八幡「雪ノ下を無視してみる」 (283)
ガラッ
八幡「…うす」
八幡「…珍しいな、由比ヶ浜がいないのはともかく雪ノ下までいないのは」
八幡「まあ本読んで時間潰すとするか」
八幡「…いや、昨日課題夜遅くまでやったから眠いな。寝るか」
八幡「さて、椅子で寝るとなると1番重要なことはどう座ると寝れるかである」
八幡「前屈みになると頭に血が上って寝るどころじゃなくなる。だからといって後ろに身を預けると椅子ごと倒れる」
八幡「…一人語りが虚しくなってきたな、普通に寝るか」
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八幡「……」
八幡「…ん?」
ジーッ
雪乃「…」
八幡(…はい?)
雪乃「!」
八幡(…今こいつ、俺の顔のぞいてたのか…?)
雪乃「起きたのね、比企谷君」
八幡「起きたが一つ確認いいか」
雪乃「どうぞ」
八幡「…俺の寝顔見ていた理由をどうぞ」
雪乃「…」
雪乃「比企谷君。あなた、二度見の経験はあるかしら」
八幡「二度見…なくはないがそれがなんだよ」
雪乃「私の場合、何か気持ち悪いものをみたら二度見してしまうわ」
雪乃「この世のものとは思えない気持ち悪さに1回目をそらすけど本当に今見たものが確かなのか二度見をしてしまう」
雪乃「この部屋に入ってきた時、思わずその二度見をしてしまったわ」
八幡「寝起きの頭に毒舌をまぶすのやめてくれませんかね…」
雪乃「あなたの寝顔が気持ち悪いのが悪いんじゃない」
八幡(本当かよ…顔真っ赤なんだが、雪ノ下)
八幡(…どうやら30分だけ寝れたみたいだ)
八幡「てか、遅かったじゃねーか雪ノ下。用事でもあったのか?」
雪乃「いえ、私はそんな遅く来てないのだけれど」
八幡「じゃあいつきたんだ?」
雪乃「比企谷君が地獄を見せるような寝顔を晒した直後かしら」
八幡「寝た直後なら声くらいかけろよ…」
雪乃「嫌よ、あなたを起こす理由もないし何より寝顔が凄まじくて近づけなかったのよ」
八幡「さいですか…」
八幡(30分ずっと俺の寝顔でも見てたんですかね雪ノ下さんは…)
八幡「ん?由比ヶ浜まだ来てないのか」
雪乃「彼女ならあなたの寝顔見た瞬間逃げるように帰っていったわ」
八幡「どんな寝顔してるんだよ俺は」
雪乃「…あなたの寝顔を見て気絶して…私が起こした後帰ったのよ」
八幡「もう俺お前らの前で絶対寝顔晒さない」
雪乃「比企谷君を使っても面白くならないわね…由比ヶ浜さんは今日欠席よ」
八幡「欠席を俺に伝えるのにわざわざ俺を使った悪口言う必要ねーだろ…」
雪乃「ごめんなさい比企谷君、私あなたに悪口なんて言った覚えないのだけれど」
雪乃「その頭には私との会話が記憶されてないのかしら」
八幡「バッチリ記憶されてバッチリ悪口言われてるからな!」
八幡(あー、何か言えばすぐ毒を込めた言葉を投げかけてくるなこいつ…)
八幡(もういっそ俺から喋るのやめるか…そうしよう)
八幡(雪ノ下の言葉に私こと比企谷八幡は耐えれなくなったようです)
八幡「…」
雪乃「…」
八幡「…」
雪乃「…」
八幡「…」
雪乃「…」
八幡「…」
雪乃「…」
八幡「…」
雪乃「…」
雪乃「…比企谷君、あなたとうとう言葉を話せなくなったの?」
八幡(会話しないで2人でいることなんてよくあることだろ…なんで今日に限って話しかけてくるんだよ…)
雪乃「…まあいいわ。あなたが口を開かないことで世界が救われるものね」
八幡「なんでだよ」
雪乃「あなたが口を開くたび温暖化現象は進むわ」
八幡「全人類口を開くたび温暖化現象進めてるわ」
雪乃「…あなたが口を開いて言葉を発すると私が毒を吐かなきゃいけなくなるじゃない」
八幡「自覚あったのかよ!」
雪乃「あなたが口を開きさえしなければ私は毒を吐く必要もない。私が毒を吐く必要がない=世界が救われる、よ」
八幡「お前を世界に見立てるなよ…」
雪乃「以上のことから比谷君は口を開かなければいいと思うの」
八幡「俺の苗字略すな!」
雪乃「ほら、また口を開いた。はあ…また毒を吐かなきゃいけないなんて…疲れるわ」
八幡「吐かなきゃいいだろ!」
八幡(…しかし実際俺が口を開かなければこいつ、ほとんど悪口とか言わねえよな)
八幡(由比ヶ浜には俺に言う悪口ほど酷いことなんて言わないし…)
八幡(…やっぱり俺に対してしか言わないのな…相当嫌われてるなこいつに…)
八幡(もういっそのこと本当に口開かないでいいだろうか、雪ノ下に対して)
八幡(よし)
八幡「雪ノ下」
雪乃「毒を用意するからちょっと待ってちょうだい」
八幡「俺はお前に今後口開かないことにすりゃいいんだろ?」
雪乃「ま、まあそうだけれど」
八幡「俺は雪ノ下の悪口には疲れました、よってもう無視します」
雪乃「…あなた脳みそ頭の中に入れ忘れたの?」
八幡「俺がお前に何言われても口開かねえし何も言わないしそれでいいだろ」
雪乃「ちょっと待ちなさい比企谷君。訳がわからないのだけれど」
八幡「要するに毎日悪口言われて俺の心は傷つきました。よって悪口の発生源である雪ノ下との会話を拒絶しようと思います」
雪乃「ちょっ…」
八幡「俺が口を開かなければお前も悪口言わないですむんだろ?なら俺も言われたくねえし一石二鳥だろ」
八幡「以上」
八幡(本当に悪口にはうんざりしてたしこうでもすれば流石の雪ノ下も何も言ってこなくなるだろ)
雪乃「比企谷君!意味がわからないのだけれど!」
八幡「…」
八幡(無視するって決めたわけだし耳栓でもして本読むとするか)
雪乃「な、耳栓…あなた本当に私を無視する気なのね?」
八幡(さて、読書タイム)
雪乃「…いいわ、私も悪口言わなくてせいせいするし」
雪乃「…」
※チャイム
キーンコーンカー((ry
雪乃「…」
八幡(チャイム鳴ったな、最終下校時刻の)
八幡「…」
八幡(帰る準備するか。って言っても本を鞄に詰めて耳栓外すだけだが)
雪乃「…」
八幡「…」
八幡(じゃあお先に。を口に言わず俺はクールに去るぜ)
雪乃「ま、待ちなさい比企谷君」
八幡「…」チラッ
雪乃「…あなた、自分で馬鹿なことしてる自覚はあるの?」
八幡「…」
雪乃「無視、とは最低の人間がすることよ。礼儀も人格もなってない人間がすること」
雪乃「比企谷君はやはり最低の人間だったのね」
八幡「…」
雪乃「っ…本当に無視するのね…さすが最低人間のすることだわ」
八幡「…」
八幡(口閉じても罵詈雑言ばかりじゃねえか結局…もうなんか腹たってきたな…)
八幡(もう帰るか)
雪乃「比企谷君!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
結衣「何やってるの!早くゆきのんに謝りに行くよ!」
八幡「なんでだよ」
結衣「無視なんて絶対しちゃダメ!今日朝ゆきのんに会ったけど凄い落ち込んでた!」
八幡「それと同じくらいいつも俺は落ち込んでるんだよ、主に雪ノ下の悪口、暴言でな」
結衣「た、確かにゆきのんちょっとヒッキーに当たり強いけど…それでも無視はダメ!絶対ダメ!」
八幡「俺が雪ノ下を無視しようと由比ヶ浜に関係ないだろ」
結衣「あるよ!あたしが嫌!」
八幡「私情を挟み込むのはやめてくれませんかね、お客様」
結衣「ふざけないでヒッキー!ゆきのんが無視されてどれだけ辛かったのか知ってるの?」
八幡「その辛さを由比ヶ浜が知ってるわけないだろ」
結衣「朝のゆきのんみたら辛さが伝わったよ…」
八幡「そうか、確かにお前は見てわかったのかもしれないが無視されるのは実際やられた奴にしかわからない辛さなんだよ」
八幡「現に俺も辛かった、無視された時 はな」
結衣「わかってて…その辛さをわかっててなんでわざと無視するの!」
八幡「もういいか?昼休みそろそろ終わりそうなんだが。そもそも飯食ってる時いきなり俺のこと追っかけてきて昨日何があったとか聞かれてて飯食えてないんだよ」
結衣「…!最低!ヒッキー最低!」
八幡「なんとでも言え」
結衣「…見損なったよヒッキー…」
放課後
結衣「というわけでしばらくヒッキー部活動禁止」
八幡「別にいいんだが、なんでお前が決めたんだ?」
結衣「ゆきのんがかわいそうだからだよ!今ヒッキーはゆきのんと会っても無視するんでしょ」
八幡「ああ、するな」
結衣「そんなのゆきのんが辛くなるだけだよ…だから今、ゆきのんとヒッキーは会わせられない」
八幡「あのな…そもそも口を開くなって言ってきたの雪ノ下だぞ?なんで俺が全部悪いことになってるんだよ」
結衣「…そ、そんなのいつもゆきのんがヒッキーに言ってることじゃん…なんでいきなり無視したりするようになったの」
八幡「暴言、悪口を毎日言われてそれでも平気でいれる奴は特殊な性癖を持ってる奴だけだ」
八幡「俺は限界だったんだよ、毎日毎日人の心踏みにじってきた雪ノ下に限界だった」
帰り道
八幡(さて、部活動禁止を部員に食らったししばらく顔を出さなくていいだろう)
八幡(平塚先生に何か言われても由比ヶ浜に部活動禁止って言われたからで通るだろうし)
八幡(どうせ行ったってまた雪ノ下に毒を吐かれるだけだろうし)
八幡(というかそもそも雪ノ下と会わないなら無視の必要もないしな)
八幡(それにしても由比ヶ浜、わざとでも大きく説明しすぎだろ)
八幡(あの雪ノ下が俺ごときに無視されたところで何も思ってないだろうに辛そうなのが目でわかるとかナイナイ)
ヒロイン無視系主人公SSです
今日はここまで
翌日
八幡「…うん、清々しい天気だ。今日も絶好のぼっちライフがおくれそうだな」
小町「ああ…小町のお兄ちゃんは朝からこんな残念なこと言う人間なのです…」
八幡「残念でもないだろ、じゃあ行ってくる」
小町「すとーっぷ。最愛の妹を学校に送り届ける仕事忘れてるよ、お兄ちゃん」
八幡「へいへい」
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八幡(さて、妹を送り届ける仕事を終えたわけだし学校行くか)
八幡(しかしどうせ早く行ったって何かあるわけじゃねえし…ゆっくり行くか)
戸塚「あ、八幡おはよー!」
八幡「マイエンジェル!」
戸塚「は、八幡?」
八幡「…おう、すまない。天使がいると思ったら天使だったから歓喜の言葉を漏らしただけだ」
戸塚「僕は天使じゃなくて人間だよ!」
八幡(腕振って抗議してる、可愛い)
雪乃「…」
教室
八幡(さて、学校着いたが喋る人はいない、睡眠もまだとる必要はない。よって…)
結衣「…ヒッキー」
八幡「…なんだ由比ヶ浜。俺はこれから読書しようと思ったんだが」
八幡(耳栓つけて)
結衣「…いや、やっぱなんでもない。じゃあね」
八幡「…なんだあいつ?」
八幡(まあいい、先生が来るまでの時間潰しを始めるか)
八幡「…んあ?」
八幡(嘘だろ…)
八幡(耳栓部室に置いてきてしまった…)
八幡(昨日使う必要なかったから置いてきてたのに気づかなかったか…)
八幡(イヤホンもあるけど俺は音を遮断して読書したいからイヤホンじゃ役割不足だしな…)
八幡(部室に行こうかと思ったけどやっぱりやめた。今俺は部活動禁止により部室に入れない)
八幡(…それに会うたび暴言言ってくる嫌な奴もいるしな。あいつも今俺に無視されてて凄い気が楽になってんだろうな)
八幡(仕方ない、買い直すか)
下校時間
八幡(よし、学校は終わったし耳栓買いに行くか)
八幡(さすが俺、誰よりも早く帰ることに成功し…)
雪乃「…!」
八幡「…」
八幡(…なんでこいつがこの教室の前にいるんだよ…)
雪乃「ひ、比企谷君…」
八幡(いや、この教室には由比ヶ浜がいるから由比ヶ浜目当てか。さて、買いに行くか)
雪乃「…あなた、まだ無視を続けるつもりなの?」
八幡(どこに買いに行こうか迷うな…値段が安いもの選ぶか)
雪乃「ま、待ちなさい比企谷君!」
スタスタ
雪乃「…っ」
戸塚「あれ?どうしたの雪ノ下さん」
雪乃「…いえ、なんでもないわ。それより由比ヶ浜さんはいるかしら」
八幡「よし、帰るか」
八幡(耳栓ついでに本も買ったししばらく本の調達はいいか)
結衣「あっ」
八幡「…」
結衣「…ヒッキー、なんでこんなところにいるの?」
八幡「本と耳栓を買いに来たんだよ、悪いか」
結衣「やっぱり部室に置いてあった耳栓、ヒッキーのだったんだ」
八幡「確かに俺のだがもう捨てて構わん。てかなんでお前こそこんなところにいるんだ。まだ部活時間だろ」
結衣「…ゆきのんがしばらく部活休むって言って帰っちゃったから今日は休み」
八幡「へえ、じゃあな」
結衣「待ってヒッキー!」
八幡「なんだよ…こちとら早く帰りたいんだが」
結衣「なんでゆきのんが部活休むって言い出したのか考えを言ってみて」
八幡「はあ…?知るわけないだろ、俺がそんなこと」
結衣「いいから答えて」
八幡「どうせ体調がすぐれないとかだろ、なんで聞くんだよこんなこと」
結衣「こんなことって…!しばらく部活休むってゆきのんが言ってるんだよ!」
八幡「ああ、だがしかし俺はあいつが休もうが関係ないだろ。特に今は部活動参加禁止なんだから尚更だ」
結衣「ヒッキーが部活参加できないのもゆきのんがしばらく部活休むって言ったのも全部ヒッキーが原因だよ!」
八幡「いや、どちらも違うと思うんだが。前者なんか由比ヶ浜が言ったことだろ、俺自身全く関係ない」
結衣「ゆきのんが昨日どれだけ弱々しかったか知らないでしょ…ヒッキー」
八幡「お前が言ってた辛そうに見えただっけ?あのな由比ヶ浜。あいつは俺があいつを無視することに悲しみなんか覚えるわけないだろ。弱々しくなるどころか元気になってないとおかしいはずだが」
結衣「何もわかってない!何もわかってないよヒッキーは!」
八幡「別にわかりたくもないんだがな。いい加減帰らせてくれ」
結衣「ヒッキー…」
八幡「じゃあな、部活はお前がどうにかしてくれ」
結衣「…」
八幡「ただいま」
小町「あ、お帰りお兄ちゃん。小町にする?小町にする?それとも小町にする?」
八幡「選択肢を増やせよ…ご飯も風呂もまだいい」
小町「そうなの?」
八幡「ああ。疲れたから少し休む」
小町「風邪ひいた…わけじゃないよね?」
八幡「風邪じゃない」
小町「ならいいけど…呼んだら部屋から出てきてねお兄ちゃん」
八幡「へいへい」
八幡「はあ…」
八幡(なんだったんだ由比ヶ浜のやつ…)
八幡(あいつは部活しばらく休むとなってるらしいし、由比ヶ浜もそれで部活に出ないだろうししばらく部活は出なくてよさそうだな)
八幡(というかあいつが休む原因が俺にあるって意味が不明すぎるんだが…)
八幡(…まああいつがどうなってるかなんて俺には関係ないしな。無視するって決めたわけだしどうでもいいか)
小町「お兄ちゃーん」
八幡「なんだ小町」
小町「ちょっとリビングへかもーん、カマクラの水取り替えてー」
八幡「うす」
翌日
八幡(今日も戸塚に会えるだろうか)
八幡(ちょっと探しながら歩くか)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
八幡「…」
八幡(アエナカッタ…)
八幡(ま、まあ教室に行けば天使はいる。一緒に登校できなかったのは惜しいが)
雪乃「あ…」
八幡「…」
八幡(なんで戸塚じゃなくてこいつなんだ…)
八幡(てかしばらく休むんじゃなかったのか…と思ったが休むのは部活だけか)
八幡(まあどうでもいいか、早く戸塚に会いに行かねば)
雪乃「…!ひ、比企谷君!止まりなさい!」
八幡「…」
八幡(なんでこんなに声かけてくるんだ?せっかく無視を選んだのにこれじゃあ意味がないだろ…)
八幡(まあいい。応答するとまた毒舌吐かれるだけだ。さっさと教室へ)
雪乃「待ちなさいと言ってるでしょう!あなたは耳すら働かない人間なのかしら!」
八幡「…」
スタスタ
雪乃「比企谷君!」
雪乃「…」
八幡「戸塚ぁぁぁぁぁぁあ!」
戸塚「はちまん!?いきなり飛びついてきてどうしたの!?」
雪乃「…」
雪乃「ひ…き…がや…くん……」
戸塚「び、びっくりした…いきなり飛びついてきて恥ずかしかったよ八幡…///」
八幡「天使が顔を赤らめるとこのような破壊力があります。見習ってください先生」
平塚「ドヤ顔しながら何を言ってるんだ貴様は…比企谷、昼休みちょっと私のところまで来い」
八幡「嫌ですけど」
平塚「問答無用だバカもの、部活についてだ」
八幡「部活?」
戸塚「奉仕部でなにかあったの?八幡」
八幡「…身に覚えはないが」
昼休み
八幡「来ましたけど」
平塚「よし、座れ」
八幡「なんのご用件でしょうか」
平塚「部活と言ったろう。比企谷、部活をサボるとはいい度胸じゃないか」
八幡「ああ、その件ならサボってたわけじゃないんで」
平塚「サボるのではないならなぜ部活に来ない?」
八幡「由比ヶ浜に参加禁止って言われたもので」
平塚「由比ヶ浜に部活の参加有無を決める権利はないだろう…」
八幡「さあ?まあそう言われたから俺は行かなかったというわけです」
平塚「はあ…そのことは後で由比ヶ浜と話すとしてだ。雪ノ下がしばらく部活を休むと言い出したんだ。何か理由を知らないか比企谷」
八幡「…知りませんね」
平塚「どうなってるんだ我が部活は…」
まだ無視生活は終わりませんの
本日はここまで
八幡(平塚先生と話し合い、雪ノ下がいなくても部活には出るようにと言われてしまった)
八幡(確かに雪ノ下がしばらく休むって言ってるのには全く心配ないわけじゃないが、やはり俺には関係ない、の言葉で終わる)
八幡(それにどうせ俺が心配してることを言っても「比企谷君ごときに心配されるなんて屈辱以外のなにものでもないのだけれど」など罵倒の言葉を浴びるだけだろうし)
八幡(…放課後までの授業頑張るとするか…)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
部室
八幡「あー…」
八幡(寝過ぎた…頭がボーッとする…授業中は寝過ぎず適度に授業受けることにしよう…)
八幡(ボーッとした頭で内容が頭に入るかわからないが読書するとしよう、依頼人もどうせ来ないだろう)
ガラッ
結衣「や…やっは…ろー?」
八幡「…なんだその控え目な挨拶」
結衣「い、いやあ…ヒッキーに一つだけ謝っておきたいことがあって…」
八幡「なにを謝るんだ」
結衣「平塚先生に言われて…えっと…勝手に部活参加禁止とか言って…ごめんなさい」
八幡「それか…まあ別に構わんが」
結衣「あ、ありがとうヒッキー…」
八幡「立ってるのもあれだし座れよ」
結衣「う、うん」
八幡(由比ヶ浜が来ても特にどう変わることもなく、時間も下校時刻に差し掛かろうとしていた)
八幡「…なあ、少し時間は早いが今日はもう終わりでいいか?どうせ依頼人も来るわけないだろうし」
結衣「あ…」
八幡「…まだ終わりじゃダメってことか?その返事は」
結衣「…ひ、ヒッキー。あたしがこれから何個か質問するから答えて」
八幡「なんでだ」
結衣「いいから答えて!」
八幡「別に答えるだけなら拒みもしないが…で、質問はなんだ」
結衣「えっと…ヒッキーはゆきのんのこと…今どう思ってる?」
八幡「なぜ雪ノ下の質問なんだ」
結衣「こ、答えて?ヒッキー」
八幡「…」
八幡「別に、頭は良くて、有名で、凄い嫌味を言ってくる奉仕部部長ってくらいか」
結衣「悪友とかじゃなくて…?」
八幡「悪友の意味わかってないだろお前…そもそもあいつと俺は友達ですらないが」
八幡「…それ以前に友達という存在が俺の人生の中にいないが」
結衣「そ、そう…」
八幡「で、あと何個質問残ってるんだ」
結衣「え?えっと、あと1個」
八幡「その質問答えたら終わりにしていいか」
結衣「うん、いいけど…」
結衣「ヒッキーは今ゆきのんを無視…してるんだよね?なんで無視することになったのか詳しく教えて」
八幡「雪ノ下がことあるごとに俺を見下げて毒舌を吐いてくるのはお前も知っているだろう」
結衣「…」
八幡「…ただその毒舌にいい加減嫌気が指しただけだ。雪ノ下が俺が口を開かなければ毒舌を吐かないと言うんで、なら口を開かないでやるよと言ったんだ」
結衣「だからって…無視まですることないじゃん…」
八幡「逆に俺が無視するからあいつも毒舌とか言わないで普通にしてるだろ。大嫌いな俺が口を開くことがなくなったから清々してると思ってるんだが」
結衣「ゆきのんの素がヒッキーには全部届いてなかったんだね…」
八幡「あいつが素の面を晒すわけないだろ。それより質問に答えたから帰っていいか?」
結衣「うん…ねえヒッキー」
八幡「なんだ」
結衣「自分の素の面って信頼しきってる人にしか見せないよ」
八幡「…?」
結衣「…なんでもない。じゃあねヒッキー。戸締りはあたしがするから」
八幡「頼んだ」
八幡「ただいま」
八幡「…最近由比ヶ浜の様子が変だな…いつものあいつらしくないというか」
小町「お兄ちゃんも十分変だと思うけど?」
八幡「玄関まで出迎えてくれるとは出来た妹だ」
小町「おかえりお兄ちゃん。さて、小町からお兄ちゃんに何個か質問しちゃうよ?」
八幡「小町?」
小町「お兄ちゃんは雪乃さんのことどう思ってますかー?」
小町「お兄ちゃんが雪乃さんを無視する理由はなんですかー?」
八幡「それさっき聞いた質問なんだが…なんで知ってるんだよ」
小町「それは小町が結衣さんにお兄ちゃんにこの内容の質問してってお願いしたからだよ」
小町「結衣さんから聞いたよお兄ちゃん。雪乃さんを無視してるお兄ちゃんは小町的にポイントチョー低いです」
八幡「低いのか」
小町「あったりまえじゃん!どういう理由があるにせよ無視はダメだよお兄ちゃん!」
小町「今日は何もわかってないお兄ちゃんにこの比企谷小町がご教授しましょう!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
少し考えていますが、今のところこれ以上登場人物が増える予定はありませんですよ
少ないですがここまで
小町「両方とも悪い!」
八幡「?」
小町「だから今回の件は雪乃さんもお兄ちゃんも悪い!」
八幡「俺の悪いって部分は無視した点か?」
小町「んー、そだね。それが一番悪いところだね」
八幡「じゃああいつは」
小町「雪乃さんはねぇ…普段のお兄ちゃんへの態度が悪い…かな?」
八幡「なんで疑問系なんだ…」
小町「いや、確かに雪乃さんはお兄ちゃんに暴言…などなど吐きすぎてたとは思いましたよ、ええ。小町もたまにムカッとすることもあったよ。お兄ちゃんを悪く言うなって」
八幡「それ俺じゃなくてあいつ本人に言ってくれねえか、録音して聞かせてやりたい」
小町「それに雪乃さんは計算違いをしていたみたいだね」
八幡「計算違い?」
小町「ズバリ、お兄ちゃんは暴言や毒舌に耐えることができる強靭な心を持ち合わせていないことが雪乃さんの計算違いであったのです!」
八幡「な、なんだってー」
小町「真剣に話してるんだから棒読みとかてきとうな受け答えしちゃダメお兄ちゃん。小町ポイントだうーん」
八幡「真剣な話し合いの場に小町ポイント持ってくる方がおかしいってツッコんでいいか?」
小町「というわけで、双方謝り合うべきだと小町は思うのです」
八幡「そうは言ってもだ小町。無視って行為自体は酷い行為だが、俺があいつを無視する行為は酷くもなんともなくないか」
小町「なんで?」
八幡「いや、だってあいつ俺のこと嫌いじゃん。嘘偽りを好まないあいつが暴言吐くってことはそのままの意味で受け取っていいってことだろ」
小町「ちっちっち。雪乃さんがお兄ちゃんを本当に嫌ってたら暴言なんて吐きません」
八幡「嫌いだから暴言吐くんだろ?」
小町「好きの反対は無関心。嫌い嫌いと口で言っててもなんだかんだ会話してる限り、雪乃さんはお兄ちゃんを心底嫌ってるわけじゃないと思うよ?」
八幡「…」
小町「そしてお兄ちゃんが今雪乃さんにやってることは無視。無関心と同じだよ?今の状況見るとお兄ちゃんの方が雪乃さんを嫌ってるって見えちゃうよ?」
八幡「そうだな…好きの反対は無関心だったな」
小町「そうそう!理解が早いのは小町的にポイント高い」
八幡「しかしだからと言ってあいつが暴言吐く理由はないよな…あれだったら無関心の方がマシと思える」
小町「あれが雪乃さんの素なんじゃない?それをお兄ちゃんだけに見せてるんだ!ツンデレだよツンデレ!」
八幡「素があの毒舌なのは勘弁してほしいんだがな…」
小町「だけど…この状況を生かさない手はないんだけど…雪乃さんに悪いんだよぉ…どうしよう…」
八幡「1人で何言ってるんだ?」
小町「お兄ちゃんは雪乃さんに謝ろうって思えた?」
八幡「わがままな意見だがあいつが俺に言ってきた中傷的な言葉に何を思って言ってたのか気になるな。謝るにしてもその後でいいか」
小町「ですからそれは雪乃さんの素なのでは…」
八幡「しかしだな、俺はあの暴言があったからこそあいつは俺のこと嫌いなんだって思い込むようになったんだが」
小町「実際の雪乃さんはお兄ちゃんに
毒舌とか吐くことによって返してくれることが嬉しくて吐いてたのかも?」
八幡「ナイナイ」
小町「むー。でも今までの説明で雪乃さんがお兄ちゃんを嫌ってるわけじゃないことはわかった?」
八幡「…無関心でないのはわかった」
小町「捻くれた言い方しかできないんだから…」
小町「そういえばお兄ちゃんは…えっと、雪乃さんを無視した時の雪乃さんの反応は見たの?」
八幡「…怒ってたな」
小町「そりゃ怒るよ。無視なんて遠回しにあなたに興味ありませんって言ってるように聞こえるよ?」
八幡「そうか…」
小町「ここまで説明したんだから後はお兄ちゃんが自分でなんとかしてね!」
八幡「今更無視をやめたとか言ってあいつに話しかけるのはもっと嫌なんだが。あいつ怒り狂うだろ、間違いなく」
小町「…どうだろうね?実際に声かけてみないとわからないよ?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
翌日
八幡(よし、下駄箱にいればあいつが来た時反応できるだろう)
八幡(小町に言われて謝ることにしたわけだが…なんて言えばいいんだ?)
八幡(…無視してごめんなさい、これからも仲良くしてください?違う…こんなの俺のキャラじゃない)
雪乃「…あ…」
八幡(周りの人に言われて気づきました、無視が最低の行為だということに。どうか許してください…)
雪乃「…比企谷君…」
八幡(…そもそも謝罪必要なのか?お互い悪いって小町が言ってたことだしお互いの非を認め合えばいいだけじゃないか?)
雪乃「…そう…よね。やっぱり無視…するのよね…」
八幡(非を認め合うなら謝罪は必要ないし平和的に終わるんじゃないか?)
雪乃「…」
八幡(俺は無視したことが悪かったがお前にも非があったことを認めてほしい、こんなもんで…)
八幡「…雪ノ下?」
八幡(目の前にいるのに気づかなかった俺は咄嗟に名前を呼んでしまった)
八幡(すると驚いたように顔を上げる雪ノ下の目にはーーー)
雪乃「…」グス
八幡(涙があった)
雪乃「…!」
ダッ
八幡「あ、お、おい!」
八幡(雪ノ下はこちらに目もくれず走り去っていってしまった)
八幡「…」
八幡(昨日の小町の嫌いではないという言葉が本当なら…)
八幡(あいつは俺に無視されることを本気で嫌がってたのか…?)
八幡(さっきの涙はまさかそれ…でか?)
変な時間帯での投稿ごめんなさい
ここまでです
放課後
結衣「…それで?」
八幡「…今度は俺が雪ノ下に避けられるようになってしまった…話しかけようとしても赤くなって逃げていくんだよ…涙見たのがまずかったのか…」
結衣「ええ…折角関係修復まで頑張ってきたのに…ヒッキーなんてことを…」
八幡「…仕方ねえだろ。雪ノ下が話しかけてきたのに考え事してきづかなかっただけだ」
結衣「で、ヒッキーがゆきのんに気付いた時は泣いてた…と」
八幡「…そうだ」
結衣「ゆきのんプライド高いから…涙は他人に見せたくなかったんだと思う」
八幡「逆にプライド高い雪ノ下が涙流すほど…なのか?俺が無視したことって」
結衣「ゆきのんにとってはそうだってことだよ」
八幡「しかし…あいつが避け続けるんじゃ…」
結衣「ちょっとヒッキーがゆきのんを無視してた状況に似てるね今…感想は?」
八幡「まあ…その話したいのに取り合ってもらえないというのもキツイもんだな。前の無視の時、俺から特に話しかけるやついなかったから…」
結衣「ヒッキーのトラウマ今持ってきちゃダメ!」
八幡「だが、雪ノ下が避けてくる限り俺はもう話し合うとか無理なんだが」
結衣「メールで場所指定で呼び出して話す…とか?」
八幡「どうせ呼び出しても取り合ってくれないだろ。そもそも俺は雪ノ下のメールアドレスを知らない」
結衣「…よし、作戦会議をしよう!」
八幡「いきなり何言ってんだお前」
結衣「場所移動するよ!その場所に助っ人も呼んで…と」
八幡「ちょ、押すな」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
小町「ずいぶんタイミングが悪い時に雪乃さんに気付いたねお兄ちゃん…」
八幡「おい由比ヶ浜。助っ人ってまさか小町か?」
結衣「そだよ」
小町「どーも、頼れる妹です!」
小町「でねお兄ちゃん。雪乃さん多分涙見られたのが恥ずかしくて多分お兄ちゃんの話聞き入ってくれないと思うのです」
結衣「そこで、ヒッキーの手助けすることにしたんだよ!今まではゆきのんの手助けだったけど次はヒッキーだね!」
八幡「雪ノ下の手助け?」
小町「それはもう大変でしたよー?お兄ちゃんに無視されて傷ついた雪乃さんにお互い悪いって説得したの小町だよ?」
結衣「あたしもちょっとゆきのんの傷癒せるように頑張った!」
小町「お兄ちゃんにも言った通り、今回のことは雪乃さんも悪い部分がある。お兄ちゃんに暴言毒舌を毎日のように言ってたこと」
小町「雪乃さん的にはもしかしたらお兄ちゃんとのコミュニケーションのつもりで毒舌吐いてたのかもしれないけど、結果的にお兄ちゃんが傷ついたのは事実」
小町「だから小町がお兄ちゃん説得して雪乃さんと話させるから、雪乃さんもお兄ちゃんに言いたいこと言って、って言ったんだ!」
結衣「でも今日事故でゆきのんが話しないで逃げちゃって…」
結衣「ゆきのんも恥ずかしがったりして人間らしいところが見れて良かったけど…」
八幡「その言い方だと雪ノ下が残虐非道の冷徹人間みたいだろ…」
小町「まあ、お兄ちゃんはちゃんと話し合う気があるのはわかったし…あとは雪乃さんだけだね」
結衣「ここでヒッキーがゆきのんに無理やり話し合いさせても逆効果だし…」
小町「ここは引き立て役の小町達で頑張りましょう結衣さん!」
結衣「うん!あたし達がゆきのんをヒッキーと話し合いさせればいいんだね!」
小町「ということでお兄ちゃんは雪乃さんに何言うのか決めといてね。じゃあね!」
八幡「…」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
八幡「…いや、わざわざあの場から俺を追い出さなくてもよかったろ…」
八幡「まあ…言われた通り何言うかくらい考えとくか…」
八幡(朝考えてたお互いの非を認め合う方式でいいんだよな?)
八幡(それで雪ノ下も納得…してくれるか?)
翌日
雪乃「え、えっと…」
八幡「…」
雪乃「…」
八幡「…」
雪乃「そ、の…」
八幡「…」
雪乃「…」
八幡「…」
雪乃「ひきぎにゃくん…」
八幡(…話し合いできるかこれ?)
1日空けてすいません
ここまで
雪乃「…」
八幡「いや別に名前噛んだくらいで凹まなくてもいいだろ…」
雪乃「…あなたにそういうところを見られるのが嫌なのよ。涙もそうだけれど」
八幡「あれは仕方ねえだろ…」
雪乃「やっと、私に向けて話しかけてくれたわね」
八幡「…」
雪乃「私が普段から比企谷君に暴言を言った結果が今回の事が起こる原因だったけれど」
雪乃「…ごめんなさい比企谷君。由比ヶ浜さんや小町さんがあなたも悪いなど言ってたのかもしれないけど」
雪乃「今回は私が全面的に悪いのは明らか。普段の行いが産んだこと」
雪乃「だからちゃんと…謝ろうと思って…」
八幡「…おう」
雪乃「私の悪口なんかも平然と受けて返していたから思い上がっていた…その、こういう冗談を言い合える関係が今までなかったから…」
八幡「…雪ノ下からすれば俺へのそういう言葉は俺との冗談を言い合う言葉だったんだろ?」
雪乃「ええ…私は。でも比企谷君は本当に嫌がっていた」
八幡「まあ、そうだな。嫌って言えば嫌だったな」
雪乃「…」
八幡「だから無視するに至ったわけだが…その、さすがに俺も無視はやり過ぎた。悪かったな…」
雪乃「…比企谷君が謝るなんて…なんてことなの…」
八幡「人の謝罪くらい素直に受け取れないのかお前は」
雪乃「冗談、よ。ありがとう比企谷君」
八幡「…」
雪乃「…比企谷君に無視された時、私は思いの外傷ついている自分に驚いた」
雪乃「私は比企谷君に無視されるとこんなに傷つく脆い人間だ、って」
雪乃「もし比企谷君が無視するという状況にならなかったら私はそれほど傷つかなかったと思う」
雪乃「だから、どうしても比企谷君に無視される状況をなんとかしたかった。私がこれ以上傷つく前に」
雪乃「…不思議ね。今まで他人にどう思われようと、無視されようとなんともなかったのにあなたの無視には傷ついて」
雪乃「…今こうして仲違いを改善することができて嬉しい…」
八幡「…雪ノ下」
八幡「他の人に無視されようとなんともなかったのに俺に無視されたら傷ついたとか、それ俺じゃなかったら勘違いしてる言葉だぞ」
雪乃「…?」
八幡「…そ、その言い方だと俺個人に気があるみたいじゃねえか」
雪乃「…あ」
八幡「ま、まあ?こんな経験数多く積んだ俺に死角はないし、勘違いなんかしないから、あ…安心しろ」
雪乃「比企谷君…」
八幡「…な、なんだ」
雪乃「そうね、比企谷君だから勘違いされずにすんだのよね。今度からあなた以外にそういう言い方しないように気をつけるわ」
八幡「…それもどうなんだか」
雪乃「…じゃあ、お互いの言いたいことを言い合うというのはこれでおしまいでいいの…でしょうか」
八幡「…いいんじゃねーの」
雪乃「そう。じゃあ部活動に戻りましょう比企谷君」
八幡「ああ」
雪乃「…紅茶、飲む?」
八幡「雪ノ下が俺に紅茶を飲むか聞いてきただと…」
雪乃「…飲むの、飲まないの?」
八幡「いただきます」
八幡「で、由比ヶ浜はいつ来るんだ」
雪乃「『今日は仲直りするだろうから部外者のあたしは今日部活行かないよ?頑張ってねゆきのん!』」
八幡「意外と声真似上手いな…」
雪乃「そう?褒められて嬉しくないことはないわ」
八幡「素直に嬉しいと言え…捻くれてるなお前は」
雪乃「あなたには特に言われたくない言葉ねそれは」
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雪乃「そろそろ戸締りの時間ね」
八幡「了解」
雪乃「あなたに渡すものがあったのを忘れていたのを今思い出したわ」
八幡「渡すもの?」
雪乃「これ。あなたが私を無視し始めた日に置いていったものでしょう?」
八幡「耳栓か…しかし無視し始めた日とは言わんでも…」
雪乃「比企谷君に少しでもダメージが入る言い方を選んでみたのだけれど」
八幡「おい」
雪乃「冗談、よ」
八幡「…まあ冗談って言えるだけ進歩した方か」
雪乃「私自身でも気をつけるけど、もし私があなたを傷つける言葉を言ったとしたら指摘してちょうだい」
八幡「…」
雪乃「もう…そのあなたと雰囲気が悪くなるのは嫌だから」
八幡(デレすぎじゃないですかね雪ノ下さんは)
雪乃「だから…無視はしないでほしいのだけれど…」
八幡「ああ、そうだな」
雪乃「今度無視したら私も無視し返すことにするわ」
八幡「それ意味ねえだろ…ただの他人になるだけだ」
雪乃「他人になるのは嫌ね…じゃあ」
雪乃「今度無視したら私と由比ヶ浜さんと小町さんであなたの部屋に乗り込むわ」
八幡「いやわけわかんねえよ」
雪乃「あなたを怒るついでに猫を愛でるのが目的よ」
八幡「うちに来てカマクラを撫でたいだけならそう言え」
雪乃「いいのかしら」
八幡「別に構わんが…」
雪乃「…ありがとう」
八幡「…」
雪乃「…」
雪乃「…今度無視したら」
八幡「まだ続くのかよこれ」
雪乃「あなたから納得いく解答をもらってないから」
八幡「なんて言えば納得してもらえるんですかね…」
雪乃「…今度無視したら泣く」
八幡「…そうか、泣かれるのは困るから無視はしないことにする。無視するような原因があったらお前に言うことにすればいいんだろう?」
雪乃「…!泣く!」
八幡「わかった、泣くな」
八幡(涙見られただけで俺と話すのが嫌で逃げてた雪ノ下からすれば最大限の対策なんだろう)
雪乃「…でも男の人の前でそう簡単に涙を見せていいものなのかしら」
八幡「じゃあ泣かなければいいじゃねえか…」
雪乃「でもあなたに涙は効くんでしょう?」
八幡「…まあ」
雪乃「…そう」
雪乃「ならあなただけに涙を見せることにするわ」
八幡「…」
八幡(だから勘違いするだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!)
雪乃「比企谷君は女の涙に弱い…と」
八幡「ちょっと待て、その内容をメールにしてどうするつもりだ!」
雪乃「どうって…姉さんに渋々送るのだけれど」
八幡「なんであの人に送るんだ…」
雪乃「…あの人にも今回、助けられているから。お詫びとして比企谷君の弱みをゲットしたら教えなさいって言われたのよ」
八幡「…お前があの人を頼るなんてそんなに傷ついてたのか?」
雪乃「…ええ」
雪乃「ということで比企谷君」
八幡「なんだ」
雪乃「今度、無視したら泣くわよ♪」
八幡「…」
八幡「はい…」
八幡(実際泣くのかどうか試してみて無視したら本当に泣いて小町、由比ヶ浜、雪ノ下さんにめちゃくちゃ責められたのはまた別の話だ)
end
これで終わりです、ただデレのんと悲しんでるゆきのんを書きたかっただけです
この後の残りは自分で考えた
八幡「雪ノ下を無視してみる」があったらこのスレを使ってもらっても構いませんし、雑談をこのまま続けてもらっても構いません。
では読んでくださった方、ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
実際のガハマさんだったら、雪ノ下を糾弾しそう。どう考えたって悪いのは雪ノ下のほうだからな。
ああ、確かに。
それ言ったらそもそもひっきーがこんな怒り方しないと思うわ
鋼メンタルだしな
続きが
ほしい
この由比ヶ浜マジでウザいな
八幡が正しい
雪ノ下クズ
由比ヶ浜バカ
小町キチガイ
虫が良すぎるよな
暴言された側が嫌な思いをしたらそれはもうハラスメントだよ。犯罪か?