提督「赤城が飯を食わなくなった!?」 (185)

注・独自設定あり。苦手な方はバック推奨




<港>


吹雪「やっと帰ってこれましたぁ~……」

叢雲「まさか帰投が二日も遅れることになるとは思わなかったわ……」

扶桑「ふふっ……皆、もう一踏ん張りよ。着いたらみんなで良い物を食べましょう」

加賀「ずっと戦闘食でしたからね。流石に気が滅入りました」

加賀「鳳翔さんのカレーが恋しい……」

山城「それから間宮さんの甘味も……」

赤城「もうすぐ、食べられますよ。二人とも」クス


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<・・・の近くのテトラポット>


青年1「おっ、あれ艦娘じゃねぇか?」ツリザオヒョイー

青年2「おぉ、ホントだ。先頭は……赤城か」エサトリツケー

青年1「知ってるのか?」

青年2「あぁ。そういえばあの赤城には、いくつか噂があるんだけどよ……くくっ」

青年1「何だよ急に。そんな笑える話なのか?」

青年2「あぁ。なんでもな、あぁ見えて実はあり得ねぇぐらいの大喰らいらしい」

青年1「へぇ、どんくらいだよ?」

青年2「3kgのドカ盛りカツ丼を十杯杯食った後に、2kgの座布団ハンバーグを更に十枚軽く平らげたとか」



---

赤城(へぁっ!? なんですかそれ!?)

---



青年1「はぁ!? マジかよwwww」

青年2「他にも一晩で三軒のバイキングを潰したとか、赤城の通ったレストラン街にはぺんぺん草も生えないとか……」

青年1「wwwwwwww んじゃ、あぁ見えて実は服の下は……wwww」

青年2「いや、今に上からも目に見えてダルダルになるぞwwww」

青年1・2「wwwwwwww」


赤城(!?……なっ……)ワナワナ

加賀「……ぎさん……赤城さん?」

赤城「っ!? どっ、どうしましたか!?」

加賀「いえ、少し、顔色が優れない様に見えたので」

赤城「だ、大丈夫です。ちょっと、疲れただけですよ」

加賀「そうですか……なら良いのですが」

加賀(……)


<鎮守府・食堂>


鳳翔「では次は……あ、赤城さん。いつものですか?」

赤城「…………はい」

鳳翔(……?)





加賀「ハムハム……」モリモリ

赤城「……」カチャ…

加賀「ゴクン。ふぅ。あ、赤城さんも食べ終わりましたか。おかわりに行きましょう」

赤城「え、えぇ」

『……目に見えてダルダルに……』

赤城「っ!!」

加賀「む、どうかしましたか」

赤城「いえ、何でも……すみません、今日はこれくらいにしておきます……」

加賀(なっ!?)

貴様ら2人ッ!本当の事でも言っていい事と悪い事ggggggggg


<提督執務室>


ドタドタドタ!!

バタンッ!!

加賀「提督っ!!」

提督「ぬぉっ、どうした突然!? 深海棲艦の奇襲にでもあったか!?」

加賀「いえ……ハァ……赤城さんの事で……ハァ……」

提督「何かあったのか!?」

加賀「……食事量が……異常に少なかったのです」

提督「………………はぁ? 『いつもは丼物で10杯おかわりするのに今日は9杯だけだった』とかだったら知らんぞ俺は」

加賀「……いかに赤城さんでも、そんなには食べられません」

加賀「一度も……おかわりをしなかったのよ……」

提督「一度も!? 本当か?」

加賀「えぇ。1杯だけ食べて、部屋に戻ってしまって……」


提督「それは流石に変だな。何か、変わった様子は?」

加賀「……確かに、今日の食事中の赤城さんは、少し暗く見えた様な……」

加賀「出撃からの帰りで、寧ろいつもより元気に食べると思っていたのに……」

提督「……とにかく、今日の所は彼女は休ませよう。体調を崩したのかもしれん」

提督「その辺りの事情、何か聞いてきてくれ。加賀相手なら話してくれるだろう」

提督「それから後で明石に連絡をするから、看てもらうようにも」

加賀「了解、しました……」


<赤城の布団の中>


『あぁ見えて腹の方は……』

『今にダルダルに……』

赤城「っ!!」

赤城(『カツ丼10杯に続いてハンバーグ10枚』『バイキング屋潰し』……どれも荒唐無稽な流言飛語)

赤城(しかし、空母級艦娘の宿命とはいえ、私の燃費が劣悪なのは事実……そして……)

赤城("暴食"が古今東西を問わず恥ずべき行為とされている事も、また事実……)

赤城(あの食事量で約2年、現時点で体形はほとんど変化してはいないとはいえ、これからもそうという保証はない)

赤城(……)サス…

赤城(私は航空母艦赤城。一航戦として、一人の戦士として、情けない姿を晒す訳には行かない……!)

赤城(皆にも、そして提督にも)

コンコン

加賀「赤城さん?」

赤城「は、はい。どうぞ」


カチャ

加賀「あっ、お休みでしたか」

加賀(布団の中に……やはり体調を……)

赤城「い、いえ。すみません、帰って来て早々こんな事に」

加賀「問題ありません。私達もいます。提督も今日は休むように、と」

加賀「それより、念の為明石の所で看て貰いましょう。もしかしたら、何処か損傷しているのかもしれません」

赤城「そう……ですね……」





<工廠・明石専用区>


明石「ふむ、特に異常は見られませんねぇ」

加賀「異常なし? そんな馬鹿な」

明石「そう言われても、被弾箇所無し、血圧も脈拍も外も中味も平常……」

明石「何もおかしな所は見当たらないですよ」

明石「長期の出撃で、疲労が溜まっていたんでしょう」

加賀「そう……」


<翌日・夜・食堂>


赤城「……」モキュモキュ

赤城(食べ過ぎない……食べ過ぎない……)←おかわり一杯目

赤城(流石におかわり無しは厳し過ぎました……)

赤城(いきなり減らし過ぎると体を壊すとも言うし、おかわりを一杯ずつ減らして……)


加賀(いつも通りのペース……やはり昨日は単なる体調不良……)

トテトテ

霞「あ、赤城さんに加賀さん」

満潮「二人ともホンット、よく食べるわね」


赤城(……!!)


満潮「(胃もたれとか)大丈夫なのかしら」

霞「大丈夫なんじゃない? 少なくとも今は(でも少し心配な様な)」


赤城(……)

赤城「……ご馳走様……」

加賀「っ!?」


<提督執務室>


ドタドタドタ!!

バタンッ!!

加賀「提督っ!!」

提督「どうした! 誰か倒れたか!?」

加賀「赤城さんが……」

提督「倒れたのか!? やっぱりどこか破損してて……」

加賀「夕食を、一杯半だけしか……食べませんでした」

提督「はぁ…………因みに普段は?」

加賀「大盛りで三杯です」

提督「半減か……まだ本調子じゃないのかな」

加賀「こんな事は、初めてです。赤城さんが、二日も食が細いままなんて……」

提督「……わかった。何か考えておく」

加賀「お願いします」

あ、飴玉ぐらいなら多分いいだろ……?
赤城にあげるよ……

っ飴玉(オレンジ味)


<その日の夜・赤城の布団の中>


満潮『(ゼイ肉とか)大丈夫なのかしら』

霞『大丈夫なんじゃない? 少なくとも今は。(まぁ、じきに……ププッ)』

満潮・霞『wwww』


赤城「……っ!!」ブンブン

赤城「…………」


<お昼・食堂>


赤城「……」モキュモキュ←一杯目


特III姉妹「ヒソヒソ」

上長良姉妹「ヒソヒソ」

高雄四姉妹「ヒソヒソ」

金剛改二姉妹(以下改二を省略)「ヒソヒソ」


赤城「?」


雷「絶対そうよ!」

響「あぁ。間違いない」

暁「きっとお腹も二の腕も……」

電「三段甲板なのです……ww」

四人「wwww」


赤城「!?」


五十鈴「あれだけ食べれば、ねぇ」

長良「まぁ不思議はないよねーww」

名取「いずれ横に広がって行って、名前通り”城”みたいな体型に……ww」

三人「wwww」


赤城「なっ……」


摩耶「まぁ、バルジが増えれば安定も良くなって丁度いいだろww」

高雄「増やせば良いってものでもないけどねww」

愛宕「もう少し上に栄養が行けば格好も付いたのにねーww」

鳥海「極めて見苦しいです」


赤城「いっ……!?」


比叡「一航戦ともあろう者が暴飲暴食とは……」

金剛「情けないことデースww」

榛名「酷い……」

霧島「一航戦のww誇りww」

金剛「むしろ埃デースww」

四人「wwww」

赤城「いやちょっと! 燃費はあなたたちの方が悪いでしょう!」


周囲「ギョロッ」

赤城「ひっ!?」


暁「まぁ私達は、成長期だし?」

長良「私らは鍛えてるし?」

高雄「出撃回数も多いので自然と消費も増えますが……」

金剛「ヘーイ赤城! 自分の体を見るネー!」


赤城「えっ……」デブーン

赤城「なぁっ!?」ダルーン


金剛「それが現実デース!」

ちょっと飯落ち
九時ごろ再開します

再開します


赤城「そんな、バカな……」ドデブーン


加賀「バカは貴女です」

飛龍「何でこんな事に……」

蒼龍「こんなのが私達のリーダーだなんて……」


赤城「加賀さん!? それに皆! 提督も!」


提督「駄目だな、これは」

大淀「えぇ。仕方ありません」

提督「解体しよう。赤城を」


赤城「解体!? そんなっ!!」


扶桑「いえ提督、こんなでも囮くらいにはなるでしょう」

山城「こうデブでは丁度いい的になるはず」

提督「そうだな……そうするか」


赤城「扶桑!? 待ってください! まだ……」


提督「悪いが、俺の艦隊に醜い艦娘は不要だ」

提督「失せろ」

加賀「目障りです」

扶桑「消えてください」

吹雪「今すぐ、ここから、消えてください」


消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ
消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ
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赤城「あ……うぁ……」


<戦場>


ズドーン

ドシャーン

赤城「うぅっ……グスッ」

バシャーン

ドバーン


『かかった! タ級がデコイの方へ!』

『よし! 今のうちに前進!』


赤城「みん……な……」





タ級「……」ガコン



赤城「ひ……いや……」




タ級「……シズメ」ズドーン!




赤城「……や……やめ……」





















グシャッ


<深夜・赤城の自室>


赤城「いやあああああああああああああっ!!!」ガバァッ!!

赤城「ああああああああああっ!!……はっ!?」

赤城「ゼェーッ……ゼェーッ……」キョロ…キョロ…

赤城「ハァ……ゆ、夢!? ハァ……」

ドンドンドン!

加賀「赤城さん!?」

蒼龍「何事ですか!?」

赤城「い、いえ! 何でもありません!」

赤城「わるっ……悪い、夢を……見ただけです……」

ガチャリ

蒼龍「あ、汗びっしょり……」

赤城「……シャワーを、浴びて来ます……」

飛龍「一人で、大丈夫ですか?」

赤城「え、えぇ……では……」


<シャワー室>


ジャー…

赤城(あれは、夢……ただの、夢……)


暁『きっとお腹も二の腕も……』

電『三段なのです……ww』


赤城「ッ!!」ゾクッ


腕「健康的に」

腹「引き締まって」

尻「おります」

足「はい」


赤城「ハァー……、ハァー……」


<更衣室>


赤城「ふぅ……」

赤城「あ、鏡……」


鏡(赤城ビジョン)「肥満体赤城」


赤城「えっ……!?」


名取『いずれ横に広がって行って、名前通り”城”みたいな体型に……ww』

鳥海『極めて見苦しいです』


赤城「……うぅっ……」














鏡「普通体型赤城」


<翌朝・食堂>


鳳翔「次の方~……赤城さん。おはようございます」

赤城「おはようございます…………駆逐盛り小のAセットで」

鳳翔「えっ!? それって睦月姉妹用の……」

赤城「お願いします」

鳳翔「は、はい……」

ザワッ……


カチャ…

赤城「いただきます……」

加賀「なっ! あ、赤城さん!? たった、それだけですか!?」

赤城「えぇ……」

加賀「そ、それでは体力が……」

赤城「大丈夫です……はい、大丈夫ですから……」パキッ

赤城「……」モグ…モグ…

加賀「……」


<提督執務室>


ドタドタドタ!!

バタンッ!!

鳳翔「提督っ!! 赤城さんが……赤城さんが!!」

提督「今度は鳳翔さんか! 最近何なんだ、もぅ……」

鳳翔「睦月姉妹用の定食を、一膳だけしか食べずに……」

提督「なにぃ!?」

鳳翔「あれのボリュームは高消費空母用の約半分なので……」

提督「いつも三杯おかわりしてるって事は……普段の15%くらいか!?」

鳳翔「既にちょっとした騒ぎになっています! 『いくらなんでも食べなさすぎる』と」

提督「うーん……何か悪化して行ってる様な……」


ドタドタドタ!!

バタンッ!!

加賀「提督!!」

提督「赤城だな!?」

加賀「は、はい」

提督「一緒に行こう! 直接訊くんだ!」


<弓道場>


赤城「……」ギリギリ

ヒュン!

妖精「少しハズれたね」ストンッ

赤城(流石に、少し辛い……でも)


霧島『一航戦のww誇りww』

金剛『むしろ埃デースww』


赤城「黙りなさい!」

赤城(私は……)ギリギリ

ヒュン!

妖精「ど真ん中。お見事」ストンッ

赤城(煩悩には負けない!)


提督「赤城」

赤城「あ、提督。それに加賀さんに鳳翔さんも」

提督「すまんな練習中に」

赤城「いえ。しかしどうしたんですか?」

提督「……最近、食ってないらしいが」

赤城「燃費が良いに越したことはないはずです」

鳳翔「それはそうですが……」

加賀「あの量ではかなり辛いはずですが」

赤城「問題ありません。今日も快調です」

提督「いや、そんな筈はないだろう。空母が駆逐艦と同じ燃費で動ける訳がない」

赤城「現に今、私は問題なく稼働しています」

鳳翔「今は問題なくても、いずれ出てくるかもしれませんよ」

赤城「失礼します。長良さん達と走り込みの約束があるので」

提督「お、おい……」

スタスタ……

加賀「赤城さん……」


<夜・提督執務室>


提督「結局、詳しい事は分からず終いか」

鳳翔「後でまた聞いてみても、『そうする事にした』という事しか……」

提督「取り付く島も無いな……」

加賀「食事量もそうですが……最近の赤城さんは、様子も変です」

提督「様子?」

加賀「赤城さんは、いつも心の底から幸せそうに食事をします」

加賀「今は幸せどころか……」

加賀「何かに、怯えていた様な……?」


<二日後・昼前・鎮守府内グラウンド>


赤城「ほっほっ……」タッタッタッ

長良「赤城、さん」タッタッタッ

赤城「どう、しました?」タッタッタッ

五十鈴「最近、食事をあまり摂ってないと、聞きます」タッタッタッ

名取「大丈夫、なんですか?」タッタッタッ

赤城「平気、ですよ」タッタッタッ

赤城「消費を絞れれば、鎮守府も楽になりますから」タッタッタッ


<シャワー室>


ジャァァァァ……

高雄「それはそうかもしれませんが……」

摩耶「幾らなんでも、無理があるんじゃあ……」

赤城「空母は、ただでさえ補給の難しいボーキサイトを大量に消耗します」

赤城「そちらはどうにもなりませんが、他なら締めようもあります」

鳥海「いきなり無理な事をすると、体に障りますよ?」

愛宕「そんなにも絞る必要がある様には見えませんし……」


<更衣室>


赤城「私は、情けない姿を晒したくはないんです」


加賀『バカは貴女です』

飛龍『何でこんな事に……』

蒼龍『こんなのが私達のリーダーだなんて……』


鏡(赤城ビジョン)「まだ肥満体赤城」


赤城「誰にも、もう二度と……」

四人「……」













鏡「痩せ気味赤城」

もう最後にくる"鏡「」"が怖い


<更に数日後・昼・食堂の行列>


赤城「……」フラー

赤城(……お腹が……いや、こんなところで、諦める訳には……)

金剛「ヘーイ赤城!」

赤城「金剛、さん……」

比叡「たまには、お昼ご一緒しませんか?」

赤城「……良いですね。ぜひ」

榛名「少し、やつれて見えますが……」

赤城「そう、ですか?」

霧島「えぇ。本当に平気なんですか?」

赤城「はい。赤城は大丈夫です! なんて……」


鳳翔「次の方~……あっ、赤城さん……」

赤城「……空母盛り大、中華……ハッ!?」



赤城「っあっ!! ぅあっ!!」アタマブンブンブンブン!!

柱「ガンガンガンガンガン!!」

周囲「!?」ビクッ!

赤城「煩悩なんかに……煩悩なんかに!!」ブンブンブン

金剛「ちょ、ちょっと! 落ち着くデース! どうしたんデスか!?」

赤城「……はっ……な、何でも、ないですよ……」ニコォ

周囲「!!?」ゾクゥ

赤城「……駆逐盛り小で中華Bセットを……」ヨロヨロ

鳳翔「は、はひぃぃぃ……」ナミダメ


<提督執務室>


ドタドタドタ!!

バタンッ!!

金剛「テートクー!!!」ナミダメ

比叡「ひぇぇっ!! ひぇぇぇぇええっ!!」ガチナキ

榛名「大丈夫じゃないです! 絶対大丈夫じゃないです!!」ナミダメ

霧島「今すぐ! 今すぐ何とかしないと!!」ナミダメ

提督「待て待て待て!! 何事だ!」


~~~霧島説明中~~~


比叡「明らかに尋常じゃなかったです……」

金剛「もう怖くて怖くて……テートクゥ、どうにかならないんデスカー……?」

提督「こっちとしてもどうにかしてやりたいんだが、本人が頑なにあの姿勢を曲げようとしなくてな……」

比叡「もう無理矢理にでも食べさせるしかないんじゃあ……?」

提督「そうするしかないか。できれば避けたかったが……今どこにいる?」

霧島「今日は……今、演習中のはずです!」

提督「今からでも中止させるぞ! 指令室へ行く!」


<鎮守府前海域・演習場>


扶桑「赤城、本当に大丈夫なの?」

山城「何だかフラフラしてるけど……」

赤城「そう? 気のせい、ですよ」ヨロヨロ

扶桑「もう今にも深海棲艦化しそうな勢いよ……?」

加賀「やっぱり、戻って食事を摂った方が……」

吹雪「やっぱり空母が駆逐艦のご飯だけなんて無茶ですよ」

叢雲「もう不気味な位痩せてきてるわ。ダイエットならもう十分でしょ」

赤城「そんな訳……まだ、まだまだ……」

赤城「あれ……わた……し……」フラッ








ドシャッ


加賀「赤城さんっ!?」

扶桑「赤城!?」

吹雪「いやぁぁぁぁああっ!!!」

叢雲「ちょっと!! しっかりしなさいよ!!」

提督『演習中の艦隊、聞こえるか!? 今すぐ中止して帰還しろ! そして赤城を食堂へ連行するんだ!』

吹雪「司令官!? 今赤城さんが倒れて……扶桑さんが曳航を!」

提督『クソッ、遅かったか!!』

提督『じゃあ一号ドックを解放する! すぐにそっちへ運び込め!』

扶桑「了解!」

加賀「…………」


<ドック>


明石「人間で言う、栄養失調に近い状態ですね」

吹雪「赤城さん……」

提督「よもやこんな事になるとは……」

明石「こんなの、初めて見ます……って、加賀さん!?」

加賀「あぁっ! がぁっ!」アタマブンブンブン!!

柱「ガンガンガン!!」

扶桑「ちょっと! やめなさい!」ガシッ

山城「落ち着いて!」グイッ

加賀「もっと……もっと早く気付いていれば……」

加賀「機会は、幾らでも、あったのに!!」

叢雲「それを言ったら私達全員もよ! 明らかに異常だったのに見過ごしてたんだから!」

明石「とにかく、起きたら食事を摂らせましょう」

明石「幸い、本当に最悪な事態には至っていません。食べれば数日で良くなる筈です」


<夕飯時過ぎ・ドック>


赤城「……え……あれ、ここは……?」

加賀「気が付いた!? 提督!」

提督「わかってる! 明石!! 明石来てくれ!!」

明石「はいっ!! 赤城さん、気が付いたんですね!」

赤城「どうして……こんな所に……確か演習中に……」

明石「倒れて運ばれて来たんですよ。原因は急激かつ無茶な食事制限です」

加賀「幸いまだ手遅れの一歩手前で済んでいます。今すぐ食事を!」

提督「いや、先に何でこんな無茶をやったか、理由を言って貰おう」

赤城「は、はい……」


~~~赤城説明中~~~


赤城「……と、いう訳です……」

提督「そうか……みんな、手、離すなよ」


蒼龍「分かってます!」ガシッ

飛龍「落ち着いてってば!」ガシッ

加賀「行かせて……行かせて! 何としても、思い知らせてやらねば……!!」グググ

飛龍「駄目です!」

蒼龍「艦娘が一般人に暴力振るったなんて知られたら、ただじゃ済みませんよ!」

加賀「暴力では、ないわ! 赤城さんと同じ苦しみを、味わわせるだけよ!」

飛龍「それが暴力なんですって!」


提督「念のために呼んでおいて良かった……」

赤城「申し訳、ありません……グスッ……ご心配を……ヒグッ」

提督「良いんだ。本当に最悪な事態だけは避けられたし……さぁ!」

スッ

提督「飯だ! 空母盛り大カレーライス! 食え! 今はそれだけだ!」

赤城「ありがとう、ございます……パクッ」

赤城「……うぐっ!」

ゲホッ! ゴホッ! オェッ……


赤城「す、すみません……モグッ……ぐほっ!?」

赤城「オェッ……そんな、どうして……」

明石「まさか……拒食症……!?」

提督「そんな馬鹿な! 艦娘が拒食症なんて聞いた事ないぞ!!」

明石「相手が艦娘なので厳密には似た様な別物でしょうけど、でも症状はまさに……」

提督「何という、事だ……」

赤城「うっ……うぅっ……」


<数日後・昼時・赤城の部屋>


赤城(……カプセル三粒。これが、今の私の食事……)

赤城(変に格好を付けようとして、その挙句がこの様……)

赤城「……いただきます」

ゴクッ

赤城「……ご馳走様……」

赤城「……………………」



--
---

加賀『赤城さんはオムライスですか? 珍しいですね』

赤城『たまにはこういうのも、と思って。一口食べますか?』

加賀『お言葉に甘えて。ではこちらからも……肉じゃがのじゃがいもです』

赤城『ありがとうございます!』





赤城『んん~~、上品な甘み……♪』トローン

蒼龍『あははっ、だらしない顔』

飛龍『まぁ、”これ”は特別だからね。そういう自分も、あんな顔になってるよ、時々』

加賀『気分が、高揚します……』トローン

蒼龍『嘘ぉ!? 恐るべし、間宮アイス……』





鳳翔『いかがですか? 少し味付けを変えてみたのですが……』

赤城『……とっても美味しいです! こっちの方が私好みですね』

鳳翔『ありがとうございます! そう言って頂けると、頑張って調整した甲斐がありました』

赤城『えっ?』

鳳翔『実はこれ、赤城さん専用の献立なんです。いつも美味しそうに食べてくれるので、せめてそのお礼にと……』

赤城『……』ブワッ

鳳翔『えええっ!?』

赤城『ありがとうございます……ありがとうございます!』

鳳翔『そ、そんな! あぁっ、泣かないで!』

---
--


赤城「……………………」

赤城「……っ……ぁぅっ……」

赤城(この間までは……食べなくても動けていた。少なくともそう思えた)

赤城(今では、全く力が出ない……実戦どころか、演習すらロクに出来ない始末)

赤城(あの時、誰かに相談していれば……この事態は避けられたかもしれなかった……?)

赤城(こんな、無様な事に、ならないで済んだかも、しれなかった……なのに……)

赤城「……グスッ」

赤城「ぁっ……うぁっ……」ポロポロ

赤城「うぁぁっ……ぁぁぁぁぁっ…………」











BAD END

分岐点!分岐点は何処だァッ!!


<提督執務室>


提督「改善の兆し無し、か……」

提督「今は栄養カプセルだっけ?」

明石「えぇ。あれなら吐き出さずに飲める、と。食べ物の形でないからでしょう」

提督「……見たか? 今の赤城を」

明石「えぇ……まるで死人でした」

提督「まさか、あんなに急激に痩せ細るとは……”艦娘”、まだ分からない事だらけだ……」

提督「早く何か考えないとな。どうにかして赤城の体に飯を受け入れさせる方法……」

明石「それなんですが、一つだけ案があります」

提督「何? そんなのが……」


ビーーーーッ!!!  ビーーーーッ!!!



二人「「警報!?」」


<指令室>


提督「状況!」

妖精1「鎮守府前海域に多数の深海棲艦!! 数、10個艦隊以上!!」

妖精2「その中にタ級フラッグ、ル級フラッグ、ヲ級フラッグそれぞれ四ずつを確認!! かなりの精鋭と推測!!」

妖精3「新たに……レ級一を確認! 最速であと30分で射程圏内に入られます!!」

提督「くっそ、何故もっと早く気付かなかった!!」

妖精4「電探には今さっきまで何も映ってなかったんです!」

妖精5「ジャミングか、或は……」

提督「まぁそんな事は今はどうでもいい!!」マイクオン

提督『待機中及び鎮守府周辺航行中の全艦娘へ!! 緊急事態だ!』

提督『鎮守府が攻撃を受けている!! 全速力で帰って来て防衛に当たれ!』

提督『非戦闘員及び低練度の者は陸で避難誘導!』


提督『これは演習ではない! 繰り返す、これは演習ではない!!』

提督「なぁ妖精さん。今の鎮守府に連中とやり合える戦力、どれだけ残ってたっけ?」マイクオフ

妖精1「ほとんど出払ってますから……扶桑姉妹、千歳、隼鷹、高雄姉妹だけです」

妖精2「軽巡と駆逐艦は付近で哨戒中ですが、帰還には早くても40分はかかります」

妖精1「あ、あと赤城さんが残っていました」

妖精2「でも今は……」

提督「……」


<赤城の自室>


赤城(今の警報……鎮守府が攻撃されている!?)

赤城「行かないと……」ヨロッ

赤城「あぁっ!」ドサッ

赤城(力が入らない……上手く立てない……でも!!)

赤城(今、行かないと! 鎮守府が! みんなの帰る場所が!!)

ガチャ

赤城「提督……?」

提督「何処へ行こうとしている?」

赤城「もちろん、戦場へ!」

提督「そんな骨と皮みたいな体でか?」

赤城「関係ありません! 私は空母赤城です! 皆を、守らないといけないんです!」

提督「…………なら来い」


<食堂>


ドアバンッ!!

提督「ちょっと待ってろ!」

赤城「提督!? どうして食堂に……」

提督「っと。よし、できてるな…………空母盛り大カツ丼お待ち!」

提督「さぁ、食べるんだ」

赤城「で、でも、私は……」

提督「大丈夫。明石の仮説が正しければ、今のお前なら食べられるはずだ。信じろ」

赤城「……はい」

赤城「いただきます……」

赤城「……」パクッ

赤城「……?」モグモグ

赤城「……!」モグモグ

赤城「……っ」ポロポロ


赤城「美味しい……美味しいです……!」ポロポロ

提督「しばらく食べてなかった分、飯はたんまりある」

提督「たんと食え!」

赤城「はい……はい!」

赤城「次はチキンカレーと牛丼、それぞれ空母盛り特大でお願いします!!」

提督「心得た! 妖精さん、聞いたな!」

妖精ズ「サー!!」

提督「良いか赤城。食べながらでいいからよく聞いてくれ」

赤城「……ふぁい」


提督「まず……苦しんでいる事にすぐ気付けなくて、すまん」

赤城「ゴクン……いえ……」

提督「そして僅かでも、燃費を改善しようとした事。醜い姿を晒すまいとした事」

提督「……あー、手放しでは褒められんが、努力は認めよう」

提督「だが、お前は空母だ」

提督「明石曰く、空母艦娘の基礎代謝は、常人を遥かに上回るらしい」

提督「つまりあの食事量は、暴食どころか自然だったんだ」

提督「人間は蟻より遥かに多く食うが、それを”暴飲暴食”と気にするか? そういう事だよ」

赤城「……!」

提督「赤城の燃費は悪い。だが、この鎮守府で屈指の活躍をしてくれている」

提督「幾千の敵を倒し、幾万の人々を救っている」

提督「誇れ、というのも何だが……ただの食い過ぎではないという自負くらい持っててもバチは当たるまい」

提督「……んしょ、チキンカレーに牛丼、お待ち!」ドン!

提督「まぁ、俺も、変に色気づいて食わなすぎる女よりは、食べる娘の方が、アレだ。好きだ」

提督「限度はあるがな」

赤城「……っ!!///」カァァッ

提督「後は妖精さんに任せろ。俺は向こうへ戻る。……頼むぞ」

赤城「……はいっ!」


<港近く・避難所>


ドォン… ドォン…

青年1「まったく、何でこんなところまで攻められてるんだ……」

青年2「なんのための艦娘なんだか……」

青年1「ん? お、おいアレ!」

青年2「…………こっち向いてる!?」

パウパウ…

青年2「発砲煙……マズイこっち来る!!」

青年1「逃げないと!」

青年2「間に合わな……う、うわぁぁぁぁああああ!!!」


ドカァァアアアン!!

やったぜ


パラパラ……

青年1「…………あ、あれ? 生きてる……」

青年2「どうして……ハッ!?」







赤城「……大丈夫ですか?」

青年1「空母級艦娘、赤城……」

青年2「俺達を、庇って……」

赤城「安心してください。すぐに片付けますから」スイーッ!

青年1「すぐにって……あぁっ、一人で六隻同時に相手なんて無茶だ!」

青年2「いや、もしかして……」

チッ


赤城「前方にイ級エリート2、ホ級エリート3、チ級フラッグ1……」ギリギリ

赤城「10秒で殲滅しなさい」ヒョッ!


---


青年2「前、赤城にはいくつか噂があるって言ったよな?」

青年1「あ、あぁ」

青年2「それによると、あの鎮守府の赤城は、鎮守府設置当初からの最古参で……」


---


ドガガガガガガァァァン!!!

烈風妖精「何秒でした?」

赤城「8秒です。また腕を上げましたね」

流星妖精「いやぁ、赤城さんの指揮が良いんですよぉ」テレテレ

彩雲妖精「11時の方向にもう一個艦隊!」

チッ


赤城「ル級フラッグ1、リ級フラッグ3、ロ級フラッグ2……」ギリギリ

赤城「では今度は30秒です」ヒョッ!


---


青年2「たった一人で空母10隻を撃沈した直後に、そのまま戦艦をもう10隻ミンチにしたとか」

青年2「遠征の行きがけの駄賃で、敵艦隊12個を単独で全滅させたとか」

青年2「一晩で敵泊地を4つ潰したとか、赤城の攻撃した跡には草木一本残らないとか……」

青年1「じゃあ、あの敵艦隊も……」

青年2「あぁ、すぐにやってくれるさ!」

青年1「す、すげぇ……」

>>122 >>124 >>127
これが人の醜さよなぁ………


赤城「34秒。うーん、ちょっと遅かったですね」

流星妖精「す、すみません!」

赤城「いえいえ。私も病み上がりで本調子ではないですし」

扶桑「赤城!?」ザァァァ

扶桑「もう動けるの!? しばらく実戦は無理だと聞いていたけれど……というか、体形が元に戻ってる!?」

赤城「扶桑さん。しばらくご迷惑おかけしました」

赤城「もう大丈夫です。丁度、準備運動もできました」

赤城「ここからが本番です」

赤城「全機へ。遅れを取り戻します。残り全て、180秒で沈めなさい」

妖精ズ「ラジャー!!」


レ級『何だ、何が起こっているんだ!?』

ル級『どうした! どうして空母一隻如きにここまでやられている!?』

チ級『敵空母、こちらに接近!』

タ級『うぇっ……わ、笑ってる……』

リ級『撃て撃てぇーっ!!』

ドカァン!! ドカァン!!

ル級『何故! 何故当たらない!? ……ぎゃぁっ!!』

レ級『ちっ……仕切り直しだ、撤退すっぞ!』

ホ級『逃げろー!』

リ級『逃げ……ぐあぁぁっ!!』


タ級『撤退中の艦まで……』

ヲ級『あ、危ない!』

タ級『えっ……ぎゃぁぁぁああっ!!』


赤城「……感謝します。あなた方に」


ヲ級『な、こいつ何を……』


赤城「あなた方のお蔭で、立ち直る事ができました」

赤城「……あなた方の役目も終わりです」

赤城「沈みなさい」


レ級『ひっ……ば、化け物……』


ドガァン!! ドガァン!! 
ドガァァァァン!!

ギャァァァァァァァァ!!


<指令室>


妖精1「し、侵攻艦隊の、全滅を、確認……」ガクガク

妖精2「八割方、赤城さん一人で沈めてしまいました」ガタガタ

妖精3「赤城さん……恐ろしい人……」ブルブル

提督「よし、警報解除」

提督「哨戒中の艦娘には、半分は念の為鎮守府に帰投命令。遠征中の艦娘に任務に戻る様に連絡を」

妖精4「りょ、了解」

妖精5「み、味方で良かった……」


<港>


青年1「お、来た!」

青年2「赤城―、いや赤城さーん!!」

赤城「おや、あなた方……」

青年1「ありがとうございましたー!!」

青年2「このご恩は、一生忘れません!!」

赤城「良いのです。あれが私達の任務ですから」

赤城「でも、噂話は程々にお願いしますね」

青年1「はっ、はい!」

青年2「肝に命じます!!」

赤城「あ、そうだ。私に関する噂に訂正をお願いします」

青年2「はい、なんでしょう!」


赤城「私が潰した泊地は3つです。一晩で4つ潰したのは加賀さんです」

青年1・2「」

赤城「あ、後! ご飯絡みは全部ウソですから! そんなには無理ですから!」スィーッ……

青年1「は、はーい……」

青年2「わかり、ましたー……」

青年1「……あんなのがもう一人いるのか……」

青年2「俺、もう二度と艦娘バカにしない」

青年1「俺もだ……」


<提督執務室>


明石「成功しましたか!」

提督「あぁ。しっかり食べてくれた」

提督「今回の騒ぎでわかった事は、纏めると『艦娘の体はメンタルに左右されやすい』って事か」

明石「ですね。赤城さんの体が急激に痩せて行った事も、あの拒食症も」

明石「『食べてはならぬ』という強い意志に体が引っ張られ過ぎた事によると推測します」

明石「直前まで動けていたのは、文字通り気力で支えていたのでしょう」

提督「そこへ『食べても良いよ』なんて言ったから折れちまったって訳か」

提督「で、より強い『食べねばならぬ』という意志で上書きする事で解決、と」

提督「……『人の形をした船の魂故に』、ねぇ……」

提督「これからはメンタルケアにも気を遣わんとな……」

明石「因みに……いっぱい食べる娘が好きって、その……本心ですか?」

提督「え? まぁ、見てて気持ち良くはある。食べる為に食べてるタレントみたいなのはアレだがな」

提督「その点赤城は、本気で味わっている。美味しそうにものを食べる様は良い物だ」

提督「それだけだ。深い意味はない」

明石「はぁ……そうですか……」

明石(メンタルに気を遣う、なんて……そう思うんなら、そんな思わせ振りな事言わないであげて……)


<夜・食堂>

鳳翔「次の方~、あっ、赤城、さん……な、何に、しまっ、しますか……?」ビクビク

赤城「空母盛り大の海鮮丼でお願いします」

鳳翔「……はっ、はい!」

鳳翔「良かった……いつもの赤城さんに……」グス

鳳翔「お待ちどおさま! 空母盛り大海鮮丼です!」

赤城「ありがとうございます!」





赤城「……♪」モキュモキュ!←三杯目

赤城「あ、加賀さんすみません。お醤油を」

加賀「……どうぞ」

赤城「ありがとうございます」

赤城「……♪」モキュモキュ!

加賀(元に……)ホロッ

蒼龍・飛龍(戻ってる!!)ホロホロッ


トテトテ

電「あ、赤城さん。元気になって良かったのです」

雷「四人とも、相変わらず凄い量ねー」



赤城(……っ)



響「私達も、なれるかな。赤城さん達みたいな、強くて綺麗な女性に」

暁「なれるわよきっと! その為にはまず、あの四人みたいにたくさん食べて大きくならなきゃ!」

電「なのです!」



赤城(…………)ウルッ

加賀「む、どうかしましたか」

赤城「いえ、何でもありません」モグモグ

赤城「……美味しい♪」ニッコリ









HAPPY END

結局何が言いたかったかって言うと、『妖怪食っちゃ寝』ネタは用法用量に気を付けましょうって事。
そして赤城は入手難度・時期の割にかなり強いから、二次の印象でネタ扱いしたり、まして沈めたりしたら後悔すっぞという事。
ただの大飯喰らいの無能みたいに書くのはやめたげて。

ついでに、過度なダイエットは身を滅ぼすって事も。
十代の女の子諸氏! 君たちは成長期だ! かっこつけてダイエットなんかしたら大きくなれないぞ!

読んでくれた皆さんありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月06日 (金) 11:39:44   ID: jeo175T3

何このホラー

2 :  SS好きの774さん   2015年02月09日 (月) 18:20:29   ID: AzrFQlOL

俺も作者に全面的に同意w
一航戦舐めたらアカン。

3 :  SS好きの774さん   2015年02月09日 (月) 18:40:39   ID: VHz03mA7

ずっと二航戦使ってて、今のイベントで久々に運用したけど、やっぱ一航戦の誇りは伊達じゃなかったわ。

4 :  SS好きの774さん   2015年02月22日 (日) 17:37:21   ID: RWn9v177

青年2人は死ねばいいのに

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