【ルパン×SAO2】ルパン「デス・ガン?」 (78)

東京都某所

寂れたbarのカウンターに男女が座っている。
赤い派手なスーツの男はルパン三世。
世界に名を馳せる大泥棒だ。

隣に座っているのがその大泥棒が心を寄せる美女が峰富士子。
赤いカクテルを一口飲むと怪しい笑みで怪訝な顔をしてるルパンに答える。

富士子「そ。デス・ガンよ」

ルパン「んで?そのデス・ガンを手に入れろって訳?」

富士子「そうなのよ。私のお友達がね?どうしてもその噂の銃がほしいっていうのよ」

ルパン「ゲーム内で人を殺せる銃ねぇ…?」

富士子「ねぇ?いいでしょお?ルパァン」

ルパン「報酬は?」

富士子「さっすがルパン!その依頼人が実はさるお方でね?金に糸目は付けないって言ってるわ」

ルパン「たかだかゲームの銃にか?」

富士子「そ!報酬は山分けでどう?」

ルパン「ふぅん。まぁ丁度退屈してた所だ。いいぜ?ただし…」スッ

富士子「え?」

ルパン「前金としてチッスをぉ…!」チュウゥゥゥ!

富士子「ふふっ」


少し笑って富士子はルパンの頬にキスをするとコートを羽織る。

富士子「続きは帰ってきてからのお楽しみよ…」

ルパン「これから戦場に赴く者だってのにそりゃないぜぇ…」

富士子「ゲームでしょ?大袈裟ね!それじゃ手に入れたらすぐに連絡してね?」

ルパン「へいへい…」ションボリ



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東京・ルパンアジト一室

ルパン「ってな訳で次元…どうよ?」

次元「いいぜ」

ルパン「あら?意外とあっさり」

次元「面白そうじゃねぇかGGO(ガン・ゲイル・オンライン)。ガンマンの腕が鳴るぜ。富士子の奴からってのがちょっと引っかかるが…俺は乗ったぜ」

ルパン「さっすが次元!んで五右衛門はどうすんだ?」

五右衛門「拙者はテレビゲームなどというお遊びをやるつもりは無い」

ルパン「あっそ…んじゃ二人で行っちゃうからいいもんねー!おい次元これつけろ」

次元「ナーヴ・ギアか」

ルパン「そ!そんじゃいくぜぇ!」

ルパン「リンク・スタート」

次元「リンク・スタート」

五右衛門「…」

「亡」カッ
「霊」カ
「に」カ
「手」カ
「向」カッ
「け」カ
「の」カ
「花」カッ
「を」カッ

チャララララララーン!!

「亡霊に手向けの花を」

チャラッチャラチャラッチャラッチャッチャ!!

GGO内・スタートエリア

ルパン「わあお!ゲームの中とは思えない臨場感っ!」

次元「俺ぁこの雰囲気嫌いじゃないぜ」

ルパン「次元先生ノリノリだねえ!そんじゃまずは得物の調達にでも行くとしますか」

次元「おう。ルパン資金の調達が先じゃねぇのか?」

ルパン「資金は心配すんなってぇの!」ピロリン…ピッ!


ルパンの出したポップには「早撃ちトーナメントで一攫千金!賞金はなんと1000万クレジット!君の挑戦を待つ!」と表示されていた。


次元「まずはこれで大儲けって訳か…」

ルパン「ご名答~!ちまちまやんのは性に合わないってな」



次元のガンマンとしての腕はかなりの物だ。
世界一と言っても過言ではない。
一般プレイヤーが適う訳も無く二人は一位二位を総舐めにした。

二人はあっという間に資金を大幅に増やしウェポンショップに来ていた。

ルパン「クソォ!やっぱ次元には適わねぇかぁ!」

次元「いやいやお前も中々の腕だったぜ!」

ルパン「くぅ!その余裕が余計にむかつくぅ!!」

次元「まぁいずれリベンジされてやるからよ!はっはっは!」


次元「えーとマグナム…マグナム…お!あったあった!」



次元は悔しがるルパンを尻目にリアルと同じリボルバータイプの銃「S&W M19 コンバット・マグナム」を手に取ると意気揚々と購入している。

次元「なるほどウェイトも悪くねぇな。いい再現率だ…ん?」

ルパン「これと…これとこれも…」

次元「おいおい無駄遣いすんなってかぁちゃんに教わらなかったのか?」

ルパン「ふーんだ!次元には関係ないだろっ!ふーん!」

次元「いつまですねてんだよぉ!こいつめ!」

ルパン「わぁぁああ!やめろぉ!」

ヤイノヤイノ…

ドンッ!

少女「あっ…!」ドサッ

次元「おっとわりぃな!お嬢ちゃん!大丈夫か?」

ルパン「あらら?大丈か?ごめんよお嬢さん内の次元が…!立てるかい?」スッ


そういってルパンが差し伸べた手を少女は振り払った。

パシッ!!


ルパン「おりょ?」

少女「触らないで…!」キッ

ルパン「あ…あぁごめんなさいね」

少女「フン」ツカツカツカ


ルパン「おぉ怖…」

次元「あんなに怒る事ねぇのにな」

ルパン「こんなゲームにはまってる女の子だしなんか心の闇で抱えてるんでねぇの?」スリスリ

払われた手をさすりながら

ルパン「さてと…お次は情報収集だ」

次元「それはお前一人でやってくれ、俺は新しい相棒とちょっと試し撃ちしてくる」

ルパン「はいはい、知らない人についてっちゃ駄目よ」

次元「お前こそやっかい事に首突っ込むんじゃねぇぞ」

休憩します

GGO荒野ステージ

次元「しかしすげぇ作り込まれてるんだな…ルパンじゃねぇがまるで現実だぜ…」

ルーキーズガイドブックを片手に辺りを見回しながらモンスターが出るとされる狩り場に向かっていた。

こうして荒野を歩いてると昔を思い出してしまう。
ゲームで感傷的になっている自分が滑稽で少し笑ってしまう。


次元「ふっ…」


マルボロに火を着けようとした瞬間…


ピーッという音がしたと思うと正面から伸びてきた光…それは次元の眉間を捉えていた。

その間1秒も無かった。
狙撃されるっ…!

咄嗟に身を屈めた瞬間…弾道は次元の帽子を貫いた。

狙撃手「ちっ…外したか…っ!こちらアルファ!狙撃失敗!繰り返す狙撃失敗!」

次元「あーぁ買ったばかりの帽子に穴を空けてくれやがって…そこにいるんだろ?出てこいよ」ツカツカ

狙撃手「ぁ…あぁ!降参…降参する…」

次元「ルーキー相手にひでぇ事すんじゃねぇか。何が目当てだ?」

狙撃手「さっきの早撃ちトーナメントで得たクレジットで買ったレアアイテムや賞金その物が目的だ。第一ここは既にバトルエリアだ…。油断してる方が悪い」

次元「なるほどそういうリスクもあるのか…有名になりすぎるのも損だな…色々教えてくれてありがとよ」

狙撃手「いいさ。さぁ撃てよ」

次元「あぁ」ガチャ

狙撃手「…あと」

次元「あと?」

狙撃手「悪いな…俺達の勝ちだぜ!」

ガチャ…!ガチャ!ガチャ!
ピーッ!ピーッ!ピーッ!

次元「なにっ!?」

おびただしい数の弾道線が次元に狙いを定めている。

次元(1…2…3…6人か…単独行動は迂闊だったか…)

モヒカン「おい銃を捨てろ…!交渉してやるよ」

次元「交渉?」

モヒカン「そんな事も知らねぇのか?このゲームで死んだらデスペナルティってのがあって罰として所持アイテムの一部や所持金を失うんだよ」

次元(そういやそんな事書いてあったような…)

狙撃手「特にアイテムのドロップはランダムだ。これはお互いにリスクが高い。そうだろ?どうせ何かを失うなら何を失うか分かった方がありがてぇたろ?なぁにメインウェポンに手出すような真似はしねぇさ」

次元「ふっ俺のメインはお前らじゃ扱いきれねぇよ」

モヒカン「なんだと!?」

次元「色々提案してくれてありがたいがその要求は飲めねぇな」

狙撃手「おいおいよく考えろよ?後悔するぜ?」

次元「よく考えた結果だ。よく考えたら俺が…」



次元「お前ら盗賊風情に負ける訳ねぇだろ」ガチャッ!

モヒカン「構えろッ!!」

バキュンバキュンバキュン!

次元は横に飛びながら後ろの3人を撃ち抜いた。

狙撃手「なにっ!?」

やられた仲間に気を取られる間に次元は岩陰に滑り込んだ。

アタッカー「どこだ!?」

モヒカン「ボヤボヤするな!陣形を組め!こっちはまだ三人いるんだ!デルタの陣形だ!どこから来ても必ず勝てる!奴は実弾タイプのアタッカーだ!」

狙撃手「銃はリボルバー!威力はあるが連射には限界がある!」

三人は三角形を描くように立つと
背中を向き合わせた。

モヒカン「これでどっから撃ってきても場所だけは把握できる…一人でも生き残れば味方のアイテムは回収して本人に返せばいい…」

狙撃手「三人残した事を後悔するんだな…」


ピーッ!
アタッカー「…!狙撃手!!左足!」

狙撃手「おっとぉ!!」サッ

チュイン!!
狙撃手は咄嗟に後ろに跳び、次元の撃った弾はアタッカーの足元の岩肌に弾かれた。

モヒカン「バカが!外しやがった!」

ピーッ!
次元「バカはテメェらだよ」

狙撃手「なにっ!?しまった…!この位置取りは…!!」

ドキューーーーーン!!

アタッカー「がはっ!」
モヒカン「な…なんだと…っ!」
狙撃手「ぐっ…!わざと外したのか…」

2発目の弾丸は見事に三人同時に貫いていた。

次元「次からは相手を見るんだな」

狙撃手「く…そが…」ガクッ



次元「いい試し撃ちになったぜ。ありがとよ」

次元は6人のドロップしたアイテムやクレジットを拾いながらルパンに連絡を取った。

次元「おう。試し撃ちは終わったぞ。そっちはどうだ?」

ルパン「あんれま早かったじゃないの!」

次元「なんだまだ何も分かってないのか?どうせどこぞの女プレイヤーのケツでも追いかけてたんだろ?」

ルパン「ま…ままままさかぁあ…!」


次元「図星か…まぁいい。とにかくどこかで一旦落ち合うぜ」

ルパン「あいよ!そんじゃログインした所から見えたでっかいタワー覚えてるか?あそこで落ち合おうぜぇ?」

次元「わかった。じゃ後でな」

街に戻った次元はルーキーズガイドブックを見ながら遥か遠くに聳え立つタワーを眺める。

次元「総督府タワーか…歩いて行くにはちと遠いな…お?」

視線を落とした先にはレンタルバギーが置いてある。

次元「レンタルバギーか…」

男性プレイヤー「そいつはやめとけよ。」

次元「ん?」

男性プレイヤー「このゲームはとことんリアルでな…まぁそれが売りなんだが…操作が難しくてとても素人には乗りこなせねぇよ」

ドルルルルルン!ドルンドルン!!

男性プレイヤー「おっ…おい!」

次元「忠告ありがとよ…」キンッ!

次元はチップを指で弾くとレンタルバギーを唸らせ走り去った。


ドルルルルルルン!!!ウォォォォォン!!!

総督府タワー

タワーについた次元はルパンと合流する。
フロアには大勢のプレイヤーがひしめき合っていた。
いかにも屈強そうなプレイヤーを横目に見ながらルパンは深刻そうな顔で話始める。


ルパン「次元、俺はあれから色々調べたんだがな…」

次元「おう。何か分かったか?」

ルパン「さぁぁぁっぱりだ…!じぇんじぇん分かんねぇや!ゲームの中で死んだら人が死ぬ?そんな事ってあんのか?」

次元「さぁな…」

ルパン「既に二人だ。「死銃」の餌食になったのは…」

次元「ゼクシードと…薄塩たらこだろ?」

ルパン「そ。共通点はガンゲイルオンラインのプレイヤーだった事と…デスガンで撃たれたって事だな」

ルパン「ただ…なんか引っ掛かるんだよなぁ」

次元「引っ掛かる…?」

ルパン「薄塩タラコは直接デス・ガンで撃たれたんだ。だがゼクシードに関してはモニター越しだったって噂があんだよ」

次元「モニター越しか…確かに引っ掛かるな。まぁ本人取っ捕まえて吐かせりゃいいんだろ?」

ルパン「現実ならな…ログアウトしたら終わりのゲームの世界じゃその手は使えねぇよ」

次元「そりゃそうだ…じゃどうすんだ?」

ルパン「とりあいずこのどでかいオープンワールドで姿形も分からんデス・ガンを見つける確率は0%以下…八方塞がりな訳よ…」

次元「諦めんのか?」

ルパン「まぁさか…」ニマァ

次元「手があんなら勿体ぶらずにさっさと教えろよ」

ルパンが人差し指を立てて次元の視線を上に促した。

次元「ん?」

真上にはB・O・B(バレット・オブ・バレッツ)の告知がデカデカと表示されていた。

次元「なるほどな…だがデス・ガンが来るって保障があるのか?」

ルパン「ゼクシード殺害の時にわざわざ大衆の面前で[ピーーー]ような奴だぜ?自分の存在をアピールするようなメッセージまで残してな。つまりデス・ガンは注目されたがってるって訳。この機を逃すはずはねぇさ。奴は絶対にB・O・Bに参加する」

次元「そこまで分かってるならさっそくエントリーしようぜ」



エントリーを済ませた二人はルールを確認する。

・予選はランダムにアルファベットに振り分けられた各プレイヤーがランダムマップのソロトーナメントを行い上位二名を決める。

・各ブロック上位二名はISLラグナロクというGGO内の孤島でバトルロワイヤル形式で争い最後まで残ったのプレイヤーが優勝。

ルパンはDブロック。
次元はEブロックに振り分けられた。

ルパン「なぁんだ…同じブロックじゃねぇのか」

次元「もうリベンジするつもりだったのかよ」

ルパン「負けっぱなしでいられるかってぇのっ!」

次元「本選まで勝ち進んだら相手してやるよ」

ルパン「きぃぃぃぃー!!」

予選が始まる。

ルパンの名前がモニターに表示された。初戦の相手は…と名前なんて知った所でどうしようもない。
なにせこちらには情報が無いのだ。

誰が来ても勝つ。

そしてデス・ガンを手に入れる…そして不二子からご褒美を…ドゥフフフフ…

そんな事を考えてると転送されたエリアについた。

ルパン「遺跡エリアか…」

まずは相手の位置を確認するレーダーで敵を探す。
11時の方向からゆっくりとこっちに向かって来ている。

ルパン「なんだぁ…?もっとこそこそするもんじゃねぇのか?」

遺跡の通路は狭く、一直線の道で正面から出くわしたら逃げ場はない。
慎重に近づいて行く。

壁の角から顔を出したその時…

ウィィィィィィィィン…

聞きなれない機械音が聞こえた。
いや聞き覚えはある…これは…ミニガンッ!!

ダラララララララララララララララララララッ!!!!!

ルパン「うっひぇぁぁぁぁ!!!!ちょっとタンマタンマ!!!」

ルパンの必死の停戦はミニガンの発砲音にかき消された。

ルパンは遺跡の外に向かって逃げた。
狭い遺跡の中でミニガン相手ではどう考えても分が悪い。

間違いない…奴はベヒモスと呼ばれる男。

デス・ガンの事を調べてる内に何度か聞いた名だった。

ルパン「…」

ベヒモス「…」

ベヒモスは出口付近で用心深く索敵を行っている。
ルパンは遺跡の頂上からベヒモスに声を掛ける。

ルパン「ようあんた…ベヒモスだろ?」

ベヒモス「…!」

自分から姿を明かすなんてなんてバカな奴だと鼻て笑うとミニガンを構え外に出た。

ズボォッ!ドシーーーーン!!!

ベヒモス「うぉあ!!」

落とし穴。
原始的な手だが未だにゲリラ戦では多く用いられる。

ルパン「戦場の心得その1。戦場では以下の事に気を付けよ…足元、背後、残弾数」

ポイ。

ベヒモスの落ちた落とし穴に手榴弾を投げ込みながらルパンはニヤリと笑った。

それを見てベヒモスは真っ赤な顔をして吠えた。

ベヒモス「ちくしょぉぉぉぉおおおおお!!!!!!」

ポンッ!

手榴弾はパーティーグッズの様に弾け色とりどりの紙吹雪を散らした。

ベヒモス「コケにしやがってぇ!!!」

ルパン「うひゃぁ!!来たぁ!!」

落とし穴から這い上がると逃げるルパンに向けてミニガンを乱射した。
障害物という障害物をミニガンで破壊して行く。

ダラララララララララララララララララララ!!!

辺りは瓦礫の土煙がモウモウと立ち上がり視界を奪っていた。

しかし怒りに我を忘れたベヒモスは所構わず撃ちまくった。

ベヒモス「でてこぉぉぉぉぉい!!!!!」

ダラララララララララララララララララララ!!!

ダララララララララララララララ!!…キュィィィィィン…

弾切れ音が虚しく響いた。

ベヒモス「くそがっ!!」

ルパン「弾切れかい?」カチャッ

ルパンが銃を構え背後から声を掛ける。
ベヒモスは手を上げながらゆっくり振り向いた。

ベヒモス「あんた何者だ…?」

ルパン「俺?俺はルパン。ルァパン三世」

ベヒモス「まさか…本物か?」

ルパン「さぁな…」

ベヒモス「そうか…ックッククク!ハッハッハッハッ!!!」

ルパン「どうしたぁ?頭に血が昇っておかしくなったか?」

ベヒモス「本物なら光栄だぜ」

ルパン「そうかい?ありがとよ。それじゃそろそろおしゃべりは終わりにしようや」



ベヒモス「あぁ…光栄ついでに一ついいか?」

ルパン「なんだ?」

ベヒモス「死にやがれっ!!!」

ベヒモスは咄嗟に肩に仕込んであったダガーでルパンを切り裂いた。

ルパン「なん…だと…ッ!?」ドサァ

ベヒモス「…ハハッ!ハッハッハッハ!!やったぞ!!ルパンを討ち取った!!俺が最強だッ!!見てるか雑魚どもォ!!!はぁーっはっはっは…!!」

ドキューン!

ベヒモス「な…なに…?」

突然ベヒモスを背後から飛んできた銃弾が撃ち抜いた。

振り向くとそこにはさっき切り捨てたはずのルパンが立っていた。

ベヒモス「き…貴様…なぜ…?」

ルパン「お前が斬ったのは俺がダミーツールで作り出した偽物だ。よく見ると見抜かれちまうが砂埃で分からなかったろ?」

ベヒモス「ちくしょう…!!」

ルパン「それに言ったはずだぜ?」

ベヒモス「背後には気を付けろか…」

ルパン「覚えたか?」

ベヒモス「あぁ…いずれまた…挑ませてくれ…」キンッ

ベヒモスはそういうと自分で手榴弾のピンを抜いた。

ルパン「わわわわっ!!!ちょい待てぇ!!」

ドカァァァァァァァァァァン!!

パラパラパラ…

ルパン「あんのやろぉ…」ガクッ


遺跡での決闘は
ベヒモスの自害に寄りルパンの勝利に収まった。

ルパンがロビーに戻ると一足先に戻っていた次元がブースで待っていた。

次元「ルパン。遅かったな」

ルパン「おう。そっちは随分早かった見たいじゃないの?」

次元「俺はここで他の奴等の戦闘を見てたんだ。お前みたいに遊んでねぇからな」

ルパン「いや他のプレイヤー達に一目置かれるベヒモスがどれだけのもんかちょっと気になってな」

次元「で…どうだった?」

ルパンは答えずさっぱりと言うジェスチャーで答えた。

次元「ま…そうだろうな。俺が気になったのはあいつだ」

次元が顎で指した先には長髪のプレイヤーがいた。

次元「プレイヤー名は…キリト。あいつ弾丸を光剣で弾いていたぜ」

ルパン「あれまぁ五衛門みてぇな事すんのか」

次元「正直あいつと違うブロックで良かったぜ」

ルパン「ん?」

ルパン達が見ているとキリトに黒ずくめの男が近づいた。
何かを話しているようだ。

黒ずくめの男が去った後キリトの顔色が明らかにおかしかった。顔面蒼白で怒りとも怯えとも取れる表情で立ち尽くしていた。

次元「なんだ?何か言われたのか?」

ルパン「まぁ愛の告白には見えなかったな」

次元「あれだけの使い手が一言で凍りつくんだ。あいつも要チェックだな」

ルパン「あぁ…次元ちょっと待ってろ」

次元「おい!ちょっと…ちょっと待てよ!」

ルパン「すぐ戻るってぇ!」

ルパンはキリトが座ったブースの隣に何食わぬ顔で座った。
横目で見たキリトは何かを思い詰めたように座っている。
そこへ予選試合が終わったのか長いマフラーの少女が近づいてきた。

ルパン「ん?」

どこかで見た少女だと思ったら次元とジャれてる時にぶつかった少女だ。
彼女もキリトの異変に気付いたようだった。

ルパンは席を立つと次元に手招きした。
次元はやれやれという感じで席を立つ。

ルパンは次元が席に着くなり隣に聞こえるように言った。

ルパン「いやー!お互いデスガンで撃たれなくて良かったなぁ!」

次元「ちょ…お前なにいって…」

次元が言いかけた所でルパンが合わせろという意味の合図でウィンクを見たので次元も合わせる。

次元「あ…あぁ!誰がデスガンなのかわかりゃしねぇ!」

ルパン「黒ずくめにドクロの顔、不気味な紅い眼なんだそうだ!」

次元「そりゃおっかねぇや!」

キリト「!!」

キリトが普通じゃないよ様子でこちらの話に興味を持ったのを確認するとルパンは満足したように席を立つ。

ルパン「さてとそろそろ飯落ちでもするか。予選お疲れさん」

次元「お…おう」

ルパン達がログアウトをする一瞬ルパンとキリトの目があった。

ルパンはニヤリと笑うとそのままログアウトした。

東京某所ルパンアジト

ルパン「くくくっ!あはははは!」

次元「なんか分かったのか?」

ルパン「指名手配のままの格好でほっつき歩く犯罪者がいたら、さぁすがになぁ。ははは!」

次元「あいつか…!」

ルパン「プランは立ってる。あとは間違いなく本選に出るだけよ。その為には次元。絶対に負けられないぜ」

次元「誰に言ってんだよ」

ルパン「ふっ…まぁなぁ?」

ルパン達は無事予選を勝ち抜いた。

そしていよいよバレット・オブ・バレッツ本線が幕を開ける。



ルパン「いいか次元、俺達は恐らくバラバラの場所に転送される。転送が終わったら連絡を取り合って合流だ。」

次元「予選を勝ち抜いた手練れどもだ。合流する前にやられたなんて事のねぇようにしとけよな」

ルパン「誰に言ってんだぁ?」

じげん

次元「まぁな」

そして転送が開始される。

ルパンは島の南東、次元は島の北西に転送された。

ルパン「こちらルパン聞こえるか?」

次元「オーライ。聞こえるぜ」

ルパン「俺は島の南東だ。そっちは?」

次元「北西ってとこか」

ルパン「なら廃都市街が近いな。そこの一番高いビルで落ち合おう」

次元「距離はほぼ同じか…」

ルパン「競争か?」

次元「乗るか?賞品は今夜の飯な」

ルパン「おもしれぇ。やってやろうじゃないの!」ダッ!

次元「あっずりぃ!もう移動してるだろ!」

ルパン「なぁに食べちゃおうかなぁ!にょほほ!」

ダキューン!

ルパン「!?」

はるか遠くから撃たれた弾は駆け出したルパンの足元を弾いた。

金髪狙撃手「チッ!」

ルパン「ひぇぇ…!」

次元「おい!どうした!?大丈夫か!?」

ルパン「狙撃手に狙われてたらしい…!お前も気を付けろ…!このレースは中々刺激的じゃないの」ガチャ

ルパンはダミーツールで偽物を作り出すと全速力で左右に別れて走り出した。

金髪狙撃手「なにっ!?」

動揺した金髪狙撃手のスコープがブレる。

金髪狙撃手「どっちだ!?右か…!」

ダキューン…!!チュイン!

金髪狙撃手「くっそ!落ち着け…!!落ち着け…!!」

ダキューン!チュイン!ダキューン!チュイン!ダキューン!チュイン!

金髪狙撃手「クソッ!クソッ!!」

ダキューン!ドサァ!!

金髪狙撃手「よしっ!!」

撃たれた方のルパンは糸の切れた操り人形のように崩れ落ちた。

金髪狙撃手「ダミーか…!?ならこっちだ!」

狙撃手は左に走った方のルパンに狙いを定める。

金髪狙撃手「今度は外さねぇ…!」スーッハーッ

金髪狙撃手は狙いを定めるとルパンに向けて必中の狙撃をした。

ダキューン!ドサァ!

金髪狙撃手「よしっ!!」

ルパン「お見事!」

金髪狙撃手「なにっ!?」


ルパンは金髪狙撃手の後頭部に銃口をつきつけると引き金を引いた。


ルパン「どっちもダミーだぜ?」ダキューン!ドサァ!


ルパンはふぅと一息つくと次元に連絡を取る。


ルパン「こっちは片付いた。お前も気を付けろよ」

次元「交戦中だ!!あとにしろ!」ダキューン!ダキューン!

ルパン「ほんじゃ俺は一足先に廃都市街を目指しますかね!」

次元「ちくしょう!すばしっこい野郎だぜ!」

次元は砂漠エリアにいた。

隠れる障害物が無いのと敵が弾をばらまくタイプである事は次元に取って不利な状況だった。

次元は体を隠すのがやっとの岩に隠れて敵の掃射をやり過ごす。
敵はかなりの機動力の持ち主だ。
高速で移動しながら弾をバラまいてくる。
高機動のアタッカーのようだ。

パラララララ!パラララララ!

次元「チッ!」

次元は手榴弾を敵の方角目掛けて投げ付けた。

高機動アタッカー「ッ!」

手榴弾に気付いたアタッカーは後ろに素早く跳ぶ。



ドガァァァァァン!!

爆炎と土煙がモウモウと上がった。

高機動アタッカー「目眩ましか!逃がさん!」

高機動アタッカーは視点をサーモサーチに切り替えた。

これで土煙の中であっても相手を見失う事は無い。

次元はもう一つ手榴弾を投げた。

高機動アタッカー「くどいっ!!」

高機動アタッカーは素早くそれを察知し手榴弾を投げ返すべく今度は敢えて後ろに跳ばず前に出た。

ワンバウンドする前に手榴弾を拾って投げ返そうとしたその時…

高機動アタッカー「なに…ッ!?ピンが抜かれて無…」

ダキューン!

次元が撃ち抜いたのはピンの抜かれていない手榴弾だった。

高機動アタッカー「くそぉぉぉおおおお!!」

カッ!ドガァァァァァン!!

次元「お前の機動力なら投げ返したがると思ったぜ。どんなに早くてもこっちの思った所に来てくれんなら意味はねぇ」



次元「さてとルパンの野郎にゃ負けられん」

次元も廃都市にむけて走り出した。

休憩します。

次元「あそこか…」

次元は廃墟都市に到着すると廃れた都市に尚も存在を誇示するようにそびえ立つビルを一目眺めるとまた駆け出した。

次元「ん…あれは?」

ルパン「あっ!次元!!この間のリベンジだ負けられねぇや!おりゃりゃりゃりゃー!」

ルパンは一気に加速するとビルを目指す。
次元も負けじと追い上げるか中々追い付かない。

次元「まずいな…このままじゃ…やるしかねぇか」
ガチャ

次元はマグナムを抜くとルパンではなく空を…狙った。

ダキューン!

ルパン「そんな威嚇でビビるかよ!悔しかったらここまでおいでーぇ!」

次元は続け様にもう一発撃った。

ルパン「なんの真似かしらねぇが真面目にやれよ!拍子抜けだい!」

フンと上向いたルパンの遥か上空の看板が今にも倒れてきそうになっていた。

そう。次元はビルの上の広告看板を狙っていたのだ。

ルパン「ちくしょーーーーーーー!
!!」

ドシーーーーーーーーーン!!

次元「はっは!ルパン!俺の勝ちだな!」

次元は一気に加速するとビルの入り口にたどり着いた。
と思ったのも束の間地面に吸い込まれた。

次元「う…うぅ…いってて…」

ルパン「ありゃー!派手に落ちたな!大丈夫かぁ?」

次元「てめぇ…先についてやがったのか…!」

ルパン「あたぼうよ!待ちくたびれてたらちょっとしたショーを思い付いてな」

次元「いらん知恵ばかり思い付くな……ったくよ…」

ルパン「本日は勝利の美酒に酔いしれますかね!」

次元はふてくされた様子で穴から這い出ると埃を払いやれやれと言った様子だった。

ルパン「ん?そういえばそろそろ衛生がプレイヤーの居場所を通知する時間だな」

次元「マップか…」

ヴゥン…!

二人はマップを出し他プレイヤーの名前を確認する。
近くにプレイヤーはいないようだったが
デスガンと関わりのあるであろうキリトというプレイヤーはシノンというプレイヤーと一緒に行動しているようだった。

ルパン「シノンか…俺の情報だとかなりの狙撃の腕らしいな」

次元「弾を弾く剣士と狙撃の名手か…死角がねぇな」

ルパン「まぁな…ま…俺らにかかれば所詮は子供…と侮ってたら負けるだろうな。間違いなく…」

次元「近くもねぇが遠くもねぇ…せいぜいぶち抜かれねぇように気を付けようぜ」

ルパン「俺らが今まで何千発の弾避けて来たと思ってんだよ」

次元「ちげぇねぇ!」

ルパンと次元はその晩そのビルでログアウトをした。

トラップというトラップを張り巡らせておいたのでログアウト中の襲撃には万全の体制であった。

はずだった。



ルパン達は甘く見ていたのだ。
このBOB参加者全員がいくつもの死線を潜り抜けてきた手練ればかりという事を。

ルパン達が次にINした時には逆に自分達がトラップに囲まれていた。

次元「おい…こりゃどういう事だ?」

ルパン「一歩も動けねぇぞ…」

???「動かないで…」

聞こえた声の先には金髪の髪をなびかせた女性が立っていた。

ルパン「うっひょ!かわいこちゃん…!」

次元「言ってる場合かよ…」

銃士X「私は銃士X…あれほどのトラップ…あの組み合わせ…貴方達ただものじゃないわね?」

ルパン「そんな事よりお嬢さん…立ち話もなんですしこのトラップ解除してくんなぁい?」

銃士X「ふ…ずいぶんとフランクなのね。それも罠なのかしら?」

ルパン「滅相もありませんんん!このルパン!こんなかわいこちゃんに向ける銃は持ち合わせておりませんんん!」

銃士X「変な人…」クスッ

ピピッ

ヴゥン…

少し笑うと銃士Xはトラップを解除した。

ルパン「ふぅ…」

次元「おいおい正気かよ…」

銃士X「気に入ったわ。貴方達…私の話聞いてみる気ない?」

次元「あんたも十分変だと思うぜ」

ルパン「話?」

そのプラチナブロンドの髪の女性は改めて銃士Xと名乗るといくつかの条件を提示し共闘を申し出た。

一つ目
最後はグレネードによる三人同時討ち。

二つ目
自分が正々堂々勝負すると宣言した場合は手出し無用。

三つ目
明らかな裏切り行為と見なした場合は背後からだろうと確認無く撃つ事への承諾。

次元「あんたもかなりの手練れだろ…?なんでチームなんて組もうと思ったんだ?」

銃士X「今年はチームプレイが多くて一人では優勝は厳しいと思ったの」

次元「なるほど…それで俺らを罠にはめて交渉したって訳か?」

銃士X「聞き分けの無さそうなプレイヤーだったら即キルしたけどアナタ達なんか肩の力抜けてたしそれほど優勝に拘ってるように見えなかったのよね」

ルパン「俺らはな。優勝よりデスガンを探してるんだ。だから加入条件としてデスガンは俺達にやらせてくれ」

銃士X「構わないわ。でもそんなプレイヤーいたかしら?」

次元「sterben…」

ルパン「気付いてたか?ドイツ語で【人間の死】って意味だ…」

銃士X「へぇ…」

ルパン「日本でも病院じゃステるとかいうし、馴染みが無いって訳じゃないんだがそれほど有名な業界用語って訳じゃないな」



銃士X「デスガン…」

ルパン「あんたは信じるか?特殊な銃で撃たれてゲーム内で死んだら現実世界でも死ぬって話」

銃士X「まず有り得ないわね」

次元「SAO事件っての知ってるか?」

ルパン「プレイヤーを人質に取ったテロ事件だろ?」

次元「あんな事が起きてるんだ。有り得ないって事はねぇだろ」

銃士X「それでもありえないわ」

ルパン「言い切るねぇ」

銃士X「もしその可能性があるとして、そんな事出来るのはゲームマスターだけよ。そしてもしゲームマスターならそんな噂程度の規模にしないはずよ」

次元「まぁ確かにな…」

ルパン「凄腕ハッカーがゲームマスター級の権限を持つ可能性は?」

銃士X「同じ理由で有り得ないわね」

ルパン「まぁそうだよな…となると…」

次元「物理的な殺傷か…」

銃士X「あなた達…もしかして警察?」

ルパン「ぬふふ…」

銃士X「…?」

ルパン「たぁいほだぁー!!」ピョーン

銃士X「ふん」ドゴッ

次元「ヒュウ…」

ルパン「鮮やかな…ハイキック…」




銃士X「ふぅ…まぁ警察関係では無さそうね…」

次元「見りゃわかんだろ…むっ…!おいルパン…遊びは終わりだ」

ルパン「ふえ?」

次元「入り口に仕掛けたトラップに反応。二人…か…」

銃士X「準備がいいわね」

次元「これでも元傭兵だぜ?」

銃士X「ふふ。ここまで残ってるって事はかなりの腕よ。くれぐれも油断しないように」

次元「だってよルパン」

ルパン「ははぁ…!さてと凄腕プレイヤーさんのお顔でも拝みに行きますかね…っと!」

次元「待て…!三人目が通過したぞ…多分その二人を着けてる奴だ…この前の衛星中継で表示された距離から考えて前の二人がキリトとシノン…後ろのやつは…」

ルパン「未確認だが…」

次元「恐らくデスガンじゃねぇな…二人同時に倒したら物理的に離れた二人を同時に殺傷しなきゃならん」

ルパン「いや…多分そいつがデスガンだ」

次元「なんで分かる?」

ルパン「ニヤリ…」

次元「勘か…これが当たるから嫌になるぜ」ガチャ

銃士X「正面から迎え撃つ気?」

ルパン「まぁさか…とりあいず様子を見ようぜ。一人減るのは確実だ。それからでも遅くない。運が良きゃ三人同士討ちなんて事もあるかもな。ニシシシ」

銃士X「日頃の行いが問われるわね」

ルパン・次元「そりゃ絶望的だな…ん?」

銃士X「クスッ…ふふふ!仲がいいのね。同時に同じ事言うなんて」

二人はちょっとムスッとして言った。

ルパン・次元「腐れ縁って奴だ」



三人はビルの屋上に上がり双眼鏡で二人の様子を見る。

ルパン「いたいた!」

次元「あの二人か…男女仲良くゲームなんて潤いがあっていい身分だな」

銃士X「あら?聞き捨てならないわね?」

ルパン「そうだぞ!次元君!こんな美女とゲームが出来るなんてそうそうある機会じゃないぞ」

次元「こっちは仲良くって感じじゃねぇだろ…」

銃士X「にしても三人目のプレイヤーの姿が見えないわね…」

ルパン「おっとその前に動きがある見たいだぜ?」

次元「なるほど別行動か…」

銃士X「私はキリトを見張るわ。あの噂のプレイヤーなら楽しませてくれそうだし」

ルパン「それじゃ仕方ないな。では僕はシノンちゃんを見張るとしますかね!!!!」

次元「張り切り過ぎだ…」

ルパン「うっひょぉ!!なんか年頃の女の子を監視なんて悪い事してる気分っ!」

次元「妙な事言うんじゃねぇよ…」



シノン「なんか誰かに見張られてる気分…」ゾクゾク…!

ルパン「むっ…!」

次元「どうした?」

ルパン「あのビルの影…!あいつ…!デスガンだ!」

次元「光学迷彩か…!いい趣味してるぜ」

ルパン「こうしちゃいられねぇ!」ダッ

次元「おい!どこ行くんだよ!」

ルパン「デスガンを狙うチャンスだ!急げ!」

次元「おい…銃士Xはどうすんだ!?」

次元が銃士Xの方を振り返ると銃士Xも姿を消していた。



次元「ったく…どいつもこいつも…!!」

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