男「いや、俺、男だし……。んなもん、わかるわけねーだろ……」←高校生
友「違う違う、こういうのって男とか女とか関係ないんだって。女さんがお前の事を好きなの、まるわかりだろ、あんなの」←高校生
男「まるわかりって……。でも俺、アプローチとかされてねーし」
友「今日、めっちゃされてたじゃねーか。映画見に行きたいなあ、とか言われてただろ?」
男「あれは別に俺とって意味じゃないだろ。好きな映画の話をしてて、で、その続編が出たから見に行きたいなあって言ってただけじゃねーか」
友「お前、それマジで言ってんの? これだから女心わかってないやつとかは面倒くせーな」ハァ
男「なんだよ、その言い方はよ」←経験人数二人
友「仕方ねーだろ。マジでそう思ったんだから。しゃーない、俺がちょっとお前に女の恋愛ってもんを教えてやるわ」←童貞
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1424085491
友「いいか? 女ってのはな、基本的に受け身なんだよ。いつも相手から何かされたいって思ってんだ」←繰り返すけど童貞
男「それ、お前の思い込みじゃねーのか?」←繰り返すけど経験人数二人
友「違うな。これは真実だ。例えば童話を見てみろ」
男「童話?」
友「そう。一つ聞くけどな、男が憧れる童話って何だ?」
男「憧れるねえ……。まあ、桃太郎とかじゃないのか?」
友「そう。悪い奴らをやっつけて――つまりは手柄を立てて、そんでもって金と可愛い女と名誉を手に入れるってのが男の憧れだ。これは歳とか関係ない。わかるだろ?」
男「……まあな」
友「じゃあ、女が憧れる童話ってのは何だ?」
男「いや、知らねーし」
友「だったら教えてやる。女が憧れる童話ってのはな、シンデレラだ」
男「……まあ、わからんでもない」
友「不幸な目にあってるところから、突然舞い降りた幸運でいきなり一発逆転ってのが女の憧れだ。コンビニでバイトしてたら、客で来た大金持ちのイケメンから一目惚れされてプロポーズ、そして幸せな結婚生活とか、そういうのだ」
友「男はあまりそういうのを好まない。どうしてかって言ったら、それじゃヒーローになれないからだ。自分がカッコ良くない。そうだろ?」
男「まあ、大金持ちのお嬢様からいきなりそういう事されても、自慢はそこまで出来ないよな。自分が何かしたわけじゃないんだから」
友「そう。男はそう思う。だけど、女の場合、それは自分の手柄だ。自分が綺麗だから、自分が魅力的だから、そういう結果になったってわけだ。男は仕事とかで張り合うが、女は魅力で張り合う。この違いだ。わかるよな?」
男「まあな」
友「じゃあ、話を戻すぞ」
男「おう」
友「女は基本的に恋に臆病ってのがあるし、愛されたがりでもある」
男「愛されたがり?」
友「男は愛する事で安心するが、女は愛される事で安心するんだ」←彼女いない歴=年齢
男「悪い。ちょっと意味わかんない」←これまで付き合った人数三人
友「つまりだな。男は相手に対して好きだと伝える事を第一に置くんだよ。さっき出てきた手柄の話だ。好きと伝えてOKをもらえば、それは自分の手柄だって事だ。成功に向かって邁進すると言ってもいい」
男「…………」
友「逆に女は、相手から好きだと言われる事を第一に置くんだ。そう言われるのはつまり自分の魅力のおかげだ。だから女は女子力を磨こうとするんだ」
男「……わかったような、わからんような」
友「全部が全部、そうとは言わねーけど、そういう要素も含んでる可能性はあるんだよ。男と女ってのは本能的にそうなってるんだからな」←くどいけど、彼女いない歴=年齢
男「ああ、そう……」←くどいけど、これまで付き合った人数三人
友「じゃあ、それを踏まえた上で」
男「お、おう」
友「今日の女さんの態度を振り返ってみろ」
男「振り返ってみろって言われてもな……」
『回想』
男「友、お前昨日やってた映画見たか? すげー面白くなかったか?」←たまたま途中から見た
友「あー、あれな。まあまあ面白かったよな」←録画した上に全部見た
女「」ピクッ
男「CGとか、かなり凝っててさ。マジでその場にいる感じでさ。ちょっと興奮したわ、あれ」
友「あー……まあ、最近のにしちゃそこそこだったよな。それより、ストーリーがあれは良かったからな。とはいえ原作のがやっぱ面白いんだけど。映画だと色々カットしてるし」
男「へー、あれって元は小説かなんかだったのか?」
友「ああ、日本じゃマイナーだけど、海外だと結構有名な作品みたいで――」
女「」トコトコ
女「ごめん、ちょっといい? 昨日の映画の話でしょ? あれって原作とかあったの?」
友「!」ビクッ
男「ああ、うん。俺も今初めて聞いたけど。だよな、友?」←平常心
友「お、おう」←普段、女と話慣れてないので緊張する
女「あれさ、私も昨日見てて。面白かったよね」←暇だったからたまたま見た
男「だよな。CGとかすごくなかった?」
女「あー、うんうん。そう。特に宇宙船からの脱出のあたりとかさあ」
男「あのシーン凝ってたよな。なんかもう巻き戻してもう一回見たくなったりしたし」
女「だよねー。もう一回見たい感じだよね」
友「…………」←録画してるけど、何となく会話に入れない
女「あれ、今度続編が劇場公開するんでしょ。ラストで予告してたけど」←エンディングまでしっかり見る人
男「ああ、そうなん?」←本編が終わったら即消しする人
女「そうなんだって。だから、テレビで前作を放映してたみたい」
男「へー。まあ、よくある事なんだろうけどさ」
友「…………」←知ってたけど会話に加わるチャンスが見つからない人
女「あれ、今度見たいなあって思ってるんだけどね」
男「あー、俺もちょっと見たいな」
女「だよねー。今度の休みにでも行ってみようかな。あー、でも、一緒に見に行く人いないんだよね。友達とかあんまりSF映画好きじゃないから」
男「女の子だとそうかもな。あれ、特に恋愛要素入ってないし」
女「そうなんだよね。そういうのがあればちょっとは誘いやすいんだけど。まあ仕方ないよね、軽く探してみる」
男「そっか」
女「うん。じゃあね、話の腰折ってごめんね、友くん、男くん」
男「ああ、バイバイ」
友「……あ、うん。また」←結局、これしか喋ってない
『回想終了』
友「どうよ、男?」
男「いや、どうよって言われてもな」
友「女さん、完全にアピールしまくってるじゃねーか? 気付けよ、鈍感野郎か、お前は」←しつこいけど、童貞
男「いや、別に……。普通の会話だろ?」←しつこいけど、経験人数二人
友「全然普通じゃないね!」←半ギレ
男「いや、何でお前がキレてんだよ」←平常心
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません