幽鬼うさぎ「お遣い」【遊戯王OCG】 (41)
幽鬼うさぎ(私がここに越してから一週間が経ちました)
幽鬼うさぎ(ここにはたくさんのサイキック族が集まっています。戦場に赴く方もいれば、毎日ぐうたらする方も)
幽鬼うさぎ(私は未だにここに馴染めていません。元々あまり人付き合いの得意な性格ではないためです)
幽鬼うさぎ(周りの方は私に積極的に話しかけてくれるし、たまに訪れるサイキック族以外の方たちも私に話しかけてくれます)
幽鬼うさぎ(それでも会話が続くことはあまりないです。話しかけてきてくれた方にはなんだか申し訳なく思ってしまいます)
幽鬼うさぎ(そんな感じで一週間も経てば周りはすっかり話しかけることを諦め私はひとりぼっちとなってしまいました)
幽鬼うさぎ(どうにかしたいけど今更どうしようもない。完全にタイミングを逃した感じです)
幽鬼うさぎ「はあ……。今日もまた意味もなく1日を無駄にしてしまうのでしょうか……」
「おーい、幽鬼うさぎさーん?幽鬼うさぎさんはいますかねー?」
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幽鬼うさぎ「私……ですか?」
クレボンス「あー、いたいた!こんな所にいたンスか」
幽鬼うさぎ「クレボンスさん……?私に何の用で……」
クレボンス「いやはや、キミにはちょいとやってもらいたいことがあるンスよ。詳しい話は向こうでしたいからちょいと来てもらえますかね?」
幽鬼うさぎ「はあ……。構いませんけど……」
クレボンス「幽鬼うさぎさん、連れて来ましたよー!」
ヒュプノシスター「ご苦労様ですクレボンスさん!えっと、あなたが最近ここに来た幽鬼うさぎちゃん……であってるよね?」
幽鬼うさぎ「は、はい……」
ヒュプノシスター「今回あなたをここに呼んだのは理由があるの。実は……」
ライズベルト「簡単な話だ。『総帥』への挨拶に行ってほしい」
クレボンス「あ、ライズベルト君いたンスか」
ライズベルト「ずっといた!」
幽鬼うさぎ「『総帥』というと……《メンタルスフィア・デーモン》さんの所にですか……」
ライズベルト「うむ。お前はまだここに来て一週間の新人だ。新人は『総帥』の所に挨拶に行くのが我々サイキック族のルールなのだ!」
ヒュプノシスター「私も今から1年くらい前に行ってきたんだよ」
クレボンス「『総帥』とはサイキック族登場以来ずっと仲良くしてきましたからねー。くれぐれも失礼の無いように頼みますよ」
幽鬼うさぎ「でも私、そんなルール聞いたことありませんけど……」
ライズベルト「お前はここに来たばかりだろう、無理もない。俺が聞くのは行くのか、行かないのか。それだけだ」
幽鬼うさぎ「……分かりました。どうせ暇ですし」
幽鬼うさぎ「では早速《緊急テレポート》を……」
ライズベルト「愚か者め!緊急テレポートはあくまで緊急時に使う物だぞ!緊急時じゃない時に使う緊急テレポートなど緊急テレポートではない!」
幽鬼うさぎ「でも緊急時に壁モンスターを出すなんて使い方滅多にしませんよ」
ライズベルト「知らん。そんなことは俺の管轄外だ」
ライズベルト「とにかく、緊急テレポートの使用は禁ずる!自分の足で『総帥』の所へ向かうのだ!」
幽鬼うさぎ「でしたら誰か同行人を……」
ライズベルト「悪いが俺は今月のパックを剥くのに忙しいんだ。なんせ2箱も買ったからな」
ヒュプノシスター「ごめんなさい……。私も箱買いしちゃって……」
クレボンス「僕は《マジカル・アンドロイド》さんにパック買ってこいって言われてて……」
幽鬼うさぎ「……もういいです。1人で行ってきます」
ライズベルト「ちゃんと手土産を持って行くんだぞー」
幽鬼うさぎ「…………」スタスタ
ライズベルト「……行ったみたいだな」
クレボンス「早いとこ我々も動くとしましょう」
ヒュプノシスター「そうだね」
ライズベルト「それにしても2箱でシクマッドキマイラ2枚うさぎサイク無し……これが絶望か」
ヒュプノシスター「一方私は1箱でシクうさぎとスーサイクゲット、随分差がつきましたぁ。悔しいでしょうねぇ」
ライズベルト「てめえ!」
幽鬼うさぎ「『総帥』に挨拶なんてそんな話誰もしてなかったのに……」
幽鬼うさぎ「実は嘘で私にドッキリをしかけてるとか……?」
幽鬼うさぎ「でも何で?私は皆さんと仲がいいわけでもないのに……」
幽鬼うさぎ「まさか私が邪魔だから適当な口実で追い出そうとしてたり……?」
幽鬼うさぎ「さ、さすがにありませんよね……。ネガティブ思考がすぎます……」
「「「待てーい!」」」
幽鬼うさぎ「……誰です?」
プリン隊A「我々は《プリン隊》だ!」
プリン隊B「お主に特に恨みはないが……邪魔をさせてもらう!」
プリン隊C「これが仕事なんでな!」
幽鬼うさぎ「邪魔……ですか」
プリン隊A「そうだ!旅の者みたいだが……ここから先は通さんぞ!」
プリン隊B「ここを通りたければ力づくで我々をどうにかするんだな!」
幽鬼うさぎ「えーっと……」
幽鬼うさぎ(どうしましょう。私戦う力なんてこれっぽっちも無いのに)
プリン隊C「我々を倒せないモンスターにここを通る権利は回ってこない!」
幽鬼うさぎ(困りました……。帰って誰か連れて来るほうがいいでしょうか?でも、私あまり他の方と交流ないですし協力してくれるかどうかも怪しい所……)
幽鬼うさぎ(これはかなりよからぬことになってきました……)
「ちょっと待ったああああぁぁぁ!」
幽鬼うさぎ「こ、今度は誰です?」
閃光の騎士「天が呼ばずもスパッと参上!不埒な悪行野郎を裁く!」
閃光の騎士「もっともっとと輝くその名!必殺《閃光の騎士》とはオレのことだ!」ピカ-
プリン隊A「誰だこいつ……うおっまぶしっ!」
プリン隊B「目、目がやられたっ!」
プリン隊C「て、撤退ー!」スタコラ
閃光の騎士「ふっふっふ、オレの輝きの前ではすべての悪は去るしかないのさ」
閃光の騎士「というわけでお嬢さん大丈夫かい?このオレが来たからにはもう安心さ」クルッ
幽鬼うさぎ「目、目が……。すいませんこっち向かないでください」
閃光の騎士「大丈夫か!?……おのれ奴らめ、いたいけな少女になんてことを!」
幽鬼うさぎ「いやどう考えてもあなたが原因ですから。眩しいんで離れてください」
閃光の騎士「む……?そうかそいつは失礼した!」
幽鬼うさぎ「あ、あなたは一体……?」
閃光の騎士「オレは閃光の騎士。神の振り子により新たな力を得た騎士さ」
閃光の騎士「ここら辺は危険な怪物がいると聞いてな。退治するためにパトロールをしていたら君が奴らに襲われているのを見つけてね」
幽鬼うさぎ「襲われていたわけでは無いのですが……それでも助けていただいたことには変わりませんね。ありがとうございます」
幽鬼うさぎ「それでは私はこれで」
閃光の騎士「待った!君は見たところ1人じゃないか。この道を1人で歩くのは危険だ、オレがボディーガードを務めようじゃないか」
幽鬼うさぎ「いいですよ別に……。ボディーガード料に20万も取られる可能性もありますし」
閃光の騎士「オレはそんなことはしないぞ!あくまで善意だ!それにさっきの奴らがまた来る可能性もあるだろ!」ピカ-
幽鬼うさぎ「わ、分かりましたからその眩しいのどうにかしてください……」
閃光の騎士「ようし任せておけ!オレがいれば百人力だぞ!そうだ、まだ君の名前を聞いていなかったな」
幽鬼うさぎ「《幽鬼うさぎ》です……」
閃光の騎士「幽鬼うさぎか……。よろしく頼むぞ!」
幽鬼うさぎ「…………」スタスタ
閃光の騎士「…………」ピカ-
幽鬼うさぎ「……あの、眩しいのでもう少し離れてもらえると」
閃光の騎士「これで3度目だ!オレはそんなに眩しいか?」
幽鬼うさぎ「はい」
閃光の騎士「くっ……光れば目立つからいいことばかりだと思っていたがそうでもないんだな」
幽鬼うさぎ「どう考えても必要ないです」
閃光の騎士「君は冷たい奴だな……」
幽鬼うさぎ「だって雪うさぎですし」
閃光の騎士「なるほどそれもそうか」
幽鬼うさぎ「やっぱりあなたを連れたのは間違いな気がしてきました……」
閃光の騎士「そんなこと言わないでくれ!オレだって人助けがしたいんだ!」
幽鬼うさぎ「それなら私以外にも困っている人などたくさんいるでしょう。私のことはほうっておいて他の方の助けにいったらどうです?」
閃光の騎士「いや、オレ騎士になって今日初めて旅に出て初めて人助けをするんだ。つまり君はオレの記念すべき人助け1号なんだ!」
閃光の騎士「そんな奴をほうっておけるわけないだろう!」
幽鬼うさぎ(こりゃまたやっかいな人に会ってしまいました)
近くの街
幽鬼うさぎ「さてと……『総帥』に渡す手土産を買わなければ」
幽鬼うさぎ「私、適当に買い物してるのであなたもどこか適当にうろついててください」
閃光の騎士「心得た……が、ボディーガードとしての仕事はどうするんだ?」
幽鬼うさぎ「この街は治安がいいのでここにいる間は必要ありません。あなたは怪物退治のために情報収集でもしたらどうです?」
閃光の騎士「それもそうだな。騎士として名を上げるチャンスだ、逃すわけにはいかんぞー!」タッタッタッ
幽鬼うさぎ「ようやくどこかに行った……。やはりあの手の人は苦手です」
幽鬼うさぎ「それでも普段よりはたくさん喋れました。サイキックの皆さんともこんな風に話せればいいのですが」
幽鬼うさぎ「……考えても無駄ですね。早く土産屋に行かなければ」
幽鬼うさぎ「じゃあこの《ファイヤー・ボール》と《サイコ・ソード》を一つずつ……」
「まいどー」
幽鬼うさぎ「よし、これで手土産に関しては問題ありませんね」
幽鬼うさぎ「早く『総帥』の所へ向かわなくては」
閃光の騎士「買い物は終わったみたいだな」
幽鬼うさぎ「あなたは……何故ここに?」
閃光の騎士「あまり有力な情報が手に入らなくてな……。暇になったから君の所に戻って来たんだ……」
幽鬼うさぎ「はあ……。そうですか」
閃光の騎士「だが落ち込んでもいられないな!こうなったら君のボディーガードとしての仕事を果たすだけだ!」
閃光の騎士「常に明るくあれ!オレのモットーだ!」ピカ-
幽鬼うさぎ「あ、明るすぎます……」
閃光の騎士「……そしてオレが目を覚ました時には不思議な力がオレに宿っていたんだッ!」
閃光の騎士「だからこそオレは決めたんだ。この力で少年少女の笑顔を守ってみせると!」
幽鬼うさぎ「そ、そうですか……」
閃光の騎士「ふう……ざっくりだがオレの話はこんな感じさ。次は君の話を聞かせてくれないか?」
幽鬼うさぎ「私の話なんて面白くありませんよ……。越してきたばかりで思い出もありませんし、こんな性格で友達もいません……」
閃光の騎士「む、そうだったか。ならば……」
「「「待て待てーい!」」」
幽鬼うさぎ「う……この声は……」
プリン隊A「我々は《プリン隊》だ!」
プリン隊B「お主に時に恨みはないが……邪魔をさせてもらう!」
プリン隊C「これが仕事なんでな!」
幽鬼うさぎ「またあなた達ですか……。しかもさっきと同じセリフ」
閃光の騎士「こりない奴らだ。今度は少しばかり痛い目を見てもらうぞ!」
プリン隊A「フッ……今回はそうはいかんぞ」
プリン隊B「なんせ我々にはセンセーがいるのだからな!」
プリン隊C「センセー、頼みます!」
閃光の騎士「センセーだと?一体何者だ?」
幽鬼うさぎ「食べ物繋がりで《にん人》とか……?」
今日はもう寝る
後地味にプリン隊Bのセリフが「時に」になってますが「特に」におきかえてください
「策略、判断力、精神力、容姿」
マドルチェ・プディンセス「全てにおいて完璧なモンスター……それがこの、アタシよ!」
閃光の騎士「君……いやあなたは確か《マドルチェ・シャトー》で暮らす姫の……」
プディンセス「そう!《マドルチェ・プディンセス》よ。よろしく」
幽鬼うさぎ「あなたがセンセー……?」
プディンセス「いかにも。アタシがこいつらの親玉ってわけよ」
閃光の騎士「だが一体何故……?あなたは姫なのだから本来は城にいるはずでは?」
プディンセス「今からする話にその答えがあるの。あれは今から5年前……」
幽鬼うさぎ「その話長くなります?」
プディンセス「とどのつまり暇だからここにいるの!」
プリン隊A「さすがセンセーだ!一言で済むセリフをあえて長く言おうとする!」
プリン隊B「センセー、マジ最高っすよ!」
プリン隊C「痺れる~!」
閃光の騎士「暇だからって……一国の姫でしょう、こんなとこにいていいのですか」
プディンセス「だってお城のみんないじわるなんだもん!アタシは外に出たいだけなのにいろいろと理由つけて出してくんないし!」
幽鬼うさぎ「そりゃあ姫を危険な外に出すわけにはいかないでしょう」
プディンセス「少しくらい大丈夫だって!現にアタシはこうやって今も無事でいるんだし」
閃光の騎士「だがお城の人は気が気でないはずでは……」
プディンセス「それはむしろ好都合よ。アタシが無事なのを確認すれば外が危険じゃないってのが証明できるし」
幽鬼うさぎ「そういう問題じゃないと思いますけど……」
プディンセス「そんなことよりもせっかくこうやって沢山集まったんだから、みんなで遊びましょうよ!」
プディンセス「アタシ、外で遊ぶのが夢だったの!」
幽鬼うさぎ「私には用事がありますので。それでは」
プディンセス「プリン隊!」
プリン隊「「「通さんぞ!」」」
幽鬼うさぎ「…………」
プディンセス「諦めてアタシと一緒に遊びましょ!もう遊ぶ内容も考えてあるのよ?」
閃光の騎士「そんなに遊びたいならこんな強引な手ではなく城の者と遊べばいいじゃないですか!」
プディンセス「だからさっきも言ったでしょ、外で遊びたいって。アタシは気軽に話せる友達がいないからこうやって強引な手段に出てるのよ」
プディンセス「みんなアタシのこと姫だからってかたくしちゃって。もっとあなたみたいな砕けた態度でいいのに」
幽鬼うさぎ「私……?」
閃光の騎士「あっ、そういえば確かに。き、君、相手は姫なんだぞ」
プディンセス「いいのいいの。こうやって同性の人と話すのも新鮮でいいものね!」
幽鬼うさぎ「……プディンセスさん。私でよければ一緒に遊びます?」
プディンセス「えっ、本当に?」
閃光の騎士「いいのか?さっきまで嫌がってたのに」
幽鬼うさぎ「……気が変わっただけです」
プディンセス「よく分かんないけど一緒に遊んでくれるのね?」
閃光の騎士「むむむ……。だが待てよ、今ここで姫の護衛についたら将来城の警備に配属された時にその経験がいきるのでは?」
閃光の騎士「そうと分かったら……姫!オレもその遊びに参加しましょう!」
プディンセス「わーい!あなたも一緒に遊んでくれるのね!」
幽鬼うさぎ「それで遊びの内容とは?」
プディンセス「ふっふっふ……。ズバリ『宝探し』よ!」
閃光の騎士「宝探し……?」
プディンセス「ここに城の倉庫にしまってあった《埋蔵金の地図》があるわ」
プディンセス「この地図によれば……この近くにある洞窟をさしてるらしいの!」
閃光の騎士「つまりそこに行こう、と」
プディンセス「善は急げってやつ?誰かに取られる前にアタシ達で発掘しちゃいましょ!さあ行くわよプリン隊!」
プリン隊「「「アイアイサー!」」」
幽鬼うさぎ「私達も行きますか」
閃光の騎士「戦力はオレだけか……。何があっても彼女達は守らなければ!」
洞窟
プディンセス「だいぶ歩いたけど結構複雑な道のりねー」
幽鬼うさぎ「本当にこの洞窟であってるのか不安になってきました……」
プディンセス「きっとあってるはずよ!ここには《財宝への隠し通路》があるはずなんだって!」
閃光の騎士「しかしいやに静かだな……。もしやちまたで噂の怪物が根城にしているのかもしれん」
プディンセス「怪物って……。そんな物騒なのがこんなとこにいるわけ……」
グルルルル……
幽鬼うさぎ「な、なんです今の声は?」
プディンセス「誰かのお腹が鳴ったんじゃないの?」チラッ
閃光の騎士「オ、オレじゃない!」
プリン隊A「センセー、あそこに何かいます!」
プリン隊B「もしや例の怪物……?」
プリン隊C「とにかく下がって!」
「ウオオオオオオ!」
幽鬼うさぎ「ひっ……!」
プディンセス「く、喰われる……?」
魔犬オクトロス「わう?」
閃光の騎士「ひょ?」
幽鬼うさぎ「た、ただの犬ですか……」
閃光の騎士「おどかしおって……」
プディンセス「あー、びっくりした。それにしても犬か……黒咲、じゃなかったクロワンサンを思い出すわね」
閃光の騎士「待てよ、もしかしたらこいつが例の怪物の正体かもしれん!」
幽鬼うさぎ「でも、害は無さそうですよ」ヨシヨシ
オクトロス「がうがう」
プディンセス「アタシにも触らせてー!」
閃光の騎士「ひ、姫まで……」
グルルルル……
閃光の騎士「ん?また犬か?」
幽鬼うさぎ「この子は何も喋ってませんよ」
プディンセス「じゃあ今度こそ誰かのお腹が鳴ったのよ!」
プリン隊A「あの、何だか後ろから荒い息がするのだが……」
プリン隊B「まるでこれは……」
プリン隊C「後ろに誰かいるような……」クルッ
デス・デーモン・ドラゴン「グオオオオオオオオッ!」
閃光の騎士「なっ……」
幽鬼うさぎ「これは……」
プディンセス「嘘……」
プリン隊「「「か、怪物だーっ!」」」
オクトロス「わおーん」
閃光の騎士「見ろ!やっぱり怪物はいたんだ!」
プディンセス「あ、あなた騎士でしょ!?なんとかできないの!?」
閃光の騎士「オレはまだ半人前なので……。まさか怪物がここまで大きいとは予想してなかった」
プディンセス「もう!どうすんのよ!」
幽鬼うさぎ「とにかく今は逃げましょう!」ダッ
プリン隊A「我々は食べても美味しくないぞ!」
プリン隊B「いや多分美味しいかもしれないけど!」
プリン隊C「プリン体の過剰摂取は健康を損なうぞ!」
デス・デーモン・ドラゴン「グオオオォォォ!」ドスドス
閃光の騎士「お、追いかけてきたー!」
デス・デーモン・ドラゴン「ウオオオオオ!」ゴオオオッ
プリン隊A「《バーストブレス》だ!」
プリン隊B「まともに食らったら焼きプリンになってしまう!」
プリン隊C「燃える!燃えるぞお!熱血だあ!」
プディンセス「あ、あそこに小部屋があるわ!みんな、あそこに隠れるのよ!」
幽鬼うさぎ「な、なんとか助かりました……?」
閃光の騎士「そうでもないぞ。あれを見ろ」
プディンセス「い、岩が道を塞いでいる……」
プリン隊A「後ろには怪物がいるし……」
プリン隊B「閉じ込められた!」
プリン隊C「罠か……」
デス・デーモン・ドラゴン「グウアオオオオッ!」ドゴッ
閃光の騎士「奴め、無理やり壁を壊してこっちに来るつもりだ」
幽鬼うさぎ「壁が壊れるまで時間は長くないでしょうね……」
プディンセス「この岩をどかせば逃げれるんじゃないの?こんだけいれば動かすことぐらいはできるでしょ」
閃光の騎士「しかしそれだとまた逃げるだけだ。とっさにこの部屋に入ったからいいもののまた逃げるとなると次は追いつかれるかもしれん」
プディンセス「じゃあどうすんのよ!」
閃光の騎士「できることならここで討伐してやりたいが……今のオレじゃ力不足だ」
幽鬼うさぎ「打つ手無し……ですか」
オクトロス「がうがう」ザクザク
プリン隊A「この犬いつの間に」
プリン隊B「我々と一緒に逃げてきたみたいだな」
プリン隊C「呑気なものだ。こんな時に穴を掘るなど……」
幽鬼うさぎ「穴を掘る……」
幽鬼うさぎ「いいことを思いつきました!みなさん、協力を願えますか?」
デス・デーモン・ドラゴン「ウオガアアアアアッ!」ドゴッ
閃光の騎士「もうすぐ壁が壊れるぞ……!」
幽鬼うさぎ「チャンスは一度……タイミングはあなたに任せますよ」
プディンセス「任せなさい!」
デス・デーモン・ドラゴン「ウオオオオオオオウ!」バキィ
閃光の騎士「来たか怪物め!この閃光の騎士が相手をしてやる!」
閃光の騎士「オレの正真正銘のダイレクトアタック……食らってみろ!」ブンッ
デス・デーモン・ドラゴン「グウウッ!?」
プディンセス「怯んだ!今よプリン隊!」
プリン隊A「おおーっ!」
プリン隊B「この岩を……」
プリン隊C「食らえーっ!」ゴロゴロ
デス・デーモン・ドラゴン「グッ!グオオオオオオオ!」サッ
プディンセス「よけられた!」
閃光の騎士「失敗か!?」
幽鬼うさぎ「…………」
ズボッ
デス・デーモン・ドラゴン「グ、グオオオオオッ!?」
幽鬼うさぎ「どうやら本命の落とし穴にかかってくれたようですね」
閃光の騎士「あの岩はお前を落とし穴へ誘導させるためのブラフだ!」
プディンセス「罠をよけたところに罠……これぞ《ダブルトラップ》!」
幽鬼うさぎ「これでおしまいです……!」
幽鬼うさぎ「サイコ・ソード!」ズバッ
デス・デーモン・ドラゴン「グウオオオオオオオオ!」
デス・デーモン・ドラゴン「…………」
プディンセス「動かなくなった……ということは!」
閃光の騎士「オレ達の勝利だ!」
プリン隊「「「ばんざーい!」」」
幽鬼うさぎ「一時はどうなるかと思いました……」
プディンセス「さて、怪物も倒したし早速宝探しに戻りましょ!」
プディンセス「地図によればこの辺りだけど……」
閃光の騎士「お、あそこに光が。あれは……」
幽鬼うさぎ「……出口?」
プディンセス「よし、早速ここを掘るとしましょ!」
閃光の騎士「長い時間掘ったが……何も見つからんな」
プディンセス「そんな!それじゃこの地図は間違いだったってこと?」
幽鬼うさぎ「そうなりますね」
プディンセス「とほほ……。骨折り損のくたびれ儲けってやつね……」
閃光の騎士「そう落ちこむな。オレ達は今日すでに宝を手に入れてるではないか」
プディンセス「それは?」
閃光の騎士「オレ達のこの関係こそがかけがえのない宝だったんだ!」
幽鬼うさぎ「か、関係……?」
プリン隊A「どんな関係って聞かれたら」
プリン隊B「友達以上かな……それも少し違うか」
プリン隊C「絆という言葉がふさわしい」
閃光の騎士「そう、『絆』だ!」
プディンセス「ぷっ、何それ。……でも、悪くないかもね」
幽鬼うさぎ「絆……」
閃光の騎士「オレ達はみんな初対面だがこうして結束しあうことができた。素晴らしいことじゃないか!」
プディンセス「たしかに、今のアタシなら簡単に友達が作れそうな気がするわ。国に戻って友達作りに励もうかしら」
幽鬼うさぎ「私も前よりは明るくなれた君がします……。今からでも友達を作るのは遅くありませんよね……」
閃光の騎士「2人ともその意気だ!」
プディンセス「すっかりおやつの時間も過ぎちゃったしアタシはこれで帰るね。今日はありがとう!」
閃光の騎士「ちゃんと城の人達に謝るんですよー」
プディンセス「分かってるわよ。機会があったらまたみんなで遊びましょうね!」
幽鬼うさぎ「次城を出るときはみんなに迷惑かけないようにするんですよ」
プディンセス「考えておくわ。さあ、行くわよプリン隊!」
プリン隊「「「はっ!」」」
幽鬼うさぎ「私も『総帥』の所に行かなくては。結構遅くなってしまいましたからね」
閃光の騎士「……オレはこれで失礼させてもらおう」
幽鬼うさぎ「おや、ボディーガードの役割を果たすのでは?」
閃光の騎士「今の君は最初に会った時より堂々としている。今の君なら誰とでも同調できそうな気がするんだ。そんな君を見ているとオレももっと自分を磨かなきゃいけない気がしてな」
幽鬼うさぎ「……そうですか」
閃光の騎士「なに、また会えるさ。もし、会いたかったらいつでも探してくれてもいいんだぞ」
幽鬼うさぎ「あなたは眩しいですから。こちらから探さなくても簡単に見つかりますよ」
閃光の騎士「ならば次会うときはもっともっと外見と名を輝かせようではないか!」
幽鬼うさぎ「名だけでいいです」
閃光の騎士「はっはっは!では、さらば!」タッタッタッ
オクトロス「わう」
幽鬼うさぎ「あなたまだいたんですか」
オクトロス「わうわう」
幽鬼うさぎ「……一匹にしておくのはかわいそうですね。よかったら私と一緒に来ますか?」
オクトロス「わう!」
幽鬼うさぎ「私の住む場所はサイキック族ばかりですが悪魔族が一匹くらいいても問題ないでしょう。それでは行きましょうか」
幽鬼うさぎ「……?この子、牙が一個だけ金色でできてますね」
幽鬼うさぎ「あの洞窟にいたし……もしかして宝はこの牙をさしてたとか……?」
幽鬼うさぎ「……まさか、ね」
幽鬼うさぎ「さて、ようやく『総帥』の家につきました」
幽鬼うさぎ「だいぶ遅くなってしまいましたし、どんな顔して会いにいけばいいか……」
「それを考える必要はないよ」
幽鬼うさぎ「あ、あなたは……」
メンタルスフィア「お初にお目にかかるね。君が幽鬼うさぎかい?」
幽鬼うさぎ「は、はい……。本日は挨拶に来たのですが……」
メンタルスフィア「そうかたくなる必要はないよ。立ち話もなんだ、入りたまえ」
メンタルスフィア「みんな、君のことを待っていたからね」
幽鬼うさぎ「みんな……?」
メンタルスフィア「さあ、この部屋だ」
幽鬼うさぎ「この部屋は……」
ヒュプノシスター「みんなー、幽鬼うさぎちゃんが来たよー!」
ライズベルト「ようやく来たか。少し遅かったんじゃないか?」
クレボンス「これで始められますね」
幽鬼うさぎ「ヒュプノシスターさんに、ライズベルトさん、クレボンスさん……それに他のサイキック族のみなさんも……」
メンタルスフィア「驚いただろう。今日はみんなで君の歓迎会を行おうとしてたんだ」
幽鬼うさぎ「わ、私の……?」
メンタルスフィア「君が来てから一週間経ったがどうも周りとうまくやっていけてないと聞いてね。親睦会も兼ねてこの会を開かせてもらった」
クレボンス「そのためにいろいろと準備したンスよ」
ライズベルト「もちろん『総帥』に挨拶に行くなんてルールなどない」
ヒュプノシスター「緊急テレポートも緊急時以外に使っちゃいけないなんてルールもないよ」
幽鬼うさぎ「そ、そうだったんですか……」
ヒュプノシスター「ところで幽鬼うさぎちゃん、今朝話した時より何か違わない?」
ライズベルト「確かに今朝会ったときはもう少し暗かったような……」
クレボンス「なんか光属性らしくなったというかチューナーらしくなったというか」
幽鬼うさぎ「私、変わろうって決心しまして。だから、もっと皆さんとお話したくて……」
ヒュプノシスター「それならあっちのテーブルでお話しようよ!私、幽鬼うさぎちゃんのこと知りたいな!」
ライズベルト「ちなみに《メンタルマスター》は来ていない。出所できなかったそうだ」
クレボンス「彼もいつか出所できる日が来るンスかねー」
メンタルスフィア「ふふ……。どうやらこの会を設けて正解だったようだ」
幽鬼うさぎ(みなさんが私のために素敵な会を開いてくれた……)
幽鬼うさぎ(こんなに素晴らしい仲間に恵まれて私とっても嬉しいです)
幽鬼うさぎ「みなさん、今日は本当にありがとうございます!」
終
以上です。今回はイラストネタではなく、クロスオーバーソウルズに収録されたカード関連で書きました
プディンセスはショコアラモード、閃光の騎士はペンデュラムアライズからです
>>1のデッキでも幽鬼うさぎの歓迎会を行いたかったです(諭吉を墓地に送りながら)
ここまで読んでいただきありがとうございました
このSSまとめへのコメント
ゴウランガ!