輝子「ボノノさんの動力がゼンマイ式だった」 (53)

乃々「……」

輝子「フヒヒ……キノコー……」

乃々「……」キョロキョロ

輝子「エリンギー……」

乃々「あ、あの……キノコさん……」

輝子「ん? どうした……?」

乃々「折り入って、お願いがあるのですが……」

輝子「な、なんだ?」

乃々「こ、これを……」スッ

輝子「……えーと……なにこれ、ネジ?」

乃々「それを私の背中に挿して、ま……」

輝子「……ん?」

乃々「回し、まわ、まわし、て……く、くだ……」

輝子「え?」

乃々「……………………」

輝子「ど……どしたー……?」

乃々「」バターン

輝子「!?」

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乃々「」

輝子「……ぼ、ボノノさん?」

乃々「」

輝子「おーい……」ユサユサ

乃々「だ……」

輝子「お?」

乃々「」

輝子「……」

輝子「……ボノノさーん……?」ユサユサ

乃々「」

輝子「……」スッ

乃々「」

輝子「……!?」

輝子「……た、大変だ……心音が聞こえない……!」

輝子「ひ、ヒイヤアアッ!?」ドテッ

輝子「どどどど、どうすれば」カチャ

輝子「あ……ネジ……?」

輝子「……」

輝子「せ、背中……って言ったっけ」

乃々「」グルン

輝子「……!?」

輝子「穴が空いてる……!?」

輝子「……」

ガチャ

輝子「は……ハマった」

輝子「……ま、回せばいいのかな……」

輝子「……」キコキコ

乃々「」

輝子「……ど、どう……?」

乃々「……ん」ムクリ

輝子「!!」

乃々「あ……回してくれたんですね」

輝子「ッ!」ガバッ

乃々「わぷっ」

輝子「よ、よかった、生きてた……うう」

乃々「あ、あの……そんなに抱きしめられると苦しいんですけど……」

輝子「センキューフォアカムバァァァァァァック!!」ギュウウ

乃々「うるさいんですけど……」





輝子「ゼンマイ、式……?」

乃々「はい……」

乃々「ゼンマイで動いてます……私」

輝子「……ま、マジか……」

乃々「マジですけど……」

輝子「すると……機械? 人間じゃない!?」

乃々「はい」

乃々「ゼンマイ式の自律機動ロボット……ですけど」

輝子「自律、機動……? あー……」

輝子「……り、理解が追いつかない」

乃々「ですよね」

乃々「とりあえず、私はロボットであるということを理解してくれれば、それでいいです」

輝子「……は、はい」

乃々「色々と気になることがあると思いますが……」

乃々「詳しいことは何も話せないんです、ごめんなさい……」

輝子「……そうか……」

乃々「……あ、その……」

輝子「?」

乃々「ちょっと、ゼンマイを回して、も、もらえ、ま、ま……」

乃々「……………………」

輝子「……え、えっと」キコキコ

乃々「ふう……」

乃々「それでですね、私がロボットだってことを誰にも言わないで欲しいんです」

輝子「……つ、つまり、いつも通りってこと?」

乃々「はい」

輝子「……えーと」

輝子「わ、ワケわかんなくて、頭が混乱してるけど……」

輝子「ボノノさんはボノノさん、なんだな……」

輝子「……うん、今後とも、よろしく……」

乃々「ありがとうございます……」

輝子「……そ、それで……ロボットだってこと、秘密、なんだよね?」

乃々「はい」

輝子「なんで、私には教えてくれたんだ……?」

乃々「そのですね……キノコさんには、これを頼みたくて」スッ

輝子「……これはまさか」

乃々「はい、ゼンマイを巻く係です」

乃々「差込が背中に付いてるといういぢめな仕様なので、一人では不便で……」

輝子「……」

乃々「……おねが、お願い、しま、し、ま……」

乃々「…………むら…………」

輝子「……す、すぐ止まるんだな……」

輝子「……」キコキコ

乃々「……」

輝子「……こ、これくらい?」キコキコ

乃々「もっと回せるので、目一杯やってください」

乃々「さっきまで止まる寸前だったので……」

輝子「じ、実際、止まったしな……」キコキコ

乃々「ええ……」

輝子「……」キコキコ

輝子「最大まで回して、どのくらい動けるの……?」キコキコ

乃々「そうですね……最大で一日ちょっとですかね……」

輝子「そうなのか……」キコキコ

乃々「……」

乃々「実は、私以外にもこの事務所でアイドルをしてるロボットがいたりするんです……」

輝子「え、マジで?」キコキコ

乃々「マジです……誰とは言えませんが」

輝子「そっかー……」キコキコ

乃々「……」

輝子「……これ、けっこう、手間だね……」キコキコ

乃々「手間なんです……」

輝子「……よし、これくらいかな」

乃々「ありがとうございます……」

乃々「あ、そのネジは預けます」

輝子「え、そ、そう……いいの?」

乃々「はい……予備もあるので」

輝子「じゃあ……うん」

乃々「では……これからもお願いします」

輝子「うん……」

輝子「……」

輝子「(改めて考えると、とんでもない話だよなあ……)」

輝子「(ボノノさんがロボット……科学ってすごい)」

別の日


スタッフ「お疲れ様でーす」

美玲「あー疲れたー」

乃々「……あの」

輝子「ん? ……あ、あー、分かった……」

乃々「じゃあ……こっちで」スタスタ

輝子「うん」スタスタ

美玲「なーなー、昼ご飯どーする?」

美玲「……あれ、二人共いないや」

輝子「……」キコキコ

乃々「……」

輝子「……よし」

乃々「ありがとうございます……」

輝子「これ、毎日やるのは面倒だね……」

乃々「まあ……一日三回の食事と比べれば、と考えれば……」

輝子「そういえば……食事って、どうなってるんだ?」

輝子「ロボット、なんだよね?」

乃々「一時的に食べた物を溜め込むスペースがありまして、口に入れたものはそこに貯蓄されます」

乃々「見た目上は普通の人となんら変わらないですね……」

輝子「な、なるほど……よく分からない」

乃々「他の人と一緒に食事できるってことです」

輝子「へえ……科学って、進んでるね……」

乃々「(出すときはそのまま出る……ということは言わないでおきましょう……)」

美玲「キノコー、ノノー、どこ行ったんだー?」

乃々「そろそろ行きましょうか」

輝子「そうだな……」

別の日


トレーナー「よし、今日のレッスンはここまで!」

乃々「ふう、ふう……」

美玲「今日はハードだったなあ……大丈夫か?」

乃々「ええ……ちょっと、動きすぎました……」

乃々「残存エネルギーが……」

美玲「え?」

乃々「ああいえ、何でも……」

乃々「とにかく、私は少し休憩してから帰りますので……」

美玲「ん、分かった、じゃーお疲れ!」ガチャ

乃々「お疲れさまです……」

乃々「…………」

乃々「よし、誰もいなくなった」

乃々「今のうちに、ゼンマイ、を、を……」

乃々「あ、ま、マズ、い、もう……」

乃々「……………………」

ガチャ

輝子「おーっす……レッスン終わったって、聞いたけど……」

乃々「」

輝子「ホアッ!? 止まってる!!」





乃々「助かりました……」

輝子「び、びっくりしたぞ……」キコキコ

乃々「今日のレッスンはハードだったもので……」

輝子「そ、そうか……私、今日仕事が入っててよかったかも……フヒ」キコキコ

乃々「私は結構、ギリギリでした……」

輝子「最初に部屋に来たのが私じゃなかったら、あ、危なかった……な」キコキコ

乃々「ですね……」

輝子「よし、終わり」

乃々「ありがとうございます……」

ガチャ

美玲「いっけねー、忘れ物しちった」

乃々「あっ」

輝子「あっ」

美玲「あれ、キノコじゃん、こっち来てたんだ」

輝子「お、おー……仕事終わりに、様子を見に、な……」

美玲「ふーん」

輝子「……」

美玲「それで、その手に持ってるの何? ネジ?」

輝子「へっ!? あ、ああこれ?」

輝子「こ、これな……えーと」

美玲「……」

輝子「……」

グサッ

乃々「痛っ」

輝子「か、髪飾り……だよ?」

美玲「髪飾り? 変わった形だなー」

乃々「え? ええと、そうですね……」

美玲「……」

美玲「プフッ、ノノには似合ってないぞそれ!」

乃々「そ、そうですか……そうですよね……」

美玲「そうだ、せっかく揃ったんだし一緒に帰るか?」

乃々「あ、そうですね……着替えたら……」

美玲「分かった、待ってるからなッ!」

ガチャ

乃々「……ふう」

輝子「あ、危なかった……」

乃々「ところで、髪にネジを挿された時痛かったんですけど……」

輝子「ああ、ごめんごめん……」

輝子「……ロボットでも、痛みを感じるんだね」

乃々「ええ、人間に近づけるよう作られていますので、痛覚以外にも五感は再現されてますね……」

輝子「そうなんだ……科学パないな……」

輝子「……あれ」

乃々「痛っ」

輝子「ね、ネジが髪に絡まって……うーん?」グイ

乃々「あの、もっと優しく、いた、いたたたたた」

別の日


スタッフ「休憩入りまーす」

輝子「ふう……」

乃々「……」

美玲「はー、ちょっと無茶振りが過ぎないかなー司会の人」

輝子「た、確かに……」

乃々「……」

美玲「……あれ? ノノ、顔色悪くない?」

乃々「え? そ、そうでしょうか……」

輝子「(……あ、ま、まさか……)」

乃々「ちょっと疲れ、つか……おっとと」フラッ

輝子「うおっと」ガシッ

美玲「え、おい、大丈夫なのか?」

乃々「…………は、はや、く……」

美玲「な、なあ、どうし

輝子「あーあー!! トイレ! トイレな! ナメコォ!」

輝子「ま、ま、全く世話が焼けるぜェ! シメジィ!」

美玲「は?」

輝子「そ、そ、そういうわけだから、ちちちょっと連れてくっす……フヒヒ……」

乃々「」ズルズル

美玲「おいちょっと……」

美玲「……なんだ一体?」





輝子「……」キコキコ

乃々「……うっ」

輝子「やばかった、今のは、やばかった……」キコキコ

乃々「ご迷惑をおかけしました……」

輝子「……一日持つんじゃ、ないのか?」キコキコ

乃々「激しい動きをすると、いつも以上に消耗しますので……」

輝子「うむむ……よ、よく今まで一人でバレずに、いたな……」キコキコ

乃々「前までは、今みたいに忙しいわけではなかったので……」

輝子「なるほど……」キコキコ

美玲「うーん……」

輝子「……」

乃々「あ、あの……」

美玲「あ、ノノ! 大丈夫なのか?」

乃々「はい……ご心配おかけしました……」

美玲「……んー? さっきまでのが嘘みたいにピンピンしてるな」

乃々「えっと……そうですかね……」

美玲「まあ、元気ならそれでいいんだけどさ」

スタッフ「そろそろスタンバイお願いしまーす」

輝子「よ、呼ばれたから、行こう……」

乃々「あ、はい……」

美玲「……んん??」

別の日


乃々「キノコさん……」

輝子「ん? ああ……」

スタスタ

美玲「…………」

美玲「最近あいつらいつも一緒だな……」

美玲「二人でどこに行ってるんだ?」

美玲「……」

美玲「よし、追ってみるか」

輝子「……」

乃々「……」

美玲「……」コソッ

美玲「(気付かれないようにそーっと……)」

美玲「(へへっ、スニーキングミッションってやつだな!)」

幸子「あれ、何してるんです?」

美玲「うおわっ!?」ビクッ

美玲「な、なんだ幸子か、脅かすなよなッ!」

幸子「ただ話しかけただけじゃないですか」

幸子「それで、一体何を?」

美玲「ああ、今キノコとノノの後をゆっくり……あっ!」

美玲「大きな声出すなよ! 静かにするんだッ!」

幸子「アナタの声の方が大きいんですがそれは」

美玲「……」ジー

美玲「よし、見失ってないし気付かれてもいないな」

幸子「なんで後をつけてるんです?」

美玲「ああ……あいつらな、よく一緒にいるだろ」

幸子「あー、言われてみれば最近よく一緒にいますよね」

美玲「そんでもって、いつも二人一緒にどこかへ行くんだ」

幸子「一緒に?」

美玲「一緒に」

幸子「トイレじゃないんですか?」

美玲「それならトイレに行くって言うだろうし、そもそもいつだって二人一緒ってタイミングはトイレとしては怪しい」

幸子「ふむ……」

幸子「まさか……いかがわしいことでも」

美玲「アホかッ!」

美玲「いつも数分で戻ってくるからそれは無いだろッ!」

美玲「てか女同士だろッ!」

幸子「いやだって輝子さん男装似合いますし」

美玲「そりゃあ……そうだけどさ?」

美玲「とにかくッ! 今はついていくぞ」

幸子「そうですね」

輝子「……」ガチャ

美玲「トイレに入ったな……二人で」

幸子「やっぱりトイレじゃないですか」

美玲「……いーや! まだそうと決まったワケじゃない」

美玲「ウチらも潜入だッ」

幸子「はあ」

美玲「こっからは小声でなー」ボソッ

幸子「分かってますって」ボソッ

美玲「……!」

美玲「鍵がかかった個室が一つだけ……」

幸子「つまり……二人一緒に一つの個室に……」

美玲「……」

幸子「……」

美玲「と、隣の個室で聞き耳だッ」

幸子「は、はい」

美玲「……」

幸子「……」



乃々「あ……隣に誰か来た……」

輝子「うん、来たな……」

乃々「手早く終わらせましょう」

輝子「そう、だな……」

乃々「でも、できるだけ静かに……」

美玲「(手早く終わらせる……一体何を?)」

輝子「じゃあ……挿すぞ」

乃々「はい」

幸子「(さ、挿す!? 一体何を!?)」

美玲「……」

幸子「(やっぱりあの二人……)」

美玲「(い……イヤ、待て! まだそうと決まったワケじゃ……)」

輝子「よし……回すぞ」

乃々「はい」

幸子「(マワす!? 一体ナニを!?)」

美玲「(ま、待て、いるのは二人だけだし、そういう意味では無いと……思うケド)」

輝子「……よし、ひとまずはこの位で、いいよね……」

乃々「そうですね……ありがとうございます」

幸子「(早ッ! 行為が終わるの早くないですか?)」

美玲「(そ、そういう行為じゃ無いだろッ! ……無いハズだッ)」

幸子「(しかもひとまずって……後でガッツリやるつもりですよこれは!)」

美玲「(だからー、考え過ぎなんだよオマエはッ!)」

輝子「よし……早く、戻ろう」

乃々「ですね……お隣さんと鉢合わせませんように……」

ジャー

美玲「(カモフラージュの水洗か……)」

幸子「(ナニを流したんでしょうかねえ……)」

美玲「(オマエいい加減にしろよ、トイレットペーパー使う音もしなかっただろ)」

ガチャ

…………

美玲「……行ったな」

幸子「行きましたね」

美玲「……結局何やってたのかよく分からなかったな」

幸子「ですね」

美玲「でも二人で一つの個室に入るのは……やっぱり怪しいよな」

幸子「そういえば、ボク達も二人で入ってますね、一つの個室に」

美玲「ん? 言われてみると……」

美玲「あれ、そういえばなんでついてきたのオマエ」

幸子「えっ、ボクですか?」

幸子「……さあ? なんででしょう」

美玲「さあって」

幸子「まあいいじゃないですか! ボクカワイイですし!」

美玲「その謎理論はなんなんだよッ」

幸子「とにかく、早く出ましょう」ガチャ

小梅「あれ……」

幸子「あっ」

美玲「あっ」

小梅「な、なんで二人で、一つの個室に……?」

幸子「ま、待ってください、これはそういうのじゃなくてですね!」

美玲「そ、そう、違う! 違うからなッ!」





小梅「輝子ちゃんと、乃々ちゃん……?」

美玲「そうそう」

幸子「その二人の尾行をしてたんですよ」

小梅「た、確かに最近、一緒にいるのをよく見る、ね……」

美玲「気になったから、二人の後をつけてみたら、トイレに二人で入っていったんだよ」

幸子「それも一つの個室に」

小梅「幸子ちゃんと美玲ちゃん、みたいに……?」

幸子「だ、だからボクたちは尾行の関係でそうなっただけでですね……」

小梅「じ、冗談だよ……ふふ」

小梅「……そ、それで、どうだったの?」

美玲「中で何をしてるのかまでは分かんなかったな」

小梅「そ、そうなんだ……」

幸子「……あの二人が何をしているのか、気になりません?」

小梅「……確かに、気になる……ね」

小梅「わ、分かった……任せて……」

美玲「任せてって、何か策があるの?」

小梅「あの子に……追跡させる……!」

幸子「あ、あの子……?」

小梅「……た、頼んだ、よ……」

美玲「(な、何も無いところに向かって話してる……)」

幸子「(あ……あそこに何かいるんですかね……)」

小梅「……い、今、二人のところに、向かってもらった……」

美玲「そ、そう……」

小梅「戻ってきたら……教えてあげるね……」

幸子「は……はい」





「…………」

輝子「最近、エネルギーの消耗……は、早くない?」キコキコ

乃々「そうですね……忙しいせいですね……」

「…………」

乃々「アイドルやめたいのに、プロデューサーさんが……」

輝子「う、うーん……それは仕方無い……かもね」キコキコ

乃々「でもまあ……今はまだ、アイドル続けてもいいかなって、思うんですけど……」

輝子「ん? なんで……?」キコキコ

「…………」

乃々「……キノコさんがゼンマイ巻いてくれるので、楽ちんなんです……」

輝子「あー……そういう……」キコキコ

乃々「はい」

輝子「……お、おかげで、いつロボットだってバレるか、ハラハラしてるんだけどな……」キコキコ

乃々「それは……まあ……ごめんなさい」

輝子「ところで、その……」キコキコ

輝子「ロボットだってバレたら……ど、どうなるの?」キコキコ

「…………」

乃々「えっとですね……」

乃々「知った人は記憶が消されますね」

輝子「……け……消される?」

乃々「最悪、存在そのものを消されますね」

輝子「消される……」

「…………」

乃々「あと、私もアイドルが続けられなくなりますね……」

乃々「まあ……そっちの方が気楽かもしれないんですけど」

輝子「……わ、私も、消される?」

乃々「キノコさんは、問題無いと申請してるので大丈夫ですね……」

輝子「そ、そうか……安心」キコキコ

「…………」





小梅「あ……戻ってきた」

幸子「えっ」

美玲「い、いるの?」

小梅「いるよ……?」

幸子「見えます?」

美玲「いや、ウチの目には見えない」

幸子「眼帯してますもんね」

美玲「そういう問題じゃないだろッ」

小梅「ど、どうだった……?」

「…………」

小梅「え? と、特に何も無い……?」

小梅「そ、そう……ありがとう」

小梅「あのね……あの子が、何も無かったって……」

幸子「えぇ? ホントにですか?」

小梅「うん……」

幸子「なんか怪しいですね……ホントはあの子なんていなかったり」

ゾワッ

幸子「ひいうっ!?」ビクッ

小梅「あ、だ、ダメだよ怒っちゃ……」

幸子「なななななな何ですか今の、背中にゾワゾワーって来たんですが!?」

小梅「ご、ごめんね? あの子がちょっと、イタズラを……」

幸子「…………」

幸子「きゅう」バターン

美玲「うわっ、気絶した!」

小梅「……あ、えっと、何?」

小梅「……うん……うん……分かった」

小梅「あのね……あの子が、深追いはやめておけって……」

美玲「な、なんか気になる言い方だな……」

美玲「まあ……何も無いなら、気にするだけ無駄かなー」

小梅「うん……」

小梅「実は私も、ちょっぴり、な、何かを期待してたんだけど……残念……」

「…………」

後日


輝子「……」キコキコ

乃々「……」

輝子「……よし、終わり」

乃々「いつもありがとうございます……」

輝子「もはや、日課だからな……」

ガチャ

モバP「森久保ォ! やっぱり机の下にいたな!」

乃々「あ、プロデューサーさん、もりくぼは、その……」

モバP「今日もたんまり仕事入ってるぞォ! 来いや!」

乃々「む、むーりぃー……」ズルズル

輝子「……が、がんばー……」

ガチャ

まゆ「……」キョロキョロ

輝子「お?」

まゆ「あ、輝子ちゃん」

輝子「や、やあ……プロデューサーなら、さっき出ていったけど……」

まゆ「ああ、用があるのはPさんじゃないんです」

まゆ「実は、輝子ちゃんにお願いが……」

輝子「な、何かな?」

まゆ「実は、その……」スッ

輝子「……乾電池?」

まゆ「えっとですね……背中のカバーを外して、電池を交換し、して」

まゆ「してほ、し、しいん、です……が……」

まゆ「……………………」

輝子「あ……え?」

まゆ「」バターン

輝子「……えぇー……」


おしまい

政府が超極秘で開発している超高性能自律機動人型ロボット。
そのAIは人間の思考に物凄く近いレベルで完成しており、AIを搭載する機体も本物の人間と見分けるのがかなり難しいレベル、要は人間にスゲーよく似たロボットである。
このロボットを人間社会に放り込んで、ロボットとバレないようにかつ人間同様の生活ができるのか、主に首都圏で秘密裏にそして大規模な実験を行っている。
今現在の課題はロボットの動力源をどうするかで、乾電池とかエンジンとかゼンマイとか手当たり次第に搭載して、どの動力が適しているのかを模索中。
例えば小日向ちゃんの動力は太陽電池なので発電の為によく日向ぼっこする。みちるには食物からエネルギーを取り出す最新技術が使われているがまだ開発途中なので変換効率が悪い故に片っ端からパンを貪る。
ちなみに晶葉は事務所に所属するロボットのメンテ係。


という無駄に凝った無理のある設定でございました
一文でまとめると、ゼンマイで動く森久保が書きたかったんです

見てくれた人、ありがとう

星 輝子(15)
http://i.imgur.com/LEVZjCp.jpg
http://i.imgur.com/hyuPaYF.jpg

森久保 乃々(14)
http://i.imgur.com/EFSQzZB.jpg
http://i.imgur.com/MHmARSu.jpg

早坂 美玲(14)
http://i.imgur.com/vNXsbig.jpg
http://i.imgur.com/CUpBTIM.jpg

輿水 幸子(14)
http://i.imgur.com/sQ7ly80.jpg
http://i.imgur.com/tbprDeg.jpg

白坂 小梅(13)
http://i.imgur.com/T0CN1us.jpg
http://i.imgur.com/KDTQab0.jpg

佐久間 まゆ(16)
http://i.imgur.com/gCr3SOu.jpg
http://i.imgur.com/vySD5qC.jpg

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