【艦これ】ハイパーズ と こたつ。 (218)
※短編です
※この提督と北上、大井はケッコンカッコカリ済みです
※キャラ崩壊等は生暖かく見守ってください
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1422850179
北上「届いたねー」
大井「届きましたねー」
とある鎮守府の夜。
提督の執務室の奥には、提督と身の回りの世話をする者が暮らすための居住スペースが設けられている。
その中でもリビング的に使われている大きな部屋。
今そこには、部屋の床面積の約半分を占めるほどの大きなこたつが鎮座していた。
提督「……てか、お前ら、設置するのちっとは手伝えよ。結局ほとんど俺一人で作業してんじゃねえか」
北上「まーまー、細かいことは気にしない気にしない。せっかくのおこたなんだから、早く座ろーよ」
大井「あっ、私お茶入れてきますねー」
北上「ありがとー大井っちー、愛してるよー」
大井「やだもう、北上さんったら……////」
照れながらも鼻歌混じりで流しに向かう大井。
提督「……それにしても、ほんとに良かったのか?
E海域での戦果には、大本営も満足げだったからな。希望すれば、もっと豪華な品なり休暇なりも許可されたと思うぞ?」
北上「いーのいーの。あたしらばっか贅沢してもしょーがないしさー」
北上はぱたぱたと手を振る。
大井「……それに、正直、私自身は、北上さんとここで一緒に暮らせてるってだけで充分ですしね♪」
急須と湯のみ、みかんの入ったカゴを載せたお盆を持って、大井が戻ってくる。
北上「わーい、みかんだー♪ うんうん、やっぱおこたにはみかんだよねー。さっすが大井っち、わかっとるねぇ~♪」
大井「うふふ、北上さんのためですもの」
提督「相変わらず北上北上で、俺のことはスルーだよな」
大井「……あら、すねちゃいました? もちろん、提督のことも愛してますよ」
提督「……とか言いながら、当然のごとく北上の隣に座るのな」
大井「当然です。そのためにわざわざ大きめのこたつを注文したんですから」
すました顔で急須にお湯を注ぐ大井。
なんだかんだ言いつつも、ちゃんとお茶は三人分淹れてくれるようだ。
北上「あ~、でもさぁ、なんかいいねぇ、こーゆーのさ」
こたつの天板にぺたんとあごをのっけて、北上がにへら~と笑う。
北上「なんつーかさぁ、こーして同じおこたに入ってるとさぁ、団欒、ってゆーか、家族、って感じだよね。ねー提督、大井っち」
大井「北上さん……」ジーン
提督「北上……」ジーン
北上「え、ちょっと、やだなー二人とも、しんみりしないでよー。あたしゃ別に」
提督「……いや、それはそれとして」
大井「……さっきから思ってたんですけど」
アイコンタクトする二人。
大井「『おこた』って言い方、可愛いですよね」
提督「うん、なんつーかこう、心に響くものがあるよな」
北上「ふぇ!?」
提督「可愛いというか、なんか微笑ましいというか」
大井「そこに気づくとは……さすがです提督、侮れませんね」
北上「」
提督「北上って、落ち着いてるというかダウナーな感じに見えて、意外と子供っぽいとこあるんだよな」
大井「ええ、そこがまた可愛いんですよねー」
北上「ちょっ、もー、提督も大井っちも何なのさ。やーめーてーよー///」
提督「……知ってるか大井、実はこの前、北上が鏡をじーっとのぞき込んでて、えらく熱心だなーと思ってたら……」
北上「ちょ、提督!?」
大井「あら、女の子ですもの、普通というか当然じゃありません?」
提督「……一生懸命、猪木の顔マネ練習してた」
大井「くっ……!!」
北上「なんで今それバラすのさー!///」
思わず吹き出しそうになり、顔を背けて口元を抑える大井と、真っ赤になって悲鳴をあげる北上。
提督「駆逐艦の子たちの前で一度やったらえらくウケたらしくてな。会うたび顔芸せがまれるんで、新ネタ練習してたらしい」
北上「もうほんとやだあいつらのせいで。駆逐艦ほんとウザい……///」
大井「うふふ、北上さん頼まれると断れないから」
天板に顔を伏せてじたばたしてる北上の頭を、いい子いい子するように撫でる大井。
大井「けど、なかなかやりますねぇ、提督。じゃあ、私もひとつ、とっておきのエピソードを。実はこの前お風呂で……」
北上「ちょ、大井っちまでー!?」
~この後めちゃめちゃ二人とも怒られた~
提督「……まあ、けど、あれだよな、もう少し大きなこたつでも良かったかも知れないな」
北上「え、なんで?」
提督「その……なんだ、これだとお前ら二人は並んで座れるけど」
言葉に詰まる提督。
「さ……三人で並ぶには、無理があるからな」
しばしの沈黙。
大井「……はあ、馬鹿ですねえ」
北上「馬鹿だねぇ」
返ってきたのは、二人そろってのジト目だった。
北上「今の大きさだからいいんじゃん」
大井「大きな図体で照れてんじゃないですよ」
北上「可愛くないよねー」
大井「て言うかキモいです」
北上「あー、けど、アリかナシかで言うなら意外とアリ」
大井「わたしはアリかナシかで言ったら……」
北上「言ったら?」
大井「[ピーーー]」
提督「容赦なさすぎだろ!?」
>>8訂正
提督「……まあ、けどあれだな、もう少し大きなこたつでも良かったかも知れないな」
北上「え、なんで?」
提督「その……なんだ、これだとお前ら二人は並んで座れるけど」
言葉に詰まる提督。
「さ……三人で並ぶには、無理があるからな」
しばしの沈黙。
大井「……はあ、馬鹿ですねえ」
北上「馬鹿だねぇ」
返ってきたのは、二人そろってのジト目だった。
北上「今の大きさだからいいんじゃん」
大井「大きな図体で照れてんじゃないですよ」
北上「可愛くないよねー」
大井「て言うかキモいです」
北上「あー、けど、アリかナシかで言うなら意外とアリ」
大井「わたしはアリかナシかで言ったら……」
北上「言ったら?」
大井「死ね」
提督「容赦なさすぎだろ!?」
北上「あのさー提督、馬鹿だって言うのはうーん……そうじゃなくてさー」
ぽりぽりと頭をかく北上。
大井「……北上さん、この鈍感な人には、多分、言葉でただ言っても伝わりませんよ?」
提督「……?」
二言三言、耳元で内緒話した後、大井と北上の二人はちょいちょいと提督を手招きした。
大井「提督、ちょっとこたつ出て、立ってください」
北上「ほらほら早く。んでこっち来てー」
提督「いや、三人じゃどう考えてもキツいだろ」
大井「……チッ、うっさいわねぇ、ぐずぐずしてると撃ちますよ?」
提督「沸点ひっく!?」
北上「あはは、大井っち、抑えて抑えて。……提督も、いーから早くおいでってば」
立ち上がって傍に来るが、やはり二人の間には、ほとんどスペースがない。
無理やりぎゅうぎゅうに身体をねじこんで、やっと三人並んで座ってはみたが……
提督「……三人並ぶと、相当キツいな。やっぱりもう少し大きめの方が…」
北上「……まだ解らないとか、馬鹿だよねえ」
大井「……ほんと、馬鹿ですよねえ」
提督「……おい、さっきから馬鹿馬鹿って」
言いかけた提督の言葉は、両腕にぎゅうっとしがみついてきた、温かい身体の勢いに止められた。
北上「ほら、狭いからさぁ」
大井「これくらいくっつかないと、三人一緒には座れないですよね?」
北上「だからこうやって三人密着しちゃうのも」
大井「どうしようもない不可抗力という訳です」
北上「そう思って、あたしと大井っちで、この大きさのこたつに決めたんだけど」
同時に提督の顔をのぞき込んでくる二人。
大井「……なにか、質問が?」///
北上「……なにか、問題でも?」///
二人の頬が微かに赤らんでいるのは、多分こたつの温度設定が暑すぎるからというだけが理由ではなくて。
提督「……いや、ないな。質問も、問題も。」
外の寒さと関係なく、ここは、とても、あたたかくて。
提督「……いやほんと、ちょうどぴったりの大きさだ。」
結論。
こたつの中には、きっと幸せが詰まっているに違いない。
おしまい。
お目汚し失礼ですー。
北上さまと大井っちはとにかく可愛い。
二人セットで愛でるのこそが華。
おつー
もっと見たいなぁ...チラッチラッ
>>13が読めない
続きは?
コメント感謝ですー。
(*´∀`)ノ
単発でしか予定してなかったのですが、ちょっとなにかしらネタ思いついたら書いてみます
更新はいつになるか不明なので気長にお待ち下さい
あれ 酉変わってる?一応>>1本人です
今夜遅くに投下します
投下開始します。
携帯に書きためてたメモが一部消えてしまったので投下速度一定しないかもですが、ご了承下さい。
・
・
北上「ごちそうさまー。あー美味しかった♪」
提督「やっぱり、冬は鍋と、シメのうどんだよなー」
大井「お正月の残りのおもちを入れたのも良かったですねー」
とある鎮守府。
提督の執務室の奥には、提督と身の回りの世話をする者が暮らすための居住スペースが設けられている。
その中でもリビング的に使われている大きな部屋。
今そこには、部屋の床面積の約半分を占めるほどの大きなこたつが鎮座していた。
北上「そういや提督、もうすぐバレンタインだよねー。あたしたちとのケッコンカッコカリ記念日」
大井「ちゃんと覚えてくれてます?」
提督「当然だろ。お前らこそ、その日はちゃんと予定空けとけよ」
北上「もちろん。球磨姉と木曾っちに当直とか出撃の当番替わってもらったし」
大井「提督こそ、大丈夫なんですか?仮にも提督の立場にある人が、私たちとのデートのためにまるまるひと晩鎮守府を空けるなんて……」
提督「旅行とかは流石に無理だが、いざという時すぐに戻れる最寄りの町までなら大丈夫。一年前と違って、戦力も資材も充分揃えてあるしな」
三人にとっての初めてのケッコンカッコカリ記念日。
その夜は、三人だけでの外出時間を確保できるよう、以前から根回しを済ませてある。
提督「事務系の仕事は大淀に、敵襲とか戦闘面に関しては長門に秘書官代理を委ねることになるな」
大井「その辺りは問題ないでしょうけど、提督がいない間に、羽目を外して問題を起こす人がいないかが心配です。……どこぞの夜戦バカとか、酔っ払い軽空母とか」
北上「駆逐艦のチビどもも、提督がいないとなるとギンパイやらイタズラやらに精を出しそうだしねー」
イタズラという訳ではないが、過去に提督が出張に出た際には、「提督が帰ってきた時に手作り料理を用意して驚かせよう!」と企んだ某駆逐隊の手によって、駆逐寮でのボヤ騒ぎが起こったりしている。
提督「大丈夫だ。実務を担当するのはさっきの二人だが、その上に、みんなが絶対に逆らえない提督代理を置いた」
大井「大和さんとか武蔵さんですか?」
提督「んにゃ、間宮さん」
北上「あー、そりゃ、確かに逆らえないわ」
北上「そーいや提督って、昔、学生の頃のバレンタインとかどうだったの?士官学校生とか、ぶっちゃけエリートだし、それこそ通学路で、近所の女の子から告白とかあったんじゃない?」
提督「え?……そ、そりゃあまあうん、俺だってその頃はモテモテで、告白してきた女の子の5人や6人……」
大井「……提督、ちょっとその女たちの名前と現住所と特徴教えて下さいますか。そしたらちょっと出かけて来ますので」
提督「すんませんウソです冗談です見栄張りましたほんとごめんなさい!!」
こたつの天板の上に両手をついて、頭を下げる提督。
「っていうか、ほんとだったらそれ聞いて何する気なんだよ、怖えよ」
大井「うふふ、北上さんと私の立場をおびやかす恐れのあるものは排除しないと……」
北上「やだよー、大井っちがちょっと怖いよー」
大井「うふふ、もちろん冗談ですけどね」
提督「半分くらい本気に聞こえたぞ」
大井「冗談ですってば。……49パーセントくらい」
提督「半分超えてんじゃねーか!」
北上「大井っちってさー、基本的に、やきもち焼きの寂しがり屋だよねー」
提督「そうそう、最初、俺が着任したての頃なんて、俺が北上に話しかけようとするだけでも睨まれてたし」
大井「やだ、そんなの昔の話じゃないですか」
提督「……出会いなんか最悪だったもんな。何かで北上と冗談言って笑い合ってたら、その後いきなり大井に物陰に引きずり込まれて」
北上「わお、大井っち大胆だねー」
提督「慌てて、『単に話に花を咲かせてただけだ』って言ったら、こいつ何て言ったと思う?」
北上「?」
提督「『じゃあ、私も咲かせたいです……ただし、花が咲くのは、提督の身体にですけどね』って」
北上「」
大井「真っ赤な花って、綺麗ですよね~」
北上「いやごめん大井っち、上手くないし流石に引くわ」
大井「とにかく提督、バレンタインに、他の艦娘からチョコやプレゼントを受け取るのは構いませんけど、北上さんや私を裏切ったら……」
提督「わかってるわかってる、沈められても文句ないよ」
北上「駆逐艦のチビどもから、可愛らしいラブレターとかもらっても、デレデレした顔したりしたらダメだからねー」
提督「……うーん、ただそれ厳しくないか!? 別にデレデレするつもりはないけど、一応笑顔くらいは返して頭でも撫でてやらないと、逆にかわいそうだろ」
北上「チッ」
大井「チッ」
提督「舌打ちすんな、心狭すぎだろ」
北上「……ちぇーっ、しょーがない、それくらいは勘弁してやりますかねぇ」
大井「私も、つねるくらいで我慢します」
提督「あ、大井の方は、結局完全には我慢しないんだ。……一応、念のために聞くが、つねるってどれくらい?」
大井「3回転くらい」
提督「ちぎれるわ」
大井「大丈夫ですよ、骨まで達する訳じゃなし……」
提督「しれっと怖いこと言ってんじゃねーよ」
大井「じゃあ肉より骨を責める方向で」
提督「じゃあってなんだ」
提督「まあ、そんなこと言いながら、大井も何だかんだで実は後輩思いというか、面倒見がいいんだけどな」
大井「そんなこと……」
提督「覚えてるぞ?着任当初、俺が即戦力の充実を焦って、一部の主力メンバーにばかり育成や改修を集中してたら、『他の艦も強化してあげて』って直訴してきたのはお前だったろ」
大井「……」
提督「北上と一緒に水雷技術の教導に据えた時もそうだ。駆逐艦たちにはキツい態度で接してたが、あれは、大ざっぱな北上の講義で雰囲気が緩みすぎたり、逆に北上自身が流されたりしないようにフォロー入れてたんだろ?」
大井「……」
北上「ほえ~、提督、見るべきとこはちゃんと見てるんだね~」
提督「……当たり前だ。だからこそ、俺はカッコカリじゃなく、本当のケッコンのつもりでお前たちに申し込んだんだからな」
大井「……」
北上「あれーどーしたの大井っち、耳真っ赤だよ~?」
大井「……北上さんの意地悪」(ほんとにこの人は……普段は気が効かないし、ぶっきらぼうな朴念仁のくせに、たまに不意打ちで嬉しがらせるようなこと言うんだから。ほんとずるい……///)
北上「まあなんにせよ3人でお出かけなんてずいぶん久しぶりだし、楽しみだよねー♪」
大井「映画観て、ショッピングして、お茶して……」
提督「ちょっといい店で食事して、夜景の見えるホテルのバーで軽く飲んで」
北上「三人一緒にお喋りして、お風呂入ってゆっくり過ごして……」
提督「準備は万端、計画は万全。あとは、急な大規模作戦とか入りでもしない限り、問題ないな、あっはっはっは」
北上「そうだよねー、あはははは」
大井「そうですよねー、うふふふふ」
ピロピロピロピロwwwwピロピロピロピロwwゴーウィゴーウィ
北上「あれ、提督、電話鳴ってるよー」
提督「……大淀からだな。何だろうこんな時間に」
大井「まーたどっかの軽巡が騒いでるのかしらねぇ……」
立ち上がり、電話を取る提督。
「私だ。……ああ、前置きはいい、何事だ?……うむ……ああ、うむ……なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
突然跳ね上がった声のトーンに、二人が振り向く。
提督「……いや、了解した。すぐに準備にとりかかろう。30分後、各艦種の総代と、改二艦全員を、会議室に集めてくれ。ああ、頼む」ピッ
電話を切ってからも、提督はしばし無言で立ちつくしていた。
大井「提督、今の電話……」
北上「あ、なーんかやな予感」
振り向いた提督の表情を見て、二人の顔が引き締まる。
そこにあるのは、先ほどまでのくつろいだ表情とは全くの別物。
艦娘達を率いて深海棲艦との闘争に臨む、人類の守護者にして鎮守府の主の顔。
『提督』としての顔が、そこにあった。
提督「大本営より入電があった。トラック泊地が、深海棲艦の大群に強襲されたらしい」
こたつから立ち上がり、息をのむ二人。
提督「現在、トラック近海は潜水棲艦の群れが跳梁し、補給線は完全に断たれている。揚陸についてはなんとか現有戦力が水際で食い止めているらしいが……このまま放置していれば、陥落は時間の問題だな」
大井「そんな……!」
北上「トラックって、南方最大規模の前線基地だよね?それって相当やばくない?」
頷いてみせる提督。
提督「……という訳で、悪い報せといい報せがある。どちらから聞きたい?」
大井「……悪い報せからお願いします」
提督「トラック救援と深海棲艦の掃討の任が、この俺たちの鎮守府に下った。当然、普通に考えれば、一週間後のデートはお流れだな」
大井「……チッ、なんてこと……!確かに、最悪の報せですね」
大井が吐き捨てるように呟く。
一方、北上は張り詰めた表情で、まっすぐ提督の顔を見つめた。
北上「んで提督、良い報せってゆーのは?」
提督は無言のまま、二人の艦娘の顔を交互に見て……
そして、にやりと笑った。
「……トラック救援と深海棲艦の掃討の任が、『お前たちのいる』この鎮守府に下ったことと、『デートまではまだ一週間ある』ってことだ」
虚をつかれた表情でぽかんとする二人。
だが数瞬の間を経ずして、二人の顔に理解の表情が浮かび、その両の瞳に覇気と闘気のきらめきが満ちてゆく。
大井「……そういうことなら、北上さん」
北上「とーぜん、やることはひとつだよね、大井っち」
顔を見合わせ、次いで提督の顔を見上げる二人。大きく息を吸い込み、同時に叫ぶ。
大井・北上『一週間以内にぶっつぶす!!』
提督「……いい答えだ」
笑顔で二人の頭に手をのせ、わしゃわしゃとかき回す提督。
くすぐったそうに笑う二人に、もう一度にやりと笑いかけて、提督は踵を返した。
提督「さて、行こうか、お二人さん」
大井「酸素魚雷を撃ちまくりに出撃よ!」
北上「ギッタギッタにしてあげましょうかねぇ!」
歩みを進める海軍提督の後ろにつき従うは、鎮守府最強の、二名の重雷装巡洋艦。
このあたたかい場所を後にして、三人は戦いの地に向かう。
暁の水平線に、勝利を刻むために。
そしてまた、このあたたかい場所へ帰ってくるために。
そう、ここが三人の帰る場所。
大丈夫、どれほど戦いが長引こうと、激しかろうと。
ぬくもりとやすらぎをそっと守りながら、三人の主を待ちながら。
こたつは変わらず、きっとそこに在るから。
おしまいだよ。
お目汚し失礼しました。
明日からいよいよイベント開始ですね。
提督同士諸君、共に頑張りましょう。
あと、バレンタインも近いですよね。
お菓子会社の陰謀と言ってしまえばそれまでですが、この日がケッコンカッコカリ一周年記念日の提督は多いはず。
素直にお祝いしましょう。
あと、万が一母親からチョコレートを貰うことがあったなら、一応感謝してあげて下さい。
信じられないかも知れませんが、あれは善意です。
乙
アニメ大井のレズ100%っぷりに嫌気がさしてたので癒されたよ
ゲームのボイス昔に戻してくれないかなあ
>>39
ふくれっ面とか、表情は可愛いんだけどねー
ボイスはねぇ……
大井っちの「他の艦も強化してあげて」と、北上さまの「いいねぇ、しびれるねぇ……ありがとねっ♪」の二つだけは、改二でも聞けるようにしておいて欲しかった……
二人ともかわいいなぁもうニヨニヨ
サイコレズ?知らない子ですね...
>>41
時報ボイスとか、ネタとしては嫌いではないけどねー。
恋人というか友人として付き合って楽しいのは断然北上さまだけど、正妻力が強いのは実は大井っちの方だとイメージしてる
イベント開始から5日、
Eー5甲作戦クリアしました!
ラスボス敵残機残り2隻、2択を見事選んでカットイン決めてくれる北上さままじ俺の嫁北上さま
ちなみにドロップも北上さまでした。
未所持の山雲掘りと朝霜掘りが残ってるのでイベント中は難しいですが、落ち着いたら何か小ネタでも投下したいと思います
月末に投下できたら……いいなぁ……
月末頃とか言ったな、あれは嘘だ。
15:00頃から投下予定。
※例によって携帯メモを編集しながらなので、投下速度、量にバラつきあり
※キャラ崩壊注意
※時系列崩壊注意。バレンタインが終わった?……残念、錯覚だ
・
・
多摩「……んじゃ、そろそろはじめるかにゃ」
木曾「……だな。じゃあ、改めて今回の大型作戦の成功と、勝利を祝しての二次会ってことで……」
球磨型一同
「「「「『カンパーイ!!』」」」」
とある鎮守府。
提督の執務室の奥には、提督と身の回りの世話をする者が暮らすための居住スペースが設けられている。
その中でもリビング的に使われている大きな部屋。
今そこには、部屋の床面積の約半分を占めるほどの大きなこたつが鎮座していた。
こたつの上には様々な酒とグラスが並び、カセットコンロの上にはぐつぐつと湯気を立てる大きな土鍋。
それを囲んでいるのは、球磨型の艦娘五名である。
球磨「いやー、お疲れだったクマ」
大井「最後の一撃はほんとに素敵でした、北上さん」
北上「戦艦水鬼に、戦艦棲姫2体だっけ?あいつらほんと固かったよねぇ~、あたしゃ疲れたよ~」
深海棲艦によるトラック急襲の報が入り、その救援および敵殲滅作戦の命令が下ったこの鎮守府。
5日間に渡る、度重なる出撃の末、敵の中核である戦艦水鬼を撃滅することに成功。
トラックを襲撃した深海棲艦の群れはちりぢりになって逃げ去った。
無論、その次の日も、残敵の掃討確認や復旧部隊への引き継ぎはもちろん、損傷を受けた艦の修理や消費資材の確認と、不眠不休の作業は続き。
今日になって、鎮守府はようやく普段の落ち着きを取り戻しつつあるところである。
木曾「……まさか、本当に一週間かけずに終わらせるとはな」コノサケウマイナ
北上「まあ、あたしと大井っちが組めば、無敵だよねー♪」アタシモノムー
球磨「優秀な妹たちを持って、ねーちゃんは鼻が高いクマ」ホラタマ、アツイカラフーフースルクマ
木曾「……まあ、最終的な残り資源の量を見て、大淀さんと提督は青い顔してたけどな」プハー、モウイッパイオカワリ
多摩「潜水艦の面々は青いの通り越してクリーム色みたいな顔色してたにゃ」クマハヤサシイニャ、アトキソ、ノミスギハヨクナイニャ
北上「ユーなんとかだっけ?新人の潜水艦娘。着任早々『歓迎会がわりのオリョクルデビューでち!』って先輩たちに連れ出されてたね~」ア、オオイッチ、オショウユトッテ
多摩「あれはもう拉致そのものにゃ……多摩だったら身投げするレベルにゃ……」ハタラキタクニャイデゴザル
大井「潜水艦が身投げしても意味ないでしょ」ハイ、キタカミサン♪
大井「けどあのユーなんとかって娘、同じドイツ艦でも、ビスマルクさんとか今までいた人たちとは、ずいぶん雰囲気が違ったわね」
木曾「わかってねえなぁ。あーゆーのに限って、なんかのきっかけで急にはっちゃけたりするんだって」チッチッ
多摩「……木曾が言うと説得力があるにゃ」
球磨「……そうクマね」
木曾「どーゆー意味だよ」
北上「あぁ、まぁうん……そうねぇ、説明してほしい?」
木曾「……いや、やめとく」
多摩「そういえば、明日は二人は、提督とお出かけの日だったかにゃ?」
北上「うん。実際に外出するのは夕方からだけど。……球磨姉と木曾っちには仕事色々替わってもらっちゃって、ほんとありがとねっ♪」
大井「本当ごめんなさい。まだ作戦終了直後で、バタバタしてる時期なのに……」
球磨「なめるなクマー。可愛い妹たちのためなら、それくらいのこと、ねーちゃんにとってはむしろ本望クマ」
木曾「任せておけ、お前らに最高の休日を与えてやる!」
多摩「……球磨と木曾は、ほんと女にしておくのがもったいないイケメンにゃ」
北上、大井はもちろんだが、球磨や多摩、雷巡に改装した木曾たちも、今やそれぞれに水雷戦隊を取りまとめる身である。
球磨型五名が全員で揃って話をする機会も、ずいぶん長いこと失われていた。
今夜は、大本営からの来賓をもてなさなければならない提督が深夜まで不在の予定。
「せっかくだからこの機会に」との提督の計らいで、今夜のこたつ部屋は、いわば久しぶりの球磨型同窓会の会場となっていた。
とは言え、会話と同じくらい食欲に心が傾くのは女子会の常である。
・
・
球磨「……この鶏肉の鍋、すっごく美味しいクマー!」
木曾「うん、このスープ!あっさりして透き通っているのに、コクがあって……美味いっ、美味すぎるっ!!」
北上「あはは、美味しいよね~」
大井「鶏ガラスープに、煮干しとシイタケのダシを加えて、薄口醤油と酒、ザラメで甘めのスープにしてるんです」
木曾「この赤くて辛いの入れるとまた、ピリッと刺激が強くていいなぁ!」
北上「あ、それ自家製の食べるラー油。熱々のご飯にのっけて、お醤油垂らすだけでも美味しいよ~」
多摩「この浅漬け、味はしっかり付いてるのにパリパリした歯ごたえは残ってて最高にゃ……この甘みと香りは、麹(こうじ)かにゃ?」
大井「ご明察。正確には塩麹(しおこうじ)、って言うんですけどね」
木曾「……アリだな!」
並んだ料理を絶賛するゲスト組。
球磨「……いやー、大井は料理上手と聞いていたけど、こんな料理を毎日食べられる提督と北上は、幸せ者クマ!」
大井「うふふ、でもこの味付け、私が考えた訳じゃないんですよ」
多摩「間宮さんにでも教えてもらったんにゃ?……まさか北上が?」
北上「んな訳ないじゃん。あたしは食べる専門。間宮さんでもないよ~」
木曾「んじゃ誰が……」
北上「提督」
球磨・多摩・木曾「「「!?」」」
北上「ああ見えて提督ってさぁ、実は料理が趣味なんだよ」
大井「私は基本的な洋食やお菓子くらいが精一杯ですけど、提督は和食から中華、イタリアンまでなんでもOKですからね」
北上「あたしら、演習やら出撃やらで提督より帰り遅くなること多いから、どっちかっていうと提督が晩ご飯作ってくれること多いよね」
球磨「じゃあ、この鍋の味付けって……」
大井「提督の直伝です」
木曾「この食べるラー油も……」
北上「提督のお手製」
多摩「このお漬け物も……」
大井「もちろん提督の仕込みです」
球磨・多摩・木曾「…………」
北上「あれ?どーしたの、三人とも。なんかぷるぷるしてるけど」
「「「……ズ……」」」
大井「ず?」
球磨「ズルいクマー!」
多摩「ズルいにゃー!」
木曾「ズル過ぎるっ!」
絶叫する三人。
球磨「こんな美味しいものをほとんど毎日作ってもらえるなんて、反則だクマー!」
多摩「多摩も提督とケッコンしたいにゃー!」
木曾「う……うらやまし過ぎるっ!!」
ギャーギャーワーワー
騒ぎ立てる三人に、北上と大井は顔を見合わせて、
北上「だめだよ♪」
大井「いやです♪」
にっこりと笑った。
北上「……提督はさ、あたしたちのだから」
大井「……提督は、私たちのですから」
北上「だからお願い♪」
大井「……盗らないでくださいね♪」
球磨(……北上の上目づかいが可愛いクマ)
多摩(……大井の笑顔が怖いにゃ)
木曾(今の自分は98レベル……あと少し経ったら……!)
和気あいあい(?)、鎮守府の夜は更けてゆく。
すいません、ちょっと離席します
16:30くらいまでには再開できると思います(再開するとは言ってない)
再開するでち
・
・
・
北上「……さて、お酒もなくなっちゃったし、そろそろお開きにしようか」
大井「そうですね、明日も控えてますし……あ、北上さん、洗い物はやっときますから大丈夫ですよ」
球磨「……いやー美味しかったクマー。お腹いっぱいで幸せクマー」
多摩「もう動きたくないにゃ……多摩は一生ここで暮らすにゃ……」
木曾「おーい二人とも、さっさと用意しろ。司令官が帰ってくる前にお暇しなきゃ迷惑だろ。……ほら、軽巡寮に帰るぞ」
ぐずる子供を引きずり出すように、球磨と多摩とをこたつからひっぺがす木曾。
北上「なんか悪いね~急がせちゃって」
木曾「いや、司令官も疲れて帰ってくるだろうしな。留守の間にお邪魔したと、よく伝えておいてほしい」
球磨「むぅ……なんか木曾の方がしっかり者に見えてズルいクマー……屈辱だクマー……」
多摩「決めたにゃ……次に木曾のお給金が入ったら、多摩たちの部屋にもこたつを買うにゃ……」
木曾「なんで俺の給金がそこに出てくるんだよ。だいいち、もうふた月もすれば春だぞ」
多摩「大丈夫にゃ、問題にゃい」
球磨「いい選択クマー」
木曾「あーもうこいつら、面倒くさ過ぎるっ!!………んじゃ、二人とも、今日は馳走になった。司令官によろしく」
北上「あいよー」
大井「気を付けて帰りなさいね~」
わいわいと騒ぎながら、寮への帰途につく三人を見送って、北上と大井はふふ、と笑い合った。
・
・
・
北上「……」ペラ
大井「……」ペラ
北上「……」ペラ
大井「……」ペラ
騒がしい宴の後の片付けも終わり。
北上と大井はめいめい勝手にマンガを読んだり本を読んだりして時間を過ごしている。
……
……
不意に、部屋の外にかすかな足音と人の気配がして、ドアが開いた。
カチャ
提督「……なんだ、まだ起きてたのか」
北上「あ、提督だー♪」
大井「提督、お疲れ様です♪」
二人は立ち上がって、ぱたぱたと提督の前に駆け寄る。
そのまま無言でもじもじ。
しばし二人で顔を見合わせ、せーの、とタイミングを合わせる。
北上・大井『お帰りなさい、提督!』
提督「お、おう、ただいま」
そのまま両側から提督をハグするように抱きつく。
提督「ど、どーしたんだ、二人とも?」
北上「あーごめん提督、ちょっと黙ってじっとしてて」
大井「今提督成分の補給中ですから」
提督「提督成分て……」
最初は面食らった提督も、苦笑して二人の身体を抱きしめ返し、二人の髪に交互に顔をうずめる。
北上と大井も、提督の胸にすりすりと顔を押し付けて、これが猫ならば、のどをごろごろ鳴らしていそうな風情である。
北上「……この一週間、ずっと生きるか死ぬかの瀬戸際やっててさ~」
大井「……やっと戻ってきても、お互いほとんど不眠不休の作業が続いていて、提督とはお話もできませんでしたし」
北上「……寂しかったんだからね?」
提督「……ああ、俺もだよ。寂しかったし、怖かった」
提督は目を閉じて、二人を抱きしめる腕に力を込めた。
提督「お前たち二人に限ったことじゃないが、帰りを待つ時はいつもそうだよ。……特に今回みたいな激しい戦いの場合はな」
提督「無事に戻ってきて欲しい。沈まないで欲しい。もう一度帰ってきて笑顔を見せて欲しい」
提督「……勝利よりなにより、『君死にたまふことなかれ』……俺が願うのはただそれだけだよ」
大井「……確か、与謝野晶子でしたっけ」
提督「ああ、よく知ってるな。軍人が読むべき作品にあらずと、士官学校ではほとんど有害図書に近い扱いだったがな」
~~~~~~~~~~
君死にたまふことなかれ
あゝおとうとよ、君を泣く
君死にたまふことなかれ
末に生まれし君なれば
親のなさけはまさりしも
親は刃を握らせて
人を殺せとをしへしや
人を殺して死ねよとて
二十四までをそだてしや
(中略)
君死にたまふことなかれ
すめらみことは戦ひに
おほみずから出でまさね
かたみに人の血を流し
獣の道で死ねよとは
死ぬるを人のほまれとは
おほみこころのふかければ
もとよりいかで思されむ
(中略)
暖簾のかげに伏して泣く
あえかにわかき新妻を
君わするるや、思へるや
十月も添はで 別れたる
少女ごころを思ひみよ
この世ひとりの君ならで
ああまた誰をたのむべき
君死にたまふことなかれ
~~~~~~~~~~
北上「ん~、難しいことはよくわからないからいいや~。要は、生きて帰ってきて、一緒に幸せになろうよ、ってことでしょ?」
提督「……まあだいたい正解だよ。お前は、シンプルでいいな」
大井が提督の表情を見てくすりと笑う。
大井「……提督、与謝野晶子といえば、こういうのはご存知です?」
大井が提督の顔の前に手を突き出して、人差し指を一本立てる。
大井「柔肌(やわはだ)の 熱き血潮に触れもみで 寂しからずや 道を説く君 」
もうひとつ、と、さらに中指が立つ。
大井「春みじかし 何に不滅の命ぞと ちからある乳を 手にさぐらせぬ」
提督「……言いたいことはだいたい解った」
苦笑気味に提督が応じる。
北上「どーゆー意味さ?シンプルに言ってよ、シンプルに」
大井「……えっとね、北上さん」
提督「……意訳するとだな」
提督「『こんないい女二人を前にして、何くっちゃべってんですか、早く乳でも揉んでください』って言ってんだよ、大井は」
北上「ふえぇっ!?」
大井「……正解です///」
北上「やだ~!大井っちのエッチ~///提督のすけべ~///」
にやにやしながら二人をつつく北上。
提督「すけべで結構、そんなこと言う生意気な艦娘は……こうしてやるっ!」
北上「きゃー、きゃー!」
大井「提督、はしゃぐのはお風呂入ってからにしてください、あと私も混ぜて下さい」
北上「ちょ、大井っちー!?」
キャーキャーワーワー
どたばたと、こたつの回りに弾ける三人の声と足音。
こたつの中も外も、騒がしくも幸せ色の空気があふれている。
それもそのはず。
三人は気づいてなかったが、たった今、日付が変わったのだ。
今日は、女の子が少しだけ素直になれる日。
2月14日、
ハッピーバレンタインなのだから。
おしまいだよ。
投下終了
お目汚し失礼
素直にすりすり甘えてくる北上さまって破壊力高いと思うの。
乙です。
やっぱりいいなぁこの二人、俺もこの二人で何か書こうかな?ネタはあることはあるんだが。
>>79
是非書けばいいと思うの
ハイパーズのカッコいいSSもっと増えろ
>>78
すごく、よく、わかる
>>81
同志……!
(*´∀`)人(´∀`*)
>>83
コメ感謝(*´∀`)ノ
バレンタインには結局間に合わなかったよ……
現実に北上さまみたいな子いたら絶対好きになる
>>84
sagaとsage間違えてた
おまけに酉まで……
今日は来ました。
まだ書きため途中なので、今夜のうちにエピソードまるまる投下できるか不明ですが、23時頃から投下していきたいと思います。
投下開始します。
とある鎮守府。
提督の執務室の奥には、提督と身の回りの世話をする者が暮らすための居住スペースが設けられている。
その中でもリビング的に使われている大きな部屋。
今そこには、部屋の床面積の約半分を占めるほどの大きなこたつが鎮座していた。
だが、今夜はちょっと慌てた雰囲気のようで……
北上「……ごめんよ大井っち~、提督~。頼まれた買い出し、すっかり忘れてた……」
大井「まあまあ北上さん、うっかりは誰にでもあることですから、しょうがないですよ」
提督「……とはいえ、見事に食材買い忘れてたな」
大井「炊飯器に少しご飯残ってますけど、三人分には足りないですねー」
北上「冷蔵庫の中もほとんど空っぽだよ~。肉や魚はさっぱり、卵も残り一個だけ。野菜室にも大根の切れっぱしくらいしか……」
大井「ご飯炊き直すのも時間かかりますしねぇ」
北上「調味料は大抵揃ってるけど、提督、普段レトルト食品とかあんまり買わないもんねぇ」
大井「……そうよ、提督の作戦指揮が悪いのよ。北上さんは悪くないわ♪」
提督「理不尽にも程があるな……っと、残ってるのは……正月の残りの餅くらいか……」
北上「ご飯とお餅かぁ。おかず無しはちょっと寂しいよね~。……うん、あたしちょっと買い出し行ってくるわ。二人ともこれでも食べて待ってて」ガサ
大井「コロッケ?」
北上「うん、お昼、コンビニで買ったんだけど、急な出撃で食べそこねちゃってさ~。1個しかないし、冷めちゃってるけど、あたしが帰ってくるまで、二人で、これ半分こして食いつないでてよ」
大井「そんな……!北上さん、そんなの、ダメよ……!」フルフル
大井「これはあなたの命綱も同然……!何の補給もなしに、この冬空の下に出るなんて自殺行為よ!」
北上「大井っち、大丈夫だよ。あたしは、必ず生きて戻ってくる」キリッ
大井「だめよ北上さん!行くなら私も一緒に……」
北上「……ううん、ダメだよ大井っち。大井っちまでここを離れたら……いったい誰が、提督を守るのさ?」
大井「あぁ、北上さん!あなたは残酷だわ!残るも留まるも、どちらも半身をちぎられる思い!!いっそ、このまま三人で……」
北上「ううん、そんなのはダメ。誰が欠けても、残りの二人が支え合って、必ず最後まで生を全うする。それが、三人の約束でしょ?」
大井「北上さん……!」
北上「誰より信頼する大井っちだからこそ、誰より大事な提督を預けられるんだよ。その逆も同じ」
大井「せめて……せめてぎゅっと抱きしめさせて下さい。少しでも、あなたにとっての温もりになれるように……」ギューッ
北上「大井っち、ありがとね。後は、頼んだよ……」ギューッ
大井「北上さぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!」
北上「大井っちぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
提督「……あ~~、こほん。二人してノリノリのところ悪いんだが……」
提督「……この小芝居、いつまで続けんの?」
大井「……むー、いいとこでしたのに」ギュー
北上「あははっ、いいねぇ~、しびれるねぇ~、さすが大井っち♪」ケド、ソロソロハナシテ
うお、すまん
明日の仕事の件でメール入ったからちょっと中断
日付変わる頃には戻ります
感想等はご自由に書きこみOK
あった方がモチベーション漲ります
大井っちは手作りのお菓子や料理を食べてもらうタイプ
北上様は買ってきたお菓子なんかを二人で一緒に食べるタイプだと思う
>>101
わかる
再開します
提督「しかも勝手に俺のことまで小芝居に盛り込みやがって……罰としてこれ、没収な」コロッケトリアゲ
北上「あー、あたしのコロッケ―!」
大井「……提督、それはさすがに大人気ないというか意地汚いというか……食べ物の恨みは、恋の怨みに匹敵するんですよ?」ジャキッ
提督「主砲を向けんな、コロッケひとつで艦娘が提督に反乱とか、俺の首ひとつで済まんわ」
北上「あたしのコロッケ……」
提督「俺と大井にくれるんじゃなかったのかよ。とりあえず北上、買い出しに行く必要はないぞ」
北上「へ?でもそんなコロッケひとつじゃ三人ぶんのおかずには……」
提督「いいからいいから。それから大井。……お前さっき、俺の作戦指揮がどうとか言ってたよな?」
大井「え?やだぁ、私、そんなこと言ってましたっけ?」
提督「その言葉……後悔させてやろう」
提督「……戦というものは、常に万全の状態で戦えるというものではない」
提督「……限られた資源と戦力の中でどう戦うか。海軍提督の作戦構想力、とくと見せてやる」
大井「……えーと、なんか勇ましいこと言ってますけど、晩ご飯の話ですよね?」
北上「なんか、提督も変なスイッチ入っちゃってる……」
提督「とりあえず大井、まずはこたつにカセットコンロと土鍋の用意を頼む」
大井「お鍋ですか?でも、食材なんて何も……」
提督「とりあえず湯を沸かして、鶏ガラスープの素を放り込んどいてくれればいいよ」
大井「……了解です。とりあえず準備しますね」
提督「北上はこれ頼む」
北上「おろし金?……ああ、なるほど」
提督「……さて、俺は台所だな」
まずは小さめの中華鍋に油を注ぎ、コンロにかける。
油が充分熱くなったら、餅の表面にまんべんなく片栗粉をまぶして、ひとつひとつ揚げていく。少々揚げすぎたり表面が膨らんで割れたりとかは気にしない。
表面の片栗粉がきつね色に変わり、餅が全体的にぽっこり膨らんできたら、油から引きあげて、キッチンペーパーの上で余分な油を切っておく。
一方、もうひとつのコンロでは、酒と水を半々くらいに注いだ小鍋を火にかけ、アルコールが飛んだところで麺つゆを加えて味を整える。
水溶き片栗粉を加えて火を落とし、軽くとろみがつくまでかき混ぜれば、とろりとしたあんかけダシの出来上がり。
ブナシメジとか玉ねぎでもあればなお良かったが、ないものねだりをしてもしょうがない。
あとは先ほど揚げたお餅を小鉢に盛り付けて、その上に、先ほど北上にすってもらっていた大根おろしをちょん。
おろし生姜のチューブを大根おろしのわきにちょいと絞って、それら全ての上に、先ほどのあんかけダシをとろりとかける。
提督「ほら、まずは一品出来たぞー」
北上「うわ、何これ美味しそう」
大井「揚げだし豆腐ならぬ、揚げだし餅ですか……なるほど、お正月の流れで、ついついお餅といえば、焼き餅かお雑煮しか思い浮かばなくなってました……これは盲点でしたね」
北上「ね―提督、ほんじゃさ、この鍋は―?」
提督「ああ、これはな、このスープにご飯をぶち込んで……」ザバザバ
大井「あぁなるほど、具なしの雑炊にするわけですか」
北上「そのままご飯のままで食べるより、かさも増えるもんね―。三人ぶんにはちょっと足りないご飯もこれなら、って訳だ」
大井「……ご飯入れても、スープの中でほぐしただけで、ほとんどかき混ぜないんですね?」
提督「ああ。かき混ぜすぎると粘りが強くなりすぎて、米食ってんだか糊を食ってんだか解らなくなるんでな」
北上「あ~それでか。あたしが前に大井っちのために作った雑炊がべちゃべちゃになっちゃったの」
大井「いえいえ北上さん、風邪ひきの私のために作ってくれたあの雑炊の味……一生忘れません。こんな具なしの雑炊とは比べものになりませんわ」
提督「まあ、美しい回想に文句をつける気はないが……」
提督「だが、ひとつ訂正しておこう。……この雑炊が具なしだなどと、誰が言った?」
大井「……え?」
提督「……さて、ここでさっきのコロッケが登場だ」
北上「えぇ?」
提督「スープと飯がなじんだところで、このコロッケをまるごと鍋の中にど――――ん!!」
北上・大井「えええええええええええええええええええええ!!??」
くっ
このスレは楽しみではあるが今開くんじゃなかった...!
北上「あたしのコロッケ――!?」
大井「何してけつかる!!ん、ですか――!?」
提督「コロッケはスープにひたして、ふやけたところで箸で切るようにほぐして、と」
北上「ああああああああああ」
提督「粘りが出ないよう気を付けながら崩したコロッケを、全体的に混ぜたら」
大井「なになになにが起こってるんですかいったいなにが」
提督「ウスターソースをたらたら~っと」
北上「雑炊にソース!?」
提督「仕上げに溶き卵を回しかけたら、火を止め蓋して余熱で一分」
大井「あら、香りは……結構美味しそう、かも……?」
提督「蓋を開けて、ご飯と崩したコロッケ、半熟状態の卵とソースを軽く混ぜながらお椀に取り分けて、と」
北上「…ヤバい、なんか楽しみになってきたかも」
提督「俺提督流貧乏料理、『コロッケおじや』の出来上がりだ!さあ食え!」
北上「うっわ!?うっま!!」ハフハフ
大井「何ですかこれ?見た目は正直、かなりデンジャラスなのに……」フーフー
北上「鶏ガラスープを吸い込んだご飯と、崩したコロッケに、卵とソースの甘味と酸味がからんで」モッキュモッキュ
大井「コロッケの衣のパン粉も、ふやけたところとカリッとしたところで食感が違ってたりして」ズルズル
提督「見た目はジャンクだが、要は洋風の芋雑炊みたいなもんだからな。意外にイケるだろ?」
北上「おいしい~!鶏ガラじゃなくてコンソメスープとかで作るとまた雰囲気違いそう」
提督「ぶっちゃけ、ジャンク過ぎて、お客さんには出せない料理だがな。……家族相手ならまあ、いいだろ」
大井「確かに上品とは言えない見た目と味ですけど……これはこれで、アリですね!」
提督「士官学校生時代、エリートだなんだって持ち上げられてても、しょせんは貧乏学生だからな」
提督「腹減った時に、コンビニでコロッケ一個だけ買って、よく作ってたもんだ……まあ、青春の味ってやつだな」
北上「そうなんだぁ……」
大井「そうなんですね……」
・
・
北上「えへへ……ふ~ん、そっかそっかぁ♪」
大井「うふふ……そうなんですねぇ♪」
提督「……なんだ、ずいぶん嬉しそうだな?そんなに美味かったのか?」
北上「ううん、そうじゃなくて。……いや、美味しいのは美味しかったんだけど」
大井「さっきのって、提督の士官学校時代の、思い出の味……なんですよね?」
提督「ん、まぁそうだな。そこまで大げさなもんじゃないが」
北上「……あたし達が知らない頃の提督が食べてたものを一緒に食べて」
大井「私達が知らなかった提督の思い出をまたひとつ共有できて」
北上「こんな嬉しいことってないよ」
大井「こんな幸せなことってないですよ」
提督「お前ら……」
北上「さっきさ、あたし達の事、『家族』って言ってくれたじゃん?」
大井「あれね、すっごく……泣きたいくらい、嬉しかったんです」
北上「こんな世界でさ、こんな艦娘なんてもんやっててさ」
大井「実際、明日の命も知れない身ですけど」
北上「それでも……こうして、提督との思い出を増やしていける、それが……たまらなく嬉しいんだよ」
大井「あなたと一緒に重ねていくこの時間が……たまらなく愛しいんです」
北上「……さっきはネタにしちゃったけど、あの約束」
大井「私達三人の中で、誰か一人が欠けたとしても、後を追うことだけは絶対に許さない」
北上「残りの二人は支えあって、守りあって、必ず生を全うしなくちゃいけない……考えてみればさ、ずいぶんと残酷なルールだよね」
提督「……昔のお前らときたら、片方が沈んだら、残りが仇を討った後、すかさず後を追うか、水をもらえない花みたいに枯れて消えちまうか、どっちかみたいにしあ思えなかったからな」
大井「……私はそれでも良かった。私が沈んでも、北上さんが仇をとってくれる。恐れなんてなかった」
北上「……あたしもそれで良かった。あたしが沈んでも、大井っちがついてきてくれる。怖くなんてなかった」
大井「あなたのせいです。あなたがあんな約束させたから、先に沈んで、一人でずっと待ってなきゃいけないことが怖くなった」
北上「提督のせいだよ。『みんなの中での一番じゃなくても、誰かにとっての一番にはなれる』……それを教えてくれたのは、大井っち以外は提督だけだったからさ。……そんな提督のせいで、二人を後に残して一人では逝けなくなっちゃった」
畜生、噛んだ。
訂正
114
提督の台詞
「しあ思えなかったからな」→「しか思えなかったからな」
北上「……だから提督。死んじゃやだよ」
大井「……ですから提督。生きていて下さいね」
北上「約束だから、後は追わないけど」
大井「約束ですから、精いっぱい生き抜きますけど」
北上「……多分、後を追うまでもなく、提督がいなくなっちゃったら、あたし達長くは保たないよ」
大井「多分、水をもらえない花のように寂しくて」
北上「水をもらえない魚みたいに苦しくて」
北上・大井「だから提督……」
提督「……ああ、解ってる。この三人はもちろん、俺たちのうち誰一人欠けることなく、戦争を終わらせよう。終わらせなきゃな」
二人の顔を見ないまま、男は応える。
顔を見なくても、二人は察する。
想いはひとつ。
このあたたかい場所を守りたい。
来年も、再来年も、何十年先も。
冬がくるたびにこのこたつを囲んで、三人で過ごせればいいと。
そう思いつつ、願いつつ。
提督と二人の艦娘は、こたつの中で
そっと手をつないだ。
おしまいだよ。
乙
投下終了
お目汚し失礼でしたー
Eー5甲クリア以来、資源を貯めては溶かし、貯めては溶かし……
それでも朝霜は居ません(涙目)
乙
おつー!
泣ける(´;ω;`)ブワッ
>>118、>>120
乙感謝♪
>>121
書きため間に合わず、見切り発車のままゆる甘で書いてたらいつのまにかラストこうなった
見直したら文章直したいとこたくさんあったけど、三人が黙ってこたつの中で手をつなぐラスト2行だけは自分でもお気に入りです(*´ω`)
>>117が読めない
乙
お餅が放置されてるような気がww
>>126
何故バレたしwww
>>111
「何してけつかる!」って何処方言?大阪?
>>131
地方の方言ぽいぽい
続きみたいな~(チラッチラッ
乙でした
ちなみに>>1の分の朝霜はうちで元気にレベリングしてるから心配すんな
>>136
なぜばれたし
>>135
朝霜持ちだ!!
朝霜持ちだろう!?
なあ 朝霜持ちだろうおまえ!?
貴様(きさん)の首は要らん 朝霜だけ置いてけ――!!
>>137
ナゼダロウネェ ククク……
〈●〉〈●〉
皿
とりあえず>>1はまだ続き書けそうだな
>>138
つ朝潮
>>140
書いてみたいエピソードがあとひとつあるにはあるんだがプロットがまとまらない……お蔵入りになるかも
確実に書けそうなのは、いくつか小ネタくらいだな―
とりあえず長くても3月中にはこのスレたたむと思います
やっぱこたつは春にはしまわないとね
>>141
朝潮ならもう出来のいい子がちゃんといるわい
ていうか結局未実装は山雲と朝霜だけなのよね
ブルーシートとかプールを広げても良いのよーニッコリ
しまったらまた出さないとね!
>>144>>145
遅ればせながらコメ感謝
最近仕事忙しいわ菱餅7つしか集まってないわで 全然プロットまとまらない……
構想中のは遥か先で別スレ立てるかも
とりあえず今日は単レス小ネタのみ投下します
小ネタ『~例の日の翌朝~』
多摩「にゃあ……遠征帰りからの夜勤明けはつらいにゃ……」
球磨「もうじき提督達も帰ってくる頃クマ―。辛抱するクマ」
ブロロロ…(タクシーの音)
木曾「おっ、噂をすれば……司令官たちが帰って来たな。出迎えに行くか」
・
・
多摩「……にゃんか、車の中、光ってにゃいにゃ?」
木曾「……朝だってのに車の中で探照灯でも点けてるのか?」
球磨「……いや、違うクマ。あれは……」
ガチャ
北上「たっだいま――!!球磨姉、木曾っち、代理あっりがっとね――!!!」超キラキラ
大井「多摩姉もお疲れさまでした――!!!すぐ業務の引き継ぎしますからね――!!!」超ツヤツヤ
球磨「めっちゃ士気高揚してるクマ……」
多摩「笑顔がすっごい輝いてるにゃ……」
木曾「うおっまぶしっ」
球磨・多摩・木曾
(……いい休日になったみたいで、良かったクマ・にゃ・な)……)
「……こらこら、二人とも、元気がいいのは結構だが気を引き締めろ、ここからは任務中だぞ」
ガチャ
提督「……三人には、面倒かけたな。引き継ぎが終わり次第、自室に戻ってゆっくりしていいぞ。ああ、あとこれは土産のケーキだ。トランクと後部座席に全員ぶん積んであるから、みんなに配ってやってくれ」超絶キラキラツヤツヤ
球磨・多摩・木曾
(((一番キラキラしてるのお前クマ・にゃの・かよ!?)))
今日は投下これだけ。短くて申し訳ない。
キラなのか種なのか…
>>101
同意
しばらくぶりに来ました
小ネタ1本投下します
例によって携帯で編集しながらなので投下速度やもろもろはお察し下さい
小ネタ②
【恥ずか死ぬ大井っち】
・
・
大井「つっかっもぅぜ!♪ド○ゴンボール~!♪」
提督(………)
大井「にゃにゃーにゃにゃーにゃー♪にゃにゃーにゃにゃーにゃーにゃー♪」
提督(もうわかんねーのかよ!!)
提督(家に帰ると、誰もいなかったからか、大井が上機嫌で歌いながら料理していた)
提督(エプロン姿でノリにノッている)
大井「ダンシン砲~雷っ♪頭に撃てば~♪ダンシン砲~雷っ♪赤に染~まる~♪」
提督(こんどは替え歌!?しかも歌詞が怖え!)
提督(……さて、と……)
提督(ここで「ただいまー」とか言いながら普通に入っていくのは簡単なんだが……)
提督(高い確率で大井は恥ずかしい思いをするし、少なくとも何故か俺は悪くないのに大井からの逆ギレを受けるパターンになってしまう事は確実)
提督(俺が家に帰って来たことに気付いて無いのが原因なんだからここはひとつ……)
大井「あるー日♪森のー中♪」
提督(もう一回俺が執務室の方から入り直して、大きめに「ただいまー」とか言えば…)
大井「クマさーんに♪」
提督(よし、じゃあめんどくさいけどもう一度執務室に…)
大井「目・潰・し☆」
提督「何でっ!!??」
大井「!!!」ビクッ
大井「お、おかえりなさい……?」耳まで真っ赤
提督「クマさん可哀想すぎるだろ!!有無をいわさず目潰し……って……」
大井「……」
提督(しまった!童謡とは思えないとんでもない歌詞につい……!)
提督「いや……うん……独創的ではあるよな……」
大井「っていうか提督…」包丁を持って寄ってくる
提督「え?いや、あの…」
大井「いつ帰ってきてたんですか?」包丁を持って
提督「(包丁を降ろせ!!)えっと……さっき……かな?」
大井「どのくらい?」包丁を
提督「(包丁!!)ド、ドラゴンボールくらいかな……」
大井「だいぶ前じゃないですか―!!」
その後、包丁を突きつけられながら、「北上さんには絶対に喋らないでくださいね」とさんざん念押しされたのは別の話。
あと、北上じゃなきゃいいだろうと球磨に話したところ、しばらく大井の姿を見る度に球磨がダッシュで逃げるようになったのもまた別の話。
おしまいだよ。
投下終了
お目汚し失礼
3月中にまたなんかネタ浮かんだら来ます
おおいっち...wwww
おつですよー
>>164
ここの大井っちは三人で揃ってる時や他の人の目がある時は一番しっかりしてます
提督・北上のどちらかと二人でいるときは基本デレッデレです
一人でいるときは意外に抜けてますw
とりあえず包丁は下ろしなさい包丁はおつです
>>167
魚雷向けられるより包丁向けられる方が危機感強い不思議
小ネタ③
『例のアレ』
北上「……え?この間の訓練でやった、水雷戦技の模範演武の映像が?」
大井「海軍のイメージアップのためのPVに使われる……んですか?」
提督「ああ。模範演武としては、『凄いけど凄過ぎて参考にならない』とか、『なんだこの無駄に洗練された無駄のない無駄な動きは』とか、ぶっちゃけ教材として使い物にならないって評価だったがな」
大井「うぅ、すいません……」
北上「あっはっはー、ちょーっと調子にのっちゃったよねぇ~」
提督「……ちょっと?」
提督「必要以上にギリギリでよけるわ、無駄に動きをシンクロさせながらくるくるスピンするわ、標的の群れの真ん中に飛び込んで、回転しながら全方位に魚雷ばらまくわ」
提督「しかもそれで相手の攻撃全弾回避、こちらの攻撃全弾命中って……」
北上「あ~、あれ気持ち良かったね~」
大井「北上さん、素敵でした……」ウットリ
提督「『模範演武』の意味を調べ直してこいコラ」
提督「『※この雷巡は特殊な訓練を受けています、よい子は絶対に真似しないで下さい』ってテロップ流れるようなもん、お手本にならねんだよ!」
大井「ドヤァ」
北上「ドヤァ」
提督「やめろその顔」
提督「……まあ、訓練用の教材としてはともかく、一般の民間人への広報用PVの素材には、見た目が派手でウケがいいだろうってことでな。……広報の方から、あの時の映像を一部使わせてくれと話があったんだ」
北上「おぉ、これであたし達もアイドルデビュー!」
大井「北上さんの可愛さが認められるのは嬉しいですけど、那珂ちゃんさんみたいな扱いはちょっと……」
提督「那珂扱いを痛い子扱いみたいに言うな。……まぁ、お前たちが映るのはほんの数秒くらいのもんらしいがな」
北上「へえ~、まぁよくわかんないけど、別にかまわないんじゃない?とりあえずどんな風に使われるのか、楽しみだね~、ねー大井っち♪」
大井「そうですね~、北上さん♪」
・
・
・
北上「……で、PV完成して動画サイトに載せるって話を聞いてはいたわけだけど」
提督「……なんだこの再生数」
大井「ランキングとかにも載ってるらしいですよ?」
北上「すごいね~、まぁ、とりあえずいっぺん観てみようよ。このボタンで再生できるのかな?」ポチッ
♪アーサーノヒカーリーマブシークーテ♪ ウェィァッカ-ーッ♪
提督「……おっ、はじまったはじまった」
北上「へ~、コメントも画面に流れるんだ、面白いねー」
大井「北上さんの出番はまだかしら……」
・
・
・
♪ヤーミーノッナッカーデーモ アッルーキ-ダ-ス♪マイリースースールンダー♪
北上「吹雪っちの主役感、すごいね~」
提督「意外と出演した娘の数多かったけど、扱いが明らかに違うな」
大井「北上さんの出番はまだかしら……」
♪タットエッ♪セカーイーノッ スベッテガ ミイーロニートケーテモー♪ キットッ♪
♪アナタノッコエガッスルッ♪ ダ-イジョウブッ カエロッテッ デモッ♪
提督「おぉ、映った?」
北上「けど……?」
大井「キャー北上さん素敵ー!!コメント邪魔ー!北上さんが見えないじゃないですかー!!」
提督「」
北上「」
大井「キー、何よあれだけ?もっと北上さんとわたしを映しなさいよ~!」
北上「……」
提督「……」
提督「……なに今の、画面を塗りつぶさんばかりの勢いのコメント弾幕」
北上「……あたしに訊かないでよ」
――そう、画面上には、
『凄えwwwwww』
『かっけええええええええw』
『なんだ今の必殺技っぽいのwww』
『これが重雷装巡洋艦の本気……!』
『くっ……みえ……ない……!』
などの数々のコメントが流れる中、それら全てを圧倒して書き込まれた、
多数の
『 レ ズ コ プ タ ー 』
の文字が……
大井「……えーと、今のとこもっぺん巻き戻すのどうすればいいのかしら?……あっ、関連動画に無限リピートあがってる!!」キャーキタカミサーン
提督「……まぁ、大井が喜んでるみたいだし、いいか」
北上「……大井っちが幸せそうで何よりです」
おしまいだよ。
投下終了
お目汚し失礼
『レズコプター』最初に書き込んだ奴は絶許
ただしセンスは認める
ワロタwwwwww
あのカットかっこいいから俺も好きだけどな!
>>178
最初見た時、これ絶対、くるくる回りながら魚雷ばらまくんだ!!とわくわくしたのは俺だけじゃないはず
まあ、あの回避シーンもかっこよくて好きだけど
某スレ用に書いたネタの使い回しだけどw
せっかくなんで小ネタ投下します
既読の人はスルーして下さいね
小ネタ④
『禁じられた遊び』
「…いいかい、決して声を出してはいけないよ」
日曜の昼下がり、外出から鎮守府への帰り道。
客もまばらなバスの中。
隣の席からささやきかける提督の低い声に、北上は頷いた。
「声を出したらその時は…お仕置き――【罰ゲーム】だからな」
いつもの……提督のお気に入りの【ゲーム】だ。
提督は口元に薄い笑みを浮かべ、小型の機械をポケットから取り出した。
機械からは細いコードが伸びており、その先端にはピンクの小さな器具が付いている。
北上はコードの先のその器具を、提督の手から受け取る。
そして周りの席の客からは目につかないように、ゆっくりとその器具を、おのれの身体にさし込んでいった。
ねじ込むまでもなく、少女の肉体は、血の通わないその器具を易々と受け入れていく。
これが初めての経験というわけでもない。
ビーッとブザーの音が響き、停留していたバスが動き出した。
それに紛れるかのように、提督は北上に目で合図をした。
ごつごつとした男の手に握られた機械が、少女の目に見せつけられるかのように揺れる。
そして男の指はカチリ、とそのスイッチを押した。
いきなり、少女の肉体にさしこまれた器具が、振動をその体内に響かせる。
(……!!)
北上の体がぴくんと跳ねそうになった。
……強すぎる。
睨むような上目遣いで提督に訴えかけると、提督はやや慌てたように機械のダイヤルを操作した。
少女の体内に響いていた振動がやや控えめになる。
北上は周りを見回して、他の客に変に思われてないかを確認し、そろそろと息を吐いた。
(…いきなり声が出ちゃうかと思った)
だが、落ち着く間もあればこそ、さしこまれた器具は、絶え間ない振動を少女の肉体の奥に送り込んでくる。
時に強く、時に弱く。緩急と抑揚をつけながら。
北上は、確実にその刺激を楽しみながらも、決して声を出さないようにと自分に言い聞かせた。
時折こらえきれずに、ぴくりと肩が震える。
計算されつくした刺激が、少女の感覚を、感情を揺さぶる。
隣に座る男が、自分の表情を、その奥の感情を探ろうとしている視線。
(……くっ)
声が、漏れそうになる。
思わず、北上は隣に座る提督の服の袖を、ぎゅっとつかんでしまった。
驚いたような提督の顔が、次の瞬間、かすかな嗜虐の色をにじませた笑みを浮かべる。
(……っ!)
(ダメ…!)
(我慢…でき…ない…!)
必死に気持ちを落ち着かせようと、北上は持っていたペットボトルの栓を開け、中のお茶をひとくち口に含んだ。
そしてニヤついている提督と、正面から視線が合った瞬間。
「ブゲルフォァ」みたいな音を出して、口と鼻から盛大にお茶を吹き出した。
正面から鼻水混じりのお茶を浴びて、慌ててのけぞる提督。
はずみで、提督の持っていた機械からコードが抜けた。
スピーカーから響く笑い声と「お後がよろしいようで…」という落語家の声が車中に流れるのを聞きながら、
(…やっぱりバスの中で、『笑ってはいけない』ゲームとかやるんじゃなかった…)
咳き込む少女とビショ濡れの男は、しみじみと心から反省するのだった。
おしまいだよ。
投下終了
お目汚し失礼
いやあここってKENZENなスレだよね(棒)
俺は心が汚れているらしい
>>186
大丈夫、蓮の花は泥の中からこそ美しい花を咲かせるのだよ(聖人の微笑み)
蓮が漣に見えた
漣の花(意味深)
今日は来ました
後ほど投下します
なお今回の投下を最終エピソードとさせていただきます
今回はいつにも増して
※キャラ崩壊・文体崩壊
※申し訳程度の史実要素
※独自解釈という名の妄想
などなどひどいと思います
生あたたかい目で見て下さい
我慢出来ない方は栗田ターンお願いします
とある鎮守府。
提督の執務室の奥には、提督と身の回りの世話をする者が暮らすための居住スペースが設けられている。
その中でもリビング的に使われている大きな部屋。
今そこには、部屋の床面積の約半分を占めるほどの大きなこたつが鎮座していた。
今日は珍しく、北上・大井の非番日と提督の勤務休みが重なる日である。
北上「ふわぁ、ねむ……なんか最近さ~、昼間は随分ぽかぽかあったかくなってきたよねぇ」
大井「……そうですねぇ。いい天気ですし、後でお散歩でも行きましょうか」PCカチカチ
北上「大井っち、さっきからちょこちょこパソコンいじってるけど、なんか面白い話でも載ってる?」
大井「……プッ、北上さん見て下さいよこれ」
北上「ん~なになに?……え~と、『誕生花』について?」
大井「提督って、この前ちょうど誕生日を迎えたとこだったじゃないですか。それでふと思いたって検索してみたら……」
北上「ぷはっ、提督の誕生花、チューリップぅ?あっはっは、似合わない~!」
大井「……想像してみて下さいな北上さん。あの提督が噴水のそばとかで、チューリップの花束とか持って立ってるとこ」クスクス
北上「うーん……なんていうか、『今からデートに向かおうとしてる、シュッとしたゴリラ』?」
大井「ぷっ……あっはははは!北上さんったら酷すぎぃ!!」
北上「あっはっはっはっ! あ~ヤバい、自分で言ってアレだけど、なんかツボに入ったわ。想像したらもの悲しいというか何というか、ゴリラって侘びさびよね~♪」
ガチャ
提督「……誰がもの悲しいゴリラだ聞こえてんぞコラ」
大井「あら、お帰りなさい」
北上「あ、チューリップゴリラが帰ってきた」ケラケラ
大井「ちょ……もぅ!北上さん、笑わせないで下さいよ~」クスクス
提督「……人に間宮アイスをパシらせといて、ずいぶんと楽しそうだな、お二人さん。」
北上「トランプで負けた提督が悪いんじゃーん」
提督「まぁそりゃそうなんだがな……ほれ、これアイスとスプーン。あと、羊羹も買ってきたから、こっちは後で三人で分けよう」
北上「いいね~♪」
大井「あ、じゃあお茶も用意しなきゃ。お湯沸かしてきますねー♪」パタパタ
北上「……ねぇねぇ、ところで提督。提督を花にたとえたイメージは、あたしの中で、さっきチューリップに決定したわけだけど」
提督「あ、それ決定なのな……ていうか、ほとんどゴリラでチューリップ完全におまけだったじゃねえか」
北上「ただのゴリラじゃないからね!?シュッとしたゴリラだよ!?」
提督「どーでもいいわ、そんなこだわりポイント」
北上「でね、ちょっと聞きたいんだけど、あたしや大井っちのイメージを花でたとえたとしたら、何になるかな~?」
提督「うわ、何かまためんどくさいこと言い出したよこの子」
大井「あら、わたしも教えて欲しいですね~。提督が、ふだん私たちにどんなイメージを持ってるのか、興味あります」
提督「なに、そのけなす事が許されなさそうな、誉めろ誉めろ的プレッシャー」
提督「……まあ、ぱっと思いつくので言うなら、大井はクロユリで、北上はサボテンだぁな」
大井「『百合』ってところと、花言葉が『愛と呪い』だってところに、そこはかとない悪意を感じます」
北上「サボテンダー……って、それはあれか、あたしのあのポーズ、あの決めポーズのせいか?……えーん大井っち~、提督がいじめるよ~」
提督「人のことチューリップゴリラ呼ばわりする奴らに言われたかねーわ。あと北上、お前はあのゲームに毒されすぎ」
大井「……それにしたってクロユリって、なんか不吉じゃありません?」
提督「……まあ、多少からかう気持ちがあったのは認めるよ。気を悪くしたならすまんな」
提督「けど、アイヌの伝説だと、愛する人に気持ちを告げる前、密かに心をこめたクロユリをその人のそばに置いといて、気づいた相手が手にとってくれれば思いが通じ、必ず二人は結ばれる、って言われてるんだぞ?」
北上「おぉ、ロマンチックだー」
提督「そして、チューリップの花言葉は『愛の告白』。これはこれで、ぴったりじゃないか?」
大井「……っ」///
提督「……確かにお前は口も悪いし、態度もキツい。けどな大井。そのツンケンした態度がどこからくるのか、お前の根っこにあるのは何なのか――俺が、気づいてないとでも思ってたのか?」
大井「それは……」
提督「『今度こそ――北上を護らなきゃ』それが、お前の根っこだろ?」
大井「っ……!」
提督「……確かに、お前たちの前世――かつての軍艦時代、軍部はいろいろとひどかった」
提督「最初は、さも重雷装艦こそが、艦隊戦の勝敗を決める切り札だ、みたいに期待して持ち上げといて、結局、時代の流れに合わないからと、第一線の戦力からはあっさりお前たちを切り捨てた」
大井「……」
提督「活躍の機会が与えられないまま、輸送艦や訓練艦としてばかり扱われたあげく……特に北上は、一発も使わずに済んだとはいえ『あんなモノ』まで……」
北上「あぁ……うん、まあ……そうだねぇ」
提督「お前たちは、『あの戦争』で、結局最後まで人間の都合に振り回され続けた、不遇な艦だ」
提督「だから、艦娘として二度目の生を受けた今度こそ、無能な上司は我慢できない。理不尽な命令には従いたくない。上層部の都合に振り回されて、また北上が傷つけられるのは許せない」
提督「……その警戒心や猜疑心の表れが、あのお前の態度だろ?……まあ、行き過ぎというか、厳しすぎることもたまにあるけどな」
大井「提督……その……わたし……」
提督「確かに俺は鈍感だし、いたらないところは沢山あるけどな。あいにくと、誰かさんたちのおかげで、女を見る目にだけは自信があるんだ」
提督「……クロユリか。大いに結構じゃないか。花の見た目が黒かろうと、そんなの関係ない。誰かのために汚れ役を引きうけられる……そんなお前の根っこは、きっと誰よりまっ白だ」
提督「それを俺はわかってる。北上もわかってる。……それでいいだろ?それとも、不満か?」
大井「いえ……いいえ……そんなこと……ないです……」グスッ
大井「ごめんなさい……ちょっと……わたしお手洗いに……」パタパタ
ガチャ バタン
提督「……」
北上「あーあ。提督のばか。大井っち、泣いちゃったじゃんか」
提督「……」
北上「提督、ちょっと隣に座らせてね~」ゴソゴソ
提督「……」
北上「……えい、肘打ち」ポスン
提督「……痛てーな」
北上「大井っち泣かした罰だからしょうがないね」
提督「……まぁな」
北上「けどさ……ありがとね」
提督「……」
北上「……大井っちのこと、解ってくれててありがとね。好きになってくれてありがとね。ほんとにほんとにありがとね」
提督「……別に、礼を言われるようなことじゃない」
北上「それでも、だよ」
提督「そうか」
北上「……けど正直さ、ちょっと妬けちゃったよ。ちょっとだけだけど」
提督「妬けたってのは、どっちにだ?」
北上「どっちにだろねぇ。えへへ、自分でもわかんないや」
提督「……そうか」
北上「……ねぇ、提督、ちょっと肩にもたれかかっていい?」
提督「おう」
北上「ん、ありがとねっ♪ん~、楽ちん楽ちん」
提督「……」
北上「な~んか肩が寒いかも~。提督、ちょっとあたしの肩とか抱いて、ギュッとしてよ」
提督「へいへい」ギュッ
北上「はい、もう片方の手で頭なでて」
提督「注文が多いな……こうか?」ジブンノアタマ ナデナデ
北上「コラ提督、自分の頭なでてどーすんのさ。そーゆーの要らないから」
提督「隣に座って肩抱いたまま頭なでるのって、体勢的に結構無理があんだよ……」キタカミヲ ナデナデ
北上「あ~、うん、いい感じ。しばらくこうしてて」ゴロゴロスリスリ
提督「おう」ナデナデ
提督「……お前も、以前に比べたらずいぶん素直に、こうして甘えてくるようになったよな」ナデナデ
北上「……そうかなぁ」
提督「着任仕立ての頃のお前ってさ、へらへらというか、飄々とした笑顔で振る舞ってたからわかりにくかったけど、どこか心の壁というかバリアーみたいなのがあったろ。大井以外、一定以上は踏み込ませない、みたいな。むしろ大井の方が感情ぶちまけてくるぶん、解りやすかったな」
北上「ん~、そうかも?……あ、だからサボテンか」
提督「サボテンってさ、見てると癒されるよな。普段は地味なのに、たまに咲かせる花はびっくりするくらい色鮮やかで、可愛らしかったりするし」
北上「あ~うん、そ~いやなんか、ピンクとか赤とか、えらく情熱的な色の花咲かせてる写真見たことあったかも。えへへ、なんか照れるね~」
提督「ふっふっふ、もっと照れさせてやろうか?……サボテンの花言葉って、いろいろあってな。代表的なとこでは「枯れない愛」。ほかには、「熱情」とか「秘めた熱意」とか「偉大さ」なんてのもあるな。あ、あとこれなんか、北上にぴったりじゃないか?「暖かい心」とか「内気な乙女」とか……」
北上「ちょっ、ちょ、ストップストップ!もうそれ以上はやめて勘弁して!」///プシュー
提督「どーしたんだ内気な乙女北上」ニヤニヤ
北上「うぅ、そーゆーのに対する防御力はないんだよぅ……ってゆーか、なんでそんなこと知ってるのさ」
提督「趣味は料理と読書だし、隼鷹や飛鷹なんかはもと客船だろ?会談の宴席料理なんかだと、盛り付けはもちろん、部屋に飾り付ける掛け軸や花一輪についても気を使わないと失礼にあたったりするらしくてな。たまたまこの前そーゆー話題が出たんだよ。見た目はシュッとしたゴリラでも、たまにはこーゆー話題も出せるって訳だ」
北上「うわ、このゴリラ根にもってるよ……」
提督「……けどまぁ、お前がサボテンのままだったら、こんな風に撫でてやるのもひと苦労だしな。素直に甘えられる相手が増えるのは、いい傾向なんじゃないか?」ナデナデ
北上「……うん、そだね。……きっと大井っちや提督、それに、みんなのおかげだね」
北上「ねぇ提督、なんか今日、いろいろとありがとね」
提督「おう」
北上「これからもよろしくね。……あたしと、大井っちと」
提督「おう」
北上「……ふつつか者で、ほんとめんどくさい二人組だけどさ」
提督「おう、任せろ」
北上「ねぇ、提督」
提督「なんだよ」
北上「……大好きだよ」
提督「知ってる」
北上「そっか」
ガチャ
大井「……もう、ちょっと席を離れただけなのに二人でいちゃいちゃしてるんなんて、ズルいです」プンスカ
北上「あ、大井っちお帰り~♪」
提督(いい表情で帰ってきたな。ちょっとだけ目が赤いけど)
大井「……アイス、まだ少し残ってたのに、溶けちゃいましたね」
北上「溶けちゃったね~」
提督「どうする?せっかくだし、さっき買ってきた間宮さんの羊羹出すか?」
大井「それもいいですけど……せっかくだし、外に散歩にでも行きましょうか、三人で」
北上「そ~いやさっきそんなこと行ってたっけ。うん、行こっか、大井っち。ほら、提督も早く立って立って」
大井「ほら、行きますよ提督?」
提督「わかったわかった、そう引っ張るなって」
ワイワイキャッキャッ
とある鎮守府。
提督の執務室の奥には、提督と身の回りの世話をする者が暮らすための居住スペースが設けられている。
その中でもリビング的に使われている大きな部屋。
今そこには、部屋の床面積の約半分を占めるほどの大きなこたつが鎮座していた。
寒さに震える者にはぬくもりを。
繋がりに餓えていた者には安らぎを。
それらをこの冬の間、三人の主に提供しつづけていたこたつは、ようやく今年の役目を果たし終えようとしている。
そしてこたつがあろうとなかろうと、この部屋からぬくもりが消えることは、おそらくもうない。
窓からは陽光が柔らかく差し込み、外からは鳥の声がかすかに聞こえてくる。
そう、もう既に、
春は目の前に近づいてきているのだ。
だからまた、季節が次に巡るまで。
こたつは、しまって。
しばしの、おやすみ。
FIN.
『ハイパーズ と こたつ』
今度こそ、おしまいだよ。
投下終了
お目汚し失礼
単発の短編1本で終わるはずの初スレ立てでしたが、ここまで続けられたのは、読んでくれたみなさんのおかげです
本当にありがとうございました
またどこかで会えたらよろしくお願いします
コメント感謝
HTML依頼出してきますね
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