ゼロ「オレを目覚めさせてどうしようっていうんだ」艦これ (981)

タイトルを見違えた為、立て直しました。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1424048155

??「はぁ、はぁ」

睦月「簡単な任務だって、絶対大丈夫じゃなかったんですか?」

如月「提督だってそう思ってたわ!」

睦月「もう!本部なんか信じるんじゃなかった!!」

数日前、突如浮き上がった島の探索を命令された私達は調査を実施していた。

内容から50年前に深海棲艦と陸海空軍と間で大規模な戦闘が行われ沈んだ島で

深海棲艦の住処だったらしく多大な犠牲を払い勝利した。

過去の報告書にはそう書かれており信じるしかなく

そして、調査中に深海棲艦の襲撃を受ける。

睦月「この洞窟でやり過ごしましょう、さすがに陸に上がれないはずだから」

如月「勢いでここに逃げ込んだけど、弾切れ寸前だから助かったわ」

睦月「奥に抜け道があるかもしれないし、いこ?」

如月「そうね、そうしましょう」

しばらく進むと広場のような場所に出た二人はあるものを見つける。

戦闘が行われ崩れかけている広場に不釣合いな石像。

傷一つ無いことから戦闘後に作られた。いや、運ばれた?

両膝をつき両手が垂れた状態で右手には何か握っている。

なにより髪がとても長い。

睦月「なんでこんなところに石像があるのかな?」

如月「この島は遺跡だったわけじゃないわよね?」

睦月「あれ、なにか彫ってある」

「なになに、わたしは…待ち続け…思い…忘れ…い親…する…Z…」

ドカーン!ゴロゴロ!

ホ級「!!!!」

睦月「うそ、無理やり入って来た!」

如月「きゃぁ、お願い逃げて睦月ちゃん!」ホ級に捕まる

睦月「そんなの出来ないよ、えい!」 ドォン!ドォン!

如月「…無理よ…お願いだから…逃げて」片手で持ち上げられ首が絞められる

睦月「そんな…弾切れ!」カチ、カチ

如月「私は…いい…か…ら」

睦月「いや、助けてよ…お願い…誰か助けてよぉ!!」

石像…パキパキ…ミシ…パリン!!

石像の表面が割れ、赤いボディーが姿を現す。

睦月「え、石像が動いた」

石像 シュタッ!ズギャン!

ホ級「!!!!!」

石像「…大丈夫か?」パシッ

如月「はい…なんとか(この人、深海棲艦を素手で殴り飛ばした)」

石像「オレがやる…下がってろ」

如月「はい、わかりました…(この人の髪とても綺麗い)」

睦月「なんですか?なんですか?石像が助けてくれたよ」

石像「オレが相手だ」シャー!シュタッ!シュバ!シュバン!

ホ級「!!!!!!!」

石像「オレを目覚めさせてどうしようっていうんだ?」  

ホ級「!!!………!」ドカーン!

睦月<そんな、緑色に光る剣であっというまに斬り倒しちゃった>

如月<刀身が無かったのに一瞬で生えたの?>

石像「聞いても無駄だったな」 

石像<体に問題は無い、Zセイバーも正常だが…>

睦月「石像さん!如月ちゃんを助けてくれてありがとうございます。」

如月「おかげで助かりました…お名前を聞きたいのですが」

石像「オレの名は……」

ゼロ「ゼロだ…それしか覚えていない…」

パラパラ…ガラガラ!

ゼロ「不味いな…天井が落ちるぞ」二人を抱えダッシュ

睦月・如月「え、きゃあぁぁぁ」シャー! シュタッ!

睦月<あれ?この広場はお墓だったのかな…だって…>

その後、ゼロさんに抱えられながら脱出した私達は援軍に助けられ帰還しました。

もちろん、他の調査隊も無事でしたが島は再び沈んでしまい調査中止になりました

本部は調査続行を指示しましたが提督が猛反発し、他の提督も拒否し調査中止のままです。

そして、ゼロさんは

如月「ゼロさん、どうしたらその綺麗な髪を維持出来るの教えて?」

ゼロ「別に何もしていない」

如月「そんな嘘よ!絶対なにか秘訣があるはずよ」

ゼロ「本当だ…もういいだろ…それとオレの髪を首に巻くな…絡まるだろ」

如月「あなたが話すまでよ…このまま絡みあっててもいいのよ…うふふ」

ゼロ「提督に呼ばれてるからな」ガシ

如月「え!(お姫様抱っこ…なんて)」

ゼロ「このまま執務室に向かう」

如月「きゃー提督にこんなはしたない姿を見せちゃうなんて…ドキドキしちゃうわ」

私達の鎮守府の一員になってくれました。               
                                  続く


コードギアスかKOFかロックマンXのどれかだと思ってたがゼロの記憶が無いってことはロックマンゼロのゼロなのか
ロックマンゼロのゼロはロックマンXの時と違って遥かに万能だから負ける気がせんな
このゼロはサイバーエルフ使えるのかねぇ

>>10
ロックマンゼロです。ボンボン派だったので岩本版Xも好きでした。

ボンボンではメダロット・デビルチルドレン

コロコロではゾイド(コマンドウルフ)・スモールソルジャーが好きだったな

少し更新

時間は島脱出直後に遡る。

ゼロ「ここまで来れば、大丈夫か」

崩落する洞窟を眺めながらゼロは呟いた。

<身体チェック開始 ボディ・エネルギー問題なし>

<武装 Zセイバー・シールドブーメラン・ゼロナックル>

<武装に関しては問題ないが空きがあるな…他にもあったのか?>

如月「あのーそろそろ降ろしてくれませんか?」

右手で抱えていた長髪の女が気恥ずかしそうに声を出す。

ちなみに、左手で抱えた女は目をグルグル回している。

<とりあえず、二人を降ろして話を聞くか。ここは海面なのだが…>

ゼロ「海面上だがいいのか?」

如月「はい、問題ありませんよ。艤装は問題ないので」

二人を降ろすと海面上で立っていた。


ゼロ「どういうことだ?レプリロイドなのか?」

如月「レプ…リロイ…ドとはなんですか?私たちは艦娘ですよ」

ゼロ「どういうことだ?教えてくれない…」

説明を求めていたら、遠方から何人かの女が海面を滑るように移動しながら近づいてきた

如月「あぁ!援軍が来たみたいです。とりあえず、鎮守府で説明しますので来てください」

ゼロ「鎮守府…おまえらの基地か」

<まずは情報がいる。こいつらの基地に向かうか?危険が無いとも考えられないが>

ゼロが考えていると後ろから激しい波しぶき起こった。島が沈んでいる。

ゼロが沈む島を眺めると突如、頭が激しく痛んだ。

<なんだ…これは…ダメージは受けていないはずだ>

???「私にとっては、あなたはもうゼロなのよ」

???「そのカラダでどこまでできるか…見せてもらうとしよう!」

???「キミに…この世界をまかせたい…」

???「ゼロ!ゼロ!ずっと一緒だよ」

???「ゼロ…あなたさえ良ければこのままここで…」

オレの記憶か…ダメだ…思い出せない…

バシャン!

                   続く

ここまでです。

今のところサイバーエルフは出す予定はありません。

だって、使ったら消えてしまうじゃないでか。

ゼロ<オレたちはイレギュラーハンターだからな>

??<ゼロ…男のおしゃべりはみっともないぜ…> 

ゼロ<??…お前が羨ましいよ…涙を流せるお前がさ…>

ゼロ<??はもっと強かった>

目を覚ますと研究室のようなところで寝かされていた。

周りを見ると工具やら機材が散らばっている。

<島を脱出して、直ぐに頭が痛んで機能停止したのか…>

<身体チェックでは問題無かったはずだが…どういうことだ?>

寝ていた作業台から体を起こすと設計図のようなものが置いてある

「釣り野伏装置=相手は死ぬ  欠点は海面上ではダメか」

「VOB(超高速推進器)=超早い 欠点は装着者の体が持たない 後、高い」

「超大口径レールキャノン=直撃で即死・かすっても即死 欠点は地域停電」

<……オレはとんでもないところに連れてかれたのかもしれない>

<逃げるか…実験台にされるぞ>

??「おやおや、目を覚ましたみたいだね」

扉から白い服を着た女が入って来た。

提督「ようこそ我が鎮守府へ、歓迎しよう。盛大ね」

<…嫌な予感がする…>


ヘラヘラと笑いながら女は近づいてきた。

白い軍服の上に白衣を袖を通さずに羽織っている。

身長が高く180㎝はありそうだ。

提督「まあまあ、無理せず腰かけてていいから」

肩に手をかけ座るように促す。

提督「私はここの司令官でね。私の大事な娘を助けてくれてありがとうね。」

ゼロ「娘?あんたの子どもなのか?」

提督「ははwごめんね。娘同前に愛しているからね。」

提督「娘のように、姉のように、妹のように、恋人のようにね。」

ゼロ「そうか…随分仲間思いなんだな。」<こいつ気は確かか?>

  「オレにこの世界の事を教えてくれないか?情報がいる。」

提督「では、時間がかかるがいいかな?」

あの二人を助け機能停止したオレは、彼女らの援軍と共にこの鎮守府に連れてかれた。

提督からこの世界と艦娘、戦っている深海棲艦についして説明を受け

オレがレプリロイドであること、微かに残るオレの世界の記憶を話した。

提督はとても興味深く聞いていた。

提督「じゃあ、君は別の世界の未来から来たとうことかい?」

ゼロ「そうだ」

提督「一ついい?君の世界は平和だった?」

ゼロ「……いや、大きな戦争があって何度も戦った。」

提督「ゼロくんの覚えている記録が正しければね。」

ゼロ「オレが嘘を言っていると?」<…記録か…>

提督「オレの世界ではロボットが戦争してた。と言われても現実味がなくてね。」

  「けど、君が二人を助け海面を歩いたのは事実でしょ?」

  「私は信じるわ。」

<海面歩くなんて艦娘でも艤装が無いと出来ない…天草四郎かアパート暮らしの神様ぐらいよ>

<手放したくない!!絶対に手放したくない!!>

<如月と睦月の話を聞く限り、かなり強いみたいだし>

<なんとかして引き止めないと!>

<あー計画しても実行出来なかった実験もあったし>

ゼロ「どうした?考え事か」

提督「ははwごめんね。処理が追いつかなくてね。」

  「君さえ良ければ是非うちで彼女達と一緒に戦ってくれないか?」

  「勿論、ただとは言わない。衣食住も確保する!」

  「何より我が鎮守府はゼロくんの弱点を補えるよ!」

ゼロ「どういうことだ?」

提督「フフーフン、ゼロくんは未来から来た。そしてハイテクの塊だ。」

  「ハイテク過ぎる故にこの世界では負傷したらどうする?」

  「直すのも一苦労だ。しかし、ここならゼロくんの世界に劣るが他の鎮守府より優れた研究施設がある。」

  「時間は掛かるかもしれないが、私が必ず直してあげる。」

ゼロ「…わかった。行く当てもないからな<随分必死だな…>」

提督「じゃあ、これからよろしく!ゼロくん」

ゼロ「あぁ、提督」握手する二人 慣れないせいか少しぎこちないゼロ

  「まずは、この施設を見せてくれ。」

提督「はいはい、どうぞ。自由に見てねー」

ゼロは部屋を後にした。

提督「ふふ、たっぷり愛してあげないとね…」

  「そういえば、男の子を愛するのは初めてね…」


                            続く

部屋を出たゼロは鎮守府を見て回る事にした。


建物自体は割と新しく清掃が良く行き届いているようだ。


しばらく歩くと食堂に付いたが、誰もいない。


他に行こうとしたら後ろから話しかけられた。


??「ちょっと、なにやってんのよ?」


振り向くと青い髪の少女がこちらに近づいてきた。


??「あんたは昨日運ばれた赤いのでしょ?」


ゼロ「ゼロだ。お前はなんだ?」


??「お、お前ですって失礼な奴」

「私は駆逐艦5番艦の叢雲よ。覚えときなさい」


叢雲「司令官に頼まれて、あんたを案内するように頼まれたのよ」


ゼロ「オレを案内するように?」


叢雲「そうよ!艦娘でもないよそ者を監視する意味もあるけどね」


ゼロ「そうか…なら頼む」


叢雲「あら、素直じゃない。私に付いて来なさい。ちなみに、この食堂は鳳翔が担当しているわ」


ゼロ「艦娘は炊事もするのか?」


叢雲「そうよ、鳳翔さんは戦闘で足をやられたの。解体されるところを司令官が拾ったのよ」

ゼロ「解体とはなんだ?退役か」


叢雲「普通の少女に戻れることよ。けど、まだ戦いは続いている…今の時代ではいい意味ではないわ」

  
ゼロ「退役というよりは除隊か…」


叢雲「戦えなくなったら、はした金を渡して放り出すのよ。けど、提督はそんな艦娘達に手を差し伸べたわ」


  「鳳翔さんは制限があるけど足が動くようになった。解体された娘達も司令官が支援をしたわ」


  「本部の連中はいい顔をしなかったけど…」

ゼロ「除隊させずに戦わそうとしたのか?」


叢雲「そうよ…体が動くなるなら戦えるはずだといってね。勝手に解体して放り出したくせに…」


  「まあ、司令官が作った義手や義足は未完成品だから。それも叶わなかったけどね」


ゼロ「未完成品?制限でもあるのか」


叢雲「長時間動かせないみたいなのよ。どうしても充電が持たないらしくて」


ゼロ<もしかしたら…>


叢雲「さあ、まずはここよ」


                         続く

 <妖精の園>


目の前の建物の看板にはそう掲げられていた。


叢雲「ここは工廠よ。私達や武器などを開発する場所よ」


工廠の中では小人が忙しそうに働いている。


クビオイテケ!
シエルサーン!
ヨウアイボウ、マダイキテルカ?
ヨニヘイオンノアランコトヲ
オーレーハハコビヤ
コノカプセルニハイルンデス
ツクルンデス、ダレニモマケナイブキヲ
アカイヒトガキター
キョウサンシュギデスカ?
カミガナガイデス、オンナデス?
マタ、カミノハナシシテルテン


叢雲「この子達が妖精さんよ。妖精さんの協力無しには何も出来ないわ」


ゼロ「妖精は死ぬことはあるのか?」


叢雲「ないわ、死という概念はそもそもないのよ。どうして?」


ゼロ「いや…なんとなくだ。気にしないでくれ」


叢雲「艦載機が撃墜されても何故か。工廠にいるのよ」


エジェクト、エジェクト!


叢雲「そこの妖精さんは出撃の度に撃墜されるけど必ず戻ってくるからね。司令官は、オメガちゃんと呼んでるけど」

「ーー!ー-!ーー!--!」


突如、けたたたましい音が建物内に響き渡る。


提督「正面海域より敵が近づいてきてるよ。みんな指令室にすぐ来てね」<館内放送>


叢雲「正面から?どうして」


叢雲は指令室に向かって走り、ゼロも後を追う。


??「ふふ、ふふふ。素敵な赤い人」


指令室には既に何人かの艦娘がおり提督と話し合っているようだ。


提督「いやーいきなり正面海域からだからね。困るね。」


叢雲「司令官、敵の数は?」


大淀「確認出来ただけでも、ロ級が6体ですね」


提督「だそうです。こいつらは囮かもしれないね。けど放置は出来ない」


提督「叢雲、曙、早霜、夕張……それとゼロくんで」

叢雲「待ってよ!得体のしれない新入りよ」


提督「だからだよ、私はゼロくんの力を見てみたいんだ。なにかあればここからも援護出来るように準備してるから」


叢雲「ッ!わかったわ。ほら、行くわよ。赤いの」


提督「後、最近噂の勲章狩りが出てたら即時撤退ね」


ゼロ「なんだ?その勲章狩りというのは?」


提督「高級将校の指揮艦を襲い自らの手で殺して勲章をその証としてもってくのよ。あーこわいどうしよう(棒)ゼロくん、守ってね」


ゼロ「…あぁ、必ずな」


指令室を後にするゼロだったが、どうも「守る」とういう言葉に重みを感じていた。

正面海域


叢雲「こちら叢雲、敵はいないわ。どうする司令官?」


提督<警戒しながら付近を捜索でね、ゼロくんはどう?>


叢雲「あいつはなんなの?艤装も無しに海面歩くわ、平気で私達に付いてくるわよ!」


提督<フフーフン、ゼロくんは特別みたいだね>


叢雲「夕張さんはあいつしか見てないし。」


提督<あらあら、指揮を頼みますよ>


叢雲「言われなくても、わかってるわ」


曙 「ねえ、叢雲。あの鉄クズのなんなのよ?」


叢雲「さあ、司令官の新しい玩具ではなさそうよ」


早霜「…鉄クズではないわ…ゼロよ…」


曙 「なんだよ!いきなり出てくるな」


早霜「いたわ…ずっと…叢雲が案内している最初から」


叢雲「!!!。なんで黙ってたのよ?」


早霜「私はこうして…見ているだけ…」


夕張「あのー皆さん。敵が出てきましたよ」


叢雲「話は後よ。攻撃開始よ、あんたは後ろから見ていなさい!」


ゼロ「…了解した」

ゼロ「…了解した」


叢雲達四人の戦いは慣れたもので6体のロ級を直ぐにを撃破してしまった。


叢雲「任務完了ね、楽勝だったわね」


夕張「結局、ゼロくんは見てるだけだったけど…いいのかしら?」


曙 「あれじゃ鉄クズじゃなくて、置物ね」


早霜「………周辺にはいないみたい」


叢雲「ほら、あんた。帰るわ…」


叢雲が言いかけた時、ゼロはZセイバーを抜き自分らに向かって走って来た。走るというより滑るに近いかもしれない。


叢雲<速い!!あんなスピードが出るの?てか、馬鹿にされて怒ったの?>


叢雲「待ちなさいよ!怒ったの?」


ゼロ「伏せてろ」


ゼロは一言だけいい、高く跳躍した。


夕張<機動性能に跳躍力が素晴らしい。何者なの?>


ゼロは空中でZセイバーを縦に振る。ズバーン!


何かを斬る音と同時に海面で二つの爆発が起こり海水が雨のように降ってきた。

曙 <狙撃された!戦艦級の砲弾よ>


早霜<私達を守ってくれた…ふふふ…>


叢雲<ありえない…なんなのよ。あいつは>


ゼロ「おい、敵はまだくるぞ。どうするんだ?」


叢雲「え、戦艦級がいるみたいだし、後退しながら援軍を待つしか」


ゼロ「戦艦級はそんなに強いのか?」


叢雲「そうよ!強固な装甲に強力な主砲で当たったら一溜りもないわ」


ゼロ「わかった…お前らは後退しろ。オレがやる」


曙 「ふぜけてんじゃないわよ!説明聞いてなかったの」


ゼロ「当たらなければいいんだろ?」


ゼロ「それとお前」


曙 「な、なによ?」


ゼロ「オレは置物でも、鉄クズでない。」


そういうとゼロは走り去ってしまった。

最初に修正あります


ゼロ「オレは置物でも、鉄クズでもない。…ゼロだ」


ゼロは叢雲達の制止を振り切り走り去っていった。


敵の姿は直ぐに発見した。ロ級が3体にホ級が2体。そして両腕に強固な盾と一体化した主砲を持つ戦艦ル級。


ゼロ<あれが戦艦級か…確かに堅そうだな>


ゼロを感知済みだったのか深海棲艦側は一斉射撃で接近を阻もうとする。ゼロはそれを回避、Zセイバーで弾きながら近づく。


一番近くにいたロ級のZセイバーで上顎と下顎が分かれるように横一文字に切り裂き走り抜ける。


ゼロ<こいつを使うか>


爆破したロ級の爆炎でゼロを見失ったロ級は動けずにいた。混乱している訳ではない。ゼロに尻尾を掴まれていた。


ゼロ「ふん!」<ゼロナックルも問題ない>


ゼロは掴んだロ級でホ級2体を殴り飛ばす。空中で爆発するホ級2体。ホームラン


そのまま、ル級を殴るが盾で防がれてしまい、ロ級も爆発してしまう。

ゼロ<叢雲が言うだけあって堅いな>


ゼロはチャージしながらル級に近づく、ル級は近づけさせまいと砲撃を撃ち続けるが当たらない。ゼロには見えているかのように全て避けてしまった。


ゼロ<強力だが、連射は出来ないはずだ…>


ゼロ「ハァ!」ゼロのチャージ斬りで盾を吹き飛ばされたル級はゼロの一撃を防ぐことができずに


ゼロ「目の前の敵は…叩き斬るだけだ」シュバン!


ル級はゼロの一撃により一刀両断され爆発した。


鎮守府前


ゼロ「今戻った」


提督「ははwお帰り、大活躍だったね。」


ゼロ「いや、一体魚を逃がした…」


提督「初陣では上々だよ。叢雲達も心配して直ぐに出直そうとしたらもう帰還するんだもん。」


ゼロ「…これは土産だ」


提督「これはル級の盾じゃん!よく回収できたね」


ゼロ「なにかあったら呼んでくれ。しばらくは工廠にいる」


提督「いい名前でしょ?私がつけたんだよ」


ゼロ<……センスないな…>

同時刻 ゼロのいた島


「…イナイ!ソンナドコニイッタノ。マタニンゲンガキタノカ。コンドコソタスケル…」


「ワタシノアイスル…ゼロ」


今日はここまでとなります。話は大筋決まっているのですが、ゼロと艦娘の交流ネタが切れてしまいました。この艦娘とゼロの交流は面白そうというのがあれば書いてもらえば参考させて頂きます。


出せるかどうかわからないんですけどね

後、読んでくださっている方がいるかもわからないんですけどね

意見ありがとうございます。参考にさせて頂きます。

SS初心者でキャラが安定しないのは勘弁していただければ幸いなんです

ゼロは工廠で座りながら妖精を眺めていた。


ゼロ<記憶は無いが、戦い方は覚えている。オレは昔から戦ってばかりだったのか…>


ゼロの周りの妖精はゼロに興味を持ったのか遠巻きにチラチラ見ている。


アカイヒトデス
ツヨイミタイデス
アカクテツヨクテカミガキレイ
キライジャナイワ!キライジャナイワ!


ゼロ「なあ、妖精さん…」


ナンデス?


ゼロ「艦娘の武器も作っているんだよな?オレの使えそうな武器も作れるか?」


ザイリョウガヒツヨウデス
コゼニダ!コゼニヲダセ!
オカシオイテケ!


ゼロ「ただとは言わん。遠距離武装が無いと不便なんだ」

夕張「けど、ゼロくんが使うには難しいかもしれないわよ?」


ゼロ「…ゆうばりだったか?」


夕張「夕張型軽巡洋艦1番艦の夕張お姉さんよ。」


ゼロ「難しいとはどういうことだ?」


夕張「今の武器はゼロくん専用の装備でしょ?この世界の武器はゼロくん程優れてないのよ」


ゼロ「そんなに差があるのか?」


夕張「まず、刀の刀身が自由に出し入れ出来るなんて聞いたことないわ」


ゼロ「Zセイバーのことか?」


ゼロはZセイバーを握り改めて眺める。自分にとって当たり前の事が他人にとっては特別であるとは


夕張「それ見せてもらっていいかな?」

ゼロ「あぁ、ほら」Zセイバーを投げ渡す


夕張「わとと、あれ刀身が出ない?」


ゼロ「オレ以外では使えないようだ」


夕張「成程、本当にゼロくん専用なんだね。素材は解らないけど凄く軽い」


夕張はZセイバーを持ち上げ色々な角度から眺めていた。途中でゼロの体を見てある事に気が付いた。


夕張「両太ももについてるのはこれのホルスターになるの?」


ゼロ「そうだ。ただいつも使うのは右側だな」


夕張「じゃあ、2本あるのね。二刀流は苦手?」


ゼロ「…そこまで器用じゃないんだ。」


夕張「あら、意外な弱点なのね」

夕張は微笑みながら近づいてきた。


夕張「ゼロくんさえ良ければなんだけど、あなたを調べさせてくれない?」


ゼロ「提督も言っていた。時間がある時にな」


夕張「よかった、改めてよろしく。そして、助けてくれてありがとう」


ゼロ「…気にするな」


??「あのーゼロさんいますか?」


工廠の扉が開き2人の少女が入ってくる。前に助けた二人だ。


ゼロ「オレの部屋の件か?」


??「そうです。まず、自己紹介です」


睦月「睦月型駆逐艦一番艦の睦月です」


如月「同じく、睦月型駆逐艦二番艦の如月です。」


睦月「この前は助けてくれてありがとうございました。」

丁寧に頭を下げる睦月だが如月は身を乗り出しゼロの右手を両手で包むように握る。


如月「本当にありがとうございました。ゼロさんのおかげで私達は死なずにすみました。私の英雄です。」


睦月「あはは、如月ちゃん。あれからずっとゼロさんの事を気にしてたから」


ゼロ「…あぁ、悪かった。案内してもらっていいか?」


如月「はい、勿論です。いっしょにいきましょう」


ゼロ「夕張、また時間がある時に」


夕張「えぇ、部屋でゆっくり休んでね」


ゼロは二人に挟まれながら工廠を後にした。


夕張「もう、両手に花か…いや、まだ蕾かしらね」


ユウバリナノニメロンジャナイヨナ
ヨセ!ジケンダイニサレルゾ!

影の飛忍 エクスプローズ・ホーネック

Xシリーズとロックマンゼロのボスは名前も二つ名が本当にかっこいいですよね

紅のアサッシン マグネ・ヒャクレッガーが好きでした

しばらくは鎮守府巡りになりそうです。

ゼロは睦月と如月の二人に連れられて用意された部屋に向かっていた。出撃前に叢雲に食堂と工廠を教えられていたので残りは宿舎ぐらいだった。


睦月「うちの宿舎は入隊順に部屋を自由に決められるんですよ」


如月「ちなみに、私は睦月ちゃんの隣です。」


ゼロ「仲がいいんだな」


睦月・如月「はい!仲良しです。」「仲良しなんです」


二人は抱き合いながら笑顔で答えた。


ゼロ<オレには友がいたのか?守りたい者がいたのか。戦いだけだったのか?>


ゼロ「そうだ、出撃の時どうしてここにいなかったんだ?」


睦月「あの時は二人で街にいたので…」


如月「子供たちの避難誘導をしていたんです。けど、ゼロさん達のおかげで街は無事でした。」


ゼロ「あぁ、被害が出なくてよかった」

睦月「ゼロさん、ここですよ」


ドアには丁寧にゼロと書かれていた。室内は必要最低限の生活用具が揃っている。


如月「何もないから寂しいわね」


睦月「これから寂しくなくなりますよ。あれ?ベットが膨らんで…」


ゼロがシーツをめくると長い黒髪の女が寝ていた。とりあえず、シーツをまたかけた。


ゼロ「間違えたか」


??「いえ、間違っていないわ…あなたの部屋よ…」


如月「どういうつもりかしら、早霜さん?」


早霜「…ベットを温めておいたのよ…ゼロさんの為に…フフッ…」


如月「なんであなたがベットにいる必要があるのかしら?」


早霜「…わからないの?…ひと肌が一番よ…」


如月「いや、そうじゃなくて。なんで早霜さんがゼロさんの部屋にいるの?」


早霜「…提督から聞いたわ…それに…こんな私を助けてくれたわ…だから決めたの…」


如月「…何を決めたの?」


早霜「私はこれからゼロさんを…見ることにしたの…いつまでも…」


如月<まずいわ、既に争奪戦が始まっているわ。>


如月「私もゼロさんに助けられました!だから、私にも権利があります」


睦月<私も条件おんなじなんだけどなー>


ちなみに、ゼロは退室済みだった。

とある海域 


??「ゼロ…マッテテ…カナラズ…イクカラ…ワタシハ…ツヨクナッタ…ツギハ…トモニタタカウ」


自分の部屋で休む事も出来ないので鎮守府内を歩いていた。


ゼロ<ベットにいたのは、戦闘で一緒になった。たしか早霜だったか>


なぜ自分の部屋に寝ていたかを考えていたが、答えが見つからなかったので諦めた時だった。食堂の入り口に車椅子の女性がいた。


??「あれ?新しい子ですか?」


ゼロ「今日からここで戦うことになった。ゼロだ」


??「…ゼロさんですか?変わった名前ですね」


鳳翔「私は軽空母の鳳翔と申します。今は見ての通り戦えないので炊事担当です」


鳳翔は車椅子に座ったままお辞儀をした。


ゼロ「叢雲から話を聞いている。普段は車椅子なのか?」


鳳翔「提督から補助装置を貰ったんですが、普段は車椅子です」


鳳翔は微笑みながら答えた。今までにない大人の女性といった感じである


鳳翔「もう少しで、夕飯なんで待っててくださいね」


ゼロ「厨房まで押していく」


鳳翔「あらあら、優しいんですね」


厨房まで鳳翔を押し、立ち上がったのを見届けてから食堂を後にした。


部屋に戻ることも出来なかったので(一旦戻ったら、三人が寝ていた)気が付いたら屋上にいた。

鎮守府屋上


ゼロ<日が沈みかけている…夕焼けが綺麗だな>


ゼロ「いい風だ」


??「いい景色だろ。それが自分達が守った街なら尚更だな」


振り向くと腕を組んだ銀髪の女性が立っていた。


??「提督が言っていたことは本当だったな。年頃の男はというのは高所を好む、というのは」


ゼロ「オレに用か?」


??「あぁ、夕飯と君を紹介する時間が近いのでな。それと」


武蔵「大和型戦艦二番艦の武蔵だ。ちなみに気を失った君を抱えて帰ったのは私だ」


武蔵は笑いながら説明した。


武蔵「君は見た目より重くてな。俗にいうお姫様抱っこで運んだんだぞ」


ゼロ「…それは悪かった<お姫様抱っこってなんだ?>」


武蔵「まあよい、夕飯だから食堂まで行くぞ。提督が君の紹介を皆にしたいようだから」

食堂


食堂には大勢の艦娘達がおり、それぞれ食事をしている。


ゼロが来たことにより、何人かはゼロに注目していた。


提督「ほらほら、ゼロくんこっちだよー」


提督が手を振って招きいれる、でかいから尚目立つ(180㎝)。


提督「さて、注目です。今日から仲間になったゼロくんですよ。名前以外は記憶喪失なんでみんな仲良くしてね」


ガヤガヤ
オトコノヒトナノデス
カミガナガイワネ
カワイイオトコノコジャナイ


提督「ちなみにゼロくんはかなり強いので即戦力です。では、ゼロくんどうぞ」


…オレに何を言えというのだ。周りが理解に追いつけなくて困惑しているぞ


ゼロ「ゼロだ。武器は刀で近接格闘型だからよろしく頼む」


その後、何人かの艦娘が質問に来たぐらいで特に何もなく夕食が終わった。早霜は遠くから見ていたが、表情には何故か余裕があった。

お姫様抱っこって他に方法なかったのか?
早霜の正妻ぶりはなんだw

>>77
艤装が邪魔になると思いおんぶは無理そうなのでだっこで

IDを直して少し更新

執務室


叢雲「司令官、ゼロは何者なんですか?」


提督「あれ?自己紹介聞いてなかったの?」


叢雲「あれで何が理解出来るっていうのよ。戦艦の砲弾を斬ったのよ。それに艤装無しで機動力は駆逐艦以上かもしれないなんて異常よ」


提督「まあまあ、落ち着いて叢雲ちゃん」


提督は叢雲の頭を撫でながら落ち着かせようとする。


提督「ゼロくんは特別みたいなんだよ。そして、なにより強い。強いということはそれだけで意味があるんだよ」


叢雲「…弱い私達はもういらないっていうの…」


提督「叢雲ちゃん、もしかして不安なの?」


叢雲「そんな訳ないわよ!」

提督「涙目で言われても説得力無いよ。大丈夫だよ。私はこの鎮守府の仲間をみんな愛しているからね。死なせないし、誰にもやらないよ」


提督は叢雲を抱きしめながら頭を撫でていた。


叢雲「司令官はずるいわ…いつもそうやって誤魔化すわ」


提督「けど、叢雲ちゃんも満更じゃないでしょ?」


叢雲「だから、ずるいのよ…」

ゼロの部屋


ゼロ「明日は提督と秘書艦からここでの業務を学ぶのか…」


ゼロはベットに寝ころび天井を眺めながら考えていた。


ゼロ<寝る必要は無いんだがな。気を失っている時に昔の記憶を見たから、機能停止させれば見れるかもしれないのか>


ゼロ<とりあえず、寝てみるか>


??「…おやすみなさい」

翌日のゼロの部屋


ゼロ<寝てみたが、記憶は見れなかったな>


体を起こそうとしたゼロだったが、体が動かない


ゼロ<何故だ?また異常があ…>


昨日もベットにいた早霜(半裸)がとても気持ち良さそうに寝息をたてている。


ゼロ<完全に懐かれたな…>


早霜を起こさないようにベットから抜け出そうとしたゼロだったが


如月「ゼロさん、あなたの如月が起こしに来ましたよー」コンコン


ゼロ<これは…不味い。面倒なことになるに違いない>


新たに始まった短い人生経験がそう警告する。


ゼロは寝たふりでやり過ごすことにし、毛布を早霜が隠れるように被せる。

如月「まだ寝てますか?あら、開いてるわ」


ゼロ<あぁ…入ってくるのか…>


如月「ゼロさんったら毛布も掛けずに寝てるわ。意外と激しいのね///」


如月はカーテンを開けて窓を開ける。


ゼロ<ほぼ、電源を切るのと変わらないから動かないだが…>


如月「ほら、朝ですよ。起きて下さい…あなた///」


如月は頬を赤らめながらゼロの肩を揺らし起こそうとするが、毛布から伸びてきた手が阻止する。


早霜「…それは…わたしの…ふふ…役割よ」


如月「!…早霜さん、どうしてそんな恰好でここに」


早霜「あなたなら…わかるはずよ…夫婦の営みよ…ふふふ」


勝ち誇った笑みを浮かべる早霜(半裸)と絶望する如月。そして、寝たふりをするゼロ。


修羅場である。

しかし、その修羅場も一人の介入により終了する。


睦月「早霜さんならちょっと前にゼロさんのベットに入っただけですよ」


入口に睦月が立っていた。


睦月「早く起きちゃってお手洗いにいったら、早霜さんが部屋に入るのを見ちゃったんです」


早霜「ふふ…ばれちゃったわ…」


如月「本当なのね、睦月ちゃん?」


睦月「はい、ばっちり見ちゃいました。だから、早くゼロさん起こして行こうよ」


ゼロ「もう起きている(命拾いしたな)」


如月「あら、起きてるなら直ぐに行きましょう」


早霜「…まって…着替えるから」


ゼロ「待ってやるから着替えてこい」


睦月「もう、ゼロさんだって二度寝して早霜さん隠したくせに」


四人は食堂に向かう


ゼロは違和感に気が付かないままだった。

海上演習場


ゼロは無数の艦娘と対峙している。


提督「では、これから特別演習を行います。死なない程度に戦ってくださいな」


艦娘達は殺気立っており、目をギラギラさせながらゼロを睨み付けてる。


提督「ゼロくんを負かしたMVPには豪華賞品です。では、開始!」


数時間前


鎮守府内での業務を学ぶ為にゼロは提督と秘書艦の叢雲から業務を教わっていた。


ゼロ<机仕事はオレには向かないな>


自身が現場第一主義であること改めて自覚したゼロは提督に聞いた


ゼロ「午後からの演習の内容はどうなっているんだ?」


提督「今後の編成を考えるためにゼロくんには艦娘と模擬戦としてもらうよ」


ゼロ「丁度いいオレも艦娘達の強さを知りたかった」


叢雲「余裕じゃない」


ゼロ「そうか」


叢雲「…絶対負けないから」バタン


ゼロ「機嫌が悪そうだな」


提督「怖いだけよ」


ゼロ「怖い?」


提督「さあ、昼食ですよ」


ゼロは提督に押されながら食堂に向かった。

海上演習場


提督「では、ルールを説明する。艦娘達は小破を確認したら敗北とします。ゼロくんに関しては」


ゼロ「オレに参ったと言わせるか、小破させたらだ」


提督「勝ったら私から間宮券を全員に3枚くれてやる!そして、MVPには」


提督「この<提督が何でもする券>を1枚贈呈するぞ」


提督LOVE勢力 ガタ!


提督「使い方は各自の良心に任せる」


提督「ちなみに、この券は提督にゼロくんに!!!!!させるように命令させると使うことでゼロくんも自由に出来ます」


早霜・如月・睦月 ガタ!


ゼロ「おい、聞いてないぞ」


提督「負けなきゃいいんでしょ?自信ないの」


ゼロ「勝てばいいんだ、やってやる」


提督「本気の彼女達と戦えるから実力を知れるよ」


ゼロ「まあいい、武器の出力は最低に設定しているからな」


提督「まあ、レクリエーションだと思って気軽にね」

そして、今に至る。


開始の声とほぼ同時にゼロに向けて一斉に砲撃が行われる。


ドカーン!ズドーン!ドギャーン!バリバリ!


提督「うわーえげつないなw」


大淀「さすがにゼロくんが強くてもこれは戦力に差がありすぎますよ…」


間宮「一方的な演習になります」


明石「まるで数の暴力ね」


3人は開始早々に決着はついたと思っていたのだが、


ゼロ「こんなもんか?」


大淀「うそ…無傷なんて」


ゼロ「シールドブーメランで防げるとはな、砲撃が軽いな」


ゼロの挑発に乗ったのか否か4人が先行してくる。

金剛「ヘーイ!ゼロボーイ、提督券の為、デスデース」


比叡「お姉さま、死なない程度の援護します」


榛名「…ゼロさんには申し訳ありませんが、ごめんなさい<間宮券///>」


霧島「負けたらクマにされるので」


四人は一列陣形で砲撃しながらゼロに近づく、さすがに至近距離ならゼロも防げないと考えたのだろう


ゼロ<適度に距離を保ち砲撃する気だな>キュイン、キュイン


金剛「穴空きチーズにしてやるデース!!」ドォーン!ドォーン!


ゼロはシールドブーメランで防ぎ、「ハッ!」シールドブーメランを金剛達に投げつける。


金剛「予想通りデース、散開し砲撃ネ!」


シールドブーメランを避けた四人はゼロに向けて砲撃する。


ゼロはZセイバーで砲撃を弾きながら前進する。

霧島「聞いていた通りの速さです。が、盾が無い今なら…」ズギャン


霧島「…え、盾が艤装に刺さって…」小破!


金剛「そんな!霧島が殺られたデース」


榛名「ただの盾じゃありません。後ろに注意を…」


シールドブーメランを避けた榛名だったのだが、目の前にはゼロが迫っていた。


榛名<そんな…速過ぎる>


ゼロ「加減してやる」シュバン


榛名「アァン///」小破!


後ろに気を取られていた榛名を斬りつけ、シールドブーメランを回収したゼロは金剛に迫る。


金剛「シット!榛名も殺られた」


比叡「お姉さまをやらせはしない」チャキ


金剛を守るように飛び出した比叡だったが、ゼロはそれを無視し飛び越える。


比叡「うそ、なんて跳躍力」


金剛の後ろに着地しゼロナックルで艤装を掴むゼロ。


金剛「シールドにする気ですか?比叡シュートミー」


ゼロ「違う。武器を借りるぞ」


金剛の意思に反して、比叡に照準が合わさり発射される。ドォーン!


比叡「あぁ…お姉さまの砲撃///」小破!


金剛「ノー!そんな艤装を乗っ取るなんて」


金剛はゼロを振り飛ばし、距離を開ける。


ゼロ<こちらは近距離装備しかないからな。>


金剛「よくも、私のシスターをやりましたね。しかも、比叡を私に撃たせるなんて…」


ゼロ「オレは一人で戦うしかないからな。使える戦法は全て使うぞ」


金剛と対峙していたゼロだったが、上空から無数の爆撃機の爆撃が降り注ぐ。

ゼロ<話し過ぎたな>シューシュタッ!


ゼロは爆撃を避けながら、爆撃機が来た方向に向かい走り続ける。


龍驤「なんや、あいつ!爆撃の中突っ込んできたで」


大鳳「こちらに近づいてきます!」


ゼロ<あの赤いのと白黒のチビがこいつらを使っているのか…艦娘の戦い方は多種多様だな>キュイン、キュイン


ゼロは爆撃を避けながら二人の距離を詰めるのだが


天龍・龍田「やらせるかよ・やらせないわ」薙刀と刀を持った二人に止められる。ガキン!


天龍「お前らは後退しろ!この天龍様が相手だ!赤いの」


龍田「天龍ちゃんの援護するよ」


龍驤「感謝するで、後退し体制を立て直すんや」

天龍「なあ、赤いのお前強いんだろ。相手してくれよ!」


ゼロ「好戦的だな」ガキン!ガキン!


天龍「あぁ、戦いは最高だ!」


ゼロ「だが、数が多いんでな!」


ゼロはチャージ斬りの衝撃波で天龍を吹き飛ばす。


天龍「うわ!」


龍田「許さないから…」


龍田はゼロの背後に回り込んで斬りつけようとするも、ゼロナックルで薙刀を掴まれ投げ飛ばされる。


龍田「あらー」


投げ飛ばされた龍田は、先に飛ばされた天龍とぶつかり


天龍「くそーやられた」小破!


龍田「二人して派手にやられちゃったなー」小破!

面白いです!!
自分もゼロシリーズが好きなのでこの先の展開が楽しみです。
しかし、ゼロでこの強さならゼロ3ラスボスの「救世主」はどんだけのチートになってるんだろう((lll・Д・)ノ

>>100
ありがとうございます。

誤字脱字やキャラ崩壊を勘弁してくれたら幸いなんです

少し更新します

観覧席


大淀「まさか、金剛艦隊が壊滅とは…」


明石「爆撃の中を走り抜けるし、投げ飛ばすし未知数ね」


間宮「仕入れはいつも通りで大丈夫かしら」


提督「ゼロくんは強いよ。けど、それだけじゃない」


3人「え?」


提督「今までの深海棲艦と違って考えて行動するんだ。未来から来た艦娘と戦うみたいなもんかな?」


大淀「技術が違い過ぎると?」


提督「技術に関しては100年単位で先だし、頭がいい。」


明石「彼が仲間でよかったわ。もし、深海棲艦に加担することになっていたら…」


提督「解らないよ。人間に愛想つかしたら敵になるかもね」


??「きっと大丈夫ですよ。ゼロくんは」キコキコ


間宮「あら、鳳翔さん」


鳳翔「ゼロくんは優しい子ですよ。初対面の私を手伝ってくれましたから」


間宮「いいこと聞いちゃったわ。サービスしてあげないと」


提督<どちらかというと甘いかな>

海上演習場の障害物影


睦月「うぅーん。やっぱり絶対勝てないよ」


如月「あの金剛さん達が負けるなんて」


早霜「戦う姿も…ふふ…雄々しい…」


3人は開始の砲撃に加わらずに障害物の影で様子を見ていた。ゼロの強さを見たことのある3人は正面から挑んでも勝てないと判断し結託することにした。


如月「今挑んでもダメよ…負けちゃうわ。」


早霜「…他の人達が挑んで…消耗した時に…」


睦月「最後に残った私達3人で、隙を突くんですね?」

如月「卑怯と罵られても構わないわ…」


早霜「それだけの…価値があるわ…ふふ…」


睦月「勝っちゃったら、どうしましょう///」


如月「まずは勝つことを考えましょう。そして、慢心はダメよ」


早霜「…そうね…勝たなきゃ…ナニも出来ない…ふふ」


睦月「ゼロさん大好きチームの第一歩です」


後に提督LOVE勢力に続く勢力となるゼロLOVE勢力が出来た瞬間である。

海上演習場


ゼロ<半分は倒したか…>


島風「そんな…私がスローリーなんて」小破!


龍驤「あかん、やられてもうたわ」小破!


大鳳「艦載機を落とさずに私を」小破!


ゼロ<無傷とはいかなかった。これ以上喰らうと敗北判定の小破だな>


??「喰らえー!」ドォン!ドォン!ドォン!


ゼロ「奇襲なら声を出すな」ヒョイ


??「あー避けたな。許さないわよ」


ゼロ「無理を言うな」

清霜「夕雲型駆逐艦の清霜よ。あんたがお姉様を弄んだのね」ドォン!ドォン!


ゼロ「夕雲型駆逐艦…なら、早霜の妹ということか?」ガキン!ガキン!


清霜「そうよ!よくも早霜お姉さまを…」ドォン!


ゼロ「オレは何もしていない」ガキン!


清霜「うそよ!昨日の晩に部屋を訪ねたら清霜お姉さまが、あんたの名前を何度も呼びながらベッドで苦しんでたのよ!」


ゼロ「向こうが懐いてきただけだ」


清霜「なんて勝手な奴!お姉さまのあんな声を聞いてな…」ズドン!中破!!


ゼロに放たれた砲弾は予想が外れたのか。それとも狙ったのか清霜の頭に着弾した。


清霜 チーン

ゼロ「…誤射なら仕方ない」


早霜「…それ以上は…いけない///」


如月「あらあら、ナニをしていたのかしら///」


睦月<ゼロさんの夢でも見てたのかな?>

早霜「あ…やってしまったわ…」


如月「奇襲が台無しね。どうしましょう」


早霜「…まさか…清霜に見られてなんて///」


如月「みんなにばれちゃったわね。早霜さんの秘密///」


早霜「耐えて見せるわ…皆の視線から…愛の試練よ///」


如月「それと場所もばれちゃったかしら」


二人は考えた。奇襲に備えるにしても場所を変えなければいけない。ゼロがみすみす見逃すとも考えられない。


万策尽きた…二人はゼロに行う行為を夢見て自分を慰めるしかないと(ばれないように)絶望していたのだが


睦月「大丈夫ですよ!私の奇策があります」


ゼロは自分達の隠れている場所まで近づいていたが、途中で違う方向に向かってしまった。


如月「あら、こないわね」


早霜「…違う障害物に…どうして」


睦月「計画通りです」フフーン

障害物高所


暁「戦局は芳しくないわ。もはや壊滅状態と言うべきね」


響「あの赤い人は本当に強いね」


雷「けど、私達にも意地があるわ」


電「絶対勝つのです!」


暁「そうね。第六駆逐隊の力を見せてあげましょう」


四人「オォー!!」


ゼロ「見せてもらおうか」


四人「え…」


3分後


ゼロ「いい連携だった」


暁「レディは泣かないのよ」グスン…グスン…小破!


響「ウーラー」小破!


雷「もうだめ」小破!


電「…次は沈めるのです」小破!


ゼロ「今までの相手で一番連携が取れていた。だから、時間が掛かった」


暁「うー負けたら意味ないじゃない!」


ゼロ「これは演習だ。次に活かせろ」


響「暁…認めるしかないよ」


雷「頑張るしかないわね」


電「次は負けないのです!」


ゼロ「いくらでも相手してやる」


ゼロは次の相手を探し移動する

如月「暁ちゃん達が負けたわね」


早霜「…なんであんな…目立つところに…いたの」


睦月「レディは高いところにいるべきですから」


如月<睦月ちゃんが暁ちゃん達を目立つ所に演習開始前に誘導していた?>


早霜<睦月…恐ろしい娘>


睦月「さあ、張り切って奇襲しましょう!!」

海上演習場


叢雲「…壊滅ね」


曙 「…強すぎる」


叢雲「なら降伏する?」


曙 「笑わせないで。一発でも当ててやるわ」


金剛「マイシスターの仇は必ず私が取るデース」


叢雲「しかし、一番気合いが入っているのは…」


長門 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!


長門は腕を組み、静かに闘志を燃やしているようだ。


曙 「長門さんは私達が不甲斐なくて怒っているのか?」ボソ


叢雲「一人相手に壊滅状態よ。きっとブチギレよ」ボソ


金剛「ブチギレ長門デース。チョーコワーイ」

長門<一人で我が艦隊を壊滅状態させるか。まるで赤い鬼神だ。動くたびにに揺れる美しい髪。小さな体に秘められた強さ。小さいのに強い>


長門<なのに…なのに…なんで奴は男なんだ!!!>ドゴン!


曙 「ヒィ!」チョロロ


叢雲「ブチギレなんてもんじゃないわ」ブルブル


金剛「障害物が粉々デース」ブルブル


長門「…行くぞ…我々の誇りをかけての勝負だ」


ゼロは崩壊した障害物を見ていた。

ズドーン!ズドーン!ドォン!ドォーン!


ゼロ「フン」シューシュタッ!ガキン!


ゼロ<一撃が重い…戦艦級か>


長門「やるでのはないか。小僧!」ズドーン!


ゼロ「戦艦級とやらか」


長門「そうだ!ビッグ・セブンの一人。戦艦長門だ!」ズドーン!ズドーン!


ゼロ「オレはゼロだ」ガキン!シュタッ


長門「ゼロか。いい名前だ!」


長門「我が艦隊を可愛がってくれたな<私の可愛い駆逐艦を可愛がってくれたな>」


長門「これはそのお礼だ!!一斉発射」ズドーン!ズドーン!ドォン!ドォーン!


ゼロ<こいつは不味いな。防ぎようがない>


ゼロはシールドブーメランを構えながら、砲弾の嵐を掻い潜る。


ゼロ<耐えれても一撃だな。だが、オレの間合いなら>


長門の手前まで迫ったゼロだったが


長門「恐れを知らない騎士ようだ!いいぞ<けど、男だ…>」


長門は動かずにゼロに砲撃するが、一発だけ海面に向けて発射した。


ゼロ<煙幕のつもりか>キュインキュイン

長門「今だやれ!!」


曙「当たりなさい!」ドォン!ドォン!


ゼロはシールドブーメランで防いで曙に投げるが


叢雲「貰ったー!!」


背後から叢雲が槍で射抜こうと突撃する。


曙「もう当たらないわ」


シールドブーメランの投擲と帰還を避けた曙は砲撃を繰り返す。


ゼロ<囲まれたか>


ゼロは戻って来たブーメランを避け、曙の砲弾を斬り弾く。ガキン!ガキン!


曙<盾を避けた>


叢雲「私にそんな盾が当たると思っているの!」ガキン!


弾かれたシールドブーメランは落下するかと思われたが、ゼロの元に戻る。


曙 <盾は投げさせない。組み付いてやる!>

左手首に戻った盾を確認し組み付こうと飛び出す。右手のZセイバーは叢雲の槍を防いでいる。


曙「貰ったー!」


組み付きに成功した思った曙だったが…


曙「きゃぁぁ!」ビリビリ


ゼロの右手に握られたZセイバーは確かに叢雲の切り上げようとした槍を防いでいた。


それが瞬時に逆手持ちに変わり接近していた曙の下腹部に当たる。


叢雲「え…」


防がれていた力が急になくなりバランスを崩し前のめりに倒れた叢雲は斬られる。


叢雲「いたい!」小破!


曙 「うっ…あぅ…ひぐ…」チョロロ小破!


ゼロ「すまん。深く刺さってしまった」


曙 「」チーン


金剛「謝っているなんて余裕デース」ドォーン!ドォーン!


ゼロは砲弾を弾きながら走り長門に迫る。

長門「私に挑むか。いい度胸だ!」ズドーン!ズドーン!


金剛「私を無視するなデース」ドォーン!

  
ゼロ「ハァー!」ズバン!


長門の砲弾を横一文字に斬る。斬り分けられた砲弾は後ろに飛び続け


金剛「アウッチ!」小破!


長門「予測して斬ったというのか!」


ゼロは長門の懐に入り込み斬ろうとするが


長門「甘いぞ。私の間合いでもあるんだ!」


長門はゼロの背後に素早く回り込むと組み付き動きを封じる。右手のZセイバーは自分に向かないように死角に移動している徹底ぶりだ。


長門「判断を誤ったな。私は射撃だけでなく格闘も得意なんだ」ギリギリ…ミチミチ…


ゼロ<…なんて馬鹿力だ…動けない>


長門「お前の剣なら刃の位置を変えても私には刺さらんぞ。まさか、瞬時に上下逆になるとはな」


ゼロ<…よく見ている女だ。だが>


ゼロは僅かに動く左手を少しづつ自身の左足に延ばす。


長門「降参しろ。でなければ絞め落とすぞ。<あぁ、綺麗な髪だな。男であること以外は完璧かもしれん>」ギリギリ…ミチミチ…ミシミシ


ゼロ「…長門…確かに強いな…だが!」


ゼロは左手に握ったZセイバーを始動する。


長門「なに!」ビリビリ


ゼロ「悪いな…二本目もあるんだ」


長門の組み付きを脱したゼロは二刀で斬りかかる


ゼロ「オレの間合いだ」ズバン!ズバン!ズバン!


長門「くっ…見事だ…<痺れて…腰がぬけちゃった///>」

ゼロ「残りはあの3人か…」


移動しようとしたゼロだったが、3か所から砲撃を受ける。ドォン!ドォン!ドォン!


ゼロ「出てきたか」ガキン!ガキン!ガキン!


睦月「今です!張り切っていきましょう!」ドォン!


如月「ゼロさん、ごめんなさいね」ドォン!


早霜「…ふふふ…」ドォン!


ゼロ「悪いが手加減は出来な…動けん!」ガシ!ガシ!


ゼロは足元を見ると海中から手が伸びており両足をガッシリと掴まれている。


ゼロ<4人目か>ガキン!ガキン!ガキン!


ゼロは動けずに砲撃を斬り弾き、左手のZセイバーを海中に突き刺す。


??「イグノオオオオオォ」ビリビリ!ビリビリ!中破!

片手だけで防ぐことも出来ず、数発当たってしまう。


ゼロ<もう被弾出来ないな>


海面にいた水着の少女は気絶したのか浮いてきた


伊19「む…つき…ちゃん…これで…まみ…」


ゼロは二刀で砲弾を弾き防ぐ。


ゼロ<このままでは不利だ…近づいて…>


しかし、ゼロの目の前には全速力で走ってくる睦月だった。


ゼロ<誤射が怖くないのか!!>


睦月「捕まえました///」


ゼロは睦月に正面から抱き付かれる。


ゼロ<長門に比べ力も無い。問題な…>


睦月「…ゼロさん…恋する乙女を甘く見てはいけませんよ///」カチッ


ゼロ「まさか…」チュドーン!

観覧席


提督「あれ…自爆よね」


大淀「はい。自爆です」


明石「伊19の魚雷を借りたのかしら」


鳳翔「これは勝ちになるんですよね?」


提督「残っているのは如月に早霜だからね。ゼロを小破させたらだから条件はクリア」


大淀「自爆で勝つなんて今までありませんよ」


提督「愛の力かな?あれ、間宮さんは」


鳳翔「先程、発注増やさなきゃっ!と言って慌てて戻りましたよ」


明石「この結果は予想出来ないわ」

海上演習場


ゼロ「無茶し過ぎだ…」小破!


睦月「へへへ、ビックリしました?」小破!


ゼロ「抱き付いてどうするかと思えば自爆するとは」


睦月「自爆じゃなくて近距離で魚雷を作動させたんですよ」


ゼロ「睦月も被弾したろ。実戦では絶対やるな」


睦月「今回だけです。けど、ごめんなさい」ショボーン


ゼロ「今回だけならいい…オレも勉強になった」


睦月「何がですか?」


ゼロ「恋する乙女とやらは甘く見てはいけない。とな」


睦月「うっ///大きな声で言わないでください」ポカポカ


ゼロ「悪かった。さて、戻るぞ」


睦月「はい!およっ…」フラッ


ゼロ「無茶だったんだ。運んでやる」


睦月「え…けど…そんな…」


ゼロ「遠慮するな」


睦月<あ…初めてのお姫様抱っこ///>


睦月「みんな見てますよ///」


ゼロ「睦月がMVPだからな」


睦月<恥ずかしくて…心臓がドキドキしちゃう///>


ゼロ「おい、大丈夫か?心音が乱れてるぞ」


睦月「え…大丈夫ですよ///」


ゼロ「そうか。顔が赤いのは」


睦月「大丈夫です///」


演習終了……勝利チーム:艦娘 MVP:睦月


なお、次回から自爆は禁止とする。 


入渠ドック(銭湯)カポーン


睦月「あぅーなんとか勝てましたー」


早霜「…まさか…伊19ちゃんも協力してるとは…」


如月「最後は抱き付いて自爆だもん。驚いちゃったわ」


伊19「最後まで潜って様子見てたのは退屈だったのー」


睦月「伊19ちゃんの援護のおかげだよー」


伊19「けど、ビリビリ痺れちゃったのー<少し気持ちよかったのー///>」


早霜「…如月と睦月は…ゼロに抱かれたわ…羨ましい…」


如月「最初に抱かれたわ///」


睦月「抱っこのことですよね///」


早霜「抱かれた…感想は?」


睦月「しっかり、持ち上げられました///」


如月「固かったわ///」


早霜「…次は…わたしよ…」

金剛「結局、仇はダメでした」ゴポゴポ


榛名「気にしないでください。大丈夫ですから」


霧島「そうです。データも無しに最初に挑んだのですから」


金剛「比叡を被弾させたのデース」


比叡「そんな!お姉さま気にしないでください<ご褒美ですよ>」


霧島「それに結果として、勝ちましたから間宮券で美味しいものを食べましょう」


比叡「そうだ。私がカレーを…」


金剛「では、間宮にゴーデース」


榛名「榛名も参ります」

比叡「ヒエー」


大鳳「チームでは勝ちましたが個人的には大敗でしたね」


龍驤「悔しいなぁ。一発も当てれなかったわ」


大鳳「私達もまだまだですね」


龍驤「せやなー。ゼロさんに頼んで特訓するか」


大鳳「けど、話したことないし…」


龍驤「大丈夫や。静かなだけでええやつよ」


大鳳「わかるんですか?」


龍驤「…ゼロさんは一機も艦載機を撃破してないで」


大鳳「…頼んでみましょう。強くなりたいです」


龍驤「ほな決まりや」

天龍「………」


龍田「どうしたの?天龍ちゃん」


天龍「あいつ強かったな」


龍田「そうね。強いわね」


天龍「このままだと勝てないな」


龍田「えぇ、強くならないと」


天龍「あいつが俺の目標だ。強くなる」


龍田「ふふ。嬉しそうね」


天龍「あぁ、明確な目標が初めて出來た気がするんだ」


龍田<あぁ、天龍ちゃんはあの少年に夢中か……雑に扱ったら許さないんだから>

長門「いつもの元気はどうした?島風」


島風「遅いのは私だった。かけっこで負けちゃったよ…」


長門「それは私も同じだ。ゼロに勝てなかった…」


島風「長門さんもショックなの?」


長門「あぁ、そうだ。悔しくて仕方ない」


島風「どうすればいいかな?」


長門「簡単だ。特訓あるのみだ」


島風「特訓?練習するってこと?」


長門「あぁ、努力を惜しんではならない」


島風「そうだね。ありがとうございます。長門さん」ダキッ


長門「共に頑張ろう<あ"ー柔らかいんじゃー>」

曙 「…」


叢雲「…」


曙 「なにも言えないわ」


叢雲「えぇ」


曙 「話すこと全部言い訳になる」


叢雲「本当よ…」


曙 「特訓よね」ゴポゴポ


叢雲<大口叩いて惨敗なんて恥ずかし過ぎるわ>

工廠


夕張「ゼロくんは入渠で治せないからどうするかと思ったけど」


ゼロ「時間は掛かるがこれが一番だ」


ゼロは工廠の技術台に横になり、妖精さんが工具で修理している


ハヤクシナイトユウハンヌキダゾ!

セナカノダメージガホトンドダ!

イイカラダシテルワネ!キライジャナイワ!キライジャナイワ!

15フンデオワルヨテイダ!


夕張「一人であれだけの数を相手したんですから、大健闘よ」


ゼロ「まさか、睦月が自爆するとは思わなかった」


夕張「まさかねー」


ゼロ「…あいつは危ういな…」


夕張<今回だけなんだろうけど、深刻に考えてる>


ゼロ「気にかけるようにしよう」


夕張<面白いからこのままでいいか>


ゼロ「夕張聞いていいか?」


夕張「どうしたの?」


ゼロ「恋とはなんだ?」


夕張「恋!」


ゼロ「そうだ。睦月が言っていた…それは睦月が危険な事をするぐらい危険なものなのか?」


夕張「いや、大丈夫だと思うけど」


ゼロ「それのせいで今後また同じことが起こるなら」


夕張「起こるなら?」


ゼロ「それをなんとかしなければ…」


夕張<面白いから黙っていよう///>

翌日 ゼロの部屋


ゼロ「朝か…」


ゼロ<昨日夜は大変だった。修理が終わり食堂に行けば、特訓に付き合え、剣を教えろ、で人が絶えなかったな>


ゼロは体を起こそうとするも動かない


ゼロ<早霜か…懐くのはいいが毎朝来なくても…>


清霜「むにゃーお姉さま」スピー


ゼロ<なぜだ…こいつはオレを目の仇にしていたはず…>


ゼロ「部屋を出る」ガチャ…


早霜「…ゼロが起きる前にベットに…」


ゼロ「誤解だ」


早霜「…大丈夫です…ふふふ」


ゼロ<通じたか>


早霜「正妻は私です…から…」


ゼロ<…ダメだ>


早霜「なぜ…清霜はここに?」


ゼロ「起きたらいたんだ」


早霜「…制服だから朝に来たのかしら」

清霜「うーん…お姉さまの為…なんでもしまむー」パチン!


ゼロ「起きたな。なぜここにいる?」


清霜「あ…そうだ。お前を監視する為だ!」


早霜「…じゃあ、なんでゼロと寝ていたの?」


清霜「えっあー、早霜お姉さまがいないことを確認して安心したら、早起きのせいで眠くて」


ゼロ「そのまま寝たのか?」


清霜「そう。違う!お前が悪さしないように動けにようにしながら寝たんだ!」


早霜「…仕方ないわ」


ゼロ<オレの意見は聞かないんだな>


清霜「お姉さま!わかってくれましたか」


早霜「…ゼロは悪くないわ…悪いのは惚れてしまった私よ…見ているだけで満足出来なくなった…愚かな女」


清霜「そんなお姉さまは悪くなんて…」


早霜「…けど、全然後悔なんかしてないわ。むしろ…誇りに思っている。ゼロを愛することが出来て…」


清霜<お姉さまにここまで言わすなんて>


早霜「…だから…一緒に…この恋に落ちましょう…清霜もわかるはずよ…ふふふ」


清霜「な…私は…そんなつもりは」


早霜「そうすれば、ゼロも私も見ていられるわよ…ふふふ」


清霜「あれ?…なら…一石二鳥…なの…かな?」ポワーン


早霜<…堕ちたわね…ふふふ…一人だけ選ばれるなんていやよ。なら…選ばないように仕向けばいい…>


ゼロ「いいから、食堂に行くぞ」

ロックマンゼロ(ゼロ)
イレギュラー戦争の英雄であり伝説のレプリロイド
Xシリーズからロックマンゼロシリーズと経由した設定です
海面移動は本来は出来ませんが、この世界ではフットパーツの設定変更により可能にしています
Zセイバーは右のフォルダーは1でXから貰ったもので、
左のフォルダーは技術担当の優しいセルヴォさんから貰った予備としています。
オフィシャルコンプリートワークスよりZセイバー刃は両方から出力されるという設定を使いました。
記憶が無いのも島で眠っていたのも後々、判明していきます。

執務室  午後


提督「あー昼食後はダメね。眠くて」


叢雲「そんなこと言ってられないでしょ」


提督「けどねーサボって一緒にお昼寝しない?」


叢雲「馬鹿言ってんじゃないわよ」


提督「…なら、今晩一緒に寝てー」


叢雲「…仕事全部終わったらね///」


提督「戦う理由は見つかったわ。あ、指令書が来てる」フミフミ


提督「…急だなー本部は」


叢雲「何が来たの?げっ!」


提督「一週間後に資源確保の為の資源島解放作戦だってさ…」


叢雲「あのエリアは…深海棲艦の上位クラスがいて何人も戦死している…」


提督「そして、我が鎮守府は突入部隊だとさ」


叢雲「…本隊が安全に占領出来るようにするためね」


提督「私達がダメなら本隊は撤退し、敵を撃破したら私達を撤退させて自分らの手柄かね」


叢雲「最低ね…」


提督「あの階級と腹のでかいだけの老害が考えそうな作戦だね。」


叢雲「拒否権無しよね」


提督「…指揮船を出す。」帽子をかぶる


叢雲「物資が枯渇するわよ」


提督「出し惜しみするな。奴らのいいようにはさせん」


叢雲<いつもこれならいいんだけどね>


提督「全員を15分以内に作戦室に集めろ」


叢雲「了解」ビッシッ!

鎮守府内 作戦会議室


提督「さて、集まったようなので説明しよう。」


提督「一週間後に資源島攻略作成を行うことになり、我々も参加することになった。」


ガヤガヤ!


提督「噂は聞いているだろうが、何度も本部連中が苦戦している島だ」


提督「そして、我々は第一陣の突入部隊となった」


!!!


提督「今回の作戦は厳しいものとなる…」


………シーンー


提督「命令は一つだけだ。全員帰還することだ。それだけだ」


ワー!
ヤッテヤル!
イキテカエルワ!


提督「そして、今回の作戦の為の別働隊を結成した。敵のかく乱と味方の援護に制圧とやることが多い」


提督「そしてこのメンバーだ」


ホワイトボード

 ゼロ 隊長


 島風


 天龍


 比叡


 あきつ丸(改)
 

提督「練度が高く、素早く動ける者から選抜した」


ゼロ「なぜオレが隊長なんだ?新参者だぞ」


提督「昨日の演習で判断した。ゼロくんには適正がある」


ゼロ「オレは負けたぞ」


提督「一人で何人を倒した?それだけで十分よ」


天龍「なあ、制圧ってのはなんだ?」


提督「この資源島を確保する為に上陸する必要があるからよ。」


提督「けど、海上戦は出来ても陸上戦は不慣れ艦娘には向かないからゼロくんに頼むしかないわ」


島風「ようは早く敵を倒して回ってみんなを助ければいいんでしょ?」


比叡「けど、この島は鬼クラスがいるのでは」


提督「…そうよ。鬼クラスを一体確認しているわ」


ゼロ「鬼クラスとはなんだ?」


早霜「…深海棲艦の進化型かしら…人の型で恐ろしく強い…複数いるみたいで」


睦月「まだ、撃破された報告はありません」


ゼロ「なるほど…」


提督「では、部隊行動で訓練を頼む」

海上演習場


ゼロ「…隊長のゼロだ。よろしく頼む」


島風「島風です。連装砲ちゃんともどもよろしくね」


天龍「天龍だ。よろしく頼むぜ!隊長さんよ」


比叡「比叡です。気合い、入れて、頑張ります!」


あきつ丸「自分、あきつ丸であります。よろしくお願いするであります」


ゼロ「作戦を聞いたな。オレたちは作戦の要だ」


天龍「作戦までの間は俺達で特訓というわけだな」


比叡「私達が成功すればみんなは無事に」


あきつ丸「自分らが運命を握っているのでありますか…」


天龍「ところで、あきつ丸?腰の刀は本物か?」


あきつ丸「これは陸軍の時のもので一応心得はあるつもりであります。けど、滅多に使わないので」


ゼロ「日本刀か。初めて見たな」


島風「はーやーくー特訓しようよ!」

特訓一週間


天龍「オラー!」ブン!


ゼロ「まだ遅いぞ。もっと速く斬れ」ガシッ!


天龍「うわっ!刀掴んで振るなー」ブンブン!


島風「楽しそう」キラキラ


比叡「なんて力ですか」


あきつ丸「片手で真剣白羽取りとは、驚きであります」

島風「行くよ!連装砲ちゃん」


連装砲ちゃんピョーン!×3


ゼロ「速さを維持して的を的確に撃て」


島風「はーい」ドォン!


連装砲ちゃんドォーン!×3


ゼロ「そうだ。その調子だ」


島風「まだまだやれるよ!」


連装砲ちゃんピョーン!×3


ゼロ「連装砲3号。砲撃がずれてるぞ」


連装砲ちゃん3ビクッ!


ゼロ「そうだ。砲撃の時に姿勢が乱れているから気をつけてみろ」


連装砲ちゃん3ドォーン!


ゼロ「その調子だ。いいぞ」


天龍「あいつは言葉がわかるのか」


あきつ丸「言語能力も素晴らしいであります」


比叡「いや、そういう問題では…」

あきつ丸「これを斬るでありますか?」


天龍「クソッ!半分しか斬れねえよ」


ゼロ「そうだ」


鉄の塊


ゼロ「どんなものでも脆い場所がある」シュバン!…ゴトン


あきつ丸「なるほど…やってみるであります」


比叡「ゼロさんじゃなければ無理では」


あきつ丸「とりゃーであります!」シュバン!!グサー!


天龍「…斬りやがった…」


島風「地面に半分刺さっているよ。すっごーいー」


あきつ丸「あぁ、刺さって抜けないであります」


ゼロ「…あれよりデカく固いのないか」


比叡<あーショック受けてる>

比叡「狙って、当たって!」ドォーン!


ゼロ「この部隊での遠距離砲撃だ…頼むぞ」


比叡「ゼロさんは射撃武器はないのですか?」


ゼロ「あぁ、Zセイバーにシールドブーメランにナックルだけだ。だから、頼りにしている」


比叡「頑張ります。あのカレー作ったので食べますか?」


ゼロ「訓練後に貰おう」


天龍・島風・あきつ丸「………」

その日の夜


ゼロ<訓練も順調だ…もう寝るか…しかし、昔の記憶は一回しか見ていない。睡眠の必要はないのかもな>


就寝後


(鷲)「ゼロ…おい、ゼロ!」


ゼロ「…なんだ。お前は」


(鷲)「なんだとはなんだよ。お前こそ見た目が随分変わったな」


ゼロ「オレを知っているのか?」


(鷲)「忘れるわけがないだろ。それよりここには長くいるな」


ゼロ「どういうことだ?」


(鷲)「まだお前が来るには早すぎるんだよ。まだ人生を謳歌しろ」


ゼロ「わかった。次は話を聞かしてもらうぞ」


(鷲)「そうしてやるよ」


ティル「あら、あなたどうしたの?」


(鷲)「ふん!来るには早すぎる奴が来たから、追い返しただけだ」


ティル「あらあら」


(鷲)「次会うのはいつだろうな」

翌朝


ゼロ「オレの記憶…いや、違うな…夢なのか」


食堂


比叡「ゼロさん、おはようございます」


ゼロ「おはよう。比叡のおかげか初めて夢というものを見れた」


比叡「本当ですか!」


ゼロ「あぁ、オレを知っている奴だった。記憶が戻るのに繋がるかもしれない」


天龍「あれって…」


あきつ丸「走馬灯ですね」


島風「朝ごはんおいしー」

作戦前日 海上演習場 夕刻


ゼロ「ここまでだな。後は明日に備えて早く休め」


天龍「俺はまだやれるぜ。」


ゼロ「明日に疲労を残すな。万全で挑むぞ」


あきつ丸「そうであります。今日はこれくらいにして明日に備えるであります」


島風「走ってから帰るよー」


比叡「いよいよ、明日ですもんね…」


ゼロ「不安か?」


比叡「…はい」


天龍「…まあな」


あきつ丸「…であります」


島風「…連装砲ちゃんもね」

ゼロ「…大丈夫だ」


一同「え」


ゼロ「…オレがを守る」


天龍「余裕じゃねえかよ。俺ら以外の奴らもかよ」


ゼロ「そうだ」


天龍「ふざけんなよ!明日の作戦の酷さは全員しってんだぞ」


ゼロ「それがどうした?」


天龍「はあ!」


ゼロ「誰も死なせない。死なせやしない」


天龍「…くそっ!付き合いきれねえ…」


比叡「天龍さん…」


ゼロ「すまない。」


あきつ丸「いえ、ゼロ殿が本気なのはわかっているであります。けど、皆さん不安なんですよ…」


島風「けどけど、強くなったよ。わたしたち!」


ゼロ「そうだ。お前らは成長している」ナデナデ


島風「ふふん。そうでしょ」

ゼロの部屋


ゼロ<遠距離武器が無いのは厳しいな…ブーメランも限界がある>


ドア<コンコン!


ゼロ「誰だ?」


??「あ、いや、俺だよ。天龍だ…入っていいか?」


ゼロ「入れ」


天龍「邪魔するぜ…」ガチャ


ゼロ「どうした?何かあったか」


天龍「いやよ、さっきは悪かったよ…だから謝ろうかと思って」


ゼロ「気にするな。」


天龍「そうか…なら…よかったぜ。喧嘩別れなんてお互い嫌だからな」


ゼロ「何度も言わせるな。」


天龍「絶対死なせないってか?」


ゼロ「そうだ」


天龍<あんたの自信が羨ましいぜ。強がっているが不安でしょうがないんだ…>


ゼロ「明日はオレから離れるな…背中を預ける」


天龍「いいじゃねえか。二人で斬り込みか」


ゼロ「オレは信じている(明日の勝利を)」


天龍「信じている…(俺の事を?)」


天龍<ひでえこと言ったのに…信じてくれるのか?こいつは俺のことを///>


ゼロ「どうした?」


天龍「そうだ!俺も信じるぜ。だから、明日は勝つぜ」


ゼロ「あぁ、よろしく頼む」握手


天龍「勿論だ。」ガシ!ブンブン!


ゼロ「もう就寝時間だ」


天龍「ああ!朝にな!」

天龍の部屋


龍田「あら、天龍ちゃんどこに行ってたの?」


天龍「ちょっとな…」


龍田「ゼロのところでしょ?」


天龍「そうだ。最後の打合せだ」


龍田「明日は大丈夫?」


天龍「俺たちが作戦の要だからな。絶対生きて帰るぜ」


龍田「そうね…生きて帰らないとね…」ダキ


天龍「ふふ…怖いか」


龍田「そうね…天龍ちゃんがとられそうでこわいわ」


天龍「俺の命はそう簡単にはとられねえよ」


龍田<ゼロを信じるしかないのかしら…天龍ちゃんは気が付いてないけど、いつもゼロの話ばかりよ。>

作戦朝


提督「では、指揮艦に搭乗しましょうか」


ゼロ「指揮艦とはなんだ?」


大淀「提督が前線で指揮をする為の船です。艦娘を援護する為の装備に修理ドックもあります」


明石「移動する小基地かな」


夕張「提督が設計し制作した船で提督しか操作出来ません」


ゼロ「蒼い船か…名前はなんだ?」


提督「指揮艦 レヴィアタン」


提督「乗ればわかるよ」

指揮艦 レヴィアタン内


船というより潜水艦に近い形をしており、蒼メインにしたカラーリングに白のラインが引いてある。


未来から来たような船だ。この時代の技術では造船出来るようには考えられない。


提督に連れられ船内に入るゼロ


??「提督久しぶりね。私の力が必要かしら?」


提督「そうだよ。今日はよろしくね」


ゼロ「AIか」


提督「そうだよ。私が全部作りました」フンス


AI「!…提督、そちらは?」


提督「期待の新人ゼロくんです」


ゼロ「ゼロだ。よろしく頼む」


提督「ゼロくんは作戦の要なんだよ。だから、乗せてくれないかな?」


AI「……わかったわ。前の連中とは違うならいいわ」


提督「いやーよかった。拒否された大変だったよ」


ゼロ「このAIは?」


大淀「提督が船と共に開発したんですが、結構な我儘で…」


AI「船を造ったのは提督よ!なのにあいつらは軍備縮小を理由に私を寄こせと主張してきたわ」


明石「結局、提督の命令しかきかないから本部は怒って帰ったんだけど」


大淀「帰る途中に橋を外して海に落としたのよね」


AI「泳げないくせに船に乗るなんて笑っちゃうわ」


大淀「そのせいで提督の悪名はますますひろがったわ…」


AI「まあいいわ。ようこそ、レヴィアタンへ。」


AI「…よろしく。伝説の英雄」ボソ

作戦開始10分前 ドック


提督「作戦は何度も言った通り、突入部隊である私たちの後を上の連中が来るわ。」


提督「私たちが島周辺の敵を殲滅後に島を確保するらしいわ」


電「ハイエナどもが…なのです」


響「こらこら」


提督「どうせ、安全を確保したら撤退させて自分らの手柄にするのよ。後、電!」


電「はい!なのです」


提督「ハイエナに失礼だ。蛆虫にしろ」


電「はい!蛆虫どもがなのです!」


雷「こらこら」


提督「いい?安全さえ確保すれば十分よ。無理は絶対しないで」


提督「お願いだから生きて帰ってきて…」


一同 シーン


提督「わかった?」


一同「了解!!」


提督「では、各自出撃準備よ」

レヴィアタン内 カタパルト


ゼロ<装備もボディも問題ないな>


曙 「ちょっと、あんた!」


ゼロ「曙か」


曙 「そうよ。これを渡すように提督に言われたのよ」


ゼロ「これはなんだ?」


曙から手渡されたのは羅針盤を咥えた狐の描かれたステッカーだった。


曙 「うちの鎮守府の部隊章よ」


叢雲「運命を決めるのはいつも羅針盤だからみたいよ」


ゼロ「提督が言っていたのか」


叢雲「そうよ」


曙 「本当は制服や所持品に縫い付けるだけど、あんたはそんなのないし。だから、ステッカーにしたのよ」


叢雲「これを受け取った瞬間から、あんたは本当の仲間になるわ」


ゼロ「そうか…ありがとう」


曙 「くっ!調子狂うわね。」バチン!


曙 「ふん!目立つように胸に張ってやったわ。感謝しなさい!」


ゼロ「目立つな…狐の意味はなんだ?」


叢雲「あー提督のあだ名よ。上の連中は女狐提督って呼んでいるわ」


曙 「クソ提督も意味わかっているのかしら?」


叢雲<あてつけよね>

レヴィアタン内 カタパルト


ゼロ「こちらゼロ。準備完了だ」


提督「配置が完了したわ。一斉射撃後にチームゼロはカタパルト射出で前線に飛ばす。」


ゼロ「正面から挑むか」


提督「ごめんなさい。これしか作戦がなくて…」


ゼロ「気にするな…」


提督「時間ね…では、砲撃部隊準備は?」


一同「いつでも可能です!」


提督「よし。砲撃開始!撃ちまくれ!」


AI「着弾を確認。カタパルト射出を開始します」


ゼロ「了解した。任務開始する」バシューン!


カタパルトで打ち出されたゼロは滑空しながら前線を見つめる


ゼロ<この島を正面から守る陣形か>


着水したゼロは近くの敵から斬りかかる。


ゼロ<空から来るとは思っていなかったようだな>シュバン!シュバン!ザシュッ!


ゼロ「かかって来い。叩き斬ってやる」

AI「ゼロが敵陣中央にて交戦中。続いて天龍の射出を開始するわ」


提督「武蔵と長門は前線に向けて砲撃。龍驤と大鳳は艦載機による周囲警戒と索敵。」


天龍「おう!行くぜ。天龍様のお通りだ!」


ゼロ「どうした?たいしたことないな」ボゴン!ザシュッ!


敵を殴り、斬り、刺す、次に来る者の安全を少しでも確保する為に奮闘するゼロの元に


天龍「よう!待たせたな!」ザシュッ!


着水位置にいたロ級を刺し合流する天龍


天龍「なんだ?俺の分も残してくれたのか?」


ゼロ「もう少し減らしたかったんだがな…」ザシュッ!


天龍「なら、俺達でやっちまおうぜ!」シュバン!


ゼロ「そうだな。やっちまうか」ブン!


天龍「あぁ!大暴れだ」


ゼロと天龍は敵陣中央から斬り進む。目の前の敵を斬り伏し進む。

提督<<前線に戦艦級がいるせいで、前進出来ないわ。なんとか出来る?>>


ゼロ<<いま天龍と向かっている!>>


提督<<わかったわ。あきつ丸を今射出したから>>


天龍「戦艦級か。いい腕試しだ」


ゼロ「見えた。あいつらだ」


ル級群れが砲撃を繰り返し撃ち続けてる。


砲撃に夢中で上空への警戒が疎かだったのか、艦載機の群れに気付かず爆撃が直撃する


あきつ丸「ゼロ殿ー今であります!」


天龍「あいつ、空中で召喚したのか」


ゼロは前回転しながらZセイバーで斬り進む。シュバン!シュバン!シュバン!バシュン!


ゼロ「ハアー!」バシュン!


盾ごとル級を切断したゼロはシールドブーメランを投げつけ2体目を撃破する


天龍「負けてられるかよ!」シュバン!


天龍の一撃は盾を斬ることは出来たが本体まで届かない。


天龍<やべえ…>


比叡「狙って、当たれ!」ドォーン!ドォーン!


島風「行くよ!連装砲ちゃん」ドォン!ドォン!


天龍「助かったぜ」


ゼロ「全員合流したな。オレと天龍で道を切り開くから島風と比叡はあきつ丸を守りながらついて来い」


一同「了解(であります)」


ゼロと天龍が斬り伏し、島風と比叡は砲撃で援護し、あきつ丸は艦載機による攻撃による陣形で敵陣を斬り進む。

指揮船 レヴィアタン内


大淀「ゼロ部隊は前線のル級群を撃破しました。」


提督「前進しながら砲撃だ。狙うなら敵陣の左右の敵だ。誤射するな」


AI「周りから減らしていくのね」


明石「提督、補給はいいのかしら?」


AI「大鳳・長門の弾薬が半分以下よ。補給させたら」


提督「二人をドックに戻して。全員弾薬が半分になる前に補給するわ」


大淀「提督、後方より待機中の大佐より入電です」


提督「遅いからか早くしろ、とかでしょ?」


大淀「全く同じ内容です…」


提督「言わしておけ。戦闘に集中するよ」

戦闘海域 正面


電「なんだ。ここは!雑兵だらけかここは。おめえはどうなんだ?なのです」バコン!ガス!グシャ!


雷「我ら二人に勝る二人などいないわ」バコン!ガス!ゴス!


響「二人とも接近し過ぎだよ」ドォン!ドォン!


暁「無理しないでよ」ドォン!ドォン!


龍驤「負けてられないで。艦載機のみんなぁー」ブォーーン


龍田「敵も減って来たわねーそろそろかしら?」グサ!グリグリ!


睦月「ゼロさん達のおかげでしょうか」ドォン!ドォン!


如月「そうね。敵も指揮が乱れているみたいだわ」ドォン!ドォン!


早霜「ゼロ…やっぱり…最高ね」ドォン!ドォン!


龍田「……」グサッ!ドシュ!グリグリ!ギャー


睦月<無言で敵を嬲る龍田さんが怖いです…>

レヴィアタンより後方海域


大佐「戦況はどうなっている」


兵士「提督部隊が優勢のようです。このままなら我々の勝利だと考えられます」


大佐「…気に食わんな。双方が消耗したところを島も提督の艦娘も奪う予定だったのだがな…」


中佐1<<提督が戦死した為、仕方なく受け入れるの間違いでは?>>


中佐2<<受け入れた後は、好きにさせてもらいますよ。>>


大佐「そうだったな。戦死なら仕方ないな…」


兵士「………」


大佐「主砲をいつでも撃てるようにしろ」


兵士「…了解しました」


大佐「誤射でも仕方ないな」

資源島 


??「ココマデクルトハネ…イイデショウ…アソンデアゲル」


資源島 前線


ゼロ「だいぶ片付いたな。みんな大丈夫か」


天龍「まだまだやれるぜ」


島風「まだまだ走れるよ」


比叡「まだ、やれます」


あきつ丸「問題ないであります」ビシッ!


ゼロ「わかった。残りを…」


ブオーーン


比叡「敵艦載機です」ドォーン!ドォーン!


??「アラ…ヤルワネ…」


島風「強そうなのがいるよ」


あきつ丸「あれは…鬼クラス…であります」

ゼロ「お前はなんだ」


??「ワタシハ…離島棲鬼…オボエナクテモイイワ…シズメルカラ…」


天龍「笑わせんな。後悔するなよ」


離島「…バクゲキシナサイ…」ブオーーン ズドーン!


ゼロ「艦載機に戦艦級の砲撃か」ガキン!


あきつ丸「ゼロ殿!艦載機はお任せくださいであります」ブオーーン


比叡「撃ちます!」ドォーン!ドォーン!


島風「連装砲ちゃんも撃ってね」ドォン!×4


浮遊要塞×2「!!!」


砲撃は全て浮遊要塞が防いでしまい離島棲鬼には当たらない


ゼロ「あの丸いのを先に潰す」


天龍「いいぜ。ついてくぜ」


ゼロ「残りは艦載機を頼むぞ」

ゼロと天龍は援護を受けながら前進する。浮遊要塞は口を開き主砲で狙いを定める


天龍「おりゃ!」ヒュン!


天龍の刀が口に刺さり発射が阻止される。手のない浮遊要塞は刀を抜くことも出来ずに刀を噛むが


ゼロ「フン!」バギャン!


全力のゼロナックルで殴られた刀は浮遊要塞を貫通し二体目に刺さる


刺さった刀を天龍は掴み直し押し込み抉る。ザシュッ!グリグリ!


あきつ丸<一週間であれだけの連携が出来るとは>


天龍「後はあのゴスロリだけだ。一気にいくぜ」ビュン!


離島「…アラ…ヤルワネ…」


ゼロ「待て!油断するな」


ガキン!


天龍「なっ!」グサッ!


離島「ギソウダケガブキデハナイワ…フフフ」


離島棲鬼は隠し持っていた槍で天龍を刺し蹴り飛ばす。

ゼロ「天龍ー」ガシッ


天龍「…悪い…へましちまった…」大破!


槍は艤装を破壊し、天龍の体を傷つけていた。


白い槍に黒いリボンが全体に巻かれているのだが、刃は緑色に輝いている。


ゼロ「…それはお前のものではないな」


離島「アラ…ワカルノネ…コレハ…カイチュウ二ササッテイタノヨ…イロガキニイラナイカラ…リボンヲマイタワ」


離島棲鬼は槍に頬ずりをしながら説明する。


比叡「ゼロさん!天龍さんが」


ゼロ「お前らはレヴィアタンに戻れ」


あきつ丸「しかし、鬼クラスを一人で相手なんて…」


ゼロ「オレが戦わないと追撃される」


島風「わかったよ…」


比叡「島風ちゃん!」


ゼロ「オレは死なない。必ず戻るからな」


あきつ丸「わかりました。信じるであります…」

離島「カノジョラハ…ミノガシテ…アゲルワ」


槍を回しながら、ゼロと距離を保つ


離島「コノヤリノ…ナハネ…」


ゼロ「トリプルロッドだ」


離島「…ナニ?」


ゼロ「そいつの名前はトリプルロッドだ。よくもオレの武器で仲間を傷つけてくれたな」


ゼロ「叩き斬ってやる」バチバチ!


離島「ヒッ!ヤラセルカ」ズドン!ズドン!ブオーーン


ゼロ「…」ガキン!ガキン!ブン!


ゼロは砲弾を弾きながら、艦載機をシールドブーメランで撃墜しながらゆっくりと進む


離島<ナンダ…コイツハ…アタラナイ!>ズドン!ズドン!


ゼロ「…」ガキン!ガキン!ガキン!


離島<クルナ…クルナ!>ズドン!ズドン!


ゼロ「…」ガキン!ガキン!

離島「クルナー!」ヒュン!


離島棲鬼は怯えながら槍を突き刺すが


ゼロ「…」ガシ!


離島「アァ…」


ゼロ「こいつの使い方を…カラダニオシエテヤル」キュイン!キュイン!


離島棲鬼はトリプルロッドを奪われ後ろに逃げるが


ヒュン!ザシュッ!


離島<…ナンデ…ナガサガ…ノビテイル!>


ゼロ「ハア!」ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!


離島「キャー」グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!グサッ!大破!


バシャン


海面に膝をつき動けない離島棲鬼は死を覚悟した


離島<…ギソウ…ヤラレタ…モウダメダ>ブルブル!

ゼロ「投降しろ」


離島「…エッ」


ゼロ「もう戦えないはずだ…投降すれば命まではとらない」


離島「ナン…デ」


ゼロ「お前は今までのとは違い話せる」


離島「オマエノ…ナカマヲ…キズツケタ」


ゼロ「殺していたら話は別だった。だが、天龍は生きている」


離島「…ランボウスルキダロ…ニンゲンハ」ヒューーーン!


ゼロ「伏せろ!」ガバッ


離島「エッ…」


ズギャーン!

レヴィアタン船内 


提督「大佐!どこを撃っているんですか!」


大佐<<手こずっているようだからな…手伝ってやっただけだが>>


提督「何が手伝うだ!私の部隊を危険に晒しているだけだ!」


大佐<<なら早くするんだな>>


提督「大淀!被害報告」


大淀「今のところ被害は出ていないようですが…」


AI「ゼロに着弾したわ」


一同!!


AI「敵と交戦していたゼロに着弾したみたいよ」


提督「あのクソ野郎」ダン!

資源島 前線


離島「ドウシテ…カバッタンダ?」


ゼロ「…体が勝手に…動いただけだ」中破!


離島<…リカイデキナイ…コノオトコハ…コロサナインダ…>


離島<コイツナラ…シンジレル?>


ゼロ<シールドブーメランで防ぐしかなかったが…不味いな。ダメージが>


提督<<ゼロ!大丈夫?>>


ゼロ<<なんとかな…鬼クラスを無力化した>>


提督<<本当!>>


ゼロ<<今から連れていく。準備してくれ>>


提督<<わかったわ>>


ゼロ「悪いが投降は決定事項だ」


離島「…オマエニ…シタガウ…」


離島<コイツ…シンジル…カチハアルカモ>

レヴィアタンより後方海域


大佐「敵は壊滅したみたいだな…」


中佐1<<予定とは違いますが、そろそろ頃合いですね>>


中佐2<<……>>


大佐「そうだな。では、狙いを前方の提督の指揮船に合わせろ」


中佐1<<あの艦娘達を好きに出来るとはたまらな…>>


中佐2<<…マッタクニンゲンノオスハミニクイナ>>


大佐「誰だ!貴様。中佐2はどうした?」


ガシャーン!ゴロゴロ…


大佐「ひぃ!」


中佐2の無残な死体がブリッジに投げ込まれる。死体には勲章が引きはがされた跡がある


中佐1<<大佐!敵が船内に離せ!やめ…ぎゃーーー>>ブチブチ!グチャ!


??<<タイササン?イマカライクカラ。マッテナサイ>>


大佐「に逃げるぞ!後退しろ」


兵士「ダメです!動きません。スクリューが破壊されたようです」


大佐「なら、提督に支援要請だ。あいつらを囮に逃げるぞ!」

レヴィアタン船内


大淀「大佐より援護要請が来ています」


提督「援護要請?どういうこと」


大淀「通信が来ました」


大佐<<何をやっている。私を守れ!>>


提督「どうしました?何かありましたか」


大佐<<いいから、早く来い>>


提督「深海棲艦の鬼クラスを捕獲しましたので、時間がかかりますよ」クスクス


大佐<<そんなものは…>>ブチン!


提督「通信が切れてしまったわー(棒)」


大淀「どうしますか?」


提督「準備ができ次第向かいますか」


大淀「わかりました」


提督<…死んでくれたほうが今後の為なんだけどね>

レヴィアタンドック内


龍田「…天龍ちゃん!なにがあったの」


あきつ丸「離島棲鬼と戦い…負傷したのであります」


比叡「ゼロさんが私達を逃がすために戦っています」


龍田「…場所はどこ?」


島風「行く気なの?すごい強いよ」


龍田「天龍ちゃんを傷付けたのよ…許さないから」


比叡「しかし、提督の命令なしには…」ヒュン!


龍田「邪魔するの?」


比叡「」


龍田「どうしてあげましょうか」


ゼロ「どうする気なんだ?」


一同!!


龍田「簡単よ…殺すわ」

ゼロ「それは駄目だ。奴は投降した」


龍田「投降?」


ゼロ「無力化し投降に応じたからな。武蔵と長門に頼んで監視してもらっている」


龍田「…なんで殺さなかったの」


ゼロ「あいつは他とは違い話せる…そして、投降に応じたからだ」


龍田「…天龍ちゃんをあんなに酷い目に合わしたのよ」


ゼロ「オレの責任だ…すまない」ヒュン!


龍田「…謝れば済むと思っているの」


シーン


天龍「…うるさくて…寝れやしねえ」


龍田「天龍ちゃん!」


天龍「ゼロを責めるな…俺の責任だ…」


龍田「…天龍ちゃん…」


天龍「なあ、ゼロ。…ここにいるって事は勝ったんだな…」


ゼロ「あぁ、勝ったよ。」


天龍「…そうか…さすがゼロだぜ…」


ゼロ「今はゆっくり休め」


天龍「…治ったら…付き合ってくれよ」


ゼロ「あぁ、いくらでも付き合ってやるよ」


龍田<………>ギリッ!

15分後 駆逐艦(大佐側)


ゼロ「スクリューが破壊されているな。」


提督<<気を付けて。通信が切れてからそんなにたってはいないけど>>


大淀「長門班と武蔵班も船内探索を開始しました」


提督<<誰もいないのか?>>


AI 「映像を映すわよ。確かにスクリュー以外は無事みたいね」


大淀「あの甲板に女性がいませんか?」


提督「映像拡大出来る?」


AI 「やってみるわ」


甲板に女が立っている。肌は白く、黒く長い髪をしている。


提督<<ゼロ。甲板に向かってくれる。怪しい女がいる>>


ゼロ<<了解。>>


甲板についたゼロはすぐに女を見つけた。


ゼロ「動くな。何をしている?」


??「集めているの…強さの証を」


ゼロ「ここにいた人間はどうした?」


??「大丈夫よ。これを付けている奴以外は寝ているわ」


女は血まみれになった勲章を掲げながら振り向く


ゼロ「お前が勲章狩りか」


??「…………」


ゼロ「答えろ」

??「…ゼ…ロ…なの…」


ゼロ「答え…」ガシッ!


ゼロ<一瞬で掴みかかってきた。なんて力だ…ほどけない>


女からの攻撃を覚悟したゼロだったが


??「ゼロ会いたかったわ///」ダキッ!


ゼロ「何をする」


??「長かったわ…あなたと戦えるように強くなったのよ」スリスリ


ゼロ「お前は何者だ。オレを知っているのか?」


??「そうね。昔は小さかったからね…」


金剛「フリーズ!ゼロボーイを離すのデース」


霧島「あなたを狙っています」


榛名「抵抗しないでください」


??「…ブスイナオンナネ…ケドイイワ…キゲンガイイカラミノガシテアゲルワ」


ゼロ「待て!むぐっー!」


??「チュー」


金剛達「えっ」


??「ンッ、チュ…レロ…」


ゼロ「むっ、んぐ…」<何か流し込まれ…>


??「んちゅっ…じゅるっ…ぺろ…れろ……ちゅっ…じゅるり」


ゼロ「」ゴトン!


??「…あなたは私のものよ。じゃあね///」ヒューン ザパーン!

レヴィアタン 船内


提督「………」


大淀「………」


明石「………」


睦月<好きになった人が敵の大人の女性にキスされていました…モニター越しにそれを眺めることしか出来ない私はなんて無力なんでしょうか…>


如月<キスなんて…初対面でキスなんて…敵なのにキスなんて…キス…キス…キス…破廉恥よ///けど、ドキドキしているのはなんで?///>


あきつ丸<船内の空気が凍っているであります>


早霜「」


島風「///」


清霜「///」


AI 「ベロチューよね?」

一週間後 鎮守府 執務室 


提督「あー面倒だわ」グテーン


叢雲「ようやく資源島奪還作戦の報告が終わったわね」


提督「いいじゃん。奪還は成功したんだからさ」


叢雲「いや、上官3人死んでるわよ…」


提督「駆逐艦3隻に乗組員は無事だったからいいでしょ。」


叢雲「……」


提督「私からしたら資源確保にクズ3人を始末出来た。」


提督「奴らの艦娘に対する扱いを知っているでしょ?」


叢雲「えぇ…」


提督「身内の敵を始末してくれたあの女には感謝だけど…」


叢雲「一体何者かしら」


提督「それとあのゴスロリちゃんは話した?」


叢雲「ゼロじゃないと話さないの一点張りよ…」


提督「大人しくしているからいいけどね」


叢雲「一週間も起きないとわね…」


工廠 


夕張「外傷は治ったんですけどね」


明石「どうしたのかしら」


天龍「ゼロ…どうしちまったんだよ…」(映像を見ていません)


早霜<…ベロチューされてたわ>


睦月<チューされてました>


如月<キスされていたわ>


あきつ丸「ゼロ殿はどうして目を覚まさないのでありますか?」


明石「わからないわ。体を問題無しなんだけど」


夕張「あれが原因かしら…」


天龍「おい!あれってなんだ。一体何があったんだ?」


早霜・睦月・如月<言えない……>


明石「えっと…新種の敵に毒を入れられたかもしれないの」


天龍「毒を入れられた!」


早霜<唾液は入ったたわ>


睦月<舌は入ってました>


如月<ベロは入ったわ>


天龍「畜生許せねえ。」

甘味処 間宮


金剛「ゼロボーイはまだ起きないです」


榛名「もっと早くついていればこんなことには…」


霧島「けど、あの船の安全確認もあったから」


比叡「大丈夫ですよ!ゼロは絶対に大丈夫です」


金剛「比叡…」


比叡「絶対…大丈夫ですよ…絶対に」

海域 警戒中


睦月「いつも通りに頑張らないといけなんですもんね」


如月「明石さんに夕張さんに任せるしかないわね」


早霜「…大丈夫…あの二人なら…任せられる」


島風「ゼロは強いもん。絶対起きるよ」


清霜「離島棲鬼を捕まえたんですから」


睦月「そうですよね。そろそろ鎮守府に戻りますか」


??「…オイテケ…」


如月「えっ」


??「ゼロ…カエセ!」


早霜「深海棲艦!」ジャキッ


??「…ウゴクナ…」ガシッ


早霜<後ろから!>ミシミシ


如月「早霜ちゃん!」


清霜「お姉さま!」


早霜「…逃げなさい。全滅するぐらいなら…助けを呼んで…」


??「…キガイハクワエナイ…オマエラカラ…ニオイガスル…」


早霜「…なんの匂いよ…」


??「…ゼロ…」


一同「!!!」


??「ソノヨウスナラ…シッテイルナ?」


早霜「…あなたは何者?」

港湾「…港湾棲姫…ソノコハ…」


北方「北方棲姫ダ!」フン!


如月<ゼロにキスした女とは違うわ…>


睦月「なんでゼロさんを知っているんですか!」


港湾「……北方ハワタシノムスメダ…」


島風「親子ならお父さんは?」


北方「ゼロダ!」


シーン


一同「えっ!」


港湾「……北方ハワタシトゼロノ…ムスメダ///」


北方「…ゼロ…カエセ!…パパカエセ!」


睦月<神様は残酷です。好きになった人は妻子持ちでした。しかも敵の…>


早霜「」


如月「子ども…」


清霜「どういうこと?」


島風「」


連装砲ちゃん「収集付かねえなー」














連装砲ちゃん(cv.銀河万丈)

連装砲ちゃん(cv.銀河万丈)

指揮船ドック レヴィアタン


AI「………」スイスイ


AI「………」スイスイ


AI「…暇ね」バシャ


AI「たまには」スイスイ


AI「陸に上がったほうがいいからしら」バシャ


AI「けど、埃っぽいからいやなのよねー」スイスイ


AI「…ゼロ…目を覚まさないわね」バシャ


AI「まあ、たまには陸に上がらないとね」スイスイ


AI「水槽は狭いわ」ザパン

50年前 とある海域


ゼロ「ここは地球か…」バシャ


ゼロは海面を漂っていた。


バイルの野望を打ち砕いたゼロだったが、ラグナロクと共に宇宙空間で燃え尽きたと思っていた。


ゼロ「さすがに燃え尽きたと思ったのだが…」


しかし、ダメージが酷く体を満足に動かすことも出来ない。


ゼロ「地球に帰ったがシエルの元には帰れないな…」


ゼロの近くをサメのような生物が泳いでおり様子を見ている


ゼロ「…最後は魚の餌か…」


ゼロは目を閉じて


ゼロ「…ごめんな…シエル…」


眠りについた

某所 


港湾「キョウハナニヲツクルカナ」


北方「タダイマ!」


港湾「オカエリナサイ。テヲアラッテネ…アラドウシタノソレ?」


北方「ヒロッタ!」


ゼロ「」


港湾「オオキナニンギョウネ…」


北方「スゴイデショ!」


港湾「ソウネ…ゴハンノマエニ…ニンギョウアラオウネ」


北方「ワカッタ!」ズリズリ


ゼロ「…ここはどこだ…」


北方「ウゴイタ!」


港湾「イキテル…ワレワレトハチガウセイブツ!」


ゼロ「……」


港湾「ケガヲシテイルワ!」


北方「シンジャウノ!」


港湾「…ナオシテミル…ミンナヲヨンデキテ!」


北方「ワカッタ!」

数時間後


港湾「ナントカナッタワネ…」


ツ級「スゴイモノヲヒロッテキマシタネ。オジョウハ」


港湾「ミタコトナイカラダニ…ナカミ」


ツ級「ニンゲンヤカンムストモチガイマスネ」


港湾「ダカラタスカルカモシレナイ…」


北方「オワッタ?」シャー


港湾「オワッタヨ…」


北方「ゲンキニナルカナ…」


ツ級「ダイジョウブデスヨ…港湾様ガシュウリシマシタカラ」


港湾<ケド、カレノカラダヲカエテシマッタワ>

翌日


ゼロ「ここはどこだ?」パチッ


北方「オキタ!アカイヒトガメヲサマシタ!」


港湾「…ヨカッタワ。ナオッテクレテ」


ゼロ「オレを治してくれたのか?」


港湾「コノコガアナタヲ…ミツケタノヨ」


北方「ソウダ!ヒロッタ!」


ゼロ「…ありがとう」


港湾「イロイロキキタイ…ダロウケドマズヤスンデ…カラダヲナラシテ」


ゼロ「…そうさせてもらう」


ツ級「港湾様。カレハメヲサマシマシタカ?」


港湾「ケド、スグニネテモラッタワ」


ツ級「ヨカッタ…コチラモキキタイコトガアル」


港湾「カレハニンゲンガワヨ…シンカイナマリガナイ」


ツ級「!!」


港湾「ツギニメヲサマシタラキキマショウ」

翌日


ゼロ<体を問題ないな…どうやって治した?彼女らは人間ではないよな>


港湾「グアイハドウ?」


ゼロ「もう大丈夫だ」


港湾「ナラ、ヨカッタワ」ニコ


ゼロ「質問していいか。ここは地球なのか?」


港湾「ソウヨ。ココハチキュウ」


ゼロ「ラグナロクは地球に落ちなかったか?」


港湾「ラグナロク?ナンダ…ソレハ」


ゼロ<ラグナロクを知らない…シエル達とは離れた位置なのか>


港湾「キミノナマエハ?…アト…ニンゲンナノカ」


ゼロ「名前はゼロだ。人間ではなくレプリロイドだ」


北方「ゼロ!」ガタン!


ツ級「オジョウハ、モウスコシマッテテネ」ガシッ


港湾「ゼロ…ヨロシク。レプリロイドトハナンダ?」


ゼロ<レプリロイドを知らない…>


ゼロ「オレみたいな機械の体の者だ。お前らは人間ではないのか?」

港湾「ワタシタチハ深海棲艦ダ。ニンゲントハテキタイシテイル…」


ゼロ「どういう事だ」


港湾「深海棲艦ハ、ウミデシズンダモノヤフネノウラミヤムネンカラウマレタソンザイダ」


港湾「ホンノウデウゴイテイルモノガヒトヲオソウンダ」


ゼロ「お前らは違うのか?」


港湾「ココニスムモノハ…アラソイヲノゾマナイ」


ゼロ「……」


港湾「ニンゲントキョウゾンヲノゾム…イチブノモノガスンデイル」


ゼロ「深海棲艦の大半は人間と敵対していると…」


港湾「ソウダ…タタカワナイワレラハ…」


港湾「イレギュラー…トヨバレテイル…」


ゼロ「…イレギュラー」


港湾「ココニイルノハ…ヘイワニクラシタイ…タタカウコトモデキナイモノノアツマリダ…」


ゼロ「……」


港湾「ドウスルカハ…ゼロガキメレバイイ…ソレマデココニイレバイイ…」


ゼロ「わかった…」

翌日


ゼロ「」スピー


北方「ネテル」ヒョコ


ゼロ「」


北方「ゼロ。ネテル」ヒョコ


ゼロ「…」


北方「キレイナカミダナーオンナミタイ」


ゼロ「オレは男だ」


北方「オキテル!」ピョン!


ゼロ「お前がオレを拾ってくれたのか?」


北方「…ソウダ。ヒロッタ」ソロー


ゼロ「ありがとうな。名前は」


北方「北方棲姫ダ!北方トヨバレテルヨ」


ゼロ「北方か。なあ、赤いヘルメットは落ちてなかったか?」


北方「ナカッタゾ!」


ゼロ「そうか…」


北方「タイセツナノカ?」


ゼロ「いや、無いなら体がよくなってから探す」


北方「北方モサガス。ミツケタラゼロ二アゲル!」


ゼロ「ありがとうな」ナデナデ


ゼロ<ボディに変化は無い。深海棲艦の技術で治したのか>

数日後


北方「ゼロ!アソンデ!」


ゼロ「いいぞ。何をするんだ」


北方「ソトニデテカンガエヨウ!」


ゼロ「港湾行ってくるぞ」


港湾「イッテラッシャ…ゴハンマデニカエッテキテネ」


北方「イクゾ!」


ゼロ「今、行くよ」


ツ級「ヨカッタ。ミナガ、ゼロヲウケイレテ」


港湾「ソウネ。北方モアンナニナツイテイルワ」


ツ級「ワタシタチニハオトコガイナイカラ、コワガッテイタミタイダケド」


港湾「北方トアソブヨウニナッテカラ…ミナトモウチトケタワ」


ツ級「オヤコトイウモノデショウカ?」


港湾「ワレワレハウマレタトキハ…ホトンドガヒトリダ」


ツ級「北方ガウマレルシュンカンニイタコトハ、カミサマトヤラニカンシャデス」




北方「ゼロハハシルノハヤインダヨ!」


港湾「ソウ。アソンデモラッテヨカッタワネ」


ゼロ「いいリハビリになるんだ…」


港湾「アラアラ///」


ゼロ「明日からオレもここで働かしてくれないか?もう体は大丈夫だ」


港湾「アライイノヨ。キニシナクテ」


ゼロ「このままだとヒモと変わらないからな…」


北方「ゼロハヒモナノ?」


港湾「北方チガウノヨ。ゼロハヒモジャナイワ」


ゼロ「必ず働くからな」

翌日


港湾「デハ、イエヲツクルカラザイリョウヲ…アツメマショウ」


ゼロ「材料は何を使うんだ?」


港湾「シマニハエテイルキヲエランデキル」


ツ級「シマニナガレテクルモノデツクッタリスル」


ゼロ「木材と金属だな」

島の森林 


ヲ級「コンニチハ、ゼロサンテツダッテクレルンデスネ」


ゼロ「よろしく頼む」


ツ級「コノキカラキルカ」


ゼロ「この木だな」ジャキッ


ツ級「ドウグハコレヲ…」シュパン!


ヲ級「ヘッ?」


ドシーーーン!


ゼロ「違ったか?」


ヲ級「スゴーイ!ドウナッテンノ?」


ツ級「ヒカルケン!ジェダイ?」


ゼロ「いや、次はどうすればいい」


ヲ級「ジャア、ハコビヤスイヨウニキッテハコブンダ」


ゼロ「わかった」シュパン!シュパン!シュパン!


ツ級「ヨシ、ツ級イッショニハコボウ」


ヲ級「ヲ!」


ツ級「ゼロハナカマガキテカラ…」


ゼロ「どうした?」木こりのテーマとともに一番デカイ丸太を持つ デーン!

島 海岸


港湾「ナガレツイタフネノブヒンヲザイリョウニスル…」


ゼロ「なるほど、金属は運しだいか」


港湾「ソウネ…ナガレツイタノシカナイカラ」


ゼロ「あれはなんだ?」


港湾「ニンゲンガステテ…ナガレツイタフネガザショウシタノヨ」


ゼロ「使わないのか?」


港湾「フフフ。オオキスギルワ…ツカイタイケド、ブンカイモデキナイカラ」


ゼロ「運んで分解すればいいんだな、任せろ」


港湾「ムリシナイデネ」


ガシッ!ズルズル!ドシン!


港湾「………」


ゼロ「後は運びやすく斬ればいいんだな?」シュパン!シュパン!シュパン!


港湾「ソウネ…」


ゼロ「これでいいか」


港湾「アナタ…スゴイノネ」


ゼロ「そうか?」

その日の夜


一同「カンパーイ!!」


ヲ級「イヤーゼロサンノオカゲデサギョウハジュンチョウ」


ツ級「ハコベナカッタフネモツカエタシネ」


ネ級「………ゼロ……スゴイ///」


リ級「チイサイノニヤルネ」


チ級「ミタメジャナイネ」


ヨ級「チイサイダケデナク///ヒキシマッテイルノネ///」


ゼロ「……」


ツ級「ドウシタ?ゼロダマッテ」


ヨ級「モシカシテ///テレテル///」


ネ級「……オス…イナイ」


ヲ級「ココハオンナシカイナイデスカラネ」


港湾「リョウリタクサン…アルワヨ」


北方「ゼロ。カツヤクシタノ?」


チ級「ダイカツヤクダッタヨ」


北方「ゼロ。ヒモジャナイナ!」


ツ級「ヒモ?」


ゼロ「おい、北方…」


港湾「コノママダトナニモシナイヒモ二ナリソウデキニシテタノヨ」


ゼロ「港湾まで…」


ヨ級「チイサクテチカラモチ///カワイイワネ///」


一同 ハハハハハハw

数時間後 


スピー グカー ムニャムニャ イマサラカゾエキレルカー


港湾「…ゼロハ?」ムクッ


港湾「ゼロガイナイワネ」キョロキョロ

海岸


夜の海を眺めながら流木に座るゼロがいる。


ゼロ「……」


港湾「ドウシタノ?」


ゼロ「考えていたんだ」


港湾「コキョウヲ?」


ゼロ「いや、オレは元々戦闘レプリロイドなんだ」


港湾「タタカウタメ二ツクラレタ?」


ゼロ「そうだ。戦いしか知らずに生きてきた。それしかなかった…」


港湾「………」


ゼロ「だが、その力が皆に役立てた…戦って守るしかない力が他に使えた」


港湾「ウレシカッタンデショ?」ニコ


ゼロ「…そうだな」


港湾「ヨイショット」ポスン


ゼロの隣に座る港湾棲姫はゼロの手を取る


港湾「コノテガマモッテキタノネ」


ゼロ「全部は守り切れなかった…助けれなかったのもある」


港湾「…ソウ」

ゼロ「……」


港湾「ゼロ…アナタサエヨケレバズットココニイテイイノヨ///」ギュッ


ゼロ「…ありがとう」


北方「ズルイ!」タッタッタッタッーピョーン


港湾「北方///」


ゼロ「どうした?北方」ポスン


北方「ゼロヒトリジメ。ズルイ」フンス!


ゼロの膝の上に座る北方


北方「カゾク!ミンナカゾク!ゼロハパパ!港湾ハママ!」


港湾「ゼロトフウフ///」


ゼロ「そうだな。家族だな」


ゼロ<いいかもな…家族か>


平和で穏やかな日々を過ごしていった




北方「ゼロ。イッテラッシャイ」


ゼロ「行ってきます」ナデナデ


港湾「オベントウ…タベテネ」


ゼロ「ありがとう」




ヲ級「オベントウデスカ?ウラヤマシイデスネ」


ゼロ「食い足りないのか」


ツ級「ソウイウイミデハナイデスヨ」

夕方


ゼロ「ただいま」


北方「オカエリー」テクテク


港湾「オカエリナサイ。ゴハンデスヨ」ニコ




北方「…ゼロ…ネル」


ゼロ「ほら、ちゃんと着替えろ」


港湾「フトンハヒイタヨ」


川の字で寝る3人


ゼロ・北方・港湾


北方「」スピー


ゼロ「…」


港湾「…北方ハネタワネ」


ゼロ「あぁ」


港湾「ゼロガキテクレテホントウニヨカッタ」


ゼロ「…」


港湾「ミンナオモッテイルワ」


ゼロ「そうか」


港湾「ウフフ///ケド、イチバンオモッテイルノハワタシカシラネ///」


ゼロ「…港湾、それは」


港湾「サア、モウオソイカラネマショウネ」


ゼロ「…そうだな」


港湾<カミサマ、ドウカコノシアワセガ、イッショウツヅキマスヨウニ>

それから数日後…


港湾「イイテンキネ…」


北方「アッタカイナ!」


港湾「ゼロハ、ザイリョウサガシニエンヨウシテイルカラネ」


北方「ナニヒロッテクルカナ」


ツ級「タイヘンデス。港湾様!」


港湾「ドウシタノ?」


ツ級「ヨ級ガ、ニンゲンノグンタイガチカヅイテイルノヲミツケマシタ!」


港湾「!!!」


港湾「ミナヲドウクツニアツメテ」

洞窟内


港湾「ニンゲンハドウ?」


ヨ級<イッテイノキョリヲタモッテイマス…トクダイノタイホウツキ3セキ…ナニカツンデイルヨウダ>


ツ級「ドウシマスカ?」


ヲ級「トウコウスル?」


リ級「ダメダ…コロサレル」


チ級「コロサレルナラマシダ…オンナデアル、ワタシタチハランボウサレル…」


一同シーン


港湾「コノシマヲホウキスル…」


ネ級「…シカタナイ…イキノコロウ…」


ヒューーーーン!ドカーーーーン!


港湾「ソンナ!ウッテキタ!」


ガラガラ…

ゼロ「……なんだ…これは…島が燃えている…みなは…どこだ?」


ゼロが島に戻ると島が燃えており、戦車や歩兵が皆の家を蹂躙している。


ゼロ「人間か…」


兵士1「貴様!何者だ」ジャキッ


兵士2「ここに住んでいるのか!」ジャキッ


兵士3「深海棲艦の仲間か!」


ゼロ「…なぜ…島を破壊するような事をした」


隊長「深海棲艦は問答無用で殲滅対象だ。住処であるこの島を破壊する命令も出ている」


兵士4「隊長!深海棲艦を発見し捕えました!しかも女です」


隊長「なるほど…深海棲艦の雌か…楽しめそうだな」ニヤニヤ


ゼロ「待て!彼女らは戦いを望まずに、人間との共存を望んでいる!」


隊長「そんなものはどうでもいい!奴らは深海棲艦だ。理由はそれだけだ」


ゼロ「無抵抗の女を殺すのか!」


隊長「女ではない雌だ。我々は深海棲艦との戦いで仲間を失い怒り疲弊している。怒りのぶつけ先が必要なのだよ」


ゼロ「…それが彼女らなのか…」


隊長「そうだ!人類の正義の為だ」


ゼロ「…わかった」ヒュン!


隊長「貴様…抵抗する気か?我々に」


ゼロ「貴様らの正義はわかった…だが、オレは彼女達を守る。」


隊長「深海棲艦を守るか」


ゼロ「オレはただ自分の信じる者の為に戦う…」


隊長「奴らを信じるというのか!」


ゼロ「そうだ。彼女達を信じる」


ズパパパパン!ドオーン!ドカーン!

洞窟内


港湾達「…」


兵士5「深海棲艦の雌とはな」


兵士6「研究所の変態どもがルパンダイブしたくなる代物だ」


兵士7「なあ?研究所に渡す前に楽しまないか?」ヘラヘラ


兵士8「隊長とも連絡が繋がらないな」


兵士9「彼女らは一応捕虜ですよ」


兵士7「馬鹿かテメェは?人間じゃねえんだよ。深海棲艦の雌だ」


港湾「…クルナ…」


兵士7「どうせ。研究所で体を弄られまくるんだ…俺らでならしてやろうぜ」


兵士9「……」


兵士7「おい、兵士9。どれがいい?選ばしてやるよ」


兵士9「………遠慮します」


兵士7「なんだよ。深海棲艦の雌とヤッタなんて英雄だぜ。じゃあ、そこの体と胸がデカイの!」


港湾「!!」


兵士7「あんただよ。」


港湾「……タノム…ワタシイガイニテヲダサナイデクレ…」ブルブル


ツ級「港湾様!」


港湾「イインダ…スキヲミテニゲロ…ソシテ…北方ヲミツケテクレ…」ボソ


兵士7「あんたの働き次第だな」ヘラヘラ


港湾「……ワカッタ…」


兵士7「とりあえず、脱いでもらおうか」


港湾「……」スルスル…パサッ


兵士7「いい体じゃねえか」ヘラヘラ


ツ級「港湾様…」ギリッ!


兵士6「肌が白すぎるぐらいで人間と変わらないな」ヒュー


兵士7「では、お楽しみといきますか」カチャカチャ


港湾「……ゼロ……ゴメン…ナサイ…」

>>288
部屋を温かくしてください。そうすれば全裸でも大丈夫です

ここからゼロにオリジナル要素が入ってしまいますのでご勘弁下さい

島付近海域


北方「ハア、ハア、ニンゲンキタ。ミンナトモハグレタ…」グスン


北方「タスケテ、タスケテ、ダレカタスケテ!」ガツン


北方「アウ!」バタン


北方「ウゥゥゥ!タスケテ…ミンナヲタスケテ…」グスン


イ級「…………」


北方「!」


イ級「…………」


北方「ノセテクレルノ?」


イ級「……」


北方「ソウダ…タスケヲヨボウ」ムクッ!


赤いヘルメット<キラン!!!


北方「コレハ…ゼロ…サガシモノ」


イ級「………!」


北方「イ級ハタスケヲヨンデ…」


イ級「!」


北方「ゼロ二コレワタス…ヤクソクシタ!」


イ級「北方棲姫様…イノチニカエテモ…エングンヲヨビマス」

洞窟内


港湾「………」ブルブル


兵士7「こいつ震えてやがるぜ。」


港湾棲姫の頬に触れる兵士7だったが…

 
兵士7「」グチャ!


蹴り飛ばされ岩肌に叩きつけられる。


兵士達「なんだ!」


ゼロ「なにをしている…」


ツ級「ゼロサン!」


ゼロ「キサマラ!港湾二ナニヲシヤガッタ!」


兵士6「なんだ!雄の深海棲艦だ。撃ちま…」ゴシャ!


兵士は次々に殴り飛ばされ、蹴り飛ばされる。


兵士9「ひい!」


ゼロ「ミナニナニシヤガッタ!北方ハドコダ!」ビュン!


ゼロの拳が兵士の頭を叩き潰す直前だった。


港湾「ゼロ!大丈夫!ナニモサレテイナイシ、北方ハニガシタカラ」ダキッ!


ゼロ「………ダイジョウブナンダナ…」


港湾「ダイジョウブ…ダカラ…コブシヲオロシテ…」ウルウル


ゼロ「…イノチビロイシタナ…」


兵士9「……」


ゼロ「……コロスカチモナイ…ニンゲンダ」


兵士9「……」


ゼロ「ウセロ」


兵士9「」タッタッタッタッ


ツ級「ゼロサン、タスカリマシタ…」

ゼロ「……コノスガタハ?」


港湾「…ダマッテイテゴメンナサイ。アナタヲタスケルタメニ…」


ツ級「ワタシタチ、深海棲艦ノカラダヤブヒンヲツカイマシタ」


港湾「…ゼロ、イマノアナタノカラダノナカノイチブハ深海棲艦ナノ…」


ゼロ「オレガ深海棲艦トオナジ?」


港湾「ゼンブデハナイ…レプリロイドデアルコトハカワラナイ」


ツ級「ツヨイイカリナドノフノカンジョウガキッカケデカワルヨウデス」


港湾「ワタシタチガ、ウマレルノトオナジジョウケン…」


ゼロ「ソウカ」


港湾「…イママデダマッテイテ…ゴメンナサイ…」


ゼロ「ナゼ?アヤマル…港湾ノオカゲデタスカッタンダ。アリガトウ」


港湾「ゼロ…」


ゼロ「…北方ヲミツケテニゲロ…オレガアシドメスル…」


港湾「…ムリヨ…アンナカズヲアイテニスルナンテ」


ゼロ「マエノセカイデモニタコトガアッタ…ハヤク、イケ!」


港湾「マッテ…サイゴニ…」チュッ


ゼロ「…ムグ…」


港湾「…オワッタラ…モット…シマショウネ…」ブルブル


ゼロ「……ツ級…港湾ハフルエテウゴケナイヨウダ…タノムゾ」


ツ級「港湾様、シツレイシマス」港湾を担ぐ


港湾「ゼロ!ゼロ!ゼローーーー!」


ゼロ「イキノビロ…」






ゼロが洞窟から出ると軍隊により包囲されていた。


ゼロ<前にも似たようなことがあったな。…あれはコピーエックスを倒した後だったな…>


隊長「投降しろ!抵抗は無意味だ!」ボロボロ


ゼロ<あの後、一年間は戦い続けたんだよな…それに比べれば楽なもんだ…フッ>


隊長「笑って嫌がる…あの化物笑ってやがる…」


ゼロ<人間だからな…殺すわけにはいかない>


隊長「撃て!撃ちまくれ」ズドドドド!


ゼロ<無力化して追い出す>ガキン!ガキン!ガキン!


ゼロ「カカッテコイ…シニタクナイナラナ」


ゼロは兵士のライフルを切断し、戦車の砲台とキャタピラを斬る。


ゼロ<数が多いのが面倒だな>シュパン!シュパン!シュパン!ザシュッ!


隊長「いいから砲撃を開始しろ!座標はここだ!誤射の可能性だと、いいから撃て!」


ゼロ<被害を考えずに援護要請とは愚かだな…>


ズドーーーーン! ヒューーーーン!


ゼロ<逃げるか>

ゼロが振り向いた先には


北方「……ゼロ?」


ゼロ<北方…なぜ!>


ゼロは北方を庇うように抱きしめ、衝撃に備えた


ドカーーーーン!!!


北方「ゼロ。ダイジョウブ?」


ゼロ「アァ、ダイジョウブダ…<頭をやられた…のは不味いな…>」バチバチ!


北方「ゴメン。ゼロ。コレヲアゲニキタ」


ゼロ「オレノヘルメット…」


北方「ヤクソクシタカラ…」


ゼロ「アリガトウナ…」ナデナデ


北方「フフーン」


ゼロ「ケド、ココハアブナイ。港湾達トイテクレ」


北方「ワカッタ…ヤクソクシテ…カエッテキテネ」


ゼロ「ヤクソクスル」


北方を逃したゼロはヘルメットを被り…


ゼロ「オレガウゴクカギリ…タタカワナイトナ…」


頭へのダメージは、実は深刻なものだった…


ゼロは三日三晩戦い続けた。

洞窟内 広場


港湾「ゼロ!ゼロ!」ハァハァ


ツ級「港湾様オマチクダサイ」


港湾「イマハセントウガ、テイシシテイル…」


ツ級「フネハ、マダイマスカラ。ユダンデキマセン」


ゼロ「………港湾か?」フラフラ大破!


港湾「ゼロ!コンナニ…ボロボロニナッテ」ダキッ!


ツ級「ゼロサン…<深海棲艦化ガデキナイグライ、ヨワッテイル>」


ゼロ「…すこし…休む…」ドサッ


港湾「…ウン…」ダキッ


ゼロ「…疲れた…だけだ」


港湾「…ウン…」ナデナデ


ゼロ「…必ず…起きる…か…ら…」


港湾「…ウン…ユックリ…ヤスンデネ…」


ゼロ「」


港湾「…ウッ…ヒック…グス……」


ドカーーーン!グラグラ!


ツ級「コノシマモゲンカイデス…シズミマス」


港湾「…ナラ…ゼロヲ…ニンゲン二トラレズニスム…」


ツ級「カイチュウナラ…テモダセナイ」


港湾「ワタシハ…マツワ…イツマデモ…ゼロガ…メヲサマスマデ…」


ゼロ「」パキパキパキ


ツ級「深海棲艦ノシュウフクキノウガ、ゼンシンヲオオッテイル…」


港湾「ゼロ…マッテルカラネ」

島付近 待機中の戦艦


大佐「まさか、一体の深海棲艦にここまで手こずるとはな…」


船員「島の沈没を確認」


大佐「これだけの被害を出して、島を沈めただけか…」


隊長「付近を探索し、報告にあった深海棲艦の雌を捕えましょうか?」


大佐「そうだな。手土産も無しに帰れ…」


ズギャーーーーン!!


大佐「なにがあった?」


船員「確認中です!」


大佐「なんだ!あのデカイの!」


イ級「…北方棲姫様…ヤクメハハタシマシタ…」

一時間後


戦艦棲姫「タイシタコトナイワネ」


生物艤装「グオーーーー!」


戦艦棲姫「マア、コレクションハフエタワ…」


勲章を掌で弄ぶ戦艦棲姫は艤装に抱えられながら笑う。


戦艦「島ハ残念ダッタワネ…」


イ級「…アリガトウ…ゴザイマス…」


戦艦「ミンナニゲタカシラ…」

現在


如月「ゼロさんにそんなことがあったなんて」


睦月「私達が調べた島は、あなた達の家だったんですね」


清霜「ゼロは50年も寝ていたの」


港湾「ソウダ…シマガシズンダアト、ワタシト北方ハマチツヅケタ」


北方「ナガカッタ!」


島風「けど、ゼロは忘れてるよ」


港湾「…ナンダト」


如月「そうなんです。目を覚ましたゼロさんは記憶を無くしているわ」


北方「ゼロ…北方モミンナモワスレタノ?」ウルウル


早霜「…大丈夫…思い出させれば…いいだけ」


清霜「そうですよ。停電で設定がリセットされちゃった家電みたいな状態ですよ」


如月「家電扱いはどうかしら…」


早霜「…鎮守府に行きましょう…この話が本当なら…大変…」


睦月「提督も話せばわかってくれると思います」


島風「後はゼロが目を覚ませばいいんだけど」


北方「ゼロドウシタ?」


清霜「謎の女性型深海棲艦に濃厚なキスをされてから目を覚ましません」


港湾「エッ!ウワキ…」


早霜「…ゼロさん…かなりもてるわよ…」


港湾「…スグニアイマショウ」ゴゴゴゴゴ!


北方「修羅場ダ!」

鎮守府内 工廠


ゼロ<オレはどうして…そうだ…あの女にやられて…>


ゼロ<……港……湾……北………方……島………>


ゼロ<港湾棲姫…北方棲姫…!!>ビクッ!


ゼロ「この二人はなんだ?」


ゼロ「オレノキオクカ…」


ゼロ「ネムッテイタノカ」ギィーバタン!

鎮守府


明石「ゼロくんの様子はどうかしら」


夕張「…明石さん…あ…れ…」


ゼロ「…明石…夕張…イマハナンニチダ?」


明石「ひぃ!」


夕張「…逃げましょう!」


ゼロ「オイ、ドウシタ?ナニカアッタノカ」


ゼロ「提督二キイテミルカ」ドン!


曙 「痛い!」ドサッ


ゼロ「!」


曙 「ちょっと、気を付け…な…さ…ひぃ!」


ゼロ「ワルイ…タテルカ」


ゼロは手を差し出すが


曙 「こ…来ないで…なんでここに…」


ゼロ「ドウシタ」


曙 「いや!いやよ……」チョロロロ


武蔵「曙に近づくな!化物」


ゼロ「バケモノ…ナンダ…ナニヲイッテイル…」


動揺したゼロは窓ガラスに写った自分を見た


見慣れない姿の自分がいる。


ゼロ<なんだ…これは!まるで深海棲艦じゃないか>


武蔵「鎮守府に侵入とはいい度胸だな」


ゼロ<不味い…敵だと思われている…逃げるしかない>バリーン!


武蔵「外に逃げたぞ!」

ゼロ<なんだこの姿は…あの女に何かを流し込まれたか?>


ゼロ<なんとかして誤解を解くしかない>


龍田「逃さないわよ」ヒュン!


ゼロ「龍田」ガキン


龍田「あらーその右腕切り落としたつもりだったのに」


ゼロ「…龍田…オレダ…ゼ…」


龍田「深海棲艦に知り合いはいないわ」ヒュン!


ゼロ「…」ガキン!


龍田「それにあなたは似ているのよね」ギリギリ


龍田「天龍ちゃんを奪った奴に」ヒュン!ヒュン!


ゼロ「…」ガシッ


龍田「あら」


ゼロは薙刀を掴み、薙刀ごと龍田を投げようとしたが


龍田「ならこれよ」ドォーン!


ゼロ<この距離で!>


龍田「前に似たようなことをされてね」ゲシッ!


ゼロ「…グッ」ゴロゴロ


龍田「動けないように、地面に繋げないとね」ヒュン!

ドォン! ガキン! 


龍田「あらあら、どいうつもりかしら?」


龍田「早霜ちゃん」


早霜「…龍田さんこそ…どういうつもりですか?」


龍田「侵入してきた深海棲艦を動けなくするだけよ」


早霜「…動けなくするのに生死は問わないと…」


龍田「出来れば殺したくないわ。情報を聞き出したいから」


早霜「…必要ないわ…」


龍田「どうしてかしら?」


早霜「…その深海棲艦はゼロよ」


龍田「…どういうこと…」


早霜「…説明には時間がかかる…薙刀を降ろして下さい」


龍田「ゼロは裏切り者ということ」


早霜「…違う」


龍田「深海棲艦なのを隠していたんでしょ」ニコニコ


早霜「だから…訳があって…」


龍田「裏切り者はダメよ」ヒュン!


天龍「話を聞けよ。龍田」ガシッ1


龍田「天龍ちゃん…」


天龍「どうした?人の話も聞かずに最近おかしいぞ」


龍田「……」


天龍「早霜。さっきの話は本当か?」


早霜「…そうよ。証人がいる」

港湾「…ゼロ…」


天龍「な!深海棲艦の姫!」


龍田「」ジャキッ!


港湾「タタカウイシハナイ」


龍田「信用出来ないわね」


港湾「…ワカッタ」ガシャン!ガシャン!


天龍「両手の爪を捨てた」


港湾はゼロにゆっくりと近付き


港湾「…ゼロ…」


ゼロ「オレヲシッテイルノカ…」


港湾「…ソウヨ…アナタノホンライノスガタモ…コノスガタモ…シッテイルワ」


ゼロ「…港湾…棲姫…」


港湾「!ソウヨ…」ダキッ!


ゼロ「…ヤスミスギタカ…」


港湾「…ソウネ…50年ハ…ナガカッタワ…」スリスリ


ゼロ「…スマない」


港湾「イイノヨ…マタアエタカラ」スリスリ


ゼロ「北方は元気か」


港湾「ゲンキヨ…ゼロ二アイタガッテイル…」スリスリ


ゼロ「50年分遊んでやらないとな」


港湾「フフフ…タイヘンヨ」ニコ


港湾「ケド、ヤクソクガアッタワネ」


ゼロ「約束…むぐ」


港湾「チュー」


港湾「オカエリ…ゼロ」ポッ


天龍「ゼロとチューした…」ボッ!






鎮守府内 独房


離島「ヒーマー」ゴロゴロ


龍驤「なあ、リラックスし過ぎやないか?」


離島「ゼロコナインダモン…」


龍驤「ゼロはなー起きないからなー」


離島「アノオンナ。ミタコトナイ」


龍驤「え?知り合いじゃないんか」


離島「ミタコトナイ姫ダ」


龍驤「新種かな?」


離島「マンガクレ」


龍驤「ほれ」デビルチルドレン(復刻版)

鎮守府内 会議室


提督「そうなことがあったとは」


港湾「……ソウダ」


ゼロ「オレも全部ではないが、この体で戦っていた時から港湾達と過ごした日々までは思い出せた」


提督「過去の報告書は誇張だったのか…」


ゼロ「睦月達に会った時に記憶がなかったのは、戦闘で頭を負傷したせいだと思う」


提督「一人であれだけの数を相手したんてね」


ゼロ「それはもういい。問題は港湾達だ」


港湾「ワタシタチハ…ゼロカラハナレルキハナイ」


提督「うーん。捕虜扱いになるから自由に歩き回れなくなるし、本部に見付かった不味いな」


ゼロ「協力者だ。なんとかならないか」


提督「とりあえず、知り合いに根回しするから。研究所の変態どもに渡さないわ」


ゼロ「港湾と北方はここで暮らすことになるが、他のみんなはどうしている?」


港湾「ダイジョウブ…ミンナゲンキヨ…」


ゼロ「ここに呼ぶのか?」


港湾「チカクニイルガ…ヘイワニセイカツシテイル…」


港湾「…ケッコンシテ…カテイガアルミタイダシ」


ゼロ「そうか…よかった」


提督<おい!さらっと凄いこと聞いたぞ!>

ゼロ「オレはここで戦うことは変わらないが、港湾と北方の安全と自由を優先する」


提督「つまり、それが侵害されるなら」


ゼロ「ここから出ていく」


港湾「…ゼロ…」


提督<ゼロは島の件を思い出しで人間不信になりかけている…今は味方だけど、この先どうなるかわからないわ…失えば士気にも関わるほど信頼されている。敵になったら勝ち目はない>


提督「わかった。けど、時間は掛かるからすぐには寮では暮らせない。」


ゼロ「独房になるのか」


提督「そうね…」


港湾「…ダイジョウブヨ…」


ゼロ「しかし…」


港湾「イキナリキタカラ…ヨウイモデキナイ…シカタナイ」


ゼロ「……」


港湾「キョウハ…3ニンデネレレバイイカラ///」


提督<あー川の字で寝るのは決定なんだ…>

工廠


明石「まさか、ゼロくんだったなんて」


夕張「どうしましょう。知らなかったとはいえ避けてしまいました」


明石「謝りに行きましょう」


夕張「そうですね…それより」


北方「フフーン♪」


夕張「提督も見ていてくれって姫を任せますか」ボソ


明石「いくら子どもでも、一応は姫だからね」ボソ


長門「なにをしている?」


明石「長門さんと武蔵さん」


武蔵「様子を見に来たのだが…野放しじゃないか」


夕張「いや、見た目は幼いですけど姫ですよ」


長門「ふん、私が相手をしてこよう」


明石「ちょっと、長門さん」

北方「…ウン?」


長門「可愛いお嬢ちゃん、お話しよう」シャガミ 目線を合わせる


北方「カエレ」


長門「いや少しでも」


北方「カンムス…カエレ」


長門「…」


北方「カンムスイラナイ…ゼロクレ!」


長門「」ズーン


明石「だめじゃないですか」


夕張「完全拒否ですね」


武蔵「長門…」


長門「甘い飴を上げよう」スッ


北方「」パシッ ササッ


長門「…」


北方「ペロペロ…オマエ…イイカンムス?」


長門「そうだ!いい艦娘だぞ」

北方「…ムカシ…イエヲニンゲン二コワサレタ…」ショボーン


長門「そうか…」


北方「カンムス…ニンゲントタタカウ…」


長門「…」


北方「…北方タチハヘイワニクラシテタ…ケド、ニンゲンコワシタ…ツギハカンムストコワス?」


長門「…」


ゼロ「迎いに来たぞ。北方」


北方「ゼロ!」タッタッタッタッ 


ゼロ「いい子にしてたか」ナデナデ


北方「ウン!」


ゼロ「今日は昔みたく3人で寝れるぞ」


北方「ヤッター」


長門「…」


武蔵「どうした。長門」


長門「いや、なんでもない」


武蔵「提督の指令は正当性のある命令だ。守る為の戦いだ」


長門「そうであってほしいさ」

独房 


ゼロ「悪いな。出来るだけ早く、移せるように頼むから」


港湾「…イイノヨ…ムカシミタイダカラ」


北方「ムカシミタイダ!」


ゼロ・北方・港湾


布団に川の字で寝る三人


港湾「ケド、ゼロマデココニクルナンテ…ヘヤハアルンデショ」


ゼロ「いいんだ。」


北方「ゼロ。ミンナデネタインダ」


ゼロ「そうだな」ナデナデ


北方「フフーン」


港湾「ゼロ…」


ゼロ「なんだ」


港湾「アリガトウ」


ゼロ「…もう寝るぞ」ゴソゴソ


北方「アシタハ…アソブ…」


港湾「ソウネ…オヤスミナサイ」

隣の独房


離島「トナリニダレカキタミタイ」


龍驤「そうなんか」フワー


離島「シラナイノカ」


龍驤「もういいから寝る時間やで」


離島「アトスコシ」


龍驤「明日にとっときな」パチン


離島「ワカッタワヨ」


龍驤「おやすみ」


離島「オヤスミ」

深海棲艦の台詞は読みずらいので通常にします。


脳内で深海棲艦言葉にしてもえればと思います。

鎮守府内 執務室


叢雲「司令官どうするんですか?」


提督「たくさんありすぎてわからないわ」


叢雲「資源島奪還の際の功労者である提督とゼロが本部に行く」


提督「褒められると思ったら嫌味言われるやつね」


叢雲「昨日の捕虜をどうするか」


提督「同期の研究所の仲間に来てもらう」


叢雲「捕虜の施設をどうするか」


提督「妖精さんに協力してもらおう。資源を集めるのが先だけどね」


叢雲「離島棲鬼の尋問」


提督「ゼロが起きたから今日やるわよ」


叢雲「…ゼロを今後どうするか」


提督「………それが一番問題よね」


叢雲「幸い殆どいなかったから目撃者は少ない」


提督「間宮券で買収するわ」


叢雲「いいの?」


提督「ゼロの深海棲艦化は、強い負の感情が原因みたいだから普段は大丈夫よ」


独房


ゼロ「様子をどうだ?」


龍驤「大人しくしてるで、地上の生活に慣れてきてる」


ゼロ「悪いな。オレが目を覚まさないばかりに一週間は監視していたんだろ?」


龍驤「ええってべつに。話してみたら悪い子じゃなかったし。」


ゼロ「そうか」


龍驤「きみが悪いと思っているなら、演習に付き合ってや」


ゼロ「いいぞ。いくらでも付き合ってやる」


龍驤「ほんとに!大鳳も一緒でええか」


ゼロ「勿論だ」


ドア<ガシャン…ガラガラ…バタン

離島「龍驤ーマンガ飽きたー」ゴロゴロ


ゼロ「随分、地上生活を満喫しているな」


離島「!」


ゼロ「待たせたな。」


離島「ゼロ!やっと来てくれたのね」


ゼロ「一週間は眠っていたからな」


離島「何を聞きたいの…ゼロなら何でも教えちゃう///」


龍驤<ちょろいな…>


ゼロ「深海棲艦の現状だ」


離島「各海域を守る姫が管理している」


ゼロ「深海棲艦の全ては姫により管理されているのか?」


離島「いや、全部ではない。飼いならされていない野良もいる」


ゼロ「無所属で好き勝手に動くのか」


離島「そうよ」


ゼロ「お前があの島を管理していたのは誰が決めた」


離島「私はあの島で生まれたからだ。殆どは生まれた場所を管理する」

ゼロ「深海棲艦はどうやって生まれる?」


離島「気が付いたら深海棲艦として生まれているけど、」


ゼロ「なんだ?」


離島「稀に違うのがいる」


ゼロ「違う方法」


離島「沈んだ艦娘…そして…強い負の感情を抱いた艦娘が深海棲艦化する」


ゼロ「見たことあるのか?」


離島「何人かよ。酷使された潜水艦に捨駒にされた艦娘が沈んだ時に深海棲艦化したわ」


ゼロ「…そいつらはどうなる?」


離島「深海棲艦化したら受け入れるわ。そして…復讐に加担することもある」


ゼロ「提督に復讐するのか?」


離島「そうね…私も何人かは協力したから」


ゼロ「艦娘が提督を守ら…いや、そんな奴なら…」


離島「わかってるわね。クソ司令官を守る艦娘はいないわ。深海棲艦化した艦娘が交渉して司令官だけ連れ去る事が多いわ」

ゼロ「……」


離島「痴情の縺れで深海棲艦化して提督と心中したのもいた」


離島「可哀そうなのは、提督との結婚を認められずに駆け落ちしようとして捕まった艦娘がいたわ」


ゼロ「どうなった?」


離島「提督は殺された…艦娘は子どもを身ごもっていたけど、上官達の玩具にされて…3人ともダメになってしまったわ」


ゼロ「……」


離島「大丈夫…上官達は拷問して生き地獄を味わってもらってから餌にしたから」


ゼロ「殺したことはどうも思わないのか」


離島「生きてる価値もない男だからね」


ゼロ「……」


離島「けど、ゼロが辞めろというならもうしないわ。捕まっているし」


ゼロ「港湾と北方は知っているか?」


離島「あの二人は有名よ。戦わずに島で平和に暮らしていたみたいだけど…人間に島を破壊されたと聞いたわ」


ゼロ「会ったことはあるのか?」


離島「ないけど、心優しい二人だと聞いているわ…わかってたら助けに行ったのに…」


ゼロ「そうか…」

離島「まだ暫くはここで暮らすの?」


ゼロ「離島の態度しだいだな」


離島「協力すれば待遇がよくなるということね」


ゼロ「提督に掛け合う」


離島「私としてはあなたの専属メイドにしてもらえればいいんだけどね。あと」


ゼロ「なんだ?」


離島「私が刺した艦娘に謝りたいんだけど…」


ゼロ「わかった」


離島「…一番最初にお願い…」


ドア<ガシャン…ガラガラ…バタン

ゼロ<オレは人間を守り、迫害されたレプリロイドを助けてきた。そして、この世界では人間と深海棲艦が戦う>


龍驤「どうやった?」


ゼロ<守る人間の中には欲にまみれた外道もいる…戦いを望まない深海棲艦もいる…>


龍驤「うん、なあ、ゼロ」


ゼロ<敵は深海棲艦だけでない>


龍驤「…ゼロ?」


ゼロ<人間にも敵がいる!そいつを排除しないと永遠に人間にも艦娘達に未来はない>


ゼロ「どうした?龍驤」


龍驤「いや、怖い顔してからそんなに離島の態度が悪かったのか、と思って…」


ゼロ「そんなことはない。天龍に謝りたいと言っていたし協力的だ」ナデナデ


龍驤「そうか!よかったわ」


執務室


ゼロ「どうせ全部聞いていたんだろ?」


提督「あら、話がはやい」


ゼロ「艦娘の深海棲艦化は知っていたのか」


提督「この身分だからね…」


ゼロ「離島の話は本当だったんだな」


提督「あれ?かまかけられた」


ゼロ「…ここなら問題無さそうだから心配ない」


提督「そりゃね、私は皆を愛して可愛がっているからね」


ゼロ「他はどうなんだ」


提督「同期の提督達は問題ないと思うけど、普段は憲兵による監視が行われているわ」


ゼロ「そいつらが役に立っているならな」


提督「知り合いに聞いてみるわ。それと、」


ゼロ「なんだ」

提督「資源島奪還作戦の活躍が称えられて本部にお呼ばれされたのよね」


ゼロ「よかったじゃないか」


提督「いや、ゼロもよ」


ゼロ「オレもか」


提督「ゼロの活躍で成功したようなもんだからね。ただ…」


ゼロ「オレがレプリロイドである事と過去に人間と戦った事を考えると行かないほうがいいんじゃないか」


提督「そうもいかないのよ」


ゼロ「断れないなら仕方ない」


提督「ゼロは見た目が目立つからなんとかしないと…」


ゼロ「そんなに目立つか」


提督「古い親父の集まりだから、男の子でその長髪は不味いわ」


ゼロ「そうなのか」


提督「男は短髪で、女は黒髪おかっぱ頭なんて発想の奴らよ」


ゼロ「艦娘はいろんな髪をしているが」


提督「私が脅した」

ゼロ「成程。なら、オレはどうすればいい。この髪は切れないぞ」


提督「うーん。!ヘルメット外してくれない」


ゼロ「こうか」フサッ!サラサラ


提督「ゼロは中世的な顔立ちだからー制服と帽子で誤魔化せば女の子で通じるかも」


ゼロ「待て!なんで女の振りをしなければならない」


提督「仕方ないじゃない。髪を守るには女の子になるしかないわ!」


ゼロ「他の方法があるはずだ」


提督「うーん。あきつ丸か天龍なら着れそうだけど…」


ゼロ「……」

>>351 
仮面ライダーの映画は地方の為に5月までみれません

地方の映画館は辛い…

提督<過去のゼロは人間と戦ったけど一応殺してはいない。それは問題無いけど当時の映像が存在したら不味い…>


ゼロ「…」ソロー


提督<ゼロをどのように説明するか。レプリロイドは絶対に信じないだろうし…>


提督「あれ?いない」

食堂


鳳翔「それで逃げて来たんですか?」


ゼロ「逃げたんじゃない。戦略的撤退だ」


鳳翔「ふふっ。そうですか」


ゼロ「どうすればいい」


鳳翔「天龍さんの制服なら似合いそうですよ」


ゼロ「鳳翔…」


鳳翔「冗談ですよ。ごめんなさいね」


鳳翔<頼もしいゼロくんもいいけど、困っているゼロくんも可愛いわね///>


ゼロ「どうすればいいんだ…」


鳳翔「ここで働いている男性がいないから」


ゼロ「諦めるしかないのか…」

響 「提督の制服を借りれないの」ヒョコッ!


ゼロ「提督はデカすぎる(180)」


鳳翔<いつからいたのかしら>


響 「提督の知り合いならどう?」


ゼロ「それだ」


響 「ゼロがレプリロイドだと信じてもらえないからの対策だよね」


ゼロ「そうだ<過去に人間と戦ったのを隠す事もあるが>」


響 「なら、司令官の実験事故で出来た未来からの艦男とか設計図で終わった戦艦とかにすれば男で行けるんじゃないか」


ゼロ「響」


響 「どうしたの」


ゼロ「間宮券をやろう」ナデナデ


響 「あぁ、同志よ!」ダキッ!


鳳翔「未来から来たは難しそうだから、設計図で終わったにすればなんとかなるかも」


ゼロ「それならなんとかなるかもな」

数日後 本部前


提督「さて、行きますか。ゼロ…」


ゼロ「………」


提督「今は零ちゃんだっけ」ニヤニヤ


伝説の英雄がスカートを履かされている姿があった。

時間は少し戻るでち


ゼロ「響のアイデアなら大丈夫だ。」シューシュタッ


響 「私を抱える必要はあるのかい」


ドア<バタン!


ゼロ「いいアイデアが…」


提督「うーん。天龍とあきつ丸のどっちかな?」


如月「やっぱり、あきつ丸さんの制服かしら」


睦月「天龍さんのブレザーもよさそうですよ!」


早霜「剣を取り出す時に…スカートを少しだけまくる…色っぽいわ…ふふふ」


ゼロ「」


提督「あれどうしたの?響を抱えて」


響 「私がゼロを設計図で存在した戦艦なら男でも大丈夫かな、って」


提督「男だと髪を追及されるし、もし服を脱ぐように言われたらばれるよ」

ゼロ「いや、しかし…」


提督「本部連中にホモいるし」


ゼロ「……」ドサッ!


響 「痛い」


如月「大丈夫よ。ゼロさん」ポンポン


ゼロ「如月…」


如月「絶対にばれないようにコーディネートするから」


睦月「そうです。私達に任せてください!」


ゼロ<ダメだ…逃げるしか>


武蔵「どこへ行こうというのかね」ガシッ!


ゼロ「響」


響 「同志ゼロよ。君からの贈り物は美味しくいただくよ」ピャー


ゼロ「響ー!」

一時間後


提督「あらあら、似合っているじゃない」


ゼロ「」


如月「天龍さんの制服と響ちゃんの帽子(落としていった)」


睦月「足の赤い部分は少し目立ちますけど大丈夫ですよ」


早霜「髪を…束ねるのもいいわ///」


武蔵「初めて見たなら女だと思うな」ウンウン


提督「ゼロじゃないくて零ちゃんでどう?」


如月「そうね。零さんよろしくね///」


睦月「零さんとっても似合います」


早霜「零お姉さま…素敵…」


武蔵「新しい妹が出来たみたいだな」


ゼロ<エックス…今のオレを見たらどう思うのだろうか…>

その後の響


暁 「本当によかったの?」


響 「うん。みんなで食べたかったから」


雷 「今日は響に頼っちゃうかなー」


電 「響は本当に優しいお姉さん、なのです」


響 「…幸せはみんなで分け合うべきだと思うんだ」


暁 「大人だわ。レディに近いのは響かも」


雷 「幸せも4等分ね」


電 「4人なら4倍なのです!」


一同「では、いただきまーす!」


響 <この幸せがずっと続けばいいな。>

工廠


響 <なんて…分岐点もあったんだろうなー>ブラーン


妖精1<吊るされてるです


妖精2<何があったんです?


妖精3<裏切りが発覚したのです?


妖精4<粛清です!

暁 「さて、響どうしてこうなってるかわかるわね」


響 「わかるわ」


雷 「うん?」


響 「いえ、わかります」


電 「では、答えて下さい、なのです」ブンブン


響 「ゼロから貰った間宮券をみんなに内緒にして、一人で特大パフェを食べました…」


雷 「そうね。一人で食べっちゃったわね」


暁 「そうよ!一人で…」


電 「全く違う!のです!!」ブォン!ブォン!


暁・響 「ヒィ!」ブルブル


雷 「私達が怒っているの、その後よ」


響 「その後…あっ」


雷 「そうよ。夕飯前に甘いものを食べたら食べきれないでしょ」


電 「鳳翔さんの夕飯を残したから心配したのです!」ブォン!ブォン!ブォン!


響 「あぁ…」


雷 「みんなは、響の具合が悪いんじゃないかって心配したのよ」


響 「……」


電 「怒っているのは独り占めしたことではないのです」ブォン!ブォン!ブォン!


雷 「鳳翔さんのご飯を残して、心配かけたことよ」


暁 「そ…そうよ。具合悪いかと思って心配したわ!<そうだったんだ>」

響 「うっ…ごめん…」


雷 「もし同じ立場だったら、響と同じだったかもしれないわ」


電 「だから、心配になる事をしたらダメなのです」


暁 「一緒に鳳翔さんに謝るから」


響 「ごめんなさい…次はみんなで…」


雷 「そうね。みんなで食べようね」


電 「けど、けじめは必要なのです」


響 「ふえっ」


電 「無罪放免は甘すぎなのです」ニコニコ


響 「もしかして…そのコンクリートの柱で…」


雷 「お尻ペンペン!」


響 「お尻ペンペンはいいよ!けど、それは使わないで!」


暁 「ちょっと!さすがにやり過ぎよ」


雷 「もう、冗談に決まっているじゃない」フッ


電 「そうなのです!」ゴトン!


雷 「なのでこれを提督からもらったわ」

電 「喉に貼ると3日間は〔ボリスビッチ〕の声になるシールなのです!」


響 「そ…そんな…あんな低い声でハラショー!!!って言わないといけないの?」


暁 「いや、話す言葉は全部よね」


雷 <本当は明日の朝だから、起きたら元通りだけどね>


電 「本当はこんなことはしたくないのです…けど、ケジメは大事なのです!」フッ


響 「ひぃ!やめてー助けて…」


ドア<ガラガラ!


暁 「誰かしら?」


ゼロ「響を探していたのだが…」


響 「同志!同志ゼロ!」ブランブラン


ゼロ「…いや、お前らに任せる」


ドア<ガラガラ…


響 「ゼロー!」


本部前


提督「いい特訓を思い出すのよ」


ゼロ「…思い出したくないな」


提督「スカートに気を付けてね」


ゼロ「なぜ履かした」


提督「可愛いから」


ゼロ「今日だけだ。我慢しよう」


提督「今日だけで終わるかな」

本部内


ゼロ「ここには艦娘はいないのか?軍人しか見ないぞ」


提督「そうよ。警備は厳重だから多いけど、人間しかいないわ」


ゼロ「まあ、海上戦力を陸地で腐らせる訳にもいかないしな」


提督「けど、ゼロならここを潰すのは楽勝でしょ?」


ゼロ「さあな。そうならない事を祈る」


??「提督も呼ばれたのか。」


提督「あれ?あんたも」


ゼロ「この人は提督の知り合いですか?」


提督「そうよ。紹介するわ<特訓の成果か女言葉に切り替えるとは>」

??「西門(サイモン)提督だ。提督には実験機を貰って世話になっている」


足柄「秘書艦の足柄よ。」


ゼロ「零です。よろしくお願いします」


足柄「零?聞いたことない名前ね」


提督「零ちゃんは設計図段階で終わった艦娘なのよ」


西門「そんな珍しい事があるのか?」


提督「実験したら出来たからレアケースかな」


足柄「ふーん」ジロジロ


ゼロ「なんでしょうか?」


西門「足柄絡むんじゃない」


足柄「そんなつもりはありませんよ。提督は若い娘がいいですもんね」


西門「またそれか…」


提督「実験機の調子はどう?」


西門「問題無いぞ。妖精さんでも弾薬作成にメンテナンスも出来る大丈夫だ」


提督「なら、よかったわ。新型の開発が遅れてるから大事に使ってね」

西門「わかっている。じゃあ、これで」


提督「えぇ、それじゃあ」


足柄「提督行くわよ」


西門「おいおい、引っ張るなよ」


ゼロ「提督、質問しても…」


提督「西門は、火傷を負い海岸で倒れていたのよ…今では私の制作した試験型人工艤装で艦娘と戦っているわ」


ゼロ「西門提督が前線で戦うのか?」


提督「驚いたでしょ?女子どもだけに戦わせないと言って自分も指揮をしながら戦っているわ」


ゼロ「あのドクロ模様のマスクとサングラスは?」


提督「彼が海で倒れていた時に身に着けていた物よ…」


ゼロ「そうですか」


提督「まあ、いろいろあって提督として戦っているわ」


ゼロ「彼は…」


提督「もしかしたら、あなたのように流れ着いた存在は珍しくないのかもね」

2時間後


提督「いやー長かったわー」


ゼロ「殆どはあいつらの嫌味を聞くだけだったな」


提督「そうね。あの3人を皆殺しにしたのか!ばっかりだったし」


ゼロ「同期だったのか?」


提督「そうよ。同期で悪い事ばっかりやっているのよ」


ゼロ「上が腐っているのなら、戦いが終わるとは思えないな」


提督「…けど、ゼロは引き続き、私の鎮守府に所属して」


ゼロ「港湾、北方、離島を保護することが守れてよかった」


提督「それが一番の条件だからね…」


ゼロ「なぜ、奴らは反対しなかったんだ」


提督「うちの鎮守府は、面倒事を押し付けられるからね」


ゼロ<それだけとは思えないが…>


提督「ねえ、ゼロ。確かに人間にも嫌な奴はいるわ。」


ゼロ「あぁ」


提督「けどね、嫌な奴ばかりじゃないわ。西門みたいな人もいる。正しい心と正義を持つ人間がいる事を忘れないでね」


ゼロ「あぁ」


提督「じゃあ、帰りま…」


ヒューーーーン!


ゼロ「伏せろ!」


提督「えっ」


ドカーーーーン!!!

あれ、私はどうして…そうだ。本部にゼロと一緒に行って…それから帰ろうとしたら、爆発して…視界がだんだんはっきりしてくる。


ゼロのシールドブーメランで直撃は防げたようだった。


提督「…ゼロ…私は…痛っ」


ゼロ「大丈夫だ。破片が掠っただけだ」


提督「…どう…したの?」


ゼロ「狙撃されたようだ」


提督「どちらか…というと…砲撃じゃ…」


兵士「大丈夫ですか!」


ゼロ「提督を頼む。狙いは提督だ」


兵士「わかりました!」

その日の夜 鎮守府


武蔵「提督は大丈夫なのだな」


ゼロ「命に別条はない。しかし、額を少し切ってしまった…」


武蔵「そうか。それだけで済んだのなら問題ない」


ゼロ「すまない…オレがついていながら」


武蔵「まさか、本部にいる時を狙うとは思わないさ」


長門「そもそも、深海棲艦からの攻撃ではないだろ」


ゼロ「人間による暗殺未遂…」


武蔵「待て!いくらなんでもそれは…」


長門「ゼロが狙撃場所を特定しついた時には誰もいなく、ビルの屋上からだったのだろ」


ゼロ「あの威力だと、かなりの強力な武器だ」


長門「ならば、発射装置も巨大な物になるはずだ。」


武蔵「しかし、放置された武器も無い上に薬莢も転がっていない…」


ゼロ「オレと同じレプリロイドかもしれない」


長門「まさか…ゼロのような存在がまだいるのか」


武蔵「可能性は否めないな。覚えはないのか。ゼロよ」


ゼロ「わからないな」


長門「提督が狙われたとなると、この鎮守府も標的になるだろう」


武蔵「この件が終わるまで警戒を怠るな」

提督私室


叢雲「司令官…」


提督「…」スピー


曙 「叢雲、提督は?」


叢雲「寝ているわ」


曙 「そう」


叢雲「額の傷も大したことは無いわ」


曙 「なんで提督が狙われたのよ…」


叢雲「わからないわ…いつだって私達の味方だったけど、他から恨みを買ってたみたいだし」


曙 「人間…それも軍の将校…」


叢雲「司令官の技術を欲しがる奴らは沢山いる」


曙 「あれは、傷ついた艦娘や兵士の為の技術よ」


叢雲「曙…その技術を人間一人分を集めたらどうなると思う?」


曙 「え…そんなの、人口の体が出来るんじゃないの。心の無い」


叢雲「機械の体が出来るわ」


曙 「まさか…機械の兵士を」


叢雲「軍の上層部はそれを計画していたみたいよ」


曙 「提督はそれを知って…未完成品を提出した」


叢雲「私の予想よ…」


曙 「……」


叢雲「だから、ここだけの話にして」


曙 「わかったわ」


叢雲「司令官…今の私達ではあなたを守れないのかしら」

とあるBAR


??「…どうした?あんたが依頼以外で来るとは珍しい」


大佐「どうしたではない!あれだけの情報を渡したのに失敗するとはどういうことだ」


??「お前の情報に誤りがあった」


大佐「何がだ。監視兵の交代時間まで計算し、被害を最小限にあの女狐を殺せるようにしてやったんだぞ」


??「目標といた奴だ」


大佐「あんな艦娘のせいで失敗したいうのか。貴様の腕も大したことはないな」


??「………」


大佐「金さえ払えば何でもする狂犬が…」


??「今なんと言った…」


大佐「金さえ払えば何でもする犬と…」ガシッビタン!


??「俺は犬でも狂犬でも無い!鬼(ジョーカー)だ」ギリギリ


大佐「がああぁぁぁぁ」


??「報酬が貰えるならやってやる…」


大佐「くそ!貴様、いい気になるなよ。傭兵風情が」


VAVA「その傭兵にすがりつく貴様はなんだ?」


VAVA<見た目は随分変わったが…認識番号はゼロだった。この世界で貴様に会えるとはな>カランカラン


VAVAは店を出るとバイクで夜の街を駆ける。

それから数日


提督「いやー平和だねー」


叢雲「何が平和よ。本部で襲撃されたくせに」


提督「けど、あれから何もないわよ」


叢雲「連日襲撃する馬鹿はいないでしょ」


提督「そうよね。」


叢雲「今月は残念だけど外出はなしよ」


提督「困ったわ…月一回の訪問があるのに」


叢雲「如月と睦月に頼むしかないわ」


提督「ゼロも行かせよう」


叢雲「ゼロも?」


提督「この街を知るのにいい機会よ」

食堂


ゼロ「オレが街に行くのか」


睦月「そうです。如月ちゃんと3人で街に行きます」


ゼロ「なぜオレなんだ?他にもいるだろ」


睦月「ゼロさんにこの街を知ってもらうためです」


ゼロ「なるほど」モグモグ


睦月「本当は提督も一緒の予定だったんですけど」


ゼロ「襲撃の件があったからな」


如月「おはよう。睦月ちゃん、ゼロさん」


ゼロ「おはよう。」


睦月「おはよう。丁度街に行く話をしてたよ」


如月「あらあら」


ゼロ「オレも鎮守府と本部しか知らないからな。案内を頼む」


如月「許可書は提督から貰っているから大丈夫よ」


睦月「お出かけ楽しみです」

独房という名のほぼアパート


ゼロ「というわけで、街に行くことになった」


港湾「あら、そうなの。戦場だけでなく平和な街を見るのもいいと思うわ」


北方「ゼロはいいな…自由に歩けて」


ゼロ「ごめんな…せめて、鎮守府内で外に出れればいいんだが」


港湾「いいのよ…ゼロが頑張って資材を集めて、提督さんが調整しているのはわかっているわ」


ゼロ「それでも時間が掛かり過ぎている」


北方「ゼロごめんなさい。北方わがままだった」ペコリ


ゼロ「いいんだ。子どもは少しぐらいわがままなぐらいがいいんだ」


離島「親子団らんの最中悪いんだけど、私もいますからね」

お出かけ当日


ゼロと如月と睦月の三人は鎮守府から徒歩で15分ほど歩き街に来ていた


3人は普段通りの恰好で街を歩く。


睦月「では、まずは商店街から行きましょう」


如月「鳳翔さんのご飯の材料はここの商店街から買っているのよ」


商店街にはいろいろな店が並んでいる。


どの店も近くで戦闘が行われているとは思えないほど活気に満ち溢れている。


魚屋 「マッコイーン」


八百屋「ヘチマール」


肉屋 「タイガード」


電機屋「ナマズロス」


花屋 「ローズレッド」


スポーツ用品店「オストリーグ」


ゴミ収集車「モスミーノス」


ゼロ「……如月なんでここの商店街は変わった名前が多いんだ?」


如月「えっ、そうかしら当たり前だったからなんとも」


睦月「二人ともー何してるんですか?早く行きますよー」

ゼロ「今行く…」ドン!


??「ヲ!」


ゼロ「すまない。けがはないか?」


??「いえいえ、大丈夫でーゼロさん!」


ゼロ「なぜ、オレの名前を?」


??「やっぱり、ゼロさんだ!私ですよ」


ゼロ「まさか、ヲ級か」


ヲ級「そうです!50年前に分かれて以来です」


ゼロ「どういうことだ。見た目は人間じゃないか?」


ヲ級「私たちはあの後、人間として生きる事にしました。見た目だけで人間になれるように進化したんです」


ゼロ「肌の色を変えれるようにしたのか?」


ヲ級「そうですね。最初は苦労しましたよ。今は自在ですが」


ゼロ「皆はどうしている?」


ヲ級「実はこの街で暮らしています。ゼロさんは?」


ゼロ「ここの鎮守府に所属している。港湾と北方に離島も一緒だ」


ヲ級「本当ですか?港湾様と北方ちゃんにも会えたんですね」


ゼロ「そうだ。また、話を聞きに行く」


ヲ級「わかりました。私はここの帽子屋<OQ>で働いてますから、では」


ゼロ「わかった」


如月「随分話し込んでましたねー口説いたんですか?」


ゼロ「いいから行くぞ」


如月「本当に口説いたんですか///」

商店街を通り、丘の上を目指す三人


ゼロ「目的地はこの先か?」


睦月「そうです。もうすぐです」


如月「お菓子も沢山買ったからね」


睦月「さあ、着きました」


大和孤児院


大和「いらっしゃい。いつもありがとう」


睦月「こんにちは、大和さん」


如月「これ、みんなのお菓子です」


大和「いつもありがとうね。あら、そちらの人は?」


ゼロ「鎮守府に所属したゼロだ」


大和「ゼロくんね。ここの園長の大和です」

孤児院 園長室


大和「私は元艦娘なんです。」


ゼロ「有名な大型戦艦の名前だからもしやと思ったが」


大和「恥ずかしいですね。けど、戦闘で負傷してしまいまして」


ゼロ「その右目は義眼だろ」


大和「わかるんですか?」


ゼロ「動き方でなんとなくだ。左目を自然に中央に向けているようだったからな」


大和「ゼロくんは人間とも艦娘とも違うのですね」


ゼロ「この世界ではいない存在のレプリロイドだ。簡単にいうと機械の体だ」


大和「やっぱり、そうですか。」


ゼロ「やっぱりというのは?」


大和「私が前線にいた時の隊長と同じ感じがしたものでして」


ゼロ「なるほど…」


大和「私と孤児院を経営しているんですけど、資金稼ぎで偶にしか帰ってこないです」


ゼロ「それで、経営が成り立つのか?」


大和「帰ってきたと思ったら、大金を置いて直ぐに出稼ぎいってしまうんです」


ゼロ「……」


大和「けど、如月ちゃんに睦月ちゃん達が手伝ってくれるから大丈夫です」

男児「お母さんー遊んでー」バタン


大和「はいはい。今行きますからね」


女児「そこの金髪の赤い人も遊んで!」


ゼロ「オレか?」


女児「そうよ!私が遊んであげるわ」


庭に連れてかれ園児達と遊ぶゼロ達


女児「ままごとしよー」


男児「チャンバラしよー」


女児「サッカー」


男児「ドッチボール」


睦月「ゼロさん人気ですね」


如月「初めての男性訪問だからかしら」


大和「嫉妬しちゃいますか?」


睦月「小さい子のすることですから」フンス


如月「大人の余裕をもたないと///」フフフ


女児「王様ゲームしましょう」


睦月・如月「!!!」


大和「どこで覚えたのかしら」

それからしばらく


園児達「…」スピー


睦月・如月「…」スピー


大和「みんな、寝たみたいね」


ゼロ「元気のいいやつらだ」


大和「この子達は、戦災孤児なの…深海棲艦と戦って死んでいった兵士や巻き込まれた家族の生き残り…」


大和「最初ここに来た時はみんな死んだ目をしているわ…」


ゼロ「政府からの支援は無いのか?」


大和「雀の涙のお金を渡されてお終いよ…そして、生きるすべも知らない幼い子ども達は露頭を迷うことになるの」


ゼロ「……」


大和「ここは提督の支援で建てられて、私が園長としてみんなを育てているの」


ゼロ「提督は、なんでそんなに資金があるんだ?」


大和「詳しくは聞かされていないけど…開発した物がいい値で売れたりしたらしいけど」


ゼロ「確かに技術に関しては現代とは思えないものある」


ゼロ<…政府もあてにならないか>

夕方


大和「3人とも今日はありがとうね」


睦月「こちらこそ楽しかったです」


如月「またくるわね///」


ゼロ「また、来る」


園児達「さようならーまたきてねー」


道中 


睦月「どうでした?ゼロさん」


如月「子どもと遊ぶのも大変よね///」


ゼロ「そうだな。」


睦月「けど、あの年で両親がいないなんて悲しい過ぎます」


如月「そうね…私達が頑張らないとね///」


ゼロ「だが、あいつらは諦めていなかった…」


睦月・如月「えっ?」


ゼロ「あいつらの目は絶望していなかった…希望を捨てていなかった」


如月「そうですね///」


睦月「はい」モジモジ


如月「あら、もしかして」ボソ


睦月「うぅーお手洗いに」ボソ


如月「そこの公園のを借りましょう」ボソ


睦月「うぅーわかりました。行ってきます」タッタッタッタッ

ブオォン!ブオォン!ブオォーーーン!


睦月「ふぇ?」


キッキー!


睦月「きゃー」ガシッ!


ゼロ「睦月!」


如月「睦月ちゃん!」


VAVA「こいつを返して欲しかったら、ここまで来い!」ポイ!


ゼロ「提督を撃ったやつか?」


VAVA「ふん!わかりきったことを」


ブオォン!ブオォン!ブオォーーーン!


睦月「ひゃーーーーーー!」


ゼロは投げられた封筒を開けて読む


ゼロ「第三倉庫に来い…」


如月「ゼロさんどうしましょう?」


ゼロ「オレが行く…如月は大和から電話を借りて鎮守府に連絡しろ」


如月「ゼロさん…睦月ちゃんと帰ってきて…」


ゼロ「任せろ」

第三倉庫


睦月です。公園でお手洗いを借りようとしたら、紫の鎧の人に誘拐されました。


人質です…所詮ピンチです。けど一番のピンチはその…あの…おしっこに行きたいのに…


縛られて吊るされています。ブラーン


睦月「うにゅーうにゅー(ト…トイレ)」ブルブル


VAVA「そう怯えるな。奴が来たら解放してやる」


睦月「うにゅー(それなら…トイレ…)」


ドア<シュパン!ズシン!


VAVA「来たか」


ゼロ「来たぞ。睦月は無事か」


VAVA「手を出してはいない。」


ゼロ「お前が提督を狙ったんだな。オレだけ呼び出したのはなぜだ?」


VAVA「そうだ。お前をスクラップにしてから提督を殺す」


ゼロ「オレを知っているのか」


VAVA「俺が貴様を忘れるわけがないだろ!」


ゼロ「オレは覚えていない」


VAVA「貴様…姿が変わっても俺を…馬鹿にするのか!後悔させてやる!」ジャキッ!


ゼロ「お前が何者かは半壊させてから聞く…睦月待ってろよ!」チャキッ!


睦月「うにゅー(ゼロさん!頑張って!)」ブルブル

対峙するする二体のレプリロイド


先に動いたのはVAVAだ!


VAVA「喰らいな!」ジャキッ


ショルダーキャノンを構え発射する。


ドオン!ドオン!ドオン!ドオン!


ゼロ「フッ」シューシュタッ!


ゼロはそれを左右に動きながら躱し距離を詰める。


ゼロ(射撃型か…厄介だが、奴の懐に入れば勝機はある)


VAVA「ふははは!当たったら痛いぞ!」ドオン!


ゼロ「撃つしか取り柄のない奴め」シューシュタッ!


VAVA「それがどうした!貴様を破壊する…2回目だ!」ドオン!ドオン!


ゼロ「2回目?オレはお前と戦ったことがあるのか?」シューシュタッ!


VAVA「聞きたければ、俺を倒してみろ」バシュシュシュシュ!


ゼロ「マイクロミサイルか」キュインキュイン!


放たれた無数のマイクロミサイルはゼロを目掛けて突進する。


ゼロ「やあ!」ブン!


シールドブーメランを投げ撃ち落とす、撃ち漏らしたミサイルは避け前進する。


VAVA「やるじゃないか。バスターは使わないのか?」


ゼロ「貴様には不要だ<過去のオレを知っている…>」

VAVA「…減らず口を!」ドオン!


ゼロ(あのショルダーキャノンは固定しなければ撃てない。動きは鈍る)


ゼロ「行くぞ!」シュー!


ゼロはZセイバーを構えながら距離を一気に詰める


VAVA(速い!)


ゼロ「叩き斬る」シュパン!


ゼロの一撃がVAVAを一刀両断したかのように思えたが


VAVA「甘いんだよ!」バシュン!


ゼロ「ぐはっ!」


VAVAの拳がゼロの腹部に突き刺さる。


ゼロ(奴の拳が…カウンターを決める体制では無かったぞ)


ゼロは後ろに下がることで衝撃を逃しダメージを減らす。


VAVA「腹部を突き破るつもりだったが…」カチッ


ゼロ「…ロケットパンチか」


VAVA「古臭い手だろ?」


ゼロ「センスは最悪だな(ナックルで途中から掴まなければヤバかった)」


VAVA「よく言うぜ」ドオン!ドオン!


ゼロ(クソッ!全身武器庫か)

ゼロはシールドブーメランで砲撃を防ぎながらVAVAに接近する


ゼロ(一撃だ…一撃で仕留める)


VAVA「凝りもせずに何度も同じ手で来るか!」ドオン!ドオン!


シールドブーメランで一撃目を防ぐが、二撃目を防ぎきれず弾き飛ばされる。


VAVA「空中ならいい的だ!」ドオン!


ゼロ「舐めるな!」ガキン!


VAVAの砲撃をZセイバーで弾き返す。


VAVA「クソッ!」ドカン!


ゼロ(このまま一気に叩く!)キュインキュイン!


ゼロ「はぁ!」


ゼロはチャージ斬りをVAVAAに叩きこむが…


VAVA「接近戦対策をしてないとでも思ったか?」


VAVAの盾がZセイバーを防ぐ


ゼロ「そんな盾が正面から見えないと思ったか」


ゼロナックルで盾を殴る。


VAVA「ぐお!」


VAVA(今まで傷一付かなかった盾が歪んだ)

VAVA「いいぞ!エックスと戦うより面白い!」


ゼロ「エックスを知っているのか?」


VAVA「忘れるものか!悩んでばかりの青二才のくせに…そういえば、エックスはどうした?」


ゼロ「………」


VAVA「もしかして、死んだか?」


ゼロ「くっ…」


VAVA「その様子だと当たっているみたいだな」


ゼロ「……」


VAVA「くっくくくく、ふはははは!!ざまあないな!死んでは意味がない!無駄死にだ!」


ゼロ「違う…」


VAVA「あぁ?」


ゼロ「無駄死にではない」


VAVA「笑わせるな!死んだら終わりなんだよ!」ドオン!


ゼロ「確かに…エックスは死んだ…だが」ガキン!


VAVA(俺の一撃を素手で弾いた?)


ゼロ「エックスの意思は…オレが引き継いだ」


ゼロ「エックスの思いは、オレの中で生き続けている!」

VAVA「戯言をー!」ドオン!ドオン!バシュシュ!


ゼロ(…落鳳破!)ドウ!


ゼロが地面を殴りつけるとエネルギ波が放たれ、VAVAの全ての攻撃を撃ち落とす


VAVA(なんだ?こいつ…最初とは違う)


ゼロ「見せてやる…エックスの意思を」


VAVA「この死にぞこないがー!」ドオン!ドオン!ドオン!


ゼロ(疾風斬!)シュー!ザシュッ!シュパン!


ゼロは全ての砲撃を弾きながらVAVAとの距離を詰める


VAVA(動きが変わったぞ!)


VAVAは左手で盾を構え、右手を構える


VAVA「こいつで蜂の巣だ」バルルルルルル!


VAVAの右手はロケットパンチだけでなくフィンガーバルカンも装備されていた!


ゼロ「そんな豆鉄砲で止まると思ったのか!」


ゼロは被弾を諸共せずに進む。


VAVA(しまった!奴の範囲だ)


ゼロ「これで終わりだ」ザシュッ!


ゼロの斬り上げがVAVAの盾を弾き、無防備なVAVAの胴体に渾身の突きが刺さる直前だった。

大和「待ってください!」


突然の乱入者により二人の動きは止まる。


ゼロ「大和なぜここに?」


大和「如月ちゃんから聞きました…睦月ちゃんが誘拐されたことを」


ゼロ「大和は関係無いだろ」


大和「関係無くはありません!」


VAVA「………」アセアセ…


大和「どうして…どうして…こんな事をしたんですか!」


大和「VAVAさん」


ゼロ「え?」


VAVA「…こ…これは依頼で…報酬もいいんだ。だから…」アセアセ


大和「だからって、睦月ちゃんを誘拐したんですか?提督を暗殺しようとしたんですか?」ツカツカ


VAVA「そうだ…金の為に…」アセアセ


大和「そんな汚いお金で、園児達が喜ぶと思ったんですか!」ツカツカ


VAVA「…俺には戦いしか…」アセアセ


大和「そうやっていつも言い訳して」ツカツカ


VAVA「……」アセアセ


大和「反省してください」バチン!


VAVA「あぐっ!」小破!


大和のビンタがVAVAに炸裂する

大和「ゼロくん…本当にごめんなさい」ヒラニーヒラニー


ゼロ「どういう事なんだ?」アセアセ


大和「この人は…その…孤児院を一緒に経営しているもので…」


ゼロ「出稼ぎに行ったきりで、資金だけ置いていく?」


大和「そうなんです…」


ゼロ「…そうなのか?」


VAVA「……違う!あいつらが弱いから!一人でも戦えるようになるまで管理しているだけだ!」


大和「VAVAさん…出禁にしますよ」ニコニコ


VAVA「!!」


大和「よりによって、大変お世話になっている提督さんを暗殺しようとするし、部下の睦月ちゃんを誘拐するし…」


大和「閉園かもね…」


VAVA「そうなのか!」


大和「だって、資金援助は打ち切られたら…あの子たちは…露頭を迷うことになるわ…」シクシク


VAVA「くそっ!俺のせいだ…」


大和「あぁーどうしましょう(棒)」


VAVA「俺に出来る事なら…何でもやる!諦めないでくれ!」


提督「では、洗いざらい話してくれますか?」


VAVA「え?」


大和「ふふふ」


提督「話はそれからです」



ゼロ「待て。睦月を降ろすのが先だ」


提督「そうね。ゼロお願い」


ゼロ「わかった」シュッタッ


ゼロは直ぐに跳躍し睦月を抱きかかえロープを斬り、口のテープを剥がす。


睦月(あぁ、ゼロさんに抱きかかえられている///)


たった数秒間の至福の時間を過ごした睦月だったが大きな誤算があった。


そう、助かったことによる安堵と片思いの相手に抱きかかえられた幸福で忘れていたのだ


ゼロ「もう大丈夫だ」シュタッ!


睦月「あぅ」ビクビク!


決壊したダムを止める手段はない…


睦月「あっぁぁぁぁぁ。いやっ……見ないで…」チョロロロロ


ゼロ「……」


提督「あらあら」


大和「どうして、こうなるまで吊るしてたんですか!」


VAVA「いや、口を塞いでしまったから…」

ゼロ「……」


睦月「ひぐっ…ひぐっ…うぅ……」


VAVA「…その気にするな…うちのガキども…よくやるし…濡れたら俺のバーナーで乾かせば一瞬だ!」アセアセ


大和「ふん!」ドゴン!


VAVA「すまぬ」中破!


睦月「うぇぇーん…もうやだよ…恥ずかしいよー」


ゼロ「大丈夫だ。誰にも言わない」


睦月「うぅー」


ゼロ「誰にだって失敗はあるんだ。気にするな」


睦月「そうですけどー」


ゼロ「オレが来るのが遅かったのも原因の一つだ」


提督「ほら、ゼロがお願い聞いてくれるってさ」


睦月「いいんですか!」


ゼロ「お…おう(そんなこと言ってないのだが…)」


睦月「じゃあ…鎮守府に戻ってからで///」


大和「本当にごめんなさいね。睦月ちゃん」


睦月「いえ…みんな無事だったからよかったです…」

提督「落ち着いたところで説明をお願いしますかね…VAVA」


VAVA「…はぁ…依頼者よりもこっちに協力すべきだな」


大和「すべて話して下さいね」


VAVA「暗殺の依頼者は大佐だ。お前の上官だろ?」


提督「やっぱりね…」


VAVA「驚かないんだな」


提督「なんとなく予想はしていた」


ゼロ「本部にいたあいつらの一人か」


提督「私の情報だけで殺す理由は聞かされていないでしょ」


VAVA「我々に非協力的で艦娘の人権を優先する、と愚痴っていた」


大和「そんな理由で…」


提督「充分よ。あいつらは兵器としてしか艦娘を見ていない…私みたいに人として接するのを嫌うのよ」


VAVA「兵器が進化して人型になった…余計な心はいらないんだろ」


ゼロ「非協力的というのは提督の技術提供の拒否か」


提督「あれは傷ついた人の為のものよ…」

VAVA「あの大佐はこんな事を言っていた」


提督「なんて」


VAVA「あいつの技術が揃えば、艦娘に代わる新兵器が完成する…」


ゼロ「他は揃っているみたいな言い方だ」


VAVA「酔っ払いの戯言かもしれんが、電話でも話していた」


提督「艦娘に代わる…新兵器…」


VAVA「俺達みたいな存在かもな」


ゼロ「レプリロイドだとでもいうのか」


VAVA「感情を無くしさえすれば、奴らの納得する機械人形の出来上がりだ」


ゼロ「傷ついても修理すれば済む…疲れることもなく文句も言わない」


提督「欲しがるでしょうね…そんな存在を」


VAVA「大佐とは3日後にバーで会うことになっている」


提督「もっと情報がいるし、丁度いいわ」


ゼロ「どうする?」


提督「本人に直接聞くわ…その体に」

本日はここまで


前に出てきた西門提督は「CoD MW2 ゴースト中尉」です


ゴースト×艦これSSを書いていたのですが、データが亡き者になったので他作品なのですが登場させました


エックスシリーズも面白いのですが、CoDシリーズも知ってもらえばと思います。


遅くなりましたが、仮面ライダーにエースコンバットとアーマードコアのネタを盛り込んでおります。

BAR付近 車両


提督「約束の時間まで後15分ね」


ゼロ「VAVAも店内で待機している」


提督「いい?大佐を確認したらこの車に招待よ」


西門「なにが招待だ…拉致じゃねえか」


提督「はい、そうですか。で乗ってくれないでしょ」


西門「いきなり連絡寄こしたと思ったら拉致の手伝いかよ」


提督「拉致と拷問よ」


西門「拷問言っちまったよ…」


ゼロ「すまない。巻き込んでしまって」


西門「俺も提督の世話になっているからな。仕方ないさ」


提督「あ…大佐が来たわ」


西門「ところで、ゼロくんは男だったんだな」


ゼロ「忘れてくれ」


提督「さあ、話してないで作戦開始よ」

廃屋までクロックアップ! 


提督「いやーさすが西門だね。」


西門「こんな運動不足のおっさんを拉致するのは朝飯前だ」


VAVA「縛り付けて目隠しをして座らしている」


提督「本番はここかよ。皆これをつけてから部屋に入ってね」


ゼロ「これはなんだ?」


提督「変声機よ。私達とばれないように」


西門「では、台本通り頼むぞ」


ここから先の音声は全てアナゴさんだと思って読んで下さい


提督「気分はどうだ?」


大佐「私をこんな目に遭わせてただで済むと思っているのか!」


提督「まあ、落ちつけよ」


西門「その言い方だと自分が民間人ではない事をばらしているぞ」


大佐「くっ!目的はなんだ」


提督「そうだ。話はスマートにいこう」


西門「この国は一切の戦争行為を放棄している。なのに唯一深海棲艦との戦う手段を保有している」


提督「それをよく思わない国は結構いるんですよ」


西門「その手段を独占するのどうなのかと?」


大佐「…何が言いたいんだ」


提督「我々も戦う手段が欲しいのですよ」


西門「いや、それで発生する利益を得たいと言ったほうが正しいな」


大佐「艦娘どものことか…」


提督「そうそれだ!」


西門「バランスは均等に保つべきだからな」


大佐「しかし…艦娘に関しては未知数な事が多い。我々でも全てわかっている訳ではない」


提督「嘘はよくないな」ガシッ!


大佐「本当だ!我が国も全て理解している訳ではない!」

西門「なら、情報を受け取っても作ることは出来ないと」


大佐「そうだ!自然発生や工廠とやらで制作するしかない…その工廠も原理は不明だ」


ゼロ「なら、貴様は不要だ。」


VAVA「生かして返すわけにはいかないな」


大佐「よせ!やめろ!」


提督「我々は深海棲艦と戦う手段が欲しくて貴様に聞いているんだ」


ゼロ「それを知らないなら、もう貴様は不要」


VAVA「我々の存在を知ってしまったからな」


大佐「待て!待ってくれ。まだ話していないことがある!」


提督(来た!これだ)


提督「なんだ?言ってみろ」


大佐「実験段階だが…艦娘に代わる深海棲艦と戦う手段が研究されていて…もう少しで完成なんだ」


提督「なるほど…興味深いな」


大佐「そうだろ!艦娘は兵器のくせに感情を持っているが、それは主人には絶対服従だ!」


西門「ほう」


大佐「機械の兵士だ。24時間戦え、負傷して修理すれば戦える」


ゼロ「まだ完成していない理由はなんだ?」

大佐「プログラムは出来ているようだ。しかし…」


提督「しかし、なんだ?」


大佐「ぐっ…がぁーうっぐ…あ…あ……ぁ」


ゼロ「様子がおかしいぞ。どうした」


西門「どうした。」


大佐「ぐっ…あっ…あー」グシャメリメリ!


大佐の胸を突き破りムカデのような機械が現れる


提督「なんだこりゃー!」


VAVA「体の中にワームを入れられていたか…」


西門「おい、なんかカウントダウン始まっているぞ…5秒」


提督「逃げてー」


ゼロ「大佐はどうする」


西門「ほっとけ!どうせくたばっている!」


全員は大佐を見捨て部屋の外に避難する


ドン!ビチャッ!


提督「思ったより…爆発は大したことはなかった?」


西門「…いや、人間を吹っ飛ばすには充分な威力だ」


西門は部屋の中を覗き込み答える


提督「えーと中はどうなっている?」


西門「止めておけ…ミンチよりひでぇよ…」


提督「そう…そうね」


ゼロ「大佐には悪いが、ここを直ぐに離れたほうがよさそうだ」


VAVA「おそらくだが、尋問の様子は向こうに筒抜けだ」


提督「直ぐに逃げましょう」

車内


西門「結局、有力な情報は無しか」


提督「本部が艦娘に代わる機械兵士を制作しているのがわかったわ」


西門「なんか嫌だね…スカイネットが暴走して核ミサイルを撃ちそうな話だ」


提督「機械兵士が筋肉モリモリマッチョマンだとでも?」


ゼロ「なあ、いいか?」


提督「どうしたの?」


ゼロ「大佐は最後に口を動かしていたんだ」


ゼロ「と・や・ま・は・か・せ、とな」


提督「とやまはかせ?」


ゼロ「多分そうだ」


西門「知らないな」


提督「聞いたことないわね」


ゼロ「そうか…」


提督「登山博士…調べる必要があるかも」


車両の後方 バイクで走行中のVAVA


VAVA「遅くなってしまったな…大和に何か買って帰るか」











その後の4人


提督「登山博士に関しては私が調べてみるわ」


ゼロ「頼む。提督の方が適任だ」


提督「けど、有名なら絶対に聞いたことはあるはずなのに」


ゼロ「ロボット工学の学者にはいないのか?」


提督「調べてみたけど駄目ね」


ゼロ「偽名の可能性もあるな」


提督「それもあるけど、作戦も山ほどあるわよ。」


ゼロ「任せろ。直ぐに終わらせてやる」

西門提督鎮守府


足柄「あの晩は何をしていたのよ?」


西門(今回の件は内密にしたい…適当に誤魔化すか)


足柄「答えられないの?」


西門「君達には関係の無いことだ」


足柄「あの提督と会っていたんですね」


西門「!!(尾行されていたのか)」


足柄「その反応…やっぱりね!」


西門「もういいだろ」スタスタ


足柄「話は終わってないわよ!」ツカツカ


羽黒「姉さん…提督も喧嘩しないで下さい」


那智「いつもの事だ。放っておけ」


妙高「提督が夜に外出なんて妙ですね」

大和孤児院 院長室


VAVA(ゼロとの決着は付けられなかった…)


VAVA(あいつの所属する鎮守府の提督はここの支援をしている…戦う事も出来ずに組む事になるとは)


大和「どうしたんですか?VAVAさん」


VAVA「いや、考え事をしていただけだ」


大和「そうですか…提督のお手伝いはどうですか?」


VAVA「一晩では終わらない内容だ…時間が掛かるが、必要なら向こうから連絡が来る」


大和「提督はあなたと専属契約をしてくれましたからね。」


VAVA「専属契約の内容がこの孤児院を守り、必要な時に手を貸すとは思わなかったな…」


大和「傭兵といってもいつも報酬なんてたいして貰っていないじゃないですか」


VAVA「いや、それは…」


大和「漁港での漁師の護衛も提示額の半分以下の報酬と魚を貰ってくるぐらいだし」ハァー


VAVA「……」

大和「( Y)<俺には戦いしかない…戦う事でしか存在意義を見出せない…」キリッ!


VAVA「…///」


大和「とか言って、戦闘にしか興味が無か…」


ドア<バタン!


男児1「ヴァヴァーあそんで!」


女児1「仕事無いの?暇なら遊んであげるわ」


女児2「パパーだっこー」


男児2「自転車直して」


VAVA「仕方ないな…ガキども相手してやる…」


大和「ふふ、そんなのも昔の話ですね」


女児3「あれやってーたかいーたかいーふわぁー」


VAVA「なら、今日は空中3回転だ」


大和「空中3回転?」


男児3「VAVAさんが壁を蹴って登ってから、回転しながら着地するだよ」


大和「なにやってるんですか!」

ゼロと如月


ゼロの部屋 朝


ゼロ「朝か…」


ゼロ(この体になってからの記憶は取り戻したが…その前の体の時の記憶は思い出せない。大切な事があったはずなのだが…)


ゼロ「しかし…」


如月「…」スピースゥー


ゼロ「毎朝、誰かいるような気がするな」


ゼロはヘルメットを装着する為に、ベットから起き上がろうとしたが


ゼロ「む?」


なぜか起き上がれない


ゼロ「繋がっている…」


天井<ガタッ!


ゼロの髪と如月の髪が結ばれていた。


ゼロ「三つ編みか…」


如月「そう///繋がっちゃいました///」


ゼロ「起きたか…いつからいた?」


如月「さあ///いつからでしょう」


ゼロ「これ解けるのか」


如月「結ぶのも///解くのも///難しいわ」


ドア<バタン!


睦月「繋がったんですか!」


ゼロ「おはよう睦月。元気がいいな」


睦月が解いてくれました


鎮守府内会議室


提督「では、新海域攻略の為の作戦会議を始めます」


一同 ザワザワ


大淀「前回の資源島奪還成功により鋼材と燃料を確保出来ました。今回は新海域を確保後に、調査し第二の資源島の発見が目標となります」


武蔵「本部は資源島だけでは足りないというのか?」


大淀「資源島での資源に関しては十分にありますが、本部はまだ資源を確保したいようです」


伊19「贅沢な奴らなのー」グテー


大淀「新海域なんですが深海棲艦の姫が目撃されています」


長門「海域の確保に姫クラスの撃破か…」


大淀「本部は中間棲姫と名付けています。特徴としては巨大な浮遊要塞の中にいるみたいですね」


天龍「他に情報は無いのか?」


大淀「偵察機はこの後すぐに撃墜されました」


龍田「相変わらず役に立たない本部よねー」


提督「姫の撃破と海域の確保が今回の目標ね」


大淀「そうなると情報が少ない中の進行は危険です」

提督「別働隊がいてもうまくいくか…」


ゼロ「オレが水中からの偵察と奇襲を担当するのはどうだ?」


霧島「ゼロくんは水中移動も出来るんですか?」


ゼロ「水底を移動することは出来るが、潜水艦のように水中で浮く事は出来ないな」


榛名「地上での跳躍力を水中でも発揮できるなら水中戦闘も出来そうですね」


提督「水中での戦闘経験は?」


ゼロ「何度もある。水中なら障害物などを使って移動したり跳んで戦っていた」


提督「なら…伊19!」


伊19「はい。なのね!」


提督「今回はゼロと組み、水中別働隊として動いてもらうわ。作戦までは二人で訓練してね」


伊19「了解なの。ゼロ、イクは厳しいいくの」


ゼロ「よろしく頼む…伊19ひとついいか?」


伊19「なんなの?」


ゼロ「水中にはトゲはあるのか?」


伊19「トゲ?そんなないのね。どうかしたの?」


ゼロ「…いや、なら大丈夫だ。問題無い」

鎮守府内会議室 会議終了後


提督「この作戦どう思う?」


ゼロ「海域の確保よりも、資源の確保だな…」


提督「レプリロイドの材料の事ね」


ゼロ「多くの金属が必要になる。鋼材などの流れを調べる必要があるな」


提督「やる事が多くて困るわ…趣味の開発も出来ないわ」


ゼロ「苦労するな」


提督「港湾ちゃん達はどう?」


ゼロ「独房から出れたのはいいが…たまには外の空気を吸わせたいな」


提督「私の鎮守府内に保護区域を建造する事を提案しているの…通ればもっとよくなる」


ゼロ「そうだな…戦う意思のない平和を望む深海棲艦がいる事を世間が知れば…」


提督「そうね…」


ゼロ「それでも憎むのを止めない人間はいる…」


提督「…ゼロ?」


ゼロ「戦争による利益を貪る人間もいる…守るべきは人間か…艦娘なのか」


提督「…」


ゼロ「そして、港湾達のような深海棲艦か」


提督「ゼロ…上手く言えないけど…その…」


ゼロ「大丈夫だ…オレはこの鎮守府の味方だ」バタン

鎮守府内 演習場


伊19「教官の伊19なの!」


ゼロ「おぅ」


伊19「ゼロは確かに強いの!けど、水中ならイクの方が強いの。だから勝負なの!」


ゼロ「まずは手合せだな」



水中


ゼロ「さて、水の流れもなく。視界も良好だな」


水中で待機するゼロは体を確認する。


「開始」ドーン!


ゼロ(さて、イクは魚雷による遠距離攻撃だったな)


魚雷<ゴポポポポ!


ゼロ(なら、当たらなければいい…そして、発射された方向にイクはいる)ヒュン!


伊19(さすがゼロなの!水中でもあの速さ…陸も水中も強いなんてずるいの)スイー


ゼロ(距離からこの辺りなのだが…)


魚雷<ゴポポポポ!×3


ゼロ(3方向だと!)ヒュン!シューシュタッ!


伊19(いたずら好きのイクならではなの。時間差で魚雷を作動させてビックリなの)


ゼロ(なるほど…遠隔操作か)

ドオーン!×3


ゼロ(水中の攻撃は陸と違って避けるだけはダメだ…距離を取らないと振動が)ビリビリ!


伊19(そうなのね。水中は位置がばれたら命取りなのね。一撃必中でいくのね)バシュン!


ゼロ(来たか…ならこれでどうだ)ガシッ!


伊19(おかしいのね?もう当たっているはず…)


魚雷<ゴポポポポ!


伊19(魚雷なのね!)


ゼロ(まさか、上手くいくとはな…)


伊19「魚雷を掴んで泳いできたの!」


ゼロ「まさか、魚雷が遠隔操作出来るとはな」ゴポポポポ!


伊19「当たれなの!」


ドオーン!


伊19「うぅー見失ったの!どこなの」


伊19「いぐの!」ビリビリ!大破!


ゼロ「勝負ありだな」


伊19「うーまた負けたの」ションボリ

演習場 陸上


ゼロ「水中での移動は問題ない」


伊19「ゼロは速いし攻撃は接近戦だけど強くて装甲も固いから大丈夫なの」


ゼロ「バスターガンがあれば楽なんだがな」


伊19「イクみたく少しでも被弾したら大破しないから羨ましいの」


ゼロ「イクの艤装は、その魚雷とウエットスーツか?」


伊19「スクール水着なの」


ゼロ(…水上艦の艤装は艦の部分が名残であるから理解出来るが、潜水艦は皆こうなのか?装着する事で身体能力が向上するのか…わからん)


伊19(ゼロがイクの体を見てる。イクの体に夢中なの///)


ゼロ「今日はここまでだな」

伊19「はやく入渠したいの」


ゼロ「今回は海中戦だったからな。びしょ濡れだ」ポタポタ…


伊19「ゼロは入渠しないの?」


ゼロ「そういえば入渠ドックに入った事もなかったな」


伊19「髪も痛んじゃうの。絶対に入渠したほうがいいの」


ゼロ「この世界は清掃装置もないからな。提督の許可を得てから夜中にでも入らさせてもらう」


伊19「夜なんてダメなの。直ぐに入渠してきれいにするの」ガシッ!


ゼロ「待て、別に髪は痛むこともないから急がない…」ズルズル


伊19(ふひひ…みんなの見た事のないゼロの体を独り占めなの///)

入渠ドック(銭湯)カポーン


ゼロ「パーツを取るか」パージシマス


ゼロ(イクに強引に連れてこられたが、入渠ドック内で二つに分かれていたか)


ゼロ=メット無し、一部パーツ取り外し状態


ゼロ「これが風呂というものか」ガラガラ


ゼロ(まずは、清掃からだな)


ゼロ「…パーツとボディの隙間に汚れが溜まっているな。これは人間用の洗剤か?レプリロイド用と違って香り付きか」ワシャワシャ


一通り体を洗うゼロ


ゼロ「頭は洗剤の種類を変えるだったな。これの後にこれを使って…面倒だな」ジャー


湯船に浸かるゼロ

ゼロ「入浴とは時間が掛かるものだな」カポーン


妖精さん<けど、人間は好きなんですよ


ゼロ「疲れを癒すのか」


妖精さん<そうなんです。一日の汚れと疲れを洗い流すんです


ゼロ「なるほど…悪くないな」


伊19「気持ちのいいことは大好きなの///」


ゼロ「おい!なんでいる」バシャ!


伊19「ここの風呂は底が繋がっているの。潜水艦なら余裕で越えられるの」


ゼロ「違う!違う!そうじゃ、そうじゃない!」


伊19「人間には裸の付き合いという文化があるの///だから、これは正しい行為なの///」


ゼロ「…そうなのか」


妖精さん<そうなのです(男女でするとは言っていない)


伊19「そうなの。お風呂での会話もコミュニケーションなの///」


ゼロ「…わかった」ポチャン


伊19「にしし。それでいいの」

ゼロ「イクはこの鎮守府はどう思っている?」


伊19「とってもいいところなの。提督も優くてみんな仲良しなの。けど…」


ゼロ「けど、なんだ?」


伊19「潜水艦の仲間がいないからいつも一人で泳ぐのは寂しいの」


ゼロ「そうか」


伊19「けど、ゼロも泳げるから寂しくないの。ゼロには海の中の綺麗なものを沢山みてほしいの」


ゼロ「綺麗なもの?」


伊19「そうなの!海は深海棲艦もいるけど、綺麗な魚や貝も沢山あるの。いろいろ見てほしいの」


ゼロ「そうだな…綺麗な海を見てみたいな」


伊19「にしし///平和になったらイクの!約束なの」ダキッ!


ゼロ「よせ…抱き付くな」グリグリ

ドア<ガラガラ!


ゼロ・イク「!!」


港湾「とても楽しそうですね。ゼロ」ニコニコ


ズシーン…ズシーン…


港湾「私もご一緒させてもらってもいいかしら」ゴゴゴゴゴゴ!


脱衣所


北方「アビインフェルノジゴク」ピョコッ

数分前 


港湾「提督から鎮守府内を自由にしていいと言われた」


北方「ゼロ探そう!」タッタッタッタッ!


港湾「こらこら。走っちゃあぶないからね」


北方「ゼロが近い!」


港湾「やっぱり元気なのが一番ね」

入渠ドック 脱衣所前(ゼロ側)


北方「ゼロ!ここにいる」


港湾「ここは…お風呂かしら?」


北方「知ってる!体をきれいにするところだ。TVで見た」


港湾「体をきれいに…はっ!」


港湾(パソコンで見たわ…女の人が男の人を石鹸できれいにして気持ちよくするところ///)


北方「どうした?」


港湾(それは妻が旦那様にする愛情表現///)


北方「あーへいき?」


港湾「北方も入るわよ」


北方「わかった!」

今に至る


ゼロ(不味い…理由はわからんが港湾は怒っている。このオレが、数々のイレギュラーと戦ってきたオレが恐れている)


伊19(お湯の中なのに震えるでち)ガクガクブルブル…


港湾「さあ…いいかしら?」ニコニコ


ゼロ「あ…あぁ、勿論だ」アセアセ


港湾「では、失礼します」チャポン


伊19(何の躊躇いもなく割って入って来たの!)


港湾「あなたは…確か、伊19でしたっけ?」


伊19「はい!そうです!伊19です」


港湾「ゼロとお風呂に入っていたのはなぜ?」ニコニコ


伊19「はい!次の作戦で一緒になるので親睦を深めようと隣から潜ってきました!」ビシッ!


港湾「あら、そうだったの」ニコニコ


伊19「では!イクは戻ります!失礼しました!」ブクブク!

港湾「さて、ゼロ?」


ゼロ「…なんだ?」


港湾「なんだじゃない!なんで艦娘といたの?」


ゼロ「いや…それは、イクがだな」アセアセ


港湾「へぇー自分に非が無いと」ニコニコ


ゼロ「…すまない」


港湾「罰として」ガシッ!


ゼロ「おい!何をする」ポチャン


港湾「私の気が済むまで、こうして湯につかる事///」


ゼロ(後ろから抱き付かれ動けん…)


北方「あすなろだきかー」

翌日 演習場


伊19「…おはようなのね」


ゼロ「…おはよう」


伊19「えっと、昨日は…」


ゼロ「3時間だ」


伊19「え?」


ゼロ「3時間も風呂に抱きしめられながら浸かっていたんだ…」


伊19「えーと、お熱いのね///」


ゼロ「熱かった…」ガクッ

鎮守府付近海域


伊19「演習場と違う、実際の海中はどうなの?」


ゼロ「演習場と同じくらい視界は良好だな…」


伊19「目もいいのね、泳ぎはどうなの?」


ゼロ「海底の移動は問題ないな…海中浮遊はなれないが」


伊19「いつも海上を歩いている時とは違うの?」


ゼロ「海上よりエネルギーを消費するんだ」


伊19「いつもより疲れるちゃうのね」


ゼロ「海上を移動する事は特殊だからな」


伊19「では、海中実習なの」ブクブク


ゼロ「オレの世界の海より綺麗だな…なんだ、この蟹は?」


伊19「気を付けるの!」


ゼロ「どうした」


伊19「その蟹は、バブリーカニで深海の切り裂き魔と呼ばれているの!」


ゼロ「バブリーカニ?」


伊19「潜水艦の水着を簡単に切っちゃうの」ブルブル


ゼロ「こいつが…」


バブリー<チョッキンナー!ブクブク!ワニキライ!


ゼロ「自身は泡に守られているか」

伊19「海中は綺麗な魚もいるけど、危険な生き物もいっぱいなの」


ゼロ「では、これは?」


伊19「水龍のプレジデントの酸吐きシーフォースで、水着を溶かしちゃうの」


ゼロ「危険だな」


伊19「けど、水着しか溶けないから驚かさなければ安心なの」


シーフォース<サンハクゾ!コオリハカンベンナ!


ゼロ「……」


伊19「ゼロどうかしたの?」


ゼロ「いや、なんとなく聞いたことのある名前だったからな」


二人は作戦当日まで訓練に励んだ。

作戦当日 レヴィアタン船内


大淀「提督そろそろ新海域に侵入します」


提督「では、ゼロとイクは海中からの偵察をお願い」


ゼロ・伊19「了解・了解なの」


提督「今回は明石と夕張は船内待機で修理・補給要員ね」


叢雲「陣形はどうするの司令官?」


提督「レヴィアタンを中心に展開するわ。今回は邪魔な上官がいないから好きにやれるわよ」


長門「よし、全員準備に取り掛かれ」

海中


伊19「こちらイクなの。敵も無しなの」スイスイ


ゼロ「視界も良好だ。沈没した船もあるな」スイスイ


提督「海域の安全確保してから調査するわ。敵を発見したら直ぐに報告よ」


ゼロ「こちらで攻撃するのか」


提督「座標を報告してくれれば、レヴィアタンと戦艦組が砲撃し奇襲をかけるから」


ゼロ「こちらは偵察に徹底だな。」


提督「最後の切札だからね。奇襲が成功すれば、後はみんなで滅多打ちよ」


伊19「しーなの…敵がいたの」


ゼロ「ホ級が3・イ級が5だ。座標を送る」


AI 「座標を確認したわ。砲撃を開始します」ドオーン!×3


ホ級達「ギャー!」轟沈

ゼロ「命中を確認。正確だな」


AI 「私が外すと思ったの?ゼロが座標をミスらなければ問題ないわ」


ゼロ「このAIなんかオレに辛辣だな」


伊19「もしかして、レヴィアタンに嫌われているの?」


ゼロ「前の世界でも同じ名前の女に付き纏われていたな」


AI 「…」


伊19「ゼロは前の世界でもモテたのね」


ゼロ「命を狙われただけだ」


伊19「ヤンデレなの?」

レヴィアタン船内


提督「素晴らしいわね」


大淀「この海域で既に5回も先制攻撃が成功し無傷で進軍しています」


提督「ゼロとAIは相性がいいからね。ちょっと機械を足すだけでこの通りよ」


大淀「ゼロくんはどこでも戦えるのでしょうか?」


提督「宇宙空間と大気圏は無理でしょ」


明石「いくらゼロくんでもねぇ」

海中


伊19「敵影無しなの。けど、大きな岩が増えてきたの」


ゼロ「……」


伊19「どうかしたの?」


ゼロ「いや、海上を警戒する深海棲艦がいるのに海中を警戒するのがいないからな」


伊19「もしかして罠かもしれないの」


ゼロ「警戒を怠るな」


伊19「了解なの!早速敵を感知したの!今回は大きいの」


ゼロ「提督、イクが敵を感知した。座標を送ったが、映像は見れるか?」


提督「わかった。映像は確認中よ」


AI 「映像でるわ」


大淀「なんですか!これは…」


提督「特大の球体…いや、浮遊要塞よね」


AI 「特大浮遊要塞が1・浮遊要塞が3・イ級が6 どうする?」


提督「砲撃開始よ。着弾後に、武蔵チームを向かわせてちょうだい」


伊19「イクたちはどうするの?」


提督「命令あるまで待機よ」


伊19「了解なの!」


AI 「砲撃を開始するわ」


ドオーン!×3


AI 「着弾を確認。特大浮遊要塞は健在のようね」

提督「動きはないわね…他は吹き飛んだかしら」


大淀「油断出来ませんね」


武蔵「提督、こちらはいつでも出撃可能だ」


提督「一定の距離を保って警戒してね。死体なら回収したいけど」


武蔵「デカイな…しかし、こいつが浮遊する原理がわからんな」


天龍「砲撃でくたばったのか…空中に浮かばないで、海面を漂ってるしな」


龍田「あんな鉄の塊が沈みもせずに浮くのもへんよねえ」


響 「乗り物?みたいだね」


暁 「もう、直ぐに調べて帰りましょうよ」


5人は警戒しながら触ろうとするが、突如動き出す

特大浮遊要塞「グガアアァー!」ビュン!×3


口の中から浮遊要塞が3体が現れる


武蔵「散開しろ!」


天龍「やっぱり、生きてやがった!」ドォン!


龍田「口から浮遊要塞型も出てきたわ」ドオン!


響 「ウラー!」ドォン!


暁 「当たって!」ドォン!


特大浮遊要塞「グガアアァー!」ガキン!


天龍「喰らえや!」ブン!


龍田「援護するわー」ブン!


特大浮遊要塞「グガァ!」ガキン!×2


天龍「畜生!なんて固さだ」


武蔵「ならば、これなでどうだ!」ズドーン!


特大浮遊要塞「グガアァ!」グゴオ!


武蔵「私の主砲でもびくともしないか」


提督<無理せずに撤退して!>


武蔵「了解した。皆引くぞ」


一同「了解!」


一同は撤退しようとするが砲撃にさらせれ、響が中破する

響 「これは…不味いかな」中破!


暁 「響!」


特大浮遊要塞「グガアアァ!!」ヒュン!


響 「うわ!なんだこれ」ビシッ!


特大浮遊要塞の口の中から伸びた鞭のようなものが響の艤装に刺さり


響 「うわー!」ピョーン!


特大浮遊要塞「ペロペロ…パクン!ゴクン!」


暁 「きゃー!響が…食べられちゃった…」


天龍「くそっ!響を返しやがれ!」ブン!


浮遊要塞×3「!!」ドォーン!


天龍「畜生!」大破!


天龍「天龍ちゃん、無理しないで」

提督<どうしたの!なにがあった?>


武蔵<すまない…響が喰われた>


提督<食べられた!>


武蔵<口が開いたと思ったら浮遊要塞が出てきてだ。舌が伸びて響を喰いやがった…>


提督<そんな…>


暁 「う…うっ…うわーん!響をかえしてー」ドォン!×4


武蔵「暁!よせ!」


特大浮遊要塞「グガアアァ!!」ヒュン!


暁 「きゃっ」ビシッ!


暁の艤装に鞭が刺さる


暁 (凄い力で引っ張られる…響ごめんね。私もそっちに…)


ザッパーン!シュパン!


ゼロ「誰も死なせはしない」


暁 「ふぇ…ゼロおぉー」ビエーン!

数分前 海中


伊19「ゼロどうするの?戦闘が始まったの」


ゼロ「命令あるまで待機だが、戦況は不利なようだ…オレが向かう」


伊19「命令を待つのはあわないの!」


ゼロ「イク頼みがある」


伊19「ゼロの頼みなら断らないの!」


ゼロ「オレを引っ張って急速浮上してくれ」


伊19「急速浮上?」


ゼロ「言い方が悪いが…イクにはカタパルトになってもらう」


伊19「イクを踏台にするのね///」


ゼロ「途中まで急速浮上してくれ。後はイクの魚雷で飛び上がる」


伊19「イルカショーのロケットジャンプなのね」


ゼロと伊19はお互いの手を握り、急速浮上する。


伊19「二機掌位なの!」ゴポポポポ!


ゼロ「いいぞ!魚雷を発射しろ!」


ゼロは伊19から発射された魚雷の先端に乗り海上を目指す。


ゼロ(あれは…暁が捕まっている!それにあれは…)

ザッパーン!


ゼロ(チェーンロッドは壊せないな…艤装を斬らしてもらうぞ)


ゼロは暁の艤装のチェーンロッドの刺さった箇所のみを切断する。


暁 「ふぇ…ゼロおぉー」ビエーン!


ゼロ「…投げるぞ」


暁 「ふぇ?」


ゼロ「響は必ず助ける…だから、我慢しろ」ブン!


暁 「きゅー!」ヒューン!


天龍「おらよ!」ガシッ!


ゼロの放り投げた暁を天龍が抱きかかえる。


天龍「修理したら、直ぐに戻るからよ!」


ゼロ「ここはオレに任せろ」


武蔵「一人で相手するなどと言うなよ…」


ゼロ「撤退中に襲撃されたらどうする」


武蔵「…くっ!すまない」


ゼロ「この中に響がいるのか」


特大浮遊要塞「グガアアァ!!」


ゼロ「オレの仲間を返してもらうぞ」

特大浮遊要塞 内部


響 「…うぅ…ここは…」


響が目を覚ますと肉塊に四肢を固定され壁に貼り付けられていた。


響 「だめだ…動けないよ」


??「気分はいかがお嬢さん?」響の頬を撫でる


響 「ひぃ!」


??「お人形さんみたいで可愛いわね」


響 「お…おみゃぇは…誰だ?」


??「ふふ…私は中間棲姫よ。」


響 「…中間棲姫」


中間「そう…あなたは可愛いから気に入ったわ。私の妹にするわ」


響 「い…いやだ。私は姉も妹もいるんだ!」


中間「まあ素敵…。なら…」


中間「みんなもらうわ」クワッ!


響 (なんて冷たい目だ…怖くて動けないよ)

海上


ゼロ「さて、中に響がいるからな。下手に攻撃出来ないな」


特大浮遊要塞「グガアアァ!!」ドオン!


ゼロ「口の中に入るか」シュー!


特大浮遊要塞「グガアアァ!!」ドオン!ドオン!


ゼロ「フン!」ガキン!ガキン!


特大浮遊要塞「グガア!!」ヒュン!


ゼロ(来た!)ガシッ!


ゼロは放たれたチェーンロッドを掴み、特大浮遊要塞に接近する


ゼロ(本当なら引っ張り出したいが)


ゼロは特大浮遊要塞の口内に飛び込む。


ゼロ「響を返してもらうぞ」

海中


伊19「ゼロなら大丈夫だと思うの」スイスイ


伊19が海中で待機している時だった。


??「モット…モット!!」


伊19「なにか光ってるの!」スイスイ


??「アツクナレヨオォー!!」


伊19「…炎の絵が描かれたチップなの」

特大浮遊要塞 内部


ゼロはZセイバーで捕まった響を解放する。


ゼロ「響、大丈夫か?」


響 「大丈夫だよ…艤装は動くけど、攻撃は出来ない」


ゼロ「直ぐにここから出してやる。逃げろ」


響 「うん…わかったよ」


中間「まさか、私の鞭を利用して入ってくるとはね」


ゼロ「お前がこいつのボスか?」


中間「そう…中間棲姫と言うわ」


ゼロ「中間棲姫か。その鞭は海で拾ったのか?」


中間「そうよ…あなたも綺麗な髪をしているのね。妹にしてあげる」ヒュン!


ゼロ「…オレは男だ」ガキン!


ゼロは鞭をZセイバーで弾き、ナックルで特大浮遊要塞の閉じた口を殴る。


ゼロ「乳歯だといいな」ドギャン!シュタッ!


特大浮遊要塞「グギャアァ!!」ブンブン!


ゼロ「響!逃げろ!」


響 「うん…マトリョーシカ作って待ってるね」


中間「乱暴ね…この子の前歯が砕けちゃったわ」ヒュン!ヒュン!ヒュン!


特大浮遊要塞「グガア」ドオン!ドオン!


ゼロ「虫歯があったからな。」シューシュタッ!ガキン!

ゼロは中間棲姫の鞭と特大浮遊要塞の砲撃を避ける。


ゼロ(イク聞こえるか。合図をしたら海上に魚雷を発射しろ)


伊19(了解なの!)


中間「捕まえたわ!」ヒュン!ガシッ!


ゼロ「くっ!左手が…」


中間「さあ!撃ちなさい!」


特大浮遊要塞「グガア」ドオン!ドオン!


ゼロは間一髪で砲撃を避ける。


ゼロ(今だ!イク)


伊19(魚雷発射なの!)ゴポポポポ!


ゼロ「引きずり出してやる」ブン!


中間「強引な…」ピョーン!


特大浮遊要塞から引きずり出される中間棲姫。


伊19の発射した魚雷は海面を飛び出しゼロが掴む


ゼロ「これでも喰らいな!」ブン!


特大浮遊要塞「ゴクン!!」


中間「あぁ!」


特大浮遊要塞「サヨナラ!!」ドカーン!

中間「私の…スイートホームが…」


ゼロ「降伏しろ…悪いようにはしない」


中間「そんなもの信じられるか」ビューン!


中間棲姫から放たれた艦載機がゼロを狙うが


ゼロ「もう勝ち目はないぞ」シューシュタッ!シュパン!


ゼロはZセイバーが艦載機を斬り落とす。


中間(強い…一人では勝てない)


??「索敵を怠ってはいけない」ビューン!ズダダダ!


伊19「ゼロ!危ないの!」大破!


ゼロ「イク!」


中間「よそ見はだめよ」ヒュン!ビシッ!ビューン!ズダダダ!


ゼロ「くっ」小破!


中間「助かりました。空母棲姫」


空母「油断は駄目ですよ。」


ゼロ「イク…どうして庇ったんだ。」


伊19「体が勝手に動いたの…」


ゼロ(イクが限界だ…治療しないと)


空母「形勢逆転ね」ビューン!ズダダダ!


ゼロ「海中から逃げるぞ」バシャン!


伊19「わかったの…」バシャン!


中間「逃げたみたいね」

海中


ゼロ「オレが油断したばかりに…」


伊19「いいの…それよりこれを」


ゼロ「フレイムチップじゃないか!」


フレイムチップ「アツクナレヨー!」


伊19「やっぱり…ゼロの装備だったのね」


ゼロ<提督聞こえるか…イクが大破した。そちらまで撤退する>


提督<直ぐに治療と修理の準備をしているから>


ゼロ<了解>


特大浮遊要塞「グガア!!」大破!


伊19「まだ生きてたの!」


ゼロ「しぶとい奴だ」


特大浮遊要塞「グガアアァー」ドオン!ドオン!


ゼロ「岩を狙ったか」


伊19「落石なの!」

ゼロ「イク逃げろ」ドン!


伊19「ゼロ!ダメなの」


特大浮遊要塞「ガブリ!」


特大浮遊要塞はゼロに齧り付くと岩壁に突進する。


ゼロ「ぐがぁ!」


特大浮遊要塞「コンドコソ!サヨナラ!」爆発四散!


ゼロ「…自爆か」大破!


落石がゼロを押しつぶす。


伊19「ゼロ!今助けるの」


ゼロ「…無理だ…イクだけでも撤退しろ。まだ敵がいる」


伊19「でも!」


ゼロ「オレなら…大丈夫だ。なんとかする」


伊19「直ぐに来るから待っているのね」


ゼロ「あぁ…頼んだぞ」


ゼロ(イクが無事ならいい…)

レヴィアタン船内


明石「イクが戻りました!」


提督<イク!ゼロと一緒じゃないの?>


伊19<ごめんなさい…ゼロは落石に押しつぶされて動けないの>


睦月「そんな…ゼロさんが」ガクッ


伊19<直ぐに治療して、ゼロを助けにいくの>


提督<そんな体で何ができるの!…許可出来ないわ>


伊19<そんな!ゼロは待っているの!イクがいくの!>


提督(潜水艦はイクだけ…海上には姫が二体もいる。撤退すべきだけど、ゼロを見捨てることに)


如月「ゼロさんを助けられないんですか!」


長門「敵なら私達でなんとかする!」


天龍「見捨てるなんて無理だ!」


暁 「ゼロさんは私と響を助けてくれたのよ」


提督「…このままだと…全員が危険なのよ…ここは撤退するしか」

AI「操縦モードを手動に切り替えるわ」ウイーン


提督「え!」


大淀「提督、AIが勝手に操作しています!」


提督「何をしているの!」


AI 「伊19が前線に戻るのは、無理なんでしょ?なら、私が行くわ」


提督「どうして…」


AI 「ゼロに死なれたら困るのは、私も同じよ」ガシャン


大淀<提督!カタパルトにカプセルが!>


AI 「私もゼロが気に入っていたから」プシュー


突如現れたカプセルから蒼いボディのレプリロイドが姿を現す。


レヴィアタン「ゼロは私の獲物よ」


レヴィアタン「蒼海の海神…妖将レヴィアタン!出撃するわ!」

海中


ゼロ(…イクは無事に戻ったか…)


ゼロ(…力が入らないし、意識もなんだか…)


ゼロ(シエル…そっちは平和に暮らしているか?オレは戦いに明け暮れ…今は海に沈んで)


??「…ゼ…ロ…」


ゼロ(…誰だ?)


??「…しっかり…し…な…さい…よ」


ゼロ(…シエル?違うな)


??「どうしたのよ…伝説の英雄」


ゼロ(蒼いボディ…)


ゼロ「…エックス…か」


レヴィアタン「エックス様と間違えるなんて、あなた大丈夫?」


ゼロ「…お前は、レヴィアタン」


レヴィアタン「伝説の英雄さんはそんなもんだったの?」


ゼロ「なぜお前がここにいる?」


レヴィアタン「後で話すわ。それよりいいの?眠るには早いわよ」


ゼロ「…」ガラガラ!


レヴィアタン「そうよね…伝説の英雄さん」


ゼロ「…」チャキッ!


レヴィアタン「大丈夫よ。今はあなたと殺す合う気はないわ」


ゼロ「どういうつもりだ」


レヴィアタン「あなたと遊ぶには、あいつらが邪魔なのよ」


ゼロ「わからん」


レヴィアタン「協力してあげるって言ってるのよ」

ゼロ「…」


レヴィアタン「いいかしら?あなたを倒すのは私よ。この世界では共闘してあげるわ」


ゼロ「…手を貸せ」


レヴィアタン「ボロボロのくせに偉そうな奴ね」


レヴィアタン「エックス様に劣るけど…相棒になってあげる」


ゼロ「…オレが斬りこむ。援護しろ」


レヴィアタン「いいわよ」


ゼロ「イクがくれたフレイムチップがあったな…」装備!


フレイムチップ「フレイム!ヒーヒー ヒーヒーヒー!」


ゼロ「…故障か」

海上


空母「あの紅いのは沈んだかしら」


中間「あの爆発で生き残るとは思えません」


空母「…まだみたいよ」


ザッパーン!


ゼロ「まだ…終わりじゃない」


空母「そんな体で我らに挑むか…」


ゼロ「…諦めが悪いんでな」


中間「次こそは沈める」ヒュン!


ゼロ「そいつを返してもらう」シューシュタッ!


空母「火の塊となって沈め」ビューン!ズダダダ!


レヴィアタン「ヤッ!」ヒュン!ヒュン!ヒュン!


空母「潜水艦か…」ドォン!ドォン!


レヴィアタン「潜水艦?」


空母「お前も着ているだろ…スクール水着」


レヴィアタン「…後悔させてあげる」

ゼロは中間棲姫の攻撃を躱し、浮遊要塞の上に飛び乗る。


浮遊要塞「!!」


ゼロ「一つ目だ」ザシュッ!


浮遊要塞1「!!」ドカーン!轟沈!


残り二つの浮遊要塞はゼロ目掛けて突進する。


ゼロ「フン!」ドギャン!


ゼロは浮遊要塞を殴り飛ばす。


殴り飛ばされた2つの浮遊要塞は


中間「ぐぅ!」小破!


浮遊要塞2「!!」ドカーン!轟沈!


一つは中間棲姫に直撃し轟沈する。


レヴィアタン「ヤッ!」スパン!


浮遊要塞3「…」轟沈!


最後のひとつはレヴィアタンのランスにより切断された。


レヴィアタン「私に当てる気?」


ゼロ「お前なら問題ないだろ」


レヴィアタン「あら…信頼してくれるのね」


ゼロ「お前と何度も戦ったからな」

空母「ええい!煩わしい!」ビューン!ズダダダ!ドォン!ドォン!


中間「許さないわ」ドォン!ドォン!


ゼロ「攻撃が雑になってきたな」シュタッ!キュインキュイン!


レヴィアタン「そうね…もう終わらせましょう」シュタッ!キュインキュイン!


中間「この紅蒼が!」ヒュン!


ゼロ「ハァ!」シュパン!


ゼロのチャージ斬りをチェーンロッドで防ぐ中間棲姫だったが


中間「えっ!熱い!熱いよぉ!」ゴオオォォ!大破!


空母「中間!」


中間「…誘爆してしまう…こわい…たすけて」


ゼロ「…レヴィアタン」


レヴィアタン「ヤッ!」ピキーン!


レヴィアタンのランスから発生した氷が中間棲姫を凍らす。


中間「…」


レヴィアタン「捕まえた」


空母「なんだこいつらは!炎と氷が」ドォーン!ドォーン!

レヴィアタン「これだけじゃないわ。ハアーッ!」グウオオォ!


レヴィアタンのランスから発生した氷龍が空母棲姫に噛みつく。


空母「なんだこれは…氷の龍だと。こんなことがあってたまるか!」中破!


レヴィアタン「ゼロ!」


ゼロ「わかっている」シューシュタッ!


ゼロは氷龍の上を走る。


空母「うわあぁぁぁぁぁ!」ドォン!


ゼロ「…」タッタッタッタッ!


空母(…また沈むのか…また…)


ゼロ「ハァ!」シュパン!


ゼロの一撃で艤装は完全に破壊された。


空母「」轟沈!


ゼロ「勝手に沈むな」ガシッ!


空母「…」


ゼロ「気を失っているだけだな」


レヴィアタン「どうする?」


ゼロ「二人とも連れてくぞ」

レヴィアタン船内 格納庫


ゼロ「説明しろ」ドン!


レヴィアタン「どうしたのよ?」壁際


ゼロ「なぜこの世界にいる?」


レヴィアタン「私もわからないわよ…あの戦い(Z3)での最後の爆発で死んだと思ったわ。けど、目が覚めたら海に浮かんでいた」


ゼロ「提督に拾われたのか?」


レヴィアタン「そう。3年前だったわ…スクラップ寸前の私を修理してくれたのよ。けど…」


ゼロ「完全に修理は出来なかった」


レヴィアタン「だから、完全修復するまであの指揮艦のAIとして過ごしたのよ」


ゼロ「…辛辣なAIだと思ったが、お前だったとはな」


レヴィアタン「まさか再び伝説の英雄さんに会えるとは思わなかったわ。うふふ」


ゼロ「修復に時間が掛かったようだが…大丈夫なのか?」


レヴィアタン「え?」


ゼロ「復帰して直ぐの戦闘だ…体に異常は無いのか?」


レヴィアタン「大丈夫///心配してくれるの?」


ゼロ「…お前は戦力になるからな」


レヴィアタン「陸は埃っぽいから、カプセルに入っていただけよ」


ゼロ「そうか…」


レヴィアタン「そうよ///」

レヴィアタン船内 格納庫 コンテナ


天龍「誰だ?あの蒼い女」


響 「この指揮船の中身らしいよ」


暁 「ゼロを知っているみたいよ」


睦月「ゼロさんから壁ドンされてる///」


龍田「昔の女かしらねぇ」

鎮守府内 食堂


港湾「…嫌な予感がする」


鳳翔「どうしました?港湾さん」


港湾「いえ、なんでも…このテーブル拭きますね」


離島「じゃが芋が洗い終わりました」


北方「嵐が来るかな」

鎮守府内 独房


中間「…あれ、ここは」


提督「おはよう」


中間「人間!どういうつもりだ!」


提督「お話をしましょうよ」


中間「人間に話すことなどない」


提督「寂しいこと言わないで…紅茶でいいかしら?」


中間「人間の飲物なんか飲むか!」


提督「私が飲みたいのよ」


中間(拘束せずにどういうつもり…隙を見て人質にしてやる)


提督「お願いだから…物騒な事は考えないでね。」コポポポポ


中間(こいつ…!)


提督「寒かったでしょ?これでも飲んで温かくしてね」カチャッ


中間(何を考えている)


提督「何から話そうかしら…あちっ!」


中間(…本当に何を考えている)

提督「単刀直入に言うわね」


中間「…」


提督「私達と仲良くしましょう」


中間「…え?」


提督「あ…えっとね。協力してくれない?新しい世界の為に」


中間「新しい世界だと?」


提督「そう…争うことなく手を取り合う事が出来たら素敵じゃない?」


中間「何を言うかと思ったら…世迷言を」


提督「ふふ。そう?」


中間「そうだ。我らは決して分り合えない存在だ」


提督「このまま戦い続けるの?どちらかが滅びるまで」


中間「勿論だ。決して人間なんかに屈したりしない!」


提督「…残念だわ。けど、これを見てまだそんな事が言えるかしら」


中間「どういうことだ!まさか空母棲姫がいないが…」


提督「本当に残念だわ」カチッ


中間「空母棲姫に何をした!」

独房のマジックミラーが動き出し隣の様子を映す。


空母「まあ!可愛らしい子ね」スリスリ


北方「わわぁ!だれだ?」バタバタ


空母「ごめんなさいね…数十年ぶりに幼い同族に会って嬉しかったのよ」


北方「そうなのか?いいよ。あそぼ」


空母「あははーたかいーたかいー」


北方「わぁい。わあーい」キャッキャ!


離島「空母棲姫さんもここで暮らしちゃおうよ」


空母「えっ…しかし、人間と共存など…」


北方「できない?」ウルウル


空母「問題ないよ!北方ちゃんの為に人間と共存しちゃう///」


北方「やったー」


提督「微笑ましいわねー」


中間「…」


提督「あら…丁度いい温度ね」ゴクン


中間「ごくごくごく」


提督「おいしい?」


中間「協力する」


提督「あら、よかった」


中間「だから…」


提督「うん?」


中間「私も…隣に…北方と遊びたい」


提督「わかったわ」

娯楽室


レヴィアタン「ソファーでくつろぐというのもいいものね」


??「……」チラチラ


レヴィアタン「覗き見なんて感心しないわよ。入ってきたら?」


伊19「…はいなの」


レヴィアタン「あなたはイクよね。このソファーはあなたのお気に入りだった?」


伊19「そうじゃないの…ゼロを助けてくれてありがとうなの」


レヴィアタン「気にすることないわよ」


伊19「あと、レヴィアタンさんと話したかったのね」


レヴィアタン「レヴィアタンでいいわ。よろしくイク」


伊19「よろしくなの」


レヴィアタン「ところでイクはいつもその水着で過ごしているの?」


伊19「そうなの。レヴィアタンと一緒なの」


レヴィアタン「私は水着ではないのだけど…」


伊19「みんなは水着だと思っているの」


レヴィアタン「これはこういうボディなのよ。確かに水中特化型だけど」

伊19「あと、ゼロと同じ世界にいてレプリロイドだったのね?ゼロはどんなだったの?」


レヴィアタン「そうね…とても強かったわ。伝説の英雄と呼ばれていたわ」


伊19「伝説の英雄…かっこいいの///」


レヴィアタン「ゼロとは何度も激しくぶつかり合った…けど、勝てなかった」


伊19「激しく///」


レヴィアタン「ゼロは強かった…ゼロは負かした相手から無理やり大事なもの(チップ・武器データ)を奪っていたわ」


伊19「大事なもの///」


レヴィアタン「私もキズモノにされて…ゼロは私の弱いところ(炎)を全て知っているわ…」


伊19「弱いところ///」


レヴィアタン「けど、腹黒い女に酷使されていたわね」


伊19「じゃあ、ゼロは伝説の英雄と呼ばれるほど強くて、屈服させた相手を自分の物にして、レヴィアタンの初体験を奪ったのね?」


レヴィアタン「そう…初めてだったわ(勝敗的な意味)けど、ゼロを忘れられなくて何度も(勝負を)挑んでいたわ///」


伊19「ゼロ///おそろしいの///」

鎮守府


提督「朝礼を始めますよ…ねむぃ」


一同<ガヤガヤ


提督「えーもう話題になっていますが、改めて紹介するよ」


レヴィアタン「水中戦特化型レプリロイドのレヴィアタンよ。改めてよろしくね」


提督「みんなに黙って悪かったけど、指揮艦レヴィアタンのAIは彼女自身だったの」


レヴィアタン「この世界に来た時はスクラップ寸前でね。修理に時間が掛かったわ」


天龍「この世界って事は…あんたも違う世界から来たのか?」


レヴィアタン「そうよ…そこの伝説の英雄と同じ世界よ」


ゼロ「…」


睦月「…伝説の英雄?」


レヴィアタン「過去の戦争での英雄的な活躍でゼロはそう呼ばれていたのよ。」


天龍「カッコいい///」

睦月「ゼロさんとはどんな関係だったんですか?」


レヴィアタン「そうね…ゼロとは敵対関係だったわ。何度も挑んだけど勝てなかった」ツカツカツカ


ゼロ「?」


レヴィアタン「何度も挑み負け…屈服させられた。そして…初めての相手よ///(敗北的な意味)」ギュッ!


ゼロの体に抱き付くレヴィアタンは誰に対してか挑発的に微笑む。


ゼロ「なんのつもりだ?」


レヴィアタン「私はあなたと戦う事で今までに感じた事のない感情を感じたわ…だから、決めたのよ」


ゼロ「…なにをだ?」


レヴィアタン「この感情の正体を確かめる…判明するまであなたに協力してあげるわ」


ゼロ「…勝手にしろ」プイ!


レヴィアタン「えぇ…そうさせてもらうわ。エックス様の相棒の力をそばで見させてもらうわ」ナデナデ

あきつ丸「あの…お二人とも人前であることを忘れていませんか?」


如月「ちなみにエックス様というのは誰なんですか?」


レヴィアタン「私が従えていた方で、エックス様のDNAデータを基に私が生まれたのよ」


武蔵「という事は…人間で例えるとゼロは相棒の娘を…その…した訳か?」


提督「こらこらこら…」


港湾「…昔の女」フラフラ


北方「これで最後だといいな」

細かいが 私を従えていた方 なんじゃないか?

>>542 レヴィアタンの部下になりたいという無意識の衝動が…


E缶で勘弁してください

鎮守府内 港湾と北方の部屋


港湾「はぁ…」


北方「だいじょうぶ?元気ないの?」


港湾「大丈夫よ。北方」ナデナダ


北方「ゼロ」


港湾「!」


北方「寝る前にゼロに会ってくる」タッタッタッタッ!


港湾「寝る時間だから。すぐ戻るのよ」


ドア<バタン!


港湾「……」


港湾「…50年待ち続けた」ポスン


港湾「北方と一緒にあの島で…」ゴロン


港湾「あなたはあの時のままのはずなのに…」グスン


港湾「…そばにいるのに…」ポロ


港湾「…今はとても遠くに感じる」ポロ


港湾「どうして…目を覚ました時に、あの島にいなかったのかしら」ポロポロ


港湾「…こんなことなら…思い出のままでよかったのかもしれない」ポロポロ

ゼロの部屋


ドア<バタン!!


北方「ゼロ!話がある!」


シーン…


北方「いない…」


??「ゼロならいないわよ」


北方「だれ?」


レヴィアタン「演習場で訓練中よ」


北方「おまえ…てきだ!」


レヴィアタン「あら!ずいぶん嫌われたものね」


北方「味方だけど!てきだ!」タッタッタッタッ!


レヴィアタン「…味方だけど敵?」


伊19「レヴィアタン!お風呂はいるのー」


レヴィアタン「はいはい。わかったわよ」

鎮守府内 演習場


ゼロ「はぁ!」シュン!


ゼロ「てぃ!」シュパン!


ゼロ「フレイムチップを試すか」


フレイムチップ「モット!アツクナ…」ガン!


ゼロ「機能に問題は無いのだが」


ゼロ(なんだ…これは覚えのない技がある?)


北方「ゼロ!」


ゼロ「北方どうしたんだ?寝る時間だろ」


北方「ゼロ!港湾と話せ!」


ゼロ「どうした?」


北方「いいから!港湾は…寂しがっている」


ゼロ「寂しがる…」


北方「ほっぽはわかる。ずっとがまんしてた」


ゼロ「……」


北方「港湾はほっぽがいるから泣かずにがまんして…」


北方「だから…その…うまく…いえないけど」


ゼロ「…」ナデナデ


北方「ゼロ…」


ゼロ「わかった…すまなかった」ギュッ


北方「…わかればいい」フフーン

鎮守府内 港湾と北方の部屋


港湾「遅いわね…何しているのかしら」


ドア<ガチャ…


港湾「寝る時間…」


ゼロ「あぁ…そうだな」


港湾「えっ!ゼロどうしたの?」


ゼロ「一緒に寝る日だったろ」


港湾「そうだったわね///あれ?北方は…」


ゼロ「北方なら一人で寝ることで大人になるといってオレの部屋で寝ている」


港湾「あら…そう(え…二人っきりで寝るの///)」


港湾(今まで3人で寝ることはあったわ。けど、二人っきり…)


港湾(同じベットで///二人だけで///)


港湾(北方…あなたに妹分が出来るかも///)

鎮守府内 提督の私室


提督「…」


叢雲「どうしたのよ?」


提督「いや…なんでもないわ」


叢雲「考え事でしょ?」


提督「…愛の形は多種多様と考えていたのよ」


叢雲「急にどうしたのよ?」


提督「男と女、女と女、…男と男」


叢雲「人間と艦娘」


提督「レプリロイドと深海棲艦ね」


叢雲「…」


提督「レプリロイドは子どもを残すことは出来るのかしら…」


叢雲「私達は人間に近いから可能だわ。解体されたら人間になるみたいだし」

提督「レプリロイドに自分が親になるという概念はあるのかしら…」


叢雲「…」


提督「ゼロには親のような存在がいるのかしら…工場で機械により量産されたなら」


叢雲「…蒼子」


提督「悲しいと思ってしまうのは…おこがましいかしら」


叢雲「…」


提督「港湾達だって、ここでは違うけど世間では人類の敵として扱われる…」


提督「あんなに優しい娘なのに…本部の親父よりも守るべきなのに」ギリッ


叢雲「悪い癖よ…考え過ぎるのは」


提督「叢雲…」

叢雲「それに…」グイッ


提督「えっ」


叢雲「目の前にいるのは私よ。今だけでも私の事を思ってよ」ギュッ


提督「…そうね。ごめんなさい」ギュッ


叢雲「それにしても大きなベットね」


提督「私の体が大きいから仕方ないの」


叢雲「そして、この胸もね」ムニュ


提督「あ…いやっ…うん…あっ///」

叢雲「覚悟しなさい。蒼子…」


「夜戦…始めましょ///」

鎮守府内 港湾と北方の部屋


ゼロ(北方に言われるままに港湾を訪ねてみたが…)


港湾「えっと///その…どうぞ///」


ゼロ「あぁ」ガチャ


港湾「北方もどうしたのかしらね?急に親離れなら寂しいわね」アセアセ


ゼロ(様子がおかしいな…やはり、オレのせいなのか。)


港湾「その…着替えるわね///」アセアセ


ゼロ(オレを探すために…この鎮守府に来た)


港湾「どうかしら///提督がくれたの」ヒラヒラ


ゼロ(彼女をそこまで動かすのは…)


「なんだ…オレにはわからない」


港湾「ゼロどうかした?」


ゼロ「いや、なんでもない」


港湾(大胆だったかしら///見惚れてたとか///)


港湾「…そろそろ寝ましょう///」

イン布団

 港ゼ
 湾ロ


港湾(どうしよう///当たり前だけど近い///北方が間にいないから密着するわ)


ゼロ「…」


港湾(それに今は超絶薄着よ///心臓が破裂しそうなぐらい恥ずかしい///けど、)


港湾<<ヤルならいましかないわ!!>>ノソ


ゼロ「…港湾」


港湾「なに?」


ゼロ「…寂しい思いをさせてすまなかった」


港湾「…急にどうしたの?」


ゼロ「50年間もオレが目を覚ますのを待ってくれた…北方と二人で」


港湾「…」


ゼロ「目を覚ましたオレは、そんな港湾達を忘れ…ここで戦っていた」


港湾「…」


ゼロ「そして、オレを追ってこの鎮守府まで来た…」


港湾「…」ポロ


ゼロ「あの島と違う環境で…怖いはずの人間の住むここまで…」


港湾「…そうね…寂しいし怖いで大変だったわ…」ギュッ


ゼロ「あぁ」ナデナデ


港湾「それでもゼロがいてくれたから…耐えることが出来たの」ポロポロ


ゼロ「オレは戦う事しかできない…機械人形だ。そこまで港湾を動かすものがわからない…」

港湾「ゼロ…それはね///」


「愛なのよ///」


ゼロ「愛…」


港湾「愛は姿形が見えないの///だから」


「私の体で愛を表現するわ///」

ドア<コンコン!


港湾「!」


ゼロ「…たぶん」


ドア<オープン…セサミッス


北方「…グスン…」


港湾「独りで寝るのはしばらく先ね。ふふふ」


北方「…へいきだったの…グスン…とちゅうから変な音がして…ガタガタうごく音がしたの」


ゼロ「いいんだ」ダキッ


北方「あぅ…」


港湾「やっぱり、三人で寝るのが一番ね」ナデナデ


北方「うん…」


ゼロ「そうだな」


北方「港湾…」


港湾「なーに?」


北方「どうして…スケスケの服着てるの?」


港湾「…あーつかったのよ///」

睦月「……」ツカツカツカ


天龍「おい、睦月なにしてんだ?」


睦月「あ、天龍さん。ちょっと忘れ物があったので」


天龍「そうか。就寝時間だから早く寝ろよ」


睦月「はい。わかりました」タッタッタッタッ!


天龍「2階に何かあったか?」


睦月(…作戦成功です)

鎮守府


「こんにちは!エクスプレス運送です」


あきつ丸「お疲れ様であります。今日はエール殿でありますね」


「そうなんです。弟は休みなんですよ。印鑑かサインください」


あきつ丸「はい。サインでありますね」カキカキ


「ありがとうございます。これからもエクスプレス運送をお願いします!」


あきつ丸「元気な女の子はいいでありますな。今日も頑張るであります」

鎮守府内 執務室


ドア<コンコン


「どぞー」


ゼロ「入るぞ」ガチャ


提督「おはよう。どうしたの?」


ゼロ「今日の予定の確認だ」


提督「大きな作戦もないからね。前の海域の調査予定」


ゼロ「…叢雲はどうした?」


叢雲「まだ寝ているわ」


ゼロ「珍しいな。何かあったのか?」


提督「たまにはゆっくりさせたくて(ヤリ過ぎたわ…)」


ゼロ「そうか…休息も必要だしな」

外<皆様の清き一票を!このマイク・ハガーによろしくお願い致します!


 <体を張り頑張っていきます!


ゼロ「…なんだ。あれは?」


提督「あれは選挙カーよ。この街の市長を決めるために頑張っているのよ」


ゼロ「選挙か…投票権は皆にあるのか?」


提督「人間で成人しているのが条件よ…艦娘達には無いの」


ゼロ「そうか」


 <ハガーさん!車が動きません!


 <なんだと!なら、私が押していく!バサッ!


 <ハガーさん無理です。あと、上着脱がないで


 <うおぉぉ!マイク・ハガーをよろしくお願い致します!ガラガラ


 <うわー!車押しながら宣伝してる!


ゼロ「オレなら奴に投票するな」


提督「そうね」

現実にマイク・ハガーみたいな奴が出馬したら人気でそうだよな
人気が出た所で弾丸ばら撒かれて終わりだけど

土下座博士「父です」

>>570
フォルテ「ロック同様にどうなったか不明な兄です」
Σ「ゼロに傷物にされ、中にタップリ(ウイルス)出された初めての相手です」
ナイトメア「子沢山ですが、妹です」
ハイマックス「弟、シヌガイイ」

提督「そうそう。近々本部で陸海空での合同報告会があるの」


ゼロ「合同報告会?」


提督「成果報告と対策の発表なんだけど親父共が酒を飲むだけよ」


ゼロ「提督も出席するのか?」


提督「命令だから仕方ないのよ…けど、チャンスでもあるのよ」


ゼロ「チャンス?」


提督「合同報告会の会場は本部で、本部にあるホールで行われるの」


ゼロ「本部の警備はホールに集中する」


提督「資料室の警備は手薄になるかもしれない」


ゼロ「資料室になにがある?」


提督「50年前にゼロが人間と戦った時の報告書や資料があるかもしれない」


ゼロ「…そいつは調べる必要があるな」


提督「あるかもしれないだから、あまり期待しないほうがいいわよ」

ゼロ「…昔似たような事があったから慣れている」


提督「その時はどうなったの?」


ゼロ「データは奪われて象の中にあった」


提督「象の中?」


ゼロ「破壊して引きずり出した…破損していたがな」


提督「あらあら…今回はちゃんとした制服を準備するわ」


ゼロ「わかった」

鎮守府内 演習場


ゼロ(海域調査まで時間があるからな。演習場にでも行くか)


龍驤「あれ、ゼロさんやないか」


大鳳「演習所に行くんですか?」


ゼロ「海域調査まで時間があるようだからな」


龍驤「一緒に訓練しようや!ゼロさんと組んだ時の為に」


大鳳「そうですね。お互いの事を理解する必要がありますので」


ゼロ「いいのか?オレは艦載機を使わない戦い方だから参考にならんぞ」


龍驤「そうやない。ゼロさんの事を知りたいんや」


大鳳「龍驤ちゃん…その言い方は誤解を招くような気が」


ゼロ「そうだな…オレも龍驤と大鳳の事を知る必要がある」


龍驤「おぉ!よろしく頼むわ」


大鳳「よろしくお願いします///」

鎮守府内 演習場


ゼロ「……」シュパン!ザシュッ!グサッ!


龍驤「いっけー!」ヒューン!ズダダダ!


大鳳「当たって」バシュッ!ヒューン!ズダダダ!


ゼロ(艦載機による攻撃が主な手段…前に出るタイプではないな)


龍驤「うーん。やっぱり移動しながらの召喚は難しいな」


大鳳「訓練あるのみですよ」


龍驤「しかし、あの戦い方…演武や」


大鳳「豪快で素早い…あんな風に動きたいものです」


龍驤「けど、あれでもまだまだやって言ってたで」


大鳳「もしかしたら、昔はもっと強かったと…」


龍驤「同じ赤色として尊敬するわ」


ゼロ「何を話している」


龍驤「いやなあ、ゼロさんは強い速いにカッコいいで文句なしやなって」


大鳳「ちょっと!龍驤ちゃん///」


ゼロ「…遠距離は武器が無いから頼む」


龍驤「あれ?もしかして照れてるん?」


ゼロ「…もう終わるぞ」


大鳳(照れやさん?)

鎮守府内敷地 塀付近


??「戦闘行為反対!」


??「平和的解決を!」


??「女子どもを戦場に出すな!」


龍驤「またや…」


大鳳「…」


ゼロ「なんだあれは?」


龍驤「反戦団体かな?」


ゼロ「反戦?戦わなければ生き残れない」


提督「ちなみに、あの中にはこの地域の住民はいない」


龍驤「うわ!いつのまに」


大鳳「地元漁師さんとは友好的な関係です。漁業の際に護衛したりしてますから」


ゼロ「遠方から文句を言いにここまで来ているのか?」


提督「そういうことね…こちらが武器を持つから深海棲艦は襲ってくると思っているのよ」


龍驤「他にも深海棲艦信仰する団体もおるで、深海棲艦は神の使いで人間に罰を与えているとか言っとるで」


団体「あんたがここの代表か!女子どもを戦場に出して恥ずかしくないのか!」


大鳳「…提督戻りましょう。トラブルの元です」


提督「そうね…関わらないのが一番よね」


龍驤(あかん…落ち込んでる)


団体「逃げるのか!恥知らず!非道軍人!」


龍驤「好き放題いいよって…」

??<<お姉ちゃん!!いつも街を守ってくれてありがとう!!>>


提督「えっ」


団体「…」ザワザワ


野球帽の少年が大声で叫んでいる。


少年<<お姉ちゃん達が命懸けで頑張ってくれるから!!お父さんが魚とれるんだ!!>>


  <<港のみんなが笑顔なのは!!お姉ちゃん達のおかげだよ!!>>


  <<本当にありがとう!!>>


少年の感謝の叫びは反戦団体よりも大きかった


団体「………」ザワ


提督「…」ツカツカツカ


大鳳「提督…」


提督は金網越しに少年と対面する


少年「お姉ちゃん、これあげる」つ花


提督「…ありがとう」


少年「いいのです。これからも頑張ってください」タッタッタッタッ!


団体「…」カエル


大鳳「すごい…一人の少年が結果的に団体を追い返すなんて」


提督「ありがとうって素敵な言葉よね」


ゼロ「そうだな…いい言葉だ」

鎮守府 裏


少年「……ふぅ…」


少年「これでしばらくは…」ファサ


電 「大丈夫なのです」


電 「まったく…騙される方が悪いのです」フッ


電 「司令官を騙してしまったのは心が痛いのです…」


電 「けど、優しい嘘も必要なのです」


電 「………ちょろいのです」フッ

本部 合同報告会 


提督「来てしまった…」


長門「覚悟を決めろ」


あきつ丸「陸軍の仲間に会えるのが楽しみであります」


提督「あきつ丸はいいよね…私なんて」フッ


長門「卑屈になるな。胸を張れ!」


提督「ふっ…笑えよ。長門みたいな立派な胸じゃないもん…」


あきつ丸「いや、提督も立派であります」

本部 ホール


海軍<今月の撃破数は、~~~~であり


提督(そろそろね…ゼロ聞こえる?)


ゼロ(聞こえるぞ)


提督(資料室までルートを確認したけど警備はいないわ)


ゼロ(了解した)


提督(鍵は知り合いに頼んで、資料室前の消火器の底に隠してあるわ)


ゼロ(信用出来る奴なんだろうな)


提督(もちろんよ)


陸軍<本土に上陸された時の為に海岸に防壁の設置を…


ゼロ(なにかあれば連絡する)


ゼロ「さて、任務開始か」ガチャッ


ゼロ 黒軍服一式

本部内 資料室前


ゼロ「これだな…」カチャッ…


ドア<キィーガチャッ


ゼロ(資料室に入った…広いな)


提督(陸海空合同作戦の棚があるはずよ)


空軍<3人のエースパイロットが入隊し戦力強化に…


ゼロ(紙媒体だと時間が掛かるな)


提督(50年前ならそんなもんよ)


空軍<P・Jとジャン・ルイとチョッパーの3名は…


本棚「初めての夜戦Q&A」「楽しい建造(お昼編)」「大人の楽しい建造」「光博士のロボット工学」   
  「駆逐艦の可愛いがり方」「憲兵黙示録」「陸海空合同作戦」「戦艦級薄着論」


ゼロ(多いな…発見したぞ。陸海空合同作戦か)


提督(内容はどう?)

ゼロ(映像記録は無く報告書だけだ。結構な厚みだ)


提督(時間が掛かるなら持って帰る?)


ゼロ(隠すものがない。まずは内容の確認だ)


ゼロ(…内容は深海棲艦の巣を襲撃し多大なる被害を出すも制圧に成功か)


提督(虚偽報告にもほどがあるわ)


ゼロ(これは表向きの報告だ…あったぞ)


ゼロ(一体の深海棲艦の姫により撤退に追い込まれる…)


提督(…ゼロのことよね?)


ゼロ(他は書いてないな。燃やすか)


提督(…持って帰るのね。先に車に戻っていて)

本部 合同報告会 会場


長門「提督どうした?ゼロは大丈夫か」ボソ


提督「大丈夫よ。上手くいったみたい」


あきつ丸「もう終わりの様ですから帰るでありますか?」


提督「いや、まだなにかあるみたい」


<今回は市長選挙候補のベルガーさんに来てもらっています。


あきつ丸「報告会だけではなかったのでありますか?」


提督「噂だけど軍とベルガーの泥歯車㈱は裏で繋がりがあるのよ」


長門「軍による票の取りまとめか」


提督「ベルガーが市長になれば軍施設を好きに建設したりと軍に有利になるのよ」


あきつ丸「しかし、このやり方はどうかと思うであります」


提督「そうね…帰るわよ」

鎮守府内 執務室


提督「持ち帰った報告書を読んだけど、ゼロに関することは詳しく書いていないわね」


ゼロ「映像記録も無しだ」


提督「うーんこれを読んで思ったけど…女装させる必要はなかったわね」


ゼロ「…まったくだ」


提督「ゼロくんには悪いことをしたと思っている…だが、私は謝らない!」


ゼロ「…」カチャッブォン!


提督「さて、これでこちらに弱みが無いことがわかりました」


ゼロ「動きやすくなったか」


提督「本部の動きと登山博士に関して調べてみたわ」


ゼロ「なにかわかったか?」


提督「登山博士に関しては何もわからなかったわ。ただ、本部に関しては不穏な動きあり」


ゼロ「本部の動きとは?」


提督「兵器製造のシグマ重工とドップラー研究所の合同工場が24時間フル稼働しているみたい」


ゼロ「艦娘に代わる兵器の開発だな」


提督「軍の兵器製造は本来は有澤重工とキサラギと六角光重工が行っていたんだけど」


ゼロ「シグマとドップラーは急に参入したのか?」


提督「ここ数年で急成長してきたわ。軍の介入かしら」


ゼロ「名前が気に入らないな」


提督「そういえば新人が来るわよ」


ゼロ「新人?」


提督「作戦の功績を認められてね。どんな子かしらね」

鎮守府


離島「いい天気ですね」


港湾「そうね。洗濯物もすぐ乾くかしら」


離島「私の服は乾きずらいから今日はいいかも」


港湾「生地が熱い素材だからね」


離島「新しい服が欲しいな」


港湾「提督に頼んでネットで買う方法もあるわよ」


離島「なら、頑張って働かないと」


北方「」ソー


港湾「北方どうしたの?」


北方「なんでもない」ビクッ


離島「お腹…大きいわね」


北方「ごはんたくさん食べた」ワン


港湾「ワン?」


北方「わん」ワン


港湾「…お腹に隠しているもの見せなさい?」


北方「なにもない」ワンワン


港湾「…」ゴゴゴゴ


北方「…」ワンワン

鎮守府 


提督「子犬ね」


電 「子犬なのです」


雷 「子犬だわ」


港湾「北方が拾って来ちゃったのよ」


北方「…そのお腹空いてたみたいだから」


子犬「クゥーン」


港湾「その…提督?」


提督「飼いましょう」


北方「いいの?」ビクッ

  
提督「一匹ぐらいならね。それに…」


電 「可愛いのです」ナデナデ


雷 「甘えてもいいのよ?」ナデナデ


子犬「ハアハア」ゴロン


提督「子どもの教育にもいいからね」


港湾「ありがとう」


提督「じゃあ、予防接種やら必要な物買ってくるわ」バタン


子犬<行ってきます

数時間後


提督「戻ったわ」バタン


子犬<ただいま!


電 「お帰りなのです」


電 「すごい荷物ね」


提督「犬を飼う為に必要なものは揃えたわ。予防接種に登録に洗ったりで大変だったわ」


北方「きれいになったね」ナデナデ


子犬<ワン!


提督「では、会議室に集まれる者を集めましょ」


港湾「どうして?」


提督「名前を決めないと」


子犬<ワンワン!

鎮守府内会議室


提督「では、この子犬の名前をきめましょう」


子犬<いい名前をお願いします


ゼロ「大至急集まれ、と聞いたから来てみれば…」


ワ~キャーカワイイ


提督「白い柴犬系統で男の子だからね。では、ゼロから名前候補を言ってね」


ゼロ「オレからか…ワイリーいや、フォルテなんてどうだ?」


提督「…なんとなくその名前は使うべきではないような気がする」


電 「シロがいいのです」


電 「白丸なんてどう?」


暁 「レディじゃなくてエレガントな名前…トレーズかトールギスは?」


提督「殺人的な加速をしそう…犬なのに閣下と呼びそう」


響 「ウオッカ」


提督「うーん。黒で双子ならジンとウオッカだったかも」


龍驤「なら、ラッシュはどうや?」


提督「肝心な時に裏切りそう」

天龍「タロだろ」


龍田「ジロよね」


提督「南極に置いてけぼりにしない」


レヴィアタン「北方が連れて来たんでしょ?北方が名付け親になるべきなんじゃないの?」


一同「!!」


レヴィアタン「…なによ。文句ある?」


ゼロ「いや…子どもには優しいだな」


レヴィアタン「余計なお世話よ///」


提督「では、北方ちゃんに聞いてみましょうか」


北方「…えーと」


  「ロッポウはどう?」


一同(ゼロ以外)「あっ察し…(ゼロ+ホッポウ=ロッポウ)」


ゼロ「いい名前だ」ナデナデ


北方「えへへ///」


ロッポウ<ご主人!名前ありがとうございます


提督「では、今後の当番ついて決めますか」

鎮守府 夜 食堂


ゼロ「食堂にだれかいるな」


??「これはここに置いてと」


ゼロ「早霜なにをしているんだ?」


早霜「ゼロさん…ふふ…お酒の棚を整理していたの」


ゼロ「酒?」


早霜「そう…いつもは鳳翔さんが飲みに来る人に出すんだけど…いない時は私が担当なの」


ゼロ「知らなかった」


早霜「ふふ…一杯どうですか?」


ゼロ「せっかくだから頂こう」


早霜「では…どうぞ」スッ


ゼロ「初めて酒を飲んだが…うまいな」ゴク


早霜「味がわかる男は…いいわ」


ゼロ「常連はいるのか?」


早霜「大人組はよく来るわ…提督に夕張さんに明石さんは開発談義をしながら飲んでいるわ」


ゼロ「早霜は飲まないのか?」


早霜「少しならね…けど、飲んでいる人を見るのが…好きなの///」


ゼロ「楽しみ方は人それぞれだ」カラン


早霜「…ふふふ///」


ゼロ「どうした?」


早霜「いえ…こんな風に過ごすのもいいわ///」

数分後


如月「私も頂けるかしら?」


睦月「私もです!」


早霜「いつもの…ジュー」


如月・睦月「ワインです」


早霜「…わかったわ」


ゼロ「二人ともよく飲みに来るのか?」


如月「嗜む程度ですが」


睦月「大人になった気分です」


早霜「はい…どうぞ」スッ


如月「せっかくですから乾杯しませんか」


睦月「素敵です。やりましょう」


ゼロ「あぁ…」


3人「乾杯」チリーン

1時間後


如月「ねぇ///ゼロさん…私達も相手にしてくださいよ///」スリスリ 左


ゼロ「……」中央


睦月「いつも港湾さんと寝ているじゃないですか…寂しいです。構ってくだにゃしい」右


早霜「…やっぱり飲み慣れないものを飲むべきではないわ…」


ゼロ「…やはり一度もワインを飲んだことは無かったのか?」


早霜「いつも…葡萄ジュースだったわ」ハァ


如月「如月は今は小さいけど///将来はきっと有望よ///」ダキッ


睦月「睦月をもっと触るのです///」キャー


ゼロ「…早霜」


早霜「ゼロさん…自分で解決しないとだめだわ」


ゼロ「…楽しんでいるだろ?」


早霜「ふふ…どうかしら…」


如月「ゼロさん///私をもっと見てよ」


睦月「睦月をーもっとー褒めるのです///」

翌日


如月「おはよう。睦月ちゃん」


睦月「おはようございます。あの…昨日の事なんですど」


如月「乾杯してから…記憶がないの///」


睦月「起きたら部屋にいました…」


如月「ゼロさんが運んでくれたのかしら?」


睦月「だとしたら恥ずかしいです」


ゼロ「どうしたんだ」


如月「あ、いえ…昨日はその」アセアセ


睦月「覚えてなくてっ」アセアセ


ゼロ「まあ…無理に思い出す事もない」


如月・睦月(なにがあったの…)


ゼロ「ただ、オレはちゃんと見ているからな」ナデナデ


如月「え///」キュン


睦月「にゃしい」キュン


ゼロ「朝礼に行くぞ」


如月「あの昨日なにがあったんですが///」


睦月「ナデナデされちゃった///」


早霜「…ふふ…解決かしら」

鎮守府 食堂


ゼロ「…レヴィアタンか」


レヴィアタン「あら、ゼロどうかしたのかしら?」


ゼロ「いや…昔の敵と手を組む事になるとはわからんな」


レヴィアタン「大丈夫よ。ここではあなたと戦わないわ」


ゼロ「そうか…ならいい」


レヴィアタン「ねえ、あなたは耳がいい方?」


ゼロ「感知型程ではないがな」


レヴィアタン「なら、声紋感知を作動出来る?」


ゼロ「出来るがなんなんだ…!!」


レヴィアタン「わかったようね」

ゼロ「どういうことだ…ここには8人の艦娘がいるのに」


「声紋感知では2人だと…」

レヴィアタン「そうなのよ…あそこにいる金剛四姉妹と第六駆逐隊で8人なのに」


ゼロ「声紋感知では2人になる。姉妹だからじゃないのか?」


レヴィアタン「いくら姉妹でも差があると思うけど」


ゼロ「オレ達の知らない艦娘の秘密があるのか」


レヴィアタン「まあ、姉妹型なら納得いくけ…ど」


ゼロ「おい…鳳翔が来たが声紋感知では2人のままだ」


レヴィアタン「しかも、第六駆逐隊と同じみたいよ」


ゼロ「鳳翔とあのお子様4人が同じ声だというのか」


レヴィアタン「どういう繋がりかしら」


ゼロ「おい。3人なったがこれは」


レヴィアタン「武蔵と伊19が同じなの」


「どうなっているんだ一体」

鎮守府 執務室


朝潮「駆逐艦、朝潮です。いつでも出撃可能です」


満潮「朝潮型駆逐艦の3番艦、満潮よ」


霞 「霞よ!ガンガン行くわよ」


提督「3人ともよろしくね。3日間は内勤でここになれてもらいたいけど」


満潮「何それ、意味わかんない。直ぐにでも出撃させなさいよ」


霞 「そうよ。戦うためにここに来たのよ」


朝潮「ちょっと…二人とも」


提督「いきなり実戦は危険だし…」


ドア<コンコン


ゼロ「提督、ロッポウの散歩ルートの確認だが…」


提督「ゼロ、いいところに来たわ」


ゼロ「どうした?」


提督「この3人の教育係になってくれない?」


3人「!!!」

ゼロ「構わんが…何をすればいい?」


提督「戦い方とここの案内をお願い」


ゼロ「わかった」


満潮「どういうことよ?面倒だからたらい回しってわけ?」


霞 「この<おかまやろう>に教わる事なんてないわ!」


ゼロ「……」


提督(あっ…なんかわからないけど不味そう)


ゼロ「3人ついて来い。お前らの腕前を見せてみろ」


満潮「ふん!やってやるわ」


霞 「見てなさい」


朝潮「わかりました」

鎮守府内 演習場


ゼロ「一撃でいい。オレに一撃でも当てたならお前らの勝ちだ」


朝潮「いいんですか?3対1ですよ」


満潮「ふん!随分と余裕じゃない」


霞 「<おかまやろう>負かしてやる!」


ゼロ「…60秒だな」

天龍「ゼロは演習か?」


龍田「あの3人は新人かしらねぇ」


天龍「…3人はクリーンな戦い方をするな」


龍田「そうねぇ…教本通りと言ったら嫌われるかしらねぇ」


天龍「ゼロは刀しか使わないみたいだな」


龍田「一人目が沈んだわね」


天龍「おいおい…指揮艦が沈んで連携が乱れたな」


龍田「あらあら…動揺しちゃっているわ」


天龍「うわー衝撃波で吹っ飛んだよ…」


龍田「二人目は容赦ないわねぇ」


天龍「最後の一人は何秒耐えられ…るか」


龍田「…嘘でしょ」


「何回斬ったの…」


夕張「えーと、8回ですかね?」


天龍「夕張いたのか?」


龍田「夢中で気が付かなかったわ」


夕張「映像に残そうかと思って撮ってたんですよ」


天龍「ゼロと一回でもいいから本気の勝負がしてえな」


夕張「今日のゼロくんの戦い方は…荒くて乱暴な気がします」


龍田「昔は悪くて鉄パイプを振り回していたのかしらねぇ」


天龍「まさか、未来の戦いで鉄パイプはないだろ」

ゼロ「26秒か…そんなものか」


朝潮「…強い」小破!


満潮「意味わかんない…」中破!!


霞 「…ちくしょう」大破!!!


ゼロ「1時間後に再度ここに集合しろ。鎮守府を案内する」


3人「…了解」


ゼロ「…銀髪。名前は?」


霞 「…霞よ」


ゼロ「なら霞…お前がオレを<おかまやろう>と呼ぶな。わかったな」


霞 「くっ…わかったわよ」


朝潮(禁句だったのでしょうか)

ゼロ(らしくないな…なにか)バチバチ


ザーザッザー


??「おかまやろう」


ゼロ「鶏ガラ」


ゼロ「これで助けたのは17回だぞ」


??「俺だって14回助けたろ」

ザーザッザーザー


????「よかった…気づいたのね…」


ア?リ?「目の前で苦しんでいる人に敵も味方も無い…って…」


アイリス「あなたと二人のこの時を…喜んでいる…」


ゼロ「…アイリス…」ガクッ

ゼロ「昔の体の記憶…彼女は一体何者なんだ?」


北方「ゼロ?どうしたの?」


ゼロ「なんでもない。考え事だ」


北方「うぅん…どうして私達と同じになってるの?」


ゼロ(…!無意識に変化したのか)深海棲艦化


北方「いつものゼロもいいけど、お揃いもいい!」


ゼロ「まあ、3人時だけな」ナデナデ


北方「いつもの紅いのだ」


ゼロ「任務があるからな。夜にな」


北方「うん!夜に」


北方「アイリス…一体なにものだ?」

鎮守府 食堂


満潮「なんなのよ。あいつ」ダン!


霞 「私だけ…滅多切りにされた」ギリッ


朝潮「あれは…霞ちゃんがあんな事を言うから」


満潮「てか、なんで深海棲艦がここで拘束されずに自由に生活しているのよ!」


霞 「敵と生活するなんて、頭おかしいんじゃないの」


朝潮「ここは特別なんじゃないですか」


金剛「ヘーイ!新人さーん。どうしました?」


朝潮「本日付で配属されました。朝潮です」ビシッ


金剛「ノンノン。固いのは無しデース。仲間なんだからよろしくねー」


朝潮「…はい。よろしくお願いします」


満潮「あの金剛さんはゼロ…さんをどう思っていますか?」


金剛「ワッツ?ゼロですか」


霞 「私達の教育係なんで知っときたいんです」


金剛「ゼロは速くて強いデース」


3人(参考にならないわ)


金剛「髪が長くて綺麗で、パパデース」


3人「パパ?」

朝潮の部屋


朝潮「お父さんという事は結婚している」


満潮「いや、離婚してシングルファーザーとかあるわよ」


霞 「バツイチね」


満潮「そもそも艦娘じゃないわよね」


霞 「レプリロイドって呼ばれるらしいわ」


朝潮「聞いたこともありません」


満潮「しかも、あいつは手加減して刀しか使わなかったみたいだし」


霞 「ムカつくわ…本当にムカつく」


朝潮「…」スッ


満潮「どうしたのよ?朝潮」


朝潮「ごめんなさい。お手洗いに」

鎮守府 廊下


朝潮「あの人を知り理解すれば強くなれるのかな」ツカツカツカ


??「あら」ドン!


朝潮「ごめんなさい。前を見ていませんでした」


港湾「こちらこそごめんなさい。大丈夫?」


朝潮(ひい!深海棲艦の姫じゃないですか)


港湾「あの本当に大丈夫?」


朝潮「いえ、大丈夫です。(背も胸も色々大きい)」


港湾「今日来た艦娘よね」


朝潮「はい、朝潮といいます」


港湾「港湾棲姫よ。港湾と呼んでね」


朝潮「港湾さんはどちらに?」


港湾「北方を迎えにね。ちょうど来たみたい」

北方「たかいーたかいー」


ゼロ「そんなに肩車が気に入ったのか」


北方「北方はたかいの好き。けど、ゼロはもっと好き」


ゼロ「そうか…」


港湾「私も好きよ///」


ゼロ「北方は愛されてるな」


北方「てれる///」


港湾(伝わり方は違っているけどいいか)


朝潮(優しい顔///)


ゼロ「朝潮どうかしたか?」


朝潮「いえ、なにもありません。失礼します」


ゼロ「まて、朝潮」


朝潮「え…なんでしょうか?」


ゼロ「明日も厳しくいくぞ。覚悟しておけ」


朝潮「…わかりました。失礼します」ショボーン


ゼロ「まて…3人共光るものがある。だから…期待している」


朝潮「ありがとうございます」ピカーン


港湾「隊長さんは大変ね」

朝潮の部屋


満潮「おかえり」


霞 「何?迷ったの」


朝潮「え…そうなんです」


朝潮(私達が強くなり認められたら…あの優しい顔をしてくれるのでしょうか///)

10日後 鎮守府内 執務室


提督「ゼロの教育はどうだった?」


朝潮「厳しいけど、とても勉強になりました」


満潮「実戦でも問題無いわ」


霞 「一回も勝てなかったわよ」


提督「ゼロに勝つのは難しいわよ」


朝潮「そうですか」


提督「明日から睦月と如月とで遠征に行ってもらうわ」


満潮「実戦はないのね」


提督「遠征も重要よ。後、演習でゼロに勝った睦月もいるからね」


霞 「あいつに勝ったのがいるの」


提督「そうよー興味出たでしょ。遠征中に聞いてみてね」

遠征中


朝潮「では、睦月さんと如月さんが最初にゼロさんに会ったんですか?」


睦月「はい、島の調査中に深海棲艦に襲われて」


如月「ゼロさんが颯爽と助けてくれたのよ」


朝潮「そうだったんですか」


満潮「深海棲艦が生活しているのはなんでなの?」


睦月「ゼロさんは港湾さんと暮らしていたんですよ。港湾さんと北方ちゃんはゼロさんを探してここにきたんですよ」


霞 「敵と暮らすってどういう事よ」


如月「それは本人から聞くのが一番よ」

睦月「みんな止まって!」


朝潮「どうしました?」


如月「前方に人型が1体いるわね」


睦月「まだ気づいていないみたいだし。戦闘は回避しましょう」


満潮「ふん!何言ってんのよ。奇襲のチャンスじゃない」


霞 「雑務なんかよりこっちが本業よ」


如月「だめよ!危険すぎるわ」


満潮「臨機応変に対応よ」カチャッ


霞 「あいつを見返してやる」カチャッ


ドォン×4


??「…」ズドーン

鎮守府


ゼロ「カタパルトを遠征海域に向けろ」


提督「援護要請があったのが15分前よ…それからの通信は無し」


ゼロ「オレが一番速い。状況を直ぐに報告する」


提督「お願い…準備が出来次第すぐにレヴィアタンで行くから」


ゼロ(全員…無事でいろよ)

遠征海域


朝潮「…こんなことに…」小破!!


満潮「…」大破!!!


霞 「…」大破!!!


睦月「朝潮ちゃんは二人を抱えて後退して」中破!!


如月「応援が来るまで耐えるのよ」中破!!


朝潮「二人とも中破状態じゃないですか!」


睦月「私達は先輩ですから」ドォン!


如月「頑張らないといけないのよ」ドォン!


朝潮「ぐっ…けど…」


睦月「いいから早く!」ドォン!


如月「ここは鎮守府からそんなに離れていないわ」ドォン!


朝潮「直ぐに応援を連れてきます!」


??「…二ィ」ドオン!


朝潮「きゃあぁぁ」大破!!!


睦月「朝潮ちゃん!」


如月「弱っているのを的確に潰しに来ているわ」


朝潮「…」


睦月「朝潮ちゃんの意識がないよ!」


??「…沈め」ドオン!


如月(直撃…)


睦月(そんな…)

ゼロ「沈むのはお前だ」シュパン!


??(砲弾を斬ったのか!)


ゼロ「待たせたな」


如月「ゼロさん!」


睦月「うぅー怖かったです」


ゼロ「もう少しで指揮船が来る。下がっていろ」


??「きみは強いね…さっきの手ごたえ無くてさ」


ゼロ「弱い者いじめか」


??「先に仕掛けてきたのはそっちだよ」


ゼロ「そうか。それはすまなかった…」


??「ひどいよー生まれたばかりの僕を撃つなんてさ」


ゼロ「引いてはくれないか」


??「無理だね。本能なのかな…艦娘を沈めろって声が聞こえるんだ」


ゼロ「…」チャキッ!ブォン!


??「光る刀なんてカッコいいな!死んだら僕のにするよ」


ゼロ「やってみろ。パーカー女」シューシュタッ!


レ級「戦艦レ級だよ…もっと僕を笑顔にしてよ!」

ゼロ「…」シュパン!シュパッ!ザシュッ!


レ級「ははっ。戦うときは無口なんだね」ガキン!ガキン!ガイン!


ゼロ「おしゃべりな奴だ」シュパン!ザシュッ!


レ級「なら、あの艦娘達がどんな目にあったか聞きたい?」ガキン!ガイン!


ゼロ「…」キュインキュイン!


レ級「強くもないのに挑んでくるしさ。笑っちゃよ」ドオン!ドオン!


ゼロ「…」シューシュタッ!


レ級「もしかして、怒ってる?」ドオン!ドオン!


ゼロ「はぁ!」ザシュッ!


レ級「ぐっ!なんて力だよ。うわっ!燃えてるし」ガキン!


ゼロ「見た目の割に固いな」


レ級「女の子を燃やすとかどうかしてるよ!」


ゼロ「燃やし尽くすつもりだったのだがな」

レ級「…やっぱり怒ってるよね。そんなにあの艦娘が大事?」


ゼロ「仲間を大事にしない奴はいない」


レ級「ふーん。そうなんだ…二ィ」チャキッ!


ゼロ(睦月達を砲撃する気か!)


レ級「足手まといを殺してあげる!」ドオン!ドオン!


ゼロ「やらせるか」シュタッ!


ゼロは砲撃をシールドブーメランで防ぐが


ゼロ(なんて威力だ。海中に影…しまった)


レ級「魚雷で飛んじゃえ」


ゼロ(3本か…間に合え!)


ゼロは素早くチェーンロッドに持ち替えて海中の魚雷に向けて放つ。


3列に並んだ魚雷の右端をチェーンロッドで貫き、中央の魚雷に衝突させて誘爆させる。


轟音と共に3本の水柱が湧き上がる。


レ級「いい手だと思ったのになー」ケラケラ


ゼロ「…決めた」ズズズズズ


レ級「何を?」


ゼロ「オマエヲコロス」深海棲艦化

睦月「3人も運ぶのは時間が…」


如月「急がないと…ゼロさんが時間を稼いでいるうちに」


朝潮「…うーん」


睦月「朝潮ちゃん!大丈夫?」


朝潮「大丈夫です…戦況はどうなっています?」


如月「ゼロさんが撤退の時間を稼いでくれています」


朝潮「ゼロさん一人で戦っているんですか?助けないと」


睦月「あ、ちょっと駄目ですよ」


如月「二人は私が運ぶから!連れ戻して睦月ちゃん」


睦月「わかった。すぐに戻るから」

ゼロ「ハァ!」シュパッ!


レ級「凄い!強いよ!最高だよ!」ガキン!


ゼロ「ウオラ!」ブン!


レ級「うおっと…」ガキン!


ゼロ「…」キュインキュイン!


レ級「質問していい?」


ゼロ「…」キュインキュイン!


レ級「艦娘でもないのにどうして戦うの。いや、どうして深海棲艦なのに戦うの?」


ゼロ「オレハ…レプリロイド。深海棲艦デハナイ」


レ級「はは!自分の姿を見てからいいなよ。あんたはどうしよもないほど僕らと同じだ」


ゼロ「…」


レ級「ねえ?僕と組もうよ。深海棲艦の仲間なんだからさ」


ゼロ「…タトエ深海棲艦ダトシテモオマエラトハチガウ」


レ級「へえー」


ゼロ「オレハ…オレデシカナイ。オレハ…ゼロダ!」キュインキュイン!

ゼロはシールドブーメランを投げる。


レ級(捨て身かな。以外にも挑発にのるとはね)


レ級はシールドブーメランを避け突進するが


レ級「がは!(なんだよ!戻ってくるのかよ)」


ゼロ「テイ!セイ!ハア!」シュパッ!シュパン!ザシュッ!


レ級「くそっ!一旦下がって砲撃だ…」チャキッ!小破!


ゼロ(砲撃か魚雷かのどちらかだ。回避を優先す…)ズドン!


ゼロ(被弾した!後方から…敵増援)


ゼロ「…朝潮」


レ級「二ィ」ドオン!ドオン!ドオン!


ゼロ「…チクショウ」ドギャン!大破!!!

数分前


朝潮「急がないと。いくら強くてもゼロさんだけでは」


朝潮はゼロを助けたいという思いのみで動いていた。


自分が弱い事は理解している。せめて援護射撃で決定打に繋げられればと思っていた。


朝潮「あれは…深海棲艦の仲間割れ?」


朝潮の前では2体の深海棲艦が戦っている。自分達を襲った一体と未確認の一体である。


朝潮「ゼロさんがいない…もしかして、あの二体にやられた」


初陣での自身と仲間の負傷の為か…冷静さを失っていた事もあるが


朝潮は知らなかった…未確認の深海棲艦がゼロ自身である事を


朝潮(このまま何もしない。なんて無理です!)


一体でも減らせれば、増援も戦闘が楽になる。ゼロさんを直ぐに探したい。


朝潮「当たって」ドォン!

レ級「仲間に撃たれるとは、よっぽど信用ないんじゃない?」


ゼロ「…グッ(シールドブーメランを掴み損ねた)」


レ級「けど、邪魔されるのは嫌だし」チャキッ!


ゼロ「朝潮ニゲロ!」


朝潮「えっ…その声は」


レ級「今度はあの艦娘を撃つから。二ィ」


ゼロ(シールドブーメランも無い…なら)シューシュタッ!


レ級「機動力は生きてるみたいだね」ドオン!


ゼロ「ウオオオォォ!」ブン!ドオン!


左手のゼロナックルで全力で砲弾を殴る。


ゼロ「……」ガクッ


レ級「もう限界だね。もっと遊びたかったよ」チャキッ!


ゼロ「…朝潮…にげr…」


朝潮「そんな…ゼロさんだって…知らなかった。私は…わたしはゼロさんを…」ガクガク


レ級「沈め」ドオン!


ゼロ「……」

睦月「だめええぇぇぇ!」バッ!


朝潮「睦月…さん」


睦月「きゃああぁぁぁ!」ドギャン!


ゼロ(…むつ…き…)


睦月「あっ…あぁぁ…」ドォン!ドカン!ボン!


睦月「……」バシャン


睦月「…ゼロさん…大好きでした」ニコッ

報告書


朝潮:大破 精神錯乱状態


満潮:大破 現在回復状態


霞 :大破 現在回復状態


如月:大破 現在回復状態


ゼロ:大破 意識不明重体
      状況から……により回復しても戦線復帰は難しい模様

睦月:轟沈 遺体…回収…出来ず

鎮守府 


満潮「…ここは、鎮守府?」


霞 「…そうみたいね」


満潮「たしか…あの深海棲艦にやられて」


霞 「みんなどこよ?」


ドア<バタン!


満潮・霞「!!」


朝潮「……」フラフラ


満潮「朝潮…どうかした…」


朝潮「……」ボソボソ


霞 「なによ!はっきり言いなさいよ!」


朝潮「わたしの……」


満潮「…」ゴクン


朝潮「わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。わたしのせいだ。」


霞 「ひぃ…どうしたのよ」

武蔵「私が説明する」


満潮・霞「武蔵さん」


武蔵「お前ら二人が睦月の命令を無視し新種の深海棲艦を攻撃。返り討ちにあい大破し気を失った」


満潮・霞「…」


武蔵「その後、睦月・如月・朝潮が負傷しながらもお前らを抱えて後退する」


朝潮「わたしのせいだ…」


武蔵「援護に向かったゼロがお前らを助ける為に殿を務めるのだが、朝潮は命令を無視し援護に向かう」


朝潮「わ…たしの…」


武蔵「ここから先は詳しく聞けていないのだが、ゼロは重傷を負い…睦月は」


満潮・霞「…睦月さんは」


武蔵「轟沈だ」


満潮・霞「……」


武蔵「本来は提督がお前らに直接伝えるべきなんだがな…提督は倒れた」


朝潮「…」


武蔵「では、暫くはここで待機しろ…」


武蔵「いや、何もするな」

工廠


夕張「どいて!ゼロを通すよ」ガラガラ


明石「直ぐに修理装置に入れます」ウィーン


如月「ゼロさん!ゼロさん!」ヨロヨロ


早霜「如月…無理しないで…」


如月「ゼロ…さ…」ドサッ!


早霜「くっ…如月…すぐに治療室に運ぶわ」


夕張「直ぐに修理装置にいれ…」バサッ


明石「どうしたのよ。早くし…」


夕張「これは…ひどい」


明石「…戦線復帰は絶望的よ」

工廠の外


暁 「どうしよう。ゼロさんは重傷だし」


響 「睦月さんは…」


電 「私達もこうなってしまうのでしょうか」


雷 「大丈夫よ…きっと」

あの戦闘から一週間が経過しました。


ゼロさんは工廠内の修理装置で治療中…今も眠ったままです。


満潮さんと霞さんは体は回復したのですが…今回の大敗の原因を作ってしまったショックで元気がありません。


朝潮さんは「ごめんなさい」と呟くだけで、まるで生きる屍のようです。


如月さんは気丈に振舞っていますが、毎日…目が赤く腫れています。


睦月さんは錯乱状態の朝潮さんから聞いた結果…ゼロさんを庇い艤装を完全に破壊され沈んだみたいです。


ご主人はというと港湾姉さんと鶴を折り…ゼロさんの目覚めを願っていました。


北方「ロッポウどうした?ゼロがしんぱいか」


ロッポウ<くぅーん…


北方「だいじょうぶ…ゼロはつよい」ナデナデ


港湾「そう…大丈夫よ」

朝潮の部屋


朝潮「…」


ドア<コンコン!


満潮「朝潮…いるんでしょ?ご飯置いとくから」


朝潮「…」


朝潮(私が余計な事をしなければ…いや、私が戻らなければ。違う…ここに来なければ)


朝潮「…生まれてこなければよかったのかな」

食堂


満潮「とりあえず…置いてきたわ」


霞 「もう3日も食べていないじゃない」


満潮「無理にでも食べさせるしかないわよね」


霞 「生きる事を拒否しているみたい」


満潮「それに…」


霞 「なによ」


満潮「私達はここにいて、いいのかしら…」


霞 「…生き残るのは睦月さんであるべきだった」

鎮守府内 執務室


提督「………」


叢雲「…大丈夫?」


提督「あーうん…ごめん。聞いてなかった」


叢雲「はぁ…無理せずに休んだら」


提督「大丈夫…」


叢雲「倒れたから尚更心配なのよ」


提督「…」


叢雲「ゼロはどうなの?」


提督「目を覚ましたとしても…ゼロはもう……」

執務室 外


??「………!」


??「私のせいだ…私が…」


朝潮「私が…やるんだ」

工廠


ゼロ「…」


朝潮「ゼロさん…ごめんなさい。私が誤射しなければゼロさんもこんなことにならなかったのに」ポロ


ゼロ「…」


朝潮「睦月さんも轟沈する事には…ならなかった」ポロポロ


ゼロ「…」


朝潮「この命で償います」グイ


ゼロ「…」


朝潮「短い間でしたが…お世話になりました」


ゼロ「…」


朝潮「ゼロさん………でした」

鎮守府内 武器庫


朝潮「積めるだけの武器と弾薬を…これを身に着けて」


満潮「どこに行くつもりよ」


朝潮「…訓練です」


霞 「嘘ね…敵討ちに行く気でしょ?」


朝潮「…違います」


満潮「そんなに装備担いで、他にどこに行くっていうのよ」


霞 「あんた…死ぬ気でしょ」


朝潮「くっ…」


満潮「どうして…相談しないのよ!」


霞 「私達は姉妹で仲間でしょ!」


朝潮「私のせいで…ゼロさんと睦月さんはあんな事に」


満潮「それは…」


霞 「わかっているわよ」


朝潮「取り返しのつかない過ちを犯しました。だから…止めないでください」


満潮「止めないわ」


霞 「私も行くわ」


朝潮「えっ?」


満潮「入隊して早々に、こんな失敗をしたのよ」


霞 「どのみち…ここにはいられないわ」


満潮「せめて…あいつに一矢報いてから」


霞 「死んでやる」


満潮「これ以上、ここで腫れもの扱いは嫌だしね」


霞 「直ぐにいなくなったほうが記憶に残らないでしょ?」


朝潮「二人とも…」


??「……」タッタッタッタッ

長門「提督不味いぞ!」


提督「夜中にどうしたの?」


長門「朝潮達がいない」


提督「それって…」


長門「艤装と武器弾薬に爆薬も持ち出されている」


提督「まさか…特攻するつもり」

ゼロ「…」


ロッポウ<ゼロさん!目を覚ませ。お嬢さん達が死ぬ気だ。


ゼロ「…」


ロッポウ<あんたはそんなもんじゃなかったろ!


ゼロ「…」


ロッポウ<「辛」に一閃で「幸」。あんたの刀は一閃かます為にあるんだろ!


ロッポウ<ワオオオオオオン!


ゼロ「…」ピクッ

夕張「工廠で動物の鳴き声?」


明石「まるで狼の遠吠えみたいだったけど」


夕張「ゼロくんしかいないはずですけど」


明石「あの工廠の扉が…」


ドア<ナゼキッタシ…


夕張「うわ!工廠の扉が斬られている!」


明石「ゼロくんもいないわ」


夕張・明石「ということは…」


ロッポウ<日はまた昇る…

海域


朝潮「以上が作戦になります」


満潮「…本気なのね」


霞 「…他に方法はないの?」


朝潮「はい」


満潮「わかったわ」


霞 「どうせ…帰るつもりないしね」


朝潮(悪いけど…二人には生きて帰ってもらいます

数分後


レ級「はあー紅いのは死んじゃったし暇だな」


??「…」チャキッ!ドォン!


レ級「ばればれだよ」ヒョイッ!


満潮「ちっ!避けられた」


レ級「懲りずにまた来たの?」ドオン!


満潮(避けられるのは問題無し)スイー!


レ級「逃さないよ」ドオン!


満潮<朝潮。奴は私に喰い付いた>


朝潮<ここに誘き寄せて>


レ級「見失ったよ。あれ?これは座礁船だ」


レ級の目の前には座礁した軍艦が佇んでいる。


朝潮「一発必中!」ドォン!


レ級「前の誤射ちゃん、久しぶり」ガキン!


朝潮「誤射ちゃんではありません!朝潮型駆逐艦の朝潮です」ドォン!ドォン!


レ級「どうでもいいよ!沈むんだからさ」ドオン!


朝潮<今です!>


満潮「喰らいなさい!」ドォン!ドォン!


霞 「ガンガン撃つわよ!」ドォン!ドォン!


座礁船に隠れていた満潮と霞は朝潮の指示で奇襲を掛ける。


レ級「いてっ!待ち伏せかよ」

朝潮「はあああぁぁ!」ブン!


レ級「特攻とは大胆だね」ガシッ!


朝潮(…よし)カチッ!チュドーン!


レ級「うわぁ!」


朝潮の手にしていた魚雷は爆薬の抜かれたフェイクであり、本命は海中に設置した機雷であった。


レ級(海中に機雷を設置していたのか。けど…)


朝潮「くっ…!」小破!


レ級「自分が負傷しちゃったら意味ないよね」ドオン


朝潮<援護してください>ヒュイ!


満潮「了解よ」ドォン!ドォン!


霞 「次に移るわ」ドォン!ドォン!


レ級「逃すかよ!」


満潮<奴はあんたを追っているわ>


朝潮<わかりました…このまま誘き出します>


霞 <あんた…本当にこれしかないの>


朝潮<ごめんなさい>

レ級「船の中に隠れたみたいだけど…」


朝潮「…」


レ級「ねえー遊ぼうよ」ニィ


朝潮<お願い>


満潮「…」ドォン!


レ級「あれ?閉じ込められたかな」


朝潮(はぁはぁ…小破なら大丈夫です)ズキッ!


レ級「まあいいや。二人だけで遊ぼうよ」


朝潮(…睦月さんは沈む時、痛かったのかな…)


レ級「ねぇー遊んでよ」


朝潮(睦月さん…ごめんなさい。私は…)

レ級「どこだよ」


朝潮「ここです」バッ!ドォン!ドォン!


レ級「かくれんぼ終わりだ」ドオン!


朝潮「きゃぁ!」ゴロゴロ!


レ級「前の艦娘はすぐ殺しちゃったからさ。じっくり楽しんでから殺すよ」


朝潮「ぐっ…うわぁぁぁ!」ドォン!ドォン!ドォン!


レ級「だから、無駄だよ」ガシッ!


朝潮「ぐっ…うぅ…」


朝潮(ごめんなさい…睦月さん)


レ級「えっ…なに?」


朝潮「…楽に…死んで…ごめん…なさい」カチッ!

座礁船 外


満潮「朝潮!聞こえないの」


霞 「どうしたのよ!」


満潮「連絡が途絶え…」


座礁船<ボン!ドカーン!!ガラガラ!


霞 「冗談でしょ…」


満潮「話が違うじゃない…あいつを閉じ込めて爆破じゃなかったの」

爆発した座礁船からは黒煙が上がり、周りは火の海だ。


霞 「そんなのはいいわ。朝潮を探すわよ」


満潮「わかっているわよ」


パチパチ!メラメラ!


満潮「朝潮いるんでしょ?出てきなさいよ」


霞 「いたわ!こっちよ」


朝潮「」大破!!!


満潮「こんな作戦立てないでよね」ガシッ


霞 「自分だけで解決しようとするんじゃないわよ」ガシッ


朝潮「…」バシャーポタポタ


満潮「ずぶ濡れだし、艤装は…海上移動すら出来ないわね」

霞 「独りで抱え込むんじゃないわよ」


朝潮「…て…」


満潮「え?なによ」


朝潮「…げ…て」


霞 「はっきり言いなさいよ」


朝潮「に…げて…」


満潮「…不味い!」


レ級「遅いね」ドオン!


満潮・霞「きゃあぁぁぁ!」大破!!!


レ級「やられたよ…」中破!!


レ級「あんたらがここまでやるとはね。けど、爆発力が足りなかったね」


朝潮「…みな…」


満潮「…うぅ…」


霞 「…くそ…」


レ級「仲良く吹っ飛ばしてあげる」チャキッ!


朝潮「…ゼロ…さ…ん…さよ…なら」

ブォン!ブオオォォォ!


レ級「へっ?」ゴシャメキ!ドン!


ゼロ「固いな」ブォン!ブォン!


ゼロは水上バイクでレ級を撥ね飛ばす。


朝潮(また、助けられてしまいました)


ゼロ「気を失ったか。満潮と霞は動けるか?」


満潮「大丈夫よ」


霞 「あんた…そのマントは何よ?」


ゼロ「どうでもいいだろ。朝潮を運び隠れていろ」バサッ!


ブォン!ブオオォォォ!


レ級「なんだよ!そのマントはカッコつけてるの?」ドオン!


ゼロ「…」ブオオォォォ!


レ級「いいや。吹き飛べ!」ドオン!


ゼロ「…はっ!」


ドカーン!


レ級「よくも撥ね飛ばしたな。木端微塵だ!」

水上バイクごとゼロを吹き飛ばしたと思ったレ級だったが


ゼロ「断地炎」ボワッ!ドドドド!


レ級「ぐあっ…(また炎かよ)当たれ!」ドオン!


ゼロ「雑だな」シューシュタッ!


レ級「遊びは終わりだ!本気でいくよ」ドオン!


ゼロ「…」シューシュタッ!


レ級「畜生!当たれよ!」ドオン!ドオン!


ゼロ「時間がない…すぐに終わらせる」キュインキュイン!


ゼロ「双幻夢!」ブォン!


レ級「分身した!」


ゼロ「いくぞ!」シャー!


レ級「やっぱり、あんたは最高だ」ドオン!


ゼロ「ふん!」ガキン!


レ級の砲弾を斬り弾き突進する


ゼロ「龍炎刀」ゴオォォ!×2


2体のゼロは炎を纏ったZセイバーでレ級を斬り上げる。


レ級「ぐわっ!」


ゼロ「てぃ!せぃ!はあ!」×2


レ級(連撃が…二人分)


ゼロ「これで最後だ」×2


ゼロは空中で回転する事で勢いを付け


ゼロ「一刀両断」シュパン!


レ級「ぐあぁぁぁ!」大破!!!


ゼロ「ぐっ…無理し過ぎたか」ガクッ!


レ級「畜生…覚えてろよ!」バシャン!ブクブク


ゼロ「奴も暫くは動けないはずだ」

座礁船 残骸


ゼロ「おい!3人とも無事か?」


シーン…


ゼロ「…船内に隠れたか」シューシュタッ!


満潮「きゃぁ!」


ゼロ「満潮か。大丈夫か?」


満潮「いきなり出てこないでよ。驚いたじゃない!」


ゼロ「それだけ叫べるなら問題ないな」


満潮「あの深海棲艦は倒したの?」


ゼロ「悪いが逃げられた」


満潮「そう。やっぱり…強いのね」


ゼロ「二人はどこにいる」


満潮「こっちよ。着いて来て」

朝潮「…」


霞 「しっかりしなさいよ…」


満潮「朝潮はどう?」


霞 「気を失ったままよ…」


ゼロ「診せてみろ」


霞 「あんた…あいつに勝ったの?」


満潮「逃げられたみたいだけど、ここは安全みたいよ」


ゼロ「全身打撲に脳震とうか」


霞 「ねぇ?大丈夫なの」


ゼロ「安静にしていれば問題無い。ただ…」


朝潮「…」ブルブル


ゼロ「これ以上体を冷やすのは不味いな」


満潮「どうすればいいの?」


ゼロ「これで暖をとれ。オレは船内に使えそうな物がないか探してくる」ブン!


霞 「うわ!火が付いた」


満潮「マントなんか羽織って魔法使いね」

数分後


満潮「どうだった?」


ゼロ「修理用工具に救急セットを見つけた」


霞 「工具なんてどうするのよ?」


ゼロ「可能ならお前らの艤装を修理する。まずは朝潮をどうにかしないとな」


満潮「暖を取っても服が濡れているから震えが止まらないわ」


朝潮「…」ブル…ブル…


ゼロ「船内を探したが服の代わりになるものはなかった」


霞 「あんたのマントがあるでしょ」


ゼロ「!」


満潮「悪いけど緊急事態だから借りるわよ」バサッ!


ゼロ「…」


満潮・霞「!」


満潮「…どうして…」


霞 「あんた…左腕が…」


  「左腕がないのよ…」

数時間後


朝潮「…ここは…」


霞 「よかった。目を覚ましたわ」


朝潮「あの…」


霞 「あいつはゼロが追い返したから安心して」


朝潮「ゼロさんが…つぅ…」グッ


霞 「まだ安静にしてなさいよ」


朝潮「…あの…服を着ていないのは」


霞 「ゼロが体を冷やすと不味いからって私と満潮で脱がしたわ」


朝潮「そう…ですか…」


霞 「代わりの服が無いから、ゼロのマントで我慢しなさい」


朝潮「これ…ゼロさんのマントなんですか///」


霞 「いやなら他を探すわよ」


朝潮「いや!これがいいんです。これが…必要なんです」スンスン


霞 「そ…そう。まだ寝てれば」


朝潮「そうします…安心したらまた…ねむく」スヤー

隣の部屋


ゼロ「なんとか修理出来たな」


満潮「あなた修理も出来るのね」


ゼロ「一年間ぐらい旅(1と2の間)をしていた時期があってな。その時に最低限の事は独学で学んだ」


満潮「へぇー」


ゼロ「プロには劣るがな」


満潮「うん。起動も問題ないわ」


ゼロ「船内に修理材料があったのが幸いだった」


満潮「現地調達で私と霞の艤装を小破状態まで修理するなんて」


ゼロ「オレはここで朝潮と待機する。霞と二人で増援部隊を呼んで来てくれ」


満潮「あなたもしかして修理完了せずにここに来たの?」


ゼロ「…」


満潮「やっぱり…水上バイクに乗ってきたのはそういうことね」


ゼロ「あれは移動の為だ。確かにバランス調整が完了していないが…」


満潮「それでも本調子じゃないんでしょ」


ゼロ「…もういいだろ。準備しろ」ガチャン


満潮「…戻ったらちゃんと修理してよね」ボソッ

朝潮「うーん」ムクッ


ゼロ「体は大丈夫か?」


朝潮「えっ…はい。いつでも出撃可能です…うっ」ズキッ


ゼロ「まだ安静にしていろ。満潮と霞が増援を呼びに行っている」


朝潮「そうですか」


ゼロ「満潮から聞いた。随分無茶をしたらしいな」


朝潮「そうでもしなければ!あの…その左腕は」


ゼロ「…だめだったようだな。起きた時にはこうなっていた」


朝潮「そんな…私は睦月さんだけでなくゼロさんの左腕も…」ガクガクブルブル


ゼロ「落ち着け。お前のせいではない」


朝潮「私がゼロさんを誤射しなければ、睦月さんも左腕も…」ブルブル


ゼロ(不味いな…かなり動揺している。落ち着かせるには)


朝潮「あ…あぁ…やっぱり、私が死ぬべきだったんだ」ガクブル


ゼロ「お前は悪くない。オレが深海棲艦化を隠していたのが原因だ」ダキッ


朝潮「あぅ///」


ゼロ「睦月のことは…オレが助けられなかったのが悪いんだ」


朝潮「でも…それでも」


ゼロ「今は生きろ…死ぬなんて言うな」


  「独りで抱え込みむな」


朝潮「うっ…うわあぁぁぁん」ポロポロ


ゼロ「気が済むまでこうしてやる」ナデナデ

場所不明 


??「…ここはどこですか?」


??「よかった。意識が回復して」


??「えっ?」


??「あなたは一週間以上は意識がなかったのよ」


??「そんなにですか」


??「そうよ。ところでお名前は」


睦月「睦月型駆逐艦1番艦の睦月です。あなたは」




アイリス「私はアイリスといいます。よろしくね。睦月ちゃん」

アイリスキタ━(゚∀゚)━!

アイリスキタ━(゚∀゚)━!

睦月「アイリスさんですか。助けてくれてありがとうございます」


アイリス「やっぱり艦娘だったのね。珍しい患者さんだと思ったけど」


睦月「アイリスさんはお医者さんなんですか?」


アイリス「治療も修理も出来るだけですよ」


睦月「すごいです!ここはどこですか?」


ドア<バタン!ガラガラ!


駆逐棲姫「…様患者だよ!」


睦月「…深海棲艦…」


駆逐「あ、起きたんだ。よかったね」


アイリス「睦月ちゃんごめんね。後で話すわ」


睦月「え…あの…」アセアセ


駆逐「大丈夫よ。襲わないから」


睦月「え…あ、はい」

1時間後


アイリス「ふぅ…そんなに酷いけがじゃなくてよかったわ」フキフキ


駆逐「ベットまで運びますね」


アイリス「お願いね」


睦月「あの…ここは一体」


アイリス「ごめんね。さて、どこから説明すればいいでしょうか?」


睦月「じゃあ、ここが…」


ドア<バタン!


レ級「あんた…医者なんだろ!僕を治療して戦えるようにしろ!」


睦月「ひぃ…」ブルブル


レ級「お前…僕が沈めた艦娘じゃん。なんでここにいるんだよ!」


アイリス「私が治療しました」


レ級「お前が?僕はここに治療と修理のうまい深海棲艦がいるって聞いたんだけど」


アイリス「武器を降ろして下さい」


レ級「いやだね!こいつは沈める。そして、あの紅いのも必ず沈める」


睦月「あ…ぁ…」ガクブル


アイリス「…ここは傷ついた者を治療する場所です。戦闘禁止の中立エリアです」

レ級「知るか!僕は直ぐに戦う…」


アイリス「だめですよ」ガシッ!ビタン!


レ級「うぐっ…」


睦月(そんな…一瞬で抑えこんだ)


アイリス「ここではここのルールに従ってもらいます」ニコッ


レ級「くっ…」ポロッ…ガコン!


睦月「え…それは!」


レ級「そうだよ…あの紅い奴の左腕だよ。僕が逃げた時に海に沈んでいたんだ」


睦月「あ…ぁ…そんな…」震える手でゼロの左腕を拾い抱きしめる


レ級「どう?守ったと思ったら死んでたなんてショック過ぎるかな(大嘘)」ケラケラ


睦月「…ゼロさん」


アイリス「!」

レ級「へっ…ざまあな…ぐはっ!」


アイリス「…詳しい話を聞かせて下さい」ガシャン…ガラガラ


睦月(アイリスさんの服みたいなものが外れて…髪の色も茶色から黒に…)


レキュ「あんた…なんなんだよ」


アイリス「名前はアイリスです。けど、深海棲艦の方々には…」深海棲艦化


戦艦水鬼「…戦艦水鬼と呼ばれています。軍人からは勲章狩りと恐れられています」ニコッ


睦月(ゼロさんにキスした女の人だ!!!!)

アイリス「あなたはゼロを殺したんですか?」ギリギリ!


レ級「…ぐっ…うぅ…」ミチミチ


アイリス「どうなんですか?」ギリミチ


レ級「…」


睦月「アイリスさん!死んじゃいますよ」アタフタ


アイリス「ごめんなさい。ゼロの事でつい…」


睦月(ゼロって呼び捨てなんだ…)


レ級「げほっ!ごほっ!」


アイリス「正直に答えてください。ゼロはどうなったんですか?」


レ級「左腕が無いだけであいつは生きてるよ」


アイリス「そうですか…けど」ガシッ!


レ級「うぐっ!」メキメキ…


アイリス「ゼロの腕を破壊し睦月ちゃんを沈めた事実はかわりません」


レ級「あ…よせ…やめて…」


アイリス「あなたの行動には正義がありません」


レ級「お願い…しま…」

睦月「アイリスさん!こんな事をしてもゼロさんは喜びません。止してください」


アイリス「…正義が」


睦月「私はこの人を許しますから…やめてください」ポロポロ


アイリス「…わかりました」


レ級「はぁ…はぁ…」ガクッ


睦月「うぅーよかったです」


アイリス「睦月ちゃん。あなたはとても優しいのね」ナデナデ


睦月「アイリスさん…」


アイリス「あなたはこのままでいてね」ニコッ


睦月「え?」


アイリス「あなたの名前は?」


レ級「…レ級だよ」


アイリス「レ級ちゃんね。先程はごめんなさい」


レ級「あ…うん。ごめん」

睦月「なんとなく部屋を出ちゃったけど…ここはどこなんでしょうか?」


駆逐「詳しい場所は言えないけど沈んだ船や潜水艦で出来た隠れ家のような場所だよ」


睦月「えっと…さっきいた」


駆逐「駆逐棲姫だよ。駆逐とでも呼んでよ」


睦月「じゃあ、駆逐さんで」


駆逐「戦う気がないなら仲良くしようよ」


睦月「はい。あのここも気になるのですが」


駆逐「アイリスさんのことでしょ?」


睦月「はい」


駆逐「あの人は普段はとても優しいんだけどね」


睦月「アイリスさんが勲章狩りなんて信じられないんです」


駆逐「そうだね…説明が必要だよね」


  「ねえ…本当はこの戦いが数十年前に終わるはずだったって聞いたらどう思う?」

座礁船


ゼロ「落ち着いたか」


朝潮「はい…もう大丈夫です///」


ゼロ「気にするな」


朝潮「そう言ってもらえると助かります」


ゼロ「父親らしい事は出来たか?」


朝潮「え?」


ゼロ「朝潮…お前は父親という存在に憧れがあるのか」


朝潮「……///」


ゼロ「聞こえていたんだ」

回想


ゼロ「…」


朝潮「短い間でしたが…お世話になりました」


ゼロ「…」


朝潮「ゼロさん…私の理想の父親でした」


回想終了

ゼロ「聞こえてはいたが体が動かなくてな…」


朝潮「…」


ゼロ「朝潮どうした?」


朝潮「…どうして聞くのですか」


ゼロ「今はオレとお前しかいないからな」


朝潮(気を使ってくれたのでしょうか)


朝潮「…ゼロさんが北方ちゃんに接するのを見ていて思ったんです」


ゼロ「…」


朝潮「艦娘である私にもお父さんがいたらあんな風に褒められたり、叱ってくれたり、遊んでくれたりとかしてくれたのかなって」


ゼロ(…艦娘は生まれた方は人間とは違い両親という存在がいない。両親からの愛情というものを知らない)


朝潮「だから、お父さんに甘えているみたいで北方ちゃんが羨ましかったんです」


ゼロ(朝潮の場合は真面目な性格だから特に難しかったんだろうな)


ゼロ「そうか…話してくれてありがとうな」


朝潮「はい…ゼロさん」


ゼロ「なんだ」


朝潮「この事は、二人だけの秘密にしてください///」


ゼロ「わかっている」


朝潮「それと…たまになら甘えてもいいですか?」


ゼロ「好きにしろ」


朝潮「じゃあ…さっそくですが///」ダキッ


ゼロ「増援が来るまでだ」


朝潮「はい///」

翌日


ドア<コンコン!


如月「あら…はいはい。ちょっと待ってね」ガチャッ


朝潮・満潮・霞「…」


如月「3人ともどうしたの?」


朝潮・満潮・霞「前の作戦の時は…本当にごめんなさい」


如月「!どうしたの?いきなり」


朝潮「ちゃんと…謝罪する事が出来なかったので」


満潮「時間は掛かっちゃったけど」


霞 「避けて通れない」


如月「…そう」


朝潮「謝ったところで睦月さんは帰ってこないですけど…」


満潮「それでもこれは言いたかったんです」


霞 「許してもらえないかもしれないけど…」


如月「そうね。睦月ちゃんはもう二度と帰って来ないわ…」


3人「…」


如月「だから、こんなに悲しい事が二度と怒らない様に頑張りましょう」


3人「はい…ありがとうございます」


如月「改めてよろしくね」


朝潮「あの如月さん…その荷物は?」


如月「これね。私の荷物なんだけど隣の睦月ちゃんの部屋で生活しようと思って…」


満潮「親友でしたものね」


如月「本当は駄目だってわかっているけど…決心がつかなくて」


朝潮「手伝います」


霞 「無理に手放すことは無いと思うわ」


如月「…ありがとうね」

工廠前


ゼロ「次からは気を付けよう…」カーンカーン!


妖精さん1<どうしたです?


妖精さん2<提督に扉を壊した事を怒られたみたいです


妖精さん3<だか、一人で修理してるのです


妖精さん4<片腕なら大変なのです


妖精さん5<男の意地らしいです


ゼロ「…見世物ではないぞ」カーンカーン!


妖精さん達<きゃー


ゼロ「しかし、綺麗に斬れたものだな。通常出力でこれなら最大出力なら…試してみるか」カチャッ


朝潮「ゼロさん」


ゼロ「朝潮か。何か用か」ビクッ!


朝潮「いえ、一人で何をしているのかと思いまして」


ゼロ「見ての通り提督に命じられて扉の修理だ」


朝潮「刀の出力変えよとしてましたよね」


ゼロ「…休憩だ」


朝潮「そうですか」


ゼロ「…さて、再開するか」カーンカーン!


朝潮「私もやります」


ゼロ「提督からはオレ一人でやれと言われたんだ」


朝潮「…片腕では不便じゃないですか」


ゼロ「右腕だけの生活に慣れるためだ。それにまた命令違反か?」


朝潮「なら私はゼロさんの左腕になります。それなら二人で一人とみなされます」


ゼロ「暴論だな」


朝潮「そうですね」


ゼロ「そこを抑えてくれ」


朝潮「はい!」

工廠付近


満潮「心配なさそうね」


霞 「…なんか懐いているわね」


満潮「邪魔しちゃ悪いし行くわよ」


霞 「もしかして、座礁船で待機している時になにかあったんじゃないの?」


満潮「さあね。行くわよ」


霞 「ちょっと!心配じゃないの」


満潮「大丈夫よ。朝潮があんなに楽しそうな顔しているから」

鎮守府


「こんにちは!エクスプレス運送です」


あきつ丸「お疲れ様であります。今日はヴァン殿でありますね」


「そうなんです。姉さんは休みなんですよ。印鑑かサインください」


あきつ丸「はい。サインでありますね」カキカキ


「ありがとうございます。これからもエクスプレス運送をお願いします!」


あきつ丸「元気な少年はいいでありますな」


<マイク・ハガーに一票をお願い致します!


あきつ丸「選挙も近いから気合いが入っておられますな。さて、荷物は」


荷物<寒冷地より愛をこめて


あきつ丸「これは…響殿に知らせないとヴェールヌイ殿からのビデオレターであります」タッタッタッタ!

響とヴェールヌイは別人で進めます


レヴィアタン「お子様4人組じゃない。随分と楽しそうね」


暁 「お子様じゃないわ!レディよ」


響 「妹からビデオレターが届いたんだ」


雷 「これからみんなで見ようとしてしていたのよ」


電 「ゼロさんにも見てもらおうとしていたのです」


レヴィアタン「ゼロなら工廠でメンテナンス中だから時間が掛かるわよ」


響 「そうか…残念だよ」


雷 「後で写真を見せてあげましょう」


電 「早くみたいのです」


レヴィアタン「私も一緒に見ていいかしら?」


暁 「えーレヴィアタンさんが…」


レヴィアタン「ほら、お菓子もあるわよ」


暁  「さあ!響の部屋に行くわよ」


他3人「ちょろいわね。ちょろいわ。ちょろいのです」

響の部屋


PC<準備いいよ


レヴィアタン(そういえば、艦娘の部屋に入るのは初めてね。あれ?)


レヴィアタン「この部屋には寝具がないの?」


暁 「!」


雷 「それは暁の部屋でみんなで寝てるからよ」


レヴィアタン「へえーみんな仲がいいのね」


電 (本当は暁が一人で寝れないからです)


暁 「再生するわよ!」


照れ顔で両手でピースをしている響にそっくりな少女が映る。

ヴェールヌイ「みんな元気かな?私は元気だよ」


響 「あぁ、元気そうだよ」


雷 「ちゃんと食べてるみたいね。顔色もいいわ」


レヴィアタン「確かに響にそっくりね。なんでこの娘だけここにいないの?」


暁 「ヴェールヌイは生まれつき寒さに強いのよ」


電 「寒冷地での試験運用で選出されたのです」


響 「末っ子だから心配だったんだ…よかったよ」


ヴェールヌイ「こっちは寒いけど私は大丈夫だよ。みんなはどうかな?」


暁 「大丈夫よ。たまに天気が悪いぐらいよ」

カメラを待って移動するヴェールヌイ


ヴェールヌイ「これからこの基地の仲間を紹介するよ」


雷 「向こうに基地を紹介するみたいね」


ヴェールヌイ「司令官。失礼するよ」コンコン


??「おぉ、ヴェールヌイか。いいぞ」


司令室に入室すると軍服を着たスキンヘッドの男が映る。


ヴェールヌイ「司令官。自己紹介をお願いします」


寒冷「この寒冷前線基地司令官の寒冷だ。ヴェールヌイの同志達よ。始めましてだな」


響 「少し見た目が怖いね」


雷 「強そうだわ」


電 「けど、ヴェールヌイを見る目は優しいのです」


ヴェールヌイ「司令官は見た目は怖いかもしれないけど、とっても優しいんだよ」


寒冷「仲間は優しく時には厳しく接する…そして、敵は」


寒冷・ヴェールヌイ「便所に隠れていても息の根を止めてやる!」


鎮守府の四人「……」


寒冷「ヴェールヌイも言うようになったか。HAHAHA」


ヴェールヌイ「出撃の度に言ってるからね。覚えるさ」


寒冷「そうだ!そちらの国にいる私の愛娘がアイドルとしてデビューしているから応援してくれ。銀髪の可愛らしい娘でな。」


  「デュエットでデビューして、もう一人も女性も美人なんだが…やはり、娘が…」


ヴェールヌイ「長いからカットしたよ。CDを入れておくから聞いてね」


暁 「これがCDみたいね」


雷 「とっても綺麗な二人組ね。銀髪の子が寒冷司令官の娘かしら」


電 「もう一人は大人っぽくてセクシーなのです」


響 (違う世界線なら私と叢雲さんで歌っていたのかな…)

再び基地内を移動するヴェールヌイ


ヴェールヌイ「司令官は娘さんの話が始まると止まらなくて…では、次行くよ」


??「グワー。カメラなんて持ってどうしたグワー」


ヴェールヌイ「ペンギーゴさん。姉さん達に送るビデオレターを撮っていたんだよ」


ペンギーコ「グワー。姉さん思いでいい娘グワー」シクシク


マイマイン「どうした。何かの撮影か?」


キバトトス「おう、ヴェールヌイよ。アイス食うか?」


バッファリオ「僕と雪だるまを作るブモー」


ヴェールヌイ「ちょうどよかったよ。ビデオレターを撮っていたんだ」


マイマイン「そうか。それは関心だな」


キバトトス「ヴェールヌイはいい娘だぞ。よくアイスを奢ってやっているんだ」


バッファリオ「雪だるまを一緒に作るブモー」


レヴィアタン「…どこから突っ込むべきなの?」

暁 「なんか変わった人達ね」


レヴィアタン(人じゃないわ!レプリロイドよ)


響 「ヴェールヌイは大事にされているね」


レヴィアタン(ネオアルカディアのデータバンクで見た事あったわね…)


電 「優しい仲間がいてよかったのです」


レヴィアタン(動くレプリロイド博物館ね)


雷 「大きくて元気がよさそうね」


ペンギーコ「ヴェールヌイはここに来た時はよく寂しくて泣いていたグワー」


ヴェールヌイ「ちょっと///」


バッファリオ「ばれていないと思っていたブモー?」


キバトトス「目が腫れていたからな」


ヴェールヌイ「///」カアァァ


ヴォルファング「おーい!飯の時間だぞ」


ヴェールヌイ「つ、続きはご飯を食べてから」タッタッタッタ!


ヴォルファング「なんだ?腹減ってたのか?」

暁 「やっぱり…寂しかったのね」


響 「今は大丈夫そうだけどね」


レヴィアタン「氷属性のレプリロイドが揃っているわね」


雷 「レヴィアタンさんどうかした?」


レヴィアタン「大丈夫よ」


電 「続きを見るのです」

再び撮影しながら移動するヴェールヌイ


ヴェールヌイ「さっきの話は、先輩達の冗談だからね」


4人 「泣いたのね…」


ヴェールヌイ「ここは寒冷地にあるけど、基地内は暖房のおかげで暖かいんだよ」


ドア<ウィーン!


ヴェールヌイ「ここが電気設備の部屋だよ。基地の電気はここで出来ているんだよ」


マンドリラー「ぬわーどうした?バッテリーが切れたか?」


ヴェールヌイ「マンドリラーさんは電気係で基地の電気と部屋の電気を担当しているんだよ」


マンドリラー「2週間分の電気は大丈夫だあ」


響 「寒冷地だから大変だろうね」


レヴィアタン(そうじゃないわ!普通は電気作らないでしょ)

ヴェールヌイ「これで基地の紹介は終わるよ。どうかな?うまく撮れてたかな」


暁・電・雷・響「よかったよ」ナノデス


ヴェールヌイ「私はここで頑張っているよ。だから、姉さん達も頑張ってね」


暁・電・雷・響「…」


ヴェールヌイ「次は直接会えるといいね。それじゃあ、またね」


PC<終了っす


暁 「私達も負けてられないわね」


響 「こっちもビデオレターを撮って送ろうよ」


雷 「そうね。それがいいわ」


電 「なのです」


レヴィアタン「いいものね。姉妹って」


レヴィアタン(あいつらも兄妹と言えるのかしら…嫌だわ)

工廠


夕張「メンテナンスは終わりよ。なにか気になることはある?」


ゼロ「体は問題無いが」


夕張「やっぱり何かあるの?」


ゼロ「フレイムチップを装備してからなんだが、今まで使った事のない技が使えるようになったんだ」


夕張「フレイムチップの機能は確か…チャージ攻撃に炎属性が付くのよね」


ゼロ「そうだ。だが、チャージせずに炎を纏う攻撃が可能になった」ピッ


PC<情報掲示する


ゼロ 装備品 Zセイバー(2本) チップ フレイムチップ
       トリプルロッド      ????チップ
       チェーンロッド      ????チップ

   炎攻撃 龍炎刀…炎を纏い斬り上げる
       断地炎…炎を纏い空中から地面に向かって貫く


   双幻夢 エネルギー体による攻撃が可能になる
   落鳳波 地面に拳を叩き付け、周囲にエネルギー弾を射出する


夕張「戦闘が有利になるからいいけど、どうして使えるかがわからないのが気になるわね」


ゼロ「昔の体の機能が使えるようになったか」


明石「私らはある程度の修理は出来るけど、ゼロくんの機能を引き出す事は出来ないからね」


ゼロ「オレは強くなる必要がある…力を得られるならそれでいい」バサッ!


  「今は力が…圧倒的な力が必要だ」バタン!


ドア<あっ…斬らないんですね


夕張「睦月ちゃんの事気にしているわね」


明石「自分だって負傷しているのに…」


夕張「港湾さんに北方ちゃんが来てから優しい顔をするようになったのに…」


明石「あれは過去にトラウマがあるわ…女性関係の」


夕張「そうでなければ訓練時間を倍に増やしたりしないわよね」


明石「過去に救えなかった女性がいて今も思い出す」


夕張「けど、ゼロくんは前の体とその時の記憶を失っているみたいだけど」


明石「いや、ゼロくんのゴースト(魂)が囁いているのよ」


夕張「映画もうすぐね」

ドア<コンコン!


ゼロ「朝潮いるか」


朝潮「はい。なんでしょうか」ガチャッ


ゼロ「訓練に付き合ってもらっていいか?」


朝潮「勿論です!直ぐに準備します」


ゼロ「昼食後に演習場で頼む」


朝潮「はい!」ビシッ!


朝潮(些細な事でも私を頼ってくれるなら私は全力でそれに答えます)


霞 「…」

ゼロの部屋


ゼロ(シールドブーメランも左腕と共に沈んだからな…戦い方を変える必要があるな)


睦月(回想)「…ゼロさん…大好きでした」ニコッ


ゼロ「…」ギリギリ!


ゼロ「このままでは駄目だ…」


港湾「強くなるのはいいけど無理はしないでね」


ゼロ「港湾か」


港湾「深刻な顔をしていたから話しかけずらかったわ」


ゼロ「悪いな…」


港湾「いいのよ…あなたが無事ならそれで」


ゼロ「いや、オレだけでなく部隊も無事であるべきだった」


港湾「…睦月ちゃんね」


ゼロ「誰も死なせないなんて言っときながら…」


港湾「ゼロ…あなたは皆より強いだけで神様と言うわけではないのよ」アスナロダキッ


ゼロ「…港湾」


港湾「私と北方はあなたが必要なの」


ゼロ「…すまない」


港湾「ゼロ///」


ドアの隙間


霞 (朝潮を訓練に付き合わせようとしてると思ったら捕虜といちゃついてるじゃない!)

食堂


朝潮「食べ過ぎないように適度にしないと♪」


鳳翔「朝潮ちゃんご機嫌ね。いい事あったの?」


朝潮「あ!いえ、午後からはゼロさんと訓練なんで…」


鳳翔「ゼロくんとね。それは楽しみよね」


朝潮「…///」


鳳翔「あらあら」

演習場 午後


ゼロ「来たか」


朝潮「もしかして遅かったですか?」


ゼロ「いや大丈夫だ」


朝潮「では、私は何をすればいいのでしょうか?」


ゼロ「弾切れになるまでオレを撃て」


朝潮「…ゼロさんをですか」


ゼロ「オレは弾を弾くか避けるしかしない。朝潮はオレに捕まったら負けだ」


朝潮「…捕まったら///」


ゼロ「盾がないなら回避に集中するしかない。相手の攻撃を喰らわずに接近する必要がある」


朝潮「わかりました…では、遠慮なく撃たせてもらいます」


ゼロ「…前の事は気にするな。全力で来い」


朝潮「はい!わかりました」


ーーーーー


朝潮「はぁ…はぁ…」


ゼロ「今日はここまでだな」


朝潮(一発も当てれなかった…)


ゼロ「狙いは正確だ。後は予測して撃つ事も必要だ」


朝潮「…はい」


ゼロ「移動の時は波に乗りダッシュするんだ」


朝潮「なるほど(ダッシュとは加速でしょうか?)」


ゼロ「今日はここまでだな。夕食の時間だ」


朝潮「はい!」

その日の深夜


暁 「…トイレ」ムクッ


トイレまでの廊下


暁 「こ…怖くないわ…レディだから」テクテク


如月の部屋 前


??「今日も大変だったわ」


??「そうだったんですか?」


暁 「あれ…まだ起きてる人がいる?」


如月「けどね。それでも楽しいわよ」


睦月「そうですよね。楽しいのは一番です」


暁 「如月さんらは夜更かししても平気なのね…」


暁 「…」ビクッ!


暁 (どうして…睦月さんの声が聞こえるの。だって、睦月さんは轟沈しちゃったのに)ビクビク


如月「ふふふ」


睦月「あはは」


暁 「ひぃ」

一週間後 執務室


ゼロ「提督、話はなんだ?」 


提督「如月の事のなんだけど」


ゼロ「如月がどうかしたのか」


提督「…最近ね。ある噂が流れているのよ」


ゼロ「なんだ」


提督「睦月の幽霊が鎮守府に出現するって…」


ゼロ「…」


提督「そんな訳がないのはわかっているわ。けど、聞いた艦娘がいるの」


ゼロ「状況は」


提督「一週間前に暁が夜中に睦月の声を聞いたのから始まったわ」


ゼロ「暁の証言は」


提督「夜中にトイレに起きた時に如月の部屋で聞いたみたい」


ゼロ「それでか…」


提督「え?」


ゼロ「いや、続けてくれ」

一週間前 ゼロの部屋 回想


ドア<コンコン


ゼロ「だれだ」


暁 「暁よ…」ガチャッ


ゼロ「布団なんて持ってどうした?」


暁 「えっと…飲物をこぼしちゃったのよ!だから、ゼロの力で乾かしてほしいの」アタフタ


ゼロ「干せばいいだろ?」


暁 「えっと、あの…電の布団なのよ!」


ゼロ「電にばれたら怒られる訳か」


暁 「そうなのよ」


ゼロ「わかった…」

鎮守府 屋上


布団<…暁汁


ゼロ「何をこぼしたんだ?」


暁 「いいから!乾かしてよね」バタバタ!


ゼロ「離れてろ」キュインキュイン!


暁 (これで大丈夫ね。レディの私に抜かりはないわ!)


ゼロ「ハァ!」


布団<あったかいんじゃ~パチパチ


暁 「すごいわ!直ぐに乾い…」


布団<びやあぁぁ!あつい!


暁 「ちょっと!布団が燃えてるじゃない」


ゼロ「火力調整が難しいな」


暁 「きゃー水よ!火事になる!」

現在


提督「この件を調査して貰いたいの」


ゼロ「…了解した」


提督「この件に関わった艦娘の一覧よ」


ゼロ「結構いるな」


提督「部屋と助手を用意したからお願いね」


ゼロ「助手?」

調査部屋


ゼロ「ここだな」ガチャッ…


レヴィアタン「遅かったわね」


ゼロ「お前か…」


レヴィアタン「なに?不満なの」


ゼロ「…まあいい。提督から話は聞いているな」


レヴィアタン「聞いているわよ。睦月ちゃん幽霊騒ぎね」


ゼロ「…そうだ」


レヴィアタン「非科学的な事を最先端科学の集まりの私達に調べさせるとはね」


ゼロ「さて、直ぐに取り掛かるか」

証言1 比叡と榛名


比叡「えっと…夜に入渠ドックに行った時です」


榛名「比叡姉さまと脱衣所で服を脱いでいた時だったんですけど」


比叡「浴室から如月ちゃんと睦月ちゃんが話す声が聞こえました」


榛名「いつもみたいに楽しそうに話していました…」


比叡「睦月ちゃんがそこにいるみたいに」


榛名「入ってみたら如月ちゃんが入浴していました」


比叡「如月ちゃんだけが…」


ーーーーー


比叡「あのゼロさん…またカレー作るので食べて下さい///」


榛名「私達の事も頼って下さいね」

証言2 龍田


龍田「夜だったんだけどね。睦月ちゃんが工廠に入るのを見たのよぉ」


  「見たといっても後ろ姿だけなんだけどねぇ」


  「そんな事は無いと思って工廠を調べたんだけどいなくて」


  「入口で如月ちゃんに話しかけられて調べるのを辞めたのよねぇ」


ーーーーー

龍田「私の身に何かあったら…天龍ちゃんをよろしくねぇー」


  「えっ?不吉な事を言うな。うふふ」

証言者3 長門


長門「夜中に目が覚めてしまってな。その…厠に行きたくなってな///」


  「勿論!ビックセブンの私はお化けなど怖くないからな!」


  「独り厠に向かったのだが…怖がっていないぞ」


  「厠から出てきたのだ」


  「睦月が」


  「暗くて顔はよく見えなかったのだが」


  「体の大きさから間違いない!あと駆逐艦特有の可愛らしい香りがしたんだ!」


  「だから、お化けではない!」


  「その後か?厠で用を足して寝たぞ。そうだ!たまたま武蔵も起きたのか来てな。一緒に寝…帰ったぞ」


ーーーーー

  
  「たまたまなんだが、北方が着れそうな服を持っているのだが後で渡そう」


  「え?なんで持っているのか…知り合いに服屋で働く者がいてな」


  「指の絆創膏?これは針が刺さって…型抜きをしていただけだ!縫物ではない///」

証言者4 暁 


暁 「夜中におトイレに起きた時よ」


  「おトイレに行くには如月さんの部屋の前を通るんだけど…」


  「部屋の中から如月さんと睦月ちゃんの話す声が聞こえたのよ」


  「怖くなって部屋に戻ったけど」


ーーーーー


  「その後?」


  「朝まで起きてたわよ!えっ布団の件…」


  「それは…偶然よ。レヴィアタンさんなんで笑ってるのよ!」

部屋


レヴィアタン「全員から話を聞けたわね」


ゼロ「あぁ」


レヴィアタン「睦月の姿を見ているのは龍田と長門の二人だけね」


ゼロ「いや…二人ともはっきりと見たわけでない」


レヴィアタン「顔をみていなかったり、後ろ姿よね」


ゼロ「…」


レヴィアタン「どうかしたの?」


ゼロ「如月と向き合うべきだな…」

夜 如月の部屋 付近


ゼロ「お前まで付き合う必要はなかったのだが」


レヴィアタン「助手だからね。最後まで付き合うわ」


ゼロ「そうか…なあ、狭くないか」


レヴィアタン「仕方ないじゃない。私達は光学迷彩持ちじゃないから」


ゼロ「…なんでダンボールなんだ?」


レヴィアタン「響が教えてくれたわ。ダンボールは隠れるのに最適だ、と」


ゼロ「本当か?」


レヴィアタン「そうよ。伝説の蛇も愛用していたとか」


ロッポウ<ワンワン


ダンボール<…


ゼロ「おい…ばれたぞ」


レヴィアタン「…」


北方「よいしょっと」


ゼロ・レヴィアタン「…」


北方「ゼロにおやすみを言いに来た」


ゼロ「あぁ、おやすみ」


北方「おやすみ」


ロッポウ<おやすみなさい


レヴィアタン「犬の嗅覚のせいよ」

深夜 如月の部屋 前


如月「北方ちゃんがね…」


睦月?「とっても可愛いのです」


ゼロ「始まったな…」


レヴィアタン「どうするのよ?」


ゼロ「部屋に入るだけだ」ガサッ!


レヴィアタン「ノックもせずに乙女の部屋にね…」


ドア<ガチャッ!


如月・睦月「!」


ゼロ「如月…自慢の髪はどうしたんだ?」


如月「あの…えっと…」


ゼロ「バッサリと切ったな」


レヴィアタン「え…如月よね」


ゼロ「如月だ…睦月の姿をした」


如月「…」

証言者…如月


最初は睦月ちゃんの事を受け入れようとして頑張ったの


艦娘の私達には死が付き纏う…これは戦いだから仕方のない事


睦月ちゃんとも話していたの。お互いの身になにかあったら受け入れて…強くなろうね、って


約束を守る為に受け入れたわ…受け入れたつもりだったみたいだけど


きっかけは二人で撮った写真を見ている時だったわ


なんとなく…写真を見ながらその日の出来事を話してみたの、それが習慣になったわ


睦月ちゃんならこう言うんじゃないかしら、って考えながらね


そしたら…睦月ちゃんがそこにいる気がしたの


睦月ちゃんの姿が見えて声が聞こえた気がしたの


前に話したときに、私が髪を短くしたら睦月ちゃんに睦月ちゃんが髪を伸ばしたら私に似るねって


それだけはいけない、と思ったのに寂しく悲しくて辛くて


気が付いたら髪を切っていたの。あんなに大切にしていた自慢の髪だったのに


自分の中に睦月ちゃんを作っていたのかしらね


睦月ちゃんのふりをすれば一緒にいた時みたいになれたの


ずっと一緒にいたから…二人で一人と錯覚していたのかしら


これじゃあ、睦月ちゃんに笑われちゃうわ…

ゼロ「如月…本当に睦月と仲が良かったんだな」


如月「はい…親友でしたから」


ゼロ「如月…お前は如月だ。当たり前だが睦月ではない」


如月「…」


ゼロ「受け入れるのは容易いことではない…時間がとても掛かることがある」


如月「ゼロさん」


ゼロ「オレを頼れ。…片腕じゃ頼りないか」


如月「いえそんな事ないわ」右手を掴む


ゼロ「…睦月が最後に言っていた。如月を守っください、と」


如月「…睦月ちゃん」


ゼロ「…」


如月「そうね…けど、守られてばかりじゃなくて私がゼロさんを守れるように強くならないと///」


ゼロ「期待しているぞ」

入渠ドッグ 


如月「あの…この時間に入渠ドッグに入っていいのかしら」カポーン


レヴィアタン「いいのよ。特例だから」カポーン


如月「レヴィアタンさんの装甲って、そこまで外れるんですね!」


レヴィアタン「珍しいの?」


如月「その…レプリロイドさんとお風呂に入るのは初めてだから」


レヴィアタン「ふーん。艦娘も人間も体は変わらないのね」


如月「そうですか」


レヴィアタン「そうね…戦艦も駆逐艦同じよ」


如月「武蔵さんと長門さんは、そのかなり大きいですよ///」


レヴィアタン「胸部装甲は大きかったけど下はみんな同じだったわよ」


如月「下は同じ///」


レヴィアタン「そうだ。これこれ」スッ


如月「なんですか?この瓶は」


レヴィアタン「ゼロが如月に使え、って渡してきたわ」


如月「何かしら。お湯に入れるみたいだけど」


レヴィアタン「危険物ではないから大丈夫よ。それ」トポポポ


如月「入浴剤かしら」

しばらく


如月「そろそろ上がらないと」ザバッ


レヴィアタン「如月。あんたの髪!」


如月「え?あれ、元の長さに戻っている」


レヴィアタン「どういうこと」


如月「ゼロさんがくれたのは、高速修復剤だったんだ!」


レヴィアタン「艦娘だけが使える回復剤よね」


如月「これ…とても高価なのにどうして」


レヴィアタン「大切にされているからでしょ」


如月「え?」


レヴィアタン「そうでなければ使わないでしょ」


如月「ゼロさん///」

執務室


提督「これが報告書ね」


ゼロ「もうこの件は終わりだ。二度と起こらない」


提督「そう…」


ゼロ「工廠の高速修復剤保管庫の鍵が壊れていた」ポイッ


提督「おっと…」ガシッ


ゼロ「じゃあな。オレは寝る」バタン


提督「…綺麗に斬れて壊れた鍵ね」

とある海域


西門「撤退しろ!」ドオン!ドオン!


妙高「提督も逃げてください」中破


西門「俺が時間を稼ぐから逃げろ!」ドオン!


那智「貴様ふざけるな!死ぬ気か」大破


西門「だったら撤退しろ!犬死させたくないだろ」


足柄「ちくしょう…この私が…」大破


羽黒「司令官…逃げてください」大破


生物艤装「ぐおおおおぉぉぉ!」


西門「でかいな…まあ、いい的だ!」ドオン!ドオン!


足柄「提督!逃げてえぇぇ」


西門「死にぞこないがここまで生きたんだ…いい人生だったよ」


戦艦水鬼(アイリス)「……」


西門「あんたがボスだろ。一ついいか?」


アイリス「なんでしょうか?」


西門「あの4人だけは見逃してくれ」


アイリス「…それがあなたの正義ですか?」


西門「正義?俺の命で4人が助かるなら安いもんだ」


アイリス「そうですか…わかりました」


西門「指輪…無駄にしちまったな」

3日後 鎮守府 執務室


叢雲「指令が届いているわよ」


提督「次の作戦かしら…」フミフミ


叢雲「司令官?顔色が悪いわよ」


提督「西門提督が作戦中に行方不明になり彼の艦娘がここに所属する事になるわ」


叢雲「…」


提督「そして、生き残った艦娘の情報により勲章狩りの潜伏先が予想出来たみたいね」


叢雲「ということは」


提督「勲章狩り討伐作戦が開始されるわ」

私が目を覚まして見た世界は私の世界とは違いました


私の世界とは違い緑が豊かな島でした


しばらく島を歩いていると人間のような生物と出会いました


??「お前なんでここにいる?」


アイリス「目が覚めたらここにいたのですが…ここはどこですか?」


??「目が覚めたらここにいた?笑わせるなよ。ここは人間にも見つかっていない場所だ」


アイリス「あなたは人間ではないのですか?」


??「人間だと…笑えるな。私は深海棲艦の戦艦棲姫だ」


アイリス「深海棲艦ですか?」


戦艦「貴様を拘束する」


そのまま捕まり尋問を受けていました


戦艦「貴様は違う世界から来た…そのレプリロイドという機械の一種なんだな」


アイリス「そうです」


戦艦「別の世界から来たというのだな」


アイリス「はい」


駆逐「どうしますか?言っていることは信じられないが無害のようです」


戦艦「…しばらくは様子を見るぞ」


アイリス「私はどうなるのでしょうか」


戦艦「貴様を監視する」

一週間後


島での生活は何をするにも監視が一緒にでした


信用されていないから仕方ないけど


そして、ある出来事が起こりました


戦艦「おい!道を開けろ」


アイリス「何かあったのですか?」


戦艦「仲間が人間にやられた!いきなり撃ちやがって…」


アイリス「人間に撃たれたんですか!」


戦艦「くそっ!どうすればいいんだ。血が止まらない」


アイリス「私に診せてください」


戦艦「貴様は治療が出来るのか?」


アイリス「今から言うものを揃えてください」


駆逐「どうしますか。こいつを信用しますか?」


戦艦「…今だけは信用してやる!」


アイリス「私に出来る…正義を行います」


今思えばこの時からでした…「正義を行え」という囁きが聞こえていたのは


戦艦「…」ウロウロ


駆逐「戦艦棲姫様…」


アイリス「もう大丈夫です。しばらくは安静にする必要がありますけど」


戦艦「そうか…よかった」


アイリス「医療品が揃っていたのが幸いでした」


戦艦「ありがとう…仲間を救ってくれて」


アイリス「私に出来る唯一の事ですから」


戦艦「本当にありがとう」

深海棲艦達<アイリスさん診てください


アイリス「はいはい。順番に並んでね」


駆逐「アイリスさんの診療所は大盛況ですね」


戦艦「無料だがな」


駆逐「怪我をしてなくてもアイリスさんに会いに来る者いるみたいです」


戦艦「今まで医療品は充実していたが扱える者がいなかったからな」


駆逐「我々は武器は扱えても傷の癒し方を知らなかった」

その日の夜


アイリス「あら、戦艦さんどうしました?」


戦艦「特に用はない」


アイリス「そうですか。お茶飲みますか?」


戦艦「頂こう」


アイリス「立派な診療所を用意してくれてありがとうございます」


戦艦「前々からあったのだが、誰も医療の心得がなくてな感謝している」


アイリス「聞きたかったのですが、どうして人間と争っているのですか」


戦艦「我々深海棲艦が人間とは違うからではないか」


アイリス「私からしたらそんな事はない様に見えますよ」


戦艦「それは人型に言える事だ。イ級のように魚型や中途半端に人間を模している深海棲艦もいる」


アイリス「それは動物に分類されそう」


戦艦「船から拾った図鑑という本に書かれていたのか」


アイリス「そうですね。もしかしたら怖いのかもしれません」


戦艦「怖い?」


アイリス「自分達より優れた種類の人間が生まれたと思っているのでは」


戦艦「優れた人間」


アイリス「力も強く水中でも動け呼吸できる。私からしたらある種の進化ですよ」


戦艦「進化か…私も生まれた時には人間と戦う事を強いられていたからな。それが当たり前だったしな」


アイリス「話し合いの機会があればこの争いも終わるかもしれません」


戦艦「だといいな」


この時の私はまだ…人間と話し合えると思っていました。それが間違いでした

1か月後


戦艦「アイリス聞いてくれ!人間が我々と話し合いを求めてきた」


  「もしかしたら…争いは終わるかもしれない」


  「お前の言う通り話会いで解決出来るかもしれない」

   
  「もう戦わなくて済むかもしれないぞ」


  「アイリス…貴様のおかげだ。感謝する」


ーーーーー


  「…やはり…人間を信用すべきではない…」


  「悪い…あいつらをまいたつもりだったが…」


  「私はもう…長くない…頼む…皆を…」


  「お願い…」


  「…アイリス…会えてよかっ…た…」


私のせいだ…私があんな事を言わなければこんな事にならなかった


戦艦棲姫が死なずに済んだのに、この島が襲われることはなかったのに


  「人間に正義は無い。正義を行え!」頭の中に声が聞こえました


ピカーーーーン!(Xシリーズ特有の合体の時の光)


戦艦水鬼(アイリス)「人間に正義は無い…人間を粛清する!」

兄さんを取り込んだ時の機能により私は戦艦棲姫を取り込んでいました


戦艦棲姫を取り込んだ事により彼女の記憶と経験を共有した私は新しい体になった


戦艦水鬼となり、島を守る為に人間の兵士を殺した


彼らに正義は無かったから躊躇いはなかった


人間が恐れた勲章狩りは怒りにより進化したと噂された


本当は二代目になっただけなんですけどね


私は彼女の記憶から彼女を騙した人間を探し狩り続けた


それが戦艦棲姫に対する償いだと思いました


達成までもう少しです


残りの4人を粛清したら…


ゼロに会いに行こう
 

戦艦水鬼ではなくアイリスとして


まさか、またゼロに会えるなんて思わなかったから


ゼロに会うのが楽しみだわ

鎮守府 会議室


提督「勲章狩り討伐作戦は一週間後に行われる」


武蔵「急な話だな」


提督「本部連中は自分らの命を狙う存在を早く解決したみたいね」


長門「何人も殺されているからな」


提督「この作戦には少将も参加するわ」


比叡「それは…気合い!が入っていますね」


提督「自分の目で勲章狩りが死ぬことを見たいのかしら」


妙高・那智・足柄・羽黒「…殺すわ…あいつを…」


提督「…西門提督の件もあり彼女らも協力してもらう事になりました」


金剛「ヘーイ。彼女らの怒りに満ち溢れたギラギラのオーラはなんデース?」ボソ


霧島「彼女らは上官の西門提督を勲章狩りに殺されてここに来たのです」ボソ


榛名「…つまり…敵討ちであると」ボソ


霧島「それだけではありません。西門提督の遺品の中にその…」ボソ


比叡「なんですか?」ボソ


霧島「…指輪があったみたいです」ボソ


榛名「それって、ケッコンカッコカリですか?」ボソ


霧島「もしかしたら作戦が終わった誰かに渡す予定だったのかもしれません…」ボソ


金剛「誰に渡すかもわからないまま指輪だけ残された訳デース」ボソ


比叡「それは悲劇です…」

ゼロ「…」


提督「ゼロは作戦に参加してもらうけど、今回も部隊を編成するわよ」


ゼロ「了解」


提督「左腕の事もあるから…その単独行動は難しいからね」


ゼロ「…了解している」


提督「編成はあなたに任せるわ。夜までに報告してちょうだい」


ゼロ「あぁ」バタン


天龍「ゼロの様子おかしくないか?」


提督「ある意味因縁の相手だからね」


天龍「ライバルなのか?」


龍田「あの深海棲艦にねぇー濃厚な接吻されたのよぉー」


天龍「の…濃厚な接吻だ!」ガタッ!


朝潮「どういう事ですか!」ガタッ!


あきつ丸「天龍殿は治療中で朝潮殿はまだ配属されていませんでしたからね」


提督「あっ映像あるからどぞ」


モニター<いいんすかね?R指定ですよ


天龍「くっ…戦場で破廉恥な敵だ」


朝潮「そんな…ゼロさんのファーストキスは敵に」


ドア<バタン!


港湾「初めての口づけは…私だ!」

那智「深海棲艦だと!」


提督「四人には言ってなかったけど5人の深海棲艦の姫が内に所属しているから」


妙高「那智落ち着きなさい。協力してくれるなら問題無い」


深海棲艦姫Sゾロゾロ


提督「とりあえず4人に映像を見てもらって解析してもらいましょう」


モニター<もう一度再生中


港湾「…」バキバキ


離島「港湾姉様!落ち着いて下さい」


空母「あの男がいいようにされるとはな」


中間「…籠りたい」


提督「えーと何かわかる?」


港湾「見た目は戦艦棲姫に似ているな…」


離島「確かに似ていますわね。微妙に違うところがありますが」


空母「ベレー帽をかぶってたか?」


離島「髪留めをしているな」


中間「あの…」


港湾「どうした?中間」


中間「戦艦棲姫は人間により致命傷を負わされたと聞いた…姿が違うのはその影響では」


提督「なるほどね」


港湾「艤装も装備せずにこの動きだ…只者ではないな」


提督「本気を出してないのね」


港湾「だが、ゼロは渡さない!」

鎮守府付近 海の見える丘


ゼロ「部隊編成か…左腕をカバーしなければな」


ゼロは独りになりたい時はこの丘にある木を眺めながら物思いにふける事があった


理由はわからないがこの大きな木に心を惹かれた


ゼロだけの秘密の場所だったのだが…


ゼロ「先客か」


??「!」


ゼロ「気にするな…オレしか知らない場所だと思っていた」


??「いえ…初めてここに来たのですが素敵な場所ですね」


ゼロ「気に入ったか」


??「はい。ここからの海の眺めも素敵ですが…この木がなんだか懐かしくて」


ゼロ「なるほど…懐かしいか」


??「どうかしましたか?」


ゼロ「いや…わからない事がわかってな」フッ


??「それはよかったです」


ゼロ「オレはゼロだ。お前の名前を聞かせてくれ」


??「私の名前ですか?私の名前は…」


アイリス「アイリス…私の名前はアイリスです」

ゼロ「…アイリスか。いい名前だ」ズキン!


ザーザー!ザーッザー!


ゼロ(なんだ…頭が痛む!)


??「わしの最高傑作ゼロよ!奴の希望を破壊しろ!」


アイリス「抱きしめて…強く…」


ゼロ(なんだ…これは…オレはなんなんだ)


ザーザー!


ZERO or Ω 

アイリス「大丈夫ですか?」


ゼロ「…オレは」パチッ


アイリス「突然倒れたから驚きました」


ゼロ「そうか…もう大丈夫だ」ムクッ


アイリス「駄目ですよ。まだ安静にしてください」ガシッ


ゼロ「しかし…」


アイリス「気にしないでください。好きで膝を貸しているのですから」ナデナデ


ゼロ「…オレを知っているのか?」


アイリス「…初対面ですよ。どうしてですか?」ニコッ


ゼロ「昔会った事があると思ったのだが…気のせいか」


ゼロ(昔の記憶にアイリスという名前があったが…もう何百年も前のはずだ。…偶然だ)


アイリス「あなたは軍人なんですか?」


ゼロ「一応な。すぐ近くの鎮守府に所属している」


アイリス「やっぱりそうだったんですね。その腕も…」


ゼロ「戦闘でな。だが、悔いはない。だが…仲間を救えなかったの」


アイリス「…強いのですね」

ゼロ「そんな事はない…体が丈夫なだけだ」


アイリス「けど、ここは痛むのではないですか」ゼロの胸に手を置く


ゼロ「…そんな事を言われたのは初めてだ」


アイリス「なんとなくですよ」


ゼロ「そろそろ戻らないといけない」


アイリス「そう…残念です」


ゼロ「…また話せるか?」


アイリス「はい!しばらくはここの近くに滞在するので」


ゼロ「そうか…なら、」


アイリス「明日もここで今の時間なんてどうでしょう?」


ゼロ「…了解した」


アイリス「はい…では、また明日に」


  「とっても楽しみしています」

ゼロとアイリスの逢引きは作戦前日まで毎日続いた


鎮守府付近 海の見える丘


ゼロ「…」


アイリス「どうかしましたか?」


ゼロ「…明日は来れない」


アイリス「どうしてですか」


ゼロ「明日は大規模な作戦がある」


アイリス「…」


ゼロ「死ぬ気は無い…必ず生きて帰るからな。それに…」


アイリス「それに…」


ゼロ「オレの帰りを待つ…仲間と家族がいるからな」


アイリス「…それが戦う理由ですね」


ゼロ「そうだな」


アイリス「それがゼロを支えているのですね」


ゼロ「あぁ…」


アイリス「頑張ってくださいね。そろそろ時間ですね」


ゼロ「そうか」


アイリス「次は直接会いに行きますからね」

ゼロ「明日に備えるか」


霞 「最近同じ時間にいないと思ったら外で女と会っていたなんて…あのクズ」ヒョコッ


那智「あいつは女たらしなのか」ヒョコッ


霞 「深海棲艦の姫が数人に駆逐艦が数人が被害にあっているわ」


那智「英雄色を好む」


霞 「あの女はどこの行くのかしら」


那智「海に向かっているな」


アイリス 海にダイブ


霞 「あの女!海に落ちたわよ」


那智「いや…飛び込んだように見えるぞ」


霞 「あの女は深海棲艦の姫」


那智「そうだとしたら…ゼロとやらは」


  「深海棲艦と通じている可能性がある?」

ゼロとアイリスが再開した初日 アイリス


ゼロ「先客か」


アイリス「!」(遠くから見るつもりだったのに再開してしまうなんて)


ゼロ「気にするな…オレしか知らない場所だと思っていた」


アイリス「いえ…初めてここに来たのですが素敵な場所ですね」
  (どうしよう…突然だから何を話せばいいのかわからないわ)

ゼロ「気に入ったか」


アイリス「はい。ここからの海の眺めも素敵ですが…この木がなんだか懐かしくて」
  (懐かしい…カーネル兄さんが好きだった大樹に似ているわ)

ゼロ「なるほど…懐かしいか」


アイリス「どうかしましたか?」
  (あれ、変なこと言っちゃったかな?)

ゼロ「いや…わからない事がわかってな」フッ


アイリス「それはよかったです」
  (よかった。笑ってくれた///)


ゼロ「オレはゼロだ。お前の名前を聞かせてくれ」


アイリス「私の名前ですか?私の名前は…」
  (…覚悟はしてたけど本当に覚えていないのね…)

アイリス「アイリス…私の名前はアイリスです」
  (けど…そんな事は些細な事よ)

アイリス「大丈夫ですか?」
  (突然倒れたから驚きましたけど…)

ゼロ「…オレは」パチッ


アイリス「突然倒れたから驚きました」
  (システムに障害が発生しているのかしら)

ゼロ「そうか…もう大丈夫だ」ムクッ


アイリス「駄目ですよ。まだ安静にしてください」ガシッ
  (寝ている間に体を見せてもらいましたけど)

ゼロ「しかし…」


アイリス「気にしないでください。好きで膝を貸しているのですから」ナデナデ
  (昔に比べて全体的に細くなったみたい…髪も体も)

ゼロ「…オレを知っているのか?」


アイリス「…初対面ですよ。どうしてですか?」ニコッ
  (顔は少し可愛い感じかな…勿論、今も昔も素敵だけど///)

ゼロ「昔会った事があると思ったのだが…気のせいか」


アイリス「あなたは軍人なんですか?」
  (今すぐに打ち明けたいけど…今はその時ではないわ)

ゼロ「一応な。すぐ近くの鎮守府に所属している」


アイリス「やっぱりそうだったんですね。その腕も…」
  (睦月ちゃんの言っていた左腕の負傷ね)

ゼロ「戦闘でな。だが、悔いはない。しかし…仲間を救えなかった」


アイリス「…強いのですね」
  (睦月ちゃんは無事よ…優しくていい娘ですよ)

ゼロ「そんな事はない…体が丈夫なだけだ」


アイリス「けど、ここは痛むのではないですか」ゼロの胸に手を置く
  (ここでは完全に修理出来ないわ…80%が限界よ)

ゼロ「…そんな事を言われたのは初めてだ」


アイリス「なんとなくですよ」
  (私なら完璧にあなたを修理できるのに)

ゼロ「そろそろ戻らないといけない」


アイリス「そう…残念です」
  (本当は一晩中話していたいけど耐えるのよ…アイリス)

ゼロ「…また話せるか?」


アイリス「はい!しばらくはここの近くに滞在するので」
  (予定変更ね)

ゼロ「そうか…なら、」


アイリス「明日もここで今の時間なんてどうでしょう?」
  (ちょっと…ロマンチック過ぎたかしら///)

ゼロ「…了解した」


アイリス「はい…では、また明日に」
  (よかった…また会える)

  「とっても楽しみしています」
  (…女性の匂いが多く染みついているけど)

ゼロ「…」


アイリス「どうかしましたか?」


ゼロ「…明日は来れない」


アイリス「どうしてですか」
  

ゼロ「明日は大規模な作戦がある」


アイリス「…」
  (前の戦闘で場所が特定されたかな…みんなを直ぐに逃がさないと)

ゼロ「死ぬ気は無い…必ず生きて帰るからな。それに…」


アイリス「それに…」
  (私に会うためですか///)

ゼロ「オレの帰りを待つ…仲間と家族がいるからな」


アイリス「…それが戦う理由ですね」
  (…仲間と家族ですか)

ゼロ「そうだな」


アイリス「それがゼロを支えているのですね」
  (今のゼロを縛る鎖ですね)

ゼロ「あぁ…」


アイリス「頑張ってくださいね。そろそろ時間ですね」
  (私が解放してあげます…)

ゼロ「そうか」


アイリス「次は直接会いに行きますからね」
  (…レプリロイドはレプリロイドとしか分り合えない。私と永遠に一緒に…ずっと…ふふふ///)


アイリス(先から二人覗き見しているみたいね)


アイリス(撒くのは簡単だけど…計画の為にあえて海から帰ります)


  (明日が楽しみだわ)

作戦当日 レヴィアタン船内


提督「そろそろ着くわ。みんな準備はいい?」


<いつでも出撃可能です


提督「勲章狩りの強さはかなりのものよ。被弾したら直ぐに船に戻ってね」


明石「艤装の修理は私と夕張に妖精さんが直ぐに直すからね」


港湾「治療なら私と離島が担当します」


ゼロ「港湾がなぜここにいる」


港湾「少しでも役に立ちたくて提督にお願いしたのよ」


ゼロ「船内から出るなよ」


提督「出撃開始よ!」

潜伏海域


提督「激しい雨ね…視界確保が困難だわ」


大淀「全員に雨天用装備を装着させますね」


提督「ただのレインコートなんだけどね」


大淀「第六駆逐隊だけ黄色のレインコートなのが意図を感じますね」


提督「少将の指揮船はどう」


大淀「後方から一定の距離を保ち付いて来ますね」


提督「戦う手段もないのによく来る気になったわ」


大淀「あの主砲が当たるとは思えませ…」


ドオーーーーン!!


提督「被害報告!」


大淀「レヴィアタンに被害はありません!後方の少将の指揮船から煙が!」


提督「後方の少将の指揮船に向かえ!」

アイリスが深海棲艦化している時は戦艦と表記します


指揮船内 


少将「この化物め」


戦艦「本当の意味での化物はあなた達だと思いますよ」


少将「…あの時の生き残りか」


戦艦「遺志を引き継いだ…が正しいですね」


少将「醜い化物め…そこまでして私の命を狙うか」


戦艦「それだけの事をしたのはあなた達です」ガシッ!


ガシャーン!ゴロゴロ!


ゼロ「動くな!お前は包囲されている逃げられないぞ」カチャッ!


戦艦「…そちらこそ動かないでください。素手で引き千切ります」ミチミチ


少将「おい!私を助けろ!」


ゼロ<面倒な事になった。少将を人質に取られた>


提督「他の乗組員は脱出中みたい…レヴィアタンに避難させているのだけど時間が掛かるわ」


ゼロ<乗組員の避難が完了したら教えてくれ>


戦艦「乗組員には手を出しませんから」


ゼロ「こいつらを狙う理由はなんだ?」


戦艦「…私の仲間達が殺されました」


少将「当たり前だ!戦争なんだぞ!」


戦艦「停戦協定を結ぶという偽の情報に騙されたのです」


ゼロ「…」!


戦艦「その場にいたのがこいつらです」


少将「化物の戯言だ!」


戦艦「それだけじゃないわ!自分達に都合の悪い人間を深海棲艦の襲撃と偽って殺してきたのよ!」


ゼロ「…本当なのか」

ドオーン!


戦艦「なに!」


ゼロ(いまだ!)


ゼロは一瞬の隙をつき戦艦水鬼を掴み甲板に飛び出す


ゼロ「もう終わりだ」


戦艦「違います…始まりですよ」


生物艤装「ぐおおおおぉぉぉ!」


海中から巨人型の艤装が姿を現す


頭が二つあるが目は無い。黒い肌に戦艦級の主砲が一体化している


提督「みんな頼んだわよ」


一同「了解!」


ゼロ(あの巨人は直ぐに始末しないと危険だ)


ゼロ「…話は後で聞いてやる」ブン!


戦艦「…」ガキン!


ゼロ「セイバーだと!」ジリジリ


戦艦「見覚え…ありませんか?このセイバーに」


戦艦水鬼が手にしているセイバーはゼロとは違い刃の部分が棒状になっている


ゼロ(あのセイバーはなんだ…)


戦艦「カーネル兄さんの形見ですよ」


ゼロ「カーネル…」


提督「ゼロ!あの巨人かなり強いわ。被害が…」


ゼロ「黙れ!」


提督「ゼロ、なにかあったの?」


ゼロ「カーネル…レプリフォースの反乱…カーネルの妹…」


ゼロ「オレが…殺した」


戦艦「ふふふ…」

少将「あの忌々しい化物め…この距離なら外さんぞ!あの紅いのにも聞かれたからな始末してやる」カチャカチャ


  「吹き飛べ!」カチッ


ゼロ「お前はオレの過去を知っているのか?」


戦艦「…」


ゼロ「答えろ!」


戦艦「…私は…」


指揮船の主砲が戦艦水鬼の背中に狙いを定める


ゼロ「伏せろ!」


戦艦「えっ…」


主砲<ドオーン!


ゼロ「うおおぉぉ!」ガキン!


ゼロ(…不味い。近すぎるせいでダメージが…)


戦艦「やっぱり…助けてくれたの?」


ゼロ「その声…まさか!」


戦艦「その前に…やあ!」ブン!


少将「ぎゃあぁ」ビリビリ!


戦艦「あと三人ですね」


ゼロ「…アイリスなのか?」


アイリス「はい…アイリスです」


ゼロ「オレを騙したのか…」


アイリス「…ごめんなさい」


ゼロ「…なぜだ!」


アイリス「やっぱりあなたは…」


  「私と同じ…レプリロイドであり深海棲艦でもあるのね」


ゼロ「…なぜなんだ!」深海棲艦化

レヴィアタン船内


霞 「やっぱり…あいつは敵じゃない!」


朝潮「落ち着いて」


霞 「見たでしょ!仲間を庇ったじゃない」


朝潮「それには理由が…」


霞 「敵を庇う理由があるわけないでしょ!」


電 「そんな…ゼロさんが深海棲艦だったなんて」


響 「なにかの間違いだよ」


提督(不味い…皆に知れ渡ってしまった)


霞 「こうなったら…」タッタッタッタ!

ゼロ「…悪いがお前を倒してから訳を聞かせてもらうぞ」シューシュタッ!


アイリス「あなたの戦う理由はなに?」ブン!


ゼロ「仲間と…家族がいる」ガキン!


アイリス「それが理由なのね」ブォン!


ゼロ「それだけで十分だ」シュバン!


アイリス「…あれを見てまだそう言えるかしら」


ゼロ「なんだ」

レヴィアタン甲板


霞 「二人とも動くんじゃないわよ」ジャキッ!


港湾「これはどういう事なの」


霞 「ゼロは深海棲艦だったのよ!それにあの女と密かに会っていた」


港湾「そうなの…」


霞 「あんたも基地の深海棲艦もみんなグルなんでしょ!」


港湾「違う!」


霞 「嘘をつくんじゃないわよ!」


港湾「そんな…信じて」


霞 「ゼロとそこの女は投降しなさい!そうすれば港湾は無傷よ」


ゼロ「何を言っている!止めろ」


霞 「命令出来る立場じゃないでしょ!投降しなさい」


ゼロ「落ち着け!お前は間違っている!」


霞 「あんたを信じようとしたのが間違いだったわ」


ゼロ(だめだ…話を聞く気がない)


港湾「えい!」ドン!


霞 「何よ!抵抗するんじゃないわよ!」


港湾「ゼロ!逃げてぇ!北方と…」


霞 「大人しくしなさいよ」ドォン!


港湾「…うぐっ…」バタン!


霞 「あっ…撃つ気はなかったのよ。あんたが抵抗するから」オロオロ


ゼロ「港湾ーーー!」

ゼロ「…あぁ…」


アイリス「仲間には裏切られ…家族は殺された」


ゼロ「…どうしてだ」


アイリス「辛いですよね」


ゼロ「…どうして」


アイリス「私なら全てを忘れさせてあげれます」ダキッ


ゼロ「…」


アイリス「んっ…///ちゅっ…じゅるっ…///」


ゼロ「…!むぐっ…やめろ…」


アイリス「忘れさせてあげる為です」

All deletion


ゼロ「…アイリス!オレになにをした!記憶が…記憶が消えていくぞ…」


港湾「ゼロ…あなたさえ良ければずっとここにいていいのよ///」消去


アイリス「辛いことは全て忘れましょう…」


北方「ゼロとずっと一緒ならいいな///」消去


睦月「ゼロさん…大好きでした…」消去


如月「如月から///目を離さないでね///」消去


朝潮「ゼロさんの役に立ちたいです!私がゼロさんの左腕になります!」消去


早霜「見るだけじゃ…我慢出来なくなったわ」消去


提督「無理はしないでね」消去


ゼロ「よせ!…全て消える…」


アイリス「私との幸せな記憶を作りましょう」ダキッ


ゼロ「…港湾…北方…誰だ…」


アイリス「幸せな記憶を…」


ゼロ「…」


アイリス「レプリロイドはレプリロイドとしか幸せになれない」


ゼロ<再起動…Ω>


アイリス「私だけを見てね…ゼロ」


ゼロ「…」


ゼロ「我は『救世主』也!ふはっはっは!」


アイリス「あぁ…私だけのゼロだわ」

レヴィアタン船内


大淀「提督!ゼロくんの様子が…」


提督「…撤退よ」


大淀「撤退ですか?」


提督「…ゼロが敵の手に落ちたわ」


レヴィアタン「あの深海棲艦の女にウィルスを流されたかもしれないわ」


提督「直ぐに撤退準備よ!乗組員の避難は完了しているの?」


大淀「完了済みですが、ゼロくんを見捨てるのですか!」


提督「あれはもうゼロであってゼロではないわ」


レヴィアタン「私も出撃して時間を稼ぐわ」

ゼロ「……」


天龍「ゼロ、どうしちまったんだよ?」


那智「何を呆けている!あいつは敵だ」ドオン!


ゼロ「…」ガキン!


天龍「おい!ゼロは仲間だ勝手な事をするな」


那智「あの男が深海棲艦の女と秘密裏に会っていたのを霞と見たんだ」


天龍「霞の暴走はそれが原因かよ」


那智「司令官の仇と組んでいるなら奴も敵だ!」


妙高「那智行くわよ」


那智「わかっている」


天龍「おい!ちっ…提督どうすんだ!」


提督<全員に命令する撤退よ!ゼロが敵なら敵うはずがないわ>


天龍「妙高型の4姉妹が突っ込んでいったぜ」


提督<練度の高い数人を向かわすわ。天龍もお願い>


天龍「当たり前だ!ゼロの目を覚まさせてやるぜ」

ゼロ「…」


アイリス(前にゼロからデータを抜き取ったのが役だったわ。深海棲艦化しているから簡単に改良したデータを流し込めたけど)


ゼロ「…来るな」キュイン!キュイン!


妙高「4人で提督の仇を取るわよ」ドオン!


那智「勿論だ!」ドオン!


足柄「喰らいなさい!」ドォン!


羽黒「沈んでください」ドォン!


ゼロ「ハア!」バシュン!


妙高「一振りで砲撃を全て弾くとは…え…」大破!!!


ゼロ「…」シュパン!


那智「妙高姉さ…うぐ!」大破!!!


ゼロ「…」ドス!


足柄「そんな!速過ぎ…きゃあぁ」大破!!!


ゼロ「…」ザシュ!


羽黒「よくも姉さんを」ドォン!ドォン!


ゼロ「フン!」ガキン!ガキン!


羽黒「そんな砲弾を素手で弾くなんて」


ゼロ「…」ガシッ!


羽黒「うっ…ぐっ…」


ゼロ「…」ブン!


羽黒「きゃあぁぁ!」ドギャン!


ゼロ「…全てを破壊する」


羽黒「…いやだ…死にたくない」


ゼロ「…」ブン!


天龍「おいおい…弱い者苛めか」ガキン!


ゼロ「…」


天龍「じゃあ、天龍様の相手をしてくれよ!」ブン!


ゼロ「すぐに壊れるなよ」ガキン!

レヴィアタン甲板


満潮「霞!あんた…とんでもない事をしてくれたわね」ガシッ


霞 「…あのクズが悪いのよ。あの女と隠れて会っていたのよ」


朝潮「…」ツカツカ


霞 「それに深海棲艦は敵よ!ここの連中は騙されてい…」


朝潮「黙ってください」バチン!


霞 「…朝潮」


朝潮「この裏切り者…満潮ちゃん港湾さんを運びますので手伝ってください」


満潮「わかったわ」


霞 「…私は…悪くない…悪いのはあいつなのに…」

長門「巨人の撃破にようやく成功した」


提督「天龍がゼロと交戦中よ。援護をお願い」


武蔵「了解した。本当に敵に操られているのか」


提督「えぇ…レヴィアタンもそっちに向かっているから」


長門「目を覚まさせてやろう。武蔵、龍田、着いてこい。駆逐艦隊はレヴィアタンに戻れ」


如月「港湾さんが気になるから戻るわ」


早霜「…」


清霜「早霜姉さま…戻りましょう」

天龍「おら!」ブン!


ゼロ「…」ガキン!


天龍「おら!どうした!守ってばっかりじゃねえか!」ブン!ブン!


ゼロ「…」ガキン!ガキン!


天龍「本気のゼロと戦いたかったんだぜ」ガキン!バチバチ!


ゼロ「…本気だと」ブン!


天龍「うわぁ!」


ゼロ「テイ!セイ!ハア!ヤア!ウオリャ!ハア!」シュパ!シュパン!ザシュ!ゴオ!バシュン!


天龍「ぐっ…うわぁー」ドギャン!大破!!!


ゼロ「…そんなものか?」


天龍「くそ…」


ゼロ「これでも…」


龍田「本当に許さないから」ブォン!


ゼロ「半分も出していないぞ」ヒュン!(カブト式カウンターライダーキック)


龍田「きゃあぁ!」大破


天龍「龍田…」

長門「いい加減にしろ!目を覚ませ!」ブン!


ゼロ「目なら覚めている」ガキン!


長門「北方ちゃんの為だ!無理やりにでも連れ帰るぞ!」ドオーン!


ゼロ「…」シューシュタッ!


武蔵「長門、痛いのを喰らわす!退け!」キリキリ…カチャッ!


長門「頼むぞ!」


ゼロ「フッ…」ニヤッ


武蔵「喰らえ!!」ドゴオーン!


ゼロ「…」


武蔵「戦艦の主砲だ!流石のゼロでも…」


長門「…」


武蔵「長門!ゼロはどうなった?まさか吹き飛んだか」


長門「…」バタン!バシャ!大破!!!


ゼロ「近くにいたお前が悪い」盾にした長門を放り投げる


武蔵「長門!」


ゼロ「テイ!セイ!ハア!ヤア!ウオリャ!ハア!」シュパ!シュパン!ザシュ!ゴオ!バシュン!


武蔵「ぐっ…熱い…」大破!!!


アイリス「ゼロ、もういいでしょう。帰りますよ」


ゼロ「…誰だ貴様は?オレに命令するな」


アイリス「調整する必要があるみたいね」


ゼロ「笑わせるな」ブン!

早霜「やめて!」


ゼロ「…」


早霜「お願いゼロ…目を覚まして…あなたの大切な港湾さんが負傷したのよ…」


ゼロ「…そいつは誰だ?」


早霜「あなたが目を覚ますのを…50年も待っていた大切な人よ」


ゼロ「知らんな…そんな奴は」


早霜「私も…如月も…沈んでしまった睦月も覚えていないの?」


ゼロ「何度も言わせるな」ガシッ!


早霜「ぐっ…うぅ…」


ゼロ「弱い奴が悪い…弱い奴は覚える価値も無い」ブン!


早霜「…うぅ…」バシャ!


アイリス(これが本来のゼロ。私の知るゼロとは全く違うわ)


アイリス「破壊する事しかしらないのね」


生物艤装「ぐおおおおぉぉぉ!」


ゼロ「来いよ!遊んでやる!」シューシュタッ!


アイリス「連れ帰るのに苦労しそうね」


レヴィアタン「早霜…大丈夫?」


早霜「…私は平気よ…他の人を助けて」


レヴィアタン「それなら大丈夫よ。あなたが最後よ」


早霜「そう…ゼロはどうなったの」


レヴィアタン「巨人型の深海棲艦と交戦中よ。逃げるなら今よ」


早霜「…なにも覚えていなかったわ」


レヴィアタン「えぇ…」


早霜「私の事も…みんなも…港湾さんも…」


レヴィアタン「生き延びることを優先するのよ」


早霜「…ゼロ…」ポロポロ


レヴィアタン(あいつは何人の女を泣かせるのよ)

レヴィアタン船内


提督「全員乗ったわね。被害状況を報告」


大淀「妙高型4姉妹・長門・武蔵・天龍・龍田がゼロくんとの戦闘で大破」

  
  
  「金剛型4姉妹・あきつ丸・大鳳が生物艤装との戦闘で大破」



提督「港湾さんはどうなの?」


叢雲「至近距離で撃たれたけど気を失っているだけよ」


曙 「霞なら倉庫にブチ込んでおいたわよ」


提督「…鎮守府に戻ってからゆっくり話を聞くわ」


鎮守府


提督「大破した者を運び出すわよ」


明石「武蔵さんが優先よ」


武蔵「私は…大丈…だ」


夕張「大丈夫なものですか!」


電 「天龍さんを運ぶのです」


雷 「今だけは頼っていいのよ」


朝潮「酷い…酷過ぎます」


満潮「朝潮!手伝うわよ」

レヴィアタン船内一室


港湾「…」


港湾「…」ムクッ


港湾「……」


港湾「…行くわ」

鎮守府 数時間後


提督「落ち着いたわね」


大淀「ゼロとの戦闘の大破者の体と艤装のダメージが深刻です」


提督「高速修復剤を使ったとしても一週間以上は出撃出来ないわ」


明石「艤装の修理も時間が掛かります」


夕張「修理するより作った方が早いですね」


提督「資材は出し惜しみしないで」


夕張「わかりました。直ぐに作業に取り掛かります」


如月「大変よ!港湾さんがどこにもいないわ」


提督「レヴィアタンにも鎮守府にもいないの?」


如月「全部探したわ…けど、いないわ」


叢雲「霞の件で私達に愛想をつかして出ていった」


曙 「あのクソ女…」


提督「そんな…」

ドア<バタン!


北方「ゼロと港湾は?」


一同「…」


北方「ゼロと港湾とほっぽの絵をかいた!」


一同「…」


北方「みんなでねる日たのしみ」


一同「…」


北方「あの…二人はどこ?」


説明中


北方「うそだ…うそだ…うそだそんなことー」


提督「…ごめん」


叢雲「司令官…深海棲艦化の件も隠せないわ」


提督「わかっている」

鎮守府付近 海の見える丘


北方「ふたりともいなくなっちゃった…」


  「ほっぽ…一人ぼっちだ」


  「ほっぽが強かったら…力があれば」


??「強くなりたいのかい?」


北方「えっ?」


??「その力は何に使いたい?」


北方「それは…」


??「それは?」


北方「みんなを守る為に使いたい!」


??「…君の意思はよくわかった」


北方「うん?」


??「君に協力しよう」


北方「いいの?ところであなたは妖精さんなの?」


妖精X「…そうだね。妖精だよ」

翌日 鎮守府内 工廠


如月「…朝ね」ムクッ


如月「昨日は色々と手伝っていたから…ここで寝ていたのね」


如月「シャワー浴びたいわ」


入渠ドッグ


如月「ゆっくり浴びれないのが残念だわ」シュルシュル…パサッ


ドア<ガラガラ


朝潮「…」


如月「朝潮ちゃんも来てたのね。疲れは残っていない?」


朝潮「如月さん…これ…なんですか?」


如月「どうしたの?」


朝潮「起きたら…こうなっていたんです」


如月「…痣かしら」


朝潮の左胸に青白い痣がある。


如月「…色が港湾さん達に似ているわね」


朝潮「あの…如月さんも同じ痣がありますよ」


如月「え!」


如月のうち太ももにも同じ痣があった。

鎮守府 会議室


提督「昨日のゼロの件から説明するわね」


満潮「どうして私達に隠していたのよ」


提督「…それも説明するから」


提督「ゼロの深海棲艦化に関してなんだけど、50年前に港湾さんが重傷のゼロを治療した際に深海棲艦の艤装の一部を使ったことにより生まれた能力みたいなの」


大鳳「副作用みたいなものですか」


提督「そうね。命は助かったけど強い怒りなどの負の感情により変化するみたい」


あきつ丸「見た目が変わるだけでゼロ殿には変わりないのでありますね」


提督「そうよ」


霞 「…なんで隠していたのよ」


提督「それは…」


早霜「…機械の体のゼロが深海棲艦するなら…艦娘である私達にも深海棲艦化の可能性がある」


一同「!!!」


提督「艦娘の深海棲艦化は私が着任した時に本部から秘密裏に説明されたわ」


金剛「そんな大事な事を私達に秘密にしていたのデース?」


提督「ごめんなさい…あなた達が敵になる可能性があるなんて言えなかったのよ」


霧島「…私達が敵になると知れ渡れば世間にも動揺が広がります」


榛名「最悪…収集の付かない事態になりますね」


龍驤「うちらはコインの表と裏っちゅうことやな」


朝潮「私達が深海棲艦化する原因はなんですか?」


提督「それはゼロと同じ…」


早霜「強い負の感情…怒り、恐怖、嫉妬でしょ?」


提督「…そうだけど」


早霜「私の場合…嫉妬が原因かしらね」フォサッ


提督「早霜…その顔は」


早霜「朝起きたら…左の頬にこの痣があったわ」


早霜が髪で隠していた左の頬には青白いハート形の痣がある。

提督「そんな…」


朝潮「私もです…胸に同じ色の痣があります」シュルシュルパサッ


如月「私も内太ももにあるわ///」チラッ


早霜「私だけじゃなかったのね…」


比叡「あの…私の右の二の腕にあります」


叢雲「ゼロと組んだり仲が良かった艦娘に発生しているみたいね」


提督「ゼロの件でショックを受けたのね…それで深海棲艦化が発生して」


早霜「…私が一番進行しているかも…」シュルシュルパサッ!


一同「え!」


早霜「…こんなとこにも痣が///」


曙 「なんてところに…」


暁 「レディだわ」


電 「はわわ」


雷 「ひゃー」


響 「ハラショー」


提督「わかったから隠しなさい」

早霜「…深海棲艦化が発生した原因はゼロが敵に取られたことよ」


清霜「早霜姉さま…」


早霜「心が痛んだわ…とても…あなたのせいよね」


霞 「…」


早霜「あなたが…余計な事をしなければ、ゼロが敵になる事はなかった」


霞 「…」


早霜「港湾さんが出ていく事もなかった」


霞 「…」


早霜「あなたは…疫病神ね…私よりも…」


霞 「くっ…」タッタッタッタ!


提督「早霜…言い過ぎよ」


早霜「ごめんなさい…けど、撃ちたかったのを耐えたのよ」


提督「わかっているわ」

鎮守府


大淀「今回の件でかなりの量の資材が失われました」


提督「資材は仕方ないからいいのよ」


明石「問題はゼロくんをどうやって助けるかよね」


提督「深海棲艦にキスされただけではないわよね」


レヴィアタン「映像を見た限り何かを流し込まれたのかもしれないわ」


夕張「レプリロイドを初期化するウィルスのようなものですかね」


レヴィアタン「本来なら専用の機械に体を繋がないと無理ね」


提督「どうしたらゼロの記憶が戻るのかしら」


ドア<バタン!


北方「はなしはきかせてもらった!」


提督「北方ちゃん、その光っているのはなに?」


妖精X「…妖精さんみたいなものです」


明石「初めてみるタイプの妖精さんね」


妖精X「ゼロを助ける方法を探しているのだね」


提督「方法があるの?」


妖精X「ゼロを助ける事は出来るけど…」


レヴィアタン「記憶は戻らないかもしれない」


妖精X「そうだね…君達の知っているゼロに戻る可能性は低いかもしれない」


如月「それでも…可能性があるのなら」


早霜「ゼロを助けられるなら問題ないわ」


北方「ゼロがみんなを忘れていても…みんながゼロを覚えている!」

きゃあぁぁぁ!!!


提督「暁の悲鳴よ」


ドア<ドギャン!


暁 「出た!出た!出たのよ!」ジョバー!


明石「暁ちゃん落ち着いて!色々と漏れているから!」


暁 「だって出たのよ!そのむ・む・む・む…」


ドア<バタン!


睦月「睦月です!帰還しました!」


如月「睦月ちゃん!」ダキッ!


睦月「きゃぁ///如月ちゃん…ごめんね。心配かけて」


如月「睦月ちゃんなのね///本当に睦月ちゃんなのね」


睦月「そうです。本当に睦月です」


如月「本当によかったわ///」


提督「…よかったわ。おかえりなさい」ダキッナデナデ


睦月「はい!ただいまです」

鎮守府屋上


那智「…」


那智(私が霞を止めていればこんな事にはならなかった)


那智(司令官を殺された事で冷静さを失っていた)


那智「まったく何をしているんだ…私は」


??「まったくその通りだ。お前らしくないな」


那智「!」


西門「お前らが心配で戻って来たのだが…」


那智「…司令官」


西門「戻ってきて正解だったな」


那智「フン!」ブン!


西門「おっと」ヒュン!


那智「貴様!私達がどんな思いで…どんな思いで過ごしていたと思っているのだ!」ガシッ!


西門「すまない」


那智「謝って済むものか…済ませないぞ」


西門「…」ナデナデ


那智「撫でるな!こんな事をしても許さん」パシッ!


西門「…」パッ


那智「止めるな!」


西門「…」ナデナデ


那智「止めるな!離すな…離さないでくれ」

鎮守府会議室


睦月「私と西門提督が解放されたのは昨日でした。アイリスさんが体も治ったから問題無いわ、と言って」


西門「俺も同じだ。聞きたい事は聞けたから、と」


提督「睦月は轟沈した時に助けてもらったけど西門は捕虜として扱われたと…聞きたいことは聞けたって、軍事機密を話したの?」


西門「あんな拷問があるとは…」ガクブル


睦月「西門さんを責めないでください…凄い拷問でした。部屋の奥からアッー!って叫び声が…」


提督「体は大丈夫なの?」


西門「あぁ(ケツがいてぇ…)」


提督「あの深海棲艦はアイリスという名前なのね」


睦月「はい。普段の姿と戦う時の姿は違いましたよ。あとゼロさんの事を知っていました」


提督「ゼロと同じレプリロイドかしら」


レヴィアタン「私も聞いた事ないわね」


妖精X「…アイリスさん」

西門「聞かれたのは停戦交渉の時の事だ」


提督「あの時の事を?」


西門「そうだ」


妖精X「停戦交渉とは?」


大淀「数年前の事なのですが、人間と深海棲艦との間に停戦交渉が行われる機会が一回だけありました」


明石「けど、深海棲艦の騙し討ちで今に至るのだけど」


提督「忘れもしないわ…0月0日の13:00…エリアB7Rだったわね」


西門「そうだ。だが、興味深い事をアイリスさんは言っていた」


提督「何を言っていたの?」


西門「停戦交渉は0月×日の13:00のエリアC8Sだった」


提督「…日時と場所が違うわね」


睦月「深海棲艦の駆逐さんも言っていましたよ。本当は戦争は終わっていた、って」


提督「間違いないのね?」


西門「親友の命日と同じだから間違えるはずがないだとさ」


大淀「日付と場所は本部からの指示でしたよね」


提督「あーこれもしかしたら…」


睦月「もしかしたら?」


提督「相当ヤバい事に関わっているかも」

潜伏海域


アイリス「…強いわ」


ゼロ「…」


アイリス「まさか、巨人型を10体も準備したのに7体も撃破するなんて」


ゼロ「…」


アイリス「けど、よかった///これで連れ帰って再調整出来るわ///うふふ」


ゼロ「」


アイリス「私だけのゼロになってね///」

鎮守府工廠


提督「西門の発信機が敵のアジトを特定したわ。ここからは時間との勝負よ」


睦月「うぅ…戻ってきたらゼロさんは敵に捕まってるし睦月達を忘れているなんてぇ」


提督「睦月泣いている時間はないわ。睦月と如月は前に出なさい」


睦月・如月「はい!」


提督「二人には強くなってもらう必要がある…おそらく今回の作戦の要よ」


睦月「私達がですか」


如月「ゼロさんを助ける為なら」


提督「二人を改二に強化する!」


提督「今からこいつを使うぞ!」バサァッ!


目の前には青いカプセルと赤いカプセルがあった。

提督「このカプセルは各地で発見された物なのよ。研究用に貰ったんだけど」


明石「妖精さんと調査したんだけど一回ぐらいなら動きそうなのよね」


提督「既に艦娘用に妖精さんと一緒に改造しているけど」


夕張「私達の知らないエネルギーが備わっているみたいよ」


提督「別の鎮守府ではこれに入る事で艤装が強化された報告があるわ」


睦月「これで強くなれるんですね」


如月「大人っぽくなれるかしら///」


提督「準備はいい?」


カプセル<ヴォン!


夕張「カプセルから映像が!」

BGM:カプセルのテーマ


??「このカプセルは君たちを強化する事が出来るだが忘れないでくれ。その力に溺れる事なのないように…君達を信じているよ」


提督「…何しているの?妖精さん」


妖精さん「なんとなくこうしないといけない気がしたのです」


提督「白いひげの博士みたいな恰好をして」


妖精さん「はい」


提督「如月と睦月は入ってね」


睦月「せまい」


如月「あら///睦月ちゃん…大きくなった」


睦月「にゃぁん///さわさわしちゃ…にゃしぃ」


提督「はい。起動」

カプセル<ガシャン!


キュイイイイイイン!


睦月「あん…からだが…とても…あつい///」


如月「こんな感覚…初めて///」


バシュン―ーーーン!!!


カプセル<ウィーン


睦月「睦月の力を見るのです!」


如月「生まれ変わった如月の力を見せてあげる///」


シャキーーーン!!!


明石「成功みたいね」


夕張「制服も可愛くなりましたね」


提督「気分はどうかしら?」


睦月「最高です!頑張っちゃいます」


如月「如月の本気を見せてあげる」


提督「青いカプセルは成功ね」


明石「赤いカプセルはどうしますか?」


提督「報告がないから使いたくないわね」

ドア<ガラガラ!


霞 「私を使いなさいよ!」


提督「霞どうしたの?」


霞 「実験台にしなさいよ!誰も試していないんでしょ!」


提督「家族を実験台なんて出来ないわ」


霞 「私は兵器よ。あんたの家族じゃない!」


提督「こら!勝手に入らない」


霞 (足手纏いになりたくない…強くなれるならなんでもやってやるわよ)


赤いカプセル<ガシャン!


ヒュー―ン!


提督「そんな…霞が消えた」


如月「…服だけを残してるわ」

大和孤児院


大和「VAVAさん、これはなんですか?」


VAVA「俺が昔作った罠だ」


大和「罠ですか?」


VAVA「罠と言っても転送装置の受信機側だ」


大和「受信機という事は送信機側もあるのですね」


VAVA「強さを求めた愚か者が強化されると思ったら転送されて俺と戦う事になるわけだ」


大和「成功せずに放置され続けていたのですね」


VAVA「……モスミーノス・リサイクル店で見つけて拾って来たんだ」


VAVA(しかし、あの店主はなぜ天井からぶら下がっていたんだ?)


カプセル<ウィーン!!


大和「VAVAさん!カプセルが動いています」


VAVA「今更獲物がかかったか。大和下がっていろ!」


霞 「ここはどこよ?あれなんで服着てないのよ!」


VAVA「…」


大和「………」ニコニコ


霞 「きゃー!あんた誰よ!ここどこよ!」


VAVA「…」


大和「VAVAさん?」ニコニコ


VAVA「あぁ」


大和「飛ばされてきたのは全裸の少女ですね」ゴゴゴゴゴ!


VAVA「まて!誤解だ!俺は戦いを…」中破!!!


その後、誤解は解けました。

大和「うちの子達の服だけどサイズは合いますか?」


霞 「…ありがと」


大和「もう少しで迎えが来るから待ってくださいね」


霞 「…はい」


少女1「やまとーごはんまだー」


大和「はいはい。待ってくださいね」


霞 「…」


VAVA「…」


霞 (…気まずい。こいつは人なの?なんで鎧兜なのよ)


VAVA「…おい。小娘」


霞 「なによ」


VAVA「なぜあれに入った」


霞 「…強くなりたいからに決まってるでしょ」


VAVA「ふっ」


霞 「聞いといてなに笑っているのよ!」


VAVA「本当にあんなもので強くなれると思ったのか?」

霞 「…そうよ!悪い!」


VAVA「お前、弱いだろ?」


霞 「はあ!なんなのよあんた!」


VAVA「…そうだな。実力と口調が合致していない新入りだな」


霞 「くっ…」


VAVA「一目で解るぞ。経験も浅く実力も無い…仲間もいないだろ?」


霞 「仲間は!」


朝潮(裏切り者)


霞 (…仲間もいないか)


VAVA「いないみたいだな」


霞 「…」


VAVA「実力も仲間も無い。何もないな」


霞 「…てる…わ…よ」


VAVA「なんだ」


霞 「わかっているわよ!けど、性格だって悪いし!弱いし!…みんなに迷惑かけて被害出して…ゼロは敵になって」


VAVA「…」


霞 「どうしたいいかわからないのよ!」ポロポロ


VAVA「なんだ…自覚しているじゃないか」


霞 「…もう…ひっぐ…助けてよ…誰でもいいから…助けてよ…」


霞 「どうしたらいいか…わからないよ」

VAVA「…雇え」


霞 「…えっ」


VAVA「ゼロが敵になったと言ったな」


霞 「…私が勝手な事を…したから」


VAVA「俺はゼロと決着を付ける必要があるいい機会だ」


霞 「けど…お金なんかないし」


VAVA「この孤児院の園児が増えて大和が困っているから手伝え」


霞 「そんなんでいいの」


VAVA「そうだ。ゼロが敵ならお前らではどうにもならん」


霞 「確かに負傷者が多くて戦力不足よ」


VAVA「いい事を教えやる」


霞 「なによ」


VAVA「俺はゼロに負けたことは無い」


霞 「あのゼロに勝ったの?」


VAVA「そうだ。戦力にはなってやる。だが、」


霞 「だが、なによ?」


VAVA「お前の問題は自分で解決しろ」ガチャッ

大和孤児院 廊下


大和「素直に助けてあげたらどうですか?」


VAVA「聞いていたのか」


大和「盗み聞きする気はなかったのですが」


VAVA「俺には解る…あの小娘は強くなる」


大和「昔のVAVAさんに似ているからですか?」


VAVA「ふん…俺とあの小娘が似ているだと笑わせるな」


<しれぇーどこにいたんですか?


VAVA「何度も言わせるな。俺はVAVAだ」


<ヴァヴァー双眼鏡をなおしてぇー


VAVA「よこせ。明日には終わっている」


<ヴァヴァーありがとぉー


大和「素直じゃないのは、霞ちゃんとそっくりに思えましたよ」


VAVA「作業場に籠る」


大和「ご飯はそちらに持っていきますね」


VAVA「…すまん」


大和「はい。わかりましたよ」ニコッ!

提督「ごめんね。大和」


大和「いいんですよ。それよりごめんなさいね。VAVAさんのせいで」


霞 「…」


提督「さあ、帰るわよ」


霞 「…うん」


大和「霞ちゃん、いつでも来ていいのよ」


霞 「…ありがと」ボソ


提督「じゃあ、お休みなさい」


大和「提督さん」


提督「どうかした?」


大和「VAVAさんを使ってくださいね」


提督「……いや///私には…その…」


大和「違います!VAVAさんは私のです!」


提督「冗談よ。ありがとね」


大和「もう…提督さんったら」


時津風「しれぃーは大和さんのなのぉー」


雪風「ヴァヴァはみんなのヴァヴァだよっ!」


菊月「…夜は大和さんが独占…特権を主張している…」


大和(漁船護衛で海に出るたびに連れて帰ってきているわ。賑やかだからいいけどね)

車内


提督「どうだった?大和孤児院は」


霞 「…大和さんの手伝いをしろと鎧兜に言われた」


提督「へぇー」


霞 「怒らないの?」


提督「どうして?」


霞 「みんなに迷惑かけて…負傷者だして、港湾さんは出て行って北方は一人ぼっちだし」


提督「…」


霞 「ゼロが鹵獲されて敵に…」


車を路肩に止める


提督「いいのよ…そこまで考えているなら反省している証拠よ」ダキッ


霞 「…めん…なさい…」


提督「いいのよ」ナデナデ


霞 「ごめんなさい…」ポロポロ


提督「うん」ナデナデ


霞 「本当に…ごめんなさい」ポロポロ


提督「うん」ナデナデ


霞 「見捨てないで…」ポロポロ


提督「安心してそんなことしないから」ナデナデ

鎮守府 執務室


提督「霞もみんなと仲直り出来てよかったわ」


PC<一件のメールがあります


提督「…映像ファイル付で宛名は…ファントム?」


提督「ウィルスの問題もないみたいね…見てみよ」

遠く離れた場所


??「アルエット様…確かにゼロのいる場所に届けました」


アルエット「ありがとう…何度も言うけど様はつけなくていいよ」


??「サイバー空間を彷徨っていた拙者を救ってくれたのはアルエット様です」


アルエット「なれないな」テレテレ


??「ここの総指揮官なのですから」


アルエット「…お姉ちゃんから引き継いだだけだけど」


??「先代はあなたを指名したのですから自信を持ってください」


アルエット「うん…けど、50年近く経って見つかるなんて」


??「諦めていましたか?」


アルエット「信じてた。ゼロお兄ちゃんは絶対に生きているって…もしかしたら、また誰かの為に戦っているかもしれない」


??「戦いがゼロを呼ぶのか…ゼロが戦いを呼ぶのか」


アルエット「ファントムはゼロのいる地域一帯の情報収集をお願いね」


ファントム「御意」


アルエット「さて、私も頑張らないとね」

レヴィアタン船内


提督「敵の潜伏先までもう少しね」


大淀「作戦を確認します。鹵獲されたゼロくんの救出を第一とします」


北方「ほっぽうが妖精Xさんをゼロにぶつける」


妖精X「僕がゼロを浄化する…けど、その間は無防備になるから時間を稼いでほしい」


提督「この作戦は勝つ事よりもゼロを取り返す事が重要よ」


睦月「ゼロさんを取り返せれば」


如月「私達の勝ちね」


伊19「戦力差があるけど速さで補うの」


レヴィアタン「敵の相手は私に任せなさい」


早霜「睦月と如月は…北方ちゃんの護衛に集中して」


提督「妖精Xさんいいかしら」


妖精X「どうかしました」


提督「これをゼロに見せれる?」


妖精X「……これをどこで?」


提督「送られてきたのよ」

アイリスのアジト


アイリス「左手はどう?」


ゼロ「問題無い」


アイリス「そう///よかったわ」


ゼロ「ありがとう」


アイリス「いいの///あなたの為だから」


ゼロ「…敵が来たな」


アイリス(再調整で私の命令だけを聞くように設定したけど成功みたいね)


アイリス「私達の邪魔をする者はいらないわ。正義は私達にある」


ゼロ「…正義?」

海上


レヴィアタン「デカイの来たわよ!」ヒュン!ヒュン!ヒュン!


生物艤装「ぐわああああ!」ドオーン!


伊19「当たらなければ問題ないのね」ゴポポポポ!ドオン!


龍驤「艦載機のみんな出番や!」ブォーーーーン!ズダダダ!


朝潮「距離を一定に保ってください」ドォン!


満潮「頭を狙うわ」ドォン!


霞 「外さない」ドォン!

レヴィアタン船内


提督「ゼロがいないわね」


明石「どこかに潜んでいるのでしょうか」


大淀「この海域に高速で接近する機影を確認!」


提督「もしかしてゼロ?」


大淀「いえ…これは」

海上


レヴィアタン「伊19!足を狙いなさい!」


伊19「わかったの!」ゴポポポポ!ドオン!


生物艤装「ぐごおおお!」


叢雲「今よ!一斉に撃てぇ!」ドォン!


暁 「当りなさい!」ドォン!


響 「冷静に狙って」ドォン!


生物艤装「ぐごおおお!!」


電 「きいているのです!」


レヴィアタン「いくわよ!」シュタッ!


レヴィアタンは生物艤装の口にランスを刺し込み


レヴィアタン「ハアー!」グウオオォ!


生物艤装は体の中に氷龍を流し込まれ凍りつく。


レヴィアタン「まずは一体よ」ザシュ!


生物艤装「」パリーン!


レヴィアタン「次は誰かしら?」

霞 「きゃあ!」


満潮「霞!まだ海中に潜んでいたのね」


早霜「…まだいるわ」


清霜「二体もいるなんて!」


伊19「霞ちゃんを助けるの」


朝潮「霞ちゃんに当たったら…」


霞 「私はいいから撃ちなさいよ!」


生物艤装「ぐわあ!」ブン!


生物艤装の巨大な腕が艦娘達を薙ぎ払う。


暁・電・雷・響「きゅあ!」中破!!


睦月「そんな…どうしたら」


??「邪魔だ…どいてろ」ウィーーーン!


睦月「え」

VAVA「そらよ!」ドギャン!


霞 「え…落ちる!」


VAVA「騒がしい小娘だ」ガシッ


霞 「ちょっと降ろしてよ!」ジタバタ!


清霜「すごい!すごい!ロボットだ!」


レヴィアタン「ライドアーマーですって」


霞 「……ありがと」


VAVA「雑魚には興味は無い。ゼロはどこだ」


生物艤装「ぐおおおおぉぉぉ!!」


龍驤「あかん!まだ動けるで」


VAVA「黙ってろ」ズドドドドドド!!


生物艤装「ぎゃあああ」轟沈!!!!


ライドアーマーのアームマシンガンの掃射により生物艤装は爆散する。


朝潮「強い…何者なんですか?」


VAVA「ドジ踏んだ奴は下がりな…来いよ。ゼロが来るまでお前らで遊んでやる」ウィーーーン!

レヴィアタン船内


提督「負傷者は直ぐに機内で治療と艤装の修理を受けて」


夕張「補給の準備も出来ています」


大淀「巨人型はまだいるようですが、あの乱入者が圧倒しています」


提督「警戒を怠らないでこのまま上手くいけば…」


大淀「提督…ゼロくんがいます」


提督「!来たわね…睦月・如月・北方ちゃん…頼むわよ」

睦月「VAVAさん助けに来てくれたんですね」


VAVA「俺は決着をつけに来ただけだ」


如月「私達はゼロさんを取り戻すのを第一としています」


VAVA「それはお前らの都合だ。俺は俺のやり方でやる」


睦月「…大和さん元気ですか?」


VAVA「…破壊しなければいいんだな」


睦月「はい!」


北方「そうだ。あとは私達でゼロを助ける!」


VAVA「…今回だけだからな」


ゼロ「…」


VAVA「前より無口になったな」


ゼロ「…」カチャッ!


VAVA「いいぜ!始めよう」


ゼロ「我はメシア也!ハハハハ!」シューシュタッ!


VAVA「何がメシアだ!ジョーカーの俺に勝てるかよ!」チャキッ!ズドドドド!

ゼロ「ハア!」バシュン!


VAVA「ふん!」ガキン!


VAVA(エネルギーシールドを装備しといて正解だったぜ)


ゼロ「ヤア!」バシュン!


VAVA「どうした。そんなものか?」ブン!


ゼロ「ぐぅ!」ドゴ!


VAVA「避けないとスクラップだぞ」ズドドドド!


ゼロ「…」シューシュタッ!キュイン!キュイン!


VAVA(エネルギーの光が見える…チャージを当てる気だな)


ゼロ「…」シュタッ!


VAVA「正面からとは舐められたものだ」ブオン!


ライドアーマーの右ストレートをゼロは避けトリプルロッドを構える。


ゼロ「…」ヒュン!ザシュ!


VAVA(槍だと…しかも伸びやがった!俺を直接狙ったか)ガキン!


VAVA「俺のシールドを忘れていたのか!」


VAVAは盾でゼロのトリプルロッドのチャージ突きを防いだが


ザスッ!……ヒュン……ヒュン……ヒュン…バシャン―ン!


VAVA(なるほど…右手の槍で俺を狙い、左手のセイバーでライドアーマーを狙ったか)


VAVA「ブラウンベアの右腕が斬り落とされたか…」


VAVA「くくくく…ふはははははは!」シュタッ!


VAVA「こんなに楽しいのは久々だ!」

霞 「なによ…あの二人。強さが異常よ」中破!!


満潮「巻き込まれるわよ。それに早く船に戻らないと」


朝潮「あの巨人もまだいます」


VAVA「おい!小娘」


霞 「え…なによ!」


VAVA「邪魔だからこれに乗って船に戻れ」


自動操縦モードのライドアーマーが霞達の前で止まる


霞 「こんなの乗れないわよ」


VAVA「自動操縦だから問題無い。さっさと行け!」


霞 「わかったわよ。あと私の名前は霞よ!二人とも乗って」


VAVA「霞か。覚えといてやる」


霞 「うわっ!なんてスピードよ」ウィーーーン!


VAVA「さて…これで周りに気を使う必要は無いな」


ゼロ「…」カチャッ!


VAVA「簡単に壊れるなよ」チャキッ!ドォン!

睦月「近付けないね」


如月「あのVAVAさんに任せきりというわけにはいかないわよね」


北方「…敵がきた」


アイリス「…」


睦月「アイリスさん…」


アイリス「久しぶりね…やっぱりこうなってしまったわね」


睦月「どうしてゼロさんにあんな事をしたんですか」


アイリス「…」


睦月「ゼロさんの事を好きなんですよね!私を治療してくれた時に嬉しそうに話していました」


如月「睦月ちゃん…」


アイリス「自分の好きな相手が自分を覚えていなかった…その淋しさに耐えられなかったのかしらね」


睦月「アイリスさん…」


北方「ちがう!」


如月「北方ちゃん」


北方「北方と港湾は待った!50年も待ったけどゼロは覚えていなかったけど我慢した!」


睦月「北方ちゃん…」


北方「お前のは違う!よくわからないけど何かが違う!自分勝手だ!」


アイリス「そうね…自分勝手で我儘よね。けど…」ズズズズ


アイリス「そうまでしても手に入れたい者がある。独りで生きるのも戦うのも辛いのよ」

アイリス「正義無き者に鉄槌を下すために!」ビュン!


生物艤装「ぐおおおおぉぉぉ!!」


妖精X「彼女は暴走しているみたいだ」


北方「わかるの?」


妖精X「…何度も見てきたからね」


睦月「本当は嫌だけど…戦うしかありません」ドォン!


如月「どうしてこんな事に」ドォン!


生物艤装「ぐおおおおぉぉぉ!!」


レヴィアタン「身勝手な女ね」ヒュン!ヒュン!ヒュン!


アイリス「あなたもレプリロイドなのね」ガキン!ガキン!ガキン!


レヴィアタン「あなたよりも新型よ」ブン!


アイリス「そうですか…それがどうかしましたか」ジリジリジリ!


レヴィアタン「旧型が新型に勝てると思っているの」


アイリス「…」ブォン!


レヴィアタン「きゃっ!」


アイリス「新しいからって…強いわけではないですよ」

ドギャン!


押し負けたレヴィアタンに吹き飛ばされたVAVAがぶつかる


VAVA「…くそが」


レヴィアタン「何やってるのよ」


VAVA「…避けろ…お前…」


レヴィアタン「なによ」


VAVA「お前…似ているな」


レヴィアタン「はぁ!唐突になによ」


VAVA「だから、イライラするのか」


睦月「VAVAさんの右手が…」


VAVA「それはいい…ゼロが来るぞ」


ゼロ「…」


レヴィアタン「恰好つけといて負けてるじゃない」


VAVA「そろそろだな」

生物艤装「ぐおおおおぉぉぉ!!」


早霜「…駆逐艦の主砲は通じないの」


清霜「早霜お姉さま不味いですよ」


生物艤装「ぐおおおおぉぉぉお?」


生物艤装の口の中に何かが入る。


生物艤装「ぐぎゃあ!ぐおぉ!ぐう!」


如月「苦しんでいるわ。今が好奇よ!」ドォン!


睦月「わかりました」ドォン!


生物艤装の腹部を内側から突き破り…右手が飛び出す。


清霜「ロケットパンチだ!」


VAVA「俺の右手はな…俺以上に自分勝手なんだよ」


ゼロ「…ぐっ」ドゴ!ガキン!


レヴィアタン「ロケットパンチなんて装備しているのね」


VAVA「インフィニティーギグだ。狙い通りに攻撃しないのが難点だがな」チャキッ!

VAVA「喰らいな!」バシュン!×4


ゼロ「ぐあ!」


VAVA「ロングショットギズモ…こいつは俺のお気に入りだ」


睦月「ゼロさんを動かないようにしてください!」


レヴィアタン「わかったわ。ハアー!」


VAVA「氷の龍か…なら、こいつで凍らせてやるよ」


レヴィアタンは氷龍を放ち、VAVAは膝からシードラゴンズレイジでゼロを氷漬けにする。


VAVA「女に操られている貴様に負けるかよ」


ゼロ「…」パキパキ!


睦月「北方ちゃん行くよ!」


北方「わかった!」


北方棲姫はゼロに向かって走り出す。


北方(北方がゼロを取り戻すんだ!また記憶が無くても…北方が思い出させる!)


ゼロ「フン!」パリン!


如月「そんな氷が…危ないわ!北方ちゃん」


北方「止まらない!だって…」


ザバーン!


港湾「北方!今よ!」


海中から港湾棲姫が飛び出しゼロを後ろから拘束する。


如月「うそ!港湾さん」


港湾「話は後よ。それよりゼロを」


北方「ゼロ!帰ってきて!」ポス!


妖精X「…あとは僕に任せて」

ゼロのメモリー内部


妖精X「ここはゼロのメモリーの中かな?」


妖精Xの目の前に広がる光景はゼロが封印されていた場所と同じだった。


妖精X「…またこの光景を見るなんて」


奥に進むと巨大な扉が道を塞ぐ。


妖精X「この奥だね」


扉を開けた先には、ゼロが眠っていた。


ゼロ「」


妖精X「あの時と同じだよ。君が眠りについて、シエルさんが君の目を覚ました時と同じだ」


ゼロ「」


妖精X「ゼロ、目を覚ますんだ」バチン!


ゼロに近づいた妖精Xはゼロに触れる事が出来ずに弾かれてしまう。


妖精X「…これくらい…問題無いよ」バチバチバチ!


妖精Xは強引にシールドを突き破り…


妖精X「目を覚ませよ…ゼロ!」


提督から預かっていたデータをゼロに流す。

この映像が必ずあなたに届くと信じて送ります。


セルヴォ「もう話していいのかい?…あぁ、わかったよ」


  「君がいなくなって大分経つよ。君が戻らないのは…君の事だから誰かの為に戦っている気がするのだがね」


  「もしそうなら無理をするなよ。君は自分が傷つくことを蔑ろにして誰かをを守る」


  「いつもボロボロになって帰って来る」


  「私はいつも思っていた。私も君のように戦えればと…修理しか取り柄のない自分を恨んだよ」


  「けど、君は私に言ってくれた」


ゼロ「セルヴォがいるからオレは安心して戦える」


セルヴォ「嬉しかったよ…本当に」


  「必ず帰ってこい。その時は完璧に修理してやるからな……また会おう」

イブー「ゼロ、お腹空いてない?僕は…いつも通りかな」


  「お腹が空いていると元気が出ないからね」


  「ゼロはいつもお腹を空かしている僕を見捨てないでくれた」


  「だから、僕はゼロみたいになろうと思ったよ」


  「ゼロみたく動けないけどね」


  「帰ってきたら今度は僕が何か食べさせて上げるよ」

イロンデル「やあ、ゼロ。元気かな?」


   「僕は元気なんだが…君がいなくなってからいい詩が思い浮かばなくてね」

   
   「困っているんだよ。だから、早く帰ってきてくれないか」


   「…その時は最高の詩が出来そうなんだ」


   「だから…待っているよ」

ドワ 「おぉ、ゼロ坊よ。元気か?」


  「ゼロ坊がいなくなってから施設は立派になってな。見せてやりたいよ」


  「レプリロイドも人間も増えてな。毎日家を作っているぞ」


  「少し前まで争いがあったとは思えんよ」


  「ゼロ坊の部屋も勿論あるぞ。シエルとアルエットの隣じゃ。がはははは!」

アンドリュー「おぉ…儂じゃよ。アンドリューじゃよ」


   「ゼロや。元気にしておるか?儂は元気じゃぞ」


   「お主がいなくなってから随分と経ったのお」


   「シエルちゃんやアルエットちゃんも頑張っておる」


   「儂も若い者に負けてられんぞ」

ルージュ「ゼロさん。お元気ですか?」


ジョーヌ「あなたの帰還を皆待っています」


ルージュ「私達はあなたを戦場に送り出すことしか出来なかった」


ジューヌ「いつも危険な場所に送り出す事しか出来ませんでした」


ルージュ「平和になったこの街を見てもらいたい」


ジューヌ「次会うときは…素敵で」


ルージュ「平和な場所に…」


ルージュ&ジューヌ「転送します」

ネージュ「ジャーナリストの私が撮影されるなんてね」


  「私が一番取材したいのはゼロ。あなたなのよ」


  「人間もレプリロイドも助けてくれた」


  「本当の英雄」


  「実はあなたの本を書いているところなの」


  「だから、早く帰ってきて取材させてね」

アルエット「ゼロお兄ちゃんにメッセージ?わかった」


  「えっと…私は元気だからね。いつでも帰ってきてね」


  「信じているよ。必ず帰るって」


  「いつまでも待っているね。またね」

シエル「みんなからメッセージはどうだった?」


 「あなたの帰りを待っているの」


 「ゼロがラグナロクを破壊してから随分経ったわ」


 「街も復興して平和に暮らしているわ」


 「けど、決定的に足りないものがあるの」


 「それはゼロ…あなたなの」


 「人間もレプリロイドも平和に暮らしている」


 「後はあなたが帰還で戦いが本当に終わった事になるわ」


 「けど、もしもあなたがまた誰かの為に戦っているのなら」


 「何年、何十年経経っても…お婆ちゃんになっても私は待つわ」


 「じゃあ、最後に…」


 「本当にありがとう。あなたに会えてよかった」

妖精X「…成功かな」


ゼロ「長い間…眠っていたようだな」


妖精X「よかった!成功だ」


ゼロ「久しぶりだな。エックス」


妖精X「…僕が解るのかい?」


ゼロ「当たり前のことを聞くな」


妖精X「記憶も大丈夫みたいだ」


ゼロ「行くぞ。皆と…アイリスを助ける」


ゼロ「今度こそ…アイリスを助ける」

??「アイリスを助けるか」


ゼロ「誰だ?」


妖精X「この空間にゼロ以外がいるなんて」


??「アイリスが暴走しているのはあるチップの影響だ」


ゼロ「カーネルのチップの事だな」


??「…そうだ。ゼロがアイリスの暴走を止めた時にアイリスの中に残っていたのだ」


妖精X「それが彼女を攻撃的にしているのかい?」


??「アイリスが平和と優しさのチップならカーネルのチップは正義と力だ」


ゼロ「二つが合わさると強力な力を得るが暴走した」


??「頼む…私のチップを破壊しアイリスを助けてくれ」


妖精X「私のチップという事は…」


ゼロ「…カーネルなんだな」


カーネル「そうだ…体を無くした私はアイリスの中でチップだけで生きていた」


  「平和を愛し心優しいアイリスにはこの世界を生きる事は厳しかった」


  「だから、私の力を貸したのだが…」


ゼロ「再び暴走したのか」


カーネル「最初は力を制御出来ていたのだが、深海棲艦の力を取り込んだ事により制御出来なくなってしまった」


妖精X「けど、カーネルが本当の意味で死んでしまうよ」


カーネル「構わん!私は元々死んだ身なのだ。だから…頼む。私のチップを破壊してくれ」


ゼロ「…了解した」


妖精X「いいのかい?」


ゼロ「それしか方法が無い」


カーネル「まさか、二度も殺される羽目になるとはな」


ゼロ「まったくだ…二度も友を[ピーーー]ことになるとはな」


カーネル「アイリスを頼んだぞ!ゼロ!」


ゼロ「任せろ」



926を訂正します。

??「アイリスを助けると言うか」


ゼロ「誰だ?」


妖精X「この空間にゼロ以外がいるなんて」


??「アイリスが暴走しているのはあるチップの影響だ」


ゼロ「…カーネルのチップの事だな」


??「そうだ。ゼロがアイリスの暴走を止めた時にアイリスの体内にに残っていた」


妖精X「それが彼女を攻撃的にしているのかい?」


??「アイリスが平和と優しさのチップならカーネルのチップは正義と力だ」


ゼロ「二つが合わさると強力な力を得るが制御できずに暴走してしまうのだったな」


??「アイリスを助けたいなら…私のチップを破壊しろ」


妖精X「私のチップという事は…」


ゼロ「…カーネルなんだな」


立体映像が浮かび上がり軍人の様な姿をしたレプリロイドが現れる。

カーネル「そうだ…体を無くした私はアイリスの中でチップだけで生きていた」


  「平和を愛し心優しいアイリスにはこの世界を生きる事は厳しかった」


  「だから、私の力を貸したのだが…」


ゼロ「再び暴走したのか」


カーネル「最初は力を制御出来ていたのだが、深海棲艦の力を取り込んだ事により制御出来なくなってしまった」


妖精X「けど、カーネルが本当の意味で死んでしまうよ」


カーネル「構わん!私は元々死んだ身なのだ。だから…頼む。私のチップを破壊してくれ」


ゼロ「…了解した」


妖精X「いいのかい?」


ゼロ「それしか方法が無い」


カーネル「まさか、二度も殺される羽目になるとはな」


ゼロ「まったくだ…二度も友を殺すことになるとはな」

ゼロ「…カーネルすまなかった。オレが事件の真相に気付くのが早ければ…お前もアイリスも死ぬ事はなかった」


妖精X「…」


カーネル「もう済んだ事だ。私は軍人として貴様に戦いを挑み敗れた…後悔は無い」


ゼロ「…そうか」


カーネル「だが、妹のアイリスの事が気がかりだ。だから、」


カーネル「アイリスを頼んだぞ!ゼロ!」


ゼロ「任せろ!」


ゼロとカーネルはお互いに敬礼し合い、ゼロは戦場に再び戻った。

睦月「まだゼロさんは目を覚まさないのですか!」ドォン!


港湾「まだみたい。時間が掛かるのね」


如月「港湾さんはゼロさんとレヴィアタンに避難して下さい」


北方「デカイのが来る!」


海中からメカニロイドと深海棲艦が合わさったような巨大兵器が姿を現す。


VAVA「超巨大メカニロイドCF・O(X2の最初のボス)だと…こんなものまでいるのか」


レヴィアタン「嘘でしょ!なんであんなのがいるのよ」


VAVA「射撃武器の無いお前には不利だ。下がりな」バシュン!×4


巨大な体に両腕は棘のついた凶悪な鉄球がついている。


CF「…」ブオォン!


睦月「不味いです!あんなの当たったら…」


如月「なんとかして撤退しないと」


しかし、CF・Oは巨大な体の割に動きは身軽で撤退の進路を妨害する。


港湾「そんな…まわりこまれるなんて」


北方「うわぁ…」


CF「…」ブオォン!


鉄球が港湾と北方の眼前に迫る!


北方「助けて…ゼロ…」


??「誰かがその名を呼ぶ限り…」


北方「ゼロ!」


ゼロ「オレは戦い続ける!」

鉄球はZセイバーにより真っ二つに斬られていた。


港湾「ゼロ…よかったわ」


ゼロ「港湾…無事だったんだな」


睦月「ゼロさんが目を覚ましたです」


ゼロ「睦月…生きていてくれたんだな」


如月「積もる話はありますが、今はここを何とかしないと」


ゼロ「直ぐに終わらせる」


CF・Oは斬られた鉄球を背中から補給し再びゼロに殴り掛かる。


ゼロ「ハアー!」ドゴォン!


ゼロナックルで鉄球を殴り返す。


鉄球が後方に飛ばされた事によりバランスを崩したCF・Oは残った腕を飛ばしバランスを保とうとするが


ゼロ「テイ!セイ!ハア!」シュパ!シュパン!ザシュ!


鉄球はゼロの斬撃により破壊される


CF「!」


CF・Oは後ろに倒れてしまう。その巨大な体の上を走る姿がある。ゼロだ。


ゼロ「頭を潰せば…機能は停止する」キュイン!キュイン!


ゼロは頭に狙いを定め接近する。


ゼロ「ハアー!」バシュン!


CF・Oの頭部装甲を破壊するが機能停止までには至らない。


ゼロ「これで終わりだ!」シュパン!


Zセイバーの一閃で切断されて頭部が宙を舞う。

如月「すごい///あんなに大きいのを」


早霜「…ゼロが…帰って来たわ///」


ゼロ「…アイリスもう止めるんだ」


アイリス「…」


ゼロ「お前は暴走しているだけだ」


アイリス「…」カチャッ!


ゼロ「そうか…わかった。オレが必ず助けるからな」


アイリス「ゼロ…人間は敵なの。身勝手な酷い奴らなの」ブォン!


ゼロ「全ての人間がそうではない」ガキン!


アイリス「私の友達は人間に殺されたわ」ブォン!ブォン!


ゼロ「それでも…信頼出来る人間もいる」ガキン!ガキン!


アイリス「人間に正義はありません」ブォン!ブォン!


ゼロ「そんな事は無い!」ガキン!ガキン!


アイリス「艦娘と深海棲艦の戦いを誘発していたのは人間です」ジリジリジリ!


ゼロ「…確かに悪意ある人間はいる。だが、それだけではない!」バチバチバチ!


アイリス「もう一度…私だけのゼロに」ブォン!

カーネル<聞こえるかゼロ…彼女の胸に私のチップがある…それを破壊しろ…チャンスは一度きりだ。頼んだぞ>


ゼロ「…わかった」


アイリス「やあ!」ブォン!


ゼロ「…」ガキン!


アイリス「喰らいなさい!」ザシュ!


ゼロ「…ぐぅ」中破!!


アイリスの刺突を避けずにゼロは受け止める。


アイリス(避けずに受け止めた…どういう事…)


アイリス「…体が…動かない」


ゼロ「…じゃあな。カーネル」ドス!


アイリス「あぅ…」


Zセイバーがアイリスの胸に刺さる。


カーネル「…ゼロ…ありが…とう」

アイリスはゼロの抱きしめられていた。


アイリス「…あの時と…同じね…」


ゼロ「あぁ」


アイリス「また私が勝手な事をしたから…」


ゼロ「いいんだ」


アイリス「あの時と同じ…抱きしめられているのね」


ゼロ「そうだな」


アイリス「…最後に言いたい事があるの」


ゼロ「最後じゃない…」


アイリス「いいから…こっちを見て」


ゼロ「…」


アイリス「…」チュッ


ゼロ「…」


アイリス「この姿でしたかった…これで…悔いはありません…」


ゼロ「アイリス?…アイリス?」


アイリス「」


ゼロ「目を覚ませアイリス!」


  「オレは…オレは……」


  「いったい何の為に闘っているんだぁあぁぁぁぁっ!」

報告書


ゼロの帰還により作戦は成功。


負傷者はいるも轟沈者は無し。


深海棲艦の戦艦水鬼の死亡を確認。

鎮守府付近 海の見える丘 大樹


ゼロ「お前ならここが気に入ると思ってな…」


  「人間は死んだ者を弔う為に墓を作るらしい」


  「生き残った者が死んだ者と区切りを付ける為に…」


  「オレは二度もお前を殺す事になってしまった…」


  「………」


  「…また来る」


??「また来ていたんですか?」


ゼロ「…見ていたのか」


??「心配だったので…」


ゼロ「悪いな…大丈夫だ。それより大丈夫なのか?」


  「…アイリス」

アイリス「はい。妖精Xさんの力で治癒されましたので」


ゼロ「…そうか」


アイリス「妖精Xさんが言っていましたよ。ゼロがZセイバーの出力と範囲を最小限にしてくれたから大事には至らなかったって」


ゼロ「あいつめ…」


アイリス「いいのでしょうか…私はここの艦娘達を傷付け人間も手にかけました」


ゼロ「提督が本部に報告した通り勲章狩りの戦艦水鬼は死んだ…」


  「…お前は平和を愛する優しさを持ったアイリスだ」


アイリス「……ありがとう」


ゼロ「帰るぞ…皆が待っている」



次回 「ぷらずま」 「北方の冒険」 「ゼロ裁判」 「レプリロイド座談会」

鎮守府


提督「あれから一週間ねぇー」


叢雲「なに黄昏ているのよ」


提督「もう報告書整理やだよ」カキカキ


叢雲「あなたの仕事でしょ」カキカキ


提督「けど、以外だったわね」ポンポン


叢雲「なにがよ?」


提督「アイリスの事よ。みんな直ぐに受け入れたけど」


叢雲「一番最初に仲良くなったのが港湾さんだった事?」


提督「そうよ。一番敵対しそうじゃない」


叢雲「ギスギスするよりはいいんじゃない?」


提督「うーん。だといいんだけど」


提督(そもそもゼロがモテ過ぎるのよね。艦娘に深海棲艦にレプリロイドといい)


  (本人が無自覚で胸キュン行為してくるし…)

鎮守府 工廠


アイリス「では、メンテナンス方法を説明しますね」


港湾・夕張・明石・妖精さん達「はーい!」


ゼロ「オレは寝ているだけでいいのか?」


アイリス「はい。ヘルメットは外してください」


ゼロ「あぁ」ファサッ


夕張「あら///」


明石「…カッコいい///」


港湾「…」


アイリス「港湾さんどうしました?」


港湾「いつも寝る時にその姿を見るから…明るい時に見るのは新鮮ね///」


アイリス「へぇーそうなんですか」ニコニコ


ゼロ「アイリス…少し痛むぞ」メキメキ


港湾「ゼロの事をもっと知る為に参加した。私はもっとゼロの役に立ちたい」ニコニコ


アイリス「それは素敵ですね」ニコニコ


ゼロ「…痛むのだが」メキメキ


妖精X「……」


北方「ほっぽも手伝う」ピョン!


夕張「北方ちゃんはヘルメットをきれいにしてね」


北方「わかった!きれいにする」タッタッタッタ!

鎮守府 食堂


北方「ふきんはここにあったの。バケツを持ってこないと」タッタッタッタ!


ーーーーー


電 「あれ?ゼロさんのヘルメットなのです」


  「どうしてここに………」チラッ!チラッ!


  「えへへ」カポッ!


  「我はメシアなのです!ははは!なのです!」バッ!


  「あうぅ…やっちゃったのです」カポッ!


  「ここに置いてと、誰も見てないのです」タッタッタッタ!

雷 「あら?どうしてゼロさんのヘルメットがここにあるの」


  「…」チラッ!チラッ!


  「えへへ」カポッ!


  「私がメシアよ!も~っと私に頼りなさい!」バッ!


  「あれ?何か違うわね」カポッ!


  「いけない!みんなのお布団干さないと」タッタッタッタ!

響 「…ゼロのヘルメットだ」


ヘルメット<…


響 「1UPかな」


ヘルメット<…それはXシリーズだ


響 「Zマークか」


ヘルメット<!


ロッポウ「わん!」


響 「ロッポウじゃないか」ナデナデ


ロッポウ「わん?」


響 「これで」スッ 


ロッポウ「わん!」カポッ!  


響 「…ラッシュ」


ロッポウ「わん!」シャキーン!


暁 「響。何しているの?行くわよ」


響 「うん。今行くよ」カポッ!


ロッポウ「わん!」


暁 「ロッポウも来るのね。いいわよ」

朝潮「ゼロさんのヘルメット!」


  「誰もいませんね」サッ!サッ!


  「はぁ~ゼロさんの愛用品がここに」スッ


  「いけません!このような事を…」ブンブン!


  「けど……逆らえなぃ///」カポッ!


  「はぁ…あ…ぁ…ん」ブルブル


ーーーーーーーー


  「さて、磨き終わりましたので訓練に行きます」キラキラ!ツヤツヤ!


  「朝潮型駆逐艦の力…存分に発揮出来そうです!」

その日の晩 


港湾「勉強する事が沢山あって大変だわ」


北方「ZZZ…」


港湾「北方も寝ているから、そろそろ」


ドア<コンコン


港湾「あら?誰かしら。はいはーい」ガチャッ!


アイリス「あの…こんばんわ」


港湾「アイリスさんどうしたの?」


アイリス「お話出来ますか」


港湾「はい。けど、北方が寝ているから…」


アイリス「食堂はどうでしょうか?何か飲みながら」


港湾「じゃあ、行きましょう」

鎮守府 屋上


ゼロ「…」


睦月「どうしたんですか?」


ゼロ「睦月か。いや寝付けなくてな(寝る必要は無いのだが)」


睦月「睦月もです。なんとなくここに来ちゃいました」


ゼロ「いいのか?提督にばれたら怒られるぞ」


睦月「うぐぅ…秘密にしてくれますか?」


ゼロ「仕方ないな」


睦月「やったです♪」


ゼロ「そういえば、オレを助ける為に頑張ってくれたんでってな」


睦月「そんな事ないですよ」ブンブン


ゼロ「…ありがとう」


睦月「えへへ///照れちゃいますぅ」カアァ


ゼロ「これからも頼りにしているぞ。だが」


睦月「だが、なんです?」


ゼロ「…オレの盾になるような事はするな」


睦月「あ…」


ゼロ「約束してくれ」


睦月「……それは出来ません」


ゼロ「…」



睦月「大好きな人を守る為に体が勝手に動いちゃったんです!だから…約束出来ません」


ゼロ「そうか…だが…」


睦月「わかっています!ゼロさんの中で港湾さんの存在が大きい事を。けど、睦月は諦めません!」ワナワナ


ゼロ「…無謀な事をさせる訳にはいかないからオレも周囲に気を配るようにする、と言いたかったのだが」


睦月「…」カアァ!


ゼロ「……睦月の事も大切だ」


睦月「むうぅ…」


ゼロ「機嫌を直せ。助けてくれた礼にオレに出来る事は何でもしてやる」


睦月「なんでも…」

食堂


港湾「それで話とは」


アイリス「ゼロの事なんですけど」


港湾「ゼロの事?」


アイリス「はい。今のゼロがどう過ごしてきたのかを知りたいのです」


港湾「アイリスさんが知っているのは昔の体のゼロ(Xシリーズ)の事だけだから?」


アイリス「そうなんです。かなり見た目も印象も変わりましたから」


港湾「そんなに違うの?」


アイリス「これが当時の写真です」サッ!


港湾「こ…これは」クワッ!


アイリス「かなり違うでしょ?」


港湾「これはこれで漢らしくて…素敵///」


アイリス「そうでしょ!昔は熱血漢で今はクールな感じです」


港湾「この写真はどうして?」


アイリス「私のメモリーデータをプリンターに接続し印刷しました」


  「まだまだ沢山ありますよ」バサバサバサ!


港湾「お、おお…こんなに沢山///」


アイリス「私は昔のゼロの事を教えます。だから、」


港湾「今のゼロの事を教えればいいのね」

50年前の出会いと今までの経緯を説明中ーーー


アイリス「深海棲艦だけの島で暮らしていたんですね」


  「へぇーそんな事が」


  「羨ましいな…家族みたいで」


  「そんな、人間の軍が来るなんて…」


  「うっ…ひぐっ…50年も待っていたんですね」


港湾「これが私達のお話よ」


アイリス「そんな大変な事があったのですね」


港湾「けど、ここで島と同じように生活しているから苦労は報われたわ」


アイリス「よかったです(え…3人で寝ているの?)」


港湾「北方も毎日が楽しそうでね。本当によかったわ」


アイリス「北方ちゃんも可愛いですね」


港湾「ここに来てもっと元気になったわ。成長が楽しみ」

……………


アイリス「港湾さんはゼロが好きなんですね」


港湾「愛している」


アイリス「…」


港湾「あなたもでしょ?」


アイリス「…私もです」


港湾「そうよね…そうでないわけがないわよね」フフッ


アイリス「好きになっちゃったらしょうがないですよね」フフッ


港湾・アイリス「私達はライバルですね」


港湾「艦娘にもゼロに好意を抱いている者はいる」


アイリス「けど、駆逐艦の子たちですよね」


港湾「小さいからと油断してはいけない」


アイリス「え?」


港湾「侮れない」

鎮守府 屋上


睦月(なんでも…なんでもって…なんでもですよね!)


  (どうしよう///睦月…大人の女性になっちゃいますぅー///)カアアッ!


ゼロ「どうした。大丈夫か」


睦月「はい!睦月は大丈夫です!」


ゼロ「お…おう。そうか」


睦月「にゃあ、その…」


ゼロ「あぁ」


睦月「…ゼロさんの膝に座らせて…ください///」


ゼロ「そんなのでいいのか」


睦月「はぁい」


ゼロ「座れ」


睦月「失礼します」ポス


ゼロ「…」


睦月「…」


睦月「えっと…重くないですか」


ゼロ「問題無い(まだまだ甘えたい子どもなんだな)」

睦月「あのゼロさんは夜はどう過ごしているのですか」


ゼロ「夜か…オレは寝る必要が無いからな。鎮守府付近を巡回したりしている」


睦月「そうだったんですか。けど、寝る時もありますよね」


ゼロ「そうだな。ここに来た時は記憶を取り戻せないかと夢を見る為に寝る事はあった」


睦月「夢は見れました?」


ゼロ「いや、比叡のカレーを食べた夜だけだった」


睦月「あぁ…それは」


ゼロ「今はその必要は無い。この体の時の記憶は戻ったからな」


睦月「港湾さんと北方ちゃんに再会して思い出しましたよね」

ゼロ「…睦月はこれからどうしたい」


睦月「これからですか」


ゼロ「そうだ。将来の話になるな」


睦月「笑わないでくださいよ」


ゼロ「あぁ」


睦月「人間と艦娘と深海棲艦にゼロさん達と平和に暮らせる世界を作りたいです」


ゼロ「…」


睦月「誰かが傷つくのはもういやですから」


ゼロ「…」


睦月「可笑しいですよね」


ゼロ「可笑しくない」


睦月「えっ」


ゼロ「可笑しくなんかない」


睦月「ありがとうございます///」

ゼロ「オレも決めた」


睦月「…なにをです」


ゼロ「人間と艦娘と深海棲艦とレプリロイドが平和に暮らせる世界を作る」

  
  「その為にオレは…提督になる」


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月18日 (水) 15:07:15   ID: iQP4_75p

なんだろう・・・すぐに失踪しそうだし
途中で変な設定いれてめちゃくちゃになりそう

2 :  SS好きの774さん   2015年05月11日 (月) 01:16:56   ID: bwB4DPDu

うわぁ…炎の化身が出ちゃった…もうダメだ…お仕舞いだぁ…

3 :  SS好きの774さん   2015年05月14日 (木) 21:34:18   ID: 2LdGsfQp

提督が何か気持ち悪い
マトモな奴にしてほしかった
読む気がすぐに失せた

4 :  SS好きの774さん   2015年05月23日 (土) 08:35:28   ID: DKQ5_6Px

あぁ…百合百合しちまうのね…(百合嫌い)

5 :  SS好きの774さん   2015年08月03日 (月) 01:43:07   ID: 9i9Qdmyc

つまらん

6 :  SS好きの774さん   2016年05月04日 (水) 04:55:48   ID: z4YECPrI

批判が多いけどストーリーの筋書きの内容が中々濃い上にちゃんとハッピーエンドで締め括られてるから後味が良い上に、艦これのキャラとロクゼロとXシリーズのキャラの絡め具合もしっかりしてて一読者としては満足の内容。
楽しませてもらえてありがとう。
...にしてもゼロは艦娘と深海悽姫からもモッテモテやなぁ(まんざらでもなさそうな苦笑い)

7 :  SS好きの774さん   2016年07月31日 (日) 19:06:29   ID: -d5gE0AI

ロクゼロ、艦これ好きとしてはとてもおもしろかった。
ひさびさにロクゼロしてぇなぁ…

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