【オリジナル】安価とコンマで異世界を繋ぐ契約を結ぶ その2 (761)



私は時々思うことがある

私という人間は『本当に私なのかな』って

その人を、その人足らしめるものは過去しかない

過去の記憶が、思い出が、その人の人となりという奴を作り上げる

私にはそれが無い

私はずっと、こんな私の様な気がする

だって、私はこんな私しか知らずに『13歳』で生まれたんだもん

13歳以前の私は『誰』だったんだろう?


誰も知らない

誰も覚えていない

友達も、幼馴染も、お屋敷に住む人も、自分でさえも


たった一人知っているとしたら『ナキ』だけだろう


いつだったか、聞いたことがある気がする

一度だけ、ナキが口を滑らせたことがあった



『お前の味方は常に一人だけだ』と





SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429197867


安価とコンマでオリジナルの異世界で『導師』となって物語を作ります


1スレ目 【オリジナル】安価とコンマで異世界を繋ぐ契約を結ぶ
【オリジナル】安価とコンマで異世界を繋ぐ契約を結ぶ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426762726/)





過去作

安価とコンマで1から物語を作る1~8
安価とコンマで1から物語を作る - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1385/13854/1385456190.html)


【オリジナル】安価とコンマで異世界ファンタジー1~3
【オリジナル】安価とコンマで異世界ファンタジー - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1418555016/)

【主人公プロフィール】


名前:リメロン・アスバール
性別:女性
職業:図書館騎士



適応能力:7  並大抵の契約相手では体調に異常をきたさない
身体能力:8  人間レベルでトップクラスの身体能力を持つ
精神力: 9  決して屈しない強靭な心を持つ
家系階級:3  代の浅い貧乏貴族



年齢は20歳
身長は167cm
白いメッシュの入った長めの黒髪をポニーテールにしている
左目が黒、右目が白色のオッドアイ。かなり豊満な胸を持つ
非常に元気で前向きな性格であり、後先考えず行動することが多い
13歳の時、思い出と引き換えに『ナキ=カンナギ』と契約を結んだ
無くしてしまった思い出を悲しくも思うが、さほど気にしてはいない
両親はおらず、血の繋がっている家族もいない
思想は中立派であり、どちらの言い分も間違っていると思っている






【特殊能力】



『契約:神』
永遠を司る龍神『ナキ=カンナギ』と契約を結んでいる
戦闘時は右半身がナキと同化し、永遠を引き起こす奇跡を振るう



『生贄:思い出』
契約した日以前の思い出全てを代償に捧げている
ナキを除いてこの世に誰一人、リメロンの過去に何があったかを知る人物はいない
ただ漠然と人と人との関係だけが残っている

【契約者】

名前:ナキ=カンナギ
性別:無性
種族:神(龍神)



強さ:9 永遠を司る奇跡を引き起こす



年齢は8000ほど(本人談)
体長は不明(伸縮自在)
真っ白な鱗を纏った蛇の姿の龍神
冷静で落ち着いた性格であり、世話焼きな一面もある
年老いた男のような声で喋り、その言動からは威厳を感じられる
押しに弱く、意外と流されやすく感情的
蛇として生まれ、何の因果か生まれつき鱗が白く染まっており悪魔として恐れられてしまっていた
しかし、いつしかその特異な容姿が神々しいとされ神として祀られるようになった
後天的に神になった龍神であり、知名度もそれなりに高い
信仰の加護により死ねない体になってしまったが、特に思うことは無い
好きなものは雨と湿気
嫌いなものは頭の悪い生き物




【特殊能力】



『神通力』
永遠を引き起こす神の奇跡
静止や延長、停滞や呪縛などの現象を引き起こす



『神器:鱗』
基本世界の神話的概念において『永遠』の象徴であるナキの鱗
鱗一枚一枚が神器であり、特別な神秘に包まれている
適合力不足でリメロンはうまく扱えていない


【現在の状況(表)】



『リメロン&ナキ』
隣町で特別任務に就く
友人であるフェリル・キューブリックと共に、『夕方~深夜』にかけての警備に回る
仮面人間を操る暗殺者の仲間と思われる集団と遭遇



『ロイヤル&サタナウル』
絶賛暗躍中
リメロンを欺き、暗殺者クーと繋がっている
何か目的があるっぽい?



『エド&キュベレ』
出番が少なすぎて何をしているか不明
図書館騎士としての仕事は全うしている模様



『ティエル&エンラ』
平和に毎日を過ごしている模様
エンラは何故か一人で居ることがある。何をしているのだろう?



『エミリー&トシヒサ』
平和に毎日を送っているように見せかけている
何か目的があって引っ越しをしてきたらしい
町が危険な状態の時に引っ越しをしてきてタイミングが悪い



『リリス&アリスwithヨル』
平和に毎日を送っている
リリスは自分がど忘れしてしまっていることにかなりの衝撃を受けているようだ
必死にグリン家について調べているらしい



『フェリル&ミィ』
絶賛爆睡中
コイツラに裏は無い(確信)


【現在の状況(裏)】



『ロフ&エール』
町はずれの無人の屋敷を仮住まいとしている
町中で似顔絵を配られ、ロフは町を出るときは用心しなければならない
仮住まいの屋敷で『執事のメモ』と『シンデレラ実験記録』を発見した



『クー&マスク』
リメロンが隣町に居ることに困惑中



『フレア&グラン』
リメロンにガチビビり中
本気でこれからどうしようか悩んでいる



『オルト&ミネア』
絶賛治療中
契約状態ではよっぽどの事が無い限り死なない



『怪人スマイル』
詳細不明


埋まったっぽい?

ので再開しようかと思いましたが、もう遅いのでここまでとします



5人目の出すかどうか迷っていた募集キャラは『グラン・レイ・キングダム』さんです!!
もう一つの選択肢は魔法使いの義賊『ハオ』でした


それではまた、お付き合いいただきありがとうございました

乙乙リメロン強いんだろうけど運があまりよろしくない

リル君やっぱりだめだったかー
せっかく時間かけて考えたのになー


>>9
リメロンはこれでも今回の物語で3番目に強いので滅多に負けないはずだったんですけどね……素直に相手のコンマがすさまじかったです
因みに今作最強は見事アリスを引き当てたリリスです。アリスwithヨルに勝てるようなやつなんてほぼ確実に出てこないでしょう


>>10
もうちょっと枠に余裕があれば採用したかなぁという感じです
前作のファンタジーなら採用されていたと思うほどリル君も丁寧でいいキャラでした




そろそろ再開っす

前スレ>>1000
一応検討しておきます。多分敵側かな…



英気を養うために近場の飯屋に足を運んだ


リメロン「ナキ~食べさせて~!」

ナキ「左手があるだろう」

リメロン「いいじゃんか、疲れたんだよ~痛いし怖かったし」

ナキ「よく見ろ、私には手が無いんだ。主人に食べさせてやれない」

リメロン「いつもみたいに口渡しでいーじゃん」

ナキ「あれは食べ歩きの時だけだ、店にまで来てはしたない真似はしない」

リメロン「もう…ケチなこと言わずに頑張った私を労ってくれてもいいのに」

渋々左手でフォークを持ち、慣れない手つきで料理を口に運んでいった



イベント判定
5以上で発生

直下コンマ


コンマ判定:0 イベント発生



リリス「……それで、その…どうして私まで一緒に連れてこられたのでしょうか?」

リメロンの目の前で縮こまって椅子に座っているリリス
彼女の隣には珍しくアリスとヨルが居なかった

偶々飯屋に行く途中のリメロンに、無理やり連れ込まれて現在に至る

リメロン「どうしてって…財布よ財布」

リリス「帰ってもいいですか!?」

リメロン「ま、それはついでよついで話したいことがあったの」

リリス「結局払わされるんですね……それで、話とは何ですか?」

リメロン「それは……」




1、ついさっき剣を交えた集団について
2、ここで起きている事件について
3、グリン家の事の続報
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>15採用:3、グリン家の続報



リメロン「この前話をしたグリン家の次男について、続報はある?」

リリス「それはですね、もうそれはもう血眼になって探しましたよ!!」

リリス「この私がうっかり忘れてた何てこと今までに一度もありませんでしたから」

リメロン「そうなの?」

リリス「そうなんです!なんたって私は完全記憶能力がありますからね!今まで生きてきて一度も何かを忘れたことはありませんよ!!」

リメロン「へ~…」

リリス「どうですか!?私の事を称えてもいいんですよ!!」

リメロン「いいから続きを話しなよ」

リリス「むぐぅ……ごほん。それでですね、調べた結果『分からなかったんです』」

リメロン「何よそれ、役に立たないわね…」

リリス「最後まで聞いてください!この私にわからなかったという事は『事実が抹消されている』可能性が高いです」

リリス「そしてこの私、抹消された理由について最も信憑性が高いものを突き止めました!!」


リリス「それはですね、『契約』です」

リメロン「『契約』……つまり異世界の力って事?」

リリス「いえ、そうではありません。私、よくよく考えてみればこれと似たような状況…ド物忘れをしたことがあるんですよね」

リリス「そのど忘れをした状況とは『リメロンさんが思い出を代償に捧げた時』です」

リリス「リメロンさんがナキさんに捧げた『思い出』、『過去の記憶』はこの世界の全ての人間から抹消されました。記録に文字すら残っていない」

リリス「だから私にも貴女の事を思い出せなかった。これと今の状況、とても似てるとは思いませんか?」

リメロン「…………なるほど、つまり契約の生贄によって誰もグリン家の次男の事を思い出せない…と。そういうこと?」

リリス「恐らくそうだと思います。過去改変や事象書き換えの異世界の力という可能性も0ではありませんが、それならばもっと完璧に痕跡を消せるはずです」

リリス「グリン家の次男という存在が、朧げに記憶の片隅に存在している。私と知り合いだったような…?という状況だったかつてのリメロンさんと一致します」

リリス「ここからは完全に推測なんですが、グリン家の次男が生贄に捧げたのは『自らの名前』だと思われます」

リメロン「名前か……随分なものを生贄に捧げたのね…」

リリス「まだ私の調べた範囲では誰も名前を言えなかったという理由の元での推察ですけれどね。どうです?参考になりましたか?」

リメロン「…うん、ちょっと舐めてたわ。アンタ凄いのね」

リリス「ふふ~ん!まあこの私にかかれば当然ですね!!」

リメロン「………そのムカつく顔さえしなければね」

リリス「あだだだだ!!顔を掴むのをやめて下さい!!私のキュートな小さい顔が更に小さくなっちゃいます!!」

得意げに鼻を鳴らすリリスの顔に、気が済むまでアイアンクローを喰らわせた


リリス「ひぃ…野蛮人です。これだから貧乏貴族は嫌ですわ…」

アイアンクローから解放されたリリス、渋い顔をしながらこめかみをさすっている


リリス「お話っていうのはそれだけですか?」

リメロン「え~っと……」



1、ついさっき剣を交えた集団について
2、ここで起きている事件について
3、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>22採用:1、



リメロン「…ついさっきの騒動知ってる?私が戦ってたんだけど」

リリス「ああ、あのごく一部の地域で凄い雲が出てたらしいですね。あれってリメロンさんだったんですか?」

リメロン「うん、ちょっと色々あってね」

リリス「被害届が…」

リメロン「でさ!!そこで戦闘をしてた相手、もうすっごい怪しい集団だったのよ」

リメロン「黒衣の少女と、キッチリした礼服を纏った黒髪オールバックと糸目の青年、そんで派手な服を着たおっさん」

リメロン「全員『導師』だったんだ」

リリス「ええ!?導師と戦ってたんですか!?どんな厄介ごとを…」

リメロン「明らかに貴族じゃないんだよ。…それで、ここ最近起きてる事件と関わりがあるんじゃないかと思ってね」

リメロン「え~っと名前は……なんて呼ばれてたっけな……」

ナキ「黒髪オールバックがフレア、糸目がオルト。派手な服を着た男がシュウだ」

リメロン「そうそれ!何か知らない?」

リリス「……………」





コンマ判定
7以上で判明
家柄 +3
隠蔽 -2

直下コンマ


コンマ判定:2-1



リリス「…う~ん…聞いたことのない名前ですね」

リメロン「外見の特徴に覚えは?」

リリス「……う~ん…不審者報告の中にあったような無かったような…」

リメロン「チッ…」

リリス「い、いま舌打ちしましたね!!ご飯奢ってあげませんよ!!」

リメロン「気のせいよ。しかし…リリスにも覚えが無いとなると…余程内密に事が運んでるのかしら」

ナキ「偽名という可能性もあるやもしれん」

リメロン「…確かに、導師だったからかつては貴族で名前を変えているという可能性はあるわね」

リリス「よく分かりませんが、一応調べておきましょうか?」

リメロン「頼むわ」


夕方


ご飯を食べながら会話をしているうちに時間がたち、日が暮れかける時間になっていた

フェリルを迎えに行き、警備の仕事に入る



リメロン「…………」

フェリル「如何したリメロン?腕を庇ってるようだが」

リメロン「ああちょっと怪我してね。あんまし動けないかも」

フェリル「何!?それは本当か!?休んでてもいいんだぞ!!」

リメロン「遠慮しておくわ、私が勝手に首を突っ込んで勝手に怪我しただけだし。私の我儘で任務放棄はまずいから」

フェリル「そうか、ならばこの私とミィに任せておけ!!しっかり守ってやるぞ!!なあミィ!!!」

ミィ「はいはいにゃあ…」

リメロン「……一応、頼りにしてるわ」


テンションの落差が激しい二人と共に警備をする



イベント判定

1-4  見たことある顔
5-8  何もなし
9,0   ???
夕方  -2
騒動直後 -3

直下コンマ
  

※補正が―じゃなくて+でした。申し訳ありません


コンマ判定:3+5  何もなし



リメロン「………………」

フェリル「………………」


予想よりも穏やかに時間が過ぎる

何事も無い、平和な街並みだ


フェリル「夕日、綺麗だな」

リメロン「…そうね」

フェリル「……………」

リメロン「……………」

リメロン(暇だし、何か話そうかな)



会話安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

学校時代の思い出話

>>30採用:学校時代の思い出
※十分ルール適応



リメロン「そういやさ、私の方が先に卒業したけど何時卒業したの?」

フェリル「直ぐ一年後」

リメロン「ふ~ん……卒業して直ぐに騎士になったんだよね」

フェリル「だな。おかげで随分会う機会が減ってしまっていたな」

フェリル「エドは元気にしてるか?」

リメロン「相変わらず憎たらしい奴だよ」

フェリル「ははは、仲がよさそうで何より」

リメロン「ぜんっぜん仲良くないから」

フェリル「施設の時からいつもエドに食って掛かっていたな。気に食わないだなんだと言って」

リメロン「だってムカつくんだもん。あんなえらっそうな野郎が私よりも成績が上なんて……」

フェリル「エドは常にトップでリメロンはいつも2位だったな」

リメロン「アイツが成績見せつけてきて偉そうな顔で自慢するたびにボッコボコにしてやったけどね」

フェリル「ふはは、そうだったそうだった。喧嘩はリメロンの方が強かったからなぁ」

リメロン「喧嘩に負けるって分かってるのにケンカ売りに来るからねアイツ。気持ち悪い」

フェリル「ふふふ、それほどリメロンの悔しがる顔が見たかったんだろうな」

リメロン「……アンタはいつも蚊帳の外で私達の喧嘩をゲラゲラ笑って見てるだけだったわね」

フェリル「二人とも簡単に火がつくからな。煽り甲斐があったというものだよ」

フェリル「たまに飛び火して大変なことになりかけたけどな!!」

リメロン「あんだけ煽ればそりゃそうなるわ……」


昔話に花を咲かせながら警備を続けた





リメロン「ふわぁ……はふ……思ったよりも平和なのね」

フェリル「そうでもない、夜は長いぞ」

リメロン「……そうね、寝ないように気を付けるわ」



大きなあくびをしながらも、眠気を噛み殺して真面目に警備を続けた



イベント判定

1-5  怪しい二人組
6-8  何もなし
9、0  悲鳴?

夜   -1
騒動直後 +3

直下コンマ


コンマ判定:0 悲鳴?


「きゃあああああああああ!!」



どこからか、大きな女性の悲鳴が聞こえてきた


リメロン「ッ!フェリル今の悲鳴!」

フェリル「私にも聞こえた!!ミィ!場所は分かるか!!」

ミィ「多分あっちだにゃあ」

フェリル「急ぐぞ!!」

フェリルはミィを抱きかかえ、ミィが指さした方向へと走っていく

それを追うようにリメロンも駆けだした


コンマ判定
奇数で一人、偶数で二人

直下コンマ


コンマ判定:奇数 一人


ミィが指をさした先は狭い路地の裏

その道中、赤い液体がてんてんと道筋をつけていた

角を曲がった瞬間、強烈な生臭さが鼻をついた

そこにはかつて人だった肉塊と、剽軽な顔つきのピエロが居た


リメロン「クッ…一歩遅かったか……」

フェリル「おいそこのピエロ!!動くなよ!!お前が犯人なんだろ!!」

ピエロ?「………ピエロ?はて…そんなものが何処に居るのかな?私にも教えてはくれないか?」

ピエロは男の声だった

ふざけたような仕草で、きょろきょろと辺りを見回す


フェリル「とぼけるな!!そこのお前の事だ!!」

ピエロ?「お前?…それはもしや、私の事なのかね!?」

フェリル「どう見てもこの場にピエロはお前しかいないだろ!!」

ピエロ?「ノンノンノンノン」

チッチッチと鳴らしながら指を振る


ピエロ?「よく見給え。私の顔には涙が無いだろう?」

ピエロ?「ピエロというのはね、悲しい存在なんだ。道化を演じ、誰かに笑われる者。笑顔の化粧でそれを隠しながらも、心で涙を浮かべているのだよ…」

ピエロ?「だから、ピエロには涙の化粧がされている。私には涙が無いだろう?」

フェリル「だからなんだっていうんだよ」

ピエロ?「私は『笑われる』ピエロじゃない」


ピエロ?「人を『笑わせる』クラウンさ!!!」

両手を広げ、大声で叫ぶ

クラウンと名乗るものの手には、何かが握られていた

クラウン「私は笑顔がだ~い好きなんだ。見てごらん、この子もいい笑顔だと思わないかい?」

そうしてクラウンは手に持っていたモノを自らの顔の隣に寄せる

目が慣れ、その物体が何かを理解した


リメロン「腐れ外道ってわけね…」


クラウンの手にあったものは、恐怖で歪み涙を流しながらも笑う女の顔だった


クラウン「今日もまた!!私は一ついい笑顔を頂いた!!!」

クラウン「人を笑顔にしてあげた!!!!」

クラウン「私はわざと芸を失敗して道化を演じることでしか人に笑ってもらえないピエロじゃない!!」

クラウン「人を笑顔にする道化師!クrrrrrッラウンなのさァ!!!」


クラウン「スマ~イル、スマ~イル♪」


女の顔を放り投げ、ニコニコと頬を押し上げる仕草をする


クラウン「申し遅れたね、私は『スマイル』笑顔を届ける道化師さ♪」

ナキ「主人、こやつが噂の…!」

リメロン「ええ、連続殺人鬼……怪人『スマイル』ってわけね」

スマイル「うふふふふふふ、私も随分有名人になってしまったね」


二人の騎士を前にして、怪人スマイルは愉快そうに笑顔を浮かべる

それは余裕の表れなのだろうか?


リメロン(…………)



行動安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

とりあえず人が集まるように派手に攻撃


>>44採用:



リメロン(フェリル。警備は私たち以外にも居るよね)

フェイル(二組居たはず)

リメロン(派手に戦うわ。人を集めてコイツを包囲する)

フェリル「派手にだな!任せろ!!」

リメロン「作戦言うな!!耳打ちしてる意味ないでしょーが!!!」


「「「契約執行」」」

三人の声が重なった

リメロンとフェリル、そして怪人スマイルの声が


リメロン「な!アンタも導師なの!?」
                                            ジェスター
スマイル「如何にも!!私も『導師』だけど、導師を超えた更に上!!『導化師』さ!!!」

リメロン「じぇ、ジェスターですって!?」

ナキ「知っているのか!」

リメロン「いや、全然知らないから困ってる!!」


スマイル「我が指先に笑顔の魔法を!!」


言葉と共に白い布手袋をはめた手を高々と掲げた

それと同時に強烈な閃光が放たれる

あまりの眩しさに、思わずリメロンとフェリルは目を閉じてしまった


リメロン(マズイ!!)

咄嗟にフェリルを抱き、マントの中に隠す

リメロン(せめてまともに戦えるフェリルの盾に!!)

と、そう思っていたのだが何も衝撃は襲ってこない

目を開けば、スマイルは目の前から忽然と姿を消していた


リメロン「まさか、ただの目晦まし!?」

フェリルを突き飛ばし、慌ててスマイルの姿を探す


リメロン「ッ!見つけた!!」

スマイル「ふははははは!!私は騎士二人を相手にして生き残れるような能力は持ち合わせていないのでね、退散させてもらうよ!!」

建物の屋根をアクロバティックに駆けていく姿が見えた


リメロン「逃がさない!!行くわよフェリル!!乗せなさい!!」

フェリル「しっかり捕まってろよ~!!!行くぜっ!!」


リメロンはフェリルの背中に捕まり、スマイルの背中を追った


※追跡戦開始です


五回の判定中、3回以上相手の判定を上回れれば勝利です



直下コンマ:リメロン&フェリル追跡判定
契約(悪魔) +2
人数補正  -1


↓2コンマ:怪人スマイル逃走判定
契約(神)  -3
契約(??) +3

二桁コンマ判定で常に高い数値を使用する


コンマ判定:3+1


コンマ判定:7


追跡記録
×


リメロン「永遠の奇跡なめんなよ、こちとら捕縛は専門なんだから!!喰らいつけ『神憑き』!!」

スマイル「おお怖い怖い♪笑顔を忘れているよ、可愛い騎士様」

永遠の奇跡によって地面から飛び出した蛇がいともたやすく避けられる

スマイルの足に向かって追尾するが、何かに阻まれ蛇の体が両断される


リメロン「き、奇跡を断ち切るってアイツ何と契約してるのよ!?」

リメロン「フェリル!もっと速度だして!!」

フェリル「こ、これでも頑張ってるんだよ!?」


騒いでいる間にもスマイルとの距離はどんどん離されていく


リメロン「こ、こうなれば作戦通り派手に暴れるしかない!!」





直下コンマ:リメロン&フェリル追跡判定
契約(悪魔) +2
人数補正  -1
作戦    +1


↓2コンマ:怪人スマイル逃走判定
契約(神)  -3
契約(??) +3

二桁コンマ判定で常に高い数値を使用する


コンマ判定:2+2


コンマ判定:5


追跡記録
××


リメロン「ド派手にかましてやるわ!!範囲指定!!吹きすさべ『神荒れ』!!」


巨大な雲が渦を巻き、霰を降らしながら暴風が吹き荒れる

雲の切れ目から光が降り、空間を分断する


リメロン「こっからは神の領域よ!!コイツで……」

スマイル「メイク・ア・カット!」

光の壁に向かって人差し指を立てに振る

その指先になぞられた様に光の壁に亀裂が入る


スマイル「ブレイク!!!」

その切れ目に向かって拳を振るうと、ガラスのように光の壁が粉々に砕け散る


リメロン「なにあれ!?何それ!?何なのよ!!!」

ナキ(お、落ち着け主人!次の策を考えろ!!)

リメロン「言われなくても分かってるわよ!!分かってるけど…!!」


遠ざかる背中に、リメロンは苛立ちを隠せない





直下コンマ:リメロン&フェリル追跡判定
契約(悪魔) +2
人数補正  -1


↓2コンマ:怪人スマイル逃走判定
契約(神)  -3
契約(??) +3

二桁コンマ判定で常に高い数値を使用する


コンマ判定:0  クリティカル


コンマ判定:8



怪人スマイルの『契約:??』により、相手のクリティカルを振り直し


直下コンマ:リメロン&フェリル追跡判定
契約(悪魔) +2
人数補正  -1


コンマ判定:2 



追跡記録
×××


三回失敗の為追跡失敗



フェリル「ちょ…くぅ……リメロン嵐止めて!先に進めない!!」

リメロン「ああ、ゴメン!」


直ぐに嵐をとめ、光の壁を消失させた

嵐が止み、改めてスマイルの背中を追おうとしたときには既にその姿は消えていた


フェリルの背中から降り、お互いが契約状態を解除する


リメロン「……ごめん、逃げられた」

リメロン「はぁ…図書館騎士の私が居ながら……」

フェリル「まあまあ落ち込むな!そういう時もあるさ!!」

励ますようにリメロンの肩をポンポンと叩く


リメロン「今まで捕縛に失敗したことなんてなかったんだけどなぁ…」

フェリル「私もリメロンがあそこまで焦っている姿は初めて見た。いやぁいいものを見たよ。あっはっは!」

リメロン「笑いごっちゃないでしょう……殺人鬼を逃したのよ?」

フェリル「ふっふっふこんなこともあろうかと!!ミィ!匂いは覚えた!?」

ミィ「ふにゃっ!?何の事にゃあ!?」

フェリル「お前犬だろ!何とかしろ!!」

ミィ「ミィは番犬であって猟犬じゃないにゃあ…無茶言わないでほしいにゃあ」

フェリル「その鼻は飾りか!!」

ミィ「飾りにゃあ」

リメロン「…………はぁ…本格的に追跡失敗したみたいね」

ミィ「痛いにゃあ…暴力は止めるにゃあ……」

フェリル「くそう!この駄犬!!」


グリグリとミィの鼻を摘まむフェリルを尻目に、リメロンはガックリと肩を落とした


深夜


暫く体を休めた後、再び警備を開始した



イベント判定

1-3   怪しい二人組
4-7   何もなし
8、9,0  他の騎士と出会う

深夜 -2
騒動直後 +4

直下コンマ


コンマ判定:3+2 何もなし



長い間巡回を続けた

疲労からか、視界が霞み始めたころ

薄らと日が昇ってくるのが見えた

時計を確認してみると午前五時、交代の時間だった


リメロン「今日はここまで…かしら?」

フェリル「だな。早く寝に行こう…このままじゃあ立ったまま眠ってしまいそうだ」


そうしてリメロンとフェリルは警備を終えて眠りにつくのだった



リメロンの寝場所

1、宿をとってある
2、フェリルの屋敷
3、リリスの屋敷

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>69採用:2、フェリルの屋敷


六日目終了



今日の更新はここまでです

前々からずっと出してみたかった怪人スマイルが出せて大満足です!!

私はこういうトチ狂った頭のキャラが大好きです!!


それではまた、お付き合いいただきありがとうございました

>>1はネウロに出てくるような犯人の犯罪美学とか好きそう、俺も好き(意味不明)


>>71
すっごく影響受けてます。やっぱり分かるものなんですね
ネウロ大好きっす!!



そろそろ再開です!!


深夜イベント


1、エド・ユーヴィッヒ
2、エンラ
3、エミリー
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>74採用:2、エンラ


深夜


エンラは走っていた、いつものように外に出ていつものように『探して』いると

遠くで悲鳴が聞こえたのだ

女の人の悲鳴だった

だから、彼は必死で走っていた

声のする方角へと


エンラ「はぁ…はぁ…はぁ…!!」

エンラ(きっと…悲鳴の先にはアイツが…!!)


人間とは思えないスピードで屋根の上を駆けていく


エンラ「…ッ!!」

頬に何かが当たり、思わず足を止める

エンラ「……冷たい、なんだこれ?」

空を見上げると猛烈な速度で雲が動いているのが見えた

轟々と音を立て、雨よりも大きな塊が落ちてきていたことを理解した


エンラ「雪…いや雹か?なんでこんな時に?」

エンラ「うわっ!!」

突如、雲から眩い光が降りてくる

その光は壁となり、エンラの行く先を塞いだ


エンラ「な、何だよさっきから。何が起きてんだよ、先に進めないだろ!!」

エンラ「こうしている間にもティエルは…!!」


エンラ「………『浸食の緑焔』」

指先から灯る緑色の炎が光の壁に触れる

その炎は一瞬で燃え広がり光の壁にぽっかりと穴をあけた


エンラ「うっひゃ~…すっげ~嵐。どうなってんだよ今日は」

エンラ「…『外殻の橙焔』」


橙色の炎を纏い、霰が吹き荒れる嵐の中を突き進む

だが、足を踏み入れて数秒もせずに嵐はパッタリと止んでしまった

いつの間にか雲は流れ、光の壁も消えていた

エンラ「……本気でどうなってんだ?」

続けざまに起こる超常現象に首を捻っていると、人の大きな声が聞こえた

会話を聞こうと声のする方に近づき、声の主の姿を見た

それはよく知る人物のモノだった


エンラ(リメロン!?どうしてここに!?)

エンラ(俺がここに居るってばれたらマズイ!……急いで帰ろう)


そう決めたエンラは目的を中断し、慌てて屋敷に帰っていった


六日目(裏)


1、ロフ・グリン
2、クー
3、エド・ユーヴィッヒ
4、怪人『スマイル』

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>84採用:1、ロフ・グリン





すっかり体が慣れたベッドから起き上がり、女神の寝顔を見てエネルギーを呼び起こす

そんないつも通りの過程を経て、エールとロフは朝食をとっていた


エール「……はむ……むぐむぐ」

ロフ「口元が汚れているよ…」

エール「はふ…わざわざすみません…」


寝起きで寝ぼけ眼のエールの口元をナプキンで拭う

そのナプキンについた食べカスを口に運ぼうとして、エールが居ることを思い出し懐にしまった

ロフも朝食をとりながら、今日の事を考えていた


ロフ(昨日見つけたのは『シンデレラ実験記録』)

ロフ(人の肉体に複数の契約者を契約させようとする実験)

ロフ(性悪貴族の道楽か、目的ある実験かは定かではない)

ロフ(だが恐らく、実験に使われた子供はあの名前が消されていた行方不明の一般人達だろう)

ロフ(グリン家とエルグラート家の正確な見取り図を持っていたことから、その二つの家と親密な関係にあったと思われている)

ロフ(そして、初日に見つけた執事のメモ)

ロフ(気になる一文は『御子息様は全てなかった事にしようとしている』という事)

ロフ(恐らく、そのご子息とやらが本当にそれを実行したのだろう。それがこの屋敷がもぬけの殻である原因)

ロフ(……ここまで調べて生きて、ボンヤリとこの屋敷で起こっていたことは見えてきたがやはりこの家に住んでいた人間の事は出てこない)

ロフ(ここまで徹底的に名前が出てこないとなると、消している可能性が高い)

ロフ(この屋敷の殆どは調べ終えている。手を出していない場所と言えば………庭ぐらいか?)

ロフ(しかし、庭に何かがあるとも思えないが……)


ロフ(……それと、自分の事)

ロフ(俺達を追っている奴らが、ついにこの町にまで手を伸ばしてきた)

ロフ(糸目の男が俺の似顔絵を持っていた)

ロフ(似顔絵の出どころは……大体わかっているが…)

ロフ(出かけるならば、相応に準備をしないといけないな)



ロフ(………さて、これから何をしようか?)



会話or行動orイベント安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

それ相応の準備をする


>>89採用:それ相応の準備



なんの準備?


1、お出かけの変装
2、似顔絵流出を止める
3、追っ手にちょっと痛い目見てもらう

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>93採用:3、追っ手にちょっと痛い目を見てもらう準備
※十分ルール適応




ロフ(……今まで野放しにしていたが、少しだけ痛い目を見てもらおう)

ロフ(これ以上俺に関わるなという見せしめを…ね)


準備をするために倉庫の中で道具を探す


ロフ(その為に必要なものか……)

ロフ(武器…は必要ないな)

ロフ(……舞踏会用のマスク。…必要ないか)

ロフ(炙り出すためにワザと素顔のままで外に出た方が効果がありそうだ)

ロフ(……なにも準備などいらなかったかもしれないな)


エール「あのぅ…」

ロフ「っ!ああ、どうしたんだい。なにかしたい事でもあるのかな?」

エール「いえ、そうではなくてですね。ロフ様が何をしてらっしゃるのかなと思いまして」

ロフ「………」



1、エールにも協力してもらう
2、誤魔化す。自分一人の手で行う

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>96採用:1、エールにも協力をしてもらう



ロフ「…君にも少しだけ協力してもらおうかな」

エール「何をするんですか!何でも言ってください!!」

ロフ「これから俺を追う追手に、痛い目を見てもらって見せしめにしようと思ってね。何をすれば効果的かな?」

ロフ「俺は一人ぐらい捕まえてきて奴らのたまり場を吐かせてから、惨たらしく殺さず拷問して血みどろの人間ごとこれ以上俺に関わるなという手紙でも置いて来ようかと思ったんだが」

エール「そ、そんな酷いことしちゃいけません!!」

ロフ「…でも奴らの所為で俺は君と町を自由に歩けない。君を悲しませている」

エール「で、でも…その……そういう酷いことしちゃいけません!!」

ロフ「……じゃあ何をすればいいかな?」

エール「……………は、話し合いなんてどうでしょうか?」

ロフ「今更遅すぎる。それに、此方が話し合いの意向を示しても相手はそれに乗ってこない。今までだって奴らに会ったことがあるだろう?」

ロフ「問答無用で俺を殺しに来ていた」

ロフ「だから、俺もそれ相応の報復を持って見せしめとなると考えている。分かって貰えないか?」

エール「………」



エール感情判定
1-3  怒る
4-6  迷い
7-9  承諾

性格 -3
経緯 +1

直下コンマ


コンマ判定:1  激おこ



エール「ロフ様の馬鹿!!」

エールの平手打ちをつい反射神経でロフは避けてしまう

エールは怒りからか、避けられた恥ずかしさからか顔を真っ赤にしている

やがて涙袋から温かい大きな滴が零れ落ちる

その涙をハンカチで拭おうとしたロフの手を、エールは払いのけようとする

しかしエールの貧弱な力では敵わず、されるがままに涙を拭われる


エール「う、うう!や、やめてくだしゃい!!」

ロフ「泣かないで、俺の女神。涙を流す君は美しいが、それ以上に笑顔が君に相応しい」

エール「し、知りません!ロフ様のわからず屋!!」

ロフ「ごめんよ、これは君を喜ばせようと思って計画していたんだ。俺と一緒に人目を気にせずに町を歩ければ、君は喜んでくれると思って」

ロフ「でも…こうして君を悲しませてしまったね。だから、もうしないよ」

エール「…そんな酷いことしないって、約束できますか?」

ロフ「約束する。君に誓うよ。こうやって君を悲しませたりしないと」

エール「……なら、許します」

ロフ「許してくれてありがとう。そして、ごめんよ…」

エール「ロフ様のお気持ちは分かりました。でも、そんな事しなくていいんですよ。……そんな酷い事しなくても、私はロフ様とこうしてお屋敷で静かに暮らせているだけで幸せですから」

ロフ「……そうか」


こうしてエールに怒られ、ロフの計画は未遂に終わった






ロフ(……結局何もせずに昼になってしまった)

ロフ(俺の女神を泣かせるとは、俺もまだまだ気遣いが足りないな)

ロフ(『これから一緒にお出かけをするなら、森の方に散歩に行きましょう』と言われたな)

ロフ(これならば確かに人目を気にせずデートが出来る。亡点だったな)

ロフ(町に出るなら変装、森に行くなら変装は必要ないな)



ロフ(それと、この家の事を探るという目的を抜きにしても何時かは庭の手入れをしなければな。折角の屋敷の見栄えが悪い)



ロフ(さて、これからどうするか…)


1、町に出かける
2、森に出かける
3、庭の手入れ
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2

誤字 ×亡点 ○盲点


>>103採用:2、森に出かける



すっかり機嫌を直したエールと共に森を散歩する

人の声から遠く離れ、木々が擦れる爽やかな音が響く

木の枝が大きく揺れつがいの鳥が飛び立つ姿が見えた


エール「あ!今の見ました!?鳥の夫婦でした!!」

ロフ「そうだね」


様々なものに興味を示すエールに少しだけ注意しながら、爽やかな空気を胸いっぱいに吸い込んだ


ロフ(……こういうのも、いいかもしれないな)


イベント判定
奇数で一人、偶数で二人。ゾロ目で??

直下コンマ


コンマ判定:奇数 一人


散歩を続けているとき、自然のモノではない音を感じ取った

エールに感づかれないように音の気配を探る


ロフ(………こっちだな)

音の下方角に目を凝らすと、光が見えた

森の木に遮られていない日の光


ロフ(こっちは町の方角ではない…何処に繋がっているんだ?人ではないのか?)

エール「…?ロフ様?そちらに何かあるのですか」

ロフ「…ん、少し気になっただけさ」

エール「むむむ……あ!光が差してます!あっちには何があるんですか!?」

ロフ「……行ってみるかい?」

エール「はい!行きましょう!!」


警戒をしながらも、自分の気のせいかもしれないと思いエールの好きにさせた

森が途切れ、日の光が差し込むその場所は……



エール「うわぁ!お花畑です!!」

一面、花で埋まっている美しい草原……いや、庭園だった

人為的に手が加えられている花の配置

グラデーションになっており、風に吹かれれば波のように花が揺れた


その花畑の真ん中に混ざる異物


一人の少女が、呆然とした面持ちでエールとロフを見つめていた

その少女にはなぜかロフは警戒心を抱けなかった

その少女の瞳には、一切の濁りが感じられなかった

端的に言えば


ロフ「………美しい…」

思わず口をついた

花畑ではなく、少女を見て言葉が漏れた


彼の求める究極の美に近いものを、その少女は秘めていると直感的に感じ取ったのだろう


エール「ろ、ロフ様!女の子が居ますよ!」

ロフ「………はっ!…そうだね…思わず見とれてしまっていた。俺としたことが…君という女神が居ながら……」

エール「どうしてこんな場所に女の子が……ってアレ見てください!!」

大声でエールが指さす先には小屋が立っていた


エール「このお花畑、あのお家の人のモノなんでしょうか?」

ロフ「かもしれないね」

エール「あの女の子、あのうちの人でしょうか?」

ロフ「そうだろうね。でなければ、こんな森の奥深くに年端もいかない少女ではたどり着けないだろう」

エール「ですよね~……」

ロフ「………」


エールは興味深そうな目でお花畑と少女と小屋を交互に見ていた




1、少女に話しかける
2、小屋に向かう
3、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>112採用:1、少女に話しかける



ロフ「こんにちはお嬢さん。ちょっといいかな?」

少女に話しかける

少女はじっとロフの目を見る


ロフ「君はあの家の人なのかな?」

そういって遠くの小屋を指さす

少女は小さく頷いた


ロフ「このお花畑、君のご両親のモノなのかな?」

少女は困ったように首を捻った後、自信なさげに頷いた


ロフ「そうか。とっても素敵なお花畑だね」

その言葉に少女はパァッと目を輝かせ、満足そうにこくこくと頷いた


ロフ「…私はロフ。お嬢さんのお名前も教えてもらえないかな」

エール「あ、あの!私はエールって言いますよ!!」

慌てて自己紹介をするエールの姿に、少女はクスクスと笑う

そして、漸く口を開いた


シャリー「私の名前…シャルロット。シャリーって呼ばれてる」

ロフ「シャルロット…か。素敵な名前だね」

エール「あ、あの!私もシャリーちゃんとお呼びしてもよろしいですか!!」

シャリー「…いいと…思う。他の人に…呼ばれたことないけど」

ロフ「…他の人っていうのは、君の両親の事かい?」

シャリー「違う…。私はパパもママもいない…と思う。このお花畑も…本当は誰のモノか分からない……」

ロフ(…なるほど、だから花畑は誰のモノか聞いたときには困ったような反応を示したんだね)


ロフ「それじゃあ、あのお家に誰と住んでいるのかな?」

シャリー「スマイル!」

元気よく、少女は確かにそう言った


シャリー「スマイルとエリックが私の家族…だと思う」

ロフ「そうか、答えてくれてありがとう」

優しい笑顔でシャリーの頭を撫でる

シャリーは嬉しそうに目を細めた

その後、エールも真似して撫でようとするが怖々と触れすぎて逆に怖がられていた


エールとシャリーが話している内に、少しはなれた場所で考える


ロフ(スマイル…スマイル……どこかで聞いたことがある気が……)

ロフ(…まあいいとして)

ロフ(この少女、こんな場所に住んでいる理由は恐らくそのスマイルが握っている)

ロフ(両親を知らないと言っていた。つまり、物心つく前からここに居たのだろう)

ロフ(こんな広大な花畑にも、何か意味があるのかもしれない)

ロフ(…………)





1、スマイルとエリックが何処に居るのか聞く
2、一応、自分たちの事は内緒にして応用にシャリーに釘をさす
3、3人で一緒に遊ぶ
4、自由安価


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>118採用:3、一緒に遊ぶ


シャリー「…これ、あげる」

エール「うわぁすごいです!シャリーちゃん!これどうやって作るんですか!?」

目を向ければ、花の冠を乗せてもらって喜ぶ興奮気味のエール

シャリー「これはね、こうやって…」

シャリーも嬉しそうにエールに花の冠の作り方を教えていた


ロフ(……女神と天使…!)

ロフ(ここが…天国か…)

あまりにも現実味がない美しすぎる映像美に思わず意識が天に飛び立とうとする

頭を振り、必死に意識を現世に留めた


ロフ(まだだ…!まだ死ねない!!)


ロフ「私にも、教えてくれないかな?」

考え事をやめ、3人で一緒に遊ぶ事にした


夕方


広大な花畑を案内してもらっている内に、日が暮れかけていた

花の冠と百合の花を一本貰い、エールはとても満足そうな笑顔を浮かべていた


シャリー「…日が暮れるね」

エール「そうですね~、夕日がきれいです」

シャリーを真ん中に、両端のロフとエールが手を繋ぐ

堪らない充足感に浸り、思考が蕩けそうになりながらもロフは何とか正気を保っていた


シャリー「そろそろ…スマイルとエリックが帰ってくる」

シャリー「エールお姉ちゃんと、ロフ君も一緒にご飯食べる?」

エール「わぁ!いいですね!ね、ロフ様!!」

ロフ「…………」



1、夕飯をご馳走になる
2、スマイルと顔を合わせない為に早く帰る
3、一応、シャリーに釘を刺してから立ち去る

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>122採用:3


ロフ「…駄目だ、日が落ちる前に帰らなくっちゃいけない」

エール「ど、どうしてですか?」

ロフ「俺達は森を抜けてきた。夜の森は迷いやすく動物が活発に活動を始める。とても危険だ」

エール「う、う~ん……そうですか……それなら、仕方ないですね」

エールは腰を折り、シャリーと目線を合わせながらゴメンねと頭を撫でた

この数時間で随分親しくなってしまったようだ


ロフ「俺達は、そろそろ帰るよ。でもその前に、シャリー…君に言っておきたいことがある」

シャリー「…なぁに?」

ロフ「今日、ここで一緒に遊んでいたことを内緒にして欲しいんだ。とっても大事なお願いなんだ、分かってくれるね?」

困ったように眉を八の字にしながらも、ゆっくりと頷いてくれた

ロフ「…ありがとう。それじゃあ帰ろうか」


そう言ってエールの手を取った時、シャリーがロフとエールの服の裾を掴んだ


シャリー「……また、会ってくれる?いつでも…待ってるから」

ロフ「………」

エール「はい!勿論です!!私とシャリーちゃんはもうお友達ですから!!」

返答に困っていると、考える間もなくエールが了承してしまった

少しだけ不安に感じながらも、バイバイと手を振る寂しげな姿を見れば、そう言って良かったかもしれないと思えた





広い食卓の真ん中に飾った、花瓶にささった百合の花をニコニコとエールが眺めている


エール「シャリーちゃん、いい子でしたね~」

ロフ「…そうだね」

エール「毎日会いに行ってあげましょうね!!」

ロフ「それは少し…大変だね。帰って見て分かっただろう?結構遠い」

エール「う~ん…それじゃあ二日に一回はどうですか!!」

ロフ「ふふふ…随分気にいったみたいだね」

エール「はい!だって初めてのお友達ですから!!」

エール「いっぱいプレゼント貰いましたから、次はこっちがプレゼントしてあげましょうね!」

ロフ「…うん。そうだね」


そんな会話をしながら、夕食を取った




会話or行動orイベント安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

なぜスマイルはあんなところで少女と暮らしているのかエールと話し合ってみる


>>128採用:
※十分ルール適応


ロフ「……どうして、スマイルという人物とシャリーはあんな場所に住んでいるのかな?」

エール「う~ん………なんででしょうね~…」

エール「素敵なお花畑があるから!というのはどうでしょう!?きっとお花が大好きな素敵な人なのですよ!」

ロフ「あの花畑は人工的に手が加えられている。恐らくそのスマイルという人物が手入れをしているんだと思う」

ロフ「だからあの場所に花畑を作ったのであって、花畑があったからではないと思う」

エール「う~ん……そもそも、そのスマイルさんとエリックさんは何をしている人なんでしょうね?あの場所にシャリーちゃんを一人きりにしてたみたいですし」

ロフ「普通に考えれば、町にまでお金を稼ぎに行っているだろうね。どんな仕事かは分からないけど」

エール「あのお花畑のお花を売ってるんじゃないでしょうか?」

ロフ「……十分あり得るね。しかし、やっぱりあんな町から遠く離れた場所に住み、生活をするというのは骨が折れる」

エール「何か人目を避けたい理由でもあるのでしょうか?例えば~…とっても恥ずかしがり屋さんで近くに誰かが住んでいると気になるとか」

ロフ「……人目を避けたい理由…か」


ロフ(やっぱり少し、怪しい匂いがする)


エール「どれもこれも、一度会ってみれば解決しますよ!」

ロフ「ふふ、そうだね」


楽しそうに語るエールを不安にさせないように、心の中の言葉は秘密にしておいた




※六日目(裏)終了



今日の更新はここまでです


それではまた、お付き合いいただきありがとうございました


そろそろ再開っす!!


七日目





リメロンはコーヒーの香りに目を覚ました

目を開けば見知らぬ天井

慌てて体を起こせばそこは豪奢なベッドの上

ベッドを取り囲むように体を横たわらせるナキの姿を見て、ようやくここが何処かを思い出した


リメロン「……そうか、フェリルの屋敷だった」


目を擦りながら時計の針を確認する

時刻は11時

もう既に朝と呼べるような時間ではなかった



リメロン(私達の仕事は19時から。まだまだ時間はある……)

リメロン(どうしようかな?)


1、二度寝
2、起きて昼食をとる
3、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>135採用:2、起きて朝食をとる



ナキを起こして首に巻いてからコーヒーの薫りがする場所に向かった

たどり着いた先は、リメロンの屋敷の倍は広いダイニングルーム

その窓際で優雅にコーヒーを飲むフェリルの姿があった


リメロン(………ホント、見てくれだけは貴族って感じよね)

フェリル「……ん?おう起きたか!ここ座れよ!!」

リメロン(……ホント、喋らなければ…ね)


呆れ交じりの笑いを零し、フェリルの正面の椅子を引く

フェリルの屋敷のメイドが用意してくれた昼食を食べながら、フェリルと話す


リメロン「昨日の事の報告とかはいいの?」

フェリル「ああ、それなら私が隊長に言っとくよ」

隊長とはこの町の警備を一任されている『騎士部隊』の隊長の事だろう

『ゼル・デルモルーテ』騎士隊長

リメロンも知り合いであった


フェリル「それともリメロンが直接言いに行く?」

リメロン「メンドクサイから任せる。……って言いたいところだけどねぇ…」

リメロン(この脳ミソゆるゆる女に任せっきりにするのは少し不安ね…)


リメロン「フェリルはこの後どうするの?」

フェリル「今言ったように隊長に昨日の報告して、また寝るかな」

リメロン「ミィは?」

フェリル「庭で日向ぼっこ。多分寝てる」

フェリル「リメロンこそ、昨日怪我してたみたいだし休んでた方がいいんじゃないのか?」

リメロン「私はもうほとんど直ってるから大丈夫よ」

フェリル「それならいいが、無理し過ぎるなよ」

リメロン「大丈夫だって。心配ないよ」


そんな会話をしながら、ゆっくりと食べ進めた


昼食を食べ終わり、食後のコーヒーを楽しむ


リメロン(……さぁてと、私は夜まで何をして過ごそうかな?)



会話or行動orイベント安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

昨日の事の報告を一緒に行く


>>141採用:
※十分ルール適応



隊長に報告をしに行くというフェリルが心配になり、結局一緒について行くことにした


フェリル「隊長も警備中だろうから、探すところから始めないとな」

リメロン「隊長も警備に引っ張り出されてるんだ。そんなに人が足りないの?」

フェリル「隊長はいつも警備をしてくれてる。働き者なんだろうな」

リメロン「ふ~ん…知ってる人ではあるけどどんな人かはイマイチ知らないな~」

フェリル「エリートである図書館騎士では関わりが無くて当然かもしれんな」

フェリル「隊長は………上手く言えないが……あれだな、軽い。すっごく軽くて驚くぞ」

リメロン「な、なにそれ……」


フェリルと共にゼル騎士隊長を探しながら町を歩いた



イベント判定
3以下で???、4以上で隊長発見

直下コンマ


コンマ判定:8 隊長発見



フェリル「あ、居た!おーい隊長ー!!!」

大声をあげて駆けるフェリルの後をついて行く

騎士の鎧に身を包み、騎士の証であるマントを翻し此方を振り向く

身長は190はあろうかという長身で、鎧に隠されているが首などを見るに細身の体のように見える

肌の色は病気かと思うほど白かった


フェリル「深夜警備班フェリル・キューブリック!ただいま報告に上がりました!!」

ゼル「あ~いお疲れちゃん。そっちの子は…えっと……そうだ、リメロンちゃんだったよね」

リメロン「あ、はい。特別任務により馳せ参じました。リメロン・アスバールです」

ゼル「ああ堅い堅い。君の方がお偉いさんなんだからタメでいいって。僕はほら、怒んないしさ」

リメロン「は、はぁ…」

言葉遣いも言葉の内容も軽いが、表情だけが険しい不思議な人であった


リメロン(……軽い…確かに軽いけど。……なんか変だ)


ゼル「こうやって話すのは初めてかな?僕ってさ顔が怖いって言われるけど、これ僕の顔筋死んでるんだよね。不気味だろうけど慣れてね」

リメロン「そ、そうだったんですか…」


訝しげな視線を向けられるのは慣れているのか、リメロンの心中を察したように自分の顔を説明をした


ゼルの契約者判定



1、2 人間
3、4 亜人
5、6 怪物
7   魔法使い
8   人間(特殊)
9   悪魔(強)
0   神

直下コンマ


コンマ判定:7、魔法使い



1、人間を超えし魔女
2、魔導を極めし狂人 
3、星の輝きを秘めた騎士
4、黒緋色の賢者  
5、神智を得た者
6、揺るぎなき信念 


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>150採用:3、星の輝きを秘めた騎士


ゼルの隣には同じく甲冑に身を包んだ騎士と思わしき青年が立っていた

しかし、その青年騎士は騎士である証のマントをしていなかった


リメロン「ゼル隊長。その隣の騎士は、隊長とコンビを組んでいる方ですか?」

ゼル「ん?ああコイツ?コイツは僕の契約者の『シーザー・フルバーコス』。騎士の魔法使いらしいよ」

シーザー「っつーわけで、俺とゼルにはお前たちのように二人組で行動してねーんだ。俺は強いからな、足手まといはいらねーんだ」

ゼル「ハハハ。まあ調子のいい奴だけど、強さは本物さ。伊達に僕だって騎士団長やってないからね」

図書館騎士様には敵わないけど、と付け足し胡麻をすることも忘れていない

その言葉にシーザーは何か言いたそうにしていたが、我慢したようだ


ゼル「で、報告だっけ?昨日なんかすごい派手にやったらしいね」

リメロン「はい。あの怪人スマイルと対峙しましたが、逃げられてしまいました」

ゼル「ああ~そっかぁ。アイツ逃げ足早いからね~仕方ないよ。うんうん」

ゼル「で、報告はそれだけ?」

リメロン「あ、はい。警備中の出来事は以上です」

ゼル「了解了解。じゃああとは深夜までゆっくりしといて」


ぶんぶんと手を振ってどこかに行こうとする


リメロン「ま、待ってください!報告ってこれだけでいいんですか!?」

ゼル「全然イイよ。寧ろしなくてもあとで纏めて言えば許すし」

ゼル「それとも何か他に僕に言いたいことでもあった?」

リメロン「それは………」



1、何も言わない
2、会話安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

襲撃犯の特徴に合致する人間をしらないか聞いてみる


>>155採用:
※十分ルール適応



リメロン「昨日の昼ごろ、怪しい集団を尾行していると襲撃を受けて一戦交えました」

ゼル「昨日の昼……ああ、すごい嵐が起きてたね。アレの事?」

リメロン「はい、それです」

ゼル「アレの被害届ね、騎士の不始末だとか言われて僕に請求が来たんだけどこれって……」

リメロン「それでですね!!!貴族とは思えない容姿をした『導師』の集団だったんです」

リメロン「礼服を着た黒髪オールバックの男と糸目の青年。大き目の服を着た少女。一際目を引く派手な服を着た男」

リメロン「この四人です。名前は……」

ナキ「オールバックがフレア。糸目がオルト。派手な服を着た男がシュウと呼ばれていた」

リメロン「……です。ご存知ありませんか?」

ゼル「……………う~ん、知らない。見かけたら職質してみるよ」

リメロン「そ、そうですか」


悩んだ時間は数秒も無く、適当に返されたように感じるが、この人はいつもこういう感じなのだろうというある種の説得力も同時に感じた





被害届の話をしようとするゼルとの話を打ち切り、報告を終えてフェリルの屋敷まで戻った


フェリル「それじゃあ私はこれから寝るから。リメロンも体を休めておくよーに。いいね!」

リメロン「はいはい」


軽く返事をして、フェリルの背中を見送った


リメロン「………そう言われても、色々知りたいこともあるし…」

リメロン「う~ん…どうしようかな?」



会話or行動orイベント安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

個人的な捜査を開始


>>158採用:
※十分ルール適応



リメロン「…やっぱり自分の足で調べないとね」

リメロン「情報収集……なにがいいかな?」



1、町中を聞き込み
2、リリスを頼る
3、この町の図書館に行ってみる
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>160採用:3、



考え抜いた結果、やはり情報が集まる場所と言えば一つしかないという結論になった

この町の図書館に入る

騎士のマントだけ持って行き、身分証明もバッチリだ



早速情報収集にかかる


リメロン(どういう方向で攻めたらあの集団の情報が出てくるかな?)

ナキ(一先ずこの町で起きている事件を追っていくというのはどうだ?)

リメロン(となると…新聞か)

ナキ(新聞を調べればあのスマイルの事も載っている筈だ)

リメロン(一石二鳥ってわけね……)


ここ数ヶ月のこの町の出来事を中心に、新聞を読み上げていった



コンマ判定

1-3  収穫なし
4-6  事件発生日
7-9  気になる事件
0    ???

直下コンマ


コンマ判定:1  収穫なし


リメロン(……はぁ……収穫なしね…)

リメロン(それっぽい事件はいくつかあったけど、どれもアイツらの正体を暴くヒントにはなりそうも無い…か)

ナキ(ううむ…これだけ読み漁って収穫なしか…)

ナキ(もしや読み零しがあるやもしれん。もう少しよく読んでみないか?)

リメロン(同じの二回以上読むって怠いよね~……)

リメロン(頑張んないと…だけど、別の方向で攻めるのもいいかもね)


リメロン(う~ん……ここは…)



1、もう一度読み直す
2、もっと古い新聞を読む
3、気晴らしに街を歩く
4、行動orイベント安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>166採用:3、気晴らしに町を歩く


リメロン「……良し!決めた!!」

リメロン「気分転換にお散歩しよ」

ナキ「……まあそれも大事な選択だ」


図書館を出て、日をいっぱいに浴びながら町を散歩した



イベント判定

1-3  何もなし
4-6  お花屋さん
7-9  大荷物の少女
0    ???

直下コンマ


コンマ判定:大荷物の少女



町を歩いていると、大きな袋を重そうに背負った少女を見つけた


リメロン「…重そうな荷物。どこ行くんだろ?」

ナキ「騎士なのだから手伝ってやればどうだ?」

リメロン「そだね」


リメロン「その荷物、お持ちしましょうか?」


少女はビクッと体を震わせおどおどと此方を振り向いた


少女「い、いえ…お構いなく」

ぎこちない笑みをこちらに向ける

リメロン「そう言わずに……」



コンマ判定
6以上で何かに気付く

直下コンマ


コンマ判定:9  正体看破



リメロン「………あっ!あの時の暗殺者!!」

クー「チッ…!」


荷物をリメロンに向かって投げ、建物を駆けあがる


リメロン「ま、待ちなさい!!」

クー「……貴女、何者なの?いつも私が行く場所に居る」

クー「…ッ!まさか……ストーカー?」

リメロン「違うわよ!偶々よ!!」

クー「どちらにせよ、貴女に付き合っている暇はない」


荷物を置き去りにし、暗殺者は走り去った


リメロンは……



1、慌てて追いかけた
2、追わずに荷物の中身を確認した


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>174採用:2、追わずに荷物を確かめた



追うかどうかの判断に迷ったが、それ以上に気になるものが目の前にあった

暗殺者が投げ捨てた荷物だ


ナキ「気をつけろ。罠の可能性もある」

リメロン「分かってるって……」


細心の注意を払いながら、袋の口を開いた


「バァッ!!!」

リメロン「アヒィッ!?」


荷物の中から、何かが飛び出した

人型のシルエットで、明らかに袋の大きさに釣り合わない


突然の出来事に、リメロンは尻餅をつく腰が抜けてしまっていた



リメロン「な、な、ななな、なん、なんなのアンタ!?」

ナキ「落ち着け主人!」

「アヒヒヒヒヒ!ウフフフフ!エヘヘヘヘヘ!」

奇妙な声で腹を抱えて大笑いする袋から出てきた男

その男は何故か仮面を被っていた


リメロン「そ、その仮面を取りなさい!!」

「いいよ」

リメロン「へ?……ハァッ!?」

あっさり仮面を外す男にも驚いたが、それ以上にその仮面の下の素顔に驚いた


リメロン「ロイヤル君…?な、なんで?」

ロイヤル?「ふふふふふふふふ…」


ロイヤルは奇妙な笑いを浮かべ、再び仮面をし仮面をすぐにとる

その顔はさらに見覚えのあるものに変わった


リメロン「は?え?な、なんで…私が?」


あまりにも突拍子の無い出来事に、リメロンの頭は完全に混乱していた



リメロン?「問題。私は誰?」

リメロン「え?」

リメロン?「問題。私は誰?」

リメロン「そ、そんなのこっちが聞きたいわよ」

リメロン?「疑問。君は誰?」

リメロン「え?私は…私よ。リメロン・アスバール」

リメロン?「問題。私は誰?」

リメロン「だ、だから分かんないって…」

リメロン?「解答。私はリメロン・アスバール」

リメロン「は、はぁ!?そんなわけないでしょ!?」

リメロン?「疑問。否定する理由は?」

リメロン「そ、それは………」


真っ直ぐ自分の瞳を見つめる、自分と全く同じ顔

心がざわつく

心臓の鼓動が早くなる

言いかけた言葉が出ず、喉が渇く


自分と同じ顔が自分に問いかける

まるで、鏡合わせで話しているような錯覚に陥る

まるで、『鏡』同士が向かい合っているかのような感覚が湧いてくる



『鏡』が私に問いかける


『君は誰?』と


リメロン「わ、私……私は……………」


本当にリメロンなのか?

ふと、疑問に思ってしまった

果たして本当に自分が本物なのか

もしかすれば、『私が鏡なんじゃないか』と思ってしまった


『分からない』

そう、答えてしまいそうになったとき


ナキ「主人!!惑わされるな!!」

ナキの声が、リメロンを現実に引き戻す

ナキ「私の主人はリメロン・アスバール。主のみだ!!」

ナキ「こんな簡単な子供騙しに惑わされるな!!!」

リメロン「ッ!…ありがと、そうだよね!!」


リメロン「私は私だ!お前じゃない!!」


剣を杖に立ち上がる



リメロン?「御名答。君は君。この顔は君のモノ」


ニヤニヤと、自分のモノではないと確信できる笑みを目の前の誰かが浮かべる


???「それでもいつかは僕の物」


再び仮面をつけ直し、暗殺者が置いて行った袋を抱えて奇妙な動きで暗殺者と同じように建物を駆け上った


手足が増えては減って、到底人間ではできない動きで俊敏に走り去っていった


リメロン「……今の、何だったんだろう。そもそも何者?」

ナキ「人間かどうかすらも疑わしい奴だったな」

ナキ「しかし、主人よ。あんな子供騙しに惑わされるとはまだまだだな」

リメロン「な、違うって!いつもはこうじゃないんだよ!………でも、自分と同じ顔の同じ声で喋られると…なんかさ…」

リメロン「それに言われた言葉も………」

ナキ「…ふむ。まあなんだ、驚きで頭が混乱していたという事にしておこうか」

ナキ「それより主人。置き土産があるぞ」

リメロン「ん?」


先ほどの荷物の中から零れたと思われるものを拾い上げる


リメロン「…仮面だ」

ナキ「近頃の主人は随分と仮面と縁があるな」

リメロン「だね。……取り敢えず持っとこ」



仮面を懐に仕舞い、図書館に戻ろうとするが、日が暮れかけていることに気が付き調査を断念することにした



夕方


屋敷で寝ていたフェリルを叩き起こし、警備についた


フェリル「よーし!いっちょ頑張ろうか!!なあミィ!!!」

ミィ「そうだにゃあ…ふぁいとだにゃあ……」


寝起きの良いフェリルと対照的に眠たそうなミィ

相変わらず正反対のコンビだ




すれ違う人々と挨拶を交わしながら警備を続けた




イベント判定

1-3  何もなし
4-6  白塗りと赤
7-9  隊長と遭遇
0    ???

夕方 -2

直下コンマ


コンマ判定:2、何もなし



取り立てて怪しい人物の影も無く、平和に時間が過ぎる


フェリル「夕日が落ちる瞬間って、青春!!って感じしない?」

リメロン「20にもなって青春はちょっと……」


雑談を交えながら警備を続ける


リメロン(何か話そうかな?)



1、話さず警備を続ける
2、会話安価(内容明記)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>186採用:1、警備を続ける







リメロン(そろそろ、悪い奴らが動きやすい時間だ)

リメロン(一層気を引き締めないと…!)



辺りを警戒しながら、警備を続けた




イベント判定

1-3  何もなし
4-6  大きな物音
7-9  誰かの悲鳴
0     ???

直下コンマ


コンマ判定:4 大きな物音


何かが崩れるような大きな物音が鳴り響く


リメロン「っ!今の聞こえた!?」

フェリル「ミィ!方向は!!」

ミィ「あっちかにゃあ…」


フェリル「契約執行!飛ばしていくよ!!」


リメロン「私達も急ごう!」

ナキ「ああ!」


リメロン「契約執行!!」


臨戦体勢でフェリルの後を追った


イベント判定

1-3  もぬけの殻
4-6  待ち構える人影
7-9  暴れる怪物
0    ???

直下コンマ


コンマ判定:7  暴れる怪物



騒ぎに気づき、騒ぎの中心に野次馬が集まり始める

だが、直ぐにその野次馬は悲鳴に変わった

人波をかき分けてたどり着いた先、そこにはいつか見たドラゴンと同化している人間の姿


リメロン(またあの時と同じ!!)


散り散りとなって悲鳴と共に駆け回る人々

騒ぎに気づき、他の警備をしていた騎士たちが避難誘導を始めている

その人ごみに紛れ、人波に逆らう不審な影を見つけた


リメロン(今の見えた?)

ナキ(分からん。何か居たのか?)

リメロン(…多分)

ナキ(何かは知らんが追いかけるか?目の前の輩もどうにかせねばならんと思うが)

リメロン(……ここは…)



1、この場はフェリルに任せて人影を追う
2、目の前の怪物を止める

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>195採用:1



リメロン「この場は任せた!」

フェリル「任されたんだぜ!!ってどこ行く気だ?」

リメロン「ちょっと気になることがあって!!」

リメロン「説明は後でする!頼んだよ!!」


怪しい人影が去っていった方向に駆ける



フェリル「騎士に告げる!!避難誘導を最優先とせよ!!」

フェリル「怪物はこの『フェリル・キューブリック』が引き受けた!!!」


      テリトリー          カット    リ・クリエイト
フェリル「『領域』指定。………『区分』……『再構築』!!」


フェリルの魔力により切り取られた範囲が、新たな空間に再構築された

家々が立ち並ぶ民家区域が、木々が生い茂る森に変貌を遂げた



フェリル「人だけでなく、町を守ってこそ騎士ってものよな!!」

フェリル「行くよミィ!!町の番犬の強さを思い知らせていやるぞ!!」

ミィ(幸運を祈ってるにゃあ…)



怪物『グゴアアアアアアアアアアアアアアア!!!!』



怪物が雄たけびをあげ、戦いの火蓋が切って落とされた



※戦闘が開始されます



今日の更新はここまでです


次回はフェリル&ミィ視点でドラゴン同化人間との戦闘から始まります


それではまた、お付き合いいただきありがとうございました


そろそろ再開っす


名前:フェリル&ミィ



強さ:7



1   ファンブル
2-4 失敗
5-8 成功
9,0 クリティカル

のコンマ表を使用



【特殊能力】


『契約:悪魔』
耐久値+7
戦闘判定+1、成功以上で更に+1
失敗を一度だけ振り直し
ファンブルを一度だけ振り直し
相手のクリティカルを一度だけ振り直し
逃走判定を確定で成功させる
相手が三回連続成功で、次の相手の戦闘判定を強制的に1にする


『騎士装備一式』
耐久値+3


名前:はぐれ導師(暴走)


強さ:7


1、2  ファンブル
3-5 失敗
6-9 成功大
0   クリティカル

のコンマ表を使用する



【特殊能力】


『契約:怪物(竜)』
耐久値+8
奇数ターンのみ戦闘判定+2
クリティカルで相手に負傷判定
コンマ値の上限突破


『暴走』
奇数ターンに+1の補正
偶数ターン時強制的にコンマを5とする


『フェリル』耐久値:11+8=19

『暴走導師』耐久値:6+8=14




直下コンマ:フェリル戦闘判定
契約 +1


↓2コンマ:暴走導師戦闘判定
怪物 +2
暴走 +1


コンマ判定:2+1失敗


コンマ判定:1 ファンブル




フェリル契約により一度だけ失敗を再判定

契約 +1

直下コンマ


コンマ判定:3+1 失敗


お互い失敗により耐久値変動なし


フェリル耐久値修正:11+8+3=22




怪物『ゴオアアアアアアアアアアアアアアアァ!!!!』


空を揺るがすほどの強烈な咆哮をあげ、手当たり次第に木々を薙ぎ倒す


フェリル「うっわ煩い!やっぱあれかな、犬耳だから聞こえやすいのかな?」

ミィ(多分人間でも相当喧しく感じるレベルだと思うにゃあ)

フェリル「こっちも負けてらんないね!!」

フェリル「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」


怪物に張り合うように雄たけびをあげる


ミィ(………戦わないのかにゃあ?)



直下コンマ:フェリル戦闘判定
契約 +1


↓2コンマ:暴走導師戦闘判定
コンマ固定:5


コンマ判定:3+1  失敗



お互い失敗により耐久値変動なし


突然、怪物の動きがピタリと止まる

目の焦点が定まらず、不気味な唸りをあげている


フェリル「え、なにあれ?なんで止まったの?」

ミィ(休憩かにゃあ?)

フェリル「なるほどな~、あんだけ暴れればそりゃ疲れるよな」

フェリル「…………」


暫く怪物を観察していると突然目と目があい、怪物が此方に向かって走り出した


フェリル「あ、動いた。よっしゃ!かかって来い!!!」

ミィ(………止まってる時に攻撃すればよかったんじゃないかにゃあ?)



直下コンマ:フェリル戦闘判定
契約 +1


↓2コンマ:暴走導師戦闘判定
怪物 +2
暴走 +1


コンマ判定:0 クリティカル


コンマ判定:2+3 失敗



フェリルクリティカルにより更に+3、暴走導師失敗により-1


(10+3)-(5-1)=9


14-9=5


『暴走導師』耐久値:5




フェリル「真っ直ぐ行ってぶっ飛ばす!!!」


直線的に向かってくる怪物の顔面に渾身の一撃を喰らわせる

強烈な一撃に体が浮き、反対方向に飛ぶ


フェリル「おろ?なんか弱いぞ?」

先ほどまで経っていた場所から一瞬で移動し、怪物の首に絡みつく

『領域』の魔力によって囲われた空間内では、フェリルは自由自在に動き回れる

空間を囲う壁と魔力で繋がっており、死角などなくありとあらゆる状況に対応ができるのだ


フェリル「ちょっと思ってたんだけど、コイツもしかして意識が無いの?」

ミィ(今更気が付いたのかにゃあ…とんだ節穴だにゃあ……)

フェリル「主人に向かって節穴とは酷いぞ!!」

ミィ(ミィと喧嘩するんじゃなくて敵に集中するにゃあ…)



直下コンマ:フェリル戦闘判定
契約 +1


↓2コンマ:暴走導師戦闘判定
コンマ判定:5で固定


コンマ判定:4+1 成功


フェリル成功以上で更に+1


(4+1+1)-5=1


5-1=4


『暴走導師』耐久値:4

※失敗の分-を入れ忘れていました。暴走導師の耐久値は3です



首に絡みつくフェリルを振り払おうと暴れていた怪物が、再び動きを止めた


フェリル「あ、また止まった。なんなんだろこれ」

ミィ(別にどうでもいいじゃにゃいかにゃあ。とっとと首を落とすにゃあ)

フェリル「でもこれ殺していいのかな?正体も分かってないし」

ミィ(そんな事完全に押さえつけてから考えるんだにゃあ)


怪物『オオオオオオオオオ!!!』

フェリル「うっお!火ィ吹きやがった!!!」

ミィ(言わんこっちゃないにゃあ……)


突然の事に驚き、フェリルは首を絞める腕を解いてしまった



直下コンマ:フェリル戦闘判定
契約 +1


↓2コンマ:暴走導師戦闘判定
怪物 +2
暴走 +1


コンマ判定:00  ダブルクリティカル

コンマ判定:0   クリティカル



コンマ判定
2以上で勝利

直下コンマ


コンマ判定:3  フェリル勝利


怪物は体を屈め、大きく息を吸う

はち切れんばかりに喉袋が膨れ上がった


フェリル「な~んかヤバい感じ…」

      テリトリー
フェリル「『領域』指定……範囲…これくらい」

指と指を合わせて四角を作り、その中に怪物の首から上を四角の中に収める

          カット
フェリル「……『切断』…!!」

怪物の首から上だけが『領域』内に新たに作られた空間に切り取られる

それと同時に首だけが綺麗に収まった空間内部が炎と共に膨れ上がる

      デリート
フェリル「『消去』」

膨れ上がる空間に掌を合わせ手を握ると、その空間は綺麗さっぱり消滅した


フェリル「ふい~…これで良し。と」

ミィ(ちゃんと元の街並みに戻すのを忘れずににゃあ)

フェリル「おお、忘れるとこだった」
          リセット
フェリル「……『復元』」


指を鳴らせば壁が消えるとともに、新たに作られていた森が光の塵になり、元の街並みにへと戻っていった



契約状態を解き、フェリルとミィは改めて胴体だけになった死骸をマジマジと見つめる


フェリル「……この怪物、やっぱり導師かな?」

ミィ「かもにゃあ……」

フェリル「真面目に考えろよ。ほら、この胸の辺りに契約刻印がある」

ミィ「ホントだにゃあ…」

フェリル「あれかな、あのリメロンが言ってた四人組の誰かかな?」

ミィ「かもにゃあ……」

フェリル「リメロン…どこ行ったんだ?」



辺りを見回してみても、リメロンの姿は見当たらなかった


フェリル「どこか分かる?」

ミィ「多分あっちだにゃあ」

フェリル「よし、探しに行くか」


フェリルはミィと共に、リメロンが居ると思われる方へと向かった


視点変更:リメロン・アスバール



リメロン「はぁ…はぁ……!」


リメロンは駆けていた、道を覆い尽くすほどの人波は無くなり月明かりすら通さない暗い道へと足を踏み入れている


リメロン(こっちに誰か行ったはず!)

真っ直ぐ進むとやがて道が二つに分かれる

右手の道に何かの影が見え、再び追いかけた


リメロン(もうちょっとで追いつく!!)


リメロンは右手の道を真っ直ぐに駆け、漸く人の影を見つけた



イベント判定
偶数で???、奇数で???

直下コンマ


コンマ判定:奇数 エド・ユーヴィッヒ



リメロン「そこのお前!止まれ!!」

リメロンの声に相手は驚いたように肩を揺らし、此方を振り向いた

その顔はリメロンがよく知る人物だった


リメロン「は?え?エド?」

エド「……チッ…何故お前がここに居る」

リメロン「そ、そっちこそなんで!?」

リメロン「ハッ!もしや昼に見た変身人間か!?」

エド「何を訳の分からないことを言っている。とうとう頭がやられたか?おっとっと元々イカレテたな。こいつは失礼した」

リメロン「……そのクソ憎たらしい半笑いの喋り方。正しくエドだ」

エド「というかだな。僕のこの姿を見て判断しろ」

リメロン「ああよく見れば顔が青いかな?元々酷い面なんで分かんなかったよ」

エド「チッ…お前も相変わらずだな」


エドは契約状態を解き、現れたキュベレさんが恭しくリメロンに礼をした




エド「それで、お前はなんでここに居る?」

リメロン「任務中だからだよ。アンタと違ってね」

エド「ああそうだったな。左遷されたんだったな」

リメロン「左遷じゃないわよ!!信頼できる騎士として特別任務を言い渡されたの!!」

リメロン「この場合アンタの方がこの場に居るのがおかしいんじゃないの?」

エド「…………」

リメロン「理由を言いなさいよ」

エド「…少し、用事があってな」

リメロン「ふ~ん…………」



リメロン(私はあの暴走導師の事件の現場から遠ざかるように逃げる人影を追ってきた)

リメロン(その人物がコイツだとすると…もしかして……)



会話安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

暴走導師のことでかまかけてみる


>>239採用:



リメロン「アンタさっきの事件見た?」

エド「ああ、あのドラゴンに意識を乗っ取られた一般人の暴走だろ」

リメロン「はっはっは!!ものの見事に引っかかりやがったわね!!!」

リメロン「アンタがこの事件の犯人ね!!」

エド「………何を言っている」

リメロン「だってあんたはついさっき事件の現場に居たと白状したじゃない」

エド「…それがどうした?」

リメロン「私はね!その事件現場から逃げる怪しい奴を追ってここまで来たのよ!!」

エド「そうか。………で?」

リメロン「あ~白々しい。証拠はこれだけじゃないのよ!!」

リメロン「どうしてさっきの暴走導師が『一般人』だって知ってるのよ!犯人じゃなければ即答できるはずがないわ!!」

エド「…………はぁ…これだから情報の遅れている馬鹿とは話にならない。帰るぞキュベレ」


エドは呆れたように溜息を吐き、リメロンに背中を向けた


リメロン「ちょ、ちょっと待ちなさい!逃がさないわよ!!」

エド「僕は話にならないと言ったんだ。馬鹿と話せる言葉を僕は知らないんでね」

リメロン「うっがー!!ちゃんと私の質問に答えなさい!!アンタが犯人なんでしょ!!」

エド「おいキュベレ通訳を頼むぞ。馬鹿の言葉を僕の耳にも届く高貴な言葉に翻訳してくれ」

キュベレ「坊ちゃんが一般人に契約の知識を与えている犯人ではないかと疑っております」

リメロン「殆ど私が言ってる言葉と一緒じゃない!!アンタが自分で答えなさいよ!!」

エド「ああくそギャンギャン喧しい!!!僕だって忙しいんだよ!!僕は犯人じゃない!これで満足か!!」

リメロン「その証拠は!」

エド「まず一つ。動機が無い。僕がわざわざ一般人に契約の知識を与えるなんて不可解な行動取るわけがない」

エド「二つ目は、この事件で暴走している導師が一般人であることは調べれば簡単に分かるからだ」

エド「そして三つ目、僕はこの事件の犯人を知っている」

指を立てながら、まるで子供を諌めるように穏やかな口調でエドは語った


リメロン「ええ!?それ本当!?」

エド「ふふん、どうやらお前は知らなかったみたいだな。やはり僕は常にお前の一歩上を歩いている」

リメロン「いいから教えなさい!!」

エド「どうしてその立場でお前は偉そうなんだよ!?」

エド「……ふぅ…ゴホン。犯人は………『導師信仰派』のある組織だ」

エド「その組織の名前は『ギルド』。お前も名前くらいは聞いたことがあるだろう?」

リメロン「え?『ギルド』ってあの図書館だけを襲うっていう盗賊集団よね」

エド「ああ、そのギルドだ」

リメロン「な、なんでそんな組織がこんな事件を起こしているの?」

エド「……それはまだ分かっていない。だが組織に所属している奴が言うには一般人の中から『輝く原石』を探しているらしい」

リメロン「『輝く原石』?なにそれ?」

エド「分からない。ただ、この町の周辺地域のみに絞って一般人に契約の知識を与えている。『肉体を生贄に捧げなければならない』という嘘を交えてな」

リメロン「……どうして…そんな事を?」

エド「だから知らないって言ってるだろ。調べている途中だ」

リメロン「そっか……教えてくれて……一応感謝してあげるわ。情報屋としてはそこそこ役に立つじゃない」

エド「どこまでも偉そうにしやがって……じゃあな、僕は帰る」

リメロンは……



1、その背中を見送った
2、別の質問をぶつけた(内容明記)

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2 「用事」っていうのは一連の事件に関係すること?


>>244採用:2
※十分ルール適応



リメロン「ちょっと待って!」

エド「今度は何だ?」

何度も呼び止められ、声からは苛立ちが感じられた


リメロン「『用事』って言うのはさ、一連の事件に関係する事?」

エド「……そうだな」

リメロン「何をしているかは教えてくれないの?」

エド「まだ言えない。だが、お前の気にすることじゃない。僕一人で何とかなる」

リメロン「アンタっていっつもそうよね。大事なことは内緒にして、後で判明して大事になる。いっつも一人で何とかしようとする」

エド「僕一人で何でもできるからな」

リメロン「キュベレさんの力を借りてでしょーが。……アンタが悪事に手を染めていないと今回も一応信じてやるわ。でももしアンタが…」

エド「僕が悪事に手を染めたなら、容赦なく僕を裁くといい。そういう約束だったな」

リメロン「あれ、覚えてたの?」

エド「図書館騎士になると決まった日に、お前から言ってきたことだろう」

リメロン「…覚えてたんなら、ちゃんと胸に留めておきなさいよね。もうギッタンギッタンにしてあげるから」

エド「まるで僕が悪事に手を染めている前提だな……まあ、僕は帰るよ。じゃあな」



そう言って、今度こそリメロンはその背中を見送った

それとすれ違うように大きな声が聞こえてきた

フェリルと合流し警備へと戻った



深夜


フェリル「さっき何をしてたんだ?」

リメロン「現場から遠ざかろうとする怪しい影を追ってきたんだけど、どうやら見当違いだったみたい」

フェリル「ふ~ん…なんだ、そんな事だったのか」

リメロン「アンタの方は大丈夫だった?」

フェリル「もうバッチリだぜ!建物にすら被害を出してない」

リメロン「『領域』?だっけ、それ便利よね」

フェリル「そっちの奇跡ほどじゃないがな」


会話をしながら、警備を続けた



イベント判定

1-4 何もなし
5-7 騎士団長と遭遇
8,9 ???


直下コンマ 


コンマ判定:1  何もなし



リメロン「……五時前か。そろそろ帰ろうか」

フェリル「…うん…そうだな……とても眠いよ…」

フェリル「だが!昨日と違い、犯人を逃がさなかったのは大きな成果だな!!」

リメロン「…そうね」


リメロン(……あの時の人影…本当にエドだったのかな?)


少しだけ心にしこりがあるのを感じながら、フェリルの屋敷へと帰った



※七日目終了


深夜イベント


視点選択


1、エド・ユーヴィッヒ
2、ロフ・グリン
3、フレア
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>251採用:3、フレア


フレア「………すぅ……はぁ」

夜空に灰色の煙が溶けていく

その様子を、ただ静かに眺め再び煙を吐く


フレアは『ある人物』と出会い、一般人に契約の知識を与える必要がなくなったことを伝えた

その帰り、アジトの外でタバコを吸っていた


フレア「……ったく、この俺が下っ端みてぇな真似を…」

グラン「クハハハハ!良いではないか、情報伝達は戦の基本よ。これを制したものだけが勝利者となりえるのだぞ」

フレア「………言われなくても分かってる。……だが、無性にムカムカするんだよ」

グラン「ほうほう、珍しいこともあるものだ。直接毒を吐かずにここで弱音を吐くか」

フレア「弱音じゃねーよ。……ただイラつくだけだ」

フレア「あの男……話していると気分がどうしようもなくイラつくんだ」

グラン「そう言うな。あの男は使えるぞ。ただ…捨て時を見誤らなければだがな」

フレア「………戻るぞ。最近騎士どもの動きが目につく」

グラン「あの化け物女騎士と遭遇すれば全てがおじゃんになるしのう」

フレア「余計なことを言うな。特にあいつらに聞かれるんじゃねーぞ」

グラン「おうおう分かっているとも、主は頼りになる『兄貴分』だからな」


煙草を靴でもみ消し、二人の男はアジトの中に消えていった



七日目(裏)



1、ロフ・グリン
2、クー
3、怪人『スマイル』


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>257採用:2、クー






日の出と共に目を覚ます

アジトの誰よりも早く目を覚まし、外に出る

睡眠時間は常に6時間、少しの物音でも起きられるように浅い睡眠

朝の光を体に浴び、体を動かし調子を確かめる

どれもこれも体に染みついたどうしようもない癖だ


フレア「今日も元気がイイ事だな。若いってのはいいねぇ」

クー「おはよう。師匠」


クーの次に目を覚ますのは決まってフレアだ

毎朝運動をしているクーを見に外に出てきて煙草を二本だけ吸う

クーがフレアを師匠と呼ぶのには理由がある、フレアはクーに導師としての技術と知識を与えた人物だからだ


フレア「師匠っていうのはそろそろやめろよ。もうとっくに教えることなんざねーんだからよ」

クー「じゃあ…フレアさん」

フレア「おう。それでいい………くぅ…朝日が染みるな」

クー「フレアさん。おっさんクサイ」

フレア「言われなくても嫌というほど体のボロを実感してるっての」

クー「……クサイ」

フレア「ちょっと待てよ加齢臭がすんのか!?」


煙草の匂いしかしねーけどな…と必死に自分の体臭を嗅ぐフレアを尻目に、クーは日課をこなした


日課を終えてアジトの中に戻る

アジトは潰れた酒場をそのまま利用しているため、入ってすぐにたくさんの椅子とテーブルが立ち並ぶ

テーブルにはすでにこのアジトに住む人々が起きだしていた


「「ワッハッハッハッハ!!」」


むさ苦しい男の笑い声が重なる

フレアの契約者『グラン・レイ・キングダム』とシュウは朝から酒を飲んでいた

その二人の席から離れた場所でクーの養父『パウエル・ヴィエッタ』と、その契約者である吸血鬼『アイン・シューデルリッヒ・デッセンベル』が優雅に朝食をとっている

オルトだけがその場に居ない。まだ療養中だからだろう

オルトの契約者である『ミネア』は部屋の隅っこでもそもそと干し肉を齧っていた

そしてクーの契約者である『マスク』はクーの部屋で今日のマスクを決めていた

アジトの中に戻ったフレアはシュウたちに交じり、朝食を取り始めていた



クー「…………」



行動安価

1、誰かと朝食をとる(人物指定)
2、食べ物を持って自室に帰る
3、オルトに食事を持って行く

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>262採用:3、オルトに食事を持って行く




今日の更新はここまでです

次回は『クーと愉快な仕事仲間』をお送りいたします


お付き合いいただきありがとうございました


今日の更新はお休みです

プロフィールを貼り付けるだけにします



なのでシュウの契約者を決めたいと思います


コンマ判定

1、2 人間
3,4 亜人
5,6 怪物
7,8 魔法使い
9,0 人間(特殊)

直下コンマ


こんな微妙な時間から始めたから人が居ないのかな?


直下コンマ


コンマ判定:0、人間(特殊)

良かった…どうやらさっきは上がってなかったぽいですね



この中からお選びください



1、全知の者     
2、転生の御子    
3、神の部品 
4、魔を従える怨念  
5、与えられた生命  
×、虹色の少女    
7、記憶を無くした少年


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>272採用:3、神の部品



契約者の持つ『部位』は?


1、両腕(想像を創造する腕)
2、右手(全てのモノを掴む右手)
3、左手(全てのモノを抜き取る左手)
4、脳(全ての過去を記録する脳)
5、鼻(嗅いだモノを理解する鼻)
6、耳(とっても耳が良い)
7、それ以外の部位(目以外)


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものをを採用

心臓


>>275採用:神の心臓


契約者は『リンドウ・ヒンセイ(琳堂斌成)』となりました


それではまた、明日には更新すると思います

名前:フレア(フレア・フィルハウンド)
性別:男性
職業:『ギルド』幹部



適応能力:8  かなり優秀な適応能力を持つ  
身体能力:7  人間としてはかなり優秀な部類に入る身体能力
精神力: 5  冷静に見えて熱くなりやすい
家系階級:1  かつては貴族であったが、自らその姓を捨てた



年齢は36歳
身長は181cm
堅い黒髪をオールバックに纏めている。瞳の色は灰色
目つきが鋭く悪人面
目が悪く、目をよく細めていたため眉間に皺がよっている
性格はのせられやすい親分肌で、頼られると張り切る
常にクールを装っているが、意外と小心者であり、内心では色々なことを考えている
部下の前では頼れる兄貴分でありたいと思っており、絶対に弱みを見せない
クーを拾った養父である『パウエル・ヴィエッタ』の部下であり、クーに導師としての技術を与えた張本人
かつては中流貴族の一人息子であったが、パウエルの思想に賛同し地位を投げ捨て『ギルド』に加入した
彼は人生に飽きていた、大した地位も無く枯れかけた土地を必死で守ろうとしていた父に、そしてそれを継がされる自分に敷かれたレールに
それ故に激動の革命を謳うパウエルの思想に大きく突き動かされたのだ

好きなものは娯楽小説
嫌いなものは退屈





【特殊能力】


『契約:英雄』
支配者の英雄、『グラン・レイ・キングダム』と契約を結んだ



『生贄:両腕』
高い適応能力により英雄の類稀なる格闘能力を得る

名前:グラン・レイ・キングダム
性別:男
種族:英雄(悪英雄)
強さ:7


【キャラ設定】
38歳
歴戦の勇士らしく顔に十字傷がある強面、豪勢なマントを着てよく腕組をしている
英雄らしい正々堂々を好まず、勝利こそ全てでそのためなら何しても構わないと思っている外道
しかし意味のない悪いことを進んでしようというわけでもない
とある世界の軍団長をしていたがあるときクーデターを起こし自分の国家を打ち立てる。
その国は歴史的にも最大規模の国家でありその建国者たる彼は間違いなく英雄であるが
その裏で大量のクーデターの犠牲者、征服した国家の王族国民狩りなど絶対に善とは呼べない行為も多く行ってきた
白兵戦能力、指揮官としての能力、政治力など支配者としての力は本物で圧倒的カリスマ性をもつ
彼の英雄としての力の本領は格闘スキルであり、まず一対一では格闘で負けない
契約に縛られ支配される側になってしまったが、それはそれでと純粋な闘いの日々を楽しんでいる



【特殊能力】

『英雄(悪)』
結果だけ見たら素晴らしいものを残しているがその過程は決して善なるものではない
英雄の負の部分が特に大きい者である
積極的に悪を働くわけではないが、必要とあらば一切の躊躇なく悪事に手を染めることが出来る精神性をもつ

『アマサカノホコ』
人の丈よりも長い矛、一定以上の力で振ると斬撃を飛ばすことが出来る

名前:オルト
性別:男性
職業:『ギルド』構成員



適応能力:6
身体能力:7
精神力:6
家系階級:1



年齢は22歳
身長は167cm
癖のある茶髪、瞳の色は緑色。糸目が特徴的
人見知りな性格でかなり警戒心が強い
口下手でもあるため、気心の知れた仲間内でしか会話をしない
仲のいい仲間の前では、オルト本来の穏やかで世話焼きな一面を出している
独占欲が強く嫉妬深い性格でもあるため、時折それを垣間見せる瞬間がある
6歳の時に既に『ギルド』の構成員であった『フレア』に拾われギルドに加入した
元々は捨て子であり、貧富の差が激しい極貧地域で暮らしていた
親の名も知らず、家族もいなかったためオルトにとってのフレアは本当の『兄』のような存在である
フレアの事を『兄貴』と慕い、常に傍に居ようとしている
契約の技術もフレアから教えられたもの
14歳の時、オセロットの獣人『ミネア』と契約を結んだ
お互い馬が合わず、会話を交わすことはあまり無い

好きなものは兄貴
嫌いなものは金



【特殊能力】



『契約:獣人』
絶滅危惧種の獣人『ミネア』と契約を結んだ
獣人の研ぎ澄まされた身体能力と、『ラストワン』としての驚異的な生命力を引き出す



『生贄:肉体』
自らの肉体全てを生贄に捧げている
それにより、ミネアの生命力を色濃く発揮することが出来る


名前:ミネア
性別:女性
種族:獣人(オセロット)


強さ:6    肉食の獣人であり、強い力を有する





年齢は22
身長は168cm
黒いまだら模様の茶色の毛並と、金色の瞳を持つ
絶滅に追いやられたオセロットの獣人
肉食の獣人ではあるが、他の獣人より力が弱く生存競争に負けた種族
絶滅寸前に追い込まれるまでは、人や亜人の奴隷もしくは愛玩動物とされていたが反旗を翻す
しかし、現代兵器の前にあえなく狩り尽くされた
彼女はそのオセロットの獣人の最後の一人である
喜怒哀楽が激しい激情家であり、裏表の無い素直な性格である
また、誇りある生き方をモットーにしているため、嘘や卑怯なことが大嫌いである
異常なほど人間を毛嫌いしており、会話すらまともに出来ない
生まれてから今まで、たった一度の幸福の無い不遇な人生を送った

しかしとある少女と少年との出会いにより、生命の高潔さ以上に大切な『強く生きる』という事を学んだ
その少女との出会いによってミネアの中にあった『か弱い種族』としての劣等感が無くなり、無暗に人を嫌うことは少なくなった
それ以降は、『種族としての己』だけでなく『己という個人』の一生をより尊いものとするために旅に出た
その旅は少女にとっての少年の様な『お互いを高め合える者』を探す旅だったらしい

契約を結んだ相手である『オルト』の事は生理的に嫌いだが、異世界に来るという出来事は初めてなためこれもいい経験だと自分に言い聞かせている
パウエルの思想には反対しているが、異世界人の自分が口を挟むことではないと思っている






【特殊能力】


『獣人(オセロット)』
オセロットの獣人
人と獣の中間的な姿をしている
夜目が利き、索敵能力に非常に優れた種族である
狩りにおいて絶対に獲物を逃がさない追跡能力を持つ
肉食動物であり、血を見ると酷く興奮する




『ラストワン』
彼女は全ての世界線において、種族の最後の一人である
遺伝子に刻まれた強い生存本能が目覚め
どんな過酷な状況であろうと諦めず、貪欲に生きることを欲する

名前:シュウ
性別:男性
職業:『ギルド』最高幹部



適応能力:6
身体能力:6
精神力:4
家系階級:2



年齢は44歳
身長は166cm
短めの金髪、瞳の色は茶
赤や黄色の派手な服を好むレスラー体系の中年
陽気な性格で派手な事が好き
その一方で萎縮しやすく、突然の出来事には対処できずに固まってしまうことがよくある
小物気質で、部下には偉ぶり上司には媚び諂う
基本的に面倒なことは全て部下に丸投げしている
取り立てて優秀な能力などない男だが、『ギルド』創設初期からいる古株
ギルド支部の見張りとしてパウエルらと共に行動している
パウエルの思想に関しては反対ではないが賛成するほどではないと思っている
しかし、面倒なため『ギルド』本部に報告する気は更々ないらしい
なぜこんな男が最高幹部を任されているのかなど、謎の多い男である

12歳の時に神の心臓を持つ少年『リンドウ・ヒンセイ』と契約を結んだ
ヒンセイとの仲は比較的良好だと思っている

好きなものは酒とチョコレート
嫌いなものは二日酔い





【特殊能力】


『契約:人間(神の部品)』
神の心臓を持つ少年『リンドウ・ヒンセイ』と契約を結んでいる
契約により『変化に対応し続ける』肉体を手に入れた
そして『連結』の異能を扱うことが出来る



『生贄:心臓』
己の心臓を生贄に捧げている

名前:リンドウ・ヒンセイ(琳堂斌成)
性別:男性
種族:人間(神の部品)



強さ:6  『神の心臓』によってあらゆる変化に対応することが出来る肉体と、『連結』の異能を操る




年齢は19歳
身長は173cm
少し長めの黒髪と、黒い瞳を持つ
すこし細身の青年
人に流されやすい性格で、物を捨てられないという癖がある
何にでも興味を持ち何でもやってみるが、イマイチ本気になれずに冷めやすい
『科学世界分岐、異能世界線』出身で異能使いであることを隠しながら生きてきた青年
とある事件に巻き込まれ死にかけた時、何者かに『神の心臓』を移植され一命をとりとめた
が、本人はそんなことに気が付かずに自分の事を異能が使えるだけの人間として今まで通りの生活をしていた
彼はこれからとある人物との出会いにより大きく人生を狂わされるが、この世界では一切関係ない話である
契約を結んだ相手である『シュウ』の事は少し苦手だったが、シュウのそのマイペースすぎる生きざまに少しだけ憧れの様な感情を抱いている
つい最近、この異世界に呼ばれて20年近くたったにも拘らず一切体が老いてないことに気が付いた


好きなものは豆腐とカメラ、他色々
嫌いなものは体育会系の熱いノリ





【特殊能力】



『神の部品(心臓)』
ありとあらゆる変化に対応する『神の心臓』を持つ



『異能:連結』
物と物を繋ぎ合わせる異能
自分の手で触れている物限定であり、尚且つ物を同時に三つ以上繋げられない


ちょいとお腹の調子が悪いですが再開っすよ!!


昨日から大量に作り置きしていたスープとパンとお湯を持ってオルトの部屋に行く

ノックをしてみると返事が聞こえた


クー「オルト、起きていたの」

オルト「うん、さっき起きたんすよ」

クー「ご飯持ってきた」

オルト「わざわざ悪いっすね」

クー「怪我の具合は?」

オルト「それは……」



1-3  完治まで時間がかかりそう
4-6  もう少しで完治
7-9  明日には完治しそう

重傷 -3
契約 +3

直下コンマ


コンマ判定:0 ほぼ完治している



オルト「もうバッチシっすよ!腕も繋がったし痛みも動作不良も無いっすよ!!」

笑顔で千切れ飛んだはずの両腕を見せ、力こぶを作って見せた

クー「…そう。それは良かった」

クー「でも、実際に目で見てもとても不思議。信じられない」

オルト「そうっすよね~僕自身もビックリっすよ。兄貴が雑に糸で繋ぎ合わせただけなのにくっついて動くんすからねぇ」

オルト「こればっかりはミネアのおかげっすかね」

クー「そうね。……元気そうだけど、今日一日くらいはゆっくりするといい」

オルト「了解っす。あの、一つ質問いいっすか?」

クー「なに?」

オルト「『シンデレラ』の方はもう探し出せましたか?」

クー「………」



1-3  目星がついていない
4-6  ほとんど絞れている
7-9  もう目星がついている

直下コンマ


コンマ判定:1


クー「…まだ見つかっていない」

オルト「そうっすか……」

クー「でも、パウエルさんがアインと契約をしたから時間の問題」

オルト「あ~え~っとアレっすよね。前々から言ってたもしもの時に使うって言ってたやつっすよね?」

クー「そう。未来を見通す義眼を使ってもらう」

オルト「それならもうほとんど見つけたようなもんっすね!!」

クー「そうでもない」

オルト「え?何かトラブルでも?」

クー「アインはとてもプライドが高い。無理に契約状態になろうとすればパウエルさんが危険。今は頑張ってご機嫌取りをしてる」

オルト「そ、そうだったんすね……その…が、頑張って下さい」

クー「うん。それじゃあ、皿は後で回収する」

オルト「ああ、自分でやるっすよ。久しぶりに歩きたい気分なんで」

クー「…そう、アジトから出ないようにね」


そうオルトに釘を刺し、オルトの部屋を出た


クー(……そろそろ動かなければならない)

クー(仕事をしよう)

クー(今日の仕事は……)



1、アジト周辺の見周り
2、『ガラスの靴』探し
3、『シンデレラ』探し
4、朝は仕事なし

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>294採用:2、『ガラスの靴』探し



クー(……『ガラスの靴』を探し出さなければ)

クー(『シンデレラ』の為の『ドレス』も『馬車』も揃っている。あと一つ…『ガラスの靴』さえあれば)

クー(何の目的か分からないがある人物に『ガラスの靴』は奪われてしまった)

クー(しかも念入りなまでに自分の情報を消し去っている。更にある日を境に忽然と姿を消した)

クー(この似顔絵…………これに似た人物は隣町で目撃情報があった)

クー(もう既にどこか遠くに逃げられている可能性もある。でも、『ガラスの靴』が無ければ何も始まらない)

クー(早く見つけ出さないと……)

自分の部屋に戻り、支度をする


クー「…行くよ、マスク」

マスク「……足りない…とても足りない……いっぱい足りない」

マスクは顔をグチャグチャに変形させ続けながら、仮面を手にとっては投げ捨てている


クー「……何が気に入らないの?」

マスク「悲しい。とても悲しい。今日はどれも気分じゃない。いっぱい悲しい」

クー「………新しいの買ってほしいの?」

マスク「嬉しい。とても嬉しい。そう言ってくれていっぱい嬉しい」

クー「……………後で買ってあげるから、仕事に行こう」

マスク「しょーが無い…今日は妥協で狐の気分」


狐の面を被ったマスクと共に『ガラスの靴』探しに出かけた


契約状態になり、姿を変えて隣町を歩く

人ごみに紛れながら『ガラスの靴』を奪った男を探す


クー「………」



イベント判定
1-3  誰かと目が合う
4-6  見つからない
7-9  『ガラスの靴』を奪った男が歩いている
0    『ガラスの靴』を発見

直下コンマ


コンマ判定:1 誰かと目が合う



クー「……っ!?」

何者かの強い視線を感じ、後ろを振り向こうとして踏みとどまる


クー(……待て、気のせいだ)

クー(今の私はこの世界に存在しないどこかの誰かの姿になり切っている。正体を見抜かれるはずがない)

クー(ここで慌てて振り返れば、一層怪しまれるだけ)

クー(ゆっくりとさり気なく振り向き…視線の先を探る)


自然を装い後ろに目を向ける

完全にその視線を送る人物と目が合ってしまった

クー(な、何故だ!?なぜ私を見つめているんだこの……)



コンマ判定

1-3  やけに身長の高い女性
4-6  色黒の少年
7-9  幼い少女

直下コンマ


コンマ判定:5  色黒の少年



クー(この少年は何者だ!?)

じっと、真っ直ぐに赤い瞳がクーの目を捉えて離さない


クー(気の所為では済まされない…なぜ…この私を見つめている?)

マスク(虚偽は『黒』。現実は『白』。罪は『赤』。真実は『透明』に僕らを見ている)

クー(……突然なに?)

マスク(火の色。僕らは『黒』)

クー(……相変わらず、意味が分からない。私を困らせないで)

マスク(『白』に滲みだす『黒』。それに上塗りされた『赤』。彼は『色』をよく見ている)

クー(…………………………あの少年は『嘘』を見破ることが出来ているという事?)

マスク(御名答。少年は真実を見抜く『透明』)

クー(……どうしてそんなことが分かるの。あの少年は誰?)

マスク(アレはとても有名な火。僕たちを背負って生きている)

クー(……………後で考える。一先ずここは…)



1、無関心を装いその場を離れる
2、全力で逃げる
3、あえて接触してみる


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>307採用:1、



無関心を装いその場を離れると、クーを追っていた視線は興味を無くしたようにどこかへと去って行った


クー(……無事に済んだ……のかな?)

クー(マスク、答えて。アレは何者?)

マスク(とても有名な火、炎、焔)

クー(真面目に答えて。私にわかるようにそのまま説明をして)

マスク(や~ん怖~い!)

クー(……さっきまでの性格飽きたの?)

マスク(今はなんだか女の子な気分♪)

クー(………それで、アレは何者?)

マスク(アレは~『エンラ』っていう人間だよ♪)

マスク(世界中のどこを探しても彼以上に罪深い生き物は存在しない……って感じの奴なの)

クー(…『エンラ』……聞いたことも無い)

マスク(当然だよ~アレの名前を知っている人なんてこの世界には存在しないもん)

クー(どうしてアナタは知っているの?)

マスク(うふふふふふふふふ…分かんない♪)

クー(…答える気はないのね。別にいいわ…私の邪魔をするなら消す。そうじゃないならどうだって構わない)


一応、別の姿に変えてから再び『ガラスの靴』探しを再開した





マスク(ね~ね~まだ仮面買いに行かないの?)

クー(……後でいく)

マスク(後っていつ?何時間何分何秒後なの?)

クー(……あんまり煩いと買ってあげない)

マスク(それじゃあ手伝ってあ~げない!)

クー(別に構わない。変装くらい自前でもできる。アナタの方が手軽で便利だから使っているだけ。アナタはお金を持っていない。新しい仮面は手に入らない)

マスク(とっても悲しい…いっぱいい~っぱい悲しい……)

クー(我慢して。あと少し手伝ってくれたら買いに行ってあげるから)


頭の中で会話をしながら『ガラスの靴』を探し続けた


クー(……場所を移動してみようかな?)



1、貴族の屋敷が立ち並ぶ方へ行ってみる
2、移動せずに人通りが多い場所を歩く
3、あえて人のいない森に行ってみる
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


なんだか今日は調子が良くないのでここまでとします

ここから安価↓2までを範囲をします



それではまた、お付き合いいただきありがとうございました


>>310採用:1、貴族の屋敷が立ち並ぶ方へ行ってみる



更新再開っすよ!!


今まで歩いていた場所を移動し、貴族の屋敷が立ち並ぶ方に向かった

姿もそれに合うように、上品な顔立ちの淑女に変えておく


クー(……殆ど人が居ない)

クー(見つかるのはメイドや執事ばかり…此方に来たのは失敗だったか?)


早々に別の場所に移動する事を考えながら目的のモノを探して歩いた




イベント判定

1-3  突然の襲撃
4-6  少年再び
7-9  何もなし
0    ???

直下コンマ


コンマ判定:6 少年再び



クー「…………」

エンラ「…………」


目と目があい、お互いが固まってしまう

つい数時間ぶりの出会いであった


クー(……違う容姿であるにも拘らず、また私を見ている)

クー(どんなカラクリか分からないけど、本当にマスクの変身を見抜いているのか)

クー(………関わり合いにならないに限る)


目線を外し、さっさとその場を離れるようとしたその瞬間


エンラ「アンタここらで見ない顔だよな。なんでここに居る」


少年の方から話しかけてきた


クー「…………」




1、無視してその場を離れる
2、会話安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>318採用:1



クー「………」

質問に答えずその場を離れる

エンラ「あ!待てよ!お前がさっき会った奴だってわかってんだぞ!!」

クー「………」

エンラ「待てって言ってるだろ!!」


エンラがクーの服の袖を掴む

思わずクーも足を止めてしまった


エンラ「いいか、コイツは警告だ。正体を言いたくなければ言わなくてもいい」

エンラ「ここで何をしていたかだけでも話せ」

エンラ「話せなければお前に痛い目に会ってもらう!」

クー「…………」



クー(随分としつこい子供……)

クー(どうしようか?)



1、構うなと脅す
2、逃げる
3、『ガラスの靴』を探しているという
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>321採用:2、逃げる


クー「………」

ちょいちょいと此方に近づくように促す

少し警戒しつつもクーに歩み寄るエンラ

その耳元にそっと唇を近づけた

クー「わっ!!!!!」

エンラ「っ!!!」


大声を出し怯んだ隙に動きやすい姿に即座に変身して逃げ出した


エンラ「っっこの!待てよお前逃げるな!!」

エンラ「やっぱり怪しい奴だったんだな!!警告はしたからなー!!覚えとけよー!!!」

エンラの言葉など耳を貸さず、ものの数秒でその場を逃げ切った

エンラの大声が虚しく山に反響した


夕方


捜索を打ち切り、契約状態を解いて仮面を売っている店に来ていた

つまらなそうにしているクーの隣で楽しそうにマスクが仮面を手に取っていた


クー「………望みのものはあった?」

マスク「解答。実に大量。目移りしてしまう」

クー「そう…」

クー(…また性格変わってる)


適当に言葉を返しマスクが選び終わるのを待った

彼女はいつもこのようマスクと買い物に来た時の結末を知っていた


マスク「願望。一つずつ全て欲しい」

クー「……分かった」


彼女は諦めたような眼差しで店主に全て欲しいと説明した


クー(…私にお金を使う趣味が無くてよかった)


大量の仮面を買い取り、それを荷物を入れるための巨大な袋に乱雑に詰め込んだ


クー「……ふう…」

大きな荷物を背負ったクーが、休み休みアジトまで帰ろうとしていた

マスクは荷物袋の中に入りたくさんの仮面と戯れている


クー(……………重い…けど、これも鍛錬と思えば)

「その荷物、お持ちしましょうか?」


思わずビクリと肩を震わせる

非常に鬱陶しい親切の言葉

だがそれ以上に、クーはその声の主の厄介さに冷や汗を流していた


クー「い、いえ…お構いなく」


必死に目を細め、無理やり笑顔を作り声の主の言葉に答えた


「そう言わずに…」


荷物を持ってあげようと声をかけてきた騎士

それはあの隣町の図書館騎士『リメロン・アスバール』であった


じっとクーの顔を見て、首を捻る

ハッとしたように顔をあげ声をあげた

リメロン「………あっ!あの時の暗殺者!!」

クー「チッ…!」


荷物をリメロンに向かって投げ、近くの建物の上に駆けあがる


リメロン「ま、待ちなさい!!」

クー「……貴女、何者なの?いつも私が行く場所に居る」

クー「…ッ!まさか……ストーカー?」

リメロン「違うわよ!偶々よ!!」

クー「どちらにせよ、貴女に付き合っている暇はない」


マスクの入った荷物袋を置き去りし、その場を逃げ出した

リメロンはクーを追おうとはせずに荷物の方に興味を示したようだった



クー(………マスクなら上手くなんとかする…はず)

クー(……今日は逃げてばっかり…)


そんなことを考えながらアジトに帰ったのだった





あれからマスクは怪我も無く、仮面を全て持って帰って来た

人悶着あったようでマスクはとても楽しそうにしていた


夕食を取りながらこれからの事を考える



クー(…これからフレアさんが仕事をしに行ってくるらしい)

クー(目的はあの協力者に『余計なことをするな』と釘をさすため)

クー(あの男、頼みもしていない『シンデレラ』探しを手当たり次第にやっているらしい)

クー(それで見つかれば文句は言えないが、現状見つけられていない)


クー(フレアさんが話は一人でつけてくると言っていた)

クー(私は………)



1、『シンデレラ』を探しに出かける
2、もう一度『ガラスの靴』を探しに出かける
3、誰かと話す(人物指定)
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>330採用:2、



マスクを連れて隣町に向かった

再び『ガラスの靴』探しを再開したのだ


クー(今日は逃げてばかりだったけど、夜ならそうそう見つけられない…はず)



1、仮面を消費して『仮面舞踏会』の人海戦術を取る
2、目立たないように捜索をする

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>333採用:1、仮面を消費して人海戦術を取る



クー「生贄追加。仮面十枚で『仮面舞踏会』を発動させて」

マスク「有り難く頂戴。ではでは…」

仮面を宙に投げると、仮面の裏面から黒いものが吹き出しやがて人の形をとる

体系も様々で完成した分身に統一性は仮面をつけていることぐらいだ


クー(…いつ見ても不思議な力)

クー「目標は『ガラスの靴』。『ガラスの靴』を奪った男でも構わない。では解散」


クーの言葉に従い分身は二人一組で散って行った

クー「…私達も始めよう」

クー「契約執行…我が身に無貌の仮面を」


姿を変えて、闇夜に紛れて捜索を始めた



イベント判定

1-3  消滅する分身
4-6  ???
7-9  立ちふさがる人影
0    遠くの明かり

直下コンマ


コンマ判定:0 遠くの明かり



高い場所に上り、全身に目を浮かび上がらせ町を舐めるように監視する

町の外れ、森を抜けた更に遠くボンヤリと明かりが浮かび上がっているように見えた


瞳のレンズを重ね目を凝らせば、建物が立っているのが見えた


クー(………何故あんな場所に家が)

クー(…明かりがついている…という事は廃屋という可能性は薄い)

クー(………見つからないと思っていたけど、まさかあんなところに?)


クー(………行ってみようか?)


1、行く
2、行かない

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>340採用:1、


建物の屋根を伝い、明かりの方角へと真っ直ぐに向かった



コンマ判定
偶数で立派な屋敷、奇数で広大な花畑

直下コンマ


コンマ判定:2、立派な屋敷



たどり着いたのは立派な屋敷


クー(…こんな場所にこんなに立派な屋敷が)

屋敷には先ほどまでついていた明かりが消えていた


クー(眠りについたのか?)

そう思い、屋敷の庭に足を踏み入れた


「本当…最悪だよ。俺と女神の城にこんな汚物が足を踏み入れることを許すだなんて」

庭の真ん中、壊れた噴水の前に立つ大きな人影

その人物は『ガラスの靴』を奪って行った人物であった


クー「……探した。漸く見つけた。大人しく『ガラスの靴』を渡して」

ロフ「俺の女神を、そんな名前で呼ぶな」

ロフはむき出しの敵意でクーを睨みつける


クー「…エールは何処?」

ロフ「もうここには居ない。彼女にはこれからの光景を見せられないから」


ロフ「俺の安息の地を穢したこと、死を持って償ってもらう」

クー「そう。話が早くて助かる。アナタには興味ないけど」


クー「邪魔をするなら死んでもらう」




※戦闘が開始されました


名前:クー&マスク



強さ:6



1    ファンブル
2-4  失敗
5-9  成功
0    クリティカル

のコンマ表を使用



【特殊能力】


『契約:人間(特殊)』
耐久値+4
戦闘判定+1
合計2までの-補正を無効
戦闘判定+1
状況不利にならない
敗北を一度だけ無効にして逃走判定に移行できる



『暗殺術』
クリティカル時+3の追加補正
クリティカルで判定に勝ったとき、相手に確定で負傷を追加
ゾロ目で毎回暗殺判定を追加


名前:ロフ・グリン


強さ:8



1-4  失敗
6-9  成功
0    クリティカル



【特殊能力】



『契約:神』
今回は使用できない


『身体能力』
耐久値+5
戦闘判定+2、成功以上で更に+1
負傷の-補正を受け付けない
逃走及び追撃判定+3
戦闘終了後、一日経過で負傷を回復


『クー』耐久値:12+4=16

『ロフ』耐久値:15+5=20




直下コンマ:クー戦闘判定
契約 +1


↓2コンマ:ロフ戦闘判定
身体能力 +2


コンマ判定:6+1


コンマ判定:5+2


ロフ成功以上で更に+1


7-(7+1)=-1


16-1=15


『クー』耐久値:15


クーが羽織っているローブの裏には多くの武器が隠されている

ナイフを手にし振り抜く…

よりも早くロフがクーの目の前に迫る


クー(ッ!速い!?)

戦い慣れているはずのクーですら追えないほどの速度

武器を引き抜くのをやめ、慌てて防御の構えを取る

体を変化させ大量の腕を生やしクッションとする

その腕の折り重なったクッションの上からロフの渾身の蹴りが入る


クー(力も強い…!)

次々に圧し折られる腕の下から新たな腕を作り衝撃を和らげる
折られた端から腕を外すことで、痛みも軽減させる



クー「アナタ…人間?」

ロフ「お前と違い、真人間だ。腕をうじゃうじゃと落として気持ちの悪い奴だ」



直下コンマ:クー戦闘判定
契約 +1


↓2コンマ:ロフ戦闘判定
身体能力 +2


コンマ判定:9+1  疑似クリティカル

コンマ判定:4+2


クー疑似クリティカルで更に+5、ロフ成功以上で更に+1


(10+5)-(6+1)=-8

20-8=12


『ロフ』耐久値:12


ロフ負傷


クー(…とんでもない身体能力)

クー「……でも、見えてきた」


体中に目を配置し、動きを追う

動体視力も底上げしロフの動きを完全に追う

そして、段々とロフの事を理解していった


紙一重でロフの拳を前のめりに躱し、ナイフを引き抜き喉元を狙う

ロフ「ッ!」

迫るナイフを払いのけようとロフはクーの腕を掴もうとする
その迫る手に刃の先を返し、突き刺す

それを確認して再び距離を取る

ロフは右手に刺さったナイフを抜き取り、忌々しげにクーを睨む


クー「凄い運動能力。とても人間とは思えない」

クー「でも、動きは素人。殺し合いなんてしたことが無い真人間」



直下コンマ:クー戦闘判定
契約 +1


↓2コンマ:ロフ戦闘判定
身体能力 +2
身体能力によって負傷無効


コンマ判定:00 ダブルクリティカル

コンマ判定:8+2 疑似クリティカル




状況判定
6以上で勝利、5以下で……

身体能力比較 -2


直下コンマ


コンマ判定:9-2 クー勝利


目に見えてロフの動きが鈍くなってきたのが分かる

全身から汗を吹き出し、肩で息をしている

目の焦点も何処となく合っていない


ロフ「………く…はぁ…!…毒だな…さっきのナイフに…!」

クー「正解。分かってももう遅い。ここまで動けていることすら不思議」

クー「それもこれまで、張りつめた糸は―――」


もう一つのナイフを取り出しロフに向かって歩く

抵抗しようと腕を振り上げるが、最早動きは常人以下

滑らかに刃が肌に滑り込む

鮮血が吹き出しクーの体にかかる


クー「少し刃を差し込むだけで崩壊を始める」


ロフは、その場に倒れ伏した

その姿を冷めた目でクーは見下していた


念のために首も落としてとどめを刺そうとしたとき、屋敷の扉が開かれた

中からは小柄な銀髪の女性

クーの探し求めていた『ガラスの靴』であった


エール「ロフ様ァ!!!」

エールは裸足のまま屋敷を飛び出し、倒れるロフに駆け寄る

クー「…丁度いい。探す手間が省けた」

クーはエールの目の前でロフの首にナイフを突き立てた

が、しかし切っ先がロフの首の皮で止まる


エール「止めなさい!ロフ様に何をするんですか!!今すぐ離れてください!!」

クー「……」

無言で別のナイフに持ち替えてもう一度突き立ててみたが、やはり刃が立たなかった


クー「……何をしたの?」

エール「今、私が決めました。ロフ様の肌に『貴女では傷をつけられない』と」

クー「…『意味を与える奇跡』…だったかな」

エール「ええ、貴女ではロフ様を傷つけられません。諦めてそこを退いてください!ロフ様を治療してあげないと!」

クー「………」



1、ロフの首をへし折る
2、エールを攫う
3、交渉をする
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>363採用:2、エールを攫う



クー「…分かった。この男に何もしない」

エール「ほ、本当ですね!嘘だったら怒りますよ!!」

クー「ええ、この男に用事は無いから」


ロフをその場に置きエールに近づく

ロフの元に行こうとするエールの体を抱き上げた


エール「あ!ちょっと!は、離してください!!ロフ様の怪我の処置を!!」

クー「そんなものどうでもいい」

エール「良くありません!このっ!このっ!離してください!!」

頭を叩かれるがサッパリ痛くない

エールは随分非力な神様なようだった


クー「静かにすれば痛くしない」

エール「わ、私の事はどうなってもかまいません!!は、早く離さないと酷いですよ!!」


無視をして歩き出そうと足を踏み出したとき、足が止まる

何故か、その場から足が動かなかった


クー「……また何かした?」

エール「な、内緒です」

クー「…………」

エール「私を離してロフ様の所に行かせてくれれば新たに与えた『意味』をなかったことにしてあげます」

クー「………はぁ…」


渋々とエールを降ろす

すると、足が地面から離れた

それを確認し、ロフの元に行こうとするエールの腕を掴んだ


エール「な、何ですか!?ちゃんと歩けるようにしましたよ!!」

クー「そこの男に起きられると困る」

エール「わ、私は起きてもらわないと困ります!!」

クー「…………はぁ…」



クー(此方に敵意は薄くても、とても厄介な力を持っている)

クー(『意味を与える奇跡』……物に新たな意味を与える殆ど全能に近い奇跡)

クー(好きにさせればあの男が起きるかもしれない、それこそ困ったことになる)

クー(………どうしようか…)



1、力づくで連れていく
2、ロフを殺して諦めてもらう
3、交渉
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>369採用:3、交渉


今日の更新はここまでです

まさかこんなにアッサリとクーが勝てるとは思わなんだ……

それではまた、お付き合いいただきありがとうございました


今日も更新お休みっす
長期休暇ですしね


明日には再開します


名前:パウエル・ヴィエッタ
性別:男性
職業:『ギルド』支部総帥



適応能力:8
身体能力:5
精神力:10
家系階級:9



年齢は62歳
身長は170cm
白髪交じりの長い黒髪、青色の瞳を持つ
表面上は穏やかで物静かな性格であるが、その精神は情熱的である
強き信念を持ち、『ギルド』という組織を顧みない野心的であるとさえいえる目的を持っている
新たな時代を呼び込む『革命』というその思想はフレアを強く引き込んでいる
暗殺者『クー』の養父であり、彼女の事は実の娘のように可愛がっている
契約相手である『アイン・シューデルリッヒ・デッセンベル』とは主従のような関係であり、パウエルが従者である
つい最近までは別の契約者であったが『革命』の為に新しく契約し直した
アインのあまりにも繊細な心に、酷く手を焼いている
かつては上流貴族であったが、『革命』のための隠れ蓑として利用するためにギルドに加入した




【特殊能力】



『契約:怪物』
世界を牛耳る吸血鬼『アイン・シューデルリッヒ・デッセンベル』と契約を結んだ
『支配』の魔力を扱うことが出来る




『生贄:錫杖』
ヴィエッタ家に代々伝わる杖

名前:アイン・シューデルリッヒ・デッセンベル
性別:男性
種族:吸血鬼



強さ:10  吸血鬼を統べる王であり、『支配』の魔力を有する





年齢は不明
身長は189cm
とても長い白髪と赤い瞳を持つ
見た目年齢は人間換算で50歳くらいのナイスミドル
非常に自信家な性格であると同時に、非常に繊細な心の持ち主
喜怒哀楽の移り変わりが激しい激情家であり、ちょっとしたことで簡単に拗ねる
遊び好きでどんな事もゲームのようにして楽しもうとする癖がある
善悪の概念も薄く、彼にとって尊い命は吸血鬼だけであるため、時には残虐な行為に走ることもある
しかし一方では律儀な一面もあり、ゲームに負ければ相手を称賛し、約束を違えることは決してない
律儀な性格ゆえに、自分を騙そうとしたり嘘を吐いた相手には容赦のない制裁が下される
『基本世界』出身であり、『デッセンベル城』に居を構えて眷族たちと日夜騒がしく生活をしている
悪魔に分類される怪物でありながら、冥界から抜け出し世界の一部を自らの領土とした非常に強い力を持つ吸血鬼

契約者である『パウエル・ヴィエッタ』の事は良く思っていないが『人の身の丈に余る願望』についてはとても興味を惹かれている
『未来視の義眼』を渡せば契約を破棄されることを知りながら、近々ゲームを開催しようと思っている

好きなものは家族
嫌いなものは拘束




【特殊能力】



『怪物(吸血鬼)』
悪魔に分類される怪物『吸血鬼』の王
『支配』の魔力を有する



『未来視の義眼』
望みの未来を見通す義眼
冥界から抜け出す際、それを阻止する神との戦いでの戦利品

ちょいとやることがあって遅れましたがそろそろ再開っすよ!!

物語を一気に加速しないといけないため(裏)を数名やります


クー「……交渉をしよう」

エール「交渉…ですか?」

クー「私は貴女に用がある。貴女はそこの男に用がある。どちらも急ぎの用事。だから、お互い譲り合いをしない?」

クーは懐から小瓶を取り出した

クー「そこの男には毒を使った。そしてこれは解毒薬。今から飲ませれば助かるかもしれない」

エール「は、早くそれを渡してください!」

クー「ダメ。ここからが交渉。この解毒薬をあげるから、その男が起きる前に私と一緒に来てほしい」

エール「目を覚ます瞬間を確認できない、というのであれば信用できません」

クー「確かにこれが解毒薬であり、この男が息を吹き返すという保証はできない。けれど、私を信頼してほしい」

クー「私はその男は死んでもらった方がいい。でも、貴女の為に生かす道を与えている。だから、貴女も譲歩するべき」

エール「く、くぅ……」

苦悶の表情でエールはクーの手にある小瓶と、血を流して倒れるロフの姿を交互に見る

クー「さあ、どうするの?」



エール交渉判定

1-3  条件を追加  
4-6  目的を聞かれる
7-9  承諾
0    ???

直下コンマ


コンマ判定:0 奇跡
※なんなの?最近のコンマ神は私の作り直したプロットを破壊するのが趣味なの?


エール「…信用できません」

エールはそう言ってクーに向かって掌を向ける

その瞬間、クーの掌から小瓶が滑り落ちエールの手に吸い込まれるように飛んだ


エール「その小瓶に『私以外の手で握ると滑る』更に『私の手に能動的に引き寄せられる』という意味を与えました」

エール「磁石同士は引き合い、そして反発し合う。だれもがそれを『そういう物』だと認め『そう言う特性』があると受け入れる」

エール「私の奇跡とはそういう奇跡です。この小瓶は今言った『特性』のある小瓶となりました」

クー「ッ!」


クーが慌ててエールの持つ小瓶を破壊しようと駆け出そうとするが、再び足が地面に吸い付く


エール「無駄ですよ。貴女の履く靴に『地面に接して離れない』という意味を与えました」

エール「靴を脱ごうとすれば『一生脱げない』という意味を加えて与えます。それが嫌ならそこで私がロフ様に解毒薬を飲ませるところを見ていてください」


クーは苦々しい表情でエールの行為を見届ける

クーは気付いていた靴を脱ごうとしたとき激しい痛みが走ることに


クー(見た目や言動より遥かに抜け目ないのね)

クー(奇跡を使われる前に靴を脱ぐことは容易そうに見える。けれどそうさせてもいいように既に何かしら仕込んでいる)

クー(敢えてそれを誘って、私が自分の事を出し抜こうとする人間かどうかを試した…という感じか)


ロフに薬を飲ませ終え、呼吸が安定しだしたことを確認してエールはクーと向かい合う


エール「…本当に解毒薬だったようですね」

クー「まどろっこしい事を苦手。私の事を信頼した?」

エール「……一応は…」

クー「私と一緒に来てもらえない?」

エール「………そう…ですね。しかし、貴女が私の奇跡を悪用したいと考えている罪深き人であるかどうかはまだ判断できません」

クー「…どうすればいい?」

エール「貴女の…そうですね、心臓に誓ってください」

エール「『私はエールの奇跡を私利私欲で利用しない』と。これが出来るのであれば、貴女について行きましょう」

クー「……………」

エール「もし貴女の言葉が嘘だと判明したその瞬間、貴女の心臓は弾け飛びます。当然、死んでしまうでしょう」

エール「貴女のその心臓に………誓えますか?」

クー「……………」



クー(きっとこれが私に与えられた最後の交渉権)

クー(目の前の相手に好き放題されて、果ては此方に何のメリットも無い約束を結ばされそうになっている)

クー(でも…この数分で理解できた。この女神には敵わないことが)

クー(『奇跡を悪用しない』……誓わなければ交渉決裂、誓えばきっと……)

クー(………『私は』悪用しない。そんな詭弁が通るならば、生き残れるかもしれない)

クー(ここは………)



1、誓う
2、誓わない
3、会話安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

仮にも奇跡にそんなの通用しないんじゃ
2


>>384採用:2、誓わない



クー「誓わない。…いえ、誓えない」

エール「それは暗に『私はエールの奇跡を悪用する気です』とそういうことですか?」

クー「そう。私はそう言っている」

クー「私は貴女の『意味を与える奇跡』だけが目的。それを利用して『革命』を起こす」

クー「隠すつもりだった。けど、貴女に嘘をつくことは此方に大きな損害を出すと思ったから正直に誓えないと言った」

エール「……正直に打ち明けて頂いたことは嬉しいです。けど、悪用されると分かって貴女について行くほど愚かではありません」

クー「でも、退けない。貴女の奇跡でなければ駄目」

クー「私は貴女をパウエルさんの元へ連れていかなければならない。なんとしても」

クー「『悪用する』とは少し違う『私利私欲』の為でもない。私達の望む革命は、真の平等の世界を作り上げること」

クー「私に、着いて来てほしい」

エール「…………」


コンマ判定
4以下で交渉決裂
選択:2  +3
戸惑い  -2

直下コンマ


コンマ判定:6+1 成功



エール「……貴女のその誠意と決意。感服いたしました」

エール「貴女の言葉に悪意は感じられませんでした。信じます、貴女の事を」


その言葉と共にクーの足が地面から解放された


エール「ですが、貴女について行きその『革命』というものを今一度よく聞いて、そこで力を貸すかどうかの判断をします。それでもよろしいですね?」

クー「構わない」

エール「では参りましょう。案内してください」

クー「分かった。でも、ちょっと遠いから…」

全身から新たな腕を形成し、エールを抱きかかえた

エール「うええ!?な、ななななんですかこれ!?」

クー「…あまり気にしないで」


バネのように跳ねる第三関節を足に新たに形成し、飛び跳ねながらアジトに向かったのだった


イベント判定

1-3  ???
4-6  ???
7-9  何もなし
0    デンジャラス

直下コンマ


コンマ判定:6  何かが起こった後


アジトに帰ると、その異様な雰囲気に驚愕した

入口が破壊され建物の一部が倒壊していた


エール「こ、ここが?」

クー「ッ!パウエルさん!!」


エールを置き中に飛び込めば、皆は荒れた室内を掃除をしていた

クー(パウエルさん、フレアさん、シュウ、オルト……皆いる。良かった)

パウエル「…お、帰ったのかクーよ」

クー「ただいま帰りました。何があったの?」

パウエル「なぁに、少しお客様の相手をしていただけだ」

クー「騎士?」

パウエル「違うよ。でも、少し計画を早めなければいけなくなった」

パウエル「ところで、後ろに居る女性はもしや…?」

クー「そう『ガラスの靴』を取り返した」

パウエル「…!そうか!…良くやった…これで最後のピースが揃う」

クー「『シンデレラ』だけ」

パウエル「そうだ。そしてその『シンデレラ』もここに…」


そう言ってパウエルは自らの右目を指さした

その右目は濁った水色で、パウエルの左目とは違う色を宿していた


※七日目(裏)終了


七日目(裏)その2


視点選択


1、ロフ・グリン
2、ロイヤル・アルフォード
3、怪人『スマイル』

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>393採用:2、ロイヤル・アルフォード





ロイヤル「…………行こう」

ロイヤルは本を閉じ、サタナウルに話しかけた

サタナウル「行くって~どこに~?」

ロイヤル「………決着をつけに行くんです」

ロイヤル「過去の遺恨は綺麗さっぱりと『なかったこと』にする」

サタナウル「そうすれば、お屋敷に帰れる?」

ロイヤル「……きっとね」

ロイヤル「アルフォードの名前は私が絶対に守り抜きます」


ロイヤルはある書置きを置いて図書館を出た


誰も居ない暗い道を歩き、隣町まで来ていた

更に暗い道を行き、ロイヤルはとある潰れた酒場にたどり着いた


扉を開き中に入れば、室内中の視線がロイヤルに集まった

部屋の奥から厳格な雰囲気の老人が前にでる


パウエル「これはこれは親愛なる司書様。私共に何か御用ですか?」

ロイヤル「ええ、お話に参りました」

パウエル「立話もなんですから此方にお掛け下さい」

ロイヤル「いえ、必要ありません」

敵意を含んだ鋭い視線でパウエルを見る



ロイヤル「………私の父は司書でした。『司書家系』の人間でしたからね」

ロイヤル「司書とは栄光ある『賢者』様より直々に名指しされた信頼に足る血族。高潔な人間でなければありません」

ロイヤル「ですが父は…高潔な人間ではなかった」

ロイヤル「私欲のために権力を使い、罪のない人々の命を弄んだ大罪人でした」

ロイヤル「だから私が全て無かったことにした。アルフォードという名前を守るために」

ロイヤル「それだけなら、貴方達とは関係の無い話でした。でも――そうじゃありませんよね?パウエル・ヴィエッタ殿」

パウエル「………はて、私は貴方の父君のことなど存じ上げていないのですが」

ロイヤル「ふん。白々しいですね」

ロイヤル「この頃町で起こっていた一般人変死事件。全て、貴方達『ギルド』の仕業であることは知っています」

パウエル「それが、我々と司書様の父君とどんな関係が?」

ロイヤル「私の父が行っていた実験。『シンデレラ』を探し出すというその目的。その実験で記録されていた被験者の死に様」

ロイヤル「全て、一連の変死事件と関連付けられます」


ロイヤル「貴方も、私の父と同じように……いえ『貴女が私の父に頼んだように』。一般人に契約をさせて過剰適応者を探しているんですよね?」

パウエル「………」


パウエルはその言葉に押し黙った

その行動は、ロイヤルに肯定の意思を示したということに等しい行為であった


ロイヤル「やはり…ですか。ゼル騎士隊長の言っていた通りでした」

ロイヤル「感謝しますよ、私に『変死事件』の情報を提供して頂いたことを…これで漸く決着がつけられる」



ロイヤル「……アルフォードの名に一つの汚点もあってはいけない」

ロイヤル「司書とは高潔でなければならない」

ロイヤル「私という人間に最後に残った汚点が『父の起こした事実』」

ロイヤル「それを全て、今ここで全て清算する」


ロイヤル「その為だけに、貴方達に近づいた」

パウエル「それは…我々との協力関係は解消する……という事でよろしいですか?」

ロイヤル「ご理解いただけて幸いです」

パウエル「…ここが何処だか、理解していますか?ここは我ら『ギルド』のアジトなのですよ?」


パウエルの後ろから二人の男が目をぎらつかせて現れた

シュウとオルトが臨戦体勢に入っている


ロイヤル「当然、承知の上です」

ロイヤル「その上で、私は全ての事実を知る人を消し全てを無に帰す!!」

ロイヤル「そこで改めて、アルフォードは潔白の司書家系の姿を取り戻すんです!!」


「「「「契約執行」」」」


四人の男の声が重なった



ロイヤル「我が法衣に夢幻の魔力を!」


サタナウルがロイヤルの纏うローブに溶け込み、全てを引き込む闇に変わる


ロイヤル「響け歌声!震えろ世界よ!」

ロイヤル「原初の幻がここに新たな夢を紡ぎだす」

ロイヤル「夢が覚めたその時に、全ての現実が無に帰る」

ロイヤル「全てを終わらせ…家に帰りましょう。サタナウル」



導師たちの静かな戦いが幕を開けた


七日目(裏)その3



1、ロフ・グリン
2、怪人『スマイル』

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>403採用:1、ロフ・グリン





ロフは一冊の本を閉じた

この屋敷の主人の書斎

エールが躓いて本棚にぶつかったとき、大量の本をばらまいてしまった

その本を全てどけた本棚の裏の板が外れかかっていることに気が付いたのだ

修理しようと板を外せば、その裏に一冊の本が挟まっていた

それはこの家の主人が最後まで誰にも知られていなかったこの家の秘密であった



ロフ「………成程な、全てに合点がいった」

ロフ「この家の正確無比な情報把握能力、『シンデレラ』という名の過剰適応者を探していた理由」

ロフ「グリン家とエルグラート家との繋がり」

ロフ「そして全てを無かったことにされた理由も」


ロフ「全て…『ギルド』という組織で繋がっていたのだな」


題名のない本にはこう記されていた


『巷では図書館だけを狙う盗賊集団「ギルド」がその悪名を轟かせている

司書である私としては今すぐにでも対処しなければいけない問題だ

そう思って調べていたのだが、このギルドという組織は実に面白い集団であった

なんと図書館を襲っていた理由は一冊の本の為だという

その探していた本という物がまた笑えてしまう

『目上の人への正しい作法』という題名であった

あまりの間抜けさに笑ってしまっていたのだが、笑い話で済むのはここまでだった

手に取って中身に目を通せば、題名通りの本では無かったのだ

敬語の使い方も正しいマナーの作法も乗っていない

その本の中身には『望みの契約者を呼び寄せる方法』が事細かに記されていたのだ

私はこの事態に衝撃を受け、急いで騎士を使ってギルドの所在や目的を探り出した

結局所在も本拠地もつかめなかったのだが、目的は聞きだせた

なんと『世界改変』がその目的だったのだ

そう、奴らは基本世界を構築した神々と契約をし世界を自由にしようと目論んでいたのだ

私は義憤に駆られたなどという善人思考の人間ではなかった

故に思った『羨ましい』と

そして決めた、私が奴らより先に世界を自由にする力を手にする

しかしここで問題が立ちはだかった

一人分なら神と契約できるくらいの適応能力はある

だが複数となると話が違う

私には神と同時に契約をして自我を保っていられる自信は無かった

そこで協力者を得ることにした

権力を駆使し民間人にテストをする

そして過剰適応者を探し出すのだ

その過剰適応者を私の妻として迎える

差し詰め私は『シンデレラ』の王子様と言ったところだ


私の新たな一歩はここから始まる



フィン・コルドレック・アルフォード』



著者であるこの屋敷の主人のサインで、そう締めくくられていた



ロフ「………中々面白い読み物だった」

ロフ「それが現実に起こったことだと思えば、心が震える」

ロフ「実に醜く汚らしい」

ロフ「だからこそ、無垢なる美しさが輝くのだけれど」


エール「ごはんですよー!」


遠くで女神の呼ぶ声が聞こえた


ロフ「ああ、今すぐ行くよ」


ロフは自分でも分かるほど頬を緩ませ、本を書斎机に置いて女神の待つダイニングルームへと向かったのだった




今日の更新はここまでです

一気に情報が解放されてちょっと戸惑っていると思います

書いてる方は楽しいんですけどちゃんと伝わってるか不安になりますね


次回は怪人『スマイル』の華麗なる一日をお送りいたします



それではまた、お付き合いいただきありがとうございました


今日も更新お休みです
最近不定期更新で非常に申し訳ないっす……


明日は再開します


そろそろ再開です!!







怪人『スマイル』ことブロウィード・ハッシュは目を覚ました

腹の上にはシャリーが笑顔でスマイルを揺すって起こそうとしていた


スマイル「おはようシャ~リ~♪オッフ…!お、起きたから揺するのをやめてくれ」

シャリー「お・は・よ・う!!ほら、早く起きていつものしよう!」

スマイル「うん…うん…分かったからお腹の上で跳ねるのをやめるんだシャリー」

腹筋で体を起こし、シャリーの首を掴んでベッドから優しく降ろす

自らもベッドから降り、軽く伸びをして化粧台の前に座った


スマイル「今日も頼んだよ可愛いシャリー。こんな顔じゃあ外を歩けないからね」

スマイル「とびっきりのスマイルに仕上げておくれ♪」

シャリー「スマ~イル、スマ~イル♪」


楽しそうに二人で笑いながらシャリーはスマイルの顔に化粧を施していく

化粧と言ってもただ白粉や紅をこれでもかと塗りたくっているだけだ


真っ白な首と顔

くっきりと強調された隈取り

耳の辺りにまで引かれた赤い口紅

鼻をちょっぴり青く塗り

後はシャリーの気分で顔に色とりどりの図形を描く

今日は青赤緑のハートを一つづつ


シャリー「出来た!バッチリ?」

スマイル「う~ん……エッッックセレント!!素晴らしいスマイル!!シャリーはお化粧の天才だ!!」

シャリー「ホント!?シャリー偉い!?」

スマイル「うん。とっても偉いぞ。これで今日も笑顔で外を歩ける♪」

一頻りシャリーを撫でまわした後、黒い手袋をはめて二回手を叩いた


スマイル「エリーック!朝食にしよう!!」

そうすると、隣の部屋からスマイルの契約者である『エリキュリアス・フォリナー』が顔を出した

エリックと呼ばれたこの契約者は執事服を着ており、恭しく礼をして台所へと向かった


3人でテーブルを囲み、トーストと卵を頂く

スマイルの隣はいつだってシャリー

シャリーの目の前にエリックが座る

スマイルは自らの目玉焼きの黄身の部分だけ切り分け、シャリーのトーストの上に乗せてあげた

穴の開いた卵を自らのトーストに乗せ、その穴の部分にバターを一切れ乗せて一口かじりついた

それを見てシャリーも黄身ごとトーストを齧る

半熟の黄身がつぶれて汚れてしまった口元を目の前に座るエリックが拭う


こんな平和な朝食を取るようになったのはいつからだっただろう

ふと、スマイルは外を見てそんな事を想う


外には何処までも色鮮やかな花々が咲いていた


それを見てスマイルは思い出す、シャリーを拾った日の事を


5年前

当時、彼は既に怪人『スマイル』として快楽殺人を繰り返していた

この快楽殺人を始めたのは10年前、彼はそれまで自らの性癖を受け入れられていなかった

初めてこの欲望をぶちまけたのは自分の恋人であった

彼女を笑顔にしたとき、人生で初めて満足感に絶頂するほどの快楽を味わった

そこで漸く受け入れた『自分はこうすることでしか幸せを感じられない』のだと

金も食事も睡眠も恋愛も子育てもセックスでも、何をしても彼の心は満たされることは無かった

だが、漸く自分の性癖を受け入れられた

ずっと異常で忌み嫌っていた己の中の欲望

それは

『追い詰め笑顔を強要させ絶望の最中で首を落とす』ことであった

彼はどうしようもなく好きだった

人が青ざめ震える顔と、人の笑顔が

そしてそれ以上に、絶望した人を笑顔にさせることが好きだったのだ


だがしかし、おかしな事が起こったのだ

いつものように化粧をして町を歩いて花を売っていると、一組の親子が花を買いに来た

美しい女性だった

スマイルは一目で『彼女を笑顔にしてあげたい』とそう思った

女性に頼まれた花を綺麗に包み、手渡した

『綺麗なお嬢さんに』そういつものように言って、女性に抱きかかえられていた少女にキャンディーを渡した

それを受け取り少女は拙い言葉で『ありがとう!』と満面の笑みでそう言った

その笑顔を見て、何故かスマイルは困惑した

ただのお礼の笑顔であるはずなのに、どうしてか『あの子の笑顔を曇らせたくない』とそう思ってしまった


次の日の深夜

予め調べ上げていたあの少女の住む家に行き、欲望を満たした

予想以上の満足感に、あのおかしな感覚をすっかり忘れていたところにあの少女が起きだしてきた



少女は死んだ母親を見て泣き出した

大きな声でわんわんと泣き続けた

いつもの彼なら容赦なく静かにさせるのだが、彼はどうしても少女を殺す気が起きなかった

『彼女に笑顔でいて欲しい』

自らに根付いた性癖をねじ伏せ、彼は強くそう思った


自分が知りえるありとあらゆる手段を用いて彼女をあやそうとした

しかし、少女は決して泣き止まない

だが、苦し紛れの手品で花を出したとき少女は泣きながらもその花に興味を示してくれた

たくさんの花を取り出し花びらを舞散らしたとき、少女は初めて泣くのをやめた

泣き止む少女に花を見せながら、少女の肩に手を置き真っ直ぐと目を見て伝えた


『泣かないで。君には笑顔でいて欲しいんだ。お母さんの代わりに私が君をずっと笑顔で居させてあげる』


そう言って抱きしめた

少女は躊躇いがちにスマイルの服を掴んだ

その瞬間、スマイルは自分の中で何かが満たされた様な気がした

人を笑顔にした時と同じくらい、心が温かくなるのを感じた



少女と再び向き合い顔を見る

少女は泣き止んでいたが、まだ泣きそうな顔をしていた

床に濡れた血で自らの口元を赤く塗った

指先で自らの頬を釣り上げ、無理やり笑っているような顔を作った


『ほら、スマ~イルスマ~イル』


そう言って目を細めれば、少女は初めて笑ってくれた

その笑顔を見て彼は初めて快楽殺人以上の満足感を味わった


彼女に笑ってもらったあの日以来、彼は一度も化粧を欠かしたことは無い


シャリー「……スマイル、聞いてた?」

スマイル「ん?ああ、あれだろう。そろそろ新しい花を植えようという話だろう?」

シャリー「全然違うよ。お話聞いてなかったの?」

スマイル「ごめんよ、怒らないでおくれ。少し考え事をしていたんだ」

優しくシャリーの柔らかい髪の毛を梳いた

スマイルの言葉にシャリーは目を輝かせていた


シャリー「それって私の誕生日プレゼントの事!?」

スマイル「…………んん?もうそんな季節だったか」

シャリー「さっきまでその事を話してたんだよ!」

スマイル「……うん、そうだったね。」


軽くシャリーの頭をぽんぽんと叩き、スマイルは席を立った


洗面台の前に立ち、自らの姿を鏡で見た


スマイル「なんて酷い顔だ…」

顔を洗おうと水を掬い、化粧をしていたことに気が付き口を濯いで気分を落ち着かせた

彼はここ1年ほど、とある願望に頭を支配されかけていた

『シャリーを絶望させた笑顔はどれ程の絶頂が体を駆け抜けるのだろう』と

その考えが頭をよぎるたびに頭を振って振り払う

しかし、一度思いついてしまった以上どうしても思考について回る

その願望に気付いて以来、どれほど人を殺してもあまり気分が乗って来なくなった

シャリーの笑顔を見ても、少し物足りなく感じてしまっていた


スマイル(……だからこそ、この町に帰って来た)

スマイル(あの子はきっと私を探している。…だから早く、私を見つけておくれ)


後から洗面台に来たシャリーと共に、鏡を見ながら二人並んで歯磨きをした



シャリー「ねえスマイル。今日も外にお仕事に行くの?」

スマイル「う~ん…そうだねぇ…今日は……」



1、町に花を売りに行く
2、庭の手入れをする
3、シャリーと一緒に過ごす

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

3


>>420採用:3、シャリー一緒に過ごす



スマイル「今日は何処にも行かないよ。仕事はお休みだ」

シャリー「本当!?」

スマイル「ああ、私がシャリーに嘘を吐いたことがあるかい?」

シャリー「ある!!」

スマイル「………うん、無いわけじゃないな」

シャリー「じゃあねえ…今日は………う~ん…スマイルは何をしたい?」

スマイル「私から要望は無いよ。君のしたい事がしたい」

シャリー「いっつもスマイルはそればっかり。私はスマイルのしたい事がしたい!」

スマイル「困ったね…それじゃあ……」



1、庭の手入れ
2、散歩
3、会話安価
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>424採用:1、庭の手入れ


スマイル「庭のお手入れをしようか。手伝ってくれるね?」

シャリー「うん!」

スマイル「…よし。エリック!シャリーの用意をしてあげてくれ!」

エリック「畏まりました。では、シャリー様は此方へ」

エリックはシャリーを衣裳部屋へと案内した

スマイルは薄手の布手袋から厚い皮手袋に付け替えて外でシャリーたちが来るのを待った


シャリー「お待たせ!どうどう!?」

スマイル「うんうん、麦わら帽子が似合っているね。いい笑顔だ。とっても可愛いよ」

シャリー「えへへへ…」

スマイルに褒められ、シャリーは照れたように笑った

久しぶりに仕事の無いスマイルと共に居られることをとても喜んでいるようだ


スマイル「それじゃあ始めようか」


エリックに水やりを任せ、シャリーとスマイルは間引きや虫取りの作業にかかった



イベント判定

1-3   来客
4-6   何もなし
7-9   口を滑らせる
0     ???

直下コンマ


コンマ判定:1、来客



コンマ判定

1-3  ???
4-6  素敵な女性
7-9  二人組の男女

直下コンマ


コンマ判定:8、二人組の男女



「こ、こんにちはー!」


誰かの声が聞こえた

声の方へと振り向くと、色黒で背の高い青年と美しい銀髪の女性


スマイル(…見知らぬ男女。何故ここに…)

身構えてシャリーの手を握ると、意外なことにシャリーがその男女に向かって声をかけた


シャリー「エールお姉ちゃん!ロフ君!」

スマイル「ッ!?知り合いなのかい?」

シャリー「この前お留守番してる時に、訪ねてきたの」

スマイル「…そう…だったのか」


未だに警戒は解けず、シャリーの手を握りながらエールとロフと呼ばれた男女が此方に来るのを待った


異常を察知して、エリックも水やりをやめて此方にやって来た

腰を屈め、エールがシャリーと目線を合わせて話始める


エール「こんにちは、シャリーちゃん」

シャリー「…こんにちは、エールお姉ちゃん」

エール「ええっと、此方に居るのがあの…」

シャリー「紹介するね。こっちがスマイルで、あっちがエリック」

エール「こ、これが…スマイルさん。な、なんというか個性的な方ですね」

エール「…あ!ええと初めまして、この前シャリーちゃんとお友達になったエールです。此方が…」

ロフ「ロフだ。突然訪ねて来てすまない。庭の手入れをしていたようだが、忙しかっただろうか?」

スマイル「いや、構わない。まさかシャリーに友達が居ただなんてね、おもてなしをしないといけないな」

スマイル「エリック!お茶とお菓子を用意してくれ」


二回手を叩けばエリックはどこからともなく机と椅子を人数分取り出した


エール「ええ!?こ、これはどんな方法で…?」

スマイル「ふふふ、魔法さ。彼は魔法使いの執事だからね」

エール「なるほど~…魔法ならば納得です。……転移魔法…いえ錬金術でしょうか?」

スマイル「そのどちらもですね。どうぞ、お座りください」


大きなパラソルを立てて日差しを遮り、お茶会が始まった


お茶会が始まってそうそうエールとシャリーは席を立って花畑を歩き回っている

二人の3歩後ろを執事のエリックがついて回る

その微笑ましい様子をスマイルとロフはお茶を飲みながら眺めていた



ロフ「……立派な花畑だ。お前が手入れをしているのか?」

スマイル「ええ、何年も昔から私とエリックで手入れをしている。私は花が好きでね」

ロフ「……いい趣味だ。俺も花は嫌いじゃない」

ロフ「…だが、どうしてこんな場所に住んでいるんだ?お前は導師なのだろう?」

スマイル「どうにも俗世は私の肌には合わなくてね。町に降りて花を売って生活をしているよ」

ロフ「………そうか」


明らかな敵意は無い、しかし鋭い視線でスマイルを射抜く

エールとシャリーの二人とは裏腹に、麗らかな陽気とは程遠い陰気な空気が二人の間にはあった


ロフ「俺はどうにも疑り深い性格でな、なんでも知っておかないと気持ちが落ち着かないんだ」

ロフ「スマイル…怪人『スマイル』と言った方が正しいのかな」

ロフ「どうしてお前はシャリーのような少女とこんな場所に住んでいる?」

スマイル「……その呼び方、私の事を知っているという事かな?」

ロフ「こんな特徴的な姿を見て気づかないほど俺も鈍くない」

ロフ「怪人『スマイル』。不気味なまでに笑顔を絶やさぬ道化師の姿の殺人鬼がこんな場所でこうして平和に暮らしているとはな」

ロフ「…この花畑を見るに、ずっとここに住んでいたという事か?」

スマイル「それは違う。ずっとここに住んでるわけじゃないさ」

ロフ「……どういうことだ?」

スマイル「この花畑一帯を移動させて生活しているのさ。言っただろう?エリックは魔法使いだと」

ロフ「魔法使い…か。便利なことだ、これほど大規模な土地ごと移動させられるのか」

スマイル「だから私は捕まらない。決して私の住処を特定できない…筈だったのだけどね。こうして見つかってしまった」

ロフ「心配いらない、告げ口などするつもりはない。俺もどちらかと言えばお前と同じ立場だ」


一口紅茶を飲み、コップを置いて目を合わせてくる


ロフ「話を戻そうか。何故、お前はシャリーと共に住んでいる?」

ロフ「…シャリーは俺の眼鏡にかなう美しい少女だ。だからこそ、返答次第ではお前を殺さなくてはならない」

スマイル「ふふっ、怖い怖い。私を殺す…か。君に殺されたくはないな、私にはまだやらなくてはならないことがある」

ロフ「そう思うのなら…答えてもらおうか。シャリーと共に居る理由を」

スマイル「………」



1、素直にそのままの事を話す
2、少し誤魔化す
3、会話安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>437採用:2、少し誤魔化す



スマイル「シャリーの笑顔をずっと見ていたいと思っているんだ」

スマイル「私は彼女の母親の代わりにずっと彼女を笑顔で居させてあげると約束したからね」

スマイル(まあ彼女の母親は私が殺したんだが)


ロフ「……そうか、ならば是非あの笑顔を守ってやってくれ」

ロフ「もし彼女も殺そうと考えていたのなら容赦なく殺すつもりだった」

スマイル「そんなことはしないよ」

ロフ「それを聞いて安心した。俺もあの二人の元に行ってくる」


ロフが席を立ち、シャリーとエールの元に駆け寄って行った

笑い合う三人とその後ろに控える執事、実に絵になる3人だと思いながらスマイルはカップに口をつけた


今日の更新はここまでです

明日も更新…できるといいなぁ……


それではまた、お付き合いいただきありがとうございました


今日は更新お休みです

明日は更新再開すると思います


今日はプロフィールを貼るだけです

名前:スマイル(ブロウィード・ハッシュ)
性別:男性
職業:花売り、自称「導化師」



適応能力:9    導師として非常に優秀な能力を持つ
身体能力:8    人間としてはかなり優秀な身体能力を持つ
精神力:10(異常)ある思考に凝り固まった精神異常者
家系階級:1    かつては貴族であったが自ら名前を捨てた




年齢は31歳
身長は180cm
長めの黒髪と赤い右目と青い左目のオッドアイをもつ
常に化粧を欠かさず、その素顔を見た者はごく僅かである
陽気で紳士的な性格であり、生粋のフェミニスト
冗談めかした口調と絶やさぬ笑顔が特徴的
しかし『人に笑顔をさせる』事でしか満足感の得られない異常性癖者であり
その性癖によってなんども快楽殺人を繰り返す精神異常者である
『人を笑わせる』事を信条とし、死の間際まで追い詰めその状況で笑顔を強要してから殺す事でしか心が満たされないと思っている
かつてはそれなりに裕福な貴族であり既婚者であった
しかしありとあらゆる事に興味が湧かず、ただ死なないだけで生きているとは呼べない空虚な生活を送っていた
21歳の時に薄々感づいていた自らの性癖を受け入れ恋人を殺害したことが始まりだった
初めて殺人を犯した次の日から家出をし、契約者であった『エリキュリアス・フォリナー』と共に小さな家を作って生活を始めた
殺人を犯して以来、花を育てることに目覚めた。巨大な花畑を作りそこで作った花を売り生活の足しにしていた

26歳の時にシャルロットを保護し、今までともに暮らしてきた
シャルロットを笑顔にしてみたいという欲望との葛藤の末、リメロンたちの住む町の近くへと越してきた

契約者である『エリキュリアス・フォリナー』とは14歳の時に契約を結び、殺人鬼となった今でも昔と変わらぬ関係を築いている

好きなものは花と笑顔とシャルロット
嫌いなものは自分




【特殊能力】


『契約:怪物(人間とエルフのハーフ)』
『狂乱の破壊者』と呼ばれた怪物『エリキュリアス・フォリナー』と契約を結んだ
生贄を通して彼の魔力を完全に自分のモノとして扱うことが出来る


『生贄:手袋』
白い布手袋を生贄に捧げた
それなりに高級品だが、普通に販売されているいたって普通の手袋

名前:『狂乱の破壊者』(エリキュリアス・フォリナー)
性別:男性
種族:怪物(人間とエルフのハーフ)



強さ:9   錬金術と身体強化の魔法を得意とした魔法使い




年齢は27歳
身長は193cm
耳を隠すようにした長めの金髪と緑色の瞳を持つ
規律に厳しく無駄を嫌う性格であり、人と接するときは穏やかで紳士的な態度をとる
誰に対しても敬語を使い、人に疲れを決して見せず常ににこやかな笑みを浮かべている
幼いころに親に捨てられ奴隷として売られた過去がある
とある貴族に使用人として買い取られ、執事としての教育を受けた
普段の振る舞いや、生活スキルはその教育の賜物である
彼は自らを買い取ってもらった家に深く感謝しており、永遠の忠誠を誓った

とある事件によってその家の次女が『悪魔』になりかけていると地域住民に激しく糾弾を受けた
ついには『完全に悪魔となる前に殺そう』という考えが動き始めてしまっていた
その事に彼は強い怒りを覚え、全ての事をうやむやにするために狂ったように暴れまわった
最終的には国を守る国王直々に手が下り、処刑された
その普段の姿からは到底考えられない狂った怒りと、死者こそ出なかったがその暴走による大きな被害から『狂乱の破壊者』と呼ばれいつしか怪物とであったという認識が世界に広がった
余談ではあるが彼の暴走は悪魔である次女の影響があったとされ、彼女を殺そうとする動きはさらに強まりを見せた
彼の行動は全て無意味だったどころか悪影響を及ぼしたと言える

契約相手である『スマイル』の行動に対して嫌悪感は無く、快楽殺人も許容している
彼にとって最も重要な価値観はあのかつての主人とその家族だけであり、それ以外の人が死のうとどうでもいいと考えている
しかし、スマイル自身の人生や心境を深く憐れんでいる部分もある

好きなものはかつての主人とガーデニング
嫌いなものはエルフ







【特殊能力】


『魔法(エルフ)』
身体強化と錬金術を得意とする
奥の手として空間干渉の魔法も使うことが出来る
可能な空間干渉範囲は『転移』と『挿入』のみ


昨日更新すると言っていたにも拘らず更新できずに本当に申し訳ありません!!

めっちゃ気分悪くて寝込んでいました
明日こそは絶対に更新を再開させます



そろそろ再開です

今日はきっちりと更新いたします






ロフとエールはやる事があると言って帰って行った

昼食に誘ったが断られてしまった、急ぎの用事なのだろうとスマイルは勝手に解釈していた


スマイル(しかし、こんな山奥にまで足を運ぶ人が居たのは驚いた)

スマイル(騎士や貴族と言った雰囲気ではなかったが、恐らくあのエールという女性は異世界人…いや人じゃないのかもしれないな)

スマイル(私のように家を捨てた元貴族、世捨て人と言ったところかな)


シャリー「ねえスマイル、ご飯食べたら何する?」

スマイル「ん?そうだねぇ……」



1、庭の手入れの続き
2、シャリーと町に繰り出す
3、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>447採用:1、庭の手入れの続き



シャリーと共に庭に出て、改めて庭の手入れを再開した

手入れをしながらついさっきまでの事を思い出す


スマイル(…シャリー、今まで滅多に他人と関わらせなかったが私以外にもあんな無邪気な笑顔を浮かべるのだな)

スマイル(……………シャリー…君はこれからどう生きていくのだろう)

スマイル(他人と関われば今のままの美しさ…清純さのままでは居られなくなるだろう)

スマイル(そんな姿を見てしまえば私はきっと……)


スマイル「それまでには君の笑顔を…」

シャリー「…どうしたのスマイル?」

スマイル「……シャリー、君はあのエールとロフの事をどう思う?」

シャリー「好きだよ。大事な友達だから」

スマイル「友達…か。……私の事はどう思う?」

シャリー「だ~い好き!!スマイルは私のお父さんだもん!!エリックはお母さん!」

スマイル「ふふっ父親か。……そいつは愉快だ」


優しく汗の滲んだシャリーの頬を撫で、スマイルは作業を再開した




スマイル(…この子は私を信用しきっている。きっと私の事が殺人鬼だとは微塵も思っていないだろう)

スマイル(………だからこそ意味がある。早く…早く私を見つけておくれ)






夕方の日が暮れる前に作業を終えて、三人で早めの夕食を撮った

作業の疲れからか眠たそうにしていたシャリーになんとか食事を与え、現在は自室でぐっすりと眠っている

スマイルは作業着から『仕事用』の服に着替える


エリック「今日も出かけるのですか?」

スマイル「ああ当然だ。早く私を見つけてもらわなくては困るのでね」

エリック「……どうしても理解ができません。貴方は正気なのでしょうか?」

スマイル「スマイルが生まれたその日からこの方正気だった瞬間なんて一秒も無いさ♪」

スマイル「狂気の狂喜に身を委ね、自己満足だけを欲する狂人。でもね、人間なんてみんな同じ狂人なんだよ」

スマイル「自己満足以外の生き方なんて出来やしない」

スマイル「だから私はトビキリの快楽と絶頂のスマイルを求めるのさ♪」


スマイル「さあ行こう。契約執行!」



エリックの魔力がスマイルの手袋に宿り、魔法を使って外に飛び出て町へと向かった


イベント判定

1-3  素敵な女性
4-6  予想外の出会い
7-9  求めていた出会い
0    ???

直下コンマ


コンマ判定:9  求めていた出会い



欲望を満たす対象を探しながら、わざと目立つように町を練り歩く

その人物との出会いは求めていた出会い

しかし、少し間が悪い出会い方であった

角を曲がった時、人とぶつかってしまった


スマイル「これは失礼。お怪我はありませんか」

ぶつかって尻餅をついてしまった女性に手を差し伸べる

「…ッ!お………お前は!!」

敵意のこもった瞳でにらみつけられる

即座に女性は立ち上がり、大きくスマイルから距離をとる

そこで向き合って初めてその女性が自分の探し求めていた少女だと理解できた


スマイル「いやはやここで出会うなんてね。どうやら私も君も予想外だったようだ」


スマイル「エミリーちゃん♪」

エミリー「私の名前を…軽々しく呼ぶんじゃねぇッ…!」



少女は強く拳を握りしめ、憎しみの炎を灯した目でスマイルを睨む


スマイル「実に8年ぶりかな?元気にしていたかい?」

スマイル「風の噂で聞いていたが本当に導師になっていたとはね、目を生贄にしたのかな?女の子が顔をそう易々と売り飛ばしてはいけないよ?」

エミリー「黙れ…!」

スマイル「怒っちゃダメだよ。君は可愛いんだからスマ~イルスマ~イル♪」

エミリー「黙れって言ってるだろ!殺す殺す殺す!!私の前に姿を見せて挑発のつもりか!!」

スマイル「そうさ、挑発さ♪私は君と会うためにこの町に帰って来たんだからね」

スマイル「殺す殺すと息巻いている割には契約者の姿が見えないね。このままでは指先一つで殺せてしまう」

エミリー「ッ…!」

スマイル「おお、少し怯えたね。でもそれじゃまだ足りない、君の持ち得る全てを破壊して笑顔にしてこそ意味がある」

スマイル「また明日、ここに来るよ。その時に存分に殺してあげよう」

エミリー「はあ!?ふざけてるのか!!わざわざ私に姿を見せておいて、見逃すって言うのか!!」

スマイル「だからそう言っている。明日はきっちりと契約者君と準備をして私を迎え撃つといい。それら全てを粉砕してあげる」

スマイル「絶望に落とし、全てを失った君の笑顔はきっと君の両親よりも美しいだろうね♪」

エミリー「クッソが!」

苦し紛れに拳を振るうがスマイルに届かなかった



スマイル「また会おう。可愛い復讐鬼ちゃん!!」


大きく手を振り自分の姿をエミリーに見せつけるようにその場を去った


約束を取り付け安堵の息を吐き、スマイルは家へと帰っていた


スマイル「ふう…やれやれ、あんな唐突に会うことになるなんてね。まだ準備を終えて無かったから助かったよ」

エリック(…あれが貴方の目的の少女ですか?)

スマイル「そうだよ。昔彼女の両親を笑顔にしてあげてね。随分恨まれているよ」

エリック(………どうしてあの少女を選んだのですか?貴方を怨む人など星の数ほどいるはずでしょう?)

スマイル「う~ん…彼女の両親を笑顔にしたとき、彼女とバッタリ出会ってね。ついでに殺そうかとも思ったけど彼女はずいぶん面白い表情をしていたんだ」

スマイル「状況を否定するでもなく、状況に絶望するでもなく、逃避で泣きわめくことも無く。彼女は私を涙ながらに真っ直ぐ見つめて呟いたんだ」

スマイル「『殺してやる』ってね。これはいつか面白い顔が見られると思って生かしておいたんだ。まさかこんな形で役に立ってくれるなんて、嬉しい誤算という奴さ♪」

エリック(…やっぱり分かりません、長い間一緒に居ましたが貴方という人間の本質がどうしても理解できない)

エリック(今笑っている貴方の笑顔が本当の貴方なのか、シャリーの為に微笑む貴方が本当の貴方なのか、どちらが本物なのですか?)

スマイル「どちらも本当の私さ。私はこれとシャリーにしか喜びを見いだせないんだ」

エリック(…………そうですか)


それ以上エリックは何も言おうとはしなかった


スマイル(さぁて、明日の為に準備をしようか。明日はとびっきりの素敵な夜になる!!)

スマイル(私が今まで感じたことのない究極の快楽が待っているはずだ…)



※七日目(裏)その3終了


八日目開始

視点:リメロン・アスバール






もうすぐ昼に差し掛かろうとする時間にリメロンは目を覚ました

普段使わないベッドとイマイチ見慣れない天井に、体に少し疲れが残っているのを感じた


ダイニングルームに降りると、リメロンよりも早くフェリルが起きていた


フェリル「おはようリメロン!」

リメロン「おはようフェリル。貴女…起きるの早いのね。疲れは無いの?」

フェリル「後で昼寝をするつもりだからね、なるべく朝の内に起きて体の調子を整えておきたいんだ」

リメロン「……なんだか貴女から初めてまともな言葉を聞いた気がするわ」

フェリル「はは、そう褒めるな。照れるじゃないか」

リメロン「はいはい、お約束お約束」


フェリルの目の前に座れば、程なくして使用人が朝食を持ってきた

それを半分眠りながら口に運ぶ


リメロン(昨日は何があったっけ……)

リメロン(そうそう、またあの事件が起きたんだ)

リメロン(そんでその事件現場から逃げようとしてるように見えた人を追っかけてエドに会ったんだ)

リメロン(また一人で勝手に何かしてたようだけど…まあ任せても大丈夫かな?)

リメロン(そういえばロイヤル君に仮面の情報を頼んでから結構経ったな。そろそろ正体も分かった頃だろう)


リメロン「…昨日の報告はどうするの?」

フェリル「私が行くよ。一緒に着いて来てもいいけど」

リメロン「………う~ん…」



リメロン(今日はこれからどうしようか?)



1、報告について行く
2、ロイヤル君の所に行ってみる
3、休む
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


十分以内に安価指定が無かったため、範囲ではなく安価↓1を採用します


安価↓


>>458採用:2



リメロン「じゃあ報告よろしく。私はちょっと行くところあるから」

フェリル「任せとけ!これでも報告は一人でもできるんでね!」

リメロン「うんうん凄い凄い」

フェリル「眠いからって私の扱い雑すぎやしないか?」

リメロン「だって眠いんだもん…」


ゆっくりと朝食をとり、ゆっくりと体を目覚めさせた





リメロン「よし!行こうかナキ!」

ナキ「何処に行くのだ?」

リメロン「ロイヤル君とこ。もうそろそろあの仮面野郎の正体も分かったんじゃないかなって」

ナキ「成程な。昨日はあまり情報収集が捗らなかったから、司書殿くらいは何かを掴んでいることを祈ろうか」


二日ぶりに自らの住む町に戻り、目的の場所の図書館に向かった

特に何もなく図書館にたどり着いたのだが、少し様子がおかしかった


リメロン「……誰も居ない?……鍵もかかってる」

ナキ「どういうことだ?」

リメロン「分かんない、エドの野郎もいないし…もしかしてロイヤル君まだ寝てるのかな?」

ナキ「あの生真面目な司書殿がそんなことをする筈がないだろう」

リメロン「だよねぇ……どうなってんの?」



行動安価

1、合鍵を使って開ける
2、ロイヤル君を探しに出る
3、エドの元へと行ってみる

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>461採用:2、



リメロン「もしかして出掛けてるのかな?」

ナキ「かもしれないな。エド殿もいないという事は予め出かけることを伝えていたのかもしれん」

リメロン「まったく~こんな時にお出かけだなんて……探しに行こっか」

ナキ「待っていれば帰って来るやもしれんぞ?」

リメロン「そんな退屈なの私の性に合わないっての、なんだか雲行き怪しいしささっと探しに行こう」

ナキ「アテはあるのか?」

リメロン「取り敢えず町に行ってみよう」


ロイヤルを探しに人の多い町の中央へと戻ることにした



イベント判定

1-3  雨が降ってくる
4-6  見つからない
7-9  見つける
0    ???

直下コンマ


コンマ判定:3  雨が降ってくる



顔に何かが触れ空を仰げば、堪え切れず空が泣き出していた


リメロン「あちゃあ…降ってきちゃった」

たくさん居た町の人々も雨によってどんどん疎らになっていく


リメロン「う~ん…街中には居ないのかな?」

ナキ「かもしれんな。もしやすれ違いになったのではないか?」

リメロン「かもしんない。雨も降って来たしいったん戻ってみてもいいかもね」

ナキ「どうするんだ?」

リメロン「………」


1、一度図書館に戻る
2、もっと遠くまで探しに行ってみる
3、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>466採用:1、一度図書館に戻る



雨宿りも兼ねて一度図書館に戻って来た


リメロン「やっぱり閉まってる。まだ帰ってきていないのかな?」

ナキ「…ふむ、あの司書殿がここまで図書館を開けているのは珍しいな」

リメロン「中に入る?」

ナキ「たしか図書館騎士には合鍵が渡されていたな、入ってみようか」

リメロン「誰も居ない図書館てちょっとワクワクするかも……」


常に持ち歩いていた合鍵を使い図書館の扉を開ける

中に入り、湿気が入らないように直ぐに扉を閉める


リメロン「おーい!ロイヤルくーん!!」

リメロン「…………本当に居ないよ。どこ行ってるんだろ?」

ナキ「出掛けているというメモか何かは無いか?」

リメロン「ちょっと探してみよっか」


誰も居ない図書館を探索することにした


一番初めに覗いた仮眠室

そこに会ったテーブルの上に何かが書かれた紙の束を見つけた

勝手に見てはいけないとは思いながらも好奇心が勝り、その書置きに目を通した


『これを読んでいるアナタは恐らくリメロンさんかエドさんでしょう

きっと私が居ないことに戸惑っているはずです

しかし、安心してください。司書権限を用いて貴方達にしてほしいことがあります

ここに記していることはとても大事なことです。決して自分以外の人に気軽に内容を伝えないで下さい

まず一つ、『ロイヤル・アスバール』は恐らく死んでいます――――


リメロン「はあ!?ど、どういう事!?遺書って事!?」

ナキ「静かに続きを読まぬか」


―――もしかすれば帰ってくるかもしれませんが、構わず続きを読んでください


『私がこの図書館に帰ってきていない理由はとある組織との戦いの為です

それが二つ目、『ギルド』についてです

『ギルド』とは図書館だけを狙う盗賊集団……に見せかけた『導師信仰派』の過激派組織です

私の情報が正しければ彼らの目的は『世界支配』であると予想されます

その『世界支配』にこそ彼らの行う強盗行為、図書館を襲う事に繋がります

何故ならば、彼らは一冊の本を探しているのです

その本は『望みの契約者を呼び出す方法』が記された本だそうです

現在でもある程度は方法が確立されていますが、事細かに記された本があるそうなのです

私の記憶にはそんな本存在しないと思っていたのですが、どうやら既にギルドの手に渡っているようなのです

彼らは基本世界を作り上げた神々と契約を成し、世界を自由に支配しようとしているのです

リメロンさんのナキ様を見ていればそれほどの力が神々の奇跡には備わっているという確信があります

ここからがこれを読んでいるアナタにして欲しい事です

どうか『ギルド』を潰してください

何故か『ギルド』は『シンデレラ』と名付けた一人の過剰適応者を探して、その一人に神の契約を集約させようとしているのです

理由は『一般人の過剰適応だからこそ、新時代の導師に相応しい』だそうです

そのシンデレラ探しのために一般人に間違った契約の知識を与え、ワザと危険な契約をさせて制御できるかどうかを試しているのです

これが現在起きている『暴走導師事件』の真相です

この事件を犯した凶悪犯罪者を許しておいてはいけない

その上世界支配を企む奴らを野放しにしては絶対にいけません

下記にこの町に潜伏している『ギルド』主要メンバーの名前と特徴、契約者を記しておきます

どうか正義の心を持って、奴らを断罪してください

これは司書権限です。頼みましたよ 』


そう締めくくられた書置きの二枚目と三枚目に『ギルド』のメンバーとアジトの情報が記載されていた


リメロン「……シュウ…フレア…オルト……これって!」

ナキ「契約者の情報も、あの時対峙したあの二人と噛み合う。間違いないだろう」

リメロン「アイツら…ギルドのメンバーだったんだね……」

ナキ「文面から察するに、司書殿はこのギルドに一人で立ち向かっていったのか?」

リメロン「な!どうして一人で!?」

ナキ「理由があったのかもしれんが、この書置きには記されていないな」

ナキ「それよりもこの…『シンデレラ』についてだ。聞き覚えがあるだろう?」

リメロン「初めてあの事件に遭遇した時に現場で二人の男が言っていた言葉……だったね」

ナキ「ここに記されていることは本当だという裏付けになるな」

リメロン「あの時の男2人…今思えば戦ったあの二人の声に似ていた気がする…」


リメロン「……急いでこの場所に行こう!」

ナキ「待て主人!もしや一人で向かうつもりか?」

リメロン「だって急いだ方が絶対にいいよ!もしかしたらまだロイヤル君が戦っている途中かもしれないんだよ!?」

ナキ「しかしだな、既に事が終わっていたらどうする?アジトの場所が割れた奴らは罠を仕掛けてくるやもしれん」

リメロン「それでも直ぐに向かうに越したことはないんじゃない?場所を移動された方が困るよ」

ナキ「警備任務の事もある、猪突猛進なのも結構だがそれでは周りの人々にも迷惑がかかる」

ナキ「まずはエド殿に説明、もしくは騎士隊長殿やフェリル殿に報告するべきではないのか?」

リメロン「報告の大切さは分かるけどこの書置き、自分以外に見せるなって書いてるよ?」


ナキ「うむむ…しかしだな……一人で向かうというのは心配なのだ。せめて準備と保険を用意しておきたい」

リメロン「準備は分かるけど、保険って?」

ナキ「我々がもし敗れて死んでしまったときの事だ」

ナキ「誰にも知らせず死んでしまえばこの事実が闇に葬られてしまう、その為の保険に誰か信頼できる味方が欲しい」

リメロン「私なら負けないって言いたいとこだけど…この前逃げられたばかりだしね……」



リメロン「う~ん……どうするべきか……」




1、今すぐギルドの場所に向かう
2、エドに書置きを見せに行く
3、リリスに任務を抜ける報告に行く
4、フェリルに相談する
5、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


ここから↓2までを安価範囲にしたいと思います

今日の更新はここまでです

明日も更新します……したい(願望)


それではまた、お付き合いいただきありがとうございました

2


>>474採用:2、エドに書置きを見せに行く



そろそろ再開でっす!!


リメロン「……情報を共有できる信頼できる仲間は必要かもしれないね」

リメロン「ホントは行きたくなかったけど、エドにこの事を知らせに行こう」

ナキ「主人…分かってくれて良かった。エド殿ならば信頼できる」


図書館に一応鍵を閉めエドの住む屋敷へと向かった


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



エドの屋敷のチャイムを鳴らす

暫くして珍しく忙しない様子のキュベレが玄関を開けた


キュベレ「リメロン様。坊ちゃんにご用事ですか?坊ちゃんは自室におられます」

リメロン「あ、うんそうなんだけど。慌ててるみたいだけど何かあったの?」

キュベレ「それが今は少し手が離せないのです。案内すらできない粗末な対応の非礼をお詫びします」

リメロン「いいよいいよ、エドの部屋が何処か分かるしね。なんだか分かんないけど手が離せない用事?を優先してあげて」

キュベレ「寛大なお言葉、痛み入ります。では私はここで…」


深く礼をし、早足でどこかへと向かっていった


リメロン「あんなに急いで何してるんだろ?」

ナキ「ふむ…今からエド殿に聞けばよいだろう。我らもエド殿の自室に急ごう」

リメロン「そうだね」


記憶を頼りにエドの自室の二階に上がった


扉を勢いよく開けると、二人は視線がしっかりと重なる

エドの手には本が握られていたが目を通していた様子でもなく、誰か来るのを待っていたという雰囲気であった


エド「は?なんでお前が僕の家に…もしやお前もアレを知って!?」

リメロン「アレ?アレが何かは分かんないけどアンタにちょっと相談事があって」

エド「相談だと?悪いが今の僕は用事が押してるんだ。後にしてくれ」

リメロン「さっき下の階でキュベレさんが忙しそうにしてたけどそれも用事って奴?」

エド「ああそうだ、ついさっきこの屋敷に帰って来たんだ。死にかけの司書を拾ってな」

リメロン「司書ってロイヤル君の事!?」

エド「それ以外に誰が居る。今朝図書館を開けてどこかに行っているので探しに出てみれば隣町で倒れていたんだよ」

リメロン「やっぱり本当に一人で…」

エド「やっぱり?どういうことだ、お前は何かを知っていたのか?」

リメロン「私もついさっき知ったんだけど…って全部これに書いてあるから読んでて!!私はロイヤル君の様子を見てくる!!」

エド「あ、おい!人の屋敷で走るな!埃が舞うだろうが!!」


リメロンはロイヤルの書置きをエドに叩きつけ、キュベレが入って行った部屋へと向かった


リメロン「ロイヤル君ッ!」

扉を勢いよく開けば目を見開くキュベレに睨みつけられ萎縮してしまう

ゆっくりと扉を閉め部屋の奥のベッドを見れば、ロイヤルが寝かせられているのを見つけた


リメロン「キュベレさん、ロイヤル君は平気?」

キュベレ「漸く呼吸が落ち着いてきたところです。それよりもリメロン様、怪我人のいる部屋にあんな大きな声をあげられては困ります」

リメロン「ご、ごめんなさい。ちょっと私も気が気じゃなくって……良かった死んでなくって」


深く安堵の息を吐いたとき、ふと何かが足りないことに気付いた


リメロン「あれ?サタナウルさんは?」

キュベレ「ああ、サタナウルなら恐らくロイヤル様の夢の中でしょう。今頃寝込むロイヤル様に追い打ちをかけるように悪夢を見せているはずです」

リメロン「ええ!?そんなことしてて大丈夫なの!?」

キュベレ「人間である導師と違って、魔力消費の疲弊はあっても外傷は殆どありません」

キュベレ「悪夢を見せることも励ましの一種ではないかと思います。仮にもお気に入りのロイヤル様の事を悪いようにはしないはずです」

リメロン「な、ならいいんだけどさ…」


リメロン(ロイヤル君と違ってサタナウルさんの方は平気そうだ)

リメロン(導師が死ねば、その同士の契約者との契約が解消される。つまりサタナウルさんが無事にこの世界に留まっているなら、ロイヤル君も平気なはず)


リメロンは一先ずロイヤルの安否が確認でき、安心して大きく息を吐いた

これ以上は邪魔になると考え、静かにロイヤルが眠っている部屋から退散した


リメロン(そろそろエドも読み終わったころかな?)

二階に戻り、再びエドの自室の扉を開いた


リメロン「読み終わった?」

エド「…………ああ、今読み終わった。状況は大体把握した」

エド「司書はこの『ギルド』に立ち向かい、敗れたものの何とか生き延びたと言ったところか」

リメロン「アンタも確かこの『ギルド』について調べてたのよね。これで確証が持てたでしょ?」

エド「ああそうだな…『暴走導師事件』の真犯人であることまでは掴んでいたが、司書は僕以上にこの組織について詳しく知っていたようだ」

エド「アジトの場所…それに組織主要メンバーの名前と詳細まで調べ上げているとはね」


リメロン「感心するのは後、アンタには『ギルド』を潰す協力をしてほしいのよ」

エド「それがお前の相談という奴なわけだな」

リメロン「そうよ、この私が珍しくアンタを信頼してやってるんだから早く行くわよ」



エド「悪いがパスだ。僕は忙しいんでね」

リメロン「はあ!?ま、マジで言ってんの!?この状況で!?」


エド「ええい喧しい。僕はやらないといけないことがあるんだ」

リメロン「ロイヤル君の書置き見たでしょ!?これ以上に大切な用事があるってわけ!?」

エド「ある。これを知った以上、より早急に済まさなくてはならない用事があるんだ」

リメロン「それがあの時に言ってた用事って奴?」

エド「ああそうだ。そもそも、お前はおかしいと思わないのかこの……」


エドが何かをリメロンに話そうとした瞬間、扉のノックの音にかき消される

エドは苛立ちながらも入室を許可した

入って来たのはキュベレさんであった


エド「なんだ、司書の様子に変わったことでもあったのか」

キュベレ「ロイヤル様の容体は安定しています。先ほど少し意識を取り戻されました」

キュベレ「そこで、お二人へ伝言を任されたのです」


キュベレ「『シンデレラを見つけられた。急いでください』とのことです」


「「ッ!?」」

エドとリメロンが顔を見合わせる


リメロン「シンデレラを見つけられたってことはもう時間が無いよ!」

エド「待て、慌てるなシンデレラを『見つけられた』だけだ。まだ捕えられたとは決まっていない」

リメロン「でも時間の問題じゃん!絶対に急いだ方がイイって!!」

エド「ああクソ!僕もそれは分かってるけど、これ以上厄介になる前にやるべきことがあるんだよ!!」

リメロン「やるべきことって何よ!さっきからずっと自分の事ばっかりで、誰かを助けることも考えられないの!?それでもあんたは騎士なの!!」

エド「五月蠅いな!何も知らないくせに僕の行動に口を挟むな!!」

リメロン「何も言わないくせに偉そうにいうんじゃねーよ!!」

ナキ「落ち着け主人!!エド殿もだ!!」


いがみ合う二人を奇跡で縛り上げ、口を塞ぐ


ナキ「事を急いては何も得られはしない。お互いがお互いの信念のもとに行動しようとしている」

ナキ「ここは落ち着いて譲歩し合おうではないか。私と主人はこれから任務の事もある、落ち着いて次にすることを話し合おう」

ナキ「再び自分の意見を押し付けるようであれば容赦なく縛り上げる。手加減なしでな」


ナキは2人の目を交互に見つめ、奇跡の呪縛を解いた


エド「……僕はこれから司書の安静を確認してから用事に出かける。お前の手伝いはできない」

リメロン「な!アンタまだそんなこと言って…!」

エド「僕からお前への!…お願いだ」

エド「事が終われば全てを話す。今ここで説明をすれば混乱を引き起こす」

エド「もし僕の追っている案件が少しでも外に流れれば僕の努力はすべて無駄になる。だから、お願いだ」


リメロンの目の前でエドは深々と頭を下げた

リメロンは面食らい何も言えずに小さく頷いてしまった


エド「僕にしかできない、やるべきことだ。だから、お前もお前にしか出来ないことをしろ」

エド「あの生真面目な司書からの命令だ、お前がかたをつけて来い」

リメロン「…私一人で…行けって事?」

エド「なんだ自信が無いのか?ハッ…まあ万年二位の君には荷が重すぎたかもしれないね」

エド「嫌ならいかなくてもいいさ。僕の用事を済ませてその後僕が始末をつけよう」

エド「でも、時間が無いと誰かが叫んでいたっけな…」

リメロン「…はぁ…珍しく頭を下げたかと思えば直ぐにいつもの調子に戻りやがって…」

リメロン「ナキがお互い譲歩し合おうって言ってたのに、結局全部私がアンタの我儘を背負い込んでない?」

エド「時間があれば、加勢に行く。これで我慢しろ」

エド「それともなんだ?お前は僕が居ないと怖いっていうのかな?」

リメロン「……そこまで言われて、退けるわけないでしょ」

リメロン「やってやろうじゃない!アンタの加勢が来る前に全て綺麗サッパリ終わらせてあげるわよ!!」

リメロン「明日の新聞の見出しは私が飾ると予言してあげるわ!!」

エド「ハハハハ!面白い勝負だ。僕も予言をしておこう、明日の新聞の見出しは僕だ」


お互いに闘志の炎が目に灯る

頬を釣り上げ、闘争本能むき出しで睨み合う

いがみあいではない、これがこの二人のいつもの光景なのだ



エド「…お前なら一人でもなんとかなる。腕っ節の強さだけは僕も散々泣かされてきたからね」

エド「一応、信頼していると言ってやろう」

リメロン「らしくないこと言って気持ち悪いわね」

リメロン「でもまあ、私も信頼してやるわ。アンタが頭を下げるなんてよっぽどじゃない限りありえないからね」


エド「じゃあな、そっちを任せたぞ」

リメロン「任された。行くよナキ!」

ナキ「行くというのは何処へだ?」

リメロン「真っ直ぐに敵のアジトへ!と…言いたいところなんだけど任務の事もあるしなぁ」

エド「サボってもあとで僕がエルグラートにはフォローを入れておく。好きにしろ」

リメロン「お、珍しく気が利くわね。それじゃあ……」



1、真っ直ぐ敵のアジトへ
2、任務に戻り、警備をしながら敵を探す


安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>486採用:1、真っ直ぐに敵のアジトへ


リメロン「真っ直ぐ行ってぶっ潰す!ちゃんと仕事してたって言っといてよね!!」

リメロン「あ、それとアンタあれだけ言っておいて悪いことしてるようなら…」

エド「僕を容赦なく裁くといいさ。早く行け」

リメロン「分かってるならよ~し!キュベレさん、ロイヤル君の事よろしくね」

キュベレ「はい、お任せください」


リメロン「他は~……ない!行くよナキ!!騎士としてビシッと町の悪を裁こう!!」

ナキ「調子が戻って来たな主人よ」

リメロン「やるべきことが見えてるってのはいいね。ごちゃごちゃ考えるのは性に合わないんだよ」

リメロン「待ってろよギルド共!このリメロン・アスバールが成敗してくれる!!」


エドの屋敷を飛び出し、敵のアジトへと真っ直ぐに向かった








雨が降っているせいか誰も居ない街を駆け抜ける

目的は勿論、ギルドのアジト


その道中、小さな土煙と共に何やらただならぬ音が鳴り響いていることに気付いた

思わず立ち止まり、耳を澄ます


リメロン「なんだろこの音?」

ナキ「……聞こえるな、何かが砕ける音…か?」

リメロン「何それ、どういうこと?」

ナキ「………遠くに人の気配もする。もしかすれば騎士が何者かと交戦しているのかもしれない」

リメロン「!…もしかして、ギルドかな?」

ナキ「かもしれないな……」

リメロン「…………」



1、音のする方へと向かう
2、それでもアジトへ向かう事を優先する

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>489採用:1、音のする方へと向かう



リメロン「…行ってみよう」


音のする方向を探りながら、何が起きているのかを確かめに向かった


視点変更


1、エミリー
2、ロフ・グリン
3、怪人『スマイル』

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


十分以内に安価選択が無かったため、↓1を安価として採用

安価↓1

2


>>493採用:2、ロフ・グリン






ロフ「クソ…!クソ…!!俺としたことが!!」

ロフ・グリンは荒れていた

エールを誘拐されたことと、エールの誘拐を許してしまったことに


ロフ「エール…!エール!!……俺の女神…彼女だけは…彼女だけは失うわけにはいかない!!」

ロフ「探さなければ、奴らを…俺からエールを奪ったアイツらを!!」

ロフ「……まずはアイツらの居場所を探し出さなければ…」

ロフ「戦うための準備も必要かもしれない」

ロフ「………どちらもアテがない、どうすればいい?」

ロフ「俺は…どうすれば………」



1、エールを奪った者達の情報を探る
2、虱潰しに町を周る
3、運命に身を委ねる
4、戦う準備をする
5、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>495採用:1、情報収集


情報収集のために外に出て手がかりが無いか探る


ロフ(……血…は俺とあの女のモノしかない)

ロフ(俺の女神に怪我は無いようで安心したが…手がかり…か……)

ロフ(目に見える手がかりは無さそうだ…)

ロフ(アイツはなんと言っていたか………そうだ、俺の女神の事を『ガラスの靴』と呼んでいた)

ロフ(手がかりになりそうだ…どこかで…聞き覚えは無いか?)



閃き判定
5以上で閃く

直下コンマ


コンマ判定:0 圧倒的閃き



ロフ(……そうだ…見覚えがあるぞ)

ロフ(確か…そう、あの『シンデレラ実験観察』の記録に記されていた)

ロフ(シンデレラを作り上げるための三つの契約)

ロフ(『シンデレラ』の纏う衣が『ドレス』。規律を定めし龍神『トキナミ』)

ロフ(『シンデレラ』を上の次元へと運ぶのが『馬車』。色彩の神『ルヒト』)

ロフ(そして『シンデレラ』の証明が『ガラスの靴』。俺の女神『エール』)


ロフ(この三つの神との契約が『シンデレラ』を作り上げる要素と記されていた)

ロフ(これを実行しようとしていたのはこの屋敷の主『フィン・コルドレック・アルフォード』)

ロフ(そしてもう一つ、これを成そうとしていた者達が居た)


ロフ「犯人は『ギルド』だ」

ロフ「……確かあの地図にそれらしき場所があったはずだ…待っていてくれ、直ぐに向かう」





ロフ「……場所は…潰れた酒場。隣の町か…少し遠いが走れば日が暮れる前にはたどり着く」

ロフ「………だが、今の俺に本当にエールを取り戻せるのか?」

ロフ「無様に敗北し、失態を演じてしまった俺に…」


外に出れば雨がちらつき始めていた

まるで行く先の不安を示すように鬱屈とした重い空気が辺りを覆っていた


ロフ「…取り戻さなければならない…確実に」

ロフ「エールは俺の全てだ…全てを犠牲にして手に入れた俺の求めた究極の『美』」

ロフ「エールさえ居れば俺は他に何も望まない…」


ロフ「……アイツらに…負けないためにはどうすればいい…」



1、覚悟を決め、戦いに向かう
2、何かを犠牲にし、一時的な契約を結ぶ
3、武器を使う
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

2


>>501採用:2、



ロフ(……俺に残された武器など…これくらいしかない)


庭の開けた場所に、チョークで陣を描く

その陣の前に立ち、言葉を紡いだ

遥か昔より受け継がれる、この世界の最大の武器


ロフ「……これより、『導師』ロフ・グリンが『契約』を執り行う」

ロフ「我、『観測世界』よりの使者」

ロフ「民を導く師となる賢者の代行者なり」

ロフ「今ここに異世界への門を開き、我が前を薙ぐ開拓者を求めん」

ロフ「我が血、我が肉、我が骨を以て汝をもてなそう」


ロフ「我が呼び声に応え、いざ開け異世界の門よ!!」


ロフの目の前に描かれた魔法陣が輝き、異世界へと通じる門が開かれた


ロフは呼び寄せられる契約者が何であるか知っていた

任意のモノを呼び寄せられる実力があるわけではない

彼の技量では、『それ』しか呼び出せないのだ



ロフ「……久しぶりだな、怪蟲『シキミ』」


ロフの目の前には人の背丈ほどの高さに首を伸ばす異形の蟲がいた

蜷局を巻き、無数の足を蠢かすそれは百足によく似ていた


シキミ「…ロフ様。お久しぶりでございまする」

ロフ「いつもお前には世話を掛けるな。再契約の願い出だ」

ロフ「ほんの少しの間だけでいい、俺に戦う力を貸してくれ」

ロフ「今の俺には地位も金も何もないが、この通り体だけならばある。何でも持ってくがいい」

ロフ「シキミよ。何を生贄に欲する?」


ロフ「ああ、そうだ…目は困る。漸く俺は真に求める『美』を見つけたのだから」

シキミ「そうでございまするか。ならば目はいりませぬ」

ロフ「それに手も困る。手が無ければ俺の女神に手を差し伸べられない」

シキミ「そうでございまするか。ならば腕もいりませぬ」

ロフ「それに足も困るな。素早く駆ける必要がある、お前の足では遅すぎる」

シキミ「そうでございまするか。ならば足はとりませぬ」

ロフ「…それに、そうか…この体も全て俺の女神に捧げるためにある。この体を犠牲にしてはエールに会わせる顔が無い」

シキミ「ふふふ…ロフ様は相変わらず欲張りでいらっしゃいまするな」

ロフ「すまないシキミ。俺の体では生贄を払えないようだ…別のナニカを持って行け」


シキミ「私は初めから決めておりました。生贄は『時間』とさせていただきます」

シキミ「『既に契約をしている契約者と契約を執行するまでの間』ここまでの時間を生贄とさせてください。そしてどうか、その間だけは肌身離さず私を傍に置いてくださいまし」

シキミ「せめてそれまでの時間だけは、私を手放さないで下さいまし。それを約束してください」


ロフ「…ふっ…怪蟲シキミ…その姿は醜怪なれど、その心は俺の女神に引けを取らぬほど美しい」

ロフ「相変わらずだな、シキミよ。損な性格をしている」

シキミ「私を受け入れてくださるだけで、私はもう何もいりませぬゆえ」


ロフ「今ここに契約を結ぶ!!」


ロフ「持って行け!俺の時間を!汝の望む時を、一時も離れず汝と過ごそう!!」


異世界の門が消え、それと同時にロフの背中に新たな契約刻印が刻まれた


ロフ「戦いの準備は整った。待っていてくれ…俺の女神」


ロフ「契約執行…我が血に蠱毒の呪いあれ」


言葉と共に、シキミがロフの体に絡みつきその首元に噛みついた

目が黒く濁り、シキミの『呪い』が全身に回る

意識が飛びそうになうほどの激痛が走る


ロフ(…身の丈に合わない二重契約の代償か)

シキミ「大丈夫でございまするか?ロフ様」

ロフ「なんとも無い。久しぶりの感覚に酔っていただけだ」


深呼吸をし、地を蹴り上げ町へと駆けだした



今日の更新はここまでです


怪蟲『シキミ』は不幸属性の健気な負けヒロイン(蟲)です

私の趣味の塊のようなカワイコちゃん!!



恐らく明日も更新できるはずです!


それではまた、お付き合いいただきありがとうございました


最近は妙に体調を崩しやすくって辛い……

そろそろ再開っすよ!!


視点選択

1、怪人『スマイル』
2、エミリー

安価↓1を採用

2


>>509採用:2、エミリー






エミリーはずっと同じ場所に固まったように動かなかった

ずっとずっと、あの男が現れるのを待ち構えていた

そして遂に、その男は現れた

悠々とした足取りで鼻歌でも歌っているようにも見えるほど陽気な表情で街に足を踏み入れた



エミリー(…目標観測。戦闘開始だ、準備できてるだろうな)

トシヒサ(問題ない)


エミリーは隣に居ない男に言葉を飛ばした

電話のような便利な道具がこの世界にあるわけでもない、文書を飛ばしたわけでもジェスチャーで伝えたわけでもない


二人は既に契約状態であった

だが、エミリーは少し変わった契約状態を取ることが出来た

『生贄にした肉体の一部』だけがトシヒサから転移され、お互いが別の個体として行動が出来るのだ

そして通常の契約執行状態と同じように、離れていても精神が繋がりあっている

それを生かした嵌め殺しを二人は実行しようとしていた


エミリー(確実に殺す。何が起こっているのかも理解させずにお前の四肢を吹き飛ばしてやる)

エミリー(そしてとどめだけはこの私が…!)



※特殊戦闘に移行します


【ルール】
五回の判定中、3回相手の判定を上回れば勝利





直下コンマ:エミリー&トシヒサ戦闘判定
不意打ち +3


↓2コンマ:スマイル&『狂乱の破壊者』戦闘判定
契約 +1


コンマ判定:2+3

コンマ判定:6+1



成功:0

失敗:1


エミリー(…A地点まで残り3…2…1…今!)

エミリーが合図を送ったその瞬間、スマイルの足元が弾け飛ぶ

スマイルは驚いたように飛び跳ね、一度近くの屋根まで昇り突然弾けた地面を訝しげに観察している


エミリー(クッソ!お前!大事な一発目を外してんじゃねー!!)

トシヒサ(悪かった。だが、雨の所為か思ったより狙いがずれる)

エミリー(急いで次の準備。タイミングは良い、もう少し上を狙え)


スマイルはキョロキョロと辺りを見回している

どうやらエミリーたちの攻撃のカラクリにまだ気づいていないようだった

エミリーはその遥か遠くで、スマイルの様子を瞬きもせずにとらえ続けていた




直下コンマ:エミリー&トシヒサ戦闘判定
不意打ち +2


↓2コンマ:スマイル&『狂乱の破壊者』戦闘判定
契約 +1





コンマ判定:7+2

コンマ判定:3+1


成功:1

失敗:1


エミリー(………目標は地面を警戒して屋根伝いに移動中)

エミリー(好都合。そっちから見えるか?)

トシヒサ(……見えた)

エミリー(好きなタイミングで好きな数使っていい。確実に一発当てろ)

トシヒサ(了解)


エミリーが指示を出して数秒後、強烈な破裂音が鳴り響く

破裂音とほぼ同時に遠くで土煙が上がった

スマイルは足を止める

そう、止めてしまったのだ

顔を土煙の方角へと向けた瞬間、スマイルの脇腹が弾けとぶ


エミリー(……着弾観測。まずは一発だ)



直下コンマ:エミリー&トシヒサ戦闘判定
不意打ち +1


↓2コンマ:スマイル&『狂乱の破壊者』戦闘判定
契約 +1
負傷 -1


コンマ判定:5+1

コンマ判定:7


成功:1

失敗:2


この世界に兵器と呼べるものは存在していない

特に、銃や砲と言った火器兵装は一つとして存在しない

観測世界であるため書物に知識として存在してはいる、本気で鍛冶職人が作ろうとすれば作れないわけでもない

何故、この世界に存在していないのか

その理由は『強すぎる』からだ

銃があればただの一般人がいともたやすく人を殺せる

『導師』こそが力であると示し続けるために、そのような兵器の作成方法は重要機密として『命樹』に保管されている


時間差の少ない超遠距離攻撃

強烈な破裂音

これら二つの特性を併せ持つ物と言えば銃が真っ先に思い浮かぶだろう

だが、この世界には存在していない

それならば、今エミリーとトシヒサが行っている行動はといえば……


トシヒサは時計塔の屋根の上に立っていた

その足元には多種多様な大きさの『石』が転がっていた

その石を握り込み、大きく振りかぶった


そう、トシヒサの行っていた行動は超原始的かつ自らの特性を最大限に生かした『投擲』であった


人間を超えた超視力を持ったトシヒサとエミリーの二つの観測地点から場所を把握

小さな石は音速を超えて空気を叩き強烈な破裂音を鳴らす

大きな石は速度は劣るが音が少なく威力は申し分ない

この脅威の身体能力を生かす投擲を使うために、町の探索を徹底的に行って来ていたのだ


一つ目の石が直撃する。しかしスマイルは動揺しなかった

即座に体を反転させて真っ直ぐに駆けだしたのだった



エミリー(多分気づかれた、そっちに向かってる)

エミリー(次からは体ではなく場所を利用する。上手く誘い出せ)

トシヒサ(了解)


トシヒサは大きく振りかぶった石をある場所に向けて投げた




直下コンマ:エミリー&トシヒサ戦闘判定
不意打ち +1


↓2コンマ:スマイル&『狂乱の破壊者』戦闘判定
契約 +1
負傷 -1

不意打ち補正は入りません
補足ついでにコンマ


コンマ判定:4

コンマ判定:2


成功:2

失敗:2



強烈な破裂音と共に再び土煙が上がる

しかし、スマイルは一直線にトシヒサの居る時計塔の方角へと一目散に走っていた


トシヒサ(…結構速いな。俺くらいは出てる)

トシヒサ(だがこれなら…!)

時計塔の屋根を破壊し、一部分を持ち上げる

一部分とは言っても人の大きさほどの巨大な瓦礫

それを弧を描くようにスマイルの前方へと投げた

スマイルは当然迂回しようとしたが、迂回した方向にあった建物が崩壊を始め倒れようとしていた

その建物は空き家であり、既にエミリーたちの手によっていつ倒壊してもおかしくない状態にされていたのだ

そこでこの巨大な瓦礫が降り注いだ衝撃によって倒壊を始めたのだ


スマイルはブレーキをかけ、踵を返そうとした

その瞬間をエミリーの目は捕えていた


エミリー(生贄追加だ!右腕!!)


その言葉と共に、トシヒサの右腕が無くなる

エミリーは超人の力を得た右腕に力を乗せ、既に振りかぶっていた腕を振り抜いた

エミリーの狙いはスマイルの体の中心、腹であった…






直下コンマ:エミリー&トシヒサ戦闘判定
最後の一発 +2
慣れない感覚 -1


↓2コンマ:スマイル&『狂乱の破壊者』戦闘判定
契約 +1
負傷 -2


コンマ判定:5+1

コンマ判定:6-1



成功:3

失敗:2


エミリー勝利


エミリーの放った弾丸の様な投石は見事にスマイルの腹を貫いた

風穴の開いた腹からは大量の血が溢れ、スマイルはその場に倒れ伏した


エミリー「……!」

興奮で拳を握りしめ叫びだしそうになるのを堪える


エミリー(アイツの倒れた場所に来い。契約解除)


契約解除によって重くなった体など気にもせず、走り出す

エミリーはスマイルの倒れた場所へと向かったのだった


しかしこの時エミリーは気付いてはいなかった

スマイルは最後の一撃に気が付いていたことに……



視点変更:スマイル







スマイルは熱く、そして冷めていこうとしている自らの体を横たわらせる


スマイル(…完全に穴が開いているな。ふふっ…ふふふ……これでは助かりそうもない)

スマイル「ふ…ふふふ……ふふふふふ…」

エミリー「こんな時まで笑ってやがんのか、クズ野郎」


目の前に影がかかり、エミリーはスマイルを覗き込むように見下していた


スマイル「ふふ…ふふふ…笑顔がいつでも一番だよ。スマ~イルスマ~イル♪」

エミリー「ッ!」


苛立ちのままにスマイルの体を蹴るが、スマイルはそれを手で受け止める


スマイル「そう慌てるモノじゃないよお若いレディー。どうせ私は死ぬんだ、私の戯れに付き合ってくれたまえ」

エミリー「……」


エミリーは無言でスマイルを睨みつける


スマイル「いやあ驚いたね、こんなに詰まらない方法で私が殺されるなんて思ってもみなかったよ」

スマイル「導師も騎士も殺してきた私には呆気なさすぎる最後だよ」

エミリー「…一方的な嬲り殺しでお前を殺してこそ意味がある」

スマイル「おお、怖い怖い♪それはどうしてかな?どうして君はこんなことをしてまで私を殺そうとしているのかな?」

エミリー「復讐のために決まってるだろ!!」

怒りをあらわにし、目を血走らせ吠える


エミリー「お前に殺された私の両親の無念は、こんなことをしても晴れやしない!!」

エミリー「だが!私の両親を殺したお前がのうのうと生きている事実こそが何よりも許しがたかった!!」

エミリー「お前に私の両親が味わった屈辱をほんの少しでも味あわせてやりたかった!」

エミリー「お前を私の両親と同じように首を刎ねて殺す。それで私の復讐が完成するんだ」


スマイル「ふふふ…良い目だエミリー。私に殺してやると言ったあの時と全く同じ顔をしているよ♪」

スマイルはエミリーの怒りに愛おしそうに微笑みを返した


エミリー「……お前はこれからどうあがいても死ぬ。なのに何故そんなにも笑っていられる」

スマイル「それは勿論楽しいからさ!楽しければ笑うべきだ!嬉しければ笑うべきだ!愉快であれば大声で笑うのが礼儀というのモノさ!!」

血をダラダラと零しながら、体を起こして両手を広げる

化粧の上からでも分かるほどの満面の笑みでスマイルは語りはじめる


スマイル「死ぬのは怖いさ。私だってやりたいことがいくつかある」

スマイル「今死ぬと思えば悔しさでで胸が張り裂けそうになる…」

スマイル「しかし、人はいつか死ぬ。いつかは死に納得できなければ永遠に死を受け入れられない」

スマイル「私はいつも考えていた『心残りの無い人生を送りたい』とね」

スマイル「だから私は毎日欲望の赴くままに生き続け、したい事だけをし続けた」

スマイル「そうして漸く死ぬ時が来た……だからね――」



スマイル「私は今日を死に納得できる日にする!!」



スマイル「ショータイムだ!!これよりとっておきの絶望を君に送ろう!!!」


軽い音を立て、スマイルは指を鳴らした


誰も居ないはずの廃屋の扉が独りでに開いた

いや、開けたのだ

その扉を開いたのは年端もいかぬ少女であった

血まみれで笑うスマイル、少女を見て驚くエミリー

少女はその光景を見て吐き出すように声が漏れた


「……スマイル?」


スマイル「紹介しよう!スペッッッシャルゲスト、無垢なる少女『シャルロット』だ。シャリーと呼んであげてくれ♪」

シャリー「スマイル!スマイル!!」


シャリーは泣きながらスマイルに駆け寄り、血まみれの体を抱きしめる

スマイルは愛おしそうに駆け寄るシャリーの頭を撫でる

エミリーはその光景に呆然とするしかなかった


エミリー「…な、なんで…なんでこんなところに子供が居るんだよ!」

スマイル「私の指先には魔法が宿っているのさ。今日この日の為のとっておきの『転移魔法』!!驚いてもらえたかな?」

エミリー「……その子供は何だ…」

スマイル「私の娘……と本当はしたかったんだけどね。私と同居しているただの少女さ」

スマイル「今日この日の為に、私はこの少女に自分の全てを隠し続けた。シャリーは私の事を本当の親のように思っているよ」

スマイル「そろそろ分かって来たんじゃないかな?私のしたい事が」

エミリー「…………お前…まさか!」

スマイル「そのまさかだッ!!」


スマイル「シャリーはお前だ!8年前のお前自身だ!!」

スマイル「ふふっ…くきくうくくく……アハハハハハハハハ!!!!!!」


喜びの涙を流しながら体の空気の全てを吐きだすようにスマイルは笑い転げる

狂った笑顔で狂った笑い声をあげる


スマイル「ふふふっ…あはっ☆」

スマイル「なあエミリー…どんな気分だい?悔しいか?腹立たしいか?悲しいか?それとももしや同情したか?」

エミリー「お前…!」

スマイル「怒った怒った!アハハハハハハ!!!笑えエミリー!笑えよ!!」

スマイル「これがお前の望んだ光景だ!!!」

スマイル「お前が8年間を無駄にして切望した眺めだぞ!!」

スマイル「お前は今から私の首を刎ねて復讐を遂げるのだろう!?」



スマイル「お前は私を殺して今から『私に』なるんだろうが!!!!」



導化師の狂った笑い声と、少女の泣き声だけが空気を震わせる

雨の音色と混ざり、エミリーの耳にはノイズのかかったように聞えていた

どこか遠い世界の様な、夢の世界であるような錯覚を受け入ていた

エミリーの体が震える

それが怒りから来るものか、悲しさからくるものなのか本人にすら定かではない

自然と目の奥から涙があふれ視界が歪む

堪えようと必死に唇をかみしめると血が溢れてきた


スマイル「いい…顔だぁ…」

スマイル「可愛い…可愛いよエミリー…自らの望みを目の前にして、願いを叶えられない君の顔はとっても素敵だ」

スマイル「怒りと憎しみと悲しみが綯交ぜになり、どうしようもない現実の光景に震え、理性を必死に取り繕う君の今の顔は『絶望』という言葉が相応しい!」

スマイル「嫌だよなぁ私になるのは。だってお前はどうしようもなく私を憎んでいるのだから」

スマイル「思い出してしまうよなぁ…死んだ両親の体を抱いて涙を流す自分の姿をさ」

エミリー「…私は……私は………」


スマイル「どうすればいいんだろうな、なあエミリー?」

スマイル「全てを受け入れて目的を達成するか?」

スマイル「それもいいなぁ!!第二のお前と第二の私の誕生日になる!」


スマイル「それとも心を鬼にしてシャリーを殺すか?」

スマイル「それもいいな。そうすれば全てが綺麗に収まる」

スマイル「だが、お前にそれが出来るか?」

スマイル「お前に罪のない子供を殺せるのか?」

スマイル「もし殺せるのなら、私に負けないくらいの殺人鬼だ」


スマイル「ふふふふ…ああ…楽しいなぁ!とっても楽しい!人生はやはりこうでなくてはな!!」


エミリー「………私…は…」


エミリーの頭の中で同じ言葉だけがグルグルと周っている

『殺せ、殺せ、殺せ』と叫ぶ

前を向き、目に入るのは少女の姿だった

泣きわめき『スマイル、スマイル』とずっと同じ言葉を吐き続ける少女

その姿を見れば、心の熱が冷めていくのを感じた

ただ、立ち尽くす


エミリー(私は…どうすればいいんだ……)

エミリー(ここまで来て…何もできずにここで立っているだけか?)

エミリー(……私はあの少女の前であの男を殺せるのか?)

エミリー(………私は、あの少女を殺せるのか?)

エミリー(殺してどうなる?ただ虚しいだけだ……)

エミリー(復讐なんてそんなものだろうと思っていたじゃないか)

エミリー(でも、私の父さんと母さんの無念はどうなる?)

エミリー(8年間、復讐の為に生き続けた私の時間はどうなる?)

エミリー(私は…何をするべきなんだ…?)


エミリー「……私は…」


1、何もできずに立ち尽くす
2、スマイルを殺す
3、目の前の二人を殺す
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

シャリーを引き取る


>>541採用:4、シャリーを引き取る



エミリー「……私は、お前を殺す」

スマイル「ふふふふっ、嬉しいよエミリー。私になって私のように生きてくれ」

スマイル「きっとシャリーは君のように育ってくれる。君を殺しに来てくれるさ」

エミリー「そうはさせない」

スマイル「ふぅん?もしやシャリーも殺すのかい?」

エミリー「……私には…殺せない。だからまだ……ちゃんと決まらないけど…」


エミリー「私の傍に置いておく」


エミリー「私を殺すかもしれないけど、それでもいい」

エミリー「そいつを見てて思ったんだ……一人ぼっちになるには早すぎるなって」

エミリー「お前には分からないだろう。一人残された子供の孤独が」

エミリー「だから私が、そいつを引き取るよ」


スマイル「……………」

スマイルは笑うことを止め、驚いたような顔で目を見開いた


スマイル「……ぷっ…くくく…ハハッ……勝手を言ってくれる」

スマイル「だが、私には反論できないな。一人残された子供の気持ちなど考えたことも無かった」

スマイル「ふふふふふ、面白いなぁ…予想外の事が起きるから人は笑ってしまうんだ」


スマイル「悪くないな。…シャリーは素直で優しい子だ、どうか大切に扱ってくれ」


スマイルは泣き縋るシャリーの体を引き離し、向かい合った


スマイル「シャリー…どんな気分だ?悔しいか?腹立たしいのか?悲しいか?」

シャリー「スマイル…死んじゃやだぁ…!」

スマイル「悲しいか。悲しみに歪む君の顔もとっても素敵だ」

スマイル「だからね笑ってくれ。とても苦しくって辛いかもしれないけど、笑うんだ」

スマイル「ほら、スマ~イルスマ~イル♪」


人さし指で頬を釣り上げ、笑顔を作って見せる


シャリーは泣きながらも不細工に頬を釣り上げ笑って見せた


スマイル「………ああ…これで漸く納得できた」

スマイル「ずっとずっと考えていた、君を殺さずにその顔にすることを」

スマイル「私の死に絶望しながらも、無理をしてでも作った君の笑顔は……私の見た笑顔の中で一番素敵だ」


スマイル「はぁ……これで全てに納得がいった」

スマイル「本当はエミリーにこう言われたときは目の前でシャリーを殺してやろうと決めていたんだけどなぁ…」

スマイル「『絶望させた笑顔』が好きだった…」

スマイル「だけど、シャリーにだけは心の底から泣いてほしくないと、今の笑顔を見て改めて思った」

スマイル「今日この日を用意してよかった。漸く自分の気持ちに気が付けた」

スマイル「シャリー…私は君に恋をしていたんだね」



スマイル「アハハハハハハハハ!!楽しい!楽しいなぁ!!」

スマイル「思い残すことのない人生とは実に素晴らしい光景だ!!!」


スマイル「……契約解除」

契約状態が解け、スマイルの隣にはエリックが並び立つ


エリック「良かったのですか?予想外に事が運んでしまっていますが」

スマイル「私の顔を見ろ!笑っているだろう?だからいいんだ、世の中上手くいかないことばかりだからな」

スマイル「お前もそうだったんだろう?」

エリック「……そう…ですね」

スマイル「契約破棄だ。今まで付き合わせて悪かったな」

エリック「………いえ、そんなに悪くは…無かったですよ。特にシャリーと共に3人で居る時は」

スマイル「10年以上殺人鬼に付き合って来た男の言葉がそれか?お前に人の心は無いのか?」


クックックと楽しそうに笑いながら、覚束無い手つきで生贄であった手袋を脱いだ


スマイル「契約破棄のついでに最後のお願いだ」

スマイル「どうかシャリーを見守ってやってくれ。シャリーにはお前が必要だからな」


そう言ってスマイルは契約刻印の刻まれた手袋をシャリーに向かって差し出した

次の瞬間、血飛沫が舞いスマイルの上半身が消し飛んだ


飾らない笑顔を見せた最悪の殺人鬼怪人『スマイル』は、最後の最後まで予想外の出来事に巻き込まれその生を終えた


視点変更:エミリー


エミリー「…何が…起こってんだよ…おい……」


突然の出来事だった

スマイルが契約者と話しているかと思えば、次の瞬間には腰から上の無い男の体が転がっていた

そして見覚えの無い男が、スマイルの手袋を我が物顔ではめていた


エミリー「お、お前…!!」

男「…………なんだ?」

エミリー「なんだじゃない!何をしやがった!!そいつは…その男は私が!!」

男「お前たちの下らない話に付き合う義理は無いのでな、邪魔だったので消しただけだ」

エミリー「ふ…ざけんなよテメー!!!」

男「勝手に吠えてろ、俺にはお前と違って大事な目的があるんだ」


男はエミリーに背を向け、呆然と立ちすくむシャリーに跪く



男「お迎えに上がりました。『シンデレラ』」



男……フレアはそう言ってシャリーの手を取った



今日の更新はここまでです

夜遅くまでお付き合いいただきありがとうございました


殺人鬼の極悪人が満足に死ねるなんて許せませんよね?(ゲス顔)



それではまた、次回更新は早くて明日遅くて明後日の予定です


今日は更新するつもりだったのですが急な用事でどうしても時間が取れませんでした

プロフィール公開でお茶濁し…

名前:『怪蟲』(樒―シキミ―)
性別:♀
種族:毒蟲?



強さ:5  大人の男が3人集まれば退治されるレベル



年齢は10歳
身長は2mくらい
甲虫の様な艶のある黒い外骨格を持ち、無数にある足の付け根に赤の斑点がある
百足の様に胴が長く足が無数にある巨大な蟲の姿をしている
強い毒を持つ樒を好んで食べることから『シキミ』と呼ばれるようになった
性格は酷く臆病で謙虚な性格であり、人間恐怖症である
見た目に反してお淑やかな大和撫子
人畜無害で穏やかで平和的な性格なのだが、その異様な容姿から人々から忌み嫌われてしまっている
元は人間であったように記憶しているが人間であった時の記憶は薄い

元はただの人間であり、魔物に捧げられた人身御供であった
9歳の時に人身御供として捧げられその時に魔物の呪いを受けて今の醜い姿となった
その姿から人々から避けられるようになり、10歳の時に退治された

契約相手である『ロフ・グリン』のことに惚れており、彼の為なら何でも受け入れられる覚悟がある
ロフに惚れている理由は『見た目で判断せずに、心が美しいと褒めてくれたから』

好きなものはロフ様と静かな場所
嫌いなものは人間(特に声が大きい人)






【特殊能力】


『怪物:毒蟲』
肉体に備わる高度な解毒能力と強力な壊死毒を持つ

名前:シャルロット
性別:女性
職業:なし



適応能力:15(異常)どんな者とも契約を結べる過剰適応者  
身体能力:2     年相応の子供の身体能力 
精神力:2      年相応に不安定

家系階級:2     変哲のない一般家系




年齢8歳
身長117cm
金色の柔らかい髪、緋色の瞳を持つ
素直で優しい性格で、年相応の無邪気さも見せる
スマイルの手によって過保護に育てられたため、人見知りな一面もある
しかし子供特有の強い好奇心もあり、人見知りの割に懐きやすい
2歳の時にスマイルに誘拐され、それ以降はスマイルの手によって育てられた
昔の事は何も覚えておらず、両親はいないと思っている
自らの事を育ててくれたスマイルの事を信頼しており、とても大事に思っている
スマイルと共に暮らしてきたため、笑顔と花が何よりも大好き

その実、突然変異の過剰適応者である
その適応能力はどんな異世界の者であろうと力をモノにし、何人と契約を結んでも体に支障はきたさない

好きなものはスマイルとエリック
嫌いなものはまだ知らない









【特殊能力】


『過剰適応者』
普通ではありえない適応能力を有する


そろそろ再開っすよ!!


シャルロットは目の前の現実を受け入れられず、焦点の合わない目でただスマイルの死骸を見つめていた

抵抗も無くシャルロットはフレアに抱き上げられた


エミリー「ちょっと待てお前!!そいつをどこに連れていく気だ!!」

フレア「お前にもいずれ分かるさ」

エミリー「今聞いてるんだろうが!!おいそこの執事!お前はそれでいいのかよ!!」

エリック「……シャルロット様に危害を与えるつもりはありますか?」

フレア「無い。丁重にもてなすつもりだ」

エリック「それならば構いません」

フレア「だ、そうだ。満足したか?」

エミリー「するわけねえだろ!!そいつを返せ!!」

フレア「なら、力づくで黙らせるしかないなッ!」


フレアはシャルロットをその場に立たせ、エミリーに殴りかかった

エリックの魔法とグランの筋力を得たフレアの一撃に、エミリーは身構えることも出来ずに……



イベント判定
偶数で???奇数で???

直下コンマ


コンマ判定:奇数 通りすがりの図書館騎士



リメロン「やらせるかッ!!」

エミリーンフレアの拳が届くその直前にリメロンのタックルがフレアを弾き飛ばす


リメロン「大丈夫エミリー!?」

トシヒサ「すまないエミリー遅れたな」


リメロンの後ろからやってきたトシヒサがエミリーを庇うようにフレアの前に立ちはだかる


フレア「またお前か……だが、都合がいい。リベンジマッチと行こうか」

リメロン「性懲りも無くまたアンタなのね、いいわよ身のほどって奴を教えてやるわ」


リメロンとフレアが睨み合い今にも戦いが始まりそうになるが、その空気を断ち切る乱入者が現れた


上空からオルトが二人の間に割って入る


フレア「邪魔するな!俺一人でも十分だ!!」

オルト「そう言う問題じゃないんスよ!兄貴はシンデレラを連れてあっちに向かってください!!」

フレア「何があった?」

オルト「なんかわけ分かんない男がアジトに来て…、今はクーが応戦してるんすけど結構ヤバい奴で大変なんスよ!!」

フレア「…分かった。時間稼ぎを頼む」

オルト「当然そのつもりっスよ!」

リメロン「勝手に決めんな!!逃がすわけないだろ!!『永遠のきせ―」

オルト「ウッシャアア!!」

リメロンに何もさせまいと我武者羅に距離を詰めてピッタリと張り付く

フレアはその間にシャルロットを抱えてどこかに向かおうとしている


リメロン「クッソ!鬱陶しい!!」

剣を振るい引き離そうとするも刃を恐れず至近距離を攻めるオルトに上手く対応しきれていない


エミリー「…………」



1、リメロンに行かせる
2、エミリーがフレアを追う

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用


>>558採用:2、エミリーがフレアを追う


エミリー「…契約執行!我が身に人の身に余る力を!!」

エミリー「私がアイツを追う!行くぞトシヒサ!!」

トシヒサ「どうか無事でな」

リメロン「それはこっちのセリフよ!頑張んなさいよ!!」

オルト「あっ!まっ――」

リメロン「よそ見してんなッ!!」

リメロンから意識を逸らしたオルトを今度はリメロンが逃さない

無事にエミリーをフレアを追わせることに成功した


オルト「クッソ…一人見逃しちまった……」

リメロン「今回は1対1よ。絶対に負けやしないわ」

オルト「……んなこた解ってるすよ。だから!死んでもお前を食い止める!!」



※戦闘が開始されます



名前:リメロン・アスバール&ナキ=カンナギ

適応能力:7  並大抵の契約相手では体調に異常をきたさない
身体能力:8  人間レベルでトップクラスの身体能力を持つ
精神力: 9  決して屈しない強靭な心を持つ

強さ:9 永遠を司る奇跡を引き起こす


総合評価:9


1-3  失敗
4-9  成功
0    クリティカル

のコンマ表を使用



特殊能力


『契約:神(龍神)』
耐久値2倍
-補正を受け付けない
戦闘補正+2


『神通力』
相手に-3の戦闘補正
相手の戦闘判定に勝ったとき、相手の-補正の数だけ追加ダメージ
クリティカルで相手は次の判定から常に2桁コンマ判定で低い方を使用する
毎ターン相手に-補正を追加する(最大-3)
相手の戦闘判定下限突破(-の数値になる、この場合失敗扱いとする)
相手との戦闘判定差が11以上の時、勝利する


『神器:鱗』
耐久値が0の時に発動


名前:オルト&ミネア


強さ:6


1    ファンブル
2-4 失敗
5-8 成功
9   成功大
0   クリティカル

のコンマ表を使用する


【特殊能力】


『契約:獣人』
耐久値+5
戦闘補正+1、成功以上で更に+1
3回連続成功以上で相手に負傷判定を追加
有利時に更に+1
相手の逃走判定に-3


『ラストワン』
不利時に戦闘補正+2
負傷時に戦闘補正+2
判定差が5以上でなければ敗北しない
戦闘判定以外の耐久値減少では敗北しない


耐久値『リメロン』:12×2=24

耐久値『オルト』:11+5=16




直下コンマ:リメロン&ナキ戦闘判定
契約 +2


↓2コンマ:オルト&ミネア戦闘判定
契約  +1
神通力 -3


コンマ判定:6+2  成功

コンマ判定:7-2  成功


オルト成功で+1


8-(5+1)=2


16-2=14



『オルト』耐久値:14


リメロン「永遠の奇跡…『神留め』!」

言葉と共に奇跡が巻き起こる

周囲が一瞬で動きを鈍らせる

オルトの動きも落ちる雨粒さえも容易に目で捉えられる


リメロン「延滞現象…あんま得意じゃないんだよね」

ナキ「無駄口を叩いてる暇はない。主人の技量では6秒が精いっぱいだぞ」

リメロン「分かってる!」


話ながらも懐に潜り込みオルトの胸に剣を突き立てる…が

延滞の時間が想像以上に短く体を捻られ肌を切る程度に避けられた



直下コンマ:リメロン&ナキ戦闘判定
契約 +2


↓2コンマ:オルト&ミネア戦闘判定
契約  +1
神通力 -4


コンマ判定:9+2  疑似クリティカル


コンマ判定:9-3  成功


オルト成功で更に+1


10-(6-1)=3


戦闘判定勝利で追加ダメージ


14-3-4=7



『オルト』耐久値:7



『神通力』により、次回以降のフレアとオルトの戦闘判定が2桁コンマで数値が低い方を採用する


リメロン「一気に仕留めるッ!!『神風』!!」

強烈な突風が吹きあれオルトの体を建物の壁に叩きつける

リメロン「『神糸』…『神結い』…」

叩きつけられた建物壁から奇跡によって糸の様な材質に変わりオルトの体をまるで意思があるように雁字搦めに縛り上げる


リメロン「もういっちょ『神留め』!」

拘束を引きちぎられる前に時間延滞現象を引き起こす


リメロン「『神糸』の繭よ、今より神の怒りを受け入れよ!」


リメロンの持つ剣に無数の蛇が蜷局を巻き、強大な渦を巻き自らの尾を噛み一つの輪となり重なっていく

その剣を持つ右腕はいつしか白濁の巨槍と形を変える



リメロン「いざ貫け―――『神啼き』!!」



直下コンマ:リメロン&ナキ戦闘判定
契約 +2
有利 +1


↓2コンマ:オルト&ミネア戦闘判定
契約   +1
神通力  -5
不利   -1
ラストワン+2

2桁コンマで低い方を採用
 


コンマ判定:5+3 成功

コンマ判定:6-3 失敗


オルト失敗により更に-1

8-(3-1)=6


7-6=1


神通力により-補正分の追加ダメージ


1-6=-5


しかしラストワンにより戦闘判定以外の耐久値減少では敗北しない

オルト負傷(大)付与


リメロンの渾身の『神啼き』は『神留め』による時間延滞が切れる直前にオルトの肉体へと突き刺さる

オルトの腹には巨大な風穴があき真後ろの建物ごと吹き飛ばされている

更に『神啼き』による奇跡の力によってその肉体は永遠に修復できない呪いがかけられた

誰の目から見てもオルトの死は確かなものである


リメロン「……はずなんだけど…!」

オルト「…………」


足取りに力は無い

目の焦点もあっていない

血が零れ続け、決して動ける肉体ではない

体を支えることすら容易ではない状態であるはずにも拘らず、オルトは血を吹きながらも言葉を発する


オルト「……死んでも…兄貴の邪魔はさせない…!」

リメロン「あ、アンタ…どうして生きてんのよ!?」

オルト「言ったっスよね……死んでもアンタを食い止めるって……」

オルト「僕はたとえ首だけになろうとも…アンタの首に食いついてやるッ!!!」


オルトの目に熱が戻り、獣の殺意をむき出しにリメロンへと襲い掛かった





直下コンマ:リメロン&ナキ戦闘判定
契約 +2
有利 +1


↓2コンマ:オルト&ミネア戦闘判定
契約   +1
神通力  -6
不利   -1
ラストワン+4
負傷   -2

2桁コンマで低い方を採用


コンマ判定:0  クリティカル

コンマ判定:2-4 失敗(特殊)


リメロンクリティカルによって更に+3、オルト失敗によって-3



10+3-(-4-3)=20



判定差11以上によって神通力でリメロン強制勝利









リメロン「……ッ…!」


迫りくるオルトの爪を避け、体を突き飛ばす

オルトの体は肉体の反運異常を失っており異常なほど軽く、簡単に横たわった


オルト「…ハァッ…!ハァッ…!…まだ、まだ僕はやれるっスよ!」

リメロン「……『神絞め』」

起き上がろうとするオルトの四肢に地面から湧いた蛇が絡みつき、再び地面に戻って鋼鉄以上の硬度の拘束具となる


リメロン「……ねえナキ」

ナキ「余計な感傷は無用だぞ主人、この男に治療を施せば確実に我々を食い殺そうと立ち上がる」

リメロン「………そうだね。急ごうナキ、エミリーが心配」


オルトに伸ばした手を降ろし、後ろ髪を引かれながらもその場を後にした

誤字訂正

×反運異常  ○半分以上


視点変更:オルト



オルト「くっ…くっ!………はぁ…!」

ミネア「…もう止めろ。それ以上は無駄だ」

いつの間にかオルトの契約者であるミネアが、オルトの隣に立っていた


オルト「か、勝手に契約状態を解くなよ!」

ミネア「そんなこと出来るわけないだろう。導師であるお前が一番理解しているはずだ」

オルト「それじゃあどうし…て……」


言葉を言い切る前に理解した

何が起こっているのかを理解してしまった


オルト「うわあああああああああ!!!クソッ!!クソが!!!」

オルト「外れろ外れろ外れろおおおおおおおおおおおお!!!」


狂ったように叫びだし、暴れまわる

しかし奇跡の拘束は腕力などでは決して壊れやしない


ミネア「止めろ、血の無駄だ。せめて楽に死ね」

オルト「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だああああ!!!お前!見てないでこれを外せよ!!」

ミネア「見苦しいぞ。素直に死を受け入れるんだな」

オルト「嫌だ…!……いや……僕はまだ…生きていたい…!」

ミネア「ふん…結局お前には死ぬ気などなかったのではないか。その程度の覚悟で他の命を奪い続けたのか」

オルト「……僕はまだ兄貴と一緒に居たい…」

オルト「嫌だ……嫌だよ……置いて行かないで…!」


オルト「寒いよ……あにきぃ………僕を…一人にしないで…」


オルト「言ったじゃないっすか……もうあんな思いはしなくていいって…」


オルト「……折角…力を手に入れたのに…僕は………兄貴に何の恩も返せずに…」


ミネア「…………」

涙を流す気力すらも無く泣くオルトの姿を見て、ミネアは……





コンマ判定
5以上で………

直下コンマ


コンマ判定:2 見ていられない



ミネア「せめて最後くらいはと思っていたが、やはり駄目だな。私はお前が嫌いだ」

ミネア「戦士としての誇りも無く、命を掛ける覚悟も無く、死の間際まで現実を受け入れられない」

ミネア「貴様のような屑が何かを成しえられるはずが無かろう!!」


オルト「……兄貴…」


ミネア「ふんっ…貴様はあの男が居なければ生きていけないのか」

ミネア「もうこれ以上そんな醜い姿を私に見せるな!不愉快だ!!」


ミネアはオルトの首に手を掛け、骨を圧し折った

契約相手の導師の死によりミネアも消えていく


ミネア「………なんともつまらない場所だった。どこまでも…下らない」

ミネア「やはり人間と私は相容れない…か」


そう、最後に呟きミネアは観測世界から姿を消した


視点変更:エミリー



エミリー「見つけたぞッ!」

エミリーはトシヒサに担がれながらも、なんとかフレアに追いついていた

身体強化の魔法をかけていたが荷物を背負うトシヒサよりも早くなかった

トシヒサと同等以上の速度を出せていたスマイルほど、使いこなせていないのだとエミリーは予測していた

そこで勘違いしていたのだ『この男はスマイルより弱い』と


フレアはアッサリと立ち止り、エミリーと正面から向かい合う


フレア「…一人か?」

エミリー「そいつを返してもらうぞ」

フレア「……舐められたもんだな。が、丁度いい…新しい契約者の性能テストをさせてもらおう」




※戦闘が開始されます


名前:エミリー&ミナカミ・トシヒサ



強さ:7



1    ファンブル
2-4 失敗
6-8 成功
9   成功・大
0   クリティカル


【特殊能力】


『契約』
『導師』と『契約者』の耐久値を別々に換算する
契約者の耐久値+5
戦闘判定+2、成功以上で更に+1
負傷判定の-補正を受けない
逃走判定+3
二人分の人数補正が付く


『生贄』
捧げた生贄によって性能が変化する
現在の状態『分離契約』
これにより左目と右腕の生贄の-補正を追加
戦闘判定-1、失敗で更に-1

名前:フレア&グラン・レイ・キングダム&『狂乱の破壊者』


強さ:7


1    ファンブル
2-4  失敗
5-7  成功
8,9  成功大
0    クリティカル

のコンマ表を使用する


【特殊能力】


『契約:英雄』
耐久値+8
戦闘補正+1、成功以上で更に+2
-補正を2まで無効とする
有利判定時更に+1の補正
不利時、一度だけもう一度判定ができる
逃走判定+2


『アマサカノホコ』
成功大以上で戦闘判定勝利時、コンマ判定÷3の追加ダメージ



『契約(不完全):怪物』
耐久値+3
戦闘判定での失敗の-補正を消滅
成功大以上の+補正を更に+1
ファンブルを一度だけ降り直し
次回クリティカル時、次回相手の判定にだけ-5の補正



『二重契約』
3ターン毎に戦闘判定-2の補正がかかる


※エミリー&トシヒサは常にトシヒサがダメージを受けます





耐久値『トシヒサ』:15+5=20
耐久値『エミリー』:10


耐久値『フレア』:11+8+3=22



5ターン経過でエミリー到着




直下コンマ:エミリー&トシヒサ
戦闘判定 +2
人数補正 +1
生贄   -1


↓2コンマ:フレア&グラン&エリック
戦闘判定 +1
人数補正 -1(無効)


コンマ判定:9+2  疑似クリティカル

コンマ判定:9+1  疑似クリティカル



同コンマ判定


6以上でエミリー有利
5以下でフレア有利

直下コンマ




コンマ判定:5 フレア有利


今日の更新はここまでです

お付き合いいただきありがとうございました


ぐおおおお…終盤でもうすぐ終わりそうなのに体調の波が酷くて更新する時間が取れない……

今日は更新お休みです

明日は更新できると思います


案の定風邪をひいて熱を出してしまうという大失態

しか~し!!更新再開です!!

熱なんて知るか馬鹿!!私は更新がしたいんだ!!!

体調次第でいつもより短い更新時間かもしれませんがご容赦ください


フレア「分離状態での契約か、随分と手間のかかることをしてるんだな」

フレア「そんなことをして意味があるのか?」

トシヒサ「俺の体でエミリーを守れるという意味がある」

トシヒサはエミリーの前に立ち一歩も引かずにフレアの攻撃を受け切る

しかし、新たに右腕を生贄にした影響でトシヒサは動きに粗が出来ている

その一方でフレアもまた二重契約の影響で本来なら圧倒できるはずのトシヒサに攻めあぐねていた


フレア「チッ……やはり簡易契約では駄目だな」

フレア「生贄を追加だ!両目を持って行け!!」


一度目を閉じて再び開いたフレアの目にはエリックの緑色の瞳が宿っていた




【特殊能力変化】


『契約(不完全):怪物』
耐久値+3
戦闘判定での失敗の-補正を消滅
成功大以上の+補正を更に+1
ファンブルを一度だけ降り直し
自力クリティカル時、次回相手の判定にだけ-5の補正
コンマ値の上限突破


直下コンマ:エミリー&トシヒサ
戦闘判定 +2
人数補正 +1
生贄   -1
不利   -1


↓2コンマ:フレア&グラン&エリック
戦闘判定 +1
人数補正 -1(無効)
有利    +2


コンマ判定:3+1 失敗

コンマ判定:3+3 成功


トシヒサ失敗で更に-1フレア成功で+2


4-1-(6+2)=-5


20-5=15


『トシヒサ』耐久値:15


フレア「…おお!…これが魔力って奴か…!」

全身からエリックの青色の魔力が迸る

感覚の赴くままに魔力を込めて暴力を振るう


トシヒサ「…ッ!」

フレア「初めて汗をかいたな?魔法って奴を初めて使ってみたがコイツはすげえ」

フレア「ほら、いつまでそこの小娘に気を使ってやがる。勝つ気はないのか?」

エミリー「言わせておけばッ!」

トシヒサ「来るなッ!!」


大粒の汗をかきながらトシヒサはエミリーの行動を制止する


トシヒサ「そこで見ていろ、直ぐに終わる」




直下コンマ:エミリー&トシヒサ
戦闘判定 +2
人数補正 +1
生贄   -1
不利   -1


↓2コンマ:フレア&グラン&エリック
戦闘判定 +1
人数補正 -1(無効)
有利    +2


コンマ判定:3+1  失敗


コンマ判定:5+3 成功大



トシヒサ失敗で更に-1、フレア成功大で更に+5


4-1-(8+5)=10


15-10=5



トシヒサ『耐久値』:5



フレア「直ぐに終わるってーのはこういう事かッ!!」

魔力を纏った拳の一撃がトシヒサのガードの上から叩きつぶす

身長190はあろうかという筋骨隆々の大男の太い腕が粉々に砕け、潰れたトマトのように中身を噴き出す


エミリー「トシヒサッ!!」

トシヒサ「そこで見ていろと言っただろう…問題ない…あと少しだ」

フレア「お前が死ぬまでの時間か?」

トシヒサ「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

トシヒサ「俺ではお前には勝てない、だが俺の死が俺の敗北ではない」

フレア「面白ぇじゃねえか!なら、守り切ってみろよその腕で!!」





直下コンマ:エミリー&トシヒサ
戦闘判定 +2
人数補正 +1
生贄   -1
不利   -1


↓2コンマ:フレア&グラン&エリック
戦闘判定 +1
人数補正 -1(無効)
有利    +2


コンマ判定:7+1 成功


コンマ判定:5+3 成功大


トシヒサ成功で+1、フレア成功大で+5


8+1-(8+5)=4


5-4=1


『トシヒサ』耐久値:1




フレア「……それでそいつを守っているつもりか?」

トシヒサは全身の骨を砕かれ、肉体の欠損箇所を増やしながらも仁王立ちでフレアの前に立ちはだかっていた


トシヒサ「…お前は一つ…勘違いをしているな」

トシヒサ「俺はエミリーを守るためにここに立っている。だが、俺ではエミリーを守れない」

トシヒサ「俺は善良な一般人だからな…殴られれば痛いし、骨が折れて血が出れば泣きたくなる」

トシヒサ「導師のように能力も力も持っていない」

トシヒサ「だから……俺に出来るのはここまでだ…」

トシヒサ「真のヒーローは、少し遅れてやってくるのさ」

そう呟き、トシヒサはその巨体を倒す

前のめりに倒れるその体にフレアはとどめを刺そうとしたその瞬間


足元から白い鱗の蛇が無数に出現する

間一髪でフレアはとび上がり大きく後ろに退いた


白い無数の蛇は倒れるトシヒサの体を支え、優しく地面に降ろした


「あ~あ~寝れば治るからって無茶しちゃって……どんだけ我慢強いのよトッシーは」

「でも、そのおかげで間に合ったんだけどね」


フレアは舌打ちをしながら憎々しげに上を見上げる

屋根の上から飛び降りた人影はマントを翻しエミリーとフレアの前に降り立つ


その右腕には永遠の神

左右で色の違う髪の毛は神と同化をした証

その姿は少し歪、しかし誰よりも頼りになる騎士の姿であった


リメロン「少し遅れたわね。決着をつけに来たよ『ギルド』のフレア」

フレア「……オルトはどうした?」

リメロン「…片付けたわ。私の手でね」

フレア「そうか………一つ、話をしないか?」


そう言ったフレアはリメロンと向き合いながら煙草に火をつけた


途中まで書いてたんですが体調が悪化しました

『そらそうだわ』としか言えませんが、今日の更新はここまでにさせてください


風邪が治った時に更新再開します


非常に短いですが、お付き合いいただきありがとうございました


今日は体調バッチリです!!

再開ですよ!!!

視点変更:ロフ・グリン






とある町の外れの潰れた酒場の前

二つの人影がロフの前に立ちはだかった

一つは姿のつかめぬ不気味な仮面

一つは大きな布で体系を隠す暗殺者


クー「…ここから先にはいかせない」

ロフ「なら、殺すまでだ。昨日の俺と思うなよ」

クー「…随分怖い顔、その奇妙な蟲……もしかして二重契約?」

クー「あの女神と満足な契約も結べていないのに死ぬ気なの?」

ロフ「とうに命など俺の女神に捧げている。身を裂く苦痛などエールの傍に居られない恐怖に比べれば苦痛の内に入らない」

クー「狂ってるわ」

ロフ「人は皆どこかしら狂っている、ただそれを異常と認めたくないだけだ」

クー「……クスッ…その通りかもしれない」


暗殺者の少女は自分でも驚くほど、自然な笑みが零れた


クー「…来る途中にシュウとオルトと会わなかった?」

ロフ「一人は殺した。一人は逃げられた。仲間を呼んでくると言っていたな」

ロフ「何人来ようが関係ない、俺は俺の女神を取り戻すためなら何でもする」

クー「……そう、殺したの」

クー「………ねえ人を殺すってどんな気分?」

ロフ「何とも思わない、俺にとっては『美』こそが全てだ。それ以外は滅んでもいい」

クー「…私も同じ。私もお父様意外は全て滅んでもいいと思ってる」

クー「ねえマスク、アナタはどう?」


暗殺者の質問に仮面はくつくつ喉を鳴らして笑う


マスク「死も殺人も眼中にない」

マスク「誰もがそうだ、『殺す』という結果を望んで人を殺すことはない」

マスク「『殺したその先』に欲しい物があっただけ」

マスク「青年は『自分の意味』が、少女は『自分の意義』が殺したその先に待っていた」


マスク「ならばそう、人を殺したその時の想いは――」


マスク「『歓喜の涙』であるべきだ」


仮面はくつくつくつと肩を震わせて大いに笑う


マスク「今宵二人は死を分かち生を分かつ」

マスク「どちらが死んでも結果は同じ」


マスク「ここはまだ道の途中だ」



クー「…珍しく、意味の分かる事を言うのね」

クー「そうね、その通り。私が望むのはお父様の悲願の達成」

クー「それを邪魔する石ころを私が掃除しておくだけ」


クー「契約執行……貴方の顔、この奇人マスクが頂いていく」


ロフ「待たせたなシキミ、さあ踊ろうか」




※戦闘が開始されます


名前:ロフ・グリン


強さ:8



1-4  失敗
6-9  成功
0    クリティカル



【特殊能力】



『契約:神』
今回は使用できない


『契約:怪物』
判定差に勝つ度に相手に負傷付与
相手の負傷による-判定が合計7以上で勝利


『身体能力』
耐久値+5
戦闘判定+2、成功以上で更に+1
負傷の-補正を受け付けない
逃走及び追撃判定+3
戦闘終了後、一日経過で負傷を回復


名前:クー&マスク



強さ:6



1    ファンブル
2-4  失敗
5-9  成功
0    クリティカル

のコンマ表を使用



【特殊能力】


『契約:人間(特殊)』
耐久値+4
戦闘判定+1
合計2までの-補正を無効
戦闘判定+1
状況不利にならない
敗北を一度だけ無効にして逃走判定に移行できる



『暗殺術』
クリティカル時+3の追加補正
クリティカルで判定に勝ったとき、相手に確定で負傷を追加
ゾロ目で毎回暗殺判定を追加


耐久値『ロフ』:15+5=20

耐久値『クー』:12+4=16




直下コンマ:ロフ&シキミ戦闘判定
身体能力 +2


↓2コンマ:クー&マスク戦闘判定
契約 +1


コンマ判定:2+2 失敗


コンマ判定:5+1 成功


ロフ失敗により更に-1


4-1-6=-3



20-3=17


『ロフ』耐久値:17


先手を打ったのはクーの方であった

二重契約によって姿の変わっている相手を警戒しての牽制の一撃

ナイフを投げ、様子を見た


ロフ「………」


紙一重でナイフを避けたかのように見えたロフ、しかしナイフは深く頬を抉り血を滲ませる


クー(どういうこと?これくらいなら昨日は避けられた)

クー(昨日の毒が残っているのか…それとも……)


クー「その二重契約が想像以上に重荷?」

ロフ「かもしれないな、シキミはか弱い乙女なのだから」

ロフの言葉に顔を顰めながらも間合いを深くとって違う暗器に手を掛けた




直下コンマ:ロフ&シキミ戦闘判定
身体能力 +2


↓2コンマ:クー&マスク戦闘判定
契約 +1


コンマ判定:5+2  成功


コンマ判定:5+1  成功


ロフ成功以上で更に+1



7+1-6=2


16-2=14


『クー』耐久値:14


クー負傷


クーが手に握ったのは昨日ロフを屠った毒ナイフ

呼吸を読み、息を合わせてナイフを放つ

が――


ロフ「ふっ!」


一息で間を詰めナイフを放とうとした腕を掴んで握り折る

激痛でナイフを手放しながらも肉体を変形させ、甲殻類のように折られた腕を放棄する

それとほぼ同時に腰の辺りから新たな腕を創りだし自然落下するナイフを掴み、ロフの脇腹に向けて差し込む

肉を突き破る感覚、しかしそこで勝利を確信していたのはクーではなくロフであった


ロフ「そう来ると思っていた」

腹筋に力を込めナイフを引き抜けないように固定する

そのナイフを抜こうとして無理だと判断できるまでのコンマ数秒

そのほんの数秒の瞬間にロフの全身に蜷局を巻いていたシキミがクーの喉元に食いついた




直下コンマ:ロフ&シキミ戦闘判定
身体能力 +2


↓2コンマ:クー&マスク戦闘判定
契約 +1
負傷 -1(無効)


コンマ判定:1+2 失敗


コンマ判定:6+1 成功


ロフ失敗で更に-1


3-1-7=5


17-5=12


『ロフ』耐久値:12


クー「くぅっ!」


そのシキミの行動に気付けたクーはシキミの牙を喉に掠めながらも、首を180℃仰け反らせ回避する

その仰け反った勢いで大きく飛びのき体勢を整える

クーがシキミの牙に触れた個所に触れる、その場所は黒く変色し感覚が死んでいた


クー「…毒か。昨日の仕返し?」

ロフ「勘違いするな、もともとこれが俺の戦い方だった」

ロフは歯を剥き出しにし笑いながらも、大粒の汗をかいていた
震える手で毒のナイフを引き抜く

シキミ「ロフ様!大丈夫ですか!?」

ロフ「平気だシキミ。解毒に専念してくれ」

シキミ「ですが二重契約の影響でロフ様の体が強烈な拒否反応を!」

ロフ「平気だと言っている。こんな痛みたいした問題じゃない」


クーはロフとシキミの会話で状況を冷静に分析する


クー(…毒対策も万全のつもりだったけど、どうやら予想外に二重契約の苦痛が激しい様子)

クー(……ならそれを利用しない手はない。時間をかけて甚振り殺す)


クーはまだ気づいていない、自らの体内に巡る『壊死毒』の恐ろしさを




直下コンマ:ロフ&シキミ戦闘判定
身体能力 +2


↓2コンマ:クー&マスク戦闘判定
契約 +1
負傷 -2(無効)


コンマ判定:3+2 成功


コンマ判定:0  クリティカル


ロフ成功以上で更に+1、クークリティカルで+6



5+1-(10+6)=-10


12-10=2


『ロフ』耐久値:2



ロフ状況不利


ロフ「…くぅ…はぁ……ハァ…!」


ロフの視界が歪む

体を芯から溶かそうとする毒と、それに対抗しようとする抗毒素による身を引き裂く激痛

体温はゆうに40を超え、脳を沸騰させ思考を破壊していた


ロフ(…クソッ…視界が定まらない……)

ロフ(あともう少し耐えられれば相手にも毒が回る…)

ロフ(だが……その前に俺が堕ちてしまいそうだ…)


ふらつく足元、ふと上を見上げる

頭上には今にも振り下ろされようとしている死神の鎌を視界にとらえた




直下コンマ:ロフ&シキミ戦闘判定
身体能力 +2
不利   -1


↓2コンマ:クー&マスク戦闘判定
契約 +1
負傷 -3
有利 +1


コンマ判定:6+1 成功

コンマ判定:6-1 成功


ロフ成功以上で更に+1


7+1-5=3


14-3=11


『クー』耐久値:11


苦し紛れの体当たり

普段のクーならば造作も無く捌けた筈の攻撃

しかし、クーの体は油を差し忘れたカラクリ人形のように体が思うように動かなかった


受け身すらも上手く取れず困惑しながら距離をとる

幸いながらこれを好機に責め立てるほどの余裕はロフの側には無かった


クーは衣服を脱ぎ、体を変形させて体内を開く


クー「…ッ!?」


体内は異常な変化を遂げていた

喉元から入り込んだ少量の毒の滴が体内を巡り、体内の節々を『錆』のように浸食していた

何より恐ろしいのは痛みが無かったことだった




直下コンマ:ロフ&シキミ戦闘判定
身体能力 +2
不利   -1


↓2コンマ:クー&マスク戦闘判定
契約 +1
負傷 -4
有利 +1


コンマ判定:2+1 失敗

コンマ判定:1   ファンブル

両者失敗により耐久値変動なし


ロフの判定がクーの判定を上回ったため、クーの負傷進行


状況リセット


クー「…くっ!」


クーは慌てて肉体をそぎ落とし新たに生成していく

しかし、その浸食範囲はあまりにも大きくそぎ落とす端から新たに毒に侵されていく

その間にロフは何とか解毒を終え、体を少し休ませていた


ロフ「毒というのは恐ろしいな」

ロフ「生物であるなら種族の境目など関係なく破壊する」

ロフ「お前のような奇人であれ、毒は致命傷になりうるのだな」


ロフ「待たせたな、第2ラウンドだ。ここから先は相手の攻撃を先に受けた方が負ける」

クー「…ッ!…お前を殺してから後で体を精密に入れ替える、だから早く死ね!」


クーは肉体を閉じ解毒を後回しにしロフを殺すことを優先した




直下コンマ:ロフ&シキミ戦闘判定
身体能力 +2



↓2コンマ:クー&マスク戦闘判定
契約 +1
負傷 -5


コンマ判定:8+2  疑似クリティカル


コンマ判定:4-4  失敗


ロフ疑似クリティカルにより更に+3、クー失敗により更に-1


10+3-(1-1)=13


11-13=-2



ロフ勝利


ロフ「焦ったな暗殺者。俺の勝ちだ」

変幻自在に体を変化させ軌道を読ませないようでいて、確実に一撃で仕留めようとする意志

つまりは殺意をロフは感じ取っていた

クーの狙った場所は喉

そしてクーの狙っていたロフの喉には怪蟲の体が巻き付いていた

シキミの外骨格がナイフを弾きそれにカウンター気味に合わせた掌底がクーの鳩尾を叩いた


紙屑のように宙を舞いクーの体は吹き飛ぶ

肉体を変形させるまでも無く体内をぶちまけたその姿は、もう助からないと確信させるには十分であった


ひゅうひゅうと擦れた風を通す音がする

仰向けに倒れるクーの体が痙攣している

長年シキミと契約していたロフには、クーが何をしているのかが分かった


必死に体を起こそうとしていたのだ


しかし、シキミの壊死毒により痛みも感覚さえも消えていた

クーはやけにハッキリとした視界の中、ただ意識だけが遠のいていく



ロフ「……思ったより苦戦したな……だが…ここで立ち止まってはいられない」

ロフ「急ごうか、シキミ」

シキミ「……そう…ですね。そろそろお別れも近いのでございまするか?」

ロフ「………そうなるな」


寂しげに二人は言葉を交わし、エールの居る先へと進んだ


視点変更:クー



ひゅうひゅうと喉が鳴る

こふっこふっと小さく咽た


クー「あ……あー……あー…」


何とか声も出るようになった

ただ、指一本も動かせなかった

ピクリともしない瞼

本来それに隠される眼球がずっと世界を見つめている

その世界に笑う道化の仮面がポツリと浮かんでいた

契約状態が解除され、もうすぐ死ぬんだと理解した


クー「……アナタは誰?」


私は何時かの様に目の前に仮面に問うた



マスク「僕は僕。貌の無い仮面。笑う顔無し」

マスク「そう言う君は誰?」

クー「私は……私は……」


誰だっけ?

小さいころからお父さんらしき人やお母さんらしき人から『クー』と呼ばれていた

それが居なくなってから、ギルドに来てからも『クー』と呼ばれていた

パウエルお父様に引き取られてから、フレアさんに人の殺し方と導師としての知識と技術を貰った

そして初めての契約でこの仮面を異世界から招いた

名前が無いと面倒だからと、私が『マスク』と呼び始めたんだ


今から振り返れば私は流されるままに生きてきた

生まれた家は、貧しい農家だった

皆が頑張っているから、私も頑張って農作業を手伝った

村が飢饉に襲われたとき、家族みんなが自分たちの分も食べてと私だけに食べ物をくれた

だから、私だけがあの村で生き残った

それからパウエルお父様に拾われて、養子に迎え入れられた

『もうこんな悲劇を繰り返させない』とお父様が言うからそれに協力してあげようと思った

お父様が必要だというから暗殺術と導師の技術を学んだ

ずっとずっと、周りに流されてそれを受け入れて生きてきた


だからかな、今にも死が迫ってきているのに『ああ、そうか』と納得してしまうのは


眼球を乾かすまいと涙腺から涙があふれた

気とこれはただの生理現象で、感情の高ぶりなんかじゃないだろう


ずっとずっと、流されるままに生きてきた

どうせ今から死ぬんだから、自分から何かをしてみようか?


クー「…ねえ……マスク……私、何をすればいいかな?」


その自分の言葉にハッとする

自分から何かをするために何をすればいいのか人に聞いてしまった

滑稽すぎて笑えてきた

上手く笑えないけれど


マスク「クスクスクス……何でもすればいい、出来る限り協力してあげる」

クー「………それじゃあ…」



1、「アナタの素顔を見せて」
2、「生きたい」
3、「……キス…とか?」
4、自由安価

安価↓3の中で最も2桁コンマの数値が高いものを採用

1


>>657採用:1



色々としてみたいと考えていたことはあったような気がする

暗殺のターゲットの下調べで街を歩いたときに、美味しそうな食べ物はいっぱいあった気がする

本で見たような綺麗な服を着てみたいと思ったこともある気がする

恋愛?なるものを経験してみたいと思ったこともあった気がする

でも、どれもこれもまあいいかで片付けてきたものばかりだ

どれもこれもお父様に頼まれた仕事の方が大事だったように思う

だけど、そんな仕事の中でもずっと思っていたことがあった



クー「…アナタの素顔を見せて」

マスク「………」

クー「最後くらい、見せても罰は当たらないんじゃない?」

マスク「…クスクスクス……誰にも言っちゃダメだよ?」


そう言って、マスクは仮面を取った


マスクの仮面の下の素顔は、自分のよく知る顔だった


クー「……私の顔じゃなくて、アナタの素顔を見せて」

マスク「クスクスクス……君には君の顔に見える」

マスク「私は君。僕は僕。俺は顔の無い仮面。仮面の下には無貌の仮面が張り付いている」


まただ、また意味の分からない言葉で逃げられそうになる

それは嫌だ

ここまで来たら、なんとしてでもその素顔を暴いてやりたい気持ちになった


クー「……仮面……顔の無い仮面……仮面の下もまた仮面」

自分で羅列してみてもサッパリわからない

その私の様子を見てマスクは楽しそうに肩を震わせる


マスク「クスクスクス……たくさんの顔を奪ってきた、アナタも君もお前も貴様も」

マスク「僕には君は君に見える。君には僕が君に見える」

クー「…………」



コンマ判定
5以上で閃き

直下コンマ


コンマ判定:7  閃く


クー「………『鏡』」

ポツリと口をついた言葉

『鏡』には私は私にしか見えないし、私には『鏡』は私にしか見えない

自分でも驚きそうになるくらいの閃きだった

…でも顔を奪うだけが良く分からない


マスク「クスクスクス……半分当たりで半分不正解」

クー「……そう、でもなんだかスッキリした」


心に爽やかな風が通り抜けるのを感じた

視界が白んでいき、風景が霞んでいく

音も感覚も何もかもが希薄になっていく

薄れゆく意識の中、視界の顔が自分に近づく


マスク「……だから、これで最後だ」

マスク「さようなら、クー。お疲れ様」


聞いたことのないけれど、どこか安心する男の人の声が耳元で囁く


マスク「僕の名前は――――――」

耳元で小さく囁かれる

なんだ、名前があるのならさっさと名乗れば楽だったのに

最後の最後、そう思いながらも自然に口の端が歪んだ


マスク「君の顔、頂いていくよ」


マスクの両の掌が自分の頬を包み込み

そこで意識を手放した



今日の更新はここまでです

ロフがまた負けるんじゃないだろうかと冷や冷やしていましたがなんとかなって良かったです


クーは過去作を含めた募集キャラの中でもトップクラスにお気に入りです

死んでしまいましたが、とても楽しく書かせてもらいました

本当にありがとうございました!!


それではまた、お付き合いいただきありがとうございました


今日も更新お休みです

明日は更新再開できそうです


遅くなりましたがそろそろ再開です


視点変更:リメロン・アスバール



目の前の男、フレアが戦闘の構えを解き突然煙草に火をつけ始めた

雨が降っているせいか何本かマッチを無駄にしてしまっていた

深く長い煙を吐き、漸く二言目を発した


フレア「言い忘れてた、俺が話したいのはそこの騎士様だけだ。お前はもう帰っていいぞ」

エミリー「…は、はあ!?そこのガキを返してもらうまで帰れるわけないだろ!!」

フレア「お前一人で何ができる。ただでさえ相方の枷にしかなっていない、なりそこないの導師だろうが」

リメロン「……悪いけど私からもお願いするわ。戦いになった時足手まといが居ると困るから」

エミリー「あ、アンタまで……!」


エミリーは悔しそうに唇を噛みきつく目を瞑ると、やがて決心をしたように倒れるトシヒサを担ぎ起こす

右手にしか契約の力が及んでいないせいか、トシヒサを引きずる形になっている


リメロン「キツイ事言ってごめんね。心配しないでこの私が責任を以てこの事件を終わらせて、そこで寝てる女の子も連れて帰るから」

エミリー「………私は…どこまでも…クソッ……」


遅い足取りで背中を見せて歩いていくエミリーにフレアは何かをする様子はなかった

どうやら本当に話をつもりのようだ


リメロン「……アンタ、エミリーを逃がしてもよかったの?」

フレア「別に構わない。アイツではどうせ何もできないだろうからな。それに、これからする話には貴族以外の人間が居るとちと不公平だと思ってな」

リメロン「……で、話って何?」

フレア「一言でいえば『和平』の願い出だ」

リメロン「はあ!?こ、ここまで来てアンタ何言ってるの!?」

フレア「真面目な話だ。正直に言ってお前は強い、下手をすればお前だけで俺達組織が潰されかねない」

フレア「だからこその『和平』だ。勿論タダでとは言わねーよ」


フレア「お前には俺達がこれから起こそうとしていることについて話しておきたい。その上で判断するといい」



リメロン「………どうしようナキ?」


リメロンは怪訝な顔つきで眉を顰め、ナキに小さな声で相談を始めた



ナキ「今までと打って変わって嫌に理性的な態度だ。が、しかし奴らの起こそうとしていることに興味はある」

リメロン「でもこれただの時間稼ぎかも」

ナキ「あるやもしれん。だが、結局はそこで気絶している『シンデレラ』なる少女が居なければ奴らの目的は果たせないのだろう?」

ナキ「実は良い奴らという戦も0ではない、聞いてみてはどうだ?」

リメロン「良い奴らってことはあり得ないと思うけど……でも、そうだね聞くだけ聞いてみようかな」


フレア「話は纏まったかよ?」

リメロン「…ええ、聞くだけ聞いてあげる。さっさと話しなさい」

フレア「ありがとよ騎士様。それじゃあ話そう、我々の目的を」


フレア「俺達ギルド…正確には『パウエル・ヴィエッタ』を中心としたギルドメンバーはある目的を以て行動をしてきた」

フレア「元々『ギルド』って組織は図書館襲って知識を得て、『神』と契約をしようって言う集団だ。その理由は……」

リメロン「もう知っているわ。複数の神の奇跡を用いての『世界改変』及び『世界征服』なんかが望みなんでしょ?」

フレア「そうか、そんだけ知ってるなら前置きはいらねーな」




フレア「我々パウエル派のギルドは『平等』の世界を作ることが目的だ」



リメロン「平等の世界…ねえ、随分胡散臭いこと言うじゃない。悪徳宗教の常套文句ね」

フレア「では聞くが、お前はこの家系至上主義の超格差社会をいいと思っているのか?」

リメロン「……それは……う~ん……悪くもあるし良くもある気がするけど」


フレア「この世界は本来『観測者世界』と呼ばれる情報中心の社会だ」

フレア「だというのに情報という情報を図書館に押し込め、それらの知識を貴族にしか与えない」

リメロン「べ、別に一般人だって図書館の立ち入りは禁止されていないじゃない」

フレア「この町もそうだが、多くの場所で一般市民には算術以外の学問を教えていない。そもそも文字をまともに読めない一般人ばかりだ」

フレア「それは何故か、全てその土地を治政する貴族がそう決めたからだ。教養を得るには多額の財が必要となる」

フレア「禁止していないと言いながら、貴族以外の多くの市民から情報を取り上げている」

フレア「それ以外にもこの『観測者世界』特有の力『契約』に関してもそうだ」

フレア「本当は少しの素養と、知識と技術を学べば誰にでも扱える契約の力を貴族だけが独占している」

リメロン「…それは『契約』の力は強力すぎるから、どこかで制限を掛けて置かなければ大きな混乱を生むはず」

フレア「ふん、貴族は皆そう建前を言うな。本音はこうだ『自分が優位に立ちたい』ただそれだけだ」


フレア「それだけではない、市民には武器の開発さらには兵器の開発すら固く禁じられている」

フレア「それも当然貴族だけが強くありたいからだ」

フレア「お前はおかしいと思わないのか?間違っているとは思わないか?」


フレア「俺は思った、間違っていると。だから貴族という自分の地位を投げ捨てこのギルドに身を置いた」



フレア「俺は……我々はこの世界の本来あるべき姿を取り戻すことが目的だ」

フレア「革命を起こす。この貴族中心の腐った制度の全てを破壊し、世界の真実を白日の下に晒す」

フレア「そして、貴族だから平民だからではなく誰でも契約の力を使える世界に書き換える」

フレア「異世界の力に溢れたこの世界は、もっともっと遥か高みへと上り詰められるだろうさ」

フレア「どうだ、お前もそんな世界が良いとは思わないか?」

リメロン「………」


リメロンは頭の中でフレアの言葉を反復し吟味する



リメロン(アイツの言っていることのほぼ全てが本当の事だ)

リメロン(貴族が知識を独占するために『教養を得ること』に制限を設け、貴族が力を示すために『契約の力』を独占している)

リメロン(この世界中に住む1割ほどしかいない貴族だけが『観測者世界』の恩恵を受けている)

リメロン(貴族も平民も誰もが皆『そういうものだから』と目を逸らし続けてきた問題)

リメロン(貴族は今の自分の地位を手放したくないから、平民は自分では無理だと納得しておきたいから、お互いが自分を守るために目を逸らし続けてきた問題)

リメロン(それをアイツらは破壊しようとしている)


リメロン(一見、アイツのいう事は人々を想う正義の思想のようにも思える)

リメロン(けれど、本当にそれが正しいのかな?)

リメロン(世界は平和だ、何処を見渡してもちょっとした諍いはあっても戦争はここ100年ほど起きていない)

リメロン(それは一重に私達貴族の治政のおかげに他ならない)

リメロン(私達貴族にだってルールはある、導師による犯罪行為は厳罰に処断されるし、そんな悪から人々を守るために騎士が居る)

リメロン(誰もが同じ力を持っているから誰もが平等、そんな単純な話じゃない)

リメロン(私みたいに貧乏貴族が居るように、貴族の間にも導師の間にすら『格差』はあるんだ)

リメロン(それをこの男は理解しているのだろうか?)


リメロン「…質問があるわ」

フレア「なんだ?」

リメロン「これから話すことは多分、貴族贔屓の考え方と捉え方だと思う」

リメロン「私は生まれてからずっと貴族で導師だったからね、それ以外の視点で考えろという方が無理な話」

リメロン「だけど、アナタは平等を以てそれを成そうとしているんだから、こっちの話にも耳を傾けてくれるわよね?」

フレア「貴族の詭弁なんか聞き飽きたんだが……今は和平交渉中、平等にそっちの意見も聞こうか」


フレアは二本目の煙草に火をつけ、リメロンの話に耳を傾けた


リメロン「現在の格差の世界。不平等ではあるけど公平ではあると思っているわ」

リメロン「貴族はありとあらゆる異世界の情報を経て、長い年月をかけて規律を作り秩序を以てこの世界を平和に治めることに成功している」

リメロン「今の階級の制度を廃止して、世界はどうなると思っているの?」

フレア「大混乱が起こるだろうな」

リメロン「…それは、分かっているのね。それで、どうやってこの世界を平和に治めるつもりなの?」

フレア「『シンデレラ』……と言うべきなんだろうが、そんなことに興味はない」

リメロン「は?」

フレア「この世界に革命を起こす張本人であり、神と契約をした『シンデレラ』こそ新たな世界の頂点に相応しいとは思うが、俺自身はそんなもの必要ないと思っている」

フレア「大混乱が起き、契約の力を以て誰かが律しようと躍起になるだろう。この革命は多くの争いの火種となる」

フレア「そんで、その争いに勝った者達がなんとか新たに国でも作って頑張るだろうさ」

リメロン「……あ、アンタ…自分の言ってること分かってる?平等とは程遠い今以上の格差の世界の実力至上主義の世界になるって事じゃない」

フレア「俺はそう言ってんだよ」

リメロン「あ、アンタねぇ…さっきまで平等の世界にするって言ってたでしょーが!」

フレア「言ったさ。不当な格差を破壊して平等の世界にするんだよ。誰もが力を得られ、本当に強き者だけが生き残れる世界だ」

リメロン「……それが、アンタの言う平等の世界って事?」

フレア「…………俺はそう思っている。いや、そうなることを願ってるって感じだ」

フレア「うちの御大のパウエル・ヴィエッタは今の平和のまま、異世界の力に溢れる素晴らしい世界になると本気で信じているがな」

リメロン「……アンタんとこも、一枚岩じゃないって事か」


ナキ「……しかし解せぬな、先ほどまでの建前の平等を語ればよかったモノを何故和平交渉の場でそのようなことを話しはじめた?」

フレア「そこの騎士様は頭が良い。俺達が起こそうとしている革命の裏に大きな歪みが生じることを一発で見破りやがった」

フレア「だから俺にその矛盾と歪みを突きつけるためにそっちから話を振って来たんだろう?質問の内容もそのまんま誘ってるのが見え見えだ」

フレア「だから……有体に言えば面倒くさくなったんだよ」

フレア「嘘をつくのは疲れるからな、真に平和で平等な世界なんてお花畑な思想…反吐が出る」

フレア「そんなアホな事を俺が思っていると思われる方が耐えられなかった」

フレア「俺は導師でもねーくせに権力を立てに持つ偉そうな雑魚の無能が、人々の上に立っているという事実がこの世の何より許せないからこの革命の計画に乗ったんだ」

フレア「……それと、そうだな…その騎士様は強い。多分俺よりも」

フレア「だからこそ、パウエル・ヴィエッタの平和思想じゃなく俺の実力主義の思想の方が説得しやすそうだと希望を持って話したんだが……どちらにせよ無駄だったようだな」

はぁ…と額に手を当て疲れたようにリメロンがため息を吐く

リメロン「…アンタが本当にアレで平等が成り立つなんて考えてるようだから根こそぎ論破してやろーと思ったのに、全部無駄になっちゃったわね」

フレア「そいつは良かった。俺は我慢弱いからな、和平なんか忘れて食って掛かってただろうさ」


フレアは先ほどまでの取り繕っていた雰囲気が取り払われ、皮肉っぽく自然に笑った


いつ契約状態を解除したのかフレアの隣には契約者と思われる髭面の大男が立っていた


グラン「おいおいお前さん、折角の交渉の場だろうが。勿体ない事をするな」

フレア「知ってんだろ、俺はこういう手回しとか回りくどいのは嫌いなんだよ」

グラン「やれやれ……お前さんの様な中途半端に忠実で中途半端に頭が良い行動力のある部下が一番困るわ!」

グラン「もしもお前さんが俺の部下だったら即殺しておったわ!!」

グラン「ククククク…だがしかし、お前さんはやはり面白いな。三下小悪党の癖に行動が真っ直ぐで憎み切れん」

フレア「だ~れが三下だ」

グラン「小悪党であることは否定せんのだな」

フレア「事実だから否定できないんだよ」

グラン「クハハハハ!そうだろうさ、お前さんは色々考えてるようでいてその実何も考えていない」

グラン「知略を巡らせる悪党ではなく、他人を利用し蜜を吸う小悪党の名が相応しいわ!」

フレア「俺はただ平和に飽き飽きしてんだよ。この世界でグズグズに腐っていくくらいなら暴力を以て死に望みたい」

グラン「そのようなことを口にするな、生粋の武人でもあるまいに。折角の小悪党が台無しだぞ?」

フレア「…ったく…言いたい放題言ってくれるぜ…」


そう言ってフレアは二本目の煙草を地面に落とし、踏みつぶした


フレア「そんで?こんなんなっちまったが、一応返答を聞いておくぜ」

フレア「俺達の革命に手を貸す気はないか?」

リメロン「……その前に、もう一つ質問よ」

フレア「なんだ?」

リメロン「ここ最近起きていた一般人が契約の力を使ってしまって暴走をする事件。貴方達が主犯なのよね?」

フレア「その通りだ」

リメロン「………アナタとそのパウエルとかいう奴は、その行為に迷いはなかったの?」

フレア「無いな。俺達は狂人だ、俺は馬鹿な人間がどう死のうが興味はねぇ」

フレア「御大は目的の為なら手段を選ばねー。例え自分の望む理想と相反する犯罪を犯していようとな」

リメロン「それを聞いて安心したわ…これで何の愁いも無くお前らを完膚なきまでに叩きのめせる!」

リメロンは牙を剥き出しにし獲物を前にした獣のように笑った


フレア「ハハッ…その顔、女の子がしていい顔じゃねぇぜ」

フレアは頬をひきつらせつつも、好戦的なまなざしを返す


フレア「和平交渉は失敗……だが、別に構いはしねえ」

フレア「俺だってなぁ…同じ奴に二度も負けてやるわけにはいかねーんだよ!!」



フレア「……俺だって…二度も負けてやるわけにはいかねーんだどんな代償を払ってでもお前を殺すぜ!!」

フレア「追加生贄だ!グラン!好きなもんなんでも持ってけ!!」

グラン「この俺になんでもとは命知らずだな!それならば、契約中のお前の体の主導権を頂いてゆこう!!」

フレア「契約成立だ!くれてやるぜ、俺の体の主導権全部」

フレア「更に追加だ。手袋に宿る怪物よ、俺の心臓も持って行け!!」



フレア「契約執行!!我が身を滅ぼす異世界の智勇よ、この俺に勝利をもたらせ!!」



手袋をした腕を掲げると同時に、強烈な魔力の奔流がオーラのように溢れだす

その瞳にはギラついた闘志が宿る、戦いに身を置く武人の眼差しが強烈な威圧感を放っていた

※書き直したの消してなくて同じことに回言ってますが気にしないで下さい。キメのシーンなのにメッチャ恥ずかしい…



ナキ「…随分やる気のようだな。しかもかなりの力を引き出している」

ナキ「火事場の馬鹿力という奴か。……お主はどうする?」

リメロン「う~ん…このままじゃあ負けそうかな?」

ナキ「拮抗している、と言ったところか。恐らくは我々の方が強い」

ナキ「だが、宣言通り完膚なきまでに倒すのはちと苦労するな」

リメロン「………」



1、追加生贄
2、このまま戦闘開始

安価↓1

1


>>678採用:1、追加生贄



リメロン「ま、こういうのは勢いだよね!」

リメロン「ナキなら何を生贄にしても大丈夫って気がするし」

ナキ「おいおい、本当に良いのか?」

リメロン「いいのいいの、昔ナキが言ってたじゃない『私の味方は一人だけだ』って」

リメロン「今ならそれが誰だか分かるよ。きっと私がナキと初めて契約を結んだ時もこんな気持ちだったんだろうなって気がするんだ」


リメロン「私の全身を生贄と捧げる!!」

ナキ「…やれやれ……お主は本当に愚か者だな…」

リメロン「それに付き合ってくれるのはナキだけだよ♪」


リメロン「契約執行!我が身に永遠を纏いし龍神の奇跡を!!」


右半分だけが白く染まっていた体が、もう半分を白に染める

純白の髪をたなびかせ、陶器の様な白い肌に纏う神秘は降り注ぐ雨粒すらも通さない



リメロン「永遠に超えられない壁があるって事、教えてやるよ」



※戦闘が開始されます


今日の更新はここまでです


それではまた、お付き合いいただきありがとうございました


最近は地震が多くてビックリしますね

そろそろ再開っすよ!!


【戦闘能力】

名前:リメロン・アスバール&ナキ=カンナギ

適応能力:7  並大抵の契約相手では体調に異常をきたさない
身体能力:8  人間レベルでトップクラスの身体能力を持つ
精神力: 9  決して屈しない強靭な心を持つ

強さ:9 永遠を司る奇跡を引き起こす


総合評価:9


1-3  失敗
4-8  成功
9、0  クリティカル

のコンマ表を使用



特殊能力


『契約:神(龍神)』
耐久値2倍
-補正を受け付けない
自分より強さが下の相手の能力を受け付けない
戦闘補正+3



『神通力』
相手に-3の戦闘補正
相手の戦闘判定に勝ったとき、相手の-補正の数だけ追加ダメージ
クリティカルで相手は次の判定から常に2桁コンマ判定で低い方を使用する
毎ターン相手に-補正を追加する(最大-3)
相手の戦闘判定下限突破(-の数値になる、この場合失敗扱いとする)
相手との戦闘判定差が11以上の時、勝利する


『神器:鱗』
耐久値が0の時に発動


名前:フレア&グラン・レイ・キングダム&『狂乱の破壊者』


強さ:8


1    ファンブル
2-4  失敗
5-9  成功大
0    クリティカル

のコンマ表を使用する



【特殊能力】


『契約:英雄&怪物』
耐久値+10
戦闘補正+2、成功以上で更に+2
-3以下の-補正を受けない
負傷状態にならない
戦闘判定以外のダメージを3まで軽減
自力クリティカルで次回の自分のコンマを2桁コンマを足した数値にする



『二重契約』
3ターン毎に戦闘判定-3の補正がかかる


『リメロン』耐久値:12×2=24

『フレア』耐久値:11+10=21





直下コンマ:リメロン戦闘判定
契約 +3


↓2コンマ:フレア戦闘判定
契約 +2
神通力 -3(無効)


コンマ判定:8+3 疑似クリティカル


コンマ判定:3+2 成功大


リメロン疑似クリティカルで更に+2、フレア成功大で更に+4


11+2-(5+4)=4


21-4=17


神通力により更に-3


『フレア』耐久値:14



リメロンの神通力により次回以降のフレアのコンマ判定を2桁コンマで低い方を採用させる


フレア「クハハハハ!!いいぞ!血が滾る!!俺の生身より遥かに体が軽いぞ!!」

先ほどまでとは全く違うフレアの口調

肉体の全ての支配権をグランに渡したため、今は言葉を話す権利もグランの物だからだ


フレア「どおれ、まずは試運転だッ!!」

一歩の踏み込みで地面を陥没させ、舗装された道を踏み砕く

瞬間移動とも思えるほどの異常な速度を以てリメロンの背後を取る

普通の人であればあまりの速さに行動が追い付かないであろう

しかし―――


リメロン「へえ、まあまあ早いね。なら先ずはそれを縛る」

リメロン「『神能・纏い』。これより先は超低速の世界に変化した」

リメロン「結果へとたどり着けない永遠の『停滞』だ」




直下コンマ:リメロン戦闘判定
契約 +3


↓2コンマ:フレア戦闘判定
契約 +2
神通力 -4


コンマ判定:9+3 クリティカル

コンマ判定:4-2 失敗


リメロンクリティカルで更に+3、フレア失敗で更に-1


10+3-(2-1)=12


判定差11以上の為リメロン勝利



雨粒が静止しその一つ一つに風景が映し出される

音すら届かない静止の世界でたった二つ動く影

ゆっくりとリメロンに向かって放たれた拳、目にも止まらぬその拳は冗談のようなスローモーションでリメロンに受け止められる


リメロン「凄いなあ、人間の底力って奴かな?それとも魔法が凄いのかな?」

リメロン「雨すら動いていないように見えるこの『停滞』の世界でこんなに動けるなんて」

リメロン「ねえ、アンタにはこの世界がどんな風に見えてるの?」

ナキ「主よ、音すらも届かないと説明したばかりだろう?」

リメロン「ああ、そっかそっか…それじゃあ質問しても意味ないのか」

深く息を吐き、辺りを見渡す


リメロン「『神能』か、これがナキ本来の神通力なんだね」

ナキ「そういうことだ。ただの時間延滞とはわけが違う。この世全ての『進行』を遅らせている」

ナキ「これを乗り越えられる速度など存在しない」

リメロン「動作自体の進行と時間の進みを遅らせる二重の縛りってわけか。それであれだけ動けたなら褒めてあげるべきかな」


リメロン「ただちょっと残念なのは、思ったよりも強すぎて戦いにならないね」

ナキ「これが本来の神の奇跡だということだ。私程度の格の低い神ですらこれだ、もっと格上の神はこんな程度ではない」

リメロン「ふ~ん…アイツらはその格上の神と契約しようって言ってるんだし、ここで終わらせておこうか」


リメロン「『神能・縛り』」

巨大な白い二対の蛇が空中で制したままのフレアの体に絡みつき拘束する

拘束が完了したことを確認し、『停滞』の世界の進行を元に戻す


フレア「なっ!?い、何時のまに!?」

リメロン「こっちからすれば、もう数十秒も経った気分なんだけどね」


リメロン「終わらせようか、フレア。神の奇跡をその身に刻め」


リメロンが振り上げた剣に雷が落ちる

ナキの鱗によってリメロンの体には触れずに剣だけに雷が集中する

雷を纏った剣に白い蛇が蜷局を撒いていく

その間にも雷は降り続け、まるで空が泣き叫んでいるかのような光景だった



リメロン「変化を求め続けるのは悪くない思想だと思うよ」

リメロン「でも、それで関係ない人を巻き込み過ぎるのは頂けない」

リメロン「お前は悪だ、故に騎士である私が裁かなければならない」


リメロン「『神能・慟哭』」



リメロン「『永遠』に終わり続ける地獄こそ、お前にはふさわしい」



強烈な光と神の怒りを体現したかのような轟音がフレアの体を貫く

その肉体からは声を発する事すら許さず、白濁とした光の渦に飲み込まれ消滅した


リメロン「さて、下っ端も片付けたことだし大将を片付けに行きますか」

ナキ「まて主よ、一つ忘れてはいまいか?」

そう言ってナキが顔を向けた先には倒れた雨に濡れる少女


リメロン「ああヤバいヤバい!先にエミリーに届けに行かないと!!」

少女を優しく抱き上げ、記憶を頼りにエミリーの住む場所へと向かった


視点変更:ロフ・グリン


とある潰れた酒場

その地下には巨大な空洞が存在した

暗い暗い階段を降りると、その先には巨大な祭壇の様なものが作り上げられていた


その祭壇の上には杖を持った老人とロフの探し求めた女神が居た


ロフ「迎えに来たよ、俺の女神」

エール「ロフ様!!」

涙目で叫ぶ女神は鎖で繋がれ、十字架のようなモノに磔にされていた


エール「ご、ごめんなさい!本来の力が出せないことを忘れててこんな有り様に!!」

ロフ「いいんだ、君は悪くない。全ては俺の責任だ」

エール「ロフ様…!………ところでなんだか顔色が?それに何やら蟲のような姿が見えるのですが?」

ロフ「これは俺の契約相手の『シキミ』だ」

エール「ええ!?わ、私は捨てられてしまったのですか!?」

ロフ「違う、そうじゃない」

エール「それでは浮気ですか!?」

ロフ「勘違いしないでくれ、俺はいつも君一筋だ」

シキミ「…………あのう、ロフ様。話はそこまでにしておいた方が良いのではありませぬか?」

怖々とシキミがロフに耳打ちする

シキミの視線の先には豪快に咳払いをして注意を向けようとする老人の姿があった


ロフ「…チッ…そうだったね。醜いものはなるべく視界に入れたくなかったんだが…避けては通れないか」

パウエル「ゴホンゴホン!…そこのお前、クーはどうした?」

ロフ「クー?誰だか分からないが邪魔する奴らはすべて排除した」

パウエル「そうか、やられたか。あ奴らにも私の理想郷を見せてやりたかったのだがな……」

ロフ「理想郷…か。俺の女神を侍らすことが出来るのならそれは確かに理想郷だろう」

パウエル「ロフ…ロフ・グリン。愚かだな、我々の目的はその程度のモノではないのだ」


パウエル「このエールの奇跡を使えば世界は思うが儘だ!」

パウエル「私は基本世界の神々の力を統合した『シンデレラ』をこの世の頂点とし、腐りきったこの世界を生まれ変わらせる!!」

パウエル「生まれによっての差別の無い『真に平等の世界』を作り上げる!!」

パウエル「誰もが契約の力を使え、誰もが知識を得る権利を持った豊かな世界に生まれ変わる」

パウエル「何の差別も無い、互いが切磋琢磨し合える美しい世界だ!!」

パウエル「異世界の力に溢れるこの世界は新たなステージへと上り詰める…」

パウエル「どうだ、君もそんな世界が良いとは思わないか?君も生まれが原因で苦労しただろう?」


ロフ「………」


シキミ「ロフ様…」

ロフの過去を知っているが故に、黙りこむロフを心配そうな瞳で見つめるシキミ

そのシキミの頭をロフは優しく撫でた


ロフ「確かに…な。誰もが平等に平等の力が使える世界ならば、導師としての素質が無かった俺も落ちこぼれと冷たい視線にさらされることも無かっただろう」

ロフ「上流階級ゆえに俺は差別を受け続けた。家族は皆、心の中では俺を家族と認めていなかっただろう」

ロフ「俺は昔から変わり者だった、兄や弟の様に導師として優れた才能も無く、経営の才能も無かった。交渉術すら身につかなかった」

ロフ「家族が求めたもの全て、俺は持ってはいなかった」

ロフ「ずっと友だと思っていた男にも裏切られた。お前たちが俺の似顔絵を持っていたのもそれが理由だろう?」

パウエル「そうだ、ユーリ君はあっさり君を売ってくれたよ」

ロフ「…そうか、そうだろうな。きっとアイツも内心では俺の事を友だと思ってはいなかったんだろうな」

パウエル「どれもこれも、全て君の身分の所為だとは思わないか?格差が存在するから、君は謂れなき差別を受けてきたのだ」

ロフ「そうだろうな」



ロフ「だが、そんなことはどうだっていい」



ロフ「格差だとか、俺が落ちこぼれだとか、家族の誰からも認められていなかろうが」

ロフ「そんなものどうだっていい」

ロフ「俺の人生に何の影響も及ぼさない些事だ」

パウエル「ほ、本気でそう思っているのか!?強がらなくてもいい、君は――」

ロフ「勘違いするな、これが俺の本心だ」


力強く、ロフは言葉をつづけた


ロフ「俺はもう満たされた」

ロフ「エールという俺が探し求めた究極の『美』と出会えたんだ。だからもう、それ以外の出来事はオマケに過ぎない」


ロフ「地位も身分もとうに捨てた。エールだけが俺の全てだ」

ロフ「エールという存在が俺の生きる意味だ」


ロフの狂っているともとれるエールへの想いにパウエルは愕然とした表情を晒す


パウエル「な、何故だ…何故そう思える?狂っているぞ…」

ロフ「あの暗殺者もそんなことを言っていたな」

ロフ「なぜ気づかない?人は皆どこかしら狂っている。それに気づいていないだけだ」

ロフ「お前だってそうだ、俺からすればお前も十分狂っている」

パウエル「そ、そんなことは無い!私は正しい!私は誰もが胸中に秘めていた大義を成そうとしているのだ!!」


ロフ「俺のさっきの言葉を聞いて尚、そう思っているのなら好きにするといい」

ロフ「だがな俺の女神を利用する事だけは何があろうと赦しはしない…!」

ロフは静かな闘志の炎を燃やす


ロフ「返してもらうぞ俺の女神を。そこに居るエールは俺の物だ、俺だけのものだ。絶対に誰にも渡したりはしない」

パウエル「…私にも譲れないものがあるのだ。理解されないのは悲しいが…私の邪魔をするのならば、死ぬしかないなロフ・グリン!!」


パウエル「世界を変えるその前に、お前に神の奇跡を思い知ってもらおう」

パウエル「契約執行…規律を定めし番龍『トキナミ』、その奇跡を以て邪を律せよ!!」


巨大な黄金色の鱗の龍が、パウエルの体に宿り神秘の輝きを放つ


そんなパウエルの言葉も聞き流し、ロフはシキミに語り掛ける


ロフ「これで2度目のお別れだな」

シキミ「…そうでございまするな。でも、一度目は言葉すら話す暇なく生贄にされたので、少し嬉しゅうございます」

シキミ「………あの、ロフ様。このまま2重契約ではいけませぬか?」

ロフ「駄目だな。きっとここから更にエールの力まで借りれば俺の体と言えども耐えられない」

シキミ「………それならば、仕方がありませぬ。さようなら、ロフ様…貴方様に出会うことが出来てシキミは幸せでございました」

ロフ「…さようなら、シキミ。美しき君……縁があったらまた会おう」




ロフ「契約執行」

その言葉と共にロフの体からシキミが離れ、光となって消えていった

ロフ「我が身に女神エールの奇跡よ宿れ」

エールの体が拘束をすり抜けロフの体へと入り込む

ロフの体が真っ白の百合の花に包まれて、やがて花が開かれた

エールの純白の衣は、ロフの燃え上がる想いのように赤く染まった



※戦闘が開始されます


名前:ロフ・グリン&エール・イニティウム



強さ:10



1-3  失敗
4-9  成功
0    クリティカル



【特殊能力】



『契約:神』
強さが10以下の相手の効果を受け付けない
-補正を受け付けない
耐久値が毎ターンすべて回復する
2桁コンマ判定で常に高い方を採用する
クリティカル以上で、次回判定時の相手の能力を無効にし相手のコンマを1とする
自力クリティカルで次回の自分の判定を3倍にする



『身体能力』
耐久値+5
戦闘判定+2、成功以上で更に+1
戦闘終了後、一日経過で負傷を回復


名前:パウエル・ヴィエッタ&トキナミ



強さ:10



1      ファンブル
2-7    成功
8,9,0  クリティカル

のコンマ表を使用する



【特殊能力】


『契約:神』
耐久値+15
戦闘補正+3
相手は常に2桁コンマで低い方を採用し、自分は2桁コンマ判定で高い方を採用する
自力クリティカルで相手の能力を一つ無効とする


『神器:瞳』
相手に-5の補正
コンマ値の上限突破
ファンブルを出したとき敗北する

※能力修正


『神器:瞳』
相手に-5の補正
コンマ値の上限突破
ファンブルを出したとき敗北する


    ↓

『神器:瞳』
相手に-5の補正
コンマ値の上限突破
ファンブルを出したキャラはその時点で強制敗北する




※ロフの能力に追加


『神器:白百合』
耐久値が1以下になった時、3度まで1から減らない


『ロフ』耐久値:15+5=20


『パウエル』耐久値:9+15=24





直下コンマ:ロフ戦闘判定
身体能力 +2

2桁コンマ判定で高い方を採用


↓2コンマ:パウエル戦闘判定
契約 +3

2桁コンマ判定で高い方を採用


コンマ判定:7+2 成功

コンマ判定:7+3 クリティカル


ロフ成功以上で更に+1、パウエルクリティカルで更に+3


9+1-(10+3)=-3


20-3=17

契約により耐久値回復

『ロフ』耐久値:20



今日の更新はここまでです

恐らく明日も更新します
明日が最後になる……と思います


そろそろ再開です!


ロフ「これが…君の力なんだね」

エール「ええ、私の『純潔』の白百合。これが私の神器です」

エール「本当は純白なのですが、ロフ様の色に染められてしまっていますね」

ロフ「……これが俺の色なのか…俺は情熱的な男だったのか?」

エール「ロフ様以上に情熱的な方は私は見たことありませんよ!」

ロフ「ふふ…それは嬉しい褒めこt…」

パウエル「いつまで雑談をしているつもりだッ!!」

パウエルの黄金色の瞳から光が放たれ辺りを包み込む


パウエル「これより戒律を定める!!己が信念を貫き続けたものがこの戦いの勝利者だ!!」

パウエル「規律を定めるこのトキナミの奇跡、私こそがルールであり絶対の存在だ!!」

ロフ「勝手に言っていろ。俺にとってエールこそが俺の絶対の意味であり続ける。お前如きで揺らがせやしない!!」





直下コンマ:ロフ戦闘判定
身体能力 +2



↓2コンマ:パウエル戦闘判定
契約 +3


コンマ判定:3+2 成功

コンマ判定:6+3 疑似クリティカル


ロフ成功以上で更に+1、パウエル疑似クリティカルで更に+2


6+1-(9+2)=4


20-4=16

ロフ、契約によって耐久値回復


『ロフ』耐久値:20


パウエル「…くぅ!その忌々しい衣、いくら牙を立てようとも壊れる気配すらないな…!」

ロフ「……」


パウエルの濁流の様な神通力による攻撃を全てエールの神器が弾いていく


ロフ(基本世界の守護神たるエールの奇跡、その復元能力と改変耐性は比類なき程の力だ)

ロフ(このエールがついていなければ俺は何度死んでいただろう?)

ロフ(だが…しかし……)


ロフ「ゴホッゴホッ…!」

血の混じった咳を吐く

エール「ロフ様!?大丈夫ですか!?」

ロフ「心配しないでくれ、何も問題ない」

ロフ(普通ならば負ける要素などない戦い。エールの奇跡は無敵だ…だが俺が先に耐えられそうもない)

ロフ(……素養のない身で無茶をしすぎたか。……だが、せめてこの戦いに勝つまでは持ってくれ…!)



※『神器:白百合』の効果が変化
耐久値が1以下になった時、3度まで1から減らない
5ターン後、強制敗北







直下コンマ:ロフ戦闘判定
身体能力 +2

2桁コンマ判定で高い方を採用


↓2コンマ:パウエル戦闘判定
契約 +3

2桁コンマ判定で高い方を採用


コンマ判定:7+2 成功


コンマ判定:1  ファンブル



『神器:瞳』によりパウエル敗北


パウエル「クソッ!クソゥッ!!トキナミ!奴を殺せないのか!!この役立たずが!!」

ロフ「ハァ…ハァッ…!」


二人の戦闘は苛烈を極めた

導師としての素養では完全にパウエルが上回っていた

ロフは本来の身体能力を生かすことも出来ず、更には二重契約の後遺症によって体には限界が来ていた

その圧倒的な差を契約者であるエールの奇跡だけで拮抗以上に引き上げる

どれだけの傷を負おうともロフは前へ前へと進み続けた

そしてその手はパウエルの腕を掴む


ロフ「お前は言ったな『己が信念を貫き通し続けられた者の勝利』だと」

ロフ「漸く辿り着いたぞ、俺は曲げない。俺にはエールへの想いしか残されていない」

ロフ「俺はエールの為に全てを捨ててきた。お前はどうだ?お前には…どんな苦境に立たされようとも退かない覚悟があるか?」

パウエル「ひ、ヒィ…!」


鬼のような表情のロフの気迫、振り払う事など分けないはずの腕をパウエルは振り払うことが出来なかった

鬼気迫るロフの言葉にパウエルは一歩足を退いてしまった


黄金の輝きを放っていたパウエルの体からトキナミが現れ出る

パウエル「は、はぁ!?待て!何故勝手に契約を解いた!!お前は契約者だろう!私は導師だぞ!!私に従え!!」

トキナミ「戒律は破られた。汝は己が信念を曲げた、これはルールだ。退いた者が敗者である」

パウエル「ち、違う!そんなことは無い!私は一度たりとも己を曲げてはいない!!取り消せ!!」

トキナミ「汝、自らを偽ることなかれ。受け入れよ、己が弱さをな」


トキナミ「このトキナミが見守りし戦場、我が終わらせよう」

トキナミ「我が目を見よ。汝の罪、我が裁こう」

トキナミの双眸にパウエルの姿が映し出される

パウエル「や、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


断末魔の叫びをあげながらパウエル・ヴィエッタは黄金色の炎に焼かれ灰となった

それと同時に、トキナミ体もまた光となって消えていく



トキナミ「……愚かなり、汝の心には誠の仁愛が宿っていると信じておったのだが」

エール「あの、トキナミさん態々こんなところまでお疲れさまです。天界に帰ったら美味しいお茶でもご馳走しますよ」

パウエルが消えると同時にロフも倒れ、契約状態が強制的に解除されていたエールが消えゆくトキナミに話しかけた



トキナミ「ふむエール殿。気遣いは無用である。我は我の意思であの者を信じていたのだ。故に、エール殿が我を労う必要はない」

トキナミ「だが…しかし、残念だ。『真の平等』を願うかの者の心は本物であったが、誠の仁愛の意思は宿っていなかった」

トキナミ「いつ出会えるのだろうな、己が意思を曲げず全てを受け入れる器を持った者は」

エール「あはは、トキナミさん心配しなくてもいつか出会えますよ。私達にはいくらでも機会があるのですから」

エール「そうだ、これを機に色々な世界を覗いてみては如何ですか?基本世界の御守だけでは退屈でしょう?」

トキナミ「ご配慮痛み入る。しかし、我はあまりあの世界を開けてはいられない。エール殿が居ないのだ、誰かが居てやらねば不満を垂れる輩も現れる」

エール「あ、あ~…そうでしたね…こっちの生活に慣れてすっかりあっちの管理の事を忘れていました」

トキナミ「エール殿はいつ彼方に帰られるおつもりだ?」

エール「……それは…うふふっ…♪」

倒れているロフの顔を見つめ、年頃の少女のような甘い笑顔を見せる

その姿だけでトキナミも納得したように柔らかく笑みをこぼした


トキナミ「そこな青年に随分と入れ込んでいるようだな」

エール「はい!ロフ様、とってもカッコよくて可愛いんですよ!!私の事が大好きなところとか!!意外にもお酒に弱いところとか!!」

エール「だからせめて…最後までずっと傍に居てあげたいんです」

トキナミ「ならば、我から言う言葉は無い。エール殿が満足するまで我が基本世界を治めておこう。では、な」


その言葉を最後にトキナミは消えた

神々の居城たる天界へと帰ったのだった


エールは倒れているロフを何とか抱き起そうとする

しかし、非力なエールでは体を持ち上げることすら叶わない

仕方なく頭を浮かし膝の上にのせる


ロフの顔を覗き込み、その頬を優しく撫でた


エール「ロフ様、早く起きてください。じゃないと私…一人ではなにも出来ません」

気絶していたはずのロフがその言葉を聞き届けたのか、覗きこむエールの頬に優しく手を添えた

ロフ「…俺が…なんでもしよう。だから…俺の傍を離れないでくれ」

エール「………はい、勿論です!」


エールがロフの顔に顔を近づけ、唇と唇が触れ合おうと―――



リメロン「おっしゃー!!出てこいや―!!ギルドの大将め!!この図書館騎士リメロン・アスバールが成敗してくれる!!!」

リメロン「……ってアレ?うわ人が居る!なんか印象と違うけどお前がパウエルとかいう奴か!!」

エール「………あ、あのう?」


あまりに突然の事態にエールは大きく目を開き瞬きを繰り返す


リメロン「じ、人畜無害そうな顔をしやがって!!私は騙されないぞ!!」

ナキ「ま、待て主よ!!」

リメロン「なに?珍しく焦ってるみたいだけど」

ナキ「あ、あそこに居るお方はも、もしや……エール殿では!?」

エール「……んん?…ああっ!ナキちゃん、貴方もこっちに来ていたんですね~」


柔和な笑みでフリフリとナキに向かって手を振っているエール

今度はリメロンが訳も分からず混乱してしまう

リメロン「……………どうゆうこと?」


リメロンはまだ気づいていなかった、自分が手を下すまでも無くこのギルド騒動は収束してしまっていることに



※エピローグへと移行します


エピローグ
視点:リメロン・アスバール



あの時、私がギルドに足を踏み入れた時には全てが終わっていた

あの場で倒れていたロフという男がギルドの大将を倒してしまったらしい

このままではエドに自慢できない、と思っているとなんと相手は私にその手柄を受け取って欲しいと言いだした

どうやらその男は理由あって『身分を証明できない』らしい

非常に怪しい男だったが、これ以上詮索しないという条件付きで私はその提案受け入れた

相手が誰であろうとこの事件を終わらせてくれたことには違いない

それにナキが『エール様が悪事を働くわけがない!!この者は善人に違いない!!』

と珍しく感情を露わにして私を説得しようとする姿がおかしくて了承してあげた

8000歳の新参の神であるナキにとっても基本世界の最高神エールは殿上人らしい

あのぽやっとしたお姉ちゃんがナキの何倍も年上だと言われるとなんだか不思議な気分になってくる


閑話休題



この事件の収束を私は任務の依頼主である『エルグラート家』に報告を終えた

きっと大量の報酬と共に明日の新聞を飾るに違いない

インタビューとかされるんだろうかとウキウキとした心持で次の日を待った

しかし、次の日に新聞の一面を飾ったのは『図書館騎士大活躍!!』の文字ではあったのだが

私の名前ではなく、あのエドの名前であった


八日目(裏)


視点:シュウ


シュウ「ヒヒっ!…ヒィ!…ヒィ!こ、ここまでくりゃあ大丈夫だろ!!」

とある町の外れ

中年の男がだらしのない巨体を揺らし、息を切らして走っていた

その両手には大きな袋

その中身は金であった


シュウ「どうだよヒンセイ!今回も最高にクールだっただろう!」

ヒンセイ「クールって言うか…グールって言うか……僕たちただの火事場泥棒じゃない?」

シュウ「ヒヒヒッ!いいじゃあねえかこうして楽に金が手に入ったんだしよ!!」


シュウはギルドへと向かうロフの手によって殺された―――フリをしていた

神の心臓によってどんな姿になっても生命を維持できるシュウは、ロフにワザとバラバラに八つ裂きにされた

そしてロフが去ったことを見計らった後、『連結』の異能で自らの体を繋ぎ合わせて元通りにした

その後、全ての騒動が終わったギルドのアジトへと立ち寄り金庫の中身を全て拝借したのだった


シュウ「ヒヒヒッ!どいつもこいつも馬鹿だねぇ。おれっちがギルドの幹部だと言えば簡単に信じてくれる」

シュウ「理由は分かるか?」

ヒンセイ「知ってるよ、それで僕たちがどれだけ儲けてきたと思ってるのさ」


ヒンセイ「ギルドなんて組織は本当は存在しない」

ヒンセイ「あるのは嘘と噂だけ。だろ?」

シュウ「その通りッ!ギルドなんて巨大組織は嘘っぱち!皆その巨大組織の名を借りてるだけなのさ!!」

シュウ「当然おれっちもその一人。アイツらをギルドに誘ったのはおれっちだからなあ…いやあ楽しかった」

シュウ「なあヒンセイ!今度は何処に行こうか?」

ヒンセイ「…はぁ…別にどこでもいいよ。……ねえ僕はいつまでこの犯罪の片棒を担がないといけないの?」

シュウ「そりゃおめえおれっちが死ぬまでに決まってんだろ!!」

大量の金を手に入れた昂揚感か楽しげに笑いながらシュウはヒンセイの方を小突く


突然、目の前の道が赤々と照らし出されていることに気が付いた


シュウは目を細めながら前を見るとそこにはいつかに見た悪魔が立っていた


エンラ「よお、おっさん。また会ったな」

シュウ「げ、げぇ!?お、お前は!!」

エンラ「あの時アンタにマーキングしといてよかったぜ、や~っぱり悪い奴だったんだな」

シュウ「く、クソがっ!!こんなところで死ねるかよ!!逃げるぞヒンセイ!!」

エンラ「逃げれるわけないだろう…」



エンラ「小悪党め。お前の罪…俺が裁こう」



町の外れの寒空に小悪党の甲高い断末魔が鳴り響いた

八日目(裏)
視点:ゼル・デルモルーテ



ゼル「……そっかそっか、分かったよ。報告お疲れ」

ゼルは部下の報告によってパウエルたちの死を知った


ゼル「………ふぅ…良かった良かった。これで一安心だねぇ」

シーザー「ハハハッ、そうだな。そうだろうさ。誰もが皆一安心だろうぜ」

シーザー「お手柄だな、騎士隊長様」

ゼル「そう褒めるなよ、僕は別に何もしていないさ」


「あの騎士隊長殿!」


報告を終えたはずの部下が戻って来た

少し不審に思いながらも、どんな厄介な急用が入ったのかと頭の中で起こり得る可能性を羅列していった


ゼル「どうしたの?何があったの?」



「……漸く捕まってくれたな」

ゼル「ッ!」

声色の変化に気づきゼルは即座に剣を抜き振り下ろす

しかし、剣先は相手に触れることなく氷の壁に阻まれる


ゼル「……誰?」

「ハハッ!アンタにも分かんないことがあるんだな。…いいや、分かんないからこそ意味がある。僕の手回しは完璧だったという証明にな」

顔を覆う甲冑を脱ぎ捨てる

その顔は小憎たらしい笑みを浮かべた名の知れた図書館騎士の顔であった


エド「騎士隊長ゼル・デルモルーテ。詐欺、恐喝、賄賂、その他諸々の罪でお前を逮捕する」

ゼル「……僕が?何言ってんの?僕がそんなことするわけないでしょう?一応騎士団長なのよ?」

エド「悪いけどさぁ、もう全部裏が取れてるんだよね。そうだろう?超巨大盗賊団『ギルド』の創設者さん」

ゼル「…………」


エド「いやあアンタ凄いよ、悪巧みに関しちゃあ僕より優れてるんじゃないか?褒めてあげるよアンタの手腕」

ゼル「……一体僕が何をしてきたって言うのさ?」

エド「それはもうたくさんさ」

エド「まず一つ。『ギルド』の創設、この誰にも本拠地も正体も掴めなかった組織の本元はお前の流した『噂』なんだろう?」

エド「このギルドという『導師信仰派』の過激派の組織という存在を利用し、お前は報酬を得ていた」

エド「例えば今回の『暴走導師事件』。お前はギルドを名乗っている奴らに協力をしてこの事件に手を貸していたな?」

エド「全ての事件の発生時間の近くで、お前の姿が目撃されている」

ゼル「僕は騎士だからね。混乱を治めるために真っ先に事件現場に向かうのは当然の事だよ」

エド「悪いがそれも通らない。騎士隊長の見周り警備の時間は『朝~夕方』、事件の発生時間は全て深夜だ」

エド「深夜を担当している騎士からは誰もお前の目撃証言は無い。理由は当然『お前の部下』だからだ」

エド「本当に見ていない奴もいるだろうけど、お前直属の部下にちょっと痛い目を見てもらってね『僕がここに居たことを内緒にしてて』と命令されたと吐いてくれたよ」

ゼル「……だとしても僕がそのギルドに協力をしていた証明にはならないんじゃないか?」

エド「まだ他にもあるに決まってるだろ」


エド「ついさっき話していた部下。『基本世界信仰派』らしいじゃないか」

エド「おかしいなあ、お前は『導師信仰派』の組織に手を貸していたはずなんだけど……」

エド「その答えは、お前はその部下にはギルドに手を貸していることを伝えていた」

エド「そう、お前はあの部下には『スパイをしている』と説明をした。『事件を起こさせて組織を根っこから叩き潰すためなんだ』と理由を添えてね」

エド「悪いけどアイツ、僕の友人なんだ。快く全て話してくれたよ」

エド「まだまだある。少し遡って司書家系『アルフォード家』の話をしようか」

エド「あの家はどういう理由か家主が失踪し、若い息子である『ロイヤル』が跡を継いだ」

エド「あの家の家主が失踪した原因は息子である『ロイヤル・アルフォード』……だが、根本の原因は別にあった」

エド「お前、あの家と親しかったらしいじゃないか?正確に言えば前家主『フィン・コルドレック・アルフォード』に全幅の信頼を寄せられていた」

エド「お前はよくフィンに頼み事をされていた、基本的にはこの町の情勢を教えていたそうだな」

エド「そこからフィンにギルドの情報が渡り、ギルドの真意が伝わった。ここまで言えばわかるだろう?お前があの家を潰したんだ」

エド「フィンの性格をよく知るお前だったからこそ、あの話を伝え狂行へと走らせた」

エド「お前はそのフィンの悪事を裁いて大手柄といこうとしていたんだろうが、予定が狂ってしまった。それが『ロイヤル』による『アルフォード家』粛清だ」

エド「アイツはあの事でひどく心を痛めていたが結果的に自分の家を守ることに繋がっていた、大した奴だよ。少しやり過ぎだけどな」


エド「お前は焦った。フィンの行動に自分が一枚噛んでいる事を知られたくなくてお前はロイヤルを謀殺することを決めた」

エド「お前は運もよかった、ロイヤルは情報収集を頼む信頼できる相手としてお前を選んだ」

エド「そこでお前はこの町に残留していたギルドを名乗る組織を利用し、その情報を流した」

エド「その上で、反乱因子であるロイヤルを排除する手回しをしているとその組織には説明をしていた」

エド「だからこそ、万全の状態で迎撃に会ったロイヤルは致命傷を負った。実際死んでいてもおかしくなかった」

エド「だが、それを予期していた僕が何とか見つけ出し救命した」

エド「ロイヤル本人からの言葉で、全ての確信が得られた」

エド「奴らは戦っている時に言ったそうだ『あの騎士の言っていたことは本当だったな』とね」

エド「他にもある―――」

ゼル「もういいよ」

ゼルは抑揚のない言葉で楽しげに話すエドを止める

深く深く溜息を吐くその表情には焦りを感じられない

ただ死んだ目でエドを見た


ガシガシとイラつきを感じさせる仕草で強く頭をかく


ゼル「完敗だ。僕の完全敗北」

ゼル「さすがはエリート様だ。こんな小さな僕の事は何でも御見通しってわけか」

エド「ほう?負けを認めるかい?賢明な判断だね」

ゼル「ああ、負けは認めるよ。情報戦では君の圧勝だ」

ゼル「だけどね、どうして僕が今の今までこれほどの謀略を巡らせていながら誰にも悟られなかった理由は分かるかい?」

ゼル「今まで僕の事に気づき僕を裁こうとした騎士なんていくらでもいた。でも、僕は今でもこうして騎士隊長であり続けている。理由が分かるかい?」


ゼル「僕が強いからだ」


剣を構えるその姿からは強い生気が発していた

何をしてでも生き残るという強い執念のようなモノすら感じられた


ゼル「僕は負けない、君程度の石ころいくらでも踏み砕いてきた」


エド「死んだ魚みたいな男だと聞いてたけど、そんな顔も出来るんだな」

エド「だが、取り消してもらうぞ。僕はそんじょそこらの石ころとはわけが違う」

エド「僕は騎士だ。お前という悪を裁く正義の剣だ!!」


エドもまた剣を抜きゼルと向かい合った



エド「僕は約束をしたんでね。『僕にしか出来ないことを成し遂げる』ってね」

エド「僕じゃなければお前をここまで追い詰めることはできなかった」

エド「だから、僕を信じるアイツの為にも僕がお前を裁く」


シーザー「ククク……アハハハハ!!言われてるぜ悪党さんよ」

シーザー「言っただろ?悪は打たれる運命にある。どれだけ足掻こうとも抗おうとも正義の刃からは逃れられはしないってさ」

ゼル「……君はどっちの味方なんだ?」

シーザー「当然!正義の味方だぜ。ま、お前という悪党が死ぬまでの短い道のりもここまでだっつーわけだ」

ゼル「僕は負けないよ。僕は強い。僕は勝つ。最後に笑うのは僕だ」

シーザー「ハハハッ!そうだ、それでいい。醜く抗え、必死に生きろ」

シーザー「それこそが俺達人間の底力だ。やってやれ、クズの本気を見せてやれよ」

ゼル「……はぁ……本当君は誰の味方なんだよ…」




「「契約執行」」



張りつめた夜の空気に、二人の男の声がこだました


エピローグ
視点:リメロン・アスバール



リメロン「……まさかねえ、あの騎士隊長が汚職をしてただなんて…」

エド「ま、これでどちらが優秀か判明してしまったね」

エド「賭けの勝負は僕の勝ちだ。新聞の一面は僕が貰ったよ!!」

リメロン「ぐ、ぐぬぬ……私だって頑張ったのになぁ…」

エド「君には永遠に二番手がお似合いさ。さぁてどんな要望を聞いてもらおうか…」

リメロン「ま、待った待ったまったぁ!勝負はまだ決まってないわ!!」

エド「はぁ?勝負はどちらが新聞の一面を飾るかだっただろう?」

リメロン「これを見なさい!!」


そう言ってリメロンが拡げた新聞の一面には、『ギルド壊滅の立役者リメロン・アスバール』とデカデカとした文字が飾られていた


リメロン「どう!どうよ!?私だって一面飾ってるわよ!!」

エド「新聞社5社の内の一つだろう?あとは全部僕の暴いた汚職事件を一面に載せている。話にならないな」

リメロン「はあ?か、数で勝負なんてしてないし!どっちが一面を飾るかだし!!」

リメロン「だからこの勝負は引き分け!!」

エド「やれやれ…見苦しいねぇリメロン」


得意げに鼻を鳴らすエドに必死で反論をするリメロン


キュベレ「……少しよろしいですか?」

従者のキュベレが何かに気付いたようにリメロンが広げていた新聞を手に取る


リメロン「どうかした?」

キュベレ「……いえ、この新聞ですが昨夜坊ちゃんが連絡を取っていた新聞社だとおもいまして」

リメロン「へ?」

エド「あ!馬鹿!言うな!!」

キュベレ「確か『何処の新聞社も僕を取り上げるだろうからお前らはリメロンたちの事を取り上げろ』と仰っていませんでしたか?」

リメロン「ど、どういう事?」

キュベレ「きっと坊ちゃんなりにリメロン様にも花を持たせてあげたかったんだと思います」

リメロン「え!?それってこ、コイツが私に気を使ったって事!?」


リメロン「き、気持ちわるっ!!」


エド「だああ!!!やめろおおおおお!!そんなんじゃない!!!」

エド「くそうお前!!何時聞いてやがった!!!」

キュベレ「ふふふ…悪魔でメイドですので」

エド「答えになってなあああああああい!!!!」



その日のカフェではエドの嘆きの叫び声が鳴り響いた

今回の事件で得た教訓と言えば、『キュベレさんには逆らえないな』ということだろう


エピローグ
視点:エミリー



エミリー「……ここが、お前の家か」

エミリーはトシヒサと共にシャルロットが住むという家に案内されていた

トシヒサは一日寝ただけで怪我が全て治っていた。相変わらず出鱈目な体だ


シャルロットに連れてこられた家は美しい花畑に囲まれた家であった


エミリー「……ここであのスマイルと暮らしていたんだな」

シャリー「……うん…」

何をしてやるべきか分からず、寂しげに頷くシャリーの頭を乱暴に撫でる


エミリー(……あんなクソ野郎だったが、コイツにとっては良い保護者だったんだろうな)

エミリー(……それを目の前で殺されて、訳も分からず誘拐までされて……きっと気が気じゃないだろうに)

エミリー(良く落ち着いて居られるな……いや、我慢してるんだろう。私だけはコイツの事を分かってやらないとな……)


戸惑いながらもシャルロットの人差し指を握り、手を引いて花畑の中心に立つ小屋の前に立った


呼吸を整え、玄関の扉を開いた


エミリー(この先にあの男が暮らした跡が――)


しかし、眼前に広がっていた光景は予想をはるかに超えたものだった


エリック「お帰りなさいませお嬢様」

シャリー「エリック…!!」

目を輝かせてシャリーはあの奪われたはずの執事に抱き付く

エミリー(これはいい、これはまだいいだろう。だが――)


エール「ああ!お帰りなさいシャリーちゃ~ん!!」

シャリー「エールお姉ちゃんも居たんだね」

ロフ「……フフフ…」


エミリー(この銀髪の女と、コーヒーを飲みながらそれを恍惚とした顔で見つめるこの男は誰だッ!?)

エミリー(というか私にも反応しろよ!!)


エール「………ハッ!!貴方達何者ですか!?」

エミリー「気付くのが遅いしそれは私のセリフだ」

ロフ「そこのお前、怪しいな」

トシヒサ「…………」


トシヒサに食って掛かろうとするロフと、エミリーを庇うように前に出るトシヒサ

一触即発……となりそうな空気を執事が間に割って入って止める


エリック「皆さま、混乱しているでしょうが私が全ての経緯をお話しいたします」

エリック「どうぞ席について、お茶を淹れますので」


迅速なエリックの行動によってどうにか剣呑とした雰囲気は払われた

そこからエリックによる状況説明が始まった


エミリー「………成程な、お前たちとシャルロットは元々知り合いだったのか」

エール「はい!帰り途中で拾った手袋がたまたま仮契約状態で取り残されていて、ロフ様が拾ったときに簡易契約が結ばれたようです」

エール「そこでエリックさんと出会って全ての説明を受けました」

エール「シャリーちゃんを一人キリには出来ない!!と思いましてここに居る次第です」

エリック「ご納得いただけましたか?」


エミリー「……まあな」

エミリー「…この執事はあのスマイルがシャルロットに残した最後の物だ、それを取り戻してくれたことにはとても感謝している」

エール「いえいえ、偶々ですよぉ」


エミリー「だが、これからはここには私たちが住むことにした。出て行って貰う」

エール「………え?」

エミリー「私はスマイルに約束したんだ、シャルロットを責任をもって育てると」

エール「え…えええええええ!!!」

エミリー「悪いな、諦めてくれ」

エール「い、嫌です!私だってシャリーちゃんと一緒に居たいです!!」

エミリー「諦めてくれ」

エール「やだやだ!ロフ様とシャリーちゃんと一緒に家族ごっこをするんです!!」

エミリー「ごっこだと!教育を何だと思ってやがる!!」


エミリーとエールが言い合っている間に、こっそりとロフはシャリーを連れてシャリーの部屋へと来ていた


ロフ「……これは君の物だ。君が大事に持っていてくれ」

そう言ってロフはシャリーの小さな手に、契約刻印が刻まれた手袋を握らせる

ロフ「今はまだ大きさが合わないだろうが、その手袋をちゃんとつけられるほどに成長する時が来るだろう」

ロフ「それまでに、俺が君を立派な導師にして見せる」

シャリー「……導師って?」

ロフ「それは……」

少し視線を外し言葉を吟味する


ロフ「それはね、この手袋が似合う人の事だよ」

シャリーは困ったように眉を八の字にし頭を捻るが、やがてパァッと顔を輝かせる

シャリー「スマイルの事!?」

ロフ「……ああ、人を笑顔に導いてくれる人の事だよ」

シャリー「私もスマイルみたいのなれるの?」

ロフ「その手袋が似合うようになったら、きっとなれるさ」

ロフ「………『契約』の力は出会いの力だ。きっと運命がめぐり合わせてくれる」


ロフ「―――――君の望んだ人とね」



優しくシャリーの頭を撫でた

シャリーは太陽の様な明るい満面の笑みで手袋を強く握りしめた


エピローグ
視点:リメロン・アスバール



リメロンは屋敷の屋根に上って星空を眺めていた



リメロン「ねえねえナキ」

ナキ「…どうした?」

蜷局を撒いた大きな体をベッドの代わりにしてリメロンは寝そべっていた


リメロン「…昔の私ってどんな私だった?」

ナキ「……突然どうした?」

リメロン「なんか気になってね」

ナキ「珍しいな前向きな主が昔を振り返るなど」

リメロン「そーいう気分の時もあるの。で、どんな感じだったの?」

ナキ「どう…と言われてもな、主が知りたいのは契約をする前の『リメロン・アスバール』であって、私が知る『リメロン・アスバール』は契約をしてからの主だけだぞ?」


リメロン「…だよねえ……」

リメロン「……あのさ、『思い出』ってとっても大事な物じゃない?」

リメロン「それを生贄に捧げてまでして、どうして契約したかったのかなってさ」

ナキ「……なんだ、私では思い出の対価に釣り合わんか?」

リメロン「そうじゃないって。……ふふっな~に?もしかしてちょっと怒った?」

ナキ「怒ってなどいない。神である私の格を貶めるような発言をされた気がしたのでな」

リメロン「そうやって厭味ったらしく言うときは怒ってる証拠。ナキって冷静なようでいて結構分かりやすいよね」

リメロン「そう言う可愛げもあるとこも好きだよ」

ナキ「そう言う口説き文句は意中の男に言ってやれ」

リメロン「もう、照れてくれてもいいじゃない……」


ごめんごめんと少しお道化たようにリメロンはナキを撫でた


ナキ「……そうだな、私と契約を結ぼうとしていたお主は『泣いていた』」

リメロン「そう…なんだ。どうして?」

ナキ「大事な物を守ろうとして、怖いと叫ぶ感情を押し殺して主は立っていたぞ」

リメロン「………そっか……昔から、あんまし変わらないね」

ナキ「……今でも主人は恐怖で涙を流すことがあるか?」

リメロン「………怖い怖いって思うことは今でもあるよ」

リメロン「犯罪者と対峙した時はいつも怖いし、痛いのも怖い、お化けだって怖い」


リメロン「でも、涙を流すことは無いかも」

リメロン「ナキのおかげだね」

優しく深い深愛を感じさせる微笑みをナキに見せた


ナキ「…私の…おかげ?」

リメロン「うん、そうだよ。一人じゃ怖くて立っていられない時もあるけどナキが居るから立ち上がれるんだ」

リメロン「ナキが私の傍で、私に声をかけてくれるから私はこんなに頑張れてるんだ」


リメロン「私ね…契約を結んだのがナキでよかった」

リメロン「ナキじゃないと、私…こんなに立派に成れて無かったと思う」

リメロン「思い出よりも…もっとも~っと大切な私の宝物」


リメロン「改めて、ありがとうナキ」


ナキ「……その言葉、有り難く受け取っておこう」


二人は顔を合わせ柔らかく微笑み合った


エピローグ



この観測者世界では無限の可能性に溢れている

あり得ないがあり得るこの不思議な世界


そこでまた新たな『導師』が誕生する


『契約』を結び、己のナニカを生贄とし一蓮托生の絆を結ぶ


今日もまた人々は『異世界』と出会う


それは運命の出会いだ



そう『私』にとって、誰よりも身近な味方である『ナキ』であったり

『俺』にとっての自分を自分たらしめる『エール』であったり



それはとっても不思議な出会い


きっと君も『運命』と出会うだろう


まるで引き寄せられたかのように、君達は惹かれあう





『運命の出会い』HappyEND

  ~fin~


以上で【オリジナル】安価とコンマで異世界を繋ぐ契約を結ぶのラストでございます


楽しんでいただけたのなら幸いです!!

終盤は体調の悪さもあってかかなり更新が疎らになってしまい、キチンと終わらせられるか不安でしたが皆様の協力合って無事にエンディングを迎えることが出来ました!!
本当にありがとうございます!!!


今までのオリジナルのスレと違い決められた道筋を辿るという形式をとった今回のお話、如何だったでしょうか?

書きやすくもあったのですが、どうしても目立てないキャラクターという物が出てしまったことだけが非常に残念に思っています

フェリル&エンラの話やリリス&アリスwithヨルの話も考えてはいたのですが、上手く本編に組み込めず仕舞いでした

しかし、いい所も多くあったと思います

まず何よりも進行が楽

そしてそのおかげで本筋のバックストーリーも全て公開することが出来ました

コイツなんだったの?みたいなことは今回は無かった……少なかったと思います


取り敢えず『騎士団長最低だな』とだけ分かってればだいたい合ってます

ヨルとか重要そうかと思ったら別にそんなことはなかったアリスの目的とかなんだったのか


応募いただいた募集キャラの『マスク』の正体についてですが

正体が明確に設定されていなかったため、此方で勝手に正体を作りました!

前々からやってみたかった話があって、それと送っていただいた設定を混ぜた感じになリます

近々、次回作当たりのメインキャラに『マスク』君をいれて書きたいなと思っています


今回は今までと大きく違う点と言えば恋愛要素が薄かったところもあると思いますね

………いや、ロフ君が居たのですべて補えていたというべきでしょうか

それと冷静に考えてみてスマイルがシャリーに恋をしていたと気付く場面がありますが

スマイルがシャリーと出会ったのはシャリーが2歳の時ですから、こいつロリコンどころじゃねぇ!!となるとは思いますがそこは温かい目で見てやってください


新しい試みの一つとしては(裏)の導入

それと完全に悪い奴な敵役

この二つはかなり意識をして書いていましたね


まあそれ以上にロフ君とスマイルを書くのが楽しすぎたんですけれど……


>>748
毎回ヨル様は目立っているので今回は完全にコメディリリーフとして投入していましたね
こいつらはなんか思わせぶりな事を言いつつ漫才をする要員なので特に役割は決めて無かったです(暴露)


更新はここまでです

長い間お付き合いいただきありがとうございました!!


質問や感想なんかがあったらガンガン置いていってください!!
乙だけでも最高にうれしいです!!


それとちょっとだけアンケートっぽいものを
通るかどうかは別として、どっちの方が需要がありそうかなというただの興味です
軽い気持ちで応えてくれたら幸いです


次回作にやる内容

1、現代ファンタジー(異能メイン)
2、異世界ファンタジー(魔法or騎士メイン)
3、もう一回観測者世界(戦闘メイン)


候補としてはこんな感じですね



それではまた、次回作で会いましょう!!!

今まで本当にありがとうございました!!!!

※忘れてた貼りもの

名前:エンラ
性別:男性
種族:悪魔



強さ:10  世界原初の罪である『嘘』の魔力をその身に宿す




年齢は12歳
身長は141cm
浅黒い肌に、短めの黒髪、瞳の色は赤
謙虚だがしっかりとした性格で、空気を読むのがとても上手い
とても心配症で頼られたがりな一面があり、年上のティエラをいつも甘やかしている
12歳の時にその生を終えたため、契約を結んだ今も成長をしない
小さな国の神の御子として生まれ、神にその身を捧げることがエンラの生まれた意味であった
しかし、国から神を欺く事を強要されて人類で初めて神に嘘をついた
それが原因で拷問にかけられて死亡し、戒めとして悪魔に転生させられた
この悲惨な生い立ちを『自らの運命』と受け入れ、寧ろ自分という悪魔が生まれたことにより『人を騙してはいけない』という教訓が出来たことを喜んでいる
好きなものは生野菜
嫌いなものは焼いた肉




【特殊能力】



『悪魔』
『嘘』を引き起こす魔力を持つ悪魔
原初の罪である嘘をその身に宿したため、神に匹敵する強大な力を持つ


名前:ゼル・デルモルーテ
性別:男性
職業:騎士隊長



適応能力:8
身体能力:8
精神力:9
家系階級:7



年齢は37歳
身長は197cm
長めの黒髪、黒い瞳を持つ
死んだように動かない表情と、生気の薄い白い肌が特徴的
非常にドライな性格で、誰に対しても同じような接し方をする
ありとあらゆるものに執着がなさそうに見られがちだが、好き嫌いくらいはある
それなりに有名な騎士家系の出身
『導師信仰派』を名乗る『基本世界信仰派』という建前のダブルスパイ
本人はどちらでもない『穏健派』。正確に言えばどーでもいいと思っている
定期的にどちらかを煽り、その協力者として報酬を得ている
騎士隊長の権力を持って町を裏から操作している
形無き巨大組織『ギルド』の創設者である
この組織の始まりは『ギルド』という組織があるという彼の嘘の噂から始まり、その名を借りる者達によって勝手に巨大化した
定期的に噂を流し、『ギルド』を操作している




【特殊能力】


『契約:魔法使い』
星の輝きを秘めた騎士『シーザー・フルバーコス』と契約を結んだ
『星明』の魔力と、騎士の剣技を完全に引き出す



『生贄:表現能力』
無意識的に生じる表現能力をその生贄としている
それにより表情も決して変わらず、声色も常に一定である


ついでに契約者一覧



1、人間
2、亜人
3、怪物
4、魔法使い
5、人間(特殊)
6、悪魔
7、英雄
8、悪魔(強)
9、神
0、special
0のゾロ目 限界を超えし者達


人間
1、真実を捉える瞳 (神田瞳)新規
2、足元すくう暗闇 (御形ナズナ)既存
3、法を司りし血族 (九条新or冬子。新は次男)既存
4、冷酷な無知   (ロディア=ロスチャイルド)既存
5、何もない空白  (晴天堂隆司『ノートの異能』)新規
6、世界を繋ぐ欠片 (甲斐一族から抜粋)半々



亜人
1、戦いに憑りつかれた鬼   (クロキ【黒鬼】)既存
2、罪に染められしエルフ   (ゴーズ)新規
3、真理を探究する龍人    (イナカミ)既存
4、ラストワン          (ミネア)既存
5、誇り高き吸血鬼      (ケイ&ローザ兄妹)新規
6、清廉なるエルフ      (名前未定)新規



怪物
1、『忘却の獣』   (レオディーノ=カルディン)既存
2、『悠久の呪縛』  (ユキナ・イリティルミナ)既存
3、『破滅の捕食者』 (一式蒼司)新規       
4、『止まない雪空』 (皆上季久&リリィ)既存
5、『吸血鬼の王』  (アイン・シューデルリッヒ・デッセンベル)既存
6、『堕ちた星明』  (ジゼット・フルバーコス)既存改変



魔法使い
1、人間を超えし魔女  (ペラリア)既存
2、魔導を極めし狂人  (クァルジィ)既存
3、星の輝きを秘めた騎士(シーザー・フルバーコス)既存
4、黒緋色の賢者    (ヨーゼン・ベル)新規
5、待ちぼうけの魔法使い(シーラ)既存
6、揺るぎなき信念   (ハオ・ウィルハンネス)新規


人間(特殊)
1、全知の者     (神崎瞳&篠波鹿波)半々
2、転生の御子    (エルクリアorテイシロ)既存
3、人間を超えた人間 (皆上季久)既存
4、魔を従える怨念   (西條涙)既存
5、与えられた生命  (須能道弥『神通』)既存
6、虹色の少女    (マリシア=ストレーン)既存
7、記憶を無くした少年(香良恭二『鏡写しの異能』)新規



悪魔
1、かつて神と呼ばれた羊  (キュベレ)既存
2、かつて神と呼ばれた蝙蝠 (アルシアド)既存
3、かつて神と呼ばれた夢  (サタナウル)既存
4、かつて神と呼ばれた犬  (ミィ)既存
5、かつて神と呼ばれた猫  (ヘルマー。堕落の悪魔)新規
6、かつて神と呼ばれた烏  (イヴ。不吉の悪魔)新規



英雄
1、神殺しと謳われた英雄  (ガルラル)既存
2、反逆の英雄       (アリス)既存
3、なりそこないの英雄   (須能亜瑠弥with『神通』)既存
4、守護騎士の英雄     (ローヴェンダガラ=イニティウム)既存
5、神と同化した英雄    (ウルズ。海神の力を持つ)新規
6、二人で一人のお伽噺の英雄(アリア&ガルム)既存



悪魔(強)
1、かつて神と呼ばれた獅子 (カオス)既存
2、かつて神と呼ばれた罪  (エンラ。嘘つきの悪魔)新規
3、かつて神と呼ばれた闇  (ヨル)既存
4、かつて神と呼ばれた蠅  (ベル)既存
5、かつて神と呼ばれた蛇  (メニファム。裏切りの悪魔)新規
6、かつて神と呼ばれた竜  (フォルテ)既存



1、断罪を司りし女神(アルマ=ロマダグア)既存
2、色彩を司りし神 (ルヒト=イニティウム)新規
3、審判を司りし神 (ダグライ=イニティウム)既存
4、時護りの龍神  (イツナ=カンナギ)新規
5、天空を司りし女神(ゼフラム=イニティウム)新規
6、火を司りし神  (ゲーウィア=ロマダグア)新規



special
1、意味を司りし女神      (エール=イニティウム)既存
2、規律を定めし龍神      (トキナミ)新規
3、断罪と審判を司りし女神   (エルメイ=イニティウム=ロマダグア)新規
4、『黄金の魔人』       (フィーニョラズ=イニティウム・ベル・フェニクシア)既存
5、三界を貫く至高の英雄    (ガルラリョズ・ベル=フェニキス)既存
6、種を超越する全能の『支配者』(セツナ=カンナギ・イリティルミナ)既存




限界を超えし者達
1、この世全ての光  (ジェランダル)既存
2、この世全ての闇  (ヨル)既存
3、世界を渡る放浪者 (カイ)新規
4、災厄の化身    (フィーニス=イニティウム)既存
5、唯一絶対の個人  (一式緋色)新規


こんな感じでしたね

新規と既存は大体半々でしたね

個人的にはフォルテ君が使いたかったなぁと思っていたことを思い出しました

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