男「死んだ彼女が制服着て来た。」(29)
彼女「はろう」
男「……薬はもうやめたんだけどな」
彼女「へぇ、偉いじゃん」
男「…寝よう」
彼女「えっ、ちょっと」
彼女「ほら、男君の好きだった制服」
男「……」
彼女「ンモー」
男「…死んだ若返るのモノなのか?」
彼女「えっ?あっ、本当だ見た目15くらいに戻ってる」
男「鏡にも映るってなんでもありだな最近の死者って」
彼女「うへへ」
男「しかしなぁ」
彼女「うんうん」
男「三十路の男の部屋に制服着た少女がいると、犯罪者にしか見えんなぁ」
彼女「アナタ以外見えてないから大丈夫だよはへへ」
男「普通裸で迎えにくるもんじゃない?」
彼女「最近の天国はそういうの禁止されてるから迎えに行くときは好きなの選べるんだよ」
男「裸で来てほしかったなあ…」
彼女「そういえばさ」
男「おん」
彼女「なんで死のうとしたの?」
男「なんでかなあ」
彼女「なんでかなぁ」
男「よく分からないな」
彼女「命大事にってドラクエで習ったでしょ」
男「キミは死んでもゲーム好きなのなぁ」
男「なぁ」
彼女「はい」
男「俺の、あのお気に入りの靴下、どこしまったか覚えてる?」
彼女「タンスの上から二番目の右奥に入ってるよ」
男「おっ、本当だ」
男「…穴が開いてた」
男「なぁ」
彼女「はい」
男「俺の、あのお気に入りの靴下、どこしまったか覚えてる?」
彼女「タンスの上から二番目の右奥に入ってるよ」
男「おっ、本当だ」
男「…穴が開いてた」
男「よく覚えてたな」
彼女「男君は私がいないと何もできなかったからね!」
男「俺以外にも良い男いたろうに」
彼女「……このやろう!」ばしっ
男「幽霊のパンチ痛いな…なんで当たるんだ」
彼女「男君に当たるよう祈ったらまじで当たった」
男「神様なんでもできるなぁ」
男「最近のゲーム見る?」
彼女「見る見る見る見る見る見る見る見る見る見る」
パソコン「でるでるゼル◯の伝説」
彼女「神々のトラ◯フォース2とか…」
彼女「ムジュ◯がどこでもできるとか…」
彼女「蘇生する方法調べて」
男「うるさいから見せない方がよかったかなぁ」
男「思い返してみれば俺らの思い出はゲーム一緒にやったことしかないなぁ」
彼女「男君が外出るの嫌がるし私はゲーム好きだったからちょうど良かったよ」
男「また一緒にやりたいなぁ」
彼女「男君ゲーム下手っぴで見てるとイライラするからなぁ…」
男「はっきり言われると傷つくね」
男「あっちにもゲームあるの?」
彼女「んー、ないかなぁ」
男「そっかぁ、禁断症状でない?」
彼女「でないかなぁ、いつも幸せな気分だし、フワフワしてるだけでやる事ないかなぁ」
男「」
間違えて投稿しちゃった
男「薬やってた時もフワフワできたからなぁ」
彼女「多分あのフワフワとは別のフワフワだと思う」
彼女「男君は今幸せ?」
男「唐突だなぁ」
彼女「ねぇねぇねぇ」つんつん
男「キミがいるから幸せかなぁ」
彼女「そんなこと言ったってキスしかしてあげないから!!」ちゅううう
男君 「いつになっても変わらないなぁキミは」
彼女「仕事は?」
男「フリーターしてたよ」
彼女「今は?」
男「めんどくさいからやめた」
彼女「どうやって生活してきたの…」
男「キミのゲームとか売ってなんとかここまで生きてこれたよ」
彼女「ああっ、本当だ、限定版が…くぅ……」
男「今更だけどさ」
彼女「へい」
男「俺死ぬの?」
彼女「死ぬよ」
男「そうかあ、怖いな」
彼女「練炭自殺したやつがなに言うのよう」
男「でもパソコン弄れるし靴下も履けるからまだ生きてるんじゃね?」
彼女「神様パワーでなんとかなってんだよ」
男「っぱねーわ」
彼女「最近は自殺しても理由によれば天国って甘い制度できたから運良く天国行きだよ」
男「うーむ、神様に足を向けて寝れないな」
彼女「そもそも神様はいないからかあ」
男「今までの神様なんちゃらは嘘っぱちかよ」
彼女「天国ジョークだよ」
男「は????」
彼女「死者同士だから物理攻撃できるしパソコンも壊れてるし靴下も破けてるし、皆死んだことになってるから触れるんだよ」
男「衝撃の事実」
彼女「っていうことでぎゅー」
男「いきなり抱きつかれると流石の俺でも照れる」
彼女「男君の成分ここ数年は取り入れてないからな」
男「イチャイチャするのも得意じゃないから何すれば良いのやら」
彼女「まぁ、このままでいいよ」
彼女「私さ」
男「なんだい」
彼女「ずっと天国で男君の事考えてたんだ」
男「そいつぁ嬉しいです」
彼女「早く死んでくれないかなーって」
男「普通愛する人の長生きを願うものでは?」
彼女「でも、ずぅっと男君に会いたかったんだ」
彼女「浮気もしないか天国でずっと見てたよ」
彼女「ゲーム売られたのは気づかなかったけど、寝てて」
男「キミはどこでもすぐ寝れるのも変わってないね、可愛い可愛い」
彼女「まぁね」
男「もしさ」
男「俺が新しい女作ってたらどうしたの」
彼女「深爪になる呪いかけてたなぁ」
男「浮気しないでよかったぁ…」
男「天国にも食事ってあるの?」
彼女「あるよ、作れる、作ってあげようか!?」
男「キミの料理は全部しょっぱいから遠慮しとくよ」
彼女「じゃああっちに着いたらさっそく作ってあげよう」
男「耳ついてんのかよこいつ」
男「しかし胸ないなぁ」
彼女「身体が中学生だから!15歳だから!」
男「俺が最後に見た25歳の身体にも胸はなかったなぁ」
彼女「あーセクハラーセクハラーもうおっぱい揉ませませんー」
男「それは嫌だな」
彼女「最低なことなんだけどさ」
男「うむ」
彼女「男君と死因が一緒って嬉しい」
男「あー、そういえばそうだっあね」
彼女「いっしょ♪いっしょ♪」
男「喜べることかい」
男「なんか眠くなってきた」
彼女「そろそろ時間だね」
男「この見慣れた部屋からもおさらばかあ」
彼女「うん、うん」
男「なに泣いてんの」
彼女「嬉しいからかな」
男「そうか…」
彼女「男君は?どう?」
男「まあ、寂しいけどキミがいるなら平気かな」
彼女「ギザなこと言うのよした方が良いよ」
彼女「最期になるけど謝るね」
男「なぜ」
彼女「男君、天国じゃなくて地獄行きなんだ」
男「やっぱり?それじゃないと割りに合わない」
男「キミは天国に戻ってミジンコにも転生して平和に暮らしてくれ」
彼女「うん、私も地獄」
男「はー、もう何も驚かない」
彼女「憎いよね、私は男君を迎えるまで天国に留まれて道連れなんて」
男「憎くなんかないよ、罪を償うことができるなんて幸せだ、しかもキミと一緒にだなんて」
彼女「本当にギザな言葉は治らないのね、うへへへ」ポロポロ
彼女「もし生まれ変われたら、そんなことはないと思うけど、何になりたかった?」
男「うーん、究極生命体かな」
彼女「私も」
彼女「ふふ」
男「じゃあ行こうか」
彼女「うん」
男「半分地獄に入ってる中いうことじゃないけどさ」
男「俺もずっとキミのこと考えてたよ」
彼女「へぇ、嬉しい」
男「冷たいなぁ、でも耳赤くなってるうふふふ」
彼女「雰囲気もクソもないね」
男「じゃあ本当にこの世と別れだ」
彼女「うん」
男「…キミの手料理食いたかったなぁ」
彼女「ほら!起きて!!」
男「あー…もう朝かよ」
彼女「まったく…男君は私がいないと何もできないんだから」
男「うん、その通りだ…ふわぁーあ」
彼女「はい、朝ごはん」
男「いただきます」
男「…うん、しょっぱいなぁ」
彼女「えー、そう?文句いうなら食べなくて良いよ」
男「いや、そうじゃない」
男「懐かしい味だなって」ポロポロ
彼女「ぅえっ!?どうしたの!?不味かった?!」
男「凄く、おいしいよ」ポロポロ
終わりです、おやすみなさい
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