勇者ものを書いてみたいと思ったから書きます。
全く書き溜めとかないので遅いと思いますが、数回しか書いたことがないので改善点など指摘下さると助かります。
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勇者「魔王が復活しただぁ!?」
兵士「そうだ。王が仰られたのだから信用して良いのだろう」
勇者「魔王は100年前に倒されたんじゃなかったのかよ!!」
兵士「そもそも何故お前が勇者なのかを考えてみろ」
兵士「魔王が存在することの証明として充分過ぎると思わないか?」
勇者「……確かにそれもそうだな」
兵士「とりあえず王がお呼びである」
兵士「王の間までついて来るといい」
勇者「俺は戦わなければならないのか……?」
兵士「そうなるんだろうな……」
兵士「お前は強いが少し抜けたところがあるな」
兵士「強い仲間と巡り逢えると良いが……」
勇者「なら兵士がついてくれば良いじゃないか……」
兵士「お前ならそう言うと思ってた」
兵士「俺も最初から王に頼み込んでみるつもりだよ」
勇者「そうか……ありがとう……」
勇者「少しやる気が出てきたよ!」
兵士「それでこそいつもの勇者だ!」
兵士「王の間はすぐそこだ。くれぐれも失礼の無いようにな」
勇者「おう」
なんか誰も見てない気がするけどまぁいいや。
話の中身だけ考えてあるので導入がすごい適当になりますが、中の方はちゃんと書きます。
少し書き溜めもしたいので……
思い話は書きづらいということがわかったので話の骨は変えないで少し明るい話にしたいと思います。
あと五段だとこういうのは読みづらいと感じたので、十段くらいに変えます。
~~王の間~~
王「よくぞ参った!勇者よ!魔王が復活したという話は知っておるな?」
王「単刀直入に言うとな……あれは隣国との戦争を止めるための嘘なのだ」
勇者「それは本当の話でしょうか?それなら私は魔王討伐の危険な旅に出なくて済むということでしょうか!?」
王「その通りだ。魔王を倒す旅に出る必要はない」
勇者「しかし、何も知らない隣国の者が魔王城までたどり着き、魔王が存在しないことに気づいてしまってはまた戦争が始まってしまいますよ?」
王「そのことであるが……」
王「おぬしには魔王をやってもらいたい」
勇者「えっ」
王「大したことではない」
王「おぬしは魔王城へ旅立ち、適当に魔王っぽいことをした後に魔王を倒したことにして凱旋すれば良いのだ」
勇者「しかし、魔王っぽく見せるというとどうしても傷付く人々が出てしまいませんか?虐殺などが付き物では無いのですか?」
王「それに関しては架空の被害を私たちがでっち上げてやれば済むだろう。なんならここの姫や同盟国の女王などを了承のうえで拐って行ってもらうこともできる。その辺は私が手配しよう」
勇者「なるほど」
兵士(勇者、その程度で納得しちゃうんだ……てかそもそも俺は聞いてていいんだろうか……)
王「そこの兵士は勇者の親友であったな?」
兵士「えっ」
兵士(これなんかヤバいこと押し付けられる雰囲気だ……)
王「おぬしには魔王の側近をやってもらいたい」
兵士「はっ!!」
兵士(やっぱり予感が的中したよ……)
勇者「ですが、実際に魔物は人を襲っています。それで壊滅した村もあると聞きます」
王「人を襲う魔物は魔王に従わない一部だけだそうだ。他は魔王の復活を待って眠りについているらしい」
勇者「なるほど……」
勇者(王の言ったことが全て正しいとすればつじつまが合うが……なぜ王はあそこまで詳しいんだ……?)
勇者(質問するしかないか)
勇者「王はなぜそこまで詳しいのですか?」
王「ぅむ……」
王「魔王城に行けば自ずとわかりそうなものだが」
王「100年前に倒されたと伝えられている魔王というのも、当時の王がでっち上げたものだったんだ。私が書庫で本を探していたときに当時の記録を見つけてな」
王「当時の魔王は非常に魔術に秀でていたようだ。この国の魔術師でも簡単な生物を造るくらいはできるだろう?当時の魔王はそれに自我を与えることができた。自我を持った生物に魔王に従う性質を付け加えたものが、今魔物と呼ばれているものの正体……らしい」
王「私はその方法なら魔王という共通の敵を作ることで戦争を止めることができると考えた」
王「やってくれるか?」
勇者「わかりました。魔王、やってやります」
王「よし!まずは城下に魔王が復活したという内容の号外を配ろう。おーい大臣?」
勇者「大臣は私たちが入ってくるときに出ていっていましたが……」
王「私が大臣のところに行かなければならないのか……肝心なときに役に立たない奴め!!」
兵士(怖っ……)
~~城下~~
「魔王が復活?」
「世界の終わりだぁ……」
「この国には勇者様がいらっしゃるではないか! きっと退治してくれるさ!」
「でもこんな国魔物の襲撃ですぐ滅びちゃうよぉ……」
「この国の軍隊もなめたもんじゃないわよ? なんたってうちの一人息子が出てるんだから!」
「そうだといいんだがなぁ……」
大臣「国は大混乱ですよ? いろいろな情報が飛び交っています。情報開示を求めて暴動が起きる可能性も否定できません」
王「私から直接国民に『魔王復活は隣国との戦争を止めることができる』と伝えてやれば、混乱も収まるだろう」
大臣「隣国は既に魔王が復活したことを全国民に知らせたようです」
王(魔王復活は私の作り話だ。私しか知らなかったはずなのになぜ私の国より情報が早いのだ……)
王(隣国も同じことを考えたか? いや、このアイデアはうちの書庫で見つけた書から得たものだ。その線はあり得ないだろう)
大臣「王、何か考え事ですか?」
王「いや。大丈夫だ。それより、勇者と共に説明した方が皆わかってくれるだろう」
大臣「えぇ。そうですね。なにせ勇者様は全国民の憧れですからねぇ」
大臣「勇者様は城のどこかにいると思います。すぐに探させますので」
王「できるだけ早く頼んだぞ」
大臣「おい、お前ら! 勇者様を呼んでこい!」
武者1~3「はっ!!」
大臣「これで良いですね」
王「」
王(あんなのがうちにいたのか……)
大臣「どうかなさいましたか?」
王「えっ……いや、あんなのがいつも私の周りにはいたのか……?」
大臣「ご存じありませんでしたか……? 王の周りには常に五人程度の武者がついております! いつ襲われても王が傷つくことはありません!」
王「……そうだったのか」
王(ということは。あれを通じて大臣が魔王の正体を知っている可能性も……?)
王「大臣。魔王の噂の真実を知っておるか?」
大臣(武者達から聞いているが。王にとっては知らないことにしておいた方が都合がいいらしい。機嫌を損なえばせっかくの大臣という地位を捨てることに繋がりかねない)
大臣「何の話でしょうか……? 王は知っているのですか!?」
王「いつも国民の前に立つお前なら何か情報を得ているかもしれないと思ってな?」
王(上手く誤魔化せたかな?)
大臣「国民はそこまで多くの情報を持っていないようです。魔物に襲われた村を救った騎士がいたという噂はありましたが……」
大臣(噂は本当だからそっちに意識が向いてくれれば王は気づかないだろう……)
王「なぜそれを早く言わない!」
大臣「……」
大臣(面倒なことになりそうだ……)
三人称で書くことが多かったから別の方法で書いてみようと思ったけど難しいです。
少し混ぜて書くことにします。
書き溜めないで思い浮かんだときに書くことにします。
戦闘とか情景とか書くのが好きなんでそういうのがないと書くのが面白くないです……
今のうちはつまらないけど面白くなってくると思います
~~数日後 王宮~~
王「勇者よ」
勇者「なんでしょうか?」
王「今すぐにでも魔王になってもらいたいのだが……伝え忘れておったことがある」
王「これはこちらのミスというか……誤算というか……」
王「魔王というのは自己申告ではなく、魔王としての資格を得てやっと世界から魔王として認められる。というふうになっているようなのだ」
勇者「で、その資格を得るにはどうしたら?」
王「それはこれから説明するのだから黙って聞いておれば良い!」
勇者「申し訳ない……」
兵士(やっぱこえー……)ビクビク
王「資格を得るための機構は魔王城にあるらしいのだ。魔王城くらいは本なんかで知っているであろう?」
王「そこまで行かなければならないのだ」
勇者「それなら転移魔法陣を使えば良いのでは?」
王「確かにそうなのだが……魔界には対応した魔法陣が無いのだ。つまり、誰かが魔界まで行ってセットしてくる必要がある。それも勇者の役割だ」
勇者「そもそも魔界というのはどうやって行けば良いんでしょうか?」
王「知らん」
勇者「」
王「だから、仲間を集めて魔界への鍵を見つけ出し、まずは魔王城までたどり着かなければならない」
勇者「仲間はどこで? 酒場ですか?」
王「一応酒場に行ってみる価値はあると思うが……酒場にはただ飲みたいだけの輩の方が多いであろうから……そうだな……魔物から村を救った噂の騎士なんかはどうだろうか? 仲間になってくれないにしても何か得な情報をくれる可能性が高い」
勇者「とりあえず仲間は多いにこしたことはないですね!」
王「では、行って参れ!! ……と、言いたいところだが。おぬし、まともな装備も金も持っておらんだろう」
勇者「適当な魔物を狩ってコツコツお金を貯めていけばいいと思ったのですが……」
王「ここらの魔物も最近強力になってきている。油断してかかればすぐに教会送りであるぞ」
王「そこで私からおぬしにプレゼントである!」
勇者「とんでもない!」
王「はっはっは!! 何も与えないで送り出すなどなめた真似をすると思うか!? 勇者は全国民の憧れであるぞ! それを大切にせんでどうする! 強がっておらんで素直に受けとるがいい!!」
王「勇者には破邪の剣、精霊のマント、みかわしの靴と100000G」
王「兵士には銀のレイピア、貴族の服、魔力のブーツと……金に関しては勇者に与えたから無しだ」
勇者「こんなにもらっていいんですか!? 良くて鋼の剣と3000Gくらいなのが普通じゃありませんか?」
兵士(たぶん今の鎧の方が固いし何より二人とも見た目が最悪だよなぁ……)
王「その金は全て私のポケットマネーだ! 装備もこの辺では絶対に買えない性能であるから、しばらく進んで良さそうな装備に出会うまではそれを使うといいぞ! 装備は基本武器庫や宝物庫から勝手に取ってきたものだがな……」
二人(聞かなかったことにしよう)
王「まぁ早く行くといい! 隣国の勇者に先を越されてしまえば我が国の立場はなくなってしまう!」
勇者「では、酒場に寄ったのち適当に薬草などを準備し、そこらの魔物でレベルを上げつつまずは魔物に襲われたという村へ向かってみたいと思います」
王(そんなに慎重にならなくても……)
勇者「そういう性格なんです」
王「ま、まあ。私は隣国との和平会議の準備をすることにしよう」
勇者「お互い頑張りましょう?」
王「うむ!」
~~城下 酒場~~
店主「おっ! いらっしゃ~い?」
店主「勇者様だったか! 仲間探しだよね?」
店主「でも一応こっちも商売だからなんか食べてって欲しいんだけどねww」
店主「なーんて冗談だよ。面白くなかったねぇ~。すまんすまん」
店主「この中から選ぶといいよ? 一応言っとくとチェックがついてるのはもう誰かにつれてかれてる奴だよ」ドサッ
勇者「ありがとうございます!」
店主「良いってことよ! 勇者様はこの国の憧れだからね! ぁあ、そうだ。なんか飲み物持ってきてやるよ!」タッタッタッ
兵士「できたら回復役がほしいよね。死にたくないし。」
勇者「でもさ、コツコツレベル上げていってやればさ、しばらくは薬草類だけでやっていけない? それよりもさ、俺物理攻撃しかできないからさ、魔法使いというか、魔術攻撃ができる仲間のほうが優先すべきなんじゃねぇの?」
兵士「確かにそれもそうかもな。ちょっと魔術を教えてもらえたりするだけでかなり変わるしな」
勇者「じゃあそれっぽいの探すぞ?」
兵士「おう」
ガヤガヤ…… ガヤガヤ……
勇者「……」ペラッ
兵士「……」ピラッ
兵士「こいつとかいいんじゃねぇか?」
勇者「実戦経験豊富、30000Gの魔法使い? ぁあ、そこで飲んでるおっさんか。俺はいいと思うけどね。」
兵士「おっさん!? 魔法使いって女の子なイメージが……」
勇者「それはお前のイメージだ。別に魔法使いは女性が多いこともないだろ。まぁできたらかわいい女の子がいいけどさ……」
兵士「だろ? 多少弱くてもいいからかわいい女の子の方がやる気も上がるってもんよ!」
勇者「うーん……」ペラッ
兵士「……」ピラッ
店主「お待たせ! 炭酸水だよ!」ゴトッ
店主「で、いい感じのは見つかったかい?」
勇者「俺たち魔術が使える人を探してんですけど……」
店主「ならあのおっさんでいいじゃねぇか」
兵士「できたらかわいい女の子の方がモチベ保てるのかなーって思いまして」
店主「……」
店主「家の娘を連れてったらどうだ。まだ旅だちを許される歳ではないんだが生まれつき魔術の才があったようでな。外の世界を見せてやってはくれねぇか?」
兵士「いいでしょう。でも、その娘、かわいいんですか?」
勇者(失礼すぎんだろ……)
店主「さすがに娘はかわいく見えるもんだろ。勇者様たちにとってかわいく見えるかは別問題だけどな。」
兵士「そうですか」
店主「今は学校に行ってるから、戻ってきたら勇者様たちについていってもらう旨を説明しておこう。」
勇者「まだ学校に行くような歳なんですか!?」
店主「あぁ……14だ」
兵士「じゃあ世間からはロリコンのレッテルを貼られてしまうと言うことか……」グギギギギ
店主「まぁ明日またここに来な。娘と待ってるよ」
勇者「ありがとうございます!」
~~次の日~~
カランカラン~♪
店主「おっ! いらっしゃい!」
娘「はじめまして……」
二人(思った以上可愛かった!)
勇者「……あっ! これからよろしくお願いします!」
兵士「よろしくお願いします」
店主「自慢の娘だ。教会送りにするくらいならまだいいが、襲ったりしたら許さねぇよ?」
勇者「絶対にそんなことは起こしませんので、ご安心を。必ず守り抜いて見せます!」
店主「それはいいや! ほれ、娘。自己紹介だ!」
娘「あっ……その。娘です。火、水、風、光、土属性を扱えます。」
勇者「俺は火と光だけだってのにすげぇな!」
兵士「俺なんか水しか使えねぇぞ?」
娘「えっと、まぁ、よろしくお願いします……」
勇者「よろしくな! 俺らの魔法使い!」
魔法使い「はい!」
~~数日後 城下~~
勇者「さて、旅立ちの日だ!」
兵士「まずは何をするんだ?」
勇者「その辺の魔物でレベル上げかな。一上げるのに一時間かかるようになるくらいまでは上げておきたいね」
兵士「娘ちゃんのレベルはいくつ?」
魔法使い「23……だったかな~?」
勇者(おい、聞いたか? 俺なんかレベル6だぞ?)コソコソ
兵士(俺は5だよ……)コソコソ
勇者(女の子の方がレベル高いって男として恥ずかしいよなぁ)ゴニョゴニョ
兵士(娘ちゃんが寝てるときも狩り続けるとかすれば追い付くだろ……)
魔法使い「えっ……気分を害されました? 私が弱すぎたんですね……?」
勇者「いや。そうじゃなくてさ」
兵士「娘ちゃんが強すぎるんだね」
勇者「だからさ、もっと自信を持っていいよ。俺らも君に追い付けるように必死で頑張るからさ」キリッ
魔法使い「はい。ありがとうございます……」
兵士「まずは最下級の魔物を狩りに行こうぜ!」
勇者「おう!」
魔法使い「はい!」
~~平原~~
勇者「風が心地良いな。俺の旅立ちを祝福するかのようだ」
兵士「それはカッコつけてるつもりなのかな? すごく恥ずかしいよ?」
勇者「あ、そうだ。娘ちゃん。魔法の威力を見てみたいんだけどさ。あそこのスライム系のに撃ってみてくれない?」
魔法使い「倒せそうな威力のでいいですよね? 魔力はできるだけ無駄にしたくないので……」
魔法使い「炎よ!」ボウッ!!
スライム「ピギャー!!」プスプス…
兵士「すげぇ! 炎系の中では最下級なのにあんなに威力があるってのか!」
勇者「兵士には使えないが俺は使えるはずなんだ。 いつか教えてくれ!」
魔法使い「教えるのは下手ですけど私で良ければ……よかったら兵士さんも水系魔法を教えて差し上げますよ?」
兵士「……別にいいよ。君が使うの見て自分で覚えるから」
勇者「お前分かりやすいな~」
兵士「うっせーな。それよりレベル上げるんじゃなかったのかよ!」
勇者「そうだな……この平原にはスライム系の下級魔物とゴブリンが住んでるな」
魔法使い「ここのゴブリンはリーダーを中心としてグループを作っているらしいと先生から聞いたことがあります。中には人間に友好的なグループもあるようですよ!」
勇者「そのゴブリンのリーダーってのは強いのか? 経験値が多そうだが」
魔法使い「レベルが14くらいあれば余裕を持って倒せると思うんですが……魔王の復活くらいから行動が活発になってきていますから、少し強くなっているかもしれないですね……」
兵士(娘ちゃんは魔王の真実を知らないんだったな。おいおい知ることになるでしょ)ゴニョゴニョ
勇者(は? いつまでも連れていくつもりだったの? 魔界に行く方法がわかったくらいで別れるのがいいんじゃねぇの?)
兵士「え?」
勇者「え?」
魔法使い「どうしました?」
勇者「娘ちゃんはさ、旅のどこまでついてきてくれるつもりなの?」
魔法使い「私が必要とされなくなるくらいまではついていこうと思ってます!」
兵士(俺らが必要とすればいつまででもついてきてくれる感じだよ?)ゴニョゴニョ
勇者(まぁおいおい考えていけばいいね)
魔法使い「あっちから剣を持ったゴブリンがこっちに向かって来ますよ? 魔法で迎撃しますか?」
勇者「いや、待ってくれ。友好的なグループのやつかもしれないからもう少し引き付けて様子を見よう。違うようなら俺らが倒すから娘ちゃんは手を出さないでくれ」
ゴブリン「キシャアアアア!!」
勇者「倒していいゴブリンだ! 兵士!やるぞ!」
兵士「おう!」
ゴブリンは魔法使いを殺し、喰ってやろうと向かってくる。
魔法使いが身を守るため身構えたとき、勇者の剣がゴブリンの脇腹を切り裂いた。
勇者「娘ちゃんは手を出さないでくれ! 俺らに任せて休憩してて!」
魔法使い「わっ……わかりましたっ!」
ゴブリンは自分を切った者を怒りのこもった眼で睨み付けた。
兵士「その距離で武器を持ったゴブリンとやろうってのか! 無理があるぞ! 距離をとれ!」
勇者「おうっ!」
勇者はゴブリンの当たったら即死であろう剣を避けながら後ろへ下がる。
勇者が時間を稼いでいる間に背後へ回った兵士の剣が、ゴブリンの首を切り飛ばし鮮血を撒き散らす。
勇者「やったぞ!」
兵士「そうだな! でもゴブリン一体にこんなに時間がかかってるようじゃまだまだだよなぁ……」
勇者「そうだなぁ……」
魔法使い「えーっと。本当にただのおせっかいなんですけど、お二人はやっぱり魔法が使えた方がいいと思います!」
魔法使い「今のゴブリン戦でも、魔法が使えると兵士さんが遠距離から攻撃できるようになるので、勇者様がわざわざ時間稼ぎする必要がないという訳です!」
兵士「なーんかよくわかんねぇけど、要は魔法が使えるに越したことはないってことだな?」
魔法使い「まぁそういうことになりますね。あと、兵士さんが使ってらっしゃるような細身の剣や、勇者様が使ってらっしゃるような特別な加工のある剣は属性効果をつけやすいんですよ。」
魔法使い「つまり、兵士さんが水や氷が弱点の敵に対して剣で攻撃するとき、剣に属性効果を付与することで攻撃が通りやすくなるという感じですかね。」
魔法使い「こういうのは実践に限ります! まずは自分の体の中のエネルギーをどこか一点に集める感じで。勇者様の場合二属性あるので色別に分けるような感じで集めてください。」
魔法使い「次にそれを外に出すイメージを。」
二人「……」
魔法使い「どうですか?」
兵士「なんか溶けたかき氷みたいなのが出てきた!」ビチャビチャッ
勇者「光った! 眩しい!」ピカーン!!
魔法使い「成功ですね! あとは出てくるエネルギーを言葉を使うことで整形します!」
魔法使い「まっすぐ射出するだけでいいならエネルギーを放出するイメージとともに『炎よ!』とか『氷よ!』とか『光よ!』とかって言ってやれば勝手に出てきますよ!」
勇者「炎よ!」ボウッ
兵士「氷よ!」パキーン
二人「おぉ! 出た!」
魔法使い「詠唱についてはイメージが重要なので人それぞれですね」
兵士「ふぅん……」
兵士「あっ。でさ、気になったことがあるんだけど、俺の属性って水なのになんで『氷よ!』なの?」
魔法使い「水は常に不定形です。形のはっきりしないものを操るのは高位の魔術師にしかできないことですし、とてつもなく繊細な作業なので、固体である氷と捉えて操るのが一般的らしいです」
兵士「そうなんだ……」
勇者「じゃあ適当にスライム系で試し撃ちをしつつゴブリンも倒してレベルを上げていこう!」
兵士「娘ちゃんは休んでてね?」
放置してますがやる気はあります。
少し文章を勉強しなおしています。
書き溜めの重要性に気づいたので書き溜めます。
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