男「自分の未来を知られたら」(31)

幼馴染「起きて早々なに? また自分の未来の夢でも見てた?」

男「ん、まぁ……」

幼馴染「で、今度はどんな夢だったの?」

男「……金持ちになって豪遊する夢」

幼馴染「あっそ。叶うと良いね、その夢」

男「……ん」

男(本当は幼馴染とデートする夢を見たんだけどな)

幼馴染「ほら、起きたなら早く顔洗ってよ! おばさん待ってるんだから」

男「…………ん」

男「おはよ」

母「遅いわよあんた! もっと早く起きられないの!?」

男「無理」

母「何が『無理』よ! 毎日毎日幼馴染ちゃんに起こしてもらって、恥ずかしくないの!?」

男(むしろそれが狙いだし)

幼馴染「まあまあ、とりあえず朝ご飯食べましょうよ」

母「ごめんね幼馴染ちゃん、毎日この馬鹿を起こさせるだけじゃなくて朝ご飯のお手伝いまで……」

幼馴染「良いですよ、そんな……」

男「……」ムシャムシャ

母「ってあんた、何先に食べてるのよ! 顔を洗ってから━━」

ガミガミ

男「行ってきまーす」

母「忘れ物無いんでしょうね!?」

男「……無いよ」

母「本当でしょうね? ……幼馴染ちゃん、男を頼んだわね?」

幼馴染「はい、任せて下さい」

母「……」ニコニコ


男「……二人揃って俺を子供扱いすんなよ」

幼馴染「だって子供じゃない? 毎日私が起こすまで起きないし、宿題はしてこないし、忘れ物はするし……」

男「……」

幼馴染「あと勉強しないで遊んでばかりいるし、それで赤点取って追試受けるし、その追試も落ちて留年しかけるし━━」

男「すみませんでした」

……

男「そういえば昨日の数学で出た式ってまだやってなくね? 先生がもうやったみたいな体で説明してたけど」

幼馴染「……あんた、いつも居眠りばっかりしてるから知らないだけでしょうが」

男「えっ、やったっけ?」

幼馴染「やったわよ! ……はぁ、また私が教えてあげないと━━」

男「ごめんごめん、助か……ん?」

?「……」ジーッ

幼馴染「━━じゃあ学校着いたら教えて━━」

男(こっちじっと見てるけど……誰だあれ? うちの制服着てるけど……)

?「……」フイッ スタスタ…

男「……」

幼馴染「━━って、ちょっと! 聞いてるの!?」

男「ん、あ、ごめん」

男(……綺麗な子だったな)

……

幼馴染「おはよー」

女A「おはよ!」

女B「はよー、今日も二人で━━」

男「おはよう」

男A「おっす」

男B「今日も彼女と登校かよ、良いなお前は」

男「いいいや彼女じゃねぇし!」

男B「何だよ、まだ告ってないのかよ」

男「……う、うっせーな」

男A「ヘタレめ」

男「……」

男B「幼馴染、可愛いし人気あるんだぞ? 誰かに取られたらどうすんだよお前」

男「ぐっ……」

男A「そうそう、可愛いもんなー俺狙っちゃおうかなー」

男「お前、ふざけん━━」

男(━━そうだ、可愛いと言えば……)

男「……そういえば二人とも、黒髪で髪が腰くらいまである綺麗な子、この学校で見たことあるか?」

男B「おっ、何だ? 浮気か?」

男「いやそんなんじゃなくて」

男A「腰までって、それ高速違反だろ? しかも茶髪とかならまだしも黒髪って……全校集会でも見たことねーよ」

男B「つーかそんなことどうでもいいだろ、他の女に現抜かしてる暇あんのかよお前」

男「……いや何でか分からないけど気になったんだよ」

男A「うわーないわこいつないわー」

男B「いい身分だなお前」

男「う、うっせーな!」

……

ガラッ

先生「座れよーHR始めるぞー」

男(男Bはともかく、女子の情報にも精通してるチャラ男の男Aも知らない女子が居るなんて思いもしなかった)

男(だとすると、あの子は一体誰なんだ?)

男(普通ならどうでもいいはずなのに……何故か気になる)

先生「出席取るぞー……会田、石井━━」


先生「━━よし、全員居るなー。今から先生大事な話するからなー? よーく聞いとけよー?」

男「……ふあーぁ……」

先生「実はなー? 突然だが、今日からこのクラスに新しい仲間が増えるんだ」

男(……もしかしたら、あの子は転校生とか? ……そんな都合のいい話があるわけ━━)

先生「よし、入ってきなさーい」

ガラッ スタスタ

男「……えっ」

先生「じゃあ、自己紹介しようなー」

?「……初めまして、転校生です」

男(本当に……転校生、だったのか)

転校生「……」キョロキョロ……ピタッ

男(!? あの子、またこっちを……)

転校生「……よろしく、お願いします!」ニッコリ

ワーワーキャーキャー

男(あれ……? 俺、あの子と知り合い……だったっけ?)

今はここまで
少なくて申し訳ない

今後NTR要素ある予定です
のんびり書いていきます

NTR要素があるとは言いましたが、期待しているようなNTR展開は今のところ考えていません


先生「じゃあ転校生、お前の席は━━」

転校生「あそこ、ですか?」

先生「あーそうだな、男の隣に座ってくれ」

スタスタ……

男「……」

転校生「男……くん、だよね?」

男「えっ、あ、あぁ……うん」

転校生「これから、よろしくね?」ニッコリ

男「……よろしく」

先生「みんなー、転校生と仲良くするようになー」

先生「それと男ー! 今日の授業の教科書は転校生と一緒に見るんだぞー!」

男「えっ……あ、はい」チラッ

転校生「……」ニコニコ

……

幼馴染「で、何で私の席に来てるわけ?」

男「……次の国語の教科書貸してくんない?」

幼馴染「はぁ!? あんた今日出るとき忘れ物無いって言ってたじゃない!」

男「鞄の中身が昨日のままでさ……」

幼馴染「……はぁ、何してんだか」

男「頼む! 転校生さんにも見せなきゃいけないからさ!」

幼馴染「……ったく、何で私が代わりに怒られないといけないのよ」スッ

男「本当にごめん、ありが━━」

幼馴染「その代わり、今度何か奢ってよね」

男「分かった分かった、何でも奢るから!」

幼馴染「約束だからね?」

男「おう!」

男「ふぅ……」ガタッ

転校生「教科書、忘れたんだ?」

男「へぇっ!? あ、あぁ……まあ……」

転校生「ふふ、男くんらしいね」ニコニコ

男「えっ?」

転校生「ところで、今の人が……幼馴染、さん?」

男「そ、うだけど……」

転校生「ふーん……。そっか、あれが……」

男「……幼馴染が?」

転校生「んーん、何でもない」ニッコリ

男「……?」

ガラッ

国語教師「授業始めるぞ、静かに━━」

国語教師「じゃあ次、出席番号17番の奴読んでみろ」

「ハイ、……しかしそこで━━」

転校生「……」チラッ

男「……ん」ウトウト

転校生「……クスッ」

男「……ふぐっ」ガクン

転校生「……」スッ

男「……んぐ」ウトウト

……プツッ

男「いひっ……!?」ビクンッ

国語教師「ん? 何だ? どうした男?」

男「ぅあ、い、いえ、何でもないっす……」

男(な、何だ!? 急に頭に痛みが……)チラッ

転校生「……ご、ごめんね、そんなに痛かった?」コソコソ

男(……そう言う転校生の手の中には5本程の髪の毛がありましたとさ)

……

アーハラヘッター ドコデタベルー コウバイイコーゼー

男(やっと昼休みか……)

「ねえねえ、転校生さんって部活は━━」

転校生「まだ決めてないんだー、何にしようか━━」

男(最初の休み時間から転校生さんはずっとこの調子で大変そうだな)

「じゃあさ、テニス部はどうかな? 転校生さんって運動とか━━」

転校生「うーん、どうしようかな━━」

男(とりあえず、男Aと男Bと一緒に飯でも食おう)ガタッ

転校生「! ごめんね、私ちょっと……」

「あ、うん、また後でね!」

男「なあ、男A、男B━━」

転校生「ねえ男くん、一緒にお昼食べない?」

男「━━って、え?」

幼馴染「……」ソワソワ

女A「でねー、そこで……って、幼馴染ちゃん? 食べないの?」

幼馴染「……」ソワソワ

女B「ちょっと、幼馴染?」ポンッ

幼馴染「えっ? な、何? どうしたの?」

女B「……いや、どうしたもこうしたも」

女A「お昼、進んでないみたいだけど?」

幼馴染「あー、う、うん……食べる、食べるから」

女B「そんなに気になる? あの二人」

幼馴染「え、な、何の話? 別に私は━━」モグモグ

女B「……はぁ」

男「……」モグモグ

転校生「そのカツ丼っておいしいの?」

男「あぁ、うん、美味しい……」

転校生「一口ちょうだい?」ズイッ

男「えっ!?」

転校生「ダメなの?」

男「い、いや、ダメじゃないけど……」

転校生「じゃあ一口もらうね?」

男「…………ん」

男(どうしてこうなった……一緒にご飯を食べるだけのはずが……)

転校生「……うん、美味しいね! 私もカツ丼にすれば良かったかな?」

男「あ、あぁ、うん……」

転校生「あ、私の頼んだサンドイッチあげよっか? 食べかけだけど」

男「!? い、いや、いい、いいから!」

転校生「……そう?」

男「そういえば、どうして俺を誘ったの?」

転校生「えっ? うーん……何となく、かな?」

男「……あ、そう」

転校生「それに隣同士なんだから、仲良くしたいし」ニッコリ

男(だからって間接キスまがいの事を転校初日にしなくても……)

男(もしかして転校生さんって、尻軽……?)

転校生「あ、でも」

男「ん?」

転校生「男くん以外の男の子とはこんなこと絶対しないからね?」ニコニコ

男(嘘くせぇ……)

転校生「そういえば、さ」

男「……何?」

転校生「幼馴染さんって、どんな人なの?」

男「え? 幼馴染?」

転校生「うん、幼馴染さん」

男「そ、そうだなぁ……お節介で口うるさい奴……かな」

転校生「他には?」

男「えっ?」

転校生「他にもあるでしょ?」

男「……頭が良い」

転校生「他には?」

男「えっ……と、友達が多い?」

転校生「他には?」

男「……」

……

転校生「ふーん……幼馴染さんって、そんな人だったんだ」

男「あぁ、まぁ……」

転校生「ふーん……」

男「……」

男(そんなこと聞いて一体どうするつもりなんだ……?)

転校生「でさ、今度は男くんに聞きたいんだけど」

男「えっ、あっ、はい?」

転校生「幼馴染さんのこと、好き?」

男「……えっ?」

転校生「どうなの? 誰にも言わないからさ、言ってみてよ」

男「……いや、あの━━」

転校生「好きなんだよね?」

男「…………」

男「……まぁ、うん……」

転校生「……」

男「……」

男(えっ、何この間は)

転校生「そっか、好きなんだ」ニッコリ

男「あ、あぁ、まぁ……」

転校生「そっかそっか、それが聞けて安心しちゃった」ニコニコ

男「は、はぁ……?」

転校生「それじゃ、そろそろお昼休みも終わりそうだし教室戻ろっか!」

男「……」

……

先生「━━というわけで、先生からのお知らせは以上なー。委員長、号令」

「起立、礼」

アリガトウゴザイマシター

男(やっと一日が終わった……。やけに長く感じた一日だったな……)

男「さて、帰るか……」ガタッ

幼馴染「ねぇ男、今日の━━」

転校生「あっ、幼馴染さん、良かったら一緒に帰らない?」

幼馴染「━━奢り……えっ?」

転校生「ダメ、かな?」

幼馴染「い、良いけど……?」

転校生「じゃあ、一緒に帰ろう?」

幼馴染「う、うん……」

……

幼馴染「……」

転校生「……」

幼馴染「そ、そういえば、私たちって初めて話すわよね?」

転校生「うん、そうだね。でも私はそんな気がしないの」

幼馴染「……え?」

転校生「どうしてだろうね?」

幼馴染「……さ、さぁ……?」

転校生「ところでね? 貴女に聞きたいことがあるの」

幼馴染「な、何?」

転校生「男くんのこと、好き?」

幼馴染「…………はぁっ!?」

幼馴染「す、好きって、どういう意味での好きよ?」

転校生「それは貴女が一番知ってるでしょ?」

幼馴染「……」

転校生「男くんのこと、好き?」

幼馴染「ど、どうしてそんなこと、転校生さんに言わなきゃ━━」

転校生「好きなんだよね?」

幼馴染「……か、関係ないで━━」

転校生「やっぱり好きなんだね」

幼馴染「…………勝手に決めないでよ」

転校生「だって嫌いならすぐに言えるもんね?」

幼馴染「……」

転校生「そっか、好きなんだぁ」ニタァ

幼馴染「……っ!?」ゾクッ

転校生「それが聞けて安心しちゃったぁ」

幼馴染「……だ、だから勝手に決めつけないでよ!」

転校生「隠さなくても良いんだよ? 知ってるんだから」

幼馴染「は、はぁ? だから、勝手に━━」

転校生「あっ、私こっちだから。また明日」

幼馴染「あ、ちょ、ちょっと! ……何なの、あいつ」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom