女「あの、これ!」男「チョコくれるの!?」ビクトリーム「ベリーメロン」 (4)

如月の14日。放課後になってから女さんに校舎裏に呼び出された。

まさかチョコ?いやいやありえない。お突き合いしましょうだろうな。竹刀持ってっとくか……

女「これ、受け取ってください!」

男「ほんとにチョコ!?」

女「はい!」

男「罰ゲームじゃ……」

女「ないです!」

俺に春が来た。信じられん。

男「ありがとうござい」

最後までお礼を言おうとしたがそれは悲鳴に遮られた。

「痛い痛い痛い何するのぉぉ!?」

女「な、なに!?」

男「わからない。とりあえず一緒に行こう!」

さりげなーく手を握る。

女「はい!」

握り返してくれた。柔らかいなぁ。

悲鳴の上がったところまで行くと男子生徒が女子生徒に覆いかぶさって何かをしている。女子生徒はビクビク動いている、
もしかしなくても18禁の展開ですか。女さんも硬直して顔を真っ赤にしている。

ユラァっと男子生徒が立ち上がる。こちらを振り返ったその口は真っ赤だった。
下の女子生徒は喉のあたりが真紅に染まり目は虚ろなまま視線は固定されていた。

つまり、死んでる?

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女「いやぁぁぁ!!!」

女さんの悲鳴を聞いて頭が回転しはじめる。それと同時に男子生徒はこちらへ向かって走り出した。

こいつは人を殺した?殺人犯、それが俺たちに向かってきている。手には竹刀。迎撃するしかない!

「っらぁ!」

竹刀で喉元を全力で突いた。突きは竹刀といえども場所によっては殺傷能力が非常に高くなる。
喉元に全力の突きを入れたんだ。もう立ち上がれないだろ、う……

その考えは甘かった。男子生徒は立ち上がり、またこちらへ向かって走ってきた。

「なんだよなんだよなんだよ!」

再び女さんの手を取って走り出す。なんで立っていられるんだ!?

「ぁあああ゙ぁ゙!!」

それなりに走ることにかけては自信のある俺だが女さんを連れているのもあって追いつかれそうになる。まずい……

「そこの少年!この本を読めぇ!」

隣に誰かが追いついてきた。顔を見るとV型……

「早くしろ!さぁ!」

何が何だかわからない。人生で初めて春が来たと思ったらうちの学校で殺人事件が起こってその殺人犯に追いかけられながらV型の顔をしたやつに本を読めとか言われる。

「なんですか!!もう!!」

V型の顔のやつが開いてるページには……
なんて書いてあるんだ?

「なんだ貴様読めないのか」
「すみません……」
「マグルガ?」

女さんが読み上げるとシュイインという音とともにV型の顔から光線が発射された。は?

その光線は男子生徒にあたった。男子生徒は吹っ飛ばされて動かなくなった。

「そっちだったか。私のパートナーよ」

女「え?え?え?」

混乱するのもよくわかる。だってV型の顔にビームまででる人間なんていないだろ?

ビクトリーム「私の名前はビクトリーム。好きなものはメロンだ」

一体何の話をしているんだこいつは。

男「何の話ですか」

ビクトリーム「貴様ぁ!メロンのことを何の話ですかで済ませるつもりかぁ!?」

どうして怒られる。もうわけがわからない。

女「あの、ビクトリーム、さん?」

ビクトリーム「どうした?」

女「一体、何が、どうなって、るんですか?」

女さんは半分泣きながら質問した。俺も泣きたいけど女さん不安にさせたらダメだよね。

ビクトリーム「私に分かるものかぁ!」

女「ひっ」

ビクトリーム「ただしこの原因が魔物にあるということは分かるがな」

男「魔物?」

ビクトリーム「私も目が覚めたら魔本とともに人間界に降り立っていたのだ。メロンが近くになかったのは残念だがな」

まもの、間もの、魔物。魔物なんてファンタジーの産物だろ?

ビクトリーム「私以外にも魔物が召喚されているのかもしれない。ただし、今回の目的は恐らくこの騒ぎの原因を取り除くことだ」

耳を澄ませると確かに悲鳴や怒号が聞こえてくる。

ビクトリーム「さぁ私のパートナーよ。私とともに戦おうではないか!」

男「ちょっと待った。女さんは俺の彼女だ。勝手にパートナーとか言うな!」

命の恩人だけどこれは譲れない。

女「まだ告白してないのに…彼女…」

若干嬉しそうにつぶやいてる女さんかわいい。

ビクトリーム「むぅ、私の言うパートナーとは魔本を読むことができる者に対して使う言葉だ」

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