男「さて、ガチャを回すか」 女「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁぁ!!」 (27)

男「おい、無駄って何だ! 無駄とは!」

女「無駄だから無駄だって言ってるんだよ。そんなガチャを回して何になるって言うの!」

男「何になるって……! 俺の嫁たちとの絆が深まるだろう!」

女「いいや、深まらないね」

男「何だと……!」


女「男君は心から彼女たちを愛してなんかいない。だから深まる訳がないって言ってるの」

男「おい、ふざける――!!」

バシンッ!!

男「がふっ! おまっ、何を!」

バシンッ!! バシンッ!! バシンッ!!

男「ぐはっ!!」ドサッ



女「いい? 男君が真に彼女たちを愛しているなら、ガチャを回すなんて言わない」ゴゴゴゴゴ

女「真のプロデューサーなら!」

女「ガチャを回したい!と心の中で思ったならッ!!」

女「その時、すでに行動は終わっているんだッ!!」ガチャガチャ


女「だから、真のプロデューサーの間では『ガチャを回す』なんて言葉は使わないんだよ!!」

女「男君はプロデューサーとして失格! プロデューサーじゃない。ただのマンモーニ(ママッ子)だよ!!」


男「ッッッ!!!」

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男「確かに俺は真のプロデューサーじゃないかもしれない……」

女「ようやく気づいてくれた、男君」

男「だが、この男には夢があるッ!!」

女「なッッ!!?」

男「例え女が止めようともッ! 俺が真のプロデューサーでなくてもッッ!!」

男「この俺のガチャを回したいという彼女たちへの愛は止められない!!」

女「!!?」


男「俺は今!ヤケになってなんかいないッ! 真のプロデューサーでなかったこの責任は、自分のガチャチケを『犠牲にして償う』……などと!」

男「決して追いつめられた根性ではないッ! これは『覚悟』だッ! 俺には『覚悟』があるッ!」

男「『覚悟』とは……犠牲の心ではないッ! 『覚悟』とは!! 暗闇の荒野に!! 進むべき道を切り開く事だッ!」


男「終わりのないのが『終わり』。それが『ガチャ』であり『課金』ッッ!!」

男「俺は今、その道を歩む覚悟を決めたッッ!!」ゴゴゴゴゴ


女「ぐっ……!!」

プルルル、プルルル

男「あ……もしもし。部長ですか? おはようございます、男です」

男「まことに勝手なのですが……今朝、15分ほど出社が遅れそうなのです。ききわけのない女の相手をしなくてはいけなくなりまして……」

男「いえ、部長。人様から見たら、ほんのつまらない理由なのです。はい。15分ほどしか、かかりませんので…………」

男「はい、まことにすみません……はい。済み次第……はい。すぐ会社に…………はい! 向かいますので……はい」

男「は! ……失礼します!部長」ピッ


男「フフフフフッ……。これで会社への連絡は終わった。後はゆっくりガチャを回すだけだ」

女「ガチャを? 何を言ってるの……? 男のガチャならさっき全部私が回したのを見てたでしょう」

男「そう。だが、それだけの理由でもう回せないとでも思っているのか?」ゴゴゴゴゴ

女「どういう事よ……」

男「俺はちょっとだけ課金するッッ!!」

女「ッッ!! 馬鹿な事はやめなさい!! 今月はピンチなんでしょ! 次の給料までもやしで過ごす気!?」

女「ちょっとだけって言ってもこれ以上の課金は命取りになるわよ!!」

男「いや、勘違いしないでほしいな、女。チョッピリばかりって言ったのはだな、ほら」スッ

男「クレカを使って50数万円しか課金しないって意味だ………ちょっぴりだろ?」ゴゴゴゴゴ

女「!!?」

男「50万円じゃあ……真の課金兵とは言えないからな。だが、これが俺の今出来る唯一の手段であり、彼女たちへの愛の形だからなッッ!! 仕方がない!!」ゴゴゴゴゴ

女「やめなさい!! その課金はダメよ!! 課金のボタンを押すなーッッ!!」


男「いいや! 限界だ! 押すね!!」ゴゴゴゴゴ

女「ダメーッッ!!」

男「今だッッ!!」

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