亜美「長いよねー。もう1週間位だっけ?」
真「事件が起こったのは8日前の火曜だから、その位だね」ハァ
真美「もー大概にしてほしーよね。ここんとこの事務所の空気ピリつき過ぎっしょー」
真美「一緒の空間に居たくないならどっちか出て行けばいいのに、意地になって居座るしさー」
亜美「お互いに監視してるみたいなトコもあるんじゃないの?ミキミキ側は特に」
伊織「二人で勝手にやってる分にはどーでもいいけど、こっちにまで飛び火して来るのがウザいわよね」
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真美「分かる分かる。味方作りに動いて来るんだよね」
亜美「もう何個のおにぎりとクッキーを勧められたことか…」
伊織「どっちも社交性高いタイプなだけに性質悪いわよね」
伊織「これが片方千早とかなら勢力図が分かりやすくて良いんだけど」
雪歩「…千早ちゃんこそ今可哀想だよね。二人の板挟みで……」
真美「今日とか二人の近くにある物を往復する配達屋さんと化してたもんね」
伊織「『春香の横に置いてるティッシュ取ってー』だものね。やり口が露骨過ぎんのよ全く…」
亜美「…でさー、実は亜美詳しい経緯あんま知らないんだけど」
亜美「結局どういう話なの?はるるんがミキミキから兄ちゃん寝取ったみたいなハナシ?」
伊織「寝取るって…まぁ私が美希から聞いた話はワリとそんな感じだけど、実際のとこはどうなの?真」
真美「あぁ、まこちんは両方から話聞いてたんだっけ」
真「うん…美希からの電話が終わった後、着信見たら春香からのが5件あってね……」
亜美「こわっ」
雪歩「うわぁ…」
真「折り返すの嫌だなぁて思ってる時に、6度目のコールが来た時のボクの気持ち分かる?」
亜美「ごしゅーしょーさまですなぁ」
真「そして、もしもしを言う前に『美希でしょ?』って春香が」
真美「www」
雪歩「真ちゃんも真ちゃんで板挟みだったんだね…」
伊織「らしい感じよね」チラッ
真「どこを見て言ってるんだ」ジト
真「ハァ。もーそっから長かったよ?ただでさえ長いタイプなのに」
真「愚痴と悪口がブレンドされてるからもうさぁ…2時間の内、ボクの台詞全部足しても5分いかないからね?」
伊織「よくアンタもそれに付き合えるわね…」
真「いやタイミングがタイミングだけに、ボクが何とか間を取り持たないとって思うじゃん?」
真「上手く宥めすかして軟着陸というか…そんなこと考えながら春香との電話が終わったら」
亜美「終わったら?」
真「美希の着信18件」
亜美「無限ループwww」
真「結局二人に、両方と通じてることがバレちゃってるからアレだよね」
真「何言っても『春香(美希)にそう言えって言われたの?』ってさ」
真美「めんどくせぇww」
伊織「で、春香側は何て言ってたのよ」
真「別に、話としては単純なんだよ。春香とPがデートまがいのことしてるトコを美希が目撃して」
真「『どういうつもりなの?』って」
亜美「あ、マジな感じの『なの』なんだww」
伊織「いつか起こるであろうことが起こるべくして起きたって感じねぇ…」
真美「まーミキミキからしたらそりゃ腹立つよね」
真美「あんだけ自分がマーキングしてるのに、何勝手に手ぇ出してんだと」
雪歩「そこに関しては私は春香ちゃん派かなぁ」
雪歩「美希ちゃんがやってるあれこれを黙認?してたからって、それで勝手に味方扱いされてもそれこそ困るよ」
雪歩「誰もがあんな風に露骨にアピールできる訳じゃないんだし…むしろ美希ちゃんの方が無神経さを謝るべきと思うな」
伊織「先にやったモン勝ちが常套手段なのは確かだけどね。特に私達みたいな閉じた環境の場合は」
伊織「よくある『○○が好きだから応援してね』みたいな約束をしてこそなかったとはいえ、春香は知ってるんだから先に許可は取るべきよ」
雪歩「許可って…別にプロデューサーは美希ちゃんのものでも何でもないのに……」
伊織「そりゃそうだけど、美希からの言い分としては『春香の騙し打ち』はスジが通ってるって話よ」
雪歩「…伊織ちゃんは美希ちゃん側なの?」
伊織「はぁ?突っかかってんじゃないわよ、入れ込んでるのはアンタの方でしょうが。そりゃアンタが美希のこと嫌いなのは分かるけど…」
真「止めなって。さもないとボクの胃が爆発するよ?」
亜美「何の脅し文句www」
真美「まー許可はともかく、先に事前報告っていうか宣戦布告しとけばこうはなってなかったんじゃないかなー」
真美「パールハーバーから何も学ばないのはあきませんぜはるるんさん」
伊織「アレは大使館が無能説が有力だけど、今回の場合は…そんだけ春香がキレてるってことなんでしょうね」
亜美「せいとーな手続きなんてとってらんねえって位に?」
伊織「ある種の当て付け…というか、Pを誘った行為自体が宣戦布告みたいなモンなんだろうけど」
伊織「美希に見つかったのにしたって、ヘタすらわざとなんじゃない?」
伊織「仕事量的に、春香が美希の隙を突くのなんてチョロイもんな筈なのにこうなったってことは」
真美「流石いおりん名探偵っ!」
真「たしかに美希の忙しさを思うと、やろうと思えば難しくないよね」
伊織「少なくとも勝利を確信するまでは、美希に気取られずにPを誑かすのが上策…だけど、そうしなかったのは」
雪歩「抑えきれなかったんだろうね。美希ちゃんに対する――怒りを」
真「…フェアにやりたかったってセンは無し?」
亜美「ヌケガケしといてそれは流石に苦しいっしょー」
真美「はるるんはマジメだから、そういう気持ちもゼロじゃないとは思うけどね」
雪歩「そもそもさ、伊織ちゃん。美希ちゃんの隙を突くのってホントに簡単だと思う?」
伊織「…まぁ、あれでカンは鋭いから、数重ねればPの態度とかから割れる可能性は有るでしょうね」
雪歩「それに、仕事だって基本的に自分に付いて貰うようにしてるんだから」
雪歩「プロデューサーが縛られて無い時間なんて殆ど無いし…」
伊織「…マジで美希と何かあったワケ?」ボソッ
真美「ミキミキが兄ちゃんを騙して、見るはずだった雪ぴょんの演劇のゲネプロがスル―されたってのは聞いてる」ボソッ
伊織「あー…」
雪歩「春香ちゃんは普通にプロデューサーとデートしたかっただけだと思うよ。それを目ざとく察した美希ちゃんが邪魔しに走って…」
真「雪歩、露骨露骨。例の件は流石にボクも無いと思って、怒っといたからさ…少しは反省してるハズだよ」
亜美「てか事件の日って、たしかミキミキひびきんとのラジオある日じゃなかったっけ?」
真「え?あ、そうか。夕方って言ってたから…まさにだね」
真美「wwwえっ?ラジオサボって現場抑えてんのww!?」
亜美「ひびきんとの仕事はフけて良いというお約束があるとはいえ流石ミキミキ…」
真「いやいや気が乗らない回の時に大半を寝て過ごした前科はあるけど、いくらなんでも」
伊織「ブログ見るに、貴音が代打やって凌いだみたいね」
真美「あぁそうなんだ。フェアリー繋がりで」
伊織「しっかし、仕事投げてまで行くだけの確証があったってことは」
伊織「美希はこうなることを読んでたことになるわね」
雪歩「或いは……差し向けた?」
亜美「差し向けた?誰が?」
雪歩「分からないけど、急に頭に浮かんで…」
伊織「…美希が春香を焚き付けたんじゃってハナシ?」
亜美「ミキミキが!?何でわざわざそんなことするの!?」
真「プロデューサーを想ってるのはバレバレなくせに、いつまでもリングに上がろうとしない春香に業を煮やして」
真「美希が決定的な何かを言った…或いは、した。そしてそれを受けて春香が動いた…とすればスジは通るね」
真美「はるるんを正面切ってボコる為のミキミキの自作自演ってこと?んーらしいっちゃらしいけど、流石にちょっとトび過ぎじゃない?」
伊織「自演っていうか…美希からすればその『何か』で春香の心を折れるのがベストだったんだろうけど」
伊織「実際は折れずに歯向かって来た。で、例の遭遇シーンが起こった…みたいなことなら有りそうな話ね」
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