楓「チョコっとだけ」 (31)

モバマスのSSです。書き溜めしてるけど、短いです。

登場人物はモバPと楓さんだけです。


過去作品


ちひろ「346プロの日常風景」

ちひろ「346プロの日常風景」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423496749/)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423673087


モバP宅

楓「聞いてますか? プロデューサーさん」

モバP「...はぁ、まぁ、そのなんというか」

楓「やれ25歳児だの、自由すぎるだの」

モバP(いきなり訪ねてきたと思ったら...)

楓「まったく失礼しちゃいますよね?」プンプン

モバP(楓さんに対する世間のイメージについて愚痴ってる...)


楓「私は立派な大人ですよね?」

モバP「とりあえず膝の上から降りてください」

楓「え、でもくっついてないと寒いですよ?」モゾモゾ

モバP「ちょ、動かないで!! 色々とやばいですから!!」


モバP「ふぅ、やばかった...」

楓「何がですか?」モグモグ

モバP「いえ、こちらの話です。あと、勝手に八つ橋食べないでください」

楓「えー... でも美味しいですよ、この八つ橋?」

モバP「周子の実家から頂いたんですよ。よく贈ってくれるんです」

楓「周子ちゃんの実家から週五で貰ってるんですね。ふふ♪」

モバP(可愛いなぁ、ちくしょう)


モバP「ところで楓さん、困りますよ」

楓「あ、大丈夫です。お泊りの用意はしてますから」

モバP「いや、そうじゃなくて。...え、泊まるの!?」

楓「え? もちろんじゃないですか」

モバP「いやいや!! アイドルが男の部屋に来るなんて...」

楓「私、今日から二連休なので♪」

モバP「なら温泉にでも行ったらいいじゃないですか」

楓「一緒に行ってくれるんですか?」


モバP「俺は明日も仕事がありますので」

楓「じゃあ、プロデューサーさんの部屋にいるしかないですね」

モバP「どんな理屈ですか」

楓「プロデューサーさんと一緒にいたいからです♪」

モバP「あ、ちょっとまって。嬉しすぎて鼻血でそう」ボタボタ


楓「よく凛ちゃんがプロデューサーさんのシャツの匂いを嗅いでますよね」

モバP「初めは注意してたんですけど... 今じゃ慣れましたね」

楓「志希ちゃんも嗅いでるけど、プロデューサーさんはいい匂いがするんですか?」

モバP「どうなんでしょう? 凛たち以外からは何も言われませんけど...」

楓「ちょっと嗅いでみてもいいですか?」ズイッ

モバP「ちょ、楓さん!! 近いです!! 顔が!!///」


楓「あ、ちょっと。もう、プロデューサーさん、動かないでください」ズイズイ

モバP「いやでもこれじゃあ...///」 

楓「うーん...」クンクン

モバP(楓さんが俺に抱きついてきて、胸に顔を埋めて匂いを嗅いでる...)

楓「あ、なんだか落ち着くかも...」クンクン


モバP(やばいやばいやばい!! 平常心平常心!! ああでも楓さん、めっちゃいい匂いする!!)

楓「なんだかずっとこうしていたいかも...///」

モバP(かすかに香るシャンプーの香りと、楓さん自身からただよう甘い香りで、頭がとろける...)

楓「ふふっ 私もプロデューサーさんの匂いの虜になっちゃいそうです///」

モバP(とりあえず深呼吸して落ち着こう。胸いっぱい吸い込もう、そうしよう)スーハースーハー


楓「プロデューサーさん、お腹がすきました」グー

モバP「あれだけ八つ橋食べておきながらですか?」

楓「甘いものは別腹です」フンス

モバP「いや、それご飯を食べ終わったときに言う台詞ですからね?」

楓「何かないですか、さきいかとかスモークチーズとか」ガサゴソ

モバP「なんで酒のツマミ限定なんですか」

楓「ツマミをつまみ食い... ふふ♪」

モバP「ああん、もう、本当に可愛いなぁ」


楓「プロデューサーさん、この箱の中身はなんですか?」

モバP「ああ、事務所のアイドル達の活躍をまとめたものです」

楓「え、全員の分を保存してるんですか?」

モバP「ええ、彼女達が活躍してるのが嬉しくて」

楓「見てもいいですか?」ワクワク

モバP「ええ、どうぞ」

モバP「でも仕事の資料だからそんなに面白くないかもしれませんよ?」

楓「そうなんですか? でもなんだかワクワクします♪」


楓(ほんの小さな記事からCD、さらにはグラビア写真集まで)

楓(本当にアイドル全員分を集めてる...)

楓(しかもアイドル毎にスクラップブックを作って、当時の様子まで記入してるなんて)

楓「プロデューサーは本当に仕事熱心ですね」

モバP「え、何か言いましたか?」

楓「ふふ、なんでもありません♪」


楓(私のもあるのかしら... あ、あった)

楓(どれどれ... あ、これCDデビューの時の記事だ)

楓(懐かしい... 今までの努力が報われた気がして嬉しかったな)

楓(あら、記事の横にプロデューサーさんの添え書きが)


楓さんがついにCDデビューした!!

今までの楓さんの努力が報われたようで、見ているこっちも嬉しい。

インタビューを受ける楓さんはとても輝いていて素敵だった。

きっとこれから多くの人たちが彼女の魅力に気付くだろう。

でもそれに最初に気付いたのは自分だと思うとなんだか誇らしい。


楓(...そんな風に思っていてくれたんだ)

楓(あのときのプロデューサー、自分のことのように喜んでくれてたわね)

楓(ページをめくるにつれて、記事が大きくなっていく)

楓(そしてプロデューサーの添え書きも長くなってる)


今日は初めてのライブだったので、楓さんも緊張していた。

初めて会ったときに聞いたが、楓さんは人に自分の考えを伝えるのが

苦手らしい。

最近はあまりそういうことはないみたいだが、やはり大きな舞台となると、

緊張のせいか、それが出てしまうみたいだ。


楓(そうだった。私はあのとき初めての単独ライブですごく緊張していたんだっけ)

楓(スタッフさんに曲のイメージや演出の希望を伝えたくても、上手く言えなかったのよね)


なんとか緊張をほぐそうと色々考えたが、どれも上手くいきそうもない。

半ば勢いで、ダジャレを言ってみたら、楓さんが大爆笑してた。

そのせいか、だいぶ緊張がほぐれたみたいだ。

ライブも大成功だったし、本当によかった。


楓(そう、このときのことは決して忘れない)

楓(ライブの時に着る衣装を見て、緊張がピークに達した私を見かねたプロデューサーさんが)


モバP『か、楓さん!! その衣装、と、とってもいいっしょ?』


楓(顔を真っ赤にしながら言ってくれたのよね)

楓(呆気にとられたけど、恥ずかしそうなプロデューサーさんの顔を見たら)

楓(思わず笑っちゃったんだっけ)フフ♪

楓(そのときからすっかり、ダジャレにはまっちゃったのよね)

楓(...あら、この写真って)


収録が終わったあとに楓さんに呼ばれていたけど、打ち合わせが長引いてしまった。

待ち合わせ場所に走って向かったら、楓さんがチョコを用意して待っていてくれた。

なぜか6個入りのうちの1個だけだったが、とても嬉しかった。

「あともう少し遅かったら、全部食べちゃってましたよ?」

と少し怒った顔だったが、どこかほっとしたような表情もしていた気がする。

来年は何が何でも間に合わせよう。その機会があればだけど。

そしてもし許されるなら―――


楓「...///)


楓(プロデューサーさんったら///)

楓(今年は期待してもいいのかしら? ふふ♪)


楓「プロデューサーさん、ありがとうございました」

モバP「いえ、どういたしまして。でも面白かったですか?」

楓「ええ、とっても。皆の活躍や当時の状況が細かく記されてたので」

モバP「そうですか。次の仕事に活かせるかと思って書いてるんですけどね」

楓「本当に私達のことを考えてくださってるんですね」

モバP「もちろんです。大切なアイドルですから」

楓「...私もですか?」


モバP「え? ええ、そうです。大切なアイドルですよ?」

楓「ふふ、それだけですか?」ズイッ

モバP「か、楓さん?///」ドキドキ

楓「...ねぇ、プロデューサーさん。今月の14日は予定ありますか?」

モバP「っ!? い、いえ!! 無いです!!」


楓「だったら、お仕事が終わったらお時間、頂けますか?」

モバP「もちろんです!!」

楓「今度は遅刻したらだめですからね?」

モバP「なにがあっても遅刻しません!!」


楓(去年のバレンタインの添え書きの最後に書かれてた言葉...)



そしてもし許されるなら、これからもずっと彼女のそばにいて

チョコを貰い続けられるような存在になりたい。



楓「私、チョコっとだけ期待しちゃいますからね? プロデューサー♪」





おわり

これにて終了です。最後までお付き合いいただいてありがとうございます。
楓さんの魅力が少しでも引き出せていればいいのですが...

また機会があれば投稿させていただきます。そのときもぜひお付き合いください。

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