雪乃「いえ、雪ノ下八幡も悪くないわね…」ブツブツ
八幡(俺はなにも聞いていない聞いていない…)
雪乃「休みの日は一日中パンさんシリーズを見ながら過ごして…」ブツブツ
八幡(あーあーあー聞こえないー)
雪乃「比企谷君」
八幡「ひゃいっ!?」ビクッ
雪乃「結婚式は洋式が好き?和式が好き?」
八幡「あ、あんまり考えたことねえな」ビクビク
雪乃「なら明日までにどちらか決めておいて頂戴」
八幡「なんでだよ」
雪乃「明日になれば分かるわ」
八幡(いきなり人の名字を自分の名字に変えたり逆に自分の名字を人の名字に変えたりなんなんだよ!?こええよ、あとめちゃくちゃ怖い)
雪乃「それと今から雪乃と呼ぶようにして頂戴」
八幡「なあ雪ノし」
雪乃「〈〉〈〉」ギロッ
八幡「何でもないっす…」
雪乃「気になるわ、言いなさい」
八幡「いや、大したことじゃないし…」
雪乃「まあいいわ、今日は由比ヶ浜さんも居ないし帰りましょう」
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八幡「なんで着いてくんの?」
雪乃「悪いかしら?」
八幡(いつもの雪ノ下じゃねえ…)
雪乃「ねえ、あなた」
八幡「…まさか俺のことか?」
雪乃「他に誰がいるのかしら?疲れているの?心配だわ」
八幡「お前こそ疲れてんじゃねえのか?」
雪乃「そんなことないわ、むしろ今までで一番調子がいいもの」
八幡(んなアホな)
雪乃「あなたの家にお邪魔しても良いかしら?」
八幡「あ、え、何で?」
雪乃「何でって、おかしな質問ね。挨拶に決まっているでしょう?」
八幡「えーっと、誰が誰に?」
雪乃「私が、あなたの家族に決まっているじゃない」
八幡「何のために?」
雪乃「やはりあなた疲れているのよ、早く帰って暖かくして栄養付けて添い寝してあげるわ」
八幡「待て待て待て」
雪乃「遠慮はいらないわ手を繋ながら行きましょう」ルンルン
八幡「////」
八幡「ただいま」
雪乃「お邪魔します」
小町「お兄ちゃんおかえりー、雪乃さん連れ込んじゃって…えええええ!?」
雪乃「あら小町さん、お邪魔するわね」
小町「どどどうぞ!」ワチャワチャ
八幡「雪ノ下が変なんだよ」ヒソヒソ
小町「家にきた時点で察したよ!お兄ちゃん雪乃さんに何したの?」ヒソヒソ
八幡「由比ヶ浜が奉仕部休みでな」ヒソヒソ
小町「ふむふむ」ヒソヒソ
八幡「いつも通り本読んでたら『雪ノ下八幡』だとか『比企谷雪乃』だとかブツブツ言い出してな」ヒソヒソ
小町「ほうほう」ヒソヒソ
八幡「奉仕部終わって帰ろうとしたら着いてきた」ヒソヒソ
小町「マジ?」
八幡「マジ、あるがまま話すと余計訳分からん」ヒソヒソ
小町「う~ん」ムムム
八幡「まあ直に落ち着いて帰るだろ」
小町(いや、あれはかなりお兄ちゃんにデレデレだったような…まあ嫁候補が本気出してくれるならアリかな♪)
八幡「とりあえずある程度様子を見ておいてくれ、すぐ飽きて帰るだろうし。一応あいつが帰るとき送ってくから」
小町(なかなかどうしてポイント高いマネを!)
雪乃「話が済んだようね」
八幡「あ、ああ、小町が茶菓子でも出すから少し待っててくれ」
雪乃「私が手土産を忘れる訳ないじゃない」つめっちゃ高そうな菓子折り
小町「うちには粗茶しかないのに良いんですか!?」
八幡(いよいよこいつの目的が分からん)
雪乃「お茶は何を飲むから美味しいのではないわ、誰と飲むかで決まるの」
小町「ぶふぁ!」
八幡「どうした小町!?」
雪乃「兄妹揃って体調が悪いのかしら?」
小町「よ、嫁度が高過ぎる…」
雪乃「台所を借りるわね」スタスタ
雪乃「お待ちどう様」
八幡小町「いただきます」モソモソ
雪乃「やはりあなた達と飲むお茶は格別ね」
八幡「お前、やっぱ変だぞ」
小町(おいしー!)パクパク
雪乃「変わっているのは自覚しているわ」
八幡「そういう意味じゃねえんだがな」
雪乃「そう言えば御両親はまだお帰りになられないのかしら?」
小町(むむっ!)ピキーン
八幡「あー、いつも遅いからな」
雪乃「なら出来るだけ待たせていただくわ」
小町「小町の着替えなら貸せますし、何なら泊まって貰っても良いですよー♪」
八幡「ちょ、待てよ」
雪乃「キムタクのモノマネなんかしないで頂戴」
八幡「す、すまん…」
雪乃「キムタクなんかよりあなたの方がずっとかっこいいわ」
八幡「!?」
小町(あ、雪乃さん軽くイッちゃってるのかも)
雪乃「ほら」ポンポン
八幡「?」
雪乃「体調が優れないのでしょう?膝枕をしてあげるわ」
小町(何でクールにそんなセリフが出るの!?)
八幡「大丈夫だから」
雪乃「問答無用」グイッ
八幡(あ、柔らかい…)///
雪乃「ふふふ…」ナデナデ
小町(お兄ちゃん照れてる)ニヤニヤ
八幡「いや、大丈夫だって」
雪乃「あなたはこういう場面では嘘をつくから信じないわ」ナデナデ
八幡「…」
雪乃「…」ナデナデ
小町「…」ニヤニヤ
カマクラ「…」スヤスヤ
八幡(何だこの状況)
雪乃「あなたは婿養子に抵抗はあるのかしら?」
小町(もはやダメ男製造機…)
カマクラ「…」スヤスヤ
八幡(寝たフリしとこう)スウスウ
小町「寝ちゃいましたね」
雪乃「残念だわ、このままだと容態が悪化するかもしれないから彼の部屋へ運ぶのを小町さんにも手伝って欲しいのだけれど」
小町「アイアイサー!」
八幡(二人掛かりで運ばれたが)←狸寝入り続行中
雪乃「すううううう…はああああああ」ウットリ
八幡(布団に潜り込んでひたすら深呼吸に勤しむ姿はまごう事なき変態)
雪乃「これが私の八幡の香り…」クンカクンカ
八幡(今私のっつったよな!?八幡とも言ったよな!?)
雪乃「幸せ…」クンカクンカスーハースーハー
八幡(エスカレートしてね?ヤバくね?)
雪乃「八幡と結ばれたいのだけれど起きないわね…」ツンツン
八幡(あ、もうダメかも)
雪乃「マーキングでもして待ちましょう」スリスリスリ
八幡(昨日まで普通だったのに何だってんだ!?)
雪乃「あなたは誰にも渡さないわ…」スリスリスリ
八幡(渡す?)
雪乃「暖かい…」
八幡(そもそも俺まだ17なのに結婚とか無理だし)
八幡(起きるとマズい、かと言ってこのままでもジリ貧だ、何かいい方法はないか?)
雪乃「♪」
ブーンブーン!
八幡(しめた!)「んん?」モゾ
雪乃「はいもしもし」ピッ
八幡「え!?」
雪乃「いえ、間違ってません彼の電話です」
八幡「いや、お前なにしてんの?」
雪乃「平塚先生こそ何の用でしょうか?」
八幡「替われよ」
雪乃「ダメよ、…いえ、こちらの問題です」
雪乃「生徒を連れ出してまで食べる価値のあるラーメンなんですか?」
八幡「俺ラーメン好きなんだけど」
雪乃「とにかくお断りします、二度と私の八幡を誘わないでください。失礼します」ピッ
八幡「何で俺の電話に出て勝手に受け答えしてんだよ。しかも喧嘩腰で」
雪乃「浮気は許さないわよ」
八幡「浮気もなにも俺彼女居ねえし」
雪乃「私という妻がありながら女を作らせる訳ないじゃない」
八幡「だから妻とか…」
雪乃「言い訳しないの」ドンッ
八幡「!」ドサッ
雪乃「押し倒されるあなたも素敵よ」ズイッ
八幡「落ち着け、な?」
雪乃「由比ヶ浜さんと話しているあなたを見て胸が張り裂けそうだったわ」ジリジリ
八幡「そうか、とにかく座って冷静に」
雪乃「一色さんにからかわれて照れてるあなたを見て気が狂いそうだったわ」ジリジリ
八幡「ちょっ…」
雪乃「城廻先輩相手だと私と話すより素直になるのが凄く傷ついたわ」ジリジリ
八幡「そんなこと言われても」
雪乃「姉さんの胸に視線が釘付けになっているときはいくら血のつながった姉さんといえども殺意を覚えたわ」ジリジリ
八幡「…」
雪乃「挙げ句は平塚先生と浮気ですって?冗談じゃないわ」ジロッ
八幡「浮気じゃねえよ」
雪乃「他の女と出掛ける時点で立派な浮気よ」
八幡「よく聞け、俺はお前の旦那じゃねえし、お前はそもそも彼女ですらねえ。」
雪乃「っ!」キッ
八幡「お前の思い込みなんだよ」
雪乃「…」
八幡「分かってくれたみたいだな、今日は家に帰って頭を冷やせ」
雪乃「…」
八幡「…送ってくよ」
雪乃「…ね」ボソッ
八幡「何か言ったか?」
雪乃「何でもないわ、行きましょう」
八幡「…」
雪乃「…」
八幡(一件落着だな)
雪乃「…」
八幡(帰ったら疲れたし寝よ)
雪乃「…」
八幡(そういや最近ゲームしてねえな、何かやるのもいいな)
雪乃「そう言えばあなたに渡さないといけないものがあったわ」
八幡「そうなのか?」
雪乃「うっかり私の部屋に置いてきてしまったから家に着いたら渡すわね」
八幡「…分かった」
雪乃「〈●〉〈●〉」
八幡「!?」ビクッ
雪乃「どうしたのかしら?行くわよ」
八幡「あ、ああ」(なんだ?今何か…)
雪乃「上がって待ってて」
八幡「へいへい、んで、何を受け取りゃいいんだ?」
雪乃「少し待ってて」つお茶
八幡「分かった」
雪乃「…」ニコッ
八幡(可愛い顔しやがって…)ドキドキ
雪乃「確かここに…」ガサゴソ
八幡(上品な味だ)ズズー
雪乃「一つ聞いてもいいかしら?」
八幡「何だよ?」
雪乃「専業主夫になりたいのよね?」
八幡「そこは譲れんな」キリッ
雪乃「ならちょうどいいわ」ニコニコ
八幡「どういう意味だ?」(なんか眠気が…)
雪乃「私が夢を叶えてあげるわ」ニコニコ
八幡「なにを言って…」(この眠気はまさか…)ガクッ
雪乃「あら、思ったより効くのね」
八幡「」ZZZ
雪乃「まあ、後で渡せば済むから構わないのだけれど」
八幡「はっ!」ガバッ!
雪乃「お目覚めみたいね、あなた」
八幡「あんまり良い目覚めじゃないみたいだな」
雪乃「そうでもないわよ?」ニコニコ
八幡「俺とお前の考えは違うに決まってんだろ、早くこの手錠外せ」ガチャガチャ
雪乃「しばらくは動き辛いでしょうけどすぐ慣れるわ」
八幡「迂闊だったか…」ガチャガチャ
雪乃「今のうちに渡しておくわね」つ指輪
八幡「…」
雪乃「結婚指輪よ、私がはめてあげる」
八幡「やめろ!」
雪乃「嫌よ」
八幡「頼む…」
雪乃「聞き分けのない人も男らしくて好きよ」
八幡(下手に抵抗してケガはさせられん…ここは大人しく従うか)
雪乃「ふふ…、そうやっていつもあなたは最後は私のところへ戻ってきてくれるのよね」
八幡「…」
雪乃「愛しているわ、八幡」チュッ
八幡「!」ビクッ
雪乃「八幡、八幡、八幡、八幡…」チュッチュッチュッチュッチュッ
八幡「んんんん!」
雪乃「…ふう、私のファーストキスよ」
八幡「知るかよ」プイッ
雪乃「ああ、その素っ気なさもゾクゾクするわぁ…」////
八幡「…」
雪乃「夜は長いわ、愛を深めましょう?は・ち・ま・ん?」クスクス
八幡「っ!ああっ!」ビクッビクッ
雪乃「あら?まだ全身に私の印を付けていないのにもう火がついたのかしら?」チュッ…チュパッ…
八幡「今ならやめれば元に戻れるぞ…」////
雪乃「戻る訳ないじゃない、あなたは私のもので、私はあなたのものよ」チュパッチュパッチュパッ…
八幡「俺はお前を愛していない!」
雪乃「あら、夫婦になっても恋人だなんて楽しみだわ」ペロペロ
八幡「ちが…」
雪乃「子供は二人欲しいわ…頑張りましょうね?あなた♪」スリスリ
八幡「話を聞け!」
雪乃「今は私の番よ」
八幡「そんな…」
雪乃「もう離さないわ…」
八幡(何か考えねえと…)
雪乃「あなたも私も友達が居ないから式の手配は楽で良いわよね」
八幡「お前には由比ヶ浜が居るだろ」
雪乃「八幡を私から奪おうとした泥棒猫なんて友達でも何でもないわ」
八幡「お前…!」
雪乃「私にはあなただけいればいいの、あなたさえ居てくれたら幸せなの」
八幡「…本当に俺だけで良いんだな?」
雪乃「当たり前じゃない」
八幡「分かった、俺はお前のものになる」
雪乃「!」
八幡「比企谷八幡は、雪ノ下雪乃を生涯愛することを誓ってやる」
雪乃「嬉しい…」ポロポロ
八幡「だがな」
雪乃「?」
八幡「手錠は勘弁してくれよ、身動きとれねえしお前を抱きしめてやれないだろ?」(自分で言ってて鳥肌たちそうなキザなセリフだな)
雪乃「すぐ外すわ」カチャカチャ!ガシャッ
八幡「雪乃…」ギュッ!
雪乃「八幡!」ギュッ!
八幡「一回家に帰ってもいいか?」
雪乃「どうして…?〈●〉〈●〉」
八幡「義理の妹を心配させるのは嫁失格じゃないか?」
雪乃「そ、それもそうね。浮かれて忘れていたわ」
八幡「しかも一人で帰るなんて言ってねえしな」
雪乃「あ…」
八幡「お前も来てくれるな?」
雪乃「もちろんよ」
八幡「ってことだから」
小町「帰ってこないと思ってたらまさかそんなことになってたなんて!」
雪乃「心配と迷惑を掛けてごめんなさい、だけど…」
小町「いえいえ!小町的には雪乃さんの所にいたならポイントストップ高なんで!」
八幡「何市場だよ」
小町「いや~お兄ちゃんもこれで安泰だね」
八幡「まあ、な」チラッ
雪乃「♪」ニコニコ
八幡「小町」
小町「?」
八幡「…だけ頼むわ」
小町「確かにいるよね、分かった!」
雪乃「何の話かしら?」
八幡「母ちゃんも親父も帰ってねえからこの事伝えてくれって」
雪乃「改めてご挨拶はするわよ」
八幡「次は俺の番だな」
八幡「ってなわけで妹さんを僕に下さい」
陽乃「……」
雪乃「ダメとは言わせないわよ、彼は私と結婚するの」
陽乃「……」
八幡「だんまりだと反応に困るんですが…」
陽乃「……」
雪乃「いい加減にしたらどうなの姉さん」
陽乃「お義姉ちゃんから質問」
八幡「何でしょう?」
陽乃「雪乃ちゃんはとにかく、比企谷君はどうして雪乃ちゃんと結婚する気になったの?」
八幡「それは…」
陽乃「監禁事件とかでよく聞くじゃない?ほら、何とか症候群。そうなるには時間が短いしさ、かといって弱みらしい弱みも握られてないみたいだし」
八幡「そんなんじゃないですって、ひとえに愛ゆえにです」
雪乃「そんなに私と彼が結ばれるのが気に入らないのかしら?」
陽乃「……」
雪乃「……」
八幡「……」ゴクリ…
陽乃「まあいいや、おめでとう雪乃ちゃん、比企谷君、雪乃ちゃんをよろしくね?」ニコッ
雪乃「最初から素直に認めていればいいのよ」
八幡「ありがとうございます、雪ノ下さん」
陽乃「義弟になるんだから陽乃でいいのに」
雪乃「〈●〉〈●〉」ギロッ
八幡「ま、まあ俺が18になるまで時間もあるので追々ということで…」
陽乃「つまんなーい」ブーブー
雪乃「行きましょう八幡」グイグイ
八幡「引っ張りすぎだオイ」
陽乃「雪乃ちゃんが壊れちゃった…お願いだよ比企谷君」
八幡「明日も学校だな」
雪乃「そうね」スリスリ
八幡「部活はするのか?」
雪乃「そのつもりよ」スリスリ
八幡「そうか、んじゃ寝るか」
雪乃「おやすみなさい」
八幡「おやすみ」
八幡(こいつがこのこと広めなきゃ良いが…)
雪乃「♪」スリスリスリスリ
八幡(熱が冷めるまで話を合わせるつもりではあるが…)
雪乃「お弁当は二人分いるわね…」
八幡(長引くとマズいな)
翌日
八幡「二人乗りは平気か?」
雪乃「あなたとなら平気よ」
八幡「そりゃ安心だ」
学校近く
結衣「え!?ヒッキーとゆきのん?!」
八幡(寄りによってこうきたか)「よう」
雪乃「おはよう由比ヶ浜さん」ガルルル
結衣「何か怖いよゆきのん!?」ビクッ
八幡「先行ってるぞ」
結衣「う、うん」
雪乃「さよなら」ガルルル
結衣「え?あ、うん」ビクッ
結衣「…何でヒッキーとゆきのんが二人乗りしてんの?」ポカーン
八幡(雪ノ下と違うクラスで良かった、久しぶりに一人になれた気がする)
結衣「ヒッキー、朝のあれ何?」
八幡「何のことだ?」
結衣「だから、ゆきのんと二人乗りして…」
雪乃「八幡」
結衣「ゆ、ゆきのん…」
八幡「どうした雪ノ下」
雪乃「夫婦なのだから出来るだけ一緒にいるのは当たり前じゃない」
結衣「え!?夫婦!?」
ザワザワ
戸塚「八幡と雪ノ下さんが?」
葉山「いつの間にそんな」
八幡「おい…」
雪乃「いいじゃない、遅かれ早かれ話すことなのだから」
結衣「結婚…?」
八幡「俺がまだ17だから婚約止まりだけどな」
雪乃「分かったかしら由比ヶ浜さん」
結衣「」
八幡「朝の事はそういうことなんだよ」
沙希「ちょっと」
八幡「川越」
沙希「川崎なんだけど」
雪乃「何かしら川崎さん」
沙希「いや、由比ヶ浜オチてるんだけど」
結衣「」
優美子「結衣!しっかりしろし!」
雪乃「あら、刺激が強すぎたかしら?」
沙希「あんた」
八幡「俺か?」
沙希「分かってんの?」
八幡「なにをだよ」
戸塚「最近雪ノ下さんの様子が変だって…」
八幡「知ってるよ」
沙希「なら」
戸塚「川崎さん」
葉山「あいつなりの考えがあってのことだろう」
沙希「気に入らないね」
雪乃「嫉妬かしら?」
沙希「んだと?」ガタッ
結衣「さ、サキサキストップ!あたしは大丈夫だから!ね?」
沙希「ちっ」
葉山「比企谷、何か困ったら借りもあるし手伝うよ」
雪乃「あなたはどうせ役に立たないわ」
優美子「あんたねえ!」
葉山「その通りだから困るな」
八幡「何にせよ事実は事実のまま伝えた。他に伝えることもない」
戸塚「八幡、僕は味方だよ」
八幡「ありがとな、戸塚」
優美子「ヒキオ、後で」
雪乃「八幡は休み時間も放課後も私と過ごすの、邪魔しないで」
結衣「そっか、じゃあ部活でね?」
雪乃「ええ、『由比ヶ浜さん』は放課後にね」
八幡(雪ノ下雪乃は壊れている、これは俺の数少ない知り合いや妹の反応で折り込み済みだ。オマケに教室の空気は俺への敵意悪意の類ではなく同情憐憫として場を支配している)
結衣「ヒッキー…」
八幡(同情するなら金をくれと言いたいところだが、冗談を言える階級の葉山は雪ノ下に飲まれた)
沙希「何なのあいつ…」
優美子「結衣ホントに大丈夫?」
結衣「大丈夫だってば」
八幡(異物を排除しようとする本能は時に過剰に反応しアレルギーと呼ばれる症状を起こす)
結衣「今日も暇なのかな奉仕部は」
八幡(要するに雪ノ下雪乃はアレルゲンとなってしまったことに他ならない。優れた性質だから表だって排除されなかっただけで、かつて優れた性質が排除すべきものになった時の免疫反応はアレルギー程度には留まらないだろう)
静「やあ雪ノ下」
雪乃「あら、泥棒猫の平塚先生」
静「君からあいつを盗るつもりはないよ、君達がそんな間柄になったのを知らなかっただけだ」
雪乃「次に彼に手を出そうとしたら…」《●》《●》
静「分かっているよ」
雪乃「彼の更正は私だけにしか出来ませんから」
静「頼りにしているよ」
雪乃「言われるまでもありません、それでは」
静(恐らく雪ノ下の更正はあいつにしか出来ないだろう。頼りにしているぞ…比企谷)
放課後
雪乃「八幡」
八幡「ん?」
雪乃「呼んだだけよ」
八幡「なんだそりゃ」
雪乃「こういうやり取りもあなたとなら楽しいわね」クスクス
結衣「…」
結衣「ゆきのん」
雪乃「何かしら?」
八幡「どうした」
結衣「や、いつからヒッキーのこと好きだったのかなって」
雪乃「…そうね、気が付けば愛していたわね」
八幡「そうだったのか」
雪乃「いつの間にかあなたのことを考えながら眠るまでの間を過ごしていたわ」
結衣「おお…愛だね」
八幡「少し行き過ぎな気もするが」
雪乃「初めて異性を好きになったんだもの、加減なんて知らないわ」
結衣「そっかぁ…」
八幡「何か恥ずかしくなってきたんだけど」
雪乃「どんなあなたでも受け入れるわ」
八幡「あんがとよ」
結衣「お似合いだよ」
雪乃「ありがとう由比ヶ浜さん」
八幡「…」
結衣「そうそう、この間あったんだけどさ」
八幡「とまあ、扱いさえ間違えなけりゃ雪ノ下も無害だから由比ヶ浜に言っといてくれ。そしたらすぐに大体のとこに伝わるだろ」
小町「簡単に結婚とか約束するからどうしたのかと思ったらそういうことだったんだね」
八幡「何でああなったのかは分からんが、人に危害を加える一線を越えてなかったからな、そのまま踏みとどまってくれるのに賭けただけだ」
小町「ヤンデレの義姉に愛されて眠れないお兄ちゃん…」
八幡「このまま丸く収まるだろ」
小町「そのままお兄ちゃんは雪乃さんと結婚するの?」
八幡「あいつが冷静になった後にあいつ自信が決めるこった」
小町「そこは変わらない気もするけどなぁ」
雪乃「八幡、デートをしましょう」
八幡「あー、そういやそういうことしてねえよな」
雪乃「私も今気付いたの、善は急げよ」
八幡「どこか行きたいとこあるのか?」
雪乃「猫カフェよ」
八幡「んじゃ、行くか」
雪乃「そうしましょう」
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