」ブルブル
リーネ「でも確かにこのままじゃ間に合いません、出してあげても……」
ガチャ
ミーナ「あら、誰かしら?」
ペリーヌ「ただいま戻りましたわ」
坂本「おお、ペリーヌか!」
ペリーヌ「……宮藤さんは何故檻に入っているのかしら?」
ミーナ「それがね、実はこういうことがあって」
ペリーヌ「そうでしたの、それは残念ですわ」
ペリーヌ「せっかくガリアで即席SUKIYAKIセットが手に入ったので持って来ましたのに」
全員「……えっ?」
ペリーヌ「?」
「ただいま戻りました」
ミーナ「サーニャさん、もう戻ったのね」
サーニャ「ええ、それで……鍋と……その……」
エイラ「サーニャ!お帰り!」
バルクホルン「鍋ならもうできてるぞ」
坂本「よし!揃った所で食べるとするか!」
全員「いっただきまーす」
宮藤「おいしい、おいしい」ハフッ ハフッ
リーネ「よくかんで食べなきゃだめだよ、芳佳ちゃん」
ミーナ「結局許しちゃったけど……これでいいのかしら」
シャーリー「おいルッキーニ!肉ばっか持っていくなよ!」
ルッキーニ「早い者勝ちだよぉ~」
バルクホルン「計画的に具材を投入するんだ、火加減も考えてな」
エーリカ「めんどくさいよー、まとめて入れればいいじゃん」
バルクホルン「それじゃあおいしく食べられないだろ!」
坂本「わっはっはっは、楽しければそれでよしだ」
ペリーヌ「全く、賑やかですこと。まあそれが……いいのかもしれませんわね」
ペリーヌ「少佐、このお肉はどうですか!とてもおいしそうですわ!」
坂本「どれ、もらうとするか」
ペリーヌ「少佐、こちらも」
坂本「おいおい、そんなに一度に食べられんぞ……まったく」
エイラ「なあサーニャ、それ熱くないか?」
サーニャ「大丈夫よ……それより」ジー
エイラ「な、なんだ?どうしたんだサーニャ?」
エイラ「おかわりか?それなら私がとってやるゾ!」
サーニャ「もう……どうして?……エイラのばか!」
エイラ「ど、どうしたんだヨ……サーニャ……」
宮藤「いろいろあったけど今日もストライクウィッチーズは平和です!」
END!
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません