「いつか訪れる暁の水平線に」 (26)

艦これ類世紀末系の二次創作。

普通に艦娘が死にます。

深海棲艦強い。

更新は気まぐれ。

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どうぞ

?(白衣「…ぉい、おーい、目ぇ覚ませったら…」

…うるさい…

?(メガネ「…ぃとく、そんなに乱暴にしちゃダメですよ…」ダボダボ

…なんだ、こいつら…

?(白衣「うーん、もう治ってると思ったんだが……かし!どうなってんだよ?」

…治る…?

?(ツナギ「そう言われましても…だいぶ損傷が激しかったですし、直すの大変だったんですよ?」

…別の…女…

?(白衣「そうだけどよぉ…まぁ、もうしばらく待つか。」

…意識が…

?(メガネ「どうしますか?また廃品回収にでも行きます?」

…眠く…

?(白衣「やめとこー。お前三匹もやっちまったんだもん。」



?(メガネ「むぅ、…ぃとくだって五匹はやってましたよ〜!」

…い、とく…?

?(白衣「え、そんなにやったっけ?」

てぃ…とく…

?(メガネ「やりましたよ。はっきり覚えてますからね。」

…提、督…

?(白衣「ったく、抜け目ねぇなぁ…」

提督」

?(白衣「へ?」

?(メガネ「どうしました?」

?(白衣「いや…ん?」

「てい…と、く…」

?(白衣「お、目が覚めたか。」

「提…督?」

?(白衣→提督「おう、あれ?自己紹介したっけ?」

「…提督?」

提督「んー、まぁいい。わからないことだらけだろうから説明するよ。」

「提督。」

?(メガネ「提督、何か彼女…様子が…」

提督「目覚めて間もないんだから仕方ないだろ。お前も最初はこんなんだったんだぜ、巻雲。」

「巻雲。」

?(メガネ→巻雲「いえ、そういうのでは…」

「提督、巻雲…」

提督「ふむ、物覚えが良い。よほどできた子だったんだろうな。明石、彼女、なんつったっけ?」

?(ツナギ→明石「えーと、見た感じ…陽炎型二番艦の…」

不知火「不知火、です。ご指導ご鞭撻よろしくお願いします。」キリッ

提督「…急に元気だね。」タジッ

巻雲「さすが不知火ちゃんですね。」アハハ

不知火「…?なにか不知火に落ち度でも?」

提督「いやいや、元気ならそれはそれでいい。むしろ元気ないと困るからな。」

巻雲「不知火ちゃん、えっと…どれぐらい記憶が残ってるかな?」

不知火「…確か、私は…」

『鬼怒は!?鬼怒はどこですか!?』

『奴らめ…!』

『ここまで…か…』

不知火「っ…」ザワッ

巻雲「あ、無理に思い出さなくても…」

不知火「私は…戦いで…そうだ、戦い、戦は、戦争はどうなったんですか!?」

巻雲「それは…」ちらり

提督「…負けたよ。」

不知火「…は?」

提督「際限のない深海棲艦の猛攻、底をつく資源、沈んでいく仲間たち…最後にはあの大和でさえ捨て駒同然の戦いになってた。ヤケになってたんだろうよ。」

不知火「では…ここは…」

提督「ここは地下深くにある隠れ家だ。深海棲艦の連中、今じゃ地上を征服しちまったからな。」

不知火「そんな…」

巻雲「でもね、悪いことだけじゃないんだよ!何人か仲間はいるし…」あわあわ

不知火「私みたいに蘇らせたんですか?」キッ

巻雲「っ…」オドオド

提督「…あぁ、巻雲もそうだ。」

不知火「沈んでも、まだ再び利用するんですね…戦いの中で死ねたと思ったのに…」ギリッ

提督「…生き返らないほうがよかったか?」

不知火「…この記憶を持ってこの先どう生きていけと?」ギロッ

提督「別にただ生きろとは言ってない。戦えと言ってる。」

提督「別に、ただ生きろとは言ってない。戦えと言ってる。」

不知火「戦うために二度も生まれる私の気持ちが…あなたにわかりますか?」

提督「さぁな。俺は一回しか生まれてねぇし。」けろっ

不知火「テメェっ!」ガッ

提督「ちっ」ジャッ

ガキィン

不知火「…隠しナイフ、ですか。」

提督「アサシンブレードっつーらしーよ。かっこいいでしょ。」ニヤ

不知火「…私は、戦うために生まれた、生み出された。死ぬまで戦う使命があった!そしてやっと、やっと死んだ…」ギリギリ

提督「…」ググッ

不知火「私はどこか…死ねたことに安堵していた…こんな気持ちを持って生きていくぐらいなら死んでいた方がマシだった!」ポロ…

不知火「姉を失い…妹たちの見本となるべき私が、死んだことに安堵していた…最低だ…」ポロポロ

提督「…」

不知火「…どうして、何もしないんですか?隙を見せているのに。」スッ

提督「あいにく俺はフェミニストでね。」チン

巻雲「嘘つき、深海棲艦は平気で真っ二つにするくせに。」

不知火「…どうして私を生き返らせたのですか。」グシッ

提督「戦力がいるからだ。」

不知火「…どんだけ戦力足りてないんですか…」ジト

提督「今いるのは俺とこいつと明石と…お前。後数人は外出なう。総勢10人いるかいないかだな。」

不知火「…冗談でしょう?」ハァ

提督「いーや、これっぽっち。おまけに一人は軍医的なポジだし。」

不知火「…私は何のために生まれてきたのでしょうか。」

提督「それは知らんが代わりに俺らのモットー教えてやる。『いつか訪れる暁の水平線に…』」

『勝利を刻め!』

提督「んじゃ、改めて自己紹介。俺は提督。提督を名乗っちゃいるが、今じゃたった十人程度のレジスタンスのリーダーやってる。」

巻雲「参謀の巻雲ですっ!」ダボダボ

明石「軍医的なポジの明石よ。」

提督「自分で言うのか。」ニヤニヤ

明石「ぶち飛ばすぞ。」ボキ

不知火「改めて、陽炎型駆逐艦二番艦不知火です。よろしくお願いします。」ぺこり

提督「で、だ。現状だが…地上は深海棲艦に制圧されて、ほとんどの人間や艦娘たちが奴隷として扱われてる。」

不知火「艦娘もですか。」

提督「数は少ないながら肉体は常人をはるかに超える強靭さがあるからな。重宝してるとよ。」

巻雲「奴らの通信を傍受したところ、そういう情報が入ってきたんです。」

不知火「巻雲いつの間にそんな能力を…」

提督「ちなみに今俺らがいるのは首都元東京の真下だ。奴ら、地下には特に興味を示さなかった。なんでかは知らんがな。」

明石「仮説ですが深海棲艦は深海から地上へと進出し、そこに住み着きました。もしかしたら地下という深海に似たところに戻りたくない、という可能性が…」

巻雲「当身」ボスッ

明石「あうん」ドタッ

提督/不知火「…」

提督「ともかく地下は安全なんだ。いくつか避難した人間のキャンプとかがある。」

不知火「艦娘はいないんですか?」

提督「艦娘は…多分いない。連中の電探でほとんどが発見されて捕獲されてるだろうな。」

不知火「そう…ですか…」

明石「ちなみに私たちが見つからないのはジャマーのおかげです。この基地にある大型のものならどんなソナーにも引っかかりませんよ!」

巻雲「外に出るときは小型のジャマーをつけるんだけどね。」

提督「高性能な電探だと見つかる危険性があるが、まぁ、見つかったら倒せばいい。」

不知火「倒すと言っても…そんな装備…」

提督「問題ない。揚陸した深海棲艦は普通の兵器でも殺せる。なぜかは知らん。圧の問題かねぇ。」

不知火「…えぇ…」

提督「今は数で圧倒されてる感じ。それでも艦娘全盛期だったら勝ててたと思うよ。」

不知火「じゃ、なんで戦争に負けてるんですか。」

提督「上層部が癇癪起こしてヤケになったから。」

不知火「…うわぁ…」

提督「まぁともかく対抗手段自体はある。あとは数の問題ってわけ。」

不知火「…はい、わかりました。」

提督「えー、と。んじゃ、とりあえずメンツは揃ったしそろそろ捕虜になってる艦娘たちを助けて味方に引き入れたいところだな。」

明石「不知火ちゃんの寸法も測ったし武装作るけど…どんなんがいいかしら。」

不知火「どんなの…と言われましても。」

明石「斧とか槍とか短刀とか。あ、アサシンブレードもできるわよ?隠しナイフ。ジャキーンって。」

提督「こうな。」ジャキッ

不知火「…短刀で。」

明石「あらほらさっさー。」

提督「…ネタが古くない?」チン

不知火「で、作戦の方は?」

提督「おう。巻雲の傍受した情報によるとこの建物に牢獄があるそうだ。艦娘たちが四人ほどとらわれているらしい。」

不知火「是非とも救出して戦力に加えたいですね。」

提督「まぁな。そんで…あー巻雲、下水と地下鉄。」くいくい

巻雲「はいっ。」ダボダボポーイ

不知火「…袖の中どうなってるんですか。」

巻雲「女の秘密です。」うっふん

不知火「…夕雲がみたらどんな顔するか…」

提督「こう重ねて、と…よし、まずこの基地から下水に出て地下鉄を通り、また別の下水に入って建物の中に侵入する。」

不知火「はしょりましたね。」

提督「あとは建物の構造だな。巻雲。」くいくい

巻雲「ガッテンです!」ダボダボポーイ

不知火(四次元ポケット…)

提督「まず下水からこのトイレに出る。艦娘が捕まっているのが最上階と仮定して…敵の配置は…」

メメタァ!

巻雲「カットです!」

メメタァ…

提督「というわけだ。」

不知火「なるほどわかりました。巻雲が有能すぎることが。」

提督「倒置法…作戦の決行は明日のマルハチマルマル。今日は休め。」

不知火「はい。」ぺこり

明石「あ、提督ー、装備どうします?」

提督「このメモの通りに頼む。」

巻雲「モニタリングは任せてください!」ビシッ

不知火「…待ってください、もしかして二人だけでいくんですか!?」ガタッ

提督「そだよ?」キョトン

不知火「…近接戦は得意ではないのですが…」

提督「今回は火器を使うよ。さすがに二人で近接だけはねー。」

不知火「…大丈夫なんですか?」

提督「これでもCQCやらは得意だぜ。元殺し屋だからな。」

不知火「…なんであなたが提督なんかに…」

提督「色々あったのさ。んじゃ俺は寝る〜。」ふぁ〜

巻雲「おやすみなさーい。」ダボダボ

不知火「…不安です。」

巻雲「大丈夫だよ不知火ちゃん。とりあえず一緒に戦場に立てばわかるよ。」

不知火「何がですか?」

巻雲「…提督の、本性。」ニヤァ

不知火「…」ゾクゾク

巻雲「なーんちゃって。まぁ、腕は確かだよ。私が保証する。」えっへん

不知火「アッハイ」

明石「はーい提督ー装備一式です。にしても相変わらず提督の武器庫は心躍りますねぇ。」ぐえへへ

提督「…まぁいい、クロークスーツ、合ってるか?」

不知火「なんとか。少しきついですが。」

明石「巻雲のをサイズ調整して無理やり使えるようにしましたからね。後でまた作らなきゃ…」

提督「資材は好きなだけ使っていいよ。」

明石「…はひぃ…」ぐへ

提督「…また探索いかねぇとなぁ…

眠いからここまで。
書き込みがあると更新が加速します。
おやすみんさい。

提督「銃の使い方、覚えてるよな?」

不知火「はい、大丈夫です。軍医殿の腕が良かったのか生前の記憶が鮮明に残ってますよ。このぴっちりスーツは慣れませんが。」

提督「まぁ、そのうち慣れる。んじゃ、行くか。」ザッ

不知火「ん?提督、その荷物は?」

提督「帰り用だ。すぐわかる。」

不知火「…はぁ。」

不知火「この下水、使われているんですか?」

提督「使われてても整備する奴がいないんだろう。奴らにはノウハウがないからな。」

不知火「征服してるけれど掌握はできてない…ってことですか。」

提督「そういうことかもな。」

不知火「だったらまだチャンスはありますね…」

提督「奴らが余計な知識をつける前にどうにかできればねぇ…」

>>23 酉ミスっちゃった

不知火「…そういえば提督はなぜ提督になったんですか?」

提督「んー、殺し屋やってた時にだな…ん。」グッ

不知火「っ!」チャッ

提督(何か動くものが見えた。)

不知火(奴らが?)

提督(わからん。静かに行くぞ。)

「〜〜!」

「……」

提督(…誰かいるな…)

不知火(人ですかね?)

提督(ここら辺にはいなかったと思うんだが…)

モブA「奴らは本当にこないんだろうな!?」

モブB「地下は安全だ。あいつら何故か入ってこられねぇ。」

モブA「だが…」

提督「ちょいと失敬、手を挙げてもらえるかな?」チャッ

不知火「同じく。」チャキ

モブA「な、なんだお前たち…」

提督「怪しいもんだよ…まぁ、危害を加えたりはしない。ちょいと聞きたいことがある。」

不知火「妙な行動は起こさないでくださいね。」

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