男「プロデュース大転生」(7)
男「よっ!俺だけど……久しぶり?でもないかな」アハハ
女「っ!……」ジーッ
男「……あのー……」
女「………………」ジーッ
女「きもい……」サッ
男「えっ?」
女「ごめんね、でも君が嫌いなの……私の部屋に入ったことを後悔して!」プシュー
男「っ!?あああああああああああああぁ!!」
……さかのぼること一週間前……
男友「俺さ」
男「んー」
男友「やっぱ女が好きだ」
男「お、おう……」
男友「卒業式の日に、第二ボタンを渡そうと思う」
男「第二ボタンって、男友な、ここ中学校じゃねーんだから」クスクス
男友「おい馬鹿にすんなっ!中学校の時は渡せなかったんだよ!誰かのせいで!」
男「え?何、俺のせい?」
男友「そうだよ!お前が女に第二ボタン渡すからさあ……!」
男「別に俺のせいじゃなくね?俺は欲しいって言われたから渡しただけだし」
男「まさか男友が渡そうとしてたなんて知らなかったし」
男「そんなに渡したかったんなら俺に言ってくれればよかったのに」
男「聞いてたら、渡さないってことも出来たけど?」
男友「何言ってんだ!そしたら女が可哀想だろ……」
男「男友ってめんどくせーな……」
男友「うるせえ、とにかく今年……じゃなくて来年の卒業式には絶対に渡すからな!」
男「渡してどーすんの?」
男友「……付き合ってください、とか?」
男「ほーほー、頑張れ」
男友「お、おい!その、お前は……第二ボタンの予約とかは……」
男「今のところはないよ、安心しろって」
男友「そ、そうか」ホッ
男「……じゃ、俺帰るわ、またな」
男友「おう、またな」
男友とは、小学3年生の時にクラスが同じになり、それから小学6年生までずっと同じクラスだった。
女は、男友と小学校6年間ずっと同じクラスだった。
俺はいつのまにか二人とも仲良くなり、遊んだこともよくあった。
二人とは中学校から違うクラスになったものの、男友とは今でもよく話す仲。
ただ、女とは中学校に入ってからあまり話さなくなっていた。
中学3年と頃に突然メアド交換して何度かメールをしたことはあるけど。
高校ではもはやほとんど話していない。
別に何があったわけじゃないけど、いつのまにか話さなくなっていた。
男「あ、ちょっと待て男友!」
男友「?何だよ」
男「俺ってさ、かっこいい!?」
男友「はあ?何だよいきなり」
男「いやー、この間とある女子にかっこいいって言われちゃってさー」
男「でも自分じゃよく分かんないからさー」
男友「はいはいよかったですね、じゃあな」
男「おいっ!」
俺は昔からあまり自分の顔に自信がなかった。
ビーバーとか間抜け面とか言われたり。
そんな俺がまさかかっこいいなんて言われるとは思ってなかったから、結構嬉しかった。
ピロリンッ
男(ん?ライン?……女から?)
女『久しぶり!進路って結局どうなったの?』
『○○専門学校に合格したよ』
『そうなんだ!おめでとー!』
『ちゃんときまったのか気になってたんだ~笑』
『ちゃんと決まったよ』
『あ、あともう一つ聞いていい?』
男「……あっ」ドンッ
『いいよ』と入力して送信しようとしたら、やけに眩しい光に包まれ思わず目を瞑った。
そして、その次の瞬間には俺の人生は終わった。
女とのラインは、これが最初で最後となってしまった。
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