葉山「やっぱり君の考えることは理解できないよ、比企谷」 (47)

“やはり俺の青春ラブコメは間違っている”のSSです

八幡「やっぱりお前とは友達になれねぇよ、葉山」 の続き

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葉山「やぁ」

八幡「……おう」



俺がクソリア充の葉山なんかと学校外で会っているのかとそれには理由がある。

いつも通り奉仕部で雪ノ下雪乃を観察して、日課の下校中のゆきのんを見守っているとメールが届いた。

てっきり愛読しているYFC-ゆきのんファンクラブ(会員番号0003)-からの定期メルマガかと思えば違った。

送り主はYFC(会員番号0002)の葉山隼人からであり、奴の名前を聞いて今日が金曜日だということに気付いた。

いつものゆきのん報告かと思えばそうでもないらしい。



なら大切なゆきのんとの下校を蹴ってまでクソリア充に付き合う必要なんてない。

そう結論付けた俺は猫と戯れるゆきのん(かわいい)をしっかりと網膜に焼き付けるべきだ。

どうしてゆきのんはあんなにも愛らしくて美しくて綺麗で可愛いんだ。

みんながYFCに入れば世界から紛争はなくなるんではないだろうか。

さっそく強化外骨格改め陽乃さま(会員番号0001)に提言しなければ。

そう思いYFCメルマガ専用とかしたスマホを開くと、また葉山からメールが届いた。



From:隼人
Sub : ※今ならもれなくろりのん画像プレゼント※
To :いつもの喫茶店に来てくれ。大切な話があるんだ





店員「ご注文はお決まりでしょうか?」

八幡「あ、キャラメルマキアートで」

葉山「ブラックコーヒーをお願いします」

店員「はーい。いつものやつですね。それでは失礼しまーす」

八幡「全く。いつもお前がここに呼び出すから顔を覚えられちまったじゃねーか」

葉山「それは君の瞳が特徴的だからじゃないかな」

八幡「それを言うならお前みたいなクソイケメンが通ってるからだろ」





葉山「全く、どうして君はいつも俺を悪く言うのかな」

八幡「そりゃあ。俺とお前は水と油、ゆきのん厨とガハマ厨みたいなものだからな」

葉山「まったくゆきのんは最高だね」

八幡「その通りだな」

葉山「ゆきのんは?」

八幡「天使!」

八幡「ゆきのんは?」

葉山「奇跡の産物!」







八幡「さて挨拶も済んだしとりあえずゆきのんのかわいさについて話すか」

葉山「そうだね」

八幡「そう言えばさ、この前ゆきのんがうちのかまくらと戯れてたんだが」

葉山「それで?」ゴクリ

八幡「すっげーかわいかった」

葉山「ゆきのんがかわいいのは万物の真理に決まってるじゃないか!

どこが!どう!かわいかったのかを言わないなんて君は頭がおかしいのか!?」バンッ

八幡「わりぃ……ついゆきのんがかわいくて、気持ちが早まっちまった……」



八幡「あぁ。実はこの前奉仕部に依頼があったんだ。

そのときうちで飼ってるかまくらって言う猫を連れて行くことになったんだ。

あ、かまくらっていうのは白っぽくてデブってる猫なん……」

葉山「君の家で飼っている猫の情報はどうでもいいから早くゆきのんと猫の戯れについて詳しく!」

八幡「あぁ。それで結局作戦は失敗したんだが、他のやつらがちょっとゆきのんとかまくらから目を離したんだ」

葉山「それでそれで!?」

八幡「まぁ必然的にゆきのんとかまくらの一神と一猫になったわけだ」

葉山「それからそれから!?」



八幡「ゆきのんはジーっとかまくらを見つめてたんだ」

葉山「ちょっと君のところの猫を貸してもらってもいいかな?」

八幡「は?なんでだ?」

葉山「猫鍋にして食べようかと思ってね」

八幡「やめろよ。そんなことしたら小町が悲しむだろ」

葉山「だめかな?」

八幡「ダメだろ。第一ゆきのんを独占した罪で飯抜きにしたら小町にすっげー怒られた」

葉山「なら仕方ないか」

八幡「で、かまくらと戯れるゆきのんを俺は眺めてたわけだ」



葉山「それでそれで?」

八幡「ゆきのんはおもむろにニャーと鳴き始めた」

葉山「ゆきのんはかわいいなぁ……」

八幡「まったくだ」

葉山「それから?」

八幡「ゆきのんは何回もニャーと鳴くとかまくらも呼応してニャーと鳴いた」

葉山「ふむふむ」

八幡「かまくらと会話するゆきのんをずっと眺めていたいとすら思った」

葉山「当然だね」



八幡「けど、俺はふと思った」

葉山「猫語を話すゆきのんに声を掛けるとどんなリアクションをするのだろうか、と?」

八幡「!?……どうしてわかった」

葉山「そのくらいわかって当然だろ?」

八幡「流石だな……」フッ

葉山「よしてくれ、照れるじゃないか」

八幡「で、俺は猫語を話すゆきのんに話しかけた。『何してんの、お前?』ってな」

葉山「すると?」

八幡「するとゆきのんは立ち上がって『なにが』となんでもないかのように答えた」

葉山「かわいい」

ちょっと休憩
10時頃再開します

そろそろ再開します



八幡「だろ?で、照れ隠しに俺を次々と罵倒し始めた」

葉山「口が緩まないように顔を引き締めるのに大変だったんじゃないか?」

八幡「その通りだ。あの時の俺はバイトをしてたときよりがんばってた気がする」

葉山「流石だね」


八幡「結論を言おう。







ゆきのんマジ天使」



葉山「全くだね」

八幡「で、その時の映像があるんだけどいる?」

葉山「是非くれ!ゆきのんのお宝映像をくれるっていうなら何でもしますから!」ガバッ






八幡「ん?」

八幡「今なんでもって言ったか?」






葉山「当たり前だろ!くれるための条件を言ってくれ!さぁ早く!」



八幡「なんてな」フッ

葉山「?」

八幡「お前は俺にろりのんの画像をくれたんだ。俺がどうしてお前に映像を渡さないだろうか」

葉山「比企谷……」

八幡「というわけでこれがその映像の入ったSDだ。大切に使えよ」つSD

葉山「ありがとう、比企谷……家宝にするよ」

八幡「いいってことよ」

店員「おまたせしましたー」

八幡「あ、ども」

葉山「ありがとうございます」ニコリ



葉山「実はもうひとつお願いしたいことがあるんだけどいいかな?」

八幡「なんだよ」

葉山「君のところの猫を貸してもらえないかな?」

八幡「猫鍋にして食うっていうならさっき断ったぞ」

葉山「そうじゃなくてさっきの話を聞いて思ったんだけど」

八幡「?」

葉山「ゆきのんと猫は見つめ合っていたんだろ?」

八幡「あぁかわいかった」

葉山「知ってる。そうじゃなくてゆきのんと見つめ合った猫と俺が見つめ合うと









それはつまり間接的にゆきのんと俺が見つめ合っていることになるんじゃないか?」


八幡「………………葉山、お前」ゴクリ










八幡「天才だな!」

葉山「照れるからよしてくれよ」ハハハ

八幡「確かにその通りだ!

間接キスがあるんだから間接見つめ合いがあってもおかしくない!

むしろ今までなかったことのほうが不自然なくらいだ!」

葉山「それでどうかな?」

八幡「いや、ダメだ」



葉山「どうして!?今君も間接見つめ合いを理解してくれたじゃないか!」

八幡「だって初間接見つめ合いは俺がほしい」

葉山「君はなんて強欲なんだ……!生で猫と戯れるゆきのんを見たのに、さらにゆきのんを求めるというのか!」

八幡「なら逆に聞くがお前が俺の立場だったらどうする!?」

葉山「独占したいに決まってるじゃないか!」

八幡「だろ?」

葉山「あぁ」



八幡「というわけで最初は俺が……」

葉山「ダメだ!」

八幡「お前今納得しただろ!」

葉山「俺だって初間接見つめ合いがほしい!」

八幡「やっぱりお前とは友達になれねぇよ、葉山」

葉山「そんなこと言わないでくれよ、比企谷」

八幡「だがこればっかりは譲れないな」



葉山「……逆に考えてみてほしい」

八幡「というと?」

葉山「かまくらは君の家の猫だ。つまり君はいつでもゆきのんと間接見つめ合いをすることができるということだ」

八幡「なん……だと……」

葉山「君はそれだけ恵まれた環境にいるんだ」

八幡「俺が……間違っていたのか……」

葉山「いいんだ、比企谷。すべてはゆきのんを愛していればこそだ」

八幡「すまない、葉山。俺が間違っていた」

葉山「いいんだ、比企谷。ゆきのんは愚かな俺たちを冷笑してくれるさ」

ちょい休憩してから一気にいきます



八幡「……葉山。お前にゆきのんの初間接見つめ合いを譲るよ」

葉山「ありがとう、比企谷。」

八幡「いいって。なんていったって俺とお前は盟友、だからな」

葉山「さて。それじゃあ君の家に行こうか」

八幡「いや、ちょっと待ってくれ」

葉山「どうしたんだ?」

八幡「俺は今、一つの真理を見出したのかもしれない」

葉山「聞こうじゃないか」











八幡「俺とお前は実は愛し合っているのかもしれない」



葉山「なん……だと……!?」




葉山「いやいやいや!ちょっと待ってくれ!俺はゆきのん一筋だ!」

八幡「いいから俺の話を聞けよ」

葉山「話を聞こうじゃないか」

八幡「まず俺はゆきのんを愛している」

葉山「そうだな」

八幡「そしてお前もゆきのんを愛している」

葉山「当たり前だろ」








八幡「つまり俺とお前はゆきのんという天使を介して愛し合ってるんじゃないか?」



葉山「その可能性は考えていなかった……」







八幡「例えばゆきのんと俺が愛し合ってにゃんにゃんしたとする」

葉山「そんなことしたらぶっ[ピーーー]ぞ!?」

八幡「黙って聞けよ。そしてゆきのんとお前が愛し合ってにゃんにゃんしたとする」

葉山「………………」ドピュッ

葉山「……ふぅ。話を邪魔して悪い。続けてくれ」

八幡「つまりゆきのんが誰かの彼氏になったとして、するとYFCで暴動が起きる」

葉山「光景が目に浮かぶよ」



八幡「ならそうならないためにはどうすればいいか」

葉山「」ゴクリ

八幡「結論を言おう。




ゆきのんを愛し合っている者同士愛し合えばいいんじゃないか」






葉山「その考えはなかった。君はもしかして孔明の生まれ変わりなんじゃないか?」

八幡「よせよ。どうせなら前世がゆきのんの靴って言われたほうが嬉しいな」

葉山「無機物か……」

八幡「よく考えてみろ。ゆきのんに気に入られて買ってもらえて、ゆきのんに踏んでもらいながら、かつゆきのんの御脚を守ることができるんだぞ?」

葉山「ゆきのんの靴……ありかもしれない」



八幡「だろ?話を戻すぞ。つまり俺とお前は愛し合っているということになる」

葉山「なるほど……」

八幡「そして暴動が起きないように、ゆきのんを愛するには俺とお前がにゃんにゃんすればいいんだ」

葉山「全く……君のゆきのん愛にはいつも驚かさせられるよ」

八幡「大切なことはすべてゆきのんが教えてくれたのさ」

葉山「いや、だが待ってほしい」



八幡「なんだよ」

葉山「これから俺と君が愛し合うにあたって、どっちが攻めでどっちが受けなんだ?」

八幡「確かにそうだな」

葉山「隼×八なのか、八×隼なのか。間違った選択をすれば暴動が起きるぞ」




八幡「だが答えはこの作中に出てきているぞ」




葉山「本当なのか……?」ゴクリ

八幡「あぁ、もちろんだ」




葉山「でどっちが上なんだ!?俺か、君か!」

八幡「お前、さっき『なんでもする』って言ったよな?」ニヤリ

葉山「っ!」

八幡「というわけでこれからうちに来いよ、葉山」

八幡「今日は家に誰もいないんだ」

葉山「……あぁ、わかった」///





―八幡'sルーム―



八幡「大丈夫か、葉山」

葉山「すごい異物感だよ。まだ入ってるみたいだ」

八幡「気分はどうだ?」

葉山「……意外と悪くない気分だ。いや、むしろ心地良いとすら思える」

八幡「そうか。けどこれもゆきのんのお陰と思えば必然なのかもしれないな」

葉山「全くだね。やっぱりゆきのんは偉大だよ」

八幡「なぁ、葉山」

葉山「ちょっと待ってくれ」

八幡「どうした?身体が痛むのか?」



葉山「………………」

八幡「?」

葉山「もう浅からぬ関係だから……その……」

八幡「何が言いたいのか、さっぱりわからないな」ニヤリ

葉山「やっぱり君の考えることは理解できないよ、比企谷」

八幡「まったく、お前は思ってたよりも甘えん坊だな、隼人」ナデナデ

隼人「ひ、比企谷……!」

八幡「違うだろ、もう一回俺の名前を言ってみろよ」

隼人「は、八幡は意地悪だな……っ」

そして二人は自然と口を交えた










やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続




Fin.

というわけで終わりです
どうしてこうなった

本当は絡みパートもあったけどアレだったので封印しました

801を書くつもりなんてなかったけど期待されたから仕方ないね

あと一つ残ってるのでそれ書いたらこのシリーズは終わりです

あやせSS書くか雪乃SS書くかは今考え中

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月18日 (土) 00:03:11   ID: I-oQtZrq

面白いので最後まで頑張って下さい。
応援するので(*˙︶˙*)☆*°

2 :  SS好きの774さん   2015年06月06日 (土) 15:35:10   ID: bjrzamQw

海老名さん歓喜

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