ドラえもん「え?なんで?」
のび太「うん……ちょっとね……」
ドラえもん「……」
のび太「……」
ドラえもん「……また、ジャイアンたち?」
のび太「……」コクリ
ドラえもん「はぁ……。で?今日は何があったの?」
のび太「……うん。実は――」
~1時間前、下校~
のび太『し~ず~か~ちゃん!』
しずか『あら、のび太さん』
のび太『今日一緒に遊ばない?』
しずか『ええ。いいわよ』
のび太『やった!じゃあすぐに行くからね!』
しずか『ええ。わかったわ』
のび太『しずかちゃんを待たせないようにしなきゃ!早く帰ろう!』
タタタタ……
ドン
のび太『あいた!人にぶつかっちゃった!ご、ごめんな――』
ジャイアン『お?のび太じゃねえか』
のび太『あ、ジャイアン。それにスネ夫』
ジャイアン『ちょうどよかったぜ。おいのび太。今から我らがジャイアンツの試合なんだよ。お前も来い』
のび太『ええ!?今日は、ちょっと……』
スネ夫『来られないって言うのか!?のび太のくせに生意気だぞ!』
のび太『そ、そういうわけじゃ……』
ジャイアン『じゃあ大丈夫だな。2時間後、河原に来いよ』
スネ夫『遅刻すんなよ!』
スタスタ……
のび太『……どうしよう……』
ドラえもん「……つまり、ダブルブッキングしちゃったってこと?」
のび太「……うわああん!どうしよう!」
ドラえもん「まったく!行けないなら断ればいいだろ!」
のび太「無茶言わないでよ!断ったら何をされるか分かったもんじゃない!」
ドラえもん「まあ、それはそうだけど」
のび太「ドラえもん!なんとかしてよ!」
ドラえもん「……もう。しょうがないなぁ」ゴソゴソ……
のび太「コピーロボット出してくれるの!?」
ドラえもん「コピーロボットは、修理中でないんだよ」
のび太「え!?じゃあどうするの!?」
ドラえもん「いいものがある。ええと……」ゴソゴソ…
パンパカパーン!!
ドラえもん「分身植物培養セット~!」
のび太「なにそれ?」
ドラえもん「うん。これはね、分身を作る植物を育てる道具なんだ」
のび太「分身を、育てる?」
ドラえもん「そうだよ。まあ口で言ってもわかんないだろうから、とりあえずやってみようよ」
ドラえもん「まず、キミの髪の毛をもらうね」
プチッ
のび太「痛っ!」
ドラえもん「で、この髪の毛をこの種の中に入れる」ゴソゴソ…
のび太「ふんふん」
ドラえもん「それで、この種をこの植木鉢に植える」ゴソゴソ…
のび太「へえ」
ドラえもん「後はこの水をかければ……」サァァァ……
ピョコン
のび太「あ!芽が出た!」
ムクムクムク……
のび太「うわぁ。どんどん成長してる」
ドラえもん「あっと言う間に大きくなるんだよ」
のび太「うわぁ……大きな木の実……」
ドラえもん「そろそろいいかな。これを、落とす」
ブチッ
……ポトン
ドラえもん「それで、この実を割ると……」
パカッ
のび太「こ、これは……!?」
ノビタ「……」
のび太「僕が、出てきた!?」
ドラえもん「簡易的なクローンみたいなもんだよ。はいノビタくん。自己紹介」
ノビタ「……はじめまして。僕、ノビタ」
のび太「声までそっくり……」
ドラえもん「分身だからね。じゃあノビタくん。河原に行って、ジャイアン達と野球してきて」
ノビタ「……うん。わかった」スタスタ……
のび太「……なんか、やけに大人しいね」
ドラえもん「ああ、そうなってるんだよ。分身ではあるけど、あんまり自我が強いと、色々面倒なことになるからね」
のび太「面倒なこと?どんな?」
ドラえもん「う~ん……説明は難しいけど……。ま、とにかく面倒なんだよ」
のび太「ふ~ん……。まいいや。しずかちゃんちに行ってこよ!」ダッ
ドラえもん「あ!のび太くん!……もう……」
~河原~
スタスタ…
ノビタ「……」
ジャイアン「おいのび太!遅ぇぞ!」
スネ夫「試合が始まっちまうだろ!」
ノビタ「ごめん……」
ジャイアン「ほら!さっさと守備につけ!試合始めるぞ!」
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