ほむら「幸せに満ち足りた、世界」3(まど☆マギ×禁書) (120)

本作は

「魔法少女まどか☆マギカ」



「とある魔術の禁書目録」

及びその外伝のクロスオーバー作品
第4スレです。

過去スレ
ほむら「幸せに満ち足りた、世界」(まど☆マギ×禁書)
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二次創作的アレンジ、と言う名の
ご都合主義、読解力不足

分野によっては考証を勘と気合で押し切る事態も散見される予感の下、
まあ、数学とかもアレな世界だしとか若干の言い訳をしたりしなかったり

今スレより本作第三部のスタートとなります。

それでは今回の投下、入ります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496667140

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 ×     ×

両親が海外で働いていると言う都合上、
割と広いマンションのフラットに一人暮らしをしている巴マミ。
その立地条件に世話好きの性格と確かな実力により、
マミをリーダーとする魔法少女のグループは
しばしばアジト同然にこのフラットに集合している。

そして、昨今見滝原の近隣を含む
魔法少女界隈を巻き込んだ大きな事件も相まって、
実質的な魔法少女連合の会議室の様相をも呈していた。

「暁美さん」
この日も、マミルームでは放課後早々の緊急会合が開かれており、
その話を持って来た暁美ほむらにマミが促した。

「そちらから、急ぎの用件があると連絡を受けたんだけど」

ほむらに言われ、頷いたのは詩音千里だった。

「レディリー=タングルロードが奏ハルカ先輩に接触しました」

ホオズキ市の魔法少女詩音千里の言葉を聞き、
部屋の空気は一変した。

レディリー=タングルロード。
科学の学園都市の天才少女にして天才経営者。
あすなろ市の魔法少女グループ「プレイアデス聖団」と手を組んで
大規模な魔法少女誘拐事件を実行した主犯、と、ここでは目されている。

ここにいる者、ここにいる者と親しい者だけでも、
美樹さやか、呉キリカ、そして、奏遥香その人も
何日もの間誘拐されて謎のコールドスリープ的な状態に置かれていた。

「詳しく、聞かせてもらえるかしら」

その空気を抑える様に、巴マミが真剣な声で言った。


「あの事件の後、
ハルカ先輩は親の付き合いで出入りしていた
地元名士のサロンでピアノを弾いたそうです。
そこで、以前からの知人の紹介で他所でピアノを弾く事になって、
そんな段階を踏んで行き着いた先に
レディリー=タングルロードが待ち構えていたと」

「それで、どうなったの?」
「スカウトされたそうです」

さやかの問いに千里が答え、部屋に沈黙が流れる。
その間に、千里は資料を用意する。

「エンデュミオンね」

プリントアウトされた資料を見て、ほむらが答えた。

「科学の学園都市に建造されている軌道上エレベーター、
いわゆる宇宙エレベーターね。
オービット=ポータル社を中心としたプロジェクトだったから、
前の事件の時に少し調べた覚えがある」

「そうです、その軌道上エレベーターエンデュミオン、
その落成記念コンサートで演奏して欲しい、そういう依頼です」

そう言って、
千里は資料の中から一人の少女を大きく写し出したものを探し出す。

「鳴護アリサ?」

声を上げたのは美樹さやか。
詩音千里が頷いた。


「最近売り出し中の歌手、鳴護アリサ。
オービット=ポータル、そしてレディリー個人も、
元々彼女の有力なプロデューサーであり後援者だと言う事です。

落成記念コンサートのメインで歌うのは彼女。
ここまでは公表されていますが、
ハルカ先輩の事を含めた細かい事はまだ内々の段階。
ハルカ先輩は恐らく別のシンガー相手の演奏になるだろうと」

「別のシンガー」
「シャットアウラ=セクウェンツィア」

千里が、手帳を見ながら言った。

「鳴護アリサの姉で二卵性の双生児。
表立って歌手活動はしていないけど
洋楽に関してはアリサよりも上、と言う事です」
「ああー、ハルカさんジャズピアノ弾くって言ったっけ」

千里の言葉に、さやかが反応した。

「只、ハルカ先輩が言うには、
このシャットアウラも只者ではないそうです」
「只者ではない?」

千里の言葉に、マミが聞き返す。

「ええ、恐らく素人ではない、
何等かの実戦経験の持ち主ではないかと」
「特徴は?」

「私達より少し年上だけど、どちらかと言うと小柄なタイプ。
ストレートのセミロングヘア、
顔立ちは整ってる方で、印象、言葉遣いは固い印象」
「まさか………」

千里に質問していたほむらが呟く。


「何か、知ってるの?」

マミが尋ねる。

「まどかの自宅が占拠された事件、
あの時、私はそんな特徴の相手と遭遇してる。
魔法少女相手にも多少は戦える程度には素人ではなかった」
「確かに、今聞いた特徴は一致してるわね」

ほむらの言葉に織莉子が続く。

「洋楽に関しては鳴護アリサよりも上、って、
それだけ歌えるって事?」

ほむらが続けて尋ねる。

「ええ、それはハルカ先輩も自分の耳で確かめています。
そして、この世代のこれからの人材をと言うコンセプトで、
シャットアウラと共にその方面に相応しい弾き手として、
人を通じて知ったハルカ先輩の技量を確かめてスカウトした、
と言う話になっています」

「んで、その話を信じた訳?」

尋ねたのは佐倉杏子だった。

「もちろん、ハルカ先輩も
どういうつもりなのかレディリーに問い質したと言っています。

先日の件は謝罪するが今回のスカウトとは関係ない。
あくまでプロの意見も踏まえて
今度のコンサートのコンセプトの相応しいと判断してスカウトした。

それが先方の返事だったそうです」

「まともに信じろ、と言う方が難しい話ね」

マミの言葉に、何人かが頷く。


「そもそも、当の本人、ハルカ先輩はなんでここにいないの?」
「正直、こっちも困ってんだわ」

杏子の言葉に応じたのは、日向華々莉だった。

「もしかして、警察?」
「それもある」

さやかと千里が、当事者向けに通じる言葉を交わす。

「魔法少女の大量失踪事件。
警察から見たら原因不明の少女大量失踪事件。
戻って来た少女達は知らぬ存ぜぬと口を揃える。
他に方法がないとは言え、警察だって怪しむでしょうね」

「いやー、正直キツかったよ。
実際、覚えてないのは本当だから
後は余計な事言わない様に気合いで乗り切ったけどさぁ」

ほむらの言葉に、さやかが続いた。

「ああー、警察も厳しいみたいだけど、
ハルカの場合、お姉さんの方がもっと問題だってさ」

口を挟んだのは、千里のパートナーと言える成見亜里紗だった。

「お姉さん?」
「奏、カナタさんね」

呟いたさやかの側で、美国織莉子が言う。


「知ってるのか?」
「パーティーで何度か顔を合わせた事がある」

杏子の問いに織莉子が答える。

「元々、ホオズキの奏家と言えば、奏財閥と言われる程の資産家で名家。
中でも、後継者と目されている奏カナタさんは
頭に超が三つ四つつくぐらいの天才であり辣腕経営者。
それに、私が会ったのは結構昔だけど、他で見た事がないぐらいの美人よ」

「そうです。ハルカ先輩はそのカナタさんの妹です。
カナタさんは今回の事件を非常に憂慮している。
奏家の次期当主としても一人の姉としても。
人を雇って真相を突き止める事ぐらいやりかねない、やる、と考えた方がいい。
今までの魔法少女と言うだけでもギリギリだったのに、
あの人相手にごまかそうなんて、
出来る相談じゃないと言うのがハルカ先輩の今の状態です」

千里が実情を説明した。

「そ、だから、魔法少女自体を当分休業、
軟禁とまでは行かないけど下手に動き回れないって事で、
キューブの調達もこっちで頼まれてさ。
前からの友達って事でその程度のやり取りは出来るから。
これがソロなら詰んでたねあの人」

頭の後ろで手を組んで、日向華々莉が言った。


「そういう事で、
特に、他所の街であの事件で失踪した人とは迂闊に接触できないと。
今回も情報の当事者だけど自分での説明を断念したのは
本当に申し訳ないと、そう言っていました」
「まあー、そういう事ならねぇ」

千里の説明に、
そちらの当事者でもあるさやかが嘆息して言った。

「それじゃあ、詩音さんは奏、ハルカさんと接触出来るのね?」
「はい」

マミの問いに千里が応じる。

「じゃあ、情報共有は密に、って事でお願い。
一応私も教えておくけど、パイプ役は暁美さんでいいわね?」
「分かりました」
「分かったわ」

マミの言葉に、千里とほむらが応じた。

「後は、レディリーの意図ね。
今回のスカウト、本当に何か含む所があるのかないのか」
「調べる必要はありそうね」

マミの言葉に、織莉子が続いた。

「只、相手が相手よ。
オービット=ポータルにプレイアデス聖団、
レディリーは恐らく魔術サイド、
ギリシャ占星術のシビル、それも相当な実力者。
一筋縄ではいかない。間に合わなくても困るけど、
拙速は危険、腰を据えてやる必要がある」

織莉子の言葉に、一同が頷いた。


ーーーーーーーー

「何これ?」

あすなろ市郊外の工場跡地で、双樹あやせは呟いた。
あやせは魔法少女である。
であるからして、魔獣発生の気配を察知し、ここに急行した。
ところが、駆け付けた時にはその気配は消滅していた。

「早すぎる………」

不審なのはそこだった。
もちろん、魔獣に逃げられると言う事はある。
だが、あやせの経験からして、
あの結界発生の感覚から消滅までが早すぎる。

「縄張り荒らし?」

前方にターゲットを見つけ、あやせがにへらっと笑った。
少なくとも、昨今見かけた覚えのない二人組。
それが、異様に迅速に消滅した結界跡の真ん中にいる。

何より今夜のあやせは機嫌が悪い。

妙な誘拐事件に巻き込まれ、解放されたはいいが
実際問題訳が分からないし、
警察からは魔法少女だとバレない様に色々神経を使わなければならない。
だから、キューブの調達にも当然支障が出る。
そんな時に縄張り荒らしなんぞに遭遇したら、

「そういうの好きくないなぁ!!」

あやせは、力一杯剣を抜いた。


ーーーーーーーー

「おィ、生きてっかァ?」

自分達が起こした爆発に見事に吹き飛ばされ、
地面に大の字になっていた双樹ルカ。
彼女が目を見開いたのは、
間違いなく顔を覗き込まれた恐怖に因るものだった。

「白が赤になって熱い冷たいが逆転、
しまいにその両方ぶつけて水蒸気爆発、
ってのは悪くァなかったが、元の実力が違い過ぎたな」

双樹あやせが剣を振るえば問答無用に跳ね返り、
炎を放てば炎は真っ直ぐあやせに向かって来て、
しまいに高圧電流が体を突き抜け地面から抽出された大量の黒いものが
槍と化して目の前の地面に突き刺さり、

同じ肉体に同居している双樹ルカに精神をチェンジして
半ば破れかぶれでブリザードを食らわしたらルカの体温が危険水域に低下し、
最終兵器を投入して現在に至る。

「ちょっとアンタに聞きたい事あるんだけどさぁ」

身を起こそうと下双樹ルカは、質問を聞きながら、
ぴぃーんと親指で跳ね上げられたコインを見ていた。


「アンタ、マギカって奴よね?
×月×日に、このあすなろから
科学の学園都市で悪さしてたマギカって何か知ってる?」

「は、はあっ?
し、知らない、と、言いますか、その日付は私達が解放された日」

「解放?」

「そ、そう。あなた達がマギカと呼ぶ魔法少女、
それが大勢誘拐されていた、私もそうだった。
気が付いたら、何日も経過していてあすなろ市内の一角に放り出されていた。
それ以上の事は知りません、本当です」

「本当だな?
オマエ、少しでもなンか隠してやがったら、
真っ先にオマエを潰しに戻って来るからな」

「ほ、本当です。
この件に関しては、私も訳が分からなくて困っています。
分からないんですから、言いたくても本当に言えない」

「そう。じゃあ、このあすなろ市のマギカの事、
知ってる限り教えてくれる?」

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今回はここまでです>>1-1000
続きは折を見て。

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