穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」ことり「その2、だよ!」 (914)

穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」
穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」 - SSまとめ速報
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続きです。見てない方は長ったらしいですが、是非見てみて下さい。










穂乃果君主人公、ことりちゃんヒロインです。



ルート選択中です。エロや鬱等様々です。
その都度注意書きをします。


感想をいただけると非常に嬉しいです、画面の前で飛び跳ねて喜びます、書くのも少し早くなります。




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1424195589

 ◇―――西木野 真姫 ―――◇





 結局答えは出せないまま、穂乃果は寝室に戻った。みんなのいる部屋に戻ろうかなって考えたんだけれど、それもなんだか気まずくて……真姫ちゃんが用意してくれた寝室を使うことにした。



 んー、ふかふかで大きいベッド! 真姫ちゃんのお部屋にあったものみたい。



穂乃果「今日は遊び疲れちゃったな……」


穂乃果「……好きな人、か」


穂乃果「また明日、考えればいいよね?」



穂乃果「寝よう……」


穂乃果「ふかふかー……幸せぇ……」

穂乃果「穂乃果の家のベッドもこんなのがいいなぁ、でも高いんだろうなー」





~~~~♪




穂乃果「……?」

ごめんなさい、注意書き。



今回は細かい事は気にせずに読んで下さい。



R18です、特殊なことがメインとなっております、閲覧注意です。

穂乃果「ピアノ……?」

 それは微かに鼓膜を揺さぶる程度のもので、はっきり意識しないと気がつかないくらいの音だった。


 ゆったりとしていて、なんだかとても安心する。波の音とシンクロした、そんな音楽を弾けるのはあの子しかいない。


 むくっと身体を起こして、音がする方へ。


 ポロロンポロロンて穏やかな音。なんだか穂乃果、音に釣られてるみたい、ハーメルンの笛吹き男なんていう童話を思い出してしまった。連れ去られる子供達はこんな風にいい気持ちのまま連れ去られたのかな? それなら悪くないかも、なーんて。


 広い別荘の中をしばらく歩いて、みんなが寝ているところとは随分離れた部屋からその音は流れていた。



 扉も防音じゃないみたい。まあこんな周りに家がないところならそうだよね?



ガチャ



真姫「……だれ?」




 真っ暗な廊下を歩いてきたせいで、急な光に視界が狭まる。

 でも真姫ちゃんの心地よい低音がきこえて、やっぱり真姫ちゃんだったんだって一人で納得。



 徐々に視力が戻ってくると、大きなピアノとは不釣り合いな小さいお部屋だったことに少しだけ驚いた。

 真姫ちゃんはピアノの椅子に座っていた。


真姫「起こしちゃった?」


穂乃果「ううん」


穂乃果「眠れなかっただけ」


穂乃果「真姫ちゃんは?」


真姫「なんとなく。みんなを……起こさないように適当に弾いてただけ」


穂乃果「そっか」


真姫「……」


穂乃果「いいよ適当に弾いてて」

真姫「?」

穂乃果「聞いてるから」

真姫「……つまらないわよ?」


 それでもいいよって微笑むと、穂乃果は壁によりかかりながら音に身を任せた。真姫ちゃんはなんだかブツブツ言ってたけれど、結局はピアノに手を伸ばして音を奏でてくれた。



 そういえば、真姫ちゃんと初めて会った時も……こんな感じだったっけ。



 あの日から全部始まったんだよね。今穂乃果がこうして幸せな日々を送れているのも、真姫ちゃんがいてくれたから。



 ピアノを弾いている真姫ちゃんはとっても綺麗で、思わず見惚れてしまう。





穂乃果「――ねえ真姫ちゃん」

 小さい声だったから、聞こえなかったかな。


穂乃果「――穂乃果ね、真姫ちゃんのことが……好きだよ」


 ピタッと止まる音楽。ああ、そっか穂乃果、真姫ちゃんのことが好きなんだ。自然に口から言葉が出ていた、それって……心から思ってるから、だよね?



真姫「え……?」

真姫「ど、どういうこと?」


 告白ってもっとドキドキするものじゃないのかな? なんでだろう、全然ドキドキしないや。これも真姫ちゃんのピアノの音楽のおかげなのかな? すごいリラックスできるんだもん。



穂乃果「真姫ちゃんのことが好き」


穂乃果「付き合って?」




真姫「……ウソ、でしょ?」

穂乃果「ここでウソって言ったら、真姫ちゃん泣いちゃうでしょ?」

真姫「は、はあ!?」


穂乃果「冗談」

穂乃果「……」


穂乃果「答えを、聞かせて欲しいな」

真姫「……なんで私なの?」

穂乃果「……んー」

穂乃果「――わかんない」


真姫「は?」


穂乃果「……気づいたら好きっていってた。でも……本気だよ」

穂乃果「本気で真姫ちゃんのことが好き」

穂乃果「綺麗な声も顔もスタイルも素直じゃないようで相当わかりやすいところも、優しいところも真面目なところも、全部全部好き」




真姫「……////」

真姫「……そ、そんなに言うなら……付き合ってあげても……その……いい、けど」カァァアアアアアアア




穂乃果「本当!?」グイッ

真姫(ち、ちか……)



真姫「こ、こんな可愛い子と付き合えるんだからありがたく思いなさいよね!」



穂乃果「ふふ、そうだね! 真姫ちゃんは可愛いもん! 本当に嬉しいよ?」

穂乃果「穂乃果みたいなのが、真姫ちゃんと恋人になれるなんて……夢みたい」


真姫(夢みたいなのは……こっちのほうよ……)



真姫「っ……」///

真姫「ぅぅ……」


穂乃果(タコみたい……)


真姫「な、なら……私たち……恋人?」

穂乃果「うんっ」

真姫「恋人……」

真姫(なら、あなたのこと……独り占めできるの? 私のことを一番に考えてくれるって、こと……?)


真姫「……」ポワワーン


穂乃果「真姫ちゃんこそ、もっと背が高くて筋肉もあってイケメンの人じゃなくてよかったの? 穂乃果オトなのに真姫ちゃんより背低いんだよ……?」


真姫「別に関係ないわ、ブーツ履かなければいいんでしょ?」

穂乃果「うう、やっぱりそうなるよねえ」

穂乃果「真姫ちゃんは……いつから穂乃果のことがすきだったの?」

真姫「うぇぇ……そ、そんなのどうだっていいでしょ!?」

穂乃果「えー知りたーい!」



真姫「嫌よ!!」


穂乃果「むぅ……」


穂乃果「もういいもん……」シュン


真姫「え、あの……えっとだから……そんなつもりじゃ……」

穂乃果「――あはは! だから冗談だってー。真姫ちゃん簡単に騙されて面白ーい!」

真姫「な……! ふざけないで!」


穂乃果「真姫ちゃんかわいー」

真姫「ぅ……」


穂乃果「今度デートとか行こうね?」

真姫「え、ええ」//



 真姫ちゃんはそう言って、プイとそっぽを向いてしまった。でも、やっぱり顔は真っ赤で……。ふふ、真姫ちゃんが、顔に出やすい人で良かった。






真姫「……」ブルルッ



真姫「ごめん……トイレ行ってくる」

穂乃果「うん」



スタスタ


ガチャ

 真姫ちゃんが出ていった後、すぐ近くの部屋の扉が閉まった音がした。あ、トイレはすぐ近くだったんだね。



スルスル


穂乃果「……?」



 なんか、するするって音。えっと、これって……。波の音以外の音はその音しかなくて、余計に耳に響いた。なんだろう……。音の正体を考えているうちに、バタンとなにか蓋のようなものが降ろされる音がした。


 もしかして……今のは洋式の蓋が降ろされた音……?


 てことはさっきのするするって音は服を脱ぐ、音?


穂乃果「ごくっ……」



 トイレは隣だし、真姫ちゃんが出て行く時ここの部屋の扉を閉めなかったし穂乃果は扉の近くにいるから……音が……。




穂乃果「……ま、まあでも流石に音消しくら――」






 シュゥゥゥウウウウウウ

穂乃果「!?」



 音消しくらいするよねってそう思っていたのを嘲笑うみたいに、波の音とは明らかに違う激しい水音が鳴り響いた。


穂乃果「あ、あの……」//



 ピシャピシャって水面に勢いよく当たる音、しゅぅぅって水がない硬いところに打ち付ける音、女の子なら誰でもおしっこをする時、こういう音を立てるんだろうけど……あの真姫ちゃんが。



 気がついたらおしっこの音に耳をすませている自分がいて、ぶんぶんって頭を振った時、水音はやんで、ガラガラっていうトイレットペーパーを引く音が聞こえた。



 あの真姫ちゃんがってのもおかしいよね、そ、そもそも音聞こえるとか思わなかったのかな……? それとも普段から音とか気にしない、のかな……? 水を流すのもいいし、してる時にトイレットペーパーをガラガラーってするのもいいし……。真姫ちゃんの場合、トイレットペーパーもし終わった後に引くみたいだから……その、音が良く聞こえちゃう。


 な、なんでこんなことばかり考えて……っ!!


 煩悩退散って、また首をぶんぶん振ってみるけれど、少し前、真姫ちゃんが目の前で……その漏らしたことを思い出してしまった。


 プライドの高い真姫ちゃんが、真っ赤な顔で必死に股をぎゅぅって抑えこんで、汗を書きながら涙目になって、身体を揺すって、もじもじして……。




穂乃果「はぁ……はぁ」






真姫「――どうしたの?」

穂乃果「!?」


穂乃果「え、あ、別に……」


真姫「?」

一旦ここまで

穂乃果「と、トイレすぐ近くなんだね」

真姫「そうよ」

穂乃果「……」

真姫「なにがいいたいの?」

穂乃果「な、なんでもないっ!」



 気づいてない、んだ。

 あんなに激しいおしっこの音聞かせておいて、何食わぬ顔で話しかけてくる。
 

穂乃果「……」ムラムラ

穂乃果「や、やば……」



 下半身が疼くのを感じる。ヤバイ、こんなとこで大きくしてしまったら……。


穂乃果「ごめん、ちょっとトイレっ」

真姫「あ、うん」

 前かがみになって、逃げ込むようにトイレに駆け込む。

 綺麗な空間、やっぱりお金持ちの人はトイレの中も綺麗なのかな?

穂乃果「はぁっ、はぁ」ムクムク

 真姫ちゃん、ここでおしっこしてたんだ。お尻丸出しにして……あそこから、しゅぅうって……♥︎誰にも見せない姿、一番無防備な姿。



穂乃果「んっぁ♥︎」



穂乃果「こ、声抑えないとっ……♥︎」

シュコシュコ



穂乃果「ふぁっ……んっ♥︎んんっ♥︎」



穂乃果「はやく、出さないと……♥︎」



穂乃果「んっ♥︎んんんっ♥︎あぁぁ……」ガクガク



穂乃果「で……る……、と、トイレットペーパー!」

ガラガラ


穂乃果「っ~~~~~♥︎///」ビュクッビュク






穂乃果「や、ば……こ、え……抑えられ、な……あぁぁっ……!!」ビュルルルルツ




真姫「――穂乃果?」コンコン


穂乃果「!?」ピュッ…ピュ




穂乃果「はぁっ、はぁ……♥︎」


真姫「大丈夫? 呻き声なんかだして……」



穂乃果(トイレットペーパー流して……オッケー)

ガチャ


穂乃果「う、うん。ごめんね」


真姫「なんか顔赤いわよ?」

穂乃果「あはは、なんでもないから……」


真姫(よっぽどお腹痛かったのかしら……)


穂乃果「じゃあそろそろ寝るよ」

真姫「……私も寝ようかしら」チラッ

スタスタ

穂乃果「ま、真姫ちゃんてさ……」

真姫「なに?」

穂乃果「……トイレ、音消しとかしない、の?」


真姫「音消し……?」

真姫「それって……――!?」





真姫「き、聞いてたの!?」



穂乃果「ち、違うよ! 音、すごかったから……//」



真姫「さ、最低……////」

真姫(そっか、トイレと近かったものね。音消し、音消しなんて忘れてた……じゃあ穂乃果に音、全部聞かれてた……?)

真姫「忘れなさい」

穂乃果「でも」

真姫「忘れなさい」


穂乃果「は、はい……」

真姫「最初からそういえばいいのよ」

真姫「……///」



 い、言わなきゃよかったかな。でも……言わないと気が済まなかったっていうか……でも真姫ちゃんの照れた顔見れたからいいかな? 言わなかったら、真姫ちゃんのお家とかでおしっこの音聞き続けられたかも……?


穂乃果「ふぁぁ……眠くなってきた」


真姫「……」

穂乃果「えっとどこだっけ、ここでおりるとみんなのところだから」

穂乃果「じゃ真姫ちゃん、おやすみ!」


穂乃果「ちゃんと寝てね!!」


ギュッ




穂乃果「……どうしたの?」

真姫「……」キュッ



 穂乃果は二階の寝室、真姫ちゃん達は一階でみんなで寝ている。ちょうどその分かれ道で真姫ちゃんは穂乃果の服の袖を掴んできた。なんだか俯いて……一体……?


真姫「あ、あの……//」


穂乃果「なあに?」




真姫「だ、だから……///」

穂乃果「……下を向いてちゃわからないよ? どこか痛いの?」

真姫「……//」

穂乃果「もぉ……ほら顔あげて」

真姫「むぐっ!」


 真姫ちゃんの熱い頬をがしって掴んで逃げられないように無理やり目を合わせると目玉だけキョロキョロ左右に動くのがなんだか楽しい。


 しかもまたタコみたいになってる……どうしたんだろうね。


 真姫ちゃんのぷにぷにほっぺたを楽しんでいると、流石に暴れて振り払われてしまった。

真姫「な、なにすんのよ!」


穂乃果「うふ、真姫ちゃんおもしろーい!」

真姫「馬鹿にしてるでしょ」


穂乃果「してないしてないっ」


穂乃果「で、どうしたの?」


真姫「……だ、だからっ!!」///

穂乃果「うん」


真姫「その、あの……」


穂乃果「うん」

真姫「い、一緒に……寝たい」ボソッ


穂乃果「一緒になに?」



真姫「……」プツン





真姫「――一緒に寝たいって言ったのよ!! そのくらい察しろってことよ!!!」


穂乃果「え、ええ……?」

穂乃果(なんで突然怒ったのー!?)

穂乃果「で、でも……そ、それは理不尽な気も……」

真姫「……とにかく、どうなの」

穂乃果「いいけど……」

真姫「……感謝しなさいよ」





真姫「……///」


 意味がわからないよ……穂乃果が感謝しなくちゃいけないんだ……。まあこんな可愛い子と二人で寝れるなんて、夢みたいだけど。


 な、なんか、真姫ちゃんの恋人って、大変そうな気がする……。


穂乃果「じゃあ行こうか」

真姫「ええ」


スタスタ


 少し歩いて真姫ちゃんが寝室のドアを開けてくれた、暗くてイマイチよくわからなかったから、良かった。


 寝室の中は真っ暗だけど、どうせ寝るだけだし電気はつけなくていいよね? っていう確認のあと、真姫ちゃんの手を取って、ベッドに寝転んだ。


穂乃果「ん……ちょっと暑いね」


真姫「夏なんだから当たり前でしょ」


穂乃果「えへへ、真姫ちゃんとなら、暑いのもいいけどね」ギュゥウ


真姫「もう、痛い」

真姫「……//」

真姫「……あ、あなたね、距離感てものを」

穂乃果「恋人なんだから、いいでしょ?」

真姫「……だ、だからって。もう!!!」

真姫「……わ、私のこと好きにしていい、けど」

真姫「――絶対、裏切らないで」


穂乃果「……」

穂乃果「うん、大丈夫だよ」

真姫「嘘も嫌」

穂乃果「うん」


真姫「なら……許してあげる」

穂乃果「真姫ちゃんが許可を出したんだから、後悔しちゃダメだよ?」


真姫「変なことじゃなければね」

穂乃果「うふふ、どうかなー?」



 なんだか、初日から色々ありすぎた気もするけれど無事真姫ちゃんと恋人になれたみたいです。

◇――――◇

合宿後



 合宿も終わって、みんなにも真姫ちゃんと付き合うことを発表した。希ちゃんがみんな恨みっこなしって言ってたけど、最初はどうなるかなって不安だった。


 なんか女の子ってそういうところで恨んだりって話を時々高校の友達で聞いたりするから……。でもµ’sのみんなはそんなことなくてでも…うん、無事に真姫ちゃんとのことは公認になりました。


希「やっぱり真姫ちゃんも甘えるん?」



真姫「な……」

 
 なんだかまた希ちゃんが真姫ちゃんを弄り始めていた。ぅ、こういうの全部穂乃果に当たられるから困るんだよね……。



希「どうなんー?」

凛「気になるー!!」



真姫「……だ、だから///」

 普段は凛ちゃんとかにあんなに強気なのに、こういう話題だとすぐ赤くなっちゃって行動不能状態になるみたい。……可愛い。


真姫「ちょ、ちょっと……なんとかしてよ」

穂乃果「え?」



希「きゃー! 彼氏に頼ったー!!」

凛「きゃー!!!」


にこ「……あんたら、元気ね」





絵里「ほんとにね」




真姫「う、うるさいのよ!」


ことり「ふふ、幸せそうだねっ」

海未「そうですね」


穂乃果「もう……真姫ちゃん怒ると穂乃果に当たってくるんだからさ……」

希「へぇ」ニヤニヤ

真姫「よ、余計なこと言わないでよ!」

穂乃果「え? あ……」

穂乃果「え? あ……」

真姫「もういい、次の曲の仕上げしてくるからこっち来て!」

穂乃果「え、穂乃果!?」

真姫「そうよ!」グイッ



穂乃果「あ、ちょ……」



希「あらら、連れて行っちゃった」

凛「次の曲ってなに?」

花陽「えっと……」


絵里「二人きりになりたかっただけ、とか」

にこ「はぁ、全く」

にこ「グループ内でカップルが出来るのも考えものね」

◇――――◇

穂乃果「もう、なんなのー?」

真姫「……」

穂乃果「また怒ってるの?」

真姫「怒ってない」

穂乃果「怒ってるよぉ……」

真姫「別に」

真姫「……あんまり弄られるの、慣れてないから」

穂乃果「……そっか」

穂乃果「本当に真姫ちゃんが嫌なら、みんなに言ってあげるよ?」

真姫「そこまでじゃないけど」

真姫「あんまり、その……油は注がないで?」

穂乃果「うんわかった」

真姫「ごめんね……」

穂乃果「真姫ちゃん、穂乃果には甘えるもんね」


真姫「穂乃果の方が甘えてくるくせに」

穂乃果「そうかなあ?」

穂乃果「同じくらい?」

真姫「どうかしら」

穂乃果「昨日は真姫ちゃんが会いたいって言っていきなり抱きついて来たよ?」

真姫「でも一昨日は穂乃果が抱きついてきたじゃない」

穂乃果「それは……うん」



穂乃果「はい……」


真姫「いいから戻りましょう?」



真姫「……っ」ブルル

真姫(トイレ行きたくなってきちゃった……)


真姫(でも、学校のトイレは……使えないし)

真姫(そういえば……漏らしたのもここだったわね。あの時トイレに行けたとしてもどうするつもりだったのかしら、私は。どうせトイレにいっても出せないのに……)


真姫(良かった、練習しかなくて。これ全部授業あったらまた漏らしてるか職員トイレとかに忍びこむかしないと行けなかったし)


穂乃果「……真姫ちゃん?」


真姫(……この人に、あんなとこ見られた、のよね……//)

真姫(とりあえず家まで我慢しよう……)




穂乃果「今日さ、真姫ちゃんちにいってもいい?」

真姫「別にいいけど?」

◇――――◇

ことり「真姫ちゃん動き鈍いよ?」

真姫「そ、そう?」キュンキュン


真姫(ど、しよ……。暑いからって飲み物、飲み過ぎたわ……)


真姫(あ、汗で出ていきなさいよぉ……)


海未「真姫、大丈夫ですか?」

真姫「っ……へ、いき」

絵里「どうしたの?」

真姫「大丈夫って言ってるでしょ?」


真姫(大丈夫、家に帰るまでは……余裕、ね)






真姫(でも、我慢するの……なんか気持ちいい……?)


◇――――◇


穂乃果「ねえ真姫ちゃん……」


真姫「はっ、んぅ……///」


穂乃果「ねえ」

真姫「な、なに……」



穂乃果「みんな帰っちゃったよ? 早く真姫ちゃんち行こうよ」



真姫「ちょ、ちょっと待ってて……んぁぁ……////」


真姫(やばい、もう動けないっ……)

穂乃果「真姫ちゃん……?」




 真姫ちゃんは練習が終わってからその場から動こうとしなかった。動こうよって言っても待ってとか動けないとか、よくわからないことばかり。


 次第に真姫ちゃんはお腹のあたりを執拗に擦りはじめて、身体をゆさゆさと揺らし始めた。額に汗がびっしりと浮かんでいるのは……夏のせいだから?




真姫(どう、しよ……見られてる。我慢してるとこ……穂乃果に見られてる♡)キュンキュン

真姫「んっっ♡はぁぁぁ……」


 見覚えが、あった。



穂乃果「――真姫ちゃん、トイレ、我慢してる?」



真姫「なっ――し、してない、わよっ」

真姫「ぁあ……っ♡」


 手をおしっこの出るところに一瞬だけやったのを見逃さなかった。でも真姫ちゃんはプライドが高いもん、そんな格好出来るわけないよね?


穂乃果「へえ、そっか」ゾクゾク

穂乃果「じゃあしばらくこうしてようか」





真姫「っ……ええ」


真姫「……っ」


 ゆさゆさ、ゆさゆさ。

 下半身はほとんど動かないのに、上半身はゆさゆさ揺れている。穂乃果の記憶が言ってるよ、やっぱり真姫ちゃんおしっこ我慢してるんだ。


 余裕はなくなってきているみたい、徐々に股を抑える回数が増えて来てる。息もどんどん荒くなって、頬も真っ赤に染まってる。


穂乃果「はぁ、はぁ……」


真姫「はぅ……////どう、しよ……っ///」ウルウル

真姫「…………くぅ…っや、だ」


 それにしても、どうしてトイレ我慢してるんだろう? もう涙目になってる真姫ちゃんは、トイレにいけないわけじゃないもんね?


真姫「ひっ……んっ…………んぁ……♡」ゾワゾワ……



真姫「あっっ……」チョロ……





真姫「……んんんっ」ギュゥゥ



 はっとしたように股をぎゅぅって抑えた真姫ちゃん。……ちょっと漏れちゃったのかな?

 スカートの中に手を突っ込んで割れ目に指を押し込んでいる真姫ちゃんは本当にえっちな表情をしていて、なんだか我慢してるだけじゃないみたい……。


 完全に余裕がなくなったらしい真姫ちゃんは、前屈みになってそのまま手を離すことなく強い羞恥心なんかよりも尿意を抑えることを優先したみたい。


真姫「とい……れ……。やだ……やだ、ぅぅ」

 うわ言のように何かをぶつぶつ。



穂乃果「やっぱり我慢してるんでしょ?」



真姫「はぁ………んっ」ゾワゾワ……ビクッ


穂乃果「なんでトイレ、行かないの……?」


真姫「も……歩け、ない」ウルウル


 流石にかわいそうになってきたな……興奮するけど、助けてあげようかな。





穂乃果「たてる?」

真姫「……」フルフル

穂乃果「がんばらないとまた漏らしちゃうよ?」

真姫「ぅぅ……」


 優しく真姫ちゃんの肩を持ち上げて、なんとかたたせてあげる。



真姫「むり……も、でちゃ……///」



穂乃果「おしっこなんてでない、おしっこなんてでない。はい繰り返して?」


真姫「おしっこ、なんて……でない。おしっこ、なんて……んんんっ……///」ビキュビキュ



 普段なら絶対こんなおしっこなんて言わないのに……もうおしっこ出したすぎて、何も考えられなくなってる、のかなあ?



穂乃果「ファイトだよ真姫ちゃん!」



スタスタ




穂乃果「ほら、トイレ近づいて来たよ?」


真姫「んっ……むり、ほのかぁ……///」

真姫「といれ、わたし、いっても……できない、から……ハアッハァ」ジタバタ



穂乃果「どういうこと?」


 ついに念願のトイレの目の前まで真姫ちゃんを連れてこれた。肩口で荒い息をふきかけられ、とろんとした目でこっちを見たりしてきて……平静を保つのが難しかったよ……。



穂乃果「ほら早くトイレ入って?」

真姫「ぅ、うう……///」


 何故か真姫ちゃんは、トイレに入りたがらなかった。それどころか、トイレの目の前でしゃがみこんじゃった。


穂乃果「どうしたの!? 早くトイレ入りなよ、漏らしたいの……?」


真姫「ち、が……やだ、もらしたく、ない……///」カァァァアアアアアア



穂乃果「じゃ、なんで……」





真姫「お願い、バケツとか……な、い? もう、おしっこ……我慢……でき、ない……」

これ以上投稿していいのかわからないくらい自分でも気持ち悪い内容だと思う……ほんとに閲覧注意ですからね……

穂乃果「バケツ? ちょ、ちょっと待っててね」

 ちょっと真姫ちゃんのしたいことが全然わからないけれど……とりあえずバケツを探そう。えっと……。


 適当にこのフロアを見て、掃除用具入れの中を見て回る。


穂乃果「ないなぁ」


穂乃果「うーん」


穂乃果「あ、これがいいかな」


 もしかして、これにおしっこ、するつもりなのかな……? 確かに漏らしちゃうよりは全然マシだけど……。


穂乃果「真姫ちゃん、持ってきたよ!」


真姫「んっ……はぁ……」



 バケツを持っていくと、真姫ちゃんは少しだけ表情が緩んだようだった。トイレの前でしゃがみこんで、かかとでぐりぐり出入り口を押し込んでいる姿は……とっても可愛い。


真姫「穂乃果……あっち、むいてて……」

穂乃果「ここでするの!?」




真姫「だ、だって……もう!!」



 完全に乱心している真姫ちゃんは、こんな人が通ったら見えるようなところで、バケツにおしっこをしようとしている。バケツにまたがって、スカートに手をかけて――。



「えーなにそれー」


「だから次の大会はね――」




真姫「ふぇ……?」


穂乃果「っ!!!」

 人の声だ。そりゃそうだ、今は夏休みって言ったって運動部の人たちは普通に学校にきている、ここの通路を使う人だっているに違いない。


 こんなところで真姫ちゃんにおしっこをさせるわけには行かなくて、すぐに真姫ちゃんの手を掴んで目の前の女子トイレの中へ。



 うぅ女子トイレ入るの初めてだよぉ……。



 見つかったらどうしようとか思いながら個室に二人で駆け込んだ。




穂乃果「もう……あんなとこでしようとするなんてさ……!」

真姫「ほ、のか……」

穂乃果「?」





真姫「もう、でる……」ウルウル


真姫(やだ、もらしたく、ない……)



 ほんとにほんとの限界みたいだよ……。穂乃果も出るわけには行かないし、ここでしてもらうしか……。

穂乃果「穂乃果あっち向いてるから、ここでして!?」


真姫「……む、り」


穂乃果「ええ!?」



穂乃果「どうして!? ここトイレだよ!? ここでしないでどこでおしっこするの!?」

 真姫ちゃんはさらに顔を真っ赤にしたかと思うと、俯いて。













真姫「――和式トイレ……使ったこと、ない」



穂乃果「え……?」

真姫「だから、もう…………」ブルルル

穂乃果「――あーもう!!! いいからスカート脱いで!」

真姫「え」

穂乃果「脱がせるよ!?」



真姫「ちょ、や……っ」



ズルル


 もうじれったい! またおもらしさせるわけにはいかないし、目の前にトイレがあるんだから、させるしかないっ。




 でもなるほど、トイレに行けない理由がわかったよ。真姫ちゃん和式トイレでおしっこができないんだ、最近いるって聞いてたけど、まさかこんな身近にいるだなんて。家でも学校でも洋式しか使ってこなくて、この学校にはもしかしたら洋式がないってこと……? 今度聞いてみよう。

穂乃果「えいっ」



 あ……スカートごと下着も掴んで脱がしちゃったみたい、薄いピンク色の下着にうっすらと黄色い筋が通っているたのを見て、思わず目線を逸らしてしまう。



穂乃果「!?」

真姫「ちょ、ちょっ、と……!」


真姫「み、みるな!」バッ




 目線を逸らした先には――下半身裸の恋人の姿。華奢なウエストからは想像できないどっしりしたお尻周りに、思わず目を奪われてしまう。無理やり下着をうばってしまったから、まるで穂乃果が真姫ちゃんをレイプしてるみたいだよぉ……。




穂乃果「……////」



穂乃果「ま、真姫ちゃんのためだから、ね!?」


真姫「イミワカン、ナイ……! やだ、やだ」



 下着を返せって抵抗しようとするけれど、おしっこを我慢しているせいか動きがとてつもなく鈍い。早く、早く楽にしてあげないと……。


 真姫ちゃんの肩を無理やり掴んで、態勢を整える。

穂乃果「ここにしゃがんで?」

真姫「……な///」



 真姫ちゃんは恥ずかしがって、しゃがんでいても貝みたいに股をきゅって抑えて閉じてしまっている。

穂乃果「和式トイレの使い方、教えてあげる」



真姫「ふざ、けないで……んぅ……♡こんなとこ、みせられる、わけないでしょ!?」



 真姫ちゃんは、そう言いながら苦しそうに"こんなところ"をぎゅぅっと抑えこんだ。でもポタポタと押さえ込んだ指の間から落ちてきはじめてる薄黄色の液体、やっぱり、もう限界なんだね。



 どうしよう、穂乃果、すごく興奮してる……。





穂乃果「でも、そこを見せてくれないと確認できないから……」

また今度……

いい感じに気持ち悪い、なのに読んでしまう
でも後ろの方に行かなきゃノーマルに思えるから人の性癖って不思議だね

>>71
後ろには行かないので安心?してください。

穂乃果「おしっこしたくてたまらないんでしょ? ほら はやく見せて? 股開かないとおしっこ出せないよ?」ゾクゾク



真姫「っ……」ゾクゾクゾク


真姫「で、も……こんなとこでっ……///」

穂乃果「大丈夫だから、ね?」


真姫「ぅ……」


真姫「はぁ、んっ……こんかい、だけだから!!」

穂乃果「うんっ」ワクワク


 真姫ちゃんはきゅぅっと唇を噛み締め、しゃがんだまま、少しずつゆっくりと股を開いていった。



真姫「……//////」クパァ…



穂乃果「……」ゴクッ

 真姫ちゃんの足が完全に開かれると、むんと香る女の子の匂い。µ’sの中でもトップクラスに足の長い彼女が足を開くと自然にM字開脚になっちゃうみたいでよりソコが見えてしまう。すごい、綺麗……ピンク色。薄く生えそろった黒い毛との対比がすごくえっちで……。ひくひく蠢いているソコは、定期的に液体を奥から溢れさせているみたい、ジワジワと泉みたいに。真姫ちゃんが漏れないようぎゅぅっとそこに力を入れると、逆に緩んだ瞬間に押し出されるようにじわりと黄色い液体が滲んでくる。気持ちいいから出るものと違って、粘性はなくて文字通りびしゃびしゃ。



真姫「はや、く、教え……て////」ポタポタ




 びくびく下半身全体が震えてその度に抑えきれなくなった液体がポタポタと真姫ちゃんの大きなお尻を伝って流れ落ちる。これは下着を履いていたら、ぐしょぐしょになるけど、下着にギリギリ吸収される範囲内、だね。

 
穂乃果「まずはここを跨いで? そう」




穂乃果「正面を向いて……もっと足、開いてよ」




真姫「ぅぅ…………////」


 うん、完璧。これであとはもう出していいよって言うだけなんだけど。


真姫「はぁ……はぁ」ダラタラ


穂乃果(こうしてずっと、見てたいな……ふふ)

真姫「~~~~~っ」ビクッ……ビキュビキ…キュンキュン


穂乃果「汗びっしょりだね? ここ、結構涼しいのに」


真姫「ふっ……♡はぁ……♡」


穂乃果「限界?」



真姫「は、やく……しなさいよぉ……///」

穂乃果「じゃあ」





穂乃果「――出してもいいよ」





真姫「…………ふぁ…………」スッ


 真姫ちゃんの表情が、何かから解放されたように一気に緩んだ。眉間によったシワ、つり上がっていた眉毛、硬く噛み締められた唇、閉じられた瞼。それらが全部、一斉に力を失った。きゅぅうっと閉じられた尿道口も真姫ちゃんの表情が緩んだのと連動してすぅと広がった。そして――。






ジョロロロロロロ……パシャパシャピシャピシャ

真姫「ふぁぁ……♡」





真姫(ああぁ……おしっこ……出せ、た……)



 今までに聞いたこともないような激しい水の音が鳴り響く。緩んだ尿道口から一気に放たれたソレは綺麗な放物線というよりは……勢いが強すぎたせいかかなり前方に向かって飛んでいった。ビラビラの向きも綺麗だから、その線もとても綺麗……ってこと?




 真姫ちゃんの表情をチラリと見てみると、口は半開きでそこからは唾液が溢れて来てしまっている。少しだけ上方向を向いているから重力に従って唾液が落ちてきているのかもしれない、とにかく――とても恍惚とした表情だった。




 穂乃果にこんな恥ずかしいところを見られているだなんてことも忘れて、我慢して我慢してようやくおしっこを出せたことに夢中になって、羞恥心とかプライドとか全部忘れておしっこをする姿は……くす、なんだか動物みたい。


穂乃果「ふふっ……」



 40秒ほどジョボジョボと勢い良く放出した後は、勢いも弱まってきて水面が浅いところに打ち付けられるようになる。こうなると、音も、変わるみたい。真姫ちゃんの場合打ち付ける音よりも、出てくる時に立つ音がとても印象的だった。きっと尿道口が狭いから勢いも強いし、音もたくさん出るんだね。





シュゥゥウウウウウ


真姫(ぁぁ我慢して……おしっこ出すの……きもち……ぃ……♡)トローン

真姫(穂乃果に見られてるけど、なんか……もっと、見て、ほしい……)


 一分近くだし続けてようやくちょろちょろっていう残尿だけになって、やがて完全に出し切ったようだ。終わる時にもお尻を伝っていく液体に、最後の芸術を感じた。真姫ちゃん、なんだかおしっこをしている時の姿が……すごく綺麗。一瞬だけど、それは爆発みたいな芸術なんだって思える。




穂乃果「――和式、簡単でしょ?」

真姫「はぁ……はぁ♡」トローン

真姫「……」ハッ





真姫「――ふざけないで」ギロ


 あ、ヤバイ……冷静に戻っちゃった……。




穂乃果「ふ、拭かないと!」




真姫「わ、わかってるわよ!!!」

穂乃果「……」ジー

真姫「ミナイデ!!!!」////

穂乃果「えー、真姫ちゃんの綺麗だから大丈夫だよ」



 おしっこを出し終わったあとのそこはびちょびちょで、光が当たると反射してさらにえっちに見える。つんとおしっこの匂いが鼻腔を刺激して、いつかのおしっこ処理のことを思い出してしまう。そんなに、この匂い嫌いじゃないんだよね。


 見入っていると、そそくさと毛に染み込んだ液体を吹いてしまって置いてあった下着を確認しはじめた。


真姫「うえぇ……これじゃはけないわね」



真姫「スカートだけでも……ぅぅ」


 真姫ちゃんは自分で汚したものを、まるで汚物を掴むかのようにつまみ上げた、自分で出したものなのにそんな態度をするってことに……なんだか変な気分。



真姫「すぅすぅする……」ヒラヒラ

 結局下着ははかずに、スカートだけはいた真姫ちゃん。


穂乃果「はぁ、はぁ……」

真姫「……?」


穂乃果「ね、真姫ちゃん……えっちしよう?」ギュゥ

真姫「ひゃっ……」

真姫「な、なに言ってるのよ!?」



穂乃果「真姫ちゃんのおしっこするところ見てたら、興奮してきちゃったの……////」

穂乃果「お願い……だめ?」サワサワ

真姫(と、トイレするとこ見て、興奮した……? う、うそ……どうしてこんな嬉しい、の?)

真姫(なんで、……するところ見られて私……興奮してるの……?)ジュン

真姫(ほ、穂乃果の手が……お尻に……っ)




真姫「ぅぅ……」

真姫「お願い、家でなら……させて、あげるからぁ……//」ウルウル



穂乃果「ほんと!?」パァァ


真姫「え、ええ……//」

◇◇――――◇◇

穂乃果「さ、えっち――」キラキラ

真姫「――しないわよ」



穂乃果「え……」


 そ、そんなこの世の終わりみたいな表情、しなくても……。


穂乃果「さ、さっきしてくれるって……」

真姫「……あのね、私たち付き合ってどれくらいだと思ってるの?」

穂乃果「一週間と、少し……」

真姫「世間の人達に聞いてみる? あなた達はいつセックスしましたかーって」


穂乃果「……」


穂乃果(割といると思うんだけど……)




真姫「一週間でセックスなんて……」

穂乃果「そう、だよね……ごめん」


真姫「……私の心の準備が出来てないっていうのもあるの」

真姫「だから、ね?」

穂乃果「うん……ごめんね、真姫ちゃん……」

真姫「……」


真姫「ほ、穂乃果は……そ、その……」

穂乃果「?」


真姫「どれくらい、経験、あるの……」////


穂乃果「え……//」


穂乃果「そ、そんなに、ないよ……?」

真姫「あの希としてたってやつだけ……?」



穂乃果「え、えっと……」

真姫「そう、いいわね希は。穂乃果の初めてを貰えて」







真姫「――少ないなんて嘘よね?」


穂乃果「ぅ……」

真姫「どれくらい経験あるのか回数で答えて」

穂乃果「か、回数!?」


真姫「そんなに経験ないなら回数くらい数えられるでしょ?」

穂乃果「そ、そんなの……無理だよぉ……」



真姫「……」



穂乃果(真姫ちゃんの目が怖い……ど、どうしちゃったの?)





穂乃果(回数……回数……? 初めてが"小学生のあの時"で……次は確か……"中学生の時"絵里ちゃんとで……そこからは"凛ちゃんのは"……違うしもう……"卒業までずっと"ことりちゃんとしてたから……)




【過去の出来事は、その人に関連深いルートを選んでみましょう】





真姫「質問を変えるわ、誰としてきたの? もちろん私が知ってる人もいるはずでしょ?」

穂乃果「……」


穂乃果「……ことりちゃん」


真姫「……」

穂乃果「絵里ちゃん」

真姫「……」

穂乃果「……海未ちゃんも、一応……」

真姫「……」

穂乃果「凛ちゃんも、かなり近い感じ」


穂乃果「以上です……」

真姫「そう」

穂乃果「ま、真姫ちゃん……?」






真姫「みんなの身体はさぞかし気持ち良かったんでしょうね」ムスッ




真姫「……」

穂乃果「もしかして――嫉妬してる、の?」

真姫「な……///」


真姫「そ、そんなわけ……」






真姫「――あ、るけど……////」プシュゥウウ


穂乃果「え……///」

真姫「誘われたならいいとは、前に言ったけれど……実際付き合うとなると話は別」



真姫「……なんで初めてじゃ、ないのよ」







穂乃果「ご、ごめん……」

真姫「……」ムスー


穂乃果「そんなに初めてが良かった……?」


真姫「だって――穂乃果のことを知ってるのは私一人だけで十分なんだもの」


真姫「だから……初めて同士が、良かった」ムス




穂乃果「真姫ちゃん……ごめんね」ギュ

真姫「……別に、これは私がワガママなだけでしょ」


真姫「しかも……き、今日あんな姿見せたのよ、それと同じくらい私しか知らない穂乃果の恥ずかしいことを知らないと嫌」



穂乃果「くす……真姫ちゃん、和式で出来なかったんだね」

真姫「うるさい!」

穂乃果「あと真姫ちゃんは見られても大丈夫だよ!! だって真姫ちゃんの、他の人と比べてもかなりきれ――」


真姫「――さいってい!!!」/////







 そんなこんなで今日は家を追い出されちゃった。


 褒めたのに……なんでかな?

 


また今度…忙しくなくなったらペースあげますので。

◇――――◇



一ヶ月後



真姫「んぅ……んっぅ……」ユラユラ


穂乃果(……またかな?)



 最近練習終わりは真姫ちゃんの家で過ごすことが増えていた。なんていったって広いお家だから親の介入がないからってことで、真姫ちゃんに毎日呼ばれるのが原因なんだけど……。


 なんだか最近真姫ちゃんの様子がおかしいの。今日だって練習から帰ってきて二人でお話してようかなって思ったら、勉強を始めてしまった。


 まあそれもよくあることなんだけど、肝心なのは……。


穂乃果("また"、おしっこ我慢してる?)



 穂乃果はベッドから後ろ姿を眺めているだけだけれど、太ももをすり合わせてるし、身体もゆらゆら揺れちゃってる。なにより……真姫ちゃん独特の喘ぎ声みたいなのが聞こえるんだもん。

 それも真姫ちゃんの家だよ? 使い慣れたトイレだし、トイレを邪魔する人なんていないし、我慢する理由がどこにもない。


 それなのに毎日毎日穂乃果を呼んで、穂乃果の目の前でおしっこを我慢して……。誘ってるのかな? とも思っちゃうけど……。




 ――なんだか、おしっこを我慢していることを楽しんでいるみたい?




真姫「あぁんっ……♥︎」

真姫「やっ、やっ、だ♥︎」ビクビク




穂乃果「……」



真姫(見られてる、穂乃果に見られてるっ……///)キュンキュン


穂乃果「――ねえ真姫ちゃん」

真姫「な、なに」



穂乃果「トイレ行かないの?」

真姫「べ……勉強が、いいところなのよっ」



穂乃果「ふぅん、前もそんなこと行って結局トイレに駆け込んでたよね?」



真姫「う、るさいわね」


 あれだね、真姫ちゃんがまだ余裕があるうちはダメだね。ツンツンしちゃって、全然本当のこと言ってくれないんだもん! ツンツンするのと嘘って……同じじゃないのかな?

 じゃあ、やっぱり……。


穂乃果(追い込んじゃえばいいんだ!)


穂乃果(……タオル、うん、これならいけるかな?)


穂乃果(ドアノブ……縛り方……と)ポチポチ

穂乃果(なるほど、ここをこう通して……ふむふむ)


穂乃果「真姫ちゃんちょっと立って?」

真姫「なんで」


穂乃果「お願いっ!!」

真姫「……」



 なんだかんだ真姫ちゃんは優しい子だから、頼めば応じてくれるんだよね。ただ、そこまでに行く過程が少し難しくて……あんまり交遊関係が広くないのかもしれない。

 でもそんな真姫ちゃんだから好きになったんだけどね。これでもっと明るくて人といっぱい話す子だったら、きっと背の高いイケメンに取られちゃってるし……。


 そんなことを考えながら、真姫ちゃんがのそのそ立ち上がって、こちらまで歩いてくるのをぼーっと眺める。まだ余裕そうだね。


真姫「なに?」

穂乃果「っ!!!」


真姫「え!?」


ガシッ

スッ

キュルキュル

パッ



穂乃果「おお……上手く縛れた?」

真姫「――ちょ、なによこれ!?」グイッグイツ

真姫「外れない……」




真姫「……なんのつもり?」ギロッ


穂乃果「なんとなく?」

真姫「なんとなくでこんなことするわけないでしょ!?」

穂乃果「んー……」



穂乃果「――真姫ちゃん、なんで毎日穂乃果の前で、おしっこ我慢してるのかなって」


真姫「な……////」

真姫(バレてた?)

穂乃果「どうして?」

真姫「な、なによそれ、イミワカンナイ」


穂乃果「そっか……なら、そこでしばらく待ってみようか!」



真姫「え?」

穂乃果「真姫ちゃん、もしかしたら何か話したくなるかもしれないし」

真姫「ちょ、ちょっと待ってよ……私はトイレに」



穂乃果「でも毎日我慢してるんだからいいでしょ?」





穂乃果「――あ、ゲリラダンジョン来てるー!」


真姫「ほ、穂乃果!! 早くほどきなさいよ!!」




穂乃果「んー、あと一時間したらねー」

真姫「は、はあ!?」

――――

十五分後


穂乃果「むー……左ばっかり落ちてさー、おかしいよこれー!!」


穂乃果「ねえ真姫ちゃんどう思うー?」

真姫「っ……は、ぁ……」プルプル



真姫「ゲームばっかりしてないで、はやく……ほどいてっ……!!」



穂乃果「いいところなんだもーん!」



真姫「く、ぅぅ…………♥︎」


真姫「は、やく……」



穂乃果「あ、ランク上がった!」

――――

45分後


真姫「んっ……やぁ……」プルプルプルプル



真姫「ほ、のかぁ……おねがい……といれ……っ、いかせて…………」ウルウル


 あ、やっとこの段階まで来たね! 余裕がある時は上から目線なのに、だんだんお願いっていうことが増えてきて、今では完全に下から言うようになっちゃってる。


 ドアノブにくくりつけられた手のせいで、いつもみたいに股を抑えこめないから執拗にふとももをモジモジこすりあわせて、それでも襲ってくる尿意には耐えられなくて……。


穂乃果「穂乃果ね……真姫ちゃんが、おしっこ我慢してるところみると、興奮してきちゃった///」


穂乃果「穂乃果、変態かなぁ……?」



真姫「ぅ……そんなの、どうでも……んんんっっっ♥︎」



真姫「も、でちゃうから……こんなとこで、いや、いや……ぁ♥︎」



穂乃果「そっか。そろそろ限界みたいだね?」

穂乃果「質問答えてくれる?」


真姫「……ぅ」コクッ

穂乃果「うふ、真姫ちゃんさ……どうして毎日おしっこ我慢してるの?」


真姫「……はぁ、はぁ……きもちいい、から」

穂乃果「?」


真姫「我慢してるところ、見られるのも、我慢して……だすのも……♥︎」


穂乃果「へぇ……穂乃果に見られて興奮してたんだ?」


穂乃果「じゃあ、真姫ちゃんも穂乃果と同じで変態だねっ!!」



真姫「ぅぅ……」キュンキュン



穂乃果「でもいくら気持ちいいからって膀胱炎になっちゃうよ」

真姫「ならっ! お願いだから……トイレいかせて……?」






穂乃果「――ふふ、だーめ♥︎」

穂乃果「真姫ちゃんは穂乃果の前でおもらし、しちゃうんだよ?」ニコニコ

真姫「そ、んな……」モジモジモジモジ



真姫「んっ、ぁぁ♥︎」チョロロ……

真姫(ちょっと、でちゃった……だめ、だめ……っ)キュッ


穂乃果「ちょっともらしちゃったでしょ?」

真姫「う、るさい……っ」ピクピクピクピク


穂乃果「真姫ちゃん、顔すごい怖いよ?」

真姫「ふっ、も、やぁ……」/////

じゅわぁ……


穂乃果(ほんの少しずつだけどフローリングに液体が広がってる、もう止められなくなってるんだね。出したり止めたり頑張ってるみたいだけど)


真姫(だめ……、これ以上は……といれでするの……こんなとこでぇっ……////)



真姫「ほのか、わたし……もう、むり…………っ……」





穂乃果「――うん、いいよ。よくがんばったね?」ナデナデ

真姫「あっ……ぁぁぁあ………♥︎」


ショワワワワワ

真姫「んっ、ほのか……ほのかぁ……♥︎」

穂乃果「可愛いよ、真姫ちゃん」


穂乃果(どんどん広がってく……凄い量……それに、匂いも……///)

真姫「全然とまん、な……い♥︎ふぁぁ……♥︎」ビクビクビク


シュゥウウウウウ

真姫(きもちいぃ……♥︎あっ、たかい……♥︎)トローン


シュワ…シュルル……チョロチョロ


穂乃果「気持ちよかったみたいだね!」


真姫「あ………ぁぁ…」コク

真姫「はぁ、はぁ……♥︎」

穂乃果「うふふ♥︎」



穂乃果「穂乃果がこれ、片付けておくからさ着替えてきな?」


真姫「……」


真姫「……ええ、ありがとう」

真姫「ごめんなさい、二回もこんなことさせて」


穂乃果「ううん大丈夫だよ!」



穂乃果「真姫ちゃんのおしっこ……前より黄色いような」


穂乃果「くんくん……んはぁ……すごい匂い……///」



穂乃果「まだあったかい……」フキフキ

穂乃果「……飲ませてくれたり、しないかな……?」

穂乃果「――さ、流石にだめだよねっ」




◇――――◇






ゴロン

ギュッ




真姫「もう、そんな甘えないでっ」

穂乃果「好きー」

穂乃果「むぎゅー」



真姫「む……///」

穂乃果「ふふ」

真姫「なによ」

穂乃果「真姫ちゃんも変態なんだなーって!」


真姫「な……///」

穂乃果「真姫ちゃんおしっこ我慢してる時が一番素直になってくれるんだもん」

真姫「ど、どういう意味よ!?」

穂乃果「そういうこと」

穂乃果「穂乃果も変態だけどね、あはは……」

真姫「……む」



穂乃果「――ねえ、真姫ちゃんの気持ちよさそうな顔、もっとみたいな?」サワサワ

真姫「……」///

穂乃果「だめ……?」

真姫(ぅ、可愛い……)//

真姫「す、好きに、すれば……?」




穂乃果「ほんと? ――優しくするからね……?」

真姫「っ……///」キュン

 な、なんか穂乃果……一気に雰囲気、変わった……。どうしよう……心臓、うるさすぎ。


 穂乃果は微笑んだあと、ベッドで寝転んでいた上体を起こして、私にも起きてっていう合図を出した。なにがなんだかわからないまま、穂乃果は四つん這いで私の後ろについた。


真姫「……?」


穂乃果「落ち着いてね?」サワサワ


真姫「ひゃっ……っ」


真姫「くすぐったい」


穂乃果「あはは、そうかも」サワサワ


真姫「んぅ……手つき、いやらしい」

穂乃果「これから二人でいやらしいこと、するんだよ?」サワサワ

 耳元で後ろから、そう囁かれる。


真姫「…………////」


 やっぱりこの人、経験豊富なんだ。いきなりこんなことが言えるんだもの……。私の胸は穂乃果の一言によって、確かに高鳴っている。これからするんだ、これから……。


 身体を触る穂乃果の手が少しずつ上へと登ってきた、まだ気持ちのいいところなんて触られていないのに自分でも息が驚くほど荒いことに気がついた。細い指がおへそをするするって弄る。


真姫「ふぅっん……♡」

穂乃果「おっぱい触るね?」



真姫「言わなくて、いいっ……♡」

穂乃果「そう? わかった」


ムニュムニュ



真姫「ふ、ぁぁ……♡」

真姫「んむ、んっ……♡」

 どうしよう、まだこれ脂肪の部分だけよね? その……先端の敏感なとこ触られてないのに……こ、こんな気持ちいいの? 夏で暑いし着替えたばかりだからブラジャーはしてないけど、でも……服の上からよ? もし直で先端触られたら……。



真姫「ふぁ、んっぁ……穂乃果……」

穂乃果「柔らかいね」ムニュムニュ


 やがて服をたくしあげられて、今度はお腹とか他のところに寄り道することなくすぐに胸に向かってきた。人に生で触られたことが人生初めての経験だった。

 やっぱり先端は意識して触らないようにしているみたい。穂乃果の両手によって姿を変える私の胸はまるで生命を与えられたようだ、むにゅっと掴んで、撫でるようにして、両方を掴んでぐいって上にあげたり、悔しいけれどこの人に全部主導権は握られてるんだって実感した。



 胸の快楽だけに集中していると、穂乃果の唇が私の耳たぶをはむって咥え込んでいた。

真姫「あっ、んっ♡」


穂乃果「ちゅ、んっ……はむ、ちゅるる」///



コリコリ……

真姫「ふぅぁっ……♡」


 ビリビリ。ビリビリ。胸を先端を中心に一気に電流みたいなものが這い回った。身体がびくんと海老反りになってしまって力が抜けた私を穂乃果は優しく抱きとめて、それでもなお、先端への刺激を続けられてしまう。どうしよう……私、興奮してる……。耳にかかる荒い息がどんどん激しくなっている、てことは穂乃果も興奮しているはず……。


穂乃果「耳弱いんだね」コリコリ

真姫「し、しらないっ」


 つまんだりぴんぴんて弾いたり優しく触れるような強さで撫でてきたり、穂乃果の攻めは本当に多彩だった。その全部が気持ちいい、私だって一人ですることくらいはあるから多少そういう刺激にも慣れていると思っていたんだけれど……そんな次元の話じゃない。心が高鳴る、それに呼応するみたいに身体は反応して自分が出しているなんて信じられないくらい、情けない声が聞こえてくる。



真姫「穂乃果、そ、こ……だめっ……んん……~~~っっ」



穂乃果「かわいい……もっと可愛い声聞かせて? お願い」


真姫「はぁっ、はぁ……♡」



穂乃果「……///」ギンギン


真姫「っ!?」

 私のお尻に、穂乃果の硬いものが当たる。これって……。



真姫「興奮、してる?」


穂乃果「ご、ごめんっ……//」

真姫「え、えっと……」


真姫「……好きにして、いいから。穂乃果の好きにして?」


穂乃果「……うん」

穂乃果「あっ♥︎ぁぁ……♥︎」

穂乃果「真姫ちゃん、真姫ちゃん……♥︎」スリスリ



 穂乃果は私の身体にゆっくりとありえないくらい硬くなったものを擦り付けてきた。穂乃果はまだ服の上からだから感触はあまりないけれど、その大きさにびっくりしてしまう。


 穂乃果もまた情けない声をあげながら、私の下半身に手を伸ばす。するするってお尻側から下着に手をかけて前に動かすと、私が少しだけ腰を浮かせるだけですぐに下半身も、外気に晒された。



真姫「ぅぅ……//」

 そして穂乃果は気がついたら私の横にいた。


穂乃果「親はいる?」

真姫「今は、昼だからまだ帰ってきてないわ」

穂乃果「そっか。ねえ、気持ちよくなったらさ声我慢しないで……?」

真姫「で、も……」

穂乃果「だめ……? お願い」



真姫「……ぜ、善処するわ」

 こ、こういうことに関して善処ってどういうこと……?

 なんだか自分でもなにを言っているのかわからなくなって考えているうちに――。




真姫「ひゃぁっんっ……っ♡」



 下腹部に快楽の波が押し寄せていた。原因は……穂乃果の手が私の敏感なところに、触れているということ。


穂乃果(もうびちょびちょだ……)グチャァ……

真姫「はぁ、はぁ……そこ、だめ」

穂乃果「指挿入れるね?」ヌププ

真姫「ひっぐぅ……」

真姫「ぁ、穂乃果……っ♡」ギュッッ


 穂乃果の指が、私の中に入ってきたのを確かに感じる。それだけで生理的な涙が出てきて怖くなって、穂乃果に思いきり抱きついた。穂乃果もそんな私を気遣いながら抱きとめてくれて……。


穂乃果「……かわいい」グッチュ、グチャ

真姫「やぁぁ……♡ふぅん……ふっ」


穂乃果「ここが気持ちいいんだ?」クイックイ


真姫「だ、からぁ! イワナイデ!!///」ガクガク


 穂乃果は私の中で鉤爪にする形でお腹側の膣壁をひっかいた。いわゆるGっていう場所。話には聞いたこと、あるけど……でもっ……こん、なのっ……。


真姫「あっ♡あっ♡」


穂乃果「真姫ちゃん、好き」


真姫「わ、たしも……っ♡ふっぁ♡」ピクピク


真姫「っ……んぁぁぁ!!♡」ガクガクガク



真姫「はぁ、はぁ……♡好き、私も好きよ……穂乃果ぁ」グッタリ

穂乃果「イっちゃったね」

穂乃果「ほら、真姫ちゃんこんなにえっちなお汁出してたんだよ?」テカテカ


真姫「…………////」


 穂乃果の指には泡立って白くなりかけている私の液体が大量に付着さていた、それこそ指だけじゃなくて腕のほうまでつたってしまっている。

真姫(私、こんなの、出してるの……?)

真姫「ごめん、ティッシュ――」



穂乃果「あむ……ぺろ」


真姫「~~~!?!?」

真姫「な、なにしてるの!?」



真姫「やめて、汚いからやめて!!」


穂乃果「んっ、汚くなんかないよ」


真姫「……ぅぅ」



穂乃果「はぁ、はぁ……ねえ、真姫ちゃん……」ギュッ

穂乃果「穂乃果も、気持ちよくなりたいよぉ……」

真姫(穂乃果も余裕なくなってるんだ、涙目になって……かわいい……)

真姫「ふふ、全く……」

真姫(……服の上からでもあんなにおっきい……)


穂乃果「ね……真姫ちゃんと一緒に気持ちよくなりたい」

真姫(穂乃果、ゴム持ってないのかしら? 良かった、買っておいて)

真姫「でも、挿入の前に――調べないといけないと思わない?」


穂乃果「え?」

真姫「ふふ」ガバッ


穂乃果「な、なに?」

真姫「私の中に入ってくるのよ? どんなものかこの目で確認してみたいの」

穂乃果「ぅ……」

真姫「早く服脱いで?」


スルスル

真姫「下着も」

穂乃果「……はい」

スルスル

ボロン


真姫「!?」

穂乃果「……////」


真姫「おっ、き……」

穂乃果「そ、そんなジロジロ……」

真姫「すごい……こんなの、はいるの?」

穂乃果「た、ぶん」

真姫「……やっぱり小さい時から大きかったの?」

穂乃果「ううん、中学校の時はもっともっと小さかったけど……高校でおっきくなったみたい……?」


穂乃果(自分ではよくわからないけど……昔は絵里ちゃんに馬鹿にされてたし……)



穂乃果「よくわからない、けど」

真姫「ふうん」

真姫「成長が極端に遅いのかもね」

穂乃果「んー……確かに、毛が生えてきたのも中学校3年の時だよっ」

真姫「それは……なるほど、だから穂乃果のワキもつるつるなのね」



真姫(すごい……ビクビクってしてる……しかも、先端のところはびちょびちょ。男の人も興奮すると出るんだったっけ?)


真姫「はぁ、はぁ……」

真姫(どうしよう、穂乃果の見て、興奮してきちゃった……)ジワァ

真姫「ちょ、ちょっとだけ触るわね」

穂乃果「うん」



 恐る恐るその屹立した穂乃果のモノに手を伸ばす。


穂乃果「ひゃっ♡」

真姫「……熱い」ニギニギ

真姫(すごい……両手で握っても収まらない……先っぽ完全に出ちゃってるし)チラッ



穂乃果「はぁ、はぁ。握ってるだけじゃなく、て……お願いっ」


真姫「こう?」シュッシュッ


穂乃果「ぁぁ♡真姫ちゃんの手、きもちいい……♡」ドクドク


真姫「どんどん出てくる……」



 気がつけば私の手は穂乃果のカウパーに犯されていて、私はそれに夢中になっていることも気がつかず、一心不乱に穂乃果のモノを刺激した。


真姫「はぁ……はぁ……♡」


 これが本能なのかしら? こんな大きなモノが入ってくるということに興奮して、さらに奥から熱いモノが湧き出てくるのを感じる。

 穂乃果のものは最初に見た時よりもさらに大きくなっていて、亀頭はパンパンに張っている。


穂乃果「あっ、あっ♡」


真姫「そんなに気持ちいいの?」

穂乃果「うん……ふぁぁ……♡」


真姫「すごい……♡」



穂乃果「あっ、あっ……ダメ真姫ちゃんやめてぇ!!」

真姫「え?」ピタッ

穂乃果「はぁうぁ……ごめ、イっちゃいそうで……」


真姫「あ、そっか男の人は一回射精すると……」


穂乃果「次も出来ると思うけど……でも真姫ちゃんと一緒がいいな」


真姫「……はい、これゴム」

穂乃果「でも穂乃果自分で――」


真姫「つけてあげる、どうやってつければいいの?」

 机に置いてあったゴムを取り出して、穂乃果に見せる。えっとここを開けて……。

真姫「なんだかヌルヌルしてるのね」

真姫「被せるわね」

穂乃果「う、うん」

真姫「あ、れ……」

真姫「はぁ、はぁ……♡」

 ゴムをかぶせようとするけれど、何故かなかなか入らない。目の前でくるしそうにビクビクするそれを早く入れて貰いたいという欲望から手先に集中できるわけなかった。いつも冷静とかそういう風に言われることが多いけれど、今の私の表情は誰にも見せられるわけない。


 発情したメスがオスを求めているだけ。こんなみっともないこと……もう羞恥すらどこかへ飛んでいってしまいそうだ。



穂乃果「ぅ、痛い……」


真姫「……キツイ……?」



穂乃果「サイズ、ちっちゃいかも……」

真姫「てことは、これ使えないってこと?」


穂乃果「そう、だね」

穂乃果「真姫ちゃん、どうしてゴムなんか持ってるの?」


真姫「うぇぇ……べ、別にもしかしたらそういうことになるかもって思って、結構前に買っておいたとかじゃな、ないのよ?」


穂乃果(全部説明してくれたね……)

穂乃果「ゴムくらい持ってるから大丈夫だよ」


穂乃果「はい、これ」

 穂乃果は服をもぞもぞしてサイフの中からゴムを取り出した。いつも持ち歩いてるってこと……?


 受け取ったものを開けて触ってみると、確かに私が用意したものよりも大きい気がする。

 穂乃果の陰茎にゴムを被せていく。



真姫「これでいいの……?」

穂乃果「うん」


ガバッ


真姫「……」


穂乃果「大丈夫だからね」

真姫「ええ……」


真姫「痛いのは、嫌」

穂乃果「うん」

 ベッドに押し倒されると、いよいよ実感が湧いてきた。上から頭を撫でられて見つめられて……私が恥ずかしいから横を向いていると穂乃果は首筋にキスを落としてきた。

穂乃果「ちゅ……いくよ?」

真姫「んぅ……」

 穂乃果の陰茎が、私のに当たる感触、くちゅって音が微かに響く。昼間だけれど、カーテンも締め切ってるし、雰囲気を察してくれたのか、真夏だというのに蝉の鳴き声すら聞こえない。つまり私たちが発する音以外はほとんど聞こえないから……そういう音がよりよく聞こえてしまうんだ。



穂乃果「んっぅぅ……♡」


真姫「くっ、はぁ……♡ほ、のか……っ」


穂乃果「大丈夫?」

真姫「ふぅ、ふぅ……♡」


 すごい圧迫感、まだ全部入ってないのにこんな……。痛みで顔を歪めていると穂乃果は優しく声をかけたりなでなでしてくれたり、私のためにこんなに……。


穂乃果「――全部入ったよ?」



 最愛の人が微笑む顔がそこにはあった。すさまじい圧迫感と少しの痛みがお腹に感じるけれど、こんなに嬉しそうにしてくれるなら……辛くもない。



真姫「はぁ、はぁっ……」


真姫「ほんと?」

穂乃果「うん、がんばってくれてありがとう」ナデナデ

真姫「痛い……っ」

真姫「血、出てる?」

穂乃果「ちょっと、だけ」


穂乃果「しばらくこうしてよっか」

真姫「え」

穂乃果「すぐにやっても痛いだけだよ?」

真姫「大丈夫、穂乃果にこんなして貰ったんだから……」





真姫「――好きにして?」

穂乃果「っ……」キュンッ

穂乃果「動くよ?」


真姫「んっ、ぁぁ……♡」

穂乃果「あっ、あっ♡」ギシギシ

真姫「ふっ、ふっ……」


 穂乃果が動くたびベッドが軋む。奥まで入ってくる穂乃果のものに自然と身体が強張っていく。


穂乃果「真姫ちゃん……気持ちいいよ♡」

 ぐちゃぐちゃっていうお互いの音の中に穂乃果の気持ちよさそうな声が聞こえる。気持ちよくなってくれてる、正直……私はそんなにきもちよくないけれど、初めてだから仕方ないわよね?


穂乃果「奥、当たってるの……わかる?♡」ヌプ…ニュプ

真姫「う、ん……穂乃果。もっと穂乃果のこと……感じたい」



 下腹部の痛みがじんわりと広がる。初めてってこんなものなのね……正直、痛いし……痛い。痛いだけ。


 膣のなかは鈍感だっていうし、これから少しずつ――。


真姫「っ~~~!?!?」ビクビクッ

真姫「あっ♡ぁぁあああああっ♡」

真姫(いまの、なに?)


穂乃果「――あは……ここ、気持ちいいんだね?」

真姫「ふぇ……な、なに……?」

穂乃果「んっ♡」



真姫「んっぐぅ、あっはぁ……♡なにこれ、やぁぁぁああ……♡」


穂乃果「ふっぁ……やっと可愛い声、聞かせてくれたっ……♡」

穂乃果「すご、膣内、ぐにゃぐにゃって……っ♡」ガグカク

真姫「穂乃果、穂乃果ぁ……♡なにこれ、なにこれ!?」///

グチュグチュ

 気持ちいい、気持ちいい、きもちいい……!
 突如として襲ってきた快楽の波は一瞬にして私の思考を奪いとった。穂乃果も私の弱いところを見つけたようで、気持ちいいとろばかり突いてくる。

 下半身から広がっていく感覚が、全身を飲み込んで脳に伝わる。視覚が少しずつ白んでいく、穂乃果の声も自分の声も遠くなっていく、それに反して身体は少しずつ硬直していく。



穂乃果「穂乃果のこと見て?」

 薄れていく視界のなかで、それでも穂乃果のことを必死に見つめる。見つめるとその人は必ず微笑んでくれて、二人で快楽の渦に落ちていく。もう出られなくなっても、この人となら……。




真姫「あっ♡あっぁぁぁ♡」ガクガク


真姫「すきっ、すきっ……穂乃果……っ♡」ギュゥゥ


穂乃果「あっ♡あっ♡だめっ♡も、でちゃ……♡」パンパンパン

穂乃果「穂乃果も好き、真姫ちゃんの、こと大好きっ♡」

真姫「んぅぅぅ♡い、く……はぁぁ……♡」


真姫「んぁぁ♡あっ♡あっ~~~~~~////」ビクンッビクゥ

 背骨を突き抜けていく快楽の波。

ギュゥゥ

穂乃果「ひっ♡そん、な♡締めっ……ふぁぁっ♡」ビュクビュクッビュルル


真姫「すごい、膣内で……びくびくって……」

穂乃果「んっ、くぅ……ふ、ぁあ♡」ビュッビュゥ



真姫(まだ出てる……すごい)

穂乃果「はぁ、はぁ……♡」ピュ……ピュルル


真姫「はぁぁ……♡」

穂乃果「はぁ……はぁ……♡」ビクビク



真姫(穂乃果も、気持ちよさそう……♡)


穂乃果「真姫ちゃぁん……」グタ……ギュ

 疲れちゃったのかしら。穂乃果は海老反りになって震えたあと、ふっと力が抜けて私の胸に倒れてきた。息を荒げで、顔を真っ赤にして……ちょっとだけ涙目。……本当、男らしくない。……可愛いから許すけど。

 押し寄せていた波が少しずつ引き始める。私は冷静になりつつあって、あの痴態や思いうかべると今すぐにでも逃げ出してしまいたい気分。まあ、ともあれ飲み込まれちゃうことはなかったわね。

 

穂乃果「真姫ちゃんの膣内気持ち、よかったよ? ……真姫ちゃんは?」


真姫「ええ……気持ちよかった」

真姫「全く、そんなに疲れるなら……」

穂乃果「――あ、よだれ出てる」


真姫「うぇ?」


真姫「ぅう///」



穂乃果「気持ちよくなってくれて良かったぁ」

真姫「……初めては気持ちよくないものじゃないの?」

穂乃果「大体そうだよね」



穂乃果「でも真姫ちゃん、膣内の奥から少し手前――」

真姫「だからそういうことイワナイデ!!!////」

穂乃果「う、うん」

穂乃果「抜くね?」

真姫「ふぁ……」

穂乃果「うわ……ゴムから溢れそ」

真姫「すごいわね……これもっと興奮してたら溢れちゃうじゃない」




穂乃果「そしたら――産んでくれる?」

真姫「な……///それはダメ!!」

穂乃果「ええー」

真姫「当たり前でしょ!?」

真姫「私は医者になるんだから産んでる暇なんて……」


穂乃果「うーん、ならさ大学行きながら産む? それなら――」


真姫「って、なんなのよこの会話は」


穂乃果「あはは……なんとなく」

真姫「まったく……」

穂乃果「それにしてもさ真姫ちゃん」

真姫「?」


穂乃果「……痩せすぎじゃない?」

真姫「え?」


穂乃果「えっちしてる時、抱いてる感覚がないっていうか……」

真姫「……太らないのよ、練習もあるし」

穂乃果「へぇ――拒食症……?」

真姫「な……ふざけないでっ」


穂乃果「だって、すごい細い……殴ったら折れそう……?」



真姫「馬鹿にしてるでしょ」



真姫「背小さいくせに!」

穂乃果「な!! また言ったなー!?」


穂乃果「ねえねえ、今日お泊りしていい?」

真姫「いいけど、どうして?」


穂乃果「お風呂一緒に入ろ?」

真姫「……まあ、いいけど///」



穂乃果「やった!!」



穂乃果「ねえねえ、あとさ……」

真姫「?」

穂乃果「――今からお風呂まで、おしっこ我慢して……?」



真姫「は……?」

また今度。
もう少しでこの変態ルート、終わりますからね…。次の変態ルートが始まるだけかもしれませんが。

◇――――◇

風呂




真姫「はぁっ……んっ……♡」

穂乃果「十時間くらい我慢してるんだっけ?」


真姫「そ、うよ……もう日付変わるし」

真姫「ねえ、まだ我慢、しなきゃいけないの?」

穂乃果「我慢するの、気持ちいいんでしょ?」


真姫「あれは、そういう、ことじゃ……♡」


穂乃果「――身体、洗ってあげるね?」

真姫「ちょっ、はぁっ……♡」


真姫「……っんむ、そこ、だめっ……♡」

穂乃果「おしっこ出そうになったらいってね?」


真姫「う、そんなのっ」


真姫「も……う、でそうに決まってるじゃないっ……!」


穂乃果「まだだーめ」

真姫「ひっぐぅ……♡ひっ、やぁ」ウルウル

穂乃果「ここ、こんなに硬くなってる」コリコリ

真姫「んむぁ……んっんっ」キュンキュン

真姫(でちゃぅ……また、穂乃果の前で……♡)


真姫「っ……」ギュツ

穂乃果「真姫ちゃん、恥ずかしくないの? そんなそこにぎゅぅって指食い込ませて?」


真姫「な……っ////」



真姫「ひぅ……♡」ガクガク


真姫(どうしよ、抑えようすると……生だから、刺激が……でも抑えない、とっ)


真姫「ふぁ、あんっ♡んっぅぅ」ギュゥ


穂乃果「真姫ちゃん、一人で……してるの?」クス



真姫「ち、ちが……っ!!」///


穂乃果「でもこれ……おしっこじゃないよね?」クチャァ

真姫「……///」

真姫「はぁ、はぅ……もう許して♡」

穂乃果「許してって……真姫ちゃんが穂乃果に見られるの気持ちいいって言うから……」

穂乃果「それなのに許してっておかしい……よね?」

真姫「ぅぅ」

穂乃果「気持ちいいんでしょ?」ボソッ


真姫「ぅあ……きもち……ぃ」ビクビク……キュンキュン

穂乃果「うわ……すっごいひくひくしてるね♪」

穂乃果「はぁ、はぁ……また興奮してきちゃった……♡」

真姫「息かかって、る……」

穂乃果「ここ弄っても耐えられる?」

真姫「え……ちょっ」

クチュ…クチュ


真姫「あぁぁぁ……♡」ガクガク

真姫「だ、め、そんなのぉ……♡」


真姫(おしっこ、でそう……しかも穂乃果に、気持ちいいとこ触られてっ……♡)プルプル



穂乃果(すごい汗……本当におしっこ我慢してるんだ♡)

穂乃果「我慢してる真姫ちゃん、ほんとにかわいいよ……♡」


真姫「はっはっはっ……♡」

穂乃果「ねえ――お腹パンパンだね? さっきはあんなに細かったのに」

真姫「え……どういうこと?」

穂乃果「これ全部おしっこだよね? ふふ、おしっここんなに溜まってるんだ♡」スベスベ

真姫「~~~っ♡」//



真姫「ひっ、はっ、はっ、むりむりむり……も、むり……♡」トローン

穂乃果「いいの? こんな恥ずかしいかっこで? 出てくるところ丸見えだよ?」


真姫「ださ、せて……♡ださせなさいよぉ……♡///」ウルウル

穂乃果(真姫ちゃん、泣いちゃいそ……うふ♡)

穂乃果「あ、そうだ。おしっこの出てくるところ、くにくにってすると気持ちいいかもよ?」

真姫「だめっ、ほんとに尿道口なんてだめだから! やめて!」

穂乃果「んっ、ここ、かな?」クニクニ


真姫「っ~~~!!!!!!」チョロロ…

穂乃果「わ……すごい、ここから出るんだねっ!」

真姫「んっくぅ……」



穂乃果「もうちょっとでちゃったよ? 止めてるの、苦しいよね?」

穂乃果「全部出させてあげるね」

真姫「ちょ、お願い、トイレ……いかせ――」


穂乃果「ふふ」クニクニクニクニ




真姫「あっ…………ぅ……♡」チョロロ…プシュ…プシュ……シュゥウウウウウ


穂乃果「あは、ふんすいみたいっ!!」キャッキャッ



真姫(ぁ……すごい……いっぱい、でる……♡)


穂乃果「あむっ♡」

真姫「!?」

真姫「穂乃果! なにして――」

穂乃果「ごくっ……んぐ……ぷはぁ」



チョロロ……チョロ…



真姫「……なに飲んでる、のよ」

穂乃果「んー……美味しそうだなって」

穂乃果「味はしなかったよ?」


真姫「……」

真姫「……ぅぅ///」


穂乃果「え」

真姫「ふざけ、ないでっ……」ポロポロ

穂乃果「え、え」


真姫「ぅぅううううう」

穂乃果「ご、ごめんね真姫ちゃん!? 泣かせるつもりなんてっ!!」

穂乃果「本当にごめんね!?」

◇――――◇

穂乃果「ねえ真姫ちゃーん」

穂乃果「怒らないでよー」


真姫「勉強してるって言ってるでしょ」


穂乃果「むぅ」

穂乃果「真姫ちゃーん」

真姫「なに?」


穂乃果「もっと構ってよー、せっかく初えっちしたんだよー?」

真姫「……///」

真姫「知らない!」

真姫「人のおしっ……に、尿を飲むなんて最低!!!」



穂乃果「えー?」

穂乃果「あ、あれはやりすぎたよ……許して?」



真姫「いやよ」

穂乃果「でも真姫ちゃんだってすごく気持ちよかったんでしょ?」

真姫「……//」

真姫(おしっこを我慢してる時、私……いつもこの人のいいなり……)

真姫(普段は私の方が上なのにっ、なんであんなにそういう時だけ攻めに回るのよ……)

真姫(どうしよう……クセになりそう……)ゾクゾク


穂乃果「むぅ、いいもーんゲームしてよ」



ポチポチ


穂乃果「あ、ことりちゃんからメールだー」

真姫「……」

真姫「見せて」

穂乃果「え?」

真姫「ことりとのメール、見せて」

真姫「エッチだってしたのよ? もう携帯くらいいいでしょ?」


穂乃果「で、でも……」

真姫「いいから」

穂乃果「……どうぞ」

真姫「ありがとう」

真姫「へぇ、なるほど」

穂乃果「……どうして携帯なんか見るの?」


真姫「好きだからよ? 穂乃果、周りに女の子ばかりだし、とられるなんて絶対に嫌だから」

穂乃果「な、なるほど」

穂乃果(こういう時は普通に素直なんだ……)

真姫「私の携帯も好きなだけ見ていいから、ね?」

真姫「穂乃果以外に男の人の連絡先なんてないから見る必要ないかもしれないけど」

穂乃果「……」




真姫「……お願い」

穂乃果「うん……穂乃果も、真姫ちゃんさえいれば……」

真姫「……穂乃果」


真姫「……」スゥ

穂乃果「……んっ」チュッ


穂乃果「えへへ、穂乃果からキスしたの初めてだね?」

真姫「そうね、キス自体告白した時だけだものね」


穂乃果「大好き」

真姫「……//」


真姫「――あ、あと」

穂乃果「ん?」


真姫「その日どの女の子と話したかも教えてね?」

穂乃果「え!?」

真姫「あとアダルト動画も見ちゃダメよ」


穂乃果「ちょ、ちょっと……」

真姫「勉強もさせるから」

穂乃果「ふぇ!?」

真姫「私の相手なんだからそれなりになってもらわないとね?」フフン


穂乃果「なにそれー!?」


穂乃果「じゃあさその代わりにさ、穂乃果のことも少し聞いてよ?」

真姫「なに?」


穂乃果「今度から真姫ちゃんがおしっこする時は穂乃果も一緒にトイレに――」


真姫「フザケナイデ!!!////」


穂乃果「いたた……でも真姫ちゃん好きなようにしていいって前言ったもんっ!」

真姫「時効よ、時効!!」



穂乃果「そんなー!!」

穂乃果「でも、毎日エッチしてくれるんでしょ?」

真姫「はあ!?」

穂乃果「え……?」

真姫「一週間に一回よ!」

穂乃果「ええー!?!?」


穂乃果「ひどい、そんなのひどいよっ!!」

真姫「なにが」

穂乃果「だって、だって……」

真姫「……そ、そんなに深刻なことなの?」


穂乃果「だって……そ、そういうのみちゃダメってことは……その……ひとりでするのも、捗らないわけで//」

真姫「っ……///」

真姫「男の人はみんなそんなに性欲が強いのかしら」


穂乃果「……多分」

真姫「で、でも他の女の人の裸で興奮するなんておかしいじゃない!」

真姫「私は穂乃果以外じゃ興奮、しないし……//」

穂乃果「……」

真姫「まあ男は視覚で興奮するとは聞いたことはあるけれど……」

穂乃果「ねえ、真姫ちゃん……」ギュッ



真姫「わ、わかったわよ! さ、最大でも2日に、一回……」



穂乃果「ほんと!?」

真姫「え、ええ……」

 2日に一回かぁ。でも毎回出来るわけじゃないし……うう穂乃果好きなこと全然出来なくなりそう。


 女の子とのメールも見せるし、えっちな動画もダメ……うぅ……そんなことしたら一人で出来ないよぉ……。しかも勉強しなきゃいけないの!? 真姫ちゃんのお家医者だからかな……。



真姫「――穂乃果と出会えて、良かった」


穂乃果「え?」

真姫「やりたいことがあってもいつも自分に言い訳して、逃げてきた」


真姫「こんな日々がずっと続くんだって諦めてたし、納得だってしてた」


穂乃果「……」

真姫「穂乃果が見つけてくれたから……あの日私がピアノを弾いていなければ私は今でも一人だったのかもしれない」


穂乃果「そんなことないよ」


穂乃果「あの日ピアノを弾いてなくたって、穂乃果は絶対真姫ちゃんのこと見つけてた。地球の裏側だって、きっと見つけてた!」


真姫「ふふ……なに言ってるのよ」

真姫「……本当に感謝してる」



真姫「好きよ、ありがとう」

穂乃果「うんっ」


穂乃果「あ、感謝してるならさ」

真姫「?」


穂乃果「もうちょっと穂乃果の要望を――」

真姫「だからあなたの要望を聞いてたら身体がもたないの、わかる!?」

真姫「ほら今から勉強させるわよ?」

穂乃果「それは嫌!!」


 こんなに可愛い恋人がいて、みんなと楽しくµ’sの活動もできて、穂乃果より幸せな人なんているのかなって思っちゃう。でもこんなこと言うと、また真姫ちゃんに何か言われちゃいそうだからやめておこ。


穂乃果「医者になるなら穂乃果を養ってよぉ……」

真姫「ダメに決まってるでしょ」


真姫「ほらもう二年生なのよ、勉強を――」

穂乃果「わー!!!」






 うーん……やっぱり、真姫ちゃんと付き合うって大変みたい……?




◇  西木野 真姫 ルート  ◇


おわり。
変態ルートだけれど見てくれた人はありがとうございます!
次安価とる時は予告してからとりますね

明日中には安価をとります。いつになるかわからないのでそれもまた予告します。

本日の22時頃取りにきます。


1 ◇星空凛◇ 凛ちゃんと付き合ってた時……楽しかったな。穂乃果がもっとちゃんと向き合ってあげてれば……。


2 ◇小泉花陽◇ 花陽ちゃんとも二人きりでたくさん練習したよね……?なんだか自信がない子だけど、守ってあげたくなっちゃうんだよね……。穂乃果だけに見せてくれる本当の花陽ちゃんを見てみたいな。



3 ◇園田海未◇ 初恋の相手は海未ちゃん、だったなぁ。ことりちゃんもだけど、穂乃果のことを一番よく分かってくれてるね?
【◆◆◆クリアにより、穂乃果に新たな人物との関係が築かれるかも?◆◆◆】



4 ◇◇南ことり◇◇ ことりちゃんにはすっごくお世話になって一緒に過ごしてきたよね。穂やっぱり乃果は、ことりちゃんのこと――。
【◆◆◆クリアにより、ことりに関する選択肢が新たに解放されるようです◆◆◆】




5 ◇絢瀬絵里◇ 絵里ちゃんは初めての彼女……。あの日穂乃果が止めていれば絵里ちゃんを悲しませることなんてなかったのに。……もう悲しませたくない!でも……また奴隷になるのは……嫌、かな……?



6 ◇矢澤にこ◇ 何事にも一生懸命で、真っ直ぐな人。穂乃果のせいで傷つけちゃったよね。今更この人を守ってあげたいなんて……先輩に失礼かな?



7 ◇東條希◆ 初めて会ったのは神社だったよね。とても優しくて……なんでも受け止めてくれるかな。穂乃果が暴走したせいで襲っちゃって……その償いもしたい。――こ、今度はエッチばかりしないようにしないと……。





8 ◇◇◇綺羅ツバサ Love Live◇◇◇
 ツバサさんにフラれちゃった……。もう、どうすればいいのかわかんないよ……っ。







9 ◆◆◆◆◆◆◆
そうだ、みんな穂乃果の彼女にしちゃおう。それならみんなとたくさんえっち出来るもんね……?ふふ……。
   ◆◆◆◆◆◆◆






ルート選択です。>>208から>>212までで一番多かったルートに進みます。決まらない場合は>>213のルートに決まります。よく考えてお選び下さい。

8

ツバサ

ツバサ

やっぱり気になるよな~

ちなみに前半と比べてどれくらいの予定ですか?

選択されたルートに行きます。どっちかと言うとツバサだけというより、µ’s全体というか…そんな感じの予定です。
書いてきます。

>>219
構想段階でツバサルート一つにすると長くなりすぎだなと思って次見なくてもいいような感じで分けたつもりです。長さはまだわかりません。

一応書き終わりました。
ただアニメをなぞるだけのとこもかなりあるので、脳内補完と流し読みして下さい。



長いですが、皆さんをお待たせしてしまったので、今日をかけて一気に投下していきます。

◇◇◇ 綺羅 ツバサ Love Live ◇◇◇









海未「――廃校が中止になりました」




絵里「え……?」


真姫「うそ、でしょ?」



海未「本当です」

凛「ど、どういうこと!?」



海未「はい、さきほど理事長からお話を聞きまして……明日にでも文書が、出るとのことです」



にこ「どうしてそんな急に」

海未「――Love Live」



希「っ……」



にこ「……なるほどね」




真姫「一応の効果は、あったってことね」



 廃校が無くなった、最高の知らせです。それなのにも関わらず私たちの間には言いようのない空気が流れていました。換気してたくてもそこに留まり続けて、変わることはない。



海未「とりあえず、お疲れ様でした」



海未「みんなのおかげで当面の目標は達成出来ました」


花陽「そうだね……これで後輩もできるんだ」


にこ「良かったわね」

にこ「優勝はどうなるかな」


絵里「そんなの決まってるでしょ」


希「印象操作が強く働いてるね」


希「勿論最高のパフォーマンスに仕上げてくるけど、アライズは強いっていうイメージが……」


にこ「ほんとね……明日でLove Liveも終わり、か……」




にこ「……出られたのに、なんでこんな……悔しいの」


「……」

海未「……みんな、同じですよ」

絵里「ことりは、大丈夫なの?」

海未「……学校には、一応来ています。でも……」

真姫「まるで、別人、ね」

海未「……」

海未「……ショックが大きすぎた、みたいです」

絵里「それはそうよ……あんな大きなところで、あんな失敗……」

真姫「ぶつかった私も……悪い」

希「……みんなのせいだよ。これはみんなのせい」

希「ことりちゃんに全部任せてしまって、それに気がつけなかったのも悪い」




花陽「――穂乃果ちゃんが、居てくれれば」







にこ「あいつは、なにしてんのよ」

海未「……わかりません」


にこ「わからないってなによ!?」

真姫「ちょっと……」

にこ「わかってる……こんなのいっても意味ないことくらい」

にこ「でも……っ」

絵里「別れたんでしょ、結局」

海未「はい、少し様子を見てきたのですが……」


 目を閉じて二回ほど首を横に振ればみんなはそれで全てを理解してくれたようです。


絵里「――みんなで、ご飯でも食べに行きましょう? せっかく、良い知らせが入ってきたんだから」


真姫「……そうね」

海未「ことりには……私が連絡します」

凛「来て、くれるかな……」



海未「……」

◇――――◇


ことり「あっ……♥︎」

ことり「んくぅ♥︎はぁっ♥︎」

ことり「ひゃぅ……♥︎きもち……っ♥︎」ヴヴヴヴヴヴヴ


ことり「あっっ♥︎いやぁぁ♥︎」////

ことり「いっ……く♥︎」キュンキュン



ことり「ふぁぁっっ////」ビクビクッ

ことり「はぁ……♥︎はぁ……」




ことり「はぁ……また、やっちゃった」






ことり「……太った、かな?」

ことり「練習出なくなったし」

ことり「ひとりでばっかりして……本当ダメな人間だね……」



ことり「――穂乃果ちゃんとしたいな……」


ことり「また昔みたいに、いっぱいいっぱい……」


 叶わなかった想いに、しがみつく。叶わなくなってしまった想いにしがみつく。


 穂乃果ちゃんがツバサさんと別れてその想いに対する最高の答えは、より遠くなってしまった。まず物理的な距離が離れてしまっている、お互い練習に参加することはなくなって……顔を見ることもない。そして精神的にも当然離れていっている。もし穂乃果ちゃんがツバサさんとまだ付き合っていたならば、まだ望みはあったのかもしれない。


 でも、徹底的に打ちのめされてしまったら……練習どころじゃないよね? ことりだって、もし穂乃果ちゃんと付き合ってて、フられちゃったら……そうなると思う。


 穂乃果ちゃんがツバサさんと付き合っていて、ことりがこんなになっているところを穂乃果ちゃんが迎えに来る……こんな未来を想像することばかり。例えあの人がことりだけを見てくれなくても……そっちの方が良かったに決まっている。

 結局最後まで受け身で、最後まで自分の意思を貫けなかったから……あの失敗が生まれてしまった。センターは怖い、って相談すれば良かった、穂乃果ちゃんやみんなに気がついて欲しいだなんて、馬鹿みたい。



ことり「会いたい、よぉ……」



 ほら結局こうやって口だけでしか言えないの。会いたいなら、穂乃果ちゃんの家に行けばいい、でもそれすら出来ないのは……あんな大失敗をしておいてどんな顔で穂乃果ちゃんに会えばいいのかわからないから。


 ああ、身体が冷えてきた。また暖めなくちゃ……手元にあった淫猥な玩具を掴んで、自分の液体をなめとる。汚い、こんな汚いものをことりは快楽と引き換えに出してるんだね。またこのおっきいのを膣内に入れればきっと気持ちよくなる、最近せっかく膣内でも気持ちよくなれて来たんだもん。もっとたくさん、しないと損、だよね?




ことり「わんだーぞーん……きーみーにー……」

 ああやっぱり馬鹿みたい。µ’sなんてもう辞めたに等しいのに、歌が浮かんでくる。前までオリジナルの歌なんて作ったことないのに、自然に浮かんでくる。もしあのまま活動を続けていたならば、きっとこの歌をみんなに聞いて貰っていたのかも、なんて。




 馬鹿になればいいんだ、全部全部この瞬間だけは忘れて気持ちよくなって――。


コンコン



ガチャ




海未「――ことり」


ことり「ひゃぁっ!?」バッ



海未「ぁ……!!!」




ことり「――ちょ……ノックくらいしてよぉ!!!!!」



海未「す、すみませんっ!!!」


ことり(してたけどっ、そういうことじゃ!!)


バタンッ


 ど、どうして海未ちゃんが!? ここはことりの部屋だよ、聖域だよ!? だから気兼ねなくひとりえっちが出来てたわけでっ……。なにこれ、どうしようどうしよう……みられちゃったよね。


 お母さんだな、お母さんが海未ちゃんだからーってお家に入れちゃったんだ……。


 頭を抱えていてもしょうがないよね……とりあえず服を着て……。



ことり「最悪……」




ことり「……入っていいよ」



海未「あ、あの……」


ことり「……」

海未「ごめんなさい、ノックが……甘くて」

ことり「……見た?」


海未「え……」

海未「みみみみ見てませんっ……」

ことり「見たんじゃんっ///」

海未「いや、あの……」



ことり「――なんの用?」



海未「……ことり、みんなでご飯を食べようって話になったんです」


ことり「そっか」

海未「ことりも来てくれませんか?」


ことり「……ムリだよ」


ことり「みんなにどんな顔して会えばいいの。ことりは……ひとりで気持ちよくなりたいだけのダメ人間だもん」

海未「……」


ことり「失敗したことも対して謝らないで、逃げて、こうやってひとりで虚しくシテるだけなんて、馬鹿みたいだよ」


ことり「もう、ほっといてよっ……」

ことり「こんな気持ち悪い人がもうスクールアイドルやるなんてありえないし、出来ないよ……」

海未「……ことり、私たちは――」


ことり「帰ってよ!!!!」


海未「っ……」

海未「ごめん、なさい……」

海未「また、来ます」





ことり「っ……」


 ほら、またやっちゃった。悪いのは全部ことりなのに、こうやって当たって……これじゃあどんどん友達が減っちゃうよ。学校でもµ’sのみんなには色々声をかけられるけれど……それも全部突き放して。



 布団の中に隠した玩具を再び取り出して、もう片方の手で胸をまさぐる。



ことり「あは……♥︎」



 忘れちゃおう。そんな嫌なことなんて、全部。

◇――――◇


あんじゅ「つまんなーいっ」

英玲奈「仕方ないだろう」

あんじゅ「だって絶対勝つわよ」

英玲奈「まあ……いや、なにが起こるかわからないぞ」

あんじゅ「ツバサがこけるとか?」

英玲奈「そういうことだ」


ツバサ「ちょっと」


ツバサ「まあ……二人の気持ちもわかるけれど……」

ツバサ「まさか……決勝で同士討ちなんて、ねえ」

あんじゅ「UTXに戦力集めすぎたかんじかしら。これじゃあ校内のパフォーマンス対決と変わらないじゃない」

英玲奈「それだけ後輩達も力をつけているということで、嬉しいじゃないか。次のA-RISE候補に困らなそうで」

ツバサ「ま、いいじゃない。UTXの"A"として、負けは許されないわよ」

ツバサ「逆にいいんじゃないの」

あんじゅ「そうなのかなー」

◇――――◇



にこ「結局アライズだったわね」

真姫「そうね」

にこ「そもそもUTX内の同士討ちっていうのがつまらないわよね」


海未「それだけUTXの芸能科は力があるということでしょう。アライズ以外にも決勝に行くグループがあるなんて」

絵里「本当……恐ろしいわね」




花陽「それで、次回のLove Live のことなんだけど」





にこ「――今度こそ優勝よ!!」




「……」



にこ「なによ……出るんでしょ?」


にこ「ねえ、みんな……」

真姫「だって……次出たって……」

真姫「穂乃果も、いないし」

真姫「ことりもいないし……勝てるとは思えないわ」

絵里「……私もそう思う」

にこ「っ、ならことりを呼び寄せればいい穂乃果も戻せばいいでしょ!?」

にこ「あいつがしたいっていったから私は――」



海未「――出来るならしていますっ!!!!!」



シンッ…



にこ「……」


海未「それが出来ているのなら、もうやっていますよ……でも二人は戻ってきて、くれないんですっ……」



希「穂乃果ちゃんはともかく……ことりちゃんは難しいかもしれんね……」

絵里「あんなことがあったんだものね……」


にこ「っ……」

にこ「なんでよ……私はまだっ……」



凛「にこちゃん……」


凛「り、凛もまだ……やりたいっ。みんなと一緒に、また!」


にこ「……」

希「……ウチも、やりたい」

絵里「希まで」

希「だって――もう卒業、しちゃうんよ?」

絵里「っ……」


花陽「ぁ……」


真姫「……」

絵里「それは言わないようにしてたじゃないっ」

希「でもっ!!」

希「これが最後なんやって思うと、まだ終わりたくないっ」

にこ「……そうよ!」



凛「なら……みんなでことりちゃんのとこに行こうよ!」

絵里「――いえ」



凛「え?」

にこ「まだ言うの!?」



絵里「最初は穂乃果がいいんじゃないかしら」

にこ「……?」

海未「私もそう思います」



海未「確かに直接的に何かをするわけではありません。練習メニューだって私と絵里で考えればいいですし。でも、穂乃果がいることの意味はそういうことでは、ないですよね?」

海未「穂乃果がいたからここまで来れた、それは間違いないはずです」


にこ「……」


にこ「そんなことわかってる。なら……」

にこ「私たちには穂乃果が必要。みんな、それでいい?」

真姫「もう確認なんて、いらないんじゃない」

にこ「そうね……」

海未「ことりも……きっと穂乃果に助けて欲しいんです」


絵里「Love Live 目指すってことでいいのね?」




「うんっ!!!」




にこ「よしっ、今日の練習は中止! 代わりに――」

◇――――◇


雪穂「穂乃果」コンコン

穂乃果「いいよ」


雪穂「おまんじゅう余ったけど、食べる?」

穂乃果「じゃあ一つだけ」

雪穂「はい」

穂乃果「ありがとう」

雪穂「――あんた、今日も学校休んだの?」

穂乃果「……昨日は行ったし」

雪穂「はぁ……」


雪穂「別にいいけどさ、……本当にいいの?」

穂乃果「なにが」

雪穂「もう海未ちゃん達と一緒にしなくて」

穂乃果「……そんな資格ないから」

雪穂「でも――もうみんなで出来る時間ない、よ?」

穂乃果「どういうこと?」

穂乃果「ぁ……」


穂乃果「――卒業しちゃう……?」


雪穂「少しくらい考えてみてもいいんじゃない?」


バタン


穂乃果「そっか……三年生はもう終わり、か」


穂乃果「会えなくなるのかな」


穂乃果「仕方ないよ……」

穂乃果「……仕方ない」



 もう関係ないことだし。今更穂乃果が何を思ったってなんの意味もない。自ら断ち切って、その結果……断ち切られてしまった色々な関係も全部穂乃果のせいだ。

 パソコンの画面はいつでもツバサさんを映していた。PVだったり、グラビアだったり、ちょこっと映っているものだったり――Love Liveの決勝だったり。




 圧倒的なパフォーマンスを持って彼女達はその大会を制してしまった。きっとその大会の直後にサプライズとして発表された第二回Love Liveにも出場するんだろう。きっと今より露出が多くなって人の目に触れることは増えていく。もう――穂乃果なんてなんの存在でもないってこと。

 みんな怒っているだろうな。ううん、怒ってなんかないよ、もうみんなにとっても穂乃果なんてきっとどうでもいい存在に決まってる。途中で投げ出してしまったこんなやつ――。


 µ’sのパフォーマンスは、はっきり言って見ていられるものじゃなかった。穂乃果はその時ツバサさんのことで泣いていたから、後から見たんだけれど、何度も途中で映像を止めようって思ったよ。ぶつかったり、転んだり……それももちろんだけれど――辛そうに踊るんだもん。みんなが辛そうにしてたら、こっちまで胸が締め付けられるんだよ。


 µ’sのことはなんとも思っていないはず。だって自分からどうでもいいっていったじゃん、どうでもいいならこんな……こんな気持ちになるはずない。……どうでもいい……どうでもいいのっ――。





ガチャ


穂乃果「……なに雪穂」



穂乃果「……だからなに――」


穂乃果「え……」







にこ「こんばんは」

 


◇――――◇


にこ「はい、コーヒー」

穂乃果「……いいよ」

にこ「もう買っちゃったんだから飲みなさいよ」

 そう言って手渡されたコーヒーを両手で掴むと、冷えていた手に熱が灯る。



にこ「寒くなってきたわね」


 隣に座ったにこちゃんがはあって手に呼気を打ち付ける。まだ白くはならないかって恥ずかしそうに笑った。

 急にどうしたんだろう……いきなりうちに来て穂乃果をこんな公園に連れだして。


穂乃果「もう夜だよ、どうしたの」

にこ「あんたの顔が見たくなったの」


穂乃果「なんで……」

にこ「なんでって、なんでかな?」


にこ「まあどうでもいいでしょそんなこと」

穂乃果「……」

にこ「――私たちのパフォーマンス、見てくれた?」

穂乃果「はい」

にこ「酷かったでしょ」

穂乃果「ま、まあ」

にこ「はっきり言ってもいいのよ」

穂乃果「……なんで、穂乃果にそんなこと聞くんですか」

にこ「え、だって……」






にこ「――穂乃果は私達のマネージャー、でしょ?」





穂乃果「っ……」

 なにを、言ってるんだこの人は。




穂乃果「なに……言ってるの」



穂乃果「穂乃果はもう、そんなんじゃない」

にこ「辞めたなんて言われてないけど」



穂乃果「そうだけど、でも……察してよ」


にこ「私もね、あんたがツバサと恋人になってµ’sに来なくなって……ああそんなもんかって、仕方ないって割り切ってたわ」



にこ「メンバーってわけでもないし、練習メニューだってみんなで作れるし」



穂乃果「……」




にこ「でもそうじゃなかった」



にこ「……私はまだ、みんなで一緒にやりたいの! Love Liveに出たいのっ!!!」ガシッ


にこ「お願いだから、穂乃果の力を貸して……っ」




穂乃果「……」

穂乃果「穂乃果になにができるのっ」



穂乃果「こんな、こんな最低なやつにっ!!!」


穂乃果「みんなに迷惑をかけるだけ、だから……辞めま――」






パァンッッ‼︎‼︎




「ちょ……にこ」

「ダメ、見てなきゃ」

「でもっ」







にこ「はぁ、はぁ……」

穂乃果「っ……なんで」

にこ「許さない」


にこ「辞めるなんて許さないんだから」


穂乃果「なんで……っ、なんで!? 穂乃果がいたって意味ないじゃん!!」


穂乃果「みんなに迷惑ばっかりかけて、みんなのこと振り回して、みんなの邪魔ばっかりしてる!!」


にこ「まだわからないのっ!? それがあんたのいいところでしょうが!」

にこ「確かに迷惑だってかけるかもしれない、でも……それでもみんなを引っ張って空気をどんどん入れ替えてくれるのはあんたにしか出来ないのよっ!!」

にこ「私が欲しくて、欲しくてたまらないそんな能力をあんたは持ってるの!」



穂乃果「……」


にこ「だから……辞めさせない。絶対、これは部長命令」

穂乃果「……でも」






絵里「――私からもお願い」

にこ「ちょ……私に任せてって」



穂乃果「みん、な……?」



絵里「そのままだとまたビンタしちゃいそうだったから」


にこ「そ、それは」

にこ「ごめん……穂乃果」

穂乃果「いや……」


希「んー、穂乃果ちゃんを見るの久しぶりやね」



凛「元気だった!?」

真姫「元気なわけないでしょうが」

花陽「あはは……」


穂乃果「……なにしてるの。もう、夜だよみんな帰らないとだよ!?」







海未「――あなたを迎えに来たんですよ」





海未「みんなが戻って来て欲しいって、思っているんです」



穂乃果「っ……」





絵里「……私達は、もう卒業しちゃうの」


希「……みんなで話し合ったの。どうしたいかって」



にこ「――私達は、もう一度ラブライブに出たい」





真姫「……」

穂乃果「……」

海未「お願いします、穂乃果。私達にはあなたとことりが必要なんです」

希「µ’sは9人、前に言ったやん?」


絵里「穂乃果……」






穂乃果「……考えさせて」

海未「え」

穂乃果「一日でいいから、お願い」


にこ「……わかったわしっかり考えてね。自分に後悔だけはしないで」

穂乃果「うん」


◇――――◇


絵里「全く、ビンタするなんて」

にこ「あ、あれは」

絵里「暴力系アイドル?」

にこ「そうよ!!」

絵里「売れないわね」

にこ「なんですって?」

希「まあまあ」


希「……ウチらの想い伝わったかな?」



にこ「伝わってないと、困るのよ」

にこ「あいつがいなきゃ私達はダメなんだって、わかったから」



絵里「ほんとね……。そもそも穂乃果がやろうって言い出したんだもの、当然かもね」

希「不思議な男の子やね」


希「にこっちも穂乃果ちゃんみたいになりたかったんや?」

にこ「あ、あれは……でも。あいつみたいに周りを引っ張っていければ……辛い想いしなくてすんだのかもって」


希「でも、その時辛い想いをしたから、今があるんやない?」

にこ「……そうね。感謝、しなきゃね」


絵里「次からは絶対卒業の話はしちゃダメよ。する時は、本当に直前になった時」


にこ「ま、ラブライブに優勝してそれどころじゃないわよきっと」




希「ふふっ」

◇――――◇


英玲奈「ツバサ!」

ツバサ「え……?」


英玲奈「全く……話を聞いていたのか?」

ツバサ「あ、ごめん」

あんじゅ「あー、また高坂君とのプリ見てるー」

ツバサ「っ!?//」

あんじゅ「なあんだ、まだ忘れられてないんだ」

英玲奈「もしかして原因はそれなのか?」

ツバサ「ち、ちが……っ」



ツバサ「……」



あんじゅ「……別れたくなかったんでしょ?」

ツバサ「違う、あのままじゃ……ダメだったのよ」

英玲奈「なら、その状況で苦しむな。切り替えないと」

ツバサ「そう、よね……」

ツバサ「わかってる……」


~~~♪♪


ツバサ(穂乃果さんから、メール……? また、"ああいう"メールかしら)








 µ’sのことで、相談に乗って下さい!!!









ツバサ「……え」


 気がついたら、身体が動いていた。制止する二人の声を振り切って、私は校内でも人気の少ないところへ。


 身体がふつふつと湧き上がる、なんだろうこの感じ。ただの文字なのに、昔みたいな心の高鳴り。たった一言、それでも……最初に会った時と同じその一言は、私を再び穂乃果さんへと繋げるのには、十分過ぎるものだった。

◇――――◇



 なにそれ、どういうこと。意味がわからないよ。穂乃果が、必要? 最低なこと、したのに?



穂乃果「どうしよう」


 迷うこと自体がいけないことだってのもわかってる。本当ならあの人たちのことも突き放して、全部なかったことにするべきなんだ。なんで穂乃果、迷ってるの?

 迷ってるってことは……もしかして。


穂乃果「ツバサさん、どうすればいいんですか?」



 壁に貼り付けてある昔の恋人に問いかける。その人はいつも同じ位置同じ笑顔でそこにいる、答えてくれることはもちろんない。あの日別れてからきっと電話もメールも届いていないはず。



 でも相談出来る人なんて穂乃果はその人しか知らない。ダメだってわかっているんだよ? でも、それでも――。

穂乃果「送っちゃった……どうせ返って来ないけど」

 送ったメールを再度見直して、ああなんてこと送ってるんだろうって自己嫌悪に陥る。もう関係のない人、それでもすがりつくあたり、穂乃果は女々しすぎる。






~~~♪♪♪♪



穂乃果「え……うそ」


 驚いたってだけでは、表せない。もう話すことなんて、無いと思っていた。登録されたツバサさんという文字に手が震え冷や汗すら出てくる。このボタンを押せば――。



穂乃果「もし、もし」

ツバサ『――こんばんは』



穂乃果「ツバサ、さん……」

ツバサ『……相談があるんでしょ』


穂乃果「は、はい!!」

穂乃果「着信拒否とか……してなかったん、ですか?」

ツバサ『ええ』

穂乃果「あ、あんなに……迷惑メールみたいなの送ったのに?」

ツバサ『そんなことするわけないでしょう。さあ早く相談があるならしてみて?』

穂乃果「えと、いいんですか?」

ツバサ『どうぞ?』


 どうしよう、相談あるけど、でも……。


穂乃果「そ、その……穂乃果、みんなに戻って来て欲しいって、言われて」

ツバサ『……そう』


穂乃果「戻っていいのか、わからなくてっ。だって、穂乃果はツバサさんのことしか見てなくて、他のことなんて全部どうでもいいって思ってた最低なやつなんです!!」


穂乃果「幼馴染にもひどいこと言って、そんなやつがっ」


ツバサ『……』


ツバサ『……穂乃果さん、なにを相談したいの?』

穂乃果「え……?」

ツバサ『もうとっくに答え、出てるじゃない』


穂乃果「よ、よくわかりません」

ツバサ『あなたはµ’sに求められている、そしてあなたが迷っているのはµ’sに復帰してもいいのかどうか』


穂乃果「?」


ツバサ『だから、あなたは復帰してもいいのかっていう問いの時点で、復帰したいっていう感情がそこにあるでしょう?』


穂乃果「ぁ……」


ツバサ『復帰していいかどうかなんてµ’sの人達が決めること、そしてそれもクリアしている』


穂乃果「……」


穂乃果「穂乃果は……µ’sに、復帰したい?」

ツバサ『そうなんじゃないかしら』

穂乃果「そっ、か……」

穂乃果「そうなんだ……」


ツバサ『あなた、やっぱり抜けているわね』

穂乃果「あはは、そうですよね」


ツバサ『……待ってるわよ』


穂乃果「え?」

ツバサ『Love Liveという大きな舞台であなたの力はµ’sにどれだけのものを与えるのか』



穂乃果「……はいっ!!!!」


ツバサ『ふふ、じゃあね』




穂乃果「ま、待って!」

ツバサ『?』








穂乃果「――い、いつかまた告白、していいですか!?」



穂乃果「っ……」




ツバサ『――くす……待ってるわね』



ブツ



穂乃果「……はぁぁ」




 そっか、そうなんだ。穂乃果はやっぱりまだ、みんなとやりたいんだ。


 みんなが受け入れてくれるって言ってる、なら穂乃果はそれに飛び込んでしまおう。そして――飛び込んだ後に死ぬほど謝ればいい、でも、それは飛び込んだ後に考えよう。

 

 つい数分前まで考えていたことが全部おかしいことに思えてしまう。なかったことになんてするべきじゃない、本当の謝罪方法は最後までやり抜くこと、穂乃果がやろうって言い出したんだから尚更だ。みんながしたいって言うんだからそれを支える絶対、なにがあっても。緊張なんて絶対させてないように。絶対、絶対。



 最後までやり抜いてやる、もう後悔しないように。やり遂げたって最後に思えるように。






 ――そして、いつかツバサさんに胸を張って告白出来るように。



◇――――◇

翌日




にこ「もういいわよ」


真姫「ほんとね」


穂乃果「迷惑かけて、ごめんなさい!!」


絵里「それ以上すると、頭が地面にくっついちゃうわよ?」

希「あはは、それも面白い」

希「まあとにかく、みんな許してるから頭をあげて?」

穂乃果「……うん」

凛「穂乃果ちゃんが復帰してくれて嬉しいにゃー!!!!」ギュゥ


穂乃果「わ、もぉ……」


海未「本当に良かったです」

海未「後は……」

にこ「ことり、か」


海未「――穂乃果」

穂乃果「わかってる」

穂乃果「みんなはラブライブの曲を作ってて!! 本当に時間がないから!!」

真姫「ええ、わかってる。だから昨日から作り始めてるわ。ね、海未」

海未「はい」

穂乃果「おぉ……」

にこ「あと三週間くらいで第二回の予選が始まる」

にこ「全く、本当にアホらしい日程組むわね運営は」

にこ「そのくせオリジナルのみとか」


海未「前回の影響で参加する団体が増えすぎるのを予防するためでしょう」

にこ「それにしたってこんな短期間で新曲って……」

真姫「だーかーら、私を誰だと思ってるの?」

真姫「やるしかないでしょ?」


にこ「ふふ、そうね」


穂乃果「そういうこと! ことりちゃんのことは穂乃果に任せてっ!!」

穂乃果「ことりちゃんがいないと、衣装も作れないし、それに」


海未「それに?」


穂乃果「お菓子も食べられないしっ!!」


絵里「うふふ、なにそれ」

穂乃果「本当だよっ! 美味しいお菓子食べたいじゃん!」


穂乃果「またことりちゃんに作ってもらうんだ」

にこ「それも負担にしないように」

穂乃果「あ……」

花陽「うふふ」



にこ「……」



 ほら、やっぱり凄い。


 私がどうやってもできないことを、この人は平気でやってみせる。人の中心になれて、なった瞬間、火に油を注いだみたいに物語は動きだす。羨ましいけれど、私にはそんな能力がないことくらいわかってる。



 でも別にいいの。自分が自分らしく精一杯やれば、きっと穂乃果がなんとかしてくれる。人任せってわけではないけれど……穂乃果にはそう思わせる何かがあるんだ。




 絶対穂乃果なら傷ついたことりも治して、連れ戻してくれる。



 そうして全員揃ったらなら……今度こそみんなで――。



◇――――◇


ことり「どどうしようっっ!!!」


 なにそれ!? い、今から来るなんて聞いてないよ!?


 バタバタと散らかったものをクローゼットの中に押し込み続ける。こんなことをするのも久しぶりな気がする。あれ以来、自堕落な生活が続いていて、部屋も散らかってしまっていた。いつもならマメに掃除するからこんなに慌てることもないんだけれど……。


 また一人でシている時、穂乃果ちゃんからの一通のメールによって、その全てが激変した。どうせ穂乃果ちゃんのことだから、メールを送った瞬間にことりの家に向かっているに違いない。一応掃除を始めてからメールを返したけれど、全然安心なんかできない。そもそもなんで来るの!? ど、どうしよう匂いとかするのかな!? 自分じゃわからないし……。





 あ、そうだ。お母さんに穂乃果ちゃんはしばらく入れないでって言えば――。




 これは明暗、早くお母さんに伝えないと。

ガチャ


穂乃果「お邪魔します」


ことり「あ……」



 ど、どうしよう。全部、間に合わなかった……。扉が開く音と共に振り返ると、一番好きな人が、そこにいた。胸の鼓動が暴走する、言葉を発そうと思ってもあわあわ訳がわからないことが出ていくだけで、まるで魔法がかけられてしまったみたい。なんだかこの状況に現実感がなくて、しばらく何も反応できないでいると、その人はにっこりと笑ってみせた。


穂乃果「……久しぶり」



ことり「久し、ぶり……」




 ああ……また魔法がかけられちゃった、のかな?

 ああ……また魔法がかけられちゃった、のかな?


 先ほどまでのふわふわした感じは一切なくなって、驚くほど安心することが出来た。もちろん、今だって好きな人を目の前にして、ドキドキしているけれど、それ以上に穂乃果ちゃんには人を安心させる力がある、のかもしれない。


穂乃果「パジャマなんだね」

ことり「あ、うん。返ってきたらすぐ着替えちゃうから」


 穂乃果ちゃんに、何があったの? その表情からは前のような弱々しさは一切なくなっていた。


ことり「座って?」

穂乃果「うん」



穂乃果「――あれ、これなに?」

ことり「そ、それは……っ」



 穂乃果ちゃんが手にとったのは、さっきまでことりが使っていた、お、大人の玩具だった。

ことり「か、返して!」

穂乃果「お、すごい」ヴヴヴヴヴヴ



ことり「や、やめてよぉ!!!///」



 スイッチまでつけて、もう耐えきれないっ。すぐに奪い取って、赤い顔のまま穂乃果ちゃんに詰め寄ると、きょとんとした表情で謝られてしまった。


 あ……そ、そっか。穂乃果ちゃんはこれがそういうものだって、こと知らないんだった……。そ、それなら勝手に一人で怒って馬鹿みたいだよ……。




ことり「はぁ……」

ことり「なにしにきたの?」

穂乃果「……うん」

穂乃果「まずは、ごめんね」

ことり「え?」

穂乃果「穂乃果ね、なんにも見えてなかった。ツバサさんのことしか考えないで、他のことはどうでもいいって。本当に最低だったよね、ことりちゃんにも酷いこと言った」


穂乃果「だから、本当にごめんなさいっ!!!」

ことり「あ、頭なんかさげなくても……」

穂乃果「ことりちゃんのこと、みんなのこと、絶対支えるって言ったのに……」


ことり「……ううん。穂乃果ちゃんは、悪くないよ。恋人が出来たらそっちを優先するのだって……」

穂乃果「ことりちゃんは優しいね……。ことりちゃんやみんなが、本当に優しかったから、穂乃果はそれに甘えすぎちゃったんだよ」


穂乃果「だからね、そういうのも全部治そうって思って、穂乃果はね――もう一度みんなの優しさに甘えることにしたんだ」

ことり「?」




穂乃果「みんながもう一回チャンスをくれたんだ。どん底に落ちた穂乃果に手を差し伸べてくれて、翼をくれた。だから……もう一回、もう一回、みんなと飛びたい。みんなで違う世界を見てみたいんだ!!」

穂乃果「三年生も卒業しちゃう、だからもうみんなで出来るのは今回しかないんだよ!?」

穂乃果「これは穂乃果のワガママかもしれない、でもみんなで飛ばなきゃ意味がないの! それには、ことりちゃんが必要なんだよ!」




穂乃果「だから、ね? ――µ’sに、戻ってきて?」




 なに? どうして、こんなにキラキラしているの? あんなに弱々しかったのに、どうして……。穂乃果ちゃんが言うように、みんなが、穂乃果ちゃんを救ったの?



 戻ってきて、くれたんだ。ことり一人じゃ穂乃果ちゃんを笑わせることなんてできなかったのに、みんなでやれば人を地の底から引っ張り出すことだって、出来るんだ。





 ――目の前には、正真正銘、ことりが好きになった太陽みたいな男の子がいた。

ことり「無理、だよ……っ」

穂乃果「え?」

ことり「ことりは、みんなに最低なことしたのっ。みたでしょ!?」

穂乃果「……」


ことり「許してくれるわけないっ、また迷惑かけるに決まってるっ!!!」

穂乃果「……そっか」


ことり「だから、もうっ……」


穂乃果「ことりちゃんは、やりたい?」

ことり「……や、やりたくないよ」

ことり「怖いの……っ、人の視線が……怖いの!!」


穂乃果「……ごめん」ギュッ


ことり「え……」



穂乃果「ことりちゃんが辛かったのに、気がついてあげられなくて、ごめん」

ことり「こ、ことりが悪い、んだよ?」

穂乃果「ううん、ことりちゃんは悪くない」

穂乃果「次からは、絶対にそんな思いさせない。絶対みんなの前で踊ることが辛いだなんて、思わせない」

穂乃果「何ができるかは、まだわからないけれど……絶対楽しいって思わせる」

穂乃果「みんなで踊って、みんなと一緒にいる時間が楽しいって思ってもらいたいっ!」


ことり「……」

穂乃果「だから……お願いっ……」


 ああ、なんでだろう。穂乃果ちゃんは、魔法使い、なのかな? こうやって抱きしめられて、言葉をかけられるだけで安心する。あのライブの前も穂乃果ちゃんと話せていればあんな結果にはならなかったのかな?

 なら、次は穂乃果ちゃんも一緒ってことだよね? みんなで、あの舞台にもう一度立てば……。

 もう少しで卒業してしまう三年生と少しでも一緒に、この九人で居られる時間を少しでも長く……。

 そんなことを考えているうちに、ことりはやりたいんだって、まだみんなと一緒に居たいんだって気がついた。

 全部穂乃果ちゃんのおかげだ、あなたが、私のことを――。





ことり「ことりで、いいなら――」

◇――――◇


ツバサ「ふふっ……」


 穂乃果さんからのメールを見て、少しだけ安心。

あんじゅ「誰とメールしてるの?」

ツバサ「内緒よ」

あんじゅ「うわー」

ツバサ「なによ」

あんじゅ「べつにー」



ツバサ「練習、少し多くしない?」

あんじゅ「嫌よ」

英玲奈「急にどうしたんだ」

ツバサ「え……//」

ツバサ「いや、うん」

 燃えない訳がない。穂乃果さんからのメール、そこにはLove Liveの舞台で会いましょう。と一言だけ書かれていた。それはつまり、そういうこと。完全な姿になったµ’sがどこまでやれるのか、楽しみで仕方がなかった。同時に少しだけ怖くもあった。穂乃果さんのことは良く知っているつもり、あの人が本気になったら一体どんな風になるのか想像がつかないんだ。私がµ’sを見たのは、そのほとんどが穂乃果さんの力が及んでいない時期。



 9人が揃って初めてのライブの時も穂乃果さんは私のことしか見えていないようだった。ということは、次、初めて"µ’sはµ’sになる"、ってこと。


 その爆発力に期待せざる得ない、そして私はスクールアイドルの頂点として負ける訳にはいかない。



ツバサ「ほらいいから行くわよ、あと三週間もすれば予選なんだから」


あんじゅ「あれは運営の日程調整ミスだよ絶対ー!」



英玲奈「文句を言うな」






 Love Live 待っているからね、µ’sの皆さん。

◇――――◇

数日後




にこ「――ゲリラライブ!?」






真姫「な、なにそれ」

穂乃果「うん、やっぱりイメージって大切だと思うんだ」

穂乃果「だから出来る限り予選まで、ライブをしていこうと思う」

にこ「ちょ、ちょっと待って。意味がわからない」

穂乃果「?」

穂乃果「大丈夫だよ直前に場所は許可取るから」


にこ「いやそういうことじゃなくて」

希「――場所はどうする!?」

にこ「希!」

希「いいやん楽しそうやし」

凛「秋葉原の町中がいいと思うにゃ!」

絵里「でも町中はアライズのお膝元よ?」

にこ「も、もうやるのは決定したのね……」



海未「でも穂乃果……」

穂乃果「?」

海未「反感を買ったりしないでしょうか……学校から注意されたり……」


ことり「きっと大丈夫だよ。お母さんが事件になるようなことをしなければいいって言ってたから」

花陽「ネットとか見ていても、前よりは確実に有名になってるから大丈夫だと思うよ」

ことり「ことりのせいで逆に有名になっちゃったかもね……あはは」

穂乃果「そういうこと言わないっ!」

穂乃果「じゃ、とにかく秋葉原の町中でやるってことで」


穂乃果「曲は何がいいかな……うーん、あんまり動き回らないのがいいよね、町中だし」

絵里「楽しそうに歌うくらいでいいんじゃないかしら」

穂乃果「確かにそれもそうだね」



ことり「こ、ことりに良い案があるんだけど」

穂乃果「え?」

ことり「その……多分場所はことりが用意出来ると、思う」

穂乃果「ほんと!?」

穂乃果「どこどこ!?」

ことり「あ、えっと……」

ことり「話をつけたら伝えるねっ」

真姫「そう」



穂乃果「じゃあ曲だね。うーん……僕らのLive 君とのLifeかなあ」

にこ「無難なとこね」


ことり「――あ、あのっ……!!!!」



真姫「ど、どうしたの?」

ことり「お願いがあるのっ!!」

◇――――◇




絵里「いいんじゃない?」

真姫「へぇ……なんだ、じゃあ今度からは私だけ負担しなくてもいいってことね?」

花陽「そんな嬉しそうに言わなくても」

真姫「かなりハードなのよそんな短期間でポンポン新曲が出てくると思う?」

にこ「あれ誰かさんなら出来るって」

真姫「うるさい!」






海未「――まさか、ことりが曲を作るだなんて」




ことり「だ、ダメなら言ってね!?」

ことり「そんな専門的なの全くわからないしっ、初めてだしっ」

真姫「ううん、全然大丈夫よ」

凛「曲を作れるなんてすごいにゃー!!!」

ことり「……活動に来てない時にね、自然に曲が浮かんで来たんだ。なんでだろうね……」

希「本当にやりたいって思ってたからやない? µ’sはことりちゃんにとって、どんな場所なのかよくわかる、素敵な曲だったよ」






真姫「……不思議な、場所か」





海未「……確かにそうかもしれませんね」



にこ「よし――wonder zone これで行くわよ?」

ことり「い、いいの!?」

にこ「あんたが頑張って考えたんだもん、当たり前でしょ」

ことり「……うんっ」

絵里「でも、穂乃果に聞かせたくなかったってのは?」


ことり「そ、それは……//」

真姫「そんなの……聞いてればわかるでしょ?」

絵里「?」


にこ「ことり、あんたどんだけ穂乃果のこと、好きなの?」

ことり「な、何も言ってないじゃんっ!!//」



希「――君に呼ばれた、んやね!」

ことり「やめてぇ!//」

花陽「な、なるほど……///」

凛「?」

海未「ふふ……」

にこ「ま、ことりの個人的な想いは痛いほど伝わってきたから……」

ことり「だ、だからぁ……////」

真姫「ま、じゃあ穂乃果にはサプライズってことで各々練習しましょうか」

真姫「録音しておいたから、歌覚えるだけなら家でも出来るでしょう?」

花陽「なるほど」


海未「で、ことり。その場所というのは……」

ことり「あ、うん……」





ことり「メイド喫茶の呼び込みのお手伝いをして欲しいの」

◇――――◇



穂乃果「むー」

希「怒らない怒らない」

穂乃果「仲間外れにしてさ……ひどいよ」

希「サプライズやから、楽しみにしててな」


にこ「で、許可は取れたの?」

ことり「さっき電話したらいいって」

真姫「ことりの知り合いのメイド喫茶、か」



希(……ことりちゃんがバイトしてるとこ、かな?)


ことり「あ、穂乃果ちゃんと希ちゃんと花陽ちゃんとにこちゃんは知ってると思うよ。ミナリンスキーがいるメイド喫茶だから」

にこ「あ、あそこか」

穂乃果「前に行ったところだね」

にこ「知り合いなんだ」

ことり「そ、そうだよ」

希(そっか……秘密なんやっけ)

ことり「呼び込みをし終わったらそこの前でライブしてもいいよって」

穂乃果「おおすごい!」

穂乃果「そこならかなり一目にもつくし、いいねっ!!」

ことり「ことりが出来るのはこれくらいだから」

絵里「十分すぎるほどよ」

穂乃果「うんっ、ありがとう!」

ことり「うんっ、役に立てたなら嬉しいな」

真姫「じゃあ、これでゲリラライブの話は終わりでいい?」

ことり「日程が決まったら教えるね」


真姫「それで次は予選の話なんだけど……」


凛「ごくっ……」

にこ「曲は、大丈夫?」

真姫「それは任せて貰って構わない」

穂乃果「おぉ……」キラキラ

真姫「問題は衣装なんだけど」

ことり「……そうだね。今から考えて……作るのに二週間取れればいい方、かな」

絵里「相当厳しいわね」

凛「いざとなったらみんなで徹夜で作るにゃ」

にこ「そうね、それなら一週間もかからないでしょ?」

ことり「でも……それじゃあパフォーマンスに影響が出ちゃうよ」

ことり「だから、頑張る。もっともっと早くデザインしてっ、みんなに余裕を持たせるように」


絵里「一人で無理だけしないで?」


ことり「大丈夫だよ……」



ことり「――今度は辛かったら、みんなを頼るから」

穂乃果「……そっか」

穂乃果「ことりちゃん何かあったら穂乃果に真っ先に言ってね? 一番暇なのは穂乃果だから」

ことり「うんっ、いっぱい頼ってもいい?」

穂乃果「もちろんっ」




にこ(全く……二人はお似合いに見えるけれど、難しいものね)



絵里「場所はどうするの?」

凛「講堂とかじゃダメなの?」

穂乃果「講堂はちょっと使いすぎてる気がするな。やっぱり新鮮さも必要になってくるんじゃないかな」

穂乃果「とにかく新鮮か、曲も場所も、衣装も」


絵里「今まで使ったことがない場所……」


希「それが一番の課題になりそうやね……」

◇――――◇

数日後



穂乃果「うわー……みんな可愛いっ!!!」

真姫「ほ、ほんとにこんな服で歌うの?」///

ことり「真姫ちゃんかわいーっ!!」

真姫「ぅぅ//」


にこ「にこにーの可愛さにぃ、みんなメロメロになっちゃうかも」


花陽「うわぁメイド服って動きにくいんだ」

海未「スカートが長くて、少しだけ落ち着きますね」


凛「うー、全然動けないー」


希「えりちがメイド服着ると、本当にそれっぽいね」

絵里「そう?」

絵里「まあ外国のスタイルだしね」



ことり「じゃあとりあえず、みんなこの紙を持って呼び込みをすること」

ことり「ちゃんとライブをするって書いてあるから時間になったらここに戻ってきてね?」

穂乃果「それじゃゲリラライブじゃないよ!?」

真姫「たかだか一曲やるのにお客さんが集まらない方が問題でしょう?」

穂乃果「まあ、そっか……」


穂乃果「穂乃果はなにしてよう?」

ことり「穂乃果ちゃんも紙配りだよ」

穂乃果「この格好でいい?」

ことり「……女装する?」

穂乃果「それはいやっ!!」


ことり(女装……させてみたいなぁ……でも女装させながらいじめたらなんか変な気分になりそうだからやめておこう……)


【ことりは穂乃果を女装させたいようです】

にこ「誰がビラ配り早く出来るか勝負よ!!!」


真姫「そんなことで競う意味ない」

にこ「あー負けるからって、ださーい」

真姫「はぁ!? 負けるわけないでしょ!? この真姫ちゃんがビラ配りしたら一瞬で無くなるわよ!!」

にこ「へえじゃあ勝負しよう?」

真姫「の、望むとこよ」


ことり「雑に扱っちゃダメだよ?」



◇――――◇



真姫「私の勝ち、ね」


にこ「お、おかしいじゃないっ」

真姫「?」


にこ「私はちゃんと笑顔で渡そうとしてたのに全然受け取ってくれないし! あんたは無愛想に立ってただけなのに向こうから寄ってくるし!」


真姫「私、可愛いから」

にこ「そういうことじゃなくてー!」

希「きっと余裕がないように見えたんやないかな?」

希「ことりちゃんなんてビラ配り一瞬だったし」


にこ「ぐぬぬ」


ことり「じゃあミニライブ始めるから準備してね」



 みんなの顔を見渡すと、ああ準備はオッケーみたい。

 よしっ、行こうか。大丈夫かな、あれから対して時間も経っていない。それでもことりはまた、ここに戻ってきた、失敗、しないかな。





 ――扉を開けると、たくさんの人が待っていた。たくさんといっても、Love Liveに比べると全然多くはない。


ことり(これなら……っ)


 常に全力。人が少ないからって手を抜くわけにはいかない。ことりを支えてくれたみんなの為に、ことりは強く変わらなきゃいけない。

 今日だけはセンターを譲ってもらって、ことりが変わるために協力してもらうんだ。これを乗り越えて、ことりは本当の意味でみんなと一緒に、羽ばたきたい。



 ――観客の中には、穂乃果ちゃんもいる。あの人が見てくれているだけで、緊張もほとんどなくなってしまう。ふふ、不思議だね。

 軽く挨拶をしたあと、すぐに音楽が流れてくる。

 大丈夫、大丈夫だよ。

 ここにいるだけで、なんでも出来そうって思える。横にみんながいて、穂乃果ちゃんが見ていて……そんな不思議な空間に連れてきてくれた穂乃果ちゃんには本当に感謝している。辛いこともあった、でもそれすら乗り越えなきゃ輝けるわけない、強い私になれるミライを、想像して。




 穂乃果ちゃんに呼ばれて、ことりはここまで来れた。でもこんなの全然ゴールじゃないよね? ここから特別で不思議な夢が始まって、そして最後には――。


 




ことり「wonder zone キミに――」
 


◇――――◇



穂乃果「お疲れさまっ!!!」

 メイド服から私服に着替え直して、外に出ると、穂乃果ちゃんが満面の笑顔で待ち構えていた。

穂乃果「本当にことりちゃんが作ったの!?」

ことり「う、うんっ」

穂乃果「すごい、すごいよ!」

絵里「なかなか反応も良かったしね」

真姫「そうね、これならことりが曲を作るのもありかしら」

ことり「こ、今回だけにしてっ」

穂乃果「あ、そういえば――」

ことり「?」


穂乃果「――廃校阻止祝いにみんなでご飯行くって言ってなかった!?」

凛「ご飯!! 行くにゃ!!」

穂乃果「ね、そうだよね!?」

真姫「確かに、言ってたわね」

穂乃果「ね、今から行こう!?」

海未「穂乃果、お金は大丈夫なんですか?」

穂乃果「大丈夫!」

希「じゃあ行こっか!!」

花陽「どこ行くの?」

穂乃果「とりあえず駅まで行こう?」

 みんなでご飯かぁ、どこに行くんだろう。まあどこでも楽しいから別にいいんだけれど。

 みんなで今日は良かったねっていいながら、駅までの道のりを歩く。この階段を登って右に行けば駅の入り口。




穂乃果「あ……」



ことり「?」

 不意に穂乃果ちゃんがこちらを振り向いて、顔を上げた。その視線の向こうをことりも見てみると、大画面のモニターに、穂乃果ちゃんの想い人が映し出されていた。


 A-RISEは第一回に引き続き、第二回Love Liveの広告塔となっていた。圧倒的な力で優勝を果たし、全国のスクールアイドルというものに絶対な影響を与える彼女達がそういう役割になるのも納得だね。


真姫「すごいわね」

穂乃果「うん……」


 この人たちは、目の前の建物で今も練習をしているんだろうか。

花陽「……でも、こんな人たちと同じステージに、立てたんだよ?」

にこ「そうよ、絶対勝てる!」

穂乃果「うん……絶対」


 少しずつ、少しずつ繋がりは強くなる。一度は離れそうになった私たちだけれど、それが実感できる。みんなで何かをやり続ければきっと、私たちは。





「――ちょうど良いところに居たわ」

穂乃果「え……」


穂乃果「ツバサ、さん」




ツバサ「――くす……久しぶりね、別れて以来?」




 現実感のないその人の声にことり達の時間が止まった。そして穂乃果ちゃんの頬が一気に赤くなるのが、分かってしまった。ああそっか、まだ、好き、なんだね。

◇――――◇


UTX




にこ「ごめん、全然理解できない」


ツバサ「ごめんなさい、忙しかった?」

にこ「い、いえ!! サインありがとうございます!!!」

花陽「ありがとうございます!!」


穂乃果「前に穂乃果がツバサさんから貰ってあげたよね?」

にこ「直接貰うことに意味があるのっ!」

にこ「あとで写真もいいですか……?」

ツバサ「もちろん」ニコッ


にこ「はぁぁ……//」

穂乃果「で、お話って言うのは?」

ツバサ「ああうん」

ツバサ「µ’sのみなさん、もうパフォーマンスの場所は決まったの?」

穂乃果「いえ……」

ツバサ「そう……提案なんだけれど、UTXの屋上、使ってみない?」



穂乃果「え……?」


ツバサ「よければ、だけれど。夜は照明を使えば綺麗よ? 私たちも使うんだけれど」

穂乃果「なるほど……」

穂乃果「え、てことは、ツバサさん達と一緒のところで!?」

ツバサ「ええ」



穂乃果「え、えっと……みんな、どうする?」

絵里「穂乃果が決めていいわよ」

真姫「まあせっかくだし」

穂乃果「……そうだね」


穂乃果「ツバサさん、お願いしてもいいですか?」

ツバサ「ええ、なら話は通しておくわね」


穂乃果「どうして、こんなこと」

ツバサ「応援してるって言ったはずよ」

穂乃果「……ありがとうございますっ」


ツバサ「いえ、こちらこそ。忙しい時に呼び止めてごめんなさい」

ツバサ「じゃあ私はこれで。ゆっくりしていってもいいのよ?」

穂乃果「そ、それは……」

ツバサ「そう……じゃあまた今度」


ツバサ「じゃあみなさん、がんばってくださいね」

 綺羅ツバサさんは私たちを見渡して、その綺麗な笑顔を振りまいた。すごい……やっぱり間近でみるととっても可愛い。


 しばらくことり達が声を出せないで固まっていると、にこちゃんと花陽ちゃんが写真とってなかった! って叫んで走っていってしまった。


絵里「全く……」

真姫「でも、すごいわね」

凛「本当に使わせてもらえるの!?」

穂乃果「そうみたいだね……後で見に行こうか」

海未「コネ、というやつでしょうか」

穂乃果「なんか汚い感じするよ!」

希「恋人だったから贔屓してくれたんかな?」

穂乃果「ぅ……///」




 ああやっぱり……。でもね、ことりは全然辛くないの。なんでかって? そりゃあ……ツバサさんのことを好きな穂乃果ちゃんはとっても楽しそうで輝いていて、そんな穂乃果ちゃんのことがことりは大好きだから。

 前も言ったように、ことりは穂乃果ちゃんさえ楽しそうなら、それでいいんだ。


穂乃果「じゃあ屋上いってみよう?」





 決して正面を向いてくれなくたっていい、最後まで横顔を眺めていたったいい。それが、ことりにとっては幸せだから。

◇――――◇


ツバサ「……///」



 ああ……顔赤くなってる。

 久しぶりに再開した昔の恋人の姿。昔のまま、そう本当に出会った時のままの本当に好きな彼がいた。

 携帯を開いて、二人のプリクラを眺めると……自然と笑みがこぼれる。



ツバサ「ふふっ……」


 まっすぐで、とてもキラキラしている本来の姿。







ツバサ「――おかえりなさい」










あんじゅ「やっぱりヤバイわよツバサ」

英玲奈「まあ……いいんじゃないか」






にこ「――す、すみません!!」


花陽「あの、あの……」

ツバサ「ああ」




「写真撮って下さい!!!」


ツバサ「……ふふ、ええ」

◇――――◇


数日後 音楽室


穂乃果「――ユメノ……トビラ」



真姫「どうかしら」

穂乃果「すごいっ、すごい!!」

真姫「毎回そんなこと言ってない?」

穂乃果「仕方ないよそれは」

真姫「ま、じゃあこれで行くってことでいい?」

穂乃果「もちろん!」

真姫「衣装はどう?」

穂乃果「大丈夫、あと3日もあれば終わるよ」

真姫「あなた、寝てないでしょ」

穂乃果「大丈夫少しくらい寝なくたって」

真姫「ダメよ、ちゃんと寝なくちゃ」

穂乃果「よし、じゃあ今から予選までこの曲だけ練習していくから、そのようにメニューを組むね」

真姫「ええ」

穂乃果「今回のセンターはにこちゃんで行くけれど、大丈夫かな」

真姫「大丈夫なんじゃない。そもそも自分からやりたいって言い出したんだし」

穂乃果「そうだけど」

穂乃果「いつかは絶対センターを決めなきゃいけない」

真姫「……そうね」

真姫「まあ、まだ時間はあるから」







真姫「――ねえ穂乃果」

穂乃果「ん?」カキカキ

真姫「――あなたは綺羅ツバサさんのこと、好きなの?」




穂乃果「……」ピタ






穂乃果「――うん、好きだよ」

真姫「そう……」


穂乃果「Love Liveが終わったらね、告白しようと思ってる」

真姫「へぇ……」

真姫「なら私たちも頑張らないとね」

穂乃果「え?」





真姫「どうせ優勝したら、とか考えてるんでしょ?」




穂乃果「あはは、ばれちゃった」

真姫「応援してるわ」

穂乃果「うんっ」

◇――――◇

Love Live 予選当日





穂乃果「にこちゃん、大丈夫?」

にこ「ええ、問題ないわ」

凛「お団子かわいー!」

にこ「ありがと」

にこ「今日が勝負の日だからね。しかも、念願のセンターを任せて貰うんだから」

穂乃果「センター、いけそう?」

にこ「やりたいって言ったのは私なんだから、責任持ってやるわ」

ことり「ごめんねにこちゃん」

にこ「いいのよ、あんたには散々負担かけたから」

にこ「今日はリラックスして、楽しんで?」

ことり「……ありがとう」

海未「そうですよ、まずは楽しむことからです」

凛「海未ちゃんだって毎回ガチガチだにゃ」

海未「わ、私のは治りませんっ」

穂乃果「いやいや……」




ツバサ「――こんにちは」

穂乃果「あ、A-RISEの皆さん!」

あんじゅ「こんにちは高坂くんと、µ’sの皆さん」


凛「あ、アライズだ……」


英玲奈「?」

凛「ひっ……」

ツバサ「今日はよろしくお願いね。お互い頑張りましょう」


ことり「え、ことり?」

ツバサ「あなたがセンターでしょう?」

ことり「い、いえ」

ツバサ「違うの?」

ことり「はい今日は……」


ツバサ「なるほど。とにかく頑張りましょう」

◇――――◇

あんじゅ「大丈夫?」

ツバサ「ええ」




ツバサ「私たちは、"勝たなきゃいけないの」

ツバサ「なにがあったって、絶対。なによりも、勝ちを優先しなければならない」





英玲奈「……あまり気負いすぎない方がいい」

ツバサ「気負いすぎるくらいがちょうどいい」


あんじゅ「……」


あんじゅ「まあとにかく、時間よ行きましょう」


◇――――◇



 圧倒的、だった。


 A-RISEの名にふさわしい圧倒的なパフォーマンスにより、全てを魅力してみせた。


ことり「やっぱり……すごい」

 勝てないよ、あんな、人たちに。



穂乃果「そんな落ち込んじゃだめ!!!」


穂乃果「アライズがすごいのは当たり前、ならみんなはみんなのパフォーマンスをするしかないの」




絵里「……そうね」

穂乃果「今までやってきたこと、信じて、ね?」


ことり「うんっ……」



 穂乃果ちゃんが掛け声して行くんだよって言って、少しだけ離れた。八人で輪を作って……。







「µ’s ミュージック、スタート!!」






 きっと、ユメノはじまり。ユメへの一歩。こんなところで終わるわけにはいかない、ことり達は今日、ユメノトビラを開くんだ。

◇――――◇




ツバサ「はは……」


あんじゅ「……」


英玲奈「あれが前回、一回戦負け、か」


ツバサ「なるほど、ふふ……なるほど」




あんじゅ「なんか気持ち悪い」

ツバサ「なによ」


ツバサ「――本当、負けられないわ」

あんじゅ「……?」

ツバサ「負けるわけには、いかない」

あんじゅ「ちょっとツバサ……」

ツバサ「なあに?」

あんじゅ「いえ」

ツバサ「今回は敵に塩を送ったけれど、これが仇になったら笑い話にもできないわよ」

ツバサ「µ’sが百パーセントの力を出せた時、私たちはそれに勝つことで、UTXのA-RISEとして終わることができる」




ツバサ「残念ながら楽しんでる暇なんでない」





英玲奈「……」

◇――――◇




二週間後





 あれから、あの日のことは話さないようにしていた。最高の出来で終わった予選。にこちゃんも見事にセンターをやり遂げて、なんにも改善点はないように思えた。まあ流石に第三者から見たら改善点はあったみたいで、穂乃果ちゃんがライブが終わった次の日に盲点だった場所を少しだけ教えてくれただけ。


 

なんてみんなで予選のことを話さないのかっていうと――怖いんだ。



 負けた瞬間やってきたことが全て無意味、とは言わないけれど大部分で意味を失ってしまう。良く出来たと思っているからこそ、その落胆は瓦解にも繋がってしまうり目標を失ってしまったらみんなでスクールアイドルを続ける意味にすら関わってくる。まだみんなで一緒に居たい、みんなそう思っているはずだから、だ。

穂乃果「うーん、もう少しで完成だけれど……」


 予選の結果発表の日だからか、みんなその話はしない。出来るだけ意識を散らしてそのことを考えないようにする。でもみんな頭の中はそのことで一杯なはず。

 最終予選に向けて作り始めた曲のチェックを行っていた。


穂乃果「僕らはいまのなかで、か……」

真姫「まだまだ調整は必要だけれど」

穂乃果「まあ、最終予選に使うやつだからね」




花陽「……」

凛「……」



にこ「――時間、ね」


穂乃果「……大丈夫、あんなに良いライブだったんだもんっ!!!」

絵里「流石に緊張するわね」

真姫「花陽パソコン開いて」

花陽「うん」


 一瞬にして、空気が切り替わる。


ことり「っ……」

海未「大丈夫ですよ、ことり」


海未「きっと……」



花陽「――一位、A-RISE」


穂乃果「……」


穂乃果「お願いっ……」


花陽「二位――」

◇――――◇



ツバサ「流石、µ’sのみなさん」

あんじゅ「二位だなんてすごいっ」

英玲奈「……ツバサの見る目はあったみたいだな」

ツバサ「そうでしょ?」


ツバサ「……」


ツバサ(すごい人たちね)


ツバサ(……負けられない、絶対。絶対に)




ツバサ「……」




英玲奈「ツバサ、最近背負いすぎだ」






ツバサ「……当たり前よ、私はUTXの"A"のリーダー。背負わなくてどうするの」





あんじゅ「……」


ツバサ「早く練習するわよ」


あんじゅ「ええ……」

◇――――◇


最終予選 三週間前




穂乃果「うん、かなり良くなってきてるよ!」

ことり「はぁ、はぁ……」

穂乃果「ことりちゃん、大丈夫?」

ことり「うんっ……」


穂乃果「……」


 本当にこれで、いいのかな。


 結局、今回もセンターはことりちゃんがすることになった。にこちゃんがやるとは言ったんだけれど……やっぱりことりちゃんの方がµ’sって感じがするというか……これは穂乃果のワガママ、だよね。


 今からでも遅くないし、にこちゃんに……。


にこ「ことり、大丈夫?」


ことり「うんっ、今回は、嫌じゃない。絶対、頑張るから」

 そういうことりちゃんは心から言っているように見えるけれど、いつあのトラウマが出てくるかわからない。


穂乃果(どうしよう……)

 違う、なんだかセンターがいるってことに違和感がある。センターってなんだろう? そもそも八人でセンターを作る必要があるのかな。

 ここにいる誰を据えてもセンターという単語にしっくり来ない。


絵里「穂乃果、このままいくの?」



穂乃果「う、ん」

絵里「そう……穂乃果が決めたならそうするしかないわね」

穂乃果「……」

 もやもやする、何か掴めそうなんだ。µ’sにとって、センターっていうものは――。




希「……」


絵里「……」

絵里「あ、あのみんな……」


真姫「なあに?」

絵里「本当に、この曲でいいのかしら」

真姫「え?」


希「えりち、いいよっ!!」

絵里「……言いたいことは言った方がいい」


凛「?」

絵里「希がね――」


希「やめてっ!!!」


絵里「……」


穂乃果「どうしたの」


希「なんでもない」

穂乃果「ううん、なんでもなくない」

 希ちゃんの様子が明らかにおかしかった。

 手をとって、目を見つめてみると、全く目を合わせてくれない。

穂乃果「穂乃果に話してみて?」

希「……ダメ」

絵里「希……」ポンッ



希「……」

真姫「言いたいことがあるなら言って?」

希「でも……」


希「その……曲は、これでいいのかなって」

真姫「……どういうこと?」




にこ「時期は真冬……東京でさえ雪が降るかもしれないまあ確かにここまで激しい曲を使うところは少ないかもしれない」



真姫「だからって、今から新曲なんで無理よ!!!」




希「だ、だからいいって」



絵里「……」


◇――――◇




穂乃果「そっか、みんなで曲を作りたいんだ」

希「……」

穂乃果「そう言ってくれればよかったのに」

希「だって、ウチの個人的な希望でそんなこと」


希「もうµ’sとして大きなことをやってのけた。だから、ウチはもういいんよ」



穂乃果「……ううん、一人でもかけたらダメなの。だから一人でも我慢しちゃいけないんだよ?」

穂乃果「みんなが自分のしたいことをして、それでもまとまる、それがµ’sっていうグループなの」

真姫「……でも」

真姫「ううん……」


真姫「希の想い、よくわかった」


希「……//」

真姫「私たち――友達でしょ」




穂乃果「みんなでやろう!!!」



希「いい、の……?」



穂乃果「最終予選で負けたら意味ないもん、µ’sにとって一番の闘いになるのはどう考えても最終予選なんだから」

穂乃果「みんなで一番いいと思うのとをしよう!」

にこ「アライズがいるんだものね」

希「でも……」


穂乃果「ううん、正直に言ってくれてありがとう」

真姫「なら、みんなで歌詞考えましょうか」

絵里「今までにないくらい相当厳しい作成活動になるわ。覚悟して挑みましょう」


穂乃果「うん、でも……これを乗り越えれば……絶対勝てる」


 みんなで曲を作ってみんなで歌う。これ以上のことはない。




希「……ぅ」

穂乃果「の、希ちゃん!?」


希「ううん、なんでもない」




希(……ありがとう穂乃果ちゃん。みんなを、繋いでくれて)




希「じゃあ、また0からのスタートや」


凛「慣れてる慣れてる!!」


真姫「慣れるのは嫌だけどね」

海未「ふふ、希のこともっと知れて良かったです」

穂乃果「今度みんなで希ちゃんち泊まりいこーよ!!」


穂乃果「あ、でも……穂乃果はやめとこ」

ことり「?」

穂乃果「いや男だから……あはは」


希「今更関係ないやん?」

希「みんなが来てくれるなら……嬉しい」



 µ’sはみんなでµ’s。誰が欠けてもダメ。なら……センターも誰かとか、決めなくて、いいんじゃない、かな?




 見えてきた。どうすればいいのか、µ’sはどういうグループなのか。



穂乃果「!!!」




穂乃果「思いついた……」

真姫「え?」






穂乃果「µ’sのセンター!! 思いついたよ!!!」


◇――――◇



最終予選 当日





ツバサ「……ふぅ、ふぅ」


あんじゅ「ちょっと、大丈夫?」

ツバサ「ええ……」

ツバサ「負けるわけにはいかない」

英玲奈(プレッシャーが……)


英玲奈「しっかりしろ」

ツバサ「しっかりしてる!!」


英玲奈「……」

あんじゅ「ツバサにだけプレッシャーかけられ続けてたから……」



ツバサ「関係ないわ」

ツバサ「勝てば全部終わる」

ツバサ「µ’sのみなさん、無事会場についたみたいね」



英玲奈「大丈夫だ、私たちなら勝てる」

ツバサ「当然よ」


ガチャ



穂乃果「こんにちは」


あんじゅ「……高坂君」

穂乃果「ツバサさん」



穂乃果(震えてる……)



ツバサ「なに……」




穂乃果「Love Liveで当たれなくて、残念です」

ツバサ「そうね」



穂乃果「……絶対負けません。µ’sは絶対、あなた達に勝ちます!!」

ツバサ「私たちも絶対に負けない」

ツバサ「負けられないの」

穂乃果「……お互いがんばりましょうね」

ツバサ「ええ」


穂乃果「……」スッ

ツバサ「握手なんて、ふふ……粋なことするのね」ギュッ


穂乃果「……あなたのおかげで穂乃果はここまでみんなと来れました」

穂乃果「自分がµ’sに対して、なにが出来たかなんて全然わかりません。役に立っているかすらわかりません」

ツバサ「……」

穂乃果「でも精一杯やりました。ツバサさんのおかげで自分が何をすればいいかわかりました」


穂乃果「本当にありがとうございます」ニコッ


あんじゅ「ふふ……」

ツバサ「あなた達がここまで力をつけるだなんて思わなかった」

ツバサ「私もあなたにお礼を言わなきゃいけないわ」

穂乃果「?」

ツバサ「――震え、止まった」


穂乃果「……ほ、穂乃果のおかげなんですか?」

ツバサ「ええ」


ツバサ「もう何回も言ってきた。でも……また言わせて」


ツバサ「――お互い、頑張りましょう」


穂乃果「はいっ!!!」

ツバサ「って、伝えておいて」

穂乃果「あはは……そうですよね」

英玲奈「いくぞ、ツバサ」


ツバサ「ええ……今なら、なんでも出来そう」


 さあ、見せましょう。私たちの全てを。

◇――――◇



ことり「……」



 不思議だね。緊張しないんだよ。


 冷たい外気の中に飛び込んでくることり達への歓声が身体と心を暖めてくれる。前ならこの歓声に飲み込まれていたかもしれない。

 でも今なら大丈夫。ことりはみんなの真ん中できっと輝ける。それはここ数ヶ月の訓練と、みんなでやってきたっていう確かな積み重ねのおかげ。完全に繋がりあった私たちに怖いものなんて、ない。

 あのA-RISEだって超えてみせる。全てを出し切るんだ。



 みんな、大好き。

 この大好きって想いをみんなにも伝えるよ。どこまで伝えられるかはわからない、でも精一杯、頑張るから。


 ことりのことを呼ぶ人の声も聞こえた、嬉しいな……ことりのファンになってくれている人もいるのかもしれないね。





穂乃果「がんばれーーー!!!!!」





 うん、頑張るよ。あなたのおかげで、ことりはここにいるんだ。見ていて、ことりは、こんなに強くなれたんだってこと。


 みんなで掴みとる。いつだってµ’sはみんなでやってきた。だから……µ’sは――みんなが主役なの。


 音楽が流れ始める。みんなで作り上げたしっとりとしたラブソング。


 それと共に光に包まれる。雪に反射する光が眩く反射して、まるで一つ一つがとても大きな結晶みたい。その光はとても心地よくて、前のような酩酊感はまるでない。身体が軽い、羽がついているみたい。


 こんなに楽しいんだ。こんなに楽しいならもっと、もっと――。

◇――――◇




二ヶ月後





ツバサ「――明日、本番ね」

穂乃果「はい」







ツバサ「まさか、負けるだなんて」




穂乃果「……」

ツバサ「でもね、µ’sのパフォーマンスを見た瞬間、負けたって思ったわ」



ツバサ「どうしてこの人達は、こんなに楽しそうに踊るんだろうって」



ツバサ「私は、勝つことばかりに気を取られていたのね」



穂乃果「やっぱりみんなに楽しんで貰わなきゃ意味がないと思ってたんです」



ツバサ「へぇ……穂乃果さん、あなたが私たちのマネージャーをしていたら、何か変わったのかしら」



穂乃果「どうなのかな」


ツバサ「ふふっ」


穂乃果「でもツバサさん、あんまり楽しそうじゃなかったから」

ツバサ「そうかもね」

ツバサ「……最初は楽しかった。あなた達と闘えると思って。でも、次第に怖くなった。負けたらどうしよう、負けたら私は私でなくなる気がして」




ツバサ「結局私は……その恐怖に勝てなかった」




ツバサ「まだまだ弱いのね」


穂乃果「そんなことないですよ」



ツバサ「そう言ってもらえると、嬉しいわ。でもね、負けてみて、とっても清々しかったの。プレッシャーから解放されて……泣いちゃったけれど……」


穂乃果「……」

ツバサ「あなたにそんなみっともないところ、見られなくて良かったわ」






ツバサ「本番でも見せてねµ’sの――みんながセンターっていう、最高のパフォーマンスを」




穂乃果「はいっ」



ツバサ「んっ……んぅー」


ツバサ「あーあ、アヒルボートでも乗る?」



穂乃果「ふふ、なんですかそれ」


ツバサ「冗談よ」


 あの日私たちは、完全に敗北した。百パーセントのパフォーマンスをしたつもりだった、ただそれでも……µ’sがµ’sになったら太刀打ち出来るものじゃなかったってこと。センターを曲中で固定せず、全員で回すなんて本当に馬鹿みたい。そんなのありえないもの。


 センターっていうものは絶対誰かの中心にいなくちやいけないもので、そのグループで一番力がある人がするべきもの。それを全員がやり切るって誰が想像出来た?






 全員が全員最高の力を持っていたからこそ出来た芸当。八人のはずなのに、その中心にはまるで――誰かがいるようで……。






 ベンチで微笑む彼がµ’sを導いたってこと。全く……あの時、話しかけてきた少年がこんな形で私たちの壁になるなんてね。

ツバサ「不思議なものね」


穂乃果「そうですね……」


ツバサ「――あなたに出会えて良かった」

穂乃果「穂乃果もです」

ツバサ「優勝、しなさいよ」


穂乃果「伝えておきますっ!!」


 ぽんと肩に手を置いて不忍池の出口に向かう。途中大きな声で後ろからお礼をされて少し恥ずかしかったけれど、それも彼らしい行動だった。



 こうして私のスクールアイドル生活は終わりを告げた。敗北による終幕だったけれど、きっと勝つよりも得ることは多かったわね。



ツバサ「ありがとう」



 彼に届くかどうかわからない。でも、またいつか真っ正面からお礼を言う日に言えばいいか。


 ま、とりあえず。日々を楽しむことから始めてみましょうか。

◇――――◇



Love Live 当日



凛「にこちゃん震えてるー!!」



 眩く揺れる光が漏れてくる。きっとこの先にはみんなのユメがある。四月から始めた草の根アイドル活動。いつだって目標は高く持ってきた。達成出来るとは思えないことばかりだったけれど、みんなはそれを乗り越えてくれた。



穂乃果「大丈夫?」


にこ「当たり前よ」

穂乃果「誰か一人でもかけたらダメなの」

にこ「わかってる」



絵里「みんながセンター、だもんね」



希「ふふっ」

穂乃果「ことりちゃん、怖くない?」

ことり「……もう怖くないよ」


 ことりちゃんのことが心配。前とほとんど同じ状況で、トラウマが蘇るかもしれない。手を握ってあげると、強く握り返してくるのと同時に優しく微笑んだ。





ことり「――あなたがそばにいてくれるだけで、ことりは大丈夫」





穂乃果「そっか……!!」

穂乃果「海未ちゃん大丈夫?」

海未「……私も少しだけ強くなれたみたいです」

海未「見たことのない世界に連れてきてくれて、ありがとうございます」

穂乃果「ううん、穂乃果は何もしてないよ。むしろ、こっちが感謝してる。みんなががんばってくれたから、穂乃果はここにいる」

真姫「……あんまりしんみりすることばかり言わないで」

花陽「あはは……でも、これがµ’sとしての、最後のライブだもん」

希「……」

凛「µ’sはこの九人だからµ’s」

にこ「ふふっ、あーあ、穂乃果のせいで武者震いが収まっちゃった」


穂乃果「えー!?」



 歓声が高まる。µ’sの紹介がされたんだね。しかもトリを貰えた。µ’sが優勝することに、障害はなにもない。リベンジだ、一度は負けてしまったけれど、今度こそ。





にこ「いくわよ!!!」


ことり「うんっ!!」

ことり「1!」

海未「2!」

真姫「3!」

凛「4!」

花陽「5!」

にこ「6!」

希「7!」

絵里「8!」


 三年生が卒業して、µ’sとしての活動もこれで最後。この掛け声ももう聞けなくなっちゃうんだ。あの海岸で誓いあったこと、絶対に忘れない。

 少しだけ離れて穂乃果がみんなのことを見ていると、みんなの視線が穂乃果に集まっていることに気がついた。


穂乃果「?」

ことり「穂乃果ちゃん」


海未「早くしないと始まってしまいます」

穂乃果「な、なに?」

真姫「まだわからないの?」

凛「穂乃果ちゃんらしいにゃ」

花陽「鈍感だもん」

 あれ、なんか色々言われてる?


にこ「ほら早くこっち来て」



希「µ’sは――9人やん?」



穂乃果「……」


絵里「あなたがいないと話にならないでしょ?」


 そう言ってみんなは、少しだけ円を広くした。




 どうしよう、泣いちゃいそう……。ううん、ダメ、まだ始まってもいないんだから! 唇を噛み締めて、みんなの輪に最後のピースを当てはめる。







穂乃果「9!!!」


 はめられた最後のピース。

 それはµ’sが完璧になったっていう証拠だった。


 


「µ’s!! ミュージックスタート!!」



◇――――◇



 気がついたら涙が零れていた。


 みんなの演技はとてもキラキラしていて、今までの頑張りが全て浮かんできた。

 辛いことだってあった。苦しいことだってあった。バラバラになりそうな時だってあった。

 でもそれらを全部乗り越えて、最高の絆で結ばれたみんなはそこに立っている。

 ここからじゃ聞こえないこともわかってる、それでも穂乃果は声が枯れるくらいの頑張れをみんなに届けてあげたい。




 やがてパフォーマンスが終了して、ユメのような時間は終わりを告げた。




 舞台裏に戻ってくるみんなを出迎えると、そこには最高の表情を浮かべる8人の女神がいたんだ。

穂乃果「お疲れ、さま」


真姫「なに、泣いてんのよ」

穂乃果「あはは……」

ことり「涙脆いもんね」


海未「いいことですよ」

凛「いいこと、なのかな」


 全てをやり終えた彼女達は、みんなで物語を叶えてみせた。


 それを一番近くでみることが出来て、幸せだ。


 喜びに泣き崩れそうになる穂乃果達、でもまだ休ませてくれないみたい。



花陽「なにこれ」




 怒号のような激しい観客の声。みんながみんな声を揃えて一つのことを発している。



 ――アンコール。



にこ「アンコール……?」

希「そんなの聞いてないよ」

絵里「……」


穂乃果「やろう!!!!」

絵里「え!!」


穂乃果「今から衣装も着替えれば間に合う!!!!」

にこ「でも着替えるのなんて!?」


穂乃果「持ってきてるの」

真姫「な、なにを?」





穂乃果「――僕らはいまのなかで」



 最終予選用に作った曲。結局本番でも使うことはなくて、このままお蔵入りするんじゃないかって思ったけれど――全部無駄じゃなかったんだ。


ことり「っ……」


穂乃果「みんな、いけるよね、忘れてないよね!?」


海未「……もちろんっ」


凛「また踊れるの!?」


 また踊れる、凛ちゃんのその発言に、みんなはまた目を輝かせた。まだ踊れる、観客のみんながµ’sとしての時間をくれた。


 よし今からみんなの衣装の着替えを手伝って……あ、でも着替えの手伝いはダメ、だよね? ま、まあとにかく出来ることをしよう!!








 ――µ’sの夢はまだ終わらない。きっとこれからも続いていく。

◇――――◇






絵里「はぁ……終わったわね」

希「そうやね」

にこ「あーあもうJKブランドなくなっちゃうのね」

希「にこっちは中学生に見えるから大丈夫」

にこ「もう怒らないわよ、それ若く見えるっていう褒め言葉だから」

絵里「なるほど……」

絵里「案外卒業式もなかなくて済んだわね」

希「ウチ、ハンカチ用意したんやけど」

にこ「無駄だったわね」

絵里「私の場合、答辞でそれどころじゃなかったわ」




絵里「――さ、早く講堂に行きましょ!!」

希「全く卒業ライブやれだなんて今の生徒会は乱暴なんやない?」

にこ「知らないわよ!」

絵里「誰だっけ」

希「ヒデコちゃんとかその辺り」

絵里「あーはいはい」


絵里「んっと」ガサゴソ


絵里「え、なにこれ」

にこ「……?」

希「手紙……」



絵里「三年生のみなさんへ、穂乃果より」



絵里「穂乃果からの手紙だわ」


にこ「開けてみよう?」



絵里「……」






 ご卒業、おめでとうございます。あ、でも卒業する前にこの手紙を見られてたら結構恥ずかしいね。


 まあそんなことは置いておいて、三年生が卒業しちゃうっていうのは本当に寂しいんだ。穂乃果は学校が違うけれど、みんなと過ごしてきた時間はかなり多いから。


 三年生がいたから、穂乃果も伸び伸びいることができました。三人には特にたくさん迷惑をかけちゃったけれど、本当に本当に感謝しています。







 夢を見せてくれて、ありがとう。


絵里「……お礼を言いたいのはこっち、なんだけどね」

希「そうやね」

希「あんな素敵な夢をみることが出来た」




希「……ふふっ」


にこ「泣きそうになってんじゃないわよ、こんな短い手紙で」



絵里「字も綺麗じゃないし、穂乃果らしいわ」




希「さ、いこっ!!」


◇――――◇





穂乃果「あーもう、やっぱり間に合わないよねー!!」


真姫「仕方ないわ」


穂乃果「ぅぅ最後の卒業ライブみたかったよぉ……」

希「穂乃果ちゃんの卒業式はどうだったん?」


穂乃果「バスケ部の先輩と一杯写真とった!」



真姫「背低いの目立つのに?」

穂乃果「うるさいなあ!」




穂乃果「卒業ライブみれなくてイライラしてるのぉ!」




ことり「ふふふ」

「あ、あの……」


ことり「?」

「サインくださいっ」


ことり「こ、ことり!?」


海未「ふふ、人気者ですね」


ことり「あ、はい」カキカキ





「あ、あの……私、µ’sのファーストライブ見てたんです」

ことり「え……」


海未「私とことりの?」

「はい」



真姫「すごいわね」

「みんなに自慢してるんです! 私はµ’sのファーストライブを見たんだって!!」


ことり「……」



ことり「そうなんですか……ありがとう」


「これからも応援しています! がんばってください!!」



タッタッタッ



ことり「……」


ことり「ぅ……」


穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「ひっぐ……ぅぅ……」


穂乃果「大丈夫!?」


ことり「嬉しい、の……っ」



海未「……ことりは言ってましたもんね。ファーストライブの時、ここにいるみんなが自慢出来るようなスクールアイドルになるって」


ことり「うんっ……本当に、いたんだって。本当に、本当にやってきて……よかった……!」ポロポロ






希「ふふ……」



穂乃果「うん、講堂も満員だったんだよね?」

穂乃果「なら全部有言実行、だね」





穂乃果「みんな……」






穂乃果「本当に、本当に――お疲れさま!!!」

◇――――◇



穂乃果「もしもし、ツバサさんですか?」


穂乃果「はい、はい」


穂乃果「あの、これから少しだけ時間くれませんか? 三十分、いや十分でいいですから!」

穂乃果「本当ですか!?」

穂乃果「じゃあ卒業式終わり次第神田明神に来て貰えますか?」


穂乃果「はい、じゃあ」


穂乃果「ふぅ……」


 音ノ木の卒業式から数日が経った。これでµ’sは解散、みんなが選んだ道、µ’sは九人でµ’s。穂乃果だってそう思っているからこそ、みんなの選択に反対はしなかった。



 それぞれがそれぞれの目標を持ってそれを叶えようと努力をしたからこそ、あの結果がついてきたんだ。

 まだ桜は咲いていないけれど、今日春一番が吹くんだって。


 春は出会いと別れの季節。ちょうどこのタイミングで春一番が吹くってことは、どうなるのかな。どっちにも、転ぶんだろうな。

 あの日フられてから、いつだって穂乃果はµ’sのこととツバサさんのことを考えていた、告白するって誓ってから胸を張って言えるように努力をしてきた。伝え、られるかな?



ことり「お待たせっ!!」

穂乃果「ううん、大丈夫」



 公園のベンチで待っていると、ふわふわした甘い声とともにふんわりと良い香りが漂ってきた。


ことり「はいこれ、お菓子だよ」

穂乃果「ありがとう」



 横にすわることりちゃんが差し出してきたのは、なんとかパイってやつ。いつだったか穂乃果が好きって言ったやつだ!

 口に入れると、やっぱり美味しい。


穂乃果「作ってきてくれたんだ」

ことり「うん、前に美味しいって言ってくれてたの覚えてたから」


穂乃果「ありがとう」

ことり「……//」


穂乃果「今日は、なんの用?」


ことり「あ、うん……」


ことり「本当に、ありがと、ね」

穂乃果「?」



ことり「穂乃果ちゃんのおかげで、ことりは少しだけ強くなれたよ。この一年、穂乃果ちゃんにスクールアイドルに誘われて活動して……本当に良かった」


 お日様が真上に上がって、ことりちゃんの笑顔はますます綺麗に輝いていて、思わず見とれてしまう。



穂乃果「ことりちゃんなら出来ると思ったから」


ことり「そう、なのかな」


穂乃果「うん」


ことり「穂乃果ちゃんはね、ことりが落ち込んでいる時も、救ってくれてまた夢を見せてくれた」



ことり「いつでもそばにいてくれた。辛い時も、楽しい時も」



 すっと、予報通りに春一番が吹く。土ぼこりが巻き上げられて目に入りそうになったけれど、なぜか穂乃果はことりちゃんの真剣な眼差しから目を逸らすことが出来なかった。




ことり「ことりは、そんなあなたが――大好きです」




穂乃果「……」


ことり「付き合ってください」


穂乃果「……そっか」




穂乃果「ありがとう、そう思ってくれて、本当に嬉しい」


 でも……。




穂乃果「――ことりちゃんの気持ちには、応えられない」

 こんなこと、いいたくない。だって裏切るのと一緒だもん。でも穂乃果が好きな人は……っ。


 昔は自分の気持ちがわからなくて、返事を濁して……そう考えると穂乃果も少しだけ、強くなれたのかな?


 ことりちゃんはふうっとため息を吐いてきゅっと唇を引き結んだ。その横顔は見るからに落ち込んでいて、なんて言っていいのかわからなく、なる。


ことり「そっか」

ことり「そうだよね」


穂乃果「え」



ことり「ツバサさんのこと、まだ好き、なんだよね?」

穂乃果「……うん、知ってたの?」


ことり「そりゃあもちろん」


穂乃果「あはは……」


ことり「ならことりは穂乃果ちゃんの恋、応援するね」

 ことりちゃんはいつもと、変わらぬ微笑みを見せてくれた。でも溢れそうな涙を堪えているように見えるのは、気のせい、なのかな。

ことり「あーあ、フられちゃった」


ことり「仕方ないよね。穂乃果ちゃんはモテるから」



穂乃果「そんなこと、ないよ」


ことり「少なくとも、ことりには一生モテちゃうよ?」


ことり「ねえ穂乃果ちゃん」


穂乃果「?」


ことり「またいつか告白しても、いい?」



ことり「いつになるかわからない、でも……ことりの初めての彼氏は穂乃果ちゃんがいいんだ」



穂乃果「……」


ことり「こんな重い女でごめんね? 気持ち悪いよね」



穂乃果「そんなことない、嬉しいよ!」

ことり「穂乃果ちゃんが他の人と結婚しちゃったら、どうしようかな」

ことり「一生独身……うーん、それも嫌だね。あはは……」

穂乃果「きっと穂乃果よりいい人見つかるよ」

ことり「そうなのかな……考え、られないや……」


 悲しそうな表情を浮かべて笑ったあと、ことりちゃんは何か思いついたかのようにポンと手を叩いた。バッグに手を伸ばして、紙包みを穂乃果に手渡す。

穂乃果「なに、これ」

ことり「色々他にもお菓子作って来たんだよ、後で食べてくれると嬉しいな!!」





ことり「――いつまでも笑っているあなたを見ていられれば、それだけで幸せだから」





穂乃果「……」

ことり「4月になる前にみんなで集まろうね!」

穂乃果「うんっ」


ことり「じゃあねっ! また今度!!」



穂乃果「……」

 ことりちゃんは今度こそ、最高の笑顔を見せてくれた。走っていくことりちゃんの背中を見つめて、見えなくなったところで、手渡された袋に手をつける。



穂乃果「わぁ……」


 穂乃果のために、こんなに作ってきてくれたんだ。しかも全部、穂乃果が美味しいって言ったやつだけ、まあことりちゃんのお菓子は全部、美味しいんだけどね。



 その中でもことりちゃん特製のクッキーを一口。



穂乃果「やっぱり美味しい……」


穂乃果「――ありがとね、ことりちゃん」




 穂乃果のことを昔からいつも、ずっと見守ってくれて、本当に優しい人。その人が作る特製のクッキーはとても暖かくて、まるで春を先取りしているみたいだった。

◇――――◇





 男坂を一歩一歩登ってゆく。そういえばここでも色んなことがあった、始まりはここと言っても過言じゃない。希ちゃんと出会えたのもここ、だしツバサさんと付き合い始めたのもここからだった。


 男坂を登り終わって、右手に見える賽銭箱の方へ。



 お願いをすませて、ご縁がありますようにと五円玉。



 この神様には何度もお世話になったね。重要なライブの前にはいつもここに来ていた気がする。神様、穂乃果達を見守ってくれて、本当にありがとうございます。



 だから、今日のことも見守っていて下さい。

ツバサ「――穂乃果さん」

穂乃果「うわっ」

ツバサ「なにをお願いしたのかしら」

穂乃果「驚かせないで下さい!」



 くすくす笑うツバサさんの姿は、卒業式の直後だからか制服で、手には証書を入れる筒を持っていた。


穂乃果「……卒業、おめでとうございます」

ツバサ「ありがとう」

穂乃果「これからどうするんですか?」

ツバサ「前々から芸能事務所からオファーが来ていたの」

穂乃果「へぇっ!」

ツバサ「どういう方針で売り出されるのかはまだわからないけれど、とりあえず芸能界ね」

穂乃果「すごいんですね」

ツバサ「そんなことない」


ツバサ「きっと汚い世界よ」



ツバサ「――枕とか、しなきゃかも?」



穂乃果「ええ!?」

ツバサ「ふふ、冗談」



 ツバサさんは芸能界に入ってしまうんだ、ということはもうこれを逃したら会う機会もなくなってしまうかもしれない。ただの一般人の穂乃果とは訳が違う。



 このまま離れていいのって自分に問いかければその答えは一秒もかからず帰ってくる。


穂乃果「ツバサさん」



ツバサ「?」

穂乃果「前に言ったこと、覚えていますか?」


ツバサ「……」



穂乃果「また告白していいですかっていうこと」


ツバサ「……ええ」

穂乃果「……」

 ごくりと唾液を飲み込む。喉がカラカラだ、ああ心臓の高鳴りがすごい。辺りには誰もいなくて、この音がツバサさんに聞こえてしまうんじゃないかって少しだけ焦る。


 目の前の人、穂乃果となんて不釣り合いだってことくらい分かってる。でも……諦めちゃダメってことみんなが教えてくれたから。






穂乃果「ツバサさんのことが好きです」


穂乃果「――穂乃果と付き合って下さい!!」



 もう春のものへと変わった一陣の風が穂乃果達を包み込む。辺りの丸裸の木々がカラカラと音を立てて穂乃果とツバサさんの間の音を埋めてくれた。




 そしてまっすぐに見つめ合った瞳、その瞳が、その口元が一瞬だけ緩んだ。




 やがてやってくる人一人の重み。ふわりと揺れるショートカットの髪の毛が鼻の辺りを掠める。ああ……結構強い勢いだったはずなのに、やっぱりアイドルだから、すっごく華奢。





 吹き付ける春の風は、その訪れとともに最高の答えを、運んでくれたんだ。







◇◇◇ 綺羅 ツバサ Love Live ルート◇◇◇

おわり。


アニメをなぞりすぎで終始かけ足でしたが、見てくれた方は本当にありがとうございます。このルートが、一応この物語が最後まで進んだらこうなるって形になります。



一気に投下したので、少し間を空けてから安価を取りにきますね。

本日午後三時頃に再び安価を取りに来る"予定"です。来れなかったらごめんなさい。



>>1の趣味により希ルートの◇の一つが◆へと変更になりました。それに伴い内容も変化すると思います。




是非是非ご参加下さい。

ふむ…
ルート変えたか… 何故に?

>>473
にこ希凛はとりあえず書くことが思い浮かばず、一万から二万字程度の長さを確保出来ないと判断したからです。

穂乃果はどうするべきなんだろう?






1 ◇星空凛◇ 凛ちゃんと付き合ってた時……楽しかったな。穂乃果がもっとちゃんと向き合ってあげてれば……。

2 ◇小泉花陽◇ 花陽ちゃんとも二人きりでたくさん練習したよね……?なんだか自信がない子だけど、守ってあげたくなっちゃうんだよね……。穂乃果だけに見せてくれる本当の花陽ちゃんを見てみたいな。

3 ◇園田海未◇ 初恋の相手は海未ちゃん、だったなぁ。ことりちゃんもだけど、穂乃果のことを一番よく分かってくれてるね?
【◆◆◆クリアにより、穂乃果に新たな人物との関係が築かれるかも?◆◆◆】


4 ◇◇南ことり◇◇ ことりちゃんにはすっごくお世話になって一緒に過ごしてきたよね。やっぱり穂乃果は、ことりちゃんのこと――。
【◆◆◆クリアにより、ことりに関する選択肢が新たに解放されるようです◆◆◆】





5 ◇絢瀬絵里◇ 絵里ちゃんは初めての彼女……。あの日穂乃果が止めていれば絵里ちゃんを悲しませることなんてなかったのに。……もう悲しませたくない!でも……また奴隷になるのは……嫌、かな……?

6 ◇矢澤にこ◇ 何事にも一生懸命で、真っ直ぐな人。穂乃果のせいで傷つけちゃったよね。今更この人を守ってあげたいなんて……先輩に失礼かな?



7 ◇東條希◆ 初めて会ったのは神社だったよね。とても優しくて……なんでも受け止めてくれるかな。穂乃果が暴走したせいで襲っちゃって……その償いもしたい。
 ――こ、今度はエッチばかりしないようにしないと……。




8 ◆◆◆◆◆◆◆
そうだ、みんな穂乃果の彼女にしちゃおう。それならみんなとたくさんえっち出来るもんね……?ふふ……。
   ◆◆◆◆◆◆◆


>>477から>>481までの中で多かったところへ。決まらない場合は>>482のルートへ行きます。

ことり

2

8

ごめんなさい。まだまだ書いてる途中です。なにを書けばいいのかわからなくなって二万字くらいで止まってます。

元々書くのがかなり遅いので、気長にお待ち下さい…

生きとったか。よかったよかった
鬱ハーレムがどの位ドロドロさ加減なのか楽しみ

書き終わりました。
時間見て投下していきます。

ちなみに気がつけば過去最長の四万字。>>1に短く上手く纏める能力はないので、ダラダラとそれで良いという方は読んで見てくれると嬉しいです。



あと胸糞要素あります【閲覧注意】です。



>>515ドロドロはそんなにしません、一応ハーレムなので。

◆◆◆◆ハーレムルート◆◆◆◆





 ――じゃあ仮に考えてみよう?






 穂乃果が誰かを選んだら、誰かが不幸になっちゃうってことだよね。穂乃果にそんな権限ある、のかな。




 どうしよう、どうすれば、いいの……?




穂乃果「っ……」


 誰かと付き合って、誰かを選ぶ……。それとも、全員、選ばない……?




 全員、裏切る……?



 全員の笑顔を踏みにじって、そのまま活動をしろっていうの……?






穂乃果「どうすれば、いい、の……!!!」







 ことりちゃんの目の前で、決めようって言ったのに、その先の光は、まるで見えそうになかった。

◆◆――――◆◆


合宿後




穂乃果「……」

真姫「ちょっと穂乃果……」


穂乃果「あ、なに……?」


真姫「いや、別になんだか変だったから」

穂乃果「……」

穂乃果「真姫ちゃん」

真姫「?」

穂乃果「ごめ、ん……」


真姫「え……」

真姫「ちょっと、どうしたのよ!?」


穂乃果「ぅ……う」


◆◆――――◆◆


絵里「……そう」


ことり「どうしたん、だろう」

海未「急に泣き出してしまうなんて……」

花陽「何か悩みでもあるのかな」


凛「聞いてみるしかないにゃー」

にこ「でも、あいつがあんなになるなんて」

絵里「でも確かに、合宿中もなにかおかしかったわ」

海未「何かあったのかもしれないですね」


ことり「……ことりの、せい、かも」

海未「え……?」


ことり「……ううん、やっぱりなんでもない」

にこ「どういうこと?」

ことり「……」


ことり「あ、あのね……みんなに言ったけれど、ことり、穂乃果ちゃんに告白、したの」

にこ「……これで全員が穂乃果に告白したのね」


真姫「倍率は九倍、か」


真姫「まあ大学受験のための布石よこれは」


絵里「な、なるほど……そういうこと」



真姫「初恋がこんなことになるだなんて、思わなかったけれど」


花陽「わ、わたしも……」


希「ウチもやなー」










希「――はっ、これで誰かが選ばれちゃったら穂乃果ちゃんを巡る愛と嫉妬と憎しみの愛憎劇がっ……!!」









絵里「ええええ!?」


にこ「……なに本気にしてんのよ」


にこ「いいわねあいつは、選択肢が選り取り見取りで。羨ましいわー」

真姫「私みたいな、こーんなに可愛い子に告白されるんだから穂乃果も幸せね」フフン



「……」



凛「穂乃果ちゃんて、たっくさん付き合ったりしてるんだよね?」


ことり「そう、だね」


海未「特に中学校の頃はすごかったですね」


ことり「気がつけば彼女さんがいたね」


にこ「てことは……長くは続かなかったってことよね?」


ことり「あはは……ほら、穂乃果ちゃんみたいな可愛い男の子に告白する子って結構活発な子が多いの」


ことり「特に……中学校時代は今よりその……なよなよしてたって言うか……ちょっと色々あって」



絵里「ぅ……私のせいね」





ことり「あ、あはは…………」


にこ「……?」




ことり「まあとにかく、げんきなんだけどすっごく女々しかったからなんか違うってことで別れる子が多かったよ」

ことり「中学校時代に付き合った時間なら絵里ちゃんが一番多かったんじゃないのかな?」



真姫「へぇ……」


希「やるねえりち」

絵里「ぅ……///」



海未「知っていますか、穂乃果って今まで自分から告白したことがないんですよ」



にこ「全部相手からってこと?」


希「すごいやんそれ」


絵里「確かに私から、だったわ」

凛「凛もー!」


海未「まあ、勘違いさせるのだけは得意ですから」


希「罪深き……!」



花陽「あれちょっと待って」

にこ「?」






花陽「――穂乃果ちゃんて、告白を断ったことってあるの?」

ことり「……」


ことり「――ない……かもしれない」

にこ「本当……? 誰でもいいってこと?」

希「そ、そういうことじゃないんやない?」

にこ「じゃあどういうこと?」

真姫「どうせあの人のことだから、断ること、出来ないんじゃないの」

真姫「それで対して好きでもない人と付き合ってるからすぐ別れる、こんなところでしょう」

花陽「なるほど……」



真姫「それを優しいと捉えるか……優柔不断、と捉えるか」



凛「……てことはさ」

真姫「?」



凛「――穂乃果ちゃん、今回も断れないん、じゃない?」

にこ「……」



ことり「……そう、言ってた」

真姫「え?」




ことり「――選ぶのが、怖いって」



にこ「……なるほどね。そういうこと」


絵里「つまり、今の穂乃果は選ぶことの恐怖と、選ばないことの私たちへの時間に、怯えているのね」


希「……」



花陽「わ、私たちが負担をかけちゃったってこと?」


にこ「……でも私たちが何か言うとか、そういうのはしない方がいい」

にこ「それがさらに負担になったらどうするの」

絵里「そうね……」

真姫「気長に待てばいいわ」


希「……」

ことり「……」

◆――――◆

部室 更衣室





穂乃果「……」



穂乃果「本当に、情けない、な……。真姫ちゃんに変なとこ見せちゃった」


 みんなが部室からいなくなって、穂乃果は一人着替え部屋のベンチで頭を抱えた。



穂乃果「……」




穂乃果「もう、帰らなきゃ……女子校にずっといるなんてただのおかしい人だもんね」


ガチャ


希「――あ」

穂乃果「……希ちゃん」

希「まだ帰ってなかったん?」

穂乃果「うん、もう帰るよ」

穂乃果「……希ちゃんはなんでそんなに汗掻いてるの?」



希「自主練、てきな」




穂乃果「へえ……言ってくれれば付き合ったのに」

希「あちゃ、言えばよかったね」






希「ふぅ、あっついねー」パタパタ



 希ちゃんはそのまま穂乃果の横に座って、服の襟をパタパタさせたりとにかく身体に溜まった熱気から意識を逸らそうとしている。




穂乃果「……」//




穂乃果(……胸の谷間、いちいち見える……///)



希「……?」


希「そういえば穂乃果ちゃん」

穂乃果「な、なに?」



希「悩んでること、あるよね」

穂乃果「……」

穂乃果「べ、別に……」

希「……ウチに話してみてくれない?」

穂乃果「だめ、だよ」


希「……」ズイッ


穂乃果(か、身体……こんな近く……)


 希ちゃんの熱気がさっきよりもさらに近くなる。それと同時にいつもの優しい香りの中に汗の匂いが混じった、独特な匂いがすっと鼻腔に入り込んできた。


穂乃果(……な、なんか……変な、気分……)




希「穂乃果ちゃんがそんな顔してたら、誰も喜ばないんよ?」



穂乃果(希ちゃん……すっごくえっちなかっこしてる……おっぱい、あんなに盛り上がって……)


希「穂乃果ちゃんの力になりたいんだよ」

 気がつけば、さらに身体は触れ合って希ちゃんの温もりを肌で感じるようになる。



 普通の練習着の格好でさえ、穂乃果の煩悩を刺激する。大きく盛り上がった胸部に、自然と目がいく。こんな人と、えっちしてた、んだよね。



 なに、おかしいよ。なんでこんなに無防備なのさ。穂乃果が我慢出来なくなるかもしれないってことも分かっているのに。そんなに誘って……穂乃果のことをどうするつもり? 穂乃果の気持ち、分かってるはずなのに!!!



 でも……。






 ――もう一回、したいな。






穂乃果「ねえ……」


希「?」



 蒸気した頬、髪の毛を伝う汗、上目に見てくる大きな瞳。




穂乃果「――穂乃果のこと、誘ってるの?」

希「え……?」


ガバッ


希「きゃっ」


希「な……なに!?」

穂乃果「はぁ……はぁ」///



希(どうしたの!?)

希(な、なんだかとっても余裕がないような……)





穂乃果「そんな、こんな近くで……えっちな匂いさせて、こんなに近くに寄ってきて、そんなえっちな格好して……穂乃果が、おっきいおっぱい好きなの知ってるくせにっ……!!」

希「ど、どうしたん!?」


穂乃果「穂乃果は、悪くない……希ちゃんが……悪いんだっ……」



希「ちょ、ちょっと待って!?」




穂乃果「――うるさいっ!!!!」




希「っ……」ビクッ


穂乃果「おっぱい、触るよ……?」



希(なんで……そんな、泣きそうな表情をしてるの?)



希(そっか……やっぱりみんなで話してた通りなんやね。今の穂乃果ちゃんじゃ追い込まれてて、冷静な判断もなにもない)


穂乃果「……」


希(想像以上に、追い込んでしまってたんや……ごめん)



希「穂乃果ちゃん……それ以上しちゃうと余計、辛くなるだけだよ?」


希「よく、考えてみて……?」




穂乃果「っ……もう、辛いのっ!!」



穂乃果「もう……どうしていいか、わからないんだよっ……」


穂乃果「こんなの、やだ……みんな、大好きなんだもん……」



希「……」

希「そっ、か……」



希「穂乃果ちゃんがウチをこうして、満足してくれるなら……必要としてくれるだけでウチは嬉しい。だから、穂乃果ちゃんが気持ちよくなれるな――」



ガチャ




ことり「――穂乃果、ちゃん……?」


希「!?」






穂乃果「こ、ことりちゃ……!?」

◆――――◆


ことり「……話したくない?」

穂乃果「……」

ことり「ことりは分かってるからね」ナデナデ

穂乃果「……」

希「ごめん……また、ウチ……」

ことり「ううん、二人とも悪くない」

ことり「悪い人なんて、いないから」



穂乃果「ごめん、なさい……希ちゃん……穂乃果、またっ……」




希「……」

希「ウチは大丈夫やから、ね?」


ことり「ほら希ちゃんもこう言ってるし、大丈夫だよ、そんなに自分を責めないで……?」


穂乃果「ぅ……」

希「……」

希「穂乃果ちゃん、そんなに辛いなら……」



希(全員フるなんて……無理、か)



希「ううん、やっぱりなんでもない……」


◆――――◆


ことり「なにか食べてこっか!?」


穂乃果「……」



ことり「そ、そうだ美容院でもいく? 長さそのままでもセニング入れるだけでも全然違うよ?」

ことり「セットも楽になると思うし、見た目からでも気分変えてみたりっ」

穂乃果「……」

穂乃果「ごめん……」


ことり「あ、ううん……」

ことり「……ことりの家、寄ってよ」

穂乃果「でも」



ことり「ことりはいいよ――都合の良い女で」



穂乃果「どういう、こと?」

ことり「彼女が見つかるまで、好きなように使ってくれても、いい」



ことり「穂乃果ちゃんの好きなように」



穂乃果「……やめてよ」

穂乃果「そんなこといわないでよっ」

穂乃果「また、抑えられなくなったらどうするのさっ!!」


穂乃果「たたでさえそういうこと最近してないんだよ? もう、やだよ……」




ことり「……苦しまないで?」

穂乃果「……」

ことり「苦しいなら、気持ちいいこと、しよう……?」ギュッ




穂乃果「……///」




ことり「また前みたいに、いっぱい……いーっぱい」


ことり「ね……?」






穂乃果「う……ん」

◆――――◆

穂乃果「んっはぁ♥︎」

穂乃果「きもちぃ……♥︎」

穂乃果「もっと、もっとぉ♥︎」


ことり「はぁっ♥︎いつもより、おっきぃ、ね♥︎」

穂乃果「はぁ、はぁ♥︎」ズチュズチュ

ことり「んぁぁ、穂乃果ちゃん♥︎穂乃果ちゃん♥︎」

穂乃果「でるっ♥︎ぁぁ……っ」///

ことり「いいよっ、ことりの膣内で気持ちよくなって!?」キュンキュン


穂乃果「っ、はっぐぅ♥︎♥︎」ギュゥゥ


ことり(抱きしめられて……幸せ)

穂乃果「んっ♥︎あっ、あっぁ♥︎」ビュクッビュク

穂乃果「んんんぅぅ♥︎」ビクビクビクビク



穂乃果「はぁ……はぁ……♥︎」



ことり「……気持ちよかった?」ナデナデ

穂乃果「う、ん……」

穂乃果「ごめん……」




穂乃果(――なんか……やっぱり、前より気持ちよく、ない)



穂乃果(緩くなってる気がする……)





ことり「……いいんだよ」



ことり「穂乃果ちゃんは、男の子だもんね。したくなっちゃうのは、当然だもん」


穂乃果「……」


穂乃果(なんだか、昔に戻ったみたい……なんにも考えないで、えっちばっかりしてたあの頃に)



穂乃果「好き……っ」

ことり「……え?」

穂乃果「穂乃果は、ことりちゃんのことが好き」

ことり「それ、って」


穂乃果「――でもっ」

穂乃果「他の人のことも、好きなのっ……」



ことり「……そっか」



穂乃果「このままだと……また希ちゃんに手を出しちゃうかもしれない」

穂乃果「穂乃果ね、ダメなの。希ちゃんの身体見るとね、全然、抑えられなく、なって……っ」

穂乃果「わかってる、ダメなこと、くらいっ……」


穂乃果「でも、今日だってこうしてことりちゃんに手を出してっ!!!」





ことり「――いいんじゃないかな」

ことり「……気持ちいいことだけしたっていいじゃん。考えて考えて苦しくなるくらいならみんな一緒に気持ちよくなればいいんだよ」








穂乃果「え……?」






ことり「なんて、冗談」

穂乃果「あはは……」

ことり「大丈夫、いつかぜったい、答えは見つかるから」


ことり「本当に好きな人が見つかるまでは、ことりを使ってね?」









穂乃果(みんなと……気持ちいいこと、する……)





ことり「……?」








穂乃果(みんな……穂乃果の彼女に、する……?)





ことり「どうしたの?」

穂乃果「ふふ……そっか。そうしよう」






穂乃果「――ううん、なんでもないよ」





ことり「……」ゾクッ

◆――――◆


休憩中 部室






穂乃果「……」


 そうだ、そうだよ……。



穂乃果「みんなが……穂乃果を苦しめたんだ」

穂乃果「苦しい、苦しいよ」



穂乃果「穂乃果は悪くない、みんなが、悪いんだ……っ」





希「穂乃果ちゃん」




穂乃果「……」

希「あの……この前はごめんね」



穂乃果「こちらこそ」











穂乃果(――だから……少しくらい、許されるに決まってる)

ごめんなさい寝ます。



穂乃果「どうしてそんなに離れているの?」

希「あ、いや……一応ウチなりに気を使ってるつもり、なんやけど」

穂乃果「穂乃果はもう大丈夫だよ?」


希「……」


希(なんだか、迷いがなくなりつつある……?)







穂乃果「――だから、こっちへ来て?」


希「う、うん」スッ

希「でもよかった、なんだか前よりふっきれたみたいな表情してるやん?」

穂乃果「うふふ、そうだね」

穂乃果「ことりちゃんのおかげかなあ」


希「流石幼馴染やね」

穂乃果「うん」

希「答えは見つかった?」





穂乃果「――うーん、今確かめるところ、だよ?」



希「……」ゾクッ



穂乃果「ふふっ……」バッ

希「なっ!?」





穂乃果「んはぁ……♥︎希ちゃんのおっぱい、柔らかいね」モニュモニュ




希「ちょっ……い、いきなりなに!?」



希「や、やめ……んぅぅ♥︎」


穂乃果「はぁぁ……希ちゃんの気持ち良さそうな表情、大好きなんだよ?」



希「んっぁ……♥︎や、やめっ……ダメ、やってぇ……♥︎」




希(押さえつけられて、動けないっ……)

希「んぁぁぁ……♥︎」///

穂乃果「練習着って、本当にえっちだよね。ずっと前から思ってたんだよ。こんなに身体のラインがわかるんだもん」

希「や、らぁ……♥︎」ビクビク

穂乃果「くすくす……あーあ、下着着てるんだよね? それなのに、こんなに乳首の感触するなんて」


穂乃果「――えっちなんだね」


希「ち、ちがっ////」

穂乃果「じゃあ服脱がせるよ?」

希「ゃ……♥︎」


穂乃果「……やっぱりやめようか」

希「え」

穂乃果「休憩も終わっちゃう」

希「なんで、こんな、こと……っ」


穂乃果「うーん……」

穂乃果「穂乃果は最後までしたいな」



希「そういうことや、なくて」


穂乃果「もし希ちゃんがこのまま穂乃果と最後までしてくれるっていうなら、穂乃果を希ちゃんの家に入れて?」


希「……」


穂乃果「考えておいてね?」



希「……」

◆――――◆



穂乃果「希ちゃんならそうしてくれるって信じてたよ!」

希「なにが、望みなん?」


穂乃果「――希ちゃんが欲しい」


希「……///」

希(こんな、見つめられる、と……)


穂乃果「ふふっ……」


穂乃果「どうしたの? 顔赤いね」

希「ぁ、う」///



希「う、ウチを選んでくれるって、こと?」



穂乃果「んー……そうじゃないよ?」



穂乃果「とりあえず穂乃果、希ちゃんとえっちしたいの」

希「……」

希「……」

穂乃果「だめ?」

希「……」


 穂乃果ちゃんは、きっとまだみんなの想いの中で苦しんでる。ふっきれただなんて、ただの嘘みたいなもの。

 そして前と同じように、快楽を欲している。

穂乃果「気持ちよくなるの、嫌……?」

希「……」



穂乃果「希ちゃんのことも絶対気持ちよくするよ?」


 きもち、よく……。穂乃果ちゃんのが、また、ウチの膣内に入ってくる。

 

希「……////」


 気持ちよく、なりたい。でも、本当にこれでいいん?


穂乃果「穂乃果、希ちゃんじゃなきゃ嫌……」ギュッ


希「……///」



穂乃果「だめ……?」

希(かわいい……っ)



 こんなに、ウチのことを必要としてくれるだなんて。穂乃果ちゃんの中で例え一番じゃなかったとしても、ウチは幸せ。


 苦しめちゃったんだから、お返しって言ったらなんだか変やけど……優しい穂乃果ちゃんなら、いいかな。


希「うん、ウチで満足してくれるなら……喜んで」



穂乃果「ほんと!?」


穂乃果「大好きっ!」



希「よしよし」


穂乃果「えへへ……」








穂乃果「――ふふ……♥︎」ニヤ……





穂乃果「希ちゃん"の"おっぱい、大好き……」








希「ふぁ……//」

希「……エアコンつけるから、ベッドでしよう?」



穂乃果「早くえっちしたいよぉ」モニュモニュ


希「んんんっ……ちょ、ここ、玄関、やからぁ……」

穂乃果「はぁ……はぁ///」


希「だめぇ……ベッ、ド、いくのっ!」



穂乃果「むぅ……」

希「はぁ……はぁ、もう。仕方ない子やね」

穂乃果「……だって、希ちゃんが可愛いからだよ?」


希「……////」

◆――――◆


穂乃果「んっくぅ……♥︎」

穂乃果「さい、こぉ……っ♥︎」

希「んぁぁっ♥︎」


穂乃果「のぞみ、ちゃんが……いちばん、気持ちいいよっ」グチュグチュ

希「待って、まってぇ……もう……もう、イった……♥︎もうっっ……♥︎」ガクガクガク

希「痛いっ、痛いのっ!!」

穂乃果「んふっ♥︎穂乃果は、まだ気持ちよく、なってないもんっ」

穂乃果「でも、もう……出そ♥︎」

穂乃果「んっふぅ♥︎」

希「うぐっぅ」

希(穂乃果ちゃんのおっきすぎて、こんな好き勝手動かれたらっ……壊れ、ちゃぅ)


穂乃果「あっ、うぅぅ♥︎」ビュクビュク



希「ぁ……♥︎」

穂乃果「はぁ……っ♥︎」


希「……うぅ」

希「こんな激しくされたら、ウチ……」

穂乃果「ごめんね、気持ちよすぎて」

希「まあ……」


希「前から気になってたんやけど……」

穂乃果「?」

希「そ、そんなにウチの……気持ちいい、の?///」

穂乃果「……」

穂乃果「うんっ」

穂乃果「ことりちゃんともえっちするんだけどね、なんだか……気持ちいいんだけど……なんか、緩いって、いうか……」



穂乃果「希ちゃんの方がおっぱいもおっきいし、だから希ちゃんの方が好きっ」

希「……そんなに必要としてくれるだけで、本当に嬉しい」

穂乃果「えへへ……またえっちしようね?」

希「もう、仕方ないなぁ……」ナデナデ











穂乃果「――ふふ、やった……っ♥︎」

◆――――◆

数日後





穂乃果「気持ちよかったなぁ……」

ことり「……?」



穂乃果(他の人も気持ちいい、のかな……)



ことり「穂乃果ちゃん穂乃果ちゃん」

穂乃果「?」

ことり「今日は、する?」


穂乃果「えーっと……」


穂乃果(希ちゃんとしたいんだけど……)


希「――ねえ穂乃果ちゃん」



穂乃果「あっ、希ちゃん!!」パァッ

ことり「……」


穂乃果「今日もしよう?」ボソッ

希「な……////」



ことり「……?」

希「う、うん」


希(ま、毎日毎日しちゃってるけど、大丈夫なんかな……気持ちいいし、避妊はしてくれてるけど)




穂乃果「やった!!!」




穂乃果(でも……希ちゃんとするの飽きてきちゃったかも……気持ちいい、けど)チラッ





ことり「?」




穂乃果(でも……かと言ってことりちゃんは……あんまり気持ちよくなれないし)




穂乃果(――次は誰がいいかなぁ? "誰でもいいから"違う人としたいなー)


穂乃果(穂乃果のことが好きならえっちくらいしてくれるよね? 減るもんでもないし……誰が穂乃果のことを好きかな?)

凛「」キャッキャッ





穂乃果(……そういえば、凛ちゃんとえっちしたことないんだよね)



穂乃果(おっぱい小さいけれど、気持ち良さそう……♥︎)



穂乃果(そうだよ……えっちするだけの関係でいいって言ってたのは本人だもん、穂乃果は凛ちゃんの望みを叶えてあげるんだもん)




穂乃果「あ、希ちゃん希ちゃん!」


希「?」


穂乃果「やっぱり今日しなくていいやっ!」



希「え……」


穂乃果「じゃ!」



希「あ……」

希「……」






穂乃果「ねーねー凛ちゃん」

凛「?」


穂乃果「あれからお菓子とか料理とか練習してるのー?」



凛「うんっ、ちょっとずつ練習してるにゃ!」

花陽「凛ちゃんとってもがんばってるんだよ」

穂乃果「へぇ、すごいねっ! 食べてみたいなあ」

凛「……///」




穂乃果(……うん、やっぱり凛ちゃんは穂乃果のこと好きなんだ。これなら……)ニヤァ……

穂乃果「凛ちゃん……」


穂乃果「今日凛ちゃんのお料理、食べさせてくれない、かな?」

凛「え……で、でもっ」

凛「練習始めたばっかりで、全然おいしくなんてないにゃ! だ、だから……」

穂乃果「凛ちゃんの作ってくれたものなら、きっとなんでも美味しいよ?」ニコッ

凛「ぁぅ……」///

花陽「が、がんばって!」

凛「ど、どうしようっ……」


◆――――◆

凛の部屋





穂乃果「すごいね、凛ちゃん」

凛「な、なにが?」


穂乃果「努力出来るって本当にすごいことだと思うの!」

凛「そ、それは……」

穂乃果「どうして上手くなろうって思ったの?」




凛「――ほ、穂乃果ちゃんに……食べてもらい、たくて……///」




穂乃果(可愛い……どうやったらえっち出来るかな?)


凛「……す、好き、だから」




凛「でも、みんなも穂乃果ちゃんのことが好きだし、凛は全然みんなに勝ってるところなんてないし、だから少しでもって」

穂乃果「……そんなことないよ?」ギュッ

凛「ひゃ……」



凛「ど、どうしたの……?」////



穂乃果「穂乃果はね……昔っから、凛ちゃんのこと可愛いって思ってるんだよ?」

穂乃果「じゃなかったら昔……付き合ってないもん」





穂乃果「穂乃果は凛ちゃんのこと、好きだよ?」


凛「……え///」



凛「そ、それって……」




穂乃果(……凛ちゃんなら強引に行けばなんとかなりそうだね)









穂乃果(いいや、いい雰囲気だし――ヤッちゃえ♥︎)

穂乃果「んっ♥︎」チュッ


凛「にゃっ!?」//


穂乃果「ふふ」

穂乃果「可愛いよ、凛ちゃん」サワサワ


凛「あ……♥︎」


凛「ほ、穂乃果、ちゃん……?」




穂乃果「……凛ちゃんが可愛すぎて、我慢出来ないよぉ……」


穂乃果「ね、ダメ?」

凛「……」



凛「ほ……穂乃果ちゃんが、したいならっ……」




穂乃果「ふふ、ありがとっ」ガバッ



凛「……///」



穂乃果「昔は、ごめんね……?」

凛「凛が悪いの……」



穂乃果「ううん。優しくするからね?」サワサワ



凛「ひゃっ……ぅ♥︎」



凛「そ、そんなとこ触ってもつまんない、でしょ? 凛、胸小さいから」



穂乃果「凛ちゃんのなら、全部好きだよ」ムニュムニュ



凛「はぁ♥︎……はぁ♥︎」

穂乃果「親御さんは?」



凛「どっちも、仕事行ってる、よ」






穂乃果「――ならいっぱい声、出せるねっ!!」


凛「へ……?」








穂乃果(凛ちゃんは他の人とはちょっと違うと思う……)



穂乃果(穂乃果無しじゃダメになるくらい、気持ちよくしてあげちゃえばいいんだ)

◆――――◆






凛「んぁぁぁああああああああ♥︎♥︎♥︎♥︎」ガクガクガク


穂乃果「ふぅ、ふぅ……ぁぅ……♥︎」


穂乃果(狭すぎて、全然はいんないよ……)


凛「ひゃ……ぁぁ……もっ、と……♥︎」



穂乃果(凛ちゃんはすっごく気持ちよくなってるみたい、だけど)


穂乃果(全部はいんなくて、全然気持ちよくないしすぐ奥に当たってちょっと痛いし……なんだか"つまんない")



凛「……は、はやく……もっと、奥、つい、て……♥︎」トローン



凛「はぅ……♥︎子宮の、とこ……♥︎は、やくぅぅ♥︎」




穂乃果「……」



穂乃果「もういいよ」ヌプッ……

凛「な、なんで抜くの!?」

凛「やだよ、もっと欲しいよ、ねえ、穂乃果ちゃんっ♥︎」


穂乃果「はぁ……」

穂乃果「穂乃果だって、気持ちよくなりたいのに、自分だけ気持ちよくなってさ」

凛「え……ご、ごめん……」


凛「そ、そうだよね、凛全然穂乃果ちゃんのこと考えてなかったにゃ……」


穂乃果「……」

凛「ごめん、だからもっとしようよっ……気持ちよくなりたいよぉ……♥︎」ギュッ



穂乃果「……」ムッ

穂乃果(めんどくさいな……)



凛「り、凛……穂乃果ちゃんに選んで貰えたんだよね? これからもしてくれるよね?」

穂乃果「……え?」

穂乃果「えっちだけする関係でいいって言ったのは凛ちゃんじゃなかったっけ」

凛「……え」

穂乃果「――とりあえずえっちだけする関係、いいでしょ?」

凛「そんな……酷い、にゃ」ウルウル

穂乃果「はぁ……気持ちよくしてあげたんだからわがまま言わないでよ……」


凛「っ……ごめん」


穂乃果(まあ、もう凛ちゃんとはしなくていいかな……胸も小さいし)

穂乃果「……料理美味しかったよ? また、食べさせてくれる?」

凛「……うん」








穂乃果「――そしたら……凛ちゃんのこと選びたくなるかもしれないし……」






凛「本当!?」

穂乃果「うんっ」

穂乃果(キープはこんな感じかなあ?)

穂乃果(あ、待って……みんな彼女にするんだった。まあ……彼女みたいなものだよね!)




穂乃果「じゃあ、穂乃果帰るね?」



凛「うん……また来てね?」


穂乃果「ふふ、もちろんだよ。じゃあねっ!」

凛「うん」

穂乃果「やった!」

穂乃果「今から行くよー!」

ブツッ

穂乃果「えへへ……いっぱいさせてもらお」






花陽「――あ、ほ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「?」

穂乃果「花陽ちゃん、どうしたのこんなところで」

花陽「え、いや……お買い物してきて、帰るところだよ」

穂乃果「あ、そっか近いもんね」

花陽「どうだった、凛ちゃんのお料理」

穂乃果「普通に美味しかったよ!」

花陽「よかった……」ホッ…


穂乃果「……?」

花陽「あ、あの……立ち話もあれだし……家に寄っていかない?」

穂乃果「……いいの?」

花陽「よ、喜んで……っ」

穂乃果(あ、でもどうしよう……希ちゃんち行くって言っちゃったけれど……)

花陽「……?」


穂乃果(……花陽ちゃんも結構……えっちな身体してる、よね……♥︎)


花陽「ど、どうしたの?」



穂乃果(いいや、希ちゃんにはやっぱやめるってメールしとこ)


穂乃果(あ、ことりちゃんからメール来た……)


穂乃果(返さなくていっか。今はことりちゃんとえっちしたくないし)





穂乃果「じゃあ花陽ちゃんちに行こうかな!」

花陽「う、うん。じゃあいこっか」


穂乃果(なんか花陽ちゃんいい匂いする……)

花陽「……紅茶にミルクはいれる?」

穂乃果「いや、いらない」

花陽「そっか」

穂乃果「あちっ!!」

花陽「だ、大丈夫!?」

花陽「拭いてあげるね……」


穂乃果「……」



花陽「暑かったよね……ごめん」

穂乃果「ううん、全然大丈夫」



花陽「よかった……」



穂乃果「そういえばさ、さっきなんで凛ちゃんの料理美味しかったって言ったらホッとしてたの?」



花陽「え?」

花陽「えっと……だって。嬉しいもん」

花陽「凛ちゃんが嬉しいなら私も嬉しいから」

穂乃果「……一応、ライバル、なのに?」

花陽「そうだけど、関係ないんだよ」

穂乃果「そっか、優しいんだね……」

花陽「臆病なだけ……」

穂乃果「でも……穂乃果はどちらかしか選べない」

花陽「……仕方ない、よ」

花陽「……」

穂乃果「ねえ花陽ちゃん」

穂乃果「――二人とも幸せになれる方法があるなら、素晴らしいと思わない?」


花陽「え……?」


穂乃果(大丈夫……花陽ちゃんはちょっと強引にやっても)


ガバッ


花陽「な、なに……?」


穂乃果「穂乃果ね……苦しいんだ」


花陽「え?」

穂乃果「みんなの想いになんて応えていいかわからなくて、でも応えないと、辛いこともわかっていて」

穂乃果「胸が痛い、苦しい……」


花陽「……ごめ、んなさい」

穂乃果「なにをしても、みんなの顔が浮かんで裏切りたくなくて……っ」

穂乃果「でもね、気持ちいいこと、すれば、わすれられるの……」


花陽「そ、それっ、て……」

穂乃果「花陽ちゃんと、気持ちいいことしたい」ギュッ


花陽「……///」

花陽「穂乃果ちゃんは、私なんかで、嫌なことが忘れられるの?」

穂乃果「うん」

花陽「……」

花陽「で、でも……私……そんなこと、したこと、ないよ……?」




穂乃果「いいよ。お願い、花陽ちゃんのこと、大好きだからっ……」

花陽「……」



花陽「……は、い」










穂乃果「うふ……♥︎」


◆――――◆



ことり「ね、ねえ……」


穂乃果「んー?」

ことり「さ、最近全然してないよ、どうしたの?」

穂乃果「なんでもないよ」

ことり「あの、ね。――ことりがしたいなって……こ、こんなこと言うの気持ち、悪い……かもしれないけれど……」///

穂乃果(ことりちゃんとするなら希ちゃんか花陽ちゃんとしたいんだけどなぁ……)


穂乃果「……また今度でいいかな?」

ことり「…………うん、ごめんね」



穂乃果(うーん、今日はどうやって花陽ちゃんイジメようかなぁ)ワクワク



穂乃果(まさか……あんなにえっちな子だったなんて♥︎)

にこ「――ねえ穂乃果」

穂乃果「?」

にこ「あんた、なんかしてる?」


穂乃果「……どういう意味」

にこ「あんたが何かしてるって言うのならこれだけでわかるはずよ」



穂乃果「……なんのことかわからない」

にこ「……そう」

にこ「私はあんたのこと、信じてるから」




穂乃果「……」




穂乃果(穂乃果は悪くないよ、苦しめてきたのはそっちじゃん……。苦しいんだから、痛いんだから――気持ちよくなりたいだけだもん)



にこ「ただ、またなにかあったなら今度こそ、追い出すから」




穂乃果「……」

◆――――◆



穂乃果「はぁ、にこちゃんは無理そうだなぁ……」

穂乃果「まあ別にいいか、あんまり興奮出来なそうだし」

穂乃果「それとも、無理やりしちゃう? うーん……」





絵里「あ、穂乃果」



穂乃果「ん、もう着替えたんだ、早いね!」



絵里「ええ、これからちょっと大学を見てくるの」



穂乃果「ああ……」



絵里「どこにしようか決めないと」


穂乃果「そう、だね」


絵里「勉強はしてるけれど、まだ決めてないのはまずいのよね……」


穂乃果「へえ」



絵里「もう時間も少なくなってきてるって嫌でも実感しちゃうわね」


絵里「……ごめんなさいこんなこと」



穂乃果「……」



絵里「ねえ、穂乃果……」

穂乃果「なあに?」





絵里「――もし、もしもよ? 私のことを選んでくれたら、この制服のまま、昔みたいに色々なところに、言ってくれる?」

穂乃果「……うん」



絵里「……そう」



絵里「あなたのことが好きだから、私は少しでもあなたと長く居たい」





穂乃果「……早く答え、出せってこと?」

絵里「そうは言ってない、けれど」

穂乃果「……がん、ばる」

絵里「……焦る必要はないからね?」

絵里「じゃあ、行ってくるわ」


穂乃果「絵里ちゃんっ!!」

絵里「?」

穂乃果「絵里ちゃんは、穂乃果のこと、好き……?」


絵里「な……///」

絵里「さ、さっきも言ったじゃないっ」

絵里「まったく……私は行くからね」スタスタ


穂乃果「……絵里ちゃんも穂乃果のこと、好き、か」


穂乃果「……ねえ絵里ちゃん、穂乃果ね、もう一回絵里ちゃんとえっちしたいな」


穂乃果「昔はえっちみたいなことたくさんしてたよね」


穂乃果「……穂乃果がえっちなことしか考えられなくなったのは、絵里ちゃんのせいでもあるんだよ?」




穂乃果「……でも絵里ちゃんをどうやって誘えばいいのか、わかんないや……」






◆――――◆





穂乃果「だからさ、したいならして下さいって穂乃果に頼もうよ?」



花陽「ぅ……♥︎」



穂乃果「ふふっ……」ゾクゾク




穂乃果「おかしいな、穂乃果、なにもしてないよ? なんでそんなに気持ち良さそうな顔してるの?」




花陽「ふぁぃ……♥︎」

花陽「は、はなよのこと……もっと……いじ、めて……♥︎」




穂乃果「よーく出来ました♥︎」



穂乃果「穂乃果ね、花陽ちゃんのこと大好きだよ?」


 もう、戻る気もない。


 花陽ちゃんは穂乃果の言うことをなんでも聞いてくれる、希ちゃんも、ことりちゃんも、凛ちゃんも。みんなで気持ちよくなって、それだけでいい。それが彼女ってことなんじゃないの? えっちさせてくれる人ならそれはもう彼女ってことでしょう?


 世の中にはセックスフレンドって言葉もあるけれど、穂乃果はみんなのこと大好きだよ、大好きだから友達とは思ってないよ。





 だから、出来る人は――みんな彼女にするの。





◆――――◆

ことり「ねえ、穂乃果ちゃん」



 でも、彼女にするって言っても結構難しい気もするよね。だって穂乃果の身体は一つしかないんだもん。ことりちゃんは何かあるたび話しかけてきて、構って欲しそうにするし、凛ちゃんは開発しちゃったせいかすぐえっちしたがるし。


 二人とえっちするのはあんまり気が進まないから嫌なんだよね……。


 それに、気持ちよくなりたいなら希ちゃんと花陽ちゃんだけで十分だもん。でも、もし飽きちゃった時のために、キープは必要だよね?



穂乃果「どうしたのー?」


ことり「……あ、あの」

穂乃果「大丈夫、安心して? 穂乃果はことりちゃんのこと、だーいすきだから」


穂乃果「きっともう少ししたらことりちゃんのこと、本当に好きになれるかもしれない」

ことり「……」


 よし、これでいいよね!


 ちょっと好きって言ってあげればみんな顔を赤くして、身体を差し出してくれるんだもん、楽ちんだね? みんな負けたくないんだろうなぁ、みんな穂乃果の彼女になりたいんだろうなあってちょっと優越感。




 ――ふふ、女の子って単純。


穂乃果「また今度ねっ」


ことり「……う、ん」


穂乃果「そういえば絵里ちゃんは?」

ことり「先生に呼び出されてたよ」

穂乃果「生徒会かな……」

ことり「多分」


穂乃果「ふーん」


穂乃果(よし、ちょっと探してこようかな)



にこ「……」


穂乃果「海未ちゃん、ちょっとお願い!」

海未「え? あ、はい……?」


タッタッタッ


バタン





にこ「……ねえ、なんか最近のあいつ、変じゃない希」


希「え、そ、そう!?」ビクッ


にこ「……」

◆――――◆


穂乃果「うーん、いないなー」

穂乃果「絵里ちゃん呼び戻さないと確認したいこと確認出来ないのに」



穂乃果「あれ……?」


穂乃果「あれれ、穂乃果のシャツがない?」

穂乃果「みんなはあっちの広い部屋で着替えてて、穂乃果はこっちの狭い部屋で着替えてる。今日もいつも通りここで着替えてた、よね?」


穂乃果「んん?」

穂乃果「まあいっかあっちにあるかもしれないし、とりあえず絵里ちゃんさがそー!」


スタスタ



穂乃果「うーあんまり歩き回るのもあれだし、生徒会室覗いて見ていなかったら諦めよ……」ソーッ








「んっ……ぁぁ……♥︎」

穂乃果「……?」

穂乃果「えり、ちゃん?」




絵里「んっ……♥︎ぁぁ……♥︎」サスサス



穂乃果(な、なにしてるの!?)

穂乃果(机の角に……こ、こすりつけて///)



穂乃果(だれかの……シャツで、シテる……?)




絵里「んんっ♥︎はぁ、はぁ……ほの、かぁ……♥︎」


絵里「好き……好きよ♥︎」クチュ…クチュ




穂乃果(ああ……なるほど、そういうこと、か)ムラムラ







絵里(穂乃果の匂い……男の子の匂い……♥︎)

絵里(ダメ……こんな、こと。穂乃果が選んでくれるかもしれないでしょ? そしたらいっぱいこういうこと、出来るんだから)

絵里(でも……もし、選んでくれなかったら……?)



絵里(穂乃果のこと、めちゃくちゃにしたい、いっぱい、いっぱいこういうこと、したい)




絵里「ぁぁ……♥︎」スリスリ



絵里(ダメ……とまん、ない)



絵里「んんんっ、イ…っく……♥︎」


絵里「っっ♥︎~~~~っっ/////」ビクビク







絵里「はぁ、はぁ――え?」



穂乃果「」ニコニコ



穂乃果「なにしてたの?」



絵里「ほ……ほの、か」


絵里「こ、これは違うのっ!!!!!」

 先ほどまでの絶頂の余韻から覚めたのか、絵里ちゃんはすぐに飛びのいた。

 くすくす、穂乃果が入ってくるのにも気がつかないで、一人で気持ちよくなってたのにね?


穂乃果「それ、穂乃果のシャツじゃないかな?」


絵里「こ、れは」


穂乃果「生徒会長さんがこんなことしてるなんて……みんなに言ったらどうなるかな?」



絵里「そ、それだけはやめてっ!!!」



穂乃果「あれ? お願いしてくれないと、やめられないかも……」



絵里「っ……」


絵里「お願い……っ」



穂乃果「よく出来ましたー! このことは秘密ね」


穂乃果「でも、どうしたの絵里ちゃん、机の角がこんなにびちょびちょ」ヌチャ…


絵里「……/////」



穂乃果「欲求不満、なのかなぁ?」


絵里「そんなこと、ないっ」プイッ…


穂乃果「ほんと?」サワサワ






絵里「ちょ、調子に乗らないで。昔は私が――」






穂乃果「こっちのセリフだよ、昔は昔、今は今」



穂乃果「穂乃果だってあれから色々あったんだもん」


穂乃果「くす――絵里ちゃんが変態なのは、変わらないみたいだけれど」


穂乃果「絵里ちゃん、絵里ちゃんさえ望むなら気持ちよくしてあげても、いいよ?」



絵里「な……そんなのっ、穂乃果に出来るわけないでしょ!!」


穂乃果「……気持ちよく、なりたいよね? だから穂乃果の名前呼んで、シャツの匂い嗅ぎながら一人えっちしてたんだもんね?」サワサワ



絵里「ひぅ……///」

絵里(な、なにこれ……っ)

穂乃果「絵里ちゃんが人よりイキにくくて、辛い体質だってこと、知ってるのは穂乃果だけ。ね? 一人でするの時間かかって、ちょっとだけ大変だったよね?」



絵里「はぁ……♥︎はぁ♥︎」

穂乃果「ねえ、答えてよ」




絵里「っ……」







絵里「き、気持ちよく、なりたくて……穂乃果のこと、考えながら……シテました」



絵里(な、なにこれ。昔は私が常に主導権握ってた、のに)



絵里(でも……気持ちよく、なりたい)



絵里(ダメなのに……でも穂乃果にこんなこと言われたら……)




穂乃果「うふふ♥︎」



穂乃果「――そのかわり、穂乃果を気持ちよくしてくれたら、ね?」


◆――――◆



絵里「ちょ……な、なに、これ……?」

穂乃果「……ほ、穂乃果も恥ずかしいんだからさ///」


絵里(おっきい……)


絵里「だ、だって中学生の時は皮被ってて小さかった、のにっ……」

絵里「今も薄いけど……毛だって、なかったのに」



穂乃果「流石に高校二年生だもん……///」

穂乃果「じゃ、絵里ちゃんお願いね?」

絵里「ぅ……」


 ああ、この表情、最高……。



穂乃果「手じゃないよ、口でシテよ」


絵里「く、口!?」


穂乃果「嫌なの?」



 絵里ちゃんは真っ赤になった顔で嫌じゃないと小さく呟きながら、手で穂乃果のモノを、掴む。昔は圧倒的立場によって虐められてた穂乃果、だからこそこの状況に興奮する。あの絵里ちゃんがこんなに言うことを聞いてくれる、あの絵里ちゃんが。

絵里「あむっ」

穂乃果「はぁぁぁ…………♥︎」


穂乃果「きもちいい、よ♥︎」

絵里「んちゅ……♥︎全部咥えられないけどこれで、いいの?」



 昔の絵里ちゃんなら絶対こんなことしないよね、完全服従、そんなのプライドが許すはず、ないんだから。この屈辱と羞恥の表情、ああ……絵里ちゃんて可愛いっ。



穂乃果「その調子だよ」


◆――――◆



絵里「ぁ、穂乃果っ……♥︎」



穂乃果「気持ちよくなれてる?」クチュクチュ


絵里「も、もっと……♥︎」


絵里「あっ……♥︎」


絵里「んっ♥︎んんんむぅぅ♥︎」



絵里「っ~~~かはぁっ♥︎♥︎/////」ガクガク



穂乃果「……イっちゃったね」



絵里「はぁ、はぁ……」




絵里(すごい……こんな早く。なんでこんな……上手くなってるの?)

穂乃果「じゃ、練習戻ろうか」

絵里「……え」

絵里「そ、その……手だけじゃなくて……さ、最後までしてくれるんじゃないの?」

穂乃果「……?」



穂乃果「――彼女になってくれたらいいよ!」


絵里「彼女……?」



絵里(それって、選んでくれるってこと?)




絵里「な、なるわ!!」

穂乃果「本当!?」


絵里「こ、こちらこそ本当にいいの?」



穂乃果「うんっ、絵里ちゃん大好きだよっ!!」



ギュゥゥ



絵里「痛いわよ」

穂乃果「いいでしょ?」

絵里「もう……」///

穂乃果「えへへ」スリスリ

絵里(かわいい……っ)




絵里(やった……穂乃果の彼女に、なれた――これで穂乃果は私のことだけを)













穂乃果「――ひひ……♥︎」


また夜来ます。

◆――――◆


数週間後


希「今日もウチとするん?」



凛「ずるいよっ、希ちゃんの回数多すぎるよっ!!」


花陽「……」



穂乃果「うーん、だって希ちゃんが一番気持ちいいんだもん」

希「……///」


凛「……むぅ」


凛「凛もしたいよぉ……」ウルウル



花陽「り、凛ちゃんとしてあげて欲しいな」


穂乃果「凛ちゃん、穂乃果のこと好き?」


凛「好き!! 好きだから……嫌われたくないから、凛、こんな風にみんなと一緒に穂乃果ちゃんを共有してるんじゃん!!!」



希「……」


花陽「……」

凛「みんなだってそうだにゃ。好きだから、穂乃果ちゃんのこと……独り占めしたいの我慢してっ……」


穂乃果「……」

凛「ぅ……」



穂乃果「ごめんね、凛ちゃん」ナデナデ


穂乃果「希ちゃんばかり贔屓しちゃって」


凛「……凛こそ、ごめん」


凛「だから、嫌いに、ならないでっ……」


 凛ちゃんは子猫みたいに背筋を震わせて、穂乃果に抱きついてきた。そっかあ寂しかったんだ。

 これからは順番にえっちしてあげよう。



穂乃果「あ、そういえば」


希「?」


穂乃果「今日穂乃果ね、絵里ちゃんとデートするんだった」


穂乃果「だからまた今度ね」

凛「でーと……?」



希「えりちは、ウチらがこんな関係だってこと、知ってるん?」

穂乃果「ことりちゃんと絵里ちゃんには言ってないよ。そもそも絵里ちゃんは自分だけって思ってるかも……」


希「……」

穂乃果「なんかね、普通にデートとかしてたらそうなっちゃった。えっちもしてないよ?」

希「……穂乃果ちゃん」

穂乃果「?」




希「――お願いだから……えりちを傷つけないでっ……」


希「ウチのことは彼女とかそういう風に見なくてもいい、身体だけ見てくれてもいい。だからえりちだけはっ……」



穂乃果「穂乃果だって、傷つけたくて傷つけるつもりはないもん。だって、絵里ちゃんが悪いんだよ」

穂乃果「そもそも傷つけてるつもりないし」




穂乃果「穂乃果のシャツで一人えっちだなんて――あ、これ言っちゃダメなことだった」




花陽「絵里ちゃんがそんなこと……?」



穂乃果「穂乃果のことが好きなんだってさー」

穂乃果「彼女にしてあげるって言ったらすぐ彼女になってくれたよ?」


希「……いい加減にして」

穂乃果「……?」

希「そんな……女の子の気持ち弄んで楽しい……?」




穂乃果「――穂乃果の気持ち、弄んだのは誰かな?」



希「っ……」




穂乃果「穂乃果苦しかったんだよ? みんななんにも意識しないで、穂乃果の前で服脱いだり近寄ったり。その度一人だけで興奮しちゃって」



穂乃果「ねえ、希ちゃん?」



希「ごめ、ん……」


穂乃果「大丈夫、絵里ちゃんも仲間に引き入れるからさ!」


花陽「……」


穂乃果「花陽ちゃんも凛ちゃんも、もっと気持ちよくなりたいでしょ?」



穂乃果「――穂乃果の言うこと聞いてくれるなら、とびっきり気持ちよくしてあげるからねっ!!」



花陽「……は、い」ゾクゾク

凛「……ごくっ」







希(なに、これ……こんなの、穂乃果ちゃんじゃ……)

◆――――◆

絵里 宅 前





絵里「話って、なに?」


希「……」



絵里「私、これから用事が」



希「――穂乃果ちゃんと、デート?」


絵里「……なんで知ってるの?」

希「……付き合ってる、んやって?」

絵里「……///」



希「そう……」



 ごめんね、えりち。楽しかったよね、穂乃果ちゃんは自分だけを見てるって思って。こんなこと、言いたくないんやけど、もう……天国みたいな時間は終わり……なんよ。



絵里「あ、あのね隠すつもりはなかったの……」

希「おめでとう……でもね」


希「ウチね、今でも穂乃果ちゃんと肉体関係がある」


絵里「……な、なにを言ってるの?」

希「ウチだけやない、花陽ちゃん、凛ちゃん、ことりちゃん。穂乃果ちゃんは四人と今でも肉体関係を持ってる」

絵里「な……なにを言ってるのか全然わからない」

希「そのまんまの意味や……簡単に言えば……四股」

絵里「は、はは……」




絵里「――なるほど……嫉妬してるのね?」

希「え……?」



絵里「穂乃果と私の仲が羨ましいから、そういうことを言って引き裂こうとしてるんだわ!!」



希「ちょ、ちょっと……」



絵里「――ふざけないでっ!!!」




希「ち、ちが……ウチは」




絵里「もう行くから、そんなこと二度と言わないで」



希「……待ってよっ!!!」


 叫んだ声がアパートの中に響き渡る。とびきり可愛く着飾ったえりちにはウチの声、届かない? 恋に溺れてしまった女の子に、女の子の言葉は、届かない?



 ウチは助けてあげたいだけ、このままじゃえりちが傷つくことくらいわかるから。ああ、でも……やっぱりウチにはなんにも出来ないのかもしれない。

◆――――◆


海未「ふっ……」



ことり「わぁ……」パチパチ




海未「こんなものを見ていて、楽しいのですか」


ことり「うんっ」


海未「もの好きですね」



ことり「もう弓道部の練習も終わってるのに、自主練なんてする必要あるの?」


海未「しておかないと、気が済まないんです」

ことり「……そっか」


ことり「海未ちゃんが頑張ってるの、ことり知ってるから。だから……辛かったらいつでも言って欲しいな?」



海未「私は大丈夫ですよ」



ことり「それならいいんだけど」



海未「――私には、あなたの方が心配ですよ」

ことり「え……?」

海未「何か悩みごとがありそうですが」

ことり「……」

海未「いつもより声色が高い、いつもよりオーバーリアクション、何か心の内を隠している私にはそう感じます」

海未「ただの勘といえば勘なので、何も無かったら聞き流してください」




ことり「……あ、あのね」


海未「なんでも言って下さい、言いたくないのなら、それ以上は問い詰めません」



ことり「ごめん……」



海未「そうですか……」



 ごめんね、海未ちゃん。本当は話したいんだよ? 本当は話を聞いて欲しくてこんなところでふたりっきりになってるんだよ? でもね、この悩みを話すとね、海未ちゃんの信用も全部無くなりそうな気がするの。



 穂乃果ちゃんとの関係を話すのは、何よりも、怖いの。





 穂乃果ちゃんは、あれ以来ことりと身体を重ねることはなくなった。あれ以来というのは、希ちゃんを襲っているところをことりが見つけて、その後ことりの家で交わった時。




 あの時から、なんだか穂乃果ちゃんの雰囲気が変わったんだ。


 わからない、なんなのかわからないけれど……。

 すっごく、胸騒ぎがする。

◆――――◆


穂乃果「わぁ、絵里ちゃん可愛い……」

穂乃果「どうしよ……穂乃果制服のままだよ」


絵里「それはそれでいいんじゃない?」


絵里「私は、穂乃果といられればそれで……///」



穂乃果「穂乃果もだよっ」



穂乃果(そろそろかなぁ、そろそろ我慢出来なくなる頃だと思うんだけど)



絵里「今日はどこへ行く?」


穂乃果「適当にぶらぶらしよっか」

絵里「そうね」



テクテク



ギュッ



絵里「!?」

穂乃果「えへへ、手汗かいちゃったらごめんね?」ニコッ




絵里「……////」


 こんなの、夢、みたい。穂乃果は、私のことだけ見てくれる、そう私のことだけ――。





 ――希の言ってたことなんて、ありえないっ。

 そうありえないんだから……。




穂乃果「暗くなってきちゃったねー」


絵里「そうね、ご飯でも食べる?」


穂乃果「うんっ、どこ行こうかなー」



 
絵里「あれ……?」


 穂乃果と手を繋ぎながら、適当に街をぶらぶら。雑談をして、笑いあってこれだけで本当に幸せで、時間を過ぎるのも忘れてしまう。辺りは暗くなって、雰囲気が変わっていることに気がついた。


穂乃果「ありゃ……変なとこ来ちゃったね?」


絵里「そ、そうね」


絵里(いやらしいホテル、ばかり……)

穂乃果「……」




絵里「ほ、穂乃果……///」モジモジ




穂乃果(……きたきた♥︎)




穂乃果「……絵里ちゃん」





チュッ



絵里「……」///





穂乃果「ごめん今お金持ってないんだ……ねえ、今からウチに来ない?」ギュッ


絵里「……ええ」

◆――――◆

穂乃果の家




穂乃果「ちゅ……んぅ……♥︎」

絵里「……ちゅ……ん」



絵里「……」


絵里「はぁ……はぁ……♥︎」////ビクビクッ


穂乃果「可愛い……」



穂乃果「気持ちよかったよ? 絵里ちゃんは?」


絵里「声……抑えるの大変だったわ」



穂乃果「ごめんね、こんなところで」


絵里「うん」


絵里「穂乃果、こんなに上手くなってるなんて……」



穂乃果「初めて気持ちよくしてあげられた、かな?」



穂乃果「大好きっ……」

絵里「私もよ……」

絵里(ほら、希……穂乃果は私のことだけ見てるわよ? えっちだってしたんだからそうでしょ?)


絵里「ねえ、穂乃果……私のことだけ、見てくれる?」



穂乃果「……?」



 あ、あれ? なんでそんな顔するの? 即決してよ、私のことだけ見るって好きだって。




穂乃果「穂乃果ね、――絵里ちゃんも含めて、彼女四人いるのかな?」



絵里「……え?」



穂乃果「だから、絵里ちゃんのことだけを見るのは無理だけど……うん、絵里ちゃんすっごく気持ちいいし、可愛いから好きなのは変わらないよっ」



絵里「……」



 この人は、何を言ってるの?



絵里「ほ……穂乃果? 私だけ、でしょ?」



穂乃果「ううん? 希ちゃんと、花陽ちゃんと、凛ちゃんと、絵里ちゃん! ことりちゃんはちょっと違うかな?」

絵里「どう、して」


絵里「私のこと好きって!!」



穂乃果「だから好きだって。でも他の人も好きだもん」



絵里「ふざけないで!!!!」ドンッ



穂乃果「いった……」


絵里「遊んでたって、こと」


穂乃果「違うよ、好きだよ、絵里ちゃん」







穂乃果「――昔みたいに、お姉ちゃんって呼びたいくらい♥︎」







絵里「うるさいっ!!!」



絵里「……ひどい……酷いっ」




絵里「私は、あなたの彼女でもなんでもないっ!!!」




穂乃果「……」









穂乃果「――ふーん……そっかあ」

穂乃果「絵里ちゃんがそういう態度取るなら別にいいよ? 希ちゃん花陽ちゃん凛ちゃんといっぱいえっちするから」


絵里「……え」

穂乃果「でももう絵里ちゃんとえっちしてあげないし、デートだって行ってあげないよ?」



絵里「……っ」









穂乃果「あーあ――絵里ちゃんのこと、嫌いになっちゃうかも」




絵里「……そ、それは嫌……!!!」



 あんなに気持ちよくなれることなんてないし、あんなに楽しい時間を過ごせることなんてないし、だから今更それらが全部取り上げられてしまうなんて……考えられないっ。


 夢のような時間を失いたくない、穂乃果が倫理的におかしいことだなんてわかってる、でも……っ!!!



絵里「嫌だ……嫌わないで」



絵里「お願い……っ」ブルブル




穂乃果「穂乃果の彼女になりたい?」

絵里「……」




 他の人もいる、私のことだけは見てくれない。でも……嫌われるよりは、よっぽどマシ。





絵里「――彼女に、して下さい」ポロポロ




穂乃果「ひひ……喜んで♪♪」

◆――――◆


1週間後



穂乃果「もう夏も終わりだねぇ!」



穂乃果「――じゃあ今日は誰としようか?」

希「……」


穂乃果「今日は絵里ちゃんだっけ?」


絵里「いや今日は、希よ」

希「……」

希「う、ウチはいいから他の人に譲ってあげて?」


穂乃果「えー、穂乃果希ちゃんとしたいよー」

穂乃果「だめ……?」

希「いい、けど」


穂乃果「嫌なら無理にすることないよ?」


希「……大丈夫」



穂乃果「やったっ!」







にこ「――ねえ、なんの話をしているの?」

穂乃果「」ビクッ

穂乃果「な、なんでもないよー」

にこ「……」

穂乃果「な、なんでそんなに睨むのさー……怖いよ」

にこ「……そう」




穂乃果「もう、最近にこちゃんが怖いよー……」

穂乃果「みんな、にこちゃんには言わないでね? バレたら絶対怒られちゃう」

希「……ねえ、穂乃果ちゃん」

穂乃果「?」

希「――もうやめよう?」


絵里「希……?」






穂乃果(……なんだ、まだ落とし切れてなかったか)



希「こんなことしても、辛くなるだけ、後から……怖くなるだけ」

穂乃果「ふーん……」





凛「や、やめなよ希ちゃんっ」

花陽「穂乃果ちゃんに嫌われちゃうよぉ……」



希「っ……」



絵里「……」



穂乃果(希ちゃん以外はばっちりだね。絵里ちゃんも穂乃果がいないともうダメみたいだし)


穂乃果「穂乃果はいいよ。ねえ、希ちゃん、それでいいの?」




希(なにこれ……穂乃果ちゃん、怖い……)



希(みんななんでウチに味方してくれないの? なんでそんなに穂乃果ちゃんに……っ)




穂乃果「もう一回聞くね? いいけど――いいの?」







希「……」ゾワワ

希「っ……ごめん」



穂乃果「あは♥︎」


穂乃果「希ちゃん大好きっ!!!」ギューッ

◆――――◆



穂乃果(海未ちゃんは多分無理……真っ直ぐすぎるからきっと穂乃果の話を聞いた瞬間拒絶されそう)


穂乃果(にこちゃんは絶対無理だから諦めて……バレないように味方を増やそう♥︎)




穂乃果(あとはことりちゃんと真姫ちゃん……ことりちゃんは大丈夫だよね)



穂乃果(希ちゃんがちょっと不安だなぁ)



穂乃果(――まああとは、真姫ちゃん、か……)



絵里「ねえ、穂乃果、今度は私よね!?」


穂乃果「え、そうだっけ?」


絵里「そうよっ、ねえ、早く帰ってしましょう?」


希「まだ練習中」


絵里「そうだけどっ……」

希「ちょっとえりち、夢中になりすぎるのも」




絵里「――希はいいわね、穂乃果にたくさん相手にしてもらえて」



希「そういう意味じゃ……」


穂乃果「ほら喧嘩しないっ」


絵里「……」




穂乃果「そうだ、どうする? 三人でしてみる?」

穂乃果(……希ちゃんの不安要素を消すチャンス!)



絵里「三人……?」


希「え!? で、でもっ……」




穂乃果「そ、やってみよう?」

◆――――◆

希の家



絵里「あっ♥︎ああぁぁ♥︎そこっ♥︎」



穂乃果「あんっ、んんぅ♥︎」



 ウチの一番の友達が他の誰にも見せない顔で声をあげている。ウチの部屋、ウチのベッドで発せられる甲高い声は、軋む音さえ打ち消すほどに大きなものだった。自分が穂乃果ちゃんとする時、いつもああいう声と表情をしているのかと思うとゾッとする。そして、いつも凛々しくてかっこよくて綺麗で頼りになる友達が……女になっているところを見せつけられるのは、初めての経験。


 あんな声を上げるんだ、あんな表情をするんだ。穂乃果ちゃんはまるでえりちの全てを握っているみたいだった。



穂乃果「ほら、もっと希ちゃんに声、聞かせてあげようっ!?」ヌチュヌチュ


絵里「ひぃぁ……♥︎やだっ、いやっ、見ないでのぞみぃっ!!♥︎」////




穂乃果「――お姉ちゃん、気持ちいい?」ボソッ




絵里「ひゃぅぅ♥︎♥︎」


 ことの発端は、今日ウチが穂乃果ちゃんに少しだけ反発してしまったことだ。


 三人でするって言い出した穂乃果ちゃんは、ウチの部屋に入った瞬間ウチなんかいないみたいに、えりちに襲いかかった。


 最初はえりちだって嫌がってた、そりゃそうだよね? ウチの部屋やし――ウチもいるし。でも、穂乃果ちゃんがえりちと深いキスをした瞬間、えりちはそんなことどうでもよくなってしまったみたい。




 なにそれ、まるで魔法、いや――呪いみたい。





 凛ちゃんも花陽ちゃんもえりちもその呪いにかけられてしまったってこと?

 穂乃果ちゃんには逆らえない、逆らうと嫌われちゃう、嫌われたくない、それだけ穂乃果ちゃんのことがみんな好きだから……それを、利用して。


 ――許せないっ……。


希「あっ……♥︎んぁっ……♥︎ふぅ、ふぅ♥︎」////



穂乃果「ほら絵里ちゃん、希ちゃんが穂乃果たちのえっち見てひとりでしちゃってるみたいだよ?」

絵里「えっ!? や、んっ♥︎」ビクビク////



希「あああっっっ////」ガクガクガク


穂乃果「あーあ、希ちゃん"また"イっちゃった」




 ――私も、その呪いにかけられちゃったのかな?


希「ほの、かちゃん……///」



穂乃果「なあに?」

希「ぅ」

穂乃果「欲しいなら欲しいって言わなきゃわかんないんだよ? 希ちゃんは穂乃果よりおねーさんなんだから、それくらい分かるよね?」



希「はぁっ、はぁ……//」

穂乃果「穂乃果ももう絵里ちゃんとして余裕なんてないから、早く言ってくれないと絵里ちゃんでイっちゃうよ」




 ダメだ。自分の身体が自分のものじゃ、ないみたい。


 気持ちよくなりたい、穂乃果ちゃんを身体で感じたいっ……。



希「くだ、さいっ……♥︎」



希「穂乃果ちゃんの、ウチに、下さい……////」






穂乃果「ふふ、喜んで♥︎」ニコッ





 穂乃果ちゃんの笑顔にウチの胸は高鳴る。ああ……もう呪いで、ぜーんぶ支配されちゃったみたい。

◆――――◆

音楽室






穂乃果「予選はこれで行くんだねっ」


真姫「ええ」

穂乃果「これなら大丈夫だよ!」




穂乃果(真姫ちゃん、綺麗な足だなぁ……)



穂乃果(こんな冷静な真姫ちゃんも気持ちよくなったりすると、可愛い声出すのかな?)


穂乃果(あー……えっちしてみたいなぁ♥︎)



 最近絵里ちゃんと凛ちゃんがしつこいんだよね。順番じゃないのにしたがるし。

 まあ、希ちゃんも


真姫「なにジロジロ見てるのよ」


穂乃果「真姫ちゃん、足綺麗だなぁって」

真姫「なっ……////」


真姫「この変態!」


穂乃果「ち、違うよ!」

ハーレムものにしても前提からおかしいからさ
素でこういう風になる可能性があるって思ってるのかはたまたキャラ崩壊だと思って創作してるのか気になるな
あ、ディスってるわけじゃなくて純粋な疑問


真姫「まったく……」



真姫「そういえばあなた……」

穂乃果「?」


真姫「もう大丈夫なの?」

穂乃果「え」

真姫「ほら……私の前で泣いたじゃない」


穂乃果「あ……」

真姫「最近なんだか楽しそうだけれど」


穂乃果「うんっ……もう大丈夫」





真姫(あ、相手は決めてあるって、こと……?)

真姫(誰なの……一体……)///ドキドキ


穂乃果(いける、かな……?)


穂乃果「ふふっ♥︎」







穂乃果「あ、そうだ」グイッ

真姫「ひゃっ///」



穂乃果「ねえねえ、真姫ちゃんいっつも曲作り大変だよね? 今日練習終わったらご飯食べいかない?」


真姫「ふ、二人で?」



穂乃果「うんっ――ま、真姫ちゃんと二人が……いいな?」


真姫(そ、それって……)



穂乃果「い、嫌ならいいんだよ!?」////ジッ



真姫(な、なによこれ……かわ、いい……)////


真姫「ぅ」

穂乃果「?」

真姫「別に、いいけど……」カァァアアアアア



穂乃果「やった!!」ピョンピョンッ








穂乃果「――やった……♥︎」

終了、また次回。


>>637
基本的にラブライブには恋愛要素も男要素もないので、そういった本編に無いことは全て私の妄想です。既存の設定の中にさらに設定を加えていますし、やはり二次創作ですのでキャラ崩壊は覚悟しています。私自身もそう思うので、第三者から見たらさらに差異があるのだと思います。




なのでキャラ崩壊注意の前書きも必要だったのかもしれません。次スレがあるとすれば書いておきます。

◆――――◆


にこ「おふたりさん、どこへ行くの?」


ことり「珍しいね?」


穂乃果「そうかな?」

真姫「別に……」


穂乃果「真姫ちゃんにね、お礼として、ご飯奢ってあげるの!」

真姫「奢ってなんて……」

穂乃果「いいのいいのっ!」





希(穂乃果ちゃん……今度は真姫ちゃんのことを……?)


希(こんなの、ダメなのに……っ)








にこ(やっぱり、何か変ね)




海未「真姫はがんばっていますからね」

穂乃果「あ、海未ちゃんも……」

海未「いえ、私は大丈夫です」

穂乃果「また今度ね?」



穂乃果「じゃ真姫ちゃんいこっか!」ギュッ

真姫「っ……///」





ことり(なんだかすごく積極的……ことりもされたい、な)


ことり(でも、なんだろう……最近の穂乃果ちゃんにされても嬉しくない、ような)



にこ「……」キョロキョロ




にこ「ねえ海未、ちょっといいかしら」

海未「……はい?」

真姫「ぅ……//」


穂乃果「ぁ……ご、ごめん……こういうの、嫌……だよね?」



真姫「べ、別に……穂乃果がしたいなら、好きにすれば?」



穂乃果「ほんと!? えへへ……」ギュッ




真姫(おかしく、なり……そう)




穂乃果「ねえ真姫ちゃん……」

真姫「なによ?」



穂乃果「穂乃果お腹いっぱいになって眠くなってきちゃった」



穂乃果「真姫ちゃんちでちょっとだけ休みたいなー……なんて」



穂乃果「迷惑だろうし……だ、ダメならいいんだけど」


真姫「別に、構わないけど」



穂乃果「やった!!」

◆――――◆


にこ「手遅れになってからじゃ遅いのよ!!!!」

海未『っ……そんなに大きな声を出さないで下さい』

にこ「ごめん、でも……!」

海未『穂乃果が、µ’sのメンバーに手を出している……でもそんなところ……』


にこ「そりゃあ警戒するでしょ、前は私に見つかってから全員にバレたんだから」


にこ「あんたは、穂乃果のことプラスの目で見過ぎなのよ。あいつは男なのよ、なにが起きたって不思議じゃない……」


海未「……」


海未「にこは穂乃果のことを、信用していないんですか」



にこ「信用したいわよ! ……でもっ」


◆◆◆◆――――◆◆◆◆


穂乃果「まだ親御さん帰ってきてないんだー?」

真姫「そうみたいね」

穂乃果「いつ帰ってくるかわからないの?」

真姫「ええ」

穂乃果「……寂しくないの?」

真姫「……今は穂乃果がいるし」

穂乃果「……//」


穂乃果「あはは、そう言ってくれるとすっごく嬉しいな」


真姫「前はここですーすー寝てたものね」



穂乃果「あの時は……暑くて……はは」


真姫「もう一ヶ月は経ったかしら」


穂乃果「そうかも」

真姫「ねえ、あんまりこういうことは聞きたくないんだけど」









真姫「――へ、返事とかは……」




穂乃果「……」

穂乃果「うーん……穂乃果ね、真姫ちゃんのことも好き」


真姫「も……?」


穂乃果「穂乃果、他にも好きな人がいて……」

真姫「なによ、それ……迷ってるってこと」

穂乃果「ごめんね……」

穂乃果「自分の気持ちが、よくわからないの」

穂乃果「穂乃果……どうすれば……いいのかな……?」

真姫「穂乃果……」ギュッ


穂乃果「真姫、ちゃん」

真姫「そんなに悩むことないわ、だってみんな穂乃果のことが好きなのよ? 選ばれなくたって、恨んだりしない、穂乃果に幸せになって欲しいって思うはずよ」


穂乃果「そうなのかな……」



真姫「ええ」

穂乃果「真姫ちゃん……真姫ちゃんのこと、好き、好きなのにっ……」


真姫「……」ギュッ



穂乃果「ねえ、真姫ちゃん、えっちしよ?」

真姫「え……?」

穂乃果「自分の気持ち……わかるかもしれないから」

真姫「そ、それって……」



 自分の気持ちを確かめたいがために、私と、したいっていうこと?



真姫「で、でも……私たち、恋人でもないのに……え、えっち――セックス……なんて!」





穂乃果「そ、そうだよね……」







穂乃果「ちっ……」






真姫「……」

 裏を返せば……セックスをさせてあげれば、穂乃果は私を選んでくれるかもしれないって、こと?


 そういえば穂乃果は希ともしてたみたいだし……そういうことに対する抵抗は少ないのかしら。でも……私は初めてだし、それにっ……。



真姫「……穂乃果とセックスすれば、私のこと……選んでくれるの?」


穂乃果「それは、わかんない、けど……。でも選びたくなるかも」


真姫「っ……」



 こんなに人を好きになったのは、初めて。私が少しだけ我慢して身体を好きにさせてあげれば、私は幸せになれるかも、しれない? 穂乃果と二人で出かけたりダラダラしたり、なんにもないことで笑いあって……。



 そんな未来があるといい、ならそれは……勝ち取らなきゃいけない。

真姫「……私、処女なの」


穂乃果「え……?」


真姫「初めては本当に好きな人にあげたいって思ってる」


 好きな人なんて、この人以外に現れることがあるのかな?



真姫「私は穂乃果のことが好き……っ」



穂乃果「それって……」




真姫「……優しく、して」






穂乃果「……♥︎♥︎」ニタァ…









 きっと間違ってない、この人になら私の身体くらい……捧げられる。


◆◆◆◆――――◆◆◆◆

穂乃果「はぁっ……♥︎」

穂乃果「気持ちいいよ、真姫ちゃん……っ♥︎」


 穂乃果が、とっても幸せそうな顔をして、私の膣内で暴れまわる。暴れまわるって言っても、それは穂乃果のが大きいからで本人はとっても優しくしてくれているんだと思う。

 向こうから初めてのキス。深く深く繋がっていくほど、幸せになれた。最初は少しだけ抵抗があったけれど、今の穂乃果は私のことだけを見てくれている。たったそれだけのことがこんなに幸せだなんて想像も出来なかった。


穂乃果「真姫ちゃん、きもちい?」

真姫「んっ、ふぅ……♥︎」


 こんなに身体が密着して――ううん、本当の意味で繋がって、穂乃果が気持ち良さそうにしているだけで私も嬉しくなってくる。物理的な快楽でいえば、少し痛いから、正直なところ一人でする方がいいんだけど……それはきっと慣れていないからよね?


 でもセックスっていうのはある種のコミュニケーションだということも聞いたことがある。それならば、ちゃんとセックスは出来ている、のかしら。

真姫「ほの、かぁ……♥︎」

穂乃果「好きだよ、真姫ちゃんっ♥︎」グチャ…グチャ

穂乃果「はぁぁぁ……♥︎生すごぉぃ……♥︎////」ガクガクガク



穂乃果(ゴム無かったからって、生でさせてくれるなんて、最高ぉ……♥︎)

 そっか、生でしたことほとんどないとか……言ってたわね。こういうことをたくさんしてきたんだろうけど、それでも数少ない中に私は入れたってこと、よね? 


真姫「んぅぅ♥︎穂乃果、穂乃果…っ♥︎」

穂乃果「はぁ、っ♥︎はぁ♥︎きもち♥︎きもちぃよぉ♥︎」

穂乃果「イっちゃ、う……///♥︎ごめ、んね♥︎全然もたないや……あはは♥︎」パンパンパン


穂乃果「はぁぁぅん♥︎出すよ、膣内で出していい!?」


真姫「な、膣内は……!!」


穂乃果「ダメ……?」

真姫「え、えっと……」



 今日は大丈夫な日だったかしら。……た、確か、そうだったはず……。大丈夫な日なんて、厳密に言うとないけれど、確立はかなり……低くなる。


 穂乃果がそうしたいなら、私は……。


 それで特別な存在になれるなら一回くらい……一回くらいなら……。





真姫「……///」コクッ




 穂乃果はさっきよりも強く私に抱きついて、獣になったみたいに腰を早く振り出す。快楽を求めて、穂乃果はこんな声を出すんだ、他の人が知らない穂乃果を私は見ている。

 

穂乃果「ふぁぁ♥︎ひゃ、ぁ♥︎イく、イくイくっ♥︎……っっ♥︎」

真姫「あっ♥︎んんぅ♥︎」

穂乃果「ああああっっ♥︎あっ♥︎」ビュルルルルルッ


穂乃果「ふぁっ♥︎あっ、まきちゃ♥︎」ビュクッビュクッ



 穂乃果のモノがびくびくと震えているのを膣内で感じる。モノだけじゃなくて身体全体もこれ以上ないってくらい震えてだらしなくよだれも垂らして、その快楽を一身に受け止める穂乃果の表情は本当に幸せそうだった。



 やがて射精が終わって、脱力すると、穂乃果は優しく微笑んで私に優しくキスの雨を降らせた。






 ああ……とっても幸せ。この幸せがずっと続けばいいのに。ずっと、ずぅっと。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

夜来れたら来ます

◆――――◆

ニ週間後



穂乃果「ふぁぁ……おはよう」



海未「おはようございます、眠そうですね」


穂乃果「んぅぅ、電車乗るのめんどくさーい」


穂乃果「いいなー海未ちゃんは歩いて行けるから」

海未「そうですか?」


海未「そういえば最近穂乃果と真姫、とても仲が良いような気がするのですが何かあったのですか?」

穂乃果「え、そうかな?」


穂乃果「うーん、そんな感じしないけど」

海未「……」


穂乃果「海未ちゃんこそ、どうしたの?」

海未「いえ、なんでも……」


穂乃果「そっか、じゃあ穂乃果学校行くね!」

海未「はい、ではまた放課後」




 穂乃果が背を向けて角を曲がっていくと、何故か肩の荷が下りるというか、安心するというのでしょうか……とにかくなんだか楽になりました。

 にこから穂乃果の話を聞いてからというもの、穂乃果の行動をよく見るようになり、穂乃果の言動に気をつけるようになったからなのでしょうか。

 穂乃果が、まだ手を出しているだなんて、考えられません。でも……意識して見ればみるほど、昔とは状況がかなり変わっていることに気がついてしまいました。

 絵里と凛は常に穂乃果のことを見ているし、穂乃果は花陽に対して少しだけ棘のある言い方をすることが多くなり、それに対して花陽は嬉しそうにしています。それに希は――。






海未「……なぜ、穂乃果と話す時、あんなに辛そうにしているのでしょうか」

 もう、何かがあることは間違いないなのかもしれません。あの日、二人で穂乃果が真姫とご飯を食べに行った日から、真姫も同様に穂乃果に対してさらに距離を縮めたようでした。

 ならば、一体何が起こっているというのでしょうか。

 にこはこの状況に気がついていた、ということですか。



 ことりの様子がおかしかったのも……穂乃果絡み……?


 それなら繋がりますね。……だとしたならば、なんで何も気がつけなかった……?



海未「……」

 

 ――私は……穂乃果のことを、疑っている? 



 そんな、あんなに明るくてみんなのことを引っ張って思いやりのある人が、女の子を弄ぶなんて、ありえません。




海未「私は一体何を考えているんですか……!!」

◆――――◆


にこ「気がついたのね」

海未「……」



海未「ただ、仲が良いだけでは……」



にこ「今までと明らかに違う態度をとってるのに、ただ仲が良いだけ?」




にこ「穂乃果の言うことを完全肯定して、まるで餌が欲しい猫みたいに媚売りをしてる人達が、いつもと同じだって言いたいの?」




海未「……」





にこ「――はっきり言って、穂乃果に媚びすぎてて、気持ち悪い……」




にこ「みんなに、こんなこと言いたく、ないけど……見てればわかるでしょ!?」


海未「……」


海未「穂乃果は、そんなこと、しません……」

にこ「じゃあ希の時のこと忘れたの!?」

海未「っ……」


にこ「あいつだって、男なの……」



海未「そんなこと、私もよく知っています」

にこ「どういう意味」



海未「――以前そういうことをする寸前まで、行ったことがありますから」

にこ「!?」


にこ「あ、あんたも……?」

海未「……ですから、あの優しい穂乃果が複数の女の人に手をかけるとは、思えないんです」






海未「――私は穂乃果のことを信じたい、です」

にこ「そう……あんたなんで矛盾してることを言ってるの?」

海未「え……」




にこ「それ、付き合ってもないのにあんたに手を出したってことじゃない……」



海未「……それは私が!!!」

海未「……っ」


にこ「……私がおかしいの?」

にこ「それが普通、なの?」


にこ「いくら仲が良いからって、好きだからって……まだ友達なのに、身体を許すことが私には理解出来ないっ……!!」


海未「……」



にこ「本当に好きになって、それで――ごめん……私……時代遅れなのかもね」



海未「そんなこと、ないと思います。私も……そうですから。ただ……その時だけは……」



にこ「そう……」




海未「……ことりに話を聞いてみますか? 見たところことりは他の人よりは普段通りです」


にこ「確かに、ことりなら何か知ってるかも?」

◆――――◆



ことり「……」


海未「お願いします、何か知っていることがあれば」

ことり「穂乃果ちゃんが、他の人と……」


にこ「あくまで可能性の話。私たち以外の三人の様子が少しだけおかしいの」

ことり「言われてみれば……わからなくも、ないかも」

ことり「ことりは、なんにも知らない、ほんとだよ?」

にこ「そっか……」

海未「ことりも知りませんか」



にこ「なら――ことり、あんたはどうなの?」

ことり「え……?」


にこ「あんたは穂乃果との肉体関係は、あるの?」

ことり「……」



海未「そんな、ことりがあるわけ――」

ことり「あ、あった、よ……」


海未「っ……!!」


海未「そ、そうなのですか?」

ことり「――ずっと、あったよ。中学生の頃から、つい最近まで」

海未「……どうして」

ことり「穂乃果ちゃんがしたいって言ってきたから……それに、ことりも……」

ことり「こ、こんなこと、言うの怖いんだよ? 海未ちゃんになんて言えばいいかわかんないんだもん!!」



海未「……」

ことり「その……今まで、黙ってて……ごめんね?」


海未「いえ……いいんです」



にこ「なるほど」

にこ「ならそのことりみたいな感じで手を出してる可能性が全然あるってことね」

海未「にこ!」


にこ「なによ、あんたの信頼してたことりでさえ肉体関係があったのよ?」


ことり「……」

にこ「あんた達が穂乃果のことを信頼したいっていうのは良くわかる」



にこ「信頼するなとは言わない。でも百パーセントは信頼しないで、九十パーセント信頼していて」

にこ「穂乃果に何も無かった時、悪者になるのは私だけでいいわ」



海未「そんな……」





にこ「ただ――残りの十パーセント、全力で疑いなさい」

◆――――◆


一週間後




真姫「はぁ、はぁ……」

凛「真姫ちゃん大丈夫……?」

真姫「ごめん……今日も無理かも……」



花陽「大丈夫じゃないよね」

真姫「いえ……」


 どうしよう、また熱っぽい気がする……。ここ最近なんか、身体が重い……風邪かしら?

 風邪ってより、生理前の状態にかなり近い感じ、だけれど……。生理かな……。


 こんなになるのは初めてね。


真姫「今日も練習、出れないかも……」

凛「そっかあ」


凛「授業中も寝てたもんね?」

真姫「なんだか、すっごく眠くて……」

真姫「ほんと、なんなのかしら」

花陽「無理はダメだよ?」

真姫「ええ」パカッ


真姫(あ……冷やしトマト入ってる……やった)パァァッ

花陽「ふふ」

真姫「な、なによ」

花陽「ううんなんでもないよ」


真姫「もう……――あむ」パクッ



真姫「え……?」


 あれ、私、トマト食べてるのよね?

凛「どうしたの?」


 ――あんまり、美味しくない……?


真姫「……?」

 なんだろう、なんだか身体が、おかしい……。

真姫「いえ、なんでもな――」



真姫「――うっっ……」


凛「真姫ちゃん!?」


 な、なにこれ……気持ち、悪っ……。心配する凛と花陽を振り払って、私はトイレに駆け込んだ。





真姫「おええっ……」


真姫「はぁ……はぁ……」





 他の個室に誰か入ってるかもしれない、でも今の私にそんなこと気にする余裕なんてなくて、突然襲ってきた吐き気に身体を委ねる形になってしまった。



真姫「なに……一体、私は……」


 ――どうしちゃったの?





真姫「き、今日も穂乃果と……しなきゃなのにっ」






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

チビチビでごめんなさい。また明日。

◆――――◆



穂乃果「うーん……真姫ちゃんどうしちゃったのかなあ?」


凛「なんだか体調悪そうだったにゃ」


花陽「ここ最近ずっと調子悪いって言ってたよ」


穂乃果「ふーん」


穂乃果(もお……帰っちゃうなんてひどいよ。今日は真姫ちゃんとする日だったのに)




穂乃果(あ、メール来てた)




 ごめんなさい、今日はちょっと身体の調子が悪いの……本当にごめんね?




穂乃果(ふぅん)


穂乃果「あ、ねえねえ希ちゃん!」

希「?」

穂乃果「今日ね、本当は違う人とするつもりだったんだけど……」


ギュッゥ


穂乃果「穂乃果、希ちゃんとしたくなっちゃった……」





穂乃果「――ねえ、練習終わったら……希ちゃんの家行ってもいい……?」


希「……///」



希「で、でも……っ」



穂乃果「おねがいっ」



希「……うん」

◆――――◆

1週間後


生徒会室




 言うことを聞かないっていうのは、とっても辛いね。


 心と身体が一緒にならないっていうのは、とっても辛いね。


 結局何も変えられない。結局何も出来ない。偉そうな態度で知ったかぶって、雰囲気だけ出して、最後は人任せ。にこっちの時もそう、端から見ていて可哀想と思っても結局何もしてあげられなかった。――ああ、なんだ、ウチ変わったつもりでいただけなんや。


 本当に変わったのなら、見せてみてよ? 穂乃果ちゃんの誘いを断ってそれは間違ってるって真っ正面から言えるくらいの度胸を見せてよ?

 関係が変わるのが怖くて、好きな人に嫌われるのが怖すぎて、そんなこと出来るはずもない。


 断ってしまったらウチに笑ってくれなくなる? もう、あんなに気持ちいいことをして貰えなくなる?




 慣れたはずの一人暮らしの寂しさ。でも最近部屋に一人でいるとどうしようもない孤独感に苛まれる。そしてそれは……穂乃果ちゃんと触れ合い、交わることで和らいでしまう。穂乃果ちゃんがウチだけ見てくれるのならば、それもいいのかな? 毎日毎日家によって2人で雑談してえっちして……。

希「っ……」


 ウチを選んでくれたなら、料理だって練習しようしたいことさせてあげよう、二人で色んなところへ行こう、週末はお泊りとかして――。






 穂乃果ちゃんとの幸せな妄想は――まるで、劇薬だった。



 もしかしたら、あの人にそんなつもりは無いのかもしれない、一人を選ぶつもり、なんて……。


 だとしても、穂乃果ちゃんを想うのを、行為を受け入れるのをやめられないのは……。


 ――結局、みんな穂乃果ちゃんのことが好きすぎるんだ。




希「ぅ、うぅ……」


 ほら、こうやって独りで泣いてたって意味ないよ? でも、それでも……自分の無力さに……涙は止まらない。ウチが行動して、仮に穂乃果ちゃんの立場が失われてしまったら……?

 穂乃果ちゃんがいないとµ’sはµ’sじゃない。この言葉も、今となっては別の意味になってしまった。はたして、その中心がいなくなった時、一体どうなるんやろう。





 お互いを尊重し合う気持ちも忘れて、自らの欲望に忠実に行動するみんなが――そこにはいるのかもしれない。






希「だれか……たす、けて……」ポロポロ






にこ「――こんなとこにいたんだ」


希「!?!?」



にこ「……どうしたの!?」


 天使かな、悪魔かな。


にこ「ど、どうして泣いてるのよ……」


 本当の意味で強くて、頼りになって……。


にこ「私に教えて……?」



 この爛れ切った空気を昔みたいに戻してくれるのか。



にこ「……大丈夫、泣かなくていいわ」ポンポン



 それとも、全部、壊してしまうのか。


にこ「……私のこと、信用して欲しい」





 ――一体、どっちなんやろうね?

◆――――◆



真姫「ねむ、い……」


真姫「なに、よ……これぇ……」



 ちりちりと痛む下腹部、眠気が収まらない。

 普通の風邪とは明らかに違うってことくらい、わかる。そもそも体調が悪いのは少し前からだし、薬も飲んで安静にしていたつもり。でも症状は改善しないし、むしろ悪化している。吐き気はあれ以来ないけれど……。



 風邪ではないとしたら、一体なに? 違う可能性としたらお腹の痛みが、生理痛のそれとそっくりなことくらい……。


 私だって、女だ。


 女としての一番の役割であること、それの知識くらいある。

 今の時代ドラマや小説なんかでもそういうシーンは出てきたりするから男の人でも知ってる人は多いかもしれない。





 ――私の中の、妊娠、というモノの知識と……今の私の症状は、一致してしまっている。

真姫「っ……」

 まさか、そんなこと。

 私が妊娠……? まだ高校一年生よ? ありえない、ありえるわけないわ。


 否定の言葉しか出て来ないけれど、私には心当たりがあった。一ヶ月と少し前、穂乃果と初めて身体を重ねた日、私は気分の高鳴りからつい膣内で出すことを許可してしまっていた。


 なんにも心当たりがないのならただの風邪、重めの生理痛で済ますことが出来た、でも……。








真姫「――どう、しよう……妊娠してたら……どうしようっ……!!!」





 勉強机に肘をつき、頭を抱える。視線の先には、検査済みの二本の妊娠検査薬が置いてある。それは帰り道、不安で押しつぶされそうになって、ドラッグストアで買ってきたものだった。二本にしたのは、一回の検査では確実性がないと思ったからだ。



 一回は帰ってきてすぐに検査したし、もう一回は眠気に耐えてさきほど検査したばかり。



 ……あとは、この裏返してあるものを表にして確認するだけ。

真姫「……」ブルブル


 怖い、怖い怖い怖い。



 確かめたくはない、だってもし反応が出たら……? 
 
 医者になるっていう目標は、みんなでラブライブに出るっていう目標は……? それらが全部潰されるかもしれないという恐怖に、耐え切れるとは思えない。でもここで有耶無耶にして、残りの期間を……怯えながら過ごすのにも耐えられなかった。



真姫「大丈夫、大丈夫よ……ただの生理痛」


 そう、大丈夫よ。問題、ない……。生理が少し遅れてるのだって、きっと……。




真姫「……ごくっ」



 深夜の3時、襲ってくる眠気を振り払って検査済みのものを手にもつ。裏返して確認するだけ、そう、それだけよ……!!




真姫「っ!!」バッ……




真姫「――……ぁ」



 判定の部分の二つの小さな四角の中。






 ――そこには、魔女の唇みたいに、不気味な紫色の実線が色濃く浮かんでいた。


◆――――◆


海未「本当、なのですか?」

にこ「そうなのよね、希?」


希「……」コクッ


ことり「そんな……」


ことり「穂乃果ちゃん……」



ことり(そっか……ことりじゃ……穂乃果ちゃんの道具にも、なれないんだね……)



ことり「っ……」ギリギリ



にこ「つまり――あいつは私たちが知らない間に五人も手にかけていたってことね」

にこ「それも誘われたからとかじゃなくて――悪意を持って」


希「あ、悪意……とかじゃ」

にこ「希の話を聞く限り、ただ快感を得る為の道具としてしか見られていないように感じたんだけど」


希「っ……」

にこ「ごめん……辛い、わよね」



ことり「……」


にこ「――私……もう我慢出来ない」

海未「な、なにをするつもりですか!?」


にこ「あいつと話をつけるの」

希「ま、待ってにこっち」

にこ「なに?」

希「ダメ……お願いだから、穂乃果ちゃんと喧嘩、しないで……?」

にこ「喧嘩じゃない、ただ話をするだけ」


希「それも……ダメ」

にこ「どうしてよ!!」





希「――バラバラに……なっちゃう……!!」



海未「どういうことですか」



ことり「こ、ことりも……やめた方がいいと思うな……」

にこ「あんたまでなにを言い出すのよ」

ことり「だって……」


海未「――ここは、きっちりと話をつけましょう」


ことり「海未ちゃん……」



希「やめて……お願いだから……っ」


にこ「……ごめんね、希」



にこ「――もう、友達が辛い想いしてるの……見ていられないの」

◆◆◆――――◆◆◆


放課後




穂乃果「くす……我慢出来ないの?」



絵里「そ、そうじゃないけど……き、今日の順番は私でしょ?」

穂乃果「あれ、そうだったっけ?」


絵里「ひ、ひどいわよ……」

凛「今日は凛がするんだから、ダメにゃ」

絵里「なんでよっ!!!」

穂乃果「はいはい、喧嘩しない喧嘩しない」


穂乃果「絵里ちゃん最近しつこいから、おしおきだよ?」

絵里「そんなぁ……」


穂乃果「花陽ちゃんはこんなにいい子に待ってくれるのに、ね?」

花陽「……////」

絵里「……」ギリリリ







穂乃果「~~~♪♪♪」






にこ「ほら、分かったでしょう?」

ことり「……」


にこ「私たちがいないところでは、こんなになってた」

海未「穂乃果……なんで」


 四人で部室の中を覗き見た時、そこにいたのは女の子三人を道具としか見ていない、醜い男だった。

 その笑みには、純粋さの欠片も残っていない。


希「……」



にこ「入るわよ」


ガチャッ




穂乃果「――あ、四人共どこに行ってたのー?」ニコニコ

海未「少し……」


穂乃果「ふぅん」



 その男は、私たちを前にして仮面を被った。いつもみたいに、私が好きになった人が目の前にいた。でも、この人は私が好きになった人とは微妙に違う。親しい人にだけ見える、すぅっと透き通る、仮面の奥にある醜い姿。どうしてこんなことになってしまったの?

 にこにこと誰しもが惹きつけられる可愛らしい笑顔の裏に、自分の魅力を完全に理解してしまった、不気味な笑みが見えるみたい。馬鹿だと思っていたこいつは、何があったのかわからないけれど、知恵をつけたらしい。――女の子を絡め取って離さない捕食者としての知恵を。



穂乃果「にこちゃん、なんか機嫌悪い?」



穂乃果「穂乃果でよければ相談のるよ……?」




にこ「っ……」




 返して……私の好きな、穂乃果を……っ。



にこ「――いい加減に……して」

眠すぎてあれがあれなので明日終わらせます…また明日…

穂乃果「……?」



希「っ……」





にこ「私は、こうなって欲しくなかったからあんたに居て欲しくなかったのよ!!!」

にこ「私は、穂乃果のこと、信頼してたのに!!!!」




穂乃果「……」



 私の怒鳴り声が狭い部室に響き渡って外まで漏れていく。たった一言二言の言葉だったけれど、目の前の彼に笑顔は消えて……何が言いたいのか、もう理解しているらしい。



穂乃果「……なんのこと?」ニコニコ



にこ「っ!! ふざけんな!」



にこ「ここにいる七人はあんたのことが好きなのよ!! それを分かってるくせに、なんで、なんでまた手を出したの!?」


にこ「なんで弄ぶようなこと、したのよ!?」

穂乃果「……あはは」

穂乃果「……おかしいな、バレないようにしてたつもり、なんだけど。ふふ」

 ようやく、ようやく姿を見せた。不気味に笑って、大きな瞳が私を見つめる。

にこ「……やっぱり」

穂乃果「誰から聞いたのかな?」



穂乃果「……ああ」


希「っ……」


穂乃果「――言わないでって、言わなかった?」


 その笑顔が、その視線が希に移る。すると希は目を大きく見開いて、ブルブルと身体を震わせ始めた。


にこ「希……?」





希「ち、違うのっ……」

希「ごめん、ごめんなさ……」




穂乃果「……別に、謝ってもどうにもならないけどね?」

希「そん、な」


希「嫌……嫌いにならない、で」


 下を向いてぼそりと呟く。なに、一体……なんでそこまでして穂乃果に……。

 その呟きを無視して、穂乃果は私に向き直る。



穂乃果「で、にこちゃんは何が言いたいの?」

にこ「……出てけ」

穂乃果「?」


にこ「µ’sから、出て行って」


海未「にこ……」





穂乃果「えー……やだよ」


穂乃果「みんな可愛いし、一緒に居たいもんっ!」


穂乃果「にこちゃんも、穂乃果の彼女にならない? えっちなこと嫌いでもいいよ? にこちゃん、すっごく可愛いもんっ」


にこ「……最低……っ」



海未「……穂乃果、もうやめてくださいっ」

穂乃果「……」

穂乃果「どうして? 海未ちゃん穂乃果のこと、好きでしょ? 恋人にしてあげるよ、嬉しいでしょ? 来年の夏祭り一緒に行こう?」


海未「……変わり、ましたね」

穂乃果「海未ちゃんまで……もう」



にこ「もういい、顔も見たくない!! こんなこと、こんなことになるなら……っ」


穂乃果「……」


にこ「――あんたを、受け入れなければよかった……っ」



穂乃果「……」

にこ「出て行って」

穂乃果「やだ」


にこ「出ていきなさい!!!」






穂乃果「……うーん、みんなはどう思う?」

 もう、私の声は届かないのかもしれない。

 なにがこの人をこんなにしてしまったんだろう。



絵里「――わ、私は穂乃果と一緒に居たい」


にこ「え……?」


穂乃果「本当ー!?」



 絵里がそう言うのを皮切りに、凛と花陽もそれに続いた。

にこ「な、なによ……なに言ってるの!?」



穂乃果「ほらこの三人は穂乃果に残って欲しいって、もっと好きになっちゃうかも」ナデナデ



絵里「……///」



 まるで、ペットだ。穂乃果のことを第一に考えて、穂乃果のことだけを信じて、穂乃果に嫌われたくないから……こんな態度を取る。それは、希と一緒で……強すぎる恋心を弄ばれた、成れの果てなのかもしれない。


海未「穂乃果、あなたは、どうしてっ!!」




穂乃果「――穂乃果は悪くないよ?」

穂乃果「悪いのはみんなじゃん。穂乃果が悩んでるの分かってるくせに、次々告白してきて……穂乃果辛かったんだよ……?」


穂乃果「どうしていいのかわかんなくて、先は真っ暗で――そしたら気持ちよくなりたいもん」


穂乃果「それでね、みんな彼女にしちゃえって思ったんだ」

にこ「そんな、そんな考えで……みんなを」


穂乃果「仕方ないよ――だってみんな可愛いんだもん」ニコッ





にこ「っ!!!!」ドンッ‼︎‼︎



穂乃果「いっ、た……」



にこ「はぁ、はぁ……ふざけないで」




ガチャッ


真姫「――な、なに……してるの?」バッ



ことり「真姫ちゃん……?」

ことり(今、何か隠した……?)


穂乃果「あ、真姫ちゃん!」

穂乃果「体調、大丈夫だった?」

真姫「え、ええ。それより練習は――」



穂乃果「なら今日もえっちできるね?」



にこ「え……?」

真姫「ちょっ……!!!」



にこ「あんた……真姫にも手出してたの……?」


穂乃果「うん」



真姫「ど、どういうこと?」

にこ「こいつはね」


にこ「あんた以外にもいろんな人と肉体関係持ってんのよ」


真姫「――え……?」



真姫「ほの、か……?」




真姫「わ、わたしだけ……じゃない、の?」

真姫「うそでしょ? ねえ……」


にこ(まさか……真姫は自分だけだと思い込んでいた……?)



 そんな……そんなの、辛すぎる……。


真姫「ねえ、穂乃果っ!!!」


穂乃果「もう……。――いいじゃん、別に……めんどくさいな」




真姫「……」



穂乃果「真姫ちゃんのこと好きなのは本当だし、でも他の人のことも好きって言ったよね?」


真姫「でも……っ」




真姫「セックスだってしたのよ!? ふざけないでよ!!」



真姫「ねえ、私を彼女にしてよ――」グイッ






凛「ま、真姫ちゃんだけずるいにゃ!!」

凛「凛だっていっぱいそういうことしたし、ねえ、穂乃果ちゃん……っ」


真姫「凛よりわ、私の方が穂乃果のことを好きなのよ!!!」

凛「はあ!? そんなのおかしいにゃ!!」




穂乃果「……」ニヤ


にこ「!?」


 凛が真姫に掴みかかって、言い合いを続ける。その間に絵里と花陽は穂乃果にすり寄って、猫みたいに媚びを売る。


 この光景は……一体、なんなの? 
 そしてそれを見て穂乃果は……小さく笑みを浮かべながら絵里と花陽の頭を撫でていた。


にこ「こ、のっ!!!」





希「――もうやめてぇ!!!!」



 泣き崩れていた希の声で部室の中が静まり返る。


希「もう……やめて……っ」


穂乃果「……ごめんね、希ちゃん。穂乃果は希ちゃんのこと苦しめたいわけじゃないんだよ?」

希「……」

にこ「どの口がそんなこと、言えるのかしら」



 私は一体どうすればいい……?

 希があんなに私のことを止めたのは、こうなることが分かっていたから? 穂乃果に依存している人が何人もいる状況じゃ、穂乃果を追い出すことも出来ない。


 ――もう、手遅れだったのね。



ことり「――な、なにこれ……」

穂乃果「?」


ことり「まき、ちゃん……これ、真姫ちゃんのだよね?」




 ことりは青ざめた顔で、二本の何かを持っていた。あれは……。

ことり「――に、妊娠してるの?」

にこ「見せてことり!」

ことり「う、うん」


にこ「妊娠検査薬……」



 実物を見たことはあんまりないけれど、それくらい知っている。空いているところにはマジックペンで日付と時刻が真姫ちゃんの字で記入されていた。

 二本あるけれど、一本ずつで時間が違うみたい。


 そして判定のところ、には。




にこ「これ、本当に真姫ちゃんの……?」


 凛と組み合って崩れ落ちた真姫ちゃんは、耳を塞いで、うわ言のように何かをつぶやき始めた。



にこ「……真姫?」




真姫「ち、ちがう……わたしのじゃ……ない。ちがう、ちがう!!!!」ドンッ‼︎


にこ「うっ……!」

にこ「いた……っ」





 真姫は私の手からそれを奪いとって、穂乃果に見せつけた。



 

真姫「ねえ、穂乃果!! どうしよう……私、どうすればいいの!?」ガシガシ

穂乃果「……な、なにが」


 鬼気迫るとはこのこと、なのかもしれない。大きく見開かれた目は冷静さとか周囲に対する視野とかが完全に失われているってことで、もう穂乃果しか見えていない。


 そういえば、真姫はここ数日体調が悪いといっていた。お腹が痛くなったり急な吐き気や眠気……考えてみれば、妊娠超初期症状と合致している。


 やっぱり、あれは真姫ちゃんのものなんだろう。


海未「真姫……」


真姫「せ、責任とってよ!! 私――妊娠しちゃったのよ!!!」


凛「え……」

花陽「……そういえばずっと体調悪いって……もしかして、あれが」


にこ「ま、まだ医者に行ってみないと!!!」

真姫「……」




穂乃果「う、そでしょ?」



真姫「……」ブルブル










穂乃果「……――そ、そんなの、知らない」

にこ「!?」

にこ「あんたね――」

穂乃果「うるさい!!」

にこ「っ」


穂乃果「そ、そんなの知らないよ……! 穂乃果は悪くないもん……っ」


真姫「ひどいっ、そんなのひどいっ!!」


真姫「なら私はどうすればいいのよ!!」ガシッ


穂乃果「知らないって言ってるじゃん!」ブンッ



真姫「きゃっ」


真姫「ぅ……」


穂乃果「だって、真姫ちゃんがいいって言ったんじゃん……知らない、穂乃果は知らない!!!」


真姫「嫌……ねえ、責任とってくれるんでしょ? ずっと一緒に居てくれるんでしょ? 私のことだけ、見てくれるんでしょ!?」


 振り払われた真姫は、それでも笑いながら這うようにして穂乃果の足にしがみつく。



真姫「……穂乃果のことが好きなの、ねえお願い……大学だって諦める、なんだって諦めるから……産むから……穂乃果のためなら産んでみせるからっ……!」ポロポロ










穂乃果「――なら穂乃果のために……お、堕ろせば、いいじゃん……っ!!」

海未「……っ!?」

 穂乃果が、人として最低の言葉を真姫に投げかけた瞬間だったと思う。真姫は地に手をついて、横にいた海未が机を思いきり叩いた。

海未「ふざけないで、ください………」


穂乃果「な、なに?」



海未「――あなたは、最低です!!!」

パァァンッ‼︎‼︎



穂乃果「あ、ぐ」ヨロヨロ



穂乃果「痛……にこちゃんより、全然、痛い」

穂乃果「なんで、叩くの。穂乃果、悪くないよ……」

穂乃果「ねえ、みんなそうだよね!?」



絵里「……」



絵里「どうして避妊、しなかったの?」

穂乃果「真姫ちゃんがいいって言ったんだもん!」

にこ「そういう問題じゃないでしょ!?」


絵里「……」



絵里「ねえ、真姫――流石に軽率すぎたんじゃない?」




花陽「私は、いつも避妊はしてって言えばしてくれる、よ」


穂乃果「ほ、ほら!」

にこ「ちょっと、あんた達本気で言ってるの?」



 そりゃ……なんにも考えないで避妊しなかったんだから軽率、だけど!!!


 こんな状態の真姫にそんなこと言ったら。



凛「――ま、真姫ちゃんだって悪い、んじゃないの?」


真姫「え……」



にこ「やめなさいよ!」


 そんなに穂乃果に嫌われたくない? どう考えても悪いのは穂乃果なのに、どうして穂乃果の味方をするの……っ。


穂乃果「ほら、ほら!」



海未「……失望しました」




海未「出て行ってください……」


穂乃果「……」

海未「出て行ってください!!!」


海未「そしてもう……二度とここに来ないでください……っ」


穂乃果「っ……」




穂乃果「あーあ……もういいよ」




穂乃果「真姫ちゃん、後で話し合おうね?」




バタン




 穂乃果が出て行って、残された私たち。
 希と真姫がすすり泣いている。海未は真姫のことを看病するように背中をさすって、希のことはことりが慰めていた。

 穂乃果がいなくなって、私達は……もうひとつじゃない。いつからそうなってしまったのかはわからないけれど、穂乃果という核を中心に一つになっているように見えただけなのかな?



 メンバー間の信頼関係より、穂乃果への愛が大きくなったしまった人が増えたことで、希はこうなるのが分かっていたのね。


 真姫のことだって、もうあとは本人達の話だ……産婦人科に行って妊娠判定が間違いだったと祈るしかない。



にこ「……っ」

にこ「追い出せばよかった……こうなるのが、怖かったから気をつけてたのに」




 でも今までの時間があったのは、穂乃果のおかげなんだ。穂乃果がいなければ私たちはこうして集まっていないだろう。――でも、穂乃果がいなければこうやって深い傷を負い、泣いている人もいなかっただろう。

 ……私たちの活動は正しかったのかな。



 後に残ったのは、昔みたいに……部員みんなの心に気がついてあげられなかった、自分の無力さだけだった。




にこ「ごめんね、みんな……っ」

◆◆◆――――◆◆◆


三ヶ月後








穂乃果「――はい、これ遅くなったけれど、お金」




真姫「……」



穂乃果「ごめんね、迷惑かけちゃって」


真姫「バイト、大変だったでしょ?」




穂乃果「もう慣れたよ」



真姫「……こ、これでまだ私のこと、見てくれる?」



穂乃果「もちろん」



真姫「まだ彼女にしてくれるかも、しれない?」



穂乃果「真姫ちゃんが穂乃果のこと、本当になんだなーって分かったらかな」

真姫「……」ギュッ



穂乃果「堕ろすの、辛かったよね」





穂乃果「ごめんね……?」ナデナデ

真姫「ぅ、う……」


穂乃果「好きだよ、真姫ちゃん」



真姫「……穂乃果ぁ」



穂乃果「今度ご飯食べに行く?」

真姫「ええ」


穂乃果「じゃあ今日はこれからバイトあるんだ」


真姫「分かった、がんばって」

真姫「ね、ねえ」

穂乃果「?」



真姫「んっ」チュッ


穂乃果「……//」

真姫「行ってらっしゃい」





穂乃果「うん、行ってきます」







穂乃果「うふふ……♥︎」

◆――――◆

希「やっほー!!」




にこ「別に……来なくても、いいのよ?」

海未「いえ……まだメンバーですから」

希「……うん」


にこ「結局、この三人だけかあ」

海未「みんな来なくなってしまいましたね」

にこ「なんならユニットでも組む?」


海未「……そうしてもいいのですが、もう時間もありませんし」

にこ「そうよね……」

にこ「もう卒業だもんね」



希「ごめん……ウチのせい、で。ウチが穂乃果ちゃんのこと、甘やかさなければっ!!!」



にこ「……あんたことあるごとに謝るのやめなさい。思い出すでしょうが」

希「……」


にこ「花陽は……残ってくれるって、思ってたんだけど」


にこ「もし次部長にするなら花陽かなーとか考えてたのよ」


海未「なるほど……」


にこ「それも、叶わなかったけれどね」



海未「みんなは、どうしているんでしょうか」

にこ「絵里とは話す?」


希「……あんまり」フルフル



にこ「そう……」


希「多分、穂乃果ちゃんと一緒に居たりするんだと思う」



にこ「そっか。凛と花陽も、よね?



にこ「ことりはなにをしているの?」



海未「ことりも穂乃果といることが多いようです。ただ……恋愛感情はないみたいですが」



にこ「どういうこと?」




海未「――戻ってきてくれと、頼んでるんです……」


にこ「……健気なものね」




にこ「――もう意味なんて、ないのに」





にこ「……まあでも、こうやって話してるのも悪くないかな」


海未「……」



にこ「……」

にこ「うーさむっ、雪降るってどういうことよー」


にこ「屋上使えないし、今日はここでお話してましょうよ」

◆――――◆



穂乃果「んー、女の子紹介してほしい?」


穂乃果「えーそうだなあ」

穂乃果「誰がいいかな?」


穂乃果「だって中学の時ことりちゃんにフラられてるじゃん、その時点でことりちゃんはダメー!」


穂乃果「ていうか穂乃果も前にことりちゃんにフられてるからなー。なんでかなあ?」


穂乃果「うーん……あ、凛ちゃんとかどうかな?」


穂乃果「そうそうµ’sの」




穂乃果「あ、それでいい? じゃあとりあえず誘っておくね?」ポチポチ






穂乃果「うん、デートって言って穂乃果が呼び出すからそこで一緒に遊べばいいよ」

穂乃果「ん? やだなあ凛ちゃんは穂乃果の彼女だよ、でもそっちが凛ちゃんと付き合いたいっていうなら凛ちゃんのことフるから大丈夫」


穂乃果「え? 酷くないって!」


穂乃果「彼女は何人……いたかな……えーと10……15?」



穂乃果「まあどうでもいいや。あ、そういえばね、ついに西校の樋口玲奈ちゃん落としたよ!!



穂乃果「えへへーすごいでしょ!」



穂乃果「ほんっとにガード硬くてさー。一ヶ月はかかったの」



穂乃果「あとそろそろおっぱい大きくていい人いないかなー? なかなかいないんだよね……やっぱり希ちゃんは貴重だったかなぁ」



穂乃果「だってFだよ!! 全然いないよ!?」

穂乃果「女の子を落とすコツ? うーん、笑って褒めておけばすぐだよ」


穂乃果「たまーにそうじゃない人もいるけどね」ポチポチ


穂乃果「穂乃果みたいに背低くても色々やりようはあるんだよ」



穂乃果「――女の子なんて単純だよ、向こうも男って単純って思ってるかもしれないからお互いさまだね!」



穂乃果「あ、凛ちゃん来るって。向こうには穂乃果の友達が来るってこと伝えてないからびっくりするかもしれないけど多分大丈夫だよ」




穂乃果「あーもうバイトだ、帰ろー」


◆――――◆




ことり「さっきの人は?」


穂乃果「西校の人だよ」

ことり「また、彼女?」


穂乃果「まあそんな感じ」


穂乃果「他の人には秘密だからバレないよ」


ことり「……可愛い人、だったね」


穂乃果「でしょ? 落とすの苦労したもん」


ことり「……そっか」



ことり「ねえ穂乃果ちゃん……戻ってきてよ」

穂乃果「……またその話?」




 穂乃果ちゃんは興味がなさそうにストローでジュースをすすった。




穂乃果「廃校なくなったんだからいいじゃん」

穂乃果「そういえばアライズ優勝したね……」

ことり「そうだね……」


穂乃果(ツバサさんに手を出さなかったのは、ちょっとだけもったいなかったかな……)



 あれから、穂乃果ちゃんの雰囲気は少しだけ変わった。今までみたいに可愛いことは可愛いんだけれど、なんだかチャラチャラしだした、というか……とにかくいつも違う女の子を連れて歩くようになった。


 その中には絵里ちゃんや花陽ちゃんも居て、今だにその関係は終わっていないみたい。



 前までは無垢な感じで女の子を寄せ付けていたんだけれど、今は完全に計算で寄せ付けている。どうすれば女の子に受けるのか、ことりは昔からの付き合いだからその違いがわかるけれど、普通の人には難しいよね。だからこそ、穂乃果ちゃんに告白する人が後を絶えないんだよ。





 ――µ’sは穂乃果ちゃんがいなくなってからというもの、今までのことが嘘みたいにバラバラになっていった。

 あったはずの居場所さえ放棄して穂乃果ちゃんのことを想うみんなは幸せ、なのかな?


穂乃果「第一、戻れるわけないよ。にこちゃんも海未ちゃんも怖いもん」



ことり「ことりが……守って、あげるよ」




穂乃果「うーん、それでもいいや、もう。そもそももう活動停止してるんでしょ?」



 ことりの目から見ても穂乃果ちゃんは良い行為をしたとは思えない、最低な行為に近い。――結局真姫ちゃんは堕ろしてしまったらしい、お金は穂乃果ちゃんが肩代わりするということで。同意書とかなんだか色々いるみたいだけれど……そこは真姫ちゃんが親にバレないようになんとかしたみたい。


 真姫ちゃんのおうちは厳しそうだし、妊娠なんてバレたら……。


 後でこうなることくらい真姫ちゃんなら分かっていたはずなのに、どうして許してしまったんだろう。その場の雰囲気、強引に、色々あるけれど……。真姫ちゃんは潜在的に、穂乃果ちゃんのこと独り占めしたかったんだよね?









 ことりはその気持ちよーくわかるよ。



 でも、必要とすらされなかったことりには……関係ない、ね。


ことり「……今でも真姫ちゃんと会ってるの?」

穂乃果「うん、また告白? されちゃった」

穂乃果「とりあえず穂乃果も好きとは言っておいたけどね」



ことり「っ……」


穂乃果「まあえっちさせてくれるならそれでいいかなって」ニコニコ


穂乃果「流石に生でするのはもうやめるよ……懲り懲り」




穂乃果「それよりことりちゃん、穂乃果と付き合ってよー」



穂乃果「ことりちゃんが付き合ってくれるなら他の人フるから、お願いっ!」




ことり「……」


 本気、なんだ。穂乃果ちゃんは、女の子のことをなんとも思っていない、ただの快楽を得るための道具としか。





 あの純粋で、可愛らしくて……みんなに愛される穂乃果ちゃんはもういない。ことりが好きだった彼はもういない。目の前で計算された笑みを浮かべる穂乃果ちゃんは、心底……気持ち悪い。

 後から聞いた話では、そのきっかけを作ってしまったのはことりらしい。ことりが、みんな彼女にしちゃえばいいっていう冗談を言った時、あれで何かが弾けた……。




 ねえ、あの時穂乃果ちゃんはことりのこと……好きって言ってくれたよね。でも、あの時の「好き」はその後の「好き」はもう違っていたよね、どうしてかな? 道具にもなれなかったからかな? それとも道具としても使い飽きちゃったからかな?





 あの告白を聞いて、ことりだけを見てって泣いてみたら、今頃穂乃果ちゃんはことりの横で眩しいくらい笑ってくれていたかな? きっとみんなにからかわれたりしながら、まだ活動を続けていたかな?





ことり「もう、いい!!」バンッ


 そんな幸せな妄想を振り払うようにして、机を叩く。




穂乃果「え?」



 穂乃果ちゃんをこんなにしてしまったのは、ことりのせいなんだ。でも……ごめん、もう穂乃果ちゃんは前の穂乃果ちゃんには戻ってくれないよ。もう、変わりすぎたんだよ。

 もう昔みたいには、戻れないんだ。



 周囲がザワザワとこちらを見ている、お金を置いてことりは、穂乃果ちゃんの制止を振り切って店を出た。


 きっと昔の穂乃果ちゃんならすぐに電話をくれたり家に来たりしてくれるはず、でも今はそんなこと絶対にしてくれない。







 なんで、こんなことになったんだろうね? ことりはただ……みんなで一緒にやりたかっただけなのに。もし穂乃果ちゃんが女の子だったなら……きっとセンターは穂乃果ちゃんがやって、9人で最後まで一緒にいられたのかな……?




 恋愛感情なんかなくて、友達としてみんなでわいわいできる未来があったとしたなら……どれだけ幸せなんだろう。





 人が人を好きになるなんて……なければいいのにっ……。





 こうしてことりの初恋は、終わってしまった。何十年と想い続けた恋心も、案外……脆いんだね。









 ――バイバイ、穂乃果ちゃん。

◆――――◆



ツバサ「ラブライブまで、もう少しね」



あんじゅ「今回も優勝、出来そうだけどね」

英玲奈「そうやって油断ばかりするからいけないんだ」


あんじゅ「えーだって最終予選もぶっちぎりだったし」

あんじゅ「目立ったのもいなくない?」


ツバサ「まあ順当に行けば勝つでしょうね」

英玲奈「順当に行けば、な」


あんじゅ「ツバサがコケるとか?」

ツバサ「ありえないから安心して?」



あんじゅ「ツバサさんご注目のµ’sは活動停止のまま動かないしー」



ツバサ「……」

英玲奈「よくあることだ」

あんじゅ「そうだけどね」

ツバサ「まあ、何かあったんじゃないの?」



あんじゅ「――高坂君からの返事もないしね?」


ツバサ「次それ言ったら怒るわよ」


あんじゅ「……返事しないような人だとは思わなかったんだけど……」



ツバサ「まあ……フラれたみたいなもんでしょ」

ツバサ「こればかりはどうしようもないわ」



ツバサ「かといってこっちから連絡取るわけにも、行かないし、ね」



あんじゅ「まあ……そうよね」



英玲奈「――ほらそんな話ばかりしていないで、練習するぞ」


あんじゅ「はーい」

ツバサ「……」





ツバサ(穂乃果さん、あなたは今……なにをしているのかしら……)

◆◆◆◆――――◆◆◆◆



穂乃果「だーかーらーそんなの知らないってー」


穂乃果「凛ちゃんを落とせなかったそっちが悪いんでしょ?」


穂乃果「大人しすぎる? あーもうだから凛ちゃんは人見知りだもんあたり前だよ」


穂乃果「え? そんなに穂乃果のこと話してたの? うーん……じゃあ次はどの女の子紹介しようかなー。考えとくから待っててよ」


穂乃果「はいはいじゃあねー」



穂乃果「はぁ……まったく」



「あ、あの……」


穂乃果「……?」


穂乃果「あ……君は確か……」



穂乃果「球技大会の日に話した娘だよね!」



「あ、そうです」




穂乃果「一個下の……名前は?」

穂乃果「へえ……面白い名前だねー」


穂乃果(結構かわいいなぁ……)


穂乃果(あれ……もしかしてこの子、おっぱい大きい……?♥︎)




穂乃果「で、何か用?」グイッ


「ひゃ……///」


「あ、あの……//」



「バ、バスケの試合……かっこよかったです!」




穂乃果「へぇ、見ててくれたんだ、ありがと!」



穂乃果「でも穂乃果背低いからなー、あ、背同じくらいだねっ!」



「ちょうどいいと、おもいます」


穂乃果「えー絶対ウソだー!」



穂乃果「180くらい欲しかったなー、それは流石に欲張りかな?」



穂乃果「君も高い方が好きでしょ?」



「そ、そんなことないです! 先輩くらいだと目線が同じくらいで話しやすい、です……」



穂乃果「本当? ウソでも嬉しいな!」

穂乃果(大人しそうな子なのに……どうして急に話しかけてきたのかな……?)



穂乃果(そうだなぁ……うん、確かめてみようっ)


穂乃果「うん、君の名前覚えたよ、よろしくねっ!」ニコッ



「は、はいっ……////」カァァァアアアア



穂乃果(かわいいなぁ……雰囲気がちょっと花陽ちゃんみたい? しかも、うん……すっごく簡単そう♥︎)



穂乃果「じゃ穂乃果行くねー」クルッ



「あ、あのっ……!」



穂乃果「?」



「……//」モジモジ



穂乃果「?」



「その……あの……」


穂乃果「……うふ♥︎」



穂乃果「ああ……なあんだ、それならそうと早く言ってくれればいいのに♥︎」



「……?」





穂乃果「ふふ……」








穂乃果「――君も穂乃果の彼女になりたいの?」










◆◆◆◆ハーレムルート◆◆◆◆

終わりです。当初はルート選択せずに黒ハーレムだけやるつもりでした。

TSにしたからには妊娠展開だけはやりたくて、中で出す描写は最初っから使わないようにだけしてました。



穂乃果をクズにしすぎとかクズになる過程が急すぎるとか色々あるとは思いますが、本当にここまで見てくれてありがとうございます!!

明日中に安価とります。時間帯は夜です。また明日詳しい時間も、書きます。

なお、事情により更新速度はさらに遅れるかもしれません。

10時頃にやります。

ちなみに残ってるルートはほとんどエロメイン。その中でも激しいのが絵里花陽ことり。海未ルートが少し特殊に終わるくらいでしょうか…


全て予定です。

ごめんなさい、多分にこもエロです。話が思い浮かびません。



凛も過去話くらいしか考えてありません。


希はエロで◇◆なので色々察してください。

穂乃果はどうするべきなんだろう?






1 ◇星空凛◇ 凛ちゃんと付き合ってた時……楽しかったな。穂乃果がもっとちゃんと向き合ってあげてれば……。もし付き合ったら二人でいっぱい色んなところへ行きたいな。




2 ◇小泉花陽◇ 花陽ちゃんとも二人きりでたくさん練習したよね……?なんだか自信がない子だけど、守ってあげたくなっちゃうんだよね……。


 ――穂乃果だけに見せてくれる本当の花陽ちゃんを見てみたいな。



3 ◇園田海未◇ 初恋の相手は海未ちゃん、だったなぁ。ことりちゃんもだけど、穂乃果のことを一番よく分かってくれてるね?




【◆◆◆海未ルート選択により、"最近穂乃果と雪穂の様子がおかしいです……"の選択肢が解放されます◆◆◆】





4 ◇◇南ことり◇◇ ことりちゃんにはすっごくお世話になって一緒に過ごしてきたよね。やっぱり穂乃果は、ことりちゃんのこと――。





【◆◆◆ことりルート選択により、"穂乃果ちゃんはことりだけのモノ"選択肢が新たに解放されるようです◆◆◆】





5 ◇絢瀬絵里◇ 絵里ちゃんは初めての彼女……。あの日穂乃果が止めていれば絵里ちゃんを悲しませることなんてなかったのに。……もう悲しませたくない! で、でも……また奴隷になるのは……嫌、かな……? うう、昔のこと思い出しちゃった……。



6 ◇矢澤にこ◇ 何事にも一生懸命で、真っ直ぐな人。穂乃果のせいで傷つけちゃったよね……今更この人を守ってあげたいなんて……先輩に失礼かな? 



7 ◇東條希◆ 初めて会ったのは神社だったよね。とても優しくて……なんでも受け止めてくれるかな。穂乃果が暴走したせいで襲っちゃって……その償いもしたい。


 ◆――こ、今度はエッチばかりしないようにしないと……◇






安価は後で取るので、確認しておいて下さい。

>>826の中から好きなルートを選んで下さい

>>838から>>842までの中で一番多かったルートへ。決まらない場合は>>843へ。

花陽

花陽ですね。
鬱書いてまた鬱系書くのは流石に嫌になりそうだったので、良かったです。

しばしお待ちを。

まだまだかかります。
四月になり書く時間がほとんど取れなくなっています。花陽のお話はとりあえず書ききるつもりです。それ以降のルートは続けたいのですが、正直なんとも言えません…。花陽ルートが終わってから考えます。

はよ(ノシ 'ω')ノシ バンバン

はよ(ノシ 'ω')ノシ バンバン

生きてます。
もう少しで完成するのですが…詰まってます。花陽ルートは書きたいのが多すぎて結局なにも書けなそう……

もう少々お待ちください。

終わった……
書きたいの結局全然書けませんでしたがなんとか終わった…


正直満足行く出来ではないけれど、これ以上のものも書けそうにないので……。


今日か明日にでも新スレ建てます。このスレの残りは何か質問などがあればどうぞ。


花陽ルートで終わり?

>>901
まだまだやります。遅いですが。

最近書いたのがあれば教えてほしいです
昔のはいいので

>>905
去年の10月くらいからほぼこれしか書いてないので二つしかありません。書くのとっても遅いので。



にこ「いちばんのともだち」



ことり「今は秋でも春色デイズ」

次はこちらです。是非。投下は今日中に出来ればと考えています…。


穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」ことり「その3、です!」
穂乃果「ふふ……君も穂乃果の彼女になりたいの?」ことり「その3、です!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1432536831/)

>>906
ありがとうございます
合ってるかわからんけどたぶん>>1の過去作でラブライブ二次創作物にハマったっぽいから応援してる

このSS終了後の次回作の構想とかってもうあったりしますか?

>>909
ソルゲ組の三人に生えて多角形ドロドロ

ほのえりまき中心の記憶喪失多角形ドロドロ


そもそもこれが終わらないのできっと書けません。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月18日 (水) 23:21:09   ID: yonjq5Y2

ファイトだよ!

2 :  SS好きの774さん   2015年03月10日 (火) 18:27:54   ID: d7Xvzwwr

エターかと勘違いして無駄に焦ったけどよく見て一安心

3 :  SS好きの774さん   2015年03月19日 (木) 05:34:28   ID: 4W-572Cc

SS読んで初めてガチ泣きした
続き待ってます!

4 :  SS好きの774さん   2015年04月01日 (水) 21:30:13   ID: gIpbTspj

続き楽しみです!

5 :  SS好きの774さん   2015年05月28日 (木) 22:27:43   ID: eTpzAbi6

このシリーズ?やっぱ面白いわ…惹き込まれる

6 :  SS好きの774さん   2015年05月28日 (木) 22:39:30   ID: eTpzAbi6

>>174
>>195
>>254
>>259
お前ら全員死んどけ^^

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未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

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