黒井「ウィ」雪歩「穴を掘って埋まってますぅ」 (60)


都内某所

黒井「買い出しも済ませたし、一息入れるとするか」

黒井「ふむ、お茶処か。たまには悪くないな」



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黒井「む?貴様は忌々しい765プロのちんちくりんアイドルではないか」

雪歩「ひっ!く、黒井社長!?」

黒井「ウィ。ここで何をしている?」

雪歩「あ、あの…私、日本茶が趣味なので…」

黒井「ほう」



雪歩「そ、その…ここはお茶も販売してるので、買っていこうかと…」

黒井「ほう。まぁいい。今から一息入れようと思ってたのだが貴様もどうだ?」

雪歩「え!?あ、あの私は…」

黒井「あぁ、すまない店員さん、待たせてしまったな。二名だ」

雪歩「あっ、あの!ひぃっ!」


黒井「私はこの栗あんみつにするか。貴様はどうする?」

雪歩「あっ、あの…私は……お、同じ奴で…」

黒井「ウィ。…ふむ後はお茶も選べるのか」

黒井「私は日本茶はそこまで詳しくないのだがどうしたものか」


雪歩「あの…和菓子とかにだったらさっぱりめのお茶が合うかと…」

黒井「ほう、棒茶とかかね?」

雪歩「そ、そうですぅ!あとは玄米茶とか番茶とかも!」

黒井「貴様は何にする?合わせよう」

雪歩「えっと、じゃあ棒茶でお願いしますぅ」

黒井「ウィ。そこのマダム、栗あんみつと棒茶を2つずつ貰おう」


──


黒井「ふむ、美味いな」

雪歩「幸せですぅ」

黒井「茶もかなり美味いな」

雪歩「ここの棒茶は玉露を作る時の過程の茎なので、良い物なんです」

黒井「ほう」


黒井「そういえば京都で飲んだ玉露には驚いたな」

黒井「普通のお茶より温いのに味がしっかり出ていた」

雪歩「玉露は温度が高すぎると苦みが出てしまうので…」

黒井「なるほどな」


黒井「食後にほうじ茶を頼むがどうする?」

雪歩「あ、私もお願いします」

黒井「ウィ。あとは帰りに買って帰ろうと思うのだが」

雪歩「?」

黒井「少し選ぶのを手伝って貰おう」

雪歩「は、はい!」



──


雪歩「ご、ごちそうさまでした!」

黒井「ウィ。こちらこそ世話になったな」

雪歩「いえ!日本茶が好きな人が増えるのは大歓迎ですぅ!」

黒井「そうか。私はコーヒーと紅茶なら詳しんだがな…」

黒井「では失礼するよ。アデュー!」

雪歩「あ、ありがとうございました~!」


───
──


横浜某所

黒井「さて、観光も終わったことだし戻るとするか」



???「おや、黒井殿ではありませんか」


黒井「む?貴音ちゃんではないか。それに雪歩ちゃんもいるのか」

貴音「奇遇ですね、黒井殿」

雪歩「こ、こんにちは~」

黒井「ウィ。二人でどうしたのかね?」


貴音「はい。先程ろけが終わったので夕餉に向かおうと思いまして」

黒井「ほう」

貴音「よろしければ黒井殿もいかがでしょうか?」

黒井「そうだな。それも悪くない」


黒井「なにか予定は決まっているのかね?」

貴音「はい。関○も近いので二十郎に伺おうかと」

雪歩「え!?」

黒井「に、二十郎は私には少しキツイな…」

貴音「なんと!」


黒井「ゆ、雪歩ちゃんは何か食べたい物はないかね?」

雪歩「え!わ、私ですか??」

黒井「好物とかないのかね?」

雪歩「えっと…私は…」

──



横浜某所 焼き肉店

黒井「ウィ。三名だ」

貴音「らぁめんも捨てがたいですが、これは楽しみです」

雪歩「えへへ」


黒井「では頼むとするか」

黒井「まずはカル「タン塩を!」

雪歩「最初は塩ですよね!」

黒井「も、勿論その通りだな」


店員「では以上でよろしいでしょうか?」

黒井「ウィ」

雪歩「楽しみですぅ」

貴音「ええ」


黒井「よし、雪歩ちゃん!」

雪歩「はい?」

黒井「ここは雪歩ちゃんが仕切りたまえ」

雪歩「え?わ、悪いですぅ」

黒井「それに貴音ちゃんも食べるのに専念したいだろう」

貴音「それはありがたい事ですね」


黒井「て、適材適所というやつだよ」

雪歩「そうなんですかぁ?」

黒井「ウィ。適度な所で取り分けてくれたまえ」

雪歩「が、頑張りますぅ~!」

黒井「ふぅ…」


店員「お待たせしました」

雪歩「わぁ!美味しそうですぅ!」

雪歩「では焼いていきますね!」

黒井「うむ」

雪歩「タン塩は良く焼かないと危ないのでしっかり焼きますね!」

貴音「わくわく」


雪歩「焼けましたよ四条さん、黒井社長!」

黒井「ではいただくとしよう」

貴音「ええ」

黒井「うむ、美味いな」

貴音「はい、まこと美味です」

雪歩「美味しいですぅ!あっ、店員さん網の交換お願いしますぅ!」


雪歩「お肉を裏返すときは一回で十分なんです」

雪歩「でないと肉汁が逃げちゃうんです!」

黒井「そ、そうか」

黒井(雪歩ちゃんはやはり焼き肉奉行だったか…早めに気づいて正解だったな…)

貴音「黒井殿!お替りしても?」

黒井「む?ああ、好きなだけ頼みたまえ」

貴音「ではお言葉に甘えて」


雪歩「えへへっ、楽しいね四条さん!」

貴音「ええ」モグモグ

───




雪歩「あのっ、ごちそうさまでした~!」

貴音「ご馳走様でした、黒井殿」

黒井「ウ、ウィ…スーパーセレブな私には造作もない事だよ…」

貴音「では失礼するとしましょう、雪歩」

雪歩「はい!楽しかったので、また誘ってくださいね!」

黒井「う、うむ。ではまた逢おう、アデュー!」

─────
───


765プロ

P「おはようございますー!」

小鳥「おはようございます!」

P「いやぁ、昨日のやよいと伊織のライヴは大成功でしたね!」



???「……いいライブだった、掛け値なしに」


P「この声は!ってあれ?た、黒井社長!?」



黒井「そう、私だ」

P「紛らわしんですよ!それで今日も観光ですか?」

黒井「まぁな。少しはセレブを理解出来るようになったのかね?」

P「大きなお世話ですよ」




黒井「音無君、これはみんなで分けたまえ」

黒井「もちろん高木の分は無いがな!はーはははっ!」

小鳥「わぁ、抹茶ロール!」

黒井「ではこれで失礼するよ、アデュー!」

小鳥「お気をつけてー!」




おわり

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