咲「お姉ちゃん。ごはんだよ」コトコト (133)

キャラ崩壊あるかも
百合展開注意

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咲「はい、お姉ちゃん。ごはんだよ」コトコト


照「…………」


咲「お姉ちゃん……ダイエットでも始めたの?」・


照「…………」


咲「ダイエットするのは構わないけど3日間も飲まず食わずだと身体壊しちゃうよ」


照「…………」


咲「もしかして、お菓子の方が良かった?」


咲「そうだよね!そう思って今回はクッキーを作ってきたんだよ!はい、どうぞ」


照「…………」グゥー

咲「くすっ、今お腹なってたね」


照「…………」


咲「もう、痩せ我慢してもダメだよ。ほらあーん」


照「待って……咲、一人で食べれるから。だから……手錠を外して」カシャカシャ


咲「前にも、同じこと言って逃げたでしょ

いいから、あーん」


照「…………」モグモグ


咲「…………」ニコニコ


照「…………ッ!ゲホッ、ガホッ……何これ……髪の毛!?」


咲「えへへ//咲さん特製髪の毛入りクッキーだよっ」

照「ゲホッゲホッ……何でそんな事するの!いい加減にしてっ!」ジタバタ


咲「ごめんね、でも……お姉ちゃんの中に私を入れたかったの」


咲「これでお姉ちゃんの胃袋には私の遺伝子がずっと残るんだね」


照「そもそも私達は姉妹……遺伝子は同じはず。だからそんな事する必要ない……だから自由にして?」


咲「自由に?自由にしてって何!

私をこんなにしたのは誰なの!お姉ちゃんだよねっ!!

なのに自由にしてって!?私はずっと悩んで来たんだよ

お姉ちゃんはどうして私を嫌いになったんだろうって、どうして東京なんかにって

私は昔からずっと、お姉ちゃんに憧れてた!

強くてかっこよくて、ちょっと頼りないところもあったけど全部好きだったの

なのに!私を裏切って……

でもね、気づいたんだ。あれは全部、私が悪かったんだって、私のお姉ちゃんに抱いている感情は尊敬とかそういった他人行儀な感情だった

でも今は違うよ。今はお姉ちゃんに愛してるって言えるから

その言葉を伝えるために全国まで行ってお姉ちゃんにようやく会えたのに……

最初の一言が来ないでって……どういう事?

私には妹はいないってどういう事なのぉぉおぉお!お姉ちゃん!!」

照「そ、それは……ちが……」


咲「違わないよ。お姉ちゃんが離れなければ私は……」


照「それは違う!私は昔から咲が……怖かった……」


咲「怖い……?私が?なんで?」


照「咲は昔っから私が誰かと話すと嫉妬して暴れてた。みなもの時だって……」


咲「あれは……遊んでたら池にみなもちゃんが落ちただけで……」


照「落とした……でしょ?」


咲「だって、照お姉ちゃんって言ったから……」

照「それに今だって私を監禁してる。やっぱり私は咲と離れておいて正解だった

なのに……」


咲「捕まっちゃったね」


咲「でも、さすがに、ここまで言われると傷付くよ……お姉ちゃんにはちょっとお仕置きが必要だね」


咲「これ、何か分かる」


照「リーチ棒……?」


咲「違うよ、これはリーチ棒型のバイブだよ」ブイーン

照「……!そんなもの何処で」


咲「えへへ///原村さんから貰ったんだぁ」


咲「それじゃあ服脱がすね」パサパサ


咲「…………」パサパサ


咲「手錠が邪魔で脱げないよ……」


咲「仕方ない手錠を外してと」ガチャリ


照(外れた!今だっ)ペシン


咲「痛っ!お姉ちゃん酷いよ」

照「酷いのは咲の方、悪いけど家に帰る」


照(後は咲から足枷の鍵を奪って)ペシッペシッ


咲「ウグッ……」


咲「」


照「咲が気絶している今のうちに」ガサゴソ


照「あった!これで足枷を外せば」


照「」カチャカチャ


照「」カチャカチャ


照「どうして……開かないの」

咲「それはね、この鍵が偽物だからだよ。お姉ちゃん」ビリビリ


照「え……咲……スタンガン……」ドサッ


咲「ふぅ、もう少しで逃げられちゃうところだったよ」


咲「とりあえず服を脱がして」パサパサ


咲「手錠をもう一度つけ直して……」カチャカチャ


咲「ほら、起きてお姉ちゃん」ユサユサ


照「うぅぅ……咲……」


咲「えへへ…お姉ちゃん可愛いなぁ」


照「どうして私が裸に」


咲「私が頑張って脱がしたからだよっ!」エヘン

照「寒いから着せて」


咲「後で着せるから大丈夫だよ……それよりも……」ムラァ


照「さ、咲……目が怖いよ」


咲「安心して……まずは唇からだから」


咲「んふぁ……んん……れろぉ」


照「さ……咲……んん止め……ん!」ビビクン!


咲「お姉ちゃんって感じやすいんだね」ハァハァ


咲「それじゃあ……いれるね。リーチ棒」ブイーン


照「待って!やめて!そこはまだ初めてで」

咲(おかしいよ……)


咲(キスの時は何も言わなかったのに……)


咲(もしかして……)キュピーン


咲(お姉ちゃんは誰かとキスをしてる!?)キュピーン


咲「お姉ちゃん……やめてあげようか?」


照「分かってくれたの?こんなことをしても私は喜ばない分かったなら解放して」


咲「違うよ。お姉ちゃん……私がやめるって言ったのはリーチ棒の方だよ……代わりに……」キラーン


照「……これは……針!な、何するつもりなの!!咲っ!?悪ふざけはやめて……お願い」


咲「私は本気だから……行くよ?」・


照「ま、待って!許して……お願い!も……もう……う……うぅぅ」ポロポロ


咲「だってお姉ちゃんが言うこと聞かないから」


照「ご、ごめんなさい……もう逆らったりしないから……許して……お願い」ポロポロ


咲(お姉ちゃんが泣いてる。何か怖いことがあったんだね)


咲「よしよし。大丈夫だよお姉ちゃん私は何にもしないから……ね」ナデナデ

照「ごめん……ごめんね……うぅぅ」


咲「ご飯はここに置いておくから手錠してても食べれるよね」


照「う、うん」コクコク


咲「トイレもちゃんと用意してあるからね」


照「……」コクコク


咲「それじゃあ学校に行ってくるね」スタスタ


照「…………」


咲「行ってくるね?」


照「い、行ってらっしゃい……」ビクン


咲「行ってくるね?」


照「い、行ってらっしゃい……気を付けて帰ってきてね」


咲「行ってくるね?」


照「行ってらっしゃい……気を付けて帰ってきてね……ずっと待ってるから」


咲「うん!すぐに帰ってくるからねっ」タッタッタ

学校


咲(お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん)・


和「咲さん大丈夫ですか?」


咲「え……大丈夫って?」


和「いえ、なんだか元気が無いみたいでしたから……」


咲「全然いつも通りだよ?」


和「そうですね」


和(最近の咲さんは元気が無いみたいですが……やっぱりお姉さんと仲直り出来なかったからなんでしょうか)


和「そ、そうです!どうでしょうか今日……近くのカフェにでも一緒に行きませんか?久しぶりに麻雀でもしましょう!」


咲「原村さん……ごめんね。今日は買い出しがあって」


和「そ、そうですか残念です」シュン


咲「あ、あのね!原村さん」


和「は、はい!」


咲「原村さんが良かったらなんだけど買い物に付き合ってくれないかな」


和(つ、付き合うって///)


和「はい!不束者ですがよろしくお願いします!」


咲「えっと……買い物だよ?」


和「は、はい!勿論わかってます」アセアセ

スーパー


咲「えっとチョコレートと小麦粉と砂糖とホイップクリームと……」


和「ず、随分甘ったるそうなものを買うんですね」


咲「うん、あんまりお菓子とか作った事ないから練習しようと思って」


和「お菓子ですか……でもどうして急にお菓子を作ろうと?」


咲「食べてほしい人がいるからかな」ニコ


和「さ、咲さん///」

和「あの…そういえばIPS……」


咲「あ、その話はもういいから」


和「そうですか……」


咲「さすが100回以上聞いてるからね」


和「でも最近は男性器の移植だって出来ますし」


咲「原村さん……あのね。どうしていつも原村さんは身体の話ばかりなの?」


和「えっ……」


咲「恋っていうのは身体よりも心だと思うんだよね」


和「私もそう思います!相手の同意もなしに性行為に走るのは最低です」


咲「誰もそんな話してないよ……」


和「あ……すみません」

咲「原村さん」


和「……はい」ズーン


咲「原村さんはどんなお菓子が好きかな?」


和「えっ……それってどういう」


咲「原村さんは大切な友達だから、私のお菓子を食べてほしいんだ」


和「い、いいんですか」パァー


咲「当たり前だよ。私、原村さんがいなかったら麻雀を本気ですることなんて出来なかったと思うから」


和「咲さん!」

帰り道


和「咲さん……名残惜しいですがここでお別れですね」


咲「くすっ、もう……原村さんってば大袈裟だよ。明日も学校でね」


和「は、はい……あのお菓子の事ですが……。私は咲さんが作ったお菓子なら何だって構いませんから」


咲「原村さん……うん、まだ初めたばかりだから上手く出来ないかも知れないけど頑張ってみるよ」


和「はい!楽しみにしています」バイバイ


咲「今日も原村さんは元気だったなぁ。さてとお姉ちゃんも待ってることだし早めに帰らないと」コトコト

咲「あれ?私の家に誰かいる……誰だろう?」コトコト


咲「あの……すいません」


淡「あ、サキ 久しぶりー!」ダキッ


咲「えっ淡ちゃん!?ここ長野だよ」


淡「知ってるよ!そんなこと今日はサキに会いに来たんだよ」


咲「えっ……どういう事?」


菫「お前はもう少し落ち着け、咲ちゃんが困ってるだろ」

咲「あ、菫さん久しぶりです」ペッコリン


菫「久しぶりだな……その……あの時以来だな、すまなかった。あの時は力になれなくて」


咲「いえ……菫さんが私のために頑張ってくれたのは知ってますから」


咲(それに……お姉ちゃんは、もう私のものだから)


咲「えっと今日はお二人ですか」


淡「そうだよー!サキに会いたくて来ちゃった」

菫「淡がどうしても行きたいとうるさくてな仕方なく、まぁ保護者のようなものだな」


淡「菫は、ああ言ってるけど保護者は私だからねっ!」


咲「あはは……」


淡「今の言葉信じてなさそう」ムッ


咲「そ、そんなことないよ。淡ちゃんって大人の貫禄出てるし」


淡「だよねー!」エヘン


咲「あ、ここで話すのも何ですし良かったらどうぞ」


菫「ああ、悪いな。その代わりに私が荷物を運ぼう」


咲「あ、別に結構ですから」


菫「なに、力ならある方だ気にしなくても良いさ」

咲「そ、それじゃあ、お願いします」


菫「結構重いな何が入ってるんだ」


咲「お、お料理の材料とかです」ガチャリ


菫「どうりで重いわけだ」


咲「どうぞ……あ、お茶入れますね」


菫「ああ、すまない。荷物は机の上に置いて構わないか」


咲「はい、ありがとうございます」

淡「サキの家っていい匂いするね!ソファとか」スンスン


菫「ここは人の家だぞ迷惑かけるなよ」


淡「大丈夫だよ!確かに今はサキの家だけどもうじき私の家になるから」


淡「だって私とサキはいつか結婚するからね!」


菫「はぁ……」


咲「あはは……」

数時間後


淡「…………」スゥー


咲「寝ちゃいましたね」


菫「まったく……勝手に騒いで勝手に眠るんだから困ったもんだよ」ツンツン


淡「んんっ…………んー」スヤッ


咲「今日はいつもよりも元気だった気がします」


菫「そうだな……溜まっていたんだろうな」


咲「溜まって……?」


菫「…………」


咲「…………?」


菫「少し場所を移そう。今から二人きりで話したい事がある」


咲「えっと……分かりました」

咲の部屋


咲「話って何ですか」


菫「落ち着いて聞いて欲しいんだが……照が……君のお姉さんが行方不明になった」


咲「えっ……お姉ちゃんが……そんな」


菫「私も信じられないが……真実だ。警察にも捜索願いを出しているが正直、手詰まりな状況だ」


咲「手詰まりって……どうして手詰まりなんですか!手がかりの一つや二つ」


菫「すまない…何も出来なくて」


咲「菫さん……」


菫「気休めかも知れないが照の事だ。しばらくしたら何事も無かったように姿を見せるかも知れない」


咲(菫さんの前には2度と現れないよ)

咲「そう……ですね。お姉ちゃん道に迷いやすいから」


菫「ああ、仕方ない奴だよ。まったく」


咲「でも……何だか悔しいです」


菫「悔しい?」


咲「はい、実の姉妹のはずなのに……お姉ちゃんの事……何も知りませんでした。それが悔しくて……」


菫「仕方ないさ離れて暮らしているんだから。それにニュースや雑誌では報じてないからな」

咲「淡ちゃんも知らないんですか」


菫「部員には動揺を与えないためにも長期旅行という事にしてある」


咲「そうなんですか……」


咲(ん?なんだろう菫さんの指に光る物があるけど)ジー


菫「ん?どうしたんだ」


咲「えっと……その指輪……」


菫「ああ、これか……これは照から貰ったんだ。」


咲「……えっ」

ネタが尽きたので今日の投下はこれで終わります

菫「全国が終わった後にな……告白されたんだよ……指輪もその時に貰ったんだ」


咲「そ、それでっ!付き合ったんですか」ガシッ


菫「さ、咲ちゃん……?」


咲「あ……えっと、すみません……色んな事が起こりすぎて……ちょっと取り乱したみたいです」


菫「そ、そうか」


咲「その……お二人は付き合ってるんですか?」


菫「ああ、一年後には結婚もする予定だ」


咲「そうですか……」キリリ


菫「安心してくれ結婚する前に照には咲ちゃんに仲直りするように言ってあるから」


咲「……ユルセナイ」


菫「咲ちゃん?」


咲「あ、はい!ありがとうございます」


菫「…………?」

菫「もう、こんな時間か……さすがに長居しすぎたな私達はそろそろ宿に戻るよ」


咲「そんな……別に今日ぐらい泊まって行っても……」


菫「それじゃあ予約した宿の人に悪いだろ?」


咲「それもそうですね」


菫「ほら、お前もいい加減起きろ」ユサユサ


淡「うぅ……もう少しだけぇ」スヤァ


菫「はぁ……よいしょっと」ドサッ


咲「淡ちゃんが担がれてるよ……」


菫「言っただろ?力はあるほうだって」


咲「すごいです……」

菫「また、照について分かった事があればまた来るよ」


咲「あ……それなら電話番号を……」スッ


菫「これは携帯……ではないな」


咲「携帯はまだ使いなれなくて……すいません」


菫「いや、いいさ。咲ちゃんも何か分かることがあったら教えてくれ」スッ


咲「あ……はい」


菫「そういえば1つだけ言い忘れていたが……」













菫「お菓子の食べ過ぎはよくないぞ」


咲「……えっ」


菫「それでは失礼する」スタスタ

咲「……」


咲(嘘……もしかして狙い撃ちされた!?)


咲(お菓子の食べ過ぎって……つまりは荷物の中身を見られたって事だよね……)


咲(あれだけのお菓子を食べるのはお姉ちゃんだけ)


咲(もしかして、その事から私がお姉ちゃんを監禁したって推理したんじゃあ……)


咲「ど、どうしよう」ガクガク

咲(で、でも……まだ確信には至っていないはず……今ならまだ何とかなるかも知れない)


咲(そうだ……菫さんを監禁すれば良いんだよ)


咲(それで……調教して言う通りにすれば邪魔者はいなくなる)


咲(それどころか……警察の情報とかも事前に察知できるはず)


咲(元々、菫さんにも聞きたいことはあったし)


咲「ふふ……ふふふふ……か、完璧だよ」

咲「そうと決まれば菫さんの宿に侵入して……」


咲「うぅぅ……宿の場所が分からないよ」


咲(と、とりあえず電話番号は分かってるんだから問題ないよね)


咲(今から電話するのは怪しまれるから明日か明後日に電話してと)


咲「とりあえず今はお姉ちゃんに会わないとね」ニコッ

宿


菫「それにしても咲ちゃんには悪いことをしたかもしれないな」


菫「あれを食材と言うから心配で注意したんだが」


菫「予想以上に恐がらせてしまったようだ」


菫「そんなに厳しくしたつもりは無かったが」


菫「はぁ……照の妹だから……つい構ってしまう」


菫「私もしっかりとしないとな」


菫(照がいなくなって1週間……何か手がかりでもと思ったが)


菫(咲ちゃんも、あの様子だと知らないようだし)


菫(とりあえず、他に行く宛がない以上 咲ちゃんからの連絡に期待するしかないか)


菫「照……無事でいてくれよ」

地下室


咲「お姉ちゃん帰ってきたよ?」・


照「さ……咲……おかえり……」ビクン


咲「お姉ちゃん帰ってきたよ?」


照「咲……おかえり……道に迷わなかった……」


咲「もぅ、さすがに自分の家ぐらい帰ってこれるよ」


照「…………」


咲「どうして黙るの?」


照「ご、ごめん……そんなつもりじゃ……」


咲「ふふっ……冗談だよ。そんなに恐がらないで。私はお姉ちゃんが悪いことしない限り何もしないよ」

照「わ、私は何もしない」コクコク


咲「そうだよね。お姉ちゃんは私に嘘ついたりしないよね」


照「当たり前……さ、咲は家族……そんなことはしない」


咲「私の事騙さないよね」


照「…………」コクコク


咲「じゃあ質問していいかな?お姉ちゃんは好きな人いる?」


照「さ、咲以外にいない……だから安心して……」ガクガク


咲「うん、そうだよね。お姉ちゃんは偉いね」ナデナデ

咲「ご褒美にお風呂に入らせてあげるね」


咲「三日間もお風呂入ってないもんね」


照「えっ……いいの!お風呂入ってもいいの!」


咲「くすっ、お姉ちゃん子供みたいだよ」


咲「言っておくけどバケツで洗うだけだよ。逃げられると困っちゃうから」


照「それでも構わない、ありがとう……咲」


咲「えへへ…今から用意してくるから待っててね」

咲「はい……バケツ持ってきたよ」ヨイショ


照「あ、ありがとう」


咲「ちゃんと髪とかも洗ってあげるからね」


照「う、うん……ありがとう……咲」


咲「それじゃあ……スカート脱がすね」パサパサ


咲「綺麗な下半身」ムラァ ・


照「咲……それよりも早くお湯をかけてほしい」


咲「あ……ごめんね。お姉ちゃん今かけるから」バシャン


照「ゲホッ……つ……冷たい……どうして……」

・はミス

咲「私は……一言もお湯なんて言ってないよ。良かったね水風呂に入れて」バシャン!バシャン!


照「い、息が……はぁ……はぁ……うっ……」


咲「これは躾なんだよ?」バシャン


バシャン バシャン


咲「お姉ちゃんが私を騙すから……」


照「ゼェ……ゼェ……ん……はぁ……騙した……何が……」


咲「弘世菫さん……知ってるよね」


照「も、もしかして……」

咲「くすっ、どうしたのお姉ちゃん顔色悪いよ」


照「待ってお願い!菫には手を出さないでっ!お願いだから」


咲「…………」


咲「どうして……そんなに必死になるの?」

バシャン


咲「やっぱり好きなんだ……そうだよね菫さんは優しいもんね」バシャン


照「ふざけないでっ……菫に何かしたら……」キッ


咲「そういう顔も出来るんだね……くすっ」

咲「安心して菫さんは殺さないよ……お姉ちゃんが私の事を愛してくれれば」


照「…………分かった。私は咲のもの……これで満足」


咲「うん満足だよ。それじゃあ、お姉ちゃんの処女もらうね」


照「えっ……」


咲「愛し合ってるんだから問題ないよね」ニコッ


照「……好きにすればいい」ポロポロ


咲「泣いちゃうほど嬉しいんだね。私もだよ」

照「咲……」


咲「お姉ちゃん……」


咲は私の涙に、泣き顔にそそりたったのか


顔を紅葉させると私の顔に舌を這わせた


舌はまるで生き物ように動き私の涙を綺麗に拭き取る


ほんの少しの嫌悪感とほんの少しの快感が咲の舌から私に伝わる


咲「えへへ…お姉ちゃんの体液おいしいよ」


照「もう辞めて……」


咲「ダメだよ。まだキスもしてないんだよ」

咲「大丈夫……気持ちよくしてあげるから」


口から漏れる吐息が私の口に当たる


なんとも表現しずらいもどかしさが唇を敏感にした


咲は焦らすように顔を近づけながら何度も唇に息を吹き掛ける


照「するなら……早くして」


私がキッと睨むと咲は妖しげに笑う

咲「そんなにキスしたいんだね……可愛いお姉ちゃん」


照「なっ……違っ……んん」


私の言葉を塞ぐように咲は唇を私の唇に重ねる。

滑りと吐息が口内を駆け巡り薄い快感が襲った


じんじんと今まで冷えきっていた身体に熱が帯びてきているのが分かる


頭がふわふわで真っ白で……ぼぅーとしてしまう


それと同時に呼吸が出来ない苦しさも生じたが……その苦しさも快感に置き換えてしまう


咲「んんっ……ふぁ……れろぉ……」


咲の艶やかな声が耳を犯す

咲の唇が私の意思を犯す

気がつけば私自身も咲を欲していた


勿論それは生物が取る自然な欲求としてであって……決して心を許したわけではない


咲「それじゃあ……指……入れていいよね」


照「ぷはっ……はぁはぁ……はぁ」


私は息も絶え絶えだというのに咲にはそんな様子は感じられ無かった


今さら拒絶をしたって仕方ない


私は無言という最悪の言い訳で承諾する


咲は楽しそうに微笑し中指と人指し指の二本を私の性器に軽く入れる

照「あっ……そこは……」


咲「お姉ちゃん気持ち良い?」グチュクヂュ


照「…………」


咲「ふぅーん答えないんだ」グチュクヂュ


照「あ、待ってっ!んっ……あっ」


咲「お姉ちゃんを気持ちよく出来るのは私だけだよ」グチュクヂュ


照「んっ……はぁん……はっ……あ」


咲「イっていいよ」ニコッ


照「あっ……ふぁっ……あぁぁあぁあ……ッ」ビビクン


咲「気持ちよかった?」


照「…………」コクン


咲「くすっ、それじゃあ貝合わせしちゃうね」

咲「お姉ちゃん……また来るね」コトコト



照「…………うぅ……えっく……ひっく」



照「ごめん菫……本当にごめん」ポロポロ

次の日


和「あ、咲さんおはようございます!」


咲「原村さん、おはよう」


和「あ……えっと……その今日は……」モジモジ


咲「うん?どうしたの」


和「お、お菓子を……」


咲「お菓子?」

和「ほら、言ったじゃないですか……明日お菓子をプレゼントするって」


咲「ああ、確かに言ってたね」


和「じゃ、じゃあ!」


咲「ごめんね。忘れちゃってたよ」


和「そ、そんなぁ」ションボリ


咲「ごめんね」


咲「…………!」キュピーン


咲(今……誰かが私を見ていたような……)


咲(もしかして菫さんに監視されてる?)


咲「そ、それよりも早く行こう」


和「えっ!?でも……まだ時間はたっぷり……って……わわっ、引っ張らないで下さいよ」タッタッタ

学校


咲「た、たまには走るのも良いよね……はぁ……はぁっ」


和「咲さん大丈夫ですか」


咲「だ、大丈夫」


咲(でも菫さんに監視されてるなら自由に動けないよ)


咲(私に彼女が入れば誤魔化せるんだけどなぁ)


和「咲さん?」


咲(まさか彼女がいるのに実の姉を監禁なんてするとは菫さんも思わないだろうし)


和「咲さーん?」


咲「原村さんは少し静かにしてて」


和「はい」シュン

咲(でも私に好意を持ってる人なんて……)


和「…………」チラチラ


咲「原村さん!」


和「は、はい何でしょうか」


咲「私と付き合ってくれる?」


和「えっ……本当ですか!」キラキラ


咲「うん」

一時間前


菫「結局、照については情報は無しか」


菫「咲ちゃんに、もっと詳しく照の事を聞くしかないか」


咲「」


和「」


菫「咲ちゃんにあれは……確か清澄の副将……」


菫「とりあえず声を……」


咲「そ、それよりも早く行こう」


和「えっ!?でも……まだ時間はたっぷり……って……わわっ、引っ張らないで下さいよ」タッタッタ


菫「行ってしまった……昨日の件で嫌われたのだろうか」


菫「近いうちに誤解を解く必要があるな」

学校


和「あの……咲さん付き合ったからには……出来ればで良いんですけど名前で呼んでくれますか」


咲「うん……分かったよ原……和ちゃん」


和「まだ少しぎこちないですね」


咲「うん、でもきっと少しずつ馴れてくると思うから」


和「そうですね、それじゃあ……お昼にしましょうか」


咲「うん」


和「あ、あの咲さん……良かったら……なんですけど……今日、咲さんの家に泊まっても構いませんか」ムラァ


咲(菫さんがいつまでいるか分からないけど、そんなに長くは居られないはず)


咲(それまでに菫さんには私と和ちゃんが付き合っていると思わせないと)


咲「うん良いよ」ニコッ

咲の家


和「ここが咲さんの家……」スゥーハー


和「咲さんの匂いがします」


咲「和ちゃん恥ずかしいよ」


和「恥ずかしがる必要なんてありません!私達恋人なんですから」


咲「そういうものかな?」


和「はい、そういうものです」

咲「和ちゃん良かったらコレ」


和「こ、これはクッキー!?これは咲さんが……」


咲「うん。学校では持ってくるの忘れちゃってたから」


和「咲さん!ありがとうございます」


和「大切に保管しますね!」


咲「出来れば食べて欲しいかな」


和「それもそうですよね。それでは一口」モグモグ

咲「味はどうかな?」・


和「…………」ポロポロ


咲「の、和ちゃん?」


和「す、すいません……あまりも夢のようで……」モグモグ


咲「もう、和ちゃんってば大袈裟だよ」


和「わ、分かってるんですけど……嬉しすぎるんです」


咲「くすっ……クッキーぐらいならまた作ってあげるから」


和「は、はい」

咲「もう夜も遅いし……お風呂どっちが先に入ろうか?」


和「あ……なら私は後で構いませんよ」ニコ


咲「それじゃあ先に入るね」スタスタ


和(計画通り。これで咲さんの残り湯は私のものです)


和「ついでに咲さんの家の物でも物色しますか」ガサゴソ


和「ここは咲さんのトイレ……」ガサゴソ


和「ここは咲さんの部屋」ガサゴソ


和「ここは咲さんのお父さんの部屋なのでスルーします」


和「……??ここは……何の部屋でしょう?」


和「私、気になります」ガチャリ

和「どうやら地下まで続いているみたいですけど……」スタスタ


照「ひ……ひっ……さ、咲なの」


和「……えっ?」


和「あ、あの……貴方は……咲さんのお姉さんの……」


照「だ、誰?」


和「あ、えっと原村和です」


照「そ、そう……それよりも助けて欲しい……手錠と足枷で自由に動けない」

和「ちょ、ちょっと待って下さい!いったい何が起きてるんですか!」


照「咲に監禁されてる……だから早くここから脱出したい手伝って!」


和「さ、咲さんが監禁……何言ってるんですか!咲さんはそんな事をする人じゃありません」


照「咲は貴方の思っているような人じゃない……昔から私を束縛していた」


和「咲さんを悪く言わないで下さい!」パシーン


照「………………」

和「あっ……すみません。取り乱してしまいました」


照「貴方が咲をどう思っても勝手だけど、脱出は手伝って欲しい」


和「……そうですね。こんな姿……見ていられませんし」


照「手錠の鍵は咲のスカートの右ポケットにあるはず。足枷の鍵は分からない」


和「それも探さないといけませんね」


照「最悪足枷さえ外れれば何とかなるから足枷の鍵だけでも見つけて」


和「分かりました……ですが勘違いしないで下さい。私は咲さんを疑ってはいませんから」


照「……そう」


和「それでは」スタスタ

和(取り合えず咲さんが鍵を持っているか確認する必要があります)


和(咲さんは今もお風呂に入っているんでしょうか?)


浴室


和「どうやらまだ入っているようですね」


和「ごめんなさい咲さん」ガサゴソ



和(これが手錠の鍵ですね。後は足枷の鍵を見つければ)ガサゴソ


和(足枷の鍵はここには無さそうです。別の部屋を見てみましょう)


咲「…………」

和(結局、足枷の鍵は見つかりませんでした)


和(早くしないと咲さんがお風呂から出てきてしまいます)


和(一応咲さんの家の大部分は最初に物色したはずなので鍵があれば分かるはずなんですが)


和「そういえば咲さんのお父さんの部屋がまだでした……一応調べてみましょう」ガサゴソ


和(まさか本当にこんな所で見つかるとは……)


和「急いで届けないと」タッタッタ

地下室


照「鍵は……見つかった?」


和「はい、二つとも見つかりました」


照「そう」


和「今から外しますね」ガチャガチャ


和「手錠はこれで外れました後は足枷だけですから」


照「これで……ようやく自由に……あ、い、いやあぁぁあ!」


和「ちょっとどうしたんですか!しっかりして下さ……」ドスッ

咲「はぁっ……はぁっ……の、和ちゃんが悪いんだよ!」


咲「私を裏切るから!」


咲「か、花瓶が割れちゃった……」


照「い、いやあぁぁあ来ないでっ!もう来ないでっ!!」


咲「あぁ、うん。ごめんね和ちゃんは来させないようにするから」


和「咲……さん」ガシッ


咲「和ちゃん……鍵返してもらうね」

和「い、嫌です」


咲「和ちゃん……まだ立てるんだね。無理しない方が良いよ」


和「嫌です!咲さんにこれ以上手を汚させません」


咲「和ちゃんも邪魔するんだ……信じてたのに」


和(頭が少しぼぅーとします)


和(取り合えず今は咲さんと戦うよりも外に出るのを優先した方が良いはず)


私は咲さんと距離を取ります


頭がふらふらで微妙な距離感は分かりませんが取り合えず距離を取ることには成功しました


咲さんは花瓶の破片を構えると私に突進して来ます


咲「ごめん和ちゃん!」タッタッタ


和「うっ……くっ」


私は咲さんの攻撃を何とか避けると


そのまま咲さんを無視して階段を上ります


取り合えず助けを呼ばないと……私の頭の中はそれだけでした

和「と、扉……!」ガチャガチャ


ノドチャン……ニゲルナンテヒドイヨ


ノドチャン


和「ど、どうして開かないんですか」ガチャガチャ


分かっています


本当は開くことなんて簡単に出来るはずなんです


でも恐怖で……身体が……


和(このままじゃ……追い付かれる!逃げないと)


咲さんはまだ地下室にいます。


私は急いで二階に上がると押し入れに息を潜めました

和(大丈夫……ここならバレないはずです)


ノドチャン……ノドチャン……ナニモシナイカラデテオイデ


ノドチャン……ワタシノドチャンニワルイコトシタカナ


和(だんだん声が近づいてくる)


ノドチャン、オハナシシタイナ


ノドチャン……


ギィイパタン


和(部屋に入ってきました……)ガクガク


ノドチャン……


ノドチャン……


ココニハイナイノカナ……


…………


……

和(あれから、30分経ちました)


和(咲さんの声は聞こえなくなったみたいですけど)


和(恐らくお姉さんの方へ向かったんでしょう)


和(取り合えず、ここから出て助けを呼ばないと)


私は押し入れの引き戸を開きます


そして……絶句しました


そこには満面の笑みの咲さんが立っていたからです


咲「ノドチャン、ミィ~ツケタァ」

和「ひ、ひっ!」


私は恐怖のあまり、その場にあるものを手当たり次第に投げつけます


もう無我夢中でした・


いくつかは咲さんに当たり、いくつかは壁に当たりガシャンと大きな音を立てます


それすらも私には恐怖の養分になりました



咲「痛いよ和ちゃん……どうしてそんなことするの」ニコッ


和「ひっ……ひぃぃ!」


ピーンポーン


咲「……!」

ピーンポーンピーンポーン


和「た、助けてください!」


和「咲さんがおかしいんです!!」


和「だ、誰か……」パタン


咲「静かにしないと御近所さんの迷惑になっちゃうよ」ビリビリ


ピーンポーンピーンポーン


咲「遅れてごめんなさい」ガチャリ


菫「や、やぁ。すまないな何度も」

咲(菫さん……お姉ちゃんを奪おうとする敵)


咲「い、いえ。今回は何の用なんですか」


菫「いや家の中から大きな物音が聞こえてな照の事もあるから心配になってな」


咲「さ、さっきホラー映画を見ていたんです……だ、だから……」


菫「咲ちゃん……!血が出てるじゃないか!」


咲(しまった和ちゃんの返り血が……)


咲「実は包丁で指を切っちゃって……」


菫「胸に血がついてるのにそんなわけないだろ」

咲「あ……えっと……これはケチャップです。その……こぼしちゃって」


菫「なるほど……あまり驚かせないでくれ」


咲(ふぅ……なんとか誤魔化せたよ)


菫「ところで着替えの服は何処にあるんだ?」


咲「二階の押し入れですけど、どうしてですか」


菫「そうか、なら上がらせてもらう」


咲「えっ、どうしてですか?」


菫「さすがにケチャップの付いた服では居られないだろ取ってくるよ」スタスタ


咲「あ、ありがとうございます」


咲「…………」


咲(二階には和ちゃんがいるんだった)

菫「確かにここかな?」ギィイパタン


和「」


菫(人が倒れている)


菫「だ、大丈夫か君!」ユサユサ


和「う……うぅ……さ、咲さんは……?」


菫「咲ちゃんなら玄関にいるが……」


菫「それよりも、血だらけじゃないか」


和「私の事は構わないで下さい。それよりも今の咲さんは危険です早く逃げて下さい」


菫「咲ちゃんが危険……?それはどういう意味だ?」


和「咲さんのお姉さんが監禁されてるんです」

菫「照が監禁……何処に」


和「この家にです」


菫(照の事は咲ちゃん以外知らないはず。それを知っている)


菫(この娘が嘘をついているとは考えられない)


菫「分かった信じる。照の場所まで案内してくれ」


和「ですが……下には咲さんが」


菫「安心してくれ。仮に咲ちゃんが襲ってきても対応できる」


和「そうなんですか?」


菫「私は少し前、弓道をやっていたんだ。なんとかなるさ」



和「分かりました。ついてきて下さい」スタスタ


菫「ああ」

地下室


照「…………」


照(あの娘……逃げ延びているのかな)


照(咲はまだ来ていない……これは和がまだ捕まっていないという事)


照(願わくは助けを呼んで欲しいけど……)


照「菫ぇ……会いたいよぅ」ポロポロ


菫「私もだ、照……会いたかった」

照「ふぇ?……私ついに幻覚まで見えるようになったの」


菫「私のどこが幻覚に見えるんだ」


照「菫は東京にいるはず、なのに……ここに現れるなんておかしい」


菫「お前が困っていたら何処にだって現れるさ。それじゃあ足枷を外すぞ」ガチャガチャ


照「菫ぇ……うぅぅ……うわあぁぁん」ポロポロ


菫「よし外れ……こら、あんまり抱きつくな……まったく世話のかかる奴だ」ナデナデ


照「会いたかったよぉ……えっく……ひっく」ポロポロ


菫「よしよし、よく頑張ったな」ナデナデ

和「二人とも良い雰囲気なところ悪いですが、そろそろ行きましょう」


菫「そうだな、取り合えず私の宿に向かおう」


菫「照……立てるな?」


照「…………」コクン


菫「よし」スタスタ



和「良かった鍵が開いてます。急ぎましょう」スタスタ


照「わかった……」スタスタ


照「さぁ……菫も……菫!後ろ!」


菫「後……ろ……?」グサッ


菫「し、しまった……」


菫「」

咲「お姉ちゃん……どこ行くの?」


照「…………」


咲「こんな夜遅くに外出したらダメだよ」


咲「それにお姉ちゃん迷子になっちゃうでしょ」


咲「ほら早く戻ろうよ」


和「咲さん!いい加減に……」


照「…………」スタスタ パシーン

咲「……えっ」


照「返して……菫を返してっ!」ザクッ


咲「お姉……ちゃん……」ポタポタ


咲「あ、あれ?……い、意識が……寒い……」ポタポタ


咲「寒いよ……お姉ちゃん」


照「……う、うぅ……うううぅぅ!」ポロポロ


咲「」

数週間後


京「原村……今日は部活どうする?」


和「すみません、今日は少し大切な人と待ち合わせをしているので」


京「あ……そっか咲の……分かった。俺も、部活が終わったら、そっちに行くから」


和「はい。でも、週に一回は来てるじゃないですか……あまり無理はしないほうが」


京「それは原村もだろ?」


和「くすっ……そうですね」


私は須賀くんと別れると、そのまま自宅へと向かいます

自宅の前には若い女性が二人立っていました


和「菫さん、照さん、お久しぶりです」


菫「久しぶりだな。前に和が東京に来て以来だな」


和「はい。二人とも相変わらずみたいですね」


照「それはおもちの事を言っているの?それなら許さない」


なぜか照さんは私の胸を凝視してそう言います


和「今日はどのような用件ですか?」

照「私たちはあと数ヵ月で結婚する……だから、その結婚式の招待状を渡しに来た」


照「あと……里帰りに……お父さんとも会話しないといけない」


照さんの言いたい事はよく分かりました


女性同士が結婚できるようになったのは最近の事です


まだ偏見も根強く残っています


ましてや照さんは有名人なんですから


逆風が他の人よりも強いのかもしれません


女性同士の結婚というのは色々と障害があるのでしょう


和「頑張って下さい」

菫「すまないな、本当ならもう少し会話していたいんだが」


菫「お義父さんを待たせるといけないだろ?」


和「はい、私も用事がありますから」


菫「咲ちゃんのところかい?」


和「はい……あの……照さんも一回だけでも良いから見に行ってあげてください」


私の言葉に彼女は首を振ります


その表情はとても悲しそうでした


照「私が咲と会ったら、きっと咲を苦しめると思うから」


和「……そうですか……」


菫「今はまだ会えないかも知れないけど照も咲も……そして私も時間が立てば会える心準備だって出来る」


菫「だから原村にはそれまで待ってほしい」


和「そうですね……」


二人はそれだけ言うと行ってしまいました私も、もう時間がありません


大阪までは距離があるのですから

訂正

心準備→心の準備

荒川病院


京「悪い原村!遅れた」


和「普通女の子二人を待たせるなんてあり得ませんよ」


京「だから謝ってんだから許してくれよ」


和「それは後で考えます。それよりも早く行きましょう咲さんが待っています」


京「そうだな」


荒川病院……日本一の精神病院です。


咲さんは、あの事件の後


一時は意識不明の重体に陥りましたが無事生還しました


ですが実の姉からの拒絶によって精神に大きなダメージが残ったのです

和「咲さん……入りますよ」ガラガラ


咲「お姉ちゃんってば……やっぱり私が居ないとダメだね」ブツブツ


私の問いかけに咲さんは反応しません


咲さんの世界には私は存在しないのですから


京「咲、来てやったぜ。今日は調子どうだ?」


咲「…………」ブツブツ


京「相変わらずってところか」


京「そういえば、お前が前から欲しがってた本……買ってきたけど読むか」


スッ……パサッ

咲「…………」ブツブツ


京「…………」


和「…………」


京「俺さ……ちょっとだけ麻雀が上手くなったんだよ」


京「まだ……お前には勝てないかも知れないけど少しずつ……追い上げて追いかけてるんだ」


咲「…………」ブツブツ


京「他の奴だって強くなってるんだぜ?早く目を覚まさねぇと追い抜かれちまうだろ!」


須賀くんはいつも強いです。私なんて咲さんの姿を見ただけで心が痛くて言葉も録に出ません


ですが、そんな屈強な彼の言葉さえも咲さんには届かないのです

咲「寂しいよ……お姉ちゃん」


和「さ、咲……さん」


咲「お姉ちゃん……行かないで……行かないで」


和「咲さん!」


気がつけば私は抱き締めていました


もう……こんな咲さんを見ていられないのです


和「咲さんには……私が居ますから!」


和「咲さんが困った時、辛いとき一緒に支え合いたいんです!私も……!」


和「なのに……咲さんがこっちに来てくれないと支える事も出来ないじゃないですか!」


感情というのは水に似ています


私の感情が流水となり口から言葉として溢れでて来ました


尚も止められず、今度は涙になっています


その時です


咲さんの指がゆっくりと動き私の涙を拭ったのは

和「……えっ」


咲「…………の……ど……ちゃん?」


京「さ、咲!咲が喋った!お、おい!咲……俺が分かるか!?」


咲「京……ちゃん」


京「俺、先生を呼んでくるから原村は咲を見ていてくれ」タッタッタ


和「は、はい」


和「あ、あの咲さん……えっと……その……私……」ポロポロ


咲「和ちゃん……ありがとう」


和「えっ……」


咲「泣かないで。私、和ちゃんを泣かせたくないから」


和「咲さん……どうしてっ!もっと早く目が覚めてくれないんですか……わたし……わたしっ!」


気がつけば無茶苦茶な事を言っていました


本当は沢山話したい事とか合ったはずなのに


私は泣きじゃくる事しかできませんでした


これでは咲さんを支えるどころか私が咲さんに支えられているではありませんか


咲「ごめんね、心配かけちゃって……もう大丈夫だから」ニコッ


和「咲さん……これからは一緒に頑張って行きましょう!」


カン!

afterstory


ガラガラ


京「咲、見舞いに来たぞ」


咲「あ、京ちゃん久しぶり」


京「今日もお土産持ってきたからな!」


咲「うん、ありがとう……」


咲「なんだか今日は機嫌が良いね」


京「ん?そう見えるか?」


咲「見えるというよりはお土産が豪華だからかな」


咲「何か良いことでも有ったの?」


京「実は俺さ……優希と付き合う事になった」


咲「ふぅん……良かったね」

京「あ、あれ?何かリアクションが薄いな」


咲「むしろ今まで付き合って無かったんだって驚くほどだよ」


京「それ……原村にも言われたんだが……なーんか納得できねぇ、こっちは必死だったのによ」


咲「ははは……」


京「…………」


咲「…………」


咲「後数日でお姉ちゃんの結婚式だね」


京「知ってたんだな」


咲「ニュースでも報じてるぐらいだからね」


京「そうだな」

咲「私……結局、招待状貰えなかったよ」


京「安心しろ俺も貰ってない」


咲「私は姉妹なんだよ?普通、なら挙式に出ても、おかしくないよね」


咲「私……お姉ちゃんに嫌われてるのかな」


京「逆だろ。好きだから会えないんだろ」


京「お前の姉だって会いたくて仕方ないんだよ。でも会ったら互いが傷つくのを知ってるんだ。だから会えないんだろ」


咲「そうなの……かな」

京(最近の咲の精神状態は安定してるって言ってたけど)


京(まだ、退院できないって事は姉への執着が抜けきれて無いって事なんだよな)


京「お前の場合、人を好きになる以前に人を理解する事から始める事だな」


咲「理解……?」


京「姉の事が好きなら理解して受け止めろって事だ」


京「姉がお前の事をどう思っているか……お前がちゃんと姉を理解してやれば、嫌われてるなんて思わないはずだぜ」


咲「京ちゃん……」


京「ま、その為にも早く退院しないとな」

咲「……そうだよね。私……お姉ちゃんの事が理解できていなかった気がするよ」


京「え?ああ……そうだな。それじゃあ俺……今日は帰るわ」


咲「うん……ありがとう京ちゃん」


ガラガラ


咲「そうだよね……私、お姉ちゃんをもっと理解すべきだったんだ……」


咲「そんな事も気づかないなんて」


咲「結婚式に行かないと……!」



ガラガラ


憩「宮永さん……検査の時間ですよー?」


憩「だ、誰もおらへん……どうなってるんや」


憩(窓が空いてるけど……まさかな)


憩(とりあえず確認しとこ)


ガラガラ


憩(……とりあえず自殺って事はないみたいやな)


憩(それよりも早く探した方がええな)アタフタ

今日は挙式当日


自分らしく無いほど緊張しているようだ……


こういうのは馴れていないからか


それにしても照の奴……遅いな


菫「照がここで待ち合わせと言ったのに」


やはり迎えに行くべきだったのだろうか?


その時、私の携帯が鳴る


2年前から大切にしている携帯だが電話が掛かってくる事はほとんどない


そんな異常な事態だから……つい顔をしかめてしまう


何か嫌な予感がする


私はそんな胸の内にある不安を拭うためにも電話に出た

菫「もしもし、照……なのか?」


照『菫……大変な事が起こった』


菫「大変な事?」


いつもはメールでの会話を好む照が電話をするとなると緊急事態の可能性が高い


いつの間にか背筋が伸びていた


照「道に迷った」


菫「…………」


拍子抜けした。肩の力が一気に脱力する


菫「今……どこにいるんだ?」


照「分かっていたら苦労はしない」


菫(そりゃそうだ)


照「ホテルのロビーで待ってる」


菫「ああ、分かった」


菫(最近は道に迷う数が減ったと思ったのになぁ)

菫(さすがにホテルは広いからな)


私は階段を降りてロビーに向かう


そこには照がキョロキョロと辺りを見回している姿があった


菫(あいつは何やってんだか)


菫「おい、早くしないと間に合わないぞ」


照「うん、今いく」スタスタ トテッ


菫「だ、大丈夫か!?」


照「ウエディングドレスが長いのが悪い……」

照「菫がウエディングドレスを着れば良かったのに」


菫「俺よりもお前の方が似合ってるからな」


照「菫も十分可愛い」


菫「なっ!?……か、かわいいって……お前なぁ」


照「くすっ、菫が照れてる」


菫「て、照れてない、それよりもほら行くぞ時間が無いんだ」

挙式


淡「テルー久しぶり!百年ぐらい経ったんじゃないかな」


照「私はそんなお婆ちゃんじゃない」


誠子「あの……良かったらこれ受け取って下さい」


照「これは……花束?」


誠子「はい。ナルコユリっていう花らしいです」


照「ありがとう……凄く嬉しい」



尭深「私は……これを」


照「お茶の葉?尭深らしいね」

ツヅイテーシンロウー


菫「そろそろ時間だな」


照「大丈夫」スーハー


私と照は互いに目を見合わせる


照の頬は紅葉しており、いつもとは違う色めかしさがあった


私は照の唇に自分の唇を重ねる。本の僅かな滑りが唇に伝わる


そして滑りとした感触が口内に侵入してきた


菫「んん!……て、照……舌が……」


照「はぁ……んん!どう……気持ちよかった?」


菫「は、恥ずかしすぎて分からなかった」


そんな訳はない。凄く気持ちが良かった


平生の時とは違う積極的な照にドキドキした


でも、それを認めるのが恥ずかしくて、そう言ってしまったのだ

結婚式が終わり

私達は予約しているホテルへと向かう


照「私……やっと理解できた気がする」


菫「理解……?あぁ……咲ちゃんの事かい」


照「…………」


あの事件以来、咲ちゃんの話題を照は出さなかったので少し驚く


でも……そうか結婚式を経て少し照の心の整理が済んだのかも知れない


咲「お姉ちゃん。結婚おめでとう」


照「…………!!」


菫「どうしたんだ?」


照「咲の声が聞こえた……おめでとうって言ってた」


菫「そうか、きっと咲ちゃんも祝っているんだろ……きっと」


照「うん、そうかも知れないね」ニコッ


もういっこカン!

ヤンデレ咲さんを書きたくてつい書いてしまった
HTML化スレに出しときます

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