キョン「ハルヒのうんこで世界がやばい?」 (38)
長門「そう。涼宮ハルヒは今現在便秘により多大なるストレスを感じている」
長門「このままいけば、明日の23時49分17秒に世界は消滅し、作り替えられてしまう」
長門「なんとしてでも阻止する必要がある。あなたの力を借りたい」
キョン「しかしな。いきなりそんなことを言われても到底信じられないんだが」
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長門「これは本当。信じて」
キョン「と言ってるが本当なのか? 古泉」
古泉「本当です。涼宮さんは二週間前の午後1時12分以降、うんこをされていません」
古泉「今までも便秘による神人の急増はよくありましたが、一週間を越えることはありませんでした」
古泉「確かに、涼宮さんがストレスで世界を作り替えてしまう可能性は大いに考えられます」
キョン「そんなバカな」
長門「これは真剣な話。世界を救うにはあなたの力が必要」
キョン「と言われてもな……」
キョン「というか、機関はハルヒの便通まで調査しているのか?」
古泉「いえ、これは僕の個人的な趣味です」
キョン「というと?」
古泉「機関の任務で偶然涼宮さんの排便を聞いてしまってからくせになってしまいまして」
古泉「涼宮さんに盗聴器付きのペンダントをプレゼントしたわけです」
古泉「僕も困っているわけですよ。もう二週間も涼宮さんの排便音を聞けていないものですから」
キョン「長門。警察を呼ぼう」
長門「待って。今は目の前の窮地を脱する必要がある。投獄はそれから」
キョン「で、ハルヒの……その、便秘で世界がやばいってことはわかったんだがどうすれば危機を回避できるんだ?」
長門「涼宮ハルヒに排便をさせる必要がある」
キョン「こんにゃくでも食わせればいいのか?」
長門「涼宮ハルヒの便秘はそんなことでどうにかなるレベルではない」
長門「これは世界レベルの問題。真剣に考えて欲しい」
キョン「……じゃあ、どうすればいいんだよ」
長門「ここにわたしが調合した対涼宮ハルヒの大便用決戦兵器メッチャデールがある」
長門「唐辛子、タバスコ、ダークマターを9対9対1の割合でブレンドしてある」
長門「これを涼宮ハルヒの肛門にぶち込めば涼宮ハルヒは脱糞。世界は救われる」
キョン「……嘘だろ?」
長門「本当。世界を救うにはこの方法しかない」
キョン「でも、それなら俺じゃなくて他のやつでもいいんじゃないのか?」
古泉「本当ですね。僕、ちょっと行ってきます」
キョン「メッチャデールとやら盗られたけどよかったのか?」
長門「問題ない。調合は簡単」
キョン「しかし、これで世界は救われたんだろ?」
長門「それはない。古泉一樹に世界は救えない」
キョン「それはどういう――」
ハルヒ「きょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!!!!!」
キョン「うわっ、どうしたんだハルヒ」
ハルヒ「古泉くんが! 古泉くんが!」
ハルヒ「いきなりわたしのパンツを掴んで脱がそうとしてきたの!」
ハルヒ「もうわたし、どうしていいかわからなくて」
長門「こういうこと。世界を救えるのはあなただけ」
古泉「やれやれ。困ったものです。僕は世界を救いたかっただけなのですが」
警官「話は署で聞く」
キョン「…………」
キョン「一応事情はわかった」
キョン「しかし、これはどういうことなんだ?」
ハルヒ「きょーん、きょーん」
キョン「ハルヒが猫みたいに抱きついてきて離れないんだが」
長門「おそらく、古泉一樹に襲われた恐怖が原因」
ハルヒ「キョン、お願いだからどこにも行かないで。わたしと一緒にいて」
長門「こうなった以上、もうあなた以外涼宮ハルヒに近づくことはできない」
長門「つまり、世界を救えるのはあなただけ」
キョン「しかし、一体どこでどうすればハルヒに薬をぶち込むなんてこと――」
ハルヒ「今夜は、……一緒にいてほしいの」
キョン「…………」
長門「健闘を祈る」
長門「何故、涼宮ハルヒを家に帰した」
キョン「なんか弱みにつけ込んでる気がするって言うか」
キョン「そもそも、やっぱりこんなこと、どう考えてもおかしいだろ」
長門「おかしくない。これは真面目な話」
長門「あなたは世界を救う最大のチャンスを棒に振った」
長門「このまま世界が滅べばあなたはまちがいなく戦犯。越智、日高、西岡」
キョン「…………」
長門「そもそも、あなたは涼宮ハルヒに好意を抱いているはず。これはあなたにもメリットはあること」
長門「なのに、なぜ拒否するのか」
キョン「俺がハルヒに好意を持ってるってことについては百歩譲って置いておくとしてだ」
キョン「いくら世界を救うためといっても、こういうのやっぱりなんか違う気がするんだよ」
キョン「気持ちが大事というか、なんというかさ」
長門「綺麗事。へたれの極み。童貞」
キョン「…………」
長門「とにかく、世界を救うには明日なんとかするしかない」
長門「これ以上童貞的思考で足を引っ張らないでもらいたい」
長門「明日はちゃんと仕事をしてくれると信じている」
キョン「…………」
長門「失敗すれば世界中の人が不幸になる。あなたの家族もそう。賢明な判断を期待している」
キョン「…………」
妹「キョンくんはさみー」
キョン「おう」
妹「キョンくんはさみー」
キョン「おう」
妹「キョンくんはさみー」
キョン「おう」
キョン「…………」
キョン「よう、ハルヒ」
ハルヒ「あら、おはようキョン。偶然ね」
キョン「ここ俺の家の前なんだが」
ハルヒ「……気分転換に通ってみたかったのよ」
キョン「さっきから十分以上待ってるよな」
ハルヒ「……たんぽぽがきれいに咲いてたのよ」
キョン「…………」
ハルヒ「……いじわる」
ハルヒ「キョンと学校に行くなんて最悪だわ」
ハルヒ「最悪すぎてこのまま時間が止まればいいのにって気分よ」
ハルヒ「結婚して、おばあさんとおじいさんになって、一緒のお墓に入りたいくらい。ああ、ほんと最悪」
キョン「…………」
キョン「今日の放課後、用事あるか?」
ハルヒ「ないわ! 全然全く何一つとしてないわ!」
長門「信じていた。素晴らしい働き。非童貞。イチロー、福留、ラルフ・ブライアント」
キョン「…………」
長門「あなたの名前でホテルのスイートルームを予約してある。デートの後、そこでことに及べばいい」
長門「そのあとどうするかはあなたの自由。こちらから指示は特にない」
長門「いい夜を」
キョン「…………」
ハルヒ「キョンと一緒なんて最悪だわ」
ハルヒ「胸が弾んで空だって飛べそうな気分」
ハルヒ「あなたがいるだけでわたしは幸せなのかもしれないわ。ああ、ほんと、最悪」
キョン「…………」
ハルヒ「ねえ、そろそろわたし家に帰る時間なんだけど」
キョン「あのさ、ハルヒ」
ハルヒ「うん……」
キョン「実はさ。世界を救うために一緒にホテルのスイートルームへ行って欲しいんだ」
ハルヒ「え?」
キョン「細かい事情は言えないけど、世界を救うにはそれしかないんだ」
キョン「じゃないと、世界が滅んでしまうんだよ」
キョン「だからさ」
ハルヒ「最低……」
キョン「え?」
ハルヒ「最低よ、キョン。そんな適当な嘘をつく人だと思わなかった」
ハルヒ「わたし、わたし、キョンだったらって思ってたのに」
ハルヒ「もう顔も見たくないわ。さよなら」
キョン「…………」
長門「あの状況で失敗するとは思わなかった」
長門「あなたのせいで世界は終わり」
長門「無能、クズ、生きる価値無し。ミセリ、ペニー、グリーンウェル」
キョン「…………」
長門「でも、これは私のミスでもある。あなたが童貞であるということを軽く考えていた私のミス。反省している」
長門「わたしは最期の時をオープン戦の録画を見て過ごすことにする」
長門「いい最期を」
キョン「…………」
キョン「なあ、ハルヒ。ちょっと話があるんだ」
ハルヒ「わたしにはないわ」
キョン「頼むから外へ出て来てくれ」
ハルヒ「いやよ。用があるなら電話で言えばいいじゃない」
キョン「それじゃダメなんだ。これは、ちゃんと直接伝えないといけないことだと思うから」
キョン「なあ、ハルヒ。頼む。もう一度。もう一度だけチャンスをくれ」
ハルヒ「……しょうがないわね」
続きは今夜
ハルヒ「今度は一体なに?」
ハルヒ「ムー大陸でも発見されたのかしら?」
ハルヒ「マヤの予言? それともノストラダムス?」
キョン「ハルヒ、俺はさ。俺は……」
ハルヒ「なによ」
キョン「ハルヒが好き、なんだ」
ハルヒ「そんなこと言われても騙されないんだから」
ハルヒ「わたしはそんな軽い女じゃないの」
ハルヒ「初めては大切な人にってちゃんと決めてるの。嘘で騙そうとするような人じゃなくてね」
キョン「嘘をついたこと。悪かったって思ってる」
キョン「でも、あれは騙そうとしたわけじゃないんだ。情けない話なんだが、ビビっちまったっていうかさ」
キョン「絶対に失敗したくない、この人を失いたくないって思ったらついあんなことを言ってしまっていたんだ」
キョン「本当に悪かった。情けない男だと自分でも思う」
キョン「でも、これだけは信じて欲しい」
キョン「俺はハルヒが好きだ。俺にはハルヒしかないって思ってる」
ハルヒ「キョン……」
ハルヒ「キョン、キョン、キョン!」
ハルヒ「わ、わたしも、わたしもずっと好きだった!」
ハルヒ「ねえ、嘘じゃないわよね? ドッキリとかじゃないわよね?」
キョン「本当だ」
ハルヒ「夢みたい! あれ、もしかして夢なんじゃ……痛い! 夢じゃないわ!」
キョン「ハルヒ。今夜は一緒にいたい」
ハルヒ「キョン……」
ハルヒ「スイートってこんなに広いのね……」
キョン「そうだな」
ハルヒ「こんな部屋どうやってお金払ったの?」
キョン「ちょっと知り合いからもらってさ。ハルヒと来れて本当によかった」
ハルヒ「キョン……」
キョン「…………」
ハルヒ「…………」
キョン「…………」
ハルヒ「わ、わたし、ちょっとトイレ行ってくるわ」
キョン「ああ」
キョン「…………」
キョン「タイムリミットまであと二時間。なんとか間に合いそうか」
ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!
キョン「!!」
キョン「じゃあ、全部嘘だったっていうのか」
長門「そういうことになる」
長門「わたしは質の悪い少女漫画のごとく、くっつきそうでくっつかないあなたたちにイライラしていた」
長門「だからやった」
長門「反省はしていない」
キョン「貸したドカベン全部返してもらうからな」
長門「そんな……まだ里中がスカイフォークを覚えたところまでしか読んでないのに」
キョン「こっちは大変だったんだ。これくらいの罰は当然だろ?」
長門「せめて、山田が打点記録更新するところまでは……」
キョン「ダメだ」
ハルヒ「きょーん、きょーん!」
ハルヒ「あーあ、キョンに抱きつくなんて最悪」
ハルヒ「先生に呼び出されてた間もずっとずっとずーっとキョンのこと考えてたくらい最悪よ」
ハルヒ「キョン、大好き、大好きよ!」
キョン「やれやれ」
キョン「俺もだよ、ハルヒ」
長門「ところで」
長門「ゆうべはおたのしみでした?」
キョン「……言うな」
おわり
以上。
感想くれるとうれしい。
宮森「声優連続殺人事件?」 - SSまとめ速報
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宮森「声優連続殺人事件?」もよろしく。
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