咲「天照大神討伐?」 (92)
硬派な能力系麻雀(矛盾)が書きたくて。
慣れないのですが、お付き合いいただければ。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427174859
咲「昔下手こいてお姉ちゃんはお家を出てっちゃったんですけど、また一緒に暮らしたいんです」
和「お姉さんが出ていくほどの下手をしたんですか…」
咲「まあ、ちょっとね?」
優希「軽く言ってるけどそれってかなりヤバヤバじゃないのか?」
まこ「藪から棒にどうしたんじゃ?今まで触れてこなかった話題じゃろ?」
咲「いやあ、昨日のTVで姉妹愛のドキュメンタリー番組やってたんで」
まこ「動機が軽い!」
和「そんな大事なことなのに、今まではそういう気にならなかったんですか?」
咲「うーん、たまにはあったけどね。数か月に1回くらい」
優希「咲ちゃん中々の淡白っぷりだじぇ…」
ドアバンッ
久「話は聞かせてもらったわ!」
咲「部長!」
和「驚くので勢い良くドア開くのやめてくださいよ…」
まこ「ずーっと外で立ち聞きしてたんか」
久「勿論そうよ」
優希「それは流石に怖いじぇ」
久「咲!貴方、またお姉さんと暮らしたいのよね?」
咲「はい!でも、お姉ちゃん何処にいるのかもわからなくて…」
久「安心して咲。どんな愚形待ちでも、ずっと自摸ればいつかは和了れるものよ!」
咲「カッコいい!素敵です部長!」
久「そうよ!もっと褒めなさい」
和(茶番ですね…)
優希「永遠に自摸れば和了れるのは当たり前だじょ」
まこ「いいから本題を言いんさい」
久「そうね。…こほん。貴方達、『天照大神』の存在は知っているかしら?」
咲「なんですかそれ」
優希「確か麻雀がめちゃんこ強い人たちだじぇ」
久「その通り。それぞれの文字を代表する4人の雀士のことね。ただ強いだけならばいいんだけど、
どういう訳か彼女たちと麻雀を打った者は皆正気を失ってしまうのよ」
咲「なにそれ怖い」
和「そんなオカルトありえません」
久「とはいえ、和ならここ最近のニュースで知っているんじゃないかしら?」
和「…確かに連日彼女達と打ったとされる雀士の救急搬送の報道は耳にしますが。
私は他に外因があるのだと思います」
久「ところがプロ連盟はそうは見なかった。プロも数人やられちゃってるしね。
事態を重く見た連盟は、彼女達を懸賞首にしたの。
4人討伐できれば、連盟のできる範囲で、1つ望みを叶えると」
咲「…ということは?」
久「咲、貴方4人倒してお姉さん見つけて貰いなさい」
まこ「いやいやいや、ちょっと待ちんさい」
久「どうしたの?」
まこ「どうしたもこうしたも、あんさん今、『打てば正気を失う』って言うたじゃろ。
そんな危ない連中と、咲を打たせる気か!?」
和「そうですよ!!咲さんにもしものことがあったら…」
久「あらあら、オカルトだって否定してても、咲のこととなるとそんなに心配なのね?」
和「あ、えっと…///」
久「ふふ。大丈夫よ、咲だもの。向こうの怪物っぷりが霞むくらいの化け物っぷりよ。
簡単に負けるはずがないわ」
咲「えへへ」
優希「それは褒めているのか?」
和「咲さんは可愛いですよ」
まこ「…化け物云々は置いといて、咲が負ける姿というのは確かにあまり想像できんのう」
久「まあ何にせよ、咲なら大丈夫かなって。私は咲を信頼してるわ」
まこ(それっぽくまとめるのは久の十八番じゃの…)
咲「えっと、じゃあ私やりますね」
まこ「結局こうなるんじゃな…」
優希「やっぱりかー」
咲「ところで誰を倒していけばいいんですか?」
久「そうねー、手近なところでいうと、同じ長野に『天江衣』がいるわね」
咲「ほうほう」
久「九州鹿児島には『神代小蒔』」
優希「巫女さんだじぇ」
咲「そんな人もいるんだ?すごいね」
久「全国常連校の白糸台で1年ながら頭角を現す『大星淡』」
咲「ふんふむ」
久「そしてインターハイ連覇者で咲に似ている『宮永照』」
咲「えっ」
久「そしてインターハイ連覇者で咲に似ている『宮永照』」
咲「えっ」
久「えっ」
咲「それお姉ちゃんです」
和「えっ」
咲「えっ」
久「えっ」
優希「えっ」
まこ「えっ」
久「確かにそっくりね」
まこ「気づかなかったのう」
優希「不思議だじぇー」
和「お姉さんが相手ですけど、どうするんですか?」
咲「うーん、お姉ちゃんは最後にしとくよ。
お姉ちゃん達の麻雀に人を狂わせる何かがあるんだとしたら、もっとよく調べてからにしたい」
和「そうですね」
咲「というわけで今週末、天江衣さんのところ行ってきますね」
まこ「行くには行くんじゃな…」
優希「咲ちゃん1人で大丈夫なのか?」
咲「迷いそうだなぁ」
まこ「わしは家の手伝いがあるから行けんのう」
優希「私もタコスの予定があるからなー」
久「私はDVD返してこなきゃ」
まこ(こいつら…)
和「私が着いて行きますよ」
咲「本当?ありがとう和ちゃん」
和(図らずとも2人きりでのお出掛けですね!)
咲「何か対戦の手続きみたいなのってあるんですか?」
久「ああ、それなら『勝負しませんか』って言えば向こうで応じてくれるはずよ」
まこ「軽過ぎやせんか」
そして週末、和と咲は龍門渕家へ。なお移動過程はキングクリムゾン
和「あれ…唯一のデート模様だった移動の記憶がありません…」
咲「どうかした?」
和「いえ、なんでもありません」
咲「凄いね天江さんのお家…」
和「ええ…とても大きいですね…」
咲「どうやって入ったらいいんだろう。普通に正門が開くのかな?」
警備員「失礼、お嬢さん方」
和「えっ、はい、なんですか?」
警備員「こちらに何か御用ですか?」
咲「えと、あの、天江衣さんって人と麻雀をしたいんですけど…」
警備員「!!」
和「えっ」
警備員「…確かにお間違えはありませんか?」
咲「えっ、はい。多分…」
警備員「…」
警備員、通信機で誰かと連絡を取り始め、数分後。
カチャン
警備員「失礼しました。着いてきてください。案内します」
咲「はい。ありがとうございます!」ペッコリン
和(本当にすんなり入れました…)
透華「ようこそ龍門渕にお越しくださいました。お初にお目にかかります。
私は龍門渕透華。衣との対戦志願、至極感謝いたしますわ」
咲「い、いえ、こちらこそ…」ビクビク
和(このお屋敷と龍門渕さんのお嬢様オーラにすっかり飲まれてます)
透華「ですが本当によろしいので?衣は普通の麻雀を打ちません。
もしかしたら、貴方もただでは済まないやもしれませんわよ?」
咲「えっと、大丈夫、です」
透華「では打っていただける、ということで?」
咲「はい」
透華「…ふふ、良かった」
咲「へ?」
透華「久し振りの衣のオモチャですもの。おめおめ帰ってしまうようでは面白くありませんわ。
尤も、ただ蹂躙されるようでは同じようなものですけど」
和(なんでしょう、この人。失礼なことを言いますね)ムッ
咲「もしかして透華さんも正気を失ってるのかな…」
和「そう思ってもそれは口にしちゃダメです」
透華「ハギヨシ!この方達を別館へお連れして」
ヒュヒュン!
萩原「かしこまりました」
咲「うわぁ!」
萩原「失礼、驚かせてしまいましたか。申し訳ありません」
和「何もない空間から現れましたね…」
萩原「ここが衣様と対戦をしていただくお部屋になります」
咲「ドアも豪勢だなぁ…」
萩原「失礼します。衣様のお相手をお連れしました」
ガチャ
ブワッ!!
咲(ぅわ…)
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴコ・・・
咲(正気を失わせるのはこの瘴気か。…へへ)
和(なんでしょうか。嫌な空気が充満しているみたいな…)
純「おお、待ってたぜ。こいつらが件の?」
一「こいつらとか失礼だよ純くん」
智紀「…」パソコンカタカタ
和(この人たちは普通にしてますね…気のせい?)
咲(そっか。この人たちはもう慣れちゃってるんだ)
咲「宮永咲です。今日はよろしくお願いします!」ペッコリン
咲(ということは、この人たちも既にどっかおかしいのかな?見ただけじゃよく分かんないや)
和「原村和です。私は付き添いです」
純「俺は井上純だ。よろしく」
一「国広一です。よろしくね、宮永さん」
智紀「…沢村智紀」
咲「…それで奥にいる方がもしかして」
純「ああ、そうだ」
一「…あの子が君の対戦相手だよ」
咲(やっぱりね)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
衣「…お前が衣の相手か」ちんまり
和(ちんまいです)
咲(可愛い…じゃなくて)
衣「ふん、見るからに拙いな」
咲(この部屋に充満してる瘴気というか、オーラはこの子から出てる。凄い量…)
衣「有象無象に衣と輸贏が済せるとでも?」
咲(確かに普通の人じゃ、これと相対して麻雀なんかやってたら壊れちゃうかも)
衣「…聞いているか」
咲(…にしても。可愛いなあ。こんなに小さいのに私たちより年上なんだよね)ウィキニカイテアッタ
衣「…」
咲(やっぱりいんたーねっとは便利だなぁ。いい時代になったもんだよ…)ウンウン
衣「…」グス
純「…なあ」
咲「ひゃっ!?は、はい!なんですか!?」
純「衣に返事をしてやってくれ。今にも泣きそうだ」
衣「うぅ…無視しないでよぅ…」グスグス
咲「わわわ!ごめんね衣ちゃん!」ヨシヨシ
衣「うわぁん、うわ、んっ、なでるなぁ~!」ビエーン
一(衣ちゃん…)
智紀(早くもちゃん付け…気持ちは分かる)
ハギヨシの素敵滅法によって衣の機嫌が戻りました
透華「…では気を取り直して。衣」
衣「うむ。ミヤナガとやら、お前が今宵の遊び相手だな」
咲「はい!」
衣「幾許でも衣の無聊を慰められるとは思わないが、精々陋習を晒す羽目は避けるんだな」
咲「はい?」
衣「無点に散りたくなくば運否の潮汐に踠いてみよ。
己の一擲を真しの才幹と熾し、ここに顕にせよ!」
咲「…は~い!」
和(よく分かってなさそうです)
萩原「では始めますが、その前に面子は如何なさいますか」
透華「衣と宮永さんは確定として、残り2人。
私たちからもう2人出ても別にいいですが、それだと立場上アンフェア。
勿論公正には打ちますが、気になるようでしたら原村さんが打っても構いませんことよ」
純・一・智紀(((別によくはないんだけど…)))
和「どうします?」
咲「うーん、そうだね。お願いしてもいいかな和ちゃん」
和「お任せください!」
透華「では私たちからは…」
純・一・智紀「…」しらー
透華「…私が出ますわ」
一「ごめんね透華」ヒソヒソ
透華「…まぁいいですことよ。気持ちはよく解りますしね」
智紀「…牌符は任せて」
純「俺らは見学させてもらうな」ワルイネ
萩原「では始めましょう」
・細部は原作と同じ
・25000持ち25000返し
・ウマオカ無し
・半荘2回
・それぞれハコあり
・総合得点勝負
前半戦
起家:天江衣
南:宮永咲
西:原村和
北:龍門渕透華
東1局0本場
東:衣 南:咲 西:和 北:透華
ドラ
┌─┐
│⑧│
│筒│
└─┘
10巡目
純(さて、このお嬢ちゃんはどんな麻雀を打つのか、見させて貰おう)
一(宮永さんが早速聴牌か…えっ!?)
咲「リーチ」
11巡目
咲「カン」
┌─┬─┬─┬─┐
│ │八│八│ │
│ │萬│萬│ │
└─┴─┴─┴─┘
咲「ツモ」
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐ ┌─┐
│五│六│七│③│④│⑤│⑦│⑧│⑨│8│ │8│
│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│筒│索│ │索│
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘ └─┘
立直・面前清自摸和・嶺上開花・ドラ1
咲「2000・4000!」
衣:21000(-4000)
咲:33000(+8000)
和:23000(-2000)
透華:23000(-2000)
10巡目リーチ宣言牌
┌──┐
│7.索│
└──┘
和(6-9索待ちの平和を捨てて、役なし8索単騎に受けての嶺上開花・満貫ツモ…
相変わらずオカルト的ですね)
智紀「不可解…」
純「五-八萬を切れば両面聴牌だろ?ド素人ってんじゃないだろうな」
智紀「あの子も何かが見えている…?」
一「…かもね。だけど、衣は負けないよ」
純「…そうだな」
咲(さて、私の親番だ。稼がしてもらおうかなっと)
東2局0本場
和「ロン、2600」
透華「はい」チャラ
咲(あっ…流されちゃった…)ショボーン
透華(この原村という女は普通のデジタル打ち…私と同じですわね。ですが…)
和 ボイーン
透華 フツーン
透華(どうもいけ好かないですわっ!)
衣:21000
咲:33000
和:25600(+2600)
透華:20400(-2600)
衣「無聊を託つ」ゴッ
咲「っ!」ゾクッ
透華(来ましたね…何度やっても慣れませんわ)ゾクゾクゾク
和「?」
衣「矢張りその程度かミヤナガ。乏しいな。
闕望したよ、そろそろ御戸開きといこうか」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
東3局0本場
東:和 南:透華 西:衣 北:咲
ドラ
┌─┐
│二│
│萬│
└─┘
智紀(衣が本気になった…)
一(こうなった衣は、もう誰にも止められない)
16巡目
和(手が一向聴から進みませんね)タンッ
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│一│二│二│六│六│六│③│③│④│⑤│⑤│7.│7.│
│萬│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
赤 赤
透華(他の人なら露知らず、皆が打ちたくなくなるのも当然ですわ)タンッ
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│①│③│⑧│⑧│1.│2.│3.│3.│4.│5.│5.│7.│9.│
│筒│筒│筒│筒│索│索│索│索│索│索│索│索│索│
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
衣 カチャッ
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│二│三│四│九│九│③│④│⑥│⑦│⑧│3.│4.│5.│
│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│索│
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
赤
衣「…」タンッ
┌─┐
│一│
│萬│
└─┘
索子のズレがどうも…
和(手が一向聴から進みませんね)タンッ
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│一│二│二│六│六│六│③│③│④│⑤│⑤│7.│7.│
│萬│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
赤 赤
透華(他の人なら露知らず、皆が打ちたくなくなるのも当然ですわ)タンッ
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│①│③│⑧│⑧│1.│2.│3.│3.│4.│5.│5.│7.│9.│
│筒│筒│筒│筒│索│索│索│索│索│索│索│索│索│
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
衣 カチャッ
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│二│三│四│九│九│③│④│⑥│⑦│⑧│3.│4.│5.│
│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│筒│筒│索│索│索│
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
赤
衣「…」タンッ
┌─┐
│一│
│萬│
└─┘
これで大体いけてるかな?
咲(やっぱり一向聴から進まない)
咲(流石にwikiにも書いてなかったけど、牌符やら動画やらは連盟のページに載ってたからね)スイソクタツ
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│四│五│七│七│七│八│八│九│⑦│⑧│6 │6 │6 │
│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│索│索│索│
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
咲(衣ちゃんの麻雀は『場の支配』。
特に一向聴地獄からの海底ツモと、速攻・高打点での揺さぶりが得意なのかなって当たりを付けてた。
打ってみないことには確信はなかったけど)タンッ
打
┌─┐
│④│
│筒│
└─┘
和「チー」(余りは安牌ですしスルーの手はありません)
┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐
│一│二│二│六│六│六│③│④│⑤│7 │7 │
│萬│萬│萬│萬│萬│萬│筒│筒│筒│索│索│
└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘
赤
┌─┬─┐
┌──┤③│⑤│
└──┴─┴─┘
赤
打
┌─┐
│一│
│萬│
└─┘
透華(今の鳴きで海底コースですわ…!)
メゲるわ…
細かいミスはスルーしてください
書き溜めの時点でミスったみたいです。
結構時間かかりそうなので書き直してからまたリベンジしに来ます。
思いもかけず激励のお言葉ありがとうございます
構成作業の手間と人為的なミスが怖くてとりあえずAA部分を差し替えただけになりました
内容的にチープに感じるかもしれませんがお付き合いください。
赤ドラは()で括ってあります。
前半戦
起家:天江衣
南:宮永咲
西:原村和
北:龍門渕透華
東1局0本場
東:衣 南:咲 西:和 北:透華
ドラ ⑧
10巡目
純(さて、このお嬢ちゃんはどんな麻雀を打つのか、見させて貰おう)
一(宮永さんが早速聴牌か…えっ!?)
咲「リーチ」
打 7
11巡目
咲「カン」
咲「ツモ」
五六七③④⑤⑦⑧⑨8 暗槓□八八□
ツモ 8
立直・面前清自摸和・嶺上開花・ドラ1
咲「2000・4000!」
衣:21000(-4000)
咲:33000(+8000)
和:23000(-2000)
透華:23000(-2000)
期待してるぞ あと暗槓は■を使うといいんじゃないかな
和(6-9索待ちの平和を捨てて、役なし8索単騎に受けての嶺上開花・満貫ツモ…
相変わらずオカルト的ですね)
智紀「不可解…」
純「五-八萬を切れば両面聴牌だろ?ド素人ってんじゃないだろうな」
智紀「あの子も何かが見えている…?」
一「…かもね。だけど、衣は負けないよ」
純「…そうだな」
咲(さて、私の親番だ。稼がしてもらおうかなっと)
東2局0本場
和「ロン、2600」
透華「はい」チャラ
咲(あっ…流されちゃった…)ショボーン
透華(この原村という女は普通のデジタル打ち…私と同じですわね。ですが…)
和 ボイーン
透華 フツーン
透華(どうもいけ好かないですわっ!)
衣:21000
咲:33000
和:25600(+2600)
透華:20400(-2600)
>>34 確かに見辛いですね。了解です
衣「無聊を託つ」ゴッ
咲「っ!」ゾクッ
透華(来ましたね…何度やっても慣れませんわ)ゾクゾクゾク
和「?」
衣「矢張りその程度かミヤナガ。乏しいな。
闕望したよ、そろそろ御戸開きといこうか」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
東3局0本場
東:和 南:透華 西:衣 北:咲
ドラ 二
智紀(衣が本気になった…)
一(こうなった衣は、もう誰にも止められない)
16巡目
和(手が一向聴から進みませんね)タンッ
一二二六六六③③④(⑤)(⑤)77
透華(他の人なら露知らず、皆が打ちたくなくなるのも当然ですわ)タンッ
①③⑧⑧123345579
衣 カチャッ
二三四九九③④⑥⑦⑧34(5)
衣「…」タンッ
打 一
咲(やっぱり一向聴から進まない)
咲(流石にwikiにも書いてなかったけど、牌符やら動画やらは連盟のページに載ってたからね)スイソクタツ
四五七七七八八九⑦⑧666
咲(衣ちゃんの麻雀は『場の支配』。
特に一向聴地獄からの海底ツモと、速攻・高打点での揺さぶりが得意なのかなって当たりを付けてた。
打ってみないことには確信はなかったけど)タンッ
和「チー」(余りは安牌ですしスルーの手はありません)
一二二六六六③④(⑤)77 チー④③(⑤)
打 一
咲(どうやら間違いないみたいだね)
透華(今の鳴きで海底コースですわ…!)
衣「リーチ」ゴッ
和(ツモ切りリーチ…?)
純(遂に来たな)
智紀(これが衣の真骨頂)
一(あの夜に刻み付けられた、絶対的な力の差)
カッ!!
衣「ツモ」ドッ
二三四九九③④⑥⑦⑧34(5)
ツモ②
立直・一発・面前清自摸和・海底撈月・平和・ドラ2
衣「3000・6000」
衣:33000(+12000)
咲:30000(-3000)
和:19600(-6000)
透華:17400(-3000)
咲(成程ね…確かに強いや。そしてここからしばらく衣ちゃんの独擅場…)
咲(でも何もしないって訳には行かない。またお姉ちゃんと一緒に暮らすためにも…!)
透華(…この子…)
純(今のを見てもやる気十分ってか。こりゃ見物だな)
東4局0本場
東:透華 南:衣 西:咲 北:和
ドラ 6
13巡目
咲(普通の人なら好調の衣ちゃんには逆らえない。与えられた道の上しか行けない)
咲(でも私なら無理やり聴牌する方法がある…!)
咲(…と、安易に考えて勝てる相手じゃないかな)
咲「カン」
三三(五)六②④234北 暗槓□⑦⑦□
ツモ 北
咲(衣ちゃんが海底を狙う局は、皆ツモが悪くなる。そこに足元を掬うチャンスがある…!)
智紀「…遊び牌の、北ツモ…?」
純「てっきり今のカンで聴牌すんのかと思った」
一「衣の海底潰しってだけかもね」
一(でも関係ないんだ…衣にはそういうことは関係ない…)
14巡目
衣(…カンで海底が七萬から2索に、海底は衣から透華になったか)
七七③④(⑤)3344(5)566
衣(だが喉元思案。その程度で衣の支配が破れるものか!)
透華 タッ
打 7
衣「チー」
透華「!!」
七七③④(⑤)334456 チー7(5)6
打 3
一(これで衣に海底が戻った。
ちょっと足掻いたくらいじゃ、元の木阿弥)
15巡目
和(北…1枚目が切れてから皆さんツモ切り、仕掛けが入った天江さんには現物。
状況的に山越しロンもまずないでしょうし、これは押せます)
打 北
咲「ポン」
純・智紀「「!!」」
一「えっ!?」
衣(何!?ここで鳴けるのか…?)
咲手牌
三三(五)六234 ポン北北北 暗槓■⑦⑦■
智紀「さっきのカン…」
純「13巡目の北ツモはわざとってことか…?」
一(衣の動きを予見していた?まさかね…)
咲(カンは東1局で見せてるし、そうでなくても衣ちゃんレベルなら対応は容易い。
1回くらいの海底潰しじゃ覆されると思ってたし、今の状態じゃ聴牌しても和了るのは恐らく衣ちゃん。
だったら、ツモ切りを狙えるポン材を作っておくことが先決)
咲もベタオリし、この局は衣の一人聴牌で流局。
衣:36000(+3000)
咲:29000(-1000)
和:18600(-1000)
透華:16400(-1000)
南1局1本場
東:衣 南:咲 西:和 北:透華
衣(ふん、生猪口才。今ので僅かでも月に落魄せしめたと?
本領は未だ峻厳を呈さず。衣を嘗めた真似は誅滅に値する!)ゴゴゴゴゴゴゴ
一(…衣の海底を潰すまでは確かによかったけど)
純(タイミングが悪かったな。この局は衣が親番だ)
1巡目
衣「ポン」①①①
2巡目
衣「ポン」⑤(⑤)(⑤)
咲(流石に早過ぎるなぁ…何も出来ない)タンッ
和(2副露…現物はありませんが、これなら)
打 1
――――昏鐘鳴の音が聞こえるか?
和「!?」
衣「ロン」ドガッ
東東東白白白1
東・白・対々和・ドラ2
和(最終形をトイトイに決め打ちしての24索先切り!?)
咲(やっぱり出和了り…切る牌の分かりやすい和ちゃんが狙われるか)
衣(ミヤナガは射掛け損じたが、まあ良い。これで不羈には動けまい!)
咲(このまま和ちゃんが飛ぶのは流石にマズイな…)
衣:54300(+18300)
咲:29000
和:300(-18300)
透華:16400
南1局2本場
東:衣 南:咲 西:和 北:透華
ドラ 八
1巡目
衣(このハラムラ、数理に追蹤する打ち手。塩梅は尚良し)パシッ
三八九九②126899南南西
咲(配牌は悪め…)
三②④(⑤)⑨⑨148東北発中
和(満貫は和了らないと厳しい局面ですね)
一二二(五)六八①⑥2677白
透華手牌
四五①④④⑤⑦⑧⑧55東東
4巡目
衣「…」
三八九九①②③1299南南
ツモ 3
打 三
捨て牌 86西三
咲(4連続手出し…捨て牌から考えても聴牌は近い。対して私は三向聴…)
二三②④(⑤)⑤⑦⑨⑨348東中
咲(どう考えても太刀打ち出来ない。となれば…)
打 (⑤)
咲(行け和ちゃん!)
和「チー」
一二二三(五)六八(5)677 チー(⑤)④⑥
和(面前で進めても精々跳満で、尚且つ遅い手。
ドラ5や三色への変化もありますし、この赤ドラは見過ごせません)
打 一
透華(赤⑤筒…わざと鳴かせに行きましたわね)
透華(そしてこれは本来原村のツモるはずだった牌。一応有効牌ですし何より不気味。
仕舞い込んでおきましょう)
四五④④⑤⑦⑧⑨557東東
ツモ 9
打 ④
5巡目
衣(何やら籌略を弄している…?)
ツモ 北
衣(無駄自摸を掴ませたか。だが顛末は変わらん!)タッ
咲(よし、足止め出来た。もういっちょ鳴いちゃえ!)
ツモ切り 七
和「チー」
二二三(五)(5)677 チー七六八 チー(⑤)④⑥
打 7
純「あんな振り込みをしたのに懲りずに2副露か」
一「一口にデジタルっていっても、かなりの強メンタルだね」
6巡目
衣「…?」
衣(今の翼賛でハラムラが聴牌…8000程か。猪口才な真似を)
八九九①②③12399南南
ツモ 七
衣(しかし…なんだこの感じは。先刻の鳴きより聊か運気が翳った)
智紀(衣が7700を聴牌…
だけどこのツモは本来原村さんのツモ。ということは…)
和「ツモ」ヒュン パララッ
二二三(五)(5)67 チー七六八 チー(⑤)④⑥
ツモ 四
断么九・ドラ4
和「2200・4200です」
衣(和了られた。先に感じた翳り…この局も衣のものだった筈だが…)
衣:50100(-4200)
咲:26800(-2200)
和:8900(+8600)
透華:14200(-2200)
智紀(…今の局、宮永さんがアシストに行かなければ、衣は5巡目に同じ手を張っていた)
七八九①②③12399南南
智紀(そして同巡、原村さんの手はこんな感じになった筈)
一二三(五)六八④⑥(5)6779
ツモ 七
智紀(ドラが八萬なことを考えれば、切られる牌は必然…)
打 9
智紀(9索…衣の当たり牌。つまり本来この局で原村さんが飛んで、終了する筈だった)
智紀「ここまで計算尽くでやってのけた…?」
一「どうしたのともきー」
智紀「…分析は私の分野だから」
一「?」
南2局0本場
東:咲 南:和 西:透華 北:衣
ドラ 発
5巡目
咲(前局の親被りで潮はちょっと治まってる。攻めるならこの親番だけど…
衣ちゃんはどうも他人の聴牌を察知している節がある)
三四五六七七九九12233
ツモ 1
咲(捲るためにはいずれ直撃が不可欠だけど…今は無理かなぁ。
隙を作ってそこに突っ込むしかないね)
咲「リーチ!」
打 六
一「引っ掛けリーチ…!」
智紀「二-五-八萬はまだ山にもかなり居るけれど…」
純「直撃狙いのリーチか、だが通用するか?」
7巡目
咲「ロン。3900」
和(オリ打ちしました…どうもお二人から狙われてる?…流石にありえませんね)チャラ
透華(また小癪な待ち方をしくさりますわ)
衣(素直に打っていればもう数巡で2600オールを自模れていた手…逸ったなミヤナガ)
純(やっぱりな。思惑は空振り…
それどころか折角和了せたデジタル女がまた飛びそうになってんな)
衣:50100
咲:30700(+3900)
和:5000(-3900)
透華:14200
南2局1本場
東:咲 南:和 西:透華 北:衣
ドラ ⑤
純(結局は安和了に終わった前局だが、まだ宮永の流れな筈。衣もそれを分かってる。
直撃はまず取れねぇだろうが…さてどうする気だ?)
10巡目
和 タンッ
打 ③
咲「それカン」
咲「ツモ。12300の責任払い」
純「えっ」
123456789⑤ 明槓③③③③
ツモ ⑤
嶺上開花・一気通貫・ドラ2
衣:50100
咲:43000(+12300)
和:-7300(-12300)
透華:14200
透華「なっ…!?」
智紀「え…」
一(こ…この子…)
((((なんの躊躇いもなく味方を飛ばしに行ったーー!!))))ガーン
和「はい」チャラ
((((そしてこの子も動揺の一つもないーー!!))))ガガーン
透華(どんだけドライな関係ですの貴方達!?)
咲(和ちゃんは超デジタルな上に、何度も同じ様に飛ばしてるからね。これくらいじゃ動じないよ!)
和(やっぱり狙われてるんですかね…こう何度もされると何かに目覚めそうです)
衣「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴ
衣(その怯懦な打ち方は何だ。
衣との鍔迫り合いを避ければ贏ち得るとでも…?笑止千万!!)プンプン
純「…衣怒ってんなぁ…」
一「僕は結構賢いやり方だとは思ったけどね。
衣とまともにやりあうより、こうして間隙を突く方が勝機はありそう」
智紀「現に7100点差に…これだけ差を詰めて来た人は初めてだったと思う」
透華「私何もしておりませんわ…」ズーン
~前半戦終了~
一先ずここまでです。
私用済ませてから後半も校正していくので暫しお待ちを…
後半戦
起家:原村和
南:宮永咲
西: 天江衣
北:龍門渕透華
東1局0本場
東:和 南:咲 西:衣 北:透華
ドラ 五
3巡目
衣(背進するならば、その分だけ圧するのみだ!)
衣「ポン!」西西西
4巡目
衣「ポン!」222
捨て牌 3①(5)六
5巡目
咲(基本的に衣ちゃんの手は高打点…今回も満貫超えと見て良いかな。
あの鳴きからすると、多分トイトイに+α)
134③④(⑤)⑤⑦⑧三四七八
ツモ 中
咲(手なりで考えれば中か1索切り…
トイトイのお供として役牌は切れない。1索は2索ポンで使えないけど…)
咲(あの捨て牌と鳴き。如何にも「索子下を持っていない」って感じで却って不気味)
咲(さっきはグズグズに終局させたし、衣ちゃんには今ツモ和了出来るほどの流れは来ていない。
ということは必然直撃狙いの手組になること必至)
打 3
衣(うぬぬ…)
五五(五)1144 ポン222 ポン西西西
智紀「12000の聴牌だったけど…」
一「…形テンすら許さない衣の待ちが裏目に出たパターンか。
しかし衣相手に未だに大きく失点しないね」
衣と和の二人聴牌で流局。
和:26500(+1500)
咲:23500(-1500)
衣:26500(+1500)
透華:23500(-1500)
東1局1本場
東:和 南:咲 西:衣 北:透華
ドラ 東
11巡目
透華「あら?聴牌しましたわ。リーチ!」
咲(全員面前の状態で立直…?嫌な感じがする…)
14巡目
透華(流石にあっさりとは和了れませんわね)ツモギリ
和「ポン」カシャッ
咲(やっぱり…これで衣ちゃんが海底)
透華(って、またですのー!?もっと考えて鳴いてくださいまし!って立直した私は言えないのかしら)ガク
16巡目
咲「…」チャッ
咲(槓材ツモ…巡目的にも海底を崩せる手はこれだけ。だけどカンドラが衣ちゃんに複数乗る気がする)
一二三四五⑨⑨⑨33466
ツモ ⑨
咲(海底ツモはもう仕方ないとして、面前で和了らせるのと鳴かせてから和了せるのではどっちが安いかな…?)
咲「…」
咲「カン!」■⑨⑨■
新ドラ ⑥
咲 ツモギリ
衣「ポン」北北北
打 ⑦
咲(あちゃー、抜かった)
衣「ツモ!」
五六七⑤⑥⑥⑦567 ポン北北北
ツモ ⑥
海底撈月・三色・ドラ4
和:20400(-6100)
咲:20400(-3100)
衣:39800(+13300)
透華:19400(-4100)
東2局0本場
東:咲 南:衣 西:透華 北:和
ドラ 九
15巡目
透華(有効牌が全く来ないまま海底間近…しかもこの局は衣が海底…!!)
咲(りゅーもんさんもデジタル打ち…
だけど徹している訳じゃなくて、微細な環境や感情の変化次第で判断が変わるみたい。
これなら鳴いてくれるはず)タン
透華(!!鳴ける牌…これは鳴けということですわね!)
透華「チー!」パシーン!
衣「瀟洒に欠く様だな」フッ
透華「!?」
咲(うわ…お見通しかー)アハハ…
和(…?)ツモギリ
衣「ポン」
透華(また戻されましたわー!!)ハラムラー!!
咲(和ちゃん…)トホホ
衣「ツモ!」ドッ
①①①3377白白白 ポン四四四
海底撈月・対々和・三暗刻・白
和:17400(-3000)
咲:14400(-6000)
衣:51800(+12000)
透華:16400(-3000)
一「跳満2連続和了…」
純「ただ随分と打点を下げられてんな。
今回もリンシャン女が手を崩して鳴かさなきゃ、四暗刻のツモ和了だし」
智紀「前局も、最低倍満からの手…」
一「リーチ一発海底ツモ、平和三色一盃口赤1の手だったね。
衣だから三倍満まであり得たかも」
純「着実に傷は減らしていってるがな…」
智紀「夜が更けていくにつれて、衣の調子も上向いてる。
それでいて、宮永さんはまだ余力を残しているみたい」
一「衣が負けるかもってこと?………まさか」
東3局0本場
東:衣 南:透華 西:和 北:咲
ドラ 1
11巡目
咲(そろそろなんとかしないとなんだけど…
りゅーもんさんがいい気配。またリーチしてくれると色々と都合がいいね)
咲「カン!」明槓七七七七
新ドラ 3
咲 ツモギリ
12巡目
透華(……聴牌だけは珍しく良くしますわ…)
四五五六③④(5)556789
ツモ⑤
透華(今までのことを考えたらこれもダマ聴で回した方が…)
透華(って!そんなことで怖気ついてどうしますの!
カン裏もあるのに4面張をダマにするデジタルが何処に居まして!?
衣も、宮永も、ふざけた胸の脂肪も、カンケー無しですわっっ!!己の運命くらい自分で勝ち取りましてよ!)
透華「リーチ!!」
衣(…また流れを変えられた?)
14巡目
咲(衣ちゃんは動けず…
あとは私がノッて行きながら、「他人を使うことでしか対抗できない」という幻想を植え付ける)
咲「カン!」■南南■
新ドラ 北
咲 ツモギリ
純(…リンシャンは何をやってんだ?
カンで有効牌をツモるでもなく、手牌はグズグズのまんまじゃねぇか)
数巡後
透華「ド安目ですが、ツモですわ!」 パシーンッ
四五六③④⑤(5)556789
ツモ9
表ドラ 13北
裏ドラ 八55
透華「ぃよし!!6枚乗って、4000・8000ですわっ!!」ヤリマシタワー!
衣(…!!)
和:13400(-4000)
咲:10400(-4000)
衣:43800(-8000)
透華:32400(+16000)
衣(…透華の立直を利用して衣に親被りさせてきたか)
純「親被りが狙いだったってのは分かったが、自分で8000でも和了りゃ良かったんじゃねぇか?」
智紀「差は4000しか縮まってない…」
一(自分の倍満が宮永さんの思惑通りじゃないかって聞いたら、透華怒りそうだな…)タハハ
東4局0本場
東:透華 南:和 西:咲 北:衣
ドラ 5
1巡目
咲(…もうちょっと)
打 (⑤)
一(また打赤⑤筒!?)
透華(…私が親番だというのに、嘗められてるのかしら。それとも何か利用する気…?
どちらにせよその思惑に乗って差し上げましてよ。私を小間使いしたことを後悔させてやりますわ!)
透華「チーですわっ!」
三三六七157③⑤西発 チー(⑤)⑥⑦
打 1
衣(…また甲斐甲斐しく輔けるか、或は搦め手か)
8巡目
透華「ポン!」
(五)六七45③⑤⑤ ポン三三三 チー(⑤)⑥⑦
透華(これで11600の聴牌!この手をぶちかまして華麗に目立って差し上げますわ!)
打 ③
咲「ロン」
123九九九①②⑦⑧⑨南南
咲「チャンタのみ、2600」
透華(なんですって~~~!!!!そんな安手、赤を切ってまでして…!!)ズガーン!
和(そもそもアシストを期待したりするのは他人依存で非デジタルですね)
和:13400
咲:13000(+2600)
衣:43800
透華:29800(-2600)
衣(畢竟するに、此奴は虚心坦懐に非ず、魂魄には何時も姦詐が渦巻いている。
ミヤナガは他人を利用ばかりして、正攻法で来る気はない。渺乎な麻雀よ)
智紀「不自然な和了り…」
一「だよね」
一(でもそのせいか、衣の集中力が切れつつあるように感じる…衣、気を付けて)
南1局0本場
東:和 南:咲 西:衣 北:透華
咲「ツモ」パタ
四六七七345567 加槓1111
ツモ 五
咲「嶺上開花、400・700」
衣(なんだ…?何故安手ばかりで場を進める…?利するは衣だけだが…)
和:12700(-700)
咲:14500(+1500)
衣:43400(-400)
透華:29400(-400)
一「衣と宮永さんは40000近い差があったよね。あと3局しかないけど…」
純「…どうだろうな。親番が残ってる今はワンチャンスとも言えるが…
局単位の点差を見てちゃあ衣の支配からは逃れられない」
智紀「…彼女には何か違うものが見えている…ってこと?」
純「さあな、流石に明言は出来ないが…この親番、一波乱ありそうだぜ」
南2局0本場
東:咲 南:衣 西:透華 北:和
ドラ 四
7巡目
咲(親満聴牌…)
六七八⑥⑧1224(5)678
ツモ⑦
打 1
衣(345か567か、どちらにせよ跳満に仕上がる。この手で薨去する)
③④⑤⑥⑦二四五六七357
ツモ(五)
打 二
純(衣は二向聴…やはり宮永のほうが態勢がいいな。衣の3索が刺さりでもするか?)
和 タン
打 3
純(ってこいつが振るか。まあ衣が振るなんて流石にありえねぇな。
これで12000の横移動、衣との点差は24000ってところか)
咲「…」スルー
純(は…!?)
智紀(見逃し…?)
一(ま、まさか…)
8巡目
衣手牌 ③④⑤⑥⑦四(五)五六七357
ツモ 6
打 3
咲「ロン!」
衣「!?」
六七八⑥⑦⑧224(5)678
断么九・平和・三色同順・ドラ1
咲「12000!」
純(本当に直撃かよ…!)
和:12700
咲:26500(+12000)
衣:31400(-12000)
透華:29400
衣(然知ったり。己が手ばかり瞻って奴儕を抛擲していた…)
智紀「…衣は集中さえしてれば相手の手を読める。
普通なら山越しでも振らないところだけど」
一「まさか原村さんから見逃すなんて思ってもみなかったんだろうね。
前半戦では狙い打ちして飛ばした訳だし」
智紀「透華や原村さんを利用した動きも多かったから…
自ずと宮永さん本人の力量を見誤って、警戒が薄れていったんだと思う」
純「こんな和了り方しておいて、次の局も荒れねぇ筈もねぇ…!!」
南2局1本場
東:咲 南:衣 西:透華 北:和
ドラ 一
6巡目
咲「カン」加槓⑥⑥⑥⑥
233334⑧⑧⑧⑧ 2
咲「もいっこカン」■⑧⑧■
2233334 2
純(嶺上牌は2連続2索で嶺上開花…だが…!!)
咲「カン」■33■ ゴッ!
咲「ツモ」ダン
2224 暗槓■33■ 暗槓■⑧⑧■ 加槓⑥⑥⑥⑥
咲「嶺上開花・タンヤオ・対々・三暗刻・三槓子」
咲「8100オール」
衣「!!」
透華「!?」
和「はい」
和:4600(-8100)
咲:50800(+24300)
衣:23300(-8100)
透華:21300(-8100)
一「こ、衣が…」
純「逆転された…」
智紀「前半の7100点差を考慮しても、20400点リードされている…」
衣(我知らず…いや、明らかに侮っていた。
気運は盈虧たるものと知りながら、衣と有象無象を隔てて揣摩していた)
衣(…そうか。思い違っていた。此奴、猶予っていた昧者ではなく…好機到来を待つ智将!)
衣(…麻雀は1人では出来ない。人生行路は縁により…
衣は、1人で打つ、相手を拉ぎ折る麻雀しか知らなかった。
それでいて他人を巻き込みながら打つ麻雀を非難など…破廉恥にも程があった……
剴切を表顕してくれて感謝するぞ!もう一切合切、手加減はしない!!)ゴッ
一「…衣の気配が変わった?」
南2局2本場
東:咲 南:衣 西:透華 北:和
8巡目
咲 チャッ
七八九②③⑦⑧⑨11789
ツモ ②
打 ③
衣(…躱されたか)
(五)五五③④(⑤)(⑤)⑤(5)5999
一「海底狙いじゃなくなった…」
智紀「もともと、格下を甚振る用…」
純「宮永を認めて来たってことか。現に逆転されたわけだからな」
衣(鬼を暗がりに繋ぐが如く…衣は常夜の中を生きて来た。しかし今なら…
今からなら、煢独な生き様から、抜け出せる気がする…!)
衣「ツモ!」ドッ!
(五)五五③④(⑤)(⑤)⑤(5)5999
ツモ⑤
面前清自摸和・三暗刻・ドラ4
衣「3000・6000の2本付けっ!」
和「」
和:1400(-3200)
咲:44600(+6200)
衣:35900(-12600)
透華:18100(-3200)
一「い、今何点差ともきー!?」
智紀「1600点差で宮永さんがリード…」
純「次は衣の親番か…実質ここで勝負が決まりそうだな」
南3局0本場
東:衣 南:透華 西:和 北:咲
ドラ 南
1巡目
衣配牌 二四六七九169④⑥⑨白発
咲配牌 ①②②②③⑤南発中39一四
一「うわ」
純「2人とも手牌の伸び方が尋常じゃねぇな…」
8巡目
衣(これで6000オール…飛ばしトップで終了の筈…)
衣(な…!?)ドクン
五萬じゃない―――――!?
二二三四(五)六七4(5)6④(⑤)⑥
ツモ①
衣(掴まされた…か。感覚もこれまでと言っている。
…そうか。これが、衣の幕切ということなんだな)フッ
打 二
咲手牌 ①①①②②②②③③③③④⑤
智紀「ここで①筒ツモ…」
一「一応空テンの単騎聴牌で、親権確保の道はあるけど…」
9巡目
衣手牌 二三四(五)六七4(5)6①④(⑤)⑥ ⑥
12巡目
三四(五)六七4(5)6①④(⑤)⑥⑥ ⑤
16巡目
三四(五)六七4(5)6①④(⑤)⑤⑥⑥ ⑥
一「立て続けに掴まされてる…」
純「一度決壊した均衡はもう戻らねぇな…」
透華・和・咲の三人聴牌で流局。
和:2400(+1000)
咲:45600(+1000)
衣:32900(-3000)
透華:19100(+1000)
南4局1本場
咲「カン」
咲「もいっこカン」
咲「もいっこ…カン!」
咲「ツモ!!」
咲「お疲れ様でした」ペッコリン
透華(本当に疲れましたわ…唯一の和了の達成感も消失しましたし…)グデーン
和(2連続飛び…流石に堪えました)ズーン
衣(…負けたか。だが、不可思議に…痛快だ)
咲「衣ちゃん」
衣「?」
咲「麻雀って楽しいよね」
衣「…衣と打っててもか?」
咲「うん、勿論。すっごく楽しかったよ!」
衣「ふふ…愚問だったな」
衣「…もう一度、名前を教えてくれないか」
咲「私は咲。宮永咲だよ」
衣「サキ…か」
衣「楽しかった、サキ」
咲「うん!」
透華「ふぅ。何とか大団円ですのね…
まさか衣が負けるなんて思ってもみませんでしたけど」
一「結果衣の中のつっかえが取れたみたいだね」
智紀「地固まった…」
和(咲さんは本当は私のこと嫌ってるんでしょうか…
そもそも狙い撃ちが成立し続けるなんてそんなオカルト…)ズーン
咲「和ちゃん!」ギュ
和「わお!」ドキーン
咲「一緒に打ってくれてありがとう!飛ばしちゃってごめんね?」
和「へ、いえとんでもないですよ!是非何度でも飛ばしてください!!」ブンブン
咲「そう?えへへ、ありがと」
和「いやでもどうしてもお礼がしたいって仰るならこれから喫茶店でも行きませんか!?
近くにいい店を見つけておきました!代金は私持つんで!!」
咲「うーん、今日はもう遅いからやめておこうかな」
和「はい!やめましょう!そうですやめましょう!!
ではもう遅くて帰り道が怖いので今日は泊まっていっても良いでしょうか!?」
咲「うん、おいでよ。今日は誰もいないしさ」
和(なんですかそれマジですかそれいやっほおおおおう!!)
咲「あはは。和ちゃんテンション高いね」
和「そ、そんなことありません。さあ、急いで帰りましょう!
泊まる時間が短くなるのは勿体ないです!!」
咲「ええ、まだちゃんと挨拶とかしてな…」
和「そーれ!そーれ!!」グイグイグイー→
咲「あららー、すいませんお世話になりましたー!衣ちゃんまた打とうねーー!!」
透華「あの女~!目立ち過ぎでしてよ!!」
純「悪目立ちだろ…」
衣(また打とう…か…えへへ)
衣「もしかしたら、衣にも友達ができるかも…」
純「…おいおい、今のは聞き捨てならないな」
衣「え?」
一「そうだよ。じゃあ僕たちは友達じゃないってこと?」
衣「…だってお前たちは、トーカが集めた友達じゃないのか」
衣「それって…」
智紀「…きっかけは関係ない。
今では私たちは、衣のことを友達だと思ってる」
一「家族だともね」
純「ああ、そうだぜ」
一「これじゃ、ダメかな?」
衣「うう、ううん!だっ、ダメじゃないっ!」
一「ふふ、良かった」
純「難しく考えすぎなんだよ、衣は。
少し位自分をダマしたって、誰も咎めたりはしないさ」
衣「…じゃあ、友達を集めるって言ってくれたけど…
トーカも友達で、家族…?」
透華「当り前ですわ」
衣「…へへへ」
衣は、衣があまりにも他と違っているから孤独なんだ…そう思っていたけど
衣は負けることもあって、皆と同じように友達がいて、当たり前に家族と暮らしている…
サキ…お前が衣を特別から解放してくれた
衣「天に、地に、希望があふれているみたいだ…!!」
衣の壁を毀してくれてありがとう―――サキ。
萩原「お二人をお見送りして参りました」
透華「ご苦労でしたわハギヨシ」
一「さっきまであんまり居なかったですね」
萩原「少し調べものがありまして」
純「調べもの?」
萩原「衣様の『魔性』についてです」
透華「魔性?」
萩原「はい。調べたところ、衣様には以前、通称『魔性』が宿っていました。
如何やらそれが対局した者の正気を失わさせていた原因のようでして」
萩原「天運の強い方は稀に魔性を宿してしまうケースがあるようです。
ですのでお気を悪くなさらないで頂きたいのですが」
衣「構わんぞ。それは衣が良く解っている」
萩原「ありがとうございます。続けますね。
その魔性の影響は対局者全員に及びます。
特に初見の方や敗北した方は影響を受けやすく、従来の挑戦者は悉く正気を失った」
萩原「そして魔性は麻雀で敗北することで解ける…ということのようです」
純「なんだそりゃと言いたいところだが、心当たりはあるな」ワシワシ
衣「ひゃ、撫でたりするなっ」
一「…今は衣からは刺々しさとか、禍々しさは感じなくなったもんね」
透華「…つまり私たちも少し狂っていた、と。
よく考えたら、麻雀の来客者に散々酷いことを言ってきたような気がしますし…」
一「相手が狂うことを知りながら喜んで打たせるとか、それこそ狂気染みてるよね…」
智紀「ゾンビ的発想…」
透華「貴方は気づいていまして?
…気づいていたからこそ調査したんでしょうけど…」
萩原「…僭越ながら。最近のお嬢様方は少々戯れに過ぎると感じておりました」
純「ハギヨシさんも衣と打ったことあるだろ」
一「流石は絶対執事だね…」
透華「何にせよ、衣は一人の女の子に戻ったということでよろしいのですね?」
萩原「はい」
衣「嶺上使いの功名だ!」
一「これでハッピーエンドかな」
萩原「…実は魔性についてはもう一つ判明していることが御座います。
消失した魔性の行き先についてです」
純「ん?雲散霧消して終わりって訳じゃないのか?」
萩原「はい。この様な偏りとでもいうべきものは、保存則に則り総和は変化しません。
消えた魔性は対局の勝利者に引き継がれることとなります」
透華「えっ」
智紀「…ということは」
萩原「現在衣様の魔性は、宮永様に引き継がれております」
一「えっ」
衣「えっ」
純「マジでか」
咲「バスってどっち行ったら良いか分からなくなるよねー」ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
和 ゾクゾクゾク
和(何だかゾクゾクします…咲さんの魅力でしょうか?)
カン!
以上が衣編でした。
ただ単に闘牌の妄想を出力したかったんですが、中々骨が折れるものですね
何処か訂正や指摘あれば頂けると幸いです
2ヵ月以内に続き書ける気がしないですが、気力が続けば書きに来ます。
2ヶ月以内に書く確証がないのなら
一旦HTML依頼出してから改めてスレ立てしては?
レスくださった方々、見てくださった方々ありがとうございました。
>>89
ここ数日は進められそうなので、その進捗自体ではそうします
ありがとうございます
ではどちらにせよ、また後ほど…
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