荒(´神`)-アラガミ- に支配された世界 (130)


[プロローグ]


地球は、あらゆるものを捕喰する細胞「オラクル細胞」から形成される異形の怪物「荒神(アラガミ)」によって支配され、彼らの“食べ残し”である人類は滅亡の危機に瀕していた。

国家という存在自体が力を失い、幾つかの巨大企業が技術と力を誇示して台頭する中、遂に人類はアラガミに対抗する手段を確立する。

「神機」、「ゴッドイーター(GE)」、そして、「アーマードコア(AC)・ネクスト」。

これは、荒廃する世界の中で(´神`)に抗おうとした、人類の物語である。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423745597

[Part 1]

@贖罪の街


リンドウ「……話は聞いているな。今回のミッションはお前のテストも兼ねている」

リンドウ「内容は単純だ。この地区に逃げ込んだアラガミ共を全滅させること」

リンドウ「このミッションを果たせば、お前は極東支部に登録され、ゴッドイーターとして認められる」

リンドウ「失敗すれば、その時は死ぬだけだ」

リンドウ「俺はお前の審査役として同行する。手助けは一切しない。そのつもりで」

主人公「……」コクリ


―数分後―


主人公「……」ボロッ ボロ

リンドウ「なるほど、それなりの力はあるようだ」

リンドウ「認めよう、お前の力を。今この瞬間から、お前はゴッドイーターだ」





神機『モクヒョウ タッセイ』


@フェンリル極東支部/エントランス



コウタ「おっ、メールが来てる」



――――――――――――――――
【新規ゴッドイーターへ】
SENDER NAME:フェンリル極東支部


フェンリルへようこそ。

今後あなたは、我が「極東支部」に所属するゴッドイーターとして仕事をしてもらいます。

今後ともよろしくお願いします。

現在の地球は、アラガミによる捕食に伴い、急激な荒廃を見せています。

また一方、地球社会の衰退に連れ、潜在していたアラガミ同士の対立も激化しています。

そのことから、地球各地では常に争いが絶えず、ゴッドイーターにとっては絶好の仕事場と言えます。

実力次第でいくらでも活躍できるでしょう。

今のあなたは、ゴッドイーターとしては最下層の位置にいます。

あとはあなたの活躍次第です。

今後も定期的に連絡しますので、随時チェック欠かさないでください。

それでは。
――――――――――――――――



コウタ「……頑張んなきゃな、俺……(死なないように)」


主人公「……」カタカタ



――――――――――――――――
【新パートナーへ】
SENDER NAME:竹田ヒバリ


はじめまして。

私は「極東支部」所属の渉外担当官、竹田ヒバリです。

依頼の仲介、作戦任務中の通信サポートを始め、あなたのマネージメント全般を担当します。

いつまでご一緒できるかはあなた次第ですが、とりあえずよろしく。

早速ですが仕事を取ってきました。

ゴッドイーターとしてはかなりランクの低い仕事ですが腕慣らしには最適でしょう。

確実にこなしてください。

ゴッドイーターであるあなたに一つだけ。

「喰う人間もいれば、喰われる人間もいる」

それがゴッドイーターにとって、ただ一つの真実です。

あなたが“喰う側”の人間であることを祈ります。
――――――――――――――――


[Part 2]

@鉄塔の森 


エリック「お、君が例の新人クンかい? 噂はきいているよ」

エリック「僕はエリック。エリック・デア・フォーゲルヴァイデ」

エリック「君もせいぜい僕を見習って、人類のため華麗に戦ってくれたまえよ」

主人公「……!」ピクッ

ソーマ「エリック、上だ!」

エリック「え? う、うわああぁっ!!」


バクンッ


ソーマ「お前じゃこの先生きのこれないぜ」


@フェンリル極東支部/研究室


サカキ「急に呼び出してすまないね」

サカキ「実は君に、折り入ってお願いしたいことがあるんだ」

サカキ「数日後、この極東支部に君と同じ新型神機の適合者がやってくるんだけど……」

サカキ「彼女の任務に、君も協力して欲しいんだ」

サカキ「そういえば、君はコロニー・アナトリアの出身だったね」

サカキ「彼女もアナトリアからやってきた神機使いなんだ。仲良くしてあげてくれよ」

主人公「……」


@エントランス


アリサ「はじめまして、アリサ・イリーニチナ・アミエーラといいます。本日付けで、アナトリア支部からこちらの極東支部に配属になりました。よろしくお願いします」

コウタ「女の子ならいつでも大歓迎だよ!」

アリサ「は、はあ……」

ツバキ「彼女は実戦経験こそ少ないが、演習では抜群の成績を残している。粗製の自覚がある奴は、追い抜かれぬよう精進するんだな」

コウタ「り、了解です……」

ツバキ「アリサは、予定通りそこの男と共同で任務に当たるように。企業の目もあるだろうが、報告は忘れるなよ」

主人公「……」

アリサ「了解しました」


[Part 3]


パックス・エコノミカ――企業による全体管理。

限りある資源の、節度ある再分配。

賢明な経済主体たる企業が、資源と市場を独占し、人々はコロニーに押し込まれ、糧食を得るためだけの労働に従事していた。

企業の力の象徴たるネクスト。

その開発に出遅れたGAは、時代遅れの巨人であり、だからこそ、彼らは我々を受け容れた。

ネクストを駆るゴッドイーターは、低俗な、政治的駆け引きにより生まれたのだ。

神機使い――政治的な利用価値しかない、非力なネクスト。

この時はまだ、誰もがそう思っていた……私を含めて。


〈MISSION BRIEFING〉

――――――――――――――――

独立計画都市グリフォンを占拠する、アラガミを排除する。

グリフォンはかつて、アラガミの襲撃により基幹インフラを失い、廃棄された。

敵は、都合よくそこを根城にしているにすぎない。

この作戦は、アナトリアのネクスト、即ちキミの、パックスに対するプレゼンテーションだ。

特に、パックス最大の企業体、GAは、グリフォンの復興を計画している。

連中にアピールするには、またとない機会だろう。

状況はできあがっている。

あとはキミ次第だ、よろしく頼む。
――――――――――――――――


@独立計画都市グリフォン


アリサ『作戦開始よ。敵主力、アラガミを撃破して』

主人公「……」ドヒャ ドヒャ

アリサ『敵アラガミ、シユウを確認。作戦目標よ、撃破して』

主人公「……」ドコン ドコン

アリサ『そう、その調子よ』

主人公「……」ブオンッ

アリサ『……敵アラガミ、完全に沈黙。作戦成功よ、帰還して』


@フェンリル極東支部/エントランス


アリサ「作戦は大成功ね。エミール、大喜びよ」

主人公「……」

アリサ「彼はきっとうまくやる。そうしたら、あなたは、また戦場に戻ることになる……」

主人公「……」

アリサ「……わかってる。これが、私たちの故郷を救うためだってこと。でも……」

主人公「……」

アリサ「ゴッドイーターにもなって、リンクスとしても生きなければならないあなたに、自由があるとは思えない……」

主人公「……」

アリサ「私たちの役目が終わったら、二人でどこか、争いのない静かなところへ行きましょう。約束よ」

主人公「……」コクリ


[Part 4]

フェンリル極東支部/支部長室


ヨハネス「彼がここに来てから1ヶ月。どう思う? 博士」

サカキ「……それは、新型の力が想定以上だったと、そういう意味かい?」

ヨハネス「……それもある。が、彼は“特別”か、あるいはそれ以上かもしれない」

サカキ「確かに、ゴッドイーターでありネクストを駆るリンクスでもある彼は、持って生まれた特別な素質があるのかもしれない。けど、君が思っているのはそういうわけでもなさそうなんだよね」

ヨハネス「……」

サカキ「(力を持ちすぎる者は、やがて全てを壊す……か。果たして彼は、どうなのかな……)」


@贖罪の街


リンドウ「久しぶりだな、よく来てくれた」

リンドウ「俺は反対側から回り込む。協力して敵部隊を挟撃する」

リンドウ「敵はヴァジュラ2体、オウガテイル多数。全滅をもって任務完了とする」

リンドウ「では行くぞ」





神機『戦闘システム 起動』

―10分後―


リンドウ「敵が捕食へ向かったな。追うぞ」

主人公「……」タタッ

コウタ「あ、あれ? リンドウさん、何でここに!?」

リンドウ「……」チッ

サクヤ「どうして同一区画に2つのチームが……どういうこと?」

リンドウ「考えるのは後にしよう。ひとまず任務を終わらせて帰還するぞ」

リンドウ「俺とこいつで、この中に逃げ込んだアラガミを排除する。お前たちは外を警戒、いいな」

コウタ「了解っす!」

ソーマ「……せいぜい、生きて帰るんだな」

アリサ「……(嫌な予感がしますが、気のせいでしょうか……)」

―数分後―


ヴァジュラ「ファ、ファーティ…マ…」





リンドウ「良くやってくれた。どうやら全滅したようだな」

主人公「……」

リンドウ「……大した腕になったものだ」

リンドウ「支部長が言っていたことも、あながち杞憂では無いということか」

主人公「……?」

リンドウ「お前は危険だ。消えてもらおう」ジャキン

主人公「!?」


―3分後―


ザシュッ


リンドウ「ぐああっ! ク、クライン……」バタリ

主人公「……」

アリサ『レイヴン、聞こえますか? どうやらここは、複数のアラガミに包囲されているようです。そちらのアラガミを討伐次第、至急リンドウさんと一緒に戻ってきてください!』

主人公「……」





神機『作戦終了 戦闘システム 解除』


@フェンリル極東支部/エントランス


サクヤ「そんな……リンドウ、どうして……!!」

コウタ「サクヤさん……」

ソーマ「……」チッ

主人公「……」

ツバキ「お前たちだけでも生き延びたんだ。今は……生きていることへの実感を噛み締めておけ」

アリサ「はい……」

ツバキ「……ともあれ、あの四面楚歌の状況下で、あいつ以外全員無事で帰れるとはな。嬉しい限りだが、正直私も驚きだ」

コウタ「……ホント、アンタのおかげだよ。あそこまでアラガミをねじ伏せるなんて真似、普通はできない。それで俺らも助かったんだ」

主人公「……」


@アリサの部屋


アリサ「私、実は少し見ていたの。リンドウさんが、あなたを殺そうとする場面を……」

主人公「……」

アリサ「あの人とあなたに、一体……何があったの?」

主人公「……」フリフリ

アリサ「……そう、わからないのね。でも、極東支部で私たちの命を狙う人間がいるなんて、どうして……」

主人公「……」

アリサ「この事は、私とあなただけの秘密よ。それと、またいつ狙われるかわからないから、警戒は強めておきましょう」

主人公「……」コクリ

[Part 5]


@フェンリル極東支部/エントランス


コウタ「あの二人、朝から見ないなー。サクヤさん、知りませんか?」

サクヤ「……あの子とアリサなら、今日は共同任務があるって言ってたわ」

コウタ「そ、そうなんすか……」

サクヤ「……コウタ君も、休める時に休んでおきなさい。目立ったアラガミの目撃情報もないしね。私は……ちょっと調べたいことがあるから」

コウタ「はい……(リンドウさんのこと、まだ引きずってるんだな……)」


〈MISSION BRIEFING〉


――――――――――――――――
作戦を確認します。

マグリブ解放戦線の陸送部隊を襲撃し、同組織のイレギュラーネクスト、砂漠の狼こと、アマジーグの機体を破壊します。

アマジーグは、致命的な精神負荷を受け入れることで、低いAMS適性を補い、機体の戦闘力を限界以上に高めています。

ホワイトアフリカ各地の反体制組織から、「英雄」と称えられるほどの相手です。

まともに戦うには、リスクが大きすぎます。

彼のネクスト、バルバロイはイクバール標準機ベースの、軽量機体です。

機体本体の防御力は、決して高くありません。

起動前に、一気に叩いてください。

以上、作戦の確認を終了します。

無事の帰還を……。
――――――――――――――――


@旧ピース・シティエリア


アリサ『目標を確認、輸送車両による陸送中です。焦らずに目標を引き付け、奇襲してください』

主人公「……」ゴオォォ…

アリサ『目標が作戦エリアに入りました。十分に近づき、一気に叩いてください』

主人公「……(コジマキャノン、フルチャージ完了)」ドヒャ

アリサ『バルバロイ、起動(ry』


ズドオォォン!!


アマジーグ「終わりか……あるいは、貴様も……」

アリサ『……バルバロイ、沈黙。作戦は成功です、帰還してください』

@格納庫


アリサ「アマジーグはずっと、本隊と独立して行動していたようよ……味方を巻き込まないように」

アリサ「英雄、か。最初から、全てを受け入れていたのかしら……」

主人公「……」

アリサ「極東支部に戻りましょう。次の任務があるわ」

主人公「……」ゲッソリ


@サクヤの部屋


サクヤ「あの日のミッション履歴が、全て消されてる……?」

サクヤ「(リンドウが遺したデータファイル……待って、まだ何か残ってる)」カチカチッ


――――――――
2071年○月△日

アナトリアの神機使いが、単独でヴァジュラ神属の亜種、プリヴィティ・マータ4体を殲滅。新米の神機使いとしては、驚異的な力を見せる。
また、単独任務でアラガミの住処とされる区域にあの男を送らせてみたが、またも生還した。


2071年○月□△日

クラインから、アナトリアの神機使いがネクストを駆る「リンクス」であることを知らされた。
パックス企業同士の争いには一切関知しないフェンリルだが、ペイラー・榊を通してコロニー・アナトリアからネクストとコジマ技術に関する情報を一部横流ししているようだ。


2071年○月△△日

支部長が、正式にあの男を「イレギュラー」と認定。
クラインは、自らが主導する「アーク計画」に支障をきたす不穏分子を排除すべきと判断した。
あの男は最近、ネクストを使用した任務に追われている。疲弊した所を叩けば容易いだろう。
俺が、クラインの計画を手助けしなければ。
――――――――


サクヤ「……ど、どういうことなの? リンドウ……」

test


[Part 6]


ホワイトアフリカの戦い――特に、反体制の英雄たるバルバロイの撃破は、アナトリアの神機使いの価値を、一気に押し上げた。

だが、我々が単純な成功を享受する一方で、パックスには、深刻な対立の火種が生じていた。

コジマ技術の主導権争い。

アクアビットを擁する新興のレイレナードグループと、ローゼンタール傘下、オーメル・サイエンスによるこの争いは、次第に他企業に波及し、潜在的な対立を顕在化させていく。

世界の、欺瞞に満ちた安定は、失われつつあった。

私はそれを、アナトリアのチャンスだと考えていた。

@フェンリル極東支部/エントランス


『緊急連絡。対アラガミ装甲壁が攻撃を受け、突破された模様。ACと思われる機影が少数、所属不明部隊の侵入を確認しました。緊急事態につき、各員本部の指示に従い行動してください』



コウタ「アラガミじゃない敵!? どうなってんだよ!」

サクヤ「マズいわね。相手が通常兵器、それもACなら、神機使いじゃほとんど歯が立たないわ」

ソーマ「……くそっ、人間同士で争ってる場合か……」

ヒバリ「レイヴン、サカキ博士とアリサさんがお呼びです!」

主人公「……!」ダダッ


@サカキ博士の研究室


アリサ「AC……なんでこんなところに……!」

サカキ「さあね。アラガミ以外がここを狙ってくる理由は、皆目見当がつかないが……」

主人公「……」ガチャリ

サカキ「……来たか。状況は聞いての通りだよ」

アリサ「不明部隊の極東支部接近を確認。数は多くないけど、もうかなり近い。お願い、すぐ迎撃に出て!」

サカキ「やむを得ないが、君のネクストで迎え撃つしかないようだ。支部長の許可は降りてる、急いでくれ」


@外部居住区


アリサ『ダメ……敵部隊が近すぎる。作戦エリアを生活圏に重ねるしかないわ。PA(プライマルアーマー)は使用できない』

アリサ『被弾を抑えつつ、周囲への被害を最小限に留める必要があります。厳しいけど、頑張って』

主人公「……」ドシュ ドシュ

アリサ『敵ノーマル、撃破。順調です、そのまま続けてください』

主人公『……』ドコン ドコン

アリサ『敵反応、残り僅かです。あと少しよ、慎重に』

主人公「……」ババババ

アリサ『……敵反応、なくなったわ。居住区も大丈夫、作戦成功よ』

アリサ『(それにしても……なぜ、極東支部を? 彼ら、何者なの?)』


@アリサの部屋


アリサ「彼ら、マグリブ解放戦線の生き残りだそうよ。私たちは、憎き仇……だったのかしら」

主人公「……」

アリサ「戦うことで生きるのなら、受け容れなければならない。それは分かっているのだけど……」

主人公「……」

アリサ「また次の任務があるわ。今はゆっくり休んで、おやすみなさい」


〈MISSION BRIEFING〉


――――――――――――――――
作戦を確認します。

フェンリルグラスゴー支部で確認された、新種のアラガミを排除します。

グラスゴー支部のゴッドイーターが当アラガミの討伐に向かいこれを撃退しましたが、惜しくも一人戦死者を出す結果となっています。

元々ゴッドイーターが3人しかいない当該支部で、戦死者を出した今、現存する神機使いは2人のみです。

これ以上の戦力損失を避けるため、グラスゴー支部はネクストによる作戦の遂行を、アナトリアに依頼しています。

目標のアラガミを発見次第、これを完全に排除してください。

なお、周辺には多数のアラガミも確認されており、討伐対象ではありませんが、排除した分の報酬は上乗せするとのことです。

以上、作戦の確認を終了します。
――――――――――――――――


@グラスゴー支部/環境保護エリア


アリサ『作戦開始。なお、作戦領域はレベル5の保護エリアで、迅速に任務を達成しなければなりません。当然、PAも使用はできません。留意してください』

主人公「……」ゴオォォ…

アリサ『中型種の群れを確認。ターゲットには指定されてないけど、纏めて叩きましょう』

主人公「……」ブオンッ

アリサ『……目標までの距離、残り僅かです。確実に仕留めてください』

主人公「……」ギュイィィン


―作戦終了後―


アリサ「お疲れ様。無事で良かった」

主人公「……」ハァ

アリサ「あの赤いアラガミ、戦死者の神機が突き刺さったままだったらしいわ。後で仲間の人が回収しに行くらしいけど……」

主人公「……」

アリサ「……顔色が悪いわ。大丈夫?」

主人公「……」コクリ

アリサ「無理……させてるよね。エミールに頼んで、少しの間、休暇を取りましょう」


〈MISSION BRIEFING〉


――――――――――――――――
作戦を確認します。

GAE社ハイダ工廠を強襲し、建造中の新型巨大兵器を、すべて破壊してください。

ハイダ工廠は、GAからの離脱を宣言しており、本作戦はグループの内部粛清です。

施設内には、元GAEの正規防衛部隊が配備されていますが、作戦の障害となるようなら、排除して構わないとのことです。

なお、ハイダ工廠と提携関係にあったアクアビットが、何らかの支援をしている可能性もあります。

留意してください。

以上、作戦の確認を終了します。

情報が不足しているわ、慎重にね。
――――――――――――――――



@ハイダ工廠


アリサ『目標は建設中の巨大兵器、全部で3機です』

主人公「……」ドヒャ ドヒャ

アリサ『……こ、これは!? 工廠内部に、オラクル反応多数!』

アリサ『アラガミ……? いいえ、違う。ノーマルです! オラクル細胞に侵喰されたと思われる、ノーマルACを確認』

アリサ『接近すると危険です! 遠距離からの攻撃を加え、各個撃破してください』

主人公「……」ズドン ズドン


―作戦終了後―


アリサ「ハイダ工廠は、GAの異端と言われた技術者集団よ。企業の利害とか、政治なんて関係なく、ただ自分たちの研究が愛しかったのかもしれない」

主人公「……」

アリサ「それがどんなに、危険なものでも……なんとなくだけど、そう思う。私の父も、同じだったから……」

主人公「……」

アリサ「……だけど、アラガミを利用した兵器の開発なんて、アクアビットは何を考えてるのかしら。神機だって、まだ全ての人が完全に制御できるわけじゃないのに……」


[Part 7]


テロリストの名を借りた、企業尖兵の代理戦争は、GAEハイダ工廠の粛清により、1つの転機を迎える。

すなわち、ハイダの提携先であったアクアビットが、この粛清が「アクアビットへの直接攻撃」にあたる、と難癖をつけ、GAに対し報復攻撃を行ったのだ。

パックスではじめての、企業間直接戦闘だ。

この動きは、対立を深めつつあった他企業にも瞬時に拡大、世界は理念なき戦乱に突入していく。

そして、この戦乱から、アナトリアの神機使いの名は、オリジナルに匹敵するネクスト戦力として認知されるようになる。

……彼女は、それを危惧していた。

私には、理解できなかったが。



@鎮魂の廃寺


シオ「……」テクテク



コウタ「な、何だアレ?」

サクヤ「人……なのかしら」

ソーマ「……」

主人公「……」コソコソ

サカキ「おお、やっと姿を見せてくれたね!」

サクヤ「博士!? どうしてここに……」

サカキ「しーっ、しばらく隠れて様子を見るとしよう」




シオ「……排除、排除、排除……」ムシャムシャ


〈MISSION BRIEFING〉


――――――――――――――――
作戦を確認します。

ここ、ゼクステクス世界空港に、イクバール社空挺部隊が接近しています。速やかに迎撃してください。

敵主力は、多数のノーマルです。イクバール社最高のノーマル戦力、バーラット部隊の姿も確認されています。

なお、第二滑走路で離陸準備中の大型ステルス機には、GA社の重要人物が搭乗しています。同機の安全を最優先に確保してください。

離陸までは、PA使用を禁ずるとの通達もありました。同機へのコジマ汚染リスクを抑えるため、とのことです。留意してください。

以上、作戦の確認を終了します。
――――――――――――――――


@ゼクステクス世界空港


主人公「……」ボボボボ

アリサ『敵主力部隊、撃破しました』



サーダナ「アナトリアの神機使い。面白い素材と聞いている。期待するぞ」ゴオォォ…



アリサ『敵ネクスト、イクバール社のNo.2、サーダナです。まさか、オリジナルまでも出てくるなんて……』

アリサ『やるしかないわ。敵ネクスト、撃破してください』

主人公「……」ピーピーピー

サーダナ「なるほど……新しい、可能性を感じるな……」

―2分後―


サーダナ「こうなるか? 新しい……惹かれるな」ボボボカーン




アリサ『敵ネクスト、撃破を確認。作戦は成功です、帰還してください』

主人公「……」

アリサ『……極東支部から通信が入りました。第一部隊……沿岸部にて音信途絶。大至急、捜索に向かって欲しいとのことです』

主人公「……」ギュイィン!!

アリサ『(第一部隊のみんなに、一体何が……!?)』


@愚者の空母


コンゴウ「……」ドヒャ ドヒャ



コウタ「ちくしょう! 何なんだよコイツら!?」ゴガガガ

サクヤ「攻撃が当たらない……!」バキュン バキュン

ソーマ「……ッ、動きが速すぎる……」ダダッ



サリエル「……」コオォォ……



サクヤ「……!! あ、あの光は……!」

コウタ「こ、今度は何!?」

ソーマ「いかん! そいつには手を出すな!」



ズギャアァァン!!



コウタ「」ドシャア

サクヤ「」バタリ

ソーマ「……くそッタレ、が……!」ズシャア



コンゴウ「……」ドヒャ ドヒャ

サリエル「……」パアァァ…



ソーマ「コジマは、まずい……」ガクン


@フェンリル極東支部/サカキ博士の研究室


アリサ「……」

主人公「……」

サカキ「……駆けつけてくれてありがとう。たった今、あの3人は本部直轄の医療センターへ移送されたよ」

アリサ「……無事、なんでしょうか」

サカキ「怪我はともかく、3人とも重度のコジマ汚染に晒されているようなんだ。運が悪ければ、最悪死んでしまう可能性がある。少なくとも、戦線復帰は絶望的だ」

アリサ「……そう、ですか……」




シオ「排除……排除、排除、排除」トテトテ




サカキ「(“特異点”を、ヨハンの目から遠ざけるしかないか……。やむを得ないが、この子達にも協力してもらおう)」



〈MISSION BRIEFING〉


――――――――――――――――
作戦を確認します。

BFF本社への、攻撃作戦を実行します。

目標は、同社の本社機能を有する特別艦、クイーンズランスの破壊です。

クイーンズランスの周辺には、大規模な護衛艦隊が展開しています。激しい戦闘は避けられません。 

目標はクイーンズランスのみです。それ以外の敵は、相手にする必要はありません。

確実に、目的を達成してください。

この作戦が成功すれば、BFF社に壊滅的な打撃を与えることができるでしょう。

大きな意味を持つ作戦であること、忘れないでください。

以上、作戦の確認を終了します。

もう後戻りできないわね。
――――――――――――――――


―作戦終了後―


アリサ「あなたの手で、6大企業の1つが実質的に崩壊する。こんなことになるなんて、想像してなかった」

主人公「……」

アリサ「あなた、本当にすごい。あの頃は、全然そんな風に見えなかったけど……」

アリサ「ここまでやってしまった以上、もう私たちに他の道は残されていない。早く……終わらせましょう」

主人公「……」

アリサ「……今は、ゆっくり休んで。おやすみなさい」


@フェンリル極東支部/支部長室


クライン「……ペイラーめ、私に黙って“特異点”を手に入れたか。だが、もう計画を止められんよ」

クライン「(そう言えば……あの時も、お前のような者がいた……」

クライン「イレギュラーか……」

クライン「お前の存在は予測の範疇にある」

クライン「プログラムの修正も私の仕事だ」

クライン「……エイジス島。そこが、再生の地だ……」


[Part 8]


クイーンズランス攻撃。パックスの崩壊は、この作戦により決定付けられていたと言ってよい。

巨大企業BFFの軍事インフラを失い、新興故の脆弱さを露にしたレイレナードグループが、きわめて直接的で、リスクの高い戦術を採ったのだ。

ネクストを中心とした、敵中枢の直接攻撃。

レイレナードと、その盟友たるアクアビットは、全てのネクスト戦力と危険な巨大兵器を投入し、予告なく、大規模な同時奇襲作戦を敢行する。

リンクス戦争。あっけなく消滅する巨大コロニー。
無秩序に拡大するコジマ汚染。

最初期の奇襲により壊滅的な打撃を被り、一方的な防戦に追い込まれたオーメル陣営の切り札となったのが、アスピナの傭兵、ジョシュア・オブライエンと、あの男だった。

この戦争における2人は、正に圧倒的だった。

時に、味方である私でさえ、不安と恐怖を抱くほどに……。



〈MISSION BRIEFING〉


――――――――――――――――
作戦を確認します。

アクアビット社の新型巨大兵器、ソルディオスが、極東支部周辺の外部居住区に接近しています。これを迎撃します。

ソルディオスは、元GAEハイダ工廠で開発されていた巨大兵器の完成形と見られ、超大型のコジマキャノンと、高濃度PAを装備しています。

既に、相当数の同型機の存在が確認されており、周辺のコロニーを蹂躙しつつ、極東支部に向かって集結しているようです。

コロニー・アスピナも同様の依頼を受け、ネクスト傭兵、ホワイト・グリントを派遣しました。

可能であれば、連携して対処してください。

以上、作戦の確認を終了します。

勝てるわ、あなたたちなら。
――――――――――――――――


@外部居住区/最終防衛ライン


アリサ『巨大兵器、ソルディオス確認しました。2方向から外部居住区に向けて進行中です』

アリサ『東部隊は、ホワイト・グリントが担当します。あなたは、西の大部隊を迎撃、すべて撃破してください』

アリサ『通信要請、ホワイト・グリントです。回線、開きます』

ジョシュア「こちらホワイト・グリント。レイヴン、活躍は聞いている。宜しく頼む」

アリサ『ソルディオス部隊周辺に、オラクル反応を確認。恐らくは、侵喰型のノーマルACです。こちらも、すべて排除願います』

主人公「……」ドヒャ ドヒャ


―5分後―


ジョシュア「火力だけでは何もできん。遅すぎる、これは」ブオンッ

アリサ『ホワイト・グリント、ソルディオス撃破。すごい……圧倒的です!』

主人公「……」ズドドン

アリサ『巨大兵器ソルディオス、すべて撃破しました。よかった……作戦は成功です』

ジョシュア「やるな、頼もしい。味方でよかった。お前とは、敵対したくないな」

主人公「……」

ジョシュア「こんな時代だ。生き残れよ、お前たちも」



―作戦終了後―


アリサ「守るべきもののためには、すべてを棄てる……ジョシュアとあなた、似ているのかもしれないわ」

アリサ「……彼は、守るべき故郷のために、戦い続けている。本当に、強い人……」

アリサ「でも……あなたは、それ以上なのだと思う」

主人公「……」

アリサ「帰りましょう。あなたが無事でよかった」




@レイレナード本社施設・エグザウィル/社長室


クライン「諸君らを呼び出したのは他でもない」

クライン「目下、我々の計画の障害となる人間を、我が社が誇る最高戦力、君たちリンクスの手で消してもらいたい」

クライン「排除対象は、私が統括するフェンリル極東支部所属の、ゴッドイーター」

クライン「彼はコロニー・アナトリアから派遣されたリンクスでもあり、ネクストを駆る傭兵……イレギュラーだ」

クライン「計画は最終の段階に入りつつある。先ずは衛星軌道掃射砲、エーレンベルクを起動、地球の衛星軌道上を埋め尽くすアサルト・セルを一掃する」

クライン「これにより、選ばれた人類のみが外宇宙へ進出できる。“ノヴァ”による終末捕食を引き起こすことで、人類の、種としての滅亡を回避する」

クライン「アーク計画……その成就まで、あと一歩だ。諸君らの健闘に期待する」


@フェンリル極東支部/サカキ博士の研究室


アリサ「アーク計画……」

サカキ「選ばれた人類種のみが“箱舟”に乗ることを許され、外宇宙へ旅立つ。人為的に引き起こされる終末捕食、破壊と再生。ヨハンはずっと、この時を待っていたんだね」

アリサ「そんな! 残された人たちは、人柱ってこと……?」 

サカキ「“人類”を生き延びさせるためなら、人の死を厭わない。彼は昔からそう言っていた」

アリサ「そんな理屈……!」

主人公「……」

サカキ「無論、僕もこのまま黙って見ているわけにはいかないよ。だが、抵抗しようにも、極東支部に残存する戦力は微々たるものだ。ましてや、ネクストを控えている企業に太刀打ちできる戦力なんか、あるとは思えない」

アリサ「……では、私たちがやるしかありません」

サカキ「……すまない。君たちを利用するだけしておいて言うのもなんだが、頼れるのはもう君たちしかいないんだ。旧知の友としては心苦しいけど、ヨハンを……彼の凶行を止めてくれ」

アリサ「……了解しました」

サカキ「レイレナードの代表であるヨハンも、残るネクスト戦力を差し向け、何が何でも君たちを消しに来るだろう。それは、ここ最近の巨大兵器侵攻や、元はと言えば……リンドウ君の裏切りからわかることだ。彼は前々から、アナトリアから来た君たちのことを、常に危険視していたんだろう」

アリサ「私たちが……?」

サカキ「そうさ。ゴッドイーター、リンクスという二重の役割を背負いながらも、立ち塞がるものは全て倒し、生き残ってきた。そこの彼は、ヨハンにとってみれば正しく、“イレギュラー”そのものなんだ」

アリサ「イレギュラー……」

主人公「……」

サカキ「今後のバックアップは僕に任してくれ。君たちは今、やるべき任務を果たすんだ」



〈MISSION BRIEFING〉


――――――――――――――――
作戦を確認します。

レイレナード社のネクスト、オルレアを撃破してください。

彼女は、国家解体戦争で最も多くのレイヴンを倒したと言われ、この戦いでも、既に複数のネクストを撃破しています。

現在は遊撃隊として、単独で動いているようですが、その行動には、明確な規則性があります。

おそらく、敵対するネクストを誘い出す意図があるのでしょう。

オルレアの主兵装は、高出力の専用ブレードです。

接近戦では、細心の注意をはらってください。

以上、作戦の確認を終了します。

……負けないでね。
――――――――――――――――


@ハーゼン工場


アンジェ「アナトリアの神機使いか。できる、と聞いている。期待するぞ」

アリサ『目標、確認。ネクスト、オルレアです。撃破してください』

主人公「……」ドヒャ ドヒャ

アンジェ「世界や人類のことなど、私には関係ない。お前が、私を満足させられるのなら、それでいい」ブオンッ

主人公「……!」ドコン ドコン


―5分後―


アンジェ「なるほど、強い……これが本物か」ビリビリ

主人公「……」ガション

アンジェ「……誇ってくれ。それが手向けだ」ボボボカーン

アリサ『オルレア、沈黙しました。作戦は成功です、帰還してください』



―作戦終了後―


アリサ「あの女(ひと)、戦いを楽しんでいるみたいだった」

アリサ「なんだか、すごく不安で……だから、あなたが勝って、ほっとした」

主人公「……」ボロボロ…

アリサ「今は、ゆっくり休んで。おやすみなさい」


〈MISSION BRIEFING〉


――――――――――――――――
作戦を確認します。

旧ピース・シティエリアで、敵最精鋭ネクスト部隊と交戦している、味方の支援に向かいます。

敵ネクストは4機、リンクスはいずれもナンバー上位ですが、特に警戒すべきは、ナンバー1のベルリオーズです。

ベルリオーズの戦績は、完璧です。オリジナルには珍しい極めて柔軟な思考の持ち主で、必要であれば、ためらいなく他企業の武装を使用し、確実に勝利することで、それを認めさせています。

複数のネクストを相手にする、極めて危険な任務です。これまでで、最も過酷な戦闘になることは、間違いありません。

以上、作戦の確認を終了します。

死なないで……。
――――――――――――――――


@旧ピース・シティエリア


アリサ『戦闘、既に開始されています』

アリサ『……! 味方機、反応ありません!』

アリサ『全滅……そんな、4対1よ……』

アリサ『作戦放棄を提案します、すぐに離脱して!』

エミール「作戦、続行する。敵も無傷ではない。キミならやれる。幸運を」

主人公「……」ドヒャ ドヒャ


ベルリオーズ「敵ネクスト確認。アナトリアの神機使いだ」

アンシール「アナトリア? ああ……例のイレギュラーか。わざわざ死にに来てくれるとはな、手間が省ける」

ベルリオーズ「侮るな、優秀な戦士と聞いている。潰すぞ」

主人公「……」ピーピーピー

P.ダム「戦場だ、覚悟はできてる……」ボボボカーン

アリサ『敵ネクスト、ヒラリエス撃破』


―2分後―


主人公 「( ´∀`)σ)∀`)」ガション!

アンシール「くそがっ! オレのせいかよっ!」ボボボカーン

アリサ『敵ネクスト、レッドキャップ撃破』

主人公 「( ´∀`)σ)∀`)」ガション!

ザンニ「なるほど、強い……」ボボボカーン

アリサ『敵ネクスト、ラフカット撃破。残り一機です!』

主人公「……」ドヒャ ドヒャ

ベルリオーズ「当ててくるか! レイヴン、侮れんな」


―作戦開始15分―


主人公「……」ドコン ドコン

ベルリオーズ「……良い戦士だ。感傷だが、別の形で出会いたかったぞ……」ボボボカーン

アリサ『敵ネクスト、全て撃破しました』

主人公「……」ハァ ハァ

アリサ『無事、終わった……作戦は成功です。帰還してください』



―作戦終了後―


アリサ「すごかったわ、あなたの戦い。まだ信じられないくらい」

主人公「……」ボロッ…

アリサ「……無理、させてるよね。この戦争が終わったら、もう……やめよう」

主人公「……」コクリ

アリサ「今は、ゆっくり休んで。おやすみなさい」



〈MISSION BRIEFING〉


――――――――――――――――
作戦を確認します。

レイレナード本社施設、エグザウィルを破壊します。

エグザウィルには、極めて特殊な建築手法が用いられています。扇状に配置されている支柱を破壊していけば、全体のバランスが失われ、施設は崩壊するはずです。

レイレナード社のネクスト部隊は、既に壊滅していますが、エグザウィルには、まだ多くの戦力が残っているでしょう。油断は禁物です。

以上、作戦の確認を終了します。

これで最後よ。
――――――――――――――――



@レイレナード本社施設・エグザウィル


アリサ『破壊目標、レイレナード本社施設、エグザウィルです。これが最後の戦いよ。負けないで……帰ってきて、お願い!』

主人公「……」ブオンッ

アリサ『エグザウィル支柱、破壊しました。本体のバランス、崩れはじめました』

主人公「……」ドヒャ ドヒャ

アリサ『いけます。他の支柱も、破壊してください』


―作戦開始4分―


主人公「……!」


ゴゴゴゴ…


アリサ『支柱が完全に崩壊、エグザウィル本体に衝撃! 倒壊がはじまります、離脱してください!』

主人公「……」ドヒャ ドヒャ

アリサ『エグザウィル、倒壊していきます。作戦成功、レイレナード社、壊滅……』

アリサ『いつから、こんなことになったのかしら……でも、これですべておしまい。』

アリサ『本当に、お疲れ様。帰還してください』

主人公「……?」ビーッ ビーッ

アリサ『これは……!? 未確認機動兵器の接近を確認、捕捉されています!』






クライン「勝負だレイヴン。どちらが正しいかは戦いで決めよう」ゴオォォ…


―作戦開始30分―


ピーピーピー
ボボボカーン


クライン「……レイ、ヴン……」

主人公「……」ビリビリ

アリサ『……未確認機動兵器の破壊を確認。敵反応、完全に消失しました』

主人公「……」ゴオォォ…

アリサ『見たこともない兵器……レイレナードは、まだあんなものを隠し持っていたの?』

主人公「……」

アリサ『あれに乗っていたのは支部長……でも、あなたが彼を討ってくれたおかげで、この戦いもようやく終わる』

アリサ『本当に、お疲れ様でした。帰還しましょう』


―作戦終了後―


アリサ「エミールから連絡があったわ。ジョシュアも、アクアビット壊滅に成功したみたい」

アリサ「これで、リンクス戦争も終わり……勝手な理由で、たくさんの人が亡くなって、汚染ばかりが拡がって……」

アリサ「あなたがいなければ、まだ続いていたかもしれない。本当に、ご苦労様」

アリサ「帰ろう。アナトリアに」

主人公「……」


2日後……




@フェンリル極東支部/サカキ博士の研究室


アリサ「支部長が、生きていた……!?」

サカキ「まんまと騙されたよ。君らが目撃したあの兵器は、ヨハンの言動を模倣したAIが動かしていたなんてね……」

アリサ「そんな! では、支部長は今……」

サカキ「……特異点、シオを拉致された。恐らく、彼は今……エイジス島にいる」

アリサ「エイジス……! ということは……」

サカキ「頼む、彼を……ヨハンを、いや、レオス・クラインを止めてくれ。彼の計画を、何としても阻止するんだ」

アリサ「了解しました。では……」

主人公「……」タタッ



CODENAME:Raven
NAME:アナトリアの傭兵


近接武器:MURAKUMO mdl.1(ロング)
銃身:X000 KARASAWA(スナイパー)
装甲:AMAGOROMO mdl.1(タワーシールド)



@地下通路


神機『メインシステム 戦闘モード 起動します』



サカキ『作戦内容は聞いての通りだ。アナグラの地下通路からエイジス内部へ侵入、島の中枢にある“ノヴァ”を破壊してくれ』

アリサ『今回、機体の損耗が著しいため、ネクストは使用できません。よって、神機による目標の破壊をお願いします』

主人公「……」タッタッタ



ボルグ・カムラン「キシャアァァァ!!」

クアドリガ「グオォォン!」



アリサ『大型のアラガミを確認。通さないつもりですか……』

サカキ『……微量ながら、コジマ反応が見られる。このアラガミ、何らかの手を加えられた調整品みたいだ。気をつけて!』

主人公「……」ザシュッ ザシュッ


―作戦開始10分―




@エイジス


主人公「……」ゼェ ゼェ

サカキ『なんとか、辿り着いたようだね』

アリサ『目標、確認。お、大きすぎる……あんなのが、アラガミ……?』

サカキ『あれが“ノヴァ”だ。シオは既に取り込まれたようだ……』



シオ「……排、除…………排、……除…………ハイ、ジョ……」ブツブツ



クライン「見ているかね、ペイラー。私の勝ちだ」

サカキ『ヨハン……いや、クライン……』

クライン「……アラガミがこの地球(ほし)に現れ、人類を蹂躙して始めてから、早数十年。アラガミという新たな脅威に直面しながらも、人々は争うことを止められずにいる。その末路が、今回の戦争……企業のネクスト同社による、際限なき破壊……」チラ

主人公「……?」


クライン「我々はいつも誤りを犯す。そうは思わないか、レイヴン」

主人公「……」

クライン「我々には管理するものが必要だ。我々は、我々だけで生きるべきではないのだ」

クライン「アラガミの国……私はそれほど愚かではない」ピピッ



ゴゴゴゴ…



アリサ『あ、あれは……あの兵器は……?』

サカキ『アラガミ……いや、神機なのか!?』

主人公「……」ジャキン

クライン「全ては理想のため……復活のため」



シュゴオォォ…



クライン「消えろ、イレギュラー!」





成功条件:ディソーダーと「ノヴァ」の破壊
               


―作戦開始35分―



クライン「ば、馬鹿な……」ボボボボ

主人公「……」ボロ ボロ…

アリサ『か、勝った……?』



シオ「…………ターゲット、確認。排除……開始……」ズズズズ



サカキ『終末捕食が、始まっている……!?』

アリサ『そんな……止められないの?』

クライン「……コントロール装置を……破壊しろ。そうすれば……ノヴァは、止まる……」

主人公「……!!」ガション



ボボボカーン!!



アリサ『エイジスが崩壊します! 早く逃げて!!』

主人公「……」ダッ

クライン「レイ、ヴン……」

主人公「……」

クライン「お前は何を望む……」


[Part 9]


レイレナード、アクアビットは共に倒れた。

最悪の戦争は終わり、汚染された世界が残った。

企業は、崩壊した秩序の回復に追われ、戦争をする余裕など、ないように見えた。

アナトリアは、既に十分な報酬を得ていた。

彼女は、あの男に休息を求め、私はそれを了承した。

……甘かった、と言えばそれまでだ。

都合のよい恐怖は、世界の常であるというのに。



@フェンリル極東支部/エントランス



アリサ「極東支部に接近中の、所属不明機体を確認」

アリサ「あれは……!? 何故、あの機体が……!」

主人公「……!」ガタッ

アリサ「来てはダメ! 何かおかしいわ!!」


@外部居住区



シュゴオォォ…



主人公「……」

ジョシュア「遅かったな」

主人公「……」

ジョシュア「……言葉は不要か……」

主人公「……」ドヒャ ドヒャ

――――――――
――――
――


ジョシュア「終わり、か……」

主人公「……」

ジョシュア「これでいい……」
























アリサ「……ねえ、聞こえる?」















主人公「……」















アリサ「ありがとう」




[エピローグ]


彼女は、あの男を連れて、アナトリアを去った。

私には、彼らを止める権利も、言葉もなかった。

彼女は責めるだろうが、私は後悔してはいない。

あの男は、間違いなく英雄だった。

これ以上はやめておこう。 

それは、私の語るべき物語ではない。

それにふさわしい、語り部がいるのだから……。


――――
――
3年後
――
――――





@ラインアーク



アリサ『……作戦内容は、ブリーフィングの通りです。資源地区に出没したアラガミ、“汚染種”マルドゥークの排除をお願いします』

レイヴン「……」ゴオォォ…

アリサ『VOB、使用限界です。パージします』

レイヴン「……」ガクン




マルドゥーク「グルルル…」




アリサ『汚染種、確認しました。ホワイト・グリント、ミッションを開始してください』

レイヴン「……」ドヒャ ドヒャ




マルドゥーク「ギィエアァァ!!」ドヒャ ドヒャ




アリサ「無事の帰還を……」






――完――


バースト編はまだかね


首輪付きは出る?


>>1です
コメント頂きありがとうございます

回答ですが、

>>122
リンドウさん(ストラング)は死んだということにしたので、バースト編は考えてません

>>123
一応、「GOD EATER 2」の世界観をベースにした続編を考えてるので、首輪付きか人類種の天敵なのかは未定ですが、出そうかなとは思います。


GE2は、荒廃した世界観と絶望感が初代GEより明らかに足りてないので、fA世界をクロスさせてやろうという今日この頃です


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