咲「あなたと過ごす時間」 (5)

咲(暑い・・・)


月に一度の全校集会は、直射日光が満開のグラウンドで行われる。

咲は流れてくる汗と一緒に少し伸びた前髪をかきあげた。

髪の毛をつまんだ手は、紅色に染まった頬に比べるとひんやりして心地よい。


『続いては、校長先生のお話です』


ここからがまた長いんだよね、とため息をはきそうになりながらも。

咲の視線は朝礼台の上に立っている一人の人物に注がれていた。

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