剛ヵ彩牙「何ですかあなた達……離してください!」 (34)

今日もドラマの撮影が終わり、疲れたのですぐにマネージャーとも別れ、現場からタクシーに乗って直帰するつもりでした

いつもマネージャーが呼んでくれるのは○○タクシーでしたが、今夜は疲れも酷く、私の近くに止まった見たことも無い会社のタクシーを私はいつものタクシーだと思い、乗ってしまったのです

運転手がいつもと違っていたのですが、これまでも何度か運転手が変わったこともあったので、私はまったく異変に気づかずにそのタクシーに乗りました
そして、疲れがたまっていたこともあり、行き先を告げるとそのまま眠りに落ちてしまいました


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私が異変に気づいたのはしばらく経って目を覚ましてからです
見に覚えの無い風景……
どうやら都内では無さそうでした
メーターもいつもの倍近くの値段になっています

「あの……どこに向かっているんですか?」

私は勇気を出して尋ねて見みました
しかし、運転手は何も答えてくれません

「あの、ここで降ろして下さい」

怖くなり、少し声を張り上げて言いました
ですが、タクシーは止まる気配はありません

私はすぐに携帯を探しました
マネージャーに報告と、もしかしたら110もしなければ……
とにかく焦っていました

タクシーは山の中へ入ったようでした
たくさんの草木が見えてきます
地面も砂利道になったようで、デコボコとした道になり、ガタガタと車が揺れます

携帯を見つけ、急いでロックを解除します
焦りからか、手が滑っていつもの簡単なはずのパターン解除を何度も間違えてしまいました

運転手は携帯を使用する私を何度かミラー越しに見ているようでしたが、特に何か言ってくることはありません

それがまたとても不気味でした

パターンを解除し、マネージャーと連絡を取ろうと携帯内の電話帳を開きます
いつもなら履歴からすぐに電話をかけていたのですが、このときの私は焦りで気が動転していたのか、わざわざ電話帳からマネージャーの電話番号を探そうとしてしまっていたのです

ガタン

何か大きな石に引っかかったようで、一瞬大きく車が揺れました

「きゃっ」

その衝撃で私は手に持っていた携帯を落としてしまいました

急いで拾わなければ
私は身をかがめて携帯を拾おうとしました
しかし、また、車が大きく揺れます
今度は急なカーブにさしかかったようです

車はかなりのスピードが出ているようです
カーブの度に揺れが大きく、私は携帯を拾うことができません

どのくらい経ったでしょうか
車は人気の無い駐車場のような場所に止まりました
他にも数台、車が見られます

私は結局、マネージャーに連絡することはできませんでした
車が止まったときに急いで携帯を拾おうとしましたが、運転手とは違う男が急にドアを開け、私を車から引っ張り出しました

タクシーから降りて気づいたのですが、タクシーの周りにはたくさんの男がいました

数えることはできませんでしたが10人は超えていたと思います
私をタクシーから引っ張り出した男と運転手の男が両側から私を掴み、歩かせます

どうやら私を向こうに見える小屋のような建物まで連れて行くようです

「何ですかあなた達……離してください!」

私はできる限り声を大きくして言いました
ほとんど叫び声に近かったと思います

しかし、男達はそんな私の口を塞ぐようなこともせず、まるで無駄だと言っているようでした

そうこうしているうちに、小屋についてしまいました

小屋は狭く、嗅いだことも無いようなとても変な臭いで充満していました
男達は私を小屋の真ん中に立たせると、組んでいた手を解き、後退しました

両手が自由になったので、逃げようと思いましたが無理でした
男達は私を囲み、全員が腕を伸ばせば届きそうな距離を保ちながら円を作っていたのです

そこで私はあるシチュエーションを思い出してしまいました

それは漫画や、ドラマでよくあるいじめのワンシーンです
いじめっこ達が1人を囲み、文句を浴びせたり、暴力を振るうのです

そして、ネットでの誹謗中傷……
私はマネージャーからネットを見ることを禁止されています
なぜなら、私がネットで匿名の誹謗中傷をたくさん受けているからです
マネージャーは気を使ってそのことに触れないようにしていましたが、私は見てしまったのです
自分への誹謗中傷、ひどい暴言の数々……

私は察しました
彼らは私に文句を言うためにここに連れてきたのです
ネットでどれだけ文句を言っても消えない私を消し去るために……

私はこれから起こることを想像して涙を流していました

「許して下さい……」

私は必死に涙声で訴えます
小屋は暗く、彼らの表情も見えません

とても怖いです
涙が止まりません

すると、小屋に電気がつきました

そして私は驚愕しました
周りを囲んでいる男達はみんな全裸だったのです
そして、小屋の壁じゅうに貼られている私の写真……

「え……?」

言葉がでませんでした

そして、私の目に嫌でも映ってしまうものがありました
彼らの股間です

お父さんのものは見たことがありましたがそれとはまったく違う形をしていました
グロテスクな見た目で先端から液体を垂らしており、男のへそに向かって反り返っていました

保健体育のときに習った勃起です
見るのは初めてでした
私を取り囲む男全員のそれが勃起しており、時折ぴくぴくと動いています

とても不気味な光景でした
それと同時に、予想外の出来事に私は何が起きているか分かりませんでした

彼らはそれを一斉に擦り始めました
しゅっしゅっという音と時折混ざるぴちゃぴちゃという粘着質な音がまた不気味でした

粘着質な音が多くなるにつれて小屋に入ったときに感じた異臭がますます強くなって来ました

彼らの股間はまた大きくなっており先端からはよだれのように液体が垂れていました

とても異常な光景でした

はぁはぁという彼らの息づかい、高まる小屋の温度、どんどん増す異臭

だんだん彼らの股間を擦る間隔が早くなってきました
どうやら終わりが近いようです

彼らの喘ぎのような声はどんどん大きくなってきます

まだ、この状況を理解出来ていない私は立ち竦みながら彼らの異常な行為を見続けることしかできませんでした

そして、私の見ていた正面の男がうっ、という声をあげました
それと同時に白く濁った液体が私の顔めがけて飛んできました

「きゃっ」

一瞬のことで、避けることができず、顔に受けてしまいました

それと同時に周りの男達も次々と私にめがけて白い液体を飛ばしてきたのです

猛烈な異臭と嫌な粘りがあり、拭っても拭っても付いているような感じでした

男達はみんな、満足げな顔で私を見ています

私が困惑していると、男の1人が言いました

「申し訳ありません、私達はみんなあなたのファンなんです」

「え?」

びっくりしました
てっきり嫌がらせで変な液体をかけたのだと思っていたのです


要約すると、彼らは私の熱狂的なファンでした
ネットでの誹謗中傷に私が心を痛めていると思い、愛を表現したくて小屋に連れてきた、ということでした

彼らのしていた行為は男のオナニーだそうです
私も好きな俳優さんの写真でよくしていたのでどういうことかは理解できました

とても不安な気持ちにさせられた誘拐まがいの行為は許せませんが、彼らは私を愛してくれている
そして、ネットの誹謗中傷などというのはほんの極々一部のわずかしかいない少数派であるということが分かり、本当はこんな気持ちになってはいけませんが、嬉しくなってしまいました

その後、私はお風呂を借り、来たときと同じ車に乗って家まで送ってもらいました

「彩牙、なんだか憑き物でも落ちたみたいな顔してるね」

「そうですか?」

「何かいいことでもあった?」

「えっと……自分にもたくさんのファンがいるってことが分かりました!」

「へぇ、それは良かった」

「はい!ファンの皆さんのためにこれからもたくさんの仕事をがんばります!」


私はかわいい
だって、みんな私でオナニーしちゃうんだもん!
ファンのみんなのためにこれからもお仕事がんばります!


読んでくださってありがとうございました
一応念のために言っておきますがこれはフィクションです


   /.   ノ、i.|i     、、         ヽ
  i    | ミ.\ヾヽ、___ヾヽヾ        |
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   iイ | |' ;'((   ,;/ '~ ゛   ̄`;)" c ミ     i.
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