暁「響が髪を洗わないから臭い・・・」 (46)

暁「おまけに体を洗うのも週に2日だから・・・」

雷「いくら雷達が駆逐艦といっても」

電「汗をかいた後は、やっぱり臭うのです・・・」

暁「せめて香水でもつけてくれたら・・・」

雷「はぁ・・・どうにかならないかしら」

電「・・・なのです」



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暁「それにしても、響が最初にこの鎮守府に来たときはびっくりしたわね」

雷「えぇ、入渠のときに・・・」

電「浴槽の中に、いきなり石鹸を入れて体を洗い始めるだなんて」

暁「おまけにお湯を抜こうとして、栓を一生懸命探していたわね」

雷「まぁ、今はそんなことしなくなったけど」

電「・・・・・・」

暁「・・・お互い、姉妹だからこそ言いにくいことなのよね」

雷「雷達はまだ良いけど」

電「自分の家族が裏で陰口を言われるのは、正直辛いのです・・・」

暁「最近は暁達にも飛び火が・・・」

響『・・・・・・』





弥生『』ヒソヒソ

望月『』ヒソヒソ





響『』





夕立『』クサイッポイーwww

春雨『』クスクス





響『・・・・・・』





島風『みんな酷い・・・! 揃いも揃って陰口なんて・・・!』

天津風『ほんと、なんとかならないかしら・・・あの人に相談してみましょう』





響『』グス

暁「・・・ってことがあって」

雷「そのとき、たまたま雷達も見ちゃったんだよね」

電「響ちゃん、可哀相なのです・・・」

暁「・・・・・・」

雷「・・・あ、響から聞いたんだけど」





響『え? なんでお湯を全部抜こうとしたかって?』

響『日本では、みんなが同じ湯船に体を浸からせることを、ごく当たり前にしているけど』

響『ソビエトでは、それはちょっと衛生的に抵抗感のあるものなんだ』

響『それに、日本では水道料金は基本料と従量加算で計算されるけど』

響『ソビエトでは基本料はとられるけど、それ以上に水道料金が請求されることはないんだ』

響『だから、思いっきり水が使えるんだ』

響『もちろん、水が豊富ってわけじゃないけど』

響『そういう習慣だったから・・・』





雷「・・・って言っていて」

暁「そんなことがあったの」

電「文化の違いなのです」





響「あれ、みんなどうしたの?」





暁「」ビク

雷「あ・・・」

電「響ちゃん・・・」

暁「響・・・お願いだから、毎日暁達と一緒にお風呂に入りましょう?」

暁「髪なら痛まないように、優しく洗うから!」

雷「ほ、ほら、やっぱり汗かいた後って、ベタついて気持ち悪いでしょ?」

電「せ、石鹸は良い匂いなのです!」

響「・・・嫌だ」

暁「響! どうしてお姉ちゃんの言うことが聞けないの!?」

暁「みんなが普通にしていることでしょ!? 入るったら入るの!」

雷「ちょ、ちょっと落ち着きなさい!」

電「はわわ・・・!」

響「・・・・・・」

響「・・・みんな」

響「気持ちはわかるけど、どうしても直らないんだ」

響「ソビエトでは、皮膚は自らの脂分に守られている状態であるべきで」

響「毎日お風呂に入って、石鹸でキレイに洗ってしまうものではないと、一般的に考えられているんだ」

響「髪も同じで、地肌の脂分が奪われてしまって」

響「毛髪も傷んで、切れ毛や抜け毛の原因になると考えられているんだ」

響「簡単に言えば、ハゲる原因になるってことかな?」

響「だから、本当は体を洗うのも」

響「1週間に2回は、洗い過ぎなくらいなんだ」

暁「でも不潔じゃない!」

響「!?」

雷「ちょ、ちょっと!」

電「暁ちゃん! 言い過ぎなのです!」

暁「あ・・・」

響「」グス

暁「・・・響」

暁「郷に入っては、郷に従えって言葉知ってる?」

暁「響が戦後過ごした国の文化も、もちろん大切だけど」

暁「ここは日本なの」

暁「キツいことを言うようだけど、いい加減慣れるべきだわ!」

響「うっ・・・うぅ・・・」ポロポロ

電「・・・・・・」

雷「・・・・・・」

暁「最近は、少しずつ改善してきているんだから」

暁「暁達と一緒に頑張りましょう?」

暁「前なんて・・・」





響『ふぅー・・・良い湯だった』スタスタ

暁『ちょっと響!? バスタオルで体拭いてから移動して!』

響『どうして?』

暁『床が濡れちゃうでしょ!』

響『私は気にしないよ』ガラ

暁『みんなが気にするの! って!』

暁『待ちなさいよ! どこに行くの!?』





― 食堂 ―

提督『ふむ、このレアチーズケーキ美味いな』モグモグ

響『うん、お風呂上がりのクワスは特別だね』ゴクゴク

提督『』ブーーーッ

提督『響! 全裸で食堂に来るんじゃない!』

響『どうしてかな?』

提督『目のやり場に困るからだ! 君はもっと恥じらいを持ちなさい!』

響『私は気にならないよ。どうして暁達はそんなにピリピリしているんだろう?』

提督『せめてバスタオルを体に巻きなさい! あーあ、床がビシャビシャ・・・』

暁『響ーっ!』





暁「・・・こんなこともあったけど」

暁「折角今はしなくなったんだから」

暁「本当にもう少しよ? 頑張りましょう?」

雷「暁・・・」

電「暁ちゃん・・・」

響「暁・・・」

暁「響は折角そんなに綺麗な銀髪を持っているんだから」

暁「いつも清潔にして、手入れをしましょう?」

暁「暁の妹なんだから」

暁「立派な大人のレディーにならないと、許さないんだからね!」

雷「そうそう、後体もちゃんと洗って!」

電「特に足と腋の下と耳の裏は・・・」ボソ

雷「電!」ゴチン

電「はうぅぅ・・・」

響「みんな・・・そんなに私のことを・・・」





那珂「あれ? みんなで何しているのー?」





暁「」ビク

電「」ビク

雷「」ビク

響「・・・・・・」

那珂「って、うわ・・・」

那珂「臭いのがいんじゃん、マジ最悪ー・・・」ボソ

響「!?」

響「」ジワ

響「」ポロポロ

響「・・・っ!」ダッ

暁「ひ、響!」

雷「追わなきゃ!」

電「は、はわわ・・・!」

那珂「wwwwwwwwwwwww」

夕飯食べてくるでござる


― 提督室 ―

暁「・・・で、ここにいたわけね」

雷「本当に司令官が好きなんだから・・・」

電「司令官さんの膝に座って・・・羨ましいのです・・・」





響「」グス

提督「(うっ・・・少し臭う・・・)」





提督「・・・なぁ、響」

提督「君は本当に良い姉妹を持ったな」

提督「みんなが本気で君のことを心配してくれている」

提督「批判なんてしない、偽りのない気持ちだ」

響「・・・・・・」

提督「君の気持ちはわかる。だが」

提督「暁達も、いつも君のことを心配しているんだ」

提督「どうか、毎日お風呂に入ってくれないかな?」

響「・・・・・・」

提督「それに、折角美人さんなんだから」

提督「良い匂いでいようよ? な?」

響「・・・・・・」

暁「響・・・」

雷「・・・・・・」

電「・・・なのです」

響「・・・・・・」

響「・・・わかったよ」

暁「響!」

響「ちょっと慣れるまで時間がかかるかもしれないけど」

響「みんな、一緒に手伝ってくれる?」

暁「当たり前じゃない!」

雷「任せなさい!」

電「みんな、響ちゃんの仲間なのです!」

響「みんな・・・」ウル





響「・・・・・・うん!」

響「Спасибо! (ありがとう!)」ニコ





暁「(天使だわ)」

雷「(天使ね)」

電「(天使がいるのです)」

提督「(天使だ。可愛い)」




提督「うぬ、やはり暁型姉妹はみんな仲良しなのが一番だな!」

提督「これで、一件落着かな?」

電「あ、司令官さん、ちょっと相談が・・・」

提督「ん? 何かな?」





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電『川内型軽巡洋艦3番艦の那珂さん、至急工廠に来て下さいなのです』キーン

那珂「ん? なんだろう?」




















ガン!!     ガン!!     ガン!!










――― 終 ―――


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