ホリ「いや、こんなに素敵なお嬢さんと一緒に穴掘りが出来るなんて嬉しい限りだよ

　　　ところで、どうしてそんなに離れているんだい？」

雪歩「いえ、お気になさらず。本当はもっと離れたいんですけど、これで画角いっぱいなんです」

ホリ「画角……？　ともあれ、穴掘りの良さをもっと沢山の方に知ってもらえるいい機会だと思って

　　　こうして出演に至ったんだよ」

雪歩「なるほど～。穴を掘るのってとっても楽しいですよね」

ホリ「そうだね、ただ、穴の中には色んな物がある。良い物だったり良くない物だったり

　　　得てして良くない物の方が多いんだけどね」

雪歩「そうなんですかぁ」

ホリ「あぁ、だからこそのディグダグ事件であり南国島事件なんだけど、今の若い子は分からないか」

雪歩「うぅ、勉強不足ですみませぇん……」

字幕スーパー※ホリ・タイゾウさんは地下からモンスターが大量発生したディグダグ事件等を

　　　　　　　単独で解決した世界的英雄です

雪歩「それでは、早速穴を掘っていきましょう！　今日は砂浜です」

ホリ「砂浜は柔らかいので、穴掘り入門としては公園の砂場と同じくらい容易です」

雪歩「はい、私も海に行くとスコップで80ｃｍくらいの穴をよく掘ります」

ホリ「ちなみにかかる時間は？」

雪歩「事前に測ったんですけど、4分50秒でした」

ホリ「なかなかの腕前だけど世界は広い、80ｃｍの穴をスコップで3分切ったら一人前と言われているね」

雪歩「2分以上縮めるのは大変そうですね……」

ホリ「シャベルだったら1分未満だ」

雪歩「ふぇぇぇ……」

ホリ「まぁ、萩原さんはアイドルだし、まずは砂浜スコップ4分未満を目標にしようか」

雪歩「それでも1分は縮めなくちゃなんですね……」

ホリ「なぁに、この位ならコツを掴めばあっという間さ」

雪歩「コツ……ですか」

ホリ「じゃあいつも通りにちょっと掘ってみてくれる？」

雪歩「は、はい」



～～少女掘削中～～

雪歩「で、出来ましたぁ！」

ホリ「うん、4分45秒か」

雪歩「わ、少し縮まりました」

ホリ「5秒なんてのは誤差の範囲さ。場所によっても変わる」

雪歩「そ、そうなんですか……」

ホリ「ただ、やっぱり筋がいいね。これなら1分はあっという間だろう」

雪歩「ホントですかぁ！」

ホリ「うん、まず掘る時なんだけど、今両膝を着いているだろう？　これだとスコップに力が正確に伝わらず

　　　余分な力もかかってしまう、だから片膝を立てて掘ってご覧」

雪歩「な、なるほど……」

ホリ「番組をご覧の皆様もどうぞ試してみてください、驚くほどサクサク掘れますよ」

注）※適当です、根拠は全くありません

雪歩「早速やってみます…………わっ、ホントにサクサク掘れますぅ！」

ホリ「弓道に正射必中という言葉があるんだけどね、正しく射てば、必ず矢は命中する

　　　という事なんだけど、これは穴掘りにも通ずる所があって、正しい姿勢で掘れば、自ずと穴は開ける

　　　言わば正掘必開とでも言うのｋ……って聞いてないね萩原さん」

雪歩「すごいですぅ～、今までよりも楽に穴が掘れます！」

ホリ「ははは、喜んで貰えたなら何よりだね」

雪歩「あっ。すすすすみません！　私、夢中になっちゃって……」

ホリ「いやいや、正しい姿勢も大事だけど、一番大切なのは穴掘りを楽しむ事。萩原さんはそれができてる」

雪歩「えへへ……」

ホリ「君ならきっと立派な穴掘り職人になれる、俺は今日それを確信した」

雪歩「い、いえ、私なんて全然ダメダメで……。お話も聞かないで夢中になっちゃって……。

　　　こんなダメダメな私はもう……穴掘って埋まってますぅぅぅぅぅぅ！」

ホリ「こ、これは！」

ずががががががが！！

ホリ（1.5メートル級の穴をこんな速さで！？）ｿﾞｸｯ

雪歩「ふえええええん！」

ホリ（おいおい、こんな少女がどこにそんなスキルを隠し持ってたんだ。へへっ、わくわくしてきたぜ）

雪歩「はううううううう！」

ホリ（この子なら砂浜スコップ4分未満なんてチャチな目標なんかより、もっとデケェ穴掘れるぜ……！）

雪歩「うううぅぅぅ……」

ホリ（粗は目立つが、それらが無くなった時この子は……）

雪歩「…………」

ホリ（――――俺を超える！！）

雪歩「……あ、あの？」

ホリ「ふっふっふっふ……はっはははははは！！」

雪歩「ひぅ！？」

ホリ「いいよ萩原さん！　最高だ！　よし！　次回からもバンバン穴を掘っていこう！」

雪歩「ふぇ！？　あ、あの……は、い……？」

ホリ「あぁ、次回が楽しみになってきた！」

雪歩「……あ、そ、そろそろお時間です！　来週は岩盤に穴を開け……ええええええ！？」

ホリ「また来週～！！」

雪歩「ふええええええ！！！？？」




続かない

終わりです。

なにこれ。

少しでもお楽しみ頂けたら幸いです。
それではお目汚し失礼しました。