「アイドルマスター ミリオンライブのSSです。
キャラ崩壊あるかもしれません。
前作
歩「give&take」
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歩「Exploration!」
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今回は、「U・N・M・E・I ライブ」のドラマパートの内容・設定を少し使わせていただいています。
聴いてない方には少々分かりづらい部分があるかもしれませんが、ご了承ください。
今回も懲りずに歩SSです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427207647
今日は日曜日、アイドルの仕事もオフだったから、アタシはショッピングモールまでダンスシューズの買い物に来ていた。
大分前からすり切れてたんだけど、お仕事とかレッスンがあって中々買いに行けてなかったんだよな~。
ちょっとだけ奮発しちゃった♪
それもあって、帰って早速ダンスの練習でもしたいな~なんて考えながら、上機嫌のまま家に帰ろうとしていた。
「うーん、どうしよう…」
そしたら、モールの入り口近くで見知った顔を見つけた。
歩「グッドモーニン、星梨花!何してるんだ?」
「あ!こんにちは、歩さん!」
そこにいたのは、事務所の仲間の『箱崎 星梨花』。その立ち居振る舞いから育ちが良いことが察せられるくらい、この子はいつも物腰が丁寧で、礼儀正しい。
歩「星梨花も買い物に来てたのか~。おつかい?」
星梨花「違います!私そんなに子どもじゃないですよ!」
歩「アハハ、ソーリー星梨花。」
星梨花「む~~~……」
星梨花はもう中学生のはずなんだけど、何故か、どうしても、それより年下に見てしまう。何でだろう?
歩「で、星梨花は何を買いに来たんだ?」
星梨花「そ、それがですね…」
そうして星梨花は自分の右隣を指差す。今のアタシの位置からは死角になって見えていない。
だから、星梨花の右側を覗き込んだんだけど…
歩「………ねぇ、星梨花。」
星梨花「………はい。」
歩「………これ、全部?」
星梨花「……………はい。」
そこには、星梨花一人ではとても持ちきれないであろう袋がいくつも置いてあった。
一体何を買ったらこんなになるのか…
歩「なるほどー、事務所の皆にお菓子を…」
星梨花「はい…。それで買い物に来たんですけど、予想以上に荷物が多くなってしまって…」
話を聞くと、どうやら明日事務所の仲間にお菓子を配るための材料を買いに来ていたらしい。
あらかじめ買っておいたらしいが、それでも足り無さそうだったから、追加の分を買いに来たらしい。
袋の中身を見ると、確かに小麦粉やチョコレートがぎっしりと詰め込まれていた。
どう考えても星梨花一人で運ぶのには無理がある量だ。
………よし。
歩「運ぶの手伝うよ!アタシこの後暇だし。」
星梨花「えぇ!?そんな、申し訳ないですよ!」
歩「でも、星梨花が一人で運ぶのは、正直無理だと思うけど…」
星梨花「…はい。では、お願いしても良いですか?」
歩「OK!アタシに任せてよ!」
星梨花「ありがとうございます!」
そう言って、アタシは袋を持つ。あ、重いな。やっぱり小麦粉のせいかな?
ちょっときついけど、そんなに歩く事も無いだろう。
ノープロブレム!
おとまり会する話だったっけ?
支援だよ
>>2
舞浜歩(19) Da
http://i.imgur.com/QlYY7qC.jpg
http://i.imgur.com/c6UMmrH.jpg
箱崎星梨花(13) Vo
http://i.imgur.com/xLjCK4Z.jpg
http://i.imgur.com/vy8PPgF.jpg
20分後
歩「はぁ、はぁ………な、なぁ星梨花。星梨花の家まで、後どれくらい?」
星梨花「えっと…後20分くらいでしょうか?」
歩「」
予想外に遠かった。しかし、星梨花はこんなに歩いてもあまり疲れている様子は見られない。
歩「ていうか星梨花、バスとかは使わなかったのか?」
星梨花「私の家、バス停から遠いので…使ってもあまり」
歩「なるほど…自転車は?」
星梨花「パパが『公道は危ないから』って、自転車で出かけるのを許してくれなくて…。
だから、歩くのは慣れっこです!」
歩「そ、そうなの?何て言うか…大切にされてるんだな。」
星梨花「うーん…」
そう言って星梨花は何とも言えない、微妙な顔をしていた。
言葉から嬉しそうな気持ちも伝わってきて、星梨花も内心複雑なのかな、何て他人事に考えていた。
しかし、このまま星梨花の家まで体力がもつ自信はアタシにはない。少し休憩を挟もう。
丁度今公園の中を通っているし、このタイミングを逃す手は無い。
歩「あ、星梨花。喉、乾いてないか?ちょっとジュース買ってくるよ!」
星梨花「え、良いんですか?いや、でも…」
歩「良いから良いから!何が良い?」
星梨花「えっと、それじゃココアを」
歩「分かった!ちょっと待ってて!」
星梨花の言葉を聞き終える事無く、アタシは自販機を探しに走って行った。
うん、多少強引だったけど休憩に持ち込めた。
………駆け出したは良いものの、自販機ってどこにあるんだろ?
適当に走ってれば見つかるだろー……と探し始めて5,6分が経ったところでようやく見つける。しかも、かなり遠くまで来てしまったみたいだ。
星梨花の要望のココアがあったのは幸いだった。星梨花、待ちくたびれてるかな…。
アタシ用のコーラも買って急いで元の場所に戻る。星梨花は近くにあったベンチに座って待っていた。
歩「お待たせ星梨花!遅くなっちゃった!」
星梨花「いえ、そんなことはありません!ありがとうございます♪」
天使はここにいた。
歩「ほいっ、星梨花はココアだったよな?」
アタシは星梨花にココアの缶を投げ渡す。
星梨花「えっ!?あの、うわわっ!??」
ポスッ
かなり慌てていたが、何回かお手玉をした後、何とかキャッチすることが出来ていた。
歩「ナイスキャッチ、星梨花!」
星梨花「もう、歩さん!何で投げるんですか~!!」
星梨花は缶を投げて渡されたことに戸惑っている様子だった。って、よく考えたら星梨花の周りに投げ渡しする人がいないか。
プロデューサーならやってもおかしくは無いんだけど、星梨花にする訳がないし。
そんな事を考えながら、アタシは自分のコーラの蓋を開ける。
ブシャァァァァァァァ!!!
星梨花「あ、歩さん!?」
気が付けば、アタシはコーラまみれになっていた。
………ジュース買ってから帰ってくるのに全力で走ったせいで、コーラがかなりシェイクされていたみたいだ。
コーラ持ったまま腕振ってたかも…。
服にもかかっているのは百歩譲って良いとして、顔と髪がべたべたするのはどうも落ち着かないなー…。
星梨花「あ、あの、ハンカチ使ってください!!」
歩「…サンキュー。でも、多分あまり変わらないと思うし、いいや。」
星梨花の家まで行って、帰るまでの辛抱。そう割り切って、再び歩き出すことにした。
あーべたべたする。
そうして星梨花の家に着いた頃には、大分腕が痛くなっていた。けど、それが些細なことに感じるくらい、アタシは目の前の光景に衝撃を受けていた。
歩「………デカい。」
それしか感想が出てこなかったが、入り口に門があったり、庭があったりと、改めて星梨花がお嬢様だという事を認識した。
いや~しかし広い。
星梨花「歩さん、こっちです!」
おっと、あんまり人の家を見回すのも失礼だったかな。
気を取り直して、星梨花の後について星梨花宅へと足を踏み入れた。
星梨花「歩さん、荷物を運んでいただいてありがとうございました!」
星梨花母「本当にありがとうね、星梨花ったら後先考えずに買っちゃって……」
歩「い、いやいや!アタシも暇だったんで!」
家の前では、星梨花のお母さんのお出迎えがあった。
どうやら、アタシがジュースを買いに行っている間に連絡を入れていたらしい。さすが星梨花、こういう所はしっかりしているな。
歩「それじゃ、アタシはこれで…」
用は済んだので、これ以上アタシがここにいても仕方ないし、早く帰ることにしよう。
一人で門まで戻れるかな?と考えていたところに、星梨花のお母さんから声を掛けられる。
星梨花母「あら?あなた…顔とか髪とかべたべたしてるじゃない。どうしたの?」
星梨花「あっ、それはさっき歩さんがコーラを浴びちゃって…」
星梨花母「コーラを、浴びる…?」
歩「せ、星梨花!恥ずかしいから、あまり言わないでくれよ!」
完全に自業自得なんだけど。
星梨花母「うーん…そうだ、家でシャワーでも浴びていったら?折角だし、ちょっと休んでいったらどうかしら。」
歩「え、えぇ!?」
星梨花「それが良いです!是非家にあがっていってください♪」
歩「うーん…それじゃ、お言葉に甘えて…」
星梨花母「遠慮はいらないわ♪」
星梨花「シャワーはこっちです!」
歩「せ、星梨花!引っ張らなくても自分で歩くから!」
なし崩し的にお邪魔することになってしまった。でも、正直ありがたい。こんなべたべたからはいち早く逃れたい。
それにしても、星梨花のお母さんがこんな気さくな方だったのは予想外だった。
てっきり、もっとお淑やかなご婦人みたいな人だと思ってたけど…
でも、それのおかげで少しだけ緊張も和らいだ。軽く呼吸を整え、アタシは星梨花の案内の元、シャワーを浴びに向かった。
………いや、『緊張が和らいだ』とは言ったけどさ、
カチャッ
星梨花母「はい、紅茶どうぞ♪」
歩「あ、ど、どうも………」
いくらなんでも星梨花のお母さんと1対1は緊張するって…!
シャワーを浴び終わると、星梨花は明日に向けてお菓子作りに入ってしまっていたから、今この場にはアタシと星梨花のお母さんの二人しかいない。
何を話して良いかさっぱり分からないし、何も話さず無言でいるのも居心地が悪いし…
そんなアタシの気持ちを察してくれたのか分からないけど、星梨花のお母さんから話しかけてくれた。
星梨花母「でも、うちに事務所の子が来るのはいつぶりかしらね~」
歩「え、前にも誰か来たんですか?」
星梨花母「ええ、静香ちゃんと未来ちゃんがお泊りに来たことがね♪」
歩「お泊り、ですか…」
その三人は、ラジオのパーソナリティのメンバーか…。
お泊り会までするなんて、やっぱり中学生組は仲が良いんだな。
……莉緒とこのみさんが良くやっている飲み会も同じようなものかな?
一瞬そんな考えが浮かんだけど、すぐに消える。お泊り会と飲み会を一緒にしてはいけない。
お泊り会の方がやっぱりこう、フレッシュな感じがあるし。
星梨花母「その時の写真もあるのよ~。ほら、これ!」
そう言って、星梨花のお母さんはスマホの画面をアタシに見せてくれる。
歩「………何で寝顔?」
星梨花母「部屋にお茶を届けに行ったときには、皆もう寝ちゃってて……。でも、これも可愛いでしょ♪」
歩「それは、確かに。」
寝顔だけど、皆楽しんでいたのが丸わかりだ。特に星梨花なんか、見るからに幸せそうな顔をしていて…カワイイ。
………でも、
歩「何枚撮ったんですか?これ…。」
星梨花母「さぁ?あまりにも可愛かったから、パパも呼んでいっぱい撮っちゃった♪」
三人が寝ている写真は1枚だけじゃなくて、別アングルだったりアップにしたりで何枚も撮られていた。
いくらなんでも撮りすぎだと思うんだけどなぁ。星梨花のお父さんも参加してる辺り、星梨花の両親の溺愛っぷりが分かる。
星梨花母「他にも星梨花の写真だったらあるけど、見てみる?」
歩「あっ、はい」
星梨花母「ふふっ、ちょっと待っててね♪」
そう言ってその場を離れていってしまい、この場に残ってるのはアタシ一人となった。
勢いで頷いてしまったけど、実際気になるしなー。楽しみだ。
………星梨花のお母さんが戻ってくるまでの間が暇になってしまった。星梨花のお菓子作りの様子を見に行こうにも、そこまでの行き方が分からないしな~。
どうにも落ち着かなくて周りをキョロキョロしていると、こちらをじっと見つめている、一匹の犬を見つけた。
歩「あれは…星梨花の愛犬かな?」
星梨花が犬を飼っているって話は聞いたことあるんだけど、名前が思い出せない。
何だったっけ?うーーーん……………………………………………ダメだ、さっぱりだ。
アタシが唸ってる間も、その犬はこちらを見続けている。何でだろう?外からのお客さんが珍しいとか?
そしたら、突然その犬はアタシの方に駆け寄ってきた。
いや、駆け寄って、というか…何か止まる気配無いんだけど!?
歩「ちょちょ、ちょっと、ストップ!犬、ストーーーーーーーーーップ!!!」
アタシの必死な制止の声にお構いなく、その犬はアタシに突撃してきた。
ドサッ
歩「あいたたたたた・・・」
「ワン、ワン!!」
歩「全くもう……って、くすぐったい、くすぐったいから舐めないでよ!!」
どうすればいいかさっぱり分からなくて、アタシはその犬にされるがままになっていた。
こういう時ってどうすればいいんだろう?
人の家の犬だから、あんまり強く言うのもダメなような気がするしなー…。
どうしようもなくなっていた時、アタシに助けの手が差し伸べられた。
星梨花母「こら、ジュニオール!駄目でしょ、お客様に飛びついちゃ!」
さながら鶴の一声というべき何だろうか、犬…ジュニオールはすぐにアタシの上からどいてくれた。
歩「ありがとうございます。ふぅ、助かった…」
星梨花母「ごめんなさいね。でも、あれも悪気はないと思うから、許してあげてくれないかしら?」
歩「そんな、全然気にしてませんよ!!」
星梨花母「そう?優しいのね、歩ちゃんは♪」
歩「優しいだなんて…って、歩ちゃん!?」
星梨花母「あら、変だったかしら?」
歩「変じゃないんですけど…」
星梨花母「それじゃ、歩ちゃんで♪」
アタシも大分大人に近づいたかな~って思ってたけど、このみさんやあずさといいこの人といい、
大人の人から見たらアタシもまだまだ子どもなのかな?
大人への道のりは長い………。
星梨花母「ほらほら歩ちゃん。星梨花のアルバム、持ってきたわよ♪」
歩「あ、ありがとうごz…」
星梨花母「ごめんね、中々探すのに手間取っちゃって…ちょっとしか持って来れなかった。」
ドサッ!!!
………ちょっと、か。広辞苑くらいの分厚さのアルバムがちょっと、ね…アハハ……アハハハハ…………
星梨花母「…で、これが小学校を卒業した時の……」
星梨花「ママ、ちょっと作り方で分からないところが…何を見てるの、ママ?」
星梨花のお母さんの解説を受けながら(結論は全部カワイイになるんだけど)アルバムを進めていると、星梨花がやってきた。
星梨花母「あら、星梨花。昔懐かしの星梨花のアルバムを…」
星梨花「ちょっとーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
バタン!!!
星梨花は瞬く間にアタシ達の元に来て、見ていたアルバムを閉じる。
星梨花「ハァ、ハァ、ハァ…」
星梨花母「あら、そんなに恥ずかしがる事ないのに。」
星梨花「恥ずかしいよ!!何で歩さんに見せてるの!!!」
星梨花母「歩ちゃんも見たいって言ってたし♪」
キッ!
星梨花に恨ましげな視線を向けられる。えっ、これアタシが悪いの?違うよね?
アタシじゃないんだ。これは星梨花のお母さんが。いや、アタシもめっちゃ楽しんで見てたけどさ。
と、心の中で言い訳をしておく。言っても火に油を注ぐだけだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~
星梨花はお菓子作りへと戻り、再び星梨花のお母さんとの二人きりになった。
星梨花母「全く、恥ずかしがりや何だから…」
歩「アハハハハ…」
笑って返すことしか出来なかった。
星梨花母「………ねぇ、歩『さん』?」
歩「え?」
急にさん付けで呼ばれて戸惑う。一体どうしたんだろう?
星梨花母「星梨花、色々と世間知らずな部分が多いかもしれませんけど、これからもちゃんと見てあげて下さいね?」
歩「……………」
………驚いた。こんなに未熟なアタシでも、『大人』までは行かなくても、『お姉さん』として頼ってくれるみたいだ。
歩「勿論です!」
だから、アタシも星梨花のお母さんの期待に応えられるよう、精一杯の力を込めて返事をした。
星梨花母「……ふふっ、ありがとう♪それじゃ歩『ちゃん』、アルバムの続きだけど…」
歩「あっ、続き見るんですね…」
星梨花母「当たり前じゃない、まだまだあるんだから♪」
星梨花のお母さんの解説は、まだ終わりそうにない。
星梨花「歩さん、今日はありがとうございました!私も歩さんとお話が出来れば良かったんですけど…」
歩「あはは、そんな何回もお礼を言わなくても良いってば。また事務所ででも話そうよ!」
あの後、星梨花はお菓子作りに戻って、アタシと星梨花のお母さんともう少し話をした所で日が暮れてきたから、アタシはいい加減に帰ることにした。
星梨花母「また来てね。アルバムの続き見せてあげるから♪」
星梨花「だから見せなくても良いってば、ママ!歩さんも、今日見た写真は忘れて下さいね!!」
歩「………頑張るよ。」
星梨花「ちゃんとこっちを見て言ってください!!」
いやいや星梨花、忘れる訳ないって。
事務所の皆にメールで回したかったけど、まぁ仕方ない。アタシの役得とさせてもらう。
歩「それじゃ、アタシはこれで…」
星梨花「………歩さん!」
ヒュッ
歩「え?うわっと!!」
何かが飛んできて、アタシは慌てながらも何とか落とさずにキャッチすることが出来た。
星梨花「えへへっ、ナイスキャッチ、です♪」
見ると、可愛いリボンで彩られた袋の中にチョコ菓子っぽいものが入っていた。
ごめん、名前分からない。
星梨花「チョコブラウニーです!明日皆さんに1個づつ渡す予定ですけど、歩さんにはもう1個焼きたてをあげちゃいます!」
チョコブラウニーか、なるほど。焼きたてというのは確かなようで、温かいというより少し熱いくらいだ。
星梨花「チョコブラウニーは、焼きたてと冷めてからとでは食感や味が違ってて、2度美味しいお菓子何ですよ!」
歩「へぇ、そうなんだ!」
星梨花「だから、明日も楽しみにしててくださいね!
あっ、歩さんに2つあげること、他の皆には内緒ですよ?」
歩「分かった!それじゃ、また明日!」
星梨花「はい、また明日、事務所で!」
星梨花と星梨花のお母さんは、アタシが入り口の門をくぐるまでずっと手を振って見送ってくれた。
そうして星梨花の家を出て少し経ったところで、アタシは早速星梨花にもらったお菓子をいただくことにした。
折角の焼きたて、温かいうちに食べなくちゃ損だよね。
歩「………うまい!」
帰り道に歩きながら食べているのも忘れて、つい声をあげてしまった。
通行人の何人かに見られちゃって、アタシは恥ずかしくなって顔を伏せる。
でも、本当にうまい。さっくりふわふわ、自然と2口目、3口目…気が付くと無くなっていた。
歩「ヘヘッ、明日も楽しみだ!」
今の口の中の心地よい甘さと明日の楽しみもあって、疲れも忘れ、帰りの足取りは凄く軽くなっていた。
翌日 765プロ事務所
歩「………あ~、疲れた!」
今日の仕事はきつかった。何でアタシにはバラエティー番組のロケが多いのか。
もっとダンスを活かせる仕事がほしいな。でも、プロデューサーにそれを言っても
P「いやいや、ロケも十分ダンスを活かせるって!」
だもんな…。あれのどこにダンスを活かせる要素があるって言うんだ、全く!
…まぁ、面白いっちゃ面白いけども。けども!
そんなどうにもならない思いを抱えながら、事務所のソファに座る。
歩「あーーー………」
全身の力を抜いて、ソファに身をゆだねる。あ、すごい気持ちいい。気持ち良すぎて寝そう。
そんな感じでだらりとしていると、
ピトッ
歩「ひゃあっ!!!!!」
突然首筋に冷たい感触を感じる。な、何だ!?
星梨花「ふふっ、歩さん、『ひゃあっ!!!!!』って…ふふっ」
歩「せ、星梨花!?ちょっと、そんなに笑わないでよ!!」
星梨花「すみません歩さん、でもあまりにも可笑しくて………ふふふっ」
後ろから聞こえる声に振り返ると、缶ジュースを持った星梨花が立っていた。
何処でそんな渡し方を教えてもらったんだか…
星梨花「昨日ママに、歩さんにジュースを投げ渡された事を話したら、
『じゃあ、今度星梨花はこうしてあげなさい♪』って、今のやり方を教えてくれました♪」
………星梨花のお母さんと聞いて、アタシは妙に納得できてしまった。ホントあの人は、お茶目な所があるな…。
星梨花「ジュース、どうぞ。お疲れ様です!」
歩「えっ、くれるの?」
星梨花「はい、昨日のジュースのお返しです!」
そう言って、星梨花はさっきアタシの首筋に当てた缶ジュースをくれた。別にあれくらい良かったのに。
星梨花「後、これもどうぞ♪」
歩「あ!これ、昨日も美味しかったから楽しみに…」
星梨花「ちょ、ちょっと歩さん!?」
突然星梨花はアタシの口を塞いでくる。
歩「むぐっ、むぐっ(どうしたの急に?)」
星梨花「もう、昨日のは内緒って言ったじゃないですか!」
そう言えばそうだった。すっかり忘れてた。
今度は小声で星梨花に耳打ちする。
歩「ごめんごめん、すごく美味しかったからさ。」
星梨花「…それは良かったです♪」
星梨花も小声ながら、嬉しそうな様子が伝わってくる。
星梨花「それじゃ、他の皆にも配ってきますね。」
そう言って、星梨花は離れていった。
…早速いただくとしよう。疲れた体に甘いものはありがたい。
包み袋を開きながら、昨日の事を思い出す。とても密度の濃い休日だったなー…。
…星梨花のアルバムの続きが気になるところだけど、もう一度行くことはあるのだろうか?
そう思って、
歩「あれってもしかして、凄く貴重な出来事だった?」
と今更ながらに思う。
そして、チョコブラウニーを1口。
歩「…ホントだ、全然違う。」
しっとりとしていて濃厚なチョコブラウニーを食べながら昨日の事を思い出して、
歩「………ご馳走様でした。」
チョコと一緒に、昨日の出来事も胸に染み込んでいくような気持になった。
以上です。見て下さった方、ありがとうございましたm(__)m
最初はもっと短めの予定だったのですが、色々書きたいことが増えていって、気が付けば当初の予定の1.5~2倍の長さになってしまいました。
前々回?だったか、舞浜歩役の戸田めぐみさんがゲスト回のミリオンラジオは非常に俺得な回でした。
ミリオン2ndライブはLV勢ですが、非常に楽しみです。
今度は歩以外のキャラのミリマスSSも書いてみたいと思います。
その時はまた、見ていただければと思いますm(__)m
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