冬馬「いよいよだな……」 (23)
~315プロダクション~
冬馬「ついにこの日がやってきた……」
翔太「どうしたの冬馬くん?」
北斗「腹でも壊したか?」
冬馬「ちっげーよ! それよりお前ら、今日が何の日か、覚えてるだろう?」
北斗「今日? 俺の誕生日じゃないしなぁ」
翔太「僕の誕生日はもうちょっと後だよ、冬馬くん」
冬馬「俺は先月……ってそうじゃねぇよ!」
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翔太「じゃあ何?」
冬馬「お前ら、ホントに分かんねぇのか……?」
北斗「ハッキリしない男はモテないぞ、冬馬」
冬馬「っく……。もういい!」
ばっ
翔太「あ、冬馬く……! 行っちゃった」
北斗「全く、もうすぐプロデューサーさんが来るっていうのに」
~街中~
たったったった
冬馬「くそっ。あいつら信じらんねぇ! こんな大事な日を忘れてるなんてよ!
……ん? あれはレコード店か。よしっ。」
ウィーン
店員「いらっしゃいませ~」
冬馬(一応帽子被っとくか……。バレたら面倒だしな。えーっと……。あった!)
『ST@RTING LINE-01 Jupiter』
冬馬「……っはは、んだよ。961プロの頃から自分達のCDが並んでる所なんて、散々見てきたってのに
なんつーかこう……グッとくるぜ」
『ST@RTING LINE-02 DRAMATIC STARS』
冬馬「おぉ、ドラスタのCDもちゃんと並んでるぜ。天道さん達、喜ぶだろうな……よしっ」
かちゃかちゃ
冬馬「すんませーん、これください」
店員「はい、ありがとうございます」
ぴっ
店員「ニ点で3888円です」
冬馬「(意外とするな……)じゃ4000円で」
店員「4000円お預かりしましたので112円のお返しです」
じゃらっ
冬馬「ども」
店員「ありがとうございました~」
ウィーン
冬馬「へへっ、買っちまったぜ。ま、まぁ俺たちと違ってドラスタの3人は始めてのCDだからな
ちょっとでも売上に貢献してやった方が……って、誰に喋ってるんだ俺……」
??「冬馬?」
冬馬「あ、天道さん!」
天道「どうしたんだ、こんな所で?」
冬馬「いや、ちょっとそこのレコード店に……」
天道「レコード店……? あ、そうか! 今日は俺達のCDの発売日だもんな!」
冬馬「そうなんすよ!」
天道「で、自分達のCDが買いに来たって訳か」
冬馬「あ、いや……」
天道「照れるなって」
冬馬「そ、そうじゃなくって! お、俺が買ったのは、その……ドラスタのCDもっすよ……」
天道「俺達の?」
冬馬「あぁ。天道さん達始めてのCDでしょ? だからちょっとでも貢献して……って、何笑ってんすか!」
天道「ははははは! いや、ごめんごめん」
冬馬「んだよ……もう」
天道「でもそうか、買ってくれたのか。ありがとな、冬馬」
冬馬「ふ、ふんっ! Jupiterのライバルとしてこんな所で躓かれちゃ張り合いが無いっつーか! それだけっすよ!」
天道「おーし、んじゃ俺も冬馬達のCD買ってくかな~」
冬馬「ぅえ!? い、いいっすよそんな!」
天道「俺達だけ買ってもらうのは何か卑怯だろ? 正々堂々正面から競い合わなきゃ」
冬馬「! ……やってやるぜ! 楽勝!」
天道「じゃ、俺はレコード店寄ってくから。じゃな、冬馬」
冬馬「あ、お疲れっす」
ウィーン
天道「ホント冬馬って単純だな~。お、あったあった。」
――――――
――――
――
冬馬「さてと、事務所飛び出してCD買ったはいいけど、確かプロデューサーが来るんだよな……戻るか」
???「きゃっ」
冬馬「うおっ」
どんがらがっしゃ~ん
冬馬「わ、わりぃ……って、お前は!」
春香「あたた……。あ、ご、ごめんなさい私……って、あれ? Jupiterの……」
冬馬「お前とぶつかるの何度目だよ……」
春香「あはは……あれ? これって……」
冬馬「あ、CD落としちまった……。割れてないよな……?」
春香「大丈夫みたいですよ」
冬馬「良かった……」
春香「えへへ……」
冬馬「ん? 何だよ?」
春香「いえ、これJupiterとDRAMATIC STARSのCDですよね」
冬馬「お、おぅ……」
春香「へへへ、ほらっ」
冬馬「! お、お前……」
春香「買っちゃいました! 私、ずっと待ってたんです!」
冬馬「そうなのか……。…………あ、ありがとな」
春香「でも自分達のCDも買うんですね」
冬馬「い、いや……これは……そのっ」
春香「私も、765プロのみんなのCDは、欠かさず買うんです」
冬馬「そうなのか?」
春香「うぅん、765プロだけじゃなくて、お仕事で一緒になったアイドルのCDは必ず」
冬馬「そんなにか……」
春香「勿論、JupiterのCDだって持ってます」
冬馬「……そか」
春香「Jupiterの3人が961プロを辞めて、それでも頑張っている3人のライブを見て
それから私、また3人がこうやってCD出したりするの、すっごく楽しみだったんです!」
冬馬「……俺がこうしてまだアイドル続けてるのは、765プロがいたからだ」
春香「え?」
冬馬「961プロ辞めて、0から、3人で走っていこうって思えたのは。お前達765プロのお陰だよ」
春香「そ、そんな……」
冬馬「961プロにいたら、こんな風に3人で力合わせてなんて、考えもつかなかった。
だから、ひとまずCDリリースっつう第一歩まで来られたんだって思ってる」
春香「…」
冬馬「あ~……つまりだな……。……今の俺達は、765プロが相手だからって、簡単にはいかねぇぞって事だ! 分かったな!」
春香「は、はぁ……」
翔太「今のを訳すと、早く勝負したい、だよ」
冬馬「余計な事……って、翔太!?」
北斗「チャオ☆ リボンちゃん」
春香「あ、ど、どうも」
冬馬「何でいるんだよお前ら!」
北斗「いや何でって、冬馬を探しに来たんだよ」
冬馬「俺を?」
翔太「プロデューサーさん、待ってるよ」
冬馬「お、おう……悪かった……」
北斗「それじゃあリボンちゃん、またね☆」
春香「あ、はい! あの、頑張ってくださいね!」
冬馬「当たり前だろ。楽勝! だぜ!」
翔太「じゃあね~お姉さん」
春香「ふふっ。私達も負けないように頑張らなきゃ」
――――――
――――
――
翔太「ほらほら冬馬くん急がないとプロデューサーさん待ってるよ」
冬馬「分かってるっての!」
北斗「全く、折角のCDリリースの日に冬馬ときたら」
冬馬「うっせぇ! 大体元はといえばお前らが……って今なんて……」
翔太「僕達とDRAMATIC STARSのCD発売日でしょ。一緒にCD屋さん見に行こうと思ってたのに冬馬くんってば先走っちゃうんだから」
冬馬「お前等……覚えてたのか……」
北斗「当たり前だろ? 俺達の再スタート、その第一歩なんだから」
翔太「でも冬馬くん、CDくらい買わなくても言えばプロデューサーさんくれるよ?」
冬馬「んな! 何でCD買ったって分かるんだよ!」
北斗「手に持ってる袋、有名なレコード店のだろ?」
翔太「ホント、冬馬くんって分かりやすいよね」
北斗「そこがいい所でもあり、弱点でもあるんだけどな」
翔太「あはは~」
冬馬「うるせぇ!」
北斗「ははは、さてと、ほら行くぞ冬馬」
翔太「事務所まで競争ね。よーい、ドン!」
冬馬「って、おいちょっと待て! やるからには負けねぇからな!」
翔太「あはは~。ほーらこっちこっち」
冬馬「待て翔太!」
北斗「ふふふ、ホント単純だよな冬馬は……。二人とも転ぶなよ~」
おわり
終わりです。
Jupiter CD発売本当に本当におめでとう。
少しでもお楽しみいただけたら幸いです。
それではお目汚し失礼しました。
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