【艦これ】隼鷹「エリア88」 (292)
※艦これとエリア88を8:2か7:3で混ぜました
※キャラ崩壊等なんでもアリ
初めて投稿する新人なのでご指導ご鞭撻、よろしくです。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1426334451
~鎮守府海域~
イ級「サゲン、テキカン!カイヒセヨ!カイヒ・・“ガボッ”」
隼鷹「当たりどころが悪かったなぁ・・・これじゃ助からん」
イ級「ギャアアアァァ」
隼鷹「エリア88、司令部!」
隼鷹「鎮守府海域、ポイントAより深海棲艦の駆逐艦が接近中!」
隼鷹「こちら軽空母・隼鷹!くりかえす!こちら軽空母・隼鷹!あたしの獲物に手を出すなよ!」
隼鷹「この彗星を買っちまったおかげで貯金が減っちまった。悪く思うなよ」パシュ!
隼鷹「まぁこれでいくらかは稼いだかな、帰投、帰投っと」
~鎮守府~
隼鷹「隼鷹さんが帰ってきたよぉ~」
隼鷹(彗星のおかげで兵隊稼業が伸びちまった)
提督「おかえり、隼鷹、稼いできたようだな」
隼鷹「敵艦2~3隻、吹っ飛ばしてきたさぁ」
提督「補給後、1830より会議室に集合、明日の作戦について説明する。」
提督「君の稼ぎはキルカメラに記録されているから大淀に提出するように、すぐに結果がわかるはずだ」
提督「では、しばしの休息を」
ケツの青い新人なもので何かあったらコメントください
~工廠~
明石「おかえりなさい、隼鷹」
隼鷹「明石さん、彗星のパイロンに50番を装着しておいて~、艦戦の補充もたのむよぉ」
明石「え~と、ちょっと待ってくださいね」ソロバンパチパチ
明石「1000ドルでどうでしょうか?」
隼鷹「高いよ、まけてよぉ」
明石「では850ドルでどうですか?」
隼鷹「ありがあいなぁ、あたしのカードからひいといてちょうだい」
明石「毎度:ありがとうございます」
ここは極東、作戦地区名エリア88
最前線中の最前線!
地獄の激戦区、エリア88!!
生きてドックに入れる運はすべてアラアッラーの神まかせ!!
俺たちゃ神様と手をきって、地獄の悪魔と手をとった。命知らずの外人部隊!!
摩耶「なぁ、あんた軽空母かい?」
摩耶「よ!アタシ、摩耶ってんだ、よろしくな」
摩耶「今日からこのエリア88の仲間入りだぜ!」
隼鷹「軽空母、隼鷹さ。」
摩耶「アタシはここでがっぽり稼がせてもらうんだ。あんたもそうだろ?」
隼鷹「しっかり稼ぎな、死ぬまでに」
摩耶「言うねぇ、あんた」
摩耶「さっきの髪の長い女といい、あんたといいい、どうなってんだい?」
摩耶「なんて名だい、あの長髪野郎は?」
隼鷹「ここの艦隊司令だ。“長門”でとおっているよ」
摩耶「司令?そんなに偉いのかよ!」
隼鷹「このエリア88は外人部隊さぁ。あたしらは国に雇われた傭兵さぁ」
隼鷹「過去も経歴おかまいなしさぁ、そんじゃあなぁ」
~隼鷹部屋~
隼鷹「あと・・・2年と10ヶ月」
隼鷹(こんな生活いやだ!長すぎる!長すぎるよぉ!)
隼鷹(もうたくさんだ、帰りたい。生きて本土に帰りたい)
~会議室~
提督改め長門「作戦を説明する」
長門「攻撃目標は南西諸島海域、沖ノ島周辺だ」
長門「明日、正規軍が作戦を展開する。その露払いにここを叩く」
モブ艦「フラグシップ戦艦の相手かよ、近寄るだけで砲弾の雨だ」
隼鷹「長門!あたしはパスなぁ」
長門「隼鷹、命令拒否は5000ドルの罰金だが?」
隼鷹「承知のうえさぁ、あたしの命は高いんでねぇ」
摩耶「なあ、どういうことだ?」
隼鷹「人によってさぁ、分厚い装甲や足が自慢なら生きて帰れる確率は高い」
隼鷹「あたしの装甲と鈍足じゃ、蜂の巣さぁ」
隼鷹「稼ぎたきゃあ、がんばりな」
初雪「長門・・・わたしも・・・降りる」
長門「初雪か・・・君の貯金ではたりないぞ」
初雪「隼鷹・・・お金・・・貸して」
隼鷹「断る!!死んでこい!!」
深雪「初雪、この深雪様が手伝ってやるよ」
初雪「・・・ありがと」
長門「新入りの摩耶はどうする?」
摩耶「アタシもパスで」
長門「いいだろう」
~格納庫~
隼鷹「どうして出撃しないのさぁ?」
摩耶「ただのカンってやつさ」
隼鷹「??」
摩耶「アンタを見習ってな」
書き忘れたけど、艦娘がゲスくなってバタバタ死にます ごめんなさい
-艦隊出撃の数時間後-
大淀『敵艦隊接近!!ただちに迎撃せよ!!』
摩耶「敵だと!」
隼鷹「空き巣野郎がおいでなすったかぁ!」
摩耶「まさか、アンタ最初っから?」
隼鷹「なんでか知らんがぁ、深海棲艦はこっちの都合を知ってるみたいなんでなぁ」
隼鷹「どうせ稼ぐなら、同じ土俵で獲物を独り占めさぁ」
摩耶(この女、大した奴だぜ)
-次の日-
長門「作戦終了だ、艦隊が帰投したぞ」
隼鷹「おつかれさんっ」
長門「基地を守ってくれたそうだな」
隼鷹「楽な方を選んだだけさぁ」
初雪「隼鷹!・・・夜戦で・・・敵艦2、3隻・・・潰したし」
初雪「私だって本気を出せばやれるし」
隼鷹「深雪はどうしたよ?」
初雪「味方とぶつかって・・・あの世行き・・・運がなかった」
長門「ッ・・・隼鷹、君は何の為に戦う?」
隼鷹「あたしを裏切った奴の為さぁ」
誰かいる? ボリス役募集
>>19 の艦娘はボリス役
しくじった。改めてボリス役募集
>>21 の艦娘はボリス
不知火
コメント感謝します
不知火「生き残りは・・・不知火だけですか」
~艦娘寮~
コツコツ コツコツ スレ違イーノ ドアガバタン
摩耶「ん?さっきの攻略艦隊で唯一の生き残りだろ?」
隼鷹「不知火さぁ」
隼鷹「元呉鎮守府の水雷戦たん、しぶといタフな奴さ」
摩耶「あいつ、電灯つけっぱなしで寝るってマジか?」
隼鷹「暗くすると怖いんだとさ」
摩耶「目つきのわりに可愛いんだな」
~格納庫~
明石「あっ!隼鷹さん、お元気ですか?」
隼鷹「明石さん、そっちは儲かってそうだねぇ~」
明石「大淀さんほどじゃないですけど意外と私もカツカツですよ」
明石「それより、対空機銃の安いのがあるのですが、どうです?」
摩耶「やるねぇアンタも」
明石「ここはエリア88、地獄の1丁目」
明石「ここに来るのは最低野郎だけですよ」
隼鷹「そりゃそうだなぁ、さっきの機銃は幾らだい?」
明石「買います?弾代、工賃込みで200ドル!」
隼鷹「ひゃっはー!バーゲンセールだぁ~!」
摩耶「ちゃんと打てんのかぁ?」
明石「失礼ですねぇ、この工作艦・明石が使えない兵器を売ったことはありません!」
不知火「以前、敵に当たっても爆発しない魚雷がありました」
明石「不知火さん!偶々ですからは大丈夫です!・・・だいじょうぶ・・・」
隼鷹「・・・明石さん、この話はまたの機会にってことでぇ」
明石「不知火さぁ~ん、困りますよぉ」
不知火「不知火達は常に命懸けです。失礼します」
明石「くぅ~~!やられた・・・!」
??「明石さん!」
明石「え!?」
~東部オリョール海~
隼鷹「よーし!改装強化済みの隼鷹さん出撃しちゃうよー!抜錨!」
摩耶「隼鷹、どんな奴が来ると思う?」
隼鷹「今回は敵の輸送艦を叩く。駆逐、重巡あたりがごっそりとだな」
不知火「敵艦発見!徹底的に追い詰めてやるわ」
~深海棲艦陣営~
ヲ級「テイサツキヨリ、テキ、タスウ」
ヲ級「ダンチャクカンソク、カイシ」
ル級、リ級「ウチ~、カタ~、ハジメ」
~艦娘陣営~
不知火「砲撃、来ます!」
~深海棲艦陣営~
ヲ級「テキ、サンセキ、ゲキチン」
ヲ級「ツヅケテ、ダイニシャ、カイシ」
ル級、リ級「シズメ、シズ・・」“クリティカル”
ヲ級「テキ、ニセキ!!セッキン」
~艦娘陣営~
隼鷹「ひゃっはー!者共かかれー!ここで全力で叩くのさぁ~。おっと!」
隼鷹「よう、摩耶さんおつかれさんっ」
不知火「対空援護していただけたのですか?」
摩耶「当ったり前だろ?あたしは摩耶様だぜ?」
摩耶「だから報酬は山分けだぜぇ」
不知火「いえ、報酬は二等分です」
隼鷹「らしくない程欲深いなぁ、几帳面なあんたにしちゃ」
不知火「違います。あなたがた二人で二等分です」
隼鷹、摩耶「!?」
不知火「・・・胸に・・・砲弾をもらいました」
不知火「戦友とは・・・いいものですね・・・」
不知火「・・・その戦友を庇えたのなら・・・尚更です」
不知火「部屋を暗くして寝ると・・・助けられなかった友の顔が出てきます」
不知火「不知火さん、来ないでくださいって」
不知火「やっと・・・お暇いただいておきます。」
摩耶「不知火!」
不知火「部屋の電気、消しといてください。お願いします。」ボッ
~鎮守府~
長門「出撃6隻、帰還は2隻か・・・次の作戦は明後日だ」
摩耶「相変わらずだな、長門も」
摩耶「さてと、明石をとっちめてやるか」
隼鷹「明石に産廃でもつかまされたかぁ?」
摩耶「大安売りの機銃を買ったんだが」
隼鷹「撃っても詰まるのかぁ?」
摩耶「冷却がバカでよ、弾倉カラになるまで止まんねぇの」
~不知火部屋~
隼鷹「おやすみぃ~。不知火」パチッン
このエリア88で戦う艦娘に墓標はない
彼女たちの死に場所を示すのはただ一個の海域座標だけ
撃沈地点 オリョール海域周辺セミララ島西方1000m
その乙女、不知火
我が戦友、不知火
今宵はここまでで勘弁してください 続きは20時間後には書きます
ついでに
今更ですが最初のアドレスは消せますか?詳しい人、教えてください
根性ないのであきらめます
感想、改善点等あればお願いします
OO役は自由安価由じゃなくて、選択安価にした方が良いと思う。
無茶振り安価をするのも居るからね。
選択肢は、予め>>1が2~3人候補に挙げとけば良い。
新スレにするなら、このスレにもリンクを張っといて欲しいな。
シンはそんなに陽性のキャラじゃないから、隼鷹をキャスティングしたのは意外感あるな
>>1の嫁艦なのかね?
只今、戻りました。戦闘再開です。予想以上のコメントにプレッシャーを感じます
>>37 様、三択ぐらいでいきます
>>40 様、隼鷹は元民間というだけで選びました。酒も飲まないのに
因に嫁はアラアッラーです
スコラ漫画文庫シリーズ3巻、3話からです。
~モーレイ海哨戒中~
隼鷹「ひゃっはー!者共かかれー! ここで全力で叩くのさぁ~。いっけー!」
隼鷹「悪いねぇ、あたしゃまだ死ぬわけにはいかないんでねぇ」ドン!ドン!
隼鷹「痛ってぇ、うわ~ん!こんな格好いやだ~!」状況:大破
~数ヶ月前、日本本土~
飛鷹「隼鷹、来週から艦娘として戦うことになるけど」
飛鷹「前祝いも兼ねてパーっと飲みに行かない?」
隼鷹「珍しいねぇ、飛鷹が私を誘うなんてさぁ」
隼鷹「まいっか呑んじまうかな。えーっと熱燗にすっかな~」
-数時間後-
飛鷹「ねぇ隼鷹、起きて!この外泊証明書にサインして!」
隼鷹「仕方ないねぇ~。あらよっと!飛鷹が2人に見えるよ。ひゃっはっはっは」zzZZZ
飛鷹「じゃあね、飛鷹!」
-次の日-
海軍募集科「起きなさい!」
隼鷹「なんだい?おじさん?」
海軍募集科「荷物をまとめ、一緒に来なさい」
海軍募集科「君は今日から正規海軍から我々、外人部隊に配置替えだ!君の署名もある!」
隼鷹「・・・なん・・・だと・・・」
隼鷹(ひ、飛鷹・・・なぜだ!」
~モーレイ海~
隼鷹「死んでたまるかぁ・・・生きて・・飛鷹!」ヨタヨタ
??「おい!友軍だ!大破してるぞ!」
隼鷹「・・・・艦娘?」
ローラダッシュで近づいてくるタービンノイズ
鈍く輝く高角砲
地獄を照らす探照灯
その日悪魔は“生きろ”と言った!!
今日の選択安価
モーリス役は 鳳翔 金剛 睦月の中からで
>>47で
コンゴーデース!
りょうかーい モーリスは金剛さんで
~工廠~
隼鷹「スゲェ~、41cmの砲なんて初めて見たよ」
摩耶「火力は申し分ねぇな、こりゃ」
金剛「主砲なんか当たればなんでもいいデース!」
摩耶「しかし、姐御の主砲じゃプリン砲に追いつかれちまいますぜ」
金剛「大切な装備を馬鹿にするのは許しまセーン」
金剛「経験と気合でカバーしマース」
摩耶(戦艦組じゃ最古の戦艦・金剛)
摩耶(砲撃戦の礎を築いた古強者か・・・)
摩耶「だからって姐御、もっといいの積めばいいじゃないですか」
金剛「シャラップ!!」
長門「金剛は今月に入ってからの戦艦撃沈はエリア88でトップだ」
長門「ちなみに摩耶、君は最下位だ」
摩耶「その代わり、空母撃沈は隼鷹についで2位だよ」
長門「しかし、金剛。今のうちに装備の改修か変更をオススメするよ」
金剛「この装備は前の鎮守府で提督に貰った大切な装備デース」
金剛「思い出はワタシとヴァルハラに行くまで一緒デース」
ポタッ 「キャッ!」
隼鷹「どうしたぁ、摩耶」
隼鷹(今の何だぁ?)
金剛(可愛い悲鳴は摩耶デースか?)
摩耶「何って、雨が・・・」ポタ、ポタ
金剛「降ってきたデース」
ウー!ウー!ウー!ウー!
大淀『敵艦隊、雨雲と共に現在こちらに接近!!』
大淀『尚、敵艦隊にはカミカゼ仕様のワ級多数!!』
摩耶「クソがっ!!下手に近寄れねぇぞ!!」
長門「雨で視界が悪くては艦載機による航空戦も当てにできん」
金剛「ワタシの出番ネ!Follow me!皆さん、ついて来て下さいネー!」
隼鷹「金剛、やめろってば!」
金剛「ワタシの砲撃とtechnique!見せてあげるネー!」
-数時間後-
金剛「提督・・・今行きます・・・ワタシ・・・美味しいスコーン届けるネー・・・」
摩耶「おいっ!!姐御!しっかりしろ!!」
いつの時代でも最新のものが最高だとは限らない
エリア88・・・一隻の旧式戦艦に救われた貴重な一日
戦艦の母は子供たちのために炎となって道を開いた
注意:飛鷹のダークサイドが始まります
~本土、横須賀鎮守府~
加賀「飛鷹!」
飛鷹「加賀さん」
加賀「提督からあなたに第1艦隊攻略組への昇格が決まったと」
飛鷹(いつか、秘書官であるあんたのポストもいただいてやる!)
加賀「しかし、あなたと同期の隼鷹はどうしたのかしら」
飛鷹「さぁ?隼鷹はいつも酒で本音を隠しているようでしたから」
加賀「あなたも似たようなものだけど」
飛鷹「・・・・・」
飛鷹(・・・戦争のせいで・・・深海棲艦のせいで)
飛鷹(私達は適正があるばかりに・・・艦娘なんかやらされて冗談じゃないわ)
飛鷹(私が見ている先は今じゃない)
飛鷹(戦争が終わった後、どれだけいいポストに付けるかは戦果次第)
飛鷹(その為には私より優秀な同期で、姉妹艦なあなたが邪魔なのよ)
飛鷹(あなたはいつでも私に世話をやかれてればいいのよ)
飛鷹(私の前に立っちゃいけないのよ!!)
~数ヶ月前、本土某鎮守府~
摩耶(ケッコンカッコカリではなく正真正銘の結婚をワタシは提督とした)
摩耶(退役し艤装を解体し、家庭に入ったワタシにとって)
摩耶(平穏な日々は幸せであったが)
摩耶(膨大な、あまりにも膨大な鉄と命の意味無き損耗)
摩耶(身に絡み付く過去を振り解こうとして)
摩耶(幾夜魘されたか知らない悪夢がワタシを苛む)
摩耶(そんな日々のなか、)
摩耶(提督という仕事柄、帰宅の遅い旦那を)
摩耶(結婚記念日のサプライズパーティーを準備しながら待っていると)
ピンポーン
摩耶(合鍵をもつ旦那ではない)
摩耶(不審ながらも玄関をあける)
摩耶(そこにいたのは亭主でもなければ郵便局員でもない)
摩耶(肩を切らした艦娘)
摩耶(震えながらも発せられた言葉は今でもワタシは覚えている)
摩耶(『提督が死んだ』と)
摩耶(ある意味、事故だった。)
摩耶(戦艦ですら駆逐艦に下克上される夜戦の連続)
摩耶(沈めても沈めても繰り返される敵の物量攻撃)
摩耶(生き延びたとしてその先がパラダイスの筈は無い)
摩耶(同僚や提督に隠れ酒や薬物に手を出す者もいる)
摩耶(敷地内で暴れだしたジャンキー)
摩耶(止めに入った旦那に向かって放たれた砲弾)
摩耶(艦娘用だとしても深海棲艦相手に放つ武器)
摩耶(残ったのは左の腕と足)
摩耶(あとはお決まりの国葬)
摩耶(空っぽのちかい棺桶を埋め、国旗がワタシに渡される)
摩耶(礼砲の硝煙と共に)
摩耶(子供がいなかったワタシは実家にも)
摩耶(艦娘と結婚することに反対だった旦那の両親も別れを告げず)
摩耶(外人部隊の契約書にサインした)
摩耶(誕生以来変わる事も無し)
摩耶(閃光と硝煙、鉄の匂いとその軋み。穢れに満ちた血の雨)
摩耶(加うるも無し 引くも無し。我が行く道は荒海の供は引き摺る影ばかり)
摩耶(すべてはそう、振り出しに戻る)
戦士は夢をかいまみる。水平線の彼方、見果てぬ夢の蜃気楼
今宵はキリがいいのでここまでで勘弁してください 続きは20時間後には書きます
文庫本を3日で1冊として全部やったら39日、果たしてやりきれるか
ついでにわかりにくいところがあったら補足説明します
セーヌ川につっこんだりウニモグでウニウニするとことか楽しみ。あとグレッグ!
>>62 様、都合上、隅田川に大発が突っ込みます
“火の玉記者”ロッキーと“革命の父”グレッグが明日の安価です
予告時刻より更新が遅れて申し訳ありません
次イベントの必勝祈願に行った榛名神社からの帰還しました
戦闘再開です。予想以上のコメントにプレッシャーを感じます
今回も配役は三択ぐらいでいきます
スコラ漫画文庫シリーズ1巻、7話からです。
さっそく安価 “火の玉記者”ロッキー役は青葉、足柄のどっちかで
>>68で
迷うから安価下
アイサー、アドミラル
~格納庫前~
二式大艇から降り立つ少女
操縦士「着いたよお嬢ちゃん、エリア88海軍一の伏魔殿さ」
操縦士「ひと月後まで命があったら迎えに来るよ」ハイノウ、ポイ~
青葉「とうとう来ました。地獄の鎮守府・エリア88!」
青葉「青葉、じっとしてられないな」
~執務室~
長門「私がここの提督、長門だ」
長門「海軍広報科従軍特派員の艦娘か」
青葉「ども、恐縮です、青葉ですぅ! 一言お願いします!」
長門「ここでは起きることは全て自己責任だ。君も艦娘なら知っているだろうが」
長門「しかし、なんでまたこんな辺境に?」
青葉「正規海軍だけのプロパガンダでは面白みに欠けるのですよ」
青葉「ここの人たちは劇的な人生を歩んでいるらしいですからね」
長門「くれぐれも程々にな」
青葉「きょーしゅくです!」
いきなり安価、取材対象は長門、大淀、明石、摩耶、隼鷹の中で誰?
>>73 で
先ずはサキ司・・・長門で
サー、イエス、サー
青葉「ところで、司令官もとい長門さん?」
長門「何だ?」
青葉「聞く所によると、この鎮守府はあなたが作り上げたとのこと」
青葉「何故、このようなものを?」
長門「お前のことだ、既に下調べは済んでいるのだろう?」
青葉「きょーしゅくです。大本営の資料によると」
青葉「“余剰兵力の有効活用”とありました」
長門「それが全てだ」
青葉「・・・やっぱり、そうですか」
青葉(ちょおっと深入りしすぎたようです、追跡調査が必要です!)
青葉「ありがとうございました。お邪魔しました!」バタン!
青葉(さてさて。この取材、索敵も盗聴も買収も。青葉にお任せ!)
青葉(青葉取材、・・・いえ買収しまーす)
~工廠裏、資材倉庫~
青葉「どうぞ、この伊良湖モナカを。青葉から“ほんのお気持ち”です」
??「これは・・・はかどります。ありがとうございます、助かります。」パクっ
青葉「ところで、ここに古くから居るあなたに、この鎮守府創設と司令官について一言お願いします」ニヤリ
??「わ・・・私・・・脅されてる!?こんな状態じゃ・・・満足に言い逃れできない・・」
??「この鎮守府に艦娘が配属されるには2種類があります」
??「大低は自ら志願してくる者」
??「大抵は正規軍以上のハイリスクハイリターンで得られる報酬目当てです」
??「兵役満了者か腕に自信のある人たちです」
??「いずれも一般社会に馴染めない戦争中毒者ばかりですが」
??「残りは重大な軍規違反をし、死刑台が嫌で契約書にサインした人です」
??「刑期=任期ですから、生き延びるか保釈金を自分で稼ぎます」
??「こういう人たちは極々少数です」
青葉「このシステムを作ったのは司令官ですよね?」
??「はい、大本営も“余剰兵力の有効活用”として帳簿外の人員を捨て駒代りにしています」
青葉「しかし、本音は別のところにあるのでは?」
??「気になるんですかぁ?いい情報ありますよぉ?」スッ、右手
青葉「そのセリフはともかく、気になりますねぇ」スッ、モナカ追加
??「実はですねぇ。ここは当初、他と変わらない普通の鎮守府だったんですよ」パクッ
??「当時は艦娘だった長門さんを秘書官とする少数精鋭の艦隊と若い提督だけでした」モグモグ
青葉「ほうほう、興味深いですねぇ」
??「ですがその若提督、とある艦娘と駆け落ちしちゃったんですよ」
青葉「一気に下世話になりましたねぇ。それで」
??「長門さんは責任を取らされ、栄えある帝国海軍の艦娘から」
??「海軍の汚れ仕事専門艦隊指揮官にってことです」
青葉「いや~。ありがとうございます。あっ!残りのモナカもどうぞ」
??「このモナカ美味しいですねぇ! 私も艦内で作りたいなぁ・・・」
青葉「お役に立てて嬉しいです!また青葉をよろしくね」
??「ありがとうございます、助かります」
乾いた音を立てる解体の音
生を意味しているのか死を意味するのか
ここはエリア88、悪魔に魂を売り渡した艦娘たちの砦
皆のお待ちかね!安価の時間だよ!
黒人エスケープキラー部隊を以下の3パターンから決めるよ!
阿賀野・能代・矢矧
伊19・伊58・伊8
ハイパーな北上・大井・木曽
>>81 で
またしくじった
改めて
>>83で
伊19・伊58・伊8
ダンケ、ダンケ
~格納庫~
摩耶「ああん? 新入り? んだよ、潜水艦って奴は苦手だよ」ざわざわ ざわざわ
摩耶「明石さん、隼鷹は?」
隼鷹「昨夜から北方海域での強行偵察に参加しています」
摩耶「んだぁと!?今は17:00だぜ!なぁ長門、なんで止めなかった」
長門「ノルマをこなしている限り、時間外労働は個人の自由だ」
長門「これは契約書に書いてもある。それにこのエリア88から出ていくには」
長門「3年ごとの任期満了を迎えるか、250万ドルの違約金を払うか、棺桶に入るかのいずれかだ」
長門「隼鷹のカードはあと少しで250万ドルに届くはずだ」
~北方海域~
隼鷹「250万!ぜんっぜん! いける!いける!250万!」
隼鷹「そしたら金も!名誉も!いらない!」
隼鷹「自由を!自由を!悪く思うなよぉう!」
隼鷹「あたしの自由のためにぃ死んでくれ!」
リ級「・・・」 パシュッーウ
隼鷹「おっとぉ!?雷撃か!危ないなぁ」
隼鷹「あたしゃ装甲だけは薄いからなぁ。明日に持ち越しだ!」
~鎮守府正面海域~
明石「隼鷹さん、帰投したみたいですよ」指差し!
隼鷹「」フラフラ
チャプ・・・ソローリ、ソローリ
ヨ級「・・・ステンバーイ・・・ステンバーイ・・・ゴー!」パシュッーウ
摩耶「あ!!」
ドゴーン!!
~ドック~
明石「隼鷹さん!大丈夫ですか!」
隼鷹「・・・明石さん・・・装備の被害は?」
明石「全損です。轟沈しないのが奇跡なくらいです」
隼鷹「・・・修理に幾らかかるのさぁ?」
明石「任務以外での自己出撃ですから軍からの保証は受けられませんし」
明石「全て揃えると最低でも50万は必要です」
隼鷹「・・・振り出しに戻る・・・か」
~夜、格納庫~
隼鷹(・・・何が何でもあたしは・・・)
隼鷹(演習用の艤装なら・・・)
伊58「わぁ~。いけない人、みーつけちゃったぁ」
伊19「んふー、夜の戦闘で空母は何もできないから好きなのね」
伊8「羊狩り、これはよいものですね」
またまた安価
“革命の父”グレッグ役は誰?ですが
参考までにグレッグって皆にとってどんなキャラ?
情に厚い。熟成された気配り。戦闘は熱血?
>>89 薄い本とか見ると天龍かキソー?
三枚目をこなしながら渋く熱いところが魅力かな あとA-10
>>91 A-10 = 尖った性能? ビス子?川内?くま~?
難しい
ここまでのグレッグまとめ
篤い人情家、タフでベテランな豪快漢、ロリコン
以上を踏まえて天龍、鳳翔ほかには?
コメントのコンマ以下で決めます
>>98 のコンマ以下で
.00~33 天龍
.34~66 鳳翔
.67~99 霧島
責任逃れの安価↓ ww
オーライ ベイビー スピリット オブ マザーウィルで決定だ
摩耶「おもしれぇぜ、重巡洋艦が潜水艦に勝てないって?」
隼鷹「摩耶!」
摩耶「エスケープキラー・・・大本営直属の諜報部隊。真っ黒な噂は聞いてるぜぇ」
摩耶「来るとわかってる潜水艦なんざ、七面鳥撃ちとかわんねぇよ」
鳳翔「よい夜ですね隼鷹さん、摩耶さん。お散歩、お供しますよ」
隼鷹「鳳翔さん!!」
鳳翔「深海棲艦にできて艦娘にできないワケはないですよ」
伊58「でちっ!!」
長門「そこまでだ」
長門「大本営に伝えろ。この長門がいる限り、“敵前逃亡はニ度とありえん”とな」
長門「お客様のお帰りだ。丁重にお見送りしてやれ」
「「「応よっ」」」
隼鷹「いいのか・・・長門さん」
長門「私はこそこそ嗅ぎ回る大本営が気に入らんだけさ」
長門「まだ入渠途中だろ、とっとと寝ろ」
東に朝日、西に夕日
変わることのない自然の繰り返し
女たちの友情もまた・・・
ここはエリア88!!戦場のど真ん中!
1巻が終わりまして今宵はここまでとさせていただきます
皆様のご協力ありがとうございました
ここまでの登場人物?艦娘?
サキ=長門
シン=隼鷹
神崎=飛鷹
ミッキー=摩耶
マッコイ=明石
ロッキー=青葉
ボリス=不知火:死亡
モーリス=金剛:死亡
ボウマン=初雪
ジェフ=深雪:死亡
エスケープキラーズ=19、8、58
グレッグ=鳳翔
横鎮秘書官=加賀 to be continued!!
“菱餅を集めよ!!”
それは突如として大本営より通達されたこの一報は
艦娘を海へと駆り立てた
食う者と売る者
そのおこぼれを狙う者
牙を持たぬ者は生きてゆかれぬ暴力の基地
あらゆる少女が武装する混沌の基地
ここは戦争が産み落とした
帝国海軍の暗部
餅の形をした金の臭いに惹かれて
危険な奴ららが集まってくる
次回!「菱餅」!!
艦娘が飲む基地のコーヒーは苦い
四夜目、始まります
昼の予告通りに時系列を少し戻します
2月といえど海の向こうは陽炎で見えなくなる
エリア88・・・孤島の戦場・・・
~格納庫前~
朝霜「補給を急げ!油も弾も大切だかんな!」
長門「ノルマ以外の自己出撃は自費だぞ」
朝霜「わかってらぁ!金は出すからよ」
朝霜「よっしゃーいったろー!」
~格納庫内~
摩耶「なぁ明石さん。皆、忙しそうにしてるがどうしたんだい?」
明石「知らないのですか?菱餅?」
摩耶「菱餅ぃ?」
明石「なんでも練度の高い深海棲艦から採取される新しい金属だそうで」
明石「正規軍が必死に探しているそうで」
明石「正規軍の艦娘と裏のルートで資材とかと高レートで交換してくれるそうです」
明石「食べると美味しいそうですよ」
摩耶「うえぇ、敵のしたいだぜぇ?」
明石「深海棲艦だって艦娘より魚類に近いそうですし」
明石「栄養はいいそうですよ、味はともかく」
明石「最も売りさばくのが大半ですけど」
長門「カラスどもめ・・・文字どうり死肉に群がるカラスだよ」
隼鷹「長門!」
長門「明石はともかく、ふたりは行かんのか?」
隼鷹「ギャンブルに興味がないんでねぇ」
隼鷹「あんたはどうだぁい?大本営に貸しができるぞ」
長門「生憎、書類仕事が忙しいんでね」
~21:00、点呼 格納庫~
長門「阿賀野!曙!朝霜!・・・・・・・・・・餅拾いから帰らぬ阿呆が7人もいる」
長門「鳳翔は昨日から帰らんか」
鳳翔「皆さん、お疲れ様です。お揃いですね」
長門「よく無事で帰ってきたな鳳翔」
鳳翔「ご心配おかけしました。死亡通知は出てしまいましたか?」
長門「いや、まだだ」
鳳翔「はぐれた人型深海棲艦がいたのでイタズラしていたら」
鳳翔「艤装を幾つかやられてしまいました」
鳳翔「こちらもスツーカの20mmで仕留めましたが」
朝霜「はぐれの人型ってんなら北方棲鬼だろ?菱餅は?」
鳳翔「三色のやつですか?」
鳳翔「お腹が空いたのでいただきました」
明石「そんなぁ~!今のレートじゃ菱餅一個で一式徹甲弾が山ほど買えるんですよ」
朝霜達「ドジ!」「オバン!」「BBA!」
鳳翔「スツーカの20mm、味わいますか?そこに並びなさい」ギロリ!
朝霜達「くっ!」
海は死んだものに母なる海は優しいという
だが生き残ったものに海は更なる試練を与えるという
・・ここはエリア88・・・海に囲まれた孤島の戦場・・・
~格納庫前~
隼鷹「隼鷹より司令部!正面ゲートから格納庫に帰還するよぉ!」
大淀『司令部より大淀!後ろに一隻います!』
隼鷹「うひゃあ!やっべー!」
~格納庫~
隼鷹「か~っ、あっぶないなぁ!玄関前で死にそうだぉよ~」
香取「あれぐらい避けていただかないと艦娘としての価値はありませんよ」
長門「あんたはここに戦いに来たのか?それとも騒ぎに来たのか?」
香取「香取型“元”練習巡洋艦一番艦の香取です。艦隊にお力添えできると思います」
隼鷹「知ってるかぁ?摩耶?」
摩耶「海軍兵学校の香取と言えば二水戦並のシゴキと練度で有名だ」
本日の安価!
フーバー・キッペンベルグは以下の誰?
妙高・最上・球磨
>>117 で
妙高さん
了解
長門「今朝、正規軍から支援艦隊の依頼が来た」
長門「珊瑚諸島への特別艦隊を結成する」
摩耶「まさかあの先公が仕切んじゃねぇだろうな?」
長門「いや、妙高。君が旗艦だ」
香取「“首切り妙高”ですか。ここにはあの事件が原因で?」
妙高「・・・・・・」
鳳翔「そこまでです。ここは過去や経歴を問いません。あなたもそうなのでは?」
香取「あら・・・これは少し、訂正が必要みたいですね」
香取「せっかく艦娘に。来る日も来る日も可愛いお尻のヒヨっ子達のお守り」
香取「私は本物の戦争がしたいの」
ウー!ウー!ウー!ウー!
大淀『敵艦隊、現在こちらに接近!!』
長門「お客さんだ!艦隊、出撃!」
~鎮守府沖~
隼鷹「後方より艦影が来るよぉ!」
香取「お待ちになって、私も参ります」
妙高「仕方がありません。隼鷹、サポートを」
隼鷹「しょ~がないなぁ~」
「第一・第二主砲、斉射、始めます!」「ひゃっはー!者共かかれー!」
「ぶっ殺されてぇかぁ? あぁ?どーだ!参ったか?」
-戦闘後-
妙高「艦隊帰投です。被害ゼロ、素晴らしい戦果ですね!」
妙高「あの日の様なことはこりごりです」
隼鷹「・・・妙高ぉ?」
妙高「正規軍にいたとき、夜の外洋で奇襲を受けました」
妙高「連戦で傷つき、そこに奇襲を受けました」
妙高「そこでパニックに陥った駆逐艦が主砲を乱射し味方に被害が出ました」
妙高「当時、艦隊旗艦だった私はその駆逐艦にトドメをさしました」
妙高「痛みはなかったと思います」
妙高「いい子でした。裏表のない素直な子でした」
妙高「私が殺しました」
摩耶「妙高さん、気にするな」
摩耶「戦場でよくある運のない出来事だ」
妙高「・・・運で片付けられればどんなに良かったか・・・」
妙高「香取さん」
香取「なんでしょうか?」
妙高「もう命を粗末にするのはやめてください」
香取「・・・・・・」
タービン・エンジンの排気音が星空を映す大海を切り裂いてゆく
その轟音は遠く響いて水面に消える
ここはエリア88、死神を振り切った過去を持つ
乙女たちの海
かつて、あの重々しき歌に送られた艦娘達
故国を守る誇りを厚い装甲に包んだ
艦娘の、ここは墓場
ギラつく無数の欲望にさらされて
戦場に引き出される孤島の基地の拳闘士
魂無き艦達がただ己の生存を賭けて激突する
次回!『無回避円舞(ガチタン・ロンド)』!!
周り回る“盆踊り”から、死にゆく獲物に熱い視線が突き刺さる
今宵はここまでとさせていただきます
また明日に来ます
それでは隼鷹「エリア88」5夜目、始まります
~夜、作戦室~
・・・カシャ・・・カシャ・・・カシャ・・・
長門「今までのは今週の最多撃沈を記録した香取のキルカメラだ」
香取「当然です。培った経験の成果は私を裏切りません」
香取「隼鷹さん、私の非の打ち所のない戦い方。いかがでしたか?」
隼鷹「まぁ~、根っこのところはだけは雑だからなぁ。あたしってば、仕方ないねぇ~」
隼鷹「まっ!せいぜい頑張んなぁ。命は大切に扱えば一生使えるからなぁ~」
鳳翔「それではおひらきにしましょうか」
長門「最後に、明日は北方海域の暗礁地帯に出撃する」
長門「迷路のよう暗礁地帯を早朝襲撃し」
長門「ここを根城にしている敵遊撃部隊を殲滅する」
長門「尚、観測班によれば明朝は霧が発生するとのこと」
長門「よって空母と戦艦みよる暗礁の外から偵察機による索敵と艦砲による支援砲撃」
長門「重巡以下の小規模戦隊を多数投入し掃討する」
摩耶「これじゃまるで一昔のベトナム戦だ!近距離での殴り合いになるぜ」
長門「他の鎮守府正規軍による大規模攻略では損害以上の成果は得られなかった」
長門「一騎当千たる我々の出番だ、各員奮闘せよ!暁の水平線に勝利を刻め!」
~北方海域・暗礁地帯前~
隼鷹「パーッといこうぜ~。パーッとな!」
鳳翔「鳳翔、発艦致します」
長門「索敵機からの報告を待って砲撃を開始する」
長門「近接砲撃支援が必要なら軽巡以上は索敵機を飛ばせ、5分程で届けられるはずだ」
妙高「それでは各戦隊、参ります」
~北方海域・暗礁地帯内~
摩耶「右も左も岩だらけ、これじゃ一撃翌離脱どころか回避もままならねぇ」
香取「お静かに、電探と自身の耳だけが頼りです」
・・・ドムッドムッドムッ・・・パパパッ・・・
摩耶「どうやら他所の隊で始まったみたいだぜ」
摩耶「こっちもそろそろか・・・」
~北方海域・暗礁地帯前~
隼鷹「パーッといこうぜ~。パーッとな!」
鳳翔「鳳翔、発艦致します」
長門「索敵機からの報告を待って砲撃を開始する」
長門「近接砲撃支援が必要なら軽巡以上は索敵機を飛ばせ、5分程で届けられるはずだ」
妙高「それでは各戦隊、参ります」
~北方海域・暗礁地帯内~
摩耶「右も左も岩だらけ、これじゃ一撃翌離脱どころか回避もままならねぇ」
香取「お静かに、電探と自身の耳だけが頼りです」
・・・ドムッドムッドムッ・・・パパパッ・・・
摩耶「どうやら他所の隊で始まったみたいだぜ」
摩耶「こっちもそろそろか・・・」
香取「摩耶さん、少し広い場所に出ました。電探に反応は?」
摩耶「ちょっと待て・・・12時方向!数は2!近いぞ!」ヒュン!ピュン!
香取「敵艦見ゆ、砲戦開始です。撃て!」
摩耶「6時方向からも敵3!挟まれた!香取は正面をやれ!水偵を飛ばす、5分耐えろ!」
香取「わかりましてよ!」
ガシャン、ブロロロロ・・・・ドンドン・・・ドンドン・・・・
~夜、エリア88会議室~
長門「・・・それで、香取は?」
摩耶「こっちが手練のチ級2隻と巴戦してたからはっきりとは見えなかったが」
摩耶「リ級と真正面からガチンコさ。お互い避けることもできなかっただろう、撃ち負けたよ」
隼鷹「練習艦の装甲でぇ?」
摩耶「あぁ、元々教科書通りの一撃翌離脱が得意なアイツにとっては最悪さ」
摩耶「アタシの敵が3隻になったところで支援砲撃が来た」
摩耶「鉄の雨で敵が沈む頃には香取はもう海の底だよ。デカい岩の墓標付きでな」
隼鷹「未だに信じられんなぁ、先週のMVPだぜぇ?」
妙高「理想の戦技と捨て身の戦技では別です。ここでは尚更、教科書通りにはいきません」
妙高「普通の鎮守府・・・正規軍では砲弾を如何に避け、如何に当て」
妙高「命に関わる危険は限りなく避ける」
妙高「撃沈される確率がはるかに高いエリア88では乾坤一擲」
妙高「その先に見える生にすがりついた者が今日を生きれます」
妙高「あの方にはそれが見えなかったのですよ」
一人消えても明日はまた誰かがその穴を埋める
そしてまた誰かが帰らぬ人となる
生と死のシーソーゲーム
どちらに傾くかは誰も知らない
ここはエリア88、背中に死を宣告された艦娘達のねぐら
今日の安価!・・・・と言いたいけれど
“鉄腕”キャンベルって古鷹以外に適役いる?ガッツリ見た目だけど
誰か答えて!
ういっす!・・・まぁ改二がマジで鉄腕だし
~鎮守府近海~
隼鷹(・・・敵潜水艦はどこだぁ?)
隼鷹(近くにいるはず、索敵機を使うには・・・近すぎる)
隼鷹(ソナーだけが頼りだ・・・)
・・・ポーンッ、ポーンッ・・・
隼鷹「いたぁ!ひゃっはー!者共かかれー!」ボトボトッ
・・・・・・ドォーーン!
隼鷹(海戦じゃ、早い者勝ちさっ!)
隼鷹(敵さんのソナーが優秀なら、ボカチンなのはあたしだった)
隼鷹(コンマ幾つで生死が決まる)
隼鷹「エリア88、司令部!近海の潜水艦は叩いたよぉ。玄関前はよぉーく綺麗さ」
~工廠~
明石「いや~、疲れた~!商品の仕入れも楽じゃないです」
古鷹「明石、おかえりなさい」ガシャン
明石「あっ!古鷹さん!ご無事なようで」
古鷹「ここは周りが海だからすぐに塩で腕が動かなくなる。いい機械油は?」
明石「もっちろん!大量に仕入れてきましたよ」
古鷹「補給は大切。ありがたいです」
明石「部屋までお届けしますよ」
明石(“鉄腕”古鷹。半身が偽艤装の艦娘・・・)
メール欄にsagaいれると高雄が高翌雄になったり一撃離脱が一撃翌離脱になったりしないよ。
あと気になってたんだけどキルカメラじゃなくてガンカメラじゃね?キルカメラと言えばFPSで死んだときのアレのイメージ、わざとならスマソ
隼鷹「明石さん、あかえりぃ~」
明石「隼鷹さん!お土産がありますよ」ゴソゴソ
隼鷹「???」
明石「この素敵なドレスです!本土で見つけた高級品です」ジャーン
明石「どうです?今回はサービスです」
隼鷹「ありがたいなぁ」
明石「その代わり、買って欲しいものがあります。新種の対空砲です」
明石「“3.7cm FlaK M42”といい高級なのですが」
明石「本土のドイツ人と大量の高級納豆と交換で頂きまして」
明石「返品される前に売りたいのです」
>>135様、今一度システムについては勉強してきます
カメラについては故意なのですがCOD派の自分はキルカメ=ガンカメですが
BFだとキルカメ≠ガンカメなので視点が異なる事を失念してました以後、訂正します
隼鷹「まぁ~、いっか。工廠に艤装を入れとくから頼むよぉ」
~後日、演習場~
ドゥム、ドゥム、ドゥム・・・
隼鷹「まぁ、盗品まがいはこんなもんかぁ」
~鎮守府近海、南西諸島防衛ライン~
隼鷹「こちら隼鷹、敵航空機を迎撃中!艦戦では防ぎきれない」
大淀「迎撃、急いでください!本土からの定期便がすぐそこまで迫っています」
隼鷹(かぁ~~!キツいねぇまだウヨウヨいるのに、対空射撃に賭けるかぁ)
隼鷹「対空射撃!全段パーッといこうぜぇ~」ドゥムドゥムドゥムドゥム
隼鷹「全機撃墜ぃ!」(・・・定期便かよかったぁ・・・)
隼鷹「司令部!このまま定期便を護衛しながら帰投する」
~隼鷹部屋~
隼鷹「ドレスかぁ~、艦娘なる以来だなぁ~」フンフフ~ン♪
最も危険な罠 それは誘爆
意図せずして仕掛けられた
艤装の中に眠る殺し屋
それは突然に目を覚まし、偽りの平穏を打ち破る
戦場は巨大な罠の海
そこかしこで、信管をくわえた不発弾が 目を覚ます
次回!『罠』!!
艦娘も巨大な不発弾 自爆 誘爆 ご用心
今宵はここまでとさせていただきます。
しかし、2巻のエリ8は戦闘より人間ドラマばっかりです
描写できない自身のヘボさ加減が恨めしい
明石はでっかい暁をだまくらかして来ました。
詐欺、もとい売買契約での失敗は若いうちに経験しておくべきだと私、経験者は語ります
只今、戻りました。6夜目始まります
~南方海域前面~
隼鷹「隼鷹より司令部へ!これより正規軍の支援、いっちゃうよぉ~」
大淀『司令部より支援艦隊へ!目標の中に空母ヌ級が確認されています!』
大淀『留意してください!』
隼鷹「ふふん。古鷹、加古!新しい“お友達”が来るよ。歓迎会しよ」
加古「よっしゃあ!あたしの出番だね」
古鷹「敵艦発見!古鷹、突撃します!」
~横須賀鎮守府~
横鎮提督「飛鷹くん、加賀くんの代りにこの報告書を参謀部に届けてくれ」
飛鷹「任せて。提督、少し顔色が悪いわ。あまり根を詰めて仕事してはダメ、少し休んで」
飛鷹「きっとその方が、全て上手くいくって! ほんとうよ」
飛鷹(何、忙しいのに。ちょうどいいわ、提督の何か弱みになりそうなものは・・・・!)
飛鷹「隼鷹・・・あなたまだ生きていたのね・・・運の強い女だわ・・・」
~鎮守府沖~
古鷹「隼鷹は大丈夫!?」
隼鷹「か~~っ!装甲だきゃ薄いかんなぁ、あたしってば」小破
隼鷹「基地まで持ちこたえりゃいいけどぉ」
隼鷹「隼鷹より、司令部へ!入渠の準備頼むよぉ!体がボロボロだぁ」
加古「3時方向より敵艦隊発見!ぶっ飛ばす!」
隼鷹「うひゃあ!やっべー!逃げろ逃げろぉ!」
加古「心配すんな。こいつらめ、加古スペシャルをくらいやがれー!」
古鷹「私たちが前に出ます。安心してください」
古鷹「加古は大丈夫!?」
加古「よっしゃあ!あたしの出番だね!古鷹、ついてきて!」
~鎮守府、格納庫前~
妖精「支援艦隊が帰ってきたぞ!3隻とも穴だらけだ!」
妖精「古鷹の艤装から火が出ている!」
古鷹「ごめんなさい、先に行きます」
隼鷹「いいってことよぉ。あっ!」
※バニング大尉をご想像ください
~工廠横、スクラップ置き場~
明石「ほら、これ。古鷹さんの鉄腕ですよ」ヒョイッ
加古「あー、マジで死んだかと思った。死ぬほど寝かせて~」
古鷹「爆発寸前で艤装の鎖をパージしましたからね」ビッショリ
古鷹「風邪で済んだなら儲けですよ、ヘックシュ!」
明石「古鷹さん、腕のスペアは明日には届きますよ」
明石「お値段高くつきますがね」
~北方海域、支援艦隊~
隼鷹「正規軍のお守りたぁエリア88も暇だねぇ」
妙高「いけませんよ、隼鷹さん。これも立派な任務です」
妙高「今回のお給料の大半は支援要請のあった横須賀から出ているのですから」
隼鷹「ま~仕方ないねぇ」
飛鷹「支援艦隊、こちら横須賀艦隊の飛鷹です。何か動きはありますか?」
隼鷹「飛鷹!」
隼鷹「・・・沈めてやる!・・・沈めてやる!この手で!!」キュイイイィィィン
摩耶「おいっ、隼鷹!?」
~北方海域、横須賀艦隊~
秋月「左舷より艦娘が接近しています。なんでしょうか?」
隼鷹『飛鷹、よくも・・・あたしを・・・』
飛鷹「隼鷹!?」
隼鷹「きさまぁ~~~~!!」ドゥム、ドゥム、ドゥム
摩耶「やめろ隼鷹!味方を撃つなんて」ガシッ
妙高「隼鷹さん、お止めなさい。でないと旗艦として撃沈します!」ジャキン!
隼鷹「妙高!」
摩耶「どんな事情があるかわ知らんが今は仕事に戻れ!」
隼鷹「・・・くっ!」キュイイイィィィン
秋月「なんだったんでしょうか?お知り合いでしたか?」
飛鷹「・・・・知らないわ」
~エリア88、独房~
隼鷹「出せぇー!出してくれぇー!あたしは・・・あたしは・・・」
ガチャガチャガチャ!
~エリア88、執務室~
妙高「隼鷹は如何いたしますか?」
長門「普通なら正規軍に砲を向け、あまつさえ攻撃したのだから銃殺だ」
妙高「彼女はここでは多くの者に慕われています。そのことをご留意ください」
長門「・・・・・・」
誰かいるぅ~~?
エリ8に出てくる憎めない悪党トップ5に入るチャーリー誰にするよ?二つ名的に響だが
参考属性:兄貴分、正々堂々(土壇場に限り)、“不死鳥”の異名
ただいま帰りました
週末は残業で更新が遅くなるので申し訳ないです
昨日は不完全燃焼気味なので今日はガッツリ進みます
あと、ファリーナさんちは出てきません。ごめんなさい独自ルートです
~エリア88、格納庫~
キュイイイィィィン
摩耶「艦隊帰投、作戦が終わったぜ。」
明石「麻耶さん!、隼鷹さんはどうな様子ですか?」
摩耶「お勤め暮らしが3日目ってところだよ」
~独房~
カシャン!
長門「どうだ隼鷹、友軍を撃った訳を聞かせてくれ」スっ
隼鷹「うわああっ!!」ガッ
長門「くっ」ドサッ
隼鷹「う・・・うう・・ぐっ!」ドサッ
摩耶「様子を見にくりゃ、この騒ぎだよ」
摩耶「おい長門!大丈夫か!衛生兵!」
~北海道、羅臼町~
Prrr・・・Prrr・・・ガチャ
Верный(以下、Bep)「ひび…Верный商会だ」
飛鷹「・・・仕事を頼みたい」
Bep「生憎、蟹はシーズン外だよ」
飛鷹「合言葉は“ら・り・る・れ・ろ”元エリア88の艦娘だった、あなたに頼みたいのよ」
Bep「・・・誰を吹き飛ばせばいいんだい?」
飛鷹「ターゲットは女、名前は隼鷹。太平洋沖にあるエリア88にいる」
飛鷹「外人部隊の艦娘。ご存知?」
Bep「この間まで自分のいたとこさ。報酬は?」
飛鷹「既にあなたの口座に送金した艦娘の半年分の給与。不足はないでしょ?」
飛鷹「必ず仕留めて」
Bep「了解、Верный、信頼の名は伊達じゃない 」ガシャン
Bep「さて、やりますか」
~エリア88、鎮守府沖~
大淀『Верныйさん、正面からのタッチダウンどうぞ』
Bep「了解、懐かしいな・・・ここは」
大淀『あなたの帰還を歓迎します』
~格納庫~
Bep「やあ皆、久しぶりだな」
飛鷹「あははっ!シャバじゃ生きた心地がしねぇだろ」
Bep「ああ・・・タービンのニオイがたまらないや」
~執務室~
長門「なんだВерный、そんなにこの海が恋しかったのか?」
Bep「この海は・・・嫌いじゃない。それより・・・」
~独房~
カシャン!
Bep「隼鷹、出なよ・・・長門が釈放だって」
隼鷹「Верный!戻ったのかぁ?」
Bep「そうさ。お互い明日から戦線復帰だよ」
Bep「до свидания!」
~ジャム島近海~
Bep「目標は敵艦隊!いくよ!Ypaaaa!」
パパパパパパッ!パパパパパパッ!
Bep「酸素魚雷、発射!離脱遅れるな!」
Bep「艦隊旗艦!こちら支援駆逐隊!敵の半数を撃沈!損傷軽微!」
妙高『支援駆逐隊!艦隊旗艦了解!こちらと合流を!』
隼鷹『妙高さん!こちら支援空母隊!合流中だが、損害がひどい』
隼鷹『だけどぜんっぜん! いけるいける!』
妙高『無理はなさらないように。護衛をつけますので帰投してください』
Bep「隼鷹、大丈夫か?私が護衛しよう」
隼鷹「い~いねぇ。ありがたいなぁ」
妙高『頼みましたよ。Верныйさん』
~ジャム島沖~
Bep「なぁ隼鷹、前から聞きたかったんだが」
Bep「どうしてエリア88に来たんだい?」
Bep「・・・さぁね。こっちが知りたいぐらいだよぉ」
~鎮守府正面海域~
Bep(水中探信儀に艦影!敵の潜水艦か?)
Bep(隼鷹の対空電探じゃ探知されてない。ましてや低い速力だ)
Bep(ここは手を汚さずに)
Bep「隼鷹、基地との通信は?」
隼鷹「長距離通信機をやられたぁ。そっちは?」
Bep「こっちもだよ。先に行ってドックを開けてもらうよう言ってくるよ」
隼鷹「ありがたいねぇ。頼むよぉ」
ポーン・・・ポーン・・・
Bep(来たようだ・・・до свидания隼鷹!)キュイイイィィィン・・・・・・
チャプ・・・ソローリ、ソローリ
ヨ級「・・・ステンバーイ・・・ステンバーイ・・・ゴー!」パシューウ
隼鷹「んがっ!?」ボガンッ
~鎮守府、格納庫前~
大淀『艦隊が帰投しました。各班は所定の位置へ』
Bep「本隊が帰ってきたかな・・・ん!?一隻?おいっ誰だあれは!!」
妖精「隼鷹さんです!」
Bep「隼鷹!」
隼鷹「まだだっ!もってくれ!」バスっ
妖精「爆発した!」
隼鷹「ふ・・・ふふふ。生き残ったよぉ、死ぬもんか」ドサッ
妖精「担架!担架!ドックへ!」
ここで安価!
隼鷹の新装備!攻撃機・爆撃機・戦闘機で
開発不可ならなんでもいいよ。好きなの選んで
>>162で
震電改
~エリア88、艦娘寮隼鷹部屋~
グッ・・・シャッ・・・ピィーピィー
明石『隼鷹さん、新しい装備の着装が終わりました』
隼鷹「あぁ!すぐ行くよ!どんな感じさぁ?ん~?」
~工廠~
摩耶「よう隼鷹!新装備だな!」
隼鷹「おぅ、摩耶!」
摩耶「震電改。九州飛行機&海軍航空技術廠が生み出した、先進的なエンテ型の試作戦闘機」
摩耶「着艦フックや尾翼とか補強は大丈夫かこれ?」
隼鷹「そういや摩耶も新調したんだろぉ?」
摩耶「おう!いくぜ!防空巡洋艦摩耶だ!」
隼鷹「防空巡洋艦ってぇことは機銃かぁ?」
摩耶「大当たりぃ~~!」
摩耶「先の菱餅騒動のゴタゴタで引っ張ってきたわけよ」
隼鷹「明石らしいわ。清太も射帽を脱ぐよ」
明石「人聞きの悪い事をいいますね。まるで私が火事場泥棒みたいじゃないですか」
明石「まぁ、汚い手は使いましたが商売から外れていませんよ」
明石「菱餅がどうしても一個欲しいっていう提督がいて」
明石「ありったけの25mm三連装と交換してきました」
明石「その時に帳簿をちょろまかして、ただの機銃と」
明石「この集中配備された25mm三連装機銃を取り替えてきました」
明石「ロックされてなかったので簡単でしたよ」
摩耶「明石さん。あんた、ようやるよ。」
明石「もちろんです!お客の注文に応えるのが先祖代々、私のポリシーですから」
明石「お金さえ出せば先代は、エンタープライズだって持ってきたんですから」
隼鷹「まさかぁ、あたしの震電も?」
明石「あれはもっと大変でした」
明石「大本営に行って全海軍将兵の名簿をコピーして」
明石「引退した横鎮の提督をわざわざ訪ねて売ってもらったんですよ」
明石「だからこの機体は摩耶さんの機銃よりお金かかってますよ」
摩耶「しかし、なんでまたこんな珍妙な」
Bep「艦娘ならではだよ」
Bep「こいつを操縦するのは人間でなく妖精。離着陸は艦娘」
Bep「脱出してミンチになることもなければ、発着艦でペラを壊すこともない。式神なら尚更さ」
摩耶「えらく語るじゃねか?こないだは隼鷹をほっぽり出したくせに」
Bep「敵の潜水艦による奇襲さ、不可抗力さ」
隼鷹「気にすんなってぇ。あたしゃこうしてピンピンしてるよぉ」
Bep「話を戻すけど、せっかくだくだから」
Bep「隼鷹の震電改と摩耶の機銃とで防空演習をやればいい」
Bep「どちらも腕は互角だから勝負は装備次第・・・どう?」
摩耶「おう!いくぜ!防空巡洋艦摩耶、抜錨だ!」
隼鷹「パーッといこうぜ~。パーッとな!」
~演習場~
摩耶「んだよぉ!ちょこまかと!明太子食堂の名はだてじゃないか!」
バンバンバンバンバンバンバンバンバン・・・
隼鷹「かぁ~!ぜんっぜん機銃の掃射コースに入れないよぉ」
~演習場前~
明石「あ~あ。本当に行っちゃいましたよ」
Bep「大昔の大戦で使われた“実績のある機銃”と“間に合わなかった機体”見ものだね」
~演習後、工廠~
明石「感想はどうですか?」
隼鷹「そうだねぇ~。これでいきたいねえ。かっははー!」
摩耶「最っ高!当ったり前だろ?使ってるあたしは摩耶様だぜ?」
明石「そうだ!・・・隼鷹さん、以前は横鎮でしたよね?」
隼鷹「そこに行き着く一歩前の半人前さぁ」
明石「これを買い付けに行く時、聞いたのですが・・・」
明石「なんでもあそこの第一艦隊に隼鷹さんと同期の軽空母が入ったって」
隼鷹「えぇ!?」
明石「たしか“飛鷹”って名前の艦娘で」
隼鷹「あ、明石さん!金はいくらでも出すからよォ。そこらへんの話!もっと詳しく教えてくれぇ!」
明石「わ、わかりました!今度、横鎮にいる青葉さんにも聞いてみます」
隼鷹「・・・・・・ごめん」
艦娘の運命を司るのは、神か、偶然か
それは、時の回廊をめぐる永遠の謎かけ
だが、彼女の運命を変えたのは
皮肉にも、敵となったアイツの言葉
大海戦の真っ只中で走り抜けた戦慄が
今、彼女の脳裏に甦る
次回!『男たちの柩』
爆弾のシャワーの中からヴァルキュリアが微笑む
今宵はここまでとさせていただきやす
おまけ『明石の工廠』 本編とは(あんまり)関係ないよ
~エリア88、工廠~
Prrr・・・Prrr・・・
明石「もしもし、おじいちゃん?・・・うん。元気にしてるよ。そっちは?」
明石「・・・もう。あんまり正規軍を困らせちゃ駄目だよ」
明石「それにもう結構な歳なんだし・・・」
明石「心配しなくても私は大丈夫です・・・大丈夫。」
明石「適性があって艦娘にはなったけど」
明石「やっていることは一緒にいた時と変わらないって」
明石「うん・・・うん・・・わかった。気をつけるよ」
明石「たまには遊びに来てね。私の作ったカレーと装備、見せてあげるから」
明石「またゆっくりできたら電話する。・・・うん・・・寝るわね、おやすみなさい」
プーッ・・・プーッ・・・プーッ・・・ガチャン
明石「ふ~ぅ・・・かわんないな、おじいちゃんも」
長門「家族への電話か?」
明石「えっ!? なっ、長門さんまさか・・・盗み聞きぃ!?」
長門「人聞きの悪い事をいうな。青葉ではあるまいし・・・それより」
明石「はい、おじい・・祖父です」
明石「艦娘になる前、戦災孤児だった私を拾って育ててくれたんです」
明石「読み書きも出来なかった私に修理とか工作機械の手入れとか商売の事とかも」
明石「色々なことを教えてくれました・・・大切な人・・・恩人です」
明石「今は隠居してスイスにいるんですけど、昔はあちこちの戦争に首突っ込んで」
明石「トイレットペーパーから核兵器まで、お金さえ出せばクレムリンだって引っ張ってくるって」
明石「いつも言ってました」
明石「原子力空母のエンタープライズだって買い付けたことがあるんですよ」
長門「そうか・・・それではコイツも頼めるな」
明石「・・・こっ、これは!」
長門「すぐにとは言わん。今度、本土に行くからそれまでに港に届けておいてくれ」
明石「わかりました。工作艦明石もといマッコイ商会、承りました!」
明石「しかし、こんなもの一体どうするつもりですか?」
長門「人は配られたカードで勝負しなければならない」
長門「・・・インシュランス。この場合はスプリットかな?」
長門「なんにせよ、指揮官としてやれることはやるだけさ」
明石「はぁ~、意外ですね」
長門「そうか?むざむざと死にたくないだけだが」
明石「いえ、ビックセブンの長門さんが賭け事をするとは」
長門「艦娘になる前はカジノディーラーになりたかったんだ。皆には言うなよ」
??「青葉、見ちゃいました!聞いちゃいました!」|゚Д゚)))コソコソ
以上、おまけでした。ってことで誰かディーラー服姿の長門・陸奥の絵よろしくオネシャス!
ソロモンよ!私は帰ってきた!
さっそく安価!ケンとウォーレン役は?
姉妹艦の二隻で行きますので
>>171 の方は艦種をどうぞ
うーん……とねちく?
OK! Baby! Yeah!
~エリア88、格納庫~
ウー!ウー!ウー!ウー!
大淀『敵艦隊多数、現在こちらに接近中!!』
大淀『迎撃艦隊はただちに迎撃態勢をとってください!』
隼鷹「よーし!改装強化済みの隼鷹さん出撃しちゃうよぉー!抜錨!」
利根「いざ!出陣だな!」
筑摩「筑摩、準備万端、出撃します」
隼鷹「パーッといこうぜ~。パーッとな!」
隼鷹(考えてもしょうがない、今のあたしは敵を[ピーーー]しかない)
隼鷹(極東の海が荒れる)
隼鷹(艤装のタービンは気が狂ったように回転し)
隼鷹(燃料計は刻一刻とその針を数を減らしていく)
隼鷹(艦載機が一瞬にして間合いをつめるのに1秒とかからない)ボムッ
隼鷹(そしてもう奴は助からない)
隼鷹(海底とキスをするのに時間はかからないだろう)
隼鷹(戦闘速度での殺し合い)
隼鷹(戦闘機のドックファイトにも似た艦隊戦)
隼鷹(数十ノットのスピード)
隼鷹(点となって視界に入ってくる標的を敵か味方か見分けることはなかなかできない)
隼鷹(空母なら水平線の向こう側での戦い)
隼鷹(識別コード電波によって感知する電探が何よりの手段だ)
隼鷹(艦爆がぶら下げた爆弾は戦艦の装甲だってぶち抜く)
隼鷹(乙女の柔肌なんか紙と一緒だ)
隼鷹(パズルのようにバラバラになって沈んでいく敵味方)
隼鷹(明日は我が身)
隼鷹(あたしたちはエトランジェ。薄く安く軽い己の命)
隼鷹(燃え尽きるのはロウソクより早い)
隼鷹「ひゃっはー!者共かかれー!」
~エリア88、格納庫前~
キュイイイィィィン
大淀『第二艦隊、帰投しました』
隼鷹「空母艦隊が帰ってきたよぉ~」
隼鷹「補給を急いでくれ。艦載機の方にもボーキを頼むぞぉ。大事大事ぃ」
大淀『第四艦隊、続けて帰投しました』
摩耶「作戦が終わったぜ。 補給急げ! ん、補給は大事だぜ、サンキューな!」
隼鷹「敵艦隊どぉ~よ?」
摩耶「第一と第三が相手してる。補給が済んだら再出撃だ」
大淀『第二艦隊、出撃どうぞ!』
隼鷹「よぉ~し!隼鷹さんと愉快な仲間達、出撃しちゃうよー!抜錨!」
~サーモン海~
摩耶「ふっざけるな!沈めても沈めてもキリがない!」
摩耶(・・・残弾が少ない、補給に戻るか?)
摩耶「野郎ども!引き上げるぞ!ん?」
・・・雑兵、ワラワラ、ワラワラ・・・
摩耶「へっ!そうこなくっちゃ!摩耶様、大海に散るってか?上等だ!」
~エリア88~
ウー!ウー!ウー!ウー!
大淀『西側より敵編隊接近!』
長門「エリア88の凄腕が全力出撃でも防衛ラインを守れんか」ドンッ
大淀「今日の敵はいつもの倍以上、尚も増大中です」
長門「格納庫!私の艤装を準備しておけ!すぐに行く!」ガチャン
長門「ビッグ7の力、侮るなよ」
大淀「長門さん、重巡摩耶から入電!」
大淀「“南西方向より敵駆逐艦が多数接近、迎撃する”と」
長門「なに!?」
大淀「第四艦隊、応答せよ!第四艦隊、応答せよ!」
長門「呼び続けろ!私が出たら第五と第六を出せ!」
妙高『第五艦隊旗艦、妙高です。いつでも行けます』
加古『第六艦隊の加古だ!よっしゃあ!あたしの出番だね!』
長門「戦場へとんぼ返りで悪いが付き合ってもらう」
長門「まずは敵航空機を三式弾で薙ぎ払うぞ!」
長門「各艦隊、この長門に続け!」
~鎮守府沖~
利根『隼鷹!燃料と弾が心もとないぞ!』
隼鷹「Верный達の第七艦隊が来るまでだぁ。発っ!勅令!」ブーンッ
Bep『第七艦隊、Верныйだ』
利根『来たか!』
Bep『こっちは私以外は近海で足止めされている』
Bep『追いつくまで交代で警戒しよう』
隼鷹「そうだなぁ。利根と筑摩は先に行ってくれ」
筑摩『ありがとうございます。くれぐれも無理はなさらぬように』キュイイイィィィン
Bep『・・・・・・ねぇ隼鷹』ニヤリ
Bep『どっちが死んでも恨みっこなしだよ』ジャキン
隼鷹「えっ!?」
Bep『私はある人物から君を沈めるよう頼まれた』
隼鷹「・・・それは・・・誰だい?」
Bep『依頼主は言えないな』
隼鷹「いいのかい?艦戦といえども機銃でズタボロだよぉ?」
Bep『・・・ふふ、まぁね』
Bep『でも、問答無用で撃たないのが君のいいとこさ』
Bep『後ろからいきなり撃っても良かったが君には正々堂々の方がいいと思ってね』
Bep『・・・これが私の甘さだよ』
パパパパパパッ!ドゥムドゥムドゥム!
隼鷹「か~~っ!痛ってぇ~!」中破
Bep『対空機銃か・・・流石にこれは・・・沈むな・・・』
Bep『・・・隼鷹、ひとつだけ教えよう・・・依頼主は君のよく知る人物さ』
隼鷹「誰だぁ!?Верный!!」
Bep『私の本当の名は響・・・ダスヴィダーニャ・・・さよなら・・・』
隼鷹「・・・・・・」
~エリア88、執務室~
隼鷹「・・・Верныйが戦死した」
長門「“不死鳥”と謳われたВерныйが死んだか・・・」
長門「他には妙高が沈んだよ」
隼鷹(妙高・・・あの妙高も逝ったか)
~艦娘寮、隼鷹部屋~
隼鷹(艦娘という職業柄、“死”は身近なものだ)
隼鷹(他人の死も、自分の死でさえも)
隼鷹(散りゆく者に未練など無いさ)
隼鷹(あたしらは艦娘)
隼鷹(遠く弾ける鉄のドラム)
隼鷹(それがあたし達のララバイ)
隼鷹(Верныйを式神の艦戦でなく)
隼鷹(対空機銃・・・自身の手で撃ったのは何も意表を付くだけじゃない)
隼鷹(這いずりまわり、のたうちまわり)
隼鷹(五臓六腑を撒き散らしてでも)
隼鷹(あたしは生き抜いてみせる!)
隼鷹「その覚悟のあらわれさぁ」
隼鷹「か~っ、かっこいいなあ!あたしってば!自分に惚れそうだよ~」
大本営という汚れの城に見え隠れする 陰謀という癌細胞
どうやら、水面下の謎の根は深く、重い
艦娘の運命は、神が遊ぶ双六だとしても
上がりまでは 一天地六の羅針盤次第
鬼と出るか、姫と出るか。謎に挑む強行偵察
次回!『襲撃』!!
長門、敢えて火中の栗を拾うか?
今夜はここまでジャンセンとマロリーを安価依頼出しとくよ
以下の駆逐艦から二人、選んどいて
曙、漣、満潮、叢雲、清霜、涼風、谷風、谷風
>>181 の人、頼んだ!
曙 叢雲
~本土、海軍参謀部大会議場~
今日、この日。ここにいるのは白の詰襟に身を包んだ武士ども
正面には海軍上層部
側面には帝国海軍の全ての基地司令、鎮守府司令
老若男女。老いも若いも、男も女もまとまりはない
ただ一つ、全員が十キロ先の針の穴をも通す作戦を
さも平然とこなしてみせる
その背後に控えるは左手の薬指を輝かせる秘書官達
一騎当千!百戦錬磨!力の権化と謳われた艦娘達
その視線が今、一人の人物に注がれている
長門「・・・以上が当鎮守府の戦果報告です」
長門「詳細はお手元の資料にございます」
第一部長「よろしい。長門司令官」
※第一部長(担当:作戦・戦争指導・国防方針・演習)
第一部長「来週より君から立案された」
第一部長「“例の作戦”も正式に承認された」
長門「はっ!ありがとうございます」
第四部長「・・・ふんっ!ゴロツキどもめ!」
※第四部長(担当:通信・暗号)
第二部長「だが最小限のコストで海軍一のパフォーマンスだ」
※第二部長(担当:軍備計画・兵器整備・運輸・補給)
第二部長「うちとしてはありがたい」
第三部長「損害も海軍一だがな。これが正規軍なら月一で我々の首が飛ぶ」
※第三部長(担当:情報計画・海外情報)
第四部長「だが!私は反対だ」
第四部長「例の作戦そのものではない」
第四部長「作戦、ひいては本土防衛が全面的にエリア88に依存しているのが不満だ」
第四部長「この作戦を認めるには、もっと詳しいデータが必要だ」
長門「失礼ですが、閣下」
長門「過去の実績が物語るとおり、我が艦隊は完全に機能します」
長門「閣下達は戦略を、我々は戦術を考えればよく」
長門「閣下は我が部隊の使い道を考えてくださればよく」
長門「その詳細をお知りになる必要はございません」
長門「首輪をつけるのは容易いでしょう」
長門「ですが、鎖をつけることは容易ではありません」
長門「エリア88そのものが重大な軍規違反」
長門「ここにいる全員が一蓮卓上の共犯者なのですから」
長門「以前、エリア88に派遣された従軍特派員の艦娘」
長門「監視役でしょうか?」
長門「それとも三宅坂の陸軍参謀本部からきた密偵でしょうか?」
第一部長「・・・そこまでだ。長門司令官」
第一部長「深海棲艦の殲滅を続けろ。こちらの損害を抑えながらな」
第一部長「それができる限り、海軍は君のやり方に一切口を出さない」
第一部長「これで良いな」
長門「ありがとうございます」
第一部長「本日はこれにて閉会とする」
~廊下~
大淀「お疲れ様です、長門さん。首尾の方は?」
長門「問題ない。例の作戦も承認された」
長門「これから忙しくなるぞ」
長門(これでエリア88は海軍の要石となった)
長門(抜き差しならない重要な存在となることで)
長門(後ろから撃たれるということはないはずだ)
長門(そうしたら矢面に立つのは自分自身なのだからな)
長門(まったく、軍事は政治の一部というが)
長門(上層部の狡猾さをアテにしなくては保身もままならぬとはな)
長門「大淀、君の方は?」
大淀「顔なじみの秘書官達にそれとなく聞いてみましたが」
大淀「“まだ憶測の域を出ない程度”で深海棲艦に微妙な動きアリ」
長門「よし、これでジャックポットの二つは揃った」
長門「来るぞ。深海棲艦の大規模侵攻が」
長門「それも我々以外、誰も予期しないタイミングで」
大淀「・・・一応、聞きますけど」
大淀「上層部、せめて現場指揮官に警告は?」
長門「書類は提出したさ。先程の会議資料の詳細欄にな」
長門「聡明な者なら朧ろげながらも気づくはずだ」
長門「そしてそんなヤツほど上層部に隠れて資材を秘密裏に備蓄しているものさ」
長門「これで文句は言わせん」
長門「“害をもって利となす”」
長門「これを機に海軍を駆け上がるぞ」
長門「私の尻は存外、大きくてな」
長門「連合艦隊旗艦ぐらいでは収まらんのだ」
長門「司令長官の椅子は私にこそ相応しい」
長門「その時は大淀、参謀部長はお前だぞ」
大淀「いえ、長門さん。」
大淀「秘書官たるもの。控えるべきは指令の右斜め後ろです」
長門「左斜め後ろと言わないのがお前らしいな」
長門「まぁいい。グズグズはしていられない」
長門「大急ぎで鎮守府に戻るぞ。私の命に明日の保証は無いのなら、」
長門「本土だろうが、鎮守府だろうが。どこだって変わらん」
長門「帰るぞ・・・戦場へ!!」
~エリア88、格納庫前~
時は今少し遡る。長門達が本土に旅立ったばかりの頃
キュイイイィィィン
古鷹「古鷹、敵艦隊を補足できませんでした」
摩耶「んだよぉ!そっちもか!」
摩耶「こないだまであんなにウジャウジャいたってぇのに」
キュイイイィィィン
隼鷹「艦隊が帰ってきたよぉ~。何もしてないけど、おつかれさんっ」
摩耶「・・・聞くまでもねぇな。こりゃ」
~会議室~
・・・ざわざわ・・・ざわざわ・・・
鳳翔「皆さん、お静かに」パンパン
摩耶「いよ~っ!鳳翔提督っ!」
鳳翔「皆さんの報告を受けた長門指令から命令書が来ました」
鳳翔「今から呼ばれた人は装備をまとめてください」
鳳翔「単冠湾泊地に向かってください」
朝霜「単冠湾!?北の外れだぜ」
清霜「行けば戦艦になれる?」
鳳翔「それについては存じ上げませんが」
鳳翔「そこに行き作戦に参加してください」
鳳翔「期間は一ヶ月です」
鳳翔「隼鷹さん、曙ちゃん、古鷹さん、叢雲ちゃん、そして私です」
鳳翔「以上、五名でこれから単冠湾に行きます」
鳳翔「それから摩耶さん。ここの提督代理はあなたです」
摩耶「応よ!しっかし、アタシ引っこめて、艦隊は大丈夫か?」
鳳翔「さて、参りましょうか。皆さん、どうか武運長久を」
鳳翔「ひと月だけですがお別れです」
隼鷹「あばよぉ、摩耶!サボんなよ!」
隼鷹「うるせぇ!とっとと行け!」
キュイイイィィィン
鳳翔「鳳翔以下五名、出撃致します」
鳳翔「皆さん、よく目に焼き付けてください」
鳳翔「見納めになるやもしれませんよ」
鳳翔「作戦の内容は威力偵察を援護することです」
鳳翔「今までは作戦ごとにエリア88より出発し」
鳳翔「正規軍と海上で合流の後、戦闘でしたが」
鳳翔「これからは正規軍の基地に間借りするそうです」
鳳翔「なんでも、こちらの方が効率がいいということで」
鳳翔「『分遣隊』という方式らしいですが」
隼鷹「へぇ~。じゃあ陸軍みたく『鳳翔支隊』だな」
曙「それをいうなら『単冠支隊』よ!まったく」
叢雲「かっこよく『タスクフォース』か『タスクフリート』にしなさいよ。悪くないわよ」
隼鷹「んじゃ、『タスクフリート鳳翔』で決まりだ!」
古鷹「遠足の引率みたいですね」
鳳翔「・・・恥ずかしい///」
~単冠湾泊地~
隼鷹「・・・あんま変わんねぇな。ウチと」
古鷹「軍事施設だかんね」
隼鷹「鳳翔さんは?」
古鷹「作戦室に提督代理に会ってる。ここの提督も本土出張中らしく」
涼風「てやんでぇー!バーロー!邪魔でぇ!」ドンッ
曙「ぅあっ!何なのよもう!」
曙「ぶつかっといて詫びもなし?」
涼風「てやんでぇ!よそ者のクセにデケェツラすんなってんだ!」
曙「よそ者ですって!ホント、冗談じゃないわ」
曙「あんたたちが不甲斐ないから、こんな田舎まで来てんのよ」
涼風「てやんでぇ!表出ろ!」ドッ!
曙「ここは野外よ!」ガツッ!
「喧嘩だ!喧嘩だ!」「やっちまえ!」
古鷹「・・・想像以上に不味い空気ですね」
隼鷹「・・・そのようでぇ」
谷風「駆逐艦、谷風! 出番だよ!」
ヒョイ・・・グッ、グシャ!
谷風「かぁ~・・なんてこった 」
古鷹「ダメですよ。お嬢さん。重巡洋艦、古鷹といいます」
古鷹「あんまり前に出るとこのアモ缶みたいになっちゃいますよ」ポイッ
古鷹「重巡洋艦のいいところ、たくさんお見せできましたか?」
谷風「・・・こっ、こいつは粋だねぇ~」
涼風「てやんでぇ!ひとんちで大立ち回りったぁやるねぇ」
曙「次から次へとうっざいわね!人の手を借りなきゃ任務を全うできないなんて」
曙「艦娘の恥じよ!」
キュイイイィィィン
谷風「出撃していた艦隊が帰投したよ!」
ババババッ、ガッシャーン!
谷風「一隻、吹っ飛んだぞ!」
「海風がやられた!」「バラバラになっちまった」
涼風「てやんでぇ!どけってんだ!」ダッダッダッダッ
涼風「てやんでぇ!海風!海風!」
満潮「・・・涼風」
涼風「満潮!海風が!海風!」
満潮「しゃんとしなさい。彼女は勇敢だった。身命を賭して祖国を守ったのよ」
曙「たかがボカチンぐらいで泣くなんて」
叢雲「ま、当然の結果よね。あの子達と私達とじゃ立場が違う」
曙「立場?」
叢雲「私達は突き詰めれば、お金のために戦っている」
叢雲「あの子達は国と新年のために戦っている」
叢雲「あなたも最初は故郷で盛大に見送られて」
叢雲「故郷に錦を飾るって思っていたんじゃないの?」
鳳翔「どうか致しましたか?」スタスタ
隼鷹「下っ端がモタついてただけですよぉ~。部隊長殿~」
鳳翔「?・・・それではこちらに」スタスタ
隼鷹、加古「「?」」
~来客用宿舎、会議室~
鳳翔「この地図を見てください」ペラッ
鳳翔「ここがエリア88、正対するのが敵の最も厚い泊地で太平洋のど真ん中」
鳳翔「ここが単冠湾泊地。威力偵察を行うのはここより北の海域になります」
曙「えらく離れているわね。新しいのでも見つかった?」
鳳翔「それを探りにいきます」
叢雲「いいわ。場所が変わろうと私達の仕事は変わらないもの」
~予備格納庫~
叢雲「・・・ありえない・・・妖精でなく自分で艤装を整備するなんて無茶苦茶だわ」ゴシゴシ
隼鷹「叢雲ぉ~しゃべれるくらい暇なら手伝ってよぉ。あたしゃ艦載機結構あるんだよねぇ~」チョキチョキ
叢雲「駆逐艦が艦載機の整備ができるわけないでしょ!」フキフキ
隼鷹「はぁ~なんかアレだねぇ。新隊員教育以来だねぇ」スラスラ
曙「まったく!こんなところで教育隊の神通に感謝するなんて!」シュー!
~本土、武山海兵団基地~
??「くしゅっ!」
??「いけません。弛んでいる証拠ですね。明日の訓練を二乗にしましょうか」
生き残った事が幸運とは言えない。それは次の地獄への誘い(イザナイ)であった
“二隻の軽空母”のその“意味”を!この時点で警告だと気付かなければいけないのだ
ここは北の海の最前線。そう!ここは監獄だ!
監禁と隔離を求め、完璧さを追求すればここになる
ここには高い塀もなければ、深い堀もない。高電圧の柵もなければ看守さえいない
あるのは澄み切った大気と汚れなき氷のみの零下数十度の“冷獄”
恨みつらみの言葉さえ固まる。吐く息どころか内臓さえも凍る
『酒だ!酒をくれ!五臓六腑を焼く酒をくれ!』
駆逐艦が飲めもしない酒をねだる
この先に待つものは爆死か?凍死か?バラバラになるか?固まるか?
その間にある限りなく薄い不安定な一線
震える恐怖と才能がその臨界を探る。何も探るのは敵情だけではない
私らは何のために集められたのか?『分遣隊』言うなれば運命共同体
互いに頼り、互いに庇い合い、互いに助け合う
一人が五人のために、五人が一人のために
だからこそ戦場で生きられる
嘘を言うな!猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら笑う
お前も、お前も、お前も!私の盾になればいい!
脆弱な情報 狭隘な地形、充満する重油
これぞまさに破裂必至の大動脈瘤
怒涛のドミノ倒しが始まる次回、『アリューシャン列島!』
仕組まれた作戦、仕組まれた地獄は行きも怖いが帰りも怖い
To be continued・・・・・・
ここまでの登場人物=艦娘?
“Mの字”サキ=長門
エリア88秘書官:大淀
“一角獣”シン=隼鷹
“火の玉”ミッキー=摩耶
“死神”マッコイ=明石
“革命の父”グレッグ=鳳翔
“鉄腕”キャンベル=古鷹
ジャクソン=加古
ケン=利根
ウォーレン=筑摩
ジャンセン=曙
マロリー=叢雲
“銀狐”ラウンデル:神通
ボウマン=初雪
ランディ=朝霜
“白刃取り”ロッキー=青葉
“親玉”神崎=飛鷹
“エスケープキラーズ”黒人衆=19、8、58
横鎮所属=加賀、秋月
単冠湾所属=谷風、涼風
“電灯”ボリス=不知火:死亡
“母”モーリス=金剛:死亡
“不死鳥”チャーリー=ヴェールヌイ:死亡
“戦士第一号”ジェフ=深雪:死亡
“三本の矢”マリオ=香取:死亡
“鋼鉄の撃墜王”フーバー:妙高:死亡
~単冠湾泊地~
水平線のむこう側は死
それを承知で命を晒す艦娘達
国の為か、信念の為か
あたしらは違う
あたしらは自分の明日に命をかける
隼鷹「よーし!改装強化済みの隼鷹さん出撃しちゃうよー!抜錨!」
~北方AL海域~
キュイイイィィィン、ババババッ、ガッシャーン!
隼鷹「ちょっと待った!!」
鳳翔「どうかしましたか?隼鷹さん」
隼鷹「いやぁ~な感じがするぜぇ。敵の航空機、変じゃね?」
鳳翔「確かに敵機がいつもと違うような」
古鷹「・・・こっちの出方を見ている気がする」
曙「敵来襲!?ふふん、そう来なくっちゃね」ババババッ!
叢雲「私の上を遮る愚か者め。沈めっ!」グサッ!
叢雲「な、なにこれ?! えぇっ?!」
隼鷹「どしたぁ?」
叢雲「近づいてきた航空機を刺したのだけれど、見たこともない機体なのよ!」
隼鷹「マジかよ!こっちは蒼眼の新顔も見かけたぜぇ。こいつは何かある」
鳳翔「この海域から離脱します!泊地に戻って対策を」
~単冠湾泊地、会議室~
涼風「てやんでぇ!あたいらの目と鼻の先に敵の泊地だってぇ!?」
鳳翔「憶測の域を出ませんが、ほぼ間違いないでしょう」
鳳翔「ここより北には敵の大規模拠点があります」
鳳翔「大本営にも増援を打電しましたが到着はしばらく先でしょう」
涼風「てやんでぇ!あたいらのシマだ!あたいらだけでやんだよ!」
谷風「砲雷撃戦、いっときますか!単冠湾の底力見せてやれ」
鳳翔「いけません!沈みたいのですか!」バンッ
鳳翔「私達は外人部隊です。この国で戦争が終われば異国の戦場へ」
鳳翔「ドイツなりイタリアなり別の戦場を探します」
鳳翔「だがあなた達は違います」
鳳翔「戦争が終われば、退官し荒れた国を建て直さなくてはなりません」
鳳翔「故郷へ帰り、妻となり母となる。戦争よりも大変なことです」
鳳翔「命を粗末にするのは私達だけで十分です」
鳳翔「その為に私達は高いお給金をいただいているのです」
鳳翔「私達は傭兵です。帰る故郷もなければ立て直す人生もありません」
隼鷹「・・・・・・」
~予備格納庫前~
隼鷹(帰る故郷はあたしにはある)
隼鷹(確かめなければならないことも。しなくてはならないことも)
隼鷹(あたしは傭兵じゃない)
隼鷹(あたしの信念は金でも死でもない)
隼鷹(生きぬくことだ)
~予備格納庫内~
隼鷹「流石に正規軍は今日は静かだな」
鳳翔「皆さん、こちらに」
鳳翔「とにかく、敵の拠点を割り出さないことには始まりません」
曙「で、どうするの?ここら辺は小さな島々がそこらじゅうにあるわよ」
叢雲「今までみたいな敵の大規模拠点ならあまり小さな島では無理なはず」
鳳翔「とりあえずは私と隼鷹さんの彩雲」
鳳翔「古鷹さんの偵察機で大きな島を重点的に捜索します」
鳳翔「新型の敵機もいる為、こちらも艦戦を増やします」
曙「戦闘になったらどうするのよ?」
鳳翔「艦爆や艦攻にまわす余裕はありません。その時はお願いしますよ」
曙「・・・ホント、冗談じゃないわ」
隼鷹「あたしと鳳翔がいりゃあ、ま~機動部隊って言えるっしょ!…なっ!」
~北方AL海域~
隼鷹「・・・・・・やっべぇ~」
隼鷹「あんな大口叩いといて、迷子になるとか」
隼鷹「通信機は使えんし」ザザ・・・ザザ・・・ザザビー
隼鷹「電探もおシャカ」ブー・・・・・・
隼鷹「あれっ?これって?・・・プランD。いわゆるピンチですね」
-15分前-
曙「次から次へと・・・うっざいわね!攻撃いっけぇー!」バババンッ
叢雲「沈みなさい! 邪魔よっ! 」
ヒュー・・・ドーンッ!
古鷹「隼鷹!」
隼鷹「いてて・・・だーから装甲薄いんだって!マジで!」中破
鳳翔「全員、艤装の排煙を不完全燃焼させ煙幕に!」
鳳翔「風下から撤退します!」
隼鷹「艤装の燃料も余裕はないし。どうすっかなぁ~これ」
~単冠湾泊地~
人事担当官「行方不明になってからもう数日、これ以上は無理でしょう」
人事担当官「MIAは確実です。死亡確認書にサインを」
鳳翔「もう少し待てませんか?一日でかまいません」
鳳翔「私も数日かかって帰還したことがあります」
人事担当官「しかし、この泊地周辺の気候は厳しいです。生きる見込みは・・・」
~エリア88、格納庫~
明石「摩耶さん!」パタパタ
摩耶「ん?どうした明石さん」
明石「単冠湾に向かった鳳翔さんから連絡が・・・」
摩耶「ふっざけるなぁ!何処ではぐれた?」
摩耶「北方AL海域、B-7-Rです」
摩耶「おう!いくぜ!防空巡洋艦摩耶、抜錨だ!」ダッダッダッ・・・
明石「・・・・・・気の早い人ですね」
~北方AL海域~
隼鷹「・・・で、このザマと」
防空巡洋艦摩耶:中破!ボロボロ・・・
摩耶「んだよ!誰の為にエリア88の指揮、ほっぽり出して来たと」
隼鷹「二次遭難起こしてちゃダメだろ」
隼鷹「あんたに指揮された88が無事か我が身より心配だよぉ」
隼鷹「あたしの部屋、ちゃんと残ってんだろうねぇ?」
摩耶「それより、これからどうすんだ?」
隼鷹「深海棲艦もまさか艦娘が陸を移動するとは思っていまい」
隼鷹「大きな島を踏破し、島から島へは艤装で渡る。摩耶、あんたの電探だけが頼りだ」
摩耶「なんか『エネミーライン』みたいだな」
隼鷹「なんだそれぇ?」
摩耶「昔の映画だよ。敵地に取り残される話しさ」
隼鷹「一応、聞くけど結末は?」
摩耶「決まってる、ハッピーエンドさ」
隼鷹「・・・艦娘やめたら自伝を書くんだな。老後は安泰だろうよ」
摩耶「それじゃ、この山を登りますかぁ」
隼鷹「・・・ますます教育隊を思い出すよぉ」
隼鷹「ここに来てから神通に感謝してばっかりだ」
摩耶「今度会ったら礼でもいうんだな」
隼鷹「あたしゃ~落第生だったもんでね・・・・・・会いたくない」
~北方AL海域、深海棲艦泊地裏~
摩耶「見ろ!ビンゴだ!!」
隼鷹「コラ、大声出すな。見つかっちまう」コソコソ
摩耶「おっと。アタシとしたことが」コソコソ
摩耶「まさか、敵の本拠地を見つけちまうとはな」
摩耶「手土産にしちゃお釣りがくるな」
隼鷹「しかし、資料でしかみたことねぇ敵ばっかりだよぉ」
隼鷹「あそこにいるちっちゃい幼女。見えるか?」ユビサシ
摩耶「デカい幼女がいてたまるか。どれどれ・・・あれか」
隼鷹「ちっちゃいのに身なりは港湾棲姫だ。あれがここの親玉だろう」
隼鷹「あっ!?沖を見ろ!今度は本物の港湾棲姫が来たぞ!」
摩耶「あの爆乳大要塞、泳げんかよ!」
摩耶「しかも戦艦棲姫が2隻。レ級が3隻随伴してやがる」
隼鷹「・・・こういうのなんて言うか知ってるか?」
摩耶「んだと?確か、海が7分で空が3分だとか」
隼鷹「間違いはさておき・・・」
隼鷹「こいつは“ロイヤルストレートフラッシュ”って言うんだ」
摩耶「・・・最悪な悪夢だ。目ん玉見開いてんのに見えやがる」
隼鷹「あたしらにとってはな。ともかく泊地にもどるよぉ」
摩耶「急いで報告しねぇと」
摩耶「でもあいつら、わざわざ何しにここに来たんだ?」
摩耶「同窓会ってぇワケでもないだろ?」
隼鷹「・・・敵の中に新型の艦載機があった」
隼鷹「ここは多分、敵の実験所かぁ?」
隼鷹「あいつらはレ級にしろ港湾棲姫にしろ航空機を使う」
摩耶「・・・受け取りに来たってワケだ」
摩耶「隼鷹、あんたなら新型の艦載機を受け取った後、どうする?」
隼鷹「・・・・・・部屋で一通りいじくりまわした後」
隼鷹「一番手ごわい敵に使うさぁ。それが一番性能がわかる」
摩耶「あいつのねぐらは?」
隼鷹「・・・南方海域だなぁ」
摩耶「軍で一番の腕利き揃いは?」
隼鷹「・・・横鎮とエリア88がどっこいどっこいてぇところだなぁ」
摩耶「その3箇所を線でつなぐと?」
隼鷹「・・・ほぼほぼ一直線。決まりだなぁ」
隼鷹「これぞまさしく“オールイン”&“ロイヤルストレートフラッシュ”だなぁ」
摩耶「あん時のがまだマシだ」
隼鷹「なんでぇ喰らったことあんのかぁ。一等、珍しいぜあの役は」
摩耶「長門とサシで勝負した。お互いの預金をチップがわりにな」
隼鷹「こんどから明石さんのとこで情報を仕入れてからやるんだなぁ」
隼鷹「モナカのほうが損失より遥かに安上がりだったろうに」
隼鷹「いい勉強代だったなぁ・・・ドンマイ」
飛鷹はこの世の地獄にに友を売って明日を得た
隼鷹は酒の神の甘言に乗って地獄に落ちた
艦娘は羅針盤に己の定めを占う
ここエリア88の基地で明日を買うのに必要なのは、砲弾と少々の危険
それすなわち、己の腕と技量。仄暗き大海のそこより出(いずる)異形の怪異
次回!『取引』!!
明石の商売には死の臭いが付き纏う
おまけその2『神通と共食い』 本編と(多分)関係ないよ
時は遡り、エリア88と呼ばれる地獄ができる少し前
~本土、某鎮守府艦娘寮~
神通『訓練生は8分以内に演習場へ集合してください!』
~本土、某鎮守府、秘密演習場~
神通「ここから先は岩礁地帯です。散開する敵を突破し帰還してください」
神通「くれぐれも模擬戦とは思わないように。出撃!」
樅「一体どうなってんだ?いきなり呼びつけやがって」ヒソヒソ
蕨「知るか。多方、新入りだと思って馬鹿にしやがって」ヒソヒソ
~秘密演習場内、岩礁地帯~
葦「いたぞ!よ~し、どうせ演習用の模擬弾だ!派手にぶっぱな・・・」ヒュンッ
蕨「うわっ!?こ、これは演習なんかじゃない!た、助け・・・」ダダダダッ
~執務室~
神通「新人演習結果の報告です。樅始め、8隻大破。蕨始め16隻轟沈。合格者はいません。」
神通「大破者は入居後、再演習を実施します。損失分の艦娘の補充申請をお願いします」
某鎮守府提督(以下、少佐)「わかった。上層部に上申しよう」
神通「しかし提督、この試験では艦娘の損耗が大きすぎませんか?」
少佐「構わん。作戦における当鎮守府の軍に対する献身度も全軍の中で飛び抜けている」
少佐「我が艦隊に上層部もえらくご機嫌だ。通らぬ無理はない」ニヤリ
憲兵「そこまでだ!利満海軍少佐!艦娘に対する非人道的な行為の数々で逮捕する!」
この鎮守府の入隊審査で行われる実弾使用の模擬戦闘。通称“共食い”
補充要員は鎮守府に到着すると直ちに行われる過酷な実戦
双方が実弾を使用することを知らされぬままこの模擬戦闘に参加させられる
対するは、教官役と称される古参艦娘が補充要員の半数以下の人数で担当する。神通は教官役を務めていた
この審査において艦隊要員としての適性を試され、合格者のみが正式な艦隊要員として認められる
模擬戦闘とは言え、全て実弾を使用しているために死亡率は究めて高く
摘発前に行われた“共食い”の生存者は1/7以下が平均だったらしい
この演習によって、この鎮守府に配属された数十名の艦娘の大半が死亡したとされる
~海軍軍事法廷~
裁判長「利満海軍少佐は艦娘に対する非人道的な行為、及び多数の罪状により執行猶予なしの無期懲役とする」
裁判長「秘書官、神通軽巡洋艦は艦娘という立場上、情状酌量の余地アリとみなし追って沙汰を待つように」
この事件は海軍のみならず軍全体から秘匿され、私は軟禁状態に置かれた
詰腹を切らされるくらいなら、いっそのこと敵の泊地に単艦進軍でも願い出るべきか?
そう思った矢先、私を訪ねてきた者がいた。奇特な人、“吸血部隊”とも称された私に会いにくるなんて
第一印象は最悪だった
長門「軽巡洋艦、神通。地方の旧家、軍人の家出身ということもあって奮起したのだな。大したものだ」
長門「祖父は元海軍大将、父は現役の陸軍少将、兄は鎮守府指令官か立派だな」
長門「詰腹を切るよりも死に場所を探すよりも有意義な、やれなかったことをやらせてやる」
長門「私と共に来ないか?神通」
差し出された手を取り私は再び、海を駆けることとなる
展開に困った時の過去編。少年ジャンプじゃお決まりの手です
この内容は実在の団体、人物、事件等に一切関係ないフィクションです
“利満海軍少佐”の呼び方は“トシミツ”でも“リーマン”でもご自由に
1スレで収めるマイルールのおまけはともかく
最近の投稿は1スレが多すぎでしょうか?
提督が鎮守府に帰投しました。これより艦隊の指揮を摂ります
ってな訳で帰宅。上記の安価より
爆死バクシー:RJ
ショウイチロー・イトウ:如月
キム:大鳳
となりました。ご参加ありがとうございます
・・・・・・あの脱走兵、名前あったんだな
~2週間後、エリア88~
摩耶「どうだ?見つけたか?」
朝霜「ちっくしょー!いねぇー!敵といえばいつもの雑魚ばっかりだぜ!」
摩耶「姫や鬼だなんてのはデカブツだ」
摩耶「そう簡単に隠れられるはずはねぇだろ?」
朝霜「じゃぁ自分で行けってんだよ!」
摩耶「艤装の調整が済んでねぇのに海に出たら今度こそお陀仏だよ!」
朝霜「だったらいい子にしてんだな」
~格納庫~
隼鷹「どうだい?明石さん、艤装の調整は?」
明石「最後の部分に、搭載機関係に取り掛かっています」
明石「しっかし流石ですね。“転んでもただでは起きない”ってところが」
隼鷹「まぁ~、おかげさまで単冠湾から横須賀まで軍用機を乗り継いで」
隼鷹「横須賀で報告を何度も何度もさせられてぇ」
隼鷹「挙句の果てには精神鑑定とカウンセリングの二段構え」
隼鷹「数日前に大湊の遠征部隊から目撃証言がなかったら今頃は水責めだよぉ」
酉つけたほうがよくない?
>>229
“トリ”って何?干支?
~エリア88、司令室~
『第9艦隊旗艦より各艦、相互距離を広げ索敵に専念しろ』
『了解!』
『『『あっ!?』』』
『第9艦隊旗艦よりエリア88司令部へ!!』
『南方海域、敵泊地沖にて港湾棲姫をはっ・・・』ザザー
大淀「ここで艦隊からの通信が途絶えました。おそらく・・・」
長門「いよいよ出てきたな港湾棲姫。先手を打たれたとばかり思っていたが」
大淀「こちらの予想以上に準備期間が長かったですね」
長門「ああ。だがこちらも相応の準備ができた」
長門「上層部の無能っぷりを加味してもな」
大淀「敵はどうしてすぐさま攻撃に移らないのでしょうか?」
長門「新型の艦載機の調整に時間がかかったとは考えにくい」
長門「こちらの出方を見て奇襲から強襲に切り替えたのだろう」
大淀「こちらの暗号通信がバレていると?」
長門「いくら深海棲艦とはいえ、そこまではいっていないだろう」
長門「大本営と各鎮守府間の暗号の強度と通信頻度」
長門「積極的な攻勢から哨戒中心の守勢へのシフトチェンジで判断したとみた」
大淀「目標を横須賀から他に変更したとは?」
長門「それはありえないな」
長門「でなければとっくにどこか別の基地が吹っ飛んでいる」
長門「敵は何が何でもこちらの中枢を叩くつもりだ」
長門「やらせはせん。やらせはせんぞ!皆を集めろ!」
~エリア88、格納庫~
明石「摩耶さん!艤装の調整、30%です!」
摩耶「おうっ!大至急頼むぜ!大至急だ!」
明石「摩耶さんは艤装をピーキーに改造しすぎなんですよ」
明石「調整割増料金、いただきますからね」
大淀『戦闘員は直ちに会議室へ集合!直ちに会議室へ集合!』
隼鷹「いよいよかぁ~?」
~会議室~
長門「偵察隊により敵主力艦隊と思われる勢力を発見した」
長門「例の連中である公算が高い」
長門「港湾棲姫自体、陸上型である以上」
長門「そのものの速度は遅い。だが新型艦載機の能力は不明だ」
長門「舐めてかかると痛い目にあうぞ」
長門「攻撃隊の編成を発表する」
長門「先方を駆逐、軽巡を中心とする水雷戦隊」
長門「その後ろに三式弾を持った重巡、戦艦で詰める」
長門「空母系は各隊について上空援護に当たれ」
大淀「格納庫より入電、各隊準備完了です」
長門「港湾棲姫が本土に根を張ることは是が非でも阻止する」
長門「諸君の健闘を祈る」
~格納庫前~
「主機、まわせー!!」
大淀『司令部より各隊、正面より友軍が帰投します』
大淀『しばらく待機してください』
隼鷹「友軍?誰かでてたっけぇ?」
~鎮守府沖~
鳳翔「あら、これから出撃でしょうか?」
古鷹「ずいぶん、賑やかですね」
~格納庫前~
キュイイイィィィン
鳳翔「鳳翔分遣隊、只今帰投しました」
鳳翔「これから出撃ですか?」
摩耶「ああ!遠洋で第9の連中が喰われた」
摩耶「これから弔い合戦だ!」
鳳翔「まぁ!第9艦隊の皆さんが?全員!?」
鳳翔「あい、わかりました。この鳳翔、助太刀致します」
摩耶「帰って来たばっかりだぜ、無理すんなって」
鳳翔「頭数が多いに越したことはありません」
鳳翔「それに、この位でへこたれていては艦娘の厨房役は務まりませんよ」
隼鷹「鳳翔さん!」
鳳翔「隼鷹さん、無事なようで何よりです」
隼鷹「叢雲は?」
鳳翔「・・・叢雲さんは単冠湾で戦死しました。出立の朝でした」
鳳翔「敵の拠点が判明しそこが新兵器の実験場だと判るや否や」
鳳翔「総力を挙げての殲滅戦が始まりました」
鳳翔「その渦中で・・・」
隼鷹「・・・そうかぁ・・・」
妖精「補給、完了です」ビシッ
鳳翔「鳳翔、出撃します」
鳳翔「皆さん、行きますよ!やるときは、やるのです!」
試し
またひとつ。おっさんは賢くなった
~南方海域~
・・・・・・ブーーーーン・・・!
彩雲妖精(以下、オメガ11)『オメガ11より攻撃隊ヘ!』
オメガ11『港湾棲姫ヲ中心とする艦隊発見!』
バッバッバッバッ
オメガ11『くっ!対空砲火か!』ガンッ
オメガ11『クソッ!イジェーークト!』ボンッ
鳳翔「偵察機がやられました。全艦、突入してください」
「アターーック!!」
~数時間後~
鳳翔「はぁ、はぁ・・・鎮守府総出といえど・・・一回の攻撃では仕留めきれませんね」
曙「次から次へと……うっざいわね!」キュイイイィィィン
鳳翔「曙ちゃん!」
バババババンッ
曙「た、たかが主砲と魚雷管と機関部がやられただけなんだから」大破
鳳翔「早く、鎮守府へ撤退を!」
曙「・・・もう、手遅れよ」
曙「じゃあね、皆。短い付き合いだったけど、結構楽しかったわよ」
曙「・・・艤装もろともぶち当ててやる!」キュイイイィィィン
・・・・・・ボッ・・・・・
鳳翔「曙ちゃん!」
古鷹「曙!」
『第7、第8艦隊、突入します!』
鳳翔「皆さん、お待ちください!」
古鷹「無理です。鳳翔さん!」
古鷹「あれだけの大物相手に熱くならない方が難しいです」
古鷹「おまけに、さっき曙がレ級1隻道連れにして余計に熱くなっています」
古鷹「・・・止めようがありません」
~エリア88、格納庫前~
キュイイイィィィン
朝霜「明石!酸素魚雷を積めるだけ積んでくれ!」
朝霜「重量過多でもかまわん!」
隼鷹「朝霜!鳳翔や古鷹は!?」
朝霜「敵を食い止めている!曙がやられた!」
隼鷹「曙が!?」
朝霜「最後にレ級もろとも道連れにな!」
明石「準備OKです!」
朝霜「水雷戦隊朝霜、抜錨するさぁ!道あけな!」
~南方海域~
『うわぁぁぁ!!』ボンッ
鳳翔「くっ!増援はまだですか!?」
鳳翔「護衛のレ級は全て叩いたとはいえ」
鳳翔「姫級は無傷ですか・・・」
古鷹「鳳翔さん!残弾が残り少ない!撤退を!」
鳳翔「しかし、ここで見失うことはできません」
鳳翔「ああっ! 敵の飛行甲板が!」
ゴウンゴウンゴウン・・・
古鷹「また新型の艦載機が出ます!」
鳳翔「古鷹さん!我々で阻止します!」キュイイイィィィン
古鷹「2号放の火力だけでは!」ボンボンボン
鳳翔「せめて離陸中の敵機だけでも!!」ババババッ
~エリア88、格納庫前~
キュイイイィィィン
『鳳翔さんだ!』『鳳翔さんが帰ってきたぞ!』
隼鷹「鳳翔さん!他の皆は?」
鳳翔「・・・古鷹さんがやられました」
~数時間前、南方海域~
鳳翔「はぁ、はぁ。艦載機が底をつきました。そちらは?」
古鷹「こちらも同じです」
鳳翔「仕方がありません。悔しいですが撤退します」
古鷹「鳳翔さん、残在兵力の統率と先導を」
古鷹「殿の陽動役は私が努めます」
古鷹「重巡洋艦のいい所、お見せしますよ」キュイイイィィィン
鳳翔「・・・・・・古鷹さん、くれぐれも無理はなさらぬように」キュイイイィィィン
~エリア88~
鳳翔「その後、送り狼に来た戦艦棲鬼との戦闘中に戦死しました」
鳳翔「最後の通信には『ごめんね・・・曙と先に逝くね』と」
鳳翔「・・・明石さん」
明石「はい、なんでしょう?」ヒョイッ
鳳翔「私の口座に入っているお金を全てお渡しします」
鳳翔「スツーカをお願いします」
明石「スツーカならそこまでお金を出さなくても手に入りますが・・・」
鳳翔「G型でお願いします」
明石「“ルーデル隊”!?いくらなんでも無茶過ぎます!」
鳳翔「お金で道理を引っ込ませ、無茶を通すのがあなたでしょう?」
鳳翔「・・・どうか・・・お願いします」ペコッ
~格納庫~
鳳翔(港湾棲姫に戦艦棲鬼。・・・私のC型では力不足)
鳳翔「おや、摩耶さん。いらしていたのですか」
摩耶「話は聞いたぜ、古鷹も三途の川に泳ぎに行ったみてぇだな」
鳳翔「殿とはいえ、たったひとりで・・・未練でしょうに」
摩耶「・・・ここで沈んでいく艦娘はみ~んな未練ばっかりだよ」
~南方海域~
キュイイイィィィン
摩耶「クソがっ!捜索範囲がこうも広くっちゃ」
摩耶「いくら港湾棲姫だからって見つけ出すのが大変だぜ」
隼鷹「深海棲艦の縄張りから探すのがセオリーだなぁ、こりゃ」
摩耶「見つけたらどうする?」
隼鷹「“レンソウホウ”」
摩耶「連装砲?2号砲なら持ってきてるが、敵さんには豆鉄砲だぜ?」
隼鷹「“連絡!・相談!・報告!”」
隼鷹「今日日、ゴマ塩頭の新米少佐でも知ってるぜぇ」
隼鷹「それが済んだら本隊が来るまで時間稼ぎってとこだろぉ」
隼鷹「なんでも長門が本土から“切り札”とやらを持ってきたらしいが」
利根「お前さん方、漫談の最中に悪いがさっきから」PPP!PPP!
利根「吾輩の索敵機から反応が出ておる」PPP!PPP!
摩耶「何ぃ!?なんでそれを早く言わない!」
利根「それが、ちと妙なのじゃ」
隼鷹「どしたぁ?」
利根「速度共に港湾棲姫に合致するのじゃが」
利根「大きさは半分以下じゃ。それよりも一番問題なのは」
利根「反応は海中、潜水艦並の深度から出ておることじゃ」
隼鷹「だとしたらこいつは何だぁ?」
~エリア88、格納庫~
大淀『捜索隊が敵大型艦を発見!攻撃隊は直ちに出撃せよ!』
朝霜「この基地を吹っ飛ばそうなんぞ考えやがって!」
朝霜「ボカチン喰らわせてあの世行きにしてやらぁ!」
朝霜「行くぞ野郎共!しめてかかれよ!攻撃隊朝霜!でるよ!」
谷風「朝霜!後がつかえてんだ。さっさと行けい!」
朝霜「イイ覚悟だほら! こちとら月まで吹っ飛ぶ量の魚雷抱えてんだ!」
朝霜「ちったぁいたわれってんだよ!」
ギャーギャー!!、ワーワー!!
明石「らしくなってきましたねぇ。エリア88はこうでなくっちゃ!」
大淀『明石さん、至急執務室へお越し下さい』
明石「おや?」
~南方海域~
隼鷹「ん!攻撃隊が来たみたいだぜぇ」
加古「よぉ隼鷹!例の奴はどっちだい?」
隼鷹「あんたの足の下だよぉ」チョイチョイ
隼鷹「ご覧の通り、こんなに近くにいても砲弾一発来やしねぇ」
隼鷹「こいつは例の奴とは別かもしんねぇ」
加古「兎にも角にもぶっ飛ばす!加古スペシャルをくらいやがれー!」ダダダダッ
隼鷹「何百メートルもの水のカーテン。砲弾程度じゃ・・・無理ダナ」(・×・)
隼鷹「爆雷のがまだマシだぁ」ハァ~
~執務室~
長門「大きさはせいぜい200メートル。こちらへの攻撃は一切なし」
長門「だがこいつは深度300メートルをゆっくりと確実にエリア88に向かって進んでいる」
明石「“深海”棲艦と呼んでいるとは言え」
明石「潜水能力を持っている敵は多くはありません」
明石「普通に考えるなら港湾棲姫ではありませんね」
明石「むしろ対極的存在です。なんせ陸型ですからね、あの姫様は」
大淀「ですが、これまでのデータとは合致しません」
大淀「新種の潜水艦系の敵でしょうか?」
長門「兵器の専門家としてお前の意見が聞きたい」
明石「う~ん・・・ありえなくはないんですよ」
明石「前世紀の潜水艦では180メートル近い全長の潜水艦もありましたし」
明石「300メートルの深度なんて浅い方ですよ」
明石「まあ、現代兵器ですから普通に深海棲艦に負けますが」
明石「妖精だ艦娘だってなんだって言っても所詮は我々は兵器の枠から出られません」
明石「運用方法がオカルトじみていますが結果は同じです」
明石「戦艦だって魚雷を積めますし、駆逐艦では艦載機は飛ばせません」
明石「あくまで我々艦娘は人型の船舶なのです」
明石「古の軍艦を人に憑依させてる艦娘同様、敵も原理は一緒です」
明石「おまけに以前発見された敵の泊地」
明石「実験施設だったそうじゃないですか」
明石「そこで作られたとっておきの“切り札”」
明石「何も艦載機だけっていうのは芸がないじゃないですか」
明石「ワンオフ物の特殊兵器。潜水艦の秘匿性と深度300の防御」
明石「私だったら自爆兵器を作りますね」
明石「以前あった、カミカゼ仕様のワ級で発想を得たのでは?」
長門「なるほど、過剰とも言える港湾棲姫の護衛」
長門「・・・この為の陽動か」
長門「現に今の今まで、こちらは考えすらしていなかった」
長門「多分、横須賀かエリア88のどちらかにぶち当てるつもりだったのだろう」
長門「護衛をやられて早々に切り札を出してきたか」
長門「奴の監視に一部を残し、会議室に全員を集めろ!」
~会議室~
長門「目標は現在もエリア88に向かって進行中」
長門「深度300は並の爆雷では無駄だ」
長門「そこで鎮守府近海ギリギリまで敵を引き付ける」
加古・摩耶・朝霜「「「はぁ!?」」」
長門「これで深度100に奴を引っ張り上げられる」
長門「更に万全を期す為、戦術核を使う」
加古・摩耶・朝霜「「「は!?はぁ!?はぁぁあああ?」」」
摩耶「おいおい、核って。よりにもよってあんたが使うとか冗談だろ?」
摩耶「だいたいどっから持ってくる?本土からでも間に合わねぇぞ」
長門「モノは既にある。現在、明石が工廠で航空機用に改造中だ」
隼鷹「使えんのかそれぇ?明石のヤッパモンだろぉ?」
長門「現代兵器が深海棲艦に対して無力なのは皆も知っての通りだ」
長門「例え核であっても同じ結果なのはインドとアメリカが実践してくれた」
長門「だが艦娘が放つ場合なら有効打たりえることはロシアが証明してくれた」
長門「リスクとリターンの天秤が大きく傾いてはいるがな」
鳳翔「ここの被害はどれくらいに?」
長門「津波と爆風で、この鎮守府の機能50%といったところだろう」
長門「だが人的被害は0だ」
長門「残る港湾棲姫に対し総攻撃をかける分は残せる」
鳳翔「まさに“乾坤一擲”ですね」
長門「このエリア88の半分くれてやる!」
~数時間後~
隼鷹「よーし!爆装強化済みの隼鷹さん出撃しちゃうよぉ~!抜錨!」
大淀『出撃後は被害を抑えるため鎮守府を挟んで』
大淀『敵新兵器とは反対側の北側に移動してください』
大淀『そこから艦載機を発進させ退避行動をとってください』
隼鷹「あいよぉ~」キュイイイィィィン
~島北部~
隼鷹「それじゃ、派手にいきますか!パーッといこうぜ~。パーッとな!」勅令!
隼鷹「ちゃんと帰ってこいよぉ~」
妖精「く(@Д@)」ビシッ
・・・・・・カッ・・・・・・
隼鷹「かぁ~。ペッ、ペッ!島の反対側にいてまで波被っちまった」
隼鷹「エリア88は無事かぁ?・・・ペッ、ペッ!」
~エリア88~
キュイイイィィィン
隼鷹「皆ぁ~!生きてるかぁ~?」キョロキョロ
長門「こっちだ隼鷹!」
長門「我々の予想以上に状況は最悪だ」
長門「良いニュースと悪ニュース。どちらから聞く?」
隼鷹「セオリー通りに悪い方からで」
長門「確かにエリア88はまだ存在するが」
長門「最前線軍事基地としての機能は最早、蚊の涙」
長門「沿岸部に建てられた格納庫、工廠、ドック。その他諸々の施設は」
長門「爆発の衝撃と津波で壊滅。」
隼鷹「泣けるねぇ~。それでぇ良いニュースってのは?」
長門「鎮守府、丸ごと月面まで吹っ飛ぶ量の爆発でも人的資源の損耗ナシ」
長門「裏山にある大戦時に作られた地下壕網が役に立った」
隼鷹「偉大なる我らが栗林中将に感謝だな」
長門「ああ。そうだな」
~エリア88~
キュイイイィィィン
隼鷹「皆ぁ~!生きてるかぁ~?」キョロキョロ
長門「こっちだ隼鷹!」
長門「我々の予想以上に状況は最悪だ」
長門「良いニュースと悪ニュース。どちらから聞く?」
隼鷹「セオリー通りに悪い方からで」
長門「確かにエリア88はまだ存在するが」
長門「最前線軍事基地としての機能は最早、蚊の涙」
長門「沿岸部に建てられた格納庫、工廠、ドック。その他諸々の施設は」
長門「爆発の衝撃と津波で壊滅。」
隼鷹「泣けるねぇ~。それでぇ良いニュースってのは?」
長門「鎮守府、丸ごと月面まで吹っ飛ぶ量の爆発でも人的資源の損耗ナシ」
長門「裏山にある大戦時に作られた地下壕網が役に立った」
隼鷹「偉大なる我らが栗林中将に感謝だな」
長門「ああ。そうだな」
隼鷹「そんでぇ。これからどうするよぉ?」
長門「あの化物がここと目と鼻の先で爆発したおかげで」
長門「基地の設備の6割はズタズタになり、通信施設の大半は使用不可」
長門「今すぐ本土から増援を呼んでも機能回復に丸々ひと月はかかるだろう」
隼鷹「かぁ~!ひっどいもんだぁ」
長門「先程から艦隊を周辺の正規軍基地に分遣隊として分散させて移動させているが」
長門「組織だった運営・管理が不可能な以上、事実上の壊滅だな」
隼鷹「ひええぇぇぇ~~!」
長門「長距離通信が使えない以上、上層部には事の顛末を報告できん」
長門「エリア88を潰した以上、次に敵が向かうのは横須賀だ」
長門「私が直接、出向く」
長門「隼鷹、今から大淀と共について来い。敵に遅れをとるな」
隼鷹「へい、へい。こうなりゃ煉獄だろうと地獄だろうとお供しますよ司令官殿」
~数時間後~
摩耶「出発の最終はアタシらだ。状況は?」
鳳翔「谷風ちゃんと朝霜ちゃんが地下壕に隠した資源を隠蔽次第、出立です」
摩耶「夜逃げ同然で情けないが夜明け前に出よう。こっちは4隻だけだ」
鳳翔「そうですね。風も出てきましたし、急ぎましょう」
摩耶「やけに静かだ・・・気味が悪いぜ」
鳳翔「この鎮守府の皆さんはほとんど脱出されました」
鳳翔「エリア88の艦娘は騒々しいので有名ですから」
鳳翔「・・・御二人の様子を見てきます」スタスタ・・・
摩耶「ん?・・・何の音だ?・・・電探ないからわからんが」
摩耶「海側には誰もいないはず・・・まさか!」ゴソゴソ
摩耶「クソが!私物のナイトビジョンは!?」ゴソゴソ
摩耶「・・・背嚢の何処に?横のポケットか!?」ゴソゴソ
摩耶「よしあった!・・・これで・・・わぁ!」ジィー
港湾棲姫「・・・」ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・
摩耶「・・・港湾棲姫!・・・おいっ!聞こえるか!?」Prrr、Prrr
朝霜『何さ!?こっちは忙しいんだけど!』
摩耶「港湾棲姫が正面海域に現れた!こっちの頭数じゃ焼け石に水だ!」
摩耶「今すぐ島の北側から脱出だ!資材なんぞ捨て置け!」
朝霜『あいよ!』
摩耶「島内を突っ切って“北の鼻”で落ち合うぞ!」
摩耶「アタシは残った短波無線で周辺の基地に打電する!」
摩耶「大急ぎで艦隊を派遣しろとな!」
朝霜『もたもたしてたら置いてくぜ。遅れんなよ!』ブツッ
~通信室~
摩耶「ったく!こんな時に限って!」タッタッタッ、ガチャ
摩耶「こちらエリア88!港湾棲姫の奇襲をうけてる!誰か応答を!」ザー
・・・キュイイイィィィン・・・
摩耶「おいっ!?誰だ!真正面から突撃しているのは!?」ザー
~鎮守府正面海域~
摩耶『おいっ!誰だ?谷風か!?馬鹿な真似はよせ!』
鳳翔「お黙りなさい!敵が来たら戦うのが艦娘の本分です・・・ヒック」
鳳翔「古鷹さん・・・曙ちゃん・・・ヒック」
鳳翔「・・・さぞ未練だったでしょうに・・・うぅぅ」グスッ
鳳翔「G型が来てからと思いましたが、怨敵を前にしては我慢がなりません」
鳳翔「そうでしょう・・・古鷹さん・・・ヒック」
鳳翔「鳳翔、出撃致します。例え艦載機を具現化できずとも」
鳳翔「ジェラルミンの矢で射抜かれて・・・ヒック」
鳳翔「死なぬはずがありません、死なぬはずが!」
鳳翔「・・・沈んでいった仲間の仇、姫の一人や二人」
鳳翔「御命頂戴致します!・・・ヒック」キュイイイィィィン
・・・ヒュー・・・ドォーーーンッ!
摩耶「鳳翔さぁーーーん!」
~数日後。本土、海軍参謀部~
摩耶「おいっ!長門はいるか!?」バタンッ
長門「なんだ?騒々しいな」
摩耶「エリア88が 「報告は聞いている」
長門「他所の遠征艦隊がお前の無線を拾っていたからな」
長門「よくやった。既に艦隊を編成中だ」
摩耶「だが、鳳翔が・・・」
長門「北方棲姫とサシでやり合う腕っこきだ。簡単には死なんさ」
長門「お前も今は休め。朝霜と谷風を担いでの強行軍だったのだろう?」
摩耶「・・・こんなになるまでこき使いやがって、クソが」
長門「そんな口が聞けるなら大丈夫そうだな」
長門「・・・しかし、まんまと一杯食わされた」
長門「敵にとってはドックや格納庫がズタボロだろうがそんなことは問題ない」
長門「なんせ自前で持っている奴だからな」
長門「手の込んだ陽動作戦だよ、まったく」
長門「隼鷹!出てこい!」
隼鷹「あいよぉ~。呼んだぁ~?」ヒョイッ
長門「ゴロツキ共をかき集めろ!!」
長門「夜明けを待って総攻撃をかける!!」
~横須賀鎮守府、格納庫~
利根「い、いよいよ作戦か。な、なんじゃ、これは武者震いという奴じゃ失敬な」
利根「大丈夫、整備は万全じゃ!」
筑摩「・・・まだ何も言ってませんよ」
加古「よっしゃあ!あたしの出番だね!」
秋月「すごいですね!まるでふってわいたみたいに集まってきました!」
秋月「これが例の外人部隊の人たちですか」
電「迫力満点なのです!」
摩耶「おらー!武器係、ぼさっとしてねぇで弾と燃料よこせ!」
秋月・電「「は、はいっ!」」
「50番は20発!25番は40発だ!」「八八式、弾薬箱ごとありったけ持って来い!」
朝霜「おいおい!あたいのはロサ弾なんかじゃないよ」
朝霜「ヴェーゲー積んでくんないと」
秋月「WG42!!皆さん艤装に一体、何載せてるんですか?」
電「装備がそれぞれ違うので大変なのです!」アワアワ
秋月「まるで兵装の見本市みたいですね」
加古「イヒヒッ!だんだん血が騒いできやがるぜ!」
加古「弾も油も正規軍もちだから気持ちがイイぜ」
摩耶「揃いも揃って戦闘大好きワォーモンガーだからな!」
~会議室~
ガヤガヤ、ワイワイ
長門「傾注!作戦を説明する!」
長門「最終目標は港湾棲姫」
長門「戦艦棲姫を始めありったけの随伴艦が予想される」
長門「位置は勝手知ったる我々の古巣だ」
長門「攻撃の手順は次の通り!」
長門「第1~3艦隊は島を西回りに。第4~6艦隊は島を東回りで」
長門「サーチ&デストロイ。これは強襲作戦だ速やかに敵本陣まで攻め上がる」
長門「第7、8艦隊は島全域の制空を・・・」
摩耶「どいつもこいつも生き生きしやがって」
摩耶「どうしようもねぇ最低野郎共だな」
隼鷹「・・・そ~だねぇ」
~寅の刻~
大淀『司令部より全艦!アイドル・アップ』
大淀『完了次第、順次出撃してください』
大淀『暁の水平線に勝利を刻みましょう』
摩耶「この喧騒、久々だ・・・悪くねぇな」
隼鷹「まぁ~ね、今となっちゃ嫌いじゃないよ」
秋月「摩耶さん、出撃準備が整いました!」
摩耶「おう!いくぜ!防空巡洋艦摩耶、抜錨だ!」
摩耶「隼鷹!・・・死ぬなよ」
隼鷹「生き残るさ・・・必ずねぇ」
隼鷹「あんたにはポーカーのツケを払ってもらわんとなぁ」ニヤニヤ
生き残れたら、無事を祝って肩を抱き合おう・・・
だから・・・それまで・・・さようなら
あたしらのもがれた翼が明日の夕日に染まるかどうか
だから・・・それまで・・・さようなら
あたしらは堕天使どころか地獄の悪魔
色とりどりの迷彩色の心臓を持ち
空と海の狭間で生きる
紙切れよりも薄い己の命
燃え尽きるのに僅か数秒
~エリア88、近海~
筑摩「隼鷹さん、12時方向に敵艦隊です」
隼鷹「空母系はいるかい?」
筑摩「いえ、ピケット艦隊でしょう」
隼鷹「フル艦爆でパーッといこうぜぇ~」
隼鷹「パーッとな!撃ち漏らしは頼むよぉ」勅令!
利根「無理をせずとも吾輩に任せれば百人力じゃ」ガシャン
キュウウウゥゥゥ・・・バシュッ・・・ドゴンッ
隼鷹「まず一隻!雑魚ばかりだ。全部叩くぜぇ」
~夜明け、エリア88跡地~
パパパッ・・・ドドドン・・・ドォーーーンッ!
港湾棲姫「ヤハリ・・・キ・・・タカ」
港湾棲姫「クルナ・・・ト・・・イッテイル・・・ノ二」
港湾棲姫「メンド・・・ク・・・サイ・・・ハァ」
摩耶「へっ!なめくさって」
摩耶「アタシはてめぇに会いたくて、わざわざ一番乗りを決め込んだってのに」
摩耶「随分なご挨拶じゃねぇか?ああん!?」
摩耶「こっちは堪忍袋の緒がキレてんだ!」
摩耶「てめぇらの血を見なけりゃ治まんねぇんだ!」
摩耶「エリアが燃える炎だけじゃ、死んでった連中の天国までの道行き・・・」
摩耶「暗くてたまらんとよ!!」
摩耶「お前らも燃えて鳳翔さんの、あの世までの道のり照らしてくれよ」キュイイイィィィン
戦艦棲姫:阿「ナラ、アナタガ、シズミナサイ!」
戦艦棲姫:吽「カンムスハ、ヨクモエルモノネ!」
摩耶「上等だ!!まずはてめぇらからだ!付いて来な!」キュイイイィィィン
~監獄岩周辺~
バンバンバン・・・ボンボンボン・・・バンバンバン
戦艦棲姫:吽「イツカ・・・シズカナ・・・」バタッ
戦艦棲姫:阿「ソンナ・・・ウミデ・・・ワタシモ」ドサッ
摩耶「んだよ・・・末後のセリフがそれじゃ・・・やるせねぇよ」
摩耶「鳳翔さぁ~~ん!・・・ちきしょ~!」
摩耶「こんなもんでどうだ~~!」
鳳翔『・・・十分ではないでしょうか?』
摩耶「・・・そうかい、十分かい・・・そいつはいいな」
摩耶「ん!?鳳翔さん、生きてた?何処?」
鳳翔「後ろですよ。わたしが生きてては何か不都合でも?」
鳳翔「襲撃された時、主機に何発か弾を貰いまして航行不能」
鳳翔「お陰さまで酔いが覚めまして」
鳳翔「ここ数日は島内でサバイバル生活でしたよ」
摩耶「残りを片付けて来るからもう少し待ってくれや」キュイイイィィィン
鳳翔「はい、存分にご活躍ください。お待ちしております」ニコッ
~エリア88跡地~
ガツンッ
漣「うっくぅ~、なんもいえねぇ~」大破
朝霜「はははっ、頑張んな漣。墓穴拵えるならもうちょい先だぜ」
漣「ありがとっ!・・・沈むぅなら、せめて最期は・・・」キュイイイィィィン
漣「メシウマ!キタコレー!」ズシンッ
ボンボンボン ・・・ババババッ・・・バスバスッ
龍讓「こらアカンっ! いっててて!」
龍讓「ふぇえ・・・・・・こりゃマズいでぇ!」小破
龍讓「摩耶!来てくれ!手練の雷巡に追い回されてる!」キュイイイィィィン
摩耶「龍讓!!」
龍讓「あっかーん!ちょっちどころやない。ピンチすぎや~!」大破
ボンボンボン・・・バンバンバン
摩耶「大丈夫か!?動けるか?」
龍讓「・・・もう無理や・・・眼が見えへん」
龍讓「姫は?姫は何処におるんや?」
摩耶「お前の目の前、11時方向」
龍讓「ありがとう♪これで正規空母並って・・・・・・」
龍讓「そりゃ~無理か~・・・」
龍讓「あははははは、ゴメンな・・・鳳翔」キュイイイィィィン
・・・・・・ボッ・・・・・
摩耶「龍讓ォーーーー!」
港湾棲姫「・・・クッ・・・ソンナ・・・」ゴゴゴゴゴゴ
港湾棲姫「イツカハ・・・ワタシタチモ・・・カエレル・・・」ゴゴゴゴゴゴ
ズズズズズ・・・バキバキバキ・・・カッ!
摩耶「逃げろ!!爆発するぞ!巻き込まれる!!!」キュイイイィィィン
・・・・・・ボッ・・・・・・
摩耶「司令部!こちら第2艦隊、摩耶だ!」
摩耶「港湾棲姫は撃破したが、爆発で何人か巻き込まれた!」
~後日、エリア88跡地~
隼鷹「ここいらの浜に打ち上げられた残骸・・・港湾棲姫のかぁ?」
摩耶「港湾棲姫に例の潜水艦、艦娘も混じっているだろ」
摩耶「残留放射能も高い、鎮守府周辺はしばらく使い物にならんな」
隼鷹「どこかに新基地でもつくるのかぁ?」
摩耶「さぁてね」
隼鷹「・・・新天地ね・・・」
大海原に沈む鋼鉄のアトランティス
またの名を悪魔の神殿
隼鷹「・・・捧げるのは血の色・・・乙女の命ってか?」
~本土、武山~
ブロロロロロ・・・
摩耶「長門!本土で艦隊の再編成をやるって本当か?」
長門「ああ。今回の一件で88は使い物にならなくなったしな」
長門「別の場所に新基地を建設中だ」
長門「深海棲艦も最近は大人しいと聞く、その間に再編成を行う」
長門「以前話した“分遣隊”。覚えているか?」
摩耶「正規軍の基地に常駐するって話だろ?」
長門「そうだ。今後は派遣数を増やして各正規軍基地に分遣隊を送り込むつもりだ」
『次は林~、林~。お降りの際は~・・・』
長門「・・・到着したようだ。ここで降りるぞ、隼鷹を起こせ」
隼鷹「がぁ~、ごぉ~」ZZzzz
摩耶「・・・このまま、逗子までほっといてみるか?」
~武山海兵団基地~
神通「お久しぶりです。長門司令、お待ちしておりました」
長門「神通、元気そうだな」
長門「今日、私が連れている奴らの中には懐かしい顔もあるだろう」
長門「今はもう一端の傭兵だ」
神通「そうですね。見違えるようですよ」ニコッ
長門「しばらく厄介になるぞ」
摩耶「へ~。こんなとこで訓練やってんのか」
隼鷹「元は帝国海軍時代からの基地、今じゃあ艦娘の訓練基地だよ」
隼鷹「摩耶はここには来なかったのかい?」
摩耶「ああ・・・現役引退からすぐにエリア88に来たからな」
摩耶「ここで戦技訓練を受ける必要はなかったからな」
摩耶「銃後部隊出身だったり」
摩耶「長く引退している奴はここに来るらしいが、そっちは?」
隼鷹「候補生から直接ここに来たよ、実地訓練後すぐにさぁ」
摩耶「あの神通って奴は何者だい?」
隼鷹「ここのボス、影じゃ“ハートマン軍曹の娘”って呼ばれてる」
隼鷹「・・・相当、しごかれたよ。・・・ハァ~」
隼鷹「神も仏も雲の上~♪、おれたちゃ荒波かぶって悪党訓練~♪」
隼鷹「極楽浄土、いつになったら辿り着く~♪」
隼鷹「下手こきゃ、行きつく先は海の底~♪」
摩耶「なんだそれ?」
隼鷹「ここの歌さぁ」
こんな所来なきゃ、もう少し
ましな人生歩めたはずだが、もう遅い
何の因果か兵隊稼業、極道一筋超一流
文句も言えず落ちこぼれ
こんな所来なきゃ、もう少し
ましな人生歩めたはずだが、もう遅い
何の因果か外人部隊
父ちゃん母ちゃん立派な人だが
娘はとうとう落ちこぼれ
こんな所来なきゃ、もう少し
ましな人生歩めたはずだが、もう遅い
人の行き方殺し方
なまじ名前が書けたから
紙キレ一枚で地獄行き・・・
~早朝~
キュイイイィィィン、ガッシャーン!
神通「遅い!戦場ではその遅さが命取りです!もう一回!」
摩耶「んだ~?こんな朝っぱらから」ボケ~
隼鷹「早朝訓練さぁ」
摩耶「あれ、もう起きてたのか?」ゴシゴシ
摩耶「日の出前だぜ。よくやるよ」
隼鷹「まだ緩くなったほうさ」
隼鷹「あたしらの時は週一で24時間の戦闘訓練があったよぉ」
隼鷹「長門が“今日は非番だから、外出してもいい”ってさぁ~」
摩耶「アタシはここら辺はわかんねえから任せるよ。元訓練生」
隼鷹「横須賀の市街に行くかぁ?」
摩耶「人でゴミゴミしている所はパス」
隼鷹「・・・なら逗子方面かぁ~・・・」
~武山~
摩耶「だからって、何で大昔の高射砲陣地に来てんだよ!」
隼鷹「人ごみが嫌いって言ったろぉ!」
隼鷹「仮にも軍に片足突っ込んでる艦娘ならちったぁ史跡に興味を持てよぉ!」
摩耶「ガキの社会科見学か!」
隼鷹「グダグダ言うなよ!ここからなら周辺の地形がよく解るだろ?」
摩耶「まぁ、そうだが・・・」
隼鷹「ここの次はバスに乗るよぉ。うまいプリン屋がある」
~プリン屋~
摩耶「そういや、隼鷹。横須賀に行ってから、どこか変だぞ?」モグモグ
隼鷹「・・・そうかい?」
摩耶「いや、別にアタシの勘違いかもしんないし」
摩耶「そうでなくとも、無理に話さなくてもいい」
隼鷹「大したことじゃないさぁ」
隼鷹「・・・古い馴染みに会えなかっただけでねぇ」
摩耶「・・・アンタは妙に真面目だかんな」
摩耶「あまり深く考えすぎると、今に足元すくわれるぜ」
摩耶「寝て起きて寝る!それがアタシの生き様さ!」
摩耶「人生、単純が一番さ」
摩耶「あっ、お姉さん!プリンもう一個追加で!」
隼鷹「・・・今に大型バルジ付ける様になるぞぉ」ボソッ
~武山海兵団基地~
ガヤガヤ、ワイワイ
摩耶「応っ!お疲れ。どうした?やけに物々しいが」
MP「脱走です!」
摩耶・隼鷹「「脱走!?」ぉ」
MP「はい、軍が嫌で逃げ出したとか・・・既に捕まっていますが」
MP「“如月”という新米の駆逐艦ですよ」
隼鷹「・・・新米ぃ?」
~長門部屋~
隼鷹「長門!カクカクシカジカ・・・」ガチャッ
長門「大発、か号・・・脱走兵か、聞いている」
長門「なんでも、艦娘になってから脱走を繰り返しここへ送られたらしい」
長門「マズイな、他に重なる脱走で・・・銃殺は免れんだろう」
隼鷹「・・・銃殺・・・」
隼鷹「そいつと少し話せないかい?」
長門「軍法会議前は面会禁止だ。刑の執行前ならもしくは・・・」
長門「私も減刑に便宜を図るが、外部の人間だ。期待は持つな」
~数時間後~
隼鷹「長門!・・・判決はどうだったぁ?」
長門「だめだ・・・刑の執行前に会うか?」
隼鷹「・・・頼むよぉ」
~警務隊特別房~
如月「・・・・・・」
ガチャッ
如月「あら、もしや貴女が隼鷹さん?」
如月「法廷で黒髪の素敵な女性が貴女の事を話していらして」
隼鷹「・・・軍が嫌な気持ちはわかる」
隼鷹「実は、あたしも脱走を企んだことがあってねぇ」
隼鷹「だからって何で捕まるとわかっていて、何度も脱走した?」
隼鷹「駆逐艦なら遠征艦隊で任期を過ぎれば除隊だぜぇ?」
如月「何年間も敵味方の命を奪いながら?」
隼鷹「!!」
如月「遠征艦隊とはいえ、戦闘は行いますし」
如月「最悪、重傷を負った味方の介錯を行うと聞きます」
如月「貴女は今まで何人の敵を沈めましたか?」
如月「貴女は今まで何人の味方を沈めましたか?」
如月「隼鷹さん。貴女のいた所はかなりの激戦区だと存じています」
如月「とってもお上手なのですね。人の沈め方が」
如月「・・・私自身、甘かった事は事実です」
如月「国が出すプロパガンダを鵜呑みにして」
如月「艦娘というモノに幻想を抱いていたのかもしれません」
如月「ですが、この手を血に染めるのはお断りします」
隼鷹「死ぬんだぜぇ、あんた。他でもない自分自身が」
如月「そうですね。ですが、この命。どう使おうと私の勝手です」
如月「これは尊厳ある人としての矜持です」
如月「貴女にはそれが守れなかった。違いますか?」
如月「長い戦場での生活で貴女は」
如月「自分の倫理観が麻痺していないと断言できますか?」
隼鷹「・・・・・・」
MP「おいっ。そろそろ時間だぞ」
如月「・・・隼鷹さん。最後に貴女とお話できて良かったです」
おっさん共の喧嘩はもう少しお待ちを
大鳳は更にお待ちを
フラメンコ・サヴァイヴァーはだいぶお待ちを
眼前には小田和湾、遥か彼方には太平洋
背後には武山の山々
頂にそびえる古の砲台は、朽ち逝きながら何を思う
横鎮と半島挟んだ反対側
それは正にここへ足を運ぶ艦娘を暗示させるかのように
ここは武山海兵団基地
栄光とは真逆の土地
先の大戦より連綿と続く練兵の地
今日もまた若人の声が基地に響き渡り
明日への回廊を駆け抜ける
~小田和湾内演習場~
神通「教導艦・神通より各艦、回避行動」
神通「陣形を乱さぬよう、之字運動開始!」
キュイイイィィィン
大鳳「くっ!」フラッ
神通「陣形を乱さぬよう。艤装の速度に振り回されぬよう心がけを」
大鳳「は、はいっ!」
神通「艦隊運動に於いて、一人のミスは全滅を招きます」
神通「僚艦諸共、蟹の餌になりますか?」
神通「全艦、初めからやり直しです」
摩耶「すげぇな、スパルタ教育ってやつだ」
摩耶「まぁ、てめぇの命が惜しいなら死に物狂いでやるんだな」
隼鷹「・・・確実に敵を沈める為になぁ」
摩耶「・・・まだ昨日の脱走兵の事を?」
『とってもお上手なのですね。人の沈め方が』
隼鷹「そんなんじゃねぇ・・・よぉ」
隼鷹「誰が好き好んで戦争なんか・・・誰が」
隼鷹「・・・こっちも訓練を続けようぜ」キュイイイィィィン
ここは武山海兵団基地
今日もまた若人の声が基地に響き渡り
明日への回廊を駆け抜ける
終わらない明日へ
~艦載機用訓練場~
隼鷹「ひゃっはー!者共かかれー!」勅令
ズ┣¨┣¨┣¨┣¨・・・
隼鷹「う~ん・・・的を幾つか仕損じたかぁ?」
鳳翔「・・・心に迷いが見られます。何か気になることでも?」
隼鷹「鳳翔さん!?」
鳳翔「艦載機は我々空母の分身」
鳳翔「艦娘に迷いがあれば当然、機体性能も低下します」
鳳翔「差し支えなければ、私が相談に乗りますよ?」
隼鷹「・・・そうだねぇ~・・・」
隼鷹「こればっかりはあたしの問題だから、あたし自身でケリをつけるよ」
鳳翔「そうですか・・・出過ぎた真似をしました」
隼鷹「いやいやぁ~。あたしの落ち度だよ」
鳳翔「そう言っていただけて幸いです」カチャ、バシュ
ブゥン・・・バババババッ
隼鷹「Ju87G!!。“魔王”の渾名も納得の迫力だなぁ」
鳳翔「・・・まだ、熟れませんね」スっ
隼鷹「皆、心配してたぜぇ。放射能だとかサバイバル生活とか・・・」
鳳翔「それはご迷惑をおかけしました」
鳳翔「艤装が殆どを負担してくれましたし」
鳳翔「戦いに参加できなかった事の方が・・・辛いです」
鳳翔「G型がもっと早く手に入っていたなら・・・」
鳳翔「・・・龍讓さんを助けられたかも知れません」
鳳翔「陽気で気さくな方でした・・・誰よりも仲間を大切にする方でいた」
隼鷹「たくさん・・・死んだよぉ」
隼鷹「これまでも・・・これからも」
~教官室~
神通「長門司令、今回の合格者リストです」
神通「合格者は決して多いとは言えません」
神通「皆さん、頑張ってはいますが及第点以下です」
神通「戦果を上げる前に戦死するでしょう」
長門「新エリア88のメンバーを集めるのに苦労するとは思っていたが」
長門「・・・これ程とは」
神通「私にとっては想定の範囲内です」
神通「正規軍。並の鎮守府では一線級ですが」
神通「一騎当千の逸材を見出す可能性は雀、いや蚊の涙でしょう」
長門「・・・ところで神通。相談だ」
神通「なんでしょうか?」
長門「メンバーから外したい奴がいる」
神通「それは何故でしょう?」
長門「死なせたくない」
長門「聞けば、ここに来るべきでない奴だ」
長門「裏もとってある。本人は否定するかもしれんが」
神通「・・・ここには色々な者がいます」
神通「自ら足を運んだものから、死刑台が嫌になってサインした者」
神通「指令や私も例外ではありません」
神通「誰もが幸運ではありませんでしたが、ひとつだけは皆が平等でした」
神通「誰もが払うべき代償。“死”です」
神通「遅かれ早かれやって来るものです。本人の意思とは関係なく」
神通「それを逃れるか否かを決めるのは本人次第です」
神通「司令風にいうならば・・・“RAISE”でしょうか?」
長門「ポーカーのか?」
神通「はい。配られた手持ちのカードに全てを賭ける」
神通「ゲームからは降りられません。ただひたすらにレイズを続ける」
神通「負けたら命はありません。自分だけが頼りです」
長門「・・・そうか」
神通「お間違いにならないように」
神通「私は全員に平等でありたいのです」
神通「横須賀の基地拡大に伴い、半ば放棄されたこの基地を任され」
神通「教官として数年・・・」
神通「何十人もの教え子達の背中を見送って来ましたが」
神通「できればここを出て行く者を戦いに参加させたくはありません」
神通「私は精一杯、指導しています。生きて帰って来れるように」
神通「そして、皆は期待に答えてくれています」
神通「貴重な技術です。一朝一夕で身に付くものではありません」
神通「ましてやお金で買えることもできません」
神通「それを戦争という沼は際限なく飲み込んでいくのです」
神通「・・・すみません。言葉が過ぎました」ペコ
長門「あいも変わらず苦労性だな・・・お前は」
神通「司令なら私の過去はご存知でしょう?」
神通「性分なのでしょう。これは呪いのようなものですから」
長門「時間をとらせたな、すまん」
~格納庫~
朝霜「しっかし、よく生き残れたよな~」
朝霜「流石、鳳翔さん。亀の甲より年の功ってか?」
鳳翔「一言余計ですよ。爆撃されたいですか?」
鳳翔「ときに、摩耶さん」
摩耶「ん?」
鳳翔「龍讓さんの最後は・・・」
摩耶「砲弾の破片で目をやられてた」
鳳翔「・・・どうして戦闘海域からの退避誘導をしなかったのですか?」
隼鷹「ち、ちょっと、鳳翔さん!?」
摩耶「・・・艤装も結構な被害でな。主機もやられていたようだ」
摩耶「島全部が戦場で、小笠原まで誘導しても辿り着けんだろうさ」
鳳翔「それで手っ取り早く、目の前の姫に突っ込むよう誘導したですか?」
鳳翔「流石ですね・・・良い指揮官の資質をお持ちのようです」
摩耶「口が過ぎるぜ・・・鳳翔さんよぉ。表でるか?」ギロッ
鳳翔「・・・いいでしょう。動かぬ的ではG型の相手は役不足でしたし」
利根「よさんか二人共!!」
利根「あの乱戦状態で手負いの奴を退避誘導するなんて無理じゃ」
利根「龍讓が助けを呼んだ時に、摩耶だから駆けつけられたようなものじゃ」
筑摩「私達も近くにいたはずですが、とても見つけることができませんでした」
筑摩「電探に入る反応ですらほとんど重なっていましたし」
筑摩「電探の扱いに長けた摩耶さんの練度だから行えた行動でした」
鳳翔「・・・ですが龍讓さんは戦死しました」
摩耶「確かにアタシが誘導したさ。『姫は何処だ』って聞いてきたんだから」
摩耶「『お前の目の前だ』って教えたのさ」
鳳翔「“ぶちかまし”をするとは、その時察せたはずです」
摩耶「ああ!!よくわかっていたさ!!」
摩耶「伊達に何年も艦娘やっちゃいねぇんだ!!」
摩耶「死を覚悟した奴なんざ勘でわかる!」
摩耶「だからってどうしろと?お手を引いてお嬢さんこちらですってか?」
摩耶「こちとら砲弾飛び交う中を最大戦速でブッ飛ばしてんだ!」
隼鷹「やめろぉ!」
隼鷹「どうかしてるぜぇ、二人共」
隼鷹「龍讓は死んだ!あいつだけじゃない!皆死んだんだぁ!!」
隼鷹「鳳翔も分かっているはずだ、主機をやられた奴が」
隼鷹「最後の誘爆を逃げ切れたハズはないって」
利根「・・・鳳翔や。摩耶は龍讓に死に場所を見つけてやったのじゃ」
利根「艦娘の一生で港湾棲姫などという大物と矛を交えられる者は多くない」
利根「郷里に一人残した弟に仕送りしとった奴には又とない好機」
利根「此度の戦で国から出た報酬で奴の弟はこれから」
利根「何不自由ない生活ができるじゃろうよ」
鳳翔「くっ!・・・龍讓さん・・・何故、あなたが・・・」
エリア88での戦いは
その規模からいえば損害は軽微であった
しかし、目に見えぬ損害
艦娘達の心に負った傷は
日本海溝の如く、深く大きなものであった
~会議室~
長門「摩耶、隼鷹、鳳翔、加古。以上を海軍大尉とし」
長門「利根、筑摩、・・・以上を海軍中尉とする」
長門「これは正規軍と同等の権限を持つものである」
摩耶「ちょっと待ってくれ。訳がわからない」
摩耶「アタシらは外人部隊に来た時点で階級剥奪され」
摩耶「公式上は軍人扱いでなくなるはずだ」
朝霜「縛られんのは御免被るぜ」
長門「外人部隊の再編成に伴い、書類上は海軍と個人契約した傭兵という立場から」
長門「正規軍の一部となった」
長門「命令拒否の自由を失う代わりに、正規軍に対し指揮権を得た」
鳳翔「私達は外人部隊。傭兵として契約時に」
鳳翔「クライアントの過度な要求をされた場合に違約金という形で免除という条件でした」
鳳翔「・・・これは契約違反では?」
長門「だが、『緊急時に於ける軍の作戦行動に該当する場合はこれに該当しない』と続いていたはずだ」
長門「今がその時だ。上層部の判子もあるぞ」
朝霜「・・・やれやれ、だぜ」ハァ
谷風「なんてこった!紙キレ一枚で地獄に来たら、その下があったよ!」
長門「静かに。これは正規軍の中にエリア88のメンバーを」
長門「長期的に送り込む際に指揮系統の混乱を避ける為だ」
隼鷹「・・・だったら、正規軍にあたしらが沈んでこいと言う事もかぁ?」
長門「可能だ。そして我々も諸君らに“散ってこい”と言える」
長門「諸君らはこれを拒否できない」
長門「命令不服従で銃殺か、自らの明日を切り開くかの二つに一つだ」
朝霜「前には鬼か姫、後ろには銃口か・・・露助もびっくりだ」
長門「以上で通達を終了する。残りの人員については」
長門「廊下に階級を張り出しておく、確認するように」
長門「先程の尉官数名は残れ、続きがある」
大淀「気を付け!」
ガタッ
摩耶「やれやれ、おかしなことになってまった」
隼鷹「大尉ってどの位だぁ?」
摩耶「そうか、隼鷹は知らんか」
長門「それについて今から説明する」
長門「エリア88の再編成に伴い、指揮官は引き続き私が執る」
長門「今まで私が兼任していた戦闘指揮官はこの神通が行う」
神通「よろしくお願いします」ペコ
隼鷹「大淀の奴はお役御免かい?」
大淀「私は各分遣隊の管理・運営・支援などの後方支援を行います」
長門「分遣隊はここにいる2人で2艦隊分を指揮する」
長門「艦隊旗艦を大尉階級の者が、中尉階級の者がその補佐役となる」
長門「隼鷹には筑摩。摩耶には利根。鳳翔には・・・となる」
摩耶「おう!よろしくな!」
利根「うむ、よろしく頼むぞ」
長門「この辺りまではエリア88で同じ釜の飯を食った仲」
長門「特に問題はないと考えている」
長門「問題は艦隊編成だ。人選は各自にやってもらう」
長門「これから渡す書類はこれから加わる新入り達だ」
隼鷹「うひゃあ!マジかよ?」
長門「これに今までの古参組を加えた中から人選をやってくれ」
利根「これ全部か?相当な数じゃよ」
長門「72時間やる。報告書は大淀に提出しろ」
摩耶「長門・・・・・・え~と、階級幾つだっけ?」
長門「今まで通りの長門でいい。なんだ?」
摩耶「新しいエリア88はいつ完成するんだ?」
長門「今、突貫工事で進めているが数ヶ月はかかる見込みだ」
摩耶「そんなにか」
鳳翔「その間、私達が艦隊の訓練を?」
長門「そうだ。背中を預けられるまでとは言わんが」
長門「後ろから撃たれない程度に可愛がってやれ」
隼鷹「まいったねぇ。これ」
筑摩「焦らずいきましょう」
~格納庫~
キュイイイィィィン
隼鷹「まったく。長門の無茶ぶりには参るねぇ」
隼鷹「これが明石なら手間賃せびってるぜぇ」
摩耶「全くだ。面倒だから要領よくいこうぜ」
利根「して、如何にやろうとな?」
摩耶「アタシら古参連中が43人。新入りが17だったな?」
筑摩「はい。その通りです」
摩耶「合計60人。10艦隊の内、長門を含む予備兵力の12人を抜いた」
摩耶「48人がアタシら実働部隊って事だ」
隼鷹「そんで大尉が4人だから」
利根「43+17=60。60-12=48。48÷12=4!ピッタリじゃな!!」ドヤッ
摩耶「そんで全体の7割ちょいが古参連中なんだから」
摩耶「艦隊12人のアタシら除いた10人を」
摩耶「古参・新入りを大体8人・2人で入れりゃいい」
摩耶「古参組は以前の戦隊や駆逐隊をそのまま入れればいい」
筑摩「その方が連携もとり易いでしょう」
摩耶「悩むのは新入りだが、古参の穴を埋める編成なら簡単だろ?」
隼鷹「鳳翔さんみたく全員に面接するより簡単だねぇ~」
利根「それだけなら1日で終わりそうじゃな」
利根「残りはカタパルトの整備でもするか?」
隼鷹「今から昼寝してる加古よりマシだよなぁ」
利根「加古の補佐役、誰じゃったか?」
筑摩「確か・・・熊野さんのはず」
隼鷹「あのお嬢様、頭に“クソ”が付くくらい仕事に真面目だからねぇ~」
隼鷹「案外いいコンビじゃないかぁ?バランス取れてて」
摩耶「流石、ウチの司令官。よく考えてられてるよ」
~教官室~
長門「・・・ヘっくしゅ!!」
神通「・・・風邪、ですか?」
長門「大丈夫だ。心配ない」チーン
~艦娘寮、加古・熊野部屋~
加古「ZZzzz・・・ZZzzz・・・ぶぇっくしょん!」
熊野「あら、加古さん。花粉症ですか?お気の毒に」
加古「それより人選。どうなった?」
熊野「この熊野。承った仕事はひと捻りで終わらせてあげますわ!」
加古「終わったら起こしてね・・・ふあぁあ、ねむい・・・zzz」
~艦娘寮、隼鷹・筑摩部屋~
隼鷹「この艦娘候補生から直接来た“大鳳”っての良さげだぜぇ?」
筑摩「呼び出してみましょう」Prrr、Prrr
筑摩「大鳳という方・・・ええ・・・はい」
Knock!、Knock!
筑摩「どうぞ」
大鳳「航空母艦大鳳です。飛行甲板まで十分な防御を施された最新鋭の正規空母です」
大鳳「お呼びでしょうか?」
筑摩「装甲空母・・・ですか」
筑摩「隼鷹さん。この方、空母系最年少です」コソッ
隼鷹(・・・駆逐艦だと思ったよぉ)
他人は言うのさ
“外人部隊の連中は悪魔の心臓を持ってる”って
“血も涙もないはみ出しもの集まり”だって
じゃあ教えてやるよ、知ってるかい?
あたいらの心臓には艤装みたく
重油が流れていて
心臓は溶接加工されているのさ
By朝霜
~格納庫~
大淀『隼鷹隊。出撃、どうぞ』
隼鷹「よーし!隼鷹さん達、出撃しちゃうよぉ~!抜錨!」キュイイイィィィン
~待機室~
摩耶「隼鷹の隊はもう行ったか」
大淀『摩耶隊。5分後に出撃します。準備をお願いします』
摩耶「応よ!利根、ヒヨっ子共の後につけ!」
~沖合~
隼鷹「筑摩!勝手は違うが同じ空母だから、あたしが大鳳を預かるよぉ」
隼鷹「残りは任せたぜぇ。徹底的にしごいてやれ」
筑摩「あら、嬉しい御言葉。ありがとうございます」
隼鷹「大鳳!付いて来なぁ」キュイイイィィィン
大鳳「はい!」キュイイイィィィン
隼鷹「いいか。空母は皆、艦載機を動かしながら」
隼鷹「回避や機銃などの自身での戦闘もこなさなきゃならない」
隼鷹「艦載機の搭載数が増えれば、それだけ負担も増える」
隼鷹「艦載機の使えない空母なんか、目隠しされた達磨同然だかんな」
大鳳「は、はい!」
隼鷹「よーし!付いて来なぁ、あたしから離れんなよぉ」
キュイイイィィィーーーン
~夜、格納庫~
キュイイイィィィン
摩耶「ん!?やっと帰ってきたか」
利根「ひい、ふう、みい・・・・」
利根「今日一日、ああやって帰ってきては蜻蛉返りで出撃しとるぞ」
摩耶「隼鷹らしからぬやり方だな。隊の他の奴らはとっくに帰っているのに」
長門「摩耶、隼鷹はまだ訓練を続けているのか?」
摩耶「ああ。初日からあんなに飛ばしてちゃあ、潰れちまうぞ」
長門「アイツにはアイツのやり方があるのだろう。好きにさせるさ」
隼鷹「燃料満タン、大至急だぁ!」
筑摩「まだ続けるのですか!?」
隼鷹「これより夜間の模擬戦闘訓練だぁ!」
利根「何故じゃ、空母は夜間での活動が制限されるのは無論知っておろう?」
隼鷹「空母には夜には夜の戦い方があるって事を教えてやるのさぁ~」
摩耶「朝から飯も食わずにぶっ続けだぜ」
大鳳「わ、私なら大丈夫です。続けられます!」
隼鷹「出撃ぃ~!」キュイイイィィィン
大鳳「大鳳、出撃します!」キュイイイィィィン
利根「・・・行ってしもうたぞ」
~小田和湾~
隼鷹「・・・大鳳・・・苦しいかい?」
大鳳「い、いいえ」
隼鷹「正直に言ってみな」
大鳳「・・・苦しいです」
隼鷹「良かったなぁ。そいつは生きてる証拠さぁ」
隼鷹「だが、阿呆ズラ晒して周囲の索敵を怠ってるようじゃ水底いきだぜぇ?」
大鳳「・・・どうしてこのような訓練を?」
隼鷹「自分で考えなぁ~。答えが出るまでこの訓練、延々と続くぜぇ~」
~待機室~
摩耶「おっ!やっと終わったぜ」
隼鷹「大鳳、今日は何回三途の川を渡ったんだい?」
隼鷹「明日は回数減らせよぉ」
摩耶「奴さん、聞いちゃいないぜ。死んだように眠ってらぁ」
大鳳「」
隼鷹「がぁ~、ごぉ~」ZZzzz
摩耶「・・・こっちもか」
摩耶「ハァ。筑摩、足を持ってくれ、こいつを寝台に放り込むぞ」
摩耶「利根。大鳳を頼む。世話がやけるぜ、まったく」
~訓練2日目~
隼鷹「立てウジ虫ィ!いつまで寝ているんだぁ!」
~訓練3日目~
隼鷹「弾倉の交換に何秒かけてるんだぁ!?」
隼鷹「“慢心の一航戦”になりたいのかぁ?」
~訓練4日目~
隼鷹「ターンピックが冴えないなぁ」
隼鷹「自慢の装甲をアテにするな!」
隼鷹「敵の攻撃なんか当たらなければ、どうということはない!」
~訓練5日目~
隼鷹「立てウジ虫ィ!飛行機飛ばせん空母なんざウジ虫同然だぁ!!」
~訓練6日目~
隼鷹「ウジ虫ィ!弾倉を落とすなぁ!!」
~訓練7日目~
隼鷹「ウジ虫ィ!」
~訓練8日目~
隼鷹「ウジ虫ィ!」
~訓練9日目~
隼鷹「大鳳、答えは見つかったかい?」
大鳳「はい!」
隼鷹「よーし!訓練終了!おつかれさんっ」
~待機室~
隼鷹「あたしらが生き残る方法は」
隼鷹「自身の技能でも艤装の性能でもないのさぁ」
隼鷹「這いずり周り、のたうち周り」
隼鷹「五臓六腑を撒き散らしてでも生き抜いてみせる」
隼鷹「“生き抜いて明日のお天道様を拝んでやる”って気持ちが大切さぁ」
隼鷹「これだけは覚えておきなぁ~」
大鳳「はいっ!!」
“われわれはどこから来たのか”
“われわれは何者か”
“われわれはどこへ行くのか”
霧の方々の言っていた言葉
ポール・ゴーギャンの絵画に似ている
我々人を寄り代とし、人ならざる人となった艦娘も
霧の艦隊も、深海棲艦でさえも
皆、等しく抱く問なのかもしれない
ならば終わりの見えない、果てしなく続く
この戦いの向こうに、答えはあるのか?
“殉ずるがいい。己の答えに”
そう囁くのだ、私の―――。
―2014/01/08付の大淀の手記より―
このSSまとめへのコメント
すごい面白い。
元ネタと艦これのバランスがいい。
超オススメ!