ぴよろんぱ2 (220)

スーパーダンガンロンパ2の西園寺日寄子を主人公にしてお送りするSS、通称ぴよロンパです。

前スレを見た感じ、大丈夫そうだし、面白そうだ、と思っていただけたのであれば、本スレも十分楽しめる内容になっているかと思いますので、どうかよろしくお願いします。

前スレ
ぴよロンパ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423013580/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1428495702

それでは更新を始めたいと思います。

今日で動機のちょい前まで行きたい

―ライブハウス ヒカエシツ―

……これを、こうして……こうっ!

西園寺「……よしっ!」

着物もしっかり着れた……うん、さすがわたし、いいセンスしてるね。

澪田「こんちゃっすー! 日寄子ちゃん! オーダーきつすぎっすよ~」

西園寺「あ、澪田おねぇ! やっほー」

澪田「おっ、それが今日の日寄子ちゃんの戦闘スタイルっすね? 唯吹も三味線持ってきたっす! 一日でマスターするっていうのは、だいぶ骨を削りましたケド……今日はいい演奏ができそうっすよ!」

西園寺「……皆来てくれるかな?」

澪田「さぁ~、どうなんすかね? でも唯吹は全員来てくれると思うっす! てか、こんな夢の舞台来ないとか、人生の9割損してるっすよ!」

西園寺「本当だよね~? 今日は澪田おねぇとも波長が合うねぇ」

澪田「ともに音楽をやる、あっ、仲間でぇ~ありますゆえぇ~」

ベベンッ!

澪田「うん! 決まったね!」

本当に一日で三味線弾けるようになったんだろうね……さすがだね。

西園寺「あっ、そろそろ時間だね」

澪田「よっしゃあ!! イクっすよ!」

西園寺「うん!」

澪田「あ、日寄子ちゃん、手」

西園寺「え? 手?」

澪田「んっ」

澪田おねぇの出した右手に、わたしが右手を重ねる。

澪田「……掛け声、どうするっすか?」

西園寺「……ど、どうしようね?」

澪田「じゃあ、無難にこれで行きましょう! えい! えい!」

西園寺「えい、えい」

澪田「ぶひぃー!」

西園寺「おー……ってなんだその掛け声!!」

そして……わたし達がステージに立つと……。

皆がいた……。そこには残りの11人、全員がそろってわたしの踊りを見てくれようとしていた。

澪田おねぇの三味線が響く。わたしが一礼すると、ぱらぱらと拍手がわく。

いつもはもっと大きな拍手と歓声があるんだけど、この拍手は……なんでだろう、それよりもうれしい。

それからわたしは、扇子を開く。くるりと回して、意識を全神経に集中させて、指先から何から何まで……その時、わたしは一本のピンと張った糸になる。そしてその糸はぶれることなく、それでいてしなやかで、美しく舞う。

皆はどんな顔をしてくれてるかな? 喜んでくれてるかな?

きっとマヌケな顔して喜んでるんだろうな……だって、わたしの踊りが見られるんだもんね。

そんなの……喜ぶ以外にないもんね。

――――――――――――――――――――――――――――――――

日舞が終わり、礼をすると、さっきより大きな拍手が湧きあがった。

そのままぴょんとステージを飛び降り、まっさきに向かうのは。

西園寺「おねぇ! 見ててくれた?」

小泉「うん、見てたよ。すごいね……何枚か写真撮っちゃったよ。ほら」

日舞をしてるわたしと、三味線を弾く澪田おねぇの顔……いい表情で写ってる。

西園寺「えへへ……えへへっ!」

終里「なんだ……? 何ともいえねぇ気持ちがオレの中にある……」

七海「きっと、終里さんは西園寺さんの演舞と、澪田さんの演奏に感動したんだよ」

終里「感動……オレがか……」

ソニア「西園寺さん! すごいです! 今度わたくしに、そのダンスを教えていただけないでしょうか?」

西園寺「はぁ? ダンスぅ? そんなダッサイものと一緒にしてもらっちゃ困るんだけど? 舞って言ってよね?」

ソニア「では、その舞をわたくしに伝授してください!」

西園寺「ふんっ……厳しい修行になるよ?」

ソニア「それでも……親方様となら!」

辺古山「お、親方様?」

狛枝「いやぁ……まさに希望に満ち溢れてた演舞だったね。素晴らしいよ! 澪田さんは三味線も弾けるの?」

澪田「いんや? 初めて弾いたっすよ。だから日寄子ちゃんに言われて、寝ずに一日で完成させたっす!」

狛枝「すごいや!! さすがは超高校級の力を持つ人だね!」

花村「うーん、いいねぇ。でもぼくの下半身はまだ物足りないみたいだよ!」

罪木「ひぅ!? 何やらものすごい殺気が……!?」

田中「だが俺様もだ……貴様ら人間が持つ強き力……俺様にも感じさせてはくれないか?」

澪田「おやおや? アンコールっすか?」

左右田「おうっ! もう一回やってみてくれよ!」

七海「……ふふっ、いいね。こうしてみんなで盛り上がれるって……」

西園寺「えー? もうわたし疲れたー。踊りたくなーい」

ソニア「そ、そこを何とか!!」

西園寺「どうしよっかなー? あー、でもなー……」

ここでわたしは……あることを考えた。ここに来ても、敢えて目立たないように端っこの方にいるアイツに……若干イライラしてたから。

西園寺「ねぇ、日向おにぃはどう思った?」

日向「……え?」

左右田「な、なんで日向なんだよ?」

西園寺「いーから! わたしは日向おにぃにも感想を聞きたいの!」

辺古山「……そ、そいつはもういいんじゃないか?」

西園寺「もー、外野は黙ってて!」

辺古山「す、すまない」

まあ、辺古山おねぇとかは、まだおにぃの事が怖いだろうけど……そりゃ、わたしもおにぃの事が怖いけど……。

日向「……良かったよ。すごく良かった。西園寺らしくて……澪田の演奏も澪田らしくて……粗削りだけど、それでも一生懸命で……それでいて繊細で……」

西園寺「そっか……それなら良かったよ」

狛枝「それで、ボクなんかにもあの希望を、もう一度見せてもらえることはできるの?」

西園寺「いいよ。えへへっ、じゃあやってあげる! ドリル!」

澪田「唯吹のことをそう呼ぶのやめてくださいよー!」

西園寺「今すぐ準備するよ! だから早く――――――」











と、そこでだ。

わたしの体は突如動かなくなった。







皆の騒いでる声が聞こえて……でも、その声も足音もだんだんと聞こえなくなって、ぼやけた視界が……さらに真っ暗になって……気が付けば……。







わたしには何も見えなくなっていた。








今日はここまでで。次回よりストーリーはさらに展開していきますぜ

それでは、本日の更新を始めたいと思います。

―ビョウイン―

…………日寄子ちゃん、大丈夫かな?

なんだかすっごく心配だ……病室の外で待ってるアタシ以外のみんなも……そんな感じだった。

突如、日寄子ちゃんが倒れて、それから夜時間の放送が流れるくらいには時間が経った……それでも、蜜柑ちゃんはまだ出てこない。

アタシたちにできることは……。

小泉「お願い……無事でいて」

そう、祈ることくらいだった。

……10分、20分、1時間と時は過ぎていき、気づけばもう深夜になっていて……それでも、この病院にアタシは残り続けた。

アタシは日寄子ちゃんのために、ここに残ってあげなきゃ……だって可哀想じゃん……。

……お願い。お願いだから、無事でいて……日寄子ちゃん……。

ガチャッ

罪木「ふぅ……戻りましたぁ」

小泉「あ、蜜柑ちゃん! どう? 日寄子ちゃんは?」

罪木「実は……今までにない病気の類で、ですね? ……うゆぅ、少し混乱しちゃってますぅ……」

小泉「でも、どうして突然病気なんて……?」

罪木「わ、分かりません……とにかく熱が高くて、しかも……虹色の泡を吹いて……」

小泉「に、虹色の泡!?」

罪木「特に特徴的なのが、その……西園寺さんが西園寺さんじゃなくなってるんです」

小泉「え……? それ、どういう!?」

罪木「と、とにかく来てくださぁい!」

―ビョウシツ―

小泉「日寄子ちゃん!」

西園寺「…………」

小泉「ひ、日寄子ちゃん?」

西園寺「……………………」

小泉「……だ、大丈夫? 心配だったんだよ?」

西園寺「……ここはどこですか? いったい私は何をされたんですか……?」

小泉「……あれ?」

罪木「……言った通り、ですよね? 西園寺さんが西園寺さんじゃないって」

小泉「なにこれ、病気のせいだよね?」

西園寺「そ、そんなことより、ダンスの練習をしないと……」

小泉「な、何の話!? 日寄子ちゃんは日本舞踊家で……」

西園寺「……え? だって、私は学校アイドルで……」

罪木「が、学校アイドル!?」

小泉「どこかの設定と一緒になってしまってる!?」

西園寺「と、とにかく私はやらねばならないのです! そこをどいてください!」

罪木「どくわけにはいきません!」

西園寺「な、なぜです! 離しなさい!」

小泉「ひ、日寄子ちゃん……? 自分が誰かわかってるの?」

西園寺「わ、私の……名前? え、えーっと、私は……」

小泉「…………」

西園寺「だ、ダメです……何故かここでは言ってはいけないような……そんな気がします」

罪木「……ね? わかったでしょ? 彼女がどれだけ重症か……」

小泉「と、突然……どうしちゃったの?」

罪木「わ、分かりません、何もわかりません、けど……私は【超高校級の保健委員】です! 西園寺さんの命、預からせてください!!」

……蜜柑ちゃんが強気で何か言う時は、絶対に信じても大丈夫な時だ。

小泉「……わかった。アタシはとりあえずホテルに戻るよ。蜜柑ちゃん……日寄子ちゃんの事、頼んだよ」

罪木「は、はいぃ!」

アタシはホテルのコテージに戻って……ただ、日寄子ちゃんの無事の知らせを待つことにした。

15日目

―ミオダノコテージ―

……はれ? もう朝っすか?

参ったよ……まーた朝が来ちゃったよ……あーあ、朝はあんまり好きじゃないねぇ……。

……日寄子ちゃんがどうなったのか……唯吹にはわかんないっすね……蜜柑ちゃんの腕に任せるしかない、か……。

なーんて、唯吹らしくないっすねー!!

澪田「よっと! ……ふむふむ、今日の唯吹のローリングベッド飛び降りも決まったっす」

なーんて独り言言っててもむなしいっすね。独り言言っててもって、連続でおんなじ漢字が続くんすね。

まあいいや! レストランにゴーッす!

―ホテル レストラン―

澪田「こんちゃーっす!」

……って、あらら? なーんか様子が変っすね……?

花村「ヌルフフフフ……」

およ?

終里「何かさっきから花村が気持ち悪ぃんだよな……こんな感じでさ」

澪田「気持ち悪いっていうか……」

花村「殺せるといいですねぇ……卒業までに……」

澪田「もはや別キャラっすよ!?」

左右田「うぃーっす……って……うおおっ!? なんだその花村の顔……何かいつもより邪気があるというか……」

花村「にゅやっ!? 邪気!? 先生あまりそういうのは得意じゃないですよ?」

辺古山「わけのわからん事を言うな。いったいどうしたというんだ?」

狛枝「…………これは……?」

澪田「何が起きたかは全く持ってわかんないっすねぇー。先日の日寄子ちゃんも、結局どうなったのかわかんないですし……」

小泉「日寄子ちゃんと……同じだ」

ソニア「え? 同じ……とは?」

「ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃーうるせぇんだよ」

左右田「こ、今度はなんだ?」

田中「発情期ですかこのヤロー」

辺古山「な、なんだ……このどうしようもない人間のようなオーラは……!?」

小泉「な、何故だか心が振るわされる……いや、そんなバカみたいなこと言ってる場合じゃないって……これ、どういうことなのよ!?」

澪田「それより、唯吹的には真昼ちゃんのさっきの発言が気になるっすよ!」

花村「気になりますか? 気になりますよねぇ? ヌルフフフ……」

田中「いやぁー、まさか貴方のようなジャンPのダークホースと共演することになるなんて思いもしなかったなー。というか、俺みたいなヤツでいいんですかね?」

左右田「オメーら二人ともとりあえず静かにしろよ!!」

七海「どういうこと小泉さん? あなたは西園寺さんをずっと見守っていたの?」

小泉「うん、日寄子ちゃんの無事が確認できるまで待ってたんだけど……まず、日寄子ちゃんは無事だよ。一命は取り留めてる」

七海「よかった……」

小泉「でも、蜜柑ちゃんいわく見た事ない病気の症状も見られるみたいで……ちょうどそこの花村と田中みたいに……キャラが全然違う状態になっちゃってさ」

田中「何でキャラ崩壊なんだよ! 俺キャラ崩れてんの? 大丈夫? ねぇ……?」

花村「あなたもいつも通りじゃないですか! も、もしや私!? 先生の方がキャラ崩壊!?」

田中「どっちかというと見た目が崩壊してんだよ!!」

辺古山「こいつらは少し無視しよう……つまり花村と田中、そして西園寺が、同じ病気のようなものにかかってしまった、というのか?」

狛枝「あ、ちょっといいかなー?」

小泉「な、何?」

凪斗ちゃんはぺたりと輝々ちゃんのおでこに手を当てると……。

狛枝「うん、すごい熱が出てるね。きっと田中クンもそうなんだろうね」

花村「あまり触られるのは得意じゃないですからねぇ……本当ならマッハ20で動けるはずなんですが……」

田中「え? その能力もここじゃ封じられてるのか? 最悪だな先生、それじゃ本当に普通の人間じゃねぇかよおい……あ、木刀ねぇ。俺も普通の人間じゃねぇかぁぁぁぁあああああ!!」

左右田「特に田中はうるさすぎだっての!!」

田中「田中って誰だよ!! 俺にはもっとちゃんとした……アレ? 何でだ? 何で俺、自分の名前を言いたくねぇんだ?」

花村「そ、それは……私だって同じです」

小泉「これも日寄子ちゃんも同じ……しかも、このタイミングでってことは……」

七海「間違いなく、モノクマの罠……と、思うよ?」

モノクマ「ぶっちゃけその通りですね!」

左右田「出やがったな……おい、コレはどういう事だよ!?」

モノクマ「これがオマエラの今回の動機、絶望病なのでーす!」

狛枝「絶望病……だって?」

終里「ありえねぇよ……意味分かんねぇよなんだよそれ!!」

絶望病……すか?

モノクマ「人によって症状も少し違ってくるんだけど、今回は中の人がヒントになってるねぇ~」

澪田「中に人なんていないっすよ!」

田中「いやいや、中に人はいるだろ。アニメキャラなんて全員キグルミみてぇなもんだっつの」

小泉「それ以上余計なこと言うんじゃないわよ!!」

七海「どちらにせよ、どうしてこれが動機になるの?」

モノクマ「実はこの病気って移るんだ……だからね、オマエラ全員に感染していったら、もうコロシアイを起こすしかなくなるよね! ぶひゃひゃひゃ! 版権ドリームマッチのスタートだよ!」

ソニア「そ、そんなの無理ですよ!? 本当にそんな事になったらジエンドです!」

左右田「絶対にそんなことにはさせねーぞ……モノクマ!」

モノクマ「うぷぷぷ……せいぜいあがけばいいよ」

七海「……行っちゃったね」

左右田「……やっと、やっと仲良くなれそうな気がしたんだ……田中も、花村も!! ……だから、オレは……お前らを必ず救って見せるからな!」

和一ちゃんかっこいいっす!! 唯吹感動してるっす! 敢えて言葉に出さないでおくね!

澪田「それにしても弱ったっすねぇ……感染する可能性があるってだけで、かなり脅威だもん」

辺古山「……ひとまず、彼らを病院に連れて行こう」

小泉「アンタたち、しっかり歩ける? 男子でしょ?」

花村「ややっ!? どうやら歩行だけは可能なようです!」

田中「マッハ20はどうしたんだよぉ!」

花村「そちらこそ木刀がないのであれば……宇宙人と戦うなんてできませんねぇ……ヌルフフフ」

田中「お前がその宇宙人じゃねぇかぁ!!」

狛枝「うん、歩くのには問題なさそうだね」

こうして唯吹達は、また病院に集まることになるのであった! まるっ!

―ビョウイン―

病院いっちばーん!

左右田「とりあえず罪木に相談するぞ! 小泉、頼めるか?」

小泉「アンタに指図されたくないんだけど? 言われなくても行くっての!」

真昼ちゃん全力ダッシュっすねー。うんうん。

さて……とりあえずこの二人を病室に……。

辺古山「とりあえずお前たちは小泉の後を行け」

花村「にゅや!? 先生に指図ですか!?」

辺古山「いいからいけ!」

田中「ここはこいつらに従っといたほうがよさそうだぞ……」

花村「どうやらそのようですね……」

ソニア「……お二人は、記憶を持っていないというのですか……?」

七海「……もしかすると、この病気……記憶ごとすり替えちゃうの?」

澪田「そ、そうだとしたら大変っすよ!?」

狛枝「こうやってみんなで仲良くしたことも忘れて、もう一度コロシアイという状況を知った彼らは……はたしてどうなるのかな? 想像するだけで絶望的だ……」

澪田「そんな事言ってる場合じゃ……」







日向「ないよな」




澪田「ひいいいいいいいいいっ!?」





日向「なんだよ、人を幽霊みたいに……」

だ、だってだって、確かに幽霊じゃないけど……創ちゃんは危険人物っすよ! はっ、まさか……。

澪田「もしかして、日寄子ちゃんたちに何かしたんじゃないっすよね!?」

日向「……なんでそうなるんだ?」

純粋に疑問に思ってる顔っすねー……本当創ちゃんはサイコパスっすよ! ケンバンドよりクレイジーっす!

終里「さっきモノクマが言ってたじゃねぇかよ。これは絶望病だってさ」

日向「そうだ。俺はそんな事できる力なんて持ってない」

確かにそうっすね。唯吹、ちょっとだけとちったっす!

狛枝「だったらさ、キミの能力ってなんなのかな?」

日向「…………」

左右田「そ、そういえば、日向の能力を聞いたことがないな……お前も何かの超高校級の才能があってここに呼ばれたんだろ? 違うのか?」

日向「……………………」

ソニア「な、何故黙っていられるのですか?」

終里「答えられないって事じゃねぇのか?」

そ、それってつまり……

澪田「裏切りものってことっすか?」

辺古山「そんな適当な事を言うのは止めろ……軽率すぎるぞ」

澪田「そ、そうは言っても……」

七海「ねぇねぇ、日向くんの才能なんて、分かったところでどうでもいいからさ」

狛枝「どうでもいい? そんな事ないよ、一番大事なことじゃないか」

七海「むっ、どうでもいいよ。狛枝くんにとってとかそういう事じゃなく」

狛枝「キミたちがそういうスタンスなら、ボクはそれで構わないけど……他の人たちはどうなの?」

左右田「……そんな皆で疑いあってる場合じゃねぇよな。日向なんかどうでもいいけど、オレは西園寺たちの事は何とかしたいし」

ソニア「そうですね……田中さんたちの病気を治すための方法を考えないとですよね」

澪田「そもそも、あれが移るって言うのも本当かどうか怪しいっすけど……」

七海「移るってことは、まずは被害を最小限に抑えることから始めないとね。全員が感染したらゲームオーバーだから」

ソニア「ここにいる全員が、同じ声の別キャラになれますものね……」

辺古山「だが、すぐに報告ができるように連絡が必要なのも事実だし、すぐに何かあった時に駆けつけられるようにするためには、ホテルも遠いな」

終里「だったら近くにあったモーテルでも使えばどうだ?」

狛枝「なるほどね。看病側とモーテルを拠点に調査する側に分かれるってことだね」
















七海「ということは、感染を最小限に抑えるためにも、狛枝くんには看病側に回ってもらうことになるけど、いい?」

狛枝「え、どうして?」

日向「患者に触れたりしたか?」

狛枝「……あ、確かに触っちゃってたね。これは参ったね。あははは……」

終里「何笑ってんだ気色わりぃ」

まさか……すでに絶望病なんてことないっすよね……?

狛枝「うん、分かった。ボクなんかが皆の役に立てるかわからないけど、やれるだけの事はしてみるよ」

辺古山「さて……では、看病組には狛枝、小泉、罪木、それから病気にかかった西園寺と田中と花村を。残りの人たちはモーテルに行くことにしよう」

こうして、ペコちゃんの号令により、唯吹達は分かれることになったんっす!




モノクマなんかにぜってー屈してやらねーっすよ!! 唯吹、何としてでも日寄子ちゃん達を助けるっす!!




だって、皆唯吹の大事なバンドメンバーですから!!

今日はここまでで。

主人公である西園寺がアレなので、今はトワイライトの方々で代用しております。

それでは、本日の更新を始めます。今日で(非)日常編は終わらせます。

―ビョウイン―

小泉「なるほどね……それでアンタだけ残ったってわけね」

狛枝「うん、そういう事だよ」

うゆぅ……それはそれで不安ですけど……。

罪木「え、え~っと……看病とは言っても、本当に見ていることしかできないんですけど……」

狛枝「それがキミたちの希望って言うなら、喜んでボクは犠牲になるよ」

小泉「また気持ち悪い事言ってるし……」

狛枝「ふふっ、まあいいよ。キミ達に理解してもらいたいなんて思っちゃいないしね……ボクみたいな人種は」

罪木「と、とりあえず私は休んでくるので、小泉さんと狛枝さんで、3人の看病をお願いします。3時間交代のサイクルで回していきますから……」

小泉「はい、了解」

狛枝「いやぁ、小泉さんと一緒なんて嬉しいなぁ!」

小泉「キモイ」

狛枝「アレ? 今度は西園寺さんの代わりにキミが暴言?」

小泉「そういうつもりじゃないっての! アンタは田中と花村をお願いね」

狛枝「うん、そういうと思ったよ」

……はぁ……これでしばらくはのんびりできそうだなぁ……。

って、ダメダメ! ただでさえノロマな私がのんびりしてたら、いざって時に駆けつけられないよ!

……でも、とりあえず休憩室を使っちゃおっかな?

……だって、せっかくの休憩時間なんだし、この間に眠っとかないと……後が苦しいですもの……。

……そう、だよね。うん、今のんびりとゆっくりとしておいて……3時間しっかり寝ないと……。

私が感染なんてしたら、どうしようもないですもん!

私は自分にそう言い聞かせて、階段を上り、休憩室に入ってベッドへ行きました。

……それから先の事は、あまり覚えてません。

――――――――――――――――――

罪木「ん……んぅ」

「……ん……罪木さん……?」

罪木「にゅふふ……くすぐったいれすよぉ……」

「罪木さん!!」

罪木「ひゃあっ!?」

飛び起きた先にいたのは、狛枝さんでした。

狛枝「大丈夫? だいぶ疲れてたみたいだね」

罪木「あ、いえ……すみません、えへへ……」

狛枝「それより、罪木さんが寝てる間に、例の物が届いたよ?」

罪木「例の……もの?」

狛枝「ほら、病院のロビーだよ。行こうか」

何だろう? とりあえずロビーに行った方がいいよね? いかないと……嫌われちゃう。

―ビョウイン ロビー―

狛枝「ほら、これだよ。テーブルの上の通信機器」

通信機器……もしかして?

狛枝「そう。さすがは【超高校級のメカニック】だよね。電気屋の余った部品で、こんなすごい連絡機器をつくっちゃうなんて、すごすぎるよ!」

罪木「これは……何か光ってますけど、どうすればいいんですかぁ?」

狛枝「そこのスイッチを押してみたら分かるんじゃないかな?」

……私は言われるがままに、恐る恐るスイッチを押す。すると……。

画面が光って、皆の顔が見えた。

左右田『おっ、ちゃんと映ったみたいだな! とりあえず実験は成功だ! そっちに声は聞こえてるか?』

そっか、これ……左右田さんの言ってた機械で……通信機器っていう……。

罪木「は、はぁい、大丈夫ですぅ……」

七海『とにかくこっちの方は問題ないかな。今は絶望病の感染拡大を抑えるのが最優先だからね』

終里『そんな事より、皆の病状はどうなんだよ!? 治ってきてんのか?』

罪木「そ、それが……原因もさっぱりですし、何ともできないっていうのが正直なところで……悪化しないようには頑張ってるつもり……ですけど」

澪田『そっちもなんだかんだでいっぱいいっぱいなんっすね……唯吹たちも頑張るっす!!』

日向『とりあえず俺は図書館に行って、何か手がかりになるような書物がないか調べてくる』

辺古山『ま、待てっ! 勝手な行動は慎めと……』

左右田『もう仕方ねぇだろ日向に至っては……』

ソニア『ですが、このままずっとあのような感じでは、どうしようもないですわね……何かこちらの方でも打つ手がないか考えておきますわ』

狛枝「よろしくね、皆」

左右田『うおお!? 狛枝!?』

狛枝「ボクだけじゃなく、【超高校級の保健委員】の罪木さんも病気になった皆を見てるから、それはとりあえず安心してほしいんだ。キミたちは何も気にすることなく、絶望病についての原因探求に努めてほしい」

辺古山『もとよりそのつもりだ。任せておけ』

終里『オレ達に任せとけって!』

澪田『よっしゃああああ! やる気出てきやがったぁ!! ほら、イクっすよ!!』

ソニア『今回はテストなので、このあたりで切らせていただきます。今後は、チャイムが鳴った30分後にお会いしましょう』

罪木「は、はいっ!」

と、そこで通信は切れちゃった。

狛枝「今小泉さんは休憩中だろうから、あとでこのことを教えておいてあげてほしいんだ」

罪木「わ、わかりました……」

……それからまた、少しずつ時間が経ちました。

その間私と狛枝さんは懸命にみんなを看病して過ごしました……。

でも……

花村「ふぅ……ぜぇ……はぁ……」

罪木「は、花村さん!!」

花村「……ここまで先生を追い詰めたのは……正直なところあなた方が初めてですよ……E組の皆さんにも見せてやりたいものです……あなたは立派なアサシンだ」

罪木「ほとんどもう意識もない……こ、狛枝さん!!」

狛枝「どうしたの?」

罪木「次の休憩は、私を飛ばしてもらっていいですか!? 私……何としてでも花村さんを助けて見せます!」

花村「せ、先生は先生であって……そんな名前では……」

罪木「いいからもうしゃべらないで! 横になってください!!」

花村「にゅ、にゅや……」

狛枝「……それが罪木さんの希望なんだね? わかった。ただ小泉さんがなんて言うかだよね……アハハ」

罪木「笑ってる場合じゃないです! とにかく、急いで……これを何とかしないと……」

狛枝「あまり焦りすぎない方がいいと思うよ? ボクはともかく、罪木さんに病気が移ったりしたら大変だしね……」

罪木「は、はい……それにも気を付けるように最善を尽くします! 狛枝さん、マスクとビニール手袋を!」

狛枝「うん、取ってくるよ」

―――――――――――

小泉「蜜柑ちゃん、本当に大丈夫?」

罪木「……はい、大丈夫です……何とか、花村さんも峠は越えたみたいで……でもまだまだ予断を許さない状況って感じですかね……他の二人はどうでしたか?」

小泉「どうって……相変わらずだよ……特に日寄子ちゃんは突然ダンスの練習し始めて……」

罪木「どこから持ってきたんでしょうね……その設定」

小泉「うーん……田中はなんだか知らないけどアタシが行くたびに変態ストーカーって言ってくるし……」

罪木「やっぱり皆かなり悪化してきてるような気がしませんかぁ?」

小泉「そうだね……前の記憶がなくなってるのも気になるよ……」

罪木「…………」

きっと、この病気を止める手段は……なら、私が……。

罪木「もしかして、病気の時の記憶もなくなってしまうんでしょうか?」

小泉「それは……アタシにも何とも言えないよ……」

罪木「……そう、ですよね……」

時は一刻を争う……そうとなれば……まずは……。

小泉「蜜柑ちゃん、ずっと看てて疲れたでしょ? 狛枝と変わってきなよ」

罪木「じゃ、じゃあ……お言葉に甘えて上の休憩室を使わせてもらっちゃいますけどぉ……いいですか?」

小泉「うん、狛枝をたたき起こしてきてね」

罪木「わ、分かりましたぁ……たたいたりはしないですけど……起こしてきますね」

―ビョウイン キュウケイシツ―

















罪木「……狛枝さん? ええと、その……少し、相談したいことがあるんですけど……」













15日目

―ビョウイン―

蜜柑ちゃんをベッドで寝かせて、アタシは狛枝とみんなの看病を続けた。

キーンコーンカーンコーン……

小泉「……さて、そろそろ予定通りだと、あの青ランプがついて……」

狛枝「うん、そろそろその頃だね」

……うん、ついてるついてる。

小泉「……ここを押すんだよね?」

狛枝「そうだよ」

左右田『うぃーっす……って、うぉ!? 割とビビったぞその顔……』

小泉「そんなに疲れた顔しちゃってたかな?」

七海『たぶんマスクとかの方にびっくりしてたんだよ』

日向『お前たちの方が、むしろ予防が必要になってくるからな。……本当に気を付けてくれよ?』

小泉「アンタに言われなくてもわかってるわよ! それで、何かいい情報は手に入ったの?」

終里『んー、それがよぉ……使えそうな資料を持ってきたのはいいんだけど……』

ソニア『何分、量が多くて全部読み切れていないのもあるし、なおかつ……』

澪田『何の成果も得られてないっす……』

狛枝「ふぅん、そっか」

辺古山『……すまない』

小泉「いやいや、ペコちゃんが謝る必要ないって……アタシたちも正直看病でいっぱいいっぱいだから……花村が少しヤバかったけど、その状態から少し回復はしたみたいだし、たぶん大丈夫だと思う」

七海『でも、これ以上長引かせると、何が起きるかわからないよね……』

澪田『病死の場合って、裁判では誰に投票すればいいんすかね……?』

ソニア『え、縁起でもないこと言わないでくださいよ!』

澪田『も、もののたとえっすよ!!』

日向『とにかく俺達もこれから全力で作業をする。頼んだぞ、小泉、狛枝……それから罪木も』

小泉「はいはい、じゃあアンタは頑張って見つけてよね。絶望病の手掛かりを。切るね」

日向『あ、待て小泉』

小泉「……え、何?」

日向『…………』

……え?

日向は映像を見てる人物にだけ分かるように、口で何かを指示してるように見えた……その内容は……。

日向『…………』

つ・み・き・に・き・を・つ・け・ろ……?

小泉「ふんっ」

バカバカしい。そう思ってモニターのスイッチを切った。

狛枝「……なんだったんだろうね? 日向クンの最後のあれは」

小泉「……アイツの言う事だから、信用ならないわね」

狛枝「アハッ、それもそうだよね」

小泉「アンタが言わない。日向と同レベルなのよ?」

狛枝「…………」

小泉「……それじゃあ、皆の見回りして、今日も一日乗り切るわよ?」

狛枝「うん、分かってるよ」

アタシは気づいてなかった。

日向の言った言葉の意味を……、蜜柑ちゃんの考えを……気持ちを……。

そして、アタシたちはまた……。

―ビョウイン―

……カチカチとなっている時計の秒針を数えても……私が落ち着くことはなく……。

あれから、しばらく時間が経ちました……。

……もう、後には引けません……でも……。

2人の命と引き換えに、3人の病がなくなるなら……それでいい、よね?

………………私、罪木蜜柑は……。

時計を見る。もう深夜の3時……でも、あんなことをした後に眠れるわけがない。

花村「……おやおや?」

罪木「!?」

花村「やあやあ、ええと、罪木さん、と言いましたか? 先生少しトイレに行きたくなって、マッハは使わずに先ほど利用してきました」

罪木「……花村さん、もう大丈夫ですから、眠ってください」

花村「そうですねぇ……少し眠いです……やはり先生でも疲れるときは疲れますね。それでは……良き夢を」

罪木「……ふぅ」

小泉「蜜柑ちゃん、交代しよ?」

罪木「あ、はい……」

小泉「狛枝、どこ行ったんだろうね? 知ってる?」

罪木「え、ええと……」

どうして私は、ここで自分が殺したことをちゃんと言えないんだろう?

……小泉さんに嫌われたくないからだよね……やっぱり私最低だ……。

小泉「まあいいや。アイツがいなくてもアタシたち2人でできることだけはやって行こうと思うし。後は寝てるかどうかの見回りだけだもんね」

罪木「は、はい……よろしくお願いしますね……」

私が休憩から帰ってきたら……後はやることは一つ……。

私は休憩室に入って、ベッドに寝転ぶこともせず、何度も何度も繰り返し呟いていた。

罪木「……これが、一番正しい……これが皆を救える近道になる、これが、一番……最善であり……私は…………」

狛枝凪斗を殺した。







狛枝凪斗を殺した。

















狛枝凪斗を殺した。





























殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した殺した








罪木「ああ……ああ……いやぁ……」

キーンコーンカーンコーン…









……いつの間にか、時は流れていた……小泉さんに1時間も多く皆のお世話をさせてしまった……。








急がないと……そして……あの子に……私の犯行を暴いてもらわないと……。

16日目

―ビョウイン―

……なんだか、長い間ずっと、誰かに見てもらってた気がする……。

ちょっと頭もぼーっとするし……それにここは病院?

……でも、ちゃんと記憶は持ってる……確か、小泉おねぇとか狛枝が、絶望病がどうとか言ってたっけ……?

……わたしは、何か別のわたしみたいになっちゃってて……それで……。

罪木「さ、西園寺さん?」

西園寺「あ……罪木?」

罪木「…………!! 私が……分かるんですか?」

西園寺「う、うん……当然じゃん、何言ってるのさ」

その瞬間、すごく柔らかいものに包まれる。

とても体が温かくて、それで……ふんわりといい匂いで……。

西園寺「ちょ、つ、罪木……?」

罪木「……いいんです。何があったかわからなくても、私にこうさせてください……」

西園寺「…………うん、ありがとう」

……やっと、言えた。

……聞こえたかな? 罪木にちゃんと、この言葉……。

罪木「……あの、西園寺さん、具合が治ったところで悪いんですけど……その、覚えていますか?」

西園寺「絶望病だとかなんとか……でしょ? うん、覚えてるよ」

あの狛枝までもが、懸命にみんなを看病していた……狛枝も敵ではないってことなんだろうな……。

罪木「自分がどんな病気だった……とかは?」

西園寺「さすがに、そこまでは……どうして?」

罪木「……ライブハウスに来ていただけますか?」

西園寺「……え?」

罪木「わかるんです。来てくれたら分かります。西園寺さんの病気が……どうして、治ったのか……」

西園寺「……え?」

うそでしょ……? それって……もしかしなくても……ってことだよね?

西園寺「罪木……?」

罪木「……はい?」

西園寺「……とんでもない事してくれちゃったね……」

罪木「ごめんなさい……でも、3人の命がこれで救われるなら……私の犠牲なんて安いものです」

違う、そうじゃないよ罪木……そのためなら人を殺せるっていうアンタの思考はもうとっくに……

西園寺「おかしいよ……そんなのおかしいって……」

罪木「うふふ、おかしいなら笑ってください。ね? ほら、ハンカチです」

気づけばわたしの目には、涙が溜まっていた。

それを渡されたハンカチで拭って、わたしは……それを返さなかった。

罪木のした覚悟……それは決して許されることではないかもしれない……でも、わたしは……せめてわたしだけは……罪木のことを認めてあげないと可哀想だよね。

わたしのパパがそうだったように……わたしだって……。

西園寺「これ、わたしがずっと持っとくから」

罪木「え?」

西園寺「覚えとくから。アンタがここにいて、わたしに着付けを教えてくれたこととか……全部、忘れないから」

罪木「は……はわぁ……」

罪木は声を殺してわたしに背を向けて、ライブハウスへと足を向ける。

―ライブハウス―

ライブハウスの前に立ち、扉に手をかける罪木、そして……。

ガチャガチャガチャ

罪木「……え?」

……鍵がかかってる?

いや、かかるはずがないよね。鍵だよ? 鍵なんてライブハウスには掛けられないんだし……。

西園寺「とりあえず、せーのでこじ開けよ! せーのっ!」

ガチャッ

罪木「だ、だめですぅ! 二人じゃ開きませぇん!」

西園寺「だったら人を連れて来よう!! モーテルの方に人を呼びに行ってくる!!」

罪木「は、はい! お願いします!」

わたしは自分が着物なことも忘れて、急いで走ってモーテルへ向かった。

―モーテル―

西園寺「……だ、だれか!! 誰でもいいから来て!!」

澪田「うるさいっすねー、どうしたんすか……? あ、日寄子ちゃん、どうしたんすか?」

西園寺「澪田おねぇ! 急いで来て!!」

澪田「おやおや? 何やらただ事じゃなさそうな空気っすねぇ……イクっすよ! 一緒に!!」

と、そこでぼんやりと見えたもう一つの人影……。

七海「……あれれ? どうしたの?」

西園寺「七海おねぇも! すぐ来て! こっち!!」

七海「……! うん、わかった。もしかして……また始まったってことかもしれないしね……」

わたしはそこで澪田おねぇと七海おねぇと会って、ライブハウスに戻った。

待っててね、罪木……! わたし、急ぐから!

―ライブハウス―

西園寺「罪木!!」

罪木「はぅ! よかったです! どうやら扉の向こうに何かがつっかえてるような感じで……」

七海「なるほどね、わかったよ。一緒に皆でぶつかるよ」

澪田「それじゃあ行きまーす! せーの!」

ドォン!!

七海「……割と簡単に開いたね」

澪田「誰かいるんすか!? 隠れてないで……ひぇ……!!」

…………澪田おねぇの声は、そこで止まった。

なぜなら、もう見えてしまっているから……。






























柱に矢で磔されて、血まみれになった狛枝おにぃと……。


































真っ赤に染まった、誰かの腕が……。




ここまでになります。ダンガンロンパの癖に、最初から犯人を明らかにさせるって手法を取り入れてみました。

意外と今までなかったんじゃないかなって思っております。

感想とかいただけると嬉しいです。

あと、これから1週間くらい間開いちゃうかもしれませんが、気長にお待ちいただければ幸いです

おはようございます。

今夜更新します。

あと、ミスを見つけてしまいました。

>>78 で16日目と書いてありますが、正しくは17日目です。

Chapter3

恐怖に打ち勝て! 【超高校級の感染症】!

             (非)日常編

そこから沸き上がった感情は、驚き、苦しみ、吐き気、いろいろとある……でも、それよりもまず……。

本当にこれを……罪木がやったの?

だとしたら……ここにある腕は……誰の腕なの?

ピーンポーンパーンポーン……

モノクマ『死体が発見されました! 一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!』

ピーンポーンパーンポーン……

モノクマ『死体が発見されました! 一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!』

死体発見アナウンスが2回流れたってことは……

七海「二人殺されてる……ってことだよね?」

キーンコーンカーンコーン……

モノクマ「えーと、希望が峯学園修学旅行実行委員会が、お知らせします。オマエラ、グッモーニン! 本日も絶好の南国日和ですよー! さあて、今日も、全開気分で張り切っていきましょー!」

罪木「え……嘘……?」

……罪木? ってことは……。

澪田「…………あれ? 何か変だな……? これ、吐き気ってやつ? ……外の空気吸うついでに、みんなを呼んでくるっす……」

七海「……罪木さん? どうしたの?」

罪木「な、七海さん! 西園寺さん! 聞いてください!」

西園寺「な、何さ急に?」

罪木「…………こ、狛枝さんを殺したのは、ほかでもないこの私です……!」

…………やっぱり、そうだったんだね……。

七海「……どうして?」

罪木「病気の人を助けられるだろうって思って、3人助けられるなら2人犠牲になるくらい安いって……そう思ったんです! それで、おとといの夜に狛枝さんに相談して……」

西園寺「……そして、どうしたの?」

罪木「いろいろ言われましたけど、それを無視して、私は昨日の夜に……こ、こ、狛枝さんの……」

と、そこだ。

モノクマが罪木のお腹を引き裂いたのは……。

罪木「う……ぐっ!?」

モノクマ「もう、なんで言っちゃうのさ。さすがに全部言われるのは困るから、オマエは特別なオシオキもなしに、ここで校則違反を犯したことで殺させてもらうよ?」

西園寺「……え?」

七海「……あなたは……!!」

モノクマ「校則きちんと見てないの? よく見てよ! 新しい項目! 昨日追加したばっかりなんだから!」

……昨日追加した?

わたしは急いでその項目を確認する……そこに書いてあったのは

『自分がクロであるということを、他人に裁判前にバラしてはいけません』

西園寺「……めちゃくちゃだよ……!!」

モノクマ「めちゃくちゃなのは罪木さんの方だよ……わけわかんないよ。人を救うためなら人を殺してもいいの? 自分が正義だと思ったら、悪に手を染めちゃって……そんなの真の仲間でもなんでもないよ、オマエはただの絶望だ。絶望の塊だよ」

西園寺「やめろ!! 罪木を離せ!! 離せよぉ!」

わたしがモノクマにとびかかろうとしたところで、罪木が声を絞りだした。

罪木「……だめ、です……」

西園寺「……え?」

罪木「モノクマへの暴力は……危険です……そんなことで命を落とさないで……」

西園寺「罪木……」

本当にひどいよ。






あんまりだよ。






心の準備はまだできてなかったのに。






裁判が終わるまでは大丈夫だと思ってたのに。






なんで……なんで今なんだよ……。








……今しかない。だって……。

(九頭龍「……でもな。そいつは……最後にこう言った。自分が過ちを犯したと思ったその時に、行動に出さないと手遅れになることがある……って」

西園寺「……え?」

九頭龍「だ、だからよぉ……俺もそいつの流儀に乗って、行動しようと思ったんだよ……」 )

そうでしょ? 九頭龍?

西園寺「罪木!!」

罪木「…………」

青ざめた顔で、わたしの方を見る罪木。わたしは、お腹の底から沸き上がるいろんな感情を、罪木にぶつけた。

西園寺「着付け、教えてくれてありがとう!!」

罪木「……!!」

西園寺「いっつも悪態ついてるわたしに、いろいろやさしくしてくれて……ありがとう!!」

七海「西園寺さん……」

西園寺「いつも……いつもわたしのこととか、気にしてくれて……ありがとう!!」

罪木「…………」

西園寺「……わたしの……友達として……仲良くしてくれてありがとう!! ありがとおおおおおおおおおおおおお!!」

罪木「……………………」

あふれ出る大粒の涙が、罪木の顔からこぼれ出る。わたしも、きっとおんなじような顔をしてるんだろうね……。

罪木「……西園寺さ

モノクマ「はい、終了~」

罪木の腹部を、モノクマが突き刺す。真っ赤な血が溢れて、飛び散り……わたしの顔に二、三滴かかる。そして、残された罪木が力なく倒れた。

わたしはかかった血を拭うこともなく、絶望することもなく、モノクマの方を見た。

モノクマ「うぷぷ、まあどっちにしろ無駄になっちゃったけど、キミたちはクロじゃないし、罪木さんのことを伝えるかどうかはご自由にどうぞ! それでは……ザ・モノクマファイル~! んじゃ、頑張ってねー」

七海「…………残念だよ。一気に3人も……こんなのひどいよ……でも、まだいるんだよ……犯人が……この中の誰かに」

西園寺「そうじゃないと……モノクマはファイルなんて用意しないよね」

七海「……うん」

それから皆が集まって、事情を説明した。けど……わたしたちにもわかってないことがあまりにも多すぎる。

罪木は狛枝を殺した犯人だった。そして、その罪木はたった今モノクマに校則違反を理由に殺された。さらに、そこに集まった面々を見て……。

…………この腕はソニアのものだということがわかったんだ。

左右田「……………………」

花村「そ、それで……どうするの? ぼくらはいったい何をすれば……」

辺古山「とりあえず……病気だったやつらはもとに戻ったは戻ったんだな……」

田中「そこに眠りし癒しの使い手によってな……」

小泉「ごめん……もしもアタシがあの時いれば……蜜柑ちゃんを止められたのに」

日向「罪木を止めたところで、どちらにせよソニアの殺人は起きただろう。これは誰がやったかも検討がつかない。それに、残りの部位はどこに行ったんだ?」

そうだね……まずは残りの部位探しから……か。そう思っただけで気分が少し悪くなるね……。

終里「な、なあ、西園寺……おめぇは平気なのかよ?」

西園寺「え? 何が?」

日向「罪木を止めたところで、どちらにせよソニアの殺人は起きただろう。これは誰がやったかも検討がつかない。それに、残りの部位はどこに行ったんだ?」

そうだね……まずは残りの部位探しから……か。そう思っただけで気分が少し悪くなるね……。

終里「な、なあ、西園寺……おめぇは平気なのかよ?」

西園寺「え? 何が?」

終里「その……目の前で、仲の良かった罪木が殺されたんだろ? ……それって……」

西園寺「ああ、そんなこと? 平気なわけないじゃん」

終里「…………だよな」

西園寺「でも、罪木に言いたいことは言えた。それに今は罪木がいなくなったことを泣いてる場合じゃない。いろいろ調べて犯人を見つけないとね……」

終里「そっか……西園寺の言う通りだな」

辺古山「現場の保全……私が引き受けよう。田中、手伝いを頼めるか?」

田中「よかろう」

罪木はまだ、いろいろと言い残したことがあったと思う。まだ動機しか聞けてなかった……それでも、ヒントになるフレーズもあったはずだ。しっかり覚えておこう。

【罪木の遺言】を入手しました。

【捜 査 開 始】

まずはモノクマファイルの確認から、だよね……

『被害者は狛枝凪斗とソニア・ネヴァーマインド。狛枝凪斗の死因は首に刺さった矢。両肩、両腿にも矢が刺さっている。ソニアの死体は体がバラバラにされているため、判別が不能。頭、右腕、左腕、体、右足、左足の6部位に分かれている。両者ともに毒を飲んだ形跡等は無し。』

……うん、今回のファイルは有益だね。

ソニアの体は6つに分かれてる……でも、なんでそんな面倒なことを?

殺すだけでも別にいいんじゃないの……?

【モノクマファイル3】を入手しました。

……うん、二人の死体は後回しにしよう。ソニアのばらばらになったパーツ探しとか……考えたくないもんね。

とりあえず気になることといえば……

西園寺「このステージ、綺麗だよね」

終里「はぁ? そんな死体があるようなステージがきれいなはずねぇだろ?」

西園寺「いや、それはそうなんだけどさ……ほら、これ」

終里「……んん?」

わたしの指差したところに視線を落として、終里おねぇは難しそうな顔をする。

終里「なーんにもねぇじゃねぇか」

西園寺「そう、何にもないんだよ。見ただけで血がそこかしこに着くってわかるような二つの死体なのにね」

終里「あ……そっか、そういうことか……」

ご丁寧に拭いた跡も残ってるよ……狛枝の遺体近くに……。

【ステージ】【床を拭いた跡】を入手しました。

それと、気になることはまだある。

西園寺「罪木の靴の裏……」

ここには血痕があるんだよね。だとしたらこの血痕はどこから来たんだろう?

……謎は深まるばかりって感じだね。

【罪木の靴】を入手

あれ? こんなの前にあったっけ? 半透明の塊……。なんていうか、すっごいいやな臭い。人工的で芸術的じゃない。いやな臭いだ……

【半透明の塊】を入手

……やっぱり、死体を調べるしか……ないんだよね、そりゃそうだよね。

ソニアの腕からわかることは少なそうだ。とりあえず、狛枝の遺体から……。

…………目の前にして、また、もう一度思う。

これを本当に、罪木がやったって言うの……?

こんな血まみれで、矢で磔にして……そこまでする必要はあったの?

……でも……ソニアの方は、きっと別の誰かが……でも……どうしてライブハウスで?

偶然にも殺人事件が同じ現場で2つ……なわけないよね?

と、そこでだ。

辺古山「おい貴様何をしている! やめろ!!」

辺古山おねぇの怒声が聞こえたのは。

辺古山おねぇの方を見るとそこには……罪木の死体に歩み寄るモノミの姿。

モノミ「違うんでちゅ! 罪木さんは……罪木さんは……!!」

田中「黙れぇ……お前は俺様達をここに突き落とした諸悪の根源だ……ゆえに我が家畜に触れさせる権限さえも与えぬわ……!」

モノミ「生きてるんでちゅ! かすかに心臓音が聞こえるでちゅ!!」

西園寺「本当!?」

思考より先に、声と体が前に出た。罪木が生きてる……それはわたしにとっては希望以外の何物でもない可能性だから。

モノミ「でも、だんだんと脈は弱ってきています……もしものことがあったら」

辺古山「どけ! モノミ!」

モノミ「は、はいっ!」

辺古山「すぐに止血をする! 田中! その左腕の包帯をよこせ!!」

田中「こ、これをか……!? ……フフフハハハ……よかろう! すべてはこの者の命のために!!」

そうして、罪木の止血作業が終わり、それからモノミは……

モノミ「やいやいモノクマ! 出てきてらっしゃい!」

モノクマ「なんだよ! 余計なことしちゃってさ!」

モノミ「余計なこととは何でちゅか! 余計なことをしてこの環境を変えたオマエに言われたくはないでちゅよ!」

モノクマ「ムキッ、なんだその言い方は……それがおにいちゃんにする態度か!」

モノミ「うるさい! さっさと罪木さんを助けなさーい!」

モノクマ「なんでボクが助けなきゃいけないの?」

モノミ「だってこの校則は適用されないんでちゅ!」

モノクマ「は? なんでだよ?」

モノミ「そもそも、校則をこれ以上追加できないんでちゅ!!」

モノクマ「……え?」

モノクマとモノミは、わたしたちにはわけのわからない話をしている。

モノクマ「ど、どういうことだよ? 何だよ校則が追加できないって?」

モノクマが動揺してる……? これって、どういうこと?

モノミ「あの子がやってくれたんでちゅよ、ミナサン! 校則のチェックを!」

あの子……? そう思いながら校則をチェックすると、さっきは気づかなかったけれど、モノミのマークのついた校則がある……これは?

『これより先の校則は適用されません。安心して修学旅行をお楽しみくださいね』

モノクマ「何さ……何なのさ!」

モノミ「うふふ、さすがはあちしの生徒さんでちゅ。おかげでようやく反撃できまちた!」

モノクマ「というかオマエ! さっきから失言しっぱなしじゃないか! いいから帰るぞ!!」

モノミ「うぎゃあああ! 帰る前に罪木さんを……!!」

モノクマ「……もー、仕方ないなぁ。今回はおにいちゃんの負けだよ。それにしても驚いたなぁ……」

七海「…………」

モノクマ「まあそれならそれで仕方ないや。いったいどんな力を使ったのかは知らないけど……とりあえず罪木さんはたすけてあげましょう!」

西園寺「……本当に?」

モノクマ「ボクは嘘つきはモノミの次に嫌いだからね!」

モノミ「あちしのことそんなに嫌いなんだ!」

と、そこに救急車の音が聞こえる。

モノクマ「あとは、殺人ドクターの異名を持つ、ボクにお任せ!」

そういうと、救急車の中に罪木を運び、そのまま去って行ってしまった……。

モノミ「…………」

辺古山「おい、モノミ」

モノミ「なんでちゅか?」

辺古山「どういうことだ? あの子がやってくれた……さすがは自分の生徒だ……とは?」

モノミ「ほわわっ!」

田中「その口ぶりからして、校則の追加をしたのは貴様自身ではないようだな? それに、生徒……ということは、この中の誰かが……ということか?」

七海「ねぇねぇ、捜査まで時間ないしさ。もうその辺にして捜査を続けようよ。見張りもお願いね」

辺古山「ああ……それもそうだな」

田中「どうせ聞かれたところで、こいつも答える気はないだろうからな……」

西園寺「というか、もういないし……」

罪木、無事なのかな……?

……無事に決まってるよね、大丈夫だよね。






……でも、罪木が狛枝を殺したっていうのはきっと本当だ……。






それこそ、九頭龍の時みたいなことがあれば別だけど……あの狛枝が、そんなことするとは思えない……。

今日はここまでで。感想、すべて目を通させていただいております。敬語ちょいおかしいかも。

本当にありがとうです

どうも。今日も少しだけど更新させていただきます。

感想たくさんいただけて嬉しいです。なんだかんだでたくさんの人に見ていただけているんだなぁと思いますので。

そしてその狛枝は今……わたしの目の前にいる。変わり果てた血まみれの……

ん? 血まみれ?

西園寺「ちょっと待って……」

もう一度狛枝の死体をよく見る。そして……

西園寺「狛枝の体って、ほとんど血なんて出てないじゃん……」

確かに狛枝は弓矢で磔にされてるんだけど、固定された腕と足からは血があまり出ていない。じゃあなんでわたしは狛枝が血まみれだと思ったの?

西園寺「……コートだけは血で汚れてるんだ……」

これが意味することって……?

【狛枝の手足】【狛枝のコート】を入手

あ、そっか……

結局ロープが狛枝の体に結んであるから、出血量を抑えることができたんだね……でもどうして出血量を抑えたの?

【ロープ】を入手

……ソニアの腕からわかることは少なそうだね……でも、切断面以外からは血は出てないし……そんなに痛めつけられたって感じじゃないのかも?

……ふぅ、こんな感じかな?

……なんだか前より長い時間死体を見つめられるようになったね。

仲間の捜査に慣れてきたってこと……? そんなわけ……ないよね?

もしそうだとしたら……いやだな。

わかることって言ったらこのくらいかな?

とにかく残りのソニアのパーツがどこにあるのか気になるね。探しに行かなくちゃ。

きっと3の島から先へは行ってないだろうし……だって見つかったら大変じゃん……

まずはモーテルのソニアの部屋だったところからかな?

―モーテル―

来てみたはいいけど、わたしはモーテルのどこに誰の部屋があったかを知らないね……。

誰かに聞いた方が手っ取り早いかな?

……あ、ちょうどいいところに

七海「あ、西園寺さんもソニアさんの部屋を調べに来たの?」

西園寺「うん、でも誰の部屋がどこにあるかがわからなくて」

七海「さしずめそんな感じだね……いいよ。ついてきて。もし鍵がかかってたとしても、たぶんモノクマに言えば開けてもらえる……と、思うし」

そうしてわたしは七海おねぇに案内され、ソニアの部屋にたどり着いた。

さっそく、異臭がする。この先にあるのはきっと、絶望的光景……わたしは覚悟を決めて、扉に手をかける。

……抵抗はなく、軽く開いた。

七海「あれ? 鍵が開きっぱなしだね。どうしてだろう?」

西園寺「今はそんなのどうだっていいよ。とにかく中を……うっ」

思わずそう声が漏れるほどの、むせ返る血の臭い……。

おびただしい血液に、何かをひっかいたような跡……それは、狛枝の死体が見つかったあの場所よりも、いかにも殺人現場といった風だった。

そして……ベッドの上には、ソニアの体のパーツが置いてある……

七海「これは……もう少し調べた方がよさそうだね。けほっ」

軽い咳をしながら、七海は前にすすむ。わたしも負けじと部屋に入った。まず目を引いたのが……。

テーブルの上においてある、奇妙な物体……。

七海「それ、電動のこぎりだね……きっとそれでソニアさんの体を解体したんだよ」

ソニアの体を電動のこぎりで……それくらいでしか、あんなことできそうにないもんね。

【電動のこぎり】を入手。

うん、ソニアの体も、切断面以外に外傷はない……じゃあどうしてソニアは死んだんだ?

……体を解体させられたのかな? 無理やり? それだから抵抗をして……とか

七海「あ、ベッドの下からこんなものが」

西園寺「ひぃっ!?」

それはソニアの両足だった。やがて落ち着いてよく見てみる……。でも、ここにもとくに手がかりはない。

七海「……あとは片腕と頭か……さすがに頭をもって外には出ないだろうから……きっと……」

……わたしは七海が視線を向けたお風呂場へと歩を進める……と、そこに……

見つけた。ソニアの頭……わたしはあんなの、もう二度と見たくないと思った。

ソニアの顔は悲痛に歪み、瞳を潤ませ、生への欲望をあらわにしている顔だったから。

そして、その表情には憎しみや怒り、悲しみなどの感情もとらえられるけど、何よりも……

どうしてあなたが? といったような顔をしている。

仲間に裏切られた時の、辛さの表情、といった感じだ。

そうなんだよね。この解体は、わたしたちの中の誰かがやったんだよね……。

本当に? 本当にできちゃうの?

七海「あれ? ソニアさんの頭……」

こいつ……なんで平気そうなんだよ……もしかして前にもこんな死体を見たことあるとか?

それともゲームのしすぎで現実でも死体を見れるようになったとか?

七海「切断面じゃないところからも血が出ちゃってるね……うーん、これは謎ですねぇ……」

……そういわれるとたしかに、頭頂部からの出血があるような気もしなくないかな。

【ソニアの部屋の状況】【ソニアの頭】【ソニアの体】を入手

……あと、これ……掃除用具のコロコロ……かなり減っちゃってる……。

西園寺「これってもとからこうだったの?」

七海「ううん、私のはもう少し多かった……はずだよ」

ということはソニアが使ったのか、それとも……でも、この現場は……。

西園寺「……一本も髪の毛が落ちてないんだよね……」

…………

西園寺「ねぇ、七海おねぇ?」

七海「どうしたの?」

西園寺「何かほかに気になることとかってないの? この部屋以外でもいいから」

七海「……うーん、あ、おとといあった事件とかは?」

西園寺「……って言われてもわたしわかんないし」

七海「そっか……えっとね。私が部屋で、日向くんからもらったゲーム機で遊んでた時なんだけど……その時回線が悪かったのか、ちょっと発火しちゃって」

すごい事件だ……!

七海「廊下に出て助けを呼んだんだけど、夜中だったしみんな寝てたみたいで……仕方なく私一人でなんとかしたんだよね」

西園寺「そ、そうなんだ……」

あんまり事件とは関係なさそうだけど、まあ覚えておこうかな?

【モーテルの事件】を入手。

七海「それと、やっぱりこれはアレが関係してるのかも……」

西園寺「……アレって?」

七海「映画館で見たでしょ? 映画……」

西園寺「……あ、わたしまだ見てない」

七海「見に行った方がいいと思うよ。あれは間違いなく今回の事件に関連してる……はずだよ」

今回の事件に、映画が?

―エイガカン―

映画館につくや否や……。

モノクマ「あらら? もしかして、気になっちゃったの? この前はあんなに見ない見ないって言ってたのに? さっすがツンデレ西園寺さん! ロリコンに大人気の特徴をつかむのが上手だね!」

西園寺「わーい! いいから早く見せてよー! 映画楽しみだなー!」

モノクマ「あれあれ? ツンデレとはちょっと違うっぽいけど……まあ別にそんなことはいいや! それなら、どうぞ映画をお楽しみください! はい、これチケットね!」

【映画館のチケット】を入手しました。

映画の内容はモノミの魔法使い2.5Dです。内容自体はほとんど変わりませんが、順番と死に方は、

ライオンが弓矢で磔にされる→ブリキがバラバラになる→カカシが首をつって死ぬ

です

【モノミの魔法使い】を入手

……これ、って……偶然じゃないんだよね……?

だって、もしそうだとしたら……あまりにも似すぎているよね。

ってことは……最初から罪木は連続殺人をするつもりだったの……!?

そんなわけ……ないよね?

それから、きっと最後だよね……映画館のことも疑問がいっぱいだけど……今は、それよりも手がかりを多く見つけないと……。



今日はここまでで。次回電気屋の捜査をした後、人がいれば裁判を少しやりたいと思います。

今夜更新できると思います

待ってた
再構成少ないから楽しみにしてる

>>163さん
日が空いてしまって申し訳ないです

それでは投下していきます。

今日裁判に移行する予定ですが、今人はいます?

―デンキヤ―

電気屋に来るなり、わたしは驚きの声をあげていた。

西園寺「何これ……!?」

そこにはかつての面影はなかった。ほとんどすべての機械が破壊されていて、ほぼすべてのものが操作不能の状態だったから……。

左右田「なんだよこれ……!? だーっ! こんなことになるんだったらオレがバラシとくんだった!!」

一人別のことを怒ってるやつもいるし

【電気屋の惨状】を入手

……というか左右田は大丈夫なの?

だって、左右田おにぃは……。

ソニアが九頭龍を殺したんだと思って……自分が犯人と皆に思わせるように……。

そんなソニアが殺されて……左右田おにぃは平気なの?

左右田「…………畜生」

西園寺「ねぇ、大丈夫なの?」

左右田「あ? ああ、ソニアさんが殺されたことか? すっげぇムカついてんだよオレは」

ムカついてる?

左右田「くそったれが……なんでよりにもよってソニアさんなんだよ。しかもあんな感じにして殺しちまってよ……ただ殺したんじゃねぇ。ああいうのをぶっ殺したっていうんだよきっと」

西園寺「……辛くないの?」

左右田「言っておくが、オレは別にソニアさんの死が悲しくないわけじゃねぇ。でもなぁ、悲しすぎると逆に涙が出てこないっていうだろ? 何かすっげぇ今燃えてるんだ……ソニアさんの死を解明するためにな……辺古山だって立ち直ってたんだし、オレもこれくらいで沈んでらんねぇよ……あと、罪木の分もな」

西園寺「……罪木は生きてた」

左右田「……本当か?」

わたしは無言でうなずき、続ける。

西園寺「でも、今はどっちに転んでもおかしくない。何か校則で不備があったらしくて、モノクマが助けてくれようとしてる……けど」

左右田「けど、なんだよ?」

西園寺「……助かっても、狛枝を殺したのは罪木だから……どうなるかわかんない」

左右田「そっか……そういうことか」

でも、左右田おにぃも強くなってるんだね。わたしも強くなれてる……んだと思うし。

そして、わたしが捜査を再開すると、すぐにあるものが見つかった。

……ソニアのもう片方の腕……まだ左右田は見つけてないんだろうな。

わたしはそっと、これをもとの位置に戻しておいた。

左右田「あ、そうそう、お前ライブハウスの監視カメラ知らねぇ?」

西園寺「え? ううん、わかんない」

左右田「……だよなぁ……監視カメラもモニターもなくなっちまっててよ……」

西園寺「通信機器が紛失してたってこと?」

左右田「ああ、ライブハウスにずっと置いたままにしてたんだから、間違いなく誰かが持ってたんだと思うんだけどな」

【左右田の証言】を入手

キーンコーンカーンコーン……

モノクマ『うぷぷ、みんな準備はいいかな? そろそろ飽きてきたんで、はじめちゃいたいと思いまーす! オマエラ、至急モノクマロックに集合チェケナ! そんじゃ、あとでねー!』

……いよいよだ。

いよいよ学級裁判だ……。

左右田「準備はもうできてるぜ……覚悟もな」

西園寺「うん……いこっか、学級裁判に」

左右田「……ああ」

―モノクマロック―

モノクマ「あれ? これで全員? いやはや、急に少なくなりましたなぁ……まあ一気に3人も死んじゃったんだから当然かぁ」

モノミ「勝手に罪木さんを殺さないでくだちゃい! まだ生きてるんでしょ!?  え、まさかそんなことないよね!?」

小泉「余計な心配ごと増やさせないでよ! もう!」

モノクマ「でもまぁどっちにしろ、ここから出てきたときにはひとりになってるか、それとも一人減ってるかなんだけどね……うぷぷぷ」

そっか……もう、ここにいる全員で帰ってこれることはないんだね。

そんなことを考えながら、エスカレーターに乗ろうとしたわたしを、

日向「西園寺」

おにぃが止めた。

西園寺「……何?」

日向「……本当に西園寺だよな?」

西園寺「あ、当たり前じゃん、何さそれ……」

日向「そうか……本当に西園寺なんだよな……」

西園寺「な、なに? 何がいいたいの?」

日向「いや、なんでもない」

は? 何それ?

西園寺「そんなくだらない事言ってないで早くいくよ!」

日向「ああ、そうだな……だが、西園寺」

西園寺「何?」

日向「ここは間違いなく……いや、ここからがお前にとっての最大の試練になるだろう……覚悟はできてるか?」

西園寺「…………はっ、今更何言ってるのさ」

覚悟なんてもうとっくにできてる……










そう、思ってた。

―サイバンジョウ―

モノクマ「うぷぷぷ、みんな集まったね? それじゃあちゃっちゃとはじめちゃいましょうか! お待ちかねの、学級裁判をー!」

……始まるんだね……。

……始まっちゃうんだね……。

【超高校級の幸運】狛枝凪斗おにぃ……

名前に恥じない幸運っぷりで、その幸運は幾度となくわたしたちを苦しめて……でも、本当にわたし達のことを考えての意味不明な行動だったみたいで……わたしの看病もしてくれた。

狛枝おにぃを殺したのは……罪木だった。

そして、【超高校級の王女】ソニア・ネヴァーマインド。問題はこっちだ。

うっとうしいくらいに世の中を知らなくて、周りの男をたぶらかして思わせぶりな態度して……そういうのをなんとなしにやれちゃうのが憎かった。

けど……だからといって死ぬことはなかったし、今思うとわたしは……ソニアの周りに好かれるあの才能が羨ましかったんだろうね。

今気づいても……バラバラになったソニアには届かないよね。

でも、それだけじゃないんだ。バラバラにしたやつが……この中にいるっていうなら、わたしは……見つけなくちゃいけない。

この事件の犯人を……そして……すべての謎を!!



それでは、裁判準備に移ります。

モノクマファイル3…被害者は狛枝凪斗とソニア・ネヴァーマインド。狛枝凪斗の死因は首に刺さった矢。両肩、両腿にも矢が刺さっている。ソニアの死体は体がバラバラにされているため、判別が不能。頭、右腕、左腕、体、右足、左足の6部位に分かれている。両者ともに毒を飲んだ形跡等は無し。

狛枝の手足…狛枝の手足は磔にさせるために矢で固定されているが、出血量はそれほどでもない。

狛枝のコート…狛枝のコートには大量に血が付着している。

ロープ…狛枝の体はロープで巻かれていた。出血量を抑えるためと思われる。

ソニアの頭…ソニアの頭のパーツは風呂場から見つかった。頭頂部からも出血している。

ソニアの体…ソニアの体、腕、足にはそれぞれ切断面以外からの出血は見られない。

ステージ…ステージには二人の状況から予想される出血量の割に、血痕が付着していない。

床を拭いた跡…床全体に拭いた跡がみられる。

半透明の塊…ライブハウス入口付近に落ちていた、半透明の塊。

罪木の靴…罪木の死体の靴の裏には血痕があった。すでに乾ききっている。

ソニアの部屋の状況…ソニアの部屋には争った形跡があり、おびただしい量の血痕が部屋中に付着していた。

電動のこぎり…電気屋に置いてあったはずの電動のこぎり。ソニアの部屋に置いてある。

電気屋の惨状…電気屋においてあった機械が、ほぼすべて壊されていた。

映画館のチケット…映画館に用意されていた当日の日付と時間が書いてあるチケット

モノミの魔法使い…今回の事件は非常にこの映画との関連性が高いように思える。弓矢で磔にされたライオン、バラバラになったブリキ、そして首を吊ったカカシが登場人物にいた。

左右田の証言…左右田の制作した監視カメラとビデオセットが、事件後にはなくなっていた。誰かに持ち出された可能性が高い。

モーテルの事件…おとといの夜、調理場で軽い火事があったらしい。七海が誰かを呼んだものの、だれも来なかったので、1人で必死になって火を消した。

罪木の遺言…「…………こ、狛枝さんを殺したのは、ほかでもないこの私です……! 病気の人を助けられるだろうって思って、3人助けられるなら2人犠牲になるくらい安いって……そう思ったんです! それで、おとといの夜に狛枝さんに相談して……いろいろ言われましたけど、それを無視して、私は昨日の夜に……こ、こ、狛枝さんの……」

今回の議論でのポイント

・狛枝は本当に罪木が殺したのか?

・見立て殺人の目的は?

・犯人を突き止める時の矛盾はどこに隠されている?

以上です。

裁判、フェイズ1までやって今日はたたもうと思っているんですが、人はいますか?

>>180さん
よかったです。それでは裁判の扉を開きたいと思います。



学 級 裁 判

 開 廷 !

モノクマ「では、最初に学級裁判の簡単な説明から始めましょう。学級裁判の結果は、オマエラの投票により、決定されます。正しいクロを指摘できれば、クロだけがオシオキですが、もし間違った人物をクロとした場合は……」

モノクマ「クロ以外の全員が、オシオキされ、生き残ったクロだけに、この島から出る権利が、与えられます!」

モノミ「うるうる……ミナサンを応援することしかできないあちしが辛いです」

七海「モノミはよくやってくれてるよ。だって、罪木さんをモノクマに治療させることができたんだもん」

モノクマ「アレは本当にどういう仕組みなのか、いまだによくわかってないよ。いったい何があったんだろうねぇ?」

田中「そんなことはどうだっていい。とにかく狛枝とソニアの死についての結論を下すぞ」

花村「とりあえずぼくらは絶望病にかかってて、状況がよく理解できてないんだけど……」

日向「その理屈は通用しないだろう。西園寺が今回の事件の第一発見者なんだぞ?」

西園寺「っていっても、わたしは罪木に第一発見者に仕立て上げられたって言い方が正しいんだろうけどね」

終里「仕立てあげられただぁ? どういう意味だよ?」

西園寺「罪木は朝のアナウンスがなる前に、わたしだけを起こしに来たんだよ」

辺古山「患者である西園寺を、か? 何のために?」

西園寺「だから言ってんじゃん。わたしに狛枝の死体を発見させるためなんだって」

左右田「罪木は今回の事件の犯人の一人なんだろ? だったらなんでそんなことを……?」

西園寺「罪木はわたしにそれをわからせることで、自白しようとしてたんだと思うよ。だって、そうすれば……」

そう、そうすれば、絶対にあるはずの物がないっていう違和感が生まれるから。

1.放送
2.動機
3.死体

↓1

小泉「えっと……ごめん、日寄子ちゃん、もう一度言ってもらえない?」

あれ? わかってもらえなかった?

えっと、落ち着いて考えよう。

もしも罪木が犯人で、わたしと罪木の二人で狛枝の死体を見たら……どうなるんだろう?

1.放送
2.動機 ✔
3.死体

↓1

だよねー?

西園寺「もし罪木が本当に犯人なら、死体発見アナウンスが流れないんだから……」

日向「死体発見アナウンスは、3人以上の人間が見つけたらなるものだったな。犯人も含めて3人なら、罪木が犯人の場合2人しか見てないことになる。それは確実だしいい方法だな」

モノクマ「本当は死体発見アナウンスはあまり推理には利用してほしくないんだけどね!」

左右田「いい方法とか言ってる場合かよ。それで、そこからどうなったんだ? それで罪木が犯人ってわかったのかよ?」

西園寺「……わからなかった」

花村「えぇ!? なんでわからないの!?」

西園寺「誰かが内側からライブハウスのドアをロックしてたんだよ……しょうがないじゃん」

七海「うん、なるほどね。そこから私と澪田さんを呼びに来たんだね」

西園寺「誰かがドアを閉めてて、それをこじ開けるために、モーテルのところに行ったんだよね」

日向「どうしてモーテルに?」

西園寺「動ける人間が多いからだよ……と思ったんだけど、来てくれたのは七海おねぇと澪田おねぇだけだったんだよね」

澪田「日寄子ちゃんの必死の訴えに、唯吹も全力で疾走したっす!」

西園寺「そして、4人でライブハウスのドアを開けた。意外と簡単にこじ開けられたんだよね」

日向「この瞬間、罪木の計画は崩れてるわけだな……」

澪田「それだけじゃないっすよ……蜜柑ちゃんは凪斗ちゃんを殺したとしか言ってなかったけど……もうその時点でソニアちゃんの片腕も発見されちゃってたんすよ!」

日向「つまりその時点でソニアは死んでたんだな? 時間は何時頃だ?」

西園寺「確か、その時朝のチャイムが鳴ったから……7時少しまえってところかな?」

七海「そこで、罪木さんが自白し始めて……それをモノクマが制して……」

モノミ「現在治療中……のはずでちゅ!」

小泉「……じゃあ、アタシたちは結局、ソニアちゃんを殺した犯人を見つければいいってこと?」

辺古山「いや、そうとも限らないぞ……? 狛枝の殺人も罪木じゃないのかもしれない」

澪田「その逆ももしかしたらありえちゃうっすよね……?」

日向「……なるほどな。とにかく事件の全体の流れはそうだったんだな……よし、よくわかった」

田中「俺様も花村も解したぞ」

花村「勝手に理解されたことにされてるけど、理解してるから大丈夫だよ!」

花村「まあ、理解したところで協力できそうには……」

日向「けどよぉ、その西園寺の証言って、本当にそうなのか?」

花村「えぇ!?」

日向「悪い。今の感じだと、どう聞いてても怪しいんだよな。だって都合がよすぎないか? 鍵が開かないっていうのも嘘かもしれないし、罪木が殺したっていうのだって、西園寺の嘘かもしれない」

終里「あのなぁ、なに言ってんだよ? 西園寺が第一発見者なんだろ? 疑ってどうすんだよ?」

日向「逆だよ。第一発見者だからこそ疑わなきゃいけないんだ。なんでも偽装することが可能な第一発見者だからこそな」

左右田「ありえねぇだろ!? 大体西園寺は絶望病だったんだぞ!? そんなことできるわけ……」

西園寺「あー……もういいよ。やっぱりおにぃには何か考えがあったんだね」

日向「何のことだ?」

おにぃに話すんじゃなかった……おかげでいきなりピンチじゃん!

西園寺「えー? よく聞こえなかったなー?」

澪田「突然のしらきりっすか!?」

西園寺「だからさぁ、もう一度言ってみてよ? わたしがどこでどう嘘をついて、どうやってあの二人を殺したのか、さ?」

日向「ああ、納得いくまで何度だって話してやるよ」

【01.ノンストップ議論―heat up―】

[狛枝のコート)
[映画館のチケット)
[ソニアの体)
[左右田の証言)
[モーテルの事件)

ヒナタハジメ
【犯人が西園寺】の可能性も考えられるよな?

コイズミマヒル
そんなのありえないでしょ?

ヒナタハジメ
どうしてありえないんだよ?
【うそをついてる】だけかもしれないだろ?

ソウダカズイチ
だとしても、どこからどこまでが嘘なんだよ?

ヒナタハジメ
それはわかんないけどさ……

オワリアカネ
じゃあダメじゃねーか

ヒナタハジメ
とにかくアレを【映画に見立てた】のも……
きっと西園寺の仕業なんだろうな

言弾リスト>>178

安価↓1





あれれー? おバカさんがいるよー?

    ―break!!―


今日の更新は以上になります。

次回は5月6日になる予定です。

最近始めたバイトのせいで、ただでさえ遅かった更新がさらに遅くなっております……。

明日も13時間勤務頑張ってきます(白目)

それでは……参加してくださった皆様、見てくださってる皆様に感謝

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月13日 (月) 20:18:29   ID: Z3smN3b3

中の人ネタか・・・。これはなかなかいいですね!花村が殺せんせー、田中が銀時なのは分かったのですが、西園寺は誰なのだろうか・・・。

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